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積水化学工業(4204)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 住宅事業の展開
    積水化学工業は、鉄骨系・木質系ユニット住宅の製造から販売、施工までを一貫して手掛けています。さらに、土地の販売、リフォーム、不動産仲介、賃貸管理、高齢者向け介護サービスなど、住宅に関連する幅広いサービスを提供し、顧客の住まいに関する多様なニーズに応えることで収益を上げています。
  • 環境・ライフライン事業
    塩化ビニル管やポリエチレン管、雨水貯留材、建材、介護機器など、社会インフラや生活に密着した製品の製造・販売・施工を行っています。これらの製品は、都市機能の維持や災害対策、高齢化社会への対応など、社会課題の解決に貢献することで安定的な収益基盤を築いています。
  • 高機能プラスチックス事業
    液晶用微粒子、半導体材料、光学フィルム、自動車部品、医療衛生材料など、幅広い分野で使われる高機能なプラスチック製品を製造・販売しています。高い技術力と研究開発力を背景に、多岐にわたる産業の進化を支えることで、高付加価値製品からの収益を追求しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 住宅事業
    戸建住宅の製造・販売・施工に加え、リフォームや不動産仲介、介護サービスなど、住まいに関する幅広いサービスを提供しています。売上高は5,239.12億円、営業利益は314.98億円で、同社の主要な収益源の一つとなっています。
  • 環境・ライフライン事業
    塩化ビニル管や雨水貯留材、建材、介護機器など、社会インフラや生活に密着した製品の製造・販売・施工を行っています。売上高は2,274.01億円、営業利益は229.58億円で、社会貢献性の高い事業として安定的な収益を上げています。
  • 高機能プラスチックス事業
    液晶用微粒子、半導体材料、光学フィルム、自動車部品、医療衛生材料など、多岐にわたる産業向けの高機能プラスチック製品を提供しています。売上高は4,423.66億円、営業利益は612.35億円と、最も高い営業利益を計上しており、同社の成長を牽引する事業です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Housing 地域 5,239 315 6.0%
UrbanInfrastructureAndEnvironmentalProducts 事業 2,274 230 10.1%
HighPerformancePlastics 事業 4,424 612 13.8%
Medical 事業 992 128 12.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,824 文字
3【事業の内容】 当社及び当社の関係会社(国内子会社91社、海外子会社64社、関連会社13社(2026年3月31日現在)により構成)においては、住宅事業、環境・ライフライン事業、高機能プラスチックス事業、メディカル事業、その他事業の5セグメントに関係する事業を主として行っている。各事業における当社及び当社の関係会社の位置づけ等は次のとおりである。 (住宅事業) 当事業部門においては、鉄骨系・木質系ユニット住宅の製造、施工、販売ならびに分譲用土地の販売、リフォーム、レジデンシャル事業、インテリア、エクステリアの販売・施工等を行っている。[主な関係会社](原材料の購買)セキスイ・グローバル・トレーディング㈱(建築部材の購買) セキスイハイムサプライ㈱(製品の製造)北海道セキスイハイム工業㈱ 東北セキスイハイム工業㈱ セキスイハイム工業㈱中四国セキスイハイム工業㈱ 九州セキスイハイム工業㈱ セキスイボード㈱Sekisui-SCG Industry Co., Ltd.(製品の販売・施工)北海道セキスイハイム㈱ セキスイハイム東北㈱ 栃木セキスイハイム㈱ 群馬セキスイハイム㈱セキスイハイム信越㈱ 東京セキスイハイム㈱ セキスイハイム中部㈱ セキスイハイム近畿㈱セキスイハイム中四国㈱ セキスイハイム九州㈱ 茨城セキスイハイム㈱ セキスイハイム東海㈱セキスイハイム山陽㈱ セキスイハイム東四国㈱(製品の施工・サービス等)北海道セキスイファミエス㈱ セキスイファミエス東北㈱ セキスイファミエス信越㈱東京セキスイファミエス㈱ セキスイファミエス中部㈱ セキスイファミエス近畿㈱セキスイファミエス中四国㈱ セキスイファミエス九州㈱ セキスイデザインワークス㈱東北セキスイハイム不動産㈱ セキスイハイム不動産㈱ 中四国セキスイハイム不動産㈱九州セキスイハイム不動産㈱ セキスイユニディア㈱ 東京セキスイハイム施工㈱近畿セキスイハイム施工㈱ セキスイハイム不動産少額短期保険㈱ ㈱アーキテックプランニング㈱クレアスト ㈱ベンハウス 渡辺運輸㈱(製品の販売・サービス等)セキスイ合人社タウンマネジメント㈱ (環境・ライフライン事業) 当事業部門においては、塩化ビニル管・継手、ポリエチレン管・継手、プラスチックバルブ、強化プラスチック複合管、塩素化塩ビ樹脂コンパウンド、雨水貯留材、建材(雨とい、エクステリア材)、介護機器、浴室ユニット、合成木材、防音制振材料、不燃性ポリウレタン、耐火材料、管きょ更生材料及び工法、パネルタンク等の製造、販売、施工を行っている。[主な関係会社](原材料の製造)※(徳山積水工業㈱)(製品の製造)東日本積水工業㈱ 山梨積水㈱ 甲府積水産業㈱ 千葉積水工業㈱ 西日本積水工業㈱ 四国積水工業㈱四積化工㈱ 九州積水工業㈱ 奈良積水㈱ 積水(無錫)塑料科技有限公司(製品の販売)㈱ヴァンテック 東日本セキスイ商事㈱ 中部セキスイ商事㈱ 西日本セキスイ商事㈱九州セキスイ商事インフラテック㈱Sekisui SPR Americas, LLC. Sekisui Chemical G.m.b.H. Sekisui Singapore Pte. Ltd.Sekisui Vietnam Co., Ltd. (製品の製造・販売等)積水アクアシステム㈱ 積水ホームテクノ㈱ 積水化学北海道㈱ 積水ソフランウイズ㈱ 東都積水㈱東積加工㈱ ㈱日本インシークSEKISUI ESLON B.V. Sekisui Rib Loc Group Pty. Ltd. Sekisui Rib Loc Australia Pty. Ltd.積水塑膠管材股份有限公司Sekisui Specialty Chemicals(Thailand)Co., Ltd. S and L Specialty Polymers Co., Ltd.Sekisui Plant (Thailand) Co., Ltd. なお、上記関係会社のうち ※( )書きの会社は、高機能プラスチックス事業についても、原材料及び製品の製造を行っている。 (高機能プラスチックス事業) 当事業部門においては、液晶用微粒子、感光性材料、半導体材料、光学フィルム、工業用テープ、合わせガラス用中間膜、発泡ポリオレフィン、車輌用樹脂・ラバー成型品、放熱材料(グリス・シート)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等複合材成型品、加飾シート、ポリビニルアルコール樹脂、ブロー容器、建設用資材、接着剤、包装用テープ、プラスチックコンテナ、樹脂畳「MIGUSA」、衛生材料等の製造、販売を行っている。[主な関係会社](原材料及び製品の製造)徳山積水工業㈱(製品の製造)積水武蔵化工㈱ 積水水口化工㈱ 積水多賀化工㈱ 奈積精密加工㈱(製品の販売)積水マテリアルソリューションズ㈱ Sekisui Alveo A.G. Sekisui Alveo G.m.b.H.Sekisui Alveo(Benelux)B.V. Sekisui Alveo S.A. Sekisui Alveo S.r.L. Sekisui Alveo(GB)Ltd.Sekisui Specialty Chemicals Mexico, S.de R.L.de C.V.※(Sekisui Chemical G.m.b.H. Sekisui Singapore Pte. Ltd. Sekisui Vietnam Co., Ltd.Sekisui Korea Co., Ltd. Sekisui Products, LLC. 積水(上海)国際貿易有限公司Sekisui(Hong Kong)Ltd. 台湾積水化学股份有限公司)(製品の製造・販売)積水ナノコートテクノロジー㈱ 積水テクノ成型㈱ 積水フーラー㈱ 積水ポリマテック㈱住化積水フィルム㈱ 積水成型工業㈱ 積水成型茨城㈱ 積水成型千葉㈱ 積水成型兵庫㈱ 積水成型出雲㈱Sekisui Voltek, LLC. Sekisui Alveo B.V. Sekisui Alveo BS G.m.b.H. 映甫化学㈱積水映甫高新材料(無錫)有限公司 Thai Sekisui Foam Co., Ltd.Sekisui Pilon Pty. Ltd. Sekisui S-Lec America, LLC. Sekisui S-Lec B.V. 積水中間膜(蘇州)有限公司Sekisui S-Lec (Thailand) Co., Ltd. Sekisui S-Lec Mexico S.A. de C.V.Sekisui Specialty Chemicals America, LLC. Sekisui Specialty Chemicals Europe, S.L.Sekisui DLJM Molding Private Limited 積水保力馬科技(上海)有限公司Sekisui Polymatech(Thailand)Co., Ltd. PT. Sekisui Polymatech IndonesiaSekisui Polymatech America, LLC. Sekisui Polymatech Europe B.V. Sekisui Aerospace CorporationAIM Group USA Inc. AIM Aerospace Renton, Inc. AIM Aerospace Sumner, Inc.Quatro Composites, LLC. SEKISUI KYDEX, LLC. なお、上記関係会社のうち ※( )書きの会社は、環境・ライフライン事業についても、各々販売を行っている。 (メディカル事業) 当事業部門においては、臨床検査薬、自動分析装置、採血管、医薬品原薬・中間体、創薬支援、酵素原料等の製造・販売を行っている。 [主な関係会社](製品の製造)積水医療科技(蘇州)有限公司(製品の販売)Sekisui Diagnostics G.m.b.H.(製品の製造・販売)積水メディカル㈱ Sekisui Diagnostics, LLC. Sekisui Diagnostics P.E.I. Inc.Sekisui Diagnostics (UK) Limited 積水医療科技(中国)有限公司 Veredus Laboratories Pte. Ltd.(その他事業) 当事業部門においては、フィルム型リチウムイオン電池及び上記4事業部門に含まれない製品の製造、販売及びサービスを行っている。[主な関係会社](製品の製造)積水LBテック㈱(製品の製造・販売)㈱プラスチック工学研究所 積水バイオリファイナリー㈱ 積水ソーラーフィルム㈱(サービス等)セキスイ保険サービス㈱ ㈱セキスイアカウンティングセンターSekisui Europe B.V. Sekisui America Corporation 積水化学(中国)有限公司Sekisui Southeast Asia Co., Ltd. その他主要な関連会社に、積水化成品工業㈱がある。[事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりである。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料価格高騰に対し、原価低減施策と製品付加価値向上、販売価格改定で対応。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
各事業部門で基礎研究や応用技術から新規事業開拓まで先端技術の研究・開発を進めている。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済動向および製品市況の変動 / 原材料の市況変動及び調達 / 為替・金利・保有資産価格の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

積水化学工業は、独自の高機能プラスチック技術や、住宅事業におけるブランド力「セキスイハイム」を有している。特に、環境配慮型製品や高機能フィルム分野での特許取得は競争優位の源泉となりうるが、化学業界全体で技術革新が速く、特許の陳腐化リスクも存在する。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

住宅事業においては、ブランド力と長年の実績から顧客のスイッチングコストは一定程度存在する。しかし、建材や化学品事業においては、顧客が代替品に切り替える際のコストは限定的であり、価格や性能が主な選択要因となる場合が多い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

積水化学工業の事業モデルは、直接的なネットワーク効果を生み出す性質のものではない。製品やサービスがユーザー数に応じて価値を高めるような構造は、主要事業には見られない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の生産ノウハウと規模の経済により、一部製品においてコスト競争力を有している。特に、汎用的な化学品や建材分野では、効率的な生産体制が強みとなる。しかし、原材料価格の変動や新興国メーカーの台頭により、コスト優位の維持には継続的な努力が必要。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

積水化学工業は、住宅、化学品、高機能プラスチックスの各分野で、日本国内およびグローバル市場において確固たる地位を築いている。特に住宅事業では国内トップクラスのシェアを誇り、化学品事業でも特定のニッチ市場で高いシェアを持つ。この規模は、研究開発投資や設備投資において有利に働く。

  • 多角的な事業ポートフォリオ
    積水化学工業は、住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックス、メディカルと多岐にわたる事業を展開しており、特定の市場変動リスクを分散しています。これにより、例えば住宅市場が低迷しても、他の事業で収益を補完できる可能性があります。
  • グローバルな事業展開
    日本だけでなく、北米、欧州、アジアなど世界20以上の国や地域に拠点を持ち、生産・販売活動を行っています。これにより、特定の地域経済の変動リスクを軽減し、多様な市場からの収益機会を獲得できる可能性があります。
  • 技術開発力と製品ラインナップ
    液晶用微粒子や半導体材料、高機能フィルム、医薬品原薬など、高い技術力を要する製品を多数手掛けています。これにより、競合他社との差別化を図り、高付加価値製品を提供することで、安定した収益を確保できる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。(1) 経営理念および行動準則 積水化学グループは、経営に対する理念を体系化している。企業活動の根底にある考え方や方針を示す「社是」、社是をうけて中長期で当社グループが目指す姿を示した「グループビジョン」、グループビジョンを実現していくための具体的な「経営戦略」により構成されている。 ①社是「3S精神」 当社の社章は、創業当時の社名「積水産業」の頭文字の「S」3つを化学記号ベンゼン環の中に配置して、「水」という文字をかたどったものである。1959年11月、当社は、このマークに「3S精神」という明確な定義づけを行い、社是として制定した。 「企業活動を通じて社会的価値を創造する(Service)」「積水を千仞の谿に決するスピードをもって市場を変革する(Speed)」「際立つ技術と品質で社会からの信頼を獲得する(Superiority)」の3S精神は、積水化学グループの理念体系の根幹をなすものであり、全社員の間で、しっかりと共有されている。<社是「3S精神」>・Service :企業活動を通じて社会的価値を創造する・Speed :積水を千仞の谿に決するスピードをもって市場を変革する・Superiority:際立つ技術と品質で社会からの信頼を獲得する ②グループビジョン 積水化学グループは、ステークホルダーの期待に応え、社会的価値を創造し、事業を通して社会に貢献することを目指している。 地球規模での人口増加や気候変動、先進国を中心とする高齢化、都市基盤の老朽化などに加え、これらすべてに関連する資源エネルギー問題がこれまで以上に喫緊な社会的課題になりつつある中、グループがこれまで蓄積してきた「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」の分野に関する経験・知見を活用して、これらの社会課題の解決に資する価値を創造し続けることを目指している。<グループビジョン>積水化学グループは、際立つ技術と品質により、「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」のフロンティアを開拓し続け、世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献します。 ③積水化学グループ企業行動指針 積水化学グループは、グループの役員・従業員が従うべき行動指針である「積水化学グループ企業行動指針」を定め、日々の事業活動を通じて社会的信頼を高め、より一層魅力ある会社を目指している。<企業行動指針>1 社会の発展に役立つ事業活動を行う。2 個人の能力を最大限に発揮し、活力ある組織をつくる。3 お客様・取引先・株主・地域など広く社会から信頼される企業をめざす。4 あらゆる企業活動において法およびその精神を遵守し、誠実に行動する。5 よき企業市民として、サステナブルな視点で地球環境問題と社会貢献に取り組む。 (2) グループビジョンを実現するための経営戦略 積水化学グループは、社是「3S精神」の下、グループビジョンに掲げる「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」を両輪として成長していくため、長期ビジョン「Vision 2030」、ならびに2026年度から2028年度までの3か年を対象期間とした中期経営計画「Accelerate 2028」を策定し、以下の取り組みを推進している。 ①長期ビジョン「Vision 2030」 長期ビジョン「Vision 2030」では、積水化学グループがイノベーションを起こし続けることにより、「サステナブルな社会の実現に向けてLIFEの基盤を支え『未来につづく安心』を創造していく」という強い意志を込めたビジョンステートメント「Innovation for the Earth」を掲げている。イノベーティブモビリティ、レジデンシャル、アドバンストライフライン、ライフサイエンスの4つの事業領域と、新規領域としてネクストフロンティアを設定し、「ESG経営を中心においた革新と創造」を戦略の軸にして現有事業の拡大と新領域への挑戦に取り組み、2030年の業容倍増を狙う。<ESG経営> 積水化学グループは、「サステナブルな社会の実現」と「当社グループの持続的な成長」の両立の実現を目指し、その鍵となる以下の3つのステップをステークホルダーとともに取り組んでいる。 イ)環境・CS品質・人材の「3つの際立ち」と「ガバナンス」の磨き上げ ロ)3つのアプローチ(量を増やす・質を高める・持続的に提供する)で社会課題解決を加速 ハ)4つの事業領域で「未来につづく安心」の創出・拡大 このESG経営を加速するため、当社グループ主要施策について中長期目標を定め、重大インシデントにつながるリスク軽減に向けた取り組みや、人的資本に始まる無形資本を増強することで、環境などの社会課題解決を進めていく。 ②中期経営計画「Accelerate 2028」<中期経営計画「Accelerate 2028」の全体像> 長期ビジョンの第3フェーズとなる中期経営計画「Accelerate 2028」では、積水化学グループの業容倍増に向け、“事業戦略”と“基盤強化”の両輪で、攻めのESG経営を実践し、長期ビジョンの実現に向け“一気に加速”することを基本方針とし、仕込み成果創出・稼ぐ力の継続強化と、ESG経営基盤の継続強化に取り組み、企業価値の向上を推進する。 <中期経営計画の数値目標> 2025年度(前中期実績)2028年度目標中期経営計画中期増分売上高13,093億円16,000億円+2,907億円営業利益(率)1,064億円(8.1%)1,500億円(9.4%)+435億円(+1.3%)親会社株主に帰属する当期純利益751億円1,020億円+268億円ROIC(投下資本利益率)7.6%8%以上+0.4%以上ROE(自己資本利益率)9.1%11.0%+1.9% EBITDA(利払い前・税引前・減価償却前利益)1,646億円2,260億円+613億円 <基本戦略> 中期経営計画「Accelerate 2028」の基本戦略は、攻めのESG経営を実践し持続的に企業価値を向上させていくために、長期ビジョンの第3フェーズとして“事業戦略”と“基盤強化”に取り組み、長期ビジョンの実現に向けて、成長を加速させることにある。 事業戦略(仕込み成果創出・稼ぐ力の継続強化) 戦略領域マップにもとづくサステナビリティ貢献製品の拡大と創出 基盤強化(ESG経営基盤の継続強化) 持続成長と仕込み成果創出へ貢献拡大 <投資・財務戦略> 中期経営計画「Accelerate 2028」の3年間に獲得するキャッシュに加え、適切かつ機動的な資金調達を行うため、投資枠7,000億円を設定する。設備投資枠(戦略投資+通常投資)として4,000億円、M&A投資枠として3,000億円をそれぞれ設定し、市場開拓に伴う増産投資や、M&Aによる技術やノウハウ、グローバルの販路獲得などに活用する。また、サステナビリティ貢献製品の継続的創出のための研究開発費は、1,550億円を設定している。 <株主還元> 中期経営計画「Accelerate 2028」では、株主の皆様への持続的かつ安定的な株主還元を強化することを表明するため、DOEを前中期経営計画の3%以上から、3.5%以上に変更することに加えて、累進配当(原則として減配せず、配当を維持もしくは増配を続ける配当政策)を導入する。連結配当性向は40%以上、総還元性向50%以上(ネットD/Eレシオ(負債資本倍率)が0.5以下の場合)とし、安定的な配当政策を継続する。 ③気候変動課題への取り組み 当社グループは、気候変動は大きな社会課題であると同時に、当社グループにとって大きなリスクであると認識し、その解決に積極的に取り組んできた。2018年、2℃目標ベースのGHG(Greenhouse Gas:二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガス)削減ロードマップをベースに化学業界初となるSBT認証(注)を取得したが、2022年にはマイルストーンの前倒し達成を受け、1.5℃目標ベースのロードマップへと見直し、SBT認証を再取得した。この目標とは2030年にGHG排出量削減率についてはScope1+2を2019年度比で50%減、Scope3を2019年度比30%減とするものである。これまでは老朽設備更新の促進などの「エネルギー消費革新」、購入電力の再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)転換や自家消費型太陽光発電設備の導入などの「エネルギー調達革新」を進めてきた。 現在は、燃料使用設備の電化や低炭素燃料への転換の促進、さらには「生産プロセス革新」による燃料由来GHG排出量の削減という技術的難易度の高い取り組みも進めており、中長期のGHG排出量削減目標の達成を目指す。(注)SBT(Science Based Targets)認証:企業が定めた温室効果ガス削減目標が、長期的な気候変動対策への貢献と科学的に整合していると、国連グローバル コンパクトをはじめとする共同イニシアチブにより認証されたもの。(注)1.Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス) 2.Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出 3.Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出) 2023年度から開始した中期経営計画において、最終年度である2025年度は以下の目標を目指して取り組みを進めた。脱炭素化 GHG排出量削減率(Scope1+2) △36%(基準年2019年度) 購入電力の再エネ比率 70% 2025年度のGHG排出量の削減については、電力の再エネ転換が進み計画どおり進捗した。また、グループ全体における購入電力の再エネ比率についても計画どおりに進捗した。 ④資源循環の実現に向けた対応 当社グループは2050年にサーキュラーエコノミーを実現し、持続可能な社会を目指す。この長期ゴール実現のために2020年度に下記の資源循環方針を定めた。 イ)資源循環に関するイノベーションを推進する ロ)事業活動で使用する非化石由来および再生材料の使用を拡大する ハ)ライフサイクルにおいて排出される廃棄物においてはマテリアルへの再資源化を最大化する 2023年度から開始した中期経営計画において、最終年度である2025年度は以下の目標を目指して取り組みを進めた。 再資源化の促進 廃プラスチックのマテリアルリサイクル率(国内)65% 2025年度は、工場から排出される廃プラスチックに対して、既存技術の活用によるマテリアルリサイクルの水平展開に加え、難リサイクル材に対しての新しいリサイクル技術の検討を進めた。今後は実装に向けて検討を進める。 さらに、真のサーキュラーエコノミーの実現をめざし、使用する原料について、再生可能もしくはバイオマス由来の原料など循環可能な資源に転換する取り組みも加速する。 ⑤サステナビリティ貢献製品による「持続可能な開発目標(SDGs)」への貢献 気候変動などの社会課題が深刻化し、企業に対しては持続可能な社会の実現への貢献を求める声が高まっている。積水化学グループにおいても、さまざまな製品や事業を通じて、2030年までに世界が成し遂げるべき「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けた企業活動を推進している。 このSDGs達成を後押しするのがサステナビリティ貢献製品である。自動車向け遮音・遮熱中間膜や太陽光発電システム搭載住宅、管路更生SPR工法といった、SDGsをはじめとする自然環境および社会環境における課題解決への貢献度が高い製品をサステナビリティ貢献製品と認定している。「サステナブルな社会の実現に向けて、LIFEの基盤を支え『未来につづく安心』を創造する」企業として、サステナビリティ貢献製品の創出と市場における拡大を通じ、SDGsをはじめとする社会課題解決への貢献と企業としての更なる成長を目指す。このことはサステナビリティ貢献製品の売上高の伸長をモニタリングすることで確認している。 SDGsにおいて、気候変動や資源循環の課題を解決し、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現を加速するため、2025年度にこれら2つの課題解決を念頭に置いた環境配慮設計指針を策定し、2026年2月に公開している。本指針では、2050年に向けて①製品ライフサイクルにおけるエネルギーや資源の削減、②使用するエネルギーや原料を再生可能なものや低炭素なものへ転換しながら、③カーボンフットプリント(CFP)を認識し、 2050年には低炭素かつ循環可能な製品100%(包装資材含む)を目指すことを宣言している。 また、2026年度以降は、新規製品の開発や既存製品の設計変更などにおいて本指針の実質的な運用を図るべく、制度構築・整備および社内への浸透を進めていく予定である。 今後のサステナビリティ貢献製品としては、フィルム型のペロブスカイト太陽電池やCO2固定化技術などの開発を進めており、現在は社会実装に向けた実証やスケールアップなどを行っている段階である。これらはいずれも環境配慮設計指針を満たす当社グループの新しい事業とすべく、検討を進めている。 ⑥人的資本経営の取り組み 当社グループは人材理念に「従業員は社会からお預かりした貴重な財産である」と定め、人的資本を企業価値向上の源泉と位置づけている。長期ビジョンの実現、ならびに全員が挑戦したくなる活力ある会社の実現に向け、2023年度から2025年度までの中期経営計画では、「挑戦する風土の醸成」「適所適材の実現」「ダイバーシティの実現」を人事戦略に掲げていた。役割軸の人事制度や挑戦の促進など、人材マネジメントの転換に向けて各種施策を展開し、従業員のキャリア拡大支援、ならびにグループ各社の人員確保(労働条件の改善、人員の補強、働く環境の整備)を意図して、人的資本への投資に積極的に取り組んだ。 イ)挑戦する風土の醸成重点KPI:挑戦行動発現度。“挑戦の場づくり”としては、人材公募などを通じてチャレンジ機会を提供するとともに、“挑戦の後押し”としては、挑戦風土の醸成やキャリア自律を促進している。ロ)適所適材の実現重点KPI:後継者候補準備率。“次代を担うリーダー育成”としては、全社をあげて後継者候補の認定・登用および計画的育成に取り組むとともに、“際立つプロ人材確保”としては、高度専門人材の確保および事業ニーズに即したリスキルを実施している。ハ)ダイバーシティの実現重点KPI:定着率。“多様な人材の活躍”としては、多様な人材の雇用と定着促進、DEI(Diversity・多様性、Equity・公平性、Inclusion・包括性)の推進および両立支援、“活力あふれる環境づくり”としては、働き方改革ならびに健康経営を推進している。このような人事戦略のさまざまな取り組みが評価され、「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」に選定ならびに、「プラチナくるみん」「健康経営優良法人ホワイト500」に認定された。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題2026年度目標連結売上高 14,084億円親会社株主に帰属する当期純利益 760億円連結営業利益 1,150億円ROE(自己資本利益率)9.0% 2026年度は、中期経営計画「Accelerate 2028」の初年度として、引き続き稼ぐ力を強化し、資本効率の向上に取り組む。 先行き不透明な市場環境が継続する中、社会課題解決に資する高付加価値事業・製品販売の拡大、スプレッドの維持に努め、すべてのセグメントで増収増益し、全社での過去最高売上高、営業最高益の更新を目指す。 