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三井化学(4183)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 多角的な化学品事業: 三井化学グループは、ライフ&ヘルスケア、モビリティ、ICT、そして基礎化学品という幅広い分野で製品を製造・販売しています。これにより、特定の産業に依存せず、多様な市場ニーズに対応できるビジネスモデルを構築しており、収益源の分散を図っています。
  • グローバルな事業展開: 国内外に多数の子会社や関連会社を持ち、世界中で事業を展開しています。これにより、各地域の市場特性に合わせた製品供給やサービス提供が可能となり、国際的な競争力を高め、収益機会を広げています。
  • ソリューション提供型ビジネス: 単に製品を販売するだけでなく、自動車産業向けの新製品開発支援(ソリューション事業)のように、顧客の課題解決に貢献するサービスも提供しています。これにより、顧客との関係を強化し、高付加価値なビジネスモデルを追求しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ライフ&ヘルスケア・ソリューション: このセグメントでは、人々の生活の質や健康に関わる製品を提供しています。具体的には、メガネやコンタクトレンズに使われるビジョンケア材料、衛生用品に使われる不織布、歯磨き粉などのオーラルケア材料、化粧品に使われるパーソナルケア材料、そして農業化学品などを製造・販売しており、人々の健康で快適な暮らしを支える事業です。
  • モビリティソリューション: このセグメントは、主に自動車などの輸送機器関連の材料やサービスを提供しています。エラストマー(ゴムのような弾力性を持つ素材)、機能性コンパウンド(複数の素材を混ぜて性能を高めたもの)、ポリプロピレン・コンパウンド(自動車部品などに使われる樹脂)の製造・販売に加え、自動車メーカーの新製品開発を支援するソリューション事業も展開しており、自動車の軽量化や高性能化に貢献しています。
  • ICTソリューション: このセグメントは、情報通信技術(ICT)分野向けの材料を提供しています。半導体や電子部品の製造工程で使われる部材、スマートフォンやディスプレイに使われる光学材料、電気自動車などに不可欠なリチウムイオン電池材料や次世代電池材料、そして食品の鮮度を保つ高機能食品包装材料などを製造・販売しており、デジタル社会の発展を支える重要な役割を担っています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,686 文字
3【事業の内容】当連結会計年度において、当社グループが営む事業の内容について重要な変更はありません。また、当社持分法適用関連会社である上海中石化三井化工有限公司(以下「SSMC」といいます。)の当社持分の全てを、中国石化上海高橋石油化工有限公司に譲渡いたしました。これに伴い、SSMCをベーシック&グリーン・マテリアルズの持分法適用の範囲から除外しております。 当社グループは、当社、子会社130社、ジョイント・オペレーション(共同支配事業)4社並びに関連会社及びジョイント・ベンチャー(共同支配企業)21社で構成され、ライフ&ヘルスケア・ソリューション、モビリティソリューション、ICTソリューション及びベーシック&グリーン・マテリアルズの製造・販売を主な事業内容とし、さらに、各事業に関連するサービス等の事業活動を展開しております。当社グループの事業内容及び主な関係会社の位置付けは次のとおりであります。なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載のとおりであります。 (ライフ&ヘルスケア・ソリューション)当社グループは、ライフ&ヘルスケア・ソリューションセグメントにおいて、ビジョンケア材料、オーラルケア材料、パーソナルケア材料及び農業化学品の製造・販売を行っております。[主な関係会社]三井化学クロップ&ライフソリューション㈱、三井化学ファイン㈱、Kulzer GmbH上記の他、54社が当セグメントに携わっております。 (モビリティソリューション)当社グループは、モビリティソリューションセグメントにおいて、エラストマー、機能性コンパウンド及びポリプロピレン・コンパウンドの製造・販売並びに自動車等工業製品の新製品開発支援業務(ソリューション事業)を行っております。[主な関係会社]㈱アーク、ARRK Engineering GmbH、Mitsui Elastomers Singapore Pte. Ltd.、Grand Siam Composites Co.,Ltd.、Advanced Composites,Inc.、Advanced Composites Mexicana S.A. de C.V. 、上海中石化三井弾性体有限公司上記の他、26社が当セグメントに携わっております。 (ICTソリューション) 当社グループは、ICTソリューションセグメントにおいて、半導体・電子部品工程部材、光学材料、不織布、リチウムイオン電池材料・次世代電池材料及び高機能食品包装材料の製造・販売を行っております。[主な関係会社]本州化学工業㈱、三井化学ICTマテリア㈱、エム・エーライフマテリアルズ㈱、Asahi Kasei Spunbond (Thailand) Co., Ltd.、三井・ケマーズ フロロプロダクツ㈱、アールエム東セロ㈱上記の他、16社が当セグメントに携わっております。 (ベーシック&グリーン・マテリアルズ) 当社グループは、ベーシック&グリーン・マテリアルズセグメントにおいて、エチレン、プロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、触媒、フェノール類、高純度テレフタル酸、ペット樹脂、ポリウレタン材料及び工業薬品の製造・販売を行っております。[主な関係会社]㈱プライムポリマー、Prime Evolue Singapore Pte. Ltd.、錦湖三井化学㈱上記の他、19社が当セグメントに携わっております。 (その他)次に掲げる関係会社が当セグメントに携わっております。[主な関係会社]三井化学(中国)管理有限公司、台湾三井化学股份有限公司、Mitsui Chemicals America,Inc.、Mitsui Chemicals Europe GmbH上記の他、16社が当セグメントに携わっております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 なお、一部の会社は複数のセグメントに跨っております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
代替物質開発による新製品創出や適切な品質設計・品質保証によるシェア拡大の可能性
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
ビジョンケア材料、不織布、オーラルケア材料、半導体・電子部品工程部材、光学材料などの開発力
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:事業継続(BCP)、サプライチェーンの分断、海外の有事、プラントトラブル / 安全・環境、品質マネジメント、化学品規制 / コンプライアンス、法令・規制の強化・変更
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

三井化学は、高機能材料分野で長年培ってきた独自の技術力と研究開発力を持つ。特に、モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージングなどの成長分野における特殊ポリマーや機能性フィルムは、特許やノウハウに裏打ちされている。しかし、汎用化学品も多く、競合他社との差別化が難しい製品群も存在する。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

顧客は特定の用途向けにカスタマイズされた高機能材料を三井化学から調達している場合、材料変更に伴う性能評価や生産ラインの調整にコストと時間がかかる可能性がある。しかし、化学品業界全体としては代替材料も多く、顧客のスイッチングコストは限定的である場合が多い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

三井化学の事業モデルは、直接的なネットワーク効果を生み出すプラットフォーム型ではない。製品の価値は主に技術力や品質に依存し、ユーザー数の増加が直接的に製品価値を高める構造ではない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の操業で培われた生産技術の効率化や、大規模な生産設備によるスケールメリットを活かしたコスト競争力を持つ。特に、石油化学コンビナートにおける一貫生産体制は、原料調達から最終製品まで効率的なコスト管理を可能にする。ただし、原料価格の変動リスクは存在する。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

三井化学は、日本の大手総合化学メーカーの一つであり、国内外に大規模な生産・販売拠点を有する。特に、特定の高機能材料分野においては、グローバル市場でも一定のシェアを確保しており、規模の経済を活かした競争優位性を有している。しかし、グローバルな化学業界全体で見ると、さらに巨大な競合も存在する。

  • 幅広い事業領域と製品群: 三井化学は、ビジョンケア材料から自動車部品、半導体材料、基礎化学品まで、非常に多岐にわたる製品と事業領域を持っています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、多様な顧客ニーズに対応できる強みがあります。
  • グローバルな生産・販売ネットワーク: 子会社128社、ジョイント・オペレーション4社、関連会社・ジョイント・ベンチャー24社という広範なグループ構成により、世界各地で製品の製造・販売を行っています。これにより、地域ごとの市場特性に合わせた迅速な対応や、サプライチェーンの安定化を図りやすい体制を構築しています。
  • 研究開発と技術力: 有価証券報告書からは直接的な記述はありませんが、化学メーカーとして多岐にわたる高機能材料を扱っていることから、それぞれの分野で培われた高い技術力と研究開発力が競争力の源泉であると推測されます。これにより、新しい素材や技術を生み出し、市場の変化に対応する能力があると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題当社グループは、「地球環境との調和の中で、材料・物質の革新と創出を通して高品質の製品とサービスを顧客に提供し、もって広く社会に貢献する」ことを企業グループ理念として掲げ、ESGを中核に据えた経営を行っていくことで、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでおります。また、目指すべき企業グループ像として、「化学の力で社会課題を解決し、多様な価値の創造を通して持続的に成長し続ける企業グループ」を掲げております。2021年度に策定した長期経営計画「VISION 2030」では、当社グループが目指す未来社会「環境と調和した循環型社会」、「健康・安心にくらせる快適社会」、「多様な価値を生み出す包摂社会」の実現に向けて、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定し、それらを前提に5つの基本戦略を策定しました。「社会課題視点」、「ソリューション型ビジネスモデル」、「サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル」、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を全社・全事業に展開して従来型の素材提供型ビジネスからの転換を図るとともに、強靭な「経営基盤・事業基盤」を構築し、変革を加速してまいります。 <目指す未来社会/マテリアリティ> <VISION 2030基本戦略> また、マテリアリティに紐づくKPIを非財務指標として定めております。KPIマネジメントを推進することにより、事業・機能部門の相互連携の強化ひいては、VISION 2030の実行力の強化に取り組んでおります。(KPIの詳細は次頁をご参照ください)。 <VISION 2030 計数目標(KPI)>財務KPI目標(2028年度)目標(2030年度)コア営業利益2,000億円2,500億円親会社の所有者に帰属する当期利益1,100億円1,500億円以上ROE10%以上13%以上ROIC7%以上9%以上NET D/E0.8以下0.8以下 マテリアリティ非財務KPI目標(2030年度)持続可能な社会への貢献・気候変動・サーキュラーエコノミー・健康とくらし・住みよいまち・食の安心・ライフサイクル全体を意識した製品設計Blue Value®製品売上収益比率40%Rose Value®製品売上収益比率40%GHG排出量削減率(Scope1、2)40%(2013年度比) 事業継続の前提となる課題人権尊重人権リスクへの対応国内外全拠点での人権デュー・ディリジェンスシステム構築によるリスク把握と是正安全重大事故・重大労災件数ゼロ(VISION 2030期間を通じて)コンプライアンス重大な法令・ルール違反数品質PL事故、重大品質インシデント件数安定生産生産及び設備信頼性高額損失トラブル件数 ゼロ 事業継続に不可欠な能力企業文化エンゲージメントスコア50%人的資本戦略重要ポジション後継者候補準備率250%執行役員多様化人数(女性・外国籍・中途採用)10名以上(うち、女性3名以上、提出会社)女性管理職(課長級以上)比率15%(提出会社)生活習慣病平均有所見率8.0%以下(提出会社)メンタル不調休業強度率0.25(提出会社)デジタルトランスフォーメーションデータサイエンティスト数(~2025年度)165名(2025年度)AIを活用した業務効率化プロセスの定常運用(2026年度~)全社/全部署イノベーション新事業数(2026年度~)3件以上開発への移管件数(2026年度~)8件以上(2028年度)パートナーシップ持続可能な調達率80% (注)Blue Value®とRose Value®とは、当社グループが目指す未来社会実現のため、提供する製品・サービスの環境および社会への貢献を見える化し、その価値をステークホルダーの方々と共有できるようにしたものです。製品・サービスを用途別に独自の指標で評価し、環境貢献価値の高いものをBlue Value®製品、QOL向上貢献価値の高いものをRose Value®製品として認定しております。 また、2028・2030年度目標の達成に向け、次の基本方針にてスピード感を持って戦略を実行してまいります。 [基本方針]方針内容事業ポートフォリオ変革の追求・高い収益性が期待される領域・地域により厚く資源配分を行い、M&Aや提携も積極的に活用し、市場成長+αの獲得による成長領域の収益拡大の加速を図る。・ROICと利益成長に基づく事業ポートフォリオ変革の加速(成長領域でも期待値に満たない事業/関係会社の方向性を決定する)。・他社との連携・再編加速によるコンビナート競争力強化とグリーン化を図り、国内産業を支える強靭な事業体実現を目指す。ソリューション型ビジネスモデルの構築・市場/顧客への価値提供を起点に注力すべき技術を選定、横断的に活用し、ソリューション提供力を高める。