有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)経営方針120年を超える歴史を刻むUBEグループは、地域社会との「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」という創業の精神を受け継ぎ、当社グループの存在意義を明確化した、パーパス(存在意義)と、企業経営の根幹となる経営理念・経営方針を理念体系としています。UBEグループは、この理念体系に基づき、未来につながる、新たな価値を創造するための事業活動をグローバルに展開するとともに、環境・社会・コーポレートガバナンスに関する取組みの充実に努め、企業価値の更なる向上を目指します。 パーパス(存在意義):「希望ある化学で、難題を打ち破る。」 「創業以来の歴史の中で培ってきたモノづくりの技術を活かし、社会に必要とされている価値を、社会が求める安全で環境負荷を極限まで低減した方法で創り出し、人々に提供していくこと。これにより、人類共通の課題となった地球環境問題の解決に、また人々の生命・健康、そして未来へとつながる豊かな社会に貢献すること。」 UBE経営理念:「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します。」 UBE経営方針(ⅰ)「倫理」 高い倫理観を保ち、法令及び社会規範を遵守します。(ⅱ)「安全と安心」 地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います。(ⅲ)「品質」 お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします。(ⅳ)「人」 個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくります。 (2)経営戦略等当社グループは、2025年度から2030年度までの6ヵ年を対象とする中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation -2nd Stage-」を策定し、以下の行動計画を掲げています。2030年に向けて、当社グループを「スペシャリティ化学企業」へ進化させるとともに、これを実現するための行動計画を着実に実行していきます。◆長期ビジョン(2030年)の目指す姿「地球環境と人々の健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学企業」 ◆中期経営計画の行動計画2030年の目指す姿を実現するため、パーパス・経営理念、社会課題に対する影響度を踏まえて、次の5つをマテリアリティ(重要課題)として設定しています。これらの課題に対して、DXの推進等により迅速かつ効果的に様々な施策を展開していきます。<UBEグループのマテリアリティ>(ⅰ) スペシャリティ事業の拡大(ⅱ) 多様な人財の活躍(ⅲ) 労働安全・保安防災(ⅳ) 地球環境問題への対応(ⅴ) 誠実で公正な企業統治 (3)経営環境当連結会計年度においては、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、米中対立、中東情勢の緊迫等により世界経済は不安定さと不透明感を強めました。欧米での物価上昇が続く中、金融引き締め策の継続にもかかわらず財政出動やAI投資の増加により米国景気が堅調に拡大したことで、想定以上の円安が日本の物価をも押し上げました。当社事業においても、米中対立等による世界的な経済情勢の不安定化に伴う需要減退の影響を受けました。これら地政学的リスクの深刻化、物価上昇や金利上昇に伴う需要減退の懸念等から今後も先行きが見通しづらい状況が続くものと予測されます。こうした状況に加え、地球温暖化、自然災害の増加、インフラの老朽化等、持続可能な社会創出のための諸課題への対応が企業活動に求められており、さらにはDXによる競争優位性の変化、健康や安全・安心についての意識の更なる高まり等、経営環境の変化のスピードも一段と速まっています。 (4)優先的に対処すべき課題等中期経営計画の初年度となる当連結会計年度は、数値目標は大幅に未達となりましたが、当社独自技術を活かし、競争力を有するポリイミドフィルム、分離膜、セラミックス、セパレータ、DMC・EMC等の製造設備への投資を行ってきました。また、ドイツLANXESS社から取得したウレタンシステムズ事業の統合を着実に進めるなど、将来の成長に向けた施策を進めています。さらに、損益変動が大きく温室効果ガス(GHG)排出量の多いアンモニア・カプロラクタム・ナイロンポリマーについては、タイの製造設備の縮小・停止を一年前倒して2026年3月までに完了、日本の製造設備の縮小・停止を2027年3月及び2028年3月に予定するなど、事業構造の改革に向けた施策を進めています。これらの施策を着実に進め、成長を実現することで、スペシャリティ化学企業として一層の成長を目指します。(ⅰ)スペシャリティ事業の拡大ポリイミド、分離膜、セラミックス、C1ケミカル等既存スペシャリティ事業の成長に加え、買収したウレタンシステムズ事業の統合を着実に進めることで、グローバルに、かつ既存事業とのシナジー追求により収益を拡大します。自社技術開発による新事業立上げと、既存スペシャリティ化学の周辺事業やスタートアップ企業へのM&A等による新事業領域でのコアコンピタンス獲得を両輪として、新たなスペシャリティ化学事業を創出します。さらに、2025年1月28日に公表した、アンモニア、カプロラクタム、ナイロンポリマー等の生産撤退・縮小を着実に実行するとともに、機械事業及びセメント関連事業については自立化の最終ステージとして株式上場を進めることで、スペシャリティ化学企業へポートフォリオを転換します。また、日本・アジア・欧州の従来の3極に加え、新たに米州・中国拠点を整備し世界5極体制を構築します。各拠点は、新規事業のグローバル展開やグローバル企業(事業)の買収等についても円滑に進めることができるよう、マネジメント体制(資本、指揮命令、人財、バックオフィス等)を強化します。(ⅱ)多様な人財の活躍スペシャリティ化学をグローバルに展開するため、経験・知識・能力等多様な人財を広く採用するとともに、既存の人財と一体となって活躍するための新しい人事制度を2026年度より開始します。全ての人財に活躍する場を提供するなどワークエンゲージメントの改善を通じ、ウェルビーイングの向上を図ります。これらを通じて、技術革新のパートナーとして自ら仕掛け、顧客をドアノックしていく社風を醸成します。(ⅲ)労働安全・保安防災ものづくりの会社の責務として、従業員が健康で働きやすい職場環境を確保するとともに、安全・安心な設備で安定操業を継続します。(ⅳ)地球環境問題への対応これまで注力してきた地球温暖化問題(カーボンニュートラル)に加えて、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブの3つの課題に取組みます。GHG排出量に関しては、2030年度50%削減、2035年度70%削減(いずれも対2013年度比)の達成を目指します。(ⅴ)誠実で公正な企業統治取締役会の実効性の一層の向上に努めるとともに、コンプライアンス確保やリスクマネジメント等内部統制を強化します。スペシャリティ事業の拡大に必要となる資金を確保するため、利益・キャッシュフロー創出力と有利子負債のバランスを意識して適切な財務運営を継続し、健全な財務規律と市場からの信頼を維持します。UBEグループ内にROIC経営を浸透・徹底し資本効率を向上させます。 <事業ポートフォリオ>市場の成長期待、UBEグループの強み、収益性、資本効率等を踏まえて策定した現時点での事業ポートフォリオです。これに基づき経営資源を配分します。ただし、事業ポートフォリオ内の各事業領域の位置づけは適宜見直します。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等新中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation -2nd Stage-」においては、最終年度となる2030年度の数値計画及び目標を次のとおり設定しています。<数値計画主要項目> 2030年度目標売上高5,500億円営業利益600億円 <2030年度目標主要項目> 2030年度目標EBITDA1,000億円以上売上高営業利益率(ROS)10%以上自己資本利益率(ROE)8%以上投下資本利益率(ROIC)6%以上
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)経営方針120年を超える歴史を刻むUBEグループは、地域社会との「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」という創業の精神を受け継ぎ、当社グループの存在意義を明確化した、パーパス(存在意義)と、企業経営の根幹となる経営理念・経営方針を理念体系としています。UBEグループは、この理念体系に基づき、未来につながる、新たな価値を創造するための事業活動をグローバルに展開するとともに、環境・社会・コーポレートガバナンスに関する取組みの充実に努め、企業価値の更なる向上を目指します。 パーパス(存在意義):「希望ある化学で、難題を打ち破る。」 「創業以来の歴史の中で培ってきたモノづくりの技術を活かし、社会に必要とされている価値を、社会が求める安全で環境負荷を極限まで低減した方法で創り出し、人々に提供していくこと。これにより、人類共通の課題となった地球環境問題の解決に、また人々の生命・健康、そして未来へとつながる豊かな社会に貢献すること。」 UBE経営理念:「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します。」 UBE経営方針(ⅰ)「倫理」 高い倫理観を保ち、法令及び社会規範を遵守します。(ⅱ)「安全と安心」 地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います。(ⅲ)「品質」 お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします。(ⅳ)「人」 個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくります。 (2)経営戦略等当社グループは、2025年度から2030年度までの6ヵ年を対象とする中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation -2nd Stage-」を策定し、以下の行動計画を掲げています。2030年に向けて、当社グループを「スペシャリティ化学企業」へ進化させるとともに、これを実現するための行動計画を着実に実行していきます。◆長期ビジョン(2030年)の目指す姿「地球環境と人々の健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学企業」 ◆中期経営計画の行動計画2030年の目指す姿を実現するため、パーパス・経営理念、社会課題に対する影響度を踏まえて、次の5つをマテリアリティ(重要課題)として設定しています。これらの課題に対して、DXの推進等により迅速かつ効果的に様々な施策を展開していきます。<UBEグループのマテリアリティ>(ⅰ) スペシャリティ事業の拡大(ⅱ) 多様な人財の活躍(ⅲ) 労働安全・保安防災(ⅳ) 地球環境問題への対応(ⅴ) 誠実で公正な企業統治 (3)経営環境当連結会計年度においては、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、米中対立、中東情勢の緊迫等により世界経済は不安定さと不透明感を強めました。欧米での物価上昇が続く中、金融引き締め策の継続にもかかわらず財政出動やAI投資の増加により米国景気が堅調に拡大したことで、想定以上の円安が日本の物価をも押し上げました。当社事業においても、米中対立等による世界的な経済情勢の不安定化に伴う需要減退の影響を受けました。これら地政学的リスクの深刻化、物価上昇や金利上昇に伴う需要減退の懸念等から今後も先行きが見通しづらい状況が続くものと予測されます。こうした状況に加え、地球温暖化、自然災害の増加、インフラの老朽化等、持続可能な社会創出のための諸課題への対応が企業活動に求められており、さらにはDXによる競争優位性の変化、健康や安全・安心についての意識の更なる高まり等、経営環境の変化のスピードも一段と速まっています。 (4)優先的に対処すべき課題等中期経営計画の初年度となる当連結会計年度は、数値目標は大幅に未達となりましたが、当社独自技術を活かし、競争力を有するポリイミドフィルム、分離膜、セラミックス、セパレータ、DMC・EMC等の製造設備への投資を行ってきました。また、ドイツLANXESS社から取得したウレタンシステムズ事業の統合を着実に進めるなど、将来の成長に向けた施策を進めています。さらに、損益変動が大きく温室効果ガス(GHG)排出量の多いアンモニア・カプロラクタム・ナイロンポリマーについては、タイの製造設備の縮小・停止を一年前倒して2026年3月までに完了、日本の製造設備の縮小・停止を2027年3月及び2028年3月に予定するなど、事業構造の改革に向けた施策を進めています。これらの施策を着実に進め、成長を実現することで、スペシャリティ化学企業として一層の成長を目指します。(ⅰ)スペシャリティ事業の拡大ポリイミド、分離膜、セラミックス、C1ケミカル等既存スペシャリティ事業の成長に加え、買収したウレタンシステムズ事業の統合を着実に進めることで、グローバルに、かつ既存事業とのシナジー追求により収益を拡大します。自社技術開発による新事業立上げと、既存スペシャリティ化学の周辺事業やスタートアップ企業へのM&A等による新事業領域でのコアコンピタンス獲得を両輪として、新たなスペシャリティ化学事業を創出します。さらに、2025年1月28日に公表した、アンモニア、カプロラクタム、ナイロンポリマー等の生産撤退・縮小を着実に実行するとともに、機械事業及びセメント関連事業については自立化の最終ステージとして株式上場を進めることで、スペシャリティ化学企業へポートフォリオを転換します。また、日本・アジア・欧州の従来の3極に加え、新たに米州・中国拠点を整備し世界5極体制を構築します。各拠点は、新規事業のグローバル展開やグローバル企業(事業)の買収等についても円滑に進めることができるよう、マネジメント体制(資本、指揮命令、人財、バックオフィス等)を強化します。(ⅱ)多様な人財の活躍スペシャリティ化学をグローバルに展開するため、経験・知識・能力等多様な人財を広く採用するとともに、既存の人財と一体となって活躍するための新しい人事制度を2026年度より開始します。全ての人財に活躍する場を提供するなどワークエンゲージメントの改善を通じ、ウェルビーイングの向上を図ります。これらを通じて、技術革新のパートナーとして自ら仕掛け、顧客をドアノックしていく社風を醸成します。(ⅲ)労働安全・保安防災ものづくりの会社の責務として、従業員が健康で働きやすい職場環境を確保するとともに、安全・安心な設備で安定操業を継続します。(ⅳ)地球環境問題への対応これまで注力してきた地球温暖化問題(カーボンニュートラル)に加えて、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブの3つの課題に取組みます。GHG排出量に関しては、2030年度50%削減、2035年度70%削減(いずれも対2013年度比)の達成を目指します。(ⅴ)誠実で公正な企業統治取締役会の実効性の一層の向上に努めるとともに、コンプライアンス確保やリスクマネジメント等内部統制を強化します。スペシャリティ事業の拡大に必要となる資金を確保するため、利益・キャッシュフロー創出力と有利子負債のバランスを意識して適切な財務運営を継続し、健全な財務規律と市場からの信頼を維持します。UBEグループ内にROIC経営を浸透・徹底し資本効率を向上させます。 <事業ポートフォリオ>市場の成長期待、UBEグループの強み、収益性、資本効率等を踏まえて策定した現時点での事業ポートフォリオです。これに基づき経営資源を配分します。ただし、事業ポートフォリオ内の各事業領域の位置づけは適宜見直します。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等新中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation -2nd Stage-」においては、最終年度となる2030年度の数値計画及び目標を次のとおり設定しています。<数値計画主要項目> 2030年度目標売上高5,500億円営業利益600億円 <2030年度目標主要項目> 2030年度目標EBITDA1,000億円以上売上高営業利益率(ROS)10%以上自己資本利益率(ROE)8%以上投下資本利益率(ROIC)6%以上
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりです。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度との比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。また、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 ①経営成績の状況(一)当社グループ全体当社グループは、2025年度からスタートした6カ年の中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation -2nd Stage-」を策定し、2030年の目指す姿「地球環境と人々の健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学企業」を掲げ、成長の実現に向けた取組みを推進しています。当連結会計年度においては、売上高は、2025年4月1日付でドイツLANXESS社からウレタンシステムズ事業を取得したことによる効果はあったものの、樹脂・化成品セグメントにおいてナイロンポリマー、カプロラクタム等の販売が低迷したことに加え、機械セグメントでは前連結会計年度に製鋼事業の経営権を他社へ譲渡し連結対象から除外した影響もあり、減収となりました。営業利益は、医薬セグメント、機能品セグメント、機械セグメント、高機能ウレタンセグメントにおいて販売が低調に推移したものの、樹脂・化成品セグメントにおいて前連結会計年度にアンモニア・カプロラクタム・ナイロンポリマーの事業構造改革の決定に伴う減損損失を計上したことにより減価償却費が減少したこと、アンモニア工場における隔年実施の定期修理が当連結会計年度はなかったこと、エラストマーの原料価格が下落したことなどから、増益となりました。経常利益は、営業利益の増益に加えて、前連結会計年度に計上したエラストマー事業を営む持分法適用関連会社の解散決議に伴う持分法投資損失が当連結会計年度は発生しなかったこと、さらに為替差益が増加したことなどから、増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度にアンモニア・カプロラクタム・ナイロンポリマーの事業構造改革を決定したことに伴う特別損失が、当連結会計年度は発生しなかった影響が大きく、増益となりました。この結果、当社グループの売上高は前連結会計年度と比べ244億5千9百万円減の4,623億4千3百万円、営業利益は8億9千9百万円増の189億4千1百万円、経常利益は151億3千7百万円増の375億6百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は238億7千2百万円となりました。項 目売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)当連結会計年度462,343百万円18,941百万円37,506百万円23,872百万円前連結会計年度486,802百万円18,042百万円22,369百万円△4,816百万円増 減△24,459百万円899百万円15,137百万円28,688百万円増 減 率△5.0%5.0%67.7%- (二)セグメント別機能品セグメントポリイミド事業は、フィルムの販売は前連結会計年度並みを維持したものの、ワニスの販売は、当社品が採用されているスマートフォンの販売減少の影響等もあり低調に推移したことから、減収となりました。分離膜事業は、窒素膜は堅調であったものの、バイオメタン製造向け脱炭酸膜が一部顧客で在庫調整等の影響が継続したことから、減収となりました。なお、バイオメタン製造向け脱炭酸膜の中長期的な需要拡大トレンドは持続しています。セラミックス事業は、電動車市場の成長鈍化に伴い軸受や基板用途の販売が低迷したことから、減収となりました。セパレータ事業は、ハイブリッド自動車向けの需要増加等に伴い販売数量が増加したことにより、増収となりました。機能品セグメント全体としては、セパレータ事業は堅調であったものの、ポリイミド事業、分離膜事業、セラミックス事業が低調に推移したことにより、減収減益となりました。高機能ウレタンセグメントウレタンシステムズ事業は、2025年4月1日付でドイツLANXESS社から取得しました。なお、当事業を担う各社は12月決算であるため、4-12月の9ヵ月間の業績が当連結会計年度の損益に反映されています。高機能コーティング事業は、海外での販売が低調に推移したことなどから、減収となりました。高機能ウレタンセグメント全体としては、ウレタンシステムズ事業取得による増収効果があり、また米国市場を中心に半導体製造装置向け等が堅調に推移したものの、高機能コーティング事業の低調な販売に加え、ウレタンシステムズ事業取得後の統合費用が生じたことから、増収減益となりました。医薬セグメント医薬セグメントは、受託品事業の販売数量の減少により、減収減益となりました。樹脂・化成品セグメント■パフォーマンスポリマー&ケミカルズ事業コンポジット事業は、自動車向けの国内需要が回復基調にあることから販売数量が増加し、また前連結会計年度に欧州のマテリアルリサイクル樹脂製造会社を取得したことから、増収となりました。ナイロンポリマー事業は、海外において食品包装フィルム用途等の需要が低迷したことにより販売数量が減少し、販売価格も下落したことから、減収となりました。カプロラクタム・硫安事業は、競争激化により販売数量が減少し、販売価格も下落したことから、減収となりました。工業薬品事業は、アンモニア工場における隔年実施の定期修理がなく販売数量が増加したことから、増収となりました。■エラストマー事業製品販売は堅調に推移したものの、主原料ブタジエンの価格下落に連動し製品市況も下落したことなどにより、減収となりました。樹脂・化成品セグメント全体としては、ナイロンポリマー・カプロラクタム等の販売が低調に推移したものの、前連結会計年度にアンモニア・カプロラクタム・ナイロンポリマーの構造改革の決定に伴う減損損失の計上により減価償却費が減少したこと、アンモニア工場における隔年実施の定期修理がなかったこと、エラストマー事業の原料価格が下落したことなどから、減収増益となりました。機械セグメント成形機事業は、アフターサービスは概ね堅調に推移したものの、自動車産業向けの製品販売が低調に推移したことから、減収となりました。産機事業は、アフターサービスは堅調に推移したものの、製品販売において大型案件が前連結会計年度と比較して少なかったことから、減収となりました。機械セグメント全体としては、製鋼事業の経営権を前連結会計年度に他社へ譲渡した影響に加え、産機事業における製品販売が減少し、また成形機事業においても製品販売が低調に推移したことから、減収減益となりました。その他セグメント電力事業において、石炭価格の下落により売電価格が低下したことなどから売上高は減収となったものの、自家発電所における隔年実施の定期修理がなかった効果があり、営業利益は前連結会計年度並みとなりました。 <セグメント別売上高> 前連結会計年度当連結会計年度増 減増減率機能品66,157百万円61,900百万円△4,257百万円△6.4%高機能ウレタン15,616百万円46,549百万円30,933百万円198.1%医薬31,490百万円21,004百万円△10,486百万円△33.3%樹脂・化成品273,558百万円251,237百万円△22,321百万円△8.2%機械86,876百万円68,414百万円△18,462百万円△21.3%その他39,204百万円34,483百万円△4,721百万円△12.0%調整額△26,099百万円△21,244百万円4,855百万円-合計486,802百万円462,343百万円△24,459百万円△5.0% <セグメント別営業利益> 前連結会計年度当連結会計年度増 減増減率機能品11,668百万円9,758百万円△1,910百万円△16.4%高機能ウレタン△200百万円△548百万円△348百万円-医薬1,151百万円△1,255百万円△2,406百万円-樹脂・化成品△713百万円8,189百万円8,902百万円-機械7,883百万円6,242百万円△1,641百万円△20.8%その他2,057百万円1,916百万円△141百万円△6.9%調整額△3,804百万円△5,361百万円△1,557百万円-合計18,042百万円18,941百万円899百万円5.0% ②経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況2025年度を初年度とする中期経営計画における数値目標と進捗状況は以下のとおりです。<主要項目・経営指標> 2025年度(原計画)2025年度実績2026年度(原計画)2027年度(原計画)2030年度(原計画)売上高4,900億円4,623億円5,450億円5,450億円5,500億円営業利益250億円189億円320億円400億円600億円経常利益375億円375億円415億円450億円650億円親会社株主に帰属する当期純利益275億円239億円300億円370億円450億円売上高営業利益率(ROS)5.1%4.1%5.9%7.3%11.0%自己資本利益率(ROE)6.8%5.7%7.1%8.4%9.0% ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)機能品60,338△1.0高機能ウレタン45,252201.4医薬14,245△42.5樹脂・化成品255,331△4.8機械60,576△20.3その他9,256△9.5合計444,998△2.2 (注)金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっています。 b.受注実績 当連結会計年度における機械の受注実績を示すと、次のとおりです。 なお、機械を除くセグメントの製品については、受注生産は行っていません。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)機械82,4849.857,78613.7 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)機能品61,900△6.4高機能ウレタン46,549198.1医薬21,004△33.3樹脂・化成品251,237△8.2機械68,414△21.3その他34,483△12.0消去△21,244-合計462,343△5.0 (注)セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっています。 ④財政状態総資産当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ801億3千3百万円(9.3%)増加し、9,463億1千3百万円となりました。流動資産は、商品及び製品等の棚卸資産が増加したものの、現金及び預金が減少したことなどにより500億8千5百万円(△14.0%)減少し、3,082億9千2百万円となりました。固定資産は、有形固定資産や無形固定資産が増加したことなどにより1,302億4千7百万円(25.7%)増加し、6,378億2千6百万円となりました。繰延資産は、社債発行費が減少したことにより2千9百万円(△12.9%)減少し、1億9千5百万円となりました。負債当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ374億9千1百万円(8.3%)増加し、4,913億7千9百万円となりました。有利子負債は276億3千6百万円(8.4%)増加し、3,581億7千2百万円となりました。流動負債は、コマーシャル・ペーパーが減少したものの、支払手形及び買掛金や短期借入金が増加したことなどにより61億8千9百万円(3.1%)増加し、2,039億8百万円となりました。固定負債は、長期借入金が増加したことなどにより313億2百万円(12.2%)増加し、2,874億7千1百万円となりました。純資産当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ426億4千2百万円(10.3%)増加し、4,549億3千4百万円となりました。株主資本は、利益剰余金が配当により106億8千4百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益により238億7千2百万円増加したことなどにより132億3千7百万円(3.9%)増加し、3,514億6千3百万円となりました。その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定及び退職給付に係る調整累計額が増加したことなどにより288億8千5百万円(50.8%)増加し、857億3千7百万円となりました。