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朝日ネット(3834)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • インターネット接続サービス
    個人や法人向けにインターネットへの接続環境を提供しています。具体的には、全国に張り巡らされた高速・大容量の通信回線(バックボーン回線)を自社で運用し、安定した高速通信を実現しています。また、顧客と最寄りの接続点を結ぶアクセス回線は、NTT東西やKDDIなどの大手通信事業者と提携して提供しており、ルーターなどの通信機器も提供することで、顧客がインターネットを快適に利用できる環境を総合的に構築し、その利用料が主な収益源です。
  • インターネット関連サービス
    インターネット接続サービスに加えて、顧客の利便性を高める様々な付加価値サービスを提供しています。例えば、ホームページ作成スペースの提供、独自ドメインの利用、メールサービス、ウイルス対策や迷惑メール対策などのセキュリティサービスがあります。これらのサービスは、インターネット接続の基盤の上に成り立っており、顧客の多様なニーズに応えることで、接続サービス以外の収益源を確保しています。
  • 教育支援サービス「manaba」
    自社開発のクラウド型教育支援システム「manaba」を提供しています。これは、大学などの教育機関向けに、学習教材の配信、受講状況の管理、成績管理といったLMS(学習管理システム)の機能に加え、既存の学内システムや外部教材との連携も可能です。学生の学習ポートフォリオ機能や授業アンケート機能など、教育現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するソリューションとして、利用料を収益としています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ISP事業(インターネット・サービス・プロバイダ事業)
    朝日ネットの事業は、ISP事業の単一セグメントで報告されています。これは、個人や法人向けにインターネット接続サービスと、それに付随するインターネット関連サービスを提供することを主な内容としています。具体的には、光回線(FTTH)、ADSL、モバイル回線など様々な種類のインターネット接続環境を提供し、その利用料が収益の大部分を占めています。
  • インターネット接続サービス
    この事業は、顧客にインターネットへの接続環境を提供するサービスです。自社で高速・大容量のバックボーン回線を運用し、安定した通信品質を維持しています。また、NTT東西やKDDIなどの提携電気通信事業者からアクセス回線の提供を受け、ルーターなどの通信機器も提供することで、顧客がインターネットを快適に利用できる総合的な環境を構築しています。2025年3月期において、売上高全体の89.8%を占める主力事業です。
  • インターネット関連サービス
    インターネット接続サービスを基盤として、顧客の利便性を高める様々な付加価値サービスを提供しています。これには、メールサービス、セキュリティサービス(ウイルスチェック、迷惑メール対策)、IP電話サービス、独自ドメインサービス、ホームページサービス、個人向けブログサービス「アサブロ」などが含まれます。また、教育機関向けのクラウド型教育支援サービス「manaba」もこのセグメントに含まれ、学習管理システム(LMS)として教育現場を支援しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,294 文字
3【事業の内容】 当社はISP(インターネット・サービス・プロバイダ)事業として、個人または法人向けにインターネット接続サービス及びインターネット関連サービスを提供しております。セグメント情報はISP事業の単一で報告をしております。 (1)インターネット接続サービス インターネット接続サービスとは当社顧客に対しインターネット接続環境を提供するサービスです。 インターネット接続環境提供の概念図は次のとおりであります。 [インターネット接続環境提供の概念図] 当社は、顧客にインターネット接続環境を提供するためインターネットを構成する一員として全世界のサイトやネットワークと相互接続ができる通信環境を構築しております。インターネット接続環境の提供にあたっては、全国に分散する中継点(POI)との間に①バックボーン回線を構築しております。当社はこのバックボーン回線を自社の技術で運用することにより「回線の安定性」「回線速度」などにおいて高い品質を維持しながら通信費を適切な範囲で維持することに努めております。 顧客と最寄りの中継点を結ぶ②アクセス回線は、複数の提携電気通信事業者と契約しております。現在はアクセス回線としてFTTHやモバイル回線を利用する顧客が増加しております。 顧客が利用するインターネット接続サービスに必要な③ルータ等の通信機器を提供しております。 当社は、インターネット接続サービスの提供に必要であるネットワーク設備やサーバー設備を複数のデータセンターに設置しISP事業を運営しております。また、顧客の様々な問い合わせに対応するコールセンター業務、課金業務、24時間365日でインターネット接続サービスを監視するネットワークオペレーション業務等を実施しております。 主なインターネット接続サービスは下記になります。対応回線種別サービス名称月額利用料(税抜)①バックボーン②アクセス回線③通信機器最大通信速度提携電気通信事業者サービス開始時期FTTHAsahiNet 光AsahiNet 光クロス4,080円~6,480円~○○△ 1Gbps 10GbpsNTT東日本㈱NTT西日本㈱2015年2月2020年4月ASAHIネット 光 withフレッツフレッツ光ネクストASAHIネット光 with フレッツフレッツ 光クロス700円~ 1,200円○―△ 1GbpsNTT東日本㈱NTT西日本㈱2005年6月2001年8月ASAHIネット マンション全戸加入プラン―○―△ 1Gbps 10GbpsNTT東日本㈱NTT西日本㈱2017年5月2024年12月ASAHIネット auひかり3,400円~○○△ 1GbpsKDDI㈱2006年12月高速モバイルASAHIネット WiMAX 2+ASAHIネット WiMAX+5G4,196円~4,480円~○○○1.2Gbps3.9GbpsUQコミュニケーションズ㈱2014年2月2023年5月ASAHIネット LTE(ANSIM)900円~○○△262.5MbpsNTTドコモビジネス㈱2013年3月その他ASAHIネット おまかせルーターASAHIネット おまかせWi-Fi2,980円3,480円○○○――2014年9月AiSTRIX―○○○――2015年6月v6 コネクト―○―――NTT東日本㈱NTT西日本㈱2018年9月 (2)インターネット関連サービス インターネット関連サービスとは当社顧客にインターネット接続サービスに加えて提供するサービスです。 インターネット接続サービスを基盤としたホームページサービス、独自ドメインサービス、メールサービス、セキュリティサービスなど接続付加価値サービスを提供しております。 「manaba」は、当社が開発、販売、サポートを行っているクラウド型教育支援サービスです。LMS(ラーニング・マネジメント・システム)としての役割に加え、教務システムや認証システム等の既存学内システムや外部教材とも連携し、教育支援のソリューションを広範囲に提供しております。 サービス名称内容接続付加価値サービスメールサービスパソコン通信時代から、インターネットの基本サービスとして提供しております。メール受信数はメール容量に制限がないのが特長で、メールソフトがなくても、どこからでもホームページ上のメールの送受信が出来る機能もあります。セキュリティサービス電子メール送受信時のウイルスチェックサービスを2001年6月から提供しております。また、迷惑メールを遮断する迷惑メール対策サービスを2004年10月から提供しております。IP電話サービスインターネットの技術を利用したIP電話サービスをブロードバンド接続会員を対象に2003年3月から提供しております。また「AsahiNet 光」契約者を対象に「AsahiNet 光電話」を2019年7月から提供しております。独自ドメインサービス「会社名.co.jp」や「会社名.com」などのように、利用者が独自に設定したドメイン名を使ったホームページやメールアドレスが利用出来るサービスです。ホームページサービスホームページサービス会員が作成したホームページを設置するスペースを提供するサービスで、インターネットの初期段階である1995年2月からサービスを提供しております。アサブロ(ブログ)自社開発の個人向けブログサービス「アサブロ」を2005年3月から提供しております。教育支援サービスmanaba自社開発による教育支援サービスです。LMSあるいはコースツールと呼ばれている教育支援ソフトの機能を搭載した「manaba course(マナバコース)」、学習成果をためるポートフォリオ機能を搭載した「manaba folio(マナバフォリオ)」を提供しております。追加オプションmanabaに連携する追加オプションを提供しております。学期末に学生が授業を評価する授業アンケートオプションや、授業の出席やアクティブラーニングを補助するオプション等を用意しております。 [教育支援サービス「manaba」概要] (3)事業系統図 当社における事業系統図は、下記となります。 [事業系統図] (4)「ASAHIネット」インターネット接続契約数 当社はインターネット接続サービス及びインターネット関連サービスを提供するISP「ASAHIネット」を運営しております。