・研究開発の体制の変更を行い、研究と開発を分離の上、開発部門を各事業セグメントに組み込むことで両者の役割を明確にし、新製品・新事業の創出を加速する。サーキュラーエコノミーへの対応強化ファーストムーバーとして燃料転換や東・西コンビナートの地域・他社連携を更に推し進め、カーボンニュートラル技術の早期社会実装を目指す。DXを通じた企業変革稼働したIT・データ基盤強化に加え、生成AI等のDXを活用した業務効率化、品質の向上、アイディア創出の取り組みを通じ、企業変革とマネタイズの実現を目指す。経営基盤・事業基盤の変革加速・グローバル視点でグループ内資源を最大限活用し、新市場・新事業展開を加速する。・財務・非財務双方の視点での実効性あるKPIマネジメント、リスクと機会両面からのリスクマネジメントのPDCAを着実に回し、企業価値向上に繋げる。・設備信頼性の向上、更なる安全安定運転実現のための抜本対策に加え、工場のあるべき姿に向けたリスクマネジメントの強化、運転・保全技術の高度化及び工場横断的な人材育成を推進する。・業務効率化による間接部門の強化とグループ最適視点でのコスト削減を実行する。 また、当社は、長期経営計画に基づき毎年向こう3ヵ年の事業計画の見直しを行うというローリング方式を採用しています。社会環境の変化が急速かつ大きくなる中で、長期的な視野を持ちつつ、経営の環境適応性を高め、戦略推進を加速してまいります。 このような経営ビジョン及び経営計画のもと、2026年度において、当社は、次のように経営環境を認識し、VISION 2030達成に向けて取り組んでまいります。 <経営環境>2026年度の世界経済は、米国とイランの軍事衝突を背景とした中東情勢の不安定化によるエネルギー供給や国際物流に関するリスクが継続しており、先行きの不透明感が懸念されます。日本経済においては、雇用や所得環境の改善による景気持ち直しの動きが継続しているものの、米国の通商政策や中東情勢の不安定化により、景気の下振れリスクが高まっています。化学工業界においては、川下製品の需要鈍化の影響を受け、国内のナフサクラッカーの稼働率は低調に推移しており、加えて中東情勢の不安定化に伴い、エネルギー供給や原料調達に対する不透明感が高まっています。 <VISION 2030達成に向けた2026年度における取り組み>あるべき姿を見据えてポートフォリオ変革を追求し、コア営業利益のみならず、キャッシュ・フローや資本効率も意識した企業グループ運営に努めます。・成長領域における事業収益の拡大を加速させるための資源投下の推進と、再構築及びポートフォリオ変革の実現を通じた、高成長・高収益な事業体の形成・ベーシック&グリーン・マテリアルズにおける、再構築の加速及びダウンフロー強化による、コア営業損失からの脱却・トラブル撲滅に必要な経営資源の明確化、及びソフト面・ハード面の対策の着実な実施を通じた、トラブルの撲滅及びステークホルダーの信頼回復・IT・データ基盤の活用による、事業部門の生産性向上及び機能部門の効率化の推進・全社重点リスクへの対応策の策定・実行を通じた、企業価値の向上 このような情勢のもと、2026年度の当社グループの業績は、下表のとおりとなることを予想しております。 2026年度連結業績予想2025年度連結業績売上収益(億円)19,00016,688コア営業利益(億円)1,0501,000営業利益(億円)830738親会社の所有者に帰属する当期利益(億円)450344※当社は2020年度より国際財務報告基準(IFRS会計基準)を適用しております。コア営業利益は、営業利益から非経常的な要因(事業撤退や縮小から生じる損失等)により発生した損益を除いて算出しております。 (2) 事業領域ごとの環境分析及び戦略①ライフ&ヘルスケア・ソリューション世界の総人口増加・健康寿命延伸などを背景として生活の質(QOL)向上、安全・安心な食への貢献が求められています。ライフ&ヘルスケア・ソリューション事業は、ライフケアソリューション、ウェルネスソリューション、メディカルソリューションという3つの事業領域にわたって、いのちと健康、豊かな暮らしに貢献するソリューションを提供し、第1の収益の柱として当社グループの持続的成長に寄与していきます。 主要製品競争優位性基本戦略課題・方策[ビジョンケア材料]・プラスチックメガネレンズ材料(MR™、KOC/KR、RAV7™、Do Green™製品)・フォトクロミックメガネレンズ材料(SunSensors™)・コーティング材(Crystal Coat™、Visgard™)・レンズ加工機器(Velocity™、Cobalt™、CrystalChrome™)・幅広い顧客ニーズ、需要の拡大に対応可能な製品ラインナップ及び供給能力・グローバルでのブランド力・視界の快適さや目の健康、環境負荷低減等の市場ニーズに応じた新規材料・技術を継続的に創出する力・高屈折レンズ市場の成長の確実な取り込み・メガネレンズ用途の新規材料・技術開発の推進による差別化・レンズ加工ラボ向け事業の更なる拡大・高屈折メガネレンズ材料の需要拡大に即した供給能力確保、更なる需要創出→MR™生産能力増強計画の確実な実行及び北米・中国市場でのMR™使用レンズの採用促進・新規のレンズ材料開発や技術開発を通じた競合との差別化→レンズ性能やレンズ生産性の向上、環境負荷低減を実現する新材料・技術の開発、および顧客採用の促進・コート材・機器事業拡大の更なる加速→グローバル販売体制強化とM&A等を活用した品目拡充[パーソナルケア材料]・アクリルアマイド、アクリルアマイドバイオ触媒(YURIKOS™)、合成パルプ(SWP®) ・酵素技術、有機合成技術を基盤とした研究開発力及び顧客ニーズに応じた技術サポート力・多種多様な用途に応用可能な微細多分岐構造を有するポリオレフィン繊維の製造技術及び供給能力・バイオ触媒事業の拡大・合成パルプ事業の収益力の維持・強化・アクリルアマイドバイオ触媒事業の収益拡大→欧州・北米市場での拡販の確実な実行、中国市場での新規顧客の獲得・市況を捉えた安定供給と適切な交易条件の設定→既存顧客への安定供給及び技術支援を通じた引合い実需化による新規用途への拡販推進、市況変化に対する交易条件への柔軟な反映 主要製品競争優位性基本戦略課題・方策[農業化学品/生活環境用薬剤]・殺虫剤、殺菌剤、除草剤(業務用、家庭用、木材保存用、畜産用、ペット用)・ベクターコントロール・有機合成を基盤とした独自性の高い創薬力と生産技術・安全で環境負荷の低い天然物由来の製品ポートフォリオの保有・幅広い顧客ニーズに対応可能な製剤開発力・成長ドライバーの更なる拡大による事業価値の最大化・サプライチェーンの強靭化による供給能力の向上・研究開発の基盤強化と新製品創出・成長ドライバーの展開地域拡大と用途拡大→ジノテフラン・テネベナール®・フルピリミンの海外重点地域での販売促進、マラリア根絶・感染症対策に資するVECTRON™T500のアフリカ諸国での登録推進・販売促進・生産調達の最適化→大牟田工場・北上工場での原体生産体制の強化・低環境負荷農薬の研究開発の加速と新製品創出→高い安全性・環境負荷の少ない革新的化学農薬の創薬推進、天然物創薬基盤をもとにしたバイオロジカルソリューション研究の強化、新規殺菌剤有効成分アプティレル®を含有するアイーナ®フロアブルの国内上市[パーソナルケア材料]タウリン高品質な製品の安定供給高品質な製品供給による日欧米市場での収益維持海外向け需要の確実な取り込みによる収益維持→高価格帯の新規顧客獲得による拡販の推進 主要製品競争優位性基本戦略課題・方策[オーラルケア材料]・修復材(ビーナス®、カリスマ®)、接着用セメント(スーパーボンド®、ZEN®ユニバーサルセメント)・義歯関連(パラ®)、3Dプリンターインク(ディーマ®)・グローバルでのブランド力・ポリマーサイエンス・精密合成技術と歯科臨床知識の組み合せによる製品開発力グループ経営体制最適化による事業競争力強化・グループ経営体制最適化→成長市場(EMEA、米州)への注力による構造改善→グループ間販売協働、共同開発の深化による製品ポートフォリオ強化[検査・診断]コンパニオン診断(肺がんコンパクトパネル®DXマルチコンパニオン診断システム)最先端の遺伝子解析技術事業基盤の確立と検査サービスの拡充事業基盤の強化と検査サービスの事業拡大→DNAチップ研究所の研究開発推進及びスタートアップ等との提携による新規検査診断コンテンツの拡充、セールス・マーケティング機能強化 ②モビリティソリューション 世界的な環境意識の高まりや社会的責任への対応要請を背景に、サプライチェーンにおける環境負荷低減の重要性が高まっており、モビリティの燃費・電費向上、リサイクル材料、バイオ材料の活用、省エネルギーや再生可能エネルギーの利活用拡大等への貢献が求められています。また、EV化進展によるEV用部材の需要拡大の他、新交通システムの実装、製造工程の構造変化を捉える3Dプリンティング材料の市場拡大といった、モビリティにおける多様なニーズや機会の創出に繋がると期待されています。 当社では、自動車を中心としたあらゆる種類の人・モノの移動手段を「モビリティ」と定義しています。このモビリティ領域において、多様化するニーズに対応したソリューションの提供と個々の事業の競争力強化を通じた持続的な成長を実現していきます。 主要製品競争優位性基本戦略課題・方策[エラストマー重合製品]エチレン・プロピレンゴム(三井EPT™)、α-オレフィンコポリマー(タフマー®)、液状ポリオレフィンオリゴマー(ルーカント®)・幅広い材料ラインナップ・高い技術力と品質・グローバルネットワークを活かした幅広い顧客基盤・技術サービス・当社グループ機能を活用したコンセプト提案力・「高成長&サステナビリティへの貢献」×「競争優位」な領域に対する販売・開発の集中及びポートフォリオ転換・需要に応じた生産能力増強、グローバル拠点を最大活用したレジリエントな生産体制の構築、コンセプト提案を通じた市場の創出・獲得市場変化や需要増加に対応するための生産供給能力の不足及び柔軟な生産体制の構築→需要に応じた適切な生産能力増強の実行、グローバルな地産地消体制の構築、製品や組織を超えた生産体制最適化の実現[複合材料製品]接着性ポリオレフィン(アドマー®)、熱可塑 性エラストマー(ミラストマー®)、エンジニアリングプラスチック(アーレン®、オーラム®)、PPコンパウンド 主要製品等競争優位性基本戦略課題・方策ARRKグループ、共和工業(株)・設計、解析機能・試作、LVP(少量生産)機能・金型技術・開発支援機能・これまで獲得してきたソリューション機能と他社提携の深化によるビジネスモデルの確立・デザイン・設計・解析から量産までのワンストップサービスの提供へのビジネスモデル変革・新たなビジネスモデルによる早期収益貢献→ARRKグループ、共和工業㈱の機能の活用と他社提携を通じた事業機会の探索と具体化 ③ICTソリューション DXの進展や生成AIの普及を背景に、半導体を中心とするICT関連市場は中長期的な成長が見込まれており、当社においても重要な成長領域と位置づけています。ICTソリューションでは、①半導体・実装、②イメージング、③電池材料、④コンバーティングの各分野を重点領域とし、高付加価値材料と用途提案を組み合わせた事業展開を進めています。また、不織布事業を含めた事業ポートフォリオの高度化を通じ、素材提供にとどまらないソリューション型ビジネスモデルの構築を加速しています。AI、Beyond 5G(6G)、ロボティクス等の先端技術の進展を取り込み、社会課題の解決に資する当社ならではのICTソリューション事業を創出・拡大し、企業価値の向上を目指します。 主要製品競争優位性基本戦略課題・方策[半導体・実装ソリューション]フォトマスク用防塵カバー(三井ペリクル™)、成膜プロセス用高純度ガス(シラン・ジシラン)、フォトレジスト原料(ミレックス®)、半導体製造工程用テープ(イクロステープ™)、シリコーンコートフィルム(SP-PET™)、耐熱離型フィルム(オピュラン®)、低誘電モノマー、過酸化水素製造用触媒、フィルター(ユーテック®)、フィルター用不織布(シンテックス®MB、プレシゼ®)・前工程から後工程・実装領域の製品における高い技術力と強固な生産体制・半導体メーカー、装置メーカーおよび外部研究機関と長年培ってきた技術蓄積によるトータルソリューション提案力・先行開発により競争優位なポジション獲得・次世代製品の開発による品質・性能の向上とグローバル拠点を活用した競争力の強化・社外パートナーとの協業を通じた先端半導体材料の事業化先着・競争力の高い成長分野に経営資源を集中し事業規模を拡大・顧客スピードに対応した体制構築→海外技術サービス拠点拡大と分析・評価機能強化を通じ、顧客要求品質に適合した製品を供給・先端半導体材料の研究開発機能強化→顧客・社外パートナーとの共創推進により、最先端技術ロードマップに沿った半導体材料の研究開発を加速[イメージングソリューション]レンズ材料(アペル®)、液晶反射フィルム用材料(TPX®)、液晶・有機ELシール材(ストラクトボンド®)屈折率、透明性、耐熱性などの多機能光学特性を有する独自材料による差別化製品スマートフォンレンズ、AR/VR向け高品質・差別化製品展開による事業拡大・新規光学市場向け製品の拡販→拡大するAR/VR市場への用途展開と差別化技術を生かした新製品開発、顧客要求に応える品質レベル向上[電池材料ソリューション]LiB用電解液(ミレット®)、太陽電池用封止シート(ソーラーエース™)・顧客ごとの電池設計に応じた製品のカスタマイズ・マテリアルズインフォマティクス等を活用した迅速な製品開発力EV用途に加え、データセンター等の定置型電源をはじめとする産業用途市場の成長を取り込み、付加価値型製品によるニッチトップ戦略を推進・次世代電池材料の開発加速→顧客の設計初期段階から開発を支援し量産を見据えたソリューションを提案・コスト競争力の向上→原料調達先の多角化や生産プロセス合理化の推進[コンバーティングソリューション]環境配慮型紙包装材用ヒートシール剤(ケミパール®)、サステナブル包材用バリアコート剤(タケラック®WPB)、包装用接着剤(タケネート®、タケラック®)、不織布(エアリファ®、エコライズ®)、形状保持材料(テクノロート®)、通気性フィルム(エスポアール®)、不飽和ポリエステル(ポリホープ®)、成形用コンパウンド(ポリマール®マット)・グローバルな生産供給体制と現場密着型技術サービス・顧客における高い加工適性と性能を両立する製品設計力・グローバルな供給体制強化による競争力強化と海外拠点と連携した技術サービスの拡充・環境配慮ニーズ等に対応した高付加価値製品の創出・グローバルシェアの拡大→海外生産拠点の拡大と技術サービス拠点間の連携強化・環境配慮等の差別化製品の拡販→顧客ニーズに応える高機能化製品ラインナップ拡充とトータルソリューション提案による新規市場の取り込み ④ベーシック&グリーン・マテリアルズ 石化・基礎化学品を中心とする当本部の事業は、自動車、住宅、家電、インフラ、食品包装をはじめ、様々な分野に素材提供を行っています。特徴のある技術と付加価値製品群の拡大、さらなるコスト競争力強化により、安定した収益の確保を目指します。 当本部の事業環境は、中国をはじめとした大型プラント新増設と国内需要の漸減により、今後も厳しい状況が継続する見込みです。一方で、クラッカー、ポリオレフィン(PO)を中心とする石化事業は、石油精製等の川上産業においてはグリーン原料を含む原燃料の安定需要家であり、自動車、半導体、医薬、日用品などの幅広い川下産業においては、エッセンシャル素材の安定供給元の位置づけです。日本のエネルギー政策や経済安全保障、日本国全体のカーボンニュートラル達成において、石化産業は重要な役割を担っています。 