事業の概要
- デジタルエンタメ支援デジタルハーツホールディングスは、主にゲーム業界向けのデバッグサービスを提供しています。これは、コンソールゲームやモバイルゲームの不具合をユーザー目線で発見し、顧客企業に報告するサービスで、エンターテインメントコンテンツの品質向上を支える主力事業です。
- グローバル展開と多角化ゲームの海外展開に必要な翻訳や品質保証(LQA)、マーケティング支援を行うグローバルサービスも提供しています。さらに、ゲームの受託開発やグラフィック制作、ゲーム情報サイト「4Gamer.net」の運営など、多角的なサービスで収益を上げています。
- エンタープライズ向けQAWebシステムや業務システムなどの企業向けシステムに対し、不具合検出のシステムテスト、セキュリティテスト、ERP導入支援といったQAソリューションを提供しています。これは、企業のソフトウェア開発の品質向上を総合的に支援する重要な収益源です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- DHグループ事業主にコンソールゲームやモバイルゲームなどのエンターテインメントコンテンツを対象に、デバッグサービスを提供しています。海外展開支援やゲーム開発、メディア運営も手掛けており、売上高は236.30億円、営業利益は19.41億円と、グループの稼ぎ頭となっています。
- AGESTグループ事業Webシステムや業務システムなどのエンタープライズ向けシステムを対象に、QAソリューションを提供しています。システムテストやセキュリティテスト、ERP導入支援などが主なサービスで、売上高は161.18億円、営業利益は4.88億円です。
- 事業ポートフォリオのバランスDHグループ事業が利益の大部分を占めていますが、AGESTグループ事業の拡大も進めています。これにより、特定の業種への依存リスクを低減し、事業全体の安定性と成長性を高めることを目指しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| DHGroupReportableSegment | 事業 | 236 | 19 | 8.2% |
| AGESTGroupReportableSegment | 事業 | 161 | 5 | 3.0% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、純粋持株会社である当社、連結子会社22社、持分法適用会社4社(2026年3月31日現在)で構成されております。当社では、「SAVE the DIGITAL WORLD」という企業ミッションのもと、DHグループ事業及びAGESTグループ事業を展開することで、顧客企業におけるソフトウェア開発の品質向上を総合的に支援しております。なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。当社及び当社の関係会社の事業における当社及び当社関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 (1) DHグループ事業主に、コンソールゲーム、モバイルゲーム等のエンターテインメント向けコンテンツを対象に、以下のサービスを提供しております。① 国内デバッグ主に、コンソールゲーム、モバイルゲーム等を対象に、ソフトウェアの不具合をユーザー目線で検出し顧客企業に報告するサービスを提供しております。(主な関係会社)株式会社デジタルハーツ ② グローバル及びその他ゲームタイトルを海外展開する際に必要な翻訳・LQAやマーケティング支援等を行うグローバルサービスのほか、ゲームの受託開発・2D/3Dグラフィック制作を行うクリエイティブサービス、総合ゲーム情報サイト「4Gamer.net」の運営等を行うメディアサービス等を提供しております。(主な関係会社)株式会社デジタルハーツ 株式会社フレイムハーツ DIGITAL HEARTS Cross Singapore Pte. Ltd. Aetas株式会社 株式会社デジタルハーツクロスTokyo DIGITAL HEARTS (Shanghai) Co., Ltd. HUWIZ SOLUTIONS INC. DIGITAL HEARTS Seoul Co., Ltd. DIGITAL HEARTS USA Inc. (2) AGESTグループ事業当セグメントでは、主に、Webシステムや業務システム等のエンタープライズ向けシステムを対象に以下のサービスを提供しております。① QAソリューション主に、エンタープライズシステムの不具合を検出するシステムテスト、テスト自動化支援、セキュリティテスト、ERPの導入支援等のサービスを提供しております。 (主な関係会社)株式会社AGEST LOGIGEAR CORPORATION AGEST Vietnam Co., Ltd. DEVELOPING WORLD SYSTEMS LIMITED 株式会社CEGB 株式会社GPC ② セキュリティ及びその他主に、セキュリティ監視、システムの保守・運用支援等のサービスを提供しております。(主な関係会社)株式会社AGEST [事業系統図]当社グループの事業の系統図は、以下のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 ノウハウ蓄積や人材育成による差別化を図るが、新規参入増加や技術革新による競争激化のリスクがあるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 ソフトウェアテストのノウハウ蓄積、人材育成、専門性の高いテストを効率的に実施できる能力。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:QAソリューションのアウトソーシングの動向 / 業務の受託における不採算化リスク / 市場環境の変化と競争激化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
デジタルハーツはゲームアプリのデバッグサービスで高い認知度を持つが、特許やブランド力は限定的。独自の開発ツールやノウハウは存在するものの、模倣されにくいほどの強固な無形資産とは言えない。
スイッチングコスト★★★☆☆
ゲーム開発会社は、デバッグプロセスに慣れたベンダーとの継続的な取引を好む傾向がある。デジタルハーツは長年の実績とノウハウ蓄積により、新規ベンダーへの切り替えに伴う学習コストやリスクを嫌う顧客が多いと考えられる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
