事業の概要
- 多角的な事業展開:トクヤマは、化成品、セメント、電子先端材料、ライフサイエンス、環境事業という5つの主要セグメントで事業を展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した収益基盤を構築しています。各セグメントはそれぞれ異なる産業分野に貢献し、幅広い顧客ニーズに対応しています。
- 化学品製造販売:苛性ソーダやソーダ灰などの基礎化学品から、塩化ビニル樹脂、酸化プロピレンといった高機能化学品まで多岐にわたる製品を製造・販売しています。これらの製品は、様々な産業の基盤材料として不可欠であり、安定した需要が見込まれます。
- 先端材料と環境貢献:多結晶シリコンや窒化アルミニウムなどの電子先端材料は、半導体やディスプレイ産業の発展を支えています。また、イオン交換膜の製造や廃石膏ボードのリサイクルといった環境事業も展開し、持続可能な社会への貢献と新たな収益源の確保を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 化成品事業:苛性ソーダ、ソーダ灰、塩化カルシウム、塩化ビニルモノマーなどの基礎化学品や高機能化学品を製造・販売しており、売上高は1,149.25億円、営業利益は108.32億円と、グループ内で最も大きな収益を上げています。幅広い産業の基盤を支える重要なセグメントです。
- セメント事業:セメント、生コンクリート、セメント系固化材の製造・販売に加え、資源リサイクルも手掛けています。売上高は643.12億円、営業利益は74.53億円で、建設業界の需要に支えられています。環境負荷低減にも貢献する事業です。
- 電子先端材料事業:多結晶シリコン、乾式シリカ、窒化アルミニウム、高純度イソプロピルアルコールなど、半導体や電子部品製造に不可欠な高機能材料を提供しています。売上高は862.18億円、営業利益は95.83億円と、高成長分野で堅調な収益を上げています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ChemicalsReportableSegment | 事業 | 1,149 | 108 | 9.4% |
| CementReportableSegment | 事業 | 643 | 75 | 11.6% |
| ElectronicAndAdvancedMaterialsReportableSegment | 事業 | 862 | 96 | 11.1% |
| LifeScienceReportableSegment | 事業 | 419 | 78 | 18.6% |
| EcoBusinessReportableSegment | 地域 | 49 | 1 | 1.1% |
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3 【事業の内容】当社および当社の関係会社(当社、子会社55社および関連会社33社(2026年3月31日現在)により構成)においては、化成品、セメント、電子先端材料、ライフサイエンス、環境事業の5つの報告セグメントでの事業を主として行っております。各セグメントにおける当社および関係会社の位置付け等は次のとおりです。なお、次の5つのセグメントは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一です。 <化成品セグメント>化成品セグメントにおいては、苛性ソーダ、ソーダ灰、塩化カルシウム、重炭酸ナトリウム、珪酸ソーダ、水素、塩化ビニルモノマー、塩化ビニル樹脂、酸化プロピレン、塩素系溶剤等を製造・販売しております。≪主な関係会社≫(製造販売)サン・アロー化成㈱(販売)㈱トクヤマソーダ販売 <セメントセグメント>セメントセグメントにおいては、セメント、生コンクリート、セメント系固化材等の製造・販売および資源リサイクルを行っております。≪主な関係会社≫(製造販売)広島トクヤマ生コン㈱、Tokuyama Nouvelle Calédonie S.A.、東京トクヤマコンクリート㈱、西部徳山生コンクリート㈱、川崎徳山生コンクリート㈱、九州徳山生コンクリート㈱、中国生コンクリート㈱、㈱しろかわ、㈱トクヤマエムテック、山陽徳山生コンクリート㈱、山口エコテック㈱(販売)トクヤマ通商㈱ <電子先端材料セグメント>電子先端材料セグメントにおいては、多結晶シリコン、乾式シリカ、四塩化珪素、窒化アルミニウム、電子工業用高純度イソプロピルアルコール、フォトレジスト用現像液、工業用イソプロピルアルコール等を製造・販売しております。≪主な関係会社≫(製造販売)TOKUYAMA VIETNAM CO., LTD.、徳山化工(浙江)有限公司、台湾徳亞瑪股份有限公司、Tokuyama Singapore Pte. Ltd.、台塑德山精密化學股份有限公司、STAC Co., Ltd.、TDパワーマテリアル㈱、韓徳化学㈱(販売)㈱トクヤマソーダ販売 <ライフサイエンスセグメント>ライフサイエンスセグメントにおいては、医療診断システム、体外診断用医薬品、体外診断用医薬品材料、歯科器材、医薬品原薬・中間体、プラスチックレンズ関連材料、微多孔質フィルム等を製造・販売しております。≪主な関係会社≫(製造販売)㈱エイアンドティー、㈱MBLマテリアルズ、㈱医学生物学研究所、MBL Shenzhen Biotech Co., Ltd.、㈱トクヤマデンタル(販売)愛研徳医療器械貿易(上海)有限公司、MBL Beijing Biotech Co., Ltd.、Tokuyama Dental Italy S.r.l.、Tokuyama Dental Deutschland GmbH、Tokuyama Dental America Inc. <環境事業セグメント>環境事業セグメントにおいては、イオン交換膜等を製造・販売および廃石膏ボードリサイクルを行っております。≪主な関係会社≫(製造販売)㈱トクヤマ・チヨダジプサム、㈱アストム、㈱エクセルシャノン <その他>報告セグメントに含まれないその他の事業としては、海外での当社グループの製品販売、運送業、不動産管理業等を行っております。≪主な関係会社≫トミテック㈱、Tokuyama Singapore Pte. Ltd.、徳玖山国際貿易(上海)有限公司、Tokuyama Korea Co., Ltd.、徳玖山(上海)管理有限公司、周南システム産業㈱、トクヤマ海陸運送㈱、共栄石油㈱、周南バルクターミナル㈱、德山台灣股份有限公司、㈱ASM、OCI Tokuyama Semiconductor Materials Sdn. Bhd.、クアーズテック徳山㈱、徳山ポリプロ㈱、西日本レジコート㈱、フィガロ技研㈱ 〔事業系統図〕以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 安価な競合品の市場流入や価格競争の長期化により収益性低下の可能性。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 先端半導体周辺材料、医療材料、水電解用アニオン交換膜材料などの開発を進めている。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:自然災害による生産設備や物流への影響 / 生産設備における事故・故障の発生 / 感染症パンデミックによる業務停止
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
特定の高機能化学品や医薬品中間体における技術力は存在するが、汎用化学品が多く、強力なブランド力や特許網による明確な無形資産の優位性は限定的。研究開発投資は継続しているものの、競合他社との差別化が明確なレベルには至っていない。
スイッチングコスト★★☆☆☆
一部の特殊化学品や電子材料分野では、顧客との共同開発や長年の取引実績により、一定のスイッチング・コストが存在する。しかし、主力であるセメントやソーダ製品においては、価格競争力が重視される傾向があり、顧客の乗り換え障壁は低い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
事業内容にネットワーク効果を期待できる要素は見当たらない。化学品製造・販売というビジネスモデルにおいて、ユーザー数の増加が製品価値を直接的に高める構造は存在しない。
コスト優位★★★☆☆
セメント事業における大規模な生産設備と、長年にわたる操業ノウハウによるコスト管理能力は一定の評価ができる。また、ソーダ製品においても、規模の経済を活かした効率的な生産体制を構築している。ただし、エネルギー価格の変動や原料調達コストの影響を受けやすい。
規模の経済★★★★☆
セメント事業においては、国内有数の生産能力と販売網を有しており、業界内での寡占的な地位を確立している。ソーダ製品や高機能化学品分野でも、一定の生産規模を持つことで、効率的な事業運営が可能となっている。この規模がコスト競争力にも寄与している。
