4208

UBE(4208)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 機能品事業の展開
    UBEグループは、ポリイミドや分離膜、セラミックスといった高機能な素材の製造・販売を手掛けています。これらの製品は、電子部品や情報通信機器、リチウムイオン電池のセパレータなど、現代社会に不可欠な様々な分野で利用されており、技術力を活かした製品開発が収益の柱の一つとなっています。
  • 樹脂・化成品事業の多角化
    コンポジット、ナイロンポリマー、カプロラクタム(ナイロン原料)、硫安、工業薬品、高機能コーティングなど、幅広い化学製品を製造・販売しています。特に、国内外のグループ会社が連携し、自動車部品や包装材、インフラ関連など多岐にわたる産業に製品を供給しており、グローバルな供給体制を構築しています。
  • 機械事業とその他事業
    UBEマシナリーを中心に、ダイカストマシンや射出成形機といった成形機、窯業機や化学機器などの産業機械、橋梁・鉄構の製造・販売、アフターサービスを提供しています。また、医薬品の製造・販売、電力供給、不動産事業なども手掛けており、多様な事業ポートフォリオで安定した収益基盤を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • スペシャリティ製品事業
    この事業は、高機能な化学製品や素材に特化しており、売上高502.5億円に対し、営業利益は116.68億円と高い収益性を誇っています。ポリイミド、分離膜、セラミックスなどが主な製品で、情報技術やデジタル家電、リチウムイオン電池といった成長分野に貢献しており、UBEグループの稼ぎ頭の一つと言えます。
  • ポリマー・化成品事業
    UBEグループの中核をなす事業で、売上高は2703.15億円と最も大きく、営業利益は19.19億円です。コンポジット、ナイロンポリマー、カプロラクタム、硫安、工業薬品など多岐にわたる化学製品を製造・販売しており、国内外の広範な産業に製品を供給しています。規模は大きいものの、市場価格変動の影響を受けやすい特性があります。
  • 機械事業
    この事業は、売上高863.62億円、営業利益78.83億円を計上しています。ダイカストマシン、射出成形機、産業機械、橋梁・鉄構などの製造・販売、およびアフターサービスを提供しています。自動車産業やインフラ整備など、幅広い分野に貢献しており、安定した収益を上げています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
SpecialtyProducts 事業 503 117 23.2%
PolymersAndChemicals 事業 2,703 19 0.7%
Machinery 事業 864 79 9.1%
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FY2026|3,578 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社及び関係会社76社(2026年3月31日現在)から構成され、その主な事業内容と当社及び主要な関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。 なお、事業区分は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一です。 また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。 機能品当社は、ポリイミド、分離膜、セラミックス等の製造・販売を行っています。宇部エクシモ㈱は当社機能品事業の一環として、電子・情報通信関連製品等の製造・販売を行っています。宇部マクセル㈱は当社機能品事業の一環として、セパレータ(リチウムイオン電池材料)の製造・販売を行っています。また、これらの連結子会社2社のほか非連結子会社1社、関連会社4社が機能品事業を営んでいます。 高機能ウレタン当社は、高機能コーティング製品(PCD、PUD)等の製造・販売を行っています。UBE URETHANES ITALY S.R.L、UBE Urethanes Nantong Co., Ltd.、UBE URETHANES UK LTD.、UBE URETHANES USA LLC、UBE LATIN AMERICA LTDA.は当社高機能ウレタン事業の一環として、ウレタン樹脂中間体(高機能熱硬化性ウレタンエラストマー用プレポリマー)の製造・販売を行っています。UBE China Holding Company Limitedは当社高機能ウレタン事業の一環として、UBE Urethanes Nantong Co., Ltd.の統括を行っています。UBE Fine Chemicals (Asia) Co., Ltd.は当社高機能ウレタン事業の一環として、タイで高機能コーティング製品等の製造・販売を行っています。また、これらの連結子会社7社のほか連結子会社5社、関連会社1社が高機能ウレタン事業を営んでいます。 医薬当社は、創薬、医薬品原体・中間体の受託製造・販売を行っています。また、連結子会社1社が医薬事業を営んでいます。 樹脂・化成品当社は、コンポジット、ナイロンポリマー、カプロラクタム(ナイロン原料)、硫安(肥料)、工業薬品等の製造・販売を行っています。UBE CORPORATION EUROPE S.A.U.は当社樹脂・化成品事業の一環として、スペインでコンポジット、ナイロンポリマー、カプロラクタム、硫安等の製造・販売を行っています。また、当社高機能ウレタン事業の一環として、高機能コーティング製品等の製造・販売も行っています。宇部フィルム㈱は当社樹脂・化成品事業の一環として、ポリエチレン製品の製造・販売を行っています。UBEエラストマー㈱は、当社樹脂・化成品事業の一環として、エラストマー(合成ゴム)の製造・販売を行っています。