事業の概要
- 主要事業の多角化住友ベークライトグループは、半導体関連材料、高機能プラスチック、クオリティオブライフ関連製品の3つの主要事業を展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した収益基盤を構築しています。各事業は、それぞれの専門性を活かした製品開発と販売を行っています。
- グローバルな製造・販売体制日本国内だけでなく、シンガポール、台湾、中国、欧州、北米、タイなど世界各地に子会社や関連会社を配置し、製造・加工から販売までをグローバルに展開しています。これにより、各地域の市場ニーズに迅速に対応し、効率的なサプライチェーンを構築しています。
- 研究開発と技術提供自社での製品製造・販売に加え、試験・研究の受託や基礎研究の受託も行っています。住ベリサーチ株式会社やPromerus, LLCといった関連会社がこの役割を担い、技術的な知見やノウハウを外部に提供することで、新たな収益源を確保しつつ、グループ全体の技術力向上にも貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 半導体材料事業売上高458.92億円、営業利益57.96億円を計上しており、グループの収益を牽引する重要な事業です。半導体封止用エポキシ樹脂成形材料や感光性ウェハーコート用液状樹脂など、半導体製造に不可欠な高機能材料を提供しています。グローバルな半導体市場の成長とともに、この事業の重要性は高まっています。
- 高機能プラスチック事業売上高917.31億円、営業利益46.96億円と、グループ内で最も大きな売上規模を持つ事業です。フェノール樹脂成形材料、工業用フェノール樹脂、合成樹脂接着剤、航空機内装部品など、幅広い産業分野で利用される高機能なプラスチック製品を提供しています。多様な製品ラインナップが特徴です。
- クオリティオブライフ関連製品事業売上高688.16億円、営業利益29.16億円を計上しています。医療機器製品・医薬品、メラミン樹脂化粧板、ビニル樹脂シート、鮮度保持フィルムなど、人々の生活の質(QOL)向上に貢献する製品を提供しています。ヘルスケアや住環境関連の市場ニーズに対応し、安定的な成長を目指しています。
FY2016 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| SemiconductorMaterials | 事業 | 459 | 58 | 12.6% |
| HighFunctioningPlastic | 事業 | 917 | 47 | 5.1% |
| QualityOfLifeProducts | 事業 | 688 | 29 | 4.2% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループ(当社および関係会社)は当社、子会社48社および関連会社5社(2026年3月31日現在)で構成され、半導体関連材料、高機能プラスチック、クオリティオブライフ関連製品の製造および販売等の事業活動を行っております。当社グループの事業における各社の位置付けおよびセグメントとの関連は次のとおりであります。 2026年3月31日現在区分主要製品サービス 主要な関係会社の位置付け製造・加工およびその販売他社品の販売等半導体関連材料半導体封止用エポキシ樹脂成形材料、半導体用感光性材料、半導体用ボンディングペースト、半導体基板材料九州住友ベークライト㈱Sumitomo Bakelite Singapore Pte.Ltd.台湾住友培科股份有限公司蘇州住友電木有限公司Sumitomo Bakelite Europe (Ghent) NVSumitomo Bakelite (Thailand) Co., Ltd.台湾住培股份有限公司住友倍克(香港)有限公司Sumitomo Plastics America, Inc.Sumitomo Bakelite Europe (Ghent) NVSumibe Korea Co., Ltd.高機能プラスチック工業用樹脂、成形材料、成形品、積層板、航空機部品秋田住友ベーク㈱㈱サンベーク山六化成工業㈱SumiDurez Singapore Pte. Ltd.SNC Industrial Laminates Sdn. Bhd.P.T. Indopherin Jaya上海住友電木有限公司南通住友電木有限公司住友倍克澳門有限公司威派塑胶模具(東莞)有限公司Durez CorporationSumitomo Bakelite North America, Inc.Vaupell Industrial Plastics, Inc.Vaupell Molding & Tooling, Inc.Russell Plastics Technology Company, Inc.Durez Canada Co., Ltd.Sumitomo Bakelite Europe NVSumitomo Bakelite Europe (Ghent) NVSumitomo Bakelite Europe (Barcelona), S.L.U.Sumitomo Bakelite (Thailand) Co.,Ltd.クオリティオブライフ関連製品医療機器および医薬品、産業機能性材料、フィルム・シート、防水シート関連、診断薬およびバイオ関連製品秋田住友ベーク㈱SBカワスミ㈱住ベシート防水㈱住ベテクノプラスチック㈱北海太洋プラスチック㈱筒中興産㈱SBパックス㈱P.T. SBP IndonesiaKawasumi Laboratories (Thailand)Co., Ltd.南通住友電木有限公司東莞住友電木有限公司Vaupell Molding & Tooling, Inc.㈱ソフテックSumitomo Bakelite Singapore Pte.Ltd.Sumitomo Bakelite (Thailand) Co., Ltd.住友倍克(香港)有限公司Sumitomo Plastics America, Inc.Kawasumi Laboratories America, Inc. 区分主要製品・サービス主要な関係会社の位置付け分析調査等その他試験・研究の受託、基礎研究の受託住ベリサーチ㈱Promerus, LLC 事業の系統図(2026年3月31日現在) (注) 矢印は製品および材料等の支給または販売を示しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 長年の材料開発技術を活かした樹脂製柔軟ドライ電極やハイドロゲルによる医療レベルの脳波測定技術。 |
|---|---|
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:災害・事故・パンデミック / 地政学リスク / 情報セキュリティインシデント
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
高機能フェノール樹脂やエポキシ樹脂などの分野で長年の技術蓄積とブランド力を持つ。特に半導体封止材分野では、住友化学グループとしての信頼性も強み。特定の用途向けにカスタマイズされた製品開発力も無形資産と言える。
スイッチングコスト★★★☆☆
半導体封止材やプリント基板材料など、顧客の製品の性能や信頼性に直結する部材を供給しており、仕様変更にはコストとリスクが伴う。特に車載用途など、高い信頼性が求められる分野ではスイッチングコストは高いと推測される。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
特定のプラットフォームやサービスを提供するビジネスモデルではないため、ネットワーク効果は限定的。
コスト優位★★☆☆☆
汎用的な化学品においては、規模の経済や効率的な生産プロセスによるコスト競争力が一定程度存在する可能性があるが、高機能素材分野では差別化が優先される傾向がある。グローバルな調達・生産体制もコスト優位に寄与する可能性。
規模の経済★★★☆☆