国内産業全体を支える強靭な事業体の実現に向けて、当本部では再構築第2幕および他社提携を加速しています。2025年5月30日には、石化事業統合を含む他社との再編に向けた、ベーシック&グリーン・マテリアルズ事業の分社化検討開始を発表しました。2025年12月19日には出光興産との千葉ケミカル製造LLPにおけるナフサクラッカーの集約(2027年運営開始)について最終合意し、更に2025年12月24日にはプライムポリマーへの住友化学PP、LLDPE事業の統合(2026年運営開始)について最終合意に至りました。2026年1月27日には、旭化成(株)・三菱ケミカル(株)と共同で検討してきた西日本におけるクラッカーのグリーン化と生産体制最適化(2030年度目途)が、「令和7年度排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業」に採択されました。 また、高機能品を中心としたダウンフローの強化にも取り組んでいます。2025年12月15日には、ポリウレタン主原料であるMDIの+10万トン増強を決定しました。(増強後能力 71万トン/年) 更なる需要拡大に対応可能となり、高機能材の安定供給を通した収益拡大に取り組んでまいります。 主要製品競争優位性基本戦略課題・方策[石化製品]エチレン、プロピレン、高密度ポリエチレン、メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン(エボリュー®)、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン重合触媒・世界トップクラスの競争力を有するナフサクラッカー・メタロセンをはじめとするポリオレフィン触媒技術・ウレタン製品差別化のための高機能ポリオール、高機能MDI・バイオマスポリオールの開発、製造技術・バイオマスナフサおよび廃プラスチック分解油の原料投入による、バイオマス製品・ケミカルリサイクル製品の幅広い展開・更なる再構築推進による資本効率性の向上→需要に見合った能力最適化(岩国大竹PET樹脂停止、大牟田TDIダウンサイジング、市原フェノール停止)→他社連携による再編・競争力向上(ナフサクラッカー、ポリオレフィン)・グリーンケミカルの拡大による環境対応強化→原料転換(バイオマスナフサ、廃プラスチック分解油)→燃料転換(アンモニア燃焼炉)→バイオマス誘導品、リサイクル製品の拡大・高機能化・ニッチ品の拡大など、ダウンフロー強化による収益安定化→高機能PP、高機能MDI→ライセンス、オレフィン重合触媒・需要に見合った能力最適化・再編→資本効率が低い製品の縮小や撤退、他社連携による事業リスク低減・高機能製品の強化・拡大→エンドユーザー起点の素材開発、MI活用の拡大による新銘柄開発や処方開発、マテリアル・ケミカルリサイクル起点での製品開発(石油由来同等の物性など)・製造における低炭素化(SCOPE1+2)→省エネ、再生エネルギーの活用、低炭素原料・燃料への転換、高エネルギー効率機器の導入・製品によるGHG削減→製品提供を通じたGHG削減貢献量の最大化(Blue Value®製品の売上収益比率の拡大)・サーキュラーエコノミーへの対応強化→バイオマス・マテリアル・ケミカルリサイクル製品の拡大[基礎化学品]フェノール、ビスフェノールA、アセトン、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン、高純度テレフタル酸、PET樹脂、エチレンオキサイド、エチレングリコール、ハイドロキノン(HQ)、メタ/パラクレゾール、アンモニア、尿素、メラミン[ポリウレタン原料]TDI(コスモネート®)、MDI(コスモネート®)、PPG(アクトコール®、エコニコール®、Nextyol®)
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題当社グループは、「地球環境との調和の中で、材料・物質の革新と創出を通して高品質の製品とサービスを顧客に提供し、もって広く社会に貢献する」ことを企業グループ理念として掲げ、ESGを中核に据えた経営を行っていくことで、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでおります。また、目指すべき企業グループ像として、「化学の力で社会課題を解決し、多様な価値の創造を通して持続的に成長し続ける企業グループ」を掲げております。2021年度に策定した長期経営計画「VISION 2030」では、当社グループが目指す未来社会「環境と調和した循環型社会」、「健康・安心にくらせる快適社会」、「多様な価値を生み出す包摂社会」の実現に向けて、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定し、それらを前提に5つの基本戦略を策定しました。「社会課題視点」、「ソリューション型ビジネスモデル」、「サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル」、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を全社・全事業に展開して従来型の素材提供型ビジネスからの転換を図るとともに、強靭な「経営基盤・事業基盤」を構築し、変革を加速してまいります。 <目指す未来社会/マテリアリティ> <VISION 2030基本戦略> また、マテリアリティに紐づくKPIを非財務指標として定めております。KPIマネジメントを推進することにより、事業・機能部門の相互連携の強化ひいては、VISION 2030の実行力の強化に取り組んでおります。(KPIの詳細は次頁をご参照ください)。 <VISION 2030 計数目標(KPI)>財務KPI目標(2028年度)目標(2030年度)コア営業利益2,000億円2,500億円親会社の所有者に帰属する当期利益1,100億円1,500億円以上ROE10%以上13%以上ROIC7%以上9%以上NET D/E0.8以下0.8以下 マテリアリティ非財務KPI目標(2030年度)持続可能な社会への貢献・気候変動・サーキュラーエコノミー・健康とくらし・住みよいまち・食の安心・ライフサイクル全体を意識した製品設計Blue Value®製品売上収益比率40%Rose Value®製品売上収益比率40%GHG排出量削減率(Scope1、2)40%(2013年度比) 事業継続の前提となる課題人権尊重人権リスクへの対応国内外全拠点での人権デュー・ディリジェンスシステム構築によるリスク把握と是正安全重大事故・重大労災件数ゼロ(VISION 2030期間を通じて)コンプライアンス重大な法令・ルール違反数品質PL事故、重大品質インシデント件数安定生産生産及び設備信頼性高額損失トラブル件数 ゼロ 事業継続に不可欠な能力企業文化エンゲージメントスコア50%人的資本戦略重要ポジション後継者候補準備率250%執行役員多様化人数(女性・外国籍・中途採用)10名以上(うち、女性3名以上、提出会社)女性管理職(課長級以上)比率15%(提出会社)生活習慣病平均有所見率8.0%以下(提出会社)メンタル不調休業強度率0.25(提出会社)デジタルトランスフォーメーションデータサイエンティスト数(~2025年度)165名(2025年度)AIを活用した業務効率化プロセスの定常運用(2026年度~)全社/全部署イノベーション新事業数(2026年度~)3件以上開発への移管件数(2026年度~)8件以上(2028年度)パートナーシップ持続可能な調達率80% (注)Blue Value®とRose Value®とは、当社グループが目指す未来社会実現のため、提供する製品・サービスの環境および社会への貢献を見える化し、その価値をステークホルダーの方々と共有できるようにしたものです。製品・サービスを用途別に独自の指標で評価し、環境貢献価値の高いものをBlue Value®製品、QOL向上貢献価値の高いものをRose Value®製品として認定しております。 また、2028・2030年度目標の達成に向け、次の基本方針にてスピード感を持って戦略を実行してまいります。 [基本方針]方針内容事業ポートフォリオ変革の追求・高い収益性が期待される領域・地域により厚く資源配分を行い、M&Aや提携も積極的に活用し、市場成長+αの獲得による成長領域の収益拡大の加速を図る。・ROICと利益成長に基づく事業ポートフォリオ変革の加速(成長領域でも期待値に満たない事業/関係会社の方向性を決定する)。・他社との連携・再編加速によるコンビナート競争力強化とグリーン化を図り、国内産業を支える強靭な事業体実現を目指す。ソリューション型ビジネスモデルの構築・市場/顧客への価値提供を起点に注力すべき技術を選定、横断的に活用し、ソリューション提供力を高める。・研究開発の体制の変更を行い、研究と開発を分離の上、開発部門を各事業セグメントに組み込むことで両者の役割を明確にし、新製品・新事業の創出を加速する。サーキュラーエコノミーへの対応強化ファーストムーバーとして燃料転換や東・西コンビナートの地域・他社連携を更に推し進め、カーボンニュートラル技術の早期社会実装を目指す。DXを通じた企業変革稼働したIT・データ基盤強化に加え、生成AI等のDXを活用した業務効率化、品質の向上、アイディア創出の取り組みを通じ、企業変革とマネタイズの実現を目指す。経営基盤・事業基盤の変革加速・グローバル視点でグループ内資源を最大限活用し、新市場・新事業展開を加速する。・財務・非財務双方の視点での実効性あるKPIマネジメント、リスクと機会両面からのリスクマネジメントのPDCAを着実に回し、企業価値向上に繋げる。・設備信頼性の向上、更なる安全安定運転実現のための抜本対策に加え、工場のあるべき姿に向けたリスクマネジメントの強化、運転・保全技術の高度化及び工場横断的な人材育成を推進する。・業務効率化による間接部門の強化とグループ最適視点でのコスト削減を実行する。 また、当社は、長期経営計画に基づき毎年向こう3ヵ年の事業計画の見直しを行うというローリング方式を採用しています。社会環境の変化が急速かつ大きくなる中で、長期的な視野を持ちつつ、経営の環境適応性を高め、戦略推進を加速してまいります。 このような経営ビジョン及び経営計画のもと、2026年度において、当社は、次のように経営環境を認識し、VISION 2030達成に向けて取り組んでまいります。 <経営環境>2026年度の世界経済は、米国とイランの軍事衝突を背景とした中東情勢の不安定化によるエネルギー供給や国際物流に関するリスクが継続しており、先行きの不透明感が懸念されます。日本経済においては、雇用や所得環境の改善による景気持ち直しの動きが継続しているものの、米国の通商政策や中東情勢の不安定化により、景気の下振れリスクが高まっています。化学工業界においては、川下製品の需要鈍化の影響を受け、国内のナフサクラッカーの稼働率は低調に推移しており、加えて中東情勢の不安定化に伴い、エネルギー供給や原料調達に対する不透明感が高まっています。 <VISION 2030達成に向けた2026年度における取り組み>あるべき姿を見据えてポートフォリオ変革を追求し、コア営業利益のみならず、キャッシュ・フローや資本効率も意識した企業グループ運営に努めます。・成長領域における事業収益の拡大を加速させるための資源投下の推進と、再構築及びポートフォリオ変革の実現を通じた、高成長・高収益な事業体の形成・ベーシック&グリーン・マテリアルズにおける、再構築の加速及びダウンフロー強化による、コア営業損失からの脱却・トラブル撲滅に必要な経営資源の明確化、及びソフト面・ハード面の対策の着実な実施を通じた、トラブルの撲滅及びステークホルダーの信頼回復・IT・データ基盤の活用による、事業部門の生産性向上及び機能部門の効率化の推進・全社重点リスクへの対応策の策定・実行を通じた、企業価値の向上 このような情勢のもと、2026年度の当社グループの業績は、下表のとおりとなることを予想しております。 2026年度連結業績予想2025年度連結業績売上収益(億円)19,00016,688コア営業利益(億円)1,0501,000営業利益(億円)830738親会社の所有者に帰属する当期利益(億円)450344※当社は2020年度より国際財務報告基準(IFRS会計基準)を適用しております。コア営業利益は、営業利益から非経常的な要因(事業撤退や縮小から生じる損失等)により発生した損益を除いて算出しております。 (2) 事業領域ごとの環境分析及び戦略①ライフ&ヘルスケア・ソリューション世界の総人口増加・健康寿命延伸などを背景として生活の質(QOL)向上、安全・安心な食への貢献が求められています。ライフ&ヘルスケア・ソリューション事業は、ライフケアソリューション、ウェルネスソリューション、メディカルソリューションという3つの事業領域にわたって、いのちと健康、豊かな暮らしに貢献するソリューションを提供し、第1の収益の柱として当社グループの持続的成長に寄与していきます。 主要製品競争優位性基本戦略課題・方策[ビジョンケア材料]・プラスチックメガネレンズ材料(MR™、KOC/KR、RAV7™、Do Green™製品)・フォトクロミックメガネレンズ材料(SunSensors™)・コーティング材(Crystal Coat™、Visgard™)・レンズ加工機器(Velocity™、Cobalt™、CrystalChrome™)・幅広い顧客ニーズ、需要の拡大に対応可能な製品ラインナップ及び供給能力・グローバルでのブランド力・視界の快適さや目の健康、環境負荷低減等の市場ニーズに応じた新規材料・技術を継続的に創出する力・高屈折レンズ市場の成長の確実な取り込み・メガネレンズ用途の新規材料・技術開発の推進による差別化・レンズ加工ラボ向け事業の更なる拡大・高屈折メガネレンズ材料の需要拡大に即した供給能力確保、更なる需要創出→MR™生産能力増強計画の確実な実行及び北米・中国市場でのMR™使用レンズの採用促進・新規のレンズ材料開発や技術開発を通じた競合との差別化→レンズ性能やレンズ生産性の向上、環境負荷低減を実現する新材料・技術の開発、および顧客採用の促進・コート材・機器事業拡大の更なる加速→グローバル販売体制強化とM&A等を活用した品目拡充[パーソナルケア材料]・アクリルアマイド、アクリルアマイドバイオ触媒(YURIKOS™)、合成パルプ(SWP®) ・酵素技術、有機合成技術を基盤とした研究開発力及び顧客ニーズに応じた技術サポート力・多種多様な用途に応用可能な微細多分岐構造を有するポリオレフィン繊維の製造技術及び供給能力・バイオ触媒事業の拡大・合成パルプ事業の収益力の維持・強化・アクリルアマイドバイオ触媒事業の収益拡大→欧州・北米市場での拡販の確実な実行、中国市場での新規顧客の獲得・市況を捉えた安定供給と適切な交易条件の設定→既存顧客への安定供給及び技術支援を通じた引合い実需化による新規用途への拡販推進、市況変化に対する交易条件への柔軟な反映 主要製品競争優位性基本戦略課題・方策[農業化学品/生活環境用薬剤]・殺虫剤、殺菌剤、除草剤(業務用、家庭用、木材保存用、畜産用、ペット用)・ベクターコントロール・有機合成を基盤とした独自性の高い創薬力と生産技術・安全で環境負荷の低い天然物由来の製品ポートフォリオの保有・幅広い顧客ニーズに対応可能な製剤開発力・成長ドライバーの更なる拡大による事業価値の最大化・サプライチェーンの強靭化による供給能力の向上・研究開発の基盤強化と新製品創出・成長ドライバーの展開地域拡大と用途拡大→ジノテフラン・テネベナール®・フルピリミンの海外重点地域での販売促進、マラリア根絶・感染症対策に資するVECTRON™T500のアフリカ諸国での登録推進・販売促進・生産調達の最適化→大牟田工場・北上工場での原体生産体制の強化・低環境負荷農薬の研究開発の加速と新製品創出→高い安全性・環境負荷の少ない革新的化学農薬の創薬推進、天然物創薬基盤をもとにしたバイオロジカルソリューション研究の強化、新規殺菌剤有効成分アプティレル®を含有するアイーナ®フロアブルの国内上市[パーソナルケア材料]タウリン高品質な製品の安定供給高品質な製品供給による日欧米市場での収益維持海外向け需要の確実な取り込みによる収益維持→高価格帯の新規顧客獲得による拡販の推進 主要製品競争優位性基本戦略課題・方策[オーラルケア材料]・修復材(ビーナス®、カリスマ®)、接着用セメント(スーパーボンド®、ZEN®ユニバーサルセメント)・義歯関連(パラ®)、3Dプリンターインク(ディーマ®)・グローバルでのブランド力・ポリマーサイエンス・精密合成技術と歯科臨床知識の組み合せによる製品開発力グループ経営体制最適化による事業競争力強化・グループ経営体制最適化→成長市場(EMEA、米州)への注力による構造改善→グループ間販売協働、共同開発の深化による製品ポートフォリオ強化[検査・診断]コンパニオン診断(肺がんコンパクトパネル®DXマルチコンパニオン診断システム)最先端の遺伝子解析技術事業基盤の確立と検査サービスの拡充事業基盤の強化と検査サービスの事業拡大→DNAチップ研究所の研究開発推進及びスタートアップ等との提携による新規検査診断コンテンツの拡充、セールス・マーケティング機能強化 ②モビリティソリューション 世界的な環境意識の高まりや社会的責任への対応要請を背景に、サプライチェーンにおける環境負荷低減の重要性が高まっており、モビリティの燃費・電費向上、リサイクル材料、バイオ材料の活用、省エネルギーや再生可能エネルギーの利活用拡大等への貢献が求められています。