非支配株主持分は、5億3千1百万円(3.1%)増加し、177億2千1百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.6ポイント増加し、46.2%となりました。 前連結会計年度当連結会計年度増 減総資産866,180百万円 946,313百万円80,133百万円負債453,888百万円 491,379百万円37,491百万円純資産412,292百万円454,934百万円42,642百万円 ⑤キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動により得られた資金は599億8千4百万円(前連結会計年度に比べ241億4千7百万円の増加)となりました。これは税金等調整前当期純利益、減価償却費、運転資金の増減等から法人税等の支払額を控除した結果となります。投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果使用した資金は1,402億3千2百万円(前連結会計年度に比べ770億8千万円の増加)となりました。これは設備投資による支出、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出等によるものです。財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動により得られた資金は130億2千7百万円(前連結会計年度は1,058億5千1百万円の収入)となりました。これは有利子負債の借入から配当金の支払い等を控除した結果となります。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額を含め、前連結会計年度末に比べ628億5千9百万円(△54.5%)減少し、525億8千3百万円となりました。 前連結会計年度当連結会計年度増 減営業活動によるキャッシュ・フロー35,837百万円 59,984百万円24,147百万円投資活動によるキャッシュ・フロー△63,152百万円△140,232百万円△77,080百万円財務活動によるキャッシュ・フロー105,851百万円13,027百万円△92,824百万円 ⑥資本の財源及び資金の流動性に関する情報(財務の基本方針)当社グループは、財務構造の健全性の維持及び資金の効率的な調達・運用を基本方針として財務活動を行っており、取締役会がその状況を監督しています。資金調達については、自己資金に加え、金融機関からの借入、社債及びコマーシャル・ペーパー(電子CP)の発行等により行っています。また、資金の流動性の確保にあたっては、現金及び現金同等物の保有に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、一部の取引金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しています。(資本の財源及び資金の流動性)当社グループは、スペシャリティ化学企業としての成長を目指し、事業ポートフォリオの転換を進めるとともに、収益の安定化と資本効率の改善に取り組んでいます。市況依存度の高い事業構造から脱却し、収益性と安定性に優れたスペシャリティ事業へと事業ポートフォリオを転換することで、安定的にキャッシュ・フローを創出できる体制の構築を進めています。また、当社グループは、中長期的な視点に立ち、成長投資・株主還元・負債返済のバランスを踏まえた戦略的な資源配分を基本方針としています。中期経営計画(6カ年)においては、営業キャッシュ・フロー4,600億円及び資産売却等による1,750億円のキャッシュインに加え、配分可能総額は約7,500億円となる見通しです。これらのキャッシュの使途としては、設備投資3,250億円、投融資1,350億円、研究開発850億円等の成長投資に重点的に充当するほか、株主還元1,000億円、負債返済650億円を予定しています。成長投資については、資本効率を重視し、ROICが資本コスト(WACC)を上回る案件に厳選することで、投資の質を高める方針としています。また、これまで実施してきた大型投資(北米におけるC1ケミカル(DMC・EMC)プラント新設、ポリイミドフィルム・分離膜・セパレータの能力増強、ウレタンシステムズ事業の取得等)は、2026年度以降、順次投資の回収フェーズに移行するため、PMIや設備建設を着実に進めることで早期に収益貢献を最大化することに注力します。株主還元については、安定配当を基本方針とし、株主資本配当率(DOE)をKPIとして累進配当を目指しており、2026年度以降はDOEを3.5%以上へ引き上げ、将来的には4.0%への引き上げを目指しています。一方、有利子負債については、大型投資に伴い一時的に増加することが見込まれるものの、投資の回収により得られるキャッシュを負債返済に充当することで、適切な水準へコントロールしていく方針です。財務の健全性については、D/Eレシオを0.6倍程度を目安としつつ、上限を1.0倍に抑制することを基本方針とし、財務規律を維持していきます。 (2)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告年度における収益・費用の数値に影響を与える将来に関する見積り及び仮定が必要であり、過去の実績やその他の様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っています。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)経営方針120年を超える歴史を刻むUBEグループは、地域社会との「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」という創業の精神を受け継ぎ、当社グループの存在意義を明確化した、パーパス(存在意義)と、企業経営の根幹となる経営理念・経営方針を理念体系としています。UBEグループは、この理念体系に基づき、未来につながる、新たな価値を創造するための事業活動をグローバルに展開するとともに、環境・社会・コーポレートガバナンスに関する取組みの充実に努め、企業価値の更なる向上を目指します。 パーパス(存在意義):「希望ある化学で、難題を打ち破る。」 「創業以来の歴史の中で培ってきたモノづくりの技術を活かし、社会に必要とされている価値を、社会が求める安全で環境負荷を極限まで低減した方法で創り出し、人々に提供していくこと。これにより、人類共通の課題となった地球環境問題の解決に、また人々の生命・健康、そして未来へとつながる豊かな社会に貢献すること。」 UBE経営理念:「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します。」 UBE経営方針(ⅰ)「倫理」 高い倫理観を保ち、法令及び社会規範を遵守します。(ⅱ)「安全と安心」 地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います。(ⅲ)「品質」 お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします。(ⅳ)「人」 個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくります。 (2)経営戦略等当社グループは、「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」に続く中期経営計画として、2025年度から2030年度までの6ヵ年を対象とする新中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation -2nd Stage-」を策定しました。2030年に向けて、「スペシャリティ化学企業」へ進化するとともに、これを実現するための行動計画を着実に実行していきます。◆長期ビジョン(2030年)の目指す姿「地球環境と人々の健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学企業」 ◆中期経営計画の行動計画2030年の目指す姿を実現するため、パーパス・経営理念、社会課題に対する影響度を踏まえて、次の5つをマテリアリティ(重要課題)として設定しました。これらの課題に対して、DXの推進等により迅速かつ効果的に様々な施策を展開していきます。<UBEグループのマテリアリティ>(ⅰ) スペシャリティ事業の拡大(ⅱ) 多様な人財の活躍(ⅲ) 労働安全・保安防災(iv) 地球環境問題への対応(v) 誠実で公正な企業統治 (3)経営環境当連結会計年度においては、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、米中対立等により世界経済は不安定さと不透明感を強めました。欧米での物価上昇が続く中、金融引き締めにもかかわらず米国景気が堅調に拡大したことで想定以上の円安が日本の物価をも押し上げました。当社事業においても、米中対立等による世界的な経済情勢の不安定化に伴う需要減退の影響を受けました。これら地政学的リスクの深刻化、物価上昇や金利上昇に伴う需要減退の懸念等から今後も先行きが見通しづらい状況が続くものと予測されます。こうした状況に加え、地球温暖化、自然災害の増加、インフラの老朽化等、持続可能な社会創出のための諸課題への対応が企業活動に求められており、さらにはDXによる競争優位性の変化、健康や安全・安心についての意識の更なる高まり等、経営環境の変化のスピードも一段と速まっています。 (4)優先的に対処すべき課題等中期経営計画の最終年度となる当連結会計年度は、数値目標は大幅に未達となりましたが、当社独自技術を活かし、競争力を有するポリイミド原料BPDA、ポリイミドフィルム、分離膜、セラミックス、DMC・EMC等の製造設備への投資を行ってきました。また、ドイツLANXESS社からウレタンシステムズ事業を取得するなど、将来の成長に向けた施策を進めています。さらに、損益変動が大きく温室効果ガス(GHG)排出量の多いアンモニア・カプロラクタム・ナイロンポリマーについては、日本とタイの製造設備の縮小・停止を決定しました。これらの施策を着実に進め、成長を実現することで、スペシャリティ化学企業として一層の成長を目指します。(ⅰ)スペシャリティ事業の拡大ポリイミド、分離膜、セラミックス、C1ケミカル等既存スペシャリティ事業の成長に加え、買収したウレタンシステムズ事業を確実に統合することで、グローバルに、かつシナジー創出により収益を拡大します。自社技術開発による新事業立上げと、既存スペシャリティ化学の周辺事業やスタートアップ企業へのM&A等による新事業領域でのコアコンピタンス獲得を両輪として、新たなスペシャリティ化学事業を創出します。さらに、2025年1月28日に公表した、アンモニア、カプロラクタム、ナイロンポリマー等の生産撤退・縮小を着実に実行するとともに、機械事業及びセメント関連事業については株式上場により自立化を進めることで、スペシャリティ化学企業へポートフォリオを転換します。また、日本・アジア・欧州の従来の3極に加え、新たに米州拠点を整備し4極体制を構築します。各拠点は、新規事業のグローバル展開やグローバル企業(事業)の買収等についても円滑に進めることができるよう、マネジメント体制(資本、指揮命令、人財、バックオフィス等)を強化します。(ⅱ)多様な人財の活躍スペシャリティ化学をグローバルに展開するため、経験・知識・能力等多様な人財を広く採用するとともに、既存の人財と一体となって活躍できるような人事制度を構築します。全ての人財に活躍する場を提供するなどワークエンゲージメントの改善を通じ、ウェルビーイングの向上を図ります。これらを通じて、技術革新のパートナーとして自ら仕掛け、顧客をドアノックしていく社風を醸成します。(ⅲ)労働安全・保安防災ものづくりの会社の責務として、従業員が健康で働きやすい職場環境を確保するとともに、安全・安心な設備で安定操業を継続します。(ⅳ)地球環境問題への対応これまで注力してきた地球温暖化問題(カーボンニュートラル)に加えて、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブの3つの課題に取組みます。GHG排出量に関しては、2030年度50%削減、2035年度70%削減(いずれも対2013年度比)の達成を目指します。(ⅴ)誠実で公正な企業統治取締役会の実効性の一層の向上に努めるとともに、コンプライアンス確保やリスクマネジメント等内部統制を強化します。スペシャリティ事業の拡大に必要となる資金を確保するため、利益・キャッシュフロー創出力と有利子負債のバランスを意識して適切な財務運営を継続し、健全な財務規律と市場からの信頼を維持します。UBEグループ内にROIC経営を浸透・徹底し資本効率を向上させます。さらに、企業活動全体を網羅的に、顧客/社会価値連鎖をデジタルの力で連携させ、ビジネススタイルを変革します。 <事業ポートフォリオ>市場の成長期待、UBEグループの強み、収益性、資本効率等を踏まえて策定した現時点での事業ポートフォリオです。これに基づき経営資源を配分します。ただし、事業ポートフォリオ内の各事業領域の位置づけは適宜見直します。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等新中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~2nd Stage~」においては、最終年度となる2030年度の数値計画及び目標を次のとおり設定しています。<数値計画主要項目> 2030年度目標売上高5,500億円営業利益600億円 <2030年度目標主要項目> 2030年度目標EBITDA1,000億円以上売上高営業利益率(ROS)10%以上自己資本利益率(ROE)8%以上投下資本利益率(ROIC)6%以上
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)経営方針120年を超える歴史を刻むUBEグループは、地域社会との「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」という創業の精神を受け継ぎ、当社グループの存在意義を明確化した、パーパス(存在意義)と、企業経営の根幹となる経営理念・経営方針を理念体系としています。UBEグループは、この理念体系に基づき、未来につながる、新たな価値を創造するための事業活動をグローバルに展開するとともに、環境・社会・コーポレートガバナンスに関する取組みの充実に努め、企業価値の更なる向上を目指します。 パーパス(存在意義):「希望ある化学で、難題を打ち破る。」 「創業以来の歴史の中で培ってきたモノづくりの技術を活かし、社会に必要とされている価値を、社会が求める安全で環境負荷を極限まで低減した方法で創り出し、人々に提供していくこと。これにより、人類共通の課題となった地球環境問題の解決に、また人々の生命・健康、そして未来へとつながる豊かな社会に貢献すること。」 UBE経営理念:「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します。」 UBE経営方針(ⅰ)「倫理」 高い倫理観を保ち、法令及び社会規範を遵守します。(ⅱ)「安全と安心」 地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います。(ⅲ)「品質」 お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします。(ⅳ)「人」 個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくります。 (2)経営戦略等当社グループは、「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」に続く中期経営計画として、2025年度から2030年度までの6ヵ年を対象とする新中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation -2nd Stage-」を策定しました。2030年に向けて、「スペシャリティ化学企業」へ進化するとともに、これを実現するための行動計画を着実に実行していきます。◆長期ビジョン(2030年)の目指す姿「地球環境と人々の健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学企業」 ◆中期経営計画の行動計画2030年の目指す姿を実現するため、パーパス・経営理念、社会課題に対する影響度を踏まえて、次の5つをマテリアリティ(重要課題)として設定しました。これらの課題に対して、DXの推進等により迅速かつ効果的に様々な施策を展開していきます。<UBEグループのマテリアリティ>(ⅰ) スペシャリティ事業の拡大(ⅱ) 多様な人財の活躍(ⅲ) 労働安全・保安防災(iv) 地球環境問題への対応(v) 誠実で公正な企業統治 (3)経営環境当連結会計年度においては、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、米中対立等により世界経済は不安定さと不透明感を強めました。欧米での物価上昇が続く中、金融引き締めにもかかわらず米国景気が堅調に拡大したことで想定以上の円安が日本の物価をも押し上げました。当社事業においても、米中対立等による世界的な経済情勢の不安定化に伴う需要減退の影響を受けました。これら地政学的リスクの深刻化、物価上昇や金利上昇に伴う需要減退の懸念等から今後も先行きが見通しづらい状況が続くものと予測されます。こうした状況に加え、地球温暖化、自然災害の増加、インフラの老朽化等、持続可能な社会創出のための諸課題への対応が企業活動に求められており、さらにはDXによる競争優位性の変化、健康や安全・安心についての意識の更なる高まり等、経営環境の変化のスピードも一段と速まっています。 (4)優先的に対処すべき課題等中期経営計画の最終年度となる当連結会計年度は、数値目標は大幅に未達となりましたが、当社独自技術を活かし、競争力を有するポリイミド原料BPDA、ポリイミドフィルム、分離膜、セラミックス、DMC・EMC等の製造設備への投資を行ってきました。また、ドイツLANXESS社からウレタンシステムズ事業を取得するなど、将来の成長に向けた施策を進めています。さらに、損益変動が大きく温室効果ガス(GHG)排出量の多いアンモニア・カプロラクタム・ナイロンポリマーについては、日本とタイの製造設備の縮小・停止を決定しました。これらの施策を着実に進め、成長を実現することで、スペシャリティ化学企業として一層の成長を目指します。(ⅰ)スペシャリティ事業の拡大ポリイミド、分離膜、セラミックス、C1ケミカル等既存スペシャリティ事業の成長に加え、買収したウレタンシステムズ事業を確実に統合することで、グローバルに、かつシナジー創出により収益を拡大します。自社技術開発による新事業立上げと、既存スペシャリティ化学の周辺事業やスタートアップ企業へのM&A等による新事業領域でのコアコンピタンス獲得を両輪として、新たなスペシャリティ化学事業を創出します。さらに、2025年1月28日に公表した、アンモニア、カプロラクタム、ナイロンポリマー等の生産撤退・縮小を着実に実行するとともに、機械事業及びセメント関連事業については株式上場により自立化を進めることで、スペシャリティ化学企業へポートフォリオを転換します。また、日本・アジア・欧州の従来の3極に加え、新たに米州拠点を整備し4極体制を構築します。各拠点は、新規事業のグローバル展開やグローバル企業(事業)の買収等についても円滑に進めることができるよう、マネジメント体制(資本、指揮命令、人財、バックオフィス等)を強化します。(ⅱ)多様な人財の活躍スペシャリティ化学をグローバルに展開するため、経験・知識・能力等多様な人財を広く採用するとともに、既存の人財と一体となって活躍できるような人事制度を構築します。全ての人財に活躍する場を提供するなどワークエンゲージメントの改善を通じ、ウェルビーイングの向上を図ります。これらを通じて、技術革新のパートナーとして自ら仕掛け、顧客をドアノックしていく社風を醸成します。(ⅲ)労働安全・保安防災ものづくりの会社の責務として、従業員が健康で働きやすい職場環境を確保するとともに、安全・安心な設備で安定操業を継続します。(ⅳ)地球環境問題への対応これまで注力してきた地球温暖化問題(カーボンニュートラル)に加えて、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブの3つの課題に取組みます。GHG排出量に関しては、2030年度50%削減、2035年度70%削減(いずれも対2013年度比)の達成を目指します。(ⅴ)誠実で公正な企業統治取締役会の実効性の一層の向上に努めるとともに、コンプライアンス確保やリスクマネジメント等内部統制を強化します。スペシャリティ事業の拡大に必要となる資金を確保するため、利益・キャッシュフロー創出力と有利子負債のバランスを意識して適切な財務運営を継続し、健全な財務規律と市場からの信頼を維持します。UBEグループ内にROIC経営を浸透・徹底し資本効率を向上させます。さらに、企業活動全体を網羅的に、顧客/社会価値連鎖をデジタルの力で連携させ、ビジネススタイルを変革します。 <事業ポートフォリオ>市場の成長期待、UBEグループの強み、収益性、資本効率等を踏まえて策定した現時点での事業ポートフォリオです。これに基づき経営資源を配分します。ただし、事業ポートフォリオ内の各事業領域の位置づけは適宜見直します。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等新中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~2nd Stage~」においては、最終年度となる2030年度の数値計画及び目標を次のとおり設定しています。<数値計画主要項目> 2030年度目標売上高5,500億円営業利益600億円 <2030年度目標主要項目> 2030年度目標EBITDA1,000億円以上売上高営業利益率(ROS)10%以上自己資本利益率(ROE)8%以上投下資本利益率(ROIC)6%以上
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりです。 ①経営成績の状況(一)当社グループ全体当社グループは、2022年度からスタートした3カ年の中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」において、「スペシャリティ化学を中心としてグローバルに利益成長を追求」「地球環境問題に対応した事業構造改革」「持続的成長に向けた人的資本の充実」「DXの推進による企業価値の向上と顧客価値の創出」「ガバナンスの更なる向上」を基本方針とし、事業構造改革と成長の実現に向けた取組みを推進してきました。当連結会計年度においては、売上高は、樹脂・化成品セグメントにおいて、自動車タイヤ等に使用されるエラストマー(合成ゴム)の販売価格が原料価格に伴い上昇し、また海外において食品包装フィルム向けナイロンポリマー、ナイロン原料カプロラクタムや硫安等の販売が回復したことなどから、前連結会計年度を上回りました。営業利益は、樹脂・化成品セグメントにおいて、海外でカプロラクタムや硫安の販売が回復し、またC1ケミカルのライセンス収入等もありましたが、機能品セグメントにおいて、ポリイミドの販売が一部用途向けで低調に推移し、樹脂・化成品セグメントにおいて、アンモニア工場で隔年の定期修理を実施したことに加え、ドイツLANXESS社からのウレタンシステムズ事業取得に係る費用が発生したことなどから、前連結会計年度を下回りました。経常利益は、セメント関連事業(持分法適用関連会社)で前連結会計年度に実施したセメント販売価格是正の効果等はありましたが、エラストマー事業を行う持分法適用関連会社の解散決議に伴い持分法投資損失を計上したことなどから、前連結会計年度を下回りました。親会社株主に帰属する当期純利益は、アンモニア、カプロラクタム、ナイロンポリマー等ベーシック事業の構造改革を決定したことに伴い特別損失を計上したことなどから、損失となりました。この結果、当社グループの売上高は前連結会計年度と比べ185億6千5百万円増の4,868億2百万円、営業利益は44億1千1百万円減の180億4千5百万円、経常利益は139億6千1百万円減の223億7千2百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は48億1千6百万円となりました。項 目売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)当連結会計年度486,802百万円18,045百万円22,372百万円△4,816百万円前連結会計年度468,237百万円22,456百万円36,333百万円28,981百万円増 減18,565百万円△4,411百万円△13,961百万円△33,797百万円増 減 率4.0%△19.6%△38.4%- (二)セグメント別機能品セグメントポリイミド事業は、大型ディスプレイ向けフィルムや原料BPDAの販売は堅調に推移しましたが、有機ELパネル向けワニスの販売が中国市場で低調に推移し、減収となりました。分離膜事業は、一部顧客における在庫調整及びプラント建設計画の後ろ倒し等の影響を受け、減収となりました。セラミックス事業は、電動車向け軸受用途等の販売が堅調に推移し、増収となりました。セパレータ事業は、ハイブリッド自動車向けの需要増加等に伴い販売数量が増加し、増収となりました。機能品セグメント全体としては、セラミックス事業、セパレータ事業等は堅調に推移したものの、ポリイミド事業、分離膜事業が低調に推移した影響が大きく、増収減益となりました。 樹脂・化成品セグメント■パフォーマンスポリマー&ケミカルズ事業コンポジット事業は、自動車部材用途に加えて、産業機器等の非自動車部材用途も販売が軟調に推移し、減収となりました。ナイロンポリマー事業は、海外において食品包装フィルム用途等の需要が回復したことにより販売数量が増加し、販売価格も上昇したことから、増収となりました。カプロラクタム・硫安事業は、海外におけるナイロン繊維用途等の需要回復に伴い、販売数量が増加し、増収となりました。工業薬品事業は、アンモニア工場における隔年実施の定期修理及びアンモニアの国内工業用途の需要低迷により、販売数量が減少したことから、減収となりました。C1ケミカル事業及び高機能コーティング事業は、C1ケミカル事業においてライセンス収入があり、また高機能コーティング事業においてアジアで販売が堅調に推移したことから、増収となりました。■エラストマー事業自動車タイヤ向け等の需要は軟調に推移しましたが、主原料ブタジエン価格の上昇により製品価格が上昇し、増収となりました。樹脂・化成品セグメント全体としては、アンモニア工場における隔年実施の定期修理及びアンモニアの国内工業用途の需要低迷に加え、コンポジット事業の販売が軟調に推移した影響等が大きく、増収減益となりました。 機械セグメント成形機事業は、自動車産業向けの製品販売が堅調に推移し、またアフターサービスも堅調に推移したことから、増収となりました。産機事業は、製品販売において前連結会計年度と比較し大型案件が少なく、減収となりました。製鋼事業は、2024年11月1日付で経営権を他社へ譲渡したことにより、販売数量が減少したことから、減収となりました。機械セグメント全体としては、製鋼事業の経営権を譲渡した影響があったものの、成形機事業が堅調に推移したことから、減収増益となりました。 その他セグメント医薬事業は、自社医薬品の販売は堅調に推移したものの、受託医薬品の販売が減少し、減収となりました。電力事業は、セメント関連事業(持分法適用関連会社「UBE三菱セメント株式会社」)等における電力需要の減少により、売電量が減少し、減収となりました。その他セグメント全体としては、医薬事業でロイヤリティ収入及び受託医薬品の販売が減少した影響が大きく、減収減益となりました。 <セグメント別売上高> 前連結会計年度当連結会計年度増 減増減率機能品63,750百万円66,157百万円2,407百万円3.8%樹脂・化成品258,559百万円287,230百万円28,671百万円11.1%機械96,886百万円86,876百万円△10,010百万円△10.3%その他74,479百万円67,780百万円△6,699百万円△9.0%調整額△25,437百万円△21,241百万円4,196百万円-合計468,237百万円486,802百万円18,565百万円4.0% <セグメント別営業利益> 前連結会計年度当連結会計年度増 減増減率機能品12,110百万円11,668百万円△442百万円△3.6%樹脂・化成品2,541百万円1,919百万円△622百万円△24.5%機械7,168百万円7,883百万円715百万円10.0%その他4,464百万円3,208百万円△1,256百万円△28.1%調整額△3,827百万円△6,633百万円△2,806百万円-合計22,456百万円18,045百万円△4,411百万円△19.6%(注)当連結会計年度より、連結子会社であるUBE America Inc.及びUBE CORPORATION AMERICA INC.を「その他」から「樹脂・化成品」へセグメント変更しています。前連結会計年度の売上高及び営業利益は、変更後の区分方法により作成したものです。 ②経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況2022年度を初年度とする中期経営計画における数値目標と進捗状況は以下のとおりです。