- 多様な事業ポートフォリオ:化成品、セメント、電子先端材料、ライフサイエンス、環境事業という多岐にわたるセグメントを持つことで、特定の市場や景気変動に左右されにくい強固な事業構造を築いています。これにより、リスクを分散し、安定的な収益を確保できる可能性があります。
- 技術力と研究開発:多結晶シリコンや窒化アルミニウムといった電子先端材料、医療診断システムや歯科器材などのライフサイエンス分野において、高度な製造技術と研究開発力を有しています。これにより、高付加価値製品を生み出し、競争優位性を維持していると考えられます。
- 資源リサイクルと環境貢献:セメント事業における資源リサイクルや、イオン交換膜の製造、廃石膏ボードリサイクルなどの環境事業は、環境規制が厳しくなる中で企業の社会的責任を果たすとともに、新たなビジネスチャンスを創出しています。これは、持続可能性への意識が高い現代社会において、企業の評価を高める要因となり得ます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営理念および中長期的な会社の経営戦略当社グループは、社会全体の大きな変革の中で、直面する事業環境にあわせて、当社の経営理念としての存在意義を「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する」と定義しました。持続可能な社会に貢献するために環境と調和して事業を継続させ、顧客と共に未来を創造することのできるトクヤマでありたいとの思いを込めています。そして、存在意義に基づいた経営方針として、以下のありたい姿を策定しています。 ①マーケティングと研究開発から始める価値創造型企業 ②独自の強みを磨き、活かし、新領域に挑み続ける企業 ③社員と家族が健康で自分の仕事と会社に誇りを持てる企業 ④世界中の地域・社会の人々との繋がりを大切にする企業 なお中期経営計画2030(2026年5月29日公表)にて、①は「顧客起点のマーケティングから始める価値創造型企業」に改めております。 (2)対処すべき課題とその対応当社は、中長期的な当社の経営戦略として2021年2月25日に中期経営計画2025を策定し、3項目の重点課題を設定しました。当連結会計年度における課題の対応及び進捗等は以下のとおりです。 1.事業ポートフォリオの転換 成長事業を「電子」「健康」「環境」と位置付け、当連結会計年度においても重点的に投資を行うとともに、中国における不採算事業の撤退(微多孔質フィルムの製造販売事業)と既存事業の見直し(セメント事業)を進めました。 「電子」分野では、マレーシアにおいて韓国OCIグループと半導体用多結晶シリコンの半製品の製造販売を行うことを目的にOCI Tokuyama Semiconductor Materials Sdn. Bhd.を設立しました。ベトナムに建設中の製造販売拠点と連携することで、半導体用多結晶シリコンの生産・供給体制の構築を進めてまいります。 「健康」分野では、体外診断用医薬品事業および体外診断用医薬品材料事業を取得しました。この事業取得により体外診断分野、さらには生化学分野への展開に向けた足がかりを築くことができました。また、株式会社トクヤマデンタルが開発した歯科充填用コンポジットレジン「オムニクロマ®」は、「構造色を活用した歯科用修復材料」としての功績が認められ、全国発明表彰において「特許庁長官賞」を受賞するなど、技術力に強みを有しています。これらの優位性を生かし、健康分野のさらなる強化・事業領域の拡大に努めてまいります。 「環境」分野では、太陽光パネルリサイクルの取り組みとして、「使用済太陽光パネル資源循環推進・北海道コンソーシアム」に参画し、低温熱分解リサイクル技術の事業化を進めています。これらの技術は、一般社団法人太陽光発電協会の「リサイクル事業特別賞」をはじめ、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募において採択されるなど外部機関より高い評価を得ています。急速に普及した太陽光パネルは、今後、廃棄やリサイクルが大きな課題になると予想されており、当社はこれらの課題解決に向けた取り組みを引き続き強化してまいります。 水素関連の事業化に向けては、「札幌市水素・再生可能エネルギー推進協議会」に加入するとともに、水素化マグネシウムの用途開拓をめざす「株式会社H2ほっかいどう」に資本参加しました。当社は、水素の利活用を積極的に推進し、環境負荷の低減に貢献してまいります。 海外展開を加速させるため、当連結会計年度にインド現地法人Tokuyama India Private Limitedを設立しました。同社の設立により、経済成長が期待されるインド市場で「電子」「健康」「環境」領域に関するマーケティングや製品販売を積極的に進め、企業価値のさらなる向上を目指します。 一方、中国における微多孔質フィルムの製造販売事業においては、2026年2月に撤退を完了しました。さらに、事業ポートフォリオの最適化を図るため、セメント・固化材の国内販売事業および一部連結子会社株式の譲渡に伴う完全子会社の設立と会社分割(簡易吸収分割)を実施し、当該完全子会社株式を太平洋セメント株式会社へ2026年10月1日付(予定)で譲渡することを決定しました。また、セメント・固化材の製造事業については2028年度を目途に停止する検討に着手しました。これらの事業再編等により、構造改革と体質転換を一段と加速させ、競争力の強化と成長事業への資源配分を進めてまいります。 2.地球温暖化防止への貢献 当社グループは「2050年度カーボンニュートラル達成」を長期目標として掲げ、原燃料の脱炭素化、環境配慮型製品の開発・実装、水素・アンモニアなど次世代エネルギーに関する技術開発および事業化の検討を継続的に進めております。また、徳山製造所を中心とした生産プロセスの改善や、国内外でのバイオマス燃料の開発・利活用を通じて、温室効果ガス(GHG)排出量削減の取り組みを強化しております。 当社は2030年度にGHG排出量(Scope1、2)を2019年度比で30%削減する目標を掲げており、サプライチェーン全体においても、Scope3のうち主要な排出源であるカテゴリー1、3、4を対象に、2030年度までに10%削減(2022年度比)を目指しております。また、中期経営計画2030(2026年5月29日公表)にて新たに2035年度排出量削減目標として、2019年度比60%の削減を設定しました。 当連結会計年度においては、燃料アンモニアの事業性検討を実施したほか、バイオマス混焼のための設備を改造し、運転を開始しました。また、カレット製造における燃料転換については2027年度に完了、運転を開始する予定です。 なお、今後のGHG排出量削減目標および具体的な施策については、セメント・固化材の国内販売事業および一部連結子会社株式の譲渡、さらに2028年度のセメント・固化材の製造停止を視野に入れ、事業ポートフォリオの変化を踏まえた精査と見直しを行っております。引き続き、環境負荷低減と持続的な企業価値向上の両立を目指し、取り組みを着実に進展させてまいります。 3.CSR経営の推進 当社グループは、社会に必要とされる企業であり続けるために企業価値を追求し、サステナブルな社会の実現に向けて活動しています。その実現に向けて、CSR(サステナビリティ)経営に関わる社会的な課題を抽出しマテリアリティ(CSRの重要課題)として、以下の10項目を特定し各課題の解決に取り組んでいます。 ①地球温暖化防止への貢献 ②環境保全 ③無事故・無災害 ④社会課題解決型製品・技術の開発 ⑤化学品管理・製品安全の強化 ⑥地域社会との共存、連携、貢献 ⑦CSR調達の推進 ⑧人材育成 ⑨多様性(ダイバーシティ)と働きがいの重視 ⑩心と体の健康推進 当連結会計年度において、当社は経済産業省が選定する「健康経営優良法人(大規模法人部門)ホワイト500」に5年連続で認定されました。従業員とその家族の心と体の健康づくりと働きやすい職場づくりを実現するために、経営トップである社長が健康経営統括責任者を務めています。今後も適切な職場環境を築くことで、生産性の向上などの組織の活性化を図り、事業を通じた持続可能な社会の発展に貢献してまいります。 なお、マテリアリティは中期経営計画2030(2026年5月29日公表)にあわせて、以下の6項目に刷新しました。トクヤマの存在意義に定めるありたい姿の実現を推進してまいります。 ①事業ポートフォリオの変革 ②顧客との創発による事業・製品創出 ③オペレーショナル・エクセレンスの追求 ④地球環境問題への責任と挑戦 ⑤ガバナンス&レジリエンスの強化 ⑥人的資本の活用 また、当社グループはESG投資指数「FTSE Blossom Japan Index」および「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」に引き続き選定されたことに加え、環境情報開示システムを運営する非営利団体のCDPが実施した2024年度の「サプライヤーエンゲージメント評価」において、最高評価にあたる「サプライヤーエンゲージメントリーダー」に初選定されました。