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高圧ガス工業(4097)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 高圧ガスと化成品が主軸
    高圧ガス工業は、主に高圧ガスの製造・販売と、接着剤・塗料などの化成品製造・販売を行っています。これらが会社の主要な収益源となっており、幅広い産業分野に製品を供給するビジネスモデルです。
  • 国内高シェアのアセチレン
    特にガス事業においては、建設、橋梁、造船、機械などの産業向けに溶解アセチレンを主力製品としています。この溶解アセチレンは国内で高い市場シェアを誇り、同社のガス事業の中核を担っています。
  • 多角的な事業展開
    高圧ガスと化成品に加え、LSIカードや電子ペーパー製品、食品添加物の販売、さらには自社製品の海外販売も手掛けています。これにより、特定の事業に依存しすぎない多角的な収益構造を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ガス事業
    売上高728.07億円、営業利益65.94億円。建設、橋梁、造船、機械などの産業向けに溶解アセチレン、酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガスなどの各種高圧ガス、LPガスなどを製造・販売しています。特に溶解アセチレンは国内で高いシェアを誇り、同社の稼ぎ頭となっています。
  • 化成品事業
    売上高215.68億円、営業利益8.56億円。接着用、塗料用、建材用、粘着用などの合成樹脂系接着剤を主力に、瞬間接着剤や塗料などを製造・販売しています。塗装・防水工事業も手掛けており、幅広い用途で製品が利用されています。
  • その他事業
    売上高38.85億円、営業利益0.93億円。LSIカードや電子ペーパー応用製品、食品添加物の販売、および自社製品・仕入商品の海外販売を行っています。規模は小さいものの、多角的な事業展開の一翼を担っています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
GasBusiness 地域 728 66 9.1%
ChemicalProductsBusiness 地域 216 9 4.0%
OtherBusiness 地域 39 1 2.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|871 文字
3 【事業の内容】当社及び当社の関係会社(当社、子会社42社及び関連会社16社で構成)においては、各種高圧ガスの製造・仕入販売及び各種ガス関連機器、接着剤、塗料等の製造・仕入販売ならびに設備の賃貸を主たる業務としています。当社及び当社の関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。(ガス事業)当事業においては、建設、橋梁、造船、機械等向けの溶解アセチレンを主体に酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガス等の各種高圧ガス、LPガス等石油系ガス及び高圧ガス関連材料・機器等の製造・仕入販売を行なっています。このうち溶解アセチレンについては、国内シェアーが高く、この部門における主力分野として位置付けています。〔主な関係会社〕(製造)高圧昭和ボンベ㈱、安浦アセチレン㈱、春日井ガスセンター㈱、北海道アセチレン㈱、仙台アセチレン㈱、東日本高圧㈱、西日本アセチレン㈱(販売)宇野酸素㈱、㈱泉産業、KGKサービス㈱、㈱スミコエアー、中国酸素㈱、ウエルテックダイサン㈱、大豊商事㈱、砂金瓦斯工業㈱、㈱ユミヤマ、カトウ酸素㈱、マル商ガス㈱、ウエルディングガス九州㈱、ウエルテック㈱、気仙沼酸素㈱、新潟高圧ガス㈱、西日本高圧瓦斯㈱、㈱ジョーサン(輸送)弘容通商㈱、㈱エル・エヌ・ジー輸送(化成品事業)当事業においては、接着用、塗料用、建材用、粘着用等の合成樹脂系接着剤を主体に瞬間接着剤、塗料等及び化成品関連の原材料、副資材等の製造・仕入販売ならびに塗装・防水工事業を行なっています。〔主な関係会社〕(製造)スズカファイン㈱、スズカケミー㈱、Koatsu Gas Kogyo Vietnam Co.,Ltd.(販売)㈱スミコエアー、杉田塗料商事㈱、アサヒ塗料興産㈱、㈱川波(輸送)弘容通商㈱(その他事業)当事業においては、LSIカードを主体にディスプレイタグ等の電子ペーパー応用製品、その周辺機器の販売、食品添加物の販売を行なっています。〔主な関係会社〕 ㈱スミコエアー 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
主要分野の国内需要の著しい鈍化により市場競争が激化した場合、競争優位性を維持できない可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
溶解アセチレンの国内シェアーが高いこと、各種高圧ガス製造・販売の技術力。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:市場の需要・競争によるリスク / 価格変動のリスク / 為替レートのリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

高圧ガス工業は、長年の事業継続で培われた業界内での信頼と、特定の産業ガス分野におけるノウハウは無形資産となりうる。しかし、特許やブランド力が突出しているという情報は限定的であり、明確な競争優位性としての強さは現時点では弱い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

産業ガスは、製造プロセスに組み込まれている場合が多く、供給元の変更には設備投資やプロセス調整が必要となるため、一定のスイッチングコストが発生する。特に、特殊ガスや高純度ガスにおいては、顧客の要求仕様が厳格なため、乗り換えは容易ではない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

産業ガス供給事業は、基本的に供給者と需要者の間の直接的な取引であり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果は発生しない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

生産効率の改善や、地域的な供給網の最適化により、コスト競争力を維持している可能性はある。しかし、原料価格の変動や、競合他社との大規模な規模の経済によるコスト差は明確ではなく、現時点では限定的な優位性にとどまる。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