過去5年間のASAHIネットの会員数の推移と主な内訳数は下記図の通りです。 [「ASAHIネット」インターネット接続契約数の推移] (注)1.インターネット接続契約数は各年度末日現在において有効なFTTH(光接続)・ADSL・モバイル接続の契約数となります。2.各年度の退会率は、当該年度の「FTTH(光接続)・ADSL・モバイル接続の退会数÷FTTH(光接続)・ADSL・モバイル接続の契約数」の月平均となります。 (用語集)・ISP(インターネット・サービス・プロバイダ):インターネット接続事業者・相互接続:通信事業者がお互いの通信回線を接続し、相互に通信できるようにすること・バックボーン回線:インターネットなどの大規模な通信ネットワークにおける、事業者間や拠点間、国家間などを結ぶ高速・大容量のネットワーク回線のこと・アクセス回線:インターネットなどの通信ネットワークにおける、利用者の建物から通信事業者の最寄りの基地局を結ぶ回線・POI(Point Of Interface):電気通信事業者同士の回線が接続する箇所(相互接続点)。提携電気通信事業者の局舎などに設置される場合が多く、当社とのサービス分界点となる・LMS(ラーニング・マネジメント・システム):学習教材の配信、受講状況、成績などの学修データを統合して管理するシステム・クラウド型:インターネット経由でサービスを提供する形態。利用者はサーバーなどの設備や保守の必要がなく、インターネット環境さえあればどこでも利用できる

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
大手通信キャリアなど資本力、技術力、販売力等で優る競合他社との競争激化。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
全国に分散する中継点(POI)とのバックボーン回線構築と提携電気通信事業者との契約。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:FTTH市場の成熟と会員獲得の伸び率低下 / 競合他社との競争激化 / インターネット接続サービスへの高い収益依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

「朝日ネット」ブランドは一定の認知度を持つが、特許や独占的IPによる明確な優位性は見られない。ISP事業は競争が激しく、ブランド力だけで他社を圧倒するほどの無形資産は現時点では弱い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

ISP事業における顧客の乗り換えコストは比較的低い。しかし、光回線や固定電話サービスなど、複数のサービスを契約している顧客は、乗り換え手続きの手間や設定変更を考慮し、一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービス価値を直接的に高めるネットワーク効果はほとんど見られない。プラットフォーム型ビジネスではないため、この要素は競争優位に寄与しない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

ISP事業は設備投資やインフラ維持コストがかかる。同社が他社と比較して構造的に低いコスト構造を持っているという明確な証拠はない。規模の経済によるコスト削減効果も限定的。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ISP市場は大手通信キャリアが強い競争力を持ち、寡占化が進んでいる。朝日ネットは中堅プレイヤーであり、業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているとは言えない。規模の経済による優位性は限定的。

  • 高品質なネットワーク運用
    朝日ネットは、自社で構築・運用するバックボーン回線により、「回線の安定性」と「回線速度」において高い品質を維持しています。これにより、ユーザーは快適なインターネット環境を享受でき、通信費も適切な範囲で維持する努力がなされています。この高品質なサービス提供能力が、顧客満足度と継続利用に繋がる強みと言えます。
  • 多様な提携とサービスラインナップ
    NTT東西、KDDI、UQコミュニケーションズなど複数の大手電気通信事業者と提携し、FTTH(光回線)、ADSL、モバイル回線など多様なアクセス回線に対応したインターネット接続サービスを提供しています。これにより、幅広い顧客層のニーズに応えることができ、また、メール、セキュリティ、IP電話、独自ドメイン、ホームページサービスといった付加価値サービスも充実させることで、顧客の選択肢を広げ、囲い込みを図っています。
  • 自社開発の教育支援サービス
    クラウド型教育支援サービス「manaba」を自社で開発・販売・サポートまで一貫して行っています。これにより、顧客の要望に合わせた柔軟な機能改善や迅速なサポートが可能となり、教育機関特有のニーズに深く対応できる点が強みです。LMSとしての機能に加え、既存システムとの連携やポートフォリオ機能など、多角的な教育支援ソリューションを提供しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針 当社の経営の基本方針は、社会基盤として重要な役割を担う先進的で高品質なインターネット接続サービスを適切な価格で安定的に提供することにあります。「接続料金」、「回線の安定性」、「回線の速度」、「サポート」といった基本的な価値の向上を図ることが重要であると考えております。また当社は教育支援サービス「manaba」を自社開発し大学などの教育機関へ提供しております。IT技術の活用によって教育の質を高めるインフラとしての価値の向上に努めてまいります。 (2)経営戦略等 インターネット接続サービスは生活インフラ及び事業インフラとしての役割が益々増大しております。当社は、顧客が求める通信品質を維持しながらオペレーションの更なる向上により顧客の利便性を高めていくことが重要課題であると考えております。また、Wi-Fi、VPN、監視カメラソリューション、教育支援サービスなど、インターネット接続の周辺領域の事業も進めております。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 先進的で高品質なインターネット接続サービスを適切な価格で継続的に提供していくためには、健全な財務基盤の維持が重要であると考えており、ROE及び1株当たり純利益を収益性の指標としております。当社が運営するISP「ASAHIネット」につきましては、会員制ビジネスであることから、インターネット接続契約数の増加を図ることが将来の収益源を確保することにつながっております。こうした観点から「ASAHIネット」のインターネット接続契約数、平均退会率、第三者による顧客満足度調査などを重要な指標としております。他電気通信事業者へIPv6接続サービスをローミング提供する「v6 コネクト」につきましては、提携する電気通信事業者数を重要な指標としております。教育支援サービス「manaba」につきましては、契約ID数に応じた課金体系となっていることから、契約ID数と全学導入校数を重要な指標としております。 (4)経営環境① 業界動向 当社が事業を展開する通信業界においては、高精細動画コンテンツの普及、AI活用によるデータ通信量の爆発的増加を背景に、より低遅延かつ大容量な「通信の質」を求めるニーズが加速しました。教育業界においては、文部科学省が進める「教育DX」が社会実装フェーズに入り、ラーニングアナリティクス(学習分析)を通じた教育の質保証が不可欠な課題となりました。このような環境下、当社は新経営体制のもと、さらなる中長期的な成長を見据えて、社会インフラとしての安定した通信環境の提供とお客様に満足いただけるサービス提供を維持し続けるための行動に努めております。② ISP業界 ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)業界においては、2025年9月末のFTTH(光ファイバー)の利用者数は前年同期比41万契約増(1.0%増)の4,135万契約となり増加しております。また、FTTH契約数のうちNTT東西の卸電気通信役務(サービス卸)を利用して提供される契約数は1,730万契約となっており、FTTH全体契約数に占める割合は前年同期比0.3%ポイント減の41.8%となりました。 MVNOサービスの利用者は、前年同期比669万契約増(19.7%増)の4,066万契約となりました。そのうち高速モバイル通信やIoT(Internet of Things)およびM2M(Machine to Machine)に利用されるSIMカード型の契約者数は前年同期比106万契約増(6.3%増)の1,794万契約となりました。eSIM(イー・シム)を含む通信モジュールの契約者数は前年同期比200万契約増(19.3%増)の1,235万契約となりました。なお、総務省から開示されたMVNOサービスの契約数は集計基準の変更により一部非連続となっております。 1契約あたりのダウンロードトラフィックは、総務省が2026年2月に公開した2025年11月分の集計結果では、固定系ブロードバンド契約者1契約あたりのダウンロードトラフィックが前年同月比109.6kbps増(13.2%増)の938.3kbps、1カ月あたりのダウンロードトラフィックは約294.1GBとなりました。インターネットトラフィックのピーク時間帯が19時から21時に集中する傾向に変化はありません。