これらの選定は、当社グループのESGへの着実な施策が評価されているものと捉え、引き続き社会から求められるESGへの取り組みを進めてまいります。 (3)中期経営計画2025 達成目標最終年度における達成目標は以下のとおりです。指標2025年度(実績)2025年度(計画) 達成に向けたポイント売上高3,494億円4,000億円半導体市場は先端分野を中心に拡大傾向も、計画に対して遅れ。化学品・セメントは国内需要が縮小営業利益370億円450億円売上高の減少および人件費、研究開発費、ITコスト等の増加成長事業の売上高成長率(CAGR)(注)9.6%10%以上事業ポートフォリオ転換を進めるもわずかに未達ROE8.2%11%以上親会社株主に帰属する当期純利益の減少 (注)成長事業の売上高成長率(CAGR)は、中期経営計画2025期間中の事業再編を考慮の上、算出しています。 (4)トクヤマの価値創造プロセス「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する」という存在意義のもと、様々な社会課題の中から私たちの強みを活かせる領域を「電子」「健康」「環境」に特定し、これら3分野を新たな成長市場と位置づけています。100年超の歴史の中で培った特有技術や価値観を共有する人材、ステークホルダーとの関係といった経営資源を活かしつつ「ありたい姿」に向けた変革を行います。そしてこれらの成長市場に向け、他社にない価値を提供するソリューション型のビジネスを展開していくことで、持続可能な未来の実現に寄与します。この取り組みの流れを価値創造プロセスとして示します。なお、詳細につきましては当社ウェブサイトに掲載の統合報告書をご参照ください。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営理念および中長期的な会社の経営戦略当社グループは、社会全体の大きな変革の中で、直面する事業環境にあわせて、当社の経営理念としての存在意義を「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する」と定義しました。持続可能な社会に貢献するために環境と調和して事業を継続させ、顧客と共に未来を創造することのできるトクヤマでありたいとの思いを込めています。そして、存在意義に基づいた経営方針として、以下のありたい姿を策定しています。 ①マーケティングと研究開発から始める価値創造型企業 ②独自の強みを磨き、活かし、新領域に挑み続ける企業 ③社員と家族が健康で自分の仕事と会社に誇りを持てる企業 ④世界中の地域・社会の人々との繋がりを大切にする企業 なお中期経営計画2030(2026年5月29日公表)にて、①は「顧客起点のマーケティングから始める価値創造型企業」に改めております。 (2)対処すべき課題とその対応当社は、中長期的な当社の経営戦略として2021年2月25日に中期経営計画2025を策定し、3項目の重点課題を設定しました。当連結会計年度における課題の対応及び進捗等は以下のとおりです。 1.事業ポートフォリオの転換 成長事業を「電子」「健康」「環境」と位置付け、当連結会計年度においても重点的に投資を行うとともに、中国における不採算事業の撤退(微多孔質フィルムの製造販売事業)と既存事業の見直し(セメント事業)を進めました。 「電子」分野では、マレーシアにおいて韓国OCIグループと半導体用多結晶シリコンの半製品の製造販売を行うことを目的にOCI Tokuyama Semiconductor Materials Sdn. Bhd.を設立しました。ベトナムに建設中の製造販売拠点と連携することで、半導体用多結晶シリコンの生産・供給体制の構築を進めてまいります。 「健康」分野では、体外診断用医薬品事業および体外診断用医薬品材料事業を取得しました。この事業取得により体外診断分野、さらには生化学分野への展開に向けた足がかりを築くことができました。また、株式会社トクヤマデンタルが開発した歯科充填用コンポジットレジン「オムニクロマ®」は、「構造色を活用した歯科用修復材料」としての功績が認められ、全国発明表彰において「特許庁長官賞」を受賞するなど、技術力に強みを有しています。これらの優位性を生かし、健康分野のさらなる強化・事業領域の拡大に努めてまいります。 「環境」分野では、太陽光パネルリサイクルの取り組みとして、「使用済太陽光パネル資源循環推進・北海道コンソーシアム」に参画し、低温熱分解リサイクル技術の事業化を進めています。これらの技術は、一般社団法人太陽光発電協会の「リサイクル事業特別賞」をはじめ、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募において採択されるなど外部機関より高い評価を得ています。急速に普及した太陽光パネルは、今後、廃棄やリサイクルが大きな課題になると予想されており、当社はこれらの課題解決に向けた取り組みを引き続き強化してまいります。 水素関連の事業化に向けては、「札幌市水素・再生可能エネルギー推進協議会」に加入するとともに、水素化マグネシウムの用途開拓をめざす「株式会社H2ほっかいどう」に資本参加しました。当社は、水素の利活用を積極的に推進し、環境負荷の低減に貢献してまいります。 海外展開を加速させるため、当連結会計年度にインド現地法人Tokuyama India Private Limitedを設立しました。同社の設立により、経済成長が期待されるインド市場で「電子」「健康」「環境」領域に関するマーケティングや製品販売を積極的に進め、企業価値のさらなる向上を目指します。 一方、中国における微多孔質フィルムの製造販売事業においては、2026年2月に撤退を完了しました。さらに、事業ポートフォリオの最適化を図るため、セメント・固化材の国内販売事業および一部連結子会社株式の譲渡に伴う完全子会社の設立と会社分割(簡易吸収分割)を実施し、当該完全子会社株式を太平洋セメント株式会社へ2026年10月1日付(予定)で譲渡することを決定しました。また、セメント・固化材の製造事業については2028年度を目途に停止する検討に着手しました。これらの事業再編等により、構造改革と体質転換を一段と加速させ、競争力の強化と成長事業への資源配分を進めてまいります。 2.地球温暖化防止への貢献 当社グループは「2050年度カーボンニュートラル達成」を長期目標として掲げ、原燃料の脱炭素化、環境配慮型製品の開発・実装、水素・アンモニアなど次世代エネルギーに関する技術開発および事業化の検討を継続的に進めております。また、徳山製造所を中心とした生産プロセスの改善や、国内外でのバイオマス燃料の開発・利活用を通じて、温室効果ガス(GHG)排出量削減の取り組みを強化しております。 当社は2030年度にGHG排出量(Scope1、2)を2019年度比で30%削減する目標を掲げており、サプライチェーン全体においても、Scope3のうち主要な排出源であるカテゴリー1、3、4を対象に、2030年度までに10%削減(2022年度比)を目指しております。また、中期経営計画2030(2026年5月29日公表)にて新たに2035年度排出量削減目標として、2019年度比60%の削減を設定しました。 当連結会計年度においては、燃料アンモニアの事業性検討を実施したほか、バイオマス混焼のための設備を改造し、運転を開始しました。また、カレット製造における燃料転換については2027年度に完了、運転を開始する予定です。 なお、今後のGHG排出量削減目標および具体的な施策については、セメント・固化材の国内販売事業および一部連結子会社株式の譲渡、さらに2028年度のセメント・固化材の製造停止を視野に入れ、事業ポートフォリオの変化を踏まえた精査と見直しを行っております。引き続き、環境負荷低減と持続的な企業価値向上の両立を目指し、取り組みを着実に進展させてまいります。 3.CSR経営の推進 当社グループは、社会に必要とされる企業であり続けるために企業価値を追求し、サステナブルな社会の実現に向けて活動しています。その実現に向けて、CSR(サステナビリティ)経営に関わる社会的な課題を抽出しマテリアリティ(CSRの重要課題)として、以下の10項目を特定し各課題の解決に取り組んでいます。 ①地球温暖化防止への貢献 ②環境保全 ③無事故・無災害 ④社会課題解決型製品・技術の開発 ⑤化学品管理・製品安全の強化 ⑥地域社会との共存、連携、貢献 ⑦CSR調達の推進 ⑧人材育成 ⑨多様性(ダイバーシティ)と働きがいの重視 ⑩心と体の健康推進 当連結会計年度において、当社は経済産業省が選定する「健康経営優良法人(大規模法人部門)ホワイト500」に5年連続で認定されました。従業員とその家族の心と体の健康づくりと働きやすい職場づくりを実現するために、経営トップである社長が健康経営統括責任者を務めています。