高圧ガス工業は、日本国内において一定の生産能力と供給網を有しており、特に地域によっては寡占的な地位を築いている可能性がある。これにより、効率的な供給体制を構築し、一定の規模の経済を享受していると考えられる。しかし、グローバルな大手と比較すると規模は限定的。

  • 溶解アセチレンの高い国内シェア
    高圧ガス工業は、建設、橋梁、造船、機械などの基幹産業で使用される溶解アセチレンにおいて、国内で高い市場シェアを確立しています。これは、長年の事業活動で培われた技術力、品質、供給網が競争優位性となっています。
  • 幅広い産業への供給網
    同社は、高圧ガスや化成品を多岐にわたる産業(鉄鋼、自動車、化学、半導体など)に供給しており、特定の産業の景気変動に左右されにくい安定した顧客基盤を持っています。これにより、事業の安定性が高まっています。
  • 国内外の製造・販売体制
    国内に多数の子会社や関連会社を持ち、製造から販売、輸送まで一貫した体制を構築しています。また、アジア地域での海外事業展開も進めており、グローバルな供給能力と市場拡大への対応力が強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針 当社グループの企業理念1.「人と技術と環境の調和。無限の可能性に挑む。」という理念のもと、「創業の精神を忘れずに、アセチレンバウム(アセチレンの樹)の夢を追い求めて、限りない可能性の炎を燃やし続ける」グループ企業をめざします。2.「株主」及び「取引先」各位ならびに「従業員」を三位一体と考え、公正妥当な倫理基準に基づいた事業活動を通じて、社会に貢献できる経営を行ないます。3. 全般的な経営の効率化を地道に推進し、企業体質の健全性を維持しながら、企業価値を高め、事業規模の拡大をはかります。 4.「安全・安心をすべての基本姿勢」とし、創業以来一貫して、この姿勢を貫いております。 5.「地域に密着した企業ブランド」を構築し、存在感のあるグループ企業をめざします。 (2)中長期的な会社の経営戦略当社グループは、中期経営計画「Challenging 2030」(2026年4月~2031年3月)を推進し、持続的成長と企業価値の向上を目指した取り組みを進めてまいります。最終年度の2030年度(第98期)には、売上高1,200億円、営業利益85億円をめざします。この中期経営計画の経営目標を達成するため、ガス事業、化成品事業、ITソリューション事業部門の3つの事業を柱に、「シリンダーガスビジネスの最大化とカーボンナノチューブ・常圧スマート浸炭の事業化」、「接着剤・塗料の国内生産の強化と輸出・ベトナム事業の成長で海外市場を開拓」、「人材開発・人事制度の拡充による成長基盤の構築」という3つの基本方針のもと中長期での利益成長を見据えた事業展開と持続可能な事業基盤の強化をはかってまいります。 (3)目標とする経営指標 目標とする経営指標につきましては、株主価値の最大化をはかるために資本効率を高め、売上高経常利益率及び株主資本利益率(ROE)を現在の水準よりさらに向上させることをめざしてまいります。売上高経常利益率は前連結会計年度の6.7%から7.0%へと0.3ポイント増加しました。株主資本利益率(ROE)は、前連結会計年度末の6.1%から5.7%へと前連結会計年度から0.4ポイント減少しました。 (4)経営環境及び対処すべき課題今後のわが国経済は、雇用・所得環境等が改善するもとで、緩やかな成長が続くことが期待されますが、アメリカの政策動向や為替相場の変動、また、中東情勢の緊迫化などにより、依然として先行き不透明な状況が続くものと思われます。当社グループでは、今後も不透明な市場環境・経済環境が継続することを念頭に、2026年度から新たにスタートする中期経営計画に掲げた目標達成に向けた成長戦略を着実に実行してまいります。また、事業基盤の構築とともに、当社の企業理念である「人と技術と環境の調和。無限の可能性に挑む。」に基づき、すべてのステークホルダーの皆様との共栄と社会課題への積極的な取り組みを推進してまいります。当社グループの事業成長を継続するために対処すべき課題は次のとおりです。 ①収益力の強化及び研究開発・技術力強化製造工程の合理化や原価の低減、経費の効率的配分、適切な在庫管理等に努めるとともに、生産体制の再構築及び製造設備や供給設備の増強・新設のための積極的な投資を行ない、収益性・効率性の高い事業基盤を構築してまいります。また、地域に密着した事業展開を進めるとともに、今後の需要拡大が見込まれる成長分野への積極的な営業活動を継続し、収益基盤の強化をはかってまいります。ガス事業においては、半導体をはじめとする電子産業市場の開拓を進めるとともに、環境負荷の低い液化アンモニア・水素ガス・新冷媒ガスや農業向け炭酸ガスの拡販と供給網整備に取り組んでまいります。 また、特殊ガスにおいては、生産能力の向上を見据えた製造設備の増強を進めるとともに、国内市場に加え海外市場向けにも注力することで、新規需要の拡大をはかってまいります。カーボンニュートラルの取り組みとして、アセチレンを原料とするカーボンナノチューブや難燃剤など、付加価値の高い製品の市場投入を進めるとともに、CO2の直接排出量を90%以上削減できる常圧スマート浸炭の普及など、非燃焼分野での用途拡大に努めてまいります。研究開発において、容器関連では、水素ステーションや水素発電向け大型蓄圧器、特殊ガス用大型クリーン溶接容器の開発を進めてまいります。さらに、産官学連携ではガスリサイクルシステムの構築を通じて、半導体分野等で使用される希少ガスの再生を促進し、環境負荷低減にも貢献してまいります。化成品事業においては、生活に密着した紙工、木工、化粧品分野に環境にやさしい製品を拡販するとともに、住宅・設備、自動車、弱電、食品、医療分野にユーザーニーズに合った高付加価値製品を販売してまいります。また、新規開発品として、インク用・コーティング用のエマルジョン製品、次世代型の紫外線硬化型接着剤、住宅向けの塗り替え回数の削減ができる超高耐候性塗料、ヘルスケア分野向けの低刺激性の皮膚縫合用高機能接着剤など、新たな各種用途への展開をはかってまいります。さらに、快適な生活環境の提供を目的とした製品として、雨音・振動を低減する吸音・制振材『サウンドプルーフ』や、新たに、アルミシートを複合した遮熱・断熱仕様の高機能制振材、自動車内装材の廃材を有効活用したリサイクル制振材を展開してまいります。あわせて、太陽光を高反射する遮熱塗料『クールトップシリーズ』、外装用高機能塗料『ウォールバリアシリーズ』、『ビーズコートシリーズ』、屋上防水層高機能保護塗料『ウォーターバリアシリーズ』を拡販してまいります。 ②海外市場への展開国内事業が主体の当社グループにおいて、海外展開は、事業の一層の発展のための重要な成長課題であり、ベトナムにガスの製造販売を行なう子会社及び接着剤・塗料の製造販売を行なう子会社を有しております。