また、フィルム型ペロブスカイト太陽電池事業においては、1メートル幅での製造技術や金属屋根を対象とした設置仕様を確立したことから、事業化(製品提供)を開始した。2027年度の100MW生産ライン立ち上げによる供給量拡大を最優先事項として取り組んでいく。 なお、中東情勢の悪化による原材料調達の影響については、状況を注視しつつ、必要量の確保に努めるとともに、調達先の分散や代替品等のヘッジ策を進めていく。また、価格上昇に対しては、販売価格への速やかな転嫁等により、影響の最小化を図っていく。 <住宅カンパニー> 2026年度は、住宅事業の新商品投入による商品ラインアップ強化、リフォーム事業の商材メニュー強化と外販受注の拡大、レジデンシャル事業の賃貸管理戸数の増大等により、増収増益を目指す。 住宅事業では、商品ラインアップ強化による売上棟数の増加により増収を狙う。受注については、都市部では、引き続き集合住宅と高価格帯戸建の受注拡大を狙い、地方部では、新商品投入と各エリアのニーズに応じた販売戦略を推進し、金額の増加と棟数の回復を図る。 リフォーム事業では、断熱リフォームを中心とした商材メニューの強化と営業体制強化による外販受注の拡大により増収を狙う。 レジデンシャル事業では、引き続き賃貸管理戸数の増大と買取再販の拡大に注力するとともに、マンション竣工物件の確実な引渡しにより増収を狙う。 <環境・ライフラインカンパニー> 2026年度は、人的資本投資や能力増強等により固定費が増加するが、引き続き合成木材(FFU)まくらぎ、管路更生、塩素化塩ビ(CPVC)樹脂を中心とした海外売上高の増加と重点拡大製品の拡販、スプレッド確保の継続により増収増益を図り、5期連続の最高益更新を目指す。 パイプ・システムズ分野では、引き続き重点拡大製品の拡販、スプレッド確保、塩素化塩ビ(CPVC)樹脂の新製品拡販および販売エリア拡大に注力する。 住・インフラ複合材分野では、耐火・不燃材料の用途拡大による拡販を加速させる。また合成木材(FFU)まくらぎは、順調に採用が拡大している欧州に加え、米国での拡大にも注力する。 インフラ・リニューアル分野では、管路更生においては、国内下水道の全国重点調査を受けて発現する物件の獲得、海外でのマーケティング強化による受注拡大に取り組む。また給水用パネルタンクの拡販と更新需要の獲得に注力する。 <高機能プラスチックスカンパニー> 2026年度は、モビリティ分野を中心に、すべての分野で売上高拡大を図る。事業拡大に向けた開発等、成長戦略に関わる費用増はあるが 、カンパニー全体では増収、大幅増益、最高益更新を目指す。 エレクトロニクス分野では、半導体市況やディスプレイ市況が引き続き堅調に推移すると想定しており、旺盛な半導体市場を中心に、新規顧客の開拓及び新用途の獲得に注力する。 モビリティ分野では、ヘッドアップディスプレイ用を中心とした高機能中間膜の拡販や、回復基調にある航空機関連需要を取り込むとともに、引き続きドローンを始めとした新分野開拓を推進する。 インダストリアル分野では、成長領域と定めている省力化製品や環境対応製品の拡販を継続する。 <メディカル事業> 2026年度は、検査国内および医療事業での新規案件獲得に注力するとともに、厳しい市況が継続すると見込む検査海外での収益性改善を引き続き推進することによって、増収増益を目指す。 (4) 株主との建設的な対話に関する基本方針 持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、株主との対話を行うことは極めて重要である。当社は、社長および経営戦略部担当取締役を中心に、株主総会はもとより四半期毎の決算説明会や国内外の投資家面談などを積極的に行い、株主との建設的な対話に努めている。 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、株主との建設的な対話に関して、以下の基本方針を定めている。①中長期的経営戦略の立案およびIRを統括する経営戦略部担当取締役を責任者と定め、投資家との間で建設的な対話を実現するための体制整備・取り組みを行う。②経営戦略部担当取締役は、各カンパニー、経理部、財務部、法務部、コーポレートコミュニケーション部、ESG 経営推進部その他関係部署を中心に、インサイダー情報の漏洩に留意しつつ、対話を補助する部門間での情報共 有を確実に行うなど有機的な連携を確保する。③株主との建設的な対話を促進するため、株主構造の把握に努め、また対話の手段として、以下の取り組みを実施し、対話の充実に努める。 イ)社長や経営戦略部担当取締役などによる四半期毎の決算説明会の実施 ロ)国内外投資家との個別面談の実施 ハ)事業説明会や株主向け工場等施設見学会などの適宜実施 ニ)当社ウェブサイトにおける国内外投資家へ向けた情報開示の充実(統合報告書、各種IR説明会資料およびオンデマンド配信、参考資料の掲載など) ホ)当社ウェブサイトにおける意見投稿機会の確保④経営戦略部担当取締役は「企業情報開示規則」に則り、対話によって得られた投資家の意見などを取りまとめ、適時適切に取締役会などで共有し、経営に活かす。⑤「企業情報開示規則」および「インサイダー取引規制規則」に則り、情報管理を強化していく。株主との対話においても細心の注意を払う。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。(1) 経営理念および行動準則 積水化学グループは、経営に対する理念を体系化している。企業活動の根底にある考え方や方針を示す「社是」、社是をうけて中長期で当社グループが目指す姿を示した「グループビジョン」、グループビジョンを実現していくための具体的な「経営戦略」により構成されている。 ①社是「3S精神」 当社の社章は、創業当時の社名「積水産業」の頭文字の「S」3つを化学記号ベンゼン環の中に配置して、「水」という文字をかたどったものである。1959年11月、当社は、このマークに「3S精神」という明確な定義づけを行い、社是として制定した。 「企業活動を通じて社会的価値を創造する(Service)」「積水を千仞の谿に決するスピードをもって市場を変革する(Speed)」「際立つ技術と品質で社会からの信頼を獲得する(Superiority)」の3S精神は、積水化学グループの理念体系の根幹をなすものであり、全社員の間で、しっかりと共有されている。<社是「3S精神」>・Service :企業活動を通じて社会的価値を創造する・Speed :積水を千仞の谿に決するスピードをもって市場を変革する・Superiority:際立つ技術と品質で社会からの信頼を獲得する ②グループビジョン 積水化学グループは、ステークホルダーの期待に応え、社会的価値を創造し、事業を通して社会に貢献することを目指している。 地球規模での人口増加や気候変動、先進国を中心とする高齢化、都市基盤の老朽化などに加え、これらすべてに関連する資源エネルギー問題がこれまで以上に喫緊な社会的課題になりつつある中、グループがこれまで蓄積してきた「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」の分野に関する経験・知見を活用して、これらの社会課題の解決に資する価値を創造し続けることを目指している。<グループビジョン>積水化学グループは、際立つ技術と品質により、「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」のフロンティアを開拓し続け、世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献します。 ③積水化学グループ企業行動指針 積水化学グループは、グループの役員・従業員が従うべき行動指針である「積水化学グループ企業行動指針」を定め、日々の事業活動を通じて社会的信頼を高め、より一層魅力ある会社を目指している。<企業行動指針>1 社会の発展に役立つ事業活動を行う。2 個人の能力を最大限に発揮し、活力ある組織をつくる。3 お客様・取引先・株主・地域など広く社会から信頼される企業をめざす。4 あらゆる企業活動において法およびその精神を遵守し、誠実に行動する。5 よき企業市民として、サステナブルな視点で地球環境問題と社会貢献に取り組む。 (2) グループビジョンを実現するための経営戦略 積水化学グループは、社是「3S精神」の下、グループビジョンに掲げる「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」を両輪として成長していくため、長期ビジョン「Vision 2030」、ならびに2026年度から2028年度までの3か年を対象期間とした中期経営計画「Accelerate 2028」を策定し、以下の取り組みを推進している。 ①長期ビジョン「Vision 2030」 長期ビジョン「Vision 2030」では、積水化学グループがイノベーションを起こし続けることにより、「サステナブルな社会の実現に向けてLIFEの基盤を支え『未来につづく安心』を創造していく」という強い意志を込めたビジョンステートメント「Innovation for the Earth」を掲げている。イノベーティブモビリティ、レジデンシャル、アドバンストライフライン、ライフサイエンスの4つの事業領域と、新規領域としてネクストフロンティアを設定し、「ESG経営を中心においた革新と創造」を戦略の軸にして現有事業の拡大と新領域への挑戦に取り組み、2030年の業容倍増を狙う。<ESG経営> 積水化学グループは、「サステナブルな社会の実現」と「当社グループの持続的な成長」の両立の実現を目指し、その鍵となる以下の3つのステップをステークホルダーとともに取り組んでいる。 イ)環境・CS品質・人材の「3つの際立ち」と「ガバナンス」の磨き上げ ロ)3つのアプローチ(量を増やす・質を高める・持続的に提供する)で社会課題解決を加速 ハ)4つの事業領域で「未来につづく安心」の創出・拡大 このESG経営を加速するため、当社グループ主要施策について中長期目標を定め、重大インシデントにつながるリスク軽減に向けた取り組みや、人的資本に始まる無形資本を増強することで、環境などの社会課題解決を進めていく。 ②中期経営計画「Accelerate 2028」<中期経営計画「Accelerate 2028」の全体像> 長期ビジョンの第3フェーズとなる中期経営計画「Accelerate 2028」では、積水化学グループの業容倍増に向け、“事業戦略”と“基盤強化”の両輪で、攻めのESG経営を実践し、長期ビジョンの実現に向け“一気に加速”することを基本方針とし、仕込み成果創出・稼ぐ力の継続強化と、ESG経営基盤の継続強化に取り組み、企業価値の向上を推進する。 <中期経営計画の数値目標> 2025年度(前中期実績)2028年度目標中期経営計画中期増分売上高13,093億円16,000億円+2,907億円営業利益(率)1,064億円(8.1%)1,500億円(9.4%)+435億円(+1.3%)親会社株主に帰属する当期純利益751億円1,020億円+268億円ROIC(投下資本利益率)7.6%8%以上+0.4%以上ROE(自己資本利益率)9.1%11.0%+1.9% EBITDA(利払い前・税引前・減価償却前利益)1,646億円2,260億円+613億円 <基本戦略> 中期経営計画「Accelerate 2028」の基本戦略は、攻めのESG経営を実践し持続的に企業価値を向上させていくために、長期ビジョンの第3フェーズとして“事業戦略”と“基盤強化”に取り組み、長期ビジョンの実現に向けて、成長を加速させることにある。 事業戦略(仕込み成果創出・稼ぐ力の継続強化) 戦略領域マップにもとづくサステナビリティ貢献製品の拡大と創出 基盤強化(ESG経営基盤の継続強化) 持続成長と仕込み成果創出へ貢献拡大 <投資・財務戦略> 中期経営計画「Accelerate 2028」の3年間に獲得するキャッシュに加え、適切かつ機動的な資金調達を行うため、投資枠7,000億円を設定する。設備投資枠(戦略投資+通常投資)として4,000億円、M&A投資枠として3,000億円をそれぞれ設定し、市場開拓に伴う増産投資や、M&Aによる技術やノウハウ、グローバルの販路獲得などに活用する。また、サステナビリティ貢献製品の継続的創出のための研究開発費は、1,550億円を設定している。 <株主還元> 中期経営計画「Accelerate 2028」では、株主の皆様への持続的かつ安定的な株主還元を強化することを表明するため、DOEを前中期経営計画の3%以上から、3.5%以上に変更することに加えて、累進配当(原則として減配せず、配当を維持もしくは増配を続ける配当政策)を導入する。連結配当性向は40%以上、総還元性向50%以上(ネットD/Eレシオ(負債資本倍率)が0.5以下の場合)とし、安定的な配当政策を継続する。 ③気候変動課題への取り組み 当社グループは、気候変動は大きな社会課題であると同時に、当社グループにとって大きなリスクであると認識し、その解決に積極的に取り組んできた。2018年、2℃目標ベースのGHG(Greenhouse Gas:二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガス)削減ロードマップをベースに化学業界初となるSBT認証(注)を取得したが、2022年にはマイルストーンの前倒し達成を受け、1.5℃目標ベースのロードマップへと見直し、SBT認証を再取得した。この目標とは2030年にGHG排出量削減率についてはScope1+2を2019年度比で50%減、Scope3を2019年度比30%減とするものである。これまでは老朽設備更新の促進などの「エネルギー消費革新」、購入電力の再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)転換や自家消費型太陽光発電設備の導入などの「エネルギー調達革新」を進めてきた。 現在は、燃料使用設備の電化や低炭素燃料への転換の促進、さらには「生産プロセス革新」による燃料由来GHG排出量の削減という技術的難易度の高い取り組みも進めており、中長期のGHG排出量削減目標の達成を目指す。(注)SBT(Science Based Targets)認証:企業が定めた温室効果ガス削減目標が、長期的な気候変動対策への貢献と科学的に整合していると、国連グローバル コンパクトをはじめとする共同イニシアチブにより認証されたもの。(注)1.Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス) 2.Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出 3.Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出) 2023年度から開始した中期経営計画において、最終年度である2025年度は以下の目標を目指して取り組みを進めた。脱炭素化 GHG排出量削減率(Scope1+2) △36%(基準年2019年度) 購入電力の再エネ比率 70% 2025年度のGHG排出量の削減については、電力の再エネ転換が進み計画どおり進捗した。また、グループ全体における購入電力の再エネ比率についても計画どおりに進捗した。 ④資源循環の実現に向けた対応 当社グループは2050年にサーキュラーエコノミーを実現し、持続可能な社会を目指す。この長期ゴール実現のために2020年度に下記の資源循環方針を定めた。 イ)資源循環に関するイノベーションを推進する ロ)事業活動で使用する非化石由来および再生材料の使用を拡大する ハ)ライフサイクルにおいて排出される廃棄物においてはマテリアルへの再資源化を最大化する 2023年度から開始した中期経営計画において、最終年度である2025年度は以下の目標を目指して取り組みを進めた。 再資源化の促進 廃プラスチックのマテリアルリサイクル率(国内)65% 2025年度は、工場から排出される廃プラスチックに対して、既存技術の活用によるマテリアルリサイクルの水平展開に加え、難リサイクル材に対しての新しいリサイクル技術の検討を進めた。今後は実装に向けて検討を進める。 さらに、真のサーキュラーエコノミーの実現をめざし、使用する原料について、再生可能もしくはバイオマス由来の原料など循環可能な資源に転換する取り組みも加速する。 ⑤サステナビリティ貢献製品による「持続可能な開発目標(SDGs)」への貢献 気候変動などの社会課題が深刻化し、企業に対しては持続可能な社会の実現への貢献を求める声が高まっている。積水化学グループにおいても、さまざまな製品や事業を通じて、2030年までに世界が成し遂げるべき「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けた企業活動を推進している。 このSDGs達成を後押しするのがサステナビリティ貢献製品である。自動車向け遮音・遮熱中間膜や太陽光発電システム搭載住宅、管路更生SPR工法といった、SDGsをはじめとする自然環境および社会環境における課題解決への貢献度が高い製品をサステナビリティ貢献製品と認定している。「サステナブルな社会の実現に向けて、LIFEの基盤を支え『未来につづく安心』を創造する」企業として、サステナビリティ貢献製品の創出と市場における拡大を通じ、SDGsをはじめとする社会課題解決への貢献と企業としての更なる成長を目指す。このことはサステナビリティ貢献製品の売上高の伸長をモニタリングすることで確認している。 SDGsにおいて、気候変動や資源循環の課題を解決し、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現を加速するため、2025年度にこれら2つの課題解決を念頭に置いた環境配慮設計指針を策定し、2026年2月に公開している。本指針では、2050年に向けて①製品ライフサイクルにおけるエネルギーや資源の削減、②使用するエネルギーや原料を再生可能なものや低炭素なものへ転換しながら、③カーボンフットプリント(CFP)を認識し、 2050年には低炭素かつ循環可能な製品100%(包装資材含む)を目指すことを宣言している。 また、2026年度以降は、新規製品の開発や既存製品の設計変更などにおいて本指針の実質的な運用を図るべく、制度構築・整備および社内への浸透を進めていく予定である。 今後のサステナビリティ貢献製品としては、フィルム型のペロブスカイト太陽電池やCO2固定化技術などの開発を進めており、現在は社会実装に向けた実証やスケールアップなどを行っている段階である。これらはいずれも環境配慮設計指針を満たす当社グループの新しい事業とすべく、検討を進めている。 ⑥人的資本経営の取り組み 当社グループは人材理念に「従業員は社会からお預かりした貴重な財産である」と定め、人的資本を企業価値向上の源泉と位置づけている。長期ビジョンの実現、ならびに全員が挑戦したくなる活力ある会社の実現に向け、2023年度から2025年度までの中期経営計画では、「挑戦する風土の醸成」「適所適材の実現」「ダイバーシティの実現」を人事戦略に掲げていた。役割軸の人事制度や挑戦の促進など、人材マネジメントの転換に向けて各種施策を展開し、従業員のキャリア拡大支援、ならびにグループ各社の人員確保(労働条件の改善、人員の補強、働く環境の整備)を意図して、人的資本への投資に積極的に取り組んだ。 イ)挑戦する風土の醸成重点KPI:挑戦行動発現度。“挑戦の場づくり”としては、人材公募などを通じてチャレンジ機会を提供するとともに、“挑戦の後押し”としては、挑戦風土の醸成やキャリア自律を促進している。ロ)適所適材の実現重点KPI:後継者候補準備率。“次代を担うリーダー育成”としては、全社をあげて後継者候補の認定・登用および計画的育成に取り組むとともに、“際立つプロ人材確保”としては、高度専門人材の確保および事業ニーズに即したリスキルを実施している。ハ)ダイバーシティの実現重点KPI:定着率。“多様な人材の活躍”としては、多様な人材の雇用と定着促進、DEI(Diversity・多様性、Equity・公平性、Inclusion・包括性)の推進および両立支援、“活力あふれる環境づくり”としては、働き方改革ならびに健康経営を推進している。このような人事戦略のさまざまな取り組みが評価され、「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」に選定ならびに、「プラチナくるみん」「健康経営優良法人ホワイト500」に認定された。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題2026年度目標連結売上高 14,084億円親会社株主に帰属する当期純利益 760億円連結営業利益 1,150億円ROE(自己資本利益率)9.0% 2026年度は、中期経営計画「Accelerate 2028」の初年度として、引き続き稼ぐ力を強化し、資本効率の向上に取り組む。 