今後も適切な職場環境を築くことで、生産性の向上などの組織の活性化を図り、事業を通じた持続可能な社会の発展に貢献してまいります。 なお、マテリアリティは中期経営計画2030(2026年5月29日公表)にあわせて、以下の6項目に刷新しました。トクヤマの存在意義に定めるありたい姿の実現を推進してまいります。 ①事業ポートフォリオの変革 ②顧客との創発による事業・製品創出 ③オペレーショナル・エクセレンスの追求 ④地球環境問題への責任と挑戦 ⑤ガバナンス&レジリエンスの強化 ⑥人的資本の活用 また、当社グループはESG投資指数「FTSE Blossom Japan Index」および「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」に引き続き選定されたことに加え、環境情報開示システムを運営する非営利団体のCDPが実施した2024年度の「サプライヤーエンゲージメント評価」において、最高評価にあたる「サプライヤーエンゲージメントリーダー」に初選定されました。これらの選定は、当社グループのESGへの着実な施策が評価されているものと捉え、引き続き社会から求められるESGへの取り組みを進めてまいります。 (3)中期経営計画2025 達成目標最終年度における達成目標は以下のとおりです。指標2025年度(実績)2025年度(計画) 達成に向けたポイント売上高3,494億円4,000億円半導体市場は先端分野を中心に拡大傾向も、計画に対して遅れ。化学品・セメントは国内需要が縮小営業利益370億円450億円売上高の減少および人件費、研究開発費、ITコスト等の増加成長事業の売上高成長率(CAGR)(注)9.6%10%以上事業ポートフォリオ転換を進めるもわずかに未達ROE8.2%11%以上親会社株主に帰属する当期純利益の減少 (注)成長事業の売上高成長率(CAGR)は、中期経営計画2025期間中の事業再編を考慮の上、算出しています。 (4)トクヤマの価値創造プロセス「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する」という存在意義のもと、様々な社会課題の中から私たちの強みを活かせる領域を「電子」「健康」「環境」に特定し、これら3分野を新たな成長市場と位置づけています。100年超の歴史の中で培った特有技術や価値観を共有する人材、ステークホルダーとの関係といった経営資源を活かしつつ「ありたい姿」に向けた変革を行います。そしてこれらの成長市場に向け、他社にない価値を提供するソリューション型のビジネスを展開していくことで、持続可能な未来の実現に寄与します。この取り組みの流れを価値創造プロセスとして示します。なお、詳細につきましては当社ウェブサイトに掲載の統合報告書をご参照ください。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績に関する分析① 当期の業績全般に関する概況 当期の世界経済は、ウクライナ情勢の長期化をはじめとする地政学リスクの高まりに加え、米国の関税政策などにより国際貿易における不透明感が増しました。さらに、2026年2月に始まった中東地域の紛争により原油などの原燃料のサプライチェーンに危機的状況が生じ、不安定な状況が続いています。日本経済においては、企業の設備投資および賃上げの動きは継続されたものの、物価高や金利上昇の影響等により、景気回復は限定的となりました。このような経済環境のもと、当社は当年度を最終年度とする中期経営計画2025の重点課題である「事業ポートフォリオの転換」「地球温暖化防止への貢献」「CSR経営の推進」に取り組んでまいりました。業績につきましては、半導体関連製品の販売が堅調に推移したこと、および製造コストの改善が進んだこと等により、売上高と営業利益がともに増加しました。 (単位:百万円) 売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益2026年3月期349,47637,01738,20322,2052025年3月期343,07329,96829,58823,388増減率1.9%23.5%29.1%△5.1% (売上高)トクヤマライフサイエンスグループの新規連結、および半導体関連製品の販売増加等により、前期より6,402百万円増加し、349,476百万円(前期比1.9%増)となりました。 (売上原価)製造コストの改善が進んだこと等により、前期より10,399百万円減少し、224,530百万円(前期比4.4%減)と なりました。 (販売費及び一般管理費)トクヤマライフサイエンスグループの新規連結に伴う一般管理費の増加等により、前期より9,753百万円増加し、87,928百万円(前期比12.5%増)となりました。 (営業利益)半導体関連製品の販売が堅調に推移したこと、および製造コストの改善が進んだこと等により、前期より7,049百万円増加し、37,017百万円(前期比23.5%増)となりました。 (営業外損益・経常利益)営業外損益は、為替差益および持分法による投資利益が増加したこと等により、前期より1,565百万円改善しました。以上の結果、経常利益は前期より8,614百万円増加し、38,203百万円(前期比29.1%増)となりました。 (特別損益・税金等調整前当期純利益・当期純利益・親会社株主に帰属する当期純利益)特別損益は、発電事業者との解約不能な長期の電力受給契約に関する契約損失引当金繰入額を計上したこと、および前期に関係会社株式交換益を計上した反動等により、前期より3,468百万円悪化しました。以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前期より5,146百万円増加し、36,462百万円(前期比16.4%増)となりました。繰延税金資産の見積もりの変動等により法人税等調整額8,355百万円を計上した結果、応分の税金費用を加味した当期純利益は、前期より742百万円減少し、22,536百万円(前期比3.2%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期より1,182百万円減少し、22,205百万円(前期比5.1%減)となりました。 ② 当期のセグメント別の状況(セグメント別の状況) 売上高(単位:百万円) 報告セグメントその他合計調整額連結損益計算書計上額 化成品セメント電子先端材料ライフサイエンス環境事業2026年3月期106,22666,88191,67549,3876,12941,707362,008△12,532349,4762025年3月期115,00264,70587,05441,9555,21640,769354,702△11,629343,073増減率△7.6%3.4%5.3%17.7%17.5%2.3%2.1%-1.9% 営業利益 (単位:百万円) 報告セグメントその他合計調整額連結損益計算書計上額 化成品セメント電子先端材料ライフサイエンス環境事業2026年3月期9,7019,53615,6817,8286552,02945,433△8,41537,0172025年3月期10,8327,4539,5837,816522,16337,902△7,93329,968増減率△10.4%27.9%63.6%0.2%-%△6.2%19.9%-23.5% (注) 各セグメントの売上高、営業利益にはセグメント間取引を含めております。 (化成品セグメント)苛性ソーダは、輸出数量が減少したこと等により、減益となりました。塩化ビニルモノマーおよび塩化ビニル樹脂は、塩化ビニルモノマーの海外市況が下落したこと等により、減 益となりました。ソーダ灰および塩化カルシウムは、販売数量が減少したこと、および物流費の増加等により、減益となりました。以上の結果、当セグメントの売上高は106,226百万円(前期比7.6%減)、営業利益は9,701百万円(前期比10.4%減)で減収減益となりました。 (セメントセグメント)セメントは、国内出荷が前期比で減少したものの、国内の販売価格改定を進めたこと、および製造コストの改善等により、増益となりました。以上の結果、当セグメントの売上高は66,881百万円(前期比3.4%増)、営業利益は9,536百万円(前期比27.9%増)で増収増益となりました。 (電子先端材料セグメント)半導体向け多結晶シリコンは、製造コストの改善や、製品ミックスの変動等により、増益となりました。ICケミカルは、電子工業用高純度イソプロピルアルコールの販売数量が増加したこと等により、増益となりました。乾式シリカは、販売数量が堅調に推移したことや徳山化工(浙江)有限公司における製造コストの低減等により、増益となりました。放熱材は、半導体製造装置向けを中心に販売数量が増加したこと等により、増益となりました。以上の結果、当セグメントの売上高は91,675百万円(前期比5.3%増)、営業利益は15,681百万円(前期比63.6%増)で増収増益となりました。 (ライフサイエンスセグメント)歯科器材は、海外向けの出荷が増加したこと等により、増益となりました。医療診断システムは、製造コストの増加等により、減益となりました。体外診断用医薬品事業および体外診断用医薬品材料事業を担うトクヤマライフサイエンスグループを第3四半期連結会計期間より連結の範囲に含めたことに伴い、のれん償却費等が発生しました。プラスチックレンズ関連材料は、製品ミックスの変動が減益要因となったものの、棚卸資産評価損の戻入を計上したこと等により、前期並みの業績となりました。 以上の結果、当セグメントの売上高は49,387百万円(前期比17.7%増)、営業利益は7,828百万円(前期比0.2%増)で増収増益となりました。 (環境事業セグメント)イオン交換膜は、膜および装置の出荷が増加したこと等により、増益となりました。廃石膏ボードリサイクルは、廃石膏ボード収集が堅調に推移し、増益となりました。以上の結果、当セグメントの売上高は6,129百万円(前期比17.5%増)、営業利益は655百万円(前期は52百万円)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)化成品117,728△6.2セメント63,7874.1電子先端材料99,01113.7ライフサイエンス46,12014.4環境事業5,93920.3報告セグメント計332,5884.2その他11,430△14.6合計344,0183.5 (注) 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 b.受注実績 環境事業セグメントの一部を除いて受注生産を行っておりません。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)化成品106,124△7.7セメント66,1202.8電子先端材料90,8925.4ライフサイエンス49,37017.7環境事業5,94320.4報告セグメント計318,4512.0その他31,0240.9合計349,4761.9 (注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。 (2)財政状態に関する分析① 当期の資産、負債及び純資産の状況に関する分析 連結貸借対照表の要約 (単位:百万円) 2025年3月期末2026年3月期末増減増減率資産476,207557,43281,22417.1%負債202,349259,62057,27028.3%(内、有利子負債)(110,691)(162,020)(51,328)(46.4%)純資産273,858297,81123,9538.7%(内、自己資本)(261,562)(283,086)(21,523)(8.2%) 財務関連指標の増減 2025年3月期末2026年3月期末増減D/Eレシオ0.42倍0.57倍0.15ネットD/Eレシオ0.13倍0.41倍0.28自己資本比率54.9%50.8%△4.1ポイント時価ベースの自己資本比率42.1%48.2%6.1ポイント (注) D/Eレシオ :有利子負債/自己資本ネットD/Eレシオ :(有利子負債-現金及び現金同等物)/自己資本自己資本比率 :自己資本/資産合計時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/資産合計 (資産)現金及び預金が28,351百万円減少した一方、のれんが58,576百万円、投資有価証券が22,766百万円、有形固定資産が17,992百万円増加しました。以上の結果、資産は前連結会計年度末に比べ81,224百万円増加し、557,432百万円となりました。 (負債)長期借入金が32,804百万円、コマーシャル・ペーパーが18,000百万円増加しました。以上の結果、負債は前連結会計年度末に比べ57,270百万円増加し、259,620百万円となりました。 (純資産)親会社株主に帰属する当期純利益の積み上げ等により利益剰余金が14,278百万円、為替換算調整勘定が4,053百万円、その他有価証券評価差額金が2,527百万円、非支配株主持分が2,430百万円増加しました。以上の結果、純資産は前連結会計年度末に比べ23,953百万円増加し、297,811百万円となりました。 (財務指標)当連結会計年度におきましては、自己資本が21,523百万円増加しましたが、有利子負債が51,328百万円増加したことにより、D/Eレシオは前連結会計年度末に比べ0.15悪化し、0.57倍となりました。 ② 当期のキャッシュ・フローの状況に関する分析 連結キャッシュ・フロー計算書の要約 (単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期営業活動によるキャッシュ・フロー52,36850,985投資活動によるキャッシュ・フロー△23,478△122,975財務活動によるキャッシュ・フロー△1,10641,792現金及び現金同等物に係る換算差額△7621,490現金及び現金同等物の増減額27,020△28,706連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額-247現金及び現金同等物の期末残高74,92646,466 (営業活動によるキャッシュ・フロー)法人税等の支払額又は還付額5,121百万円などの資金減少要因に対し、税金等調整前当期純利益36,462百万円、減価償却費20,948百万円などの資金増加要因により、営業活動の結果得られた資金は、50,985百万円(前年比1,382百万円の減少)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出77,707百万円、投資有価証券の取得による支出17,650百万円などの資金減少要因により、投資活動の結果使用した資金は、122,975百万円(前年比99,496百万円の増加)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)長期借入れによる収入36,022百万円、コマーシャル・ペーパーの増加額18,000百万円などの資金増加要因に対し、配当金の支払額7,921百万円などの資金減少要因により、財務活動の結果得られた資金は、41,792百万円(前期は1,106百万円の使用)となりました。 (3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 中期経営計画2025に関する認識及び分析(経営目標の状況)当社グループでは2021年度を初年度とする5年間の中期経営計画2025を策定し取り組んでおります。当社が経営上の目標として掲げる指標については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中期経営計画2025 達成目標」に記載のとおりです。 (重点施策の状況)中期経営計画2025では、重点施策として、「事業ポートフォリオの転換」、「地球温暖化防止への貢献」、「CSR経営の推進」の3つを掲げており、それぞれについての取り組み状況については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)対処すべき課題とその対応」に記載のとおりです。 ② 経営成績等の分析・経営目標の進捗状況(経営成績等の分析)経営成績の分析については「(1)経営成績に関する分析 ① 当期の業績全般に関する概況」に記載のとおりです。財政状態の分析については「(2)財政状態に関する分析 ① 当期の資産、負債及び純資産の状況に関する分析」に記載のとおりです。 (中期経営計画2025(2021年度~2025年度)の目標達成状況)化成品セグメントが市況悪化の影響で苦戦した一方、セメントセグメントは国内販売価格の改定を進めたこと等により、増益を達成しました。電子先端材料セグメントは中期経営計画2025策定時の2020年度比では大幅増益となったものの、半導体市場の伸びが一時的に停滞したことから、業績は計画策定当初の想定を下回って推移しました。ライフサイエンスセグメントは大幅増益を達成し、業績が好調に推移しました。トクヤマグループ全体では、化成品および電子先端材料セグメントの業績が伸び悩んだ結果、売上高は対計画比で12.6%の減収、営業利益は同17.7%の減益となりました。その結果、ROEは8.2%となり未達となりました。 (セグメントごとの経営成績分析)セグメントごとの内容は「(1)経営成績に関する分析 ② 当期のセグメント別の状況」に記載のとおりです。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの状況の分析)キャッシュ・フローの状況の分析については「(2)財政状態に関する分析 ② 当期のキャッシュ・フローの状況に関する分析」に記載のとおりです。 (資本の財源の分析)当社グループでは、事業活動のための適切な運転資金の確保、および事業ポートフォリオの転換を目的とした成長分野への重点投資、地球温暖化防止への貢献を目的とした合理化・省エネ・GHG排出量削減対策等の設備投資、戦略的投資を推進するために一定の資金を必要としています。主な資金手当ての手段としましては、継続的な事業収益の計上による自己資金の積み上げの他、金融機関からの借り入れ、社債の発行等となります。 (資金の流動性の分析)当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は46,466百万円となっており、当社グループの事業活動を推進していく上で充分な流動性を確保していると考えています。また、金融機関との間にリボルビング・クレジット・ファシリティ契約や当座貸越契約、債権流動化契約も締結しており、流動性に一部支障をきたす事象が発生した場合にも、一定の流動性を維持できると考えています。加えて、不測の事態に備え流動性資金の確保のため、コミットメントラインの設定も必要に応じて実施してまいります。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 自然災害による事業中断:地震、津波、異常気象などの自然災害は、生産設備や物流網に甚大な被害をもたらし、生産活動の長期停止や大幅な生産量低下を引き起こす可能性があります。これにより、製品供給に支障が生じ、業績や財務状況に深刻な影響を与えるリスクがあります。
- 事故・故障による生産停止:生産設備での火災、爆発、漏洩事故や、設備・機械の故障、さらには船舶・鉄道事故による原材料調達の遅延は、生産活動を中断させる可能性があります。これにより、製品供給能力が低下し、業績や財務状況に悪影響を及ぼすだけでなく、人的被害や環境汚染のリスクも伴います。
- 脱炭素社会への対応遅れ:石炭火力発電所の保有や大量のエネルギー消費を伴う事業構造は、環境規制の強化やカーボンプライシングの導入により、設備投資や研究開発費の増加を招く可能性があります。これにより、コストが増大し、業績や財務内容に大きな影響を与えるだけでなく、ESG評価の低下が資金調達に影響を及ぼすリスクも存在します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載します。ただし、以下に記載した事項が当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載事項以外にも投資家の判断に影響を及ぼす可能性のあるリスクが存在するものと考えられます。リスク選出のプロセスは、前項の「サステナビリティに関する考え方及び取組」内の「(1)サステナビリティに関する考え方 ③ リスク管理」をご参照ください。 なお、記載している事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。リスクの項目リスクの内容リスクに対する対応策自然災害地震、津波、天変地異、異常気象(台風、高潮、豪雨、他)による生産設備や調達・製品販売に係る物流への影響を完全に予防または軽減できる保証はありません。また、生産量の著しい低下や、最悪の場合には長期間生産停止を余儀なくされる場合もあり、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性が存在します。事業継続マネジメントを構築し、大規模地震を想定したBCP訓練や安否確認訓練を実施しています。合わせて、地域・行政と一体となった訓練を実施して、課題発見と対応力の強化を図っています。事故・故障生産設備における火災・爆発・漏洩、設備・機械の損傷・故障の発生や、船舶・鉄道事故等による原燃料調達の遅延により、生産活動に重大な支障を生じた場合、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性が存在します。また、負傷者等人的被害、環境・近隣地域への影響が生じる可能性があります。生産活動の中断による悪影響を最小限に抑えるために、日常的および定期的な設備保全を実施しています。加えて、災害対策に関する規程を策定し、グループ会社と一体となって防災に取り組んでいます。感染症パンデミック当社グループにおいては、新型コロナウイルス等の重大な感染症が拡大した場合、業務の一部または全部が停止する事態が生じ、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性が存在します。従業員・顧客等の安全を確保し、当社の事業活動への影響を最小限に抑えるため、感染症危機管理基準に則り、感染症危機対策本部(本部長:社長執行役員)を設置し情報共有と対策を検討します。なお、感染症は、感染力・毒性の強弱により影響度・リスク度が変化するため、危機レベルに応じた適切な対応を実施していきます。カントリーリスク当社グループの製品は、日本、米国、アジア、欧州等に販売されており、各国の経済状況及び市場・業界の構造変化が、当社グループの製品販売に大きな影響を与える可能性があります。加えて、テロ・戦争その他要因による社会的混乱やその長期化等のリスクが発生した場合は、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性が存在します。当社グループは経済環境の変動に強く、持続的に成長する強靭な事業体質に転換すべく、生産性の向上や高品質を目指しながら、コスト削減を推進しています。加えて、顧客動向、当該国・エリアにおける政治的・社会的状況、事業環境を常に注視して適切な対応を取っていきます。情報セキュリティ・ITリスクサイバー攻撃やシステム設備・機器の故障、IT導入・改変時の障害等により、当社グループが利用するシステムで障害が発生した場合、生産、販売、研究開発、調達、会計等、ITに依存するビジネスプロセスが停止し、当社グループの事業継続に重大な影響が生じる可能性が存在します。また、研究開発等を通じて得た新技術やノウハウ、情報等が、外部に漏洩した場合、社会的信頼の失墜を招くとともに、研究開発等に投下したコストが回収できない可能性があり、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性が存在します。当社グループでは、基幹システムのサーバーをセキュリティの高いデータセンターに設置し、運用しています。加えて、定期的にデータのバックアップを取得し、万が一の時のリスク分散を行っています。また、グループ内で推進体制整備、教育等を実施し、機密情報や個人情報の管理の徹底を図り、情報セキュリティの保護強化に努めています。さらに、サイバー攻撃による電子データの漏えいやITシステムの停止等の不具合が生じるリスクの低減に向け、サイバーセキュリティに係る専担組織を中心に、サイバー攻撃の早期検知・早期対処、IT導入・改変時のリスクアセスメント、従事者教育など、平時・有事のサイバーセキュリティ管理体制の強化に取り組んでいます。 リスクの項目リスクの内容リスクに対する対応策脱炭素社会への対応リスク当社グループは、石炭火力発電所を有し、資源・エネルギーを大量に使用して様々な事業を営んでいます。脱炭素社会への移行が進展する中で、カーボンプライシングの導入・拡大やエネルギー需給構造の変化に伴うエネルギー調達コストの増加、さらには非化石エネルギーへの転換や低カーボンフットプリント(CFP)原料の調達に伴うコストの増加が、当社グループの業績および財務内容に影響を与える可能性があります。また、顧客における環境価値重視の姿勢やグリーン調達志向の高まりにより、脱炭素対応の遅れた製品・サービスが選好されなくなるリスクが存在します。加えて、ESGなどの非財務情報に対する評価や風評等、当社グループの資金調達や企業価値に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、中期経営計画2025において「地球温暖化防止への貢献」を重点課題の一つと位置付け、「2050年度カーボンニュートラル達成」を目標として掲げています。この実現に向け、原燃料の脱炭素化、環境貢献製品の開発・実装を進めるとともに、水素やアンモニア等の次世代エネルギーに関する検討を継続し、将来的な事業化の可能性を追求しています。また、徳山製造所を中心としたプロセス改善によるエネルギー使用効率の向上や、国内外における低炭素燃料・原料の調達・利活用に取り組むことで、GHG排出量(Scope1、2)については2030年度に2019年度比30%削減の実現を目指しています。さらに、環境対策委員会の下で当該リスクに対応するワーキンググループを設置し、国内外の政策動向、規制環境、市場・技術動向を継続的に把握するとともに、脱炭素社会への移行を踏まえた事業戦略や投資の在り方について経営への提言を行っています。市場リスク市場ニーズの変化、マーケティングの失敗・不足、新規競合の出現、開発の失敗・陳腐化、急速な技術革新への対応遅れ、海外展開の遅れ等により当社グループの製品の競争力が失われた場合、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性が存在します。