THAI SYNTHETIC RUBBERS COMPANY LIMITEDは当社樹脂・化成品事業の一環として、タイでエラストマーの製造・販売を行っています。UBE Chemicals (Asia) Public Company Limitedは当社樹脂・化成品事業の一環として、タイでコンポジット、ナイロンポリマー、カプロラクタム、硫安の製造・販売を行っています。UBE America Inc.は当社及び当社関係会社の製品を米国市場で販売しています。UBE C1 CHEMICALS AMERICA, INC.は当社樹脂・化成品事業の一環として、米国でDMC、EMCのプラントを建設中です。UBE Engineered Composites, Inc.は、当社樹脂・化成品事業の一環として、米国でコンポジットの製造・販売・受託加工を行っています。また、これらの連結子会社8社のほか連結子会社5社、非連結子会社4社、関連会社9社が樹脂・化成品事業を営んでいます。 機械UBEマシナリー㈱は機械事業を統括するとともに成形機(ダイカストマシン、押出プレス、射出成形機)、産業機械(窯業機、化学機器、粉砕機、運搬機、除塵機、破砕機)、橋梁・鉄構等の製造・販売を行っています。また、成形機及び産業機械のアフターサービスを行っています。㈱福島製作所はグループ機械事業の一環として、舶用機械及び産業機械の製造・販売を行っています。UBE MACHINERY INC.は米国で成形機の販売・アフターサービスを行っており、またUBEマシナリー㈱は同社へ製品及び部品の販売を行っています。また、これらの連結子会社3社のほか連結子会社3社、非連結子会社3社が機械事業を営んでいます。 その他当社は、電力供給、不動産の売買・賃貸借及び管理等を行っています。宇部興産(上海)有限公司は当社及び当社関係会社の製品を中国市場で販売しています。Ube Europe GmbHは当社及び当社関係会社の製品を欧州市場で販売しています。UBE CORPORATION AMERICA INC.は米国における子会社の統括を行っています。また、これらの連結子会社3社のほか連結子会社8社、関連会社6社がその他事業を営んでいます。 セメント関連事業※関連会社であるUBE三菱セメント㈱はセメント関連事業を統括するとともにセメント関連製品の製造・販売を行っています。同社は当社に石炭等を供給しています。また、この持分法適用関連会社1社のほか連結子会社1社、関連会社1社がセメント関連事業を営んでいます。なお、セメント関連事業はセグメント情報の「調整額」の区分に含めています。 以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。 (連結子会社一覧)機能品 宇部エクシモ㈱ 宇部マクセル㈱ 高機能ウレタン UBE URETHANES AUSTRALIA PTY LTD UBE URETHANES CANADA LTD. UBE Urethanes Germany GmbH UBE URETHANES INDIA PRIVATE LIMITED UBE URETHANES ITALY S.R.L UBE Urethanes Netherlands B.V. UBE Fine Chemicals (Asia) Co., Ltd. UBE China Holding Company Limited UBE Urethanes Nantong Co., Ltd. UBE URETHANES UK LTD. UBE URETHANES USA LLC UBE LATIN AMERICA LTDA. 医薬 UBE Europe Belgium NV 樹脂・化成品 宇部フィルム㈱ UBEエラストマー㈱ UBE過酸化水素㈱ UBE CORPORATION EUROPE S.A.U. UBE Composites Europe, S.L.U. UBE POLYMERS & CHEMICALS EUROPE S.L.U. MANUFACTURAS PAULOWSKY, S.L. THAI SYNTHETIC RUBBERS COMPANYLIMITED UBE Chemicals (Asia) Public CompanyLimited RAYONG FERTILIZER TRADING CO., LTD. UBE America Inc. UBE C1 CHEMICALS AMERICA, INC. UBE Engineered Composites, Inc. 機械 UBEマシナリー㈱ ㈱ティーユーエレクトロニクス ㈱福島製作所 宇部興産機械(上海)有限公司 UBE MACHINERY THAI CO., LTD. UBE MACHINERY INC. その他 ㈱宇部総合サービス 宇部物流サービス㈱ ㈱UBEアセット&インシュアランス ㈲リベルタス興産 宇部興産(上海)有限公司 UBE (HONG KONG) LIMITED 台湾宇部股份有限公司 Ube Europe GmbH UBE KOREA CO., LTD. UBE (Thailand) Co., Ltd. UBE CORPORATION AMERICA INC. セメント関連事業 ウベボード㈱ (注)1.複数のセグメントに係る事業を営んでいる会社は、主たるセグメントに記載しています。 2.セメント関連事業は、セグメント情報の「調整額」の区分に含めています。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原料市況動向の注視と価格高騰時の製品価格への迅速な転嫁による適正スプレッドの確保。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
ポリイミドの一貫生産、セラミックス合成技術、新技術・新製品の研究開発。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:化学事業の価格変動と原料供給依存 / 機械事業の市場変動と競合激化 / 地球環境問題によるコスト増と企業価値低下
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