半導体封止材やプリント基板材料などのニッチながらも成長性の高い市場において、主要プレイヤーとしての地位を確立。グローバルな生産・販売網を持ち、一定の規模の経済を享受していると考えられる。業界再編の動きも注視。
- 高度な技術力と製品開発力半導体封止用エポキシ樹脂成形材料や感光性ウェハーコート用液状樹脂など、半導体関連の最先端材料を提供しています。これは、高い技術力と継続的な研究開発によって支えられており、技術革新が激しい半導体業界において競争優位性を確立しています。
- 多岐にわたる製品ポートフォリオフェノール樹脂成形材料や合成樹脂接着剤といった高機能プラスチックから、医療機器製品、メラミン樹脂化粧板、鮮度保持フィルムなどのクオリティオブライフ関連製品まで、幅広い製品群を有しています。これにより、多様な産業分野のニーズに応え、市場の変化に柔軟に対応できる強みを持っています。
- グローバルな生産・販売ネットワーク世界各地に製造拠点と販売網を構築しているため、地域ごとの需要変動やサプライチェーンのリスクに対応しやすくなっています。特に、半導体関連材料や高機能プラスチックの分野では、国際的な供給体制が顧客への安定供給を可能にし、信頼性の向上に寄与しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の基本方針我が社は、信用を重んじ確実を旨とし、事業を通じて社会の進運及び民生の向上に貢献することを期する。 (2) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題当社グループは、社会・環境の急激な変化にも適応できるよう、これまで以上に経営基盤を強化するとともに、社会課題の変化を成長機会に結びつけることで将来につながるサステナブルな経営を推進するという方針を継続し、2024年度より「中期経営計画2024-26」をスタートしました。特に当社を取り巻く昨今の外部環境の複雑化、事業環境の変化を踏まえ、中長期的な経営戦略として、「資本コストと企業価値の持続的向上」、利益基準への転換を意識し「2030年ありたい姿」からのバックキャストで財務目標を設定するとともに、対処すべき課題として、サステナビリティの観点から、将来事業に影響を及ぼすと想定される「経営の重要課題(マテリアリティ)」と各課題に対するKPIを設定しております。その骨子は、次のとおりです。 2030年ありたい姿(数値目標)事業利益 :550億円事業利益率 :13%ROE :10%ビジョンお客様との価値創造を通じて「未来に夢を提供する会社」中期方針“ニッチ&トップシェア”を目指し、価値創造につながるポートフォリオ改革に挑戦する中期戦略①製品構成を最適化し、既存事業の収益力を強化②SDGsに則した環境的・社会的価値を有する新商品/新ソリューションを創出③個人の自律性と組織の一体感を高め、全社力を最大化2026年度数値目標(中期経営計画最終年度)事業利益 :400億円事業利益率 :11.5%ROE :9% 経営の重要課題(マテリアリティ)環境・社会価値の創造顧客との共創(価値創造のアクセル)イノベーション人的資本(人材の活躍)経営DX安全衛生(事業を継続する基盤)製品責任コンプライアンスサイバーセキュリティ人権尊重サステナブル調達コーポレート・ガバナンス 当社グループは将来成長を見据えて、中期期間の3年間で設備投資枠500億円、戦略的投資枠500億円に加え、200億円の成長投資枠を設定しています。事業ポートフォリオ改革に資する新製品/新ソリューション創出にむけた研究開発、ならびにDX、GX対応に積極的に資本投下します。2025年度のトピックスとして、戦略的投資枠を活用し、2025年10月にAGC株式会社およびその子会社であるAGCポリカーボネート株式会社からポリカーボネート事業を譲り受け、また、2026年1月に、京セラ株式会社のケミカル事業の一部を承継することを決定しました。着実にPMIを実行し、シナジー創出を通じて企業価値の更なる向上を図ってまいります。2026年度の全社的な取り組みの詳細については、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 事業分野別の取り組みは次の通りです。 (半導体関連材料)先端半導体用材料の分野において、AIおよび次世代通信技術に対応した製品を拡充し、製品ポートフォリオのさらなる改革を図ります。特に、京セラ株式会社が営むケミカル事業の一部譲り受けを通じて、当社グループが培ってきた顧客ニーズに幅広く応える高い技術力と、京セラ株式会社が有する独自の高熱伝導技術を融合させ、新たなシナジーを創出し、AIデータセンター向けの半導体を含む先端半導体分野でのソリューション提供能力を飛躍的に高め、市場における競争優位性を確立します。これらの取組みにより、地域毎のニーズに即した製品展開を積極的に進めるとともに、中国・台湾における生産体制の最適化を進め、グローバル供給体制の強化を図ってまいります。 (高機能プラスチック製品)自動車用高耐熱材料、電機分野向け高絶縁材料、シクロオレフィン樹脂(COPLUS®)、超低モノマー水溶性フェノール樹脂(AQNOA®)などの新製品の拡販を進めるとともに、新製品開発に向けた研究開発体制の強化を図ることで、製品ポートフォリオの改革の最終形を目指します。さらに、事業環境が大きく変化する中での利益最大化を目的に進めてきた、日本・中国・アジア地域における生産配置や生産配分の最適化を通じた生産体制の強化および効率化を継続するとともに、グローバルに統一した品質管理基準の運用を徹底することで、競争力の強化と収益基盤の安定化を進めます。また、フェノール樹脂産業におけるサーキュラーエコノミーの取組みである「リフェノール(REPHENOL)」活動を推進し、中長期的な成長基盤の強化に取り組んでまいります。 (クオリティオブライフ関連製品)・医療機器事業およびバイオ事業医療機器事業では、消化器・内視鏡関連製品のラインナップ拡充に加え、オリンパスマーケティング株式会社との販売提携を通じて、国内販売の強化を図るとともに、海外における販路拡大を進めます。また、北米向け製品や海外向け血液バッグの需要増加に対応するため、生産体制の強化に取り組んでおります。さらに、中期経営計画に基づく製品ポートフォリオの見直しの一環として実施した、連結子会社であるKawasumi Laboratories (Thailand) Co., Ltd.のナワナコン工場の閉鎖に加え、一層の生産体制の効率化を進めるとともに、各製品における収益性の改善に取り組んでおります。バイオ事業では、創薬支援市場や再生医療市場の拡大が見込まれる中、培養器材および生体模倣システムの拡販を通じて、事業基盤の強化を目指します。 ・フィルム・シート事業半導体関連製品のアジア展開強化や、モノマテリアル医薬品包装製品の欧州展開など、各製品のグローバル展開を推進します。特に医療機器包装用途においては、欧州のプラスチック・リサイクル推進プラットフォーム「RecyClass」のリサイクル認証を一部製品で獲得するなど高付加価値化が進んでおり、引き続きリサイクル可能な製品ラインアップの強化に努めます。また、食品包装用フィルムのスキンパックについては、装置メーカーとの協業など、さらなる採用拡大に向けた取り組みを進めてまいります。 ・産業機能性材料事業および防水関連事業付加価値の高い戦略製品であるアイウェア、車載向け光学制御製品、および絶縁材料を中心とした機能材製品の拡販を進めます。AGC株式会社およびその子会社であるAGCポリカーボネート株式会社から譲り受けたポリカーボネート事業の統合を進め、建材用途や産業・電子用途における商品力を強化し、事業基盤の強化を図ります。特に、ブランド力のある「ツインカーボ®」については、データセンター向けを中心に販売を強化し、業界トップシェアを目指します。防水関連事業では、環境対応製品の拡充を図るとともに、新築住宅向け製品の販売に加え、増加傾向にある住宅・マンションのリフォーム案件の取込みに注力してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の基本方針我が社は、信用を重んじ確実を旨とし、事業を通じて社会の進運及び民生の向上に貢献することを期する。 (2) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題当社グループは、社会・環境の急激な変化にも適応できるよう、これまで以上に経営基盤を強化するとともに、社会課題の変化を成長機会に結びつけることで将来につながるサステナブルな経営を推進するという方針を継続し、2024年度より「中期経営計画2024-26」をスタートしました。特に当社を取り巻く昨今の外部環境の複雑化、事業環境の変化を踏まえ、中長期的な経営戦略として、「資本コストと企業価値の持続的向上」、利益基準への転換を意識し「2030年ありたい姿」からのバックキャストで財務目標を設定するとともに、対処すべき課題として、サステナビリティの観点から、将来事業に影響を及ぼすと想定される「経営の重要課題(マテリアリティ)」と各課題に対するKPIを設定しております。その骨子は、次のとおりです。 2030年ありたい姿(数値目標)事業利益 :550億円事業利益率 :13%ROE :10%ビジョンお客様との価値創造を通じて「未来に夢を提供する会社」中期方針“ニッチ&トップシェア”を目指し、価値創造につながるポートフォリオ改革に挑戦する中期戦略①製品構成を最適化し、既存事業の収益力を強化②SDGsに則した環境的・社会的価値を有する新商品/新ソリューションを創出③個人の自律性と組織の一体感を高め、全社力を最大化2026年度数値目標(中期経営計画最終年度)事業利益 :400億円事業利益率 :11.5%ROE :9% 経営の重要課題(マテリアリティ)環境・社会価値の創造顧客との共創(価値創造のアクセル)イノベーション人的資本(人材の活躍)経営DX安全衛生(事業を継続する基盤)製品責任コンプライアンスサイバーセキュリティ人権尊重サステナブル調達コーポレート・ガバナンス 当社グループは将来成長を見据えて、中期期間の3年間で設備投資枠500億円、戦略的投資枠500億円に加え、200億円の成長投資枠を設定しています。事業ポートフォリオ改革に資する新製品/新ソリューション創出にむけた研究開発、ならびにDX、GX対応に積極的に資本投下します。2025年度のトピックスとして、戦略的投資枠を活用し、2025年10月にAGC株式会社およびその子会社であるAGCポリカーボネート株式会社からポリカーボネート事業を譲り受け、また、2026年1月に、京セラ株式会社のケミカル事業の一部を承継することを決定しました。着実にPMIを実行し、シナジー創出を通じて企業価値の更なる向上を図ってまいります。2026年度の全社的な取り組みの詳細については、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 事業分野別の取り組みは次の通りです。 (半導体関連材料)先端半導体用材料の分野において、AIおよび次世代通信技術に対応した製品を拡充し、製品ポートフォリオのさらなる改革を図ります。特に、京セラ株式会社が営むケミカル事業の一部譲り受けを通じて、当社グループが培ってきた顧客ニーズに幅広く応える高い技術力と、京セラ株式会社が有する独自の高熱伝導技術を融合させ、新たなシナジーを創出し、AIデータセンター向けの半導体を含む先端半導体分野でのソリューション提供能力を飛躍的に高め、市場における競争優位性を確立します。これらの取組みにより、地域毎のニーズに即した製品展開を積極的に進めるとともに、中国・台湾における生産体制の最適化を進め、グローバル供給体制の強化を図ってまいります。 (高機能プラスチック製品)自動車用高耐熱材料、電機分野向け高絶縁材料、シクロオレフィン樹脂(COPLUS®)、超低モノマー水溶性フェノール樹脂(AQNOA®)などの新製品の拡販を進めるとともに、新製品開発に向けた研究開発体制の強化を図ることで、製品ポートフォリオの改革の最終形を目指します。さらに、事業環境が大きく変化する中での利益最大化を目的に進めてきた、日本・中国・アジア地域における生産配置や生産配分の最適化を通じた生産体制の強化および効率化を継続するとともに、グローバルに統一した品質管理基準の運用を徹底することで、競争力の強化と収益基盤の安定化を進めます。また、フェノール樹脂産業におけるサーキュラーエコノミーの取組みである「リフェノール(REPHENOL)」活動を推進し、中長期的な成長基盤の強化に取り組んでまいります。 (クオリティオブライフ関連製品)・医療機器事業およびバイオ事業医療機器事業では、消化器・内視鏡関連製品のラインナップ拡充に加え、オリンパスマーケティング株式会社との販売提携を通じて、国内販売の強化を図るとともに、海外における販路拡大を進めます。また、北米向け製品や海外向け血液バッグの需要増加に対応するため、生産体制の強化に取り組んでおります。さらに、中期経営計画に基づく製品ポートフォリオの見直しの一環として実施した、連結子会社であるKawasumi Laboratories (Thailand) Co., Ltd.のナワナコン工場の閉鎖に加え、一層の生産体制の効率化を進めるとともに、各製品における収益性の改善に取り組んでおります。バイオ事業では、創薬支援市場や再生医療市場の拡大が見込まれる中、培養器材および生体模倣システムの拡販を通じて、事業基盤の強化を目指します。 ・フィルム・シート事業半導体関連製品のアジア展開強化や、モノマテリアル医薬品包装製品の欧州展開など、各製品のグローバル展開を推進します。特に医療機器包装用途においては、欧州のプラスチック・リサイクル推進プラットフォーム「RecyClass」のリサイクル認証を一部製品で獲得するなど高付加価値化が進んでおり、引き続きリサイクル可能な製品ラインアップの強化に努めます。また、食品包装用フィルムのスキンパックについては、装置メーカーとの協業など、さらなる採用拡大に向けた取り組みを進めてまいります。 ・産業機能性材料事業および防水関連事業付加価値の高い戦略製品であるアイウェア、車載向け光学制御製品、および絶縁材料を中心とした機能材製品の拡販を進めます。AGC株式会社およびその子会社であるAGCポリカーボネート株式会社から譲り受けたポリカーボネート事業の統合を進め、建材用途や産業・電子用途における商品力を強化し、事業基盤の強化を図ります。特に、ブランド力のある「ツインカーボ®」については、データセンター向けを中心に販売を強化し、業界トップシェアを目指します。防水関連事業では、環境対応製品の拡充を図るとともに、新築住宅向け製品の販売に加え、増加傾向にある住宅・マンションのリフォーム案件の取込みに注力してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(経営成績等の状況)(1) 当期の経営成績の状況当社グループの売上収益は、主に半導体用途の旺盛な需要により前期と比べ5.0%増(以下の比率はこれに同じ)の3,198億67百万円となりました。事業利益については、人件費が海外拠点を中心に上昇している一方で、各セグメントで実施した高付加価値品の販売への注力、販売価格適正化など収益構造の改善効果が表れた結果、11.8%増の344億90百万円となり、事業利益率は0.7ポイント増の10.8%となりました。営業利益は前期に高機能プラスチックセグメントの北米拠点での減損損失や国内生産拠点集約費用等を計上した反動により、43.1%増の354億78百万円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、45.3%増の280億14百万円となりました。ROEにつきましては、分子である親会社の所有者に帰属する当期利益が前期と比べ増加したことで、2.3ポイント増の8.8%となりました。 (セグメント別販売状況)① 半導体関連材料[売上収益 106,396百万円(前期比 16.5%増)、事業利益 20,714百万円(同 15.2%増)] 半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、中国の旺盛な半導体需要が継続し、加えてAI関連用途の需要が拡大しました。半導体用感光性材料は、メモリ市場の回復とパワー半導体用途の拡販が進み、売上を伸ばしました。