<主要項目・経営指標> 2022年度(原計画)2022年度実績2023年度(原計画)2023年度実績2024年度(原計画)2024年度実績売上高5,100億円4,947億円5,200億円4,682億円5,200億円4,868億円営業利益345億円162億円410億円225億円400億円180億円経常利益310億円△87億円450億円363億円470億円224億円親会社株主に帰属する当期純利益210億円△70億円320億円290億円330億円△48億円売上高営業利益率(ROS)6.8%3.3%7.9%4.8%8%3.7%自己資本利益率(ROE)5.6%△1.9%8.2%7.5%8%△1.2% ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)機能品60,9260.3樹脂・化成品283,2347.9機械75,990△16.3その他35,0042.7合計455,1541.5 (注)金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっています。 b.受注実績 当連結会計年度における機械の受注実績を示すと、次のとおりです。 なお、機械を除くセグメントの製品については、受注生産は行っていません。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)機械75,141△8.350,828△11.2 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)機能品66,1573.8樹脂・化成品287,23011.1機械86,876△10.3その他67,780△9.0消去△21,241-合計486,8024.0 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっています。2.当連結会計年度より、連結子会社であるUBE America Inc.及びUBE CORPORATION AMERICA INC.を「その他」から「樹脂・化成品」へセグメント変更しており、前年同期比は変更後の事業セグメントの区分に組み替えた数値によって算出しています。 ④財政状態総資産当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ766億3千5百万円(9.7%)増加し、8,656億6千9百万円となりました。流動資産は、原材料及び貯蔵品等の棚卸資産が減少したものの、現金及び預金が増加したことなどにより626億9千9百万円(21.2%)増加し、3,583億7千7百万円となりました。固定資産は、無形固定資産や繰延税金資産が増加したことなどにより138億6千7百万円(2.8%)増加し、5,070億6千8百万円となりました。繰延資産は、社債発行費が増加したことにより6千9百万円(44.5%)増加し、2億2千4百万円となりました。負債当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ939億7千7百万円(26.1%)増加し、4,536億5千6百万円となりました。有利子負債は1,171億4百万円(54.9%)増加し、3,305億3千6百万円となりました。流動負債は、短期借入金やコマーシャル・ペーパーが増加したものの、支払手形及び買掛金が減少したことなどにより5億2百万円(△0.3%)減少し、1,977億1千9百万円となりました。固定負債は、社債や長期借入金が増加したことなどにより944億7千9百万円(58.5%)増加し、2,559億3千7百万円となりました。純資産当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ173億4千2百万円(△4.0%)減少し、4,120億1千3百万円となりました。株主資本は、利益剰余金が配当により106億7千9百万円、親会社株主に帰属する当期純損失により48億1千6百万円減少したことなどにより153億9千万円(△4.4%)減少し、3,382億2千6百万円となりました。その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金が減少したものの、為替換算調整勘定や退職給付に係る調整累計額が増加したことなどにより17億7千9百万円(3.2%)増加し、568億5千2百万円となりました。非支配株主持分は、36億9千3百万円(△17.9%)減少し、169億1千1百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ6.2ポイント減少し、45.6%となりました。 前連結会計年度当連結会計年度増 減総資産789,034百万円865,669百万円76,635百万円負債359,679百万円453,656百万円93,977百万円純資産429,355百万円412,013百万円△17,342百万円 ⑤キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動により得られた資金は358億3千7百万円(前連結会計年度に比べ171億2千3百万円の減少)となりました。これは税金等調整前当期純損失、減価償却費、減損損失、運転資金の増減等から法人税等の支払額を控除した結果となります。投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果使用した資金は631億5千2百万円(前連結会計年度に比べ298億3千6百万円の増加)となりました。これは設備投資による支出等によるものです。財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動により得られた資金は1,058億5千1百万円(前連結会計年度は157億1千2百万円の支出)となりました。これは有利子負債の借入等によるものです。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額を含め、前連結会計年度末に比べ795億8千3百万円(221.9%)増加し、1,154億4千2百万円となりました。 前連結会計年度当連結会計年度増 減営業活動によるキャッシュ・フロー52,960百万円35,837百万円△17,123百万円投資活動によるキャッシュ・フロー△33,316百万円△63,152百万円△29,836百万円財務活動によるキャッシュ・フロー△15,712百万円105,851百万円121,563百万円 ⑥資本の財源及び資金の流動性に関する情報(財務の基本方針)当社グループは、財務構造の健全性維持及び資金の効率的調達・運用を基本方針として財務活動を行っており、取締役会がその活動状況を監督しています。資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入や社債、コマーシャル・ペーパー(電子CP)の発行等により行っています。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、一部の取引銀行とコミットメントライン設定契約を締結しています。 (資本の財源及び資金の流動性)当社グループは、スペシャリティ化学企業としての成長を目指し、1st Stageとして2022年度からスタートした前中期経営計画において積極的な投資活動を行ってきました。そのための財源として、営業キャッシュ・フローから1,376億円、資産売却で78億円、負債調達で1,273億円、その他174億円のキャッシュインにより合計2,901億円の資金を確保しました。使途については、設備投資に1,260億円、投融資に241億円、研究開発に306億円、株主還元に295億円、合計2,102億円を支出しました。設備投資1,260億円のうち60%はスペシャリティ事業へ投資しており、主要な案件は、宇部ケミカル工場におけるポリイミドフィルム工場やポリイミド原料モノマー(BPDA)工場の増設、タイにおけるPCD製造設備の増設、米国におけるDMC・EMC工場の建設です。2024年度末の手元キャッシュ残高は1,154億円となりましたが、これは2025年4月1日にウレタンシステムズ事業の株式取得対価を支払うために一時的に残高が積み上がったものです。基本方針として、手元キャッシュ残高は400億円程度を目安に適切にコントロールします。続く新中期経営計画では、2nd Stageとして投資効果の確実な発現と更なる成長施策を推進します。6年間で4,300億円の営業キャッシュ・フローと、資産売却等による1,450億円のキャッシュインを見込んでおり、これには、UBEマシナリー株式会社(機械事業)及びUBE三菱セメント株式会社(セメント関連事業)の上場に伴うキャッシュインも織り込んでいます。創出したキャッシュは、設備投資、投融資、研究開発といった成長投資に重点的に投じ、総額5,450億円のうち75%をスペシャリティ事業へ振り向けます。機械事業やセメント関連事業の上場準備を進める一方、スペシャリティ事業への投資を拡大し、事業ポートフォリオの入れ替えを進めます。また、株主還元は安定配当を基本方針として700億円の配当を計画する一方で、有利子負債は350億円削減します。財務の健全性については、新中期経営計画では、高水準の設備投資・投融資を計画しているため、一時的に財務的なストレスが高まることも想定しています。D/Eレシオを1倍以内とすることを一つの目安と考え、有利子負債の水準を市場からの信頼を維持できる範囲内に抑制し、財務健全性及び市場からの信頼を維持していきます。 (2)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告年度における収益・費用の数値に影響を与える将来に関する見積り及び仮定が必要であり、過去の実績やその他の様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っています。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)経営方針120年を超える歴史を刻む当社グループは、「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」を創業の精神として受け継ぎ、時代と産業構造の変化に対応しながら、新たな技術への挑戦と自己変革を重ねて業容を拡大してまいりました。今後ますます多様化・複雑化するニーズに応えながら、下記の当社グループのパーパス(存在意義)を全うすべく経営理念と経営方針に基づき、未来につながる、新たな価値を創出するための事業活動をグローバルに展開するとともに、ESG(環境・社会・コーポレートガバナンス)への取組みを一層充実し、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。また、株主を始め顧客、取引先、従業員や地域社会等のあらゆるステークホルダー、更には地球環境との共生を実践し、これらに貢献する価値創出企業であり続けます。 パーパス(存在意義) 「創業以来の歴史の中で培ってきたモノづくりの技術を活かし、社会に必要とされている価値を、社会が求める安全で環境負荷の少ない方法で創り出し、人々に提供していくこと。これにより、人類共通の課題となった地球環境問題の解決に、また人々の生命・健康、そして未来へとつながる豊かな社会に貢献すること」 経営理念 「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します」 経営方針「倫理」 高い倫理観を保ち、法令及び社会規範を遵守します「安全と安心」 地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います「品質」 お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします「人」 個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくります当社は、2022年4月に「UBE株式会社」という新社名の下、化学事業持株会社へと経営構造を転換し新たなスタートを切りました。今後は、スペシャリティ化学の企業グループとしてグローバルに持続的成長を図るとともに持続可能な社会への貢献に取り組み、機械事業やセメント関連事業については、持株会社としての経営を推進し、UBEグループとしての企業価値の最大化を図ります。(2)経営戦略等当社グループは、長期ビジョン「UBE Vision 2030 Transformation」で描いた目指す姿の実現に向け、直近3カ年のアクションプランとして中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」(対象期間:2022年度~2024年度)を策定し、以下の基本方針及び数値目標を掲げております。◆長期ビジョン(2030年)の目指す姿「地球環境と人々の健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学を中核とする企業グループ」この目指す姿の実現に向け、「エネルギー負荷の低い」、「市況変動に左右されにくい」、「収益性の高い」スペシャリティ製品を主体とする事業構造への転換を進めてまいります。また、こうした事業構造改革と省エネ推進・プロセス改善等の施策により、温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標の達成を目指すとともに、環境に貢献する製品や技術の開発と実用化を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。◆中期経営計画の基本方針(ⅰ) スペシャリティ化学を中心にグローバルな利益成長を追求(ⅱ) 地球環境問題に対応した事業構造改革(ⅲ) 持続的成長に向けた人的資本の充実(iv) DX(デジタルトランスフォーメション)の推進による企業価値の向上と顧客価値の創出(v) ガバナンスの更なる向上 (3)経営環境当連結会計年度においては、世界経済はロシアによるウクライナ侵攻の長期化、新型コロナウイルス感染再拡大に伴う中国のロックダウン、半導体をはじめとした部品不足の長期化やサプライチェーンの混乱等、多くの不安定要因が発生し、当社事業においては、エネルギーコストや原材料価格の高騰、物価上昇等に伴う需要減退の影響を受けました。これら地政学的リスクの深刻化、エネルギーコストや原材料価格の高騰、物価上昇や金利上昇に伴う需要減退の懸念等から今後も先行きが見通しづらい状況が続くものと予測されます。こうした状況に加え、地球温暖化、海洋プラスチック等の環境問題、自然災害の増加、インフラの老朽化、少子高齢化等、持続可能な社会創出のための諸課題への対応が企業活動に求められており、更には、DXによる競争優位性の変化、健康や安全・安心についての意識の更なる高まり等、経営環境の変化のスピードも一段と速まっております。 (4)優先的に対処すべき課題等当社グループはこれらの経営環境を踏まえ、ナイロンポリマー・カプロラクタム及びセメント関連事業において需要低迷や原燃料価格上昇の影響を受けて最終損失となりましたが、スペシャリティ化と地球環境問題への取組みを強く意識した事業構造改革を着実に進めながら、業績の回復と収益基盤の強化を図るとともに、将来の更なる成長を推進してまいります。すべてのステークホルダーに価値を創出し続けていくために、中期経営計画における5つの基本方針の着実な実行を重要な課題として認識しております。(ⅰ)スペシャリティ化学を中心にグローバルな利益成長を追求技術力やバリューチェーンにおける強みをベースに付加価値を創出することで高収益を実現できるスペシャリティ事業に経営資源を重点的に投入し、一層の成長・拡大を図ります。需要拡大に対応したポリイミド、分離膜、コンポジット、ファインケミカル(C1ケミカル)、高機能コーティング等の能力増強や北米での生産拠点新設を進め、グローバルでの事業拡大と利益成長を目指してまいります。他方、ベーシック事業については更なるコスト競争力の強化とともに、ナイロンポリマー、硫安、工業薬品、エラストマー等での高付加価値グレードの拡充並びに環境貢献型製品の開発や上市への取組みを推進し、安定的なキャッシュ・フローと着実な収益の上乗せを図ってまいります。(ⅱ)地球環境問題に対応した事業構造改革石炭を主要なエネルギー源として事業展開してきた当社グループは、エネルギー多消費型の事業構造を変革することが大きな課題であると認識しております。2021年4月に「UBEグループ 2050年カーボンニュートラルへの挑戦」を宣言し、自らの事業活動から排出されるGHGの実質排出量ゼロに挑戦するとともに、環境に貢献する製品・技術に関わる研究開発の推進とイノベーションの実用化により、社会全体のカーボンニュートラルへの貢献を目指すことといたしました。2030年度までの中期目標として、GHG排出削減率を50%(2013年度比)、環境貢献型製品・技術の連結売上高比率を60%以上にすることを目指しております。こうした目標の達成に向け、中期経営計画期間においては生産活動における徹底した省エネ推進・プロセス改善に継続的に取り組むとともに、再生可能エネルギーを最大限活用し、GHG排出量の削減に努めてまいります。また、グローバルな最適生産体制構築のため国内ナイロンポリマーの海外へのシフトを進めるとともに、エネルギー負荷が高く中長期的に収益力の改善も見通しづらい国内カプロラクタムは、2024年度に主要期系の停止により減産する検討を深めてまいります。(ⅲ)持続的成長に向けた人的資本の充実ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン推進のため、特に日本国内では、女性が働きやすく働き甲斐がある制度と環境整備の推進、専門性の高いキャリア採用や外国人採用の拡充等を進めるとともに、グループ全体でワークエンゲージメントの向上に取り組んでまいります。(ⅳ)DXの推進による企業価値の向上と顧客価値の創出新たに設置したDX推進室が主体となり、デジタル人財の育成を推進し、デジタル技術を活用した業務効率化とともに、新たな顧客価値や新規事業の創出を加速いたします。 (ⅴ)ガバナンスの更なる向上化学事業会社として、グループ・カバナンスのレベルアップに努めるとともに、機械事業やセメント関連事業については、持株会社としてのガバナンス体制の整備、運用を通して、UBEグループの企業価値の最大化に努めてまいります。<事業ポートフォリオ>長期ビジョンの目指す姿とともに、今後の市場の成長期待、UBEグループの有する強み、収益性等を踏まえて、化学分野の主要事業・製品の位置づけを明確にするとともに、経営資源投入の判断にも活用いたします。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」においては、最終年度となる2024年度の数値目標を次のとおり設定しております。<主要項目> 2024年度目標営業利益400億円(うちスペシャリティ事業 240億円)経常利益470億円 <経営指標> 2024年度目標売上高営業利益率(ROS)8%自己資本利益率(ROE)8% <非財務指標> 2024年度目標(日本国内連結ベース)女性社員比率15%女性管理職比率6%
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)経営方針120年を超える歴史を刻む当社グループは、「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」を創業の精神として受け継ぎ、時代と産業構造の変化に対応しながら、新たな技術への挑戦と自己変革を重ねて業容を拡大してまいりました。今後ますます多様化・複雑化するニーズに応えながら、下記の当社グループのパーパス(存在意義)を全うすべく経営理念と経営方針に基づき、未来につながる、新たな価値を創出するための事業活動をグローバルに展開するとともに、ESG(環境・社会・コーポレートガバナンス)への取組みを一層充実し、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。また、株主を始め顧客、取引先、従業員や地域社会等のあらゆるステークホルダー、更には地球環境との共生を実践し、これらに貢献する価値創出企業であり続けます。 パーパス(存在意義) 「創業以来の歴史の中で培ってきたモノづくりの技術を活かし、社会に必要とされている価値を、社会が求める安全で環境負荷の少ない方法で創り出し、人々に提供していくこと。これにより、人類共通の課題となった地球環境問題の解決に、また人々の生命・健康、そして未来へとつながる豊かな社会に貢献すること」 経営理念 「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します」 経営方針「倫理」 高い倫理観を保ち、法令及び社会規範を遵守します「安全と安心」 地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います「品質」 お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします「人」 個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくります当社は、2022年4月に「UBE株式会社」という新社名の下、化学事業持株会社へと経営構造を転換し新たなスタートを切りました。今後は、スペシャリティ化学の企業グループとしてグローバルに持続的成長を図るとともに持続可能な社会への貢献に取り組み、機械事業やセメント関連事業については、持株会社としての経営を推進し、UBEグループとしての企業価値の最大化を図ります。(2)経営戦略等当社グループは、長期ビジョン「UBE Vision 2030 Transformation」で描いた目指す姿の実現に向け、直近3カ年のアクションプランとして中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」(対象期間:2022年度~2024年度)を策定し、以下の基本方針及び数値目標を掲げております。◆長期ビジョン(2030年)の目指す姿「地球環境と人々の健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学を中核とする企業グループ」この目指す姿の実現に向け、「エネルギー負荷の低い」、「市況変動に左右されにくい」、「収益性の高い」スペシャリティ製品を主体とする事業構造への転換を進めてまいります。また、こうした事業構造改革と省エネ推進・プロセス改善等の施策により、温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標の達成を目指すとともに、環境に貢献する製品や技術の開発と実用化を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。◆中期経営計画の基本方針(ⅰ) スペシャリティ化学を中心にグローバルな利益成長を追求(ⅱ) 地球環境問題に対応した事業構造改革(ⅲ) 持続的成長に向けた人的資本の充実(iv) DX(デジタルトランスフォーメション)の推進による企業価値の向上と顧客価値の創出(v) ガバナンスの更なる向上 (3)経営環境当連結会計年度においては、世界経済はロシアによるウクライナ侵攻の長期化、新型コロナウイルス感染再拡大に伴う中国のロックダウン、半導体をはじめとした部品不足の長期化やサプライチェーンの混乱等、多くの不安定要因が発生し、当社事業においては、エネルギーコストや原材料価格の高騰、物価上昇等に伴う需要減退の影響を受けました。これら地政学的リスクの深刻化、エネルギーコストや原材料価格の高騰、物価上昇や金利上昇に伴う需要減退の懸念等から今後も先行きが見通しづらい状況が続くものと予測されます。こうした状況に加え、地球温暖化、海洋プラスチック等の環境問題、自然災害の増加、インフラの老朽化、少子高齢化等、持続可能な社会創出のための諸課題への対応が企業活動に求められており、更には、DXによる競争優位性の変化、健康や安全・安心についての意識の更なる高まり等、経営環境の変化のスピードも一段と速まっております。 (4)優先的に対処すべき課題等当社グループはこれらの経営環境を踏まえ、ナイロンポリマー・カプロラクタム及びセメント関連事業において需要低迷や原燃料価格上昇の影響を受けて最終損失となりましたが、スペシャリティ化と地球環境問題への取組みを強く意識した事業構造改革を着実に進めながら、業績の回復と収益基盤の強化を図るとともに、将来の更なる成長を推進してまいります。すべてのステークホルダーに価値を創出し続けていくために、中期経営計画における5つの基本方針の着実な実行を重要な課題として認識しております。(ⅰ)スペシャリティ化学を中心にグローバルな利益成長を追求技術力やバリューチェーンにおける強みをベースに付加価値を創出することで高収益を実現できるスペシャリティ事業に経営資源を重点的に投入し、一層の成長・拡大を図ります。需要拡大に対応したポリイミド、分離膜、コンポジット、ファインケミカル(C1ケミカル)、高機能コーティング等の能力増強や北米での生産拠点新設を進め、グローバルでの事業拡大と利益成長を目指してまいります。他方、ベーシック事業については更なるコスト競争力の強化とともに、ナイロンポリマー、硫安、工業薬品、エラストマー等での高付加価値グレードの拡充並びに環境貢献型製品の開発や上市への取組みを推進し、安定的なキャッシュ・フローと着実な収益の上乗せを図ってまいります。(ⅱ)地球環境問題に対応した事業構造改革石炭を主要なエネルギー源として事業展開してきた当社グループは、エネルギー多消費型の事業構造を変革することが大きな課題であると認識しております。2021年4月に「UBEグループ 2050年カーボンニュートラルへの挑戦」を宣言し、自らの事業活動から排出されるGHGの実質排出量ゼロに挑戦するとともに、環境に貢献する製品・技術に関わる研究開発の推進とイノベーションの実用化により、社会全体のカーボンニュートラルへの貢献を目指すことといたしました。2030年度までの中期目標として、GHG排出削減率を50%(2013年度比)、環境貢献型製品・技術の連結売上高比率を60%以上にすることを目指しております。こうした目標の達成に向け、中期経営計画期間においては生産活動における徹底した省エネ推進・プロセス改善に継続的に取り組むとともに、再生可能エネルギーを最大限活用し、GHG排出量の削減に努めてまいります。また、グローバルな最適生産体制構築のため国内ナイロンポリマーの海外へのシフトを進めるとともに、エネルギー負荷が高く中長期的に収益力の改善も見通しづらい国内カプロラクタムは、2024年度に主要期系の停止により減産する検討を深めてまいります。(ⅲ)持続的成長に向けた人的資本の充実ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン推進のため、特に日本国内では、女性が働きやすく働き甲斐がある制度と環境整備の推進、専門性の高いキャリア採用や外国人採用の拡充等を進めるとともに、グループ全体でワークエンゲージメントの向上に取り組んでまいります。(ⅳ)DXの推進による企業価値の向上と顧客価値の創出新たに設置したDX推進室が主体となり、デジタル人財の育成を推進し、デジタル技術を活用した業務効率化とともに、新たな顧客価値や新規事業の創出を加速いたします。 (ⅴ)ガバナンスの更なる向上化学事業会社として、グループ・カバナンスのレベルアップに努めるとともに、機械事業やセメント関連事業については、持株会社としてのガバナンス体制の整備、運用を通して、UBEグループの企業価値の最大化に努めてまいります。<事業ポートフォリオ>長期ビジョンの目指す姿とともに、今後の市場の成長期待、UBEグループの有する強み、収益性等を踏まえて、化学分野の主要事業・製品の位置づけを明確にするとともに、経営資源投入の判断にも活用いたします。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」においては、最終年度となる2024年度の数値目標を次のとおり設定しております。<主要項目> 2024年度目標営業利益400億円(うちスペシャリティ事業 240億円)経常利益470億円 <経営指標> 2024年度目標売上高営業利益率(ROS)8%自己資本利益率(ROE)8% <非財務指標> 2024年度目標(日本国内連結ベース)女性社員比率15%女性管理職比率6%