ピークトラフィック(ダウンロード)については、前年同月比で平日は14.6%増、休日は11.5%増となり、オンラインゲームや動画配信サービスなどがトラフィックの伸びを牽引していると捉えております。 トラフィック増加に起因する通信速度および通信品質の低下はISP業界に留まらず通信業界全体での課題となっています。デジタル社会の基盤となる通信インフラの重要性が高まっており、安定したインターネット通信環境が求められています。③ 教育業界 大学を取り巻く環境は、文部科学省が進める教育のDX化が後押しされたことにより、LMSやポートフォリオは新たな価値を求められております。教育支援サービス「manaba」は教育の質保証や大学IRを実現するために必要なサービスの提供が必要と考えており、2025年3月期から2年間を重点期間とした大規模開発を継続しており、その第3弾となる機能を第4四半期末にリリースいたしました。今後も計画通り開発を推し進め、サービスの競争力強化に努めてまいります。 ④ 業績の見通し 2026年4月、代表取締役社長執行役員の交代により新経営体制へと移行いたしました。当社はさらなる事業成長を見据え、「ISP」「VNE」「manaba」の3事業を中核に据えた成長戦略を加速させてまいります。既存事業の連続性と市場ニーズに対する必然性を重視した成長を図るとともに、周辺領域へのチャレンジも進めていくことを基本方針として掲げ、持続的な企業価値の向上を目指します。 ISP「ASAHIネット」は、FTTH接続サービスおよびモバイル接続サービスの契約数に比例して増加し、先行指標として、引き続き四半期単位でインターネット接続の契約数を開示してまいります。2027年3月期は、FTTH接続サービスの契約数を増加させることで売上増加を目指します。また、高単価かつ低解約率を特長とする光コラボレーションモデル「AsahiNet 光」の個人・法人向け施策を強化し、ストックビジネスとしての収益基盤をより強固なものとします。NTT東西と協業して販売している「マンション全戸加入プラン」は、マンションオーナーや不動産管理会社と一括契約することによりFTTH接続サービスの大きな契約数増加が見込めます。サービス面では、通信速度が最大10Gbpsに加え、次世代規格である25Gbps等の超高速通信ラインナップを拡充し、増大するトラフィック環境下でも、最適な通信品質と顧客満足度の維持に努めてまいります。また、2026年4月に公表した一部FTTH接続サービスの料金体系見直しを2027年2月に実施予定です。提供価値について、当社が提供する通信品質や価値を丁寧に説明し、安定的なサービス継続と収益性の適正化を両立させてまいります。 VNE「v6 コネクト」は、協業強化および新規提携の拡大に注力いたします。「v6 コネクト」はVNO事業者が利用した通信量に応じて利用料が発生するサービスです。インターネット独占配信によるスポーツ中継や大型オンラインゲームの普及により、コンテンツダウンロードによる通信量は増加の一途を辿っています。こうした環境下で、VNO事業者にとって「通信品質の維持」と「コストコントロール」の両立は経営上の最重要課題となっています。当社はNTT東西のNGN網と相互接続しているIPv6ネットワークの構成を一部見直すことにより、従来よりも費用の増加を抑えながら取り扱いトラフィック量を増やす取り組みを進めてきました。2027年3月期も、引き続き当社は提携するVNO事業者の事業拡大や維持に向けて提供価格の最適化やネットワークの維持コストを見直していきます。 教育支援サービス「manaba」においては、教育の質保証や大学IR(Institutional Research)を実現する機能開発を推進し、既存顧客の維持と新規受注の拡大による売上増加を目指しております。昨今の大学を取り巻く環境は、社会から求められる機能や役割が変わりつつあるとともに、文部科学省が推進する教育のDX化や生成AIを活用した教育のあり方について活発な議論が行われています。一方で、大学経営の厳格化に伴い、LMS(ラーニング・マネジメント・システム)市場は低価格帯を求める「コスト重視層」と、教育効果を追求する「価値重視層」への二極化およびコモディティ化が加速しております。こうした市場の変化に対し、当社が提供するLMSやポートフォリオには、従来の機能競争とは異なる新たな価値が求められており、これに対応するため、「manaba」は対価が見込める層へのターゲットの絞り込みを行い、顧客の成果(アウトカム)に直接的に貢献するソリューションとしてのサービス像の確立を進めてまいります。この方針に基づき、2026年3月末には「市場適合性の担保」を目的としたプロジェクトを通じて新たに約50の機能をリリースしました。これにより、大学が掲げる教育活動の推進および、教員と学生間における「学びの質」を向上させるサポート体制を構築しました。今後は、教育情報セキュリティポリシーへの準拠や非機能面の強化を進め、より安心・安全な学習環境を提供いたします。中長期的な成長に向けた新たな挑戦として、学生の学習履歴やイベントログデータを活用した行動分析に関する共同研究を鋭意進めております。この知見を核として、AI活用やコンサルティングを統合し、大学の経営課題解決に直結する学生支援ソリューションとして、2027年3月期末までのサービス開発を目指しています。これらの取り組みにより、当社サービスの提供価値向上と大学の持続可能な教育インフラの運用支援を両立させ、持続的な事業成長を実現してまいります。 この方針のもと2027年3月期の業績予想については、売上高14,000百万円(前期比482百万円増、3.6%増)、営業利益は1,800百万円(同8百万円増、0.5%増)、経常利益は1,830百万円(同8百万円増、0.5%増)、当期純利益は1,300百万円(同6百万円増、0.5%増)を見込みます。配当金は、中間配当12円50銭、期末配当12円50銭の年間1株あたり25円00銭(配当性向49.8%)を予定しております。「ISP」「VNE」「manaba」の各事業で増収を計画しており、費用面では売上高に連動する回線仕入の増加や基幹システムの更改による減価償却費の増加を見込んでいます。2027年3月期の設備投資は2,500百万円を予定しております。ネットワーク関連の設備投資、および定期的に更新が必要となるサーバ領域の設備投資は例年どおりの規模を予定しております。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① お客様に満足いただける品質のサービス維持と通信費の抑制 インターネットにおけるトラフィックは、総務省が2026年2月に公開した集計結果によると固定系ブロードバンド契約者1契約当たりのダウンロードトラフィックは前年同月比109.6kbps増(13.2%増)の938.3kbps、1ヵ月当たり294.1GBとなり増加傾向にあります。 当社はNTT東西のフレッツ網(NGN)と直接接続し、シンプルにインターネット接続ができるネイティブ方式でのIPv6接続サービスを「ASAHIネット」会員向けに提供することにより、トラフィックが増加する中でも高い品質を維持し続けております。第三者機関による顧客満足度評価においては12年連続第1位の評価をいただいております。売上に対する通信原価においては売上原価率を維持することができております。今後もお客様に対して満足いただけるサービスの提供と利益の増大を図ってまいります。 ② ISP「ASAHIネット」会員の獲得 「ASAHIネット」会員数を増加させるためには、当社を利用する新規会員の増加を図ることが課題です。 FTTH接続サービスにおいては、新規回線敷設または他ISPから当社への乗換を希望する会員に対して効率的な販促施策を行ってまいります。引き続き当社への入会チャネルの強化や法人向け施策など顧客満足度の高い「ASAHIネット」の認知度を向上させることで会員数増加を目指します。 特に、NTT東西の光コラボレーションモデルを活用したサービスとしてアクセス回線とISPサービスをセットにした「AsahiNet 光」や「ASAHIネット ドコモ光」、NTT東西と協力して提供している「ASAHIネット マンション全戸加入プラン」、最大通信速度が概ね10Gbps(上り・下り)の光アクセスサービス「フレッツ 光クロス」においては、より一層の品質向上が実現できるサービスとして注力をして施策を行います。その一環として、NTT東日本が2026年3月より提供を開始した国内最速スペックとなる上り下り最大概ね25Gbpsの高速通信サービス「フレッツ 光25G」への対応を開始いたしました。 モバイル接続サービスにおいては、コンピュータなどの情報・通信機器だけではなく、世の中に存在する様々なモノに通信機能をもたせるIoTやM2Mの市場規模が引き続き増加しており、当社ではこれらの需要に対して先進的なサービスを提供し、お客様の利便性をさらに高めていくことが重要だと考えております。また、在宅勤務等のテレワーク拡大など今後も需要が増加すると考えております。 当社の収益構造は会員からのインターネット接続料収入を基礎としているため会員獲得の増加が収益基盤の向上につながります。 ③ 「v6 コネクト」の拡販 当社はNTT東西のフレッツ網(NGN)と直接接続し、シンプルにインターネット接続が出来るネイティブ方式でのIPv6接続サービスを「v6 コネクト」として他電気通信事業者へローミング提供をしております。2026年3月末の提携事業者数は10社、売上高は2,415百万円となりました。「v6 コネクト」を利用する顧客は集合住宅向け事業者やISP事業者など電気通信事業者を想定しており、今後は新たな事業領域を開拓する取り組みを進めております。