半導体用ボンディングペーストは、中国内需向けの好調が持続するとともに新規拡販が進み、東南アジアで高密度パッケージ向けの需要も好調が持続しています。半導体基板材料「LαZ®」シリーズは、モバイル機器向けの販売伸長に加え、AIサーバー向けのパワーデバイスへの採用が拡大しました。各製品での売上収益の増加に伴い、事業利益も増加しました。 ② 高機能プラスチック[売上収益 105,490百万円(前期比 0.0%増)、事業利益 6,224百万円(同 18.4%増)] 工業用樹脂は、国内で半導体用途の販売が伸長したものの、北米拠点で不採算製品の撤退を行うなど構造改革に向けた諸施策を実施した結果、売上収益は減少しました。成形材料の売上も減少しましたが、北米自動車市場での需要停滞は回復に転じています。積層板は、車載・エアコン用途の低調が続きました。航空機部品は、顧客生産数量の回復に伴い受注が増加しました。事業利益は、構造改革の効果や高付加価値製品の販売への注力、原料価格の低下により増加しました。 ③ クオリティオブライフ関連製品[売上収益 107,189百万円(前期比 0.0%減)、事業利益 12,902百万円(同 9.5%増)] 医療機器は、血液バッグや低侵襲血管内治療用のマイクロ能動カテーテル、胸部ステントグラフトの販売が国内外で伸長し、北米では不採算品の整理を実施しました。バイオ関連製品は、国内再生医療向け等のバイオ器材が伸長しましたが、北米向けは公的研究予算が縮小した影響で販売が減少しました。フィルム・シートは、医薬品包装用途でジェネリック医薬品増産による需要増などによる数量増が大きく寄与しました。また、半導体生産用途のシェアが拡大し、食品包装用途ではポーション用途の販売やP-プラスの新規用途への採用拡大もあり、堅調に推移しました。産業機能性材料は、建材、店装材需要が新製品や、事業譲渡を受けた中空ポリカなどにより伸長しました。機能性差別化製品では、光学製品と絶縁製品の販売が、車載向けを中心に大きく伸長しましたが、アイウェア用途の光学製品は米国の関税政策の影響を受けた需要減で低調となりました。 防水シート関連は、住宅リフォーム向け販売の増加が新築住宅向け需要の落ち込みを補いました。事業利益の増加については、販売価格の適正化や生産拠点再編による固定費削減も寄与いたしました。 (2) 当期の財政状態の状況①資産の部資産合計は、前連結会計年度末に比べ663億89百万円増加し、4,841億67百万円となりました。主な増減は、現金及び現金同等物、その他の金融資産および有形固定資産の増加であります。②負債の部負債合計は、前連結会計年度末に比べ93億11百万円増加し、1,335億21百万円となりました。主な増減は、繰延税金負債の計上による増加と、借入金の返済による減少であります。③資本の部資本合計は、前連結会計年度末に比べ570億78百万円増加し、3,506億46百万円となりました。主な増減は、当期利益の計上およびその他の資本の構成要素の増加と、剰余金の配当による減少であります。 (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金および現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べ212億18百万円増加し、1,247億52百万円となりました。①営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動により得られた資金は350億3百万円となりました。これは主に、税引前利益および減価償却費の計上による収入と、法人所得税の支払による支出の結果であります。前期と比べると87億8百万円の収入の減少となりました。②投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動に用いた資金は79億30百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出と、投資有価証券の売却による収入の結果であります。前期と比べると76億71百万円の支出の減少となりました。③財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動に用いた資金は135億81百万円となりました。これは主に、配当金の支払、長期借入金の返済による支出の結果であります。前期と比べると312億98百万円の支出の減少となりました。 (4) 資本の財源および資金の流動性に係る情報 ①財務戦略の基本的な考え方当社グループは、健全かつ安定した財務基盤の維持を前提に、資本効率の向上を図り、事業活動の成長と拡大のための投資を継続的に行い、安定かつ継続的に株主還元を行うことを財務戦略の基本方針としております。財務基盤に関しては、親会社所有者帰属持分比率は70%を超え、ネットキャッシュは900億円超のプラスという状況で、安定した水準を維持しております。引き続き財務体質の改善、信用力向上のための取組みに努めてまいります。また、資産効率に関しては、以下の施策をこれまで以上に強力に推進してまいります。・収益性向上による営業キャッシュ・フロー確保のため、低採算・不採算事業の撲滅改善、製造原価の低減に加え、開発効率の向上や間接業務の効率化等の費用削減。・資産のスリム化のため、売掛債権の回収促進、棚卸資産の適正水準や滞留の管理強化、政策保有株式の縮減、不要・遊休資産の処分・売却の徹底、グローバルおよびリージョナルファイナンスによるグループ内資金の効率的な活用。 ②資金需要当社グループの主な資金需要としては、2024年度からスタートしました3年間の中期経営計画に掲げました通り、既存事業の収益力強化や顧客への安定確実供給に資する設備投資、新商品/新ソリューション創出に向けた研究開発やDX/GX(グリーントランスフォーメーション)関連の成長投資、有望案件の探索やオープンイノベーション推進、事業ポートフォリオ改革に資する戦略的M&A資金としての戦略的投資、および株主還元が挙げられます。2026年3月期につきましては、設備投資、成長投資はほぼ計画通り実行しています。トピックスとして、戦略的投資枠を活用し、2025年10月にはAGC株式会社およびその子会社であるAGCポリカーボネート株式会社からポリカーボネート事業を譲り受け、また、2026年1月には、京セラ株式会社のケミカル事業の一部を承継することを決定しました。 ③資金調達当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、自己資金および外部資金を有効に活用しております。資金調達にあたっては、様々な手段の中から、その時々の市場環境も考慮したうえで、当社グループにとって最適かつ有利な手段を機動的に選択しております。当社グループは、主要な取引先金融機関との間で長年にわたり良好な関係を維持しており、長期借入金、短期借入金、シンジケートローン等による資金調達のほか、緊急時の手元流動性と資金調達枠の確保を目的として、取引先金融機関との間に短期借入金枠およびコミットメントラインを設定しております。さらに金融市場からの安定的な資金調達能力の維持向上に努め、国内2社の格付機関から格付けを取得し、コマーシャル・ペーパーの発行による資金調達も行っております。これらにより運転資金および設備資金に加え、戦略的な投資に対しても十分な流動性が確保でき、機動的かつ円滑な資金調達が可能となっております。 (5) 生産、受注および販売の実績①生産実績および受注実績当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産を行わないため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産の実績については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (セグメント別販売状況)」に関連付けて示しております。 ②販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前期比増減(%)半導体関連材料106,39616.5高機能プラスチック105,4900.0クオリティオブライフ関連製品107,189△0.0その他7922.7合計319,8675.0 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 (6) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、事業利益、事業利益率およびROEを業績目標の指標に設定しております。 中期経営計画で掲げた最終年度(2026年度)の数値目標は「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境および対処すべき課題」に、各指標の当連結会計年度における達成状況については「(1) 当期の経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (7) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 災害・事故・パンデミックによる事業中断リスク地震、爆発・火災、風水害、パンデミックといった重大事態が発生した場合、近隣住民や従業員への人的被害、施設・設備の損壊、サプライチェーンの分断により、製品の供給が困難になる可能性があります。これにより、多額の損害賠償請求や経営成績への悪影響が生じる恐れがあります。
- 地政学リスクによる事業環境の変化米中貿易摩擦、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢などの地政学的な緊張は、国際的なサプライチェーンの混乱、原材料価格の変動、貿易規制の強化、為替レートの変動などを引き起こす可能性があります。これらの要因は、原材料の調達コスト増加や製品販売価格への影響を通じて、グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 原材料の供給問題と価格変動リスク主要な原材料の供給が不安定になったり、価格が大幅に変動したりするリスクがあります。これは、特定の地域での生産集中、自然災害、地政学的な問題、または需要と供給のバランスの変化によって引き起こされる可能性があります。原材料コストの増加は、製品の製造コストを押し上げ、利益率を圧迫する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】 (1) 当社グループのリスクマネジメント体制 当社グループのリスクマネジメント体制は次のとおりであります。[サステナビリティ推進委員会]当社グループのサステナビリティ活動を継続的かつ全社的に行う母体として設置しております。下部委員会であるリスクマネジメント委員会の方針・計画・実績・外部公表する項目および数値について承認し、これらを取締役会に報告しております。[リスクマネジメント委員会]当社グループの経営成績等に重要な影響を与える主要リスクの選定、主要リスクの対応策の妥当性確認、追加検討すべき対策についての指示などを個別リスク主管部、各事業部門に対して行っております。リスクマネジメント委員会の委員は、社長、事業統轄役員、個別リスク主管部の長で構成されています。2025年度は4回開催されました。[個別リスク主管部]総務本部・人事本部・経理企画本部・生産技術本部・研究開発本部・IT推進本部・調達本部などの個別リスク主管部は、所管するリスクについて、当社グループの各事業部門と連携を取りながら、当社グループ全体の対応策を立案・推進しております。[各事業部門]当社グループの営業部門、工場、研究開発部門などの各事業部門は、本来業務の一部として、自部門、自社の業務遂行上のリスクを適切に管理するためにさまざまな対策を講じております。 ●リスクマネジメント体制図 なお、上記のほか、当社グループは、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりの企業統治体制を整え、リスクマネジメントを含む内部統制システムを整備・運用しております。 当社グループにおける主要リスクの選定・承認は年1回実施しており、そのプロセスは次のとおりであります。・リスクマネジメント委員会は、各事業部門・個別リスク主管部の統轄役員から「主要リスク抽出質問票」(リスクの内容と当該リスクが顕在化した場合の影響、影響度、発生可能性について、個別リスク主管部・各事業部門が抽出したリスクを踏まえ、統轄役員が分野毎に主要リスク候補を選定のうえ、統轄役員としての評価を記入)の回答を収集。・「主要リスク抽出質問票」の回答をもとに、リスクマネジメント委員会にてリスクマップの作成、主要リスクの選定・承認、主要リスクに対する次年度の対応計画への反映を実施。・サステナビリティ推進委員会は、選定された主要リスクおよび主要リスクに対する対応計画を承認し、取締役会に報告。なお、今回より、主要リスク選定のプロセスのうち、以下の点を一部変更しました。・影響度×発生可能性の段階を3×3から4×4に変更のうえ、影響度のレベル選択の目安を当社グループの規模に合わせる見直しを実施することによる、リスク毎の差異を明確化・「主要リスク抽出質問票」の構成と作成手順の一部変更による、統轄役員による評価結果の可視化とリスクのとりまとめ過程の可視化 ●主要リスクの選定・承認フロー ■影響度のレベル選択の目安 (下記の複数が当てはまる事象については、一番影響度のレベルが高いものを選択) 影響度 小 ――――――――――――――→ 影響度 大1234金銭的影響~1億円1~10億円10~100億円100億円超人命への影響休業4日以上の災害休業1か月以上の災害後遺症が残る重篤災害(※)死亡者が1名以上発生評判への影響(レピュテーション)日常の管理で解決するマスメディア・WEB媒体に(悪い意味で)小さく取り上げられるマスメディア・WEB媒体に(悪い意味で)大々的に取り上げられる一般的な社会問題になる一部の取引先や消費者の信用を失う一部の取引先や消費者の信用を著しく失う稼働への影響1拠点に限り1週間程度の稼働に影響1拠点に限り1か月程度の稼働に影響1拠点に限り3-6か月程度の稼働に影響1拠点に限り1年以上稼働に影響複数拠点で1週間程度の稼働に影響 複数拠点で1か月程度の稼働に影響複数拠点で3-6か月程度の稼働に影響 (※)1-14等級(社内定義) ■発生可能性のレベル選択の目安発生可能性 小 ――――――――――――――――――――――→ 発生可能性 大1234発生可能性はきわめて低い発生可能性は低い発生可能性が高い発生可能性が非常に高い中長期的(3-5年)に発生短期的(1年)に発生頻繁に発生 (2) 主要リスクの内容と顕在化した際の影響、主要リスクへの対応策本報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要リスクには、下記のものがあります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、「第2 事業の状況」の他の項目、「第5 経理の状況」の各注記、その他においても個々に記載しておりますので、併せてご参照ください。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 主要リスクとして挙げた各リスク項目のリスクマップ上の位置 発生可能性 小 ――――――――――――――→ 発生可能性 大1234影響度 大 ↑ 影響度 小4•製品の品質•法令・規制への対応・地政学リスク・情報セキュリティインシデント 3 •災害・事故・パンデミック・環境負荷低減対策(気候変動対応含む)・人的資本リスク・原材料の供給問題、価格変動2 1 1.災害・事故・パンデミック発生可能性:2影響度:3[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]・当社グループでは、想定される災害・事故等のうち「地震」「爆発・火災」「風水害」「パンデミック」を重大事態と位置付けております。