デジタルハーツのビジネスモデルは、顧客企業との直接的な取引が中心であり、プラットフォーム型のようなユーザー増加による価値向上のネットワーク効果は発生しない。
コスト優位★☆☆☆☆
デバッグ業務は人件費の割合が高く、海外オフショアなどを活用したコスト削減の余地はあるが、デジタルハーツが構造的に圧倒的なコスト優位を持つとは考えにくい。国内の人件費水準は他社と比較して同等レベル。
規模の経済★★★☆☆
デジタルハーツは国内のゲームデバッグ市場において、売上高でトップクラスのシェアを誇る。一定の規模を持つことで、複数のプロジェクトを同時に効率的に管理し、大手クライアントの要求に応える体制を構築している。
- 専門性と実績による信頼長年にわたりソフトウェアテストサービスを提供し、特にゲームデバッグにおいては豊富なノウハウと実績を積み重ねています。これにより、顧客企業からの信頼を獲得し、高品質なサービス提供を通じて競争優位性を確立しています。
- 多様なサービス提供能力ゲームデバッグからエンタープライズシステムのQA、さらにはグローバル展開支援、ゲーム開発、メディア運営まで、幅広いサービスを提供できる点が強みです。これにより、顧客の多様なニーズに一元的に対応し、顧客との関係を深化させています。
- 人材育成と品質管理体制多数の臨時従業員であるテスターの安定確保と育成に力を入れています。給与水準の適正化や教育制度の充実により、高品質なサービスを安定的に提供できる体制を構築しており、これが他社との差別化につながっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループでは、「SAVE the DIGITAL WORLD」を企業理念として掲げております。この企業理念のもと、主力のソフトウェアテストサービスを中心に、受託開発や保守・運用、セキュリティ等、様々なサービスの提供を行うことで、増加するデジタルサービスの品質・安全性向上への貢献を目指しております。 (2) 経営戦略昨今、AIの普及拡大を背景に、AIがコード生成等を担うことでソフトウェア開発の裾野が広がり、開発されるソフトウェアは増加しています。その一方で、開発プロセスのブラックボックス化やハルシネーションといったAI開発特有の課題も顕在化するなど、ソフトウェア開発を取り巻く環境は大きく変化しています。これに伴い、テスト/QAに求められる役割も、従来の“正しく作られているか”という単なる正誤チェックから、“正しく作られているだけではなく、ユーザーにとって真に価値のあるものか”という品質保証へと高度化しています。このような状況のもと、当社グループでは、ゲーム・エンターテインメントコンテンツ向けにサービスを提供するDHグループ事業においては、「人の感性・感覚・閃きを活かした“エンタメ品質”保証」を、エンタープライズソフト向けにサービスを提供するAGESTグループ事業においては、「AI等先端技術が支えるQAソリューション及び多様化・巧妙化するサイバー攻撃から情報資産を守るセキュリティソリューションによる品質保証」という提供価値の実現に向け、既存事業の強化や新たなビジネスモデルへの挑戦を推進しております。DHグループ事業では、創業以来デバッグで培ってきた知見に基づく「“エンタメ品質”保証」を、国内のみならずグローバルに展開していくことで、さらなる成長を目指しています。特に昨今では、ゲームタイトルの世界同時発売が増加していることから、国内外のグループ会社間のみならず、業務提携契約を締結している海外企業との連携を強化することで、デバッグ、翻訳・LQA、多言語音声収録等をワンストップでグローバルに提供できる体制を構築することで、グローバルクライアントの獲得に努めてまいります。また、これらの事業を支える人材・オペレーション基盤の強化にも取り組んでおります。具体的には、AI協働型オペレーション基盤「HumanOps OS」の導入により人材のエンパワーメントを推進するとともに、サービス、オペレーション及びバックオフィス全般におけるAI活用を積極化し、業務効率化を推進してまいります。一方、AGESTグループ事業では、「ユーザーにとって真に価値ある品質保証」の提供に向け、従来の人手中心のソリューション提供から、AIを活用したソリューションへの転換を推進しています。具体的には、2026年3月期にローンチした独自のAIテストツール「TFACT」及び脆弱性リスクを可視化するツール「SBOM Archi」を活用したソリューションの展開を強化することで、エンジニア数に依存しない新たな収益モデルの構築に努めております。また、AI開発の黎明期において、最適なAI活用に関するコンサルティングニーズが高まっていることから、これらのニーズに対応するため、エンジニアのリスキリング等の人材育成を強化してまいります。さらに、当社では、AIの急速な進展により業界構造や事業モデルが大きく変化しつつあるなか、新たな成長の芽の発掘を行うことを目的に、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)部門を新設いたしました。今後は、当社にはない技術・アイディア・ビジネスモデルやイノベーター人材等の獲得が期待できる企業へ、年間5億円を目途に投資を行うなど、既存事業と異なる新たな市場や領域への進出や投資への挑戦を加速させてまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループが属するデジタル関連市場は、環境変化のスピードが著しく速く、その変化に即した迅速かつ柔軟な経営判断を行う必要があることから、当社では、単年度ごとの売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益を経営指標としております。 (4) 当社グループを取り巻く経営環境① 市場環境当社は、エンターテインメントコンテンツ向けにサービスを提供するDHグループ事業及びエンタープライズシステム向けにサービスを提供するAGESTグループ事業の2つの事業を展開しております。DHグループ事業の市場環境においては、ゲーム性の高い魅力的なタイトルを、多様なデバイス、様々な国・地域で同時発売するために必要なデバッグやローカライズに対するニーズが増加しております。一方、AGESTグループ事業においては、AIや自動化ツールを活用した精度の高い効率的なテストの実施や開発されたソフトウェアがユーザーや顧客のニーズに合致しているかといった妥当性を確認するvalidationテスト、さらには増加するサイバー攻撃から情報資産を守るセキュリティ対策に対するニーズが増加しております。 ② 主要サービス当社グループでは、ソフトウェアの開発、テストから、保守・運用、プロモーション支援まで幅広いサービスを提供しておりますが、そのなかでも、以下3つを事業の柱となる主要サービスとして位置付けております。