通信トラフィックが継続的に増加する状況下において、電気通信事業者は自社事業を継続するためのサービス品質維持と必要な費用の均衡を保ちたいという需要や、IPv6接続サービスを活用して自社サービスや顧客サポートを作り上げることでビジネス領域や規模の拡大を目指したいという需要に対して「v6 コネクト」の付加価値を高めたサービス開発を行ってまいります。 「v6 コネクト」の売上高は主として基本料金及び従量料金をそれぞれ算定してサービス利用料を定めております。このうち従量料金は利用帯域において「95%タイル値」(※)として測定された最大通信量と基準通信量とを比較衡量して算定されます。最大通信量の測定及び最大通信量に基づいた従量料金の算定には複雑性が伴うため、「v6 コネクト」のサービス利用料が正しく行われず請求機会の逸失や遅れが発生する恐れがあります。(※)「95%タイル値」とは、月初から月末までの通信量を当社が定めた一定時間間隔で分割して測定し、分割した各通信量を昇順で並べ替え上位から95%に位置する一意の値を算定します。 ④ 教育支援サービス「 manaba 」の拡販 主に大学などの教育機関に提供している教育支援サービス「manaba」につきましては、今後も教育現場のニーズを取り込み、教育の質を高めるイノベーションに貢献するためのサービス開発を進めてまいります。 大学の授業が対面とオンラインのハイブリッド型に変化した事に加え、文部科学省が進める教育のDX化が後押しされたこともあり、教育現場は学習環境や教材が紙媒体から電子データへ移行するデジタイゼーションが浸透しております。このような背景を踏まえ、「manaba」と外部サービスとの間でのデータ連携の要望が増えており将来を見据えたサービス開発が求められております。具体的には教育業界の標準規格であるLTI(Learning Tools Interoperability)に対応するためのサービス開発を進め、類似性チェックツールの「Turnitin」やWeb会議の「Zoom」等との連携による事例を増やすことで拡販に努めます。 ⑤ ブランドの構築と顧客満足度の維持、向上 2026年3月期のISP「ASAHIネット」の平均退会率は0.61%となりました。退会率は同業他社と比較し、低い水準を維持し続けております。 今後も退会を抑止し、更に競合各社からの乗換を促進していくことが重要であると認識しております。そのためには、質の高い会員サービスと安定した接続環境を提供していくことによって、信頼できるブランドを構築し、顧客満足度の維持・向上に努めることを重要な課題としております。 ⑥ 情報セキュリティへの取り組み 当社は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であるISO/IEC27001:2022を取得しております。ISMS関連規則等を遵守し、当社が保有する個人情報及び情報資産を適切に管理・運用すると共に、社内での継続的な取り組みを推進してまいります。 また、一般社団法人日本情報経済社会推進協会より、個人情報の適切な取り扱いを行う事業者に付与されるプライバシーマークを取得しているほか、インターネット接続サービス安全・安心マーク推進協議会が発行する「安全・安心マーク」使用許諾を得ております。今後も継続的に情報セキュリティや個人情報保護の認識を徹底させる教育を行い、適切な情報管理を行う管理体制を維持・強化していきます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針 当社の経営の基本方針は、社会基盤として重要な役割を担う先進的で高品質なインターネット接続サービスを適切な価格で安定的に提供することにあります。「接続料金」、「回線の安定性」、「回線の速度」、「サポート」といった基本的な価値の向上を図ることが重要であると考えております。また当社は教育支援サービス「manaba」を自社開発し大学などの教育機関へ提供しております。IT技術の活用によって教育の質を高めるインフラとしての価値の向上に努めてまいります。 (2)経営戦略等 インターネット接続サービスは生活インフラ及び事業インフラとしての役割が益々増大しております。当社は、顧客が求める通信品質を維持しながらオペレーションの更なる向上により顧客の利便性を高めていくことが重要課題であると考えております。また、Wi-Fi、VPN、監視カメラソリューション、教育支援サービスなど、インターネット接続の周辺領域の事業も進めております。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 先進的で高品質なインターネット接続サービスを適切な価格で継続的に提供していくためには、健全な財務基盤の維持が重要であると考えており、ROE及び1株当たり純利益を収益性の指標としております。当社が運営するISP「ASAHIネット」につきましては、会員制ビジネスであることから、インターネット接続契約数の増加を図ることが将来の収益源を確保することにつながっております。こうした観点から「ASAHIネット」のインターネット接続契約数、平均退会率、第三者による顧客満足度調査などを重要な指標としております。他電気通信事業者へIPv6接続サービスをローミング提供する「v6 コネクト」につきましては、提携する電気通信事業者数を重要な指標としております。教育支援サービス「manaba」につきましては、契約ID数に応じた課金体系となっていることから、契約ID数と全学導入校数を重要な指標としております。 (4)経営環境① 業界動向 当社が事業を展開する通信業界においては、高精細動画コンテンツの普及、AI活用によるデータ通信量の爆発的増加を背景に、より低遅延かつ大容量な「通信の質」を求めるニーズが加速しました。教育業界においては、文部科学省が進める「教育DX」が社会実装フェーズに入り、ラーニングアナリティクス(学習分析)を通じた教育の質保証が不可欠な課題となりました。このような環境下、当社は新経営体制のもと、さらなる中長期的な成長を見据えて、社会インフラとしての安定した通信環境の提供とお客様に満足いただけるサービス提供を維持し続けるための行動に努めております。② ISP業界 ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)業界においては、2025年9月末のFTTH(光ファイバー)の利用者数は前年同期比41万契約増(1.0%増)の4,135万契約となり増加しております。また、FTTH契約数のうちNTT東西の卸電気通信役務(サービス卸)を利用して提供される契約数は1,730万契約となっており、FTTH全体契約数に占める割合は前年同期比0.3%ポイント減の41.8%となりました。 MVNOサービスの利用者は、前年同期比669万契約増(19.7%増)の4,066万契約となりました。そのうち高速モバイル通信やIoT(Internet of Things)およびM2M(Machine to Machine)に利用されるSIMカード型の契約者数は前年同期比106万契約増(6.3%増)の1,794万契約となりました。eSIM(イー・シム)を含む通信モジュールの契約者数は前年同期比200万契約増(19.3%増)の1,235万契約となりました。なお、総務省から開示されたMVNOサービスの契約数は集計基準の変更により一部非連続となっております。 1契約あたりのダウンロードトラフィックは、総務省が2026年2月に公開した2025年11月分の集計結果では、固定系ブロードバンド契約者1契約あたりのダウンロードトラフィックが前年同月比109.6kbps増(13.2%増)の938.3kbps、1カ月あたりのダウンロードトラフィックは約294.1GBとなりました。インターネットトラフィックのピーク時間帯が19時から21時に集中する傾向に変化はありません。ピークトラフィック(ダウンロード)については、前年同月比で平日は14.6%増、休日は11.5%増となり、オンラインゲームや動画配信サービスなどがトラフィックの伸びを牽引していると捉えております。 トラフィック増加に起因する通信速度および通信品質の低下はISP業界に留まらず通信業界全体での課題となっています。デジタル社会の基盤となる通信インフラの重要性が高まっており、安定したインターネット通信環境が求められています。③ 教育業界 大学を取り巻く環境は、文部科学省が進める教育のDX化が後押しされたことにより、LMSやポートフォリオは新たな価値を求められております。教育支援サービス「manaba」は教育の質保証や大学IRを実現するために必要なサービスの提供が必要と考えており、2025年3月期から2年間を重点期間とした大規模開発を継続しており、その第3弾となる機能を第4四半期末にリリースいたしました。今後も計画通り開発を推し進め、サービスの競争力強化に努めてまいります。 ④ 業績の見通し 2026年4月、代表取締役社長執行役員の交代により新経営体制へと移行いたしました。当社はさらなる事業成長を見据え、「ISP」「VNE」「manaba」の3事業を中核に据えた成長戦略を加速させてまいります。既存事業の連続性と市場ニーズに対する必然性を重視した成長を図るとともに、周辺領域へのチャレンジも進めていくことを基本方針として掲げ、持続的な企業価値の向上を目指します。 ISP「ASAHIネット」は、FTTH接続サービスおよびモバイル接続サービスの契約数に比例して増加し、先行指標として、引き続き四半期単位でインターネット接続の契約数を開示してまいります。2027年3月期は、FTTH接続サービスの契約数を増加させることで売上増加を目指します。また、高単価かつ低解約率を特長とする光コラボレーションモデル「AsahiNet 光」の個人・法人向け施策を強化し、ストックビジネスとしての収益基盤をより強固なものとします。