当社グループの製品に係る市場調査は継続的に実施するとともに、顧客との情報交換および関係強化を図り、市場変動のリスクに対応できる事業計画の立案と精査を進めていきます。 人的資本に対するリスク日本国内においては少子高齢化が進み労働力人口が減少すると見込まれることから、将来的に生産活動に必要な人材の確保が困難になる可能性が存在します。その場合、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性が存在します。加えて、先端材料の研究開発に係る人材、DXやサイバーセキュリティ対策を推進する人材の確保が困難になる可能性があり、その場合、当社の考える成長戦略を達成することが困難となり、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性が存在します。計画的な定期採用に加え、高度専門職を確保する仕組みとしてジョブ型雇用制度なども導入し、積極的な経験者採用を実施しています。また、DXを推進して省人化・省力化を進め、得られた人員余力を事業ポートフォリオ変革の要員として仕向けてまいります。さらに、仕事と育児の両立支援制度をはじめとするワークライフバランスの支援制度を充実させ、働きやすさと働きがいを追求し、必要な人材の確保に努めています。ガバナンスリスク有事に際し、情報が適切に経営層に伝えられない場合、経営判断が遅れたり、適切な開示ができないリスクがあります。ガバナンスに関する開示が不十分な場合、透明性や説明責任が損なわれ企業価値が棄損されるリスクがあります。コーポレート・ガバナンスが適切に機能しない場合、株主・顧客などステークホルダーの信頼を損ね、事業継続が困難になる可能性が存在します。サクセッションプランが不足すると、次世代リーダーの確保・育成に支障をきたし、将来的な経営の質の低下を招く可能性があります。当社では、コーポレートガバナンス・ポリシーを定め、意思決定の迅速化と責任の明確化、取締役会の独立性整備と監督機能の強化、株主の皆様の権利・平等性の尊重、各種ステークホルダーとの適切な協業、適切な情報開示と透明性の確立、および株主の皆様との建設的な対話などを実施しています。特に取締役会の機能強化については、毎年第三者機関による実効性評価を行い実効性の向上に努めています。内部統制システム整備については基本方針を定め、内部統制を強化して有事の発生防止に努める一方、発生した際に適切な対応が取れるよう体制を整備しています。取締役、執行役員、その他役員待遇の者に関する人事・報酬については、指名・報酬委員会を設置して透明性・客観性を確保しています。 リスクの項目リスクの内容リスクに対する対応策財務リスク当社グループは、金融機関からの借り入れや社債発行により事業運営に必要な資金を調達しています。金融環境の変化や外部格付の状況により、借入や社債発行が適時に適切な期間で実施できない場合、当社グループの資金調達に大きな影響を及ぼす可能性が存在します。また、金利等の市場環境の変化により、資金調達コストが増加し、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性が存在します。加えて、当社グループは、外貨建ての製品輸出および原燃料等の輸入を行っており、為替相場の変動が当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性が存在します。また、連結財務諸表の作成において海外連結子会社の財務諸表の円換算額に影響を及ぼす可能性が存在します。金利等の市場環境の変化に備え、原則、固定金利での契約もしくは金利スワップによる固定化等のヘッジ取引によりリスクを軽減する措置を講じています。また、不測の事態に備えて流動性資金確保のためコミットメントラインの設定を必要に応じて実施するとともに、ESGの観点に配慮したサステナブルな事業運営に努めています。為替変動に対しては外貨建て資産と負債の均衡化による為替エクスポージャー管理や為替予約等のヘッジ取引によりリスクを軽減する措置を講じています。ステークホルダー対応リスク時期・内容において情報開示が不適切だった場合、企業価値が棄損される可能性があります。特に、悪質・重大な場合は、上場廃止に至る可能性もあります。当社に対し悪意ある批判・中傷を受けたり、マスコミやソーシャルメディアを通じ風評を広められることにより、予期せぬ企業価値の棄損が発生する可能性があります。コーポレートガバナンス・ポリシーにおいて「適切な情報開示と透明性の確保」について定め、情報開示に関する基本方針と併せてこれらに基づき情報の適時開示の体制整備および情報開示の充実に努めています。有事の際には、必要に応じて第三者委員会を設置するなど適切な措置をとる体制を整備しています。保安・労働安全衛生上のリスク当社グループは、高圧ガス、危険物等の生産、取り扱い、貯蔵、販売を行っており、漏洩や不適切な取り扱いによる火災や爆発、有害化学物質へのばく露による健康被害が発生する可能性があります。また、生産や保全活動、企業活動において、高所作業での転落、機械による切断や挟まれ事故などの労働災害、従業員の健康障害および精神障害が発生する可能性もあります。さらに、生産設備は導入後、相当期間が経過したものも多く、設備の老朽化により長期間にわたり生産設備が停止する可能性もあります。これらの要因により生産停止、生産性の低下、損害賠償が発生した場合、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性があります。当社グループは、安全を常に最優先し、保安防災、労働安全衛生を推進しています。重点実施項目として、保安管理レベルの向上(事故災害防止対策の強化、危険感受性の向上、スマート保安の推進)、危険源の特定およびリスクアセスメントの進化によるリスクの低減、設備管理の推進(日常的なメンテナンス、定期メンテナンス)、心とからだの健康づくりの推進を行い、安全・安定稼働出来るよう努めています。事業リスク当社グループは、生産に必要な原燃料を全世界から調達しており、一部の製品においては調達先が限られる特殊な原料、資材等を使用しています。市況の高騰や資源ナショナリズム等による原燃料等の供給の逼迫、納期の遅延等が発生する場合、当社グループの生産活動に大きな支障をきたす可能性が存在し、また、製造コストが急激に上昇する場合、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性が存在します。加えて、当社グループが展開する各事業においては、競合他社が全世界に存在します。安価な競合品が市場に流入したり、あるいは予期せぬ事情により競合他社との間で価格競争が発生し、その期間が長期化した場合、当社グループの収益性を低下させ、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性が存在します。当社グループは、顧客に対して安定的かつ継続的に製品供給を果たすため、品質、価格等の競争優位性の維持が重要と考えています。このため、原燃料の調達においては、中長期契約およびスポット市場での購入等を組み合わせて、長期的、安定的、かつ安価な調達を可能にするよう取り組んでいます。併せて、複数調達先の確保や、代替原料・資材調達の検討を進めています。 リスクの項目リスクの内容リスクに対する対応策製品安全・品質リスク製品の設計や製造過程での欠陥や不具合、不適切な表示・偽装表示により製品の安全性が損なわれ、顧客および最終消費者に危害を及ぼす可能性があります。また、当社グループは国内外に広く製品を販売しており、国内外の規制や法令を遵守していない場合、販売停止となる可能性があります。これらの要因により、製造物責任(PL)問題や法規制違反による販売停止が発生した場合、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性があります。顧客や消費者の満足・安心を叶える製品・サービスの提供、法規制遵守を確実に行うため、ISO9001などの品質管理規格に基づく品質マネジメントシステムを整備し、徹底した品質管理、製品審査、表示審査、化学品管理・製品含有化学物質管理に取り組んでいます。また、製造物責任賠償保険に加入し、万一の事故に備えています。物流リスク当社グループの原燃料や製品は船舶、トラック、鉄道および航空にて輸送しています。これら貨物の輸送中の振動・衝撃に伴う損傷事故や輸送手段の事故による火災や貨物等の漏洩リスクがあります。特に輸送手段の事故による漏洩は近隣地域における負傷者等の人的被害・陸上や海上の環境への影響を及ぼす可能性があります。また、輸送や取扱いの過程において、製品の品質不良や包装不備、誤納品等に起因する物流品質管理上のクレームや異常が発生するリスクがあり、顧客からの信頼低下や対応コストの増加につながる可能性があります。