特に近年、気候変動による大型の「風水害」や、頻発する「地震」、新型コロナウイルス感染症に代表される世界規模の「パンデミック」が現実の事態となっており、当社グループのみならずサプライチェーン全体への影響を考える必要があります。・これらの事態が発生した場合は、近隣住民・従業員の人的被害、施設・設備の損壊や電気・ガス・水道・通信機能の停止により、製品の供給を継続できない状況が発生する恐れがあります。また、顧客・調達先・物流の機能停止によるサプライチェーン分断により、事業活動の継続性が確保できない可能性があります。これらの結果、多額の損害賠償の請求を受けるなど、経営成績等に悪影響が及ぶ可能性があります。 [ リスクへの対応・機会 ]・当社グループでは、災害・事故・パンデミック等の発生時の事業の継続性を確保するためBCP(事業継続計画)を策定し、必要に応じて関係先と共有しております。また、減災対応や持続性確保として、これまでも適正在庫の確保、国内外事業所での生産体制の二重化、予備品の増強や復旧体制の制度化といった対策を行ってきました。なお、東日本大震災の際には、宇都宮事業所の建屋や設備の一部に損壊がありましたが、このBCPに従った行動で当社グループにおける被害を最小限に抑えることができました。・一方で、当社グループでは、気候変動の影響や科学技術の進歩等により、災害・事故・パンデミック等の発生頻度や影響の大きさ・範囲は、毎年変化するものであると認識しております。最新の情報を踏まえてこれらの対策の妥当性を毎年検証し、今後もBCPの見直しおよび訓練を実施してまいります。・調達先各社の協力を得て実施しているサプライチェーンの上流におけるBCP確認と追加対応策の検討については、後述の「7.原材料の供給問題、価格変動」 のリスクへの対応・機会欄に記載のとおりです。・上記災害のうち、当社グループの要因で引き起こされる可能性のある「爆発・火災」については、国内外の事業所で発生したヒヤリハット情報も取り込み、原因解明・対策立案・当社グループ全体への対策展開を進めております。また、爆発・火災事故に直結する機器への異常予兆管理システムを国内外の事業所に展開済みです。・パンデミック発生時の社内対応については、「全社『新型感染症』対策マニュアル」に基づき、2020年から2023年にかけての新型コロナウイルスによるパンデミックの際と同様、本社に緊急対策本部と対策事務局を設置し、感染状況に応じた対策を検討し、都度通知文を発信するなど柔軟に運用いたします。関係会社においても、このマニュアルを参考に、所在国の法令・規制や就業規則の違いなどを考慮した対策体制、行動計画等に基づき対応します。・近年では、顧客による取引開始や取引継続の条件の一要素として、BCPの整備・運用、生産体制の二重化、サプライチェーンのBCP対応が重要視されております。 このため、上述のようなBCP対応を充実化させることは当社グループにとっての「機会」にもなると考えております。 2.地政学リスク発生可能性:2影響度:4[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]・米中貿易摩擦、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢などの国際関係の変化を背景に、各国の経済安全保障政策が強化され、最先端技術の国外流出を阻止するための法規制や、制裁・法規制の対象となった企業との輸出入取引や資金決済が停止となる可能性があります。これらの情勢変化や政策に適切に対応できない場合、刑事罰や行政罰や民事訴訟、さらにブランドに対する社会的信頼の喪失につながる可能性があります。また、戦争・紛争が発生した場合には、当社グループ社員の人命・資産が脅かされることに加え、物流・調達・インフラの寸断により事業継続に支障をきたす可能性があります。 [ リスクへの対応・機会 ]・戦争・紛争テロ・暴動等のリスクに対しては、リスクコンサルタント等の専門家や政府関係機関等より情報収集を行うとともに、従業員の安全確保を最優先としつつ、事業継続や情報管理の観点も考慮した海外拠点の危機管理マニュアルの整備、実効性の強化を進めております。・輸出入規制や経済制裁、物流・調達・インフラの寸断の影響を軽減、極小化するため、輸出入規制や経済制裁などの情報収集、マルチファブ化やマルチソース化を進めております。 3.情報セキュリティインシデント発生可能性:2影響度:4[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]・近年、サイバー攻撃は巧妙化、高度化しており、不正アクセスやサイバー攻撃を受け、企業が保有する情報が流出する事件が多発しています。さらに、生産現場においてはIoT機器の利用拡大等、スマートファクトリー化が進み、工場OT(Operational Technology)機器へのセキュリティリスクの低減、事業継続性確保が当社グループでの喫緊の課題となっています。当社グループがサイバー攻撃を受け、重要なシステムの誤作動や停止、保有する機密情報の流出が発生した場合、社会的信用の失墜、事業活動の混乱や停滞、取引先等への補償などの費用発生により、当社グループにおける経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 [ リスクへの対応・機会 ]・当社グループでは、情報セキュリティインシデント発生に備えた組織横断的機関である「SUMIBE-CSIRT」を設置し、定例会議などを通してトピックスの共有、情報セキュリティ事故発生を未然に防ぐための対策策定、事故発生時の対応手順の整備を行う一方で、有事の際には経営層を含めた対応や外部セキュリティ関係機関との連携を行う体制としております。・情報セキュリティインシデントを予防するための具体的な取り組みとしては、不正攻撃の標的となる脆弱性への対応の徹底、セキュリティ対策製品の導入によるリスク検知、外部セキュリティ企業とも連携したサイバー攻撃の常時監視、外部機関によるセキュリティ評価等の対策を行っております。さらに、日本シーサート協議会やサイバー情報共有イニシアティブ(J-CSIP)等、サイバー攻撃に関する情報共有や対応強化を行う外部団体に参加し、積極的な情報入手を図っております。引き続き、外部セキュリティ企業支援のもと、グローバルで連携したインシデント対応体制の確立を進めてまいります。・また、差し迫るサイバーリスクに対しては、適宜当社グループ内に注意喚起を発信、また国内外の全役員、従業員を対象に、サイバーリスクのトレンドを踏まえた情報セキュリティ教育を定期的に実施する等、情報セキュリティインシデントへの予防強化と情報セキュリティへの意識向上に取り組んでおります。セキュリティインシデント発生時の被害の最小化と早期復旧を図るべく、社内でのインシデント発生訓練に加え、外部団体との合同訓練にも参加する等、体制の強化にも取り組んでおります。 ・当社では、OTセキュリティ体制強化のため、2026年4月に「OTセキュリティ対策委員会」を設置し、OTセキュリティに係る対策基準の浸透や社内教育の実施等の活動を進めています。・社内セキュリティ人材の強化策として、国家資格である「情報処理安全確保支援士」の取得を進めております。また、日本国外の拠点におけるセキュリティ人材配置・育成も進めております。・近年では、顧客による取引開始や取引継続の条件の一要素として、上記のような情報セキュリティ管理体制の整備・運用が重要視されております。このため、上述のような情報セキュリティ管理体制の整備・運用の維持改善をすることは当社グループにとっての「機会」にもなると考えております。 4.環境負荷低減対策(気候変動対応を含む)発生可能性:2影響度:3[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]・日本政府による2050年カーボンニュートラル宣言、2030年度に温室効果ガス(GHG)の46%削減(2013年度比)が表明された後、2021年のCOP26では1.5℃目標に向かって世界が努力することが合意され、さらに2023年のCOP28では1.5℃目標達成のための緊急的な行動の必要性が明記されました。