サービス名概要国内デバッグコンソールゲーム、モバイルゲーム、オンラインゲーム等の不具合検出QAソリューション業務システムやWebシステム、IoT機器等エンタープライズシステムの不具合検出や脆弱性診断、テスト自動化支援、システムの受託開発、ERP導入支援セキュリティセキュリティ監視や独自のツールを活用したSBOM管理支援 ③ 顧客動向ゲームメーカーにおいては、デバッグ工程のアウトソースが既に進んでいることから、今後も安定的な受注が見込まれます。一方、エンタープライズシステムの開発や保守・運営を行う企業においては、AI技術の進展に伴うAI開発によるソフトウェアに対する品質保証の重要性は高まり、品質保証での最適なAI活用と、QA専門企業としての知見や技術を活かした、コンサルティングや業務支援に関するニーズが増加していくことが見込まれております。 ④ 競合他社の状況国内デバッグにおいては、創業以来顧客企業と強固なリレーションを構築しており、また豊富なデバッグ専用機材を有していること等から参入障壁は高く、寡占市場のなかで当社は圧倒的なシェアを有しております。一方、QAソリューションにおいては、SIerやシステムの受託開発会社等、市場には多数の競合が存在しています。しかし、当社のようなテスト専門企業は少なく、またAI開発のデジタルコンテンツが増加する環境においても、品質保証の重要性は依然として高いことから、当社は優位性を維持することができると考えております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、収益基盤の強化を図るとともにさらなる成長を実現するため、下記5点を主要な課題として認識し、その対応に取り組んでまいります。 ① 人材の確保及び育成当社グループが継続的に企業価値を向上させていくためには、優秀な人材の確保及び将来を担う人材の育成が経営上の重要な課題であると認識しております。DHグループ事業の主力の国内デバッグにおいては、顧客企業の流動的な開発スケジュールに合わせて、高品質なサービスをスピーディかつ継続的に提供するため、多数の臨時従業員であるテスターを常時確保することが不可欠となっております。このため、株式会社デジタルハーツを中心に、テストセンターであるLab.(ラボ)を戦略的に展開することで、豊富なテスターの確保に努めております。また、今後の成長領域であるグローバルサービスを支える人材の確保と育成にも注力しております。また、AGESTグループ事業においては、マニュアルテストのほか、脆弱性診断やテスト自動化等の品質向上及び、サイバーセキュリティ領域の技術向上が必要である一方、AIの台頭等の環境変化に即したリスキリングを開始しております。株式会社AGESTが構築している独自の教育機関であるAGEST Academyを活用し、高度な専門知見を持つ既存人材に対し、AI活用技術を付加していくことで、さらなる高付加価値エンジニアへの転換を図り、人材採用に依存しない強固な人材基盤の構築に努めてまいります。今後も、当社グループではAI技術を活用しながら、多様な人材に合わせた働き方や教育体制等を整備することで、人材プールの拡大に継続的に取り組んでまいります。 ② サービスの付加価値向上について当社グループを取り巻くデジタル関連市場においては、AI技術の急速な発達に伴い、AIによるデジタルコンテンツ等の開発が進んでいくと考えられ、それらの市場環境の変化及び顧客ニーズの多様化に柔軟に対応することが経営上の重要な課題であると認識しております。当社グループでは、祖業であるDHグループ事業で培ってきた競争優位性及び豊富な人的リソースや、AGESTグループ事業が保持する幅広いソフトウェア等のテストノウハウについて、各事業がそれぞれの専門性や強みを高めることで、顧客ニーズに応えてまいりました。引き続き、当社グループの高品質な人的サービスを維持・向上させるとともに、AI技術を積極的に活用し、顧客ニーズに柔軟に対応することで、付加価値の向上に取り組んでまいります。 ③ サービスの海外展開について当社グループは、海外へのサービス展開も持続的な成長を遂げていくためには取り組まねばならない経営上の重要な課題であると認識しております。そのため、当社グループでは、米国、カナダ、英国、中国、韓国及びベトナム等の海外子会社等を通じて、ゲームのデバッグ及びローカライズサービスやエンタープライズシステムのテストサービス等の事業を展開しており、持続的な成長に向けた海外事業基盤の構築に努めております。今後も、高い収益性と成長性が期待される市場に対してサービスを提供することを基本方針とし、事業運営をグローバルに展開してまいります。 ④ 事業領域の拡大及び新規事業の推進について当社グループでは、DHグループ事業を収益の軸としつつも、多様な収益源による安定的な成長を遂げていくためには、既存の事業領域を拡大するとともに新規事業を開拓することが経営上の重要な課題であると認識しております。そのため、M&A等を活用した多角的な事業規模の拡大や独自性を追求した新サービスの開発に積極的に取り組んでまいりました。今後も、新たな事業領域の開拓や新規事業の創出・拡張に注力するとともに、多様な収益源による安定的な事業ポートフォリオの形成を目指してまいります。 ⑤ 安定的な財務基盤の維持について当社グループでは、強いキャッシュ創出力を有するDHグループ事業を中心に高い収益性を維持しており、安定的な配当等の株主還元を実施しつつ健全な財務体質を維持してまいりました。その一方、昨今では、金利上昇等、金融環境が大きく変化しており、財務基盤の維持・強化の重要性は増していると認識しております。引き続きキャッシュ・マネジメントを強化するとともに、必要に応じて金融機関からの資金調達を含めた機動的な対応を実施するなど、今後とも安定的な財務基盤の確保に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループでは、「SAVE the DIGITAL WORLD」を企業理念として掲げております。この企業理念のもと、主力のソフトウェアテストサービスを中心に、受託開発や保守・運用、セキュリティ等、様々なサービスの提供を行うことで、増加するデジタルサービスの品質・安全性向上への貢献を目指しております。 (2) 経営戦略昨今、AIの普及拡大を背景に、AIがコード生成等を担うことでソフトウェア開発の裾野が広がり、開発されるソフトウェアは増加しています。その一方で、開発プロセスのブラックボックス化やハルシネーションといったAI開発特有の課題も顕在化するなど、ソフトウェア開発を取り巻く環境は大きく変化しています。