日本市場で蓄積した事業ノウハウを活かし、緊密な連携をはかるとともに、グローバル人材の育成と現地採用を含めた人材確保を積極的に推進しながら、現地子会社を拠点として、アジア圏を中心に、また、国内高付加価値製品を欧米に拡販することにより、さらなる展開をはかり、事業基盤の確立をはかってまいります。 ③物流体制の強化当社グループのネットワークを活かした物流体制の強化に取り組むとともに、災害発生などの緊急時における事業場間の応援輸送体制を構築することで、製品の安全かつ安定的な供給を目指してまいります。さらに、AI搭載の通信型ドライブレコーダーを積極的に活用して配送車両の運転リスクを自動検知・分析することにより、安全運転の支援と業務効率化を推進してまいります。また、こうした取り組みに加え、物流コストの合理化及び環境対策にも積極的に取り組んでまいります。 ④人材の確保と育成採用活動は今後も厳しい状況が続くと思われますが、多様な人材採用の可能性を広げるため、年齢や性別、国籍といった特定の属性で判断することなく、さまざまな経験やスキルを持つ多様な人材の採用に向けて、採用市場の変化に柔軟に対応しながら、多面的な採用活動を続けてまいります。また、長期キャリア形成を見据えた人事制度の見直しによる評価・報酬体系の実現や人材育成のためのさらなる研修制度の拡充、福利厚生制度の充実化など、人的資本への積極的な投資を実施し、社員がより長く安心して働くことができる労働環境の整備及び働きがいのある企業風土の醸成に取り組んでまいります。 ⑤内部管理体制の強化すべての役職員が法令・規程・社会規範などに沿って、常に高い倫理観とともに良識ある行動をとることができるよう、グループ全社員を対象とした定期的なコンプライアンス研修ならびに責任者を対象とした管理職研修、また、グループ会社を対象とした会議体等を通じた啓蒙活動、内部監査部門による実効性のある監査及び監査等委員や会計監査人との連携など、コーポレート・ガバナンス体制の強化を通じて公正で透明性の高い経営と責任ある企業活動を推進してまいります。 ⑥安全衛生管理体制の強化「安全・安心をすべての基本姿勢とする」という当社の基本理念をより推進・徹底するため、安全衛生推進室が中心となり、労働安全及び健康増進のための労働衛生に関する課題を把握し、その対応策を協議決定のうえ、グループ一体となった労働災害の防止と衛生環境の整備に努めてまいります。引き続き、各事業場及びグループ会社とのさらなる密な連携をはかることにより、安全衛生活動の実効性を確保しながら、持続的な成長に結びつく安全文化の醸成に取り組んでまいります。 ⑦情報セキュリティ体制の強化近年、サイバー攻撃の巧妙化により、情報漏洩や業務停止等のリスクが高まっております。当社グループでは、セキュリティツール等の技術的対策の導入、定期的な運用の見直し、グループ全体への情報セキュリティに関する情報の発信等を通じて管理体制の強化に努めております。さらに、サイバーリスクへの対応力向上をはかるため、CSIRT(インシデント緊急対応チーム)を構築するとともに、有事を想定したインシデント対応訓練を実施し、迅速かつ適切に対応できる体制の整備を進めております。今後も情報管理体制の強化を重要な課題として認識し、情報セキュリティに関する各種施策を推進してまいります。 ⑧資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応持続的な成長と中長期的な企業価値向上のためPBRの向上を目標とするROE・PERの改善に着目し、事業戦略や投資・研究開発の遂行による業容拡大・利益成長・株主還元の強化を通じた資本構成の適正化に取り組んでまいります。 当社グループといたしましては、引き続き、企業体質の健全性に留意して事業規模の拡大をはかり社業の発展に努めてまいる所存でございます。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針 当社グループの企業理念1.「人と技術と環境の調和。無限の可能性に挑む。」という理念のもと、「創業の精神を忘れずに、アセチレンバウム(アセチレンの樹)の夢を追い求めて、限りない可能性の炎を燃やし続ける」グループ企業をめざします。2.「株主」及び「取引先」各位ならびに「従業員」を三位一体と考え、公正妥当な倫理基準に基づいた事業活動を通じて、社会に貢献できる経営を行ないます。3. 全般的な経営の効率化を地道に推進し、企業体質の健全性を維持しながら、企業価値を高め、事業規模の拡大をはかります。 4.「安全・安心をすべての基本姿勢」とし、創業以来一貫して、この姿勢を貫いております。 5.「地域に密着した企業ブランド」を構築し、存在感のあるグループ企業をめざします。 (2)中長期的な会社の経営戦略当社グループは、中期経営計画「Challenging 2030」(2026年4月~2031年3月)を推進し、持続的成長と企業価値の向上を目指した取り組みを進めてまいります。最終年度の2030年度(第98期)には、売上高1,200億円、営業利益85億円をめざします。この中期経営計画の経営目標を達成するため、ガス事業、化成品事業、ITソリューション事業部門の3つの事業を柱に、「シリンダーガスビジネスの最大化とカーボンナノチューブ・常圧スマート浸炭の事業化」、「接着剤・塗料の国内生産の強化と輸出・ベトナム事業の成長で海外市場を開拓」、「人材開発・人事制度の拡充による成長基盤の構築」という3つの基本方針のもと中長期での利益成長を見据えた事業展開と持続可能な事業基盤の強化をはかってまいります。 (3)目標とする経営指標 目標とする経営指標につきましては、株主価値の最大化をはかるために資本効率を高め、売上高経常利益率及び株主資本利益率(ROE)を現在の水準よりさらに向上させることをめざしてまいります。売上高経常利益率は前連結会計年度の6.7%から7.0%へと0.3ポイント増加しました。株主資本利益率(ROE)は、前連結会計年度末の6.1%から5.7%へと前連結会計年度から0.4ポイント減少しました。 (4)経営環境及び対処すべき課題今後のわが国経済は、雇用・所得環境等が改善するもとで、緩やかな成長が続くことが期待されますが、アメリカの政策動向や為替相場の変動、また、中東情勢の緊迫化などにより、依然として先行き不透明な状況が続くものと思われます。当社グループでは、今後も不透明な市場環境・経済環境が継続することを念頭に、2026年度から新たにスタートする中期経営計画に掲げた目標達成に向けた成長戦略を着実に実行してまいります。また、事業基盤の構築とともに、当社の企業理念である「人と技術と環境の調和。無限の可能性に挑む。」に基づき、すべてのステークホルダーの皆様との共栄と社会課題への積極的な取り組みを推進してまいります。当社グループの事業成長を継続するために対処すべき課題は次のとおりです。 ①収益力の強化及び研究開発・技術力強化製造工程の合理化や原価の低減、経費の効率的配分、適切な在庫管理等に努めるとともに、生産体制の再構築及び製造設備や供給設備の増強・新設のための積極的な投資を行ない、収益性・効率性の高い事業基盤を構築してまいります。また、地域に密着した事業展開を進めるとともに、今後の需要拡大が見込まれる成長分野への積極的な営業活動を継続し、収益基盤の強化をはかってまいります。ガス事業においては、半導体をはじめとする電子産業市場の開拓を進めるとともに、環境負荷の低い液化アンモニア・水素ガス・新冷媒ガスや農業向け炭酸ガスの拡販と供給網整備に取り組んでまいります。 また、特殊ガスにおいては、生産能力の向上を見据えた製造設備の増強を進めるとともに、国内市場に加え海外市場向けにも注力することで、新規需要の拡大をはかってまいります。カーボンニュートラルの取り組みとして、アセチレンを原料とするカーボンナノチューブや難燃剤など、付加価値の高い製品の市場投入を進めるとともに、CO2の直接排出量を90%以上削減できる常圧スマート浸炭の普及など、非燃焼分野での用途拡大に努めてまいります。研究開発において、容器関連では、水素ステーションや水素発電向け大型蓄圧器、特殊ガス用大型クリーン溶接容器の開発を進めてまいります。さらに、産官学連携ではガスリサイクルシステムの構築を通じて、半導体分野等で使用される希少ガスの再生を促進し、環境負荷低減にも貢献してまいります。化成品事業においては、生活に密着した紙工、木工、化粧品分野に環境にやさしい製品を拡販するとともに、住宅・設備、自動車、弱電、食品、医療分野にユーザーニーズに合った高付加価値製品を販売してまいります。また、新規開発品として、インク用・コーティング用のエマルジョン製品、次世代型の紫外線硬化型接着剤、住宅向けの塗り替え回数の削減ができる超高耐候性塗料、ヘルスケア分野向けの低刺激性の皮膚縫合用高機能接着剤など、新たな各種用途への展開をはかってまいります。さらに、快適な生活環境の提供を目的とした製品として、雨音・振動を低減する吸音・制振材『サウンドプルーフ』や、新たに、アルミシートを複合した遮熱・断熱仕様の高機能制振材、自動車内装材の廃材を有効活用したリサイクル制振材を展開してまいります。あわせて、太陽光を高反射する遮熱塗料『クールトップシリーズ』、外装用高機能塗料『ウォールバリアシリーズ』、『ビーズコートシリーズ』、屋上防水層高機能保護塗料『ウォーターバリアシリーズ』を拡販してまいります。 ②海外市場への展開国内事業が主体の当社グループにおいて、海外展開は、事業の一層の発展のための重要な成長課題であり、ベトナムにガスの製造販売を行なう子会社及び接着剤・塗料の製造販売を行なう子会社を有しております。日本市場で蓄積した事業ノウハウを活かし、緊密な連携をはかるとともに、グローバル人材の育成と現地採用を含めた人材確保を積極的に推進しながら、現地子会社を拠点として、アジア圏を中心に、また、国内高付加価値製品を欧米に拡販することにより、さらなる展開をはかり、事業基盤の確立をはかってまいります。 ③物流体制の強化当社グループのネットワークを活かした物流体制の強化に取り組むとともに、災害発生などの緊急時における事業場間の応援輸送体制を構築することで、製品の安全かつ安定的な供給を目指してまいります。さらに、AI搭載の通信型ドライブレコーダーを積極的に活用して配送車両の運転リスクを自動検知・分析することにより、安全運転の支援と業務効率化を推進してまいります。また、こうした取り組みに加え、物流コストの合理化及び環境対策にも積極的に取り組んでまいります。 ④人材の確保と育成採用活動は今後も厳しい状況が続くと思われますが、多様な人材採用の可能性を広げるため、年齢や性別、国籍といった特定の属性で判断することなく、さまざまな経験やスキルを持つ多様な人材の採用に向けて、採用市場の変化に柔軟に対応しながら、多面的な採用活動を続けてまいります。また、長期キャリア形成を見据えた人事制度の見直しによる評価・報酬体系の実現や人材育成のためのさらなる研修制度の拡充、福利厚生制度の充実化など、人的資本への積極的な投資を実施し、社員がより長く安心して働くことができる労働環境の整備及び働きがいのある企業風土の醸成に取り組んでまいります。 ⑤内部管理体制の強化すべての役職員が法令・規程・社会規範などに沿って、常に高い倫理観とともに良識ある行動をとることができるよう、グループ全社員を対象とした定期的なコンプライアンス研修ならびに責任者を対象とした管理職研修、また、グループ会社を対象とした会議体等を通じた啓蒙活動、内部監査部門による実効性のある監査及び監査等委員や会計監査人との連携など、コーポレート・ガバナンス体制の強化を通じて公正で透明性の高い経営と責任ある企業活動を推進してまいります。 ⑥安全衛生管理体制の強化「安全・安心をすべての基本姿勢とする」という当社の基本理念をより推進・徹底するため、安全衛生推進室が中心となり、労働安全及び健康増進のための労働衛生に関する課題を把握し、その対応策を協議決定のうえ、グループ一体となった労働災害の防止と衛生環境の整備に努めてまいります。引き続き、各事業場及びグループ会社とのさらなる密な連携をはかることにより、安全衛生活動の実効性を確保しながら、持続的な成長に結びつく安全文化の醸成に取り組んでまいります。 ⑦情報セキュリティ体制の強化近年、サイバー攻撃の巧妙化により、情報漏洩や業務停止等のリスクが高まっております。当社グループでは、セキュリティツール等の技術的対策の導入、定期的な運用の見直し、グループ全体への情報セキュリティに関する情報の発信等を通じて管理体制の強化に努めております。さらに、サイバーリスクへの対応力向上をはかるため、CSIRT(インシデント緊急対応チーム)を構築するとともに、有事を想定したインシデント対応訓練を実施し、迅速かつ適切に対応できる体制の整備を進めております。今後も情報管理体制の強化を重要な課題として認識し、情報セキュリティに関する各種施策を推進してまいります。 ⑧資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応持続的な成長と中長期的な企業価値向上のためPBRの向上を目標とするROE・PERの改善に着目し、事業戦略や投資・研究開発の遂行による業容拡大・利益成長・株主還元の強化を通じた資本構成の適正化に取り組んでまいります。 当社グループといたしましては、引き続き、企業体質の健全性に留意して事業規模の拡大をはかり社業の発展に努めてまいる所存でございます。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善、また、インバウンド需要などにより緩やかな持ち直しの動きが見られたものの、海外情勢の緊迫化や資源・エネルギー価格の高騰に伴なう物価上昇、また、金利変動の影響などにより、先行き不透明な状況で推移いたしました。 