また、EV化進展によるEV用部材の需要拡大の他、新交通システムの実装、製造工程の構造変化を捉える3Dプリンティング材料の市場拡大といった、モビリティにおける多様なニーズや機会の創出に繋がると期待されています。 当社では、自動車を中心としたあらゆる種類の人・モノの移動手段を「モビリティ」と定義しています。このモビリティ領域において、多様化するニーズに対応したソリューションの提供と個々の事業の競争力強化を通じた持続的な成長を実現していきます。 主要製品競争優位性基本戦略課題・方策[エラストマー重合製品]エチレン・プロピレンゴム(三井EPT™)、α-オレフィンコポリマー(タフマー®)、液状ポリオレフィンオリゴマー(ルーカント®)・幅広い材料ラインナップ・高い技術力と品質・グローバルネットワークを活かした幅広い顧客基盤・技術サービス・当社グループ機能を活用したコンセプト提案力・「高成長&サステナビリティへの貢献」×「競争優位」な領域に対する販売・開発の集中及びポートフォリオ転換・需要に応じた生産能力増強、グローバル拠点を最大活用したレジリエントな生産体制の構築、コンセプト提案を通じた市場の創出・獲得市場変化や需要増加に対応するための生産供給能力の不足及び柔軟な生産体制の構築→需要に応じた適切な生産能力増強の実行、グローバルな地産地消体制の構築、製品や組織を超えた生産体制最適化の実現[複合材料製品]接着性ポリオレフィン(アドマー®)、熱可塑 性エラストマー(ミラストマー®)、エンジニアリングプラスチック(アーレン®、オーラム®)、PPコンパウンド 主要製品等競争優位性基本戦略課題・方策ARRKグループ、共和工業(株)・設計、解析機能・試作、LVP(少量生産)機能・金型技術・開発支援機能・これまで獲得してきたソリューション機能と他社提携の深化によるビジネスモデルの確立・デザイン・設計・解析から量産までのワンストップサービスの提供へのビジネスモデル変革・新たなビジネスモデルによる早期収益貢献→ARRKグループ、共和工業㈱の機能の活用と他社提携を通じた事業機会の探索と具体化 ③ICTソリューション DXの進展や生成AIの普及を背景に、半導体を中心とするICT関連市場は中長期的な成長が見込まれており、当社においても重要な成長領域と位置づけています。ICTソリューションでは、①半導体・実装、②イメージング、③電池材料、④コンバーティングの各分野を重点領域とし、高付加価値材料と用途提案を組み合わせた事業展開を進めています。また、不織布事業を含めた事業ポートフォリオの高度化を通じ、素材提供にとどまらないソリューション型ビジネスモデルの構築を加速しています。AI、Beyond 5G(6G)、ロボティクス等の先端技術の進展を取り込み、社会課題の解決に資する当社ならではのICTソリューション事業を創出・拡大し、企業価値の向上を目指します。 主要製品競争優位性基本戦略課題・方策[半導体・実装ソリューション]フォトマスク用防塵カバー(三井ペリクル™)、成膜プロセス用高純度ガス(シラン・ジシラン)、フォトレジスト原料(ミレックス®)、半導体製造工程用テープ(イクロステープ™)、シリコーンコートフィルム(SP-PET™)、耐熱離型フィルム(オピュラン®)、低誘電モノマー、過酸化水素製造用触媒、フィルター(ユーテック®)、フィルター用不織布(シンテックス®MB、プレシゼ®)・前工程から後工程・実装領域の製品における高い技術力と強固な生産体制・半導体メーカー、装置メーカーおよび外部研究機関と長年培ってきた技術蓄積によるトータルソリューション提案力・先行開発により競争優位なポジション獲得・次世代製品の開発による品質・性能の向上とグローバル拠点を活用した競争力の強化・社外パートナーとの協業を通じた先端半導体材料の事業化先着・競争力の高い成長分野に経営資源を集中し事業規模を拡大・顧客スピードに対応した体制構築→海外技術サービス拠点拡大と分析・評価機能強化を通じ、顧客要求品質に適合した製品を供給・先端半導体材料の研究開発機能強化→顧客・社外パートナーとの共創推進により、最先端技術ロードマップに沿った半導体材料の研究開発を加速[イメージングソリューション]レンズ材料(アペル®)、液晶反射フィルム用材料(TPX®)、液晶・有機ELシール材(ストラクトボンド®)屈折率、透明性、耐熱性などの多機能光学特性を有する独自材料による差別化製品スマートフォンレンズ、AR/VR向け高品質・差別化製品展開による事業拡大・新規光学市場向け製品の拡販→拡大するAR/VR市場への用途展開と差別化技術を生かした新製品開発、顧客要求に応える品質レベル向上[電池材料ソリューション]LiB用電解液(ミレット®)、太陽電池用封止シート(ソーラーエース™)・顧客ごとの電池設計に応じた製品のカスタマイズ・マテリアルズインフォマティクス等を活用した迅速な製品開発力EV用途に加え、データセンター等の定置型電源をはじめとする産業用途市場の成長を取り込み、付加価値型製品によるニッチトップ戦略を推進・次世代電池材料の開発加速→顧客の設計初期段階から開発を支援し量産を見据えたソリューションを提案・コスト競争力の向上→原料調達先の多角化や生産プロセス合理化の推進[コンバーティングソリューション]環境配慮型紙包装材用ヒートシール剤(ケミパール®)、サステナブル包材用バリアコート剤(タケラック®WPB)、包装用接着剤(タケネート®、タケラック®)、不織布(エアリファ®、エコライズ®)、形状保持材料(テクノロート®)、通気性フィルム(エスポアール®)、不飽和ポリエステル(ポリホープ®)、成形用コンパウンド(ポリマール®マット)・グローバルな生産供給体制と現場密着型技術サービス・顧客における高い加工適性と性能を両立する製品設計力・グローバルな供給体制強化による競争力強化と海外拠点と連携した技術サービスの拡充・環境配慮ニーズ等に対応した高付加価値製品の創出・グローバルシェアの拡大→海外生産拠点の拡大と技術サービス拠点間の連携強化・環境配慮等の差別化製品の拡販→顧客ニーズに応える高機能化製品ラインナップ拡充とトータルソリューション提案による新規市場の取り込み ④ベーシック&グリーン・マテリアルズ 石化・基礎化学品を中心とする当本部の事業は、自動車、住宅、家電、インフラ、食品包装をはじめ、様々な分野に素材提供を行っています。特徴のある技術と付加価値製品群の拡大、さらなるコスト競争力強化により、安定した収益の確保を目指します。 当本部の事業環境は、中国をはじめとした大型プラント新増設と国内需要の漸減により、今後も厳しい状況が継続する見込みです。一方で、クラッカー、ポリオレフィン(PO)を中心とする石化事業は、石油精製等の川上産業においてはグリーン原料を含む原燃料の安定需要家であり、自動車、半導体、医薬、日用品などの幅広い川下産業においては、エッセンシャル素材の安定供給元の位置づけです。日本のエネルギー政策や経済安全保障、日本国全体のカーボンニュートラル達成において、石化産業は重要な役割を担っています。 国内産業全体を支える強靭な事業体の実現に向けて、当本部では再構築第2幕および他社提携を加速しています。2025年5月30日には、石化事業統合を含む他社との再編に向けた、ベーシック&グリーン・マテリアルズ事業の分社化検討開始を発表しました。2025年12月19日には出光興産との千葉ケミカル製造LLPにおけるナフサクラッカーの集約(2027年運営開始)について最終合意し、更に2025年12月24日にはプライムポリマーへの住友化学PP、LLDPE事業の統合(2026年運営開始)について最終合意に至りました。2026年1月27日には、旭化成(株)・三菱ケミカル(株)と共同で検討してきた西日本におけるクラッカーのグリーン化と生産体制最適化(2030年度目途)が、「令和7年度排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業」に採択されました。 また、高機能品を中心としたダウンフローの強化にも取り組んでいます。2025年12月15日には、ポリウレタン主原料であるMDIの+10万トン増強を決定しました。(増強後能力 71万トン/年) 更なる需要拡大に対応可能となり、高機能材の安定供給を通した収益拡大に取り組んでまいります。 主要製品競争優位性基本戦略課題・方策[石化製品]エチレン、プロピレン、高密度ポリエチレン、メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン(エボリュー®)、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン重合触媒・世界トップクラスの競争力を有するナフサクラッカー・メタロセンをはじめとするポリオレフィン触媒技術・ウレタン製品差別化のための高機能ポリオール、高機能MDI・バイオマスポリオールの開発、製造技術・バイオマスナフサおよび廃プラスチック分解油の原料投入による、バイオマス製品・ケミカルリサイクル製品の幅広い展開・更なる再構築推進による資本効率性の向上→需要に見合った能力最適化(岩国大竹PET樹脂停止、大牟田TDIダウンサイジング、市原フェノール停止)→他社連携による再編・競争力向上(ナフサクラッカー、ポリオレフィン)・グリーンケミカルの拡大による環境対応強化→原料転換(バイオマスナフサ、廃プラスチック分解油)→燃料転換(アンモニア燃焼炉)→バイオマス誘導品、リサイクル製品の拡大・高機能化・ニッチ品の拡大など、ダウンフロー強化による収益安定化→高機能PP、高機能MDI→ライセンス、オレフィン重合触媒・需要に見合った能力最適化・再編→資本効率が低い製品の縮小や撤退、他社連携による事業リスク低減・高機能製品の強化・拡大→エンドユーザー起点の素材開発、MI活用の拡大による新銘柄開発や処方開発、マテリアル・ケミカルリサイクル起点での製品開発(石油由来同等の物性など)・製造における低炭素化(SCOPE1+2)→省エネ、再生エネルギーの活用、低炭素原料・燃料への転換、高エネルギー効率機器の導入・製品によるGHG削減→製品提供を通じたGHG削減貢献量の最大化(Blue Value®製品の売上収益比率の拡大)・サーキュラーエコノミーへの対応強化→バイオマス・マテリアル・ケミカルリサイクル製品の拡大[基礎化学品]フェノール、ビスフェノールA、アセトン、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン、高純度テレフタル酸、PET樹脂、エチレンオキサイド、エチレングリコール、ハイドロキノン(HQ)、メタ/パラクレゾール、アンモニア、尿素、メラミン[ポリウレタン原料]TDI(コスモネート®)、MDI(コスモネート®)、PPG(アクトコール®、エコニコール®、Nextyol®)
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績の概況、認識及び分析・検討内容 ①全般的状況当連結会計年度における世界経済は、景気持ち直しの動きが緩やかに継続しましたが、一部の国や地域においては需要の減少や米国の通商政策等を背景とする回復鈍化の傾向がみられました。また、米国とイランの軍事衝突を背景とした中東情勢の不安定化により、エネルギー供給や国際物流に関する不透明感が高まりました。日本経済においては、雇用や所得環境の改善による景気持ち直しの動きが継続したものの、米国の通商政策や国際情勢の影響による不透明感が高まりました。また、化学工業界においては、川下製品の需要鈍化の影響を受け、国内のナフサクラッカーの稼働率は低調に推移しました。加えて、中東情勢の不安定化に伴い、エネルギー供給や原料調達に対する不透明感が高まりました。このような情勢のもとで、当社グループは、「地球環境との調和の中で、材料・物質の革新と創出を通して高品質の製品とサービスを顧客に提供し、もって広く社会に貢献する」ことを企業グループ理念として掲げ、ESGを中核に据えた経営を行っていくことで、事業活動を通じた社会課題解決に取り組んでおります。また、目指すべき企業グループ像として、「化学の力で社会課題を解決し、多様な価値の創造を通して持続的に成長し続ける企業グループ」を掲げており、2021年度に策定した長期経営計画「VISION 2030」のもと、当社グループが目指す未来社会に向けて、変革を加速しております。ライフ&ヘルスケア・ソリューション領域では、先進国の少子高齢化や新興国の経済成長・人口増加に伴い、生活の質(QOL)向上や、食資源の不足等の社会課題への関心が高まっています。世界トップシェアのビジョンケア材料では、メガネレンズの長寿命化や防曇・調光などに貢献する高機能コーティング材・機器の製造・販売・研究を行う当社子会社であるSDC Technologies, Inc.が、研究開発機能及び製造機能を大幅に強化するため、本社を米国のカリフォルニア州アーバインから同州ランチョサンタマルガリータに移転することを決定しました。また、ライフケア、ウェルネスに次ぐ第3の収益の柱として育成しているメディカル領域においては、高度な遺伝子解析技術を強みとし、がん等の疾患を対象に遺伝子診断サービスを提供する「診断事業」や、大学や研究機関、企業向けに実験解析サービスを提供する「受託事業」を展開する㈱DNAチップ研究所へのTOBが成立し、同社は当社の完全子会社となりました。モビリティソリューション領域では、自動車業界においては、燃費向上ニーズや電動化へのシフトに加え、軽量化・快適性の向上といった多様化したニーズが生まれています。自動車の軽量化、高機能化に貢献する複合材料においては、米州、欧州、中国、インド地域密着での開発・生産・販売一貫体制を深化し、複合材料全体で地域連携を強化するとともに、各製品の差別化戦略も推進しております。高い耐熱性等を有するエンジニアリングプラスチック製品であるアーレン®及びオーラム®については、自動車及び電気・電子分野で拡大する高機能製品への需要に対応するため、ポリプラスチックス㈱と営業業務の提携に関する契約を締結しました。