これに伴い、テスト/QAに求められる役割も、従来の“正しく作られているか”という単なる正誤チェックから、“正しく作られているだけではなく、ユーザーにとって真に価値のあるものか”という品質保証へと高度化しています。このような状況のもと、当社グループでは、ゲーム・エンターテインメントコンテンツ向けにサービスを提供するDHグループ事業においては、「人の感性・感覚・閃きを活かした“エンタメ品質”保証」を、エンタープライズソフト向けにサービスを提供するAGESTグループ事業においては、「AI等先端技術が支えるQAソリューション及び多様化・巧妙化するサイバー攻撃から情報資産を守るセキュリティソリューションによる品質保証」という提供価値の実現に向け、既存事業の強化や新たなビジネスモデルへの挑戦を推進しております。DHグループ事業では、創業以来デバッグで培ってきた知見に基づく「“エンタメ品質”保証」を、国内のみならずグローバルに展開していくことで、さらなる成長を目指しています。特に昨今では、ゲームタイトルの世界同時発売が増加していることから、国内外のグループ会社間のみならず、業務提携契約を締結している海外企業との連携を強化することで、デバッグ、翻訳・LQA、多言語音声収録等をワンストップでグローバルに提供できる体制を構築することで、グローバルクライアントの獲得に努めてまいります。また、これらの事業を支える人材・オペレーション基盤の強化にも取り組んでおります。具体的には、AI協働型オペレーション基盤「HumanOps OS」の導入により人材のエンパワーメントを推進するとともに、サービス、オペレーション及びバックオフィス全般におけるAI活用を積極化し、業務効率化を推進してまいります。一方、AGESTグループ事業では、「ユーザーにとって真に価値ある品質保証」の提供に向け、従来の人手中心のソリューション提供から、AIを活用したソリューションへの転換を推進しています。具体的には、2026年3月期にローンチした独自のAIテストツール「TFACT」及び脆弱性リスクを可視化するツール「SBOM Archi」を活用したソリューションの展開を強化することで、エンジニア数に依存しない新たな収益モデルの構築に努めております。また、AI開発の黎明期において、最適なAI活用に関するコンサルティングニーズが高まっていることから、これらのニーズに対応するため、エンジニアのリスキリング等の人材育成を強化してまいります。さらに、当社では、AIの急速な進展により業界構造や事業モデルが大きく変化しつつあるなか、新たな成長の芽の発掘を行うことを目的に、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)部門を新設いたしました。今後は、当社にはない技術・アイディア・ビジネスモデルやイノベーター人材等の獲得が期待できる企業へ、年間5億円を目途に投資を行うなど、既存事業と異なる新たな市場や領域への進出や投資への挑戦を加速させてまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループが属するデジタル関連市場は、環境変化のスピードが著しく速く、その変化に即した迅速かつ柔軟な経営判断を行う必要があることから、当社では、単年度ごとの売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益を経営指標としております。 (4) 当社グループを取り巻く経営環境① 市場環境当社は、エンターテインメントコンテンツ向けにサービスを提供するDHグループ事業及びエンタープライズシステム向けにサービスを提供するAGESTグループ事業の2つの事業を展開しております。DHグループ事業の市場環境においては、ゲーム性の高い魅力的なタイトルを、多様なデバイス、様々な国・地域で同時発売するために必要なデバッグやローカライズに対するニーズが増加しております。一方、AGESTグループ事業においては、AIや自動化ツールを活用した精度の高い効率的なテストの実施や開発されたソフトウェアがユーザーや顧客のニーズに合致しているかといった妥当性を確認するvalidationテスト、さらには増加するサイバー攻撃から情報資産を守るセキュリティ対策に対するニーズが増加しております。 ② 主要サービス当社グループでは、ソフトウェアの開発、テストから、保守・運用、プロモーション支援まで幅広いサービスを提供しておりますが、そのなかでも、以下3つを事業の柱となる主要サービスとして位置付けております。サービス名概要国内デバッグコンソールゲーム、モバイルゲーム、オンラインゲーム等の不具合検出QAソリューション業務システムやWebシステム、IoT機器等エンタープライズシステムの不具合検出や脆弱性診断、テスト自動化支援、システムの受託開発、ERP導入支援セキュリティセキュリティ監視や独自のツールを活用したSBOM管理支援 ③ 顧客動向ゲームメーカーにおいては、デバッグ工程のアウトソースが既に進んでいることから、今後も安定的な受注が見込まれます。一方、エンタープライズシステムの開発や保守・運営を行う企業においては、AI技術の進展に伴うAI開発によるソフトウェアに対する品質保証の重要性は高まり、品質保証での最適なAI活用と、QA専門企業としての知見や技術を活かした、コンサルティングや業務支援に関するニーズが増加していくことが見込まれております。 ④ 競合他社の状況国内デバッグにおいては、創業以来顧客企業と強固なリレーションを構築しており、また豊富なデバッグ専用機材を有していること等から参入障壁は高く、寡占市場のなかで当社は圧倒的なシェアを有しております。一方、QAソリューションにおいては、SIerやシステムの受託開発会社等、市場には多数の競合が存在しています。しかし、当社のようなテスト専門企業は少なく、またAI開発のデジタルコンテンツが増加する環境においても、品質保証の重要性は依然として高いことから、当社は優位性を維持することができると考えております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、収益基盤の強化を図るとともにさらなる成長を実現するため、下記5点を主要な課題として認識し、その対応に取り組んでまいります。 ① 人材の確保及び育成当社グループが継続的に企業価値を向上させていくためには、優秀な人材の確保及び将来を担う人材の育成が経営上の重要な課題であると認識しております。DHグループ事業の主力の国内デバッグにおいては、顧客企業の流動的な開発スケジュールに合わせて、高品質なサービスをスピーディかつ継続的に提供するため、多数の臨時従業員であるテスターを常時確保することが不可欠となっております。このため、株式会社デジタルハーツを中心に、テストセンターであるLab.