このような状況のなか、当社グループは市場が求める安全・安心な製品やサービスを供給することを基本とし、安定的な収益確保に向けた販売体制の強化や生産体制の効率化に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は980億1百万円(前連結会計年度比0.2%減少)、営業利益は58億71百万円(前連結会計年度比1.6%減少)、経常利益は69億51百万円(前連結会計年度比4.6%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は46億61百万円(前連結会計年度比2.5%減少)となりました。当社グループのセグメント別の状況は次のとおりであります。 ガス事業ガス事業を取り巻く環境は、国内での産業ガスや設備投資の需要減少が続くなか、半導体向けで一部回復傾向が見られたものの、鉄鋼、自動車、建設、食品などの仕向け先の需要回復が鈍く、原材料価格の高止まりが続く厳しい状況で推移いたしました。 このような事業環境のなか、当事業では長年の事業活動により培われた強みを生かし、新規及びスポット案件の獲得など、地域に密着した営業に取り組み、生産・販売・物流体制の効率化をはかり、安全・安定供給に努めシリンダーガスビジネスの持続的な成長や収益の改善に努めてまいりました。 『溶解アセチレン』は、建設・土木関連向けが人手不足や資材高騰による工期の遅れ、自動車向けが生産台数の減少、造船向けが一部ガスの代替が進み減少し、売上高は前連結会計年度を下回りました。『その他工業ガス等』は、酸素は、建設・土木関連や銅製錬向け燃焼用途の需要が減少し、LPガスは、民生向け需要の減少と輸入価格の下落が影響しました。アルゴンは、溶接配管工事や住宅設備向けを中心に販売が増加、水素は、半導体関連分野を中心に需要の回復、特殊ガスは、ガス測定機器使用先における顧客獲得、炭酸は、食品向けに出荷量が減少したものの、価格改定により収益が改善し、売上高は前連結会計年度を上回りました。『溶接溶断関連機器』は、溶接材料の需要及び工作機械、設備工事の受注が減少し、売上高は前連結会計年度を下回りました。『容器』は、消火設備装置向け容器は堅調に推移したものの、産業ガス向け容器、水素蓄圧用長尺容器の需要が減少し、売上高は前連結会計年度を下回りました。以上の結果、当事業の売上高は727億97百万円(前連結会計年度比0.0%表示単位未満で減少)、営業収入は6億72百万円(前連結会計年度比6.7%減少)、営業利益は69億49百万円(前連結会計年度比5.3%増加)となりました。 化成品事業化成品事業を取り巻く環境は、ナフサ価格は緩やかな下落傾向にあるものの、依然として原材料価格の高止まりが続く厳しい状況で推移いたしました。 このような事業環境のなか、当事業では前連結会計年度に新設した甲賀工場の生産体制の強化により、仕向け先への製品の安定供給に努め、また、新しい技術開発により、環境配慮型水性接着剤や高耐候性塗料など環境にやさしい製品や付加価値の高い製品づくりに努めてまいりました。 『接着剤』は、ペガール(水系接着剤)はテープ・ラベル用などの粘着剤の販売が低調でしたが、紙工用の接着剤やコーティング剤の販売が増加、工業用塗料の新規獲得で塗料用の販売が増加しました。シアノン(瞬間接着剤)は中国・韓国・タイ向けの販売が低調に推移しましたが、ヘルスケア分野での製品開発の注力により、欧米向けの高機能品(皮膚縫合用接着剤)の販売が増加しました。ペガロック(2液反応型接着剤)は、米国向けにモーター組立用の販売が増加しましたが、欧州向け自動車部品用の販売が大幅に減少しました。売上高は、接着剤全般の原材料価格の高騰に伴なう価格改定もありましたが、前連結会計年度を下回りました。『塗料』は、防水用塗料・工業用塗料が堅調に推移しましたが、戸建塗替え需要の低迷が続き、建築用塗料の販売が減少しました。また、エアゾール製品は工業用の潤滑スプレーや食品用の食用油スプレーなどの販売が増加しましたが、スポーツ用品用の防水スプレーの販売が減少し、売上高は前連結会計年度を下回りました。このほか、化成品取扱い商品の増加もあり、当事業の売上高は216億94百万円(前連結会計年度比0.5%増加)、営業収入は4百万円(前連結会計年度比487.1%増加)、営業利益は甲賀工場のコスト等の影響もあり、7億56百万円(前連結会計年度比11.6%減少)となりました。 その他事業その他事業は、LSIカード関連及び食品添加物の需要が減少し、前連結会計年度を下回り、売上高は35億9百万円(前連結会計年度比9.6%減少)、営業損失は91百万円(前連結会計年度は営業利益93百万円)となりました。 (各事業別の売上高、営業収入および営業利益) (単位:百万円)事 業 区 分売 上 高営 業 収 入営 業 利 益金 額前年同期比(%)金 額前年同期比(%)金 額前年同期比(%)ガス事業72,79799.967293.26,949105.3化成品事業21,694100.54587.175688.3その他事業3,50990.3--△91-合計98,00199.767693.77,614100.9 (注) 各事業別営業利益合計76億14百万円と連結損益計算書「営業利益」58億71百万円の差額17億42百万円は、各事業に帰属しない一般管理費であります。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が69億95百万円(前連結会計年度比2.4%減少)、減価償却費が32億93百万円、売上債権の減少が5億26百万円あったものの、法人税等の支払額が25億22百万円、有形固定資産の取得による支出が44億22百万円、長期借入金の返済が50億40百万円、配当金の支払いが16億52百万円、仕入債務の減少が7億1百万円あり、27億32百万円減少(前連結会計年度は3億5百万円の増加)となり、現金及び現金同等物の期末残高は、260億28百万円(前連結会計年度比9.4%減少)となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動の結果、得られた資金は80億2百万円(前連結会計年度比24.6%増加)と前連結会計年度と比べて15億81百万円増加しました。これは主に、税金等調整前当期純利益が69億95百万円、減価償却費が32億93百万円、売上債権の減少が5億26百万円あったものの、法人税の支払いが25億22百万円、仕入債務の減少が7億1百万円あったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は44億48百万円(前連結会計年度比12.5%減少)と前連結会計年度と比べて6億38百万円減少しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が44億22百万円あったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は63億45百万円(前連結会計年度比480.4%増加)と前連結会計年度と比べて52億51百万円増加しました。