先行き不透明な市場環境が継続する中、社会課題解決に資する高付加価値事業・製品販売の拡大、スプレッドの維持に努め、すべてのセグメントで増収増益し、全社での過去最高売上高、営業最高益の更新を目指す。 また、フィルム型ペロブスカイト太陽電池事業においては、1メートル幅での製造技術や金属屋根を対象とした設置仕様を確立したことから、事業化(製品提供)を開始した。2027年度の100MW生産ライン立ち上げによる供給量拡大を最優先事項として取り組んでいく。 なお、中東情勢の悪化による原材料調達の影響については、状況を注視しつつ、必要量の確保に努めるとともに、調達先の分散や代替品等のヘッジ策を進めていく。また、価格上昇に対しては、販売価格への速やかな転嫁等により、影響の最小化を図っていく。 <住宅カンパニー> 2026年度は、住宅事業の新商品投入による商品ラインアップ強化、リフォーム事業の商材メニュー強化と外販受注の拡大、レジデンシャル事業の賃貸管理戸数の増大等により、増収増益を目指す。 住宅事業では、商品ラインアップ強化による売上棟数の増加により増収を狙う。受注については、都市部では、引き続き集合住宅と高価格帯戸建の受注拡大を狙い、地方部では、新商品投入と各エリアのニーズに応じた販売戦略を推進し、金額の増加と棟数の回復を図る。 リフォーム事業では、断熱リフォームを中心とした商材メニューの強化と営業体制強化による外販受注の拡大により増収を狙う。 レジデンシャル事業では、引き続き賃貸管理戸数の増大と買取再販の拡大に注力するとともに、マンション竣工物件の確実な引渡しにより増収を狙う。 <環境・ライフラインカンパニー> 2026年度は、人的資本投資や能力増強等により固定費が増加するが、引き続き合成木材(FFU)まくらぎ、管路更生、塩素化塩ビ(CPVC)樹脂を中心とした海外売上高の増加と重点拡大製品の拡販、スプレッド確保の継続により増収増益を図り、5期連続の最高益更新を目指す。 パイプ・システムズ分野では、引き続き重点拡大製品の拡販、スプレッド確保、塩素化塩ビ(CPVC)樹脂の新製品拡販および販売エリア拡大に注力する。 住・インフラ複合材分野では、耐火・不燃材料の用途拡大による拡販を加速させる。また合成木材(FFU)まくらぎは、順調に採用が拡大している欧州に加え、米国での拡大にも注力する。 インフラ・リニューアル分野では、管路更生においては、国内下水道の全国重点調査を受けて発現する物件の獲得、海外でのマーケティング強化による受注拡大に取り組む。また給水用パネルタンクの拡販と更新需要の獲得に注力する。 <高機能プラスチックスカンパニー> 2026年度は、モビリティ分野を中心に、すべての分野で売上高拡大を図る。事業拡大に向けた開発等、成長戦略に関わる費用増はあるが 、カンパニー全体では増収、大幅増益、最高益更新を目指す。 エレクトロニクス分野では、半導体市況やディスプレイ市況が引き続き堅調に推移すると想定しており、旺盛な半導体市場を中心に、新規顧客の開拓及び新用途の獲得に注力する。 モビリティ分野では、ヘッドアップディスプレイ用を中心とした高機能中間膜の拡販や、回復基調にある航空機関連需要を取り込むとともに、引き続きドローンを始めとした新分野開拓を推進する。 インダストリアル分野では、成長領域と定めている省力化製品や環境対応製品の拡販を継続する。 <メディカル事業> 2026年度は、検査国内および医療事業での新規案件獲得に注力するとともに、厳しい市況が継続すると見込む検査海外での収益性改善を引き続き推進することによって、増収増益を目指す。 (4) 株主との建設的な対話に関する基本方針 持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、株主との対話を行うことは極めて重要である。当社は、社長および経営戦略部担当取締役を中心に、株主総会はもとより四半期毎の決算説明会や国内外の投資家面談などを積極的に行い、株主との建設的な対話に努めている。 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、株主との建設的な対話に関して、以下の基本方針を定めている。①中長期的経営戦略の立案およびIRを統括する経営戦略部担当取締役を責任者と定め、投資家との間で建設的な対話を実現するための体制整備・取り組みを行う。②経営戦略部担当取締役は、各カンパニー、経理部、財務部、法務部、コーポレートコミュニケーション部、ESG 経営推進部その他関係部署を中心に、インサイダー情報の漏洩に留意しつつ、対話を補助する部門間での情報共 有を確実に行うなど有機的な連携を確保する。③株主との建設的な対話を促進するため、株主構造の把握に努め、また対話の手段として、以下の取り組みを実施し、対話の充実に努める。 イ)社長や経営戦略部担当取締役などによる四半期毎の決算説明会の実施 ロ)国内外投資家との個別面談の実施 ハ)事業説明会や株主向け工場等施設見学会などの適宜実施 ニ)当社ウェブサイトにおける国内外投資家へ向けた情報開示の充実(統合報告書、各種IR説明会資料およびオンデマンド配信、参考資料の掲載など) ホ)当社ウェブサイトにおける意見投稿機会の確保④経営戦略部担当取締役は「企業情報開示規則」に則り、対話によって得られた投資家の意見などを取りまとめ、適時適切に取締役会などで共有し、経営に活かす。⑤「企業情報開示規則」および「インサイダー取引規制規則」に則り、情報管理を強化していく。株主との対話においても細心の注意を払う。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。① 財政状態及び経営成績の状況 2025年度は積水化学グループの長期ビジョン「Vision 2030」に基づき策定した、中期経営計画「Drive 2.0」の最終年度として、国内住宅・非住宅市況の低迷が継続した一方で、半導体、航空機の市況が堅調に推移し、売上高は過去最高を更新した。 また、住宅事業を始めとする高付加価値品へのシフトは進捗したが、EV市場の伸長鈍化や、海外における重点感染症検査キットの需要減等の影響により、営業利益は減益となった。経常利益は主に為替差益により増益し、過去最高を更新した。当期純利益は主に減損損失計上の影響により減益となった。 その結果、売上高は前連結会計年度比0.9%増の1,309,281百万円、営業利益は1.4%減の106,477百万円、経常利益は5.6%増の117,215百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は8.2%減の75,174百万円となった。 セグメントごとの経営成績は次のとおりである。 イ)住宅事業 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比2.3%増の536,230百万円、営業利益は前連結会計年度比17.9%増の37,150百万円となった。当連結会計年度は、新築住宅市況の低迷により住宅事業の売上棟数が減少したが、構成良化による棟単価上昇とリフォーム事業の伸長により、売上高は前期をやや上回り、増収となった。また、営業利益は増益となった。 住宅事業では、集合住宅と高価格帯戸建の拡大による棟単価上昇が大きく貢献し、売上高は前期を上回った。住宅ローン金利上昇や、物価上昇等の影響により地方部での受注回復が鈍く、受注棟数は前期を下回ったものの、都市部での需要が堅調に推移したため、受注金額は前期を上回った。 リフォーム事業では、営業力強化と定期診断の充実により受注金額が拡大し、売上高は前期を上回った。 レジデンシャル事業では、賃貸管理戸数の増大と買取再販の伸長に加え、新規連結効果もあり売上高は前期を上回った。 ロ)環境・ライフライン事業 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比0.0%減の240,401百万円、営業利益は前連結会計年度比1.3%増の23,247百万円となった。当連結会計年度は、国内住宅・非住宅市況の低迷が継続したことによる影響を受けたが、国内事業を中心としたスプレッド維持等によりカバーし、売上高は前年度と概ね同額、営業利益は4期連続で過去最高益を更新した。 パイプ・システムズ分野では、国内非住宅市場の工期長期化により販売数量が減少し、また、インド市場低迷が継続したことにより塩素化塩ビ(CPVC)樹脂が影響を受け、分野全体の売上高は前期を下回った。 住・インフラ複合材分野では、耐火・不燃材料の新規採用および新製品拡販が順調に進捗し、また合成木材(FFU)まくらぎが欧州を中心に採用拡大した結果、分野全体の売上高は前期を上回った。 インフラ・リニューアル分野では、管路更生については、国内下水道の全国重点調査による更新需要が徐々に発現し始めたほか、海外でも順調に受注が拡大した。また、工場設備の大型物件受注も順調に進んだことから、分野全体の売上高は前期を上回った。 ハ)高機能プラスチックス事業 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比2.1%増の456,575百万円、営業利益は前連結会計年度比3.1%減の59,325百万円となった。当連結会計年度は、モビリティ分野における高機能中間膜の着実な伸長等により、売上高は増収となったが、一時費用の影響を受け、営業利益は減益となった。 エレクトロニクス分野では、引き続き旺盛な半導体市況ならびにディスプレイ市況を背景とした需要の取り込みや、新規獲得が順調に進捗したことにより、売上高は前期を上回った。 モビリティ分野では、ヘッドアップディスプレイ用中間膜の伸長や、航空機関連需要の取り込み、ドローン等の新規分野の拡大により、売上高は前期を上回った。 インダストリアル分野では、省力化・環境対応製品が伸長し、センサー、ケアマテリアル関連製品の新規獲得が進捗したものの、欧州や日本での建築・消費財需要の低迷等を受け、売上高は前期を下回った。 ニ)メディカル事業 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比5.5%減の93,721百万円、営業利益は前連結会計年度比13.0%減の11,130百万円となった。当連結会計年度は、医療事業は堅調に推移したが、米国における重点感染症検査キットの需要減、ならびに中国での市況低迷の影響を受け、検査海外が苦戦したため、減収減益となった。 