同社が有するお客様ネットワーク及びソリューション提供力を活用することで、更なる事業成長を目指します。なお、同契約により委託する営業業務は、同社グループの再編に伴い、2026年4月1日付で同社の親会社である㈱ダイセルへ包括的に事業承継されております。ICTソリューション領域では、高速通信、AIの開発等、世界的なデジタル化の進展に伴い、安全・快適なインフラ、持続可能な地球環境を支えるAI、Beyond 5G等の情報通信(ICT)分野における進化の重要性が高まっております。生成AI向けに需要が拡大している半導体の製造工程で使用されるイクロステープ™においては、技術サービス機能を活かして周辺領域への提案を加速するため、昨年度に当社名古屋工場にて開所した「Creating Integration Lab.®」の他、当社グループの台湾工場に評価・試作機能を加え、現地での開発体制を拡充しました。また、拡大するAR/VR市場に向けて、ARグラスに用いられるWaveguide(光導波路)向け樹脂ウェハDiffrar®(ディフラ®)の開発を進め、世界初(当社調べ)となる屈折率1.67および1.74で12インチサイズのARグラス向け光学樹脂ウェハの開発に成功しました。 ベーシック&グリーン・マテリアルズ領域では、国内産業全体を支える強靭な事業体実現に向けて、更なる再構築を推進するとともに、他社連携を加速しております。石油化学産業の上流に位置するエチレン製造設備については、西日本地区においては旭化成㈱及び三菱ケミカル㈱が保有する設備を、千葉地区においては出光興産㈱が保有する設備をそれぞれ停止(※)し、当社グループの設備に生産を集約することで合意しました。また、自動車、電子材料、医療機器などの多岐にわたる用途に使用される素材であるポリオレフィン事業については、出光興産㈱及び当社の合弁会社である㈱プライムポリマーに、住友化学㈱の国内におけるポリプロピレン事業及びLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)事業を統合することについて最終契約を締結し、2026年7月の事業統合に向け準備を進めています。 ※時期:西日本地区 2030年度を目途、千葉地区 2027年7月(出光興産㈱千葉事業所の定修後) このような情勢のもとで、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。なお、当社は経営指標の一つとしてコア営業利益を採用しております。コア営業利益は、営業利益から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出しております。 売上収益コア営業利益営業利益親会社の所有者に帰属する当期利益当連結会計年度(億円)16,6881,000738344前連結会計年度(億円)18,0921,010783322増減率(%)△7.8△0.9△5.86.6 売上収益は、前連結会計年度に比べ1,404億円減(7.8%減)の1兆6,688億円となりました。これは、ナフサ等原料価格の下落に伴う販売価格の下落や、主にベーシック&グリーン・マテリアルズセグメントにおける販売の減少などによるものです。 海外売上収益は8,647億円となり、売上収益全体に占める割合は前連結会計年度に比べ0.1ポイント増の51.8%となりました。 コア営業利益は、前連結会計年度に比べ10億円減(0.9%減)の1,000億円となりました。これは、ナフサ等原料価格の下落に伴う在庫評価損益の悪化などによるものです。なお、当連結会計年度の為替レートは151円/$、国産ナフサ価格は65,300円/KLとなりました。 営業利益は、前連結会計年度に比べ45億円減(5.8%減)の738億円となりました。これは、コア営業利益の減少に加え、中国でフェノール事業を展開する持分法適用会社の投資に対する減損損失等を計上したことなどによるものです。 金融収益・費用は、前連結会計年度に比べ15億円改善の52億円の損失となりました。 以上により、税引前利益は、前連結会計年度に比べ30億円減(4.2%減)の686億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ22億円増(6.6%増)の344億円となり、基本的1株当たり当期利益は91.62円となりました。なお、当社は、2026年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。 ②セグメント別の状況セグメント別の業績は、次のとおりです。 なお、当社は、2025年4月1日に実施した組織改正に伴い、エム・エーライフマテリアルズ㈱他一部の連結子会社の帰属セグメントを見直しております。これに伴い、前連結会計年度比較にあたっては、前連結会計年度分を変更後のセグメントに組み替えて行っております。 (ライフ&ヘルスケア・ソリューション)当セグメントの売上収益は、前連結会計年度に比べ74億円増の2,591億円、売上収益全体に占める割合は15%となりました。また、コア営業利益は、大牟田工場製造設備の稼働停止影響があったものの、主にビジョンケア及び農業化学品の販売が堅調に推移したことにより、前連結会計年度に比べ1億円増の342億円となりました。以上により、セグメント全体では、増収・増益となりました。ビジョンケアのメガネレンズ用材料は、販売が堅調に推移しました。一方、大牟田工場製造設備の稼働停止影響により固定費等が悪化しました。オーラルケアは、販売が前連結会計年度並で推移しました。また、事業構造改善により固定費が良化しました。農業化学品は、販売が堅調に推移しました。 (モビリティソリューション)当セグメントの売上収益は、子会社株式の譲渡等により、前連結会計年度に比べ397億円減の5,154億円、売上収益全体に占める割合は31%となりました。また、コア営業利益は、主に米国関税や半導体供給不足、及び米国アルミ工場火災に起因したOEM各社の減産によるPPコンパウンドの販売の減少や、為替差等による交易条件の悪化により、前連結会計年度に比べ41億円減の510億円となりました。以上により、セグメント全体では、減収・減益となりました。エラストマーは、販売が前連結会計年度並で推移しました。また、為替差等により交易条件が悪化しました。PPコンパウンドは、前連結会計年度に比べ販売が減少しました。一方、為替差等による悪化があるものの、価格改定により交易条件が改善しました。ソリューション事業は、前連結会計年度に比べ販売が減少しました。 (ICTソリューション)当セグメントの売上収益は、子会社株式の譲渡があるものの、前連結会計年度に比べ19億円増の2,795億円、売上収益全体に占める割合は17%となりました。また、コア営業利益は、主に半導体・光学材料及びICTフィルム・シートの販売が堅調に推移したことにより、前連結会計年度に比べ102億円増の369億円となりました。以上により、セグメント全体では、増収・増益となりました。半導体・光学材料は、半導体市場の需要回復により販売が堅調に推移しました。コーティング・機能材は、販売が前連結会計年度並で推移しました。ICTフィルム・シートは、半導体市場の需要回復により販売が堅調に推移しました。不織布は、前連結会計年度に比べ販売が減少しました。 (ベーシック&グリーン・マテリアルズ)当セグメントの売上収益は、前連結会計年度に比べ1,101億円減の5,999億円、売上収益全体に占める割合は36%となりました。また、コア営業損失は、事業構造改善による固定費等の良化や持分法投資利益の増加があるものの、ナフサ等原料価格の下落に伴う在庫評価損益の悪化や市況の悪化により、前連結会計年度に比べ70億円増の184億円となりました。以上により、セグメント全体では、減収・コア営業損失の増加となりました。フェノール類は、前連結会計年度に比べ販売が減少しました。ポリオレフィンは、価格改定により交易条件が改善しました。ナフサクラッカーの稼働率は、川下製品の需要減少及び大規模な定期修理の影響により低調に推移しました。 (その他)当セグメントの売上収益は、前連結会計年度に比べ1億円増の149億円、売上収益全体に占める割合は1%となりました。また、コア営業損失は、前連結会計年度に比べ25億円減の1億円となりました。 売上収益とコア営業利益のセグメント別増減内訳はそれぞれ以下のとおりであります。 (売上収益)(単位:億円) 第28期 第29期 増減 計数量差価格差 ライフ&ヘルスケア・ソリューション2,5172,59174111△37 モビリティソリューション5,5115,154△397△226△171 ICTソリューション2,7762,7951924△5 成長領域10,84410,540△304△91△213ベーシック&グリーン・マテリアルズ7,1005,999△1,101△735△366その他1481491-1消去又は全社-----合計18,09216,688△1,404△826△578 (コア営業損益)(単位:億円) 第28期 第29期 増減 計数量差交易条件固定費差他 ライフ&ヘルスケア・ソリューション341342134△5△28 モビリティソリューション551510△41△24△9△8 ICTソリューション26736910267278 成長領域1,1591,221627713△28ベーシック&グリーン・マテリアルズ△114△184△70△20△9848その他△26△125--25消去又は全社△9△36△27--△27合計1,0101,000△1057△8518(注) 交易条件=価格差+変動費差(主として原燃料価格差)③経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、以下のとおりであります。なお、当社グループは、ライフ&ヘルスケア・ソリューション、モビリティソリューション、ICTソリューション及びベーシック&グリーン・マテリアルズの各セグメントにおいて、多種多様な製品を取り扱っており、それぞれの製品によって経営成績に影響を与える要因及びその程度は異なります。 a 売上収益について 売上収益は、販売数量及び販売価格等により変動します。 販売数量については、主に顧客の状況、市場環境及び競合他社の事業展開等の要因によって影響を受ける可能性があります。 販売価格については、主にナフサ等の原燃料価格の変動の製品価格への転嫁状況、製品市況の変動及び為替変動等の要因によって影響を受ける可能性があります。 b コア営業利益について コア営業利益は、販売数量、交易条件及び固定費等により変動します。 販売数量については、主に顧客の状況、市場環境及び競合他社の事業展開等の要因によって影響を受ける可能性があります。 交易条件については、主にナフサ等の原燃料価格の変動、原燃料価格の製品価格への転嫁状況、製品市況の変動及び為替変動等の要因によって影響を受ける可能性があります。 固定費については、主に生産設備の新増設、研究開発の状況等の要因によって影響を受ける可能性があります。 ④生産、受注及び販売の実績a 生産実績及び受注実績 当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。 このため生産実績及び受注実績については、「(1) 経営成績の概況、認識及び分析・検討内容 ②セグメント別の状況」におけるセグメント別の業績に関連付けて示しております。 b 販売実績セグメントの名称当連結会計年度自 2025年4月1日至 2026年3月31日前年同期比(%)ライフ&ヘルスケア・ソリューション(百万円)259,0762.9モビリティソリューション(百万円)515,406△7.2ICTソリューション(百万円)279,4360.7ベーシック&グリーン・マテリアルズ(百万円)599,922△15.5報告セグメント計(百万円)1,653,840△7.8その他(百万円)14,9141.2合計(百万円)1,668,754△7.8 (注)1.主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日当連結会計年度自 2025年4月1日至 2026年3月31日金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)三井物産㈱346,95119.2300,25718.0 (2) 財政状態の概況、認識及び分析・検討内容 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ23億円減の2兆1,517億円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ205億円減の1兆1,629億円となりました。また、有利子負債は41億円増の7,958億円となりました。この結果、資産合計に対する有利子負債の比率は前連結会計年度末に比べ0.2ポイント増の37.0%となりました。 第25期第26期第27期第28期第29期有利子負債残高(億円)7,1517,9478,1157,9177,958有利子負債比率(%)37.038.436.636.837.0 当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ182億円増の9,888億円となり、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末に比べ0.8ポイント増の40.2%となりました。以上により、当連結会計年度末のネットD/Eレシオ(ネット有利子負債(有利子負債-現預金・長期性預金)/親会社の所有者に帰属する持分)は、前連結会計年度末に比べ0.03ポイント減の0.70となりました。ネットD/Eレシオの推移は以下のとおりであります。 (3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性 ①キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ125億円増の1,831億円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ125億円増の2,130億円となりました。これは主に、運転資本が減少したことなどによるものです。この結果、営業キャッシュ・フローに対する有利子負債の比率は前連結会計年度の3.9から3.7に減少し、インタレスト・カバレッジ・レシオは25.0倍から25.3倍に増加しました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ302億円減の1,348億円となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出が減少したことなどによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ15億円増の759億円となりました。 なお、キャッシュ・フローに関する指標は以下のとおりであります。 第25期第26期第27期第28期第29期親会社所有者帰属持分比率(%)36.838.038.939.440.2時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%)30.931.337.229.131.8キャッシュ・フロー対有利子負債比率7.77.85.03.93.7インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)23.317.221.625.025.3(注)親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。※キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。※有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っている負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 キャッシュ・フローの推移は以下のとおりであります。 ②資金の調達について当社グループの資金調達については、1)高い格付けを維持し、資金需要に応じて都度、社債、借入及びコマーシャル・ペーパーを主体に低コストの資金調達を行うこと。2)一定割合の間接金融を導入し、資金調達の安定化を図ること。3)売上債権流動化等の資産の流動化により、資金調達の多様化を図ること。を基本的な考え方として実施しております。 また、子会社(日米欧、中国、シンガポール)の資金調達については、原則として、当社及び地域統括会社を通じたグループファイナンスを行うことにより、グループ全体での有利子負債削減と資金効率の向上に努めております。 ③資金の流動性について 資金の流動性については、資金効率を考慮しながら、手元流動性を確保すると共に、コミットメント・ライン、当座貸越枠等の代替調達手段を備えております。 ④資本政策のための基本方針 当社は、資本コストを意識した経営が重要との認識の下、投資効率性の向上と資本コストの低減に向けた取り組みを通じて、企業価値の最大化を図っております。投資効率性向上の取り組みとして、当社は「ポートフォリオマネジメント」、「KPIマネジメント」、「投資評価適正化」を推進しています。一方資本コスト低減に向けては、「収益ボラティリティの低減」、「最適資本構成の実現」、「投資家とのコミュニケーション強化」に取り組んでおります。 このうち、最適資本構成については、財務健全性と資本コスト最小化を両立できる資本構成を追及しております。足下のネットD/Eレシオの状況は財政状態に記載のとおり安定して推移しており、営業キャッシュ・フローも高水準な状況が継続しております。 今後につきましては、現状の財政状態の水準を維持しつつ、積極投資を継続して事業の成長・拡大による更なる企業価値の向上を推進してまいります。 一方で、当社は株主の皆様への利益還元を経営上の重要課題と位置づけています。翌連結会計年度以降の株主還元方針としましては、資本効率を向上させながら、安定的かつ継続的な配当の実現と、機動的かつ柔軟な自己株式の取得により、株主還元の充実を図ることといたします。 (4) 目標とする経営指標の達成状況等 2030年度長期経営目標に対する2025年度の達成・進捗状況は以下のとおりであります。 当連結会計年度(計画)当連結会計年度(実績)当連結会計年度(計画比)2030年度長期経営目標コア営業利益1,100億円1,000億円100億円減(9.1%減)2,500億円親会社の所有者に帰属する当期利益550億円344億円206億円減(37.5%減)1,500億円以上親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)6.4%4.0%2.4ポイント減13%以上Net D/E0.700.70-0.8以下投下資本利益率(ROIC)4.8%4.5%0.3ポイント減9%以上 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRS会計基準に準拠して作成しております。また、当社は連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定を適用しております。連結財務諸表の作成に当たり、当連結会計年度における資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを実施する必要があります。経営者は、これらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

事業リスク

  • 事業継続に関するリスク: 大規模な事故、自然災害、国際情勢の緊迫化、サイバーセキュリティの脅威などにより、生産活動やサプライチェーンが中断する可能性があります。これにより、製品の供給が滞り、売上減少や復旧費用発生など、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • 製造・品質に関するリスク: 製品の安全・環境問題、品質不良、または化学品に関する国内外の規制強化・変更は、企業の信頼性を損ない、リコール費用や損害賠償、事業活動の制限につながる可能性があります。これにより、ブランドイメージの低下や収益性の悪化を招く恐れがあります。
  • 気候変動に関するリスク: カーボンニュートラル戦略の遂行は、温室効果ガス排出削減のための設備投資や技術開発費用を増加させる可能性があります。また、気候変動に関連する新たな規制導入や市場の変化に対応できない場合、競争力の低下や事業機会の損失につながる恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|17,231 文字
3【事業等のリスク】 当社グループでは、「経営戦略及び経営目標の達成に影響を与え得る当社グループを取り巻く事象がもたらす不確実性及び変化」をリスクと捉えております。中長期的かつ継続的な視点をもって、リスクによる「脅威」の最小化を図るとともに、「機会」を見逃すことなく最大限に活用することにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。 当社グループのリスクマネジメントシステム(以下「本システム」といいます。)では、後述のプロセスにより選定した全社重点リスクを更に長期経営計画「VISION 2030」やマテリアリティに基づいて評価し、特に重要性が高いと判定されたリスクについては、経営重点リスクとして全社横断的に対処する運用としています。 本システムにおけるリスク管理体制、プロセス及び本システムの運営により認識した当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうる主要なリスクは以下のとおりです。 なお、以下の内容は、いずれも当連結会計年度末日現在において当社グループが認識し、全社重点リスク及び経営重点リスクと判断したものです。リスクは常に変化するものであることから、当社グループは、本システムの運用を今後も継続し、内外環境変化を捉えたPDCAを回していく中で適宜の見直し・更新をするべくモニタリングを強化してまいります。 (1) リスク管理体制及びリスク管理プロセス 当社グループでは、本システムの適切な運営のため、社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置しております。本委員会においては、各役付執行役員(※1)が所掌する領域のリスクを俯瞰的・網羅的に把握し、優先順位付を行った上で、当社グループ全体に展開し、経営計画システムの中でPDCAサイクルを確実に実行する必要のある「全社重点リスク(案)」として選定します。 この際、各役付執行役員は、それぞれが所掌する領域に関するリスクマネジメントオーナーとなり、所掌領域に関するリスク管理の統括責任を負うとともにリスクマネジメント委員会の構成メンバーとして同委員会での活動を担います。 選定された「全社重点リスク(案)」は、経営会議の審議及び取締役会の決議を経て正式に当社グループの「全社重点リスク」として設定されます。 また、全社重点リスクの中でも、更に財務・非財務、リスク管理の時間軸の観点から整理・分類し、当社グループが全社横断的に管理すべきリスク項目を、特に、経営重点リスク(※2)として選出し、リスクマネジメントオーナーの中から選任されたリスクオーナーが、全社視点での管理を行い、必要に応じて関係領域への助言を行うとともに、リスクマネジメント委員会において報告する運用としています。リスクオーナーがそれぞれの担当するリスクに関して、各リスクマネジメントオーナーのリスク管理方針を束ね、会社としての均一性や統一性を持たせることで、管理の効率化及びより高い成果の実現を目指します。(※1)リスクマネジメントの目的において役付執行役員と同等の役割・責任を有する役職者として社長が指名する者を含みます(以下、本項目において同じ)。(※2)前連結会計年度において「優先的に管理すべきリスク」としておりましたが、当連結会計年度より「経営重点リスク」に改称し、管理してまいります。リスクオーナーのもと、全社視点でリスク管理を行い、統一性・均一性を高める意図とリスクの名称を整合させることを目的としての改称です。 <リスクマネジメント委員会概要>位置付け社長及びリスクマネジメント委員会担当役付執行役員が全社リスクマネジメントに関する役割・責任を果たすための諮問機関役割①当社グループ全体のリスクマネジメントの基本方針案、戦略案、計画案、各種施策案及びその他重要事項(リスクマネジメントにかかるプロセスやツールの改善、従業員のリスクマネジメント意識やリテラシー向上の施策を含む)の審議②全社リスクレビューを通じた全社重点リスク(案)及び経営重点リスク(案)の審議③個別の重要リスクに関する討議(当該個別リスクが当社グループに及ぼす影響や対応方針にかかる討議を含む)④当社グループ全体のリスクマネジメントの状況(全社重点リスクのモニタリング状況を含む)の報告及び討議構成委員長 :社長副委員長 :リスクマネジメント委員会担当役付執行役員委員(※1) :役付執行役員(リスクマネジメントオーナー)事務局(※2):経営企画部(※1)常勤監査役も本委員会に出席の上、適宜意見を述べる。(※2)ESG推進室、総務・法務部、人事部、経理部、生産・技術企画部、RC・品質保証部及び副委員長が指名する本社機能部門と本委員会の運営に関して協働する。取締役会・経営会議との関係①リスクマネジメント委員会担当役付執行役員は、本委員会の審議結果及び活動実績を経営会議に報告する。②本委員会で審議し、経営会議の承認を受けた事項のうち、全社重点リスク(案)及び経営重点リスク(案)は取締役会決議をもって全社重点リスク及び経営重点リスクとして設定する。 当社グループでは、本システムの下、毎年次のプロセス(以下「全社リスクレビュー」といいます。)により全社重点リスク及び経営重点リスクを当社グループの経営計画システムに反映し、PDCAを回して管理していきます。①各リスクマネジメントオーナーは、それぞれが所掌する業務領域のリスクにつき、戦略ローリングを通じて抽出の上、俯瞰的・網羅的に把握し優先順位付けを行い、全社的に重要と判断するリスクをリスクマネジメント委員会に報告する。なお、リスクマネジメントオーナーは、重点リスクの選定と優先順位付けにあたり、自身が担当する委員会や会議体を適宜活用する。②リスクマネジメント委員会は、各リスクマネジメントオーナーから報告されたリスクについて、俯瞰的・網羅的観点から長期・中期・短期別の重要度評価を行い、全社重点リスク(案)及び経営重点リスク(案)を策定する。③全社重点リスク(案)及び経営重点リスク(案)は、経営会議審議を経て、取締役会決議をもって当社グループの全社重点リスク及び経営重点リスクとして設定される。④設定された全社重点リスクは、戦略ローリング・年度予算・実行計画等当社グループの経営計画システムに展開し、各リスクマネジメントオーナーの責任の下、各部門が実務を実行する。また、経営重点リスクは、リスクマネジメントオーナーの中から選任された各リスクオーナーの責任のもと、全社横断的に対応を図る。⑤リスクマネジメント委員会は継続的に全社重点リスク及び経営重点リスクのモニタリングを行い、環境変化によるリスクの変容等に適時対応する。また、リスクマネジメント全体の進捗や経営重点リスクの個別の対応状況については、定期的に取締役会への報告を行う機会を設け、適切なモニタリングに努める。 <本システム運用イメージ図> (2)全社重点リスク①前連結会計年度における優先的に管理すべきリスクの状況 前連結会計年度においては、「情報セキュリティ」「グローバル展開」「人材マネジメント」「戦略連携の強化」「カーボンニュートラル戦略の遂行」の5つを優先的に管理すべきリスクとして設定し、その中でも「情報セキュリティ」については、昨今の企業に対するサイバー攻撃の状況に鑑み、その影響の大きさ、緊急性の高さを考慮の上、全社横断的な取り組みの効率的な可視化が必要と判断し、全社各部の予算書においてその具体的方策を策定し取り組んでまいりました。 「情報セキュリティ」の状況「情報セキュリティ」については、情報管理体制の一層の強化を目的として改定された会社情報管理ルールの内容の浸透と定着等を含む具体的方策を全社の予算において、地域関係会社を含む各部門がそれぞれ策定し取り組みました。 ■具体的な対応例・サイバー攻撃による情報流出を想定した日常の訓練・情報漏洩に関して牽制を強化し、漏洩防止を図るため就業規則を改訂・社内横断プロジェクトを推進し、内部からの情報漏洩に対する強化策の定着化を推進するとともに、外部攻撃に対するセキュリティ対策導入範囲を拡大 会社情報の外部漏洩防止のため、規則とツールの両輪で情報セキュリティに対する意識向上や仕組み構築を図りましたが、サイバー攻撃への対応の更なる強化に取り組むため、当該情報セキュリティについては、後述のとおり当連結会計年度においても経営重点リスク「サイバーセキュリティ&情報漏洩防止」として、全社横断的管理のより一層の強化に努めてまいります(詳細は後述「③当連結会計年度に認識した経営重点リスク」ご参照)。 その他、以下の4つのリスクについて、各リスクの全社施策の実行責任者であるリスクオーナーの管理・統括のもと、下記のとおり取り組みを実施しました。 「グローバル展開」の状況 当社グループが志向するグローバルスペシャリティカンパニーとなるべく、地域特性を捉えた事業実現に向け地域戦略グランドデザインを策定し、地域別基本戦略を提示したほか、グローバルコミュニケーションやローカル人材の育成のための制度の討議を進めました。市場環境、技術革新、サプライチェーンなど複数のリスク要因が連関しており、重点的に取り組む必要があると認識していることから、当連結会計年度においても経営重点リスク「グローバルマネジメント」として引き続き全社横断で取り組んでまいります(詳細は後述「③当連結会計年度に認識した経営重点リスク」ご参照)。 「人材マネジメント」 成長戦略の推進を支える人材ポートフォリオの実現に向け、計画的な定期・キャリア採用を継続し、人材確保に努めた他、定年後再雇用制度や社宅制度の見直し等の諸施策の推進を図りました。各施策の具体化と高度化への取り組みが引き続き重要と認識しており、当連結会計年度においても経営重点リスク「質・多様性を備えた人材確保と要員管理」として改めて全社として取り組んでまいります(詳細は後述「③当連結会計年度に認識した経営重点リスク」ご参照)。 「戦略連携の強化」 国内で機運の高まる業界再編に的確に対応するべく、経営企画部担当役付執行役員およびベーシック&グリーンマテリアルズ事業本部担当役付執行役員のもとで定期情報共有会議を開催し、各プロジェクトの進捗の可視化とプロジェクト間の連携・整合を図ってまいりました。自社で進められる再構築についての目途がついたことや、ナフサクラッカーの再編も、東日本・西日本における連携が基本合意に達することができたこともあり、当連結会計年度においては、経営重点リスクとしては指定せず、全社重点リスクとして引き続き連携強化を推進してまいります。 「カーボンニュートラル戦略の遂行」 世界で導入が進むGX-ETS制度等に的確に対応するべく、全社最適で各施策の遂行、保留を判断してまいりました。