これは主に長期借入金の返済が50億40百万円、配当金の支払いが16億52百万円あったことによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績(a) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)ガス事業10,14194.2化成品事業13,50498.3その他事業--計23,64596.5 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。2 金額は、製造原価であります。3 その他事業については、生産活動は行なっていません。 (b) 受注の状況受注生産は行なっていません。 (c) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)ガス事業72,79799.9化成品事業21,694100.5その他事業3,50990.3計98,00199.7 (注) セグメント間取引については、相殺消去しています。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり連結会計年度末時点での状況を基礎に、連結貸借対照表及び連結損益計算書に影響を与える項目・事象について見積りを行なう必要がある場合があります。当社グループでは、連結財務諸表作成に影響を与える重要な項目・事象について見積りは過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により検証し、意思決定を行なっております。これらの見積りは不確実性を伴なうため、実際の結果と異なる場合があります。なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループでは、中期経営計画「チェンジ&チャレンジStageⅡ」(2021年4月~2026年3月)を策定し、当連結会計年度は、中期経営計画の5年目でコア事業の持続的成長を維持する収益基盤の構築をはかるため、新規事業の拡大への積極的な投資、グループ機能や体制の強化などに取り組んでまいりました。 (a)財政状態の分析(資産)当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ3億87百万円増加して1,233億81百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比べ31億54百万円減少して614億90百万円となりました。これは主に売上債権であります受取手形、売掛金、電子記録債権が4億42百万円、現金及び預金が長期借入金の返済により24億48百万円減少したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末と比べ35億41百万円増加して618億91百万円となりました。これは主に、投資有価証券の時価の上昇により32億33百万円増加したことによるものであります。(負債)当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ49億22百万円減少して383億80百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末と比べ12億37百万円減少して282億30百万円となりました。これは主に、仕入債務であります支払手形、買掛金、電子記録債務が5億73百万円、その他で設備購入にかかる債務が9億99百万円減少したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末と比べ36億84百万円減少して101億49百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が10億73百万円増加したものの、長期借入金が返済により47億91百万円減少したことによるものであります。(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ、53億9百万円増加して850億1百万円となりました。これは主に、有価証券評価差額金が22億29百万円、利益剰余金が30億5百万円増加したことによるものであります。 (b)経営成績の分析(売上高)当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ2億59百万円減少して980億1百万円(前連結会計年度比0.2%減少)となりました。売上高が減少した主な要因は、主力製品である「溶解アセチレン」は、自動車、造船及び建設・土木向けに需要が減少し、売上高は前連結会計年度を下回りました。「その他工業ガス等」は、アルゴンが、溶接配管工事・住宅設備向け、水素が、半導体関連分野向けにそれぞれ需要が増加したものの、酸素は、銅精錬向けの需要減少、LPガスは、民生向けの需要減少と輸入価格の下落が影響しました。「溶接溶断関連機器」は、溶接材料の需要が減少し、工作機械、設備工事の受注が減少しました。「接着剤」は、ペガールは、紙工用・塗料用、シアノンは、欧米向けの高機能製品(皮膚縫合用接着剤)の販売が増加したものの、ペガロックは、欧州向け自動車部品用の販売が大幅に減少しました。「塗料」は、防水用・工業用塗料が堅調に推移したものの建築用塗料の販売が減少、エアゾール製品は、工業用・食品用スプレーなどの販売が増加しましたが、防水スプレーの販売減少により売上高は前連結会計年度を下回りました。(売上総利益)当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度と比べ2億6百万円増加して258億6百万円(前連結会計年度比0.8%増加)となり、売上総利益に営業収入を加えた営業総利益は、前連結会計年度と比べ1億61百万円増加して264億82百万円(前連結会計年度比0.6%増加)となりました。 (販売費及び一般管理費)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人件費、運賃、減価償却費等の増加により前連結会計年度と比べ2億59百万円増加して206億10百万円(前連結会計年度比1.2%増加)となりました。(営業利益)当連結会計年度の営業利益は、販売費及び一般管理費の増加により前連結会計年度と比べ98百万円減少して58億71百万円(前連結会計年度比1.6%減少)となりました。(経常利益)当連結会計年度の経常利益は、3億8百万円増加して69億51百万円(前連結会計年度比4.6%増加)となりました。(特別損益)当連結会計年度において、特別利益として投資有価証券の売却益3億15百万円、特別損失として固定資産減損損失1億76百万円等を計上しています。