ホ)その他事業 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比2.8%増の7,767百万円、営業損失は前連結会計年度比1,120百万円増の12,710百万円となった。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より28,451百万円減少し、当連結会計年度末には92,444百万円となった。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりである。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は78,301百万円(前連結会計年度は119,231百万円の増加)となった。これは、主に税金等調整前当期純利益105,023百万円、減価償却費56,872百万円、減損損失23,302百万円等の増加要因が、法人税等の支払額35,898百万円、棚卸資産の増加額19,609百万円、投資有価証券売却益14,747百万円、仕入債務の減少額12,250百万円等の減少要因を上回ったためである。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は69,103百万円(前連結会計年度は61,508百万円の減少)となった。これは、主に重点及び成長分野を中心とした有形固定資産の取得による支出100,781百万円、無形固定資産の取得による支出12,806百万円等の減少要因が、補助金の受取額21,489百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入17,063百万円等の増加要因を上回ったためである。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動の結果減少した資金は46,546百万円(前連結会計年度は61,200百万円の減少)となった。これは、主に自己株式の取得による支出36,413百万円、配当金の支払額35,578百万円(非支配株主への配当金の支払額を含む)等の減少要因が、社債の発行による収入19,939百万円等の増加要因を上回ったためである。 ③ 生産、受注及び販売の状況イ)生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)住宅578,4548.0環境・ライフライン241,4450.6高機能プラスチックス463,2282.0メディカル90,583△ 14.1報告セグメント計1,373,7112.9その他7,33718.9合計1,381,0492.9 (注)金額は販売価格による概算値であり、セグメント間の内部振替前の数値によっている。 ロ)受注状況 当連結会計年度における住宅事業の受注状況を示すと、次のとおりである。なお、住宅事業を除くセグメントで取扱う製品については、主として見込生産を行っている。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)住宅463,6931.8185,9160.4 ハ)販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)住宅535,9442.3環境・ライフライン225,061△ 1.0高機能プラスチックス451,7222.1メディカル93,721△ 5.5報告セグメント計1,306,4491.1その他2,831△ 42.2合計1,309,2810.9 (注)セグメント間の取引については相殺消去している。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (財政状態) 当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末から97,146百万円増加し、1,427,933百万円となった。イ)資産 流動資産については、前連結会計年度末より18,593百万円増加し、721,698百万円となった。主な要因は、棚卸資産が40,097百万円、前渡金が12,319百万円、受取手形、売掛金の営業債権が7,709百万円増加した一方、現金及び預金が45,393百万円減少したためである。 また、固定資産については、78,553百万円増加し、706,235百万円となった。ロ)負債 支払手形、電子記録債務、買掛金の仕入債務が2,179百万円、前受金が1,544百万円減少した一方、短期借入金が17,660百万円増加、社債の発行20,000百万円等により負債合計が51,387百万円増加し、546,807百万円となった。ハ)純資産 当連結会計年度末の純資産は45,759百万円増加し、881,125百万円となった。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上75,174百万円、配当金の支払34,182百万円、自己株式の取得による減少36,751百万円、その他有価証券評価差額金の減少3,675百万円、為替換算調整勘定の増加29,870百万円及び退職給付に係る調整累計額の増加12,663百万円である。 (経営成績)イ)売上高及び営業利益 当連結会計年度の売上高は1,309,281百万円(前連結会計年度比+0.9%、11,526百万円増)となった。 また、当連結会計年度の営業利益は106,477百万円(前連結会計年度比△1.4%、1,473百万円減)となった。 なお、売上高及び営業利益の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載している。ロ)営業外損益 営業外収益については、為替差益が4,749百万円、持分法による投資利益が2,442百万円増加したことなどにより、前連結会計年度と比較して5,842百万円増加した。営業外費用については、固定資産圧縮損が1,267百万円、持分法による投資損失が1,092百万円減少したことなどにより、前連結会計年度と比較して1,889百万円減少した。ハ)特別損益 特別利益については、投資有価証券売却益14,747百万円、固定資産売却益150百万円、負ののれん発生益50百万円の合計14,948百万円を計上した。 特別損失については、減損損失23,302百万円、固定資産除売却損2,733百万円、投資有価証券評価損1,104百万円の合計27,140百万円を計上した。 固定資産除売却損の内訳については「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1) [連結財務諸表]の[注記事項](連結損益計算書関係)」に記載のとおりである。ニ)親会社株主に帰属する当期純利益 以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べて14,950百万円減少し、105,023百万円となった。税金費用と非支配株主に帰属する当期純利益を控除した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は75,174百万円となった。② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載している。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、中期経営計画において、「負債も活用し、積極的に成長を志向する」ことを基本方針としており、資金調達については、内部資金を活用すると共に、必要に応じて借入・社債発行等による外部調達を行うこととしている。なお、外部調達に関しては、運転資金については借入金またはコマーシャル・ペーパーで、生産設備・M&A等の長期資金需要には長期借入金または普通社債の発行で調達している。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1) [連結財務諸表]の[注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。

事業リスク

  • 経済動向と製品市況の変動
    世界経済の動向や、自動車・エレクトロニクス・住宅・インフラなどの市場の変動は、積水化学工業の業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、原燃料価格の高騰や消費マインドの減退、米国の関税政策などが、製品需要の減少やコスト増加につながるリスクがあります。
  • 原材料の市況変動と調達リスク
    鉄鋼、木材、石油関連の原材料価格の変動や、一部の希少原材料の安定調達は、積水化学工業の生産コストや製品供給に影響を与える可能性があります。価格高騰や供給不足が発生した場合、業績に大きな影響を及ぼすリスクがあります。
  • 為替・金利・資産価格の変動
    海外売上高比率が高い積水化学工業にとって、為替レートの変動は海外取引や在外子会社の円換算額に影響を及ぼす可能性があります。また、金利変動は借入コストや住宅事業の需要に影響を与え、保有資産の価格変動は減損処理のリスクにつながる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,986 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。なお、当社グループでは、これらの事項をリスクとしてのみ捉えるのではなく、機会となり得るものとして認識し、リスクと機会の両面から戦略的に捉えている。 このような認識のもと、当社グループでは各種リスクおよび機会の発生の可能性を把握し、迅速かつ的確な対応が可能となるよう、体制の整備およびその運用に努めている。 下記(1)に記載のリスクについては、毎月の取締役会、四半期ごとの予算編成会議、領域別の各分科会、リスク検討部会、サステナビリティ委員会等を通して対応策の議論や意思決定をおこなっている。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものである。 (1)通常リスク(業務リスクや市況変化への対応等)①原材料の市況変動および調達(リスク)・経済環境や需給バランスの変動、通商政策による原材料調達の困難化・上記に起因する生産コスト上昇や製品供給の停止(対応策)・原材料調達ソースの多様化・継続的な原価低減施策・販売価格の改定 ※中東情勢の悪化による影響に関して 原材料の調達制約や価格上昇が想定されるが、調達先の分散や代替品等のヘッジ策の推進、復旧後の着実な対応、価格転嫁、高機能品へのシフト等で対応していく。 