また、全社連携が必要な施策が増えたことから、全社横断的機能の強化に向けた体制を設定し、連携を図ることとしました。バイオマス製品については、他社との協働も進めてまいりました。これらの取り組みに加え、「戦略連携の強化」にもあるとおり、ナフサクラッカー再編に関する東日本・西日本における連携なども進捗しており、2030年度の目標である、GHG40%削減(2013年度比)の実現にも目途がついたことから、当連結会計年度においては、経営重点リスクには指定せず、全社重点リスクとして各リスクマネジメントオーナーがそれぞれの所掌領域において引き続き改善に取り組んでまいります。 ②当連結会計年度における全社重点リスク 当連結会計年度においては、上記①の優先的に管理すべきリスクへの対応状況も踏まえつつ、全社リスクレビューにより次のものを当社グループの全社重点リスクとして設定しております。 当社グループは、全社重点リスクについては、環境変化に柔軟に対処し、経営/戦略にタイムリーに反映させるべく、全社リスクレビューを定期的に実施し、影響度・発生確率も含め適宜更新してまいります。足下では、中東情勢の影響によるリスクも発生しており、その影響に対しても全社視点での継続的なモニタリングを実施し、必要な対応を適宜取っております。 [全社重点リスク一覧]リスクカテゴリー想定される脅威・機会密接に関連するマテリアリティ1)事業継続に関するリスク事業継続(自然災害、有事)、サプライチェーン分断、地政学リスク、プラントトラブル(※)安定生産、住みよいまち、食の安心、健康とくらし、デジタルトランスフォーメーション2)製造・品質に関するリスク安全・環境、品質マネジメント、化学品規制の強化安全、安定生産、品質3)コンプライアンスに関するリスクコンプライアンス、法令・規制の強化・変更コンプライアンス4)技術革新に関するリスク新事業の創出、技術革新イノベーション、ライフサイクル全体を意識した製品設計5)気候変動に関するリスクカーボンニュートラル戦略の遂行気候変動、サーキュラーエコノミー、ライフサイクル全体を意識した製品設計6)自然資本に関するリスクプラスチック問題、自然資本の保全サーキュラーエコノミー、ライフサイクル全体を意識した製品設計7)人権に関するリスク人権尊重人権尊重、パートナーシップ8)事業基盤に関するリスク質・多様性を備えた人材確保と要員管理(※)、DE&I推進、ステークホルダーコミュニケーション企業文化、人的資本、パートナーシップ9)DXに関するリスクDXとAI技術の活用、サイバーセキュリティ&情報漏洩防止(※)、業務システム安定化・活用デジタルトランスフォーメーション、安定生産、ライフサイクル全体を意識した製品設計10)経営管理・監督に関するリスク資本効率を意識した経営、経営資源配分、投資判断、M&A・事業譲渡-11)マクロ環境に関するリスク市場における競争の激化、戦略連携の強化、市場ニーズの変化、製品コストの上昇、グローバルマネジメント(※)-(※)当連結会計年度において認識した経営重点リスク。詳細は、後述「③当連結会計年度に認識した経営重点リスク」ご参照。 [全社重点リスク概要]1)事業継続に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・当社グループは、国内外で幅広く事業活動を展開しておりますが、大規模な災害・事故、地政学リスクの顕在化、感染症の発生・拡大、サイバー攻撃等に起因して、生産・販売・研究開発の停止・制限、サプライチェーンの分断等、事業活動の継続に重大な影響が発生する可能性があります。[機会]・一方で、当該リスクについては、需要・サプライチェーンの変化に起因するビジネスチャンスを取り込む等当社グループの成長につながる可能性もあります。大低~中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒海外安全管理規則および海外安全管理要領の全面改正・周知⇒各製品のサプライチェーンの全体像の把握、原料調達等の代替策の確保、準備、市場構造の変化により生じる事業機会への検討⇒事業部・製造部門一体となったトラブル未然防止対策の立案・実行 2)製造・品質に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・当社グループは、国内外の拠点(工場)にて化学製品の製造を行っておりますが、運転・設備・工事・保全作業に起因するトラブル(事故、危険物の漏洩等)が発生する可能性があります。このようなトラブルが発生した場合は、労働災害のみならず、近隣地域に対しても被害を及ぼす恐れがあります。また、当社グループは、VISION 2030を推進する中で積極的にM&Aにも取り組みますが、安全管理レベルの異なる会社や事業が当社グループに新たに加わることに起因してトラブルが発生する可能性もあります。・製品の輸送・外部倉庫保管中の事故が発生する可能性もあります。特に危険性の高い製品に関する輸送中の事故は、近隣地域に与える被害も大きくなる恐れがあります。・化学品については、昨今、世界各国で用途制限物質の増加やそれに伴う代替品市場の拡大が進んでおりますが、当社製品に含まれる化学物質が規制対象となり、既存製品の生産・販売が不可能となることによる市場におけるレピュテーションの低下、あるいは、新材料調達等のためのコスト増大の可能性があります。・当社グループの製品の多くは最終消費財の原料として使用されておりますが、予期せぬ品質欠陥の発生や製造物責任訴訟の提起等の可能性があります。また、当社グループが、VISION 2030を推進しソリューション型ビジネスの拡大やリサイクル材等新しい分野への参入を図る中で、品質保証に関する責任範囲の拡大も見込まれますが、その際に顧客製品の機能・性能に対する理解が不足し、顧客製品に不具合を発生させる可能性もあります。更には、M&Aにより当社グループに新たに加わった関係会社や事業における品質管理・保証体制の整備・運用状況に起因するトラブルが発生する可能性もあります。・上述のとおり、運転、輸送、保管等に起因するトラブルや、品質に関する問題が発生した場合には、レピュテーション低下につながる可能性も想定されます。[機会]・一方で、当該リスクについては、グループ・グローバルでの保安力の強化、設備・運転管理レベルの向上、トラブル撲滅による収益改善、代替物質開発による新製品の創出、適切な品質設計・品質保証による新製品の上市・シェア拡大への貢献等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大低~中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒安全に関する社内啓蒙活動の徹底、高度なリスクアセスメント体制の構築・推進、関係会社への展開等によるグループ・グローバルでの保安力強化⇒安全監視/管理技術、設備診断技術、設備管理技術の高度化によるトラブル撲滅、機会ロス・固定費削減⇒規制される製品の特定/データ収集と社内共有の徹底、当社事業への影響評価/対応方針の策定・見直しの適切な実施、代替品の開発強化等による化学品規制への対応⇒リサイクル材等の新たな分野における品質ガイドラインの策定・運用、専門人材の確保・育成等による品質マネジメントの適切な運用 3)コンプライアンスに関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・重大なコンプライアンス違反が発生した際には刑事罰や損害の発生に加え、レピュテーション低下等の可能性があります。また、コンプライアンスについては、当社にとって新規領域への参入に伴う新たな法規制への対応や法規制の継続的な対応強化の他、新たに加わったグループ関係会社への対応も必要となります。・昨今では、主要国における経済安全保障確保に向けた動き、働き方改革法案等各種制度の強化等、事業活動に影響を及ぼす法令・規制に変化の動きが見られますが、必要な法規制に適切に対応できず、各国当局からの訴追、取引機会喪失、社会実装遅延による負担増につながる可能性もあります。[機会]・一方で、当該リスクについては、規制変化への適切・迅速な対応による事業基盤の優位性向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大低[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒グループコンプライアンス施策の計画的推進および施策の定期的な見直し、教育・違反事例共有等の啓蒙活動強化、「三井化学グローバル・ポリシープラットフォーム(M-GRIP)」(※)を活用したグローバル・ポリシーの浸透等によるコンプライアンス意識の改善(※)グローバルに関係会社のガバナンスを強化し、ベストプラクティスを共有するためのプラットホーム。⇒官公庁、業界団体等からの情報収集と社内共有、新たな法令・規制への対応策の確実な実行等、規制変化への適切かつ迅速な対応等による事業基盤の優位性向上 4)技術革新に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・昨今では、市場の複雑化・多様化、事業領域の曖昧化が進み、当社グループの既存アセットだけでは対応できない潜在領域も拡大する他、世界的な商品・サービスのAI化・機械化による生産性・需要変化、当社が事業展開を行う各国/地域特有のニーズ・習慣・市場構造変化等を踏まえた対応の重要性が高まっております。このような状況に適切に対応できず、継続的な新事業の創出が進まない場合、競争劣位に陥り、成長の機会を逸する可能性があります。・また、革新的な新技術が勃興し、市場環境に変化が起きた際に、当社グループの技術優位性が失われ、製品が陳腐化し競争力を失う可能性もあります。[機会]・一方で、当該リスクについては、変化するニーズに対応した新製品開発による新たなビジネスチャンスの創出および市場の獲得グローバルなソリューション型ビジネスの進展、開発体制の適切な構築による新事業パイプラインの充実化・継続的な新事業の創出等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒社内外連携(他社、アカデミア、当社新事業開発センター等)の強化、領域をまたぐ事業開発体制の構築、コーポレート研究の事業化、目指す市場・地域での事業開発拠点整備、地域発のビジネスアイディアの発掘等によるグローバルでの新事業創出⇒中長期的な技術開発計画の策定・見直し、部門間連携プロジェクトを活用した開発体制の強化等による技術革新 5)気候変動に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・2015年のパリ協定の採択を契機として、脱炭素社会実現への取り組みが世界規模で活発化しており、世界各国におけるカーボンプライシング制度導入の進展、国内におけるGX-ETSを始めとするGX(グリーントランスフォーメーション)政策の進展等、GHG排出量削減への社会的要請が高まっております。多くの化石燃料・エネルギーを使用しGHGを排出する当社グループにおいても、カーボンニュートラルに向けた施策を進めておりますが、GHG排出削減計画の遅延によるレピュテーションの低下、カーボンプライシングや低炭素原燃料確保の困難化に伴うコストの増加、Blue Value®・Rose Value®製品の開発が遅れることによる製品付加価値の低下・販売の伸び悩み等の可能性があります。[機会]・一方で、当該リスクについては、社会の脱炭素化に貢献する新規事業創出による企業成長、GHG排出量削減による当社グループのカーボンコストの低減、低炭素・脱炭素の製品提供による顧客のカーボンコストの低減、適応製品の開発・提供を通じた新たな市場ニーズの獲得等、当社グループの成長につながる可能性もあります。また、付加価値の高いBlue Value®・Rose Value®製品・サービスを拡大することで、環境・社会に貢献するとともに当社グループの収益性の向上につながる可能性もあります。さらに、技術開発をカーボンニュ―トラル戦略と連携して進めることで、カーボンニュートラルを前倒しで達成し、企業価値を向上する可能性があります。大中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒低炭素原燃料への転換、高エネルギー効率機器の導入等による省エネ、再生可能エネルギーの導入、CCUS等カーボンネガティブ技術の開発・導入、バイオマス品・リサイクル品の開発、Blue Value®・Rose Value®製品・サービスの拡大、カーボンプライシングに伴うコストの低減等カーボンニュートラル戦略に関する各施策の適切な推進 6)自然資本に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・プラスチックは広範な用途に用いられる素材として、生活の利便性向上や社会課題の解決に貢献してきましたが、昨今では、資源の枯渇、海洋に流出したプラスチックごみによる環境汚染等の社会課題が深刻化しており、循環型社会への転換が求められております。化学製品の製造・販売を行う当社グループは、この問題に真摯に向き合い、資源の効率的な利用や再生可能資源の活用として、バイオマス原料への転換、バイオマス製品群の拡充やリサイクルの推進等の施策を進め、循環型社会への貢献を目指しておりますが、プラスチックバッシングの増大や各施策の対応が遅れることによるレピュテーションの低下、バイオマス原料・廃プラスチック等の原料調達困難化によるコスト増加等の可能性があります。・昨今では、自然資本の保全・回復に対する社会的要請も高まっております。当社グループにおいても水資源および生物多様性の保全に関する基本的な考え方を制定し、製造プロセスにおける効率的な水資源の利用や水環境の保全・適正管理、化学製品のライフサイクル全体における生物多様性への悪影響の最小化に努めておりますが、これらの対応が遅れることによるレピュテーションの低下や、水資源価格の高騰によるコスト増加等の可能性があります。[機会]・一方で当該リスクについては、リサイクル技術の向上、製品の高付加価値化、原料・製品の調達・供給のサークル構築等資源循環に関する業界リーダーポジションの確保、水問題に資するビジネスの開発・構築等、当社グループの成長につながる可能性もあります。中~大低[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒CLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)等業界を超えた連携への参加によるグローバルでの課題の最新動向の把握、リサイクル量/比率の定義・目標設定、リサイクル技術の向上やリサイクル価値を訴求する製品戦略等によるプラスチック問題に関する業界リーダーポジションの確保⇒水セキュリティに対する取り組みの深化、水問題や生物多様性の保全に資するビジネスの開発・構築、CSRD(企業サステナビリティ報告指令)、CDP(Carbon Disclosure Project)他への開示対応等を通じた、グループ全体での自然資本の保全・回復に対する意識の向上 7)人権に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・昨今では、企業活動における人権尊重に対する社会的要請が高まりや、AI使用増加に伴う誤判断・情報漏洩等による人権侵害の可能性、バリューチェーンを巡って生じ得る様々な人権リスクに適切に対処することが企業に求められております。