NTT東西と協業して販売している「マンション全戸加入プラン」は、マンションオーナーや不動産管理会社と一括契約することによりFTTH接続サービスの大きな契約数増加が見込めます。サービス面では、通信速度が最大10Gbpsに加え、次世代規格である25Gbps等の超高速通信ラインナップを拡充し、増大するトラフィック環境下でも、最適な通信品質と顧客満足度の維持に努めてまいります。また、2026年4月に公表した一部FTTH接続サービスの料金体系見直しを2027年2月に実施予定です。提供価値について、当社が提供する通信品質や価値を丁寧に説明し、安定的なサービス継続と収益性の適正化を両立させてまいります。 VNE「v6 コネクト」は、協業強化および新規提携の拡大に注力いたします。「v6 コネクト」はVNO事業者が利用した通信量に応じて利用料が発生するサービスです。インターネット独占配信によるスポーツ中継や大型オンラインゲームの普及により、コンテンツダウンロードによる通信量は増加の一途を辿っています。こうした環境下で、VNO事業者にとって「通信品質の維持」と「コストコントロール」の両立は経営上の最重要課題となっています。当社はNTT東西のNGN網と相互接続しているIPv6ネットワークの構成を一部見直すことにより、従来よりも費用の増加を抑えながら取り扱いトラフィック量を増やす取り組みを進めてきました。2027年3月期も、引き続き当社は提携するVNO事業者の事業拡大や維持に向けて提供価格の最適化やネットワークの維持コストを見直していきます。 教育支援サービス「manaba」においては、教育の質保証や大学IR(Institutional Research)を実現する機能開発を推進し、既存顧客の維持と新規受注の拡大による売上増加を目指しております。昨今の大学を取り巻く環境は、社会から求められる機能や役割が変わりつつあるとともに、文部科学省が推進する教育のDX化や生成AIを活用した教育のあり方について活発な議論が行われています。一方で、大学経営の厳格化に伴い、LMS(ラーニング・マネジメント・システム)市場は低価格帯を求める「コスト重視層」と、教育効果を追求する「価値重視層」への二極化およびコモディティ化が加速しております。こうした市場の変化に対し、当社が提供するLMSやポートフォリオには、従来の機能競争とは異なる新たな価値が求められており、これに対応するため、「manaba」は対価が見込める層へのターゲットの絞り込みを行い、顧客の成果(アウトカム)に直接的に貢献するソリューションとしてのサービス像の確立を進めてまいります。この方針に基づき、2026年3月末には「市場適合性の担保」を目的としたプロジェクトを通じて新たに約50の機能をリリースしました。これにより、大学が掲げる教育活動の推進および、教員と学生間における「学びの質」を向上させるサポート体制を構築しました。今後は、教育情報セキュリティポリシーへの準拠や非機能面の強化を進め、より安心・安全な学習環境を提供いたします。中長期的な成長に向けた新たな挑戦として、学生の学習履歴やイベントログデータを活用した行動分析に関する共同研究を鋭意進めております。この知見を核として、AI活用やコンサルティングを統合し、大学の経営課題解決に直結する学生支援ソリューションとして、2027年3月期末までのサービス開発を目指しています。これらの取り組みにより、当社サービスの提供価値向上と大学の持続可能な教育インフラの運用支援を両立させ、持続的な事業成長を実現してまいります。 この方針のもと2027年3月期の業績予想については、売上高14,000百万円(前期比482百万円増、3.6%増)、営業利益は1,800百万円(同8百万円増、0.5%増)、経常利益は1,830百万円(同8百万円増、0.5%増)、当期純利益は1,300百万円(同6百万円増、0.5%増)を見込みます。配当金は、中間配当12円50銭、期末配当12円50銭の年間1株あたり25円00銭(配当性向49.8%)を予定しております。「ISP」「VNE」「manaba」の各事業で増収を計画しており、費用面では売上高に連動する回線仕入の増加や基幹システムの更改による減価償却費の増加を見込んでいます。2027年3月期の設備投資は2,500百万円を予定しております。ネットワーク関連の設備投資、および定期的に更新が必要となるサーバ領域の設備投資は例年どおりの規模を予定しております。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① お客様に満足いただける品質のサービス維持と通信費の抑制 インターネットにおけるトラフィックは、総務省が2026年2月に公開した集計結果によると固定系ブロードバンド契約者1契約当たりのダウンロードトラフィックは前年同月比109.6kbps増(13.2%増)の938.3kbps、1ヵ月当たり294.1GBとなり増加傾向にあります。 当社はNTT東西のフレッツ網(NGN)と直接接続し、シンプルにインターネット接続ができるネイティブ方式でのIPv6接続サービスを「ASAHIネット」会員向けに提供することにより、トラフィックが増加する中でも高い品質を維持し続けております。第三者機関による顧客満足度評価においては12年連続第1位の評価をいただいております。売上に対する通信原価においては売上原価率を維持することができております。今後もお客様に対して満足いただけるサービスの提供と利益の増大を図ってまいります。 ② ISP「ASAHIネット」会員の獲得 「ASAHIネット」会員数を増加させるためには、当社を利用する新規会員の増加を図ることが課題です。 FTTH接続サービスにおいては、新規回線敷設または他ISPから当社への乗換を希望する会員に対して効率的な販促施策を行ってまいります。引き続き当社への入会チャネルの強化や法人向け施策など顧客満足度の高い「ASAHIネット」の認知度を向上させることで会員数増加を目指します。 特に、NTT東西の光コラボレーションモデルを活用したサービスとしてアクセス回線とISPサービスをセットにした「AsahiNet 光」や「ASAHIネット ドコモ光」、NTT東西と協力して提供している「ASAHIネット マンション全戸加入プラン」、最大通信速度が概ね10Gbps(上り・下り)の光アクセスサービス「フレッツ 光クロス」においては、より一層の品質向上が実現できるサービスとして注力をして施策を行います。その一環として、NTT東日本が2026年3月より提供を開始した国内最速スペックとなる上り下り最大概ね25Gbpsの高速通信サービス「フレッツ 光25G」への対応を開始いたしました。 モバイル接続サービスにおいては、コンピュータなどの情報・通信機器だけではなく、世の中に存在する様々なモノに通信機能をもたせるIoTやM2Mの市場規模が引き続き増加しており、当社ではこれらの需要に対して先進的なサービスを提供し、お客様の利便性をさらに高めていくことが重要だと考えております。また、在宅勤務等のテレワーク拡大など今後も需要が増加すると考えております。 当社の収益構造は会員からのインターネット接続料収入を基礎としているため会員獲得の増加が収益基盤の向上につながります。 ③ 「v6 コネクト」の拡販 当社はNTT東西のフレッツ網(NGN)と直接接続し、シンプルにインターネット接続が出来るネイティブ方式でのIPv6接続サービスを「v6 コネクト」として他電気通信事業者へローミング提供をしております。2026年3月末の提携事業者数は10社、売上高は2,415百万円となりました。「v6 コネクト」を利用する顧客は集合住宅向け事業者やISP事業者など電気通信事業者を想定しており、今後は新たな事業領域を開拓する取り組みを進めております。通信トラフィックが継続的に増加する状況下において、電気通信事業者は自社事業を継続するためのサービス品質維持と必要な費用の均衡を保ちたいという需要や、IPv6接続サービスを活用して自社サービスや顧客サポートを作り上げることでビジネス領域や規模の拡大を目指したいという需要に対して「v6 コネクト」の付加価値を高めたサービス開発を行ってまいります。 「v6 コネクト」の売上高は主として基本料金及び従量料金をそれぞれ算定してサービス利用料を定めております。このうち従量料金は利用帯域において「95%タイル値」(※)として測定された最大通信量と基準通信量とを比較衡量して算定されます。最大通信量の測定及び最大通信量に基づいた従量料金の算定には複雑性が伴うため、「v6 コネクト」のサービス利用料が正しく行われず請求機会の逸失や遅れが発生する恐れがあります。(※)「95%タイル値」とは、月初から月末までの通信量を当社が定めた一定時間間隔で分割して測定し、分割した各通信量を昇順で並べ替え上位から95%に位置する一意の値を算定します。 ④ 教育支援サービス「 manaba 」の拡販 主に大学などの教育機関に提供している教育支援サービス「manaba」につきましては、今後も教育現場のニーズを取り込み、教育の質を高めるイノベーションに貢献するためのサービス開発を進めてまいります。 大学の授業が対面とオンラインのハイブリッド型に変化した事に加え、文部科学省が進める教育のDX化が後押しされたこともあり、教育現場は学習環境や教材が紙媒体から電子データへ移行するデジタイゼーションが浸透しております。このような背景を踏まえ、「manaba」と外部サービスとの間でのデータ連携の要望が増えており将来を見据えたサービス開発が求められております。具体的には教育業界の標準規格であるLTI(Learning Tools Interoperability)に対応するためのサービス開発を進め、類似性チェックツールの「Turnitin」やWeb会議の「Zoom」等との連携による事例を増やすことで拡販に努めます。 ⑤ ブランドの構築と顧客満足度の維持、向上 2026年3月期のISP「ASAHIネット」の平均退会率は0.61%となりました。退会率は同業他社と比較し、低い水準を維持し続けております。 今後も退会を抑止し、更に競合各社からの乗換を促進していくことが重要であると認識しております。そのためには、質の高い会員サービスと安定した接続環境を提供していくことによって、信頼できるブランドを構築し、顧客満足度の維持・向上に努めることを重要な課題としております。 ⑥ 情報セキュリティへの取り組み 当社は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であるISO/IEC27001:2022を取得しております。ISMS関連規則等を遵守し、当社が保有する個人情報及び情報資産を適切に管理・運用すると共に、社内での継続的な取り組みを推進してまいります。 また、一般社団法人日本情報経済社会推進協会より、個人情報の適切な取り扱いを行う事業者に付与されるプライバシーマークを取得しているほか、インターネット接続サービス安全・安心マーク推進協議会が発行する「安全・安心マーク」使用許諾を得ております。今後も継続的に情報セキュリティや個人情報保護の認識を徹底させる教育を行い、適切な情報管理を行う管理体制を維持・強化していきます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況インターネット接続サービスの状況 2026年3月期のインターネット接続サービスの売上高は前期比462百万円増(3.9%増)の12,202百万円となりました。 ISP「ASAHIネット」 ISP「ASAHIネット」においては、FTTH接続サービスの2026年3月末の契約数は前年同期末比16千ID増(3.2%増)の514千IDとなりました。FTTH接続サービスにおいてはNTT東西が提供する最大通信速度が概ね10Gbpsの光アクセスサービス「フレッツ 光クロス」の提供エリア拡大に伴い契約数は増加しました。加えて、NTT東西と協業して販売する「マンション全戸加入プラン」もマンション入居時よりインターネットが完備されている物件需要の増加を背景に契約数が伸長しました。一方で、法人顧客の退会数が2026年3月末まで一時的に増加し、契約数の増加を押し下げました。 モバイル接続サービスの2026年3月末の契約数は、前年同期末比2千ID減(3.6%減)の46千IDとなりました。モバイル接続サービスはSIMカード型で従量制のLTEと、モバイルWi-Fiルータ型で定額制のWiMAXの2つの接続サービスを提供しております。LTE接続サービスは、固定IPアドレスオプションと組み合わせることで遠隔に設置している機器にインターネット経由でアクセスするIoT/M2Mの需要が継続的にあり、主に法人向けの契約数が増加しております。 ADSL接続サービスの2026年3月末の契約数は前年同期末比1千ID減(31.9%減)の2千IDとなりました。なお、ADSL接続サービスは、回線提供元のサービス終了に伴い、2026年1月31日をもってサービスの提供を終了いたしました。 以上の結果、2026年3月期の「ASAHIネット」の売上高は前年同期比208百万円増(2.2%増)の9,786百万円となりました。 第三者機関の調査により、利用者満足度の高いインターネット通信サービスを選出する「RBB TODAY ブロードバンドアワード2025」において、「プロバイダ部門(総合)」の部で12年連続の最優秀を受賞しました。また、「RBB TODAY ブロードバンドアワード2025法人版」において、大企業部門の「継続意向の部」で最優秀賞、その他複数部門にて優秀賞を受賞しました。当社の安定した通信品質とサポート体制が、幅広くビジネスユーザーの皆様に評価された結果であると考えております。 当社は、サービス品質を維持する一方で、多様化するお客様のニーズへの対応にも積極的に取り組んでおり、その一環として、NTT東日本が2026年3月より提供を開始した国内最速スペックとなる上り下り最大概ね25Gbpsの高速通信サービス「フレッツ 光25G」への対応を開始いたしました。今後も技術力の向上とサービス品質の追求に努めてまいります。 VNE「v6 コネクト」 VNE「v6 コネクト」の2026年3月末の提携事業者数は10社となりました。2026年3月期の「v6 コネクト」の売上高は前期比254百万円増11.8%増)の2,415百万円となりました。「v6 コネクト」はVNO事業者(電気通信事業者)に対してNTT東西が提供するフレッツ光を使ったIPoE方式によるIPv6インターネット接続を卸提供するサービスです。当社は、主として基本料およびVNO事業者が利用したトラフィックに応じた従量課金額を売上として計上します。売上高の増収要因は主に2点から構成されます。1点目は提携事業者が取り扱うフレッツ光の回線数増加です。2点目は1回線あたりのトラフィック増加です。2026年3月期は引き続き、1回線あたりのトラフィック増加が売上高を牽引しており、特に第4四半期は、インターネット独占配信によるスポーツ中継の影響もあり、トラフィックが増加しました。 インターネット関連サービスの状況 2026年3月期のインターネット関連サービスの売上高は前年同期比23百万円減(1.8%減)の1,315百万円となりました。 教育支援サービス「manaba」 教育支援サービス「manaba(マナバ)」の2026年3月末の契約ID数は前年同期末比7千ID減(0.9%減)の761千IDとなりました。全学導入校数は前年同期末比2校減(2.3%減)の86大学となりました。2026年3月期の「manaba」の売上高は前期比16百万円減(2.9%減)の560百万円となりました。 大学を取り巻く環境は、文部科学省が進める教育のDX化が後押しされたことにより、LMSやポートフォリオは新たな価値を求められております。教育支援サービス「manaba」は教育の質保証や大学IRを実現するために必要なサービスの提供が必要と考えており、2025年3月期から2年間を重点期間とした大規模開発を継続しており、その第3弾となる機能を第4四半期末にリリースいたしました。今後も計画通り開発を推し進め、サービスの競争力強化に努めてまいります。 その他 「その他」はメールサービスやセキュリティサービス、その他関連サービスの売上高となります。2026年3月期の「その他」の売上高は前年同期比6百万円減(0.9%減)の754百万円となりました。 収益の状況 売上高、営業利益は、2026年2月に下方修正した業績予想の売上高13,400百万円に対する達成率は100.9%、営業利益1,725百万円に対する達成率は103.9%となりました。VNE「v6 コネクト」は、提携事業者との取り扱い通信量が増加したことにより増収となりました。ISP「ASAHIネット」は、NTTチャネルやWebチャネルで会員獲得を強化したことによりFTTH接続サービスの契約数が増加し増収となりました。 売上原価は、FTTH接続サービスの契約数増加により回線仕入等が増加しました。また、前事業年度から取り組みを進めている基幹システム更改の一部をリリースしたことにより、減価償却費および基幹システム更改の維持開発等に関する業務委託費が増加しております。加えて、原材料費の高騰や賃金上昇の影響等により売上原価が増加しました。 販売費及び一般管理費は、ISP「ASAHIネット」の会員獲得を目的とした、NTTチャネルおよびWebチャネルでのプロモーション活動を強化したことにより増加しました。 以上の結果、2026年3月期の売上高は13,517百万円(前期比439百万円増、3.4%増)、営業利益は1,791百万円(同553百万円減、23.6%減)、経常利益は1,821百万円(同543百万円減、23.0%減)、当期純利益は1,293百万円(同459百万円減、26.2%減)となりました。 財政の状況 財政状態といたしましては、自己株式の取得による現金及び預金の減少などにより、当事業年度末の総資産は14,515百万円(前期末比1.8%減)となりました。 負債は、未払法人税等の減少などにより1,406百万円(同17.1%減)となりました。 純資産は、利益剰余金の増加などにより13,108百万円(同0.1%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前期末より1,686百万円減少し、2,474百万円となりました。 なお、当期における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により得た資金は1,914百万円(前年同期は2,462百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益が1,820百万円、減価償却費が1,268百万円あったことに対し、法人税等の支払額が902百万円あったことによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は2,239百万円(前年同期は563百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が888百万円、無形固定資産の取得による支出が1,851百万円あったことによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により使用した資金は1,361百万円(前年同期は1,247百万円の使用)となりました。これは、自己株式の取得による支出が701百万円、配当金の支払額が659百万円あったことによるものです。 ③ 生産、受注及び販売の状況a.