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度との比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。 ①経営成績の状況当社グループは、当連結会計年度からスタートした3カ年の中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation ~1st Stage~」において、「スペシャリティ化学を中心としてグローバルに利益成長を追求」「地球環境問題に対応した事業構造改革」「持続的成長に向けた人的資本の充実」「DXの推進による企業価値の向上と顧客価値の創出」「ガバナンスの更なる向上」を基本方針とし、事業構造改革と成長の実現に向けた取組みを推進してまいりました。当連結会計年度においては、ウクライナ情勢に伴う原燃料価格高騰に対して各製品の販売価格是正を進め、また機能品セグメントにおいて販売が堅調に推移しましたが、セメント関連事業を持分法適用関連会社(UBE三菱セメント㈱)に移管した影響が大きく、売上高は前連結会計年度を下回りました。営業利益は、樹脂・化成品セグメントにおける原燃料価格高騰及び需要減退による販売数量減少に加え、アンモニア工場で隔年の定期修理を実施した影響が大きく、前連結会計年度を下回りました。経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の減少に加え、セメント関連事業が石炭価格高騰の影響を受け持分法投資損益が大きく悪化したことから、前連結会計年度を下回り損失となりました。この結果、当社グループの売上高は前連結会計年度に比べ1,605億2千7百万円減の4,947億3千8百万円、営業利益は277億4千8百万円減の162億9千万円、経常損失は86億8千9百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は70億6百万円となりました。項 目売上高営業利益経常利益又は経常損失(△)親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)当連結会計年度494,738百万円16,290百万円△8,689百万円△7,006百万円前連結会計年度655,265百万円44,038百万円41,549百万円24,500百万円増 減△160,527百万円△27,748百万円△50,238百万円△31,506百万円増 減 率△24.5%△63.0%-- ②生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)機能品61,3022.2樹脂・化成品289,17514.1機械92,391△2.9その他28,145256.2合計471,013△11.4 (注)1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっております。2.前年同期比の算出に当たって、セメント関連事業の前連結会計年度における生産実績(114,971百万円)は各セグメントの生産実績に含めておらず、合計にのみ含めております。 b.受注実績 当連結会計年度における機械の受注実績を示すと、次のとおりです。 なお、機械を除くセグメントの製品については、受注生産は行っておりません。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)機械74,3282.852,2290.3c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)機能品62,1582.3樹脂・化成品293,38812.8機械96,921△0.1その他73,11034.8消去△30,839-合計494,738△24.5 (注)セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっております。 ③財政状態総資産当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ、セメント関連事業を持分法適用関連会社に移管した影響等により、1,063億1千8百万円(△12.7%)減少し、7,316億3千6百万円となりました。流動資産は、現金及び預金、売掛金等の売上債権が減少したこと等により1,116億7千3百万円(△28.3%)減少し、2,830億1千6百万円となりました。固定資産は、有形固定資産等が減少した一方で、投資有価証券が増加したこと等により53億3千9百万円(1.2%)増加し、4,484億7千1百万円となりました。繰延資産は、社債発行費が増加したことにより1千6百万円増加し、1億4千9百万円となりました。負債当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ、セメント関連事業を持分法適用関連会社に移管した影響等により、939億4千2百万円(△21.2%)減少し、3,499億7千7百万円となりました。有利子負債は236億6千9百万円(△9.8%)減少し、2,181億4千3百万円となりました。流動負債は、支払手形及び買掛金、コマーシャル・ペーパーが減少したこと等により780億1千5百万円(△31.3%)減少し、1,711億5千9百万円となりました。固定負債は、社債が増加したものの、長期借入金が減少したこと等により159億2千7百万円(△8.2%)減少し、1,788億1千8百万円となりました。純資産当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、123億7千6百万円(△3.1%)減少し、3,816億5千9百万円となりました。株主資本は、剰余金の配当により96億9千2百万円、親会社株主に帰属する当期純損失により利益剰余金が70億6百万円減少したこと等により164億3千4百万円(△4.7%)減少し、3,351億1千5百万円となりました。その他の包括利益累計額は、為替換算調整勘定が増加したこと等により89億3千1百万円(50.8%)増加し、265億2千4百万円となりました。非支配株主持分は、44億3千4百万円(△18.2%)減少し、199億4千9百万円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ、5.3ポイント増加し49.4%となりました。 当連結会計年度前連結会計年度増 減総資産731,636百万円837,954百万円△106,318百万円負債349,977百万円443,919百万円△93,942百万円純資産381,659百万円394,035百万円△12,376百万円 ④キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ、145億8千4百万円減の181億2千7百万円となりました。これは、運転資金が改善したものの、税金等調整前当期純損失となったこと等によるものです。投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、173億5千4百万円減の260億1千9百万円となりました。これは、貸付金の回収による収入が増加したことと、有形及び無形固定資産の取得による支出が減少したこと等によるものです。財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ、59億2千8百万円減の24億4千3百万円となりました。これは、自己株式の取得による支出が減少したものの、有利子負債の増減による収入が減少したこと等によるものです。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、セメント関連事業を持分法適用関連会社に移管したことによる減少の影響もあり、現金及び現金同等物に係る換算差額等を含め、前連結会計年度末に比べ、480億5千8百万円(△61.0%)減の307億3百万円となりました。 当連結会計年度前連結会計年度増 減営業活動によるキャッシュ・フロー18,127百万円32,711百万円△14,584百万円投資活動によるキャッシュ・フロー△26,019百万円△43,373百万円17,354百万円財務活動によるキャッシュ・フロー2,443百万円8,371百万円△5,928百万円 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析、検討内容中期経営計画の初年度に当たる当連結会計年度の業績は、前連結会計年度に比べ、売上高は機械セグメントを除くすべてのセグメントで増加しましたが、セメント関連事業を持分法適用関連会社(UBE三菱セメント㈱)に移管したことが影響し、減少となりました。営業利益は機械セグメントを除いて減少し、特に樹脂・化成品セグメントにおいては、原燃料価格高騰及び需要減退による販売数量減少に加え、アンモニア工場で隔年の定期修理を実施したことが大きく影響しました。<売上高> 当連結会計年度前連結会計年度増 減増減率機能品62,158百万円60,787百万円1,371百万円2.3%樹脂・化成品293,388百万円260,044百万円33,344百万円12.8%機械96,921百万円96,987百万円△66百万円△0.1%その他73,110百万円54,242百万円18,868百万円34.8%調整額△30,839百万円183,205百万円△214,044百万円-合計494,738百万円655,265百万円△160,527百万円△24.5% <営業利益> 当連結会計年度前連結会計年度増 減増減率機能品10,464百万円11,627百万円△1,163百万円△10.0%樹脂・化成品2,426百万円23,516百万円△21,090百万円△89.7%機械5,215百万円5,130百万円85百万円1.7%その他2,643百万円3,548百万円△905百万円△25.5%調整額△4,458百万円217百万円△4,675百万円-合計16,290百万円44,038百万円△27,748百万円△63.0% 各セグメントの主要製品の状況は次のとおりです。 機能品セグメント主要な事業内容ポリイミド、分離膜、セラミックス、セパレータ等の製造・販売◆ポリイミドポリイミドについては、原料であるBPDA(ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)、フィルム及びワニスのそれぞれの強みを活かし、ニッチな市場で高いシェアを維持・拡大してまいります。当連結会計年度においては、大型ディスプレイ向けCOFフィルムで高いシェアを維持するとともに、半導体の製造装置・検査装置で使用されるパウダーについては、販売量が増加しました。足元の事業環境においては、ディスプレイ市場は、パネルメーカーの生産調整が長期化しておりますが、ディスプレイの需要は今後も成長が見込まれており、新規用途(5G対応FPC、車載モーター等)での需要拡大も予想されます。今後については、現在建設中のBDPA及びフィルムの新規設備の速やかな立ち上げを目指すとともに、パウダーや新規ワニス等の非回路基板分野での販売拡大や、フレキシブルPV向けフィルムや水系ワニス等の環境貢献型製品の販売拡大を図ってまいります。 ◆分離膜分離膜については、環境・エネルギー分野を基軸とした事業拡大と商品力強化に取り組んでおります。当連結会計年度においては、受注数量が中期計画を大きく上回り、特に、バイオメタン製造向けCO2分離膜の需要が急増しました。また、ガス分離膜用ポリイミド中空糸膜製造設備及び分離膜モジュール製造設備の増設を前倒しで決定し、2025年度上期稼働に向けて着手しました。足元の事業環境では、非化石エネルギー確保のため欧米でバイオ燃料の検討や生産が急速に進んでおり、カーボンニュートラルへ向け多様化する再生可能なエネルギー・化学品用途の需要が増加することが予想されます。今後については、欧州・北米とともに南米・アジアへ伸長するバイオメタン製造向けの需要を確実に取り込みながら、生産能力の増強を図ります。また、再生可能なエネルギー・化学品製造用途の水素分離膜及びアルコール脱水膜の販売計画の上積みにも取り組んでまいります。◆セラミックスセラミックスについては、着実に伸長を見せる需要に応じた生産体制の確立に取り組んでおります。当連結会計年度においては、需要の拡大にあわせ、xEV市場向けの軸受及び基板用途を中心に販売を拡大しました。足元の事業環境では、軸受及び基板用途は、川下顧客の増産計画が進行しており、xEV市場向けの需要拡大が加速しております。切削工具やグロープラグ、蛍光体向けは需要が安定しております。需給バランスが非常にタイトになっており、生産性向上を図ってまいります。今後については、更なる需要の増加が見込まれるxEV市場向けに拡販、事業拡大を図るとともに、イミド熱分解法の特長を活かし、品質の更なる差別化を推進してまいります。◆セパレータセパレータについては、xEV向けでの競争力強化による拡販に加え、乾式膜の特性が活かせる非車載用途への展開に取り組んでおります。当連結会計年度においては、車載用ではHEV用途を中心に新規案件を獲得しました。また、非車載用での拡販対応及び顧客要求にあわせた開発を推進しました。足元の事業環境では、世界的な脱炭素化社会の流れで自動車の電動化及び再生可能エネルギー発電の普及による電力貯蔵システム(ESS)の必要性が拡大しております。セパレータの需要は旺盛なものの、半導体や他部材供給逼迫による自動車減産により、足元の需要は軟調です。今後については、HEV用途を中心に、xEV向け製品特性の向上による販売拡大を図ってまいります。また、更なる競争力強化のためのコストダウン及び品質向上を推進してまいります。 樹脂・化成品セグメント主要な事業内容コンポジット、ナイロンポリマー、カプロラクタム(ナイロン原料)、硫安、工業薬品、ファインケミカル(C1ケミカル)、高機能コーティング、エラストマー(合成ゴム)等の製造・販売◆コンポジットコンポジットについては、エンプラコンポジットメーカーとしてグローバルに存在感のあるソリューションプロバイダーを目指しております。当連結会計年度においては、タイでのコンポジット能力増強と、水素タンクライナー用途グレードや難燃グレード等の非強化特殊グレードの生産設備の新設に計画どおり着手しました。北米でも非強化付加価値製品の販売が本格化し、ナイロン6製品だけでなくナイロン12製品の立ち上げも現在進行中です。足元においては、半導体等の部材不足による自動車減産に伴い、エンプラ需要も一時的に減少しております。世界の自動車生産台数は、2023年度は一定の回復が予測されますが、コロナ前の水準までは至らないと考えられます。今後については、現状の生産能力は約5万トン/年、売上規模は約400億円ですが、2030年までに生産能力を8万トン/年以上まで増強し、600億円以上の売上規模を目指します。そのために、環境対応型製品の開発及び市場投入を行い、スペシャリティビジネスの事業拡大とグローバル展開に取り組んでまいります。また、自動車部材の需要拡大にあわせ、タイに続き欧州やアメリカでも能力増強を計画しており、M&Aやアライアンスによる事業拡大(水平展開、川下展開)も選択肢として検討してまいります。◆ナイロンポリマーナイロンポリマーについては、環境貢献型製品投入及びアジア重合期系再編の加速を進めております。当連結会計年度においては、タイで共重合グレード製造ラインへの改造が完了し、アジア向けに販売を開始しました。 足元においては、物価高止まりによる欧州食品包装用フィルムの需要が減速し、半導体不足等による民生用LiB外装フィルム用途の需要が減少しました。汎用グレードは、中国品との価格競争が世界市場で激化しております。今後については、共重合グレードを日本からタイへ完全移管し、アジア重合体制最適化の更なる推進に取り組んでまいります。また、環境貢献型製品(バイオマス、マテリアルリサイクル材、薄膜化材)の市場投入や価格競争に晒されない共重合ナイロン高付加価値グレードの拡充にも取り組んでまいります。◆カプロラクタム・硫安ナイロン原料のカプロラクタム及び硫安については、事業損益変動の最小化に向けた再編の検討及び実行を加速するとともに、大粒硫安等の高付加価値製品の事業拡大に取り組んでおります。当連結会計年度においては、硫安は、大粒硫安増産に向けた投資を検討するとともに、タイ品大粒硫安の日本向け拡販を実現しました。足元においては、川下需要や原料価格の変動が大きく厳しい事業環境となりました。日本・スペイン・タイの三極で機動的に生産・出荷バランスを調整し、利益を最大化します。今後については、カプロラクタムは、宇部地区の2024年度主要期系停止による減産計画を深化させるとともに、硫安は、2024年のスペインでの付加価値品増産に向けた投資・開発の検討を本格化してまいります。また、スペイン・タイでのユーティリティーコスト、GHG削減に向けた設備投資の検討及び着手を進めてまいります。◆工業薬品工業薬品についても、事業損益変動の最小化に向けた再編の検討及び実行を加速するとともに、高純度硝酸等の高付加価値製品の事業拡大に取り組んでおります。当連結会計年度においては、宇部地区再編プロジェクトを発足し、アンモニア停止に向けた詳細ステップの検討を進めております。また、2024年初頭に向けた高純度硝酸工場の能力増強を推進しております。足元においては、アンモニアの川下需要は低調です。原料ガス価格の軟化もあり、市場価格は下落しております。損益への影響を抑えるべく、可能な限りの生産・販売を維持します。今後については、アンモニアは、市況に注視しつつ最大限の生産・販売量を確保するとともに、硝酸は、半導体市場の拡大にあわせて高純度硝酸工場の生産能力増強に引き続き注力してまいります。◆ファインケミカル(C1ケミカル)ファインケミカル(C1ケミカル)については、DMC及びEMCの北米・欧州での新規工場建設の検討を進めており、誘導品の高機能コーティングを含めたC1ケミカルチェーン製品(DMC、EMC、PCD、PUD)の積極拡大に取組んでおります。当連結会計年度においては、LiB電解液用DMCの販売は、概ね計画どおり進捗しました。中国でのDMCライセンス案件数も順調に拡大しております。足元の事業環境については、半導体不足の影響はあるものの、BEVの生産量は伸長しております。DMCの用途であるLiBの市場規模についても拡大が見込まれ、2030年には現状の4~5倍に拡大すると予想されます。今後については、C1ケミカルチェーン製品の現在の連結売上高は約130億円ですが、2030年までに北米・欧州にDMC及びEMCの生産拠点を拡大することで、C1ケミカルチェーン製品として連結売上高600~800億円、連結営業利益率20~25%を目指してまいります。2023年度は、DMC及びEMCの北米・欧州での新規工場建設の具体化に向けて取り組んでまいります。◆高機能コーティング高機能コーティングについては、事業の積極拡大に取り組んでおります。当連結会計年度においては、PCDは、タイでのPCD3期設備の建設に着工しました。PUDは、宇部ケミカル工場での無溶剤グレード設備が稼働を開始しております。また、中国市場での販路拡大のため、PUDの中国ラボを設置しました。足元の事業環境については、PCDは、欧州・日本市場が成熟するものの、アジア、特に中国では成長が継続しております。PUDは、中国を中心に環境対応(溶剤フリー等)製品の需要が拡大しております。今後については、2023年度にタイにおけるPCD3期設備の稼働を開始するとともに、2025年稼働開始を目標として、タイでのPUD設備の設置を具体化してまいります。◆エラストマー(合成ゴム)エラストマーについては、製・販・技一体で意思決定及び施策実行をスピードアップさせ、ステークホルダーからの信頼の厚い事業への変革に取り組んでおります。当連結会計年度においては、千葉・タイは通年で安定生産を継続しました。期初から原燃料価格が高騰し、下期には需要が減退しましたが、製・販・技一体となり厳しい事業環境に対応しました。足元の事業環境については、原油や主原料であるブタジエン等の原燃料価格の上昇による収益悪化の懸念があるとともに、景気減速によってブタジエンゴムの需要が低迷しております。また、カーボンニュートラルやサステナビリティへの対応に向けた意識が高まってきております。今後については、安全・安定生産を継続するとともに、マレーシア工場の再稼働後の安定生産に尽力します。また、スペシャリティ化を推進するとともに、地球環境問題への対応を推進してまいります。 機械セグメント主要な事業内容成形機(ダイカストマシン、押出プレス、射出成形機)、産業機械(窯業機、化学機器、粉砕機、運搬機、除塵機、破砕機)、橋梁・鉄構、製鋼品(ビレット、鋳造品)等の製造・販売◆成形機成形機については、自動車のxEV化や電動化、車両部品の軽量化ニーズに対応した製品開発に取り組んでおります。当連結会計年度においては、ダイカストマシンは、生産・稼働時間短縮に貢献する超ハイサイクル機を開発し、検証設備を設置しました。xEV化進展に伴い、高まる生産効率向上への要求に応えるとともに、CO2削減によりカーボンニュートラルに寄与します。射出成型機は、2プラテン電動射出成型機を2023年2月に販売開始しました。省エネ及び生産効率向上を実現し、油圧機の更新需要を取り込みます。足元の事業環境では、自動車のxEV化・電動化・軽量化及びカーボンニュートラル・リサイクル分野に資する技術ニーズが高まっております。また、北米、中国、韓国、そしてインド顧客の設備投資が増加傾向にあります。なお、半導体不足による電気部品の長納期化は、継続しております。今後については、中国では現地OEM体制構築を目指すとともに、インドでは現地代理店を活用した拡販に取り組んでまいります。また、ダイカストマシンは、車のxEV化に伴う生産効率向上への要求に対応した車体部品を低コストで生産可能な超大型ダイカストマシンの開発を行い、射出成型機は、カーボンニュートラルや循環型社会に対応した新製品やプロセスの開発を行ってまいります。◆産業機械産業機械については、バイオマスハンドリング、洋上風力発電設備、アンモニア関連設備等の環境新市場に参入してまいります。当連結会計年度においては、洋上風力市場で2つのプロジェクトの大型構造物関連機器を受注しました。足元の事業環境では、再生可能エネルギー市場や製品リサイクル市場に資する技術ニーズが高まっておりますが、原燃料価格高騰の影響による設備投資の先送りや中止等が生じております。今後については、環境関連のマーケットニーズを実現する製品やサービスの提供で事業拡大に取り組むとともに、バイオマス燃料搬送設備、洋上風力発電設備、アンモニア関連市場への参入を図ってまいります。また、政府からの補助金を背景に拡大する設備投資やインフラ投資による需要も取り込んでまいります。 その他セグメント主要な事業内容医薬品(原体・中間体)等の製造・販売、電力供給、不動産の売買・賃貸借及び管理等◆医薬医薬については、既存分野の収益基盤拡大と核酸医薬品等高付加価値領域の拡充により高収益化を目指しております。当連結会計年度においては、参天製薬㈱との共同開発によるOMLONTI®(オミデネパグ イソプロピル点眼液0.002%)の米国食品医薬品局(FDA)承認を取得しました。また、2022年12月には医薬品受託製造会社である㈱エーピーアイコーポレーションの株式を取得しました。核酸原薬開発のためパイロットプラント建設にも着工しており、完工は2025年3月を予定しております。足元の事業環境では、低分子治療薬は緩やかに成長する一方、核酸やバイオに加え遺伝子治療や再生医療等、新しいモダリティ(治療手段)が浸透しております。国際政情不安による原燃料価格等の高騰とそれに伴うコストアップが発生しており、国内では度重なる品質不適合事象により、高い品質と安定供給に対する要求が高まっております。今後については、早期ライセンスアウトモデルの継続とマイルストンの着実な獲得を実行してまいります。また、少量・高薬理活性原薬の製造設備である第五医薬品工場の収益最大化を図るとともに、㈱エーピーアイコーポレーションとの協業を深化し、製・販・技各領域における効率的運営体制を構築してまいります。 ②経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況中期経営計画の初年度にあたる当連結会計年度においては、原燃料価格高騰等の影響を受けたことによって目標未達となりました。足元の経済環境は厳しいですが、ポリイミドや分離膜等のスペシャリティ事業の成長及びベーシック事業の収益改善を進め、2024年度計画の達成を目指してまいります。<主要項目・経営指標> 2022年度実績2022年度(原計画)2023年度予想2023年度(原計画)2024年度(原計画)売上高4,947億円5,100億円5,450億円5,200億円5,200億円営業利益163億円345億円300億円410億円400億円経常利益△87億円310億円385億円450億円470億円親会社株主に帰属する当期純利益△70億円210億円275億円320億円330億円売上高営業利益率(ROS)3.3%6.8%5.5%7.9%8%自己資本利益率(ROE)△1.9%5.6%7.4%8.2%8% ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報(財務の基本方針)当社グループは、財務構造の健全性維持及び資金の効率的調達・運用を基本方針として財務活動を行っております。資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により行っております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、一部の取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。 (キャッシュ・フロー及び流動性の状況)当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローは181億円のキャッシュ・イン、投資活動によるキャッシュ・フローは260億円のキャッシュ・アウトとなり、フリー・キャッシュ・フローは79億円のキャッシュ・アウトとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払106億円、有利子負債の増減による収入143億円等により24億円のキャッシュ・インとなり、期末における現金及び現金同等物の残高は、セメント関連事業を持分法適用関連会社に移管したことによる減少433億円の影響もあり、307億円となりました。資金の使途については、当連結会計年度は設備投資に293億円、M&Aを含む投融資に104億円、研究開発費に104億円と、合計501億円を支出しております。このうち、スペシャリティ事業、ベーシック事業、及びその他への支出は、それぞれ42%、24%、34%となりました。中期経営計画に比べてその他の割合が増加しているのは、DX推進のための設備投資を前倒ししたことによるものです。今後の経営資源の投入計画について、中期経営計画の原計画では、設備投資1,100億円、M&Aを含む投融資200億円、研究開発費320億円、合計して1,620億円の投入計画を策定しておりましたが、足元の3カ年の見通しでは、設備投資額を300億円増額させ、合計で1,920億円の投入計画に見直しております。翌連結会計年度においては、合計585億円の投入を計画しており、その内訳は設備投資が475億円、研究開発費が110億円です。比率はスペシャリティ事業が55%、ベーシック事業が15%、その他が30%であり、ベーシック事業への投入比率を下げ、代わりにスペシャリティ事業への投入比率を上げる予定です。 (ポートフォリオ別経営資源投入計画) (資本政策)当連結会計年度は、原燃料価格高騰及び自動車減産、中国市場の需要減退等により、利益項目は期初予想を大幅に下回りましたが、財務体質を示す指標については、UBE三菱セメント㈱へ資産・負債を承継させた影響等により、D/Eレシオは0.60倍、自己資本比率は49.4%と改善し、健全な水準を維持しております。現中期経営計画では、スペシャリティ事業の成長に向けて重点的に資金を投下します。また、必要に応じて投資の前倒しも行います。スペシャリティ事業を成長させることによりキャッシュ創出力の拡大につなげてまいりますが、その一方で、負債を現在のキャッシュ創出力・株主資本に見合う水準にコントロールし、財務の健全性を維持します。3カ年での分配可能額は、研究開発費を除いた営業キャッシュ・フロー1,820億円、資産売却等150億円及び手元現預金350億円を合計した2,320億円を計画しておりましたが、研究開発費を除いた営業キャッシュ・フローが当連結会計年度及び翌連結会計年度の業績下振れに伴い、1,450億円へと減少を見込んでおります。しかし、新たに550億円の負債調達を行うことで、資産売却等150億円及び手元現預金350億円と合わせて、2,500億円の配分可能総額を予定しております。これに対し、キャッシュ・アロケーションとして、設備投資・投融資1,600億円、研究開発320億円、株主還元は290億円を想定しております。設備投資・投融資については、原計画の1,300億円から300億円積み増し、ポリイミドフィルム工場や分離膜工場の増設等、スペシャリティ事業への投資を進めております。株主還元については、安定的な配当の継続を基本方針としており、連結総還元性向30%以上、株主資本配当率(DOE)2.5%以上としております。当連結会計年度は連結当期利益が赤字となりましたが、DOEに基づき、前期と同額の配当としました。現中期経営計画期間において積極的な成長投資を行うことにより、将来の株主還元の更なる充実を目指しております。 (3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告年度における収益・費用の数値に影響を与える将来に関する見積り及び仮定が必要であり、過去の実績やその他の様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針120年を超える歴史を刻む当社グループは、「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」を創業の精神として受け継ぎ、時代と産業構造の変化に対応しながら、新たな技術への挑戦と自己変革を重ねて業容を拡大してまいりました。今後ますます多様化・複雑化するニーズに応えながら、下記の経営理念と経営方針に基づき、未来につながる、新たな価値を創出するための事業活動をグローバルに展開するとともに、ESG(環境・社会・コーポレートガバナンス)への取り組みを一層充実し、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。また、株主を始め顧客、取引先、従業員や地域社会等のあらゆるステークホルダー、さらには地球環境との共生を実践し、これらに貢献する価値創出企業であり続けます。 