また、今後も当該地域の動向や各影響について継続的に注視するとともに、適切かつ機動的な対応で影響が最小限になるよう努めていく。 ②為替・金利・保有資産価格の変動(リスク)・外貨に対する円の価値変動による外国通貨建ての取引や、在外連結子会社等の財務諸表の円換算額への影響・金利変動による受取利息・支払利息の増減や、住宅事業における需要動向への影響・市場環境・経営環境の変化に伴う保有不動産、棚卸資産や有形固定資産、のれん等の無形固定資産、投資有価証券等の投資その他の資産の減損の発生(対応策)・外国通貨建取引における、実勢との乖離回避のための社内為替レート(米ドル・ユーロ)の四半期ごとの見直し・現在の事業展開と規模における、為替変動が営業利益に与える影響額の開示(1円/米ドルにつき約5億円、1円/ユーロにつき約1億円) ③経済動向および製品市況の動向高機能プラスチックスカンパニーの事業(リスク)・モビリティ分野の事業における、グローバルでの自動車・航空機市場動向への依存性・エレクトロニクス分野の事業における、技術革新の速さと需要変動の大きさに起因する短期間での需要縮小(対応策)・エアモビリティ市場等関連領域への進出・R&Dセンターの強化検討や新技術・M&A候補の探索 住宅カンパニーの事業(リスク)・国内の住宅取得に関する政策や税制、金利動向および個人消費や各エリアの経済動向の影響・必要な労働力を確保できない場合の工期遅延や労務費上昇(対応策)・エリア別の事業戦略、商品展開・ユニット住宅の生産工場内の物流効率化等の生産革新の計画や、現地での施工工数削減についての研究 環境・ライフラインカンパニーの事業(リスク)・政府および地方自治体の政策によって決定される公共投資の動向による影響・住宅、非住宅の着工戸数の動向の影響(対応策)・エリア(国内/海外)や顧客(公共/民間)等のポートフォリオによるリスク分散 ライフサイエンス分野の事業(リスク)・社会環境変化等を背景とした医療制度改革による影響・感染症等の流行の予測困難性・技術革新への対応遅れに起因する競争優位性の低下(対応策)・新たな事業領域の取り組み強化・地域戦略の見直し、ポートフォリオ強化推進 その他の分野の事業(コーポレート)(リスク)・ペロブスカイト太陽電池事業における、工場設備立ち上げや開発の遅れ、需要獲得の苦戦(対応策)・生産ライン垂直立ち上げに向けたリソースの強化・パートナーとの関係強化 ④安全・衛生・産業事故(リスク)・産業事故の発生・上記を起因とする社会的信用の失墜や補償等を含む対応費用の発生(対応策)・各生産拠点でのリスクマネジメント活動によるリスク抽出と対応・本社の専門部門による実地監査と是正指導(設備本質安全化等)の定期的な実施・海外危機管理事務局を中心とした地域統括会社との危機管理情報の共有やタイムリーな注意喚起等 ⑤製品・品質(リスク)・重大な製品事故、安全性や各規制対応への不足、知的財産に係る紛争・上記を起因とする社会的信用の失墜や補償等を含む対応費用の発生(対応策)・開発段階での事前予測による品質問題の発生の未然防止・製造部門における日常管理の基本的指針徹底 ⑥コンプライアンス(リスク)・法規制の改正や予期しない法規制の導入等に起因した違反事案・業績目標達成のプレッシャー等に起因した不正等の重大なコンプライアンス違反事案の発生とその対応に要するコストと顧客からの信頼喪失(対応策)・「コンプライアンス宣言」など、コンプライアンスを通じて社会から高い信頼を獲得するという姿勢の明確化・取締役会における「コンプライアンスに関する基本方針等」の審議・社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会の専門分科会である「コンプライアンス分科会」の設置と、コンプライアンスに関する重要事項の企画、検討及び決定・本社の専門部門による監査と是正指導のグローバルでの定期的実施 ⑦情報管理(リスク)・サイバー攻撃や停電、自然災害、機器やソフトウェアの障害・欠陥等に起因した事業中断や損害賠償の発生、情報漏洩の発生(対応策)・指針となる「情報セキュリティ方針」の制定。CSIRT(シーサート、Computer Security Incident Response Team)を通した、インシデント発生の有無の常時監視・データセンターの複数か所への分散設置や重要業務システムの完全二重化等・より機密性の高い特定の事業における、関係省庁のサポート獲得と情報管理推進 ⑧第三者との提携や合併・買収およびR&D活動(リスク)・新事業領域における新たなリスクの発現・開発および事業立ち上げの遅れ(対応策)・事前調査および実行後モニタリングの強化・社内外技術融合による開発スピードアップ・ビジネスレビュー、デザインレビューの効果的運用 上記(1)に加え、当社グループの事業に影響を及ぼすと考えられる不可逆な外部環境変化(以下、メガトレンド)をふまえ、中長期視点から各々のシナリオを基に発生頻度や経営への影響度を測り、当社グループにとって重要なリスクおよび機会を新たに整理、特定している。 現時点では以下の12のメガトレンドが当社グループにとって重要であると捉え、中期経営計画の戦略へ反映している。今後は、環境変化を掴みながら内容を見直す仕組みについて、さらに構築、運用していく予定である。 (2)12のメガトレンドおよびリスクと機会のシナリオ <地球環境に関するもの>①気候変動・異常気象前項「サステナビリティに関する考え方及び取組」内の「(2)気候変動への対応」に記載のとおり ②大規模災害の増加(リスク)・事業活動の中断・それに伴い生ずる機会損失および顧客に対する補償等の発生(機会)・持続可能なエネルギーや災害対策関連製品の需要増加(対応策)・「(1)通常リスク ④安全・衛生・産業事故」内の対応策に記載のとおり・持続可能なエネルギーや災害対策関連の製品や事業の創出と拡大 ③生物多様性の喪失(リスク)・原材料の調達の困難化および原材料価格の上昇・土地開発や化学物質規制等、企業活動に対する要請の高度化(機会)・規制対応を前提とした新素材や新技術に対する需要増加(対応策)・原材料調達ソースの多様化・継続的な原価低減施策の推進・規制対応型の新素材や新技術の開発加速 ④天然資源の枯渇(リスク)・原材料の調達の困難化および原材料価格の上昇・資源使用の効率化や代替素材の活用等、企業活動に対する要請の高度化・対応の遅れによる社会的信頼や競争力の低下(機会)・資源効率の高い技術や持続可能エネルギーへの需要増加(対応策)・原材料調達ソースの多様化・継続的な原価低減施策の推進・非化石由来および再生材料の使用拡大・廃棄物の再資源化・企業イニシアティブの「CPs(※1)」や「SusPla(※2)」への参加を通した産官学や企業連携・資源効率の高い技術の開発加速や持続可能エネルギー関連製品や事業の創出と拡大※1.経済産業省が「成長志向型の資源自律経済戦略」に基づき設立したパートナーシップ※2.品質向上・安定供給に資するマテリアルリサイクルによる再生プラスチック市場の拡大を目指して設立された団体 <政治・経済・社会に関するもの>⑤ステークホルダーの多様化と要求高度化(リスク)・品質水準や法規制対応の不十分さによる社会的信頼喪失等の影響・対応コスト(体制整備、開示、監査等)の増加(機会)・効率的な経営の推進による企業価値の向上(対応策)・関係部門間の連携強化による開示内容の整合性確保・全社横断の体制構築やシステム活用による標準化、高度化、効率化への継続的取り組み・ポートフォリオ経営の強化 ⑥地政学リスクの高まり(リスク)・テロや戦争などの政治的混乱、関税、予期しない政策・法律・規制の変更、税制改正、人種差別、不買運動等による事業活動への影響・上記に起因とする原材料価格の高騰(機会)・保護主義の進行による新たな経済圏、事業機会の創出(対応策)・各地域統括会社を通じた経済、社会、政治的状況や動向についての情報収集・グループ会社、地域統括会社および日本本社の専門部門の連携・事業の多角化や展開地域のグローバル化等によるリスク分散・各地域統括会社を活用した市場動向の把握 ⑦都市への集中、地方の過疎化進行(リスク)・地方部を中心とした労働力不足(機会)・インフラ老朽化やコンパクトシティ化に伴う事業機会の創出(対応策)・多様な人材の活躍推進・健康で安心して働ける環境整備・インフラ老朽化やコンパクトシティ化に対応する製品や事業の創出と拡大 ⑧少子高齢化の進行(リスク)・人材確保の困難性の高まり・労働力構成の偏在(機会)・ヘルスケア、ウェルネス市場やスマート領域の市場拡大(対応策)・人材公募制度などの挑戦機会の提供やキャリア自律に向けた風土づくり・次代を担うリーダーの早期育成と抜擢や高度専門人材の確保と事業ニーズに即したリスキル・多様な人材の活躍推進および健康で安心して働ける環境の整備・ヘルスケア、ウェルネス市場やスマート領域に関する製品や事業の創出と拡大 <技術・デジタルに関するもの>⑨AI技術の台頭(リスク)・情報流出・誤情報の利用による意思決定の誤り(機会)・生産性の向上・付加価値の増大・AIを活用した開発スピードの向上(対応策)・ガイドラインの策定と遵守徹底・情報のセキュリティレベル毎の管理・従業員教育によるリテラシー向上・各現場、各業務における活用推進・生成AI活用による有望市場発掘やパートナー候補探索・マテリアルインフォマティクス(MI)による開発高速化、事業貢献 ⑩次世代通信の普及(リスク)・ITシステムの依存度上昇・上記に伴うサイバー攻撃や停電、自然災害、機器やソフトウェアの障害・欠陥等に起因した事業中断や損害賠償の発生、情報漏洩の発生(機会)・通信、自動運転関連やモニタリング市場の拡大(対応策)・「(1)通常リスク ⑦情報管理」内の対応策に記載のとおり・通信、自動運転関連やモニタリング市場関連の製品や事業の創出と拡大 ⑪高度医療技術の進歩(リスク)・技術開発に伴うコスト増加および競争激化(機会)・ライフサイエンス領域の市場拡大(対応策)・対象領域を明確化した研究開発の推進・ライフサイエンス領域の製品や事業の創出と拡大 ⑫航空・宇宙ビジネス拡充(リスク)・自動車関連事業への需要構造変化による影響(機会)・航空宇宙ビジネスの市場拡大(対応策)・自動車関連事業以外の成長分野の特定と市場注視・航空宇宙ビジネスに関連した製品や事業の創出と拡大

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