さらに、倉庫での製品保管中における火災は製品販売に大きく影響を与える可能性があります。これらの重大な環境事故や事象ならびに物流品質上の問題が発生した場合は、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性があります。貨物の輸送中の事故に対し、その影響を最小限に抑えるために事故対策訓練を定期的に行うとともに、輸送を担う物流会社とは定期的な安全会議等を行い、課題の発見と対応力の強化を図っています。また、輸送時のリスクを低減するために、輸送ルートの見直しを行い安全性を確保するとともに、同業他社や外部機関と連携して、緊急時の相互応援体制の構築や対応資機材の整備などの安全対策の強化を推進しています。さらに、物流品質管理上のクレームや異常への対応として、品質管理システムを活用した一元的な管理を行うとともに、物流ガイドラインの展開を通じて関係部門および委託先への周知徹底を図っています。また、輸送業者や物流拠点に対する監査の実施や、適切な情報伝達および教育を通じて、物流品質の維持・向上を図っています。 環境リスク当社グループは、原料調達から製品の製造、流通、販売、廃棄、リサイクルの各過程において、環境事故や取り扱いの不備による有害汚染物質流出、土壌地下水汚染、地域住民からの騒音・臭気等クレーム、廃棄物の不法投棄・違法処理といった環境や生物多様性に対して負の影響を与えるリスクを有しています。また、水源の枯渇といった水リスクの発生により、生産量の減少など操業に影響を及ぼす可能性があります。それら、重大な環境事故や事象等が発生した場合は、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性があります。環境事故や汚染の防止のため、法規制に則った管理に加え、自主規制値による管理、定期的なモニタリング、機器校正などを行っています。また、水資源の維持のため新たに淡水使用量の目標を設定、水使用量および水質の管理、生物多様性を守るための活動を行うなど環境保全に全力をあげて取り組んでいます。サプライチェーンに対しても、社会的責任を果たし持続可能な調達を実現するためにサステナブル調達ガイドラインを制定・公表するとともにサプライヤーとのエンゲージメントに取り組んでいます。 リスクの項目リスクの内容リスクに対する対応策貿易管理上のリスク当社グループの製品は米国、アジア、欧州を含む全世界へ輸出されており、外国為替および外国貿易法を中心とした輸出管理の法令を遵守する必要があります。これらの法令に適切に対応出来なかった場合には刑事罰や行政処分が下されるだけでなく、企業の信用が失墜し業績、財務内容に大きな影響を与える可能性があります。また、輸出した製品が軍事転用されると国際的な平和と安全が脅かされる可能性があり、当社だけでなく国家としての国際関係のリスクにつながります。また輸入時における税務上の不備や規制対応の不備は当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、課徴金の支払い等により、業績および財務内容に影響を与える可能性があります。外国為替および外国貿易法や輸出管理レジームなどの法令を適切に理解し遵守するため専門部署を設置のうえ、全社的な輸出管理体制の整備および高度化を推進しております。また、グループ全体の統制強化を目的として従業員役職員を対象とした定期的な安全保障貿易教育、研修および指導を継続的に実施しコンプライアンス意識の浸透と実効性の確保に努めております。さらに経済産業省より「輸出管理内部規程受理票」および「輸出者等概要・自己管理チェックリスト受理票」の発行を受け「特別一般包括許可証」の交付を受けることにより、コンプライアンスを遵守した輸出管理の徹底を図っています。加えて貿易管理委員会を定期的に開催し、輸輸出入取引におけるコンプライアンス状況の確認ならびに不備事項の是正・再発防止策の審議を行うなど、継続的な管理体制の強化に取り組んでおります。ビジネスと人権当社グループは、事業活動を通じて様々なステークホルダーの人権に負の影響を引き起こしまたは助長する可能性があること、当社グループの事業・製品・サービスが人権への負の影響と直接関連する可能性があることを認識しています。当社グループでは、生産に必要不可欠な原燃料を全世界から調達しており、生産した製品は世界各国に販売しています。これらのサプライチェーンにおいて、人権侵害に直接あるいは間接的に関係があるとみなされた場合、取引停止、不買運動、事業縮小・撤退、企業価値毀損につながる恐れがあります。その場合、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性があります。当社グループは、人権尊重をあらゆる事業活動の基本に据え、企業としての人権尊重責任を果たすため、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠した「トクヤマグループ人権方針」を2022年12月1日に制定し、全従業員にて遵守しています。人権対応等の組織横断的な取り組みについては、コンプライアンス委員会が中心となって推進しています。特に、人権に負の影響が発生しやすいとされるサプライチェーンにおいては、サステナブル調達に関するガイドラインを制定・公表し取引先への遵守を求めるとともに、セルフアセスメントシートを用いたエンゲージメントを行うなど、人権デュー・ディリジェンスの取り組みを進めています。決算・会計上のリスク当社グループは、事業活動における決算や財務報告に関して、不適切な会計処理や誤った財務状況を報告することにより、投資家をはじめとするステークホルダーを誤導する可能性があることを認識しています。また、正しく税務申告が行えなかったことによる課徴金の支払いや当社グループの社会的信用低下などにより、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性が存在します。当社グループでは、決算および財務報告の信頼性を確保するために、決算委員会を設置し、当該委員会での審議を通じて決算開示内容の正確性を万全なものとしています。また、適正な納税が企業の果たすべき重要な社会的責任のひとつであると認識し、「トクヤマグループ税務方針」の下、税務コンプライアンスの遵守、啓発活動を行っています。 リスクの項目リスクの内容リスクに対する対応策法務・コンプライアンス上のリスク当社グループは、国内および海外事業に関して、法的な紛争・訴訟の対象となる可能性が存在します。また、大規模な訴訟等が提起された場合、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性が存在します。また、当社グループの従業員、役員にコンプライアンス上の違反が判明した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、課徴金の支払い等により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 特許紛争・契約紛争・訴訟等に対しては、法務グループや知的財産部を中心に日常的な予防措置を講じています。加えて、コンプライアンスリスクを低減するため、新任のグループ会社取締役および監査役に対する法的責務研修を実施しているほか、従業員を対象にした独占禁止法、取適法他の各種コンプライアンス研修を実施しています。また、当社グループ内におけるコンプライアンス違反やその可能性があると思われる事項について、不利益な処遇を受けることなく匿名でも通報・相談ができる内部通報窓口ヘルプラインを設置し、通報・相談事案に対し、事実確認等適切な措置・対応を実施しています。労務管理上のリスク当社グループは、事業活動を通じて発生し得る、長時間労働やハラスメントといった当社グループ従業員における様々な労務管理上の課題やリスクを認識しています。当社グループにおいて最も重要な経営資本である「人」に対し、ひとたび労務管理上の不備が発生した場合、当該従業員の心身の健康を損なうだけでなく、組織のモチベーションや生産性の低下、訴訟等による当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下といった、当社グループの業績および財務内容に大きな影響を与える可能性があります。当社グループ従業員の心身の健康と安全を確保し、法的な問題を回避するために適切な管理と対策を講じています。適切な労働時間管理に対しては、労使による協定締結や就労管理システムを用いた時間管理とモニタリングを行っています。健康経営にも力を入れており、7年連続で健康経営優良企業法人に認定されております。また、ハラスメント対応としては、内部通報窓口ヘルプラインや人事ハラスメント相談窓口を設置し、相談事案に対し適切に対応するとともに、予防措置として、当社グループ全体でハラスメント防止プログラムに取り組む等、継続的な啓発活動を行っています。