経営理念 「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します」 経営方針「倫理」 高い倫理観を保ち、法令及び社会規範を遵守します「安全と安心」 地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います「品質」 お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします「人」 個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくります (2)経営戦略等当社グループは、2025年のありたい姿とその方向性を「Vision UBE 2025」として描き、その達成に向けたマイルストーンとなる、2021年度までの3ヶ年の中期経営計画「Vision UBE 2025 ~Prime Phase~」を策定しております。2025年のありたい姿及び中期経営計画の基本方針は次のとおりです。 2025年のありたい姿「Vision UBE 2025」 「すべてのステークホルダーに価値を創出し続ける企業」 ◆中期経営計画の基本方針(ⅰ)事業の成長基盤強化①化学セグメントを中心とした次なる成長の実現②海外拠点の拡充と国内外グループ会社の連携進化及びグローバルな事業環境変化へのスピーディな対応③安定的・持続的なキャッシュ・フロー創出と、成長投資の実施④人材確保と競争力向上のため、人材と働き方の多様化を推進⑤価値創出と業務効率化へのICT活用と関連する人材の育成(ⅱ)経営基盤(ガバナンス)の強化①経営の監督機能強化と意思決定の迅速化②品質問題に対する再発防止策の確実な遂行と継続的な改善及び品質保証体制の強化③内部統制システムの強化による適切な企業活動の実践(ⅲ)資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献①2021年度目標(GHG(温室効果ガス)排出量を2021年度までに2005年度比15%削減、2021年度までに環境貢献型事業の売上高比率30%以上を目指す)の確実な達成と2030年を意識した長期目標の設定②サプライチェーン全体での環境負荷低減③環境負荷低減に貢献する新たな技術・製品の創出と拡大 (3)経営環境当連結会計年度における世界経済は、米国では緩やかな景気拡大が継続した一方、ユーロ圏経済では外需の落ち込み等の影響を受けて成長の足踏みが継続し、中国経済は米中貿易摩擦の長期化等の影響を受けて減速しました。また、国内経済は世界経済の減速により製造業等の輸出は弱含みで推移したものの、設備投資や個人消費などの内需主導により緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、第4四半期には新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、広範囲において経済活動が制限を受ける状況となり、世界経済の減速感と不透明感が一段と強まることとなりました。更に足元では景気は急激に悪化しており、見通しは極めて困難な状況となっております。こうした状況に加え、地球温暖化、海洋プラスチックなどの環境問題、自然災害の増加、インフラの老朽化、少子高齢化など持続可能な社会創出のための諸問題が山積するとともに、ICTの飛躍的な発展、新型コロナウイルス感染拡大によるオンライン化社会への急速なシフト、健康や安全・安心についての意識も更に一層高まるなど、経営環境はこれまでにないほど大きな変化の時代を迎えております。 (4)優先的に対処すべき課題等当社グループはこれらの経営環境を踏まえ、諸問題に積極果敢に取り組み、すべてのステークホルダーに価値を創出し続けていくために、次の3つを重要な課題として認識しております。 ①事業の成長基盤の強化、とりわけ積極拡大事業を中心とした化学事業の成長②経営基盤(ガバナンス)の強化③資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献 ①事業の成長基盤の強化、とりわけ積極拡大事業を中心とした化学事業の成長化学事業は当社グループの成長を牽引する中核事業であるとの認識のもと、低炭素社会に対応・貢献する安定性と成長力を併せ持つ事業を目指しております。これを実現するために事業のスペシャリティ化を加速し、ベーシックケミカルズ事業による安定的な収益確保とスペシャリティ事業の拡大による成長力の強化を図るとともに、アジア、欧州に加え北米等での事業の拡大を推進します。また、環境貢献型製品・技術の更なる開発と拡販、低炭素社会を見据えた新規ビジネスの創出を実行してまいります。建設資材事業は、社会インフラにおいて価値あるモノを提供し続ける事業を目標に、事業基盤を強化しながら成長戦略を推進してまいります。本年2月には、三菱マテリアル株式会社とセメント事業等の統合に関する基本合意書を締結し、2022年4月の統合を目指して検討を進めてまいります。機械事業は、ブランド力のある製品とサービスで顧客に貢献する事業を目標に、自動車の軽量化やEV化ニーズに対応した製品の開発と市場開拓、国内外の事業拠点の再編によるグローバルでの事業展開の強化、環境・資源リサイクル市場への参入、サービス事業の拡充を図ってまいります。 当社グループではこれらの施策を推進するにあたり、以下の4つの事業ドメインにおいて既存事業の強化と周辺事業領域への業容拡大及び新規事業の育成に取り組んでおります。環境・エネルギー (省資源、省エネ、新規材料)モビリティ (自動車、鉄道、航空分野)建築・インフラ (インフラ、住環境、スマートシティ)ヘルスケア (食品、医薬、生活高度化) 事業ポートフォリオにおいては、経営の土台となる基盤事業で生産基盤の整備や合理化・コストダウンを中心とした設備投資を行うことにより安定したキャッシュ・フローを創出し、これを積極拡大事業の収益拡大投資や研究開発及び育成事業に振り向けることによりグループ全体としての成長基盤の強化につなげてまいります。 ②経営基盤(ガバナンス)の強化当社は、経営における監督機能と業務執行機能をより明確に分離し、取締役会による監督機能を強化するとともに業務執行にかかる意思決定の迅速化を図るため、2019年6月に監査等委員会設置会社へ移行しました。経営の監督機能に軸足をおく取締役会として、代表取締役社長に対する重要な業務執行の決定に関する委任範囲の更なる拡大並びに業務執行報告の継続的な改善を進めてまいります。加えて、グループ全体における体系的リスクマネジメントと内部統制システムの実効性の強化を図り、ガバナンスの更なる向上に努めてまいります。2017年度に当社グループにおいて判明しました品質検査上の不適切行為につきましては、経営方針のひとつに「品質:お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします」を掲げ、役員並びに従業員の意識及び組織風土の改革、品質管理システム・管理体制の有効性の向上、グループ会社に対する統制の強化などを継続的に改善することにより、品質管理体制の一層の強化を図ってまいります。 ③資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献石炭を主要なエネルギー源として事業展開してきた当社グループは、自ずとエネルギー多消費型の事業構造となっており、この問題への対応は大きな課題であると強く認識しております。これまで当社グループでは、2021年度までにGHG排出量を2005年度比15%削減することと、環境貢献型製品・技術の売上高比率を30%以上にすることを目標として取り組み、その達成に目処がついております。そこで、より長期的な対応の方向性を明確にするため「UBEグループ環境ビジョン2050」を策定しました。当社グループは2050年までにGHG排出量の80%削減を目指すとともに、当社製品・技術によりサプライチェーン全体のGHGを削減し、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。また、2030年度までの中期目標としては、GHG排出量の2013年度比17%削減と環境貢献型製品・技術の売上高比率50%以上を目指しております。これらを達成するために一層の省エネ推進によるエネルギー原単位改善の継続・強化や、廃棄物のエネルギー化促進と再生可能エネルギーの利用拡大のほか、化石資源に依存する事業構造の再構築を視野に入れた施策の検討、CO₂回収・利活用技術の開発、ビジネスの創出に取り組んでまいります。本年5月に、当社グループは金融安定理事会(FSB)により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言について賛同を表明しました。TCFDの提言に基づき、気候変動が事業に与えるリスクや機会の分析を行い、積極的な情報開示を進め、持続可能な社会への貢献に努めてまいります。 「UBEグループ環境ビジョン2050」 UBEグループは、豊かな地球環境を維持していくため、自然と調和した企業活動の推進に取り組みます。 2050年までに温室効果ガス排出量の80%削減を目指すとともに、当社製品・技術によりサプライチェーン全体の温室効果ガスを削減し、脱炭素社会の実現に貢献していきます。 気候変動に対応するためのUBEグループの中期目標(2030年度まで) 温室効果ガス排出量 17%削減(2013年度比) 環境貢献型製品・技術の売上高 連結売上高比率 50%以上 上記①から③の課題に加え、新型コロナウイルス感染拡大防止への対応については、当社グループは国内外の拠点において各国の方針に従い、従業員の在宅勤務や時差出勤、出張自粛等の感染防止対策を講じております。各製造拠点では、従業員やお取引先様などの安全確保と社内外への感染拡大防止を第一に、日々の生活に欠かせない製品や社会的に必要とされる製品の供給継続に努めてまいります。また、新型コロナウイルス感染拡大にともない想定される需要減少などへの対処として、製造原価をはじめ販売費及び管理費などの様々なコスト削減や在庫の圧縮にも鋭意取り組んでまいります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等中期経営計画「Vision UBE 2025 ~Prime Phase~」においては、最終年度となる2021年度の数値目標を次のとおり設定しております。現時点においてはこれら目標の達成は厳しい見通しですが、新型コロナウイルスの影響等も含めて最終年度の業績を見通すことが困難であるため、数値目標の見直しは行っておりません。 <主要項目> 2021年度目標営業利益550億円経常利益580億円 <経営指標> 2021年度目標売上高営業利益率(ROS) 7%自己資本利益率(ROE)10%
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針120年を超える歴史を刻む当社グループは、「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」を創業の精神として受け継ぎ、時代と産業構造の変化に対応しながら、新たな技術への挑戦と自己変革を重ねて業容を拡大してまいりました。今後ますます多様化・複雑化するニーズに応えながら、下記の経営理念と経営方針に基づき、未来につながる、新たな価値を創出するための事業活動をグローバルに展開するとともに、ESG(環境・社会・コーポレートガバナンス)への取り組みを一層充実し、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。また、株主を始め顧客、取引先、従業員や地域社会等のあらゆるステークホルダー、さらには地球環境との共生を実践し、これらに貢献する価値創出企業であり続けます。 経営理念 「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します」 経営方針「倫理」 高い倫理観を保ち、法令及び社会規範を遵守します「安全と安心」 地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います「品質」 お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします「人」 個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくります (2)経営戦略等当社グループは、2025年のありたい姿とその方向性を「Vision UBE 2025」として描き、その達成に向けたマイルストーンとなる、2021年度までの3ヶ年の中期経営計画「Vision UBE 2025 ~Prime Phase~」を策定しております。2025年のありたい姿及び中期経営計画の基本方針は次のとおりです。 2025年のありたい姿「Vision UBE 2025」 「すべてのステークホルダーに価値を創出し続ける企業」 ◆中期経営計画の基本方針(ⅰ)事業の成長基盤強化①化学セグメントを中心とした次なる成長の実現②海外拠点の拡充と国内外グループ会社の連携進化及びグローバルな事業環境変化へのスピーディな対応③安定的・持続的なキャッシュ・フロー創出と、成長投資の実施④人材確保と競争力向上のため、人材と働き方の多様化を推進⑤価値創出と業務効率化へのICT活用と関連する人材の育成(ⅱ)経営基盤(ガバナンス)の強化①経営の監督機能強化と意思決定の迅速化②品質問題に対する再発防止策の確実な遂行と継続的な改善及び品質保証体制の強化③内部統制システムの強化による適切な企業活動の実践(ⅲ)資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献①2021年度目標(GHG(温室効果ガス)排出量を2021年度までに2005年度比15%削減、2021年度までに環境貢献型事業の売上高比率30%以上を目指す)の確実な達成と2030年を意識した長期目標の設定②サプライチェーン全体での環境負荷低減③環境負荷低減に貢献する新たな技術・製品の創出と拡大 (3)経営環境当連結会計年度における世界経済は、米国では緩やかな景気拡大が継続した一方、ユーロ圏経済では外需の落ち込み等の影響を受けて成長の足踏みが継続し、中国経済は米中貿易摩擦の長期化等の影響を受けて減速しました。また、国内経済は世界経済の減速により製造業等の輸出は弱含みで推移したものの、設備投資や個人消費などの内需主導により緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、第4四半期には新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、広範囲において経済活動が制限を受ける状況となり、世界経済の減速感と不透明感が一段と強まることとなりました。更に足元では景気は急激に悪化しており、見通しは極めて困難な状況となっております。こうした状況に加え、地球温暖化、海洋プラスチックなどの環境問題、自然災害の増加、インフラの老朽化、少子高齢化など持続可能な社会創出のための諸問題が山積するとともに、ICTの飛躍的な発展、新型コロナウイルス感染拡大によるオンライン化社会への急速なシフト、健康や安全・安心についての意識も更に一層高まるなど、経営環境はこれまでにないほど大きな変化の時代を迎えております。 (4)優先的に対処すべき課題等当社グループはこれらの経営環境を踏まえ、諸問題に積極果敢に取り組み、すべてのステークホルダーに価値を創出し続けていくために、次の3つを重要な課題として認識しております。 ①事業の成長基盤の強化、とりわけ積極拡大事業を中心とした化学事業の成長②経営基盤(ガバナンス)の強化③資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献 ①事業の成長基盤の強化、とりわけ積極拡大事業を中心とした化学事業の成長化学事業は当社グループの成長を牽引する中核事業であるとの認識のもと、低炭素社会に対応・貢献する安定性と成長力を併せ持つ事業を目指しております。これを実現するために事業のスペシャリティ化を加速し、ベーシックケミカルズ事業による安定的な収益確保とスペシャリティ事業の拡大による成長力の強化を図るとともに、アジア、欧州に加え北米等での事業の拡大を推進します。また、環境貢献型製品・技術の更なる開発と拡販、低炭素社会を見据えた新規ビジネスの創出を実行してまいります。建設資材事業は、社会インフラにおいて価値あるモノを提供し続ける事業を目標に、事業基盤を強化しながら成長戦略を推進してまいります。本年2月には、三菱マテリアル株式会社とセメント事業等の統合に関する基本合意書を締結し、2022年4月の統合を目指して検討を進めてまいります。機械事業は、ブランド力のある製品とサービスで顧客に貢献する事業を目標に、自動車の軽量化やEV化ニーズに対応した製品の開発と市場開拓、国内外の事業拠点の再編によるグローバルでの事業展開の強化、環境・資源リサイクル市場への参入、サービス事業の拡充を図ってまいります。 当社グループではこれらの施策を推進するにあたり、以下の4つの事業ドメインにおいて既存事業の強化と周辺事業領域への業容拡大及び新規事業の育成に取り組んでおります。環境・エネルギー (省資源、省エネ、新規材料)モビリティ (自動車、鉄道、航空分野)建築・インフラ (インフラ、住環境、スマートシティ)ヘルスケア (食品、医薬、生活高度化) 事業ポートフォリオにおいては、経営の土台となる基盤事業で生産基盤の整備や合理化・コストダウンを中心とした設備投資を行うことにより安定したキャッシュ・フローを創出し、これを積極拡大事業の収益拡大投資や研究開発及び育成事業に振り向けることによりグループ全体としての成長基盤の強化につなげてまいります。 ②経営基盤(ガバナンス)の強化当社は、経営における監督機能と業務執行機能をより明確に分離し、取締役会による監督機能を強化するとともに業務執行にかかる意思決定の迅速化を図るため、2019年6月に監査等委員会設置会社へ移行しました。経営の監督機能に軸足をおく取締役会として、代表取締役社長に対する重要な業務執行の決定に関する委任範囲の更なる拡大並びに業務執行報告の継続的な改善を進めてまいります。加えて、グループ全体における体系的リスクマネジメントと内部統制システムの実効性の強化を図り、ガバナンスの更なる向上に努めてまいります。2017年度に当社グループにおいて判明しました品質検査上の不適切行為につきましては、経営方針のひとつに「品質:お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします」を掲げ、役員並びに従業員の意識及び組織風土の改革、品質管理システム・管理体制の有効性の向上、グループ会社に対する統制の強化などを継続的に改善することにより、品質管理体制の一層の強化を図ってまいります。 ③資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献石炭を主要なエネルギー源として事業展開してきた当社グループは、自ずとエネルギー多消費型の事業構造となっており、この問題への対応は大きな課題であると強く認識しております。これまで当社グループでは、2021年度までにGHG排出量を2005年度比15%削減することと、環境貢献型製品・技術の売上高比率を30%以上にすることを目標として取り組み、その達成に目処がついております。そこで、より長期的な対応の方向性を明確にするため「UBEグループ環境ビジョン2050」を策定しました。当社グループは2050年までにGHG排出量の80%削減を目指すとともに、当社製品・技術によりサプライチェーン全体のGHGを削減し、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。また、2030年度までの中期目標としては、GHG排出量の2013年度比17%削減と環境貢献型製品・技術の売上高比率50%以上を目指しております。これらを達成するために一層の省エネ推進によるエネルギー原単位改善の継続・強化や、廃棄物のエネルギー化促進と再生可能エネルギーの利用拡大のほか、化石資源に依存する事業構造の再構築を視野に入れた施策の検討、CO₂回収・利活用技術の開発、ビジネスの創出に取り組んでまいります。本年5月に、当社グループは金融安定理事会(FSB)により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言について賛同を表明しました。TCFDの提言に基づき、気候変動が事業に与えるリスクや機会の分析を行い、積極的な情報開示を進め、持続可能な社会への貢献に努めてまいります。 「UBEグループ環境ビジョン2050」 UBEグループは、豊かな地球環境を維持していくため、自然と調和した企業活動の推進に取り組みます。 2050年までに温室効果ガス排出量の80%削減を目指すとともに、当社製品・技術によりサプライチェーン全体の温室効果ガスを削減し、脱炭素社会の実現に貢献していきます。 気候変動に対応するためのUBEグループの中期目標(2030年度まで) 温室効果ガス排出量 17%削減(2013年度比) 環境貢献型製品・技術の売上高 連結売上高比率 50%以上 上記①から③の課題に加え、新型コロナウイルス感染拡大防止への対応については、当社グループは国内外の拠点において各国の方針に従い、従業員の在宅勤務や時差出勤、出張自粛等の感染防止対策を講じております。各製造拠点では、従業員やお取引先様などの安全確保と社内外への感染拡大防止を第一に、日々の生活に欠かせない製品や社会的に必要とされる製品の供給継続に努めてまいります。また、新型コロナウイルス感染拡大にともない想定される需要減少などへの対処として、製造原価をはじめ販売費及び管理費などの様々なコスト削減や在庫の圧縮にも鋭意取り組んでまいります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等中期経営計画「Vision UBE 2025 ~Prime Phase~」においては、最終年度となる2021年度の数値目標を次のとおり設定しております。現時点においてはこれら目標の達成は厳しい見通しですが、新型コロナウイルスの影響等も含めて最終年度の業績を見通すことが困難であるため、数値目標の見直しは行っておりません。 <主要項目> 2021年度目標営業利益550億円経常利益580億円 <経営指標> 2021年度目標売上高営業利益率(ROS) 7%自己資本利益率(ROE)10%
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、それに伴い、前連結会計年度の数値は変更後のセグメント区分に基づいております。詳細は「第5 経理の状況 1. 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。 ①経営成績の状況当社グループは当連結会計年度からスタートした3カ年の中期経営計画「Vision UBE 2025 ~Prime Phase~」において、「事業の成長基盤強化」「経営基盤(ガバナンス)の強化」「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」を基本方針とし、化学セグメントを核とした次なる成長の実現を目指して、各事業課題の解決に取り組んでまいりました。当連結会計年度においては、米中貿易摩擦に端を発した中国経済の減速等により、化学セグメントや機械セグメントで需要の減退や市況悪化の影響を受けたこと、また建設資材セグメントでは国内需要が低調に推移したことなどにより、石炭など原燃料価格の下落はあったものの、売上高・営業利益ともに前連結会計年度を下回りました。また、ゴルフ場事業を譲渡したことにともない、46億円の特別損失を計上しました。なお、新型コロナウイルス感染拡大による当連結会計年度の業績への影響は軽微でした。この結果、当社グループの売上高は前連結会計年度に比べ622億6千5百万円減の6,678億9千2百万円、営業利益は105億1千8百万円減の340億3千3百万円、経常利益は121億2千9百万円減の357億2千4百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は95億2千3百万円減の229億7千6百万円となりました。 項 目売 上 高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度667,892百万円34,033百万円35,724百万円22,976百万円前連結会計年度730,157百万円44,551百万円47,853百万円32,499百万円増 減△62,265百万円△10,518百万円△12,129百万円△9,523百万円増 減 率△8.5%△23.6%△25.3%△29.3% ②生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)化学274,736△8.2建設資材126,401△1.1機械86,082△6.4合計487,219△6.1 (注)1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。b.受注実績 当連結会計年度における機械の受注実績を示すと、次のとおりです。 なお、機械を除くセグメントの製品については、受注生産は行っておりません。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)機械49,373△40.254,486△31.4 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)化学286,041△11.8建設資材303,037△5.6機械90,799△6.6その他4,576△7.3消去△16,561-合計667,892△8.5 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 ③財政状態総資産当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ、130億1千7百万円(△1.8%)減少し、7,272億6千9百万円となりました。流動資産は、現金及び預金が増加したものの、受取手形及び売掛金が減少したことなどにより117億4千3百万円(△3.7%)減少し、3,039億5千6百万円となりました。固定資産は、有形固定資産が減少したことなどにより12億7千9百万円(△0.3%)減少し、4,231億4千5百万円となりました。繰延資産は、社債発行費が増加したことにより5百万円増加し、1億6千8百万円となりました。負債当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ、129億1千2百万円(△3.3%)減少し、3,728億2千2百万円となりました。有利子負債は34億1千9百万円(1.8%)増加し、1,907億1千8百万円となりました。流動負債は、支払手形及び買掛金、短期借入金、1年内償還予定の社債が減少したことなどにより267億2千7百万円(△11.8%)減少し、1,993億3千6百万円となりました。固定負債は、社債、長期借入金の増加などにより138億1千5百万円(8.7%)増加し、1,734億8千6百万円となりました。純資産当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、1億5百万円(△0.0%)減少し、3,544億4千7百万円となりました。株主資本は、剰余金の配当により126億5千9百万円減少しましたが、自己株式の減少により1億5千3百万円増加、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が229億7千6百万円増加したことなどにより104億7百万円(3.2%)増加し、3,320億7千万円となりました。その他の包括利益累計額は、為替換算調整勘定が減少したことなどにより75億3千2百万円(△95.9%)減少し、3億2千5百万円となりました。非支配株主持分は、29億2千7百万円(△12.0%)減少し、214億7千9百万円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度に比べ、1.2ポイント増加し45.7%となりました。 当連結会計年度前連結会計年度増 減総資産727,269百万円740,286百万円△13,017百万円負債372,822百万円385,734百万円△12,912百万円純資産354,447百万円354,552百万円△105百万円 ④キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ、180億2千7百万円増の684億8千9百万円となりました。これは、前連結会計年度に比べ、税金等調整前当期純利益による収入は減少したものの、運転資金増減額(売上債権、たな卸資産及び仕入債務の増減合計額)による収入の増加や法人税等の支払額が減少したことなどによるものです。投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、20億3千1百万円減の406億3千2百万円となりました。これは、前連結会計年度に比べ、投資有価証券の売却による収入が増加したことなどによるものです。財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ51億3百万円減の189億3千1百万円となりました。これは、配当金の支払額や宇部72カントリークラブの会員預り金の返還による支出が増加したものの、有利子負債の増減による支出が減少したことなどによるものです。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額を含め、前連結会計年度末に比べ、83億1千4百万円(25.7%)増の406億9百万円となりました。 