生産実績 該当事項はありません。 b.受注実績 該当事項はありません。c.販売実績 当事業年度における販売実績を製品及びサービスごとに示すと、次のとおりであります。製品及びサービスの名称販売高(百万円)前年同期比(%)ISP事業 インターネット接続サービス12,2023.9インターネット関連サービス1,315△1.8合計13,5173.4(注)インターネット接続サービスには、新規会員獲得に関わる提携電気通信事業者からの報奨金を含んでおります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の記載のうち将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 ① 当事業年度の財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容a.財政状態の分析 当期末の流動資産合計は6,866百万円(前年同期末比2,058百万円減)となりました。また、固定資産合計は7,648百万円(同1,785百万円増)となりました。 以上の結果、当期末の資産合計は14,515百万円(同272百万円減)となりました。(負債) 当期末の流動負債合計は1,406百万円(同289百万円減)となりました。 以上の結果、当期末の負債合計は1,406百万円(同289百万円減)となりました。(純資産) 当期末の純資産合計は13,108百万円(同16百万円増)となりました。 以上の結果、自己資本比率は90.3%となりました。 b.経営成績の分析 当事業年度の売上高は、13,517百万円(前年同期比439百万円増)となりました。ISP「ASAHIネット」は「AsahiNet 光」、「ASAHIネット マンション全戸加入プラン」などのFTTH接続サービスやLTEやWiMAXなどのモバイル接続サービスの拡販、VNE「v6 コネクト」は取り扱い通信量の増加、が主な増収要因となります。 営業利益は1,791百万円(同553百万円減)となりました。売上原価は、FTTH接続サービスの契約数増加により回線仕入等が増加いたしました。また、前事業年度から取り組みを進めている基幹システム更改の一部をリリースしたことにより、減価償却費および基幹システム更改の維持開発等に関する業務委託費が増加しております。加えて、原材料費の高騰や賃金上昇の影響等により売上原価が増加いたしました。 以上の結果、当期純利益は1,293百万円(同459百万円減)となりました。 c.キャッシュ・フローの分析 キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ② 資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社は、無借金による財務体質を維持しており、高い自己資本により事業運営を行っております。事業活動にかかる運営資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金を財源とし、設備投資及び配当原資としております。 ③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は自己資本当期純利益率(ROE)を全社の目標経営指標として設定し、投資家が期待する利回りである株主資本コスト(5%~6%)を上回るROE10%以上の達成を目標としております。さらに1株当たり純利益の継続的な成長により、株主還元の充実を図る事を重要な経営方針としております。 過去5年間のROE、PBR及び1株当たり純利益の推移は以下のとおりです。 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期ROE11.3%11.1%10.5%13.7%9.9%PBR1.461.381.431.391.281株当たり純利益44.92円45.92円46.46円64.99円49.65円 2025年3月期は特別利益として投資有価証券売却益137百万円を計上しているため、ROE及び1株当たり純利益が増加しております。 ISP「ASAHIネット」につきましては、FTTH接続サービス並びに、モバイル接続サービスの契約数、平均退会率、第三者による顧客満足度調査などを重要な指標としております。 過去5年間の推移は以下のとおりです。 (単位:千ID) 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期FTTH(光接続)サービス契約数448455470498514モバイル接続サービス契約数4747484746平均退会率0.71%0.75%0.66%0.66%0.61%第三者による顧客満足度調査RBB TODAYISP部門総合第1位等RBB TODAYISP部門総合第1位等RBB TODAYISP部門総合第1位等RBB TODAYISP部門総合第1位等RBB TODAYISP部門総合第1位等 「ASAHIネット」契約数は順調に増加しております。トラフィックの増加によりFTTHの需要が増加する中で、接続料金、通信の安定性、通信速度等により当社接続サービスの契約数が増加しております。IoTの進展や働き方改革による法人契約の需要が増加していることに加え、マンション全体での一括契約を前提とした「ASAHIネット マンション全戸加入プラン」も引き続き契約数が増加する要因にあげられます。 平均退会率については、安定して低減傾向にあり、2026年3月期は0.61%という結果となりました。 第三者による顧客満足度調査では、2026年1月に発表されたブロードバンド時代のベストプロバイダを選ぶ「RBB TODAY ブロードバンドアワード」において「プロバイダ部門 総合満足度第1位」を獲得しました。同受賞は12年連続通算15回目となります。 今後も高品質なサービスを提供していくことで、会員数の増大を図り企業価値を高めてまいります。 インターネット関連サービスにおいては、教育支援サービス「manaba」の契約ID数、全学導入校数を重要な指標としております。 過去5年間の推移は以下のとおりです。 (単位:千ID) 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期「manaba」契約ID数825818790768761全学導入校数101校100校93校88校86校 2024年3月期以降は一部大学の解約が発生したことと新規で契約する全学導入校数が少なかったことにより減少しております。 ④ 重要な会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたりまして、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

事業リスク

  • FTTH市場の競争激化と成長鈍化
    FTTH(光回線)市場は拡大が見込まれるものの、市場の成熟に伴い、新規顧客獲得の伸び率が低下する可能性があります。また、大手通信キャリアなど資本力や販売力のある競合他社との競争が激化することで、顧客獲得が計画通りに進まず、業績や財務状況に悪影響を及ぼすリスクがあります。
  • インターネット関連サービスの収益化の不確実性
    インターネット接続サービス以外の関連サービス(例:manaba)の充実により、顧客一人当たりの売上増加や会員数拡大を目指していますが、事業化に時間がかかったり、多額の費用を要したりする可能性があります。また、想定通りにユーザーを獲得できなかったり、市場環境が変化したりすることで、計画通りの収益拡大が困難になるリスクがあります。
  • 技術革新への対応遅れと設備投資の陳腐化
    インターネット業界は技術革新が非常に速く、新しい技術への対応が遅れると、新規サービスの開発や導入が滞り、競争力が低下する可能性があります。また、多額の設備投資を行ったネットワーク機器やサーバーが、技術革新によって早期に陳腐化し、その価値が著しく下落するリスクも存在します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,442 文字
3【事業等のリスク】 当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。 また、必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断上あるいは当社の事業活動を理解するうえで重要であると考えられる事項については投資家及び株主に対する情報開示の観点から積極的に記載しております。 なお、文中の記載のうち将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)事業環境の変化について 2025年12月末におけるFTTH契約数は、4,151万人に達しております。 当社は依然として増大が見込まれるFTTH市場でのシェア拡大による成長を目論んでおりますが、FTTH接続サービスの会員獲得が計画通りに遂行できなければ契約数の伸び率が低下する可能性があります。また、FTTH市場の成熟に伴い当社におけるインターネット契約会員数の伸び率が経年的に低下していく可能性があります。 当社では接続事業以外のインターネット関連サービスの充実によって、会員1人当たりの売上高増加を図るとともに、サービス会員数を増大させていくことを計画しております。しかし、インターネット関連サービスについては、事業化までに相応の期間を要したり、事業展開に相当の費用を要するケースも想定されます。また、何かしらの理由によって当社のインターネット関連サービスが十分にユーザーを獲得できないことも想定されます。