(ラボ)を戦略的に展開することで、豊富なテスターの確保に努めております。また、今後の成長領域であるグローバルサービスを支える人材の確保と育成にも注力しております。また、AGESTグループ事業においては、マニュアルテストのほか、脆弱性診断やテスト自動化等の品質向上及び、サイバーセキュリティ領域の技術向上が必要である一方、AIの台頭等の環境変化に即したリスキリングを開始しております。株式会社AGESTが構築している独自の教育機関であるAGEST Academyを活用し、高度な専門知見を持つ既存人材に対し、AI活用技術を付加していくことで、さらなる高付加価値エンジニアへの転換を図り、人材採用に依存しない強固な人材基盤の構築に努めてまいります。今後も、当社グループではAI技術を活用しながら、多様な人材に合わせた働き方や教育体制等を整備することで、人材プールの拡大に継続的に取り組んでまいります。 ② サービスの付加価値向上について当社グループを取り巻くデジタル関連市場においては、AI技術の急速な発達に伴い、AIによるデジタルコンテンツ等の開発が進んでいくと考えられ、それらの市場環境の変化及び顧客ニーズの多様化に柔軟に対応することが経営上の重要な課題であると認識しております。当社グループでは、祖業であるDHグループ事業で培ってきた競争優位性及び豊富な人的リソースや、AGESTグループ事業が保持する幅広いソフトウェア等のテストノウハウについて、各事業がそれぞれの専門性や強みを高めることで、顧客ニーズに応えてまいりました。引き続き、当社グループの高品質な人的サービスを維持・向上させるとともに、AI技術を積極的に活用し、顧客ニーズに柔軟に対応することで、付加価値の向上に取り組んでまいります。 ③ サービスの海外展開について当社グループは、海外へのサービス展開も持続的な成長を遂げていくためには取り組まねばならない経営上の重要な課題であると認識しております。そのため、当社グループでは、米国、カナダ、英国、中国、韓国及びベトナム等の海外子会社等を通じて、ゲームのデバッグ及びローカライズサービスやエンタープライズシステムのテストサービス等の事業を展開しており、持続的な成長に向けた海外事業基盤の構築に努めております。今後も、高い収益性と成長性が期待される市場に対してサービスを提供することを基本方針とし、事業運営をグローバルに展開してまいります。 ④ 事業領域の拡大及び新規事業の推進について当社グループでは、DHグループ事業を収益の軸としつつも、多様な収益源による安定的な成長を遂げていくためには、既存の事業領域を拡大するとともに新規事業を開拓することが経営上の重要な課題であると認識しております。そのため、M&A等を活用した多角的な事業規模の拡大や独自性を追求した新サービスの開発に積極的に取り組んでまいりました。今後も、新たな事業領域の開拓や新規事業の創出・拡張に注力するとともに、多様な収益源による安定的な事業ポートフォリオの形成を目指してまいります。 ⑤ 安定的な財務基盤の維持について当社グループでは、強いキャッシュ創出力を有するDHグループ事業を中心に高い収益性を維持しており、安定的な配当等の株主還元を実施しつつ健全な財務体質を維持してまいりました。その一方、昨今では、金利上昇等、金融環境が大きく変化しており、財務基盤の維持・強化の重要性は増していると認識しております。引き続きキャッシュ・マネジメントを強化するとともに、必要に応じて金融機関からの資金調達を含めた機動的な対応を実施するなど、今後とも安定的な財務基盤の確保に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況 2025年3月期(千円)2026年3月期(千円)増減率(%)売上高39,748,90138,928,746△2.1営業利益2,430,0672,626,1668.1経常利益2,278,4452,582,76713.4親会社株主に帰属する当期純利益629,4641,181,66787.7 当連結会計年度においては、DHグループ事業の国内デバッグがNintendo Switch 2の発売等を追い風に2桁増収を達成するなど、当社グループ全体の業績をけん引いたしました。一方、AGESTグループ事業は、主力のシステムテストは引き続き増収を達成したものの、受託開発がAIの普及拡大等を背景に縮小するとともに、セキュリティ監視においても、一部ベンダーのエンドポイントセキュリティ端末の商材値上げの影響等を受け一時的に縮小いたしました。 また、当社では、両事業の成長ポテンシャルを最大化することを目的に、2023年5月よりAGESTグループ事業の中核子会社である株式会社AGESTの株式分配型スピンオフ及び上場(以下、「スピンオフ上場」)の準備を進めてまいりましたが、AIの普及拡大等を背景に株式市場の不透明感が高まったことを受け、この度スピンオフ上場方針を取り下げるなど、戦略的な方針転換を行いました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は、国内デバッグは大きく伸長した一方、2024年12月に売却した子会社の連結除外の影響や、AGESTグループ事業の減収により、38,928,746千円(前期比2.1%減)となりました。一方利益面では、収益性の高い国内デバッグの増収等により営業利益は2,626,166千円(前期比8.1%増)、経常利益2,582,767千円(前期比13.4%増)と増益を達成いたしました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失の縮小等の影響もあり、1,181,667千円(前期比87.7%増)となりました。 資産合計については、前連結会計年度末と比較して1,582,357千円増加し、21,531,848千円となりました。これは、流動資産が38,360千円減少した一方、固定資産が子会社取得によるのれんの増加などにより1,620,717千円増加したことによるものです。負債合計は、前連結会計年度末と比較して881,485千円増加し、11,570,281千円となりました。これは主に、短期借入金の増加等により流動負債が714,695千円増加したことによるものです。純資産合計は、利益剰余金をはじめとする株主資本の増加等により、前連結会計年度末と比較して700,871千円増加し、9,961,567千円となりました。 セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。 