当連結会計年度前連結会計年度増 減営業活動によるキャッシュ・フロー68,489百万円50,462百万円18,027百万円投資活動によるキャッシュ・フロー△40,632百万円△42,663百万円2,031百万円財務活動によるキャッシュ・フロー△18,931百万円△24,034百万円5,103百万円 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析、検討内容中期経営計画の初年度にあたる当連結会計年度の業績は、前連結会計年度に比べ売上高はすべてのセグメントで減少するとともに、営業利益は建設資材セグメントを除き減少となりました。特に化学セグメントでは中国経済の減速等によるナイロン・ラクタムの市況下落の影響が大きく売上高、営業利益とも大幅な減少となりました。 <売上高> 当連結会計年度前連結会計年度増 減増減率化学286,041百万円324,269百万円△38,228百万円△11.8%建設資材303,037百万円321,004百万円△17,967百万円△5.6%機械90,799百万円97,264百万円△6,465百万円△6.6%その他4,576百万円4,935百万円△359百万円△7.3%調整額△16,561百万円△17,315百万円754百万円-合計667,892百万円730,157百万円△62,265百万円△8.5% <営業利益> 当連結会計年度前連結会計年度増 減増減率化学14,531百万円24,606百万円△10,075百万円△40.9%建設資材14,567百万円14,492百万円75百万円0.5%機械4,940百万円5,410百万円△470百万円△8.7%その他597百万円804百万円△207百万円△25.7%調整額△602百万円△761百万円159百万円-合計34,033百万円44,551百万円△10,518百万円△23.6% 各セグメントの主要製品の状況は次のとおりです。 化学セグメント主要な事業内容ナイロン樹脂、カプロラクタム(ナイロン原料)、工業薬品、ポリブタジエン(合成ゴム)、電池材料、ファインケミカル、ポリイミド、機能品、医薬品(原体・中間体)等の製造・販売強み・ナイロン・カプロラクタムチェーン、合成ゴムなどのベーシックケミカルズとポリイミド、電池材料、高機能コーティングなどのスペシャリティケミカルズを併せ持ち、幅広い製品群を保有。・日本(宇部・堺・千葉)・スペイン・タイの世界三極体制によるグローバルネットワークを構築。・多様化するニーズに対応できる高い技術開発力とモノづくり力を持ち、顧客に対してソリューションを提供。◆ナイロン樹脂ナイロン樹脂については、グローバルでの重合能力最適化、コンポジット事業拡大によるスペシャリティ事業への転換を図るとともに、プラスチックを取り巻く環境問題への対応に取り組んでおります。当連結会計年度においては、国内市場では食品包装フィルム用途・自動車用途ともに前連結会計年度並みで推移しましたが、中国をはじめ海外市場では需給が軟化し、出荷が弱含みで推移するとともに市況も大きく悪化しました。足元においては、食品包装フィルム用途は需要が堅調に推移していますが、自動車販売の落ち込みにより自動車用途は需要が減少し競争が激化しております。なお、本年4月に北米での事業拡大を目指しコンパウンド会社を買収しました。今後については、重合能力最適化による収益性追求を図るとともに、リサイクル(マテリアル、ケミカル)、バイオ原料、軽量化、薄肉化など市場トレンドを見据えたマーケティングの推進、景気回復後のV字回復・成長に向けたグローバル営業活動の強化と事業基盤強化のためのコストダウンを実施してまいります。◆カプロラクタム・硫安ナイロン原料のカプロラクタムは、フル操業を維持しコストダウンを図るとともに、収益改善投資を推進しております。当連結会計年度においては、米中貿易摩擦による中国市場での需要減退の影響を受け、販売が弱含みで推移するとともに、原料価格の低下を上回って製品価格が下落しました。一方、フェノール法アノン設備は操業安定により製法転換メリットを計画通り実現することができました。また、能力増強した大粒硫安設備も安定操業が可能となりました。足元においては、米中貿易摩擦に加え新型コロナウイルス感染拡大の影響でカプロラクタム需要が減少し、市況は低迷しております。一方で硫安需要は総じて安定しており、ロックダウンにより懸念された海外顧客への販売影響は限定的となっています。カプロラクタムは今後もフル操業を維持しコストダウンを推進するとともに、収益改善投資を継続してまいります。硫安については高加価値品の大粒硫安の本格的な増産と、更なる増産・増販に向けた三極(日本・タイ・スペイン)での営業・開発の連携強化を進めてまいります。◆ファインケミカル、工業薬品ファインケミカルについては、北米での事業拡大を目指しC1ケミカルチェーン(DMC、PCD)の生産拠点確立について、拠点の絞り込みとFSを実施し、検討を進めております。当連結会計年度においては、ファインケミカルは需要が概ね堅調に推移したものの、競争激化に伴い一部製品の販売数量が減少しました。工業薬品は、隔年で実施するアンモニア工場の定期修理がなかったこともあり、出荷が増加しました。宇部藤曲工場においては日本液炭株式会社が同工場内に新設する液化炭酸工場に対し、2021年から原料炭酸ガスの供給を開始いたします。積極拡大事業の高機能コーティング材料は、水系・無溶剤系ポリウレタンコーティング市場が拡大しており当社グループとしてもそれに対応し事業のグローバル展開を加速してまいります。◆ポリブタジエン(合成ゴム)ポリブタジエンについては、「UBEPOL」ブランドを活かし日本、タイ、マレーシアの3極一体でアジアNo.1を目指すとともに、戦略顧客とともに新規グレードを開発し、事業のスペシャリティ化を推進しております。当連結会計年度においては、3拠点(日本・タイ・マレーシア)を活用したグローバルマーケティングは進展したものの、生産面の不調により能力を最大限に活用できませんでした。販売価格は、原料のブタジエン価格の下落の影響を受け低下しました。足元では新型コロナウイルス感染拡大の影響によりタイヤ向け需要が急減しております。 ◆ポリイミドポリイミドについては、フィルムに加えてワニスを主力製品に育成するとともに、生産能力増強とコストダウンを推進しております。当連結会計年度においては、ディスプレイ向けCOFフィルムの販売数量が堅調に推移するとともに、中国市場での有機ELパネル向けワニスの需要拡大もあり、販売は好調に推移しました。また、原料となるBPDAは、生産設備のボトルネックを解消し増産を行いました。今後については、引き続きフィルム、ワニスの事業拡大に注力するとともに、電子回路基板市場以外の用途での拡販にも注力してまいります。◆セパレータセパレータについては、宇部マクセル株式会社での無塗布・塗布型セパレータの一体運営により一層の効率化を推進するとともに、車載用途を軸とした増加需要の獲得に取り組んでおります。当連結会計年度においては、車載向けを中心に市場の成長が足踏みする中で、同業他社との競争が激化し、出荷は減少しました。中国経済の悪化、足元での新型コロナウイルス感染拡大等による自動車需要の急減を受け、コスト低減要求は一層高まっております。今後については、機能重視の顧客との関係強化を図るとともに、景気回復時に需要を着実に獲得できるよう営業及び開発活動を一層強化してまいります。◆医薬医薬については、基礎研究における研究領域の拡大、計算化学による探索サイクルの迅速化・効率化、少量・高活性に対応する工場群への再編、新市場が勃興している核酸医薬の原薬製造受託の事業化に取り組んでおります。当連結会計年度においては、受託医薬品及び自社医薬品ともに顧客である製薬会社の販売が好調に推移したことにより出荷は増加しました。また、高活性に対応した第五医薬品工場の建設にも着手いたしました。今後については、創薬パイプラインのテーマに優先順位を付け早期のステージ移行に注力するとともに、高活性品受託案件のマーケティング強化を実施してまいります。新型コロナウイルス感染症に効果が期待されるアビガン錠については、今後、その原薬主骨格を成す重要な中間体の製造及び供給を行ってまいります。 建設資材セグメント主要な事業内容セメント、生コン、建材関連製品、石灰石、カルシア・マグネシア、機能性無機材料等の製造・販売。資源リサイクル事業。石炭の輸入、販売、コールセンター(石炭中継基地)の運営および電力卸供給事業(IPP)を含む電力供給事業強み・幅広い製品事業をグループ全体で担うことにより、グループ・シナジーを最大限に活用。・競争力のある石炭・電力を安定供給できる体制と大型港湾設備等の充実したインフラを保有。・多種多様な廃棄物を利用し、省資源化できる高い技術力を保有。◆セメント・生コンセメント・生コンについては、継続的に販売価格の是正に取り組むとともに、高効率設備の導入、熱エネルギー代替廃棄物利用拡大による省エネ、省コストを推進しております。当連結会計年度においては、セメントの国内需要が1990年以降最低となる4,100万トンとなるなか、首都圏を中心に需要の端境期にあることに加え、自然災害や工事延期等の影響もあり出荷は低調に推移しました。一方で、石炭をはじめとする原料価格低下が全般的なコストダウンに寄与しております。伊佐セメント工場では、発電に伴う化石燃料の使用を抑えCO₂排出削減に効果のある排熱発電設備が稼働を開始いたしました。◆カルシア・マグネシア、エネルギーカルシア・マグネシア製品は、鉄鋼・電力向けマグネシアなどの価格改定効果等があるものの、粗鋼生産量が10年ぶりに1億トンを割り込むなど需要低迷により出荷が減少しました。また、エネルギー事業も石炭市況の下落により販売価格が低下し、販売数量も減少しました。木質バイオマス炭化燃料(トレファイドペレット)実証設備は計画通り稼働を開始しております。今後について、カルシア・マグネシア製品は宇部マテリアルズ株式会社の宇部工場リニューアルにより高付加価値化を図ってまいります。エネルギー事業はIPPでのバイオマス燃料の使用拡大を進めるとともに、トレファイドペレットの海外生産も検討してまいります。 なお、建設資材事業については競争力の維持・強化と更なる発展を図るため、三菱マテリアル株式会社とセメント事業等の統合に関する基本合意書を本年2月に締結しました。2022年4月の統合を目指し検討を進めてまいります。 機械セグメント主要な事業内容成形機(ダイカストマシン、押出プレス、射出成形機)、産業機械(窯業機、粉砕機、運搬機、除塵機、破砕機)、橋梁・鉄構、製鋼品(ビレット、鋳造品)強み・自動車や電力・セメント・製鉄等の基幹産業に多数の納入実績があり、顧客から高い評価。・国内外の多くの拠点を軸に、開発からアフターサービスまで全てにわたり顧客のニーズに対応。・大型の加工設備と熟練した技術・技能者を確保。◆成形機成形機については、自動車の軽量化、EV化ニーズに対応した製品開発と市場開拓を推進するとともに、グローバルでの事業展開を強化し、併せてサービス事業の拡充にも取り組んでおります。当連結会計年度においては、米中貿易摩擦に端を発した景気減速が世界的に設備投資へと波及し、厳しい受注環境が続きました。こうした状況のなか、成形機は出荷が減少するとともに、資材費、外注加工費などの上昇の影響も大きく受けました。一方、サービス事業は堅調でした。自動車軽量化に対応するための装置・プロセスは開発が進展しております。◆産業機械、製鋼品産業機械は、環境貢献・資源リサイクル機器の開発やアライアンスによる新たな収益源の創出とともに、海外・他社製品でのサービス強化による収益拡大を推進しております。製鋼品は、量を追求しない最適生産体制を構築しベストプロダクトミックスによる収益改善に取り組んでおります。当連結会計年度においては、厳しい受注環境が続く中、産業機械の出荷は微減となりましたが、製鋼品は採算が改善しました。株式会社日立プラントメカニクスから化学機器製品とそのアフターサービス事業を継承することを決定しました。 ②経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況中期経営計画の初年度にあたる2019年度については米中貿易摩擦に端を発した中国経済の減速等により目標未達となりました。2020年度については新型コロナウイルスの影響等に関して一定の前提をおいて業績を予想しております。最終年度の原計画の目標達成についても現時点においては厳しい状況にありますが、新型コロナウイルスの影響も含めて最終年度の業績を見通すことは困難であるため数値目標の見直しは行っておりません。 <主要項目・経営指標> 2019年度実績2019年度目標2020年度予想2020年度(原計画)2021年度(原計画)営業利益340億円470億円260億円490億円550億円経常利益357億円470億円235億円510億円580億円売上高営業利益率(ROS)5.1%6.2%4.2%-7%自己資本利益率(ROE)6.9%9.1%4.2%-10%(注)2020年度の予想につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響は明確には想定できませんが、以下の前提(当初計画に対する売上影響)をおいて業績を予想しております。化学:・食品・医薬品等の生活必需品や半導体向けは影響なし・自動車関連向け及びその他産業向けはマイナス影響があり、第2四半期から第3四半期が最大で、年間平均10~15%の下振れ建設資材:・建設工事の停滞等により建設資材関連で年間平均5%の下振れ・エネルギー関連は影響なし機械:・自動車関連を中心に設備投資案件の延期・中断が第2四半期まで継続し、年間10%強の下振れ上記の3セグメントの合計で、年間460億円程度の売上高の下振れ影響を織り込んでおります。一方、これらを踏まえた様々なコスト削減策による効果も予想には織り込んでおります。 ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報(財務の基本方針)当社グループは、財務構造の健全化及び資金の効率的調達・運用を基本方針として財務活動を行っております。資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー、社債等の発行等により行っております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、一部の取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。 (キャッシュ・フロー及び流動性の状況)2019年度においては運転資金の圧縮や主に維持更新投資での実施時期の最適化などに取り組み、営業活動によるキャッシュ・フローは684億円のキャッシュ・イン、投資活動によるキャッシュ・フローは406億円のキャッシュ・アウトとなり、フリー・キャッシュ・フローは計画を上回る278億円を確保しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払134億円、宇部72カントリークラブ会員預り金の返還による支出59億円、有利子負債の増減による収入15億円など189億円のキャッシュ・アウトとなり、期末における現金及び現金同等物は406億円となりました。資金の使途については、2019年度は設備投資に476億円、M&Aを含む投融資に22億円、研究開発には128億円の合計627億円を支出しております。このうち、積極拡大事業への支出は201億円(32%)であり、基盤事業、育成事業はそれぞれ395億円(63%)、31億円(5%)でありました。積極拡大事業への資金投入の割合は前中期経営計画期間(2016年度から2018年度)が26%でしたので着実に増加しております。2020年度においては全体として設備投資に470億円、M&Aを含む投融資に30億円、研究開発に140億円を計画しております。セグメント別の設備投資、M&Aを含む投融資においては、化学セグメントが50%を超えており、当社グループの成長を牽引するセグメントとして今後とも経営資源を重点配分してまいります。 (ポートフォリオ別投資使途) (セグメント別設備投資・投融資) (資本政策)新型コロナウイルスの影響による金融環境の悪化に備え、期末には手元資金を厚めに確保したこともあり、有利子負債残高は若干増加しましたが、D/Eレシオは前連結会計年度末並みの0.57倍となり、自己資本比率は45.7%に若干改善いたしました。2020年度は、新型コロナウイルスの影響により、世界経済や事業環境の先行きが極めて見通しづらい状況になっております。こうした状況を踏まえ、従来以上にキャッシュ・フローを重視しながら財務規律を堅持してまいりますが、一方で、将来の成長や事業構造改革、地球環境問題への対応のための投資は滞らせることなく、積極的に実施してまいります。事業拡大の投資判断においては、資本コストを意識し、原則としてこれを上回るリターンの実現を目指し、経営資源配分などにおいてROIC(投下資本利益率)をより意識するなど、資本効率の向上を図りながら持続的成長と企業価値向上を目指します。当社では、株主還元の基本的な考え方として、安定的かつ持続的な配当を目指しております。これをより明確に表すために、DOE(株主資本配当率)をKPIとして採り入れ、2.5%以上をターゲットとして掲げるとともに、中期経営計画期間での連結総還元性向を30%以上にすることと併せて株主還元の方針としています。今後も上記方針のもと、成長投資や内部留保とのバランスをとりながら、株主還元のさらなる拡充を目指してまいります。 (3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告年度における収益・費用の数値に影響を与える将来に関する見積り及び仮定が必要であり、過去の実績やその他の様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。①繰延税金資産当社グループが計上している繰延税金資産は、将来減算一時差異等に関するものであり、定期的に回収可能性の評価のための見積りを実施しております。繰延税金資産の回収可能性は、主に将来の課税所得の見積りによるところが大きく、課税所得の予測は将来の市場動向や事業活動の状況により変化いたします。課税所得の予測が変更され、繰延税金資産の一部ないし全部が回収できないと判断される場合、繰延税金資産を取り崩す可能性があります。②固定資産の減損収益性の悪化が継続している事業に係る固定資産については、定期的に回収可能価額を見積り、回収可能性の評価のための見積りを実施しております。回収可能価額の見積りには当該固定資産が生成すると見込まれる将来キャッシュ・フローを使用いたしますが、将来キャッシュ・フローの予測は将来の市場動向や事業活動の状況により変化いたします。将来キャッシュ・フローの予測が変更され、回収不能と判断される場合、減損損失を計上する可能性があります。新型コロナウイルス感染症の影響に関して、今後の広がり方や収束時期等を予測することは困難ですが、一定の仮定(化学セグメントでは、食品・医薬品等の生活必需品や半導体向けは影響なし。自動車関連向け及びその他産業向けはマイナス影響があり、第2四半期から第3四半期が最大で、売上高が年間平均10%~15%の下振れ。建設資材セグメントでは、建設工事の停滞等により建設資材関連で売上高が年間平均5%の下振れ。エネルギー関連は影響なし。機械セグメントでは、自動車関連を中心に設備投資案件の延期・中断が第2四半期まで継続し、売上高が年間10%強の下振れ。)のもと、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針120年を超える歴史を刻む当社グループは、「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」という2つを創業の精神として受け継ぎ、時代と産業構造の変化に対応しながら、新たな技術への挑戦と自己変革を重ねて業容を拡大してきました。また、今後ますます多様化・複雑化するニーズに応え、社会に新たな価値を提供し続ける企業としての使命と進むべき方向をより明確にするため、2019年4月に経営理念及びこれを実現するための経営方針を制定しました。 経営理念 「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します」 経営方針 「倫理」 高い倫理観を保ち、法令および社会規範を遵守します 「安全と安心」 地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います 「品質」 お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします 「人」 個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくります 当社グループは、企業経営の根幹となる理念と方針に基づき、未来につながる、新たな価値を創出するための事業活動をグローバルに展開するとともに、ESG(環境・社会・コーポレートガバナンス)の一層の充実に努め、企業価値の向上を目指します。また、株主を始め顧客、取引先、従業員や地域社会等のあらゆるステークホルダー、さらには地球環境との共生を実践し、これらに貢献する価値創出企業であり続けます。 (2)経営戦略等当社グループは、「2025年のありたい姿」とその方向性を「Vision UBE 2025」として描き、その達成に向けたマイルストーンとなる、2021年度までの3ヶ年の中期経営計画「Vision UBE 2025 ~Prime Phase~」を策定しました。当計画の基本方針は次のとおりです。◆基本方針ⅰ) 事業の成長基盤強化①化学セグメントを中心とした次なる成長の実現②海外拠点の拡充と国内外グループ会社の連携進化およびグローバルな事業環境変化へのスピーディな対応③安定的・持続的なキャッシュフロー創出と、成長投資の実施④人材確保と競争力向上のため、人材と働き方の多様化を推進⑤価値創出と業務効率化へのICT技術活用と関連する人材の育成ⅱ) 経営基盤(ガバナンス)の強化①経営の監督機能強化と意思決定の迅速化②品質問題に対する再発防止策の確実な遂行と継続的な改善および品質保証体制の強化③内部統制システムの強化による適切な企業活動の実践ⅲ) 資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献①2021年度目標(GHG排出量を2021年度までに2005年度比15%削減、2021年度までに環境貢献型事業の売上高比率30%以上を目指す)の確実な達成と2030年を意識した新たな長期目標の設定②サプライチェーン全体での環境負荷低減③環境負荷低減に貢献する新たな技術・製品の創出と拡大 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2021年度までの3ヶ年の中期経営計画「Vision UBE 2025 ~Prime Phase~」において、次の数値目標を掲げています。<主要項目> 2021年度目標営業利益550億円経常利益580億円<経営指標> 2021年度目標売上高営業利益率(ROS) 7%自己資本利益率(ROE)10% (4)経営環境当連結会計年度における世界経済は、米国での景気回復が継続した一方、ユーロ圏経済は成長率が低下し、また中国経済は米中貿易摩擦等の影響を受けて減速しました。国内経済は、企業収益の回復および設備投資の増加、さらには雇用・所得環境の改善と消費の持ち直しなどにより緩やかな回復基調が続きました。今後の見通しについては、世界経済は引き続き緩やかな回復が続くものと見込まれますが、米中貿易摩擦の激化に伴う中国経済の急減速などが懸念されます。国内経済については、企業収益が設備投資や賃金にさらに向かっていくことが期待されますが、世界経済の不確実性や、金融資本市場の変動の影響を受ける可能性があります。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題 (品質保証に関する課題)2017年度に当社グループにおいて判明した品質検査上の不適切行為につきましては、これを真摯に反省するとともに、具体的な再発防止策を策定し、経営陣ならびに従業員の意識および組織風土の改革、組織再編、制度の見直しなどの運用基盤の強化、改善を進めました。今後も、品質保証システムの確実な運用と改善・適正化を継続して実施し、グループにおけるガバナンスの向上と品質管理体制の一層の強化を図ってまいります。また、一部設備のトラブルにより当社が製造・販売している重炭酸アンモニウムに金属異物が混入した可能性があることを本年3月19日に公表するとともにお客様に当該製品の使用停止と返品のお願いをいたしました。設備の修繕および検査機器を増強するなどの管理体制の強化は実施済みで、今後は再発防止に万全を期するとともに、さらなる品質の維持向上に努めてまいります。 (持続的成長に向けた課題)今後予想される経営環境の変化を「対処すべき課題」であるとともに「新たな成長の機会」と捉え、化学セグメントを中心とした次なる成長の実現に注力します。このため、事業単位を従来の3カンパニー2事業部から3カンパニーに集約し自立した事業運営の促進と迅速な意思決定を図るとともに、海外市場の発展を取り込むため新たな製造・販売拠点を展開してまいります。また、地球環境問題への対応と貢献のため、温室効果ガス(GHG)排出の低減、環境負荷低減に貢献する技術・製品の創出を推進するとともに、関連する情報の開示を一層充実させてまいります。 (中期経営計画について)当計画では、前述の基本方針のもと、環境負荷低減を強く意識しながら、化学セグメントでの高付加価値化とグローバル展開を加速することでグループ全体の成長を牽引するとともに、建設資材セグメントおよび機械セグメントにおける収益基盤を一層強化し、持続的な成長を目指してまいります。また、監査等委員会設置会社への移行により経営の監督機能の強化と意思決定の迅速化を進め、企業価値の向上に努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針120年を超える歴史を刻む当社グループは、「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」という2つを創業の精神として受け継ぎ、時代と産業構造の変化に対応しながら、新たな技術への挑戦と自己変革を重ねて業容を拡大してきました。また、今後ますます多様化・複雑化するニーズに応え、社会に新たな価値を提供し続ける企業としての使命と進むべき方向をより明確にするため、2019年4月に経営理念及びこれを実現するための経営方針を制定しました。 経営理念 「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します」 経営方針 「倫理」 高い倫理観を保ち、法令および社会規範を遵守します 「安全と安心」 地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います 「品質」 お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします 「人」 個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくります 当社グループは、企業経営の根幹となる理念と方針に基づき、未来につながる、新たな価値を創出するための事業活動をグローバルに展開するとともに、ESG(環境・社会・コーポレートガバナンス)の一層の充実に努め、企業価値の向上を目指します。また、株主を始め顧客、取引先、従業員や地域社会等のあらゆるステークホルダー、さらには地球環境との共生を実践し、これらに貢献する価値創出企業であり続けます。 (2)経営戦略等当社グループは、「2025年のありたい姿」とその方向性を「Vision UBE 2025」として描き、その達成に向けたマイルストーンとなる、2021年度までの3ヶ年の中期経営計画「Vision UBE 2025 ~Prime Phase~」を策定しました。当計画の基本方針は次のとおりです。◆基本方針ⅰ) 事業の成長基盤強化①化学セグメントを中心とした次なる成長の実現②海外拠点の拡充と国内外グループ会社の連携進化およびグローバルな事業環境変化へのスピーディな対応③安定的・持続的なキャッシュフロー創出と、成長投資の実施④人材確保と競争力向上のため、人材と働き方の多様化を推進⑤価値創出と業務効率化へのICT技術活用と関連する人材の育成ⅱ) 経営基盤(ガバナンス)の強化①経営の監督機能強化と意思決定の迅速化②品質問題に対する再発防止策の確実な遂行と継続的な改善および品質保証体制の強化③内部統制システムの強化による適切な企業活動の実践ⅲ) 資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献①2021年度目標(GHG排出量を2021年度までに2005年度比15%削減、2021年度までに環境貢献型事業の売上高比率30%以上を目指す)の確実な達成と2030年を意識した新たな長期目標の設定②サプライチェーン全体での環境負荷低減③環境負荷低減に貢献する新たな技術・製品の創出と拡大 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2021年度までの3ヶ年の中期経営計画「Vision UBE 2025 ~Prime Phase~」において、次の数値目標を掲げています。<主要項目> 2021年度目標営業利益550億円経常利益580億円<経営指標> 2021年度目標売上高営業利益率(ROS) 7%自己資本利益率(ROE)10% (4)経営環境当連結会計年度における世界経済は、米国での景気回復が継続した一方、ユーロ圏経済は成長率が低下し、また中国経済は米中貿易摩擦等の影響を受けて減速しました。