地球規模での気候変動問題に対して、企業においても緊急的な行動が求められています。温室効果ガス排出規制の強化、カーボンプライシングなどが具体的なリスクとして考えられますが、これらの対策が遅れている企業は市場から淘汰されていくリスクがあると認識しております。 [ リスクへの対応・機会 ]・2050年に向けたカーボンニュートラルの達成は、化学産業に属する当社グループにとっての重要課題と認識しております。・当社グループは、2023年度には日本政府目標である2030年度GHG排出量46%削減(2013年度比)を達成し、2024年度から1.5℃基準に適合したGHG排出量削減目標に向けて取り組んでいます。この目標はSBTiより2025年5月に認定されました。[SBT認定を取得した当社グループのGHG排出量削減目標]Scope1+Scope2 :2030年度48%以上削減(2021年度比)Scope3(カテゴリ-1,4,5,12) :2030年度25%以上削減(2021年度比)・2025年度は、東南アジアのグループ会社で再生可能エネルギー由来の電力への切り替え等が功を奏し2030年度末GHG排出量削減目標を達成する見込みとなりました。2026年度は、新たな目標を設定し、引き続き脱炭素に向けた活動を推進していきます。・サプライチェーン全体でのGHG排出量削減(Scope3)においても、削減目標を設定し、取り組みを開始しております。・2025年度からはインターナルカーボンプライス(ICP:10,000円/t-CO2)を導入し、GHG排出量削減を目的とする設備投資の促進を図ってまいります。・環境負荷低減については、当社グループは、長年にわたり継続して取り組んでいるレスポンシブル・ケア活動の一環で、環境負荷低減対策にも積極的に取り組んでまいりました。経営トップを長とするサステナビリティ推進委員会およびその下位委員会であるカーボンニュートラル推進委員会において、GHG削減や省エネルギーの目標の策定、進捗管理、モニタリングを行っております。・環境負荷低減に必要なイノベーション技術の開発については、社内開発はもとより、産学官連携プログラムや産業界プロジェクトに積極参画し、遅滞ない開発を目指してまいります。技術的なイノベーションをより計画的に進めていけるよう、2035年までの全社環境開発ロードマップの策定も行っております。・環境負荷低減は当社グループにとってリスクである一方で、機会としても捉えております。当社グループとしてSDGs重点項目(7項目:SDGs目標3、7、8、9、12、13、14)を設定し、SDGs貢献製品の売上収益比率の2030年度末目標70%に向けて着実に進歩しており、2025年度は68.5%の見込みです。・リスクマネジメント委員会では、TCFDタスクチームを設置し、当社主要事業について2040年を想定したシナリオ分析を実施しています。電動車両(xEV)を中心とした自動車関連製品、半導体関連製品、常温保存や鮮度保持機能を有する食品包装用高機能フィルム等が「機会」になると見込んでおります。また機会に関連して、使用する原料や製品の廃棄について、資源循環(3R+Renewable)の観点からケミカルリサイクル、マテリアルリサイクル技術の確立、バイオマス原料の活用が不可欠と認識しています。これらの「機会」を活かしていくために、中期経営計画2024-26では、カーボンニュートラルへの取り組み(技術・製品開発)として、資源(バイオマス原料、副生CO2活用(プラスチック合成技術)、創エネ/省エネ(軽量化部材、創エネ/蓄電部材、熱マネジメント部材、省エネ貢献材料)、長寿命(高対候性、高信頼性)、3R(リデュース・リユース・リサイクル:リサイクルプロセス、易解体樹脂、モノマテリアル化、減容化・薄肉化、リサイクル原料)、環境対策(再生可能エネルギー拡大、電気ボイラー化、VOC(揮発性有機化合物)低減)などに取り組んでおります。・これらの活動の状況と結果は統合報告書やCDP(カーボンディスクロージャープログラム)他を通じ継続的かつ積極的に外部発信してまいります。 5.法令および規制への対応発生可能性:1影響度:4[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]・当社グループはグローバルに事業活動を展開しており、日本および諸外国において、様々な分野にわたる広範な法令および規制に服しております。このうち、機能性化学品メーカーである当社グループの事業内容に密接に関わる法令および規制としては、化学物質規制、廃棄物・排水・粉塵の排出に係る規制などがあります。例えば、化学物質規制に関しては、POPs条約への規制物質追加に伴う日本の化審法の第一種特定化学物質が増加予定、欧州REACHやCLPに改正の動きなど、世界的に大きく変化しております。これらの法令や規制の変更に対しては、新たな対策コストが発生する可能性があります。・また、万一当社グループが現在または将来の法令および規制を遵守できなかった場合には、刑事罰・課徴金・民事訴訟による多額の損失発生、信用失墜などにより経営成績等への悪影響を及ぼす可能性があります。 [ リスクへの対応・機会 ]・当社グループは、事業活動を進めるにあたって、法令および企業倫理を順守することが極めて重要であると認識し、コンプライアンス重視の経営を推進しております。当社グループのコンプライアンス違反リスクの極小化、コンプライアンスのための仕組みづくりの推進、コンプライアンス意識の啓蒙活動の推進を行うため、「コンプライアンス委員会」を設置しております。2025年度は、コンプライアンス委員会を3回開催し、内部通報制度の実効性や対応の妥当性の確認などを行いました。・総務本部(贈収賄・競争法・安全保障貿易管理コンプライアンスなど)、人事本部(労務コンプライアンス)、生産技術本部(化学品規制・排出規制・安全衛生コンプライアンスなど)、研究開発本部(知財コンプライアンス)、経理企画本部(会計・税務コンプライアンス)などの個別リスク主管部は、当社グループの各部門と連携を取りながら、社内ルールなどの仕組みづくりや教育の実施、事業部門への指導・支援を適宜進めております。例えば、上記で例示した化学物質規制への対応に関しては、当社グループでは各国の最新の化学物質規制への対応もキャッチアップ可能な化学物質管理システムを運用・維持管理することにより、各国の法規制に対する抜け漏れを防ぎ、リスクの低減に努めております。・当社の監査室、生産技術本部等の内部監査を担当する部署では、「内部統制システム構築の基本方針」「内部監査規程」「財務報告に係る内部統制基本規程」「モノづくり監査規程」等に基づき、当社および海外を含む関係会社を対象として、実地での往査と被監査部門での自己監査結果の点検による書面監査を適宜組み合わせて監査・評価を行っております。監査・評価は、各部門における業務の適法性および各種基準への適合性の観点からモニタリングを行っており、発見され指摘事項として挙げられた不備については、当該部門に対して書面による是正報告を求めております。2025年度のコンプライアンス状況については、環境、人権、労働、安全衛生、製品・サービスの提供や使用、顧客情報やデータの管理、適切な会計処理、公正な取引などの観点でこれらの監査・評価を行った結果、法令や規則に対する重大な違反はありませんでした。 ・当社グループでは、コンプライアンス違反の早期発見・未然防止を図るため、コンプライアンス違反またはそのおそれを知った場合に、社内窓口(監査室長)または社外窓口(弁護士)に通報できる、内部通報制度(当社グループでは「コンプライアンス通報制度」と称しています。)を導入しております。当社グループの役員、従業員だけでなく、当社グループのステークホルダー(退職者、採用応募者、取引先を含む)も通報することが可能です。通報者のプライバシーを厳重に保護するとともに、通報により通報者が不利益を被らないよう必要な措置を講じております。また、当社グループ共通の「コンプライアンス通報制度」に加え、関係会社によっては、所在国の法令上の要求や会社の規模などを考慮した上で独自の内部通報制度を設置しております。