2025年3月期(千円)2026年3月期(千円)増減率(%)売上高39,748,90138,928,746△2.1DHグループ事業23,906,37123,130,981△3.2AGESTグループ事業16,158,98115,994,761△1.0調整額△316,451△196,996―営業利益2,430,0672,626,1668.1DHグループ事業1,941,4262,245,55615.7AGESTグループ事業488,641380,609△22.1 なお、各セグメントの売上高については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しており、セグメント利益は営業利益としております。 a DHグループ事業当セグメントでは、主に、コンソールゲームやモバイルゲーム等の不具合を検出する国内デバッグサービスのほか、ゲームの翻訳・LQA(Linguistic Quality Assurance)、マーケティング支援、ゲーム開発支援、カスタマーサポート等を行うグローバル及びその他のサービスを提供しております。当連結会計年度の国内デバッグサービスでは、Nintendo Switch 2の発売を機とする旺盛な需要を背景に、豊富な新型ハード専用テスト機材等を強みとした積極的な営業活動を展開するとともに、拠点間の垣根を越えたリソース共有等、顧客ニーズに合わせた柔軟かつ機動的なオペレーションを全社一丸となって推進することで着実に新規案件を獲得し、2桁増収を達成いたしました。一方、成長ドライバーと位置付けるグローバル及びその他のサービスでは、独自のゲーム特化型AI翻訳エンジン“ella”を活用したソリューションの本格展開等により翻訳・LQAが伸長するとともに、ゲーム開発支援においても新規案件の稼働が高水準で推移したほか、2025年11月に連結子会社化したHUWIZ SOLUTIONS INC.の業績寄与もありました。その結果、売上高は前連結会計年度に売却した子会社の影響を除くと大幅増収を達成いたしました。また、グローバル領域におけるさらなる成長に向け、タイにおける新拠点開設や米国企業との資本業務提携によるローカライズ対応言語強化、シンガポールの企業との戦略的業務提携によるポーティング機能拡充等、ソリューションの拡充及び地理的拡大に努めてまいりました。以上の結果、当連結会計年度のDHグループ事業は、国内デバッグ等の既存サービスが好調に推移した一方、前連結会計年度に売却した子会社の連結除外の影響が大きく、売上高は23,130,981千円(前期比3.2%減)となりました。一方、セグメント利益は収益性の高い国内デバッグが伸長した影響等により2,245,556千円(前期比15.7%増)と大幅な増益を実現いたしました。 b AGESTグループ事業当セグメントでは、主に、エンタープライズシステムの不具合を検出するシステムテスト、受託開発、ERPの導入支援等を行うQAソリューションのほか、ソフトウェアやネットワークの監視・攻撃検知・対策を行うSOC(Security Operation Center)運営、システムの保守・運用支援等を行うITサービス及びその他のサービスを提供しております。当連結会計年度のQAソリューションは、AIの普及拡大等を背景に受託開発をはじめとする案件受注が減少したものの、成長ドライバーと位置付けるシステムテストにおいては着実に新規案件を獲得したことで、QAソリューション全体として増収を達成いたしました。一方、ITサービス及びその他のサービスは、セキュリティ監視において、一部ベンダーのエンドポイントセキュリティ端末の商材値上げの影響を受けライセンス更新の売上が一時的に減少したこと等から、売上高が縮小いたしました。当連結会計年度は、AIの普及拡大等を背景に大きく事業環境が変化しており、これらの変化に迅速に対応すべく、AI機能を標準搭載した独自のテストツール「TFACT(ティファクト)」及び今後需要拡大が見込まれる純国産のSBOM(Software Bill of Materials)管理ツールをローンチするなど、AI時代に即したQAモデルの確立やエンジニア数に依存しない新たな収益モデルの構築等に努めてまいりました。以上の結果、当連結会計年度のAGESTグループ事業の売上高は、受託開発や収益性の高いセキュリティ監視の縮小の影響が大きく、15,994,761千円(前期比1.0%減)、セグメント利益は380,609千円(前期比22.1%減)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、7,132,151千円となり、前連結会計年度末における資金7,593,742千円に対し、461,590千円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローとそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は3,224,551千円の収入(前連結会計年度は3,119,272千円の収入)となりました。これは、主として、未払金の増減額383,189千円、法人税等の支払額1,036,097千円等の資金減少項目に対し、税金等調整前当期純利益1,856,750千円、減価償却費549,423千円、減損損失238,030千円、のれん償却額386,627千円、投資有価証券評価損344,719千円、売上債権の増減額296,258千円等の資金増加項目が上回ったこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は3,724,273千円の支出(前連結会計年度は5,080千円の支出)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出293,033千円、無形固定資産の取得による支出486,943千円、投資有価証券の取得による支出487,645千円、長期前払費用の取得による支出440,000千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,890,123千円等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は92,287千円の支出(前連結会計年度は2,555,521千円の支出)となりました。これは、主として短期借入金の増減額472,900千円等の資金増加項目に対し、配当金の支払額534,785千円等の資金減少項目が上回ったこと等によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績(a)生産実績事業の特性上、該当事項はありません。 (b)受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)DHグループ事業クリエイティブ1,969,004132.3114,45678.0 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.