国内経済は、企業収益の回復および設備投資の増加、さらには雇用・所得環境の改善と消費の持ち直しなどにより緩やかな回復基調が続きました。今後の見通しについては、世界経済は引き続き緩やかな回復が続くものと見込まれますが、米中貿易摩擦の激化に伴う中国経済の急減速などが懸念されます。国内経済については、企業収益が設備投資や賃金にさらに向かっていくことが期待されますが、世界経済の不確実性や、金融資本市場の変動の影響を受ける可能性があります。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題 (品質保証に関する課題)2017年度に当社グループにおいて判明した品質検査上の不適切行為につきましては、これを真摯に反省するとともに、具体的な再発防止策を策定し、経営陣ならびに従業員の意識および組織風土の改革、組織再編、制度の見直しなどの運用基盤の強化、改善を進めました。今後も、品質保証システムの確実な運用と改善・適正化を継続して実施し、グループにおけるガバナンスの向上と品質管理体制の一層の強化を図ってまいります。また、一部設備のトラブルにより当社が製造・販売している重炭酸アンモニウムに金属異物が混入した可能性があることを本年3月19日に公表するとともにお客様に当該製品の使用停止と返品のお願いをいたしました。設備の修繕および検査機器を増強するなどの管理体制の強化は実施済みで、今後は再発防止に万全を期するとともに、さらなる品質の維持向上に努めてまいります。 (持続的成長に向けた課題)今後予想される経営環境の変化を「対処すべき課題」であるとともに「新たな成長の機会」と捉え、化学セグメントを中心とした次なる成長の実現に注力します。このため、事業単位を従来の3カンパニー2事業部から3カンパニーに集約し自立した事業運営の促進と迅速な意思決定を図るとともに、海外市場の発展を取り込むため新たな製造・販売拠点を展開してまいります。また、地球環境問題への対応と貢献のため、温室効果ガス(GHG)排出の低減、環境負荷低減に貢献する技術・製品の創出を推進するとともに、関連する情報の開示を一層充実させてまいります。 (中期経営計画について)当計画では、前述の基本方針のもと、環境負荷低減を強く意識しながら、化学セグメントでの高付加価値化とグローバル展開を加速することでグループ全体の成長を牽引するとともに、建設資材セグメントおよび機械セグメントにおける収益基盤を一層強化し、持続的な成長を目指してまいります。また、監査等委員会設置会社への移行により経営の監督機能の強化と意思決定の迅速化を進め、企業価値の向上に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ①財政状態及び経営成績の状況当社グループは、2016年度からの3ヶ年の中期経営計画「Change & Challenge 2018」において、「持続的成長を可能にする経営基盤の強化」「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」を基本方針とし、各セグメントの収益力向上を推進するとともに、各事業課題の解決に向けて取り組んでまいりました。中期経営計画の最終年度となる当連結会計年度においては、化学品を中心に原燃料価格上昇に応じた販売価格の是正および堅調な国内需要を背景とした建設資材セグメントの出荷増等により過去最高の売上高となりました。一方で、石炭市況の高止まりやアンモニア工場の定期修理、合成ゴム市況の軟化等の影響を受け、営業利益および経常利益は減益となったものの、特別損益の改善などの効果もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高益となりました。この結果、当社グループの売上高は前連結会計年度比345億8千3百万円増の7,301億5千7百万円、営業利益は56億9千9百万円減の445億5千1百万円、経常利益は28億7千5百万円減の478億5千3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は8億1千9百万円増の324億9千9百万円となりました。項 目売 上 高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度730,157百万円44,551百万円47,853百万円32,499百万円前連結会計年度695,574百万円50,250百万円50,728百万円31,680百万円増 減 率5.0%△11.3%△5.7%2.6%セグメント別の経営成績は次のとおりです。化学ナイロン樹脂は、食品包装フィルム用途を中心に需要が堅調に推移する中、スペインでの生産能力増強の効果もあり、出荷が増加しました。ナイロン原料のカプロラクタムは、堅調なナイロン樹脂需要に加え、中国における環境規制等の影響も相まって、需給環境が前連結会計年度に続き堅調に推移した結果、販売価格の是正も進みました。工業薬品はアンモニア工場の定期修理およびその後の生産トラブルの影響により生産・出荷が減少しました。ポリブタジエン(合成ゴム)は、タイヤ用途向けを中心に需要は堅調に推移したものの、原料のブタジエン価格が上昇する一方で製品市況は弱含みで推移しました。リチウムイオン電池材料であるセパレータは、車載向けを中心に需要拡大が進むとともに、堺工場で実施した生産能力増強も寄与し、出荷量が大幅に増加しました。ファインケミカル製品は、原料価格の上昇に応じた販売価格の是正が進み、ポリイミド製品は回路基板向けフィルムおよび有機ELパネル向けワニス需要の伸長とともに出荷が増加しました。この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度比95億5千2百万円増の3,149億8千4百万円、営業利益は52億2千3百万円減の237億5千1百万円となりました。項 目売 上 高営業利益当連結会計年度314,984百万円23,751百万円前連結会計年度305,432百万円28,974百万円増 減 率3.1%△18.0% 医薬受託医薬品の販売量は増加し、自社医薬品の出荷も前連結会計年度並みに推移しましたが、自社医薬品の特許期間満了に伴いロイヤリティ収入が減少しました。この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度比8千4百万円減の101億2千9百万円、営業利益は12億5千2百万円減の8億5千5百万円となりました。項 目売 上 高営業利益当連結会計年度10,129百万円855百万円前連結会計年度10,213百万円2,107百万円増 減 率△0.8%△59.4% 建設資材堅調な国内需要を背景にセメント・生コンの出荷は好調を維持し、マグネシア製品は需給の逼迫を背景として販売価格の是正と拡販が大きく進展しましたが、全体としては石炭価格高止まりの影響を大きく受けることとなりました。この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度比113億9千6百万円増の2,502億5千万円、営業利益は4億4千7百万円減の118億9千3百万円となりました。項 目売 上 高営業利益当連結会計年度250,250百万円11,893百万円前連結会計年度238,854百万円12,340百万円増 減 率4.8%△3.6% 機械自動車産業向けを中心とする成形機、運搬機等の産業機械の出荷は堅調で、各製品のサービス事業も好調に推移しました。製鋼事業は、販売価格是正を進めましたが、原材料価格上昇の影響を受けました。この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度比71億2千4百万円増の972億6千4百万円、営業利益は1億1百万円減の54億1千万円となりました。項 目売 上 高営業利益当連結会計年度97,264百万円5,410百万円前連結会計年度90,140百万円5,511百万円増 減 率7.9%△1.8% エネルギー・環境石炭事業では、市況価格の上昇を背景に販売価格の是正を進めましたが、販売数量は減少しました。IPP発電所の定期修理がなかった当連結会計年度の電力事業は、電力供給量が前連結会計年度に対して増加しました。この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度比44億9千2百万円増の758億5千3百万円、営業利益は2億1千5百万円増の25億6千5百万円となりました。項 目売 上 高営業利益当連結会計年度75,853百万円2,565百万円前連結会計年度71,361百万円2,350百万円増 減 率6.3%9.1% その他その他の売上高は前連結会計年度比1億3千8百万円増の49億3千5百万円、営業利益は6千8百万円減の8億4百万円となりました。項 目売 上 高営業利益当連結会計年度4,935百万円804百万円前連結会計年度4,797百万円872百万円増 減 率2.9%△7.8% ②キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益446億7千8百万円、非資金項目である減価償却費364億2千万円、運転資金の増減(売上債権、たな卸資産、仕入債務の増減合計額)による支出166億8千6百万円、法人税等の支払額127億8千3百万円などにより、504億6千2百万円のキャッシュ・インとなりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは有形及び無形固定資産の取得による支出427億6千3百万円などにより、426億6千3百万円のキャッシュ・アウトとなりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは有利子負債の増減による支出91億2千8百万円、配当金の支払額85億4千3百万円、自己株式の取得による支出100億9百万円などにより、240億3千4百万円のキャッシュ・アウトとなりました。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ162億3千4百万円減少し322億9千5百万円となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)化学293,322△3.0医薬5,82429.3建設資材114,21010.0機械91,98711.8エネルギー・環境13,6138.7合計518,9562.6 (注)1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。b.受注実績 当連結会計年度における機械の受注実績を示すと、次のとおりです。 なお、機械を除くセグメントの製品については、受注生産は行っておりません。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)機械82,583△6.879,3825.6 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)化学314,9843.1医薬10,129△0.8建設資材250,2504.8機械97,2647.9エネルギー・環境75,8536.3その他4,9352.9消去△23,258-合計730,1575.0 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 ①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告年度における収益・費用の数値に影響を与える将来に関する見積り及び仮定が必要であり、過去の実績やその他の様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容売上高売上高は前連結会計年度に比べ、345億8千3百万円(5.0%)増加し、7,301億5千7百万円となりました。この要因は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。売上原価売上原価は前連結会計年度に比べ、402億1百万円(7.2%)増加し、6,003億1百万円となりました。これは、主に化学セグメントにおけるナイロンの販売数量増、建設資材セグメントにおける石炭価格上昇による影響によるものです。販売費及び一般管理費販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ、8千1百万円(0.1%)増加し、853億5百万円となりました。これは、主に研究開発費が減少したものの、販売運賃諸掛が増加したことなどによるものです。営業利益営業利益は前連結会計年度に比べ、56億9千9百万円(△11.3%)減少し、445億5千1百万円となりました。これは、化学セグメントにおいて合成ゴムの原料価格上昇の中で製品価格が下落したこと、国内アンモニア工場の定期修理を実施したことなどによるものです。売上高営業利益率は、前連結会計年度に比べ、1.1ポイント下回り、6.1%となりました。営業外損益営業外損益は前連結会計年度に比べ、28億2千4百万円増加し、33億2百万円の利益となりました。これは、前連結会計年度に比べ、持分法による投資利益が13億2百万円、為替差益が8億5千5百万円、受取配当金が7億3千万円増加したことなどによるものです。経常利益経常利益は前連結会計年度に比べ、28億7千5百万円(△5.7%)減少し、478億5千3百万円となりました。特別損益特別損益は前連結会計年度に比べ、25億5千3百万円改善し、31億7千5百万円の損失となりました。これは、前連結会計年度に比べ、減損損失が27億8千5百万円減少したことなどによるものです。以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ、3億2千2百万円(△0.7%)減少し446億7千8百万円となり、法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ8億1千9百万円(2.6%)増加し、324億9千9百万円となりました。総資産当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ、21億5千9百万円(△0.3%)減少し、7,402億8千6百万円となりました。流動資産は、受取手形及び売掛金、商品及び製品などのたな卸資産が増加したものの、現金及び預金が減少したことなどにより11億7千7百万円(△0.4%)減少し、3,156億9千9百万円となりました。固定資産は、有形固定資産が減少したことなどにより9億8千9百万円(△0.2%)減少し、4,244億2千4百万円となりました。繰延資産は、社債発行費が増加したことにより7百万円増加し、1億6千3百万円となりました。負債当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ、198億5千万円(△4.9%)減少し、3,857億3千4百万円となりました。流動負債は、短期借入金、未払金が減少したことなどにより、270億3千5百万円(△10.7%)減少し、2,260億6千3百万円となりました。固定負債は、長期借入金の増加などにより71億8千5百万円(4.7%)増加し、1,596億7千1百万円となりました。純資産当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、176億9千1百万円(5.3%)増加し、3,545億5千2百万円となりました。株主資本は、自己株式の増加により98億4千万円減少、剰余金の配当により78億9千3百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が324億9千9百万円増加したことなどにより168億3千万円(5.5%)増加し、3,216億6千3百万円となりました。その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金が減少したことなどにより26億6千2百万円(△25.3%)減少し、78億5千7百万円となりました。非支配株主持分は、35億6千9百万円(17.1%)増加し、244億6百万円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度に比べ、2ポイント増加し44.5%となりました。 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。 資本の財源及び資金の流動性(財務政策)当社グループは、財務構造の健全化及び資金の効率的調達・運用を基本方針として財務活動を行っております。資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー、社債等の発行等により行っております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、一部の取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。(キャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ、229億2千4百万円減の504億6千2百万円となりました。これは前連結会計年度に比べ、運転資金増減額(売上債権、たな卸資産及び仕入債務の増減合計額)による支出や法人税等の支払額が増加したことなどによるものです。投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、86億8千5百万円増の426億6千3百万円となりました。これは前連結会計年度に比べ、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものです。財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、45億2千5百万円減の240億3千4百万円となりました。これは、自己株式の取得による支出が増加したものの、有利子負債の増減による支出が減少し、非支配株主からの払込みによる収入が増加したことなどによるものです。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額を含め、前連結会計年度末に比べ、162億3千4百万円(△33.5%)減の322億9千5百万円となりました。 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況中期経営計画「Change & Challenge 2018」において、最終年度となる2018年度数値目標は、営業利益500億円、経常利益490億円、売上高営業利益率(ROS)6.5%以上、自己資本利益率(ROE)9.0%以上としていました。 業績推移この3ヶ年の業績推移および計画に対する達成率は以下のとおりです。 <主要項目・経営指標> 2016年度実績2017年度実績2018年度実績2018年度目標2018年度目標に対する達成率営業利益349億円502億円445億円500億円 89%経常利益333億円507億円478億円490億円 98%売上高営業利益率(ROS)5.7%7.2%6.1%6.5%以上 94%自己資本利益率(ROE)8.7%10.5%10.1%9.0%以上 112% 営業利益については、2018年度は、宇部地区でのアンモニア工場の定期修理、合成ゴムの市況軟化、石炭価格上昇の影響等もあり中期経営計画の目標に対し未達となりましたが、3ヶ年の累計では所期の目標を達成したものと考えています。また、前中期経営計画より「化学セグメントの復活」を重点テーマとして取り組んできましたが、化学セグメントの2018年度営業利益は、好調な外部環境に下支えされた面もあり、計画200億円に対して実績237億円となりましたので、一定程度の成果をあげることができたと評価しています。 主な取り組み成果と課題化学セグメントでは、ナイロン及びセパレータの生産能力増強、フェノール法アノン設備等によるコスト削減、ポリイミドの事業構造変革など概ね計画通りに実行することができました。建設資材セグメントでは、排熱発電設備及び廃プラ類処理設備等によるコスト削減を進めました。機械セグメントでは、三菱重工業㈱の射出成形機事業を統合し、統一ブランド機の販売やグローバル最適生産体制の構築を推進しました。今後の課題は、これまでに実行した施策を早期に利益に結びつけること、また化学を中心とした次なる成長を実現させることであると考えています。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「共存同栄」「有限の鉱業から無限の工業へ」を経営理念とし、グループ社員が価値観を共有しグループの進むべき方向を対外的にも明確にするため、グループビジョン「技術の翼と革新の心。世界にはばたく私たちのDNAです。フロンティアスピリットを胸に無限の技術で世界と共生するUBEグループは、モノづくりを通して次代の価値を創造し続けます。」を掲げております。100年を超える歴史を持つ当社は、発祥の地・宇部で始めた石炭採掘事業以来、時代と産業構造の変化に対応し、常に新たな技術に挑戦し、自己変革を行ってきました。しかしその中で一貫して変わらなかったもの、それをこのグループビジョンでは「技術」と「革新」というキーワードで表わしています。当社グループは、環境・社会・コーポレートガバナンスに関する情報開示(ESG情報)の充実に努めるとともに、経営理念で謳われた起業家精神=フロンティアスピリットを胸に、株主を始め顧客、取引先、従業員や地域社会等のすべてのステークホルダー、さらには地球環境との共生を図り、これらに貢献する価値創造企業であり続けます。 (2)経営戦略等当社グループでは、10年後のありたい姿「顧客に価値を創出し続ける企業」の実現に向けた3ヵ年の行動計画と位置付ける中期経営計画「Change & Challenge 2018」において、下記の基本方針を掲げております。①持続的成長を可能にする経営基盤の強化◆各事業セグメントにおいて利益率を強く意識し、徹底したコストダウンにより既存商品の収益力向上を図る。◆連結キャッシュ・フロー重視の経営方針のもと、成長のための設備投資・投融資を実施するとともに、投資案件の成果を確実に刈り取る。◆海外拠点の拡充や国内外グループ会社の連携深化により、グローバルな事業環境の変化へのスピーディな対応力を高める。◆化学セグメントの復活と更なる成長に向けて、当計画期間中に化学セグメントの業績を営業利益200億円レベルまで回復させ、次の成長ステージの出発点への到達を目指す。②資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献◆持続可能な社会の実現に向け、経済性に配慮しサプライチェーン全体でエネルギー使用量削減・廃棄物利用拡大による温室効果ガス削減や、環境負荷低減などに貢献する技術・製品の創出・拡大を推進する。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、当連結会計年度を2年目とする中期経営計画「Change & Challenge 2018」において、下記の数値目標を掲げています。<主要項目> 2018年度目標営業利益500億円経常利益490億円<経営指標> 2018年度目標売上高営業利益率(ROS)6.5%以上自己資本当期純利益率(ROE)9.0%以上 (4)経営環境当連結会計年度における世界経済は、米国では個人消費や設備投資などの増加により景気の拡大が継続し、欧州では緩やかな回復基調になるなど、総じて堅調に推移しました。国内経済は、企業収益や雇用情勢の改善などにより緩やかな回復基調が続きました。今後の見通しについては、世界経済は引き続き緩やかな回復が続くものと見込まれますが、米国や欧州における政策の不確実性や、中国での構造改革による経済減速などが懸念されます。国内経済については、雇用・所得環境の改善が続くなかで緩やかな回復が続くと見込まれますが、世界経済の不確実性や、金融資本市場の変動の影響を受ける可能性があります。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題 (品質検査上の不適切行為について)当社は、低密度ポリエチレン製品における品質検査上の不適切行為の判明を受けて、平成30年2月21日付で当社と利害関係のない弁護士及び社外取締役で構成される調査委員会を設置し、不適切行為の原因究明と再発防止策の妥当性検証等を進めてきました。この間調査委員会では、対象範囲をグループ会社にも拡大して調査を進めるとともに、当社は、調査委員会の調査に全面的に協力してまいりました。平成30年6月5日、当社は、調査委員会より調査報告書を受領いたしました。調査報告書におきましては、低密度ポリエチレン製品及び石灰石骨材を含む16事案(のべ24製品)において品質に関する不適切行為が指摘されています。これらの事案につきましては、関連するお客様に対して、製品の品質や安全性に問題がないことを順次説明しており、製品の品質や安全性に関して問題があるとのご指摘は受けておりません。当社は、平成30年6月6日開催の取締役会において以下の内容を骨子とする再発防止策を決議いたしました。当社は、この再発防止策を調査委員会に提示し、調査委員会からは、再発防止措置に係る委員会提言に即したものとして最終的に決定され、これが実施されることを強く望むとの見解を得ています。今後は、この再発防止策を着実に実行し、当社グループにおけるガバナンスの向上と品質管理体制の強化を図るとともに、関係各位の信頼回復に努めてまいります。 再発防止策Ⅰ.取締役会は品質に関わるガバナンスを強化するⅡ.経営陣は、品質重視の姿勢を明確にし、意識改革に率先して取り組む 1)グループ経営方針の策定 2)継続的なトップメッセージの発信 3)役員に対する社外専門家による教育Ⅲ.当社グループ構成員全員の「品質に対する意識」「お客様目線での判断」を植え付け、風土改革を図る 1)グループ経営方針の周知と「私達の行動指針」の改定、教育 2)コンプライアンス意識の向上 3)品質啓発活動 4)品質教育体系の整備と実施 5)品質保証を担う人材の計画的な育成Ⅳ.当社グループの品質保証に関する統制と関連部署間の連携強化を図る(組織再編を含めた施策) 1)グループ品質統括責任者(役員)の配置及び品質統括部の新設 2)グループ品質委員会の新設 3)カンパニー等の組織体制の見直し 4)カンパニー等における目標管理の有効性の向上 5)品質に関わる監査の強化 6)品質に関わる通報・連絡体制の整備 7)グループ会社の統制Ⅴ.品質に関する基盤の強化 1)人の関与を排した品質システムへの移行の促進 2)品質に関わる経営資源の確実な投入 (中期経営計画について)当計画では、前述の基本方針のもと、徹底したコストダウンや国内外グループ会社の連携深化により、顧客に提供する価値の増大とともに各事業セグメントの収益力向上を推進しております。中でも事業環境が厳しさを増す建設資材セグメントでの対策を強化するとともに、業績回復に一定の目途がついた化学セグメントでは、この収益性をより強固なものとすることに加え、今後の新たな拡大・成長策の策定と実行に取り組んでまいります。さらに、当社グループは、公正な企業活動や社会的責任を果たすための活動を推進し、経営理念である「共存同栄」の精神のもと、社会との共生を目指し、株主や資本市場をはじめ、顧客、取引先、従業員、地域社会等、すべてのステークホルダーからの信認を深めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「共存同栄」「有限の鉱業から無限の工業へ」を経営理念とし、グループ社員が価値観を共有しグループの進むべき方向を対外的にも明確にするため、グループビジョン「技術の翼と革新の心。世界にはばたく私たちのDNAです。フロンティアスピリットを胸に無限の技術で世界と共生するUBEグループは、モノづくりを通して次代の価値を創造し続けます。」を掲げております。100年を超える歴史を持つ当社は、発祥の地・宇部で始めた石炭採掘事業以来、時代と産業構造の変化に対応し、常に新たな技術に挑戦し、自己変革を行ってきました。しかしその中で一貫して変わらなかったもの、それをこのグループビジョンでは「技術」と「革新」というキーワードで表わしています。当社グループは、環境・社会・コーポレートガバナンスに関する情報開示(ESG情報)の充実に努めるとともに、経営理念で謳われた起業家精神=フロンティアスピリットを胸に、株主を始め顧客、取引先、従業員や地域社会等のすべてのステークホルダー、さらには地球環境との共生を図り、これらに貢献する価値創造企業であり続けます。 (2)経営戦略等当社グループでは、10年後のありたい姿「顧客に価値を創出し続ける企業」の実現に向けた3ヵ年の行動計画と位置付ける中期経営計画「Change & Challenge 2018」において、下記の基本方針を掲げております。①持続的成長を可能にする経営基盤の強化◆各事業セグメントにおいて利益率を強く意識し、徹底したコストダウンにより既存商品の収益力向上を図る。◆連結キャッシュ・フロー重視の経営方針のもと、成長のための設備投資・投融資を実施するとともに、投資案件の成果を確実に刈り取る。◆海外拠点の拡充や国内外グループ会社の連携深化により、グローバルな事業環境の変化へのスピーディな対応力を高める。◆化学セグメントの復活と更なる成長に向けて、当計画期間中に化学セグメントの業績を営業利益200億円レベルまで回復させ、次の成長ステージの出発点への到達を目指す。②資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献◆持続可能な社会の実現に向け、経済性に配慮しサプライチェーン全体でエネルギー使用量削減・廃棄物利用拡大による温室効果ガス削減や、環境負荷低減などに貢献する技術・製品の創出・拡大を推進する。