・近年では、顧客による取引開始や取引継続の条件の一要素として、上記のような法令・規制への対応、コンプライアンス体制の整備・運用が重要視されております。このため、上述のような法令・規制への対応、コンプライアンス体制の整備・運用の維持改善をすることは当社グループにとっての「機会」にもなると考えております。 6.製品の品質発生可能性:1影響度:4[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]・当社グループの製品は、自動車・航空機・医療機器・電子材料等の直接・間接に人命に関わる用途にも使用されております。そのため、大規模な製品事故が発生した場合、顧客に損害を与えたり、社会に悪影響を及ぼしたりする結果、損害賠償やリコール等で多額の費用負担が発生するばかりでなく、当社グループに対する信用失墜により、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。・また、科学技術の進歩や顧客市場や使用方法の変化により、上市後に顧客等から求められる品質管理水準が高くなり、予期せぬ品質問題が生じることもあります。 [ リスクへの対応・機会 ]・当社グループは国際的な品質管理基準(ISO 9001のほか、製品の用途に応じてIATF 16949(自動車部品)、ISO 13485(医療機器)、AS 9100(航空宇宙産業)など)に準拠した品質マニュアルに従い、各種製品の設計管理から製造・販売までの一貫した品質管理体制をとっております。・当社グループでは、有資格者による内部監査や外部監査による現地品質監査により、品質管理状態の検証を年1回行い、各所で抽出された懸念事項を全社で共有して改善する活動を進めるとともに、FMEA、FTAという手法を用いた潜在的品質リスクの洗い出しとその低減対応を行うなどの改善活動を行っております。変更管理、初動管理には特に注意を払った活動を行っております。直近では、海外関係拠点のマザー機能を有する国内主要4拠点においてAI/IoT技術を駆使した人的変動要素の排除とトレーサビリティの強化を行っており、現在、海外主力5拠点への展開を進めております。・また、当社グループでは国内外の全事業所で発生した品質問題について直ちに共有し、一元管理するシステムを構築して、対応の遅れが無いよう逐次監視すると共に、品質問題の初動対応と被害拡大防止、発生と流出防止の対策が効果的であるかの検証を行っております。・すべての製品に完全に不良や欠陥が無いこと、および将来にわたって全く品質クレームやリコールが発生しないことまでは保証できませんが、これらの取り組みにより、安心して使用できる製品提供に努めてまいります。・顧客による取引開始や取引継続の条件の一要素として、上記のような国際的な品質管理基準に沿った品質管理体制の整備・運用、認証の取得などが重要視されています。このため、上述のような品質管理体制の維持改善をすることは、当社グループにとっての「機会」にもなると考えております。 7.原材料の供給問題、価格変動発生可能性:4影響度:3[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]・長引く景気後退による需要減によりサプライヤーが減産、事業縮小、撤退など事業ポートフォリオを見直す動きが増えてきています。その結果、川上原料が入手困難になり廃番などのリスクも増えてきております。各地の紛争等の地政学要因、気候変動、地震など自然災害などによる供給問題、また、物流の2024年問題や法令改正・環境規制の強化による供給不安、円安、原油・非鉄金属などの相場に連動した価格の高騰が起こる可能性があり、そのような場合には、売上減少や収益性の悪化、事業の継続に支障が生じる可能性があります。 [ リスクへの対応・機会 ]・当社グループでは安定調達を第一に考え、重要原料につき調達先の複数化、適正在庫の確保などによりリスクの低減に努めております。日本国内から調達している重要原料の調達先約100社については、水害・地震・火災・パンデミックなどのBCPについて調達先との協議を重ね、対策実施あるいは計画作成まで完了しました。欧米や中国から調達している重要原料の調達先約80社についても、代替品や安全在庫3ヶ月分以上の確保に向けた対応を進めております。また、新規原材料の採用にあたっては、BCP対策有無の確認に加え、現在製造や流通が禁止されている物質だけではなく、将来的に製造や流通が禁止される蓋然性の高い物質を含まないことを採用の基準の一つとし、リスク低減を図っております。・現在直面しているイラン情勢の緊迫化に起因する原材料の供給問題については、購入している原材料のメーカーだけでなくサプライチェーンの上流の素原料メーカーに対する聞き取り実施や、ナフサ・原油等の値上げ原因を精査した上での必要な値上げの受け入れ等により、製品の供給維持に努めております。・植物や鉱物などの天産物由来の原料については、地域が変わることによって生じる組成や成分の違いをコントロールする技術開発にも継続して取り組んでおります。・主要原材料の価格変動については顧客と協議の上、フォーミュラ制(原料価格変動分を製品価格に自動反映)を適用することも進めております。・近年では、顧客による取引開始や取引継続の条件の一要素として、サプライチェーンのBCP対応が重要視されております。このため、上述のような対応を充実化させることは当社グループにとっての「機会」にもなると考えております。 8.人的資本リスク発生可能性:3影響度:3[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]・下記により、事業活動の継続性が確保できず、当社グループにおける経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。- 少子高齢化による労働力人口の減少により、必要な人材の確保・維持ができない- 未来予測が困難な時代に即した柔軟な組織マネジメントができない- DX推進に必要な人材が確保できない- キーパーソン・有能な社員の離職転職、人材採用の遅滞による重要業務の停止・停滞・遅延 [ リスクへの対応・機会 ]・DE&Iを推進することにより、多様な人材の活躍によるイノベーションを創出します。未来の予測が困難な時代においては、多様な視点を持つ人材が異なる意見を持ち寄り柔軟な発想で対応することが必要です。女性の活躍推進、介護や障がい等で就業に制約がある社員や、文化的背景が異なる外国人、LGBTQの方など、多様な人材が活躍できる会社にしてまいります。・マネジメント教育の充実、360°評価を用いた教育の拡大により、マネジメント層のリーダーシップを強化することで、個人および組織のパフォーマンスの向上につなげてまいります。・人材確保だけでなく、DE&Iの観点からも、新卒+キャリアのハイブリッド採用を推進してまいります。・データサイエンスの活用および全社的なDXをさらに推進するため、関連する教育講座を増設するとともに、褒賞制度も含めたデータサイエンティスト社内認定制度を導入しています。認定者以外にも、各種教育を通じてプログラミングやデータ分析技術に精通し、課題解決が可能な「データ活用人材」の輩出を目指します。・エンゲージメントサーベイによる科学的な分析結果をもとに、必要な施策をとり、従業員のエンゲージメント向上によるパフォーマンス向上を図ります。 なお、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載の経営の重要課題(マテリアリティ)と主要リスクとの対比は次のとおりであります。 経営の重要課題(マテリアリティ)主要リスク環境・社会価値の創造環境負荷低減対策(気候変動対応を含む)価値創造のアクセル 顧客との共創―人的資本(人材の活躍)経営人的資本リスクイノベーション―DX人的資本リスク事業を継続する基盤 安全衛生災害・事故・パンデミック製品責任製品の品質/法令・規制への対応コンプライアンス法令・規制への対応サイバーセキュリティ情報セキュリティインシデント人権尊重法令・規制への対応サステナブル調達原材料の供給問題、価格変動/災害・事故・パンデミック/地政学リスクコーポレート・ガバナンス―