(親会社株主に帰属する当期純利益)税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度と比べ1億74百万円減少して69億95百万円(前連結会計年度比2.4%減少)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は、前連結会計年度と比べ73百万円減少して22億86百万円(前連結会計年度比3.1%減少)、非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ21百万円増加して48百万円(前連結会計年度比80.2%増加)となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ1億22百万円減少して46億61百万円(前連結会計年度比2.5%減少)となりました。 なお、セグメント別の売上高及び営業利益の分析については、「第2 [事業の状況] 4 [経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析](1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (c)キャッシュ・フロー当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 [事業の状況] 4 [経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]](1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 [事業の状況] 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (d)資金需要と資金調達当社グループの運転資金需要は、製品製造のための原材料の購入、労務費など製造費用、商品の仕入、販売費及び一般管理費等であります。また、従来から製造設備及び販売設備の新設、更新等の設備投資を行なっております。当連結会計年度において33億7百万円の設備投資を実施しております。当社グループの運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金及び銀行借入による調達を主としております。銀行借入につきましては、主に長期借入金を利用することで安定的な資金を確保するとともに、日常の資金需要の変動については短期借入金により対応しております。当社グループは、持続的成長と企業価値の向上をはかるために、事業の拡大に必要な資金需要に対応した資金調達をはかり、健全な財務バランスの実現を検討してまいります。 キャッシュ・フロー関連指標の推移 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率66.363.663.064.168.2時価ベースの自己資本比率37.036.140.939.849.2キャッシュ・フロー対有利子負債比率1.01.71.41.80.8インタレスト・カバレッジ・レシオ243.8189.6168.794.593.2 自己資本比率 :自己資本/総資産 時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利息支払額 (注)1.いずれの指標も連結ベースの財務数値により計算しています。 2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しています。 3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている借入金を対象 としています。

事業リスク

  • 国内市場の需要鈍化と競争激化
    高圧ガス工業の売上は国内需要に大きく依存しており、特に主要顧客である鉄鋼や自動車産業の国内市場成長の限界や海外シフトが進んでいます。これにより市場競争が激化し、製品価格の低下や収益性の悪化につながる可能性があります。
  • 原油価格と為替レートの変動
    石油系ガスや化成品原料のナフサ価格は原油価格に大きく影響され、国際的な需給や地政学的リスクで変動します。また、貿易取引や海外事業における為替レートの変動も、仕入れコスト増や自己資本の変動を通じて経営成績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 原材料供給と物流コストの上昇
    原材料の調達を外部供給元に依存しており、地政学的要因や環境規制、供給元の統廃合、事故などで供給が不安定になったり、原価が上昇したりするリスクがあります。さらに、燃料費の高騰やドライバー不足による人件費上昇で物流コストが急増し、収益を圧迫する可能性もあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,621 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。 ①市場の需要・競争によるリスク当社グループは、国内の需要先への販売が大部分を占めており、特にガス事業における鉄鋼、自動車、化学、半導体などの主要な需要先では国内市場成長力の限界を見込んだ事業の統廃合や海外での事業展開を進めています。当社グループでは、積極的な事業投資、販売・物流・技術力の強化、品質管理の徹底、新たな付加価値の高い事業の創造などにより市場での他社との差別化をはかっておりますが、主要分野の国内需要の著しい鈍化により市場競争が激化した場合、全般的な製品・サービス・販売価格などにおいて競合他社に対し十分な競争優位性を維持できなくなり、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ②価格変動のリスク当社グループで製造、販売する石油系ガス及び化学品の原料であるナフサの仕入価格は、原油価格の変動の影響を受けます。原油価格は、国際的な原油市場での需給動向の影響を受けますが、石油化学製品の需要の動向、原油産出国の産出量のほか原油産出国及びその周辺地域の地政学的リスク等により著しく変動することがあり、価格の変動は原料の仕入れ価格に大きく影響する可能性があります。また、輸入する産業用ガスの一部においても国際的な需給の逼迫により、供給の制限や調達コストの上昇が生じており、価格の上昇等が当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ③為替レートのリスク当社グループは、貿易取引や海外事業を行なっております。