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、当連結会計年度を2年目とする中期経営計画「Change & Challenge 2018」において、下記の数値目標を掲げています。<主要項目> 2018年度目標営業利益500億円経常利益490億円<経営指標> 2018年度目標売上高営業利益率(ROS)6.5%以上自己資本当期純利益率(ROE)9.0%以上 (4)経営環境当連結会計年度における世界経済は、米国では個人消費や設備投資などの増加により景気の拡大が継続し、欧州では緩やかな回復基調になるなど、総じて堅調に推移しました。国内経済は、企業収益や雇用情勢の改善などにより緩やかな回復基調が続きました。今後の見通しについては、世界経済は引き続き緩やかな回復が続くものと見込まれますが、米国や欧州における政策の不確実性や、中国での構造改革による経済減速などが懸念されます。国内経済については、雇用・所得環境の改善が続くなかで緩やかな回復が続くと見込まれますが、世界経済の不確実性や、金融資本市場の変動の影響を受ける可能性があります。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題 (品質検査上の不適切行為について)当社は、低密度ポリエチレン製品における品質検査上の不適切行為の判明を受けて、平成30年2月21日付で当社と利害関係のない弁護士及び社外取締役で構成される調査委員会を設置し、不適切行為の原因究明と再発防止策の妥当性検証等を進めてきました。この間調査委員会では、対象範囲をグループ会社にも拡大して調査を進めるとともに、当社は、調査委員会の調査に全面的に協力してまいりました。平成30年6月5日、当社は、調査委員会より調査報告書を受領いたしました。調査報告書におきましては、低密度ポリエチレン製品及び石灰石骨材を含む16事案(のべ24製品)において品質に関する不適切行為が指摘されています。これらの事案につきましては、関連するお客様に対して、製品の品質や安全性に問題がないことを順次説明しており、製品の品質や安全性に関して問題があるとのご指摘は受けておりません。当社は、平成30年6月6日開催の取締役会において以下の内容を骨子とする再発防止策を決議いたしました。当社は、この再発防止策を調査委員会に提示し、調査委員会からは、再発防止措置に係る委員会提言に即したものとして最終的に決定され、これが実施されることを強く望むとの見解を得ています。今後は、この再発防止策を着実に実行し、当社グループにおけるガバナンスの向上と品質管理体制の強化を図るとともに、関係各位の信頼回復に努めてまいります。 再発防止策Ⅰ.取締役会は品質に関わるガバナンスを強化するⅡ.経営陣は、品質重視の姿勢を明確にし、意識改革に率先して取り組む 1)グループ経営方針の策定 2)継続的なトップメッセージの発信 3)役員に対する社外専門家による教育Ⅲ.当社グループ構成員全員の「品質に対する意識」「お客様目線での判断」を植え付け、風土改革を図る 1)グループ経営方針の周知と「私達の行動指針」の改定、教育 2)コンプライアンス意識の向上 3)品質啓発活動 4)品質教育体系の整備と実施 5)品質保証を担う人材の計画的な育成Ⅳ.当社グループの品質保証に関する統制と関連部署間の連携強化を図る(組織再編を含めた施策) 1)グループ品質統括責任者(役員)の配置及び品質統括部の新設 2)グループ品質委員会の新設 3)カンパニー等の組織体制の見直し 4)カンパニー等における目標管理の有効性の向上 5)品質に関わる監査の強化 6)品質に関わる通報・連絡体制の整備 7)グループ会社の統制Ⅴ.品質に関する基盤の強化 1)人の関与を排した品質システムへの移行の促進 2)品質に関わる経営資源の確実な投入 (中期経営計画について)当計画では、前述の基本方針のもと、徹底したコストダウンや国内外グループ会社の連携深化により、顧客に提供する価値の増大とともに各事業セグメントの収益力向上を推進しております。中でも事業環境が厳しさを増す建設資材セグメントでの対策を強化するとともに、業績回復に一定の目途がついた化学セグメントでは、この収益性をより強固なものとすることに加え、今後の新たな拡大・成長策の策定と実行に取り組んでまいります。さらに、当社グループは、公正な企業活動や社会的責任を果たすための活動を推進し、経営理念である「共存同栄」の精神のもと、社会との共生を目指し、株主や資本市場をはじめ、顧客、取引先、従業員、地域社会等、すべてのステークホルダーからの信認を深めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ①財政状態及び経営成績の状況当社グループは、前連結会計年度から3ヵ年の中期経営計画「Change & Challenge 2018」において、「持続的成長を可能にする経営基盤の強化」「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」を基本方針とし、各セグメントの収益力向上を推進するとともに、各事業課題の解決に向け取り組んでおります。当連結会計年度においては、全般的に原燃料価格が上昇し、特に建設資材セグメントでは石炭市況高止まりの影響を大きく受けました。その一方で、堅調な需給を背景とした化成品の価格是正や機能化学品の拡販に加え、国内アンモニア工場の定期修理がなかったことなどによる化学セグメントの大幅な業績改善が牽引し、当社グループの連結業績は増収増益となりました。なお、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高益となりました。この結果、当社グループの売上高は前連結会計年度に比べ790億1千1百万円増の6,955億7千4百万円、営業利益は152億9千万円増の502億5千万円、経常利益は173億8千万円増の507億2千8百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は74億9千5百万円増の316億8千万円となりました。項 目売 上 高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度695,574百万円50,250百万円50,728百万円31,680百万円前連結会計年度616,563百万円34,960百万円33,348百万円24,185百万円増 減 率12.8%43.7%52.1%31.0%セグメント別の経営成績は次のとおりです。化学ナイロン樹脂は、原料価格の上昇に応じた価格是正が進み、食品包装フィルム用途を中心に出荷も堅調に推移しました。ナイロン原料のカプロラクタムは、中国における環境規制等を背景として需給が堅調に推移し、市況回復が進展しました。工業薬品は、アンモニア工場の定期修理がなく、需要も堅調に推移したことから生産・出荷が増加しました。ポリブタジエン(合成ゴム)は、原料ブタジエン価格の上昇に応じた価格是正が進み、出荷も国内のタイヤ用途を中心に概ね堅調でした。リチウムイオン電池材料は、競争が激化する中で、車載向けを中心とした需要拡大を背景に増販が進みました。ファインケミカル製品の出荷は総じて堅調に推移し、ポリイミドフィルムの出荷も回路基板用途向けを中心に増加しました。この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ470億6千8百万円増の3,054億3千2百万円、営業利益は193億1千7百万円増の289億7千4百万円となりました。項 目売 上 高営業利益当連結会計年度305,432百万円28,974百万円前連結会計年度258,364百万円9,657百万円増 減 率18.2%200.0%医薬自社医薬品・受託医薬品ともに出荷は前連結会計年度並みに推移しましたが、自社医薬品の特許期間満了に伴いロイヤリティ収入が減少しました。この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ7億6千2百万円減の102億1千3百万円、営業利益は3億8千9百万円減の21億7百万円となりました。項 目売 上 高営業利益当連結会計年度10,213百万円2,107百万円前連結会計年度10,975百万円2,496百万円増 減 率△6.9%△15.6% 建設資材生コン製品の出荷は好調に推移しましたが、セメントの国内需要は前連結会計年度並みにとどまり、石炭価格上昇の影響も受けました。カルシア・マグネシア製品や建材製品は、全般的に堅調に推移しました。この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ116億1千8百万円増の2,388億5千4百万円、営業利益は39億2千4百万円減の123億4千万円となりました。項 目売 上 高営業利益当連結会計年度238,854百万円12,340百万円前連結会計年度227,236百万円16,264百万円増 減 率5.1%△24.1% 機械自動車産業向けを中心とする成形機も、運搬機等の産業機械も、ともに出荷は堅調でした。また、前連結会計年度に加わった射出成形機の連結子会社も業容拡大に寄与しました。各製品のサービス事業や製鋼事業は、堅調に推移しました。この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ184億7千2百万円増の901億4千万円、営業利益は18億4千万円増の55億1千1百万円となりました。項 目売 上 高営業利益当連結会計年度90,140百万円5,511百万円前連結会計年度71,668百万円3,671百万円増 減 率25.8%50.1% エネルギー・環境石炭事業では、販売数量およびコールセンター(石炭中継基地)での預り炭の取扱量がともに増加しました。電力事業では、IPP発電所において隔年の定期修理を実施しました。この結果、当セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ115億7千9百万円増の713億6千1百万円、営業利益は5億5百万円減の23億5千万円となりました。項 目売 上 高営業利益当連結会計年度71,361百万円2,350百万円前連結会計年度59,782百万円2,855百万円増 減 率19.4%△17.7%その他その他の売上高は前連結会計年度に比べ77億2千3百万円減の47億9千7百万円、営業利益は1億1千8百万円増の8億7千2百万円となりました。項 目売 上 高営業利益当連結会計年度4,797百万円872百万円前連結会計年度12,520百万円754百万円増 減 率△61.7%15.6% ②キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益450億円、非資金項目である減価償却費353億5千3百万円、法人税等の支払額92億4千2百万円などにより、733億8千6百万円のキャッシュ・インとなりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは有形及び無形固定資産の取得による支出337億6千9百万円などにより、339億7千8百万円のキャッシュ・アウトとなりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは有利子負債の増減による支出155億7千万円、配当金の支払額66億5千5百万円、自己株式の取得による支出50億4千2百万円などにより、285億5千9百万円のキャッシュ・アウトとなりました。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ127億2千3百万円増加し485億2千9百万円となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)化学302,46312.2医薬4,505△15.3建設資材103,828△1.6機械82,24519.0エネルギー・環境12,52715.8合計505,5689.9 (注)1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。b.受注実績 当連結会計年度における機械の受注実績を示すと、次のとおりです。 なお、機械を除くセグメントの製品については、受注生産は行っておりません。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)機械88,58255.875,18228.1 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)化学305,43218.2医薬10,213△6.9建設資材238,8545.1機械90,14025.8エネルギー・環境71,36119.4その他4,797△61.7消去△25,223-合計695,57412.8 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 ①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告年度における収益・費用の数値に影響を与える将来に関する見積り及び仮定が必要であり、過去の実績やその他の様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容売上高売上高は前連結会計年度に比べ、790億1千1百万円(12.8%)増加し、6,955億7千4百万円となりました。この要因は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。売上原価売上原価は前連結会計年度に比べ、594億5千8百万円(11.9%)増加し、5,601億円となりました。これは、主に化学セグメントにおける機能化学品販売数量増、建設資材セグメントにおける石炭価格上昇による影響、エネルギー・環境セグメントにおける販売炭・預り炭数量増によるものです。販売費及び一般管理費販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ、42億6千3百万円(5.3%)増加し、852億2千4百万円となりました。これは、主に販売運賃諸掛の増加などによるものです。営業利益営業利益は前連結会計年度に比べ、152億9千万円(43.7%)増加し、502億5千万円となりました。これは、化学セグメントにおける化成品の価格是正や機能化学品の拡販に加え、国内アンモニア工場の定期修理がなかったことなどによるものです。売上高営業利益率は、前連結会計年度に比べ、1.5ポイント上回り、7.2%となりました。営業外損益営業外損益は前連結会計年度に比べ、20億9千万円改善し、4億7千8百万円の利益となりました。これは、前連結会計年度に比べ、持分法による投資利益が15億9千1百万円増加、受取配当金が3億4千6百万円増加したことなどによるものです。経常利益経常利益は前連結会計年度に比べ、173億8千万円(52.1%)増加し、507億2千8百万円となりました。特別損益特別損益は前連結会計年度に比べ、53億1千3百万円悪化し、57億2千8百万円の損失となりました。これは、前連結会計年度に比べ、減損損失が30億8千1百万円悪化したことなどによるものです。以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ、120億6千7百万円(36.6%)増加し450億円となり、法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ74億9千5百万円(31.0%)増加し、316億8千万円となりました。総資産当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ、337億5千万円(4.8%)増加し、7,431億2千9百万円となりました。流動資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金、商品及び製品などのたな卸資産が増加したことなどにより283億5千9百万円(9.6%)増加し、3,234億円となりました。固定資産は、有形固定資産が増加したことなどにより53億4千7百万円(1.3%)増加し、4,195億7千3百万円となりました。繰延資産は、社債発行費が増加したことにより4千4百万円増加し、1億5千6百万円となりました。負債当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ、72億9千万円(1.8%)増加し、4,062億6千8百万円となりました。流動負債は、コマーシャル・ペーパーが減少しましたが、支払手形及び買掛金、未払金が増加したことなどにより、72億7千万円(3.0%)増加し、2,530億9千8百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度並みの1,531億7千万円となりました。純資産当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、264億6千万円(8.5%)増加し、3,368億6千1百万円となりました。株主資本は、剰余金の配当により63億6千2百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が316億8千万円増加したことなどにより232億8千6百万円(8.3%)増加し、3,048億3千3百万円となりました。その他の包括利益累計額は、為替換算調整勘定が増加したことなどにより54億6千7百万円(108.2%)増加し、105億1千9百万円となりました。非支配株主持分は、23億4千2百万円(△10.1%)減少し、208億3千7百万円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度に比べ、2ポイント増加し42.4%となりました。資本の財源及び資金の流動性(財務政策)当社グループは、財務構造の健全化及び資金の効率的調達・運用を基本方針として財務活動を行っております。資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー、社債等の発行等により行っております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、一部の取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。(キャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ、199億6千8百万円増の733億8千6百万円となりました。これは前連結会計年度に比べ、税金等調整前当期純利益の増加や、運転資金増減額(売上債権、たな卸資産及び仕入債務の増減合計額)による支出が改善したことなどによるものです。投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、68億5千1百万円減の339億7千8百万円となりました。これは前連結会計年度に比べ、有形及び無形固定資産の取得による支出が減少したことなどによるものです。財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ、108億7千3百万円増の285億5千9百万円となりました。これは、有利子負債の増減による支出、自己株式の取得による支出が増加したことなどによるものです。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額等を含め、前連結会計年度末に比べ、127億2千3百万円(35.5%)増の485億2千9百万円となりました。 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況当社グループは、中期経営計画「Change & Challenge 2018」の基本方針のもと、最終年度の数値目標を営業利益500億円、経常利益490億円、売上高営業利益率(ROS)6.5%以上、自己資本当期純利益率(ROE)9.0%以上としております。2018年度を最終年度とする当中期経営計画では「化学セグメントの復活とさらなる成長」を大命題として掲げ、将来の成長に向けた事業構造改革として事業ポートフォリオ経営を推進しています。その中間年度にあたる2017年度は、次の世代を担う「育成分野」の着実な進展や、「積極拡大事業」におけるスペインのナイロン工場と堺工場のセパレーター増設、「基盤事業」における宇部工場のカプロラクタム原料であるシクロヘキサノンの製法転換など、総じて予定通りの成果を上げることができました。外部環境としては、カプロラクタムの市況好調によるスプレッドの拡大と、前連結会計年度に原料価格が上昇した分のタイムラグで合成ゴムのスプレッドが一時的に大きく拡大したことが、プラス要因として働きました。内部環境としては、「再生・再構築事業」の収益性の立て直しが計画以上に進捗したことも特筆すべき点として挙げられます。これらの結果、化学セグメントの営業利益は、最終年度に200億円という目標を1年前倒しで達成することができました。 数値目標の進捗状況は以下のとおりです。 <主要項目> 2017年度実績2018年度目標営業利益502億円500億円経常利益507億円490億円<経営指標> 2017年度実績2018年度目標売上高営業利益率(ROS)7.2%6.5%以上自己資本当期純利益率(ROE)10.5%9.0%以上
経営方針・経営戦略
3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「共存同栄」「有限の鉱業から無限の工業へ」を経営理念とし、グループ社員が価値観を共有しグループの進むべき方向を対外的にも明確にするため、グループビジョン「技術の翼と革新の心。世界にはばたく私たちのDNAです。フロンティアスピリットを胸に無限の技術で世界と共生するUBEグループは、モノづくりを通して次代の価値を創造し続けます。」を掲げております。100年を超える歴史を持つ当社は、発祥の地・宇部で始めた石炭採掘事業以来、時代と産業構造の変化に対応し、常に新たな技術に挑戦し、自己変革を行ってきました。しかしその中で一貫して変わらなかったもの、それをこのグループビジョンでは「技術」と「革新」というキーワードで表わしています。当社グループは、環境・社会・コーポレートガバナンスに関する情報開示(ESG情報)の充実に努めるとともに、経営理念で謳われた起業家精神=フロンティアスピリットを胸に、株主を始め顧客、取引先、従業員や地域社会等のあらゆるステークホルダー、さらには地球環境との共生を図り、これらに貢献する価値創造企業であり続けます。 (2)経営戦略等当社グループでは、10年後のありたい姿「顧客に価値を創出し続ける企業」の実現に向けた3ヵ年の行動計画と位置付ける中期経営計画「Change & Challenge 2018」において、下記の基本方針を掲げております。①持続的成長を可能にする経営基盤の強化◆各事業セグメントにおいて利益率を強く意識し、徹底したコストダウンにより既存商品の収益力向上を図る。◆連結キャッシュ・フロー重視の経営方針の下、成長のための設備投資・投融資を実施するとともに、投資案件の成果を確実に刈り取る。◆海外拠点の拡充や国内外グループ会社の連携深化により、グローバルな事業環境の変化へのスピーディな対応力を高める。◆化学セグメントの復活と更なる成長に向けて、本計画期間中に化学セグメントの業績を営業利益200億円レベルまで回復させ、次の成長ステージの出発点への到達を目指す。②資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献◆持続可能な社会の実現に向け、経済性に配慮しサプライチェーン全体でエネルギー使用量削減・廃棄物利用拡大による温室効果ガス削減や、環境負荷低減などに貢献する技術・製品の創出・拡大を推進する。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画「Change & Challenge 2018」において、下記の数値目標を掲げています。<主要項目> 2018年度目標営業利益500億円経常利益490億円<経営指標> 2018年度目標売上高営業利益率(ROS)6.5%以上自己資本当期純利益率(ROE)9.0%以上 (4)経営環境今後の経済情勢につきましては、国内景気は緩やかな回復基調が続くことが期待されるものの、為替や原燃料価格の先行き、米国・欧州における政治・経済・金融政策の動向など、不透明感の強い状況が続くことが見込まれます。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題中期経営計画の基本方針のもと、徹底したコストダウンや国内外グループ会社の連携深化により、顧客に提供する価値の増大とともに当社グループ各セグメントの収益力向上を推進し、中でも事業環境が厳しさを増す建設資材セグメントでの対策強化と化学セグメントにおける更なる業績回復に注力してまいります。化学セグメントにおいては、平成29年4月、ビジネスユニットと研究開発機能を事業部として統合する組織改訂を実施し、事業毎の機能連携の一層の強化と研究開発のスピードアップにも取り組んでまいります。さらに、当社グループは、公正な企業活動や社会的責任を果たすための活動を推進し、経営理念である「共存同栄」の精神のもと、社会との共生を目指し、株主や資本市場をはじめ、顧客、取引先、従業員、地域社会等、すべてのステークホルダーからの信認を深めてまいります。
対処すべき課題
3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「共存同栄」「有限の鉱業から無限の工業へ」を経営理念とし、グループ社員が価値観を共有しグループの進むべき方向を対外的にも明確にするため、グループビジョン「技術の翼と革新の心。世界にはばたく私たちのDNAです。フロンティアスピリットを胸に無限の技術で世界と共生するUBEグループは、モノづくりを通して次代の価値を創造し続けます。」を掲げております。100年を超える歴史を持つ当社は、発祥の地・宇部で始めた石炭採掘事業以来、時代と産業構造の変化に対応し、常に新たな技術に挑戦し、自己変革を行ってきました。しかしその中で一貫して変わらなかったもの、それをこのグループビジョンでは「技術」と「革新」というキーワードで表わしています。当社グループは、環境・社会・コーポレートガバナンスに関する情報開示(ESG情報)の充実に努めるとともに、経営理念で謳われた起業家精神=フロンティアスピリットを胸に、株主を始め顧客、取引先、従業員や地域社会等のあらゆるステークホルダー、さらには地球環境との共生を図り、これらに貢献する価値創造企業であり続けます。 (2)経営戦略等当社グループでは、10年後のありたい姿「顧客に価値を創出し続ける企業」の実現に向けた3ヵ年の行動計画と位置付ける中期経営計画「Change & Challenge 2018」において、下記の基本方針を掲げております。①持続的成長を可能にする経営基盤の強化◆各事業セグメントにおいて利益率を強く意識し、徹底したコストダウンにより既存商品の収益力向上を図る。◆連結キャッシュ・フロー重視の経営方針の下、成長のための設備投資・投融資を実施するとともに、投資案件の成果を確実に刈り取る。◆海外拠点の拡充や国内外グループ会社の連携深化により、グローバルな事業環境の変化へのスピーディな対応力を高める。◆化学セグメントの復活と更なる成長に向けて、本計画期間中に化学セグメントの業績を営業利益200億円レベルまで回復させ、次の成長ステージの出発点への到達を目指す。②資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献◆持続可能な社会の実現に向け、経済性に配慮しサプライチェーン全体でエネルギー使用量削減・廃棄物利用拡大による温室効果ガス削減や、環境負荷低減などに貢献する技術・製品の創出・拡大を推進する。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画「Change & Challenge 2018」において、下記の数値目標を掲げています。<主要項目> 2018年度目標営業利益500億円経常利益490億円<経営指標> 2018年度目標売上高営業利益率(ROS)6.5%以上自己資本当期純利益率(ROE)9.0%以上 (4)経営環境今後の経済情勢につきましては、国内景気は緩やかな回復基調が続くことが期待されるものの、為替や原燃料価格の先行き、米国・欧州における政治・経済・金融政策の動向など、不透明感の強い状況が続くことが見込まれます。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題中期経営計画の基本方針のもと、徹底したコストダウンや国内外グループ会社の連携深化により、顧客に提供する価値の増大とともに当社グループ各セグメントの収益力向上を推進し、中でも事業環境が厳しさを増す建設資材セグメントでの対策強化と化学セグメントにおける更なる業績回復に注力してまいります。化学セグメントにおいては、平成29年4月、ビジネスユニットと研究開発機能を事業部として統合する組織改訂を実施し、事業毎の機能連携の一層の強化と研究開発のスピードアップにも取り組んでまいります。さらに、当社グループは、公正な企業活動や社会的責任を果たすための活動を推進し、経営理念である「共存同栄」の精神のもと、社会との共生を目指し、株主や資本市場をはじめ、顧客、取引先、従業員、地域社会等、すべてのステークホルダーからの信認を深めてまいります。