当社グループの「AGESTグループ事業」及び「DHグループ事業」に含まれるクリエイティブ以外の事業は、受注から役務提供までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しています。 (c)販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 区分 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(千円)対前期増減率(%)DHグループ事業23,130,981△3.2AGESTグループ事業15,994,761△1.0調整額△196,996―合計38,928,746△2.1 (注) 1.調整額は、セグメント間の内部取引に係る消去額であります。 2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)マリオクラブ株式会社――4,721,49512.1 (注) 前連結会計年度においては、販売実績の割合が10%以下のため記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本項に記載した将来事象に関する予測・見通し等は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、それらには不確実性が内在し将来の結果とは大きく異なる可能性があります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては次のとおりであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、部分的に資産・負債、収益・費用の数値に影響を与えるような見積り等の介在が不可避となりますが、当社グループの経営陣は過去の実績や提出日現在の状況等を勘案し、会計基準の許容する範囲内かつ合理的にそれらの判断を行っております。なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- QAアウトソーシング動向ソフトウェアテストのアウトソーシングが期待通りに進まない場合、事業計画に影響が出る可能性があります。QAソリューション業務は社内で行われることも多いため、外部委託の需要が伸び悩むと、売上や利益に影響を及ぼす恐れがあります。
- 受託業務の不採算化顧客都合による仕様変更や認識の不一致により、受託案件が当初計画より不採算になるリスクがあります。プロジェクト管理を徹底していますが、予期せぬ事態で品質・コスト・納期を維持できなくなると、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 市場環境と競争激化テスト業務のアウトソーシング市場拡大に伴い、新規参入企業が増加し、人材流出やノウハウ模倣のリスクがあります。また、生成AIなどの技術革新への対応が遅れると、サービスが陳腐化し競争力が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があるリスク要因として考えられる主な事項には、以下のものがあります。当社グループは、これらリスク要因を認識した上で、その発生自体の回避、あるいは発生した場合の対応に努める方針でありますが、これらはすべてのリスクを網羅したものではなく、予見しがたいリスク要因も存在するため、投資判断については、本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) QAソリューションのアウトソーシングの動向について当社グループは、ソフトウェアテストを主力事業として展開しており、ゲームソフトの不具合を検出するデバッグサービス及びWebシステムや業務システム等のエンタープライズシステムの不具合を検出するQAソリューションを提供しております。従来、QAソリューション業務は、主にソフトウェア開発会社の社内で行われてきましたが、近年、テストに求められる知見が多様化し専門性も高まっていることから、精度の高いテストを効率的に実施できる専門会社にアウトソーシングする傾向が高まっております。当社グループでは、今後もQAソリューション業務のアウトソーシングが進展することを前提とした事業計画を策定しておりますが、当社グループの期待通りにQAソリューション業務のアウトソーシングが進展しなかった場合には、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 業務の受託について当社グループは、ソフトウェア開発業務等を顧客企業の開発案件単位で受託する形態で行っており、プロジェクト管理者が品質、納期、コスト、リスク等の管理を行っております。しかしながら、受託案件においては、顧客企業の都合による開発途中での大幅な仕様変更や、納品物に対する顧客企業との認識の不一致等により生じるリスクを完全に排除することは困難であり、そのような事象が発生し、当初計画していた品質・コスト・納期を維持できずに案件が不採算化した場合、その規模によっては当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 市場環境の変化について当社グループは、ソフトウェアテストサービスにおいて、そのノウハウの蓄積や人材育成等、他社との差別化に努めております。しかしながら、今後テスト業務のアウトソーシングが進むことにより、業界の市場規模が拡大し、新規参入企業が増加する可能性が高まることに伴い、人材流出等による当社グループのノウハウ等が流出し、外部の第三者が当社グループの技術及びノウハウ等を模倣して当社グループと類似するサービスの提供を行う可能性があります。 (4) 特定業種への依存について当社グループは、現在、AGESTグループ事業の拡大が進んでいるものの、利益については、依然としてゲーム業種向けにサービスを提供しているDHグループ事業が高い割合を占めております。そのため、ゲーム業種に大規模な減衰が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 人材の安定確保と育成について当社グループは、継続的に企業価値を向上させ、高品質なサービスを安定的かつ迅速に提供していくために、多数の臨時従業員であるテスターの確保が重要であると認識しております。このため、給与水準の適正化、採用活動の強化、人材育成を目的とした教育制度の充実、ならびに社内コミュニケーションの促進等を通じて、人材の定着と能力向上に取り組んでおります。