貿易取引に関しては、外貨建ての取引があることから、為替レートの変動リスクを回避するため、為替予約による決済を採用しておりますが、リスクを完全に回避することは困難であり、為替レートの変動が当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、海外事業については、為替換算調整勘定を通じて自己資本が変動するリスク、期間損益の円換算額が増減するリスクがあり、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ④原料供給元への依存のリスク当社グループは、原材料の調達を複数のグループ外の供給元に依存しております。グループ外の供給元とは取引基本契約を結び、原材料の安定的な供給関係の継続をはかっていますが、輸入原料においては地政学的要素、産出国の環境規制の強化等により、また、国内原料においては供給元の統廃合による生産の縮小、事業からの撤退及び不慮の事故・災害などによる原料市場の逼迫、供給不足が生じることで生産の遅れや原価を上昇させるリスクがあり、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤物流コスト上昇のリスク当社グループは、需要先への製品供給を主にグループ内の物流組織により行なっております。需要先のニーズを最優先に、配送効率の継続的な改善を推進していますが、原油価格の上昇による燃料費の高騰、労働市場の変化によるドライバー不足等による人件費の上昇等、物流コストが急激に上昇する可能性があり、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥事業投資に係るリスク当社グループは、企業価値を向上させるため事業の規模拡大と持続的な成長を目指して、計画的に事業投資を行なっております。事業投資の結果が当初計画から大きく乖離し、投資にかかる保有固定資産の経済的価値が低下した場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦海外事業に係るリスク当社グループは、成長戦略のひとつとして、ガス事業及び化成品事業では市場の拡大が期待されるアジア地域での事業展開を行なっております。その地域における政治・経済情勢の変化や予期しない法的規制の変更、市場の急激な変化等の経営環境の変化によっては、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧製造設備に関するリスク当社グループは、製造拠点において製造設備の維持更新のための計画的な修繕及び一部交換等を行なっておりますが、年式が古い大型設備に、重大な故障が生じた場合において、部品の調達等が容易にできないことによる修繕の遅延や修理自体ができなくなることによる製造中断の可能性があります。また、予見し得ない大幅な法規制の変更により多額の設備投資が発生する場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨火災・爆発事故に関するリスク当社グループで製造する溶解アセチレンやLPガス等の可燃性ガス、酸素ガス等の支燃性ガスは、空気中への漏洩による火災・爆発事故の可能性があることから、災害発生の未然防止のため、平素から安全操業への社員教育を徹底するとともに、製造工程では保安対策を施した設備の維持管理、流通過程では、転倒防止等の容器取扱いや安全運転の徹底、また、需要先の保安設備の維持管理ならびに保安確保についても周知徹底しております。ただし、当社グループの事業場及び流通時の事故において外部要因など想定外の事由による火災・爆発事故が発生した場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩自然災害及びパンデミックによるリスク国内外で地震や局地的な豪雨・豪雪などの自然災害及び新型ウイルス等感染症の大流行が発生した場合、当社グループの事業活動は長期の休止を余儀なくされることによる重大な損害を受ける可能性があります。当社グループはBCPを策定し全国に製造拠点を分散しているものの、被害の発生を完全に回避することは極めて困難であり、生産能力の大幅な低下もしくは生産活動の遅れが生じた場合、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、感染症が大規模に流行した場合、従業員や取引先に対する安全管理や事業継続のため、やむを得ない大幅な勤務体制の変更などによる稼働率の低下が生じた場合は、当社グループの事業活動が重大な損害を受ける可能性があります。 ⑪情報セキュリティに関するリスク当社グループは、事業上の重要情報及び事業の過程で入手した個人情報や取引先等の秘密情報を保有し部署レベルで管理しておりますが、当該情報の盗難・紛失などを通じて第三者に不正流用される可能性があります。また、基幹システムに登録された情報資産についても、情報セキュリティ基本方針に基づく対策とシステム対応による厳正な管理をしていますが、想定を超えるサイバー攻撃やインシデントなどの不測の事態、また故意の不正使用による重要データの破壊、改ざん、流出、システム停止等を引き起こす可能性があります。これらのリスクは、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫組織体制維持に関するリスク当社グループは、新卒、中途を問わず、有為な人材を確保するための採用活動を将来の事業継続を左右する最重要課題のひとつと位置づけており、人事制度においても、社員の能力を重視する制度への改革により従業員の定着と士気向上をはかっております。一方、少子高齢化に伴ない、採用競争が激化しており、新規雇用及び人材定着に著しい落ち込みが生じた場合、組織体制の維持が困難になり、事業継続に支障が発生し当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬コンプライアンスに関するリスク当社グループは、健全な企業として存続していくために、法令及び「コンプライアンス基本規程」、「企業倫理行動指針」、「内部統制基本方針書」等の社内規定ならびに社会規範の遵守をグループ役職員へのコンプライアンス教育により徹底し、社内通報制度と相まってコンプライアンスを推進する制度を構築しています。しかしながら、万が一重大な法令違反が生じあるいは社会規範から著しく逸脱した行為が顕在化した場合には、当社グループの信用、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭退職給付債務にかかるリスク当社グループは、規約型の確定給付年金制度を採用し、割引率や死亡率等の数理計算上設定した前提条件に基づいて退職給付費用及び債務を算出しております。定期的に退職給付債務の将来予測に基づく資産運用の見直しを行なっておりますが、経済環境の激変等により運用環境が悪化する場合や、前提条件が変動する場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

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