さらにインターネット関連サービスの事業環境においては、想定外の環境変化が生じる可能性もあります。これらの要因によって、予定通りにインターネット関連サービスの収益拡大を図ることができなくなる可能性があります。 (2)競合について 当社が提供するインターネット接続サービスにおける主な競合相手は、自ら通信回線等の設備を有して電気通信事業を行っている電気通信事業者やインターネット接続事業者です。競合他社においては、主に大手通信キャリアなど当社と比較して大きな資本力、技術力、販売力等の経営資源、幅広い顧客基盤、高い知名度等を有している企業が存在します。競合他社の営業方針や価格設定により、競合他社との競争が更に激化する可能性があり、それにより当社の業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。 (3)収益構造について 当社において、インターネット接続サービスの売上高全体に占める割合は、2026年3月期において90.3%となっております。インターネット接続サービスの収益構造は、インターネット接続サービス利用料等の売上のほか、新規会員獲得に伴い提携電気通信事業者から支払われる販売報奨金などの売上や、新規会員獲得費用及び通信回線使用料などの経費に影響します。 新規会員獲得費用については、初期費用や月額利用料の一定期間無料化等のキャンペーンを行っているため月額利用料等の収入化に先行して提携電気通信事業者への回線利用料等や販売促進費の費用が発生し、一時的に当社の収益を悪化させる要因となります。 また、通信回線使用料にはバックボーン回線費用が含まれますが、当該バックボーン回線費用はインターネット利用によって発生するトラフィック等に大きく影響されます。従って、FTTH接続サービス契約数の増加、ウイルス、スパムメール、動画配信等による大量のトラフィック消費及びその他予期せぬ原因によるトラフィック増加によって通信回線使用料は大きく増加する可能性があり、結果として当社の収益に影響を及ぼす可能性があります。 加えて、昨今の地政学リスクや円安に伴うエネルギー価格・原材料費の高騰、ならびにシステム維持・開発に関する業務委託費や賃金水準の上昇が、当社の収益に影響を及ぼす可能性があります。 (4)技術革新について インターネット接続サービスやインターネット関連サービスは技術革新が著しく、当社が技術革新への対応に遅れた場合は新規サービスの開発や導入が滞り新規会員の獲得や維持に支障が生じるなど競争力が低下していく可能性があります。また当社が設備投資を行った資産が技術革新によって陳腐化し利用価値または資産価値が著しく下落する可能性があります。 (5)障害や災害などによるサービスの中断や停止について 当社のインターネット接続サービスにおける通信回線は、それぞれの電気通信事業者が管理しています。また、ネットワーク機器、各種サービス提供用サーバー、課金及び顧客管理用サーバーなど、当社のインターネットサービス提供に係るすべての機器については、当社において24時間365日の管理体制で運用しております。 このような管理状況下においても、システム障害や電気通信事業者における回線障害などにより当社が提供するサービスの中断や停止が発生する可能性があります。また、地震、火災、洪水などの自然災害、戦争、暴動、テロなどの破棄行為やウイルス侵入、サイバーテロなど情報セキュリティ侵犯などにより当社が提供するサービスの中断や停止が発生する可能性があります。これらの事情によって当社が提供するサービスの中断や停止が発生した場合、当社の信用が毀損されたり、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。 (6)当社のインターネットサービスの品質について 当社は会員の増加や通信トラフィックの増加に対応して通信回線を増強するとともに、ネットワーク機器やサーバーなどの設備投資を継続的かつ適切に実施することによりインターネットサービスの品質維持及び改善を図っております。品質維持および改善のための設備投資の増加が当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (7)提携電気通信事業者との契約について 当社は、提携電気通信事業者であるNTT東日本株式会社、NTT西日本株式会社、KDDI株式会社、UQコミュニケーションズ株式会社及びNTTドコモビジネス株式会社とFTTH接続サービス、モバイル接続サービス等におけるアクセス回線の提供に関する契約を締結し、当該アクセス回線の提供を受けております。 今後、契約終了や契約内容変更などの事態が発生した場合、当社の営業戦略や価格政策の見直しが必要になる可能性があり、その内容によっては当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (8)人材の育成及び確保について 当社が安定した成長を続けるには、高い技術力を持つ技術部門において優秀な技術要員を確保しつづけることをはじめ、各部門において多様な能力を持つ優秀な人材を確保していく必要があります。現時点においては、新卒採用及び中途採用などで人材を確保し、人材育成も順調に行っておりますが、必要な人材を十分に採用及び育成出来なかった場合、当社の将来の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (9)法的規制について① 電気通信事業法 当社はインターネット接続事業に関して電気通信事業法に基づく届出を行っており、同法の規制を受けております。また、当社は同法が規定している内容を社員・役員に徹底し、この法令に則って事業を展開しております。同法には、届出の取消事由等の定めはありませんが、何らかの事由によって監督官庁から行政処分などを受けた場合、当社の事業展開に悪影響を及ぼす可能性や、事業が行えなくなる可能性があります。 ② 個人情報保護法 当社は多数の会員の個人情報を保有しており、個人情報の取扱いに関しては個人情報保護に関する法律の規制を受けております。当社では同法に則った個人情報保護方針に基づいて、適切な個人情報保護運営に努めておりますが、万一、当社の持つ個人情報が外部に流出した場合には、その事後処理に相当の費用を要したり、損害賠償請求を受けたり、信用が毀損される可能性があります。 ③ 不正アクセス行為の禁止等に関する法律など 近年、国内において、インターネット上の各種不正・迷惑行為を取り締まる法律が整備されつつあります。不正アクセス行為の禁止等に関する法律、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律、特定商取引に関する法律、不正競争防止法、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律、著作権侵害に伴う発信者情報開示請求に関する「著作権法」など、インターネット関連サービスを直接規制するものではありませんが、その対応のため当社グループの費用負担が著しく増加する可能性があります。また、これらの法規制に対する当社の対応が不適切であった場合には、当社の信用が毀損され、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 情報流通プラットフォーム対処法 特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(情報流通プラットフォーム対処法)は、特定電気通信による情報の流通によってプライバシーや著作権などの権利侵害があったときに、プロバイダなどの特定電気通信役務提供者が負う損害賠償責任の範囲や、発信者情報の開示請求権などを定めた法律です。 この法律に基づき、権利侵害を受けた被害者から起こされる発信者情報開示の任意請求や訴訟、非訟手続きについて、件数が増加する場合は、当社の費用負担が増加し、当社の対応が不適切であった場合は、当社の信用が毀損され、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 特定商取引に関する法律など 当社はインターネットのウェブサイト上においても会員の募集、申込受付を行っており、これは「通信販売」として特定商取引に関する法律の規制を受けることがあり、販売条件等の表示義務、誇大広告等の禁止等の規制を受けるほか、不当景品類及び不当表示防止法における各種表示義務の規制を受けております。これらの法規制に対する当社の対応が不適切であった場合には、当社の信用が毀損され、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ その他の法規制 今後、インターネット上での紛争解決の責任の一部を電気通信事業者に負わせる法制度が増加する可能性があり、その他にも当社の事業に関わる法規制が新設または強化されることもあり得ます。そのような場合には、当社の事業運営の自由度や迅速性が損なわれたり、予期せぬコスト負担が発生して当社の業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (10)知的財産権について 当社は、インターネット関連サービスなどの事業展開にあたって、他社の知的財産権を侵害することがないよう十分に注意しておりますが、何らかの事情によって他社の知的財産権を侵害する可能性を完全に否定することはできません。他社の知的財産権を侵害するような事態が発生した場合、該当サービス提供の中止、サービス提供手段等の変更、使用許諾料負担などの対処が必要となり、当社の事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。

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