しかしながら、労働市場の動向や待遇面での競争、キーパーソンの離職等により、必要な人材の確保や育成が計画通りに進まない場合には、サービス提供の遅延や受注機会の逸失等を通じて、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 他社との業務提携について当社グループは、既存サービスによる売上の増加やコスト削減が見込まれる場合、また、新サービスを提供すること等により将来的な成長が見込まれると判断した場合には、相互に協力体制を構築できる企業と、積極的に業務提携によるパートナーシップを強化し、取引深耕を図っていく方針であります。しかしながら、提携先との友好的な協力関係に変化が生じ、期待したほどの相乗効果を得ることができない等の理由により、業務提携関係を維持することが困難となった場合、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 新規事業等の業容拡大について当社グループは、ソフトウェアテストサービスの提供を事業の軸としつつ幅広いビジネス展開を積極的に行っていく方針であります。そのため、進出先の市場動向の調査や参入形態を十分に検証し、事業リスクの軽減を図りながら、国内外において市場のニーズに呼応した新規事業への進出、子会社の設立等を推進しております。しかしながら、これらの事業拡大を正確に予測することは困難であり、当該事業展開に係る投融資額を回収することが困難となった場合には、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 企業買収、資本提携、合弁会社の設立等による事業拡大について当社グループは、競争力強化や戦略目的の達成に向けて、企業買収、資本提携、合弁会社の設立等を行っており、これらの出資等に際しては、技術・財務・法務等多面的な分析を通じてリスク低減に努めております。しかしながら事業環境の変化や予期せぬ事態により、事業が計画通りに進まない可能性があり、特に合弁事業の場合、当社グループ以外の出資者との戦略や文化の違いにより、期待するシナジーが実現できないことがあります。このため、買収企業等の業績や企業価値が低下することに伴う経済的な負担、及び人的支援等により、当社グループの業績、キャッシュ・フロー等に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 海外における事業展開について当社グループは、引き続き積極的に海外におけるサービス展開の拡大を図っていく方針であります。しかしながら、海外での事業活動においては、予期せぬ法律又は規制の変更、大規模な自然災害の発生、政治経済の変化、為替変動、商習慣の相違、取引先企業の提供品質のばらつき、雇用制度や労使慣行の相違、不利な影響を及ぼす租税制度の変更等による事業の進捗状況の遅れにより、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 情報の漏洩等について当社グループは、事業を行う上で、顧客企業及びその他の関係者より機密情報を預かるため、当該機密情報等の外部漏洩のないよう従業員や業務委託先等と秘密保持契約を締結するとともに、とりわけ未公表の情報や顧客企業の情報を主に取り扱うソフトウェアテストサービスにおいては、指紋又は静脈認証システムによる入室管理、監視カメラの設置等、様々な漏洩防止施策を講じ、情報の適正な取扱いと厳格な管理を進めております。しかしながら、これらの施策にもかかわらず、何らかの理由により機密情報が外部に漏洩した場合には、当社グループへの損害賠償責任の追及や社会的信用の喪失等により、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 知的財産権について当社グループは、事業活動を行う過程において、第三者の知的財産権を侵害しないように、可能な限り調査を行うとともに、厳格な管理を実施しております。しかしながら、意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合には、当社グループへの損害賠償責任の追及や社会的信用の失墜等により、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 自然災害等について当社グループは、施設の安全対策には万全の注意を払っておりますが、地震、水害、火災、爆発、テロ、汚染、コンピューターウイルスへの感染等の災害が発生した場合には、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 法規制について当社グループは、事業活動において、様々な法的規制を受けております。特に、人材派遣においては、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に基づき、厚生労働大臣の「労働者派遣事業」の許可を取得し、人材派遣を行っております。当社グループは、これらの法的規制を遵守し事業活動を行っておりますが、万一法令に抵触するような事態が生じた場合、又は関連法令やその解釈が変更された場合には、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (14) 社会保険について当社グループは、多数の臨時従業員であるテスターを雇用しており、一定の条件を満たしたテスターは、社会保険に加入しておりますが、関連法令やその解釈の変更により、社会保険加入の適用範囲が拡大され、現在加入義務のないテスターにも加入が義務付けられた場合には、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (15) AI(人工知能)技術の進展に関するリスクAI技術の進展により当社グループの事業環境は大きく変化しており、既存事業に影響を及ぼす可能性があります。DHグループ事業においては、AIの普及によりゲーム開発や翻訳等の制作工程が自動化・効率化され、当社が提供するデバッグや関連サービスの需要が縮小する可能性があります。また、AIを活用した競合サービスの台頭により競争力が低下した場合、受注機会の減少につながる可能性があります。AGESTグループ事業においては、AIによるテスト自動化の進展により、従来人手で行っていたテスト業務の一部が代替される可能性があります。また、AIを活用した開発・品質保証ソリューションを提供する企業との競争が激化した場合、当社サービスの付加価値が相対的に低下する可能性があります。これらの変化に対し、当社グループがAI活用によるサービス高度化や事業モデル転換を適切に進められない場合には、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。