当社グループも、企業活動における人権の尊重は、事業展開を行っていく上で基本となる事項と認識し、「すべての人を大切にする」という視点を持ちバリューチェーン全体を通じて正しいビジネスを追求しております。しかしながら、人権リスク管理体制の構築・運用が不十分であり、人権上問題のある調達・購買、不適切な労働環境等がバリューチェーン上に存在することが発覚した場合、レピュテーションの低下ひいては企業価値を毀損する可能性があります。[機会]・一方で当該リスクについては、人権尊重の取り組み推進によるステークホルダーからの信頼獲得等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大低[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒人権デュー・ディリジェンスの実施、苦情処理メカニズムの構築等、バリューチェーン全体を通じた人権リスクへの対応体制整備による人権リスクの低減 8)事業基盤に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・当社グループが今後も事業を継続し成長して行くためには、適切な人材の確保は不可欠です。当社グループでは、必要な人材を確保の上、会社・従業員ともに成長できるよう経営戦略に連動した人材戦略を推進しておりますが、生産労働人口の減少、人材流動化に加え、特定領域における人材ニーズの高まり等により、必要な人材を採用・確保できず、成長戦略が実行できない可能性があります。・また、昨今では、多様な人材が互いに尊重し合い力を発揮できる、多様性が包摂された組織に対する社会的要請が高まっております。当社グループでは、社会的責任を果たすためだけではなく、当社グループの持続可能な成長のためにもダイバーシティを推進しておりますが、目標未達成によるレピュテーションの低下、採用競争力の低下やエンゲージメントの低下等の可能性があります。・企業活動は、様々なステークホルダーからの理解のもとで成り立っておりますが、昨今は、ステークホルダーからの評価基準も多様化しており、情報開示が不十分である、あるいは、当社への認知・共感が進まないことによる当社への評価の低減ひいては企業価値の毀損の可能性があります。[機会]・一方、当該リスクについては、人材獲得による、成長戦略の加速、企業文化の変革、組織の活性化、ステークホルダーの意見も踏まえた経営の実現等、当社グループの成長につながる可能性もあります。また、当社存在意義への共感、帰属意識の向上、グループ求心力の強化等により社員のエンゲージメント向上の可能性もあります。大低~中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒グループ人材の活用促進、リスキル、イノベーター人材・アントレプレナー人材・特定の分野の人材が活躍できる社内制度の構築等による新たな人材の獲得・企業文化の変革⇒女性活躍推進のための方策のブラッシュアップ、グループ全体での障害者雇用の促進、性的マイノリティ社員に対する制度の適用拡大・必要な環境整備等による組織の活性化⇒情報開示、主要機関投資家との対話活動の充実等による株主意見の経営への適切な反映、ステークホルダーに対する持続的成長・企業価値創造ストーリーの訴求、財務と非財務を統合した経営の推進等による企業価値の向上 9)DXに関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・昨今では、デジタル技術およびAIの進化により、ビジネスにおける様々な側面で変化のスピードが高まっております。他業界での新たなビジネスモデルにより既存ビジネスが破壊される事例が発生する等、デジタル技術およびAIの導入・活用は事業の継続・成長に不可欠な要素となっておりますが、対応が遅れ、業務変革や開発力の強化が進まない可能性があります。・また、アプリケーションの高度化・専門化によるシステムトラブルの増大に加え、サイバー攻撃も激化しておりますが、情報システムセキュリティの構築が不十分な場合、情報システムが機能不全に陥る、あるいは社内からの情報漏洩が発生する等業績や信用にダメージを与える可能性があります。・当社グループは、VISION 2030の基本戦略として「DXを通じた企業変革」を掲げており、それを支えるIT・データ基盤の整備・強化が急務となっております。企業に対する要請が多様化する中、現行の業務システムの使用を継続する場合、新たに対応すべき業務に関する工数の増加やヒューマンエラーの発生等により効率化が実現しない可能性があります。[機会]・一方で、当該リスクについては、最適なデジタル技術、AIの活用による開発力強化、生産性向上、生成AI等の新規技術の積極的活用による業務効率化・生産性向上の実現、業務システムの安定化・活用による経営効率の向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。 また、効果的なデジタルマーケティングにより、顧客への的確なソリューション提案が可能となり当社が事業機会を獲得する可能性もあります。中~大低~中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒当社グループのDXロードマップ維持・更新、グループ内DX技術交流の実施による各分野の最新動向・実践状況の共有、生成AI等の重要技術活用に関する全社ガイドラインの制定・遵守等によるDXへの組織適応力向上、競争優位の実現⇒DXとAI技術の活用による業務の見直し、効率化、生産・技術力の向上⇒サイバー攻撃に対する防御体制の構築、インターネットトレーサビリティの向上、AIに関する内容を含む、DX教育による従業員の意識の向上と学習機会の設置・社則の周知徹底等による情報システムセキュリティの強化⇒新たな業務システム導入の推進および活用による経営効率の向上 10)経営管理・監督に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・当社グループは、VISION 2030 において、当社グループが目指す未来社会である「環境と調和した循環型社会」、「健康・安心にくらせる快適社会」、「多様な価値を生み出す包摂社会」の実現に向けて、従来の素材提供型ビジネスからの転換を図るとともに、強靭な経営基盤・事業基盤を構築し、企業変革の加速に努めておりますが、必要な経営資源の確保、配分および成長に向けた投資を適切に実行できず、事業の育成・拡大が遅延し、経営目標が未達となる可能性があります。また、タイムリーな投資の意思決定ができず成長の機会を逸する可能性もあります。・近年は、資本コストを意識した経営が強く求められており、当社グループにおいてもROIC経営を浸透させるべく、社員一人一人の投下資本の回収に対する意識を強め、資本収益性の向上を図っておりますが、単なるKPI管理に終始する等施策の徹底が不十分となり、意図した結果が得られない可能性があります。・当社グループの各事業領域においては、M&Aや事業再編の動きが活発化してきており、案件の増加、規模の拡大およびデュー・ディリジェンスの対応範囲の拡大が見込まれますが、適切な人材を十分に育成・確保できず、成長機会を逸するあるいは、M&Aで取得した会社や事業の瑕疵、PMIの不調等により業績への悪影響が発生する可能性もあります。[機会]・一方で、当該リスクについては、適切な経営資源の確保・配分やM&AおよびPMIの推進による経営目標の実現、タイムリーな投資の実行による競争優位の実現、社員一人一人の意識変革による資本収益性の向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大低~中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒成長率、資本効率性に基づく事業分類によるポートフォリオ変革の加速⇒重点事業分野への集中的な資源投下、重点課題明確化による経営効率の向上、資本効率の低い事業/関係会社の早急な再構築推進⇒ROIC経営浸透に向けた教育の充実、投下資本削減によるROICの向上⇒M&Aに関する知見・情報の全社的な共有・展開、関連人材の育成・獲得、PMI実施・サポート体制の充実化等によるM&Aシナジーの最大化 11)マクロ環境に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・当社グループの事業は、顧客、市場、提携先や業界全体の動向、競合他社の事業展開等外部環境の影響を受ける恐れがあり、これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定どおり進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされる可能性があります。・製品については、価値観やライフスタイルの変化、技術革新等による顧客ニーズや市場構造の変化、競合他社の能力拡大や品質・性能向上による価格競争の激化、原材料や物流等のコスト増加、金利・為替相場の変動による収益の悪化等の可能性があります。・また、当社グループは、国内外で幅広く事業活動を展開しておりますが、地政学的・経済的分断が進行しているとともに各国/地域毎にニーズの多様化が進んでおり、グローバルな市場環境に合わせた対応ができず、海外で競争劣位となり、成長機会を失う可能性もあります。・国内を中心とした業界再編の機運も加速している他、石化を取り巻く事業環境も激変しており、対応が後手に回ってしまった場合、当社のプレゼンス低下や競争劣位に陥る可能性があります。[機会]・一方で、当該リスクについては、地域・他社との連携拡大を通じた資本効率の高い事業への転換、新たな市場に対応する素材や機能・サービスの提供による事業の優位性の強化、各地域の市場環境へのタイムリーな対応によるグローバルな事業成長の実現、競合他社との統合・再編を主導することによる経済安全保障上の責任も果たしうる持続的な事業基盤の構築等当社グループの成長につながる可能性もあります。大低~中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒差別化製品・高機能/環境型製品の市場投入、新規市場の開拓、現地生産の加速、知的財産への取り組み強化等による市場競争力の維持・向上⇒当社製品の付加価値向上・価格転嫁、原材料の安価調達、最適な稼働調整による原料・製品在庫管理の徹底、設備投資額の精査・最小化等による製品競争力の強化⇒業界再編に向けた連携パートナー候補の選定と具体的協議への着手⇒ローカル人材の育成、国/地域発のビジネスアイディアの発掘による事業発信力強化、地域に即した事業企画、製品開発の創出力強化等による各地域の市場環境にタイムリーに対応したグローバルな事業成長の実現 ③当連結会計年度に認識した経営重点リスク 当連結会計年度においては、全社リスクレビューにより、上述②のとおり設定した全社重点リスクを更に財務・非財務、リスク管理の時間軸の観点から整理・分類し、次の4つを当社グループの経営重点リスクとして選定しました。 全社重点リスクカテゴリーリスク及び想定される事象リスクオーナー1)事業継続に関するリスク・リスク:プラントトラブル・想定される事象[脅威]トラブルによる生産停止、近隣地域に対する事故被害や環境汚染対応による損害、報道による市場でのレピュテーション低下生産・技術本部担当役付執行役員[対応]・生産・技術本部、事業本部、関係機能部門一体となった組織、文化、人材育成、安全保安管理に関わる現場力強化施策の立案と実行(プロセス起因のトラブルの未然防止)・事業本部と一体となったハードとソフト両面対策および設備メーカーとの連携強化による保全・エンジニアリング力強化策の立案と実行(設備起因のトラブルの未然防止)・トラブル時に発生する原料・製品の機会損失低減策の立案・実行 全社重点リスクカテゴリーリスク及び想定される事象リスクオーナー8)事業基盤に関するリスク・リスク:質・多様性を備えた人材確保と要員管理・想定される事象[脅威]・必要な人材を採用・確保できず成長戦略が実行できない・事業ポートフォリオ転換に伴う必要人員数の変化に対処できず、当社グループの成長の妨げになる可能性[機会]新たな人材の獲得と活用による、企業文化の変革の実現人事部・グローバル人材部担当役付執行役員[対応]・多様な人材プールの形成と活躍に資する制度整備・全社人材育成委員会の運用改定によるキータレント育成配置の拡大 全社重点リスクカテゴリーリスク及び想定される事象リスクオーナー9)DXに関するリスク・リスク:サイバーセキュリティ&情報漏洩防止・想定される事象[脅威]・操業停止による顧客離脱、受注停止および信用失墜による長期的損失・個人情報保護法、高圧ガス保安法など行政罰・指導・サプライチェ―ンへの攻撃を原因とする調達停止・取引先からのセキュリティ対応要求情報システム統括部担当役付執行役員(CDO※)[対応]・情報保護ツールを用いた情報管理の徹底(情報漏洩防止)・セキュリティ意識の向上と学習機会の設置・脅威監視と対応サービスの高度化によるインシデント対応力の強化※Chief Digital Officer 全社重点リスクカテゴリーリスク及び想定される事象リスクオーナー11)マクロ環境に関するリスク・リスク:グローバルマネジメント・想定される事象[脅威]各国/地域毎のニーズの多様化や市場競争の変化に合わせた対応を取れないことによる、海外での競争劣位、成長機会の喪失[機会]各地域の市場環境へのタイムリーな対応によるグローバルな事業成長の実現、成長領域における中長期の収益性および競争力の確保地域戦略推進部担当役付執行役員[対応]・地域別売上収益の経営計画システムへの組み込み・地域戦略の推進・グローバルR&D拠点のあり方に関する全体設計・各地域におけるキータレントマネジメントの運営体制整備を始めとする地域戦略を実行する人材の確保・育成 財務●資本効率を意識した経営●サプライチェーン分断●製品コストの上昇●市場における競争の激化●事業継続(自然災害、有事)●M&A、事業譲渡●経営資源配分●戦略連携の強化●市場ニーズの変化●新事業の創出●投資判断非財務●地政学リスク●プラントトラブル(※)●品質マネジメント●サイバーセキュリティ&情報漏洩防止(※)●法令・規制の強化、変更●化学品規制の強化●安全・環境●コンプライアンス●DXとAI技術の活用●技術革新●業務システム安定化・活用●ステークホルダーコミュニケーション●グローバルマネジメント(※)●質・多様性を備えた人材確保と要員管理(※)●カーボンニュートラル戦略の遂行●プラスチック問題●DE&I推進●人権尊重●自然資本の保全 ← 短期的リスク →← 中長期的リスク →(※)経営重点リスク 上記4つの経営重点リスクは、対応の緊急性が高いものだけではなく、当社グループ理念あるいは長期経営計画「VISION 2030」達成のため、中長期的な視点で重点的な対応が必要と判断したリスクも含みます。いずれのリスクも当社の単独部門のみで対処せず複数部門が関わりグループ一丸となって管理すべきリスクという観点で選定しています。 リスクマネジメント委員会において4つのリスク特性をとらえた管理手法を議論した結果、どのリスクも全社横断的な取組みが必要であるため、リスクオーナーは全社視点であるべき姿と経営に与える影響、主要課題と対策、対策ごとの責任者、モニタリング手法、リスクタイトル等を2026年度の予算に組み込み、進捗状況をリスクマネジメント委員会が確認する運用とします。当該運用により戦略と一体となったリスク管理に取り組んでまいります。

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