UBEは、長年にわたり培ってきた化学品(ナイロン、無機薬品、医薬品原薬等)の製造ノウハウや、特定の分野における技術力は無形資産となり得る。特に、医薬品原薬や機能性化学品分野での研究開発力は、将来的な特許取得やIP創出につながる可能性がある。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

一部の特殊化学品や医薬品原薬においては、顧客がUBEの製品に切り替える際の品質保証や開発期間のコストがスイッチング・コストとなり得る。しかし、汎用的な化学品においては、価格競争力が重視されやすく、スイッチング・コストは限定的である。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

UBEの事業は、化学品の製造・販売が中心であり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果が働く要素は基本的に見られない。顧客基盤の拡大が直接的な製品・サービスの価値向上に結びつく構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

UBEは、長年の操業で培われた生産効率や、一部の原料調達における規模の経済を活かしたコスト競争力を持つ可能性がある。特に、大規模プラントでの生産効率化は、コスト優位性の一因となり得る。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる
  • 高機能素材の技術力
    ポリイミド、分離膜、セラミックスなどの機能品は、高い技術力と研究開発に基づいています。これらの製品は、特定の性能が求められる分野で競争優位性を発揮し、顧客のニーズに応じたカスタマイズや新製品開発を通じて、市場での地位を確立しています。
  • グローバルな生産・販売体制
    樹脂・化成品事業では、スペイン、タイ、米国など世界各地に生産拠点や販売拠点を持ち、グローバルな供給体制を構築しています。これにより、地域ごとの市場ニーズに迅速に対応し、効率的な生産・販売を行うことで、国際競争力を高めています。
  • 多角的な事業ポートフォリオ
    化学、機械、医薬品、電力、不動産など、多岐にわたる事業を展開しているため、特定の市場変動リスクを分散できる強みがあります。各事業が相互に補完し合うことで、安定した経営基盤を維持し、持続的な成長を目指せる体制となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)経営方針120年を超える歴史を刻むUBEグループは、地域社会との「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」という創業の精神を受け継ぎ、当社グループの存在意義を明確化した、パーパス(存在意義)と、企業経営の根幹となる経営理念・経営方針を理念体系としています。UBEグループは、この理念体系に基づき、未来につながる、新たな価値を創造するための事業活動をグローバルに展開するとともに、環境・社会・コーポレートガバナンスに関する取組みの充実に努め、企業価値の更なる向上を目指します。 パーパス(存在意義):「希望ある化学で、難題を打ち破る。」 「創業以来の歴史の中で培ってきたモノづくりの技術を活かし、社会に必要とされている価値を、社会が求める安全で環境負荷を極限まで低減した方法で創り出し、人々に提供していくこと。これにより、人類共通の課題となった地球環境問題の解決に、また人々の生命・健康、そして未来へとつながる豊かな社会に貢献すること。」 UBE経営理念:「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します。」 UBE経営方針(ⅰ)「倫理」 高い倫理観を保ち、法令及び社会規範を遵守します。(ⅱ)「安全と安心」 地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います。(ⅲ)「品質」 お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします。(ⅳ)「人」 個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくります。 (2)経営戦略等当社グループは、2025年度から2030年度までの6ヵ年を対象とする中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation -2nd Stage-」を策定し、以下の行動計画を掲げています。2030年に向けて、当社グループを「スペシャリティ化学企業」へ進化させるとともに、これを実現するための行動計画を着実に実行していきます。◆長期ビジョン(2030年)の目指す姿「地球環境と人々の健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学企業」 ◆中期経営計画の行動計画2030年の目指す姿を実現するため、パーパス・経営理念、社会課題に対する影響度を踏まえて、次の5つをマテリアリティ(重要課題)として設定しています。これらの課題に対して、DXの推進等により迅速かつ効果的に様々な施策を展開していきます。<UBEグループのマテリアリティ>(ⅰ) スペシャリティ事業の拡大(ⅱ) 多様な人財の活躍(ⅲ) 労働安全・保安防災(ⅳ) 地球環境問題への対応(ⅴ) 誠実で公正な企業統治 (3)経営環境当連結会計年度においては、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、米中対立、中東情勢の緊迫等により世界経済は不安定さと不透明感を強めました。欧米での物価上昇が続く中、金融引き締め策の継続にもかかわらず財政出動やAI投資の増加により米国景気が堅調に拡大したことで、想定以上の円安が日本の物価をも押し上げました。当社事業においても、米中対立等による世界的な経済情勢の不安定化に伴う需要減退の影響を受けました。これら地政学的リスクの深刻化、物価上昇や金利上昇に伴う需要減退の懸念等から今後も先行きが見通しづらい状況が続くものと予測されます。こうした状況に加え、地球温暖化、自然災害の増加、インフラの老朽化等、持続可能な社会創出のための諸課題への対応が企業活動に求められており、さらにはDXによる競争優位性の変化、健康や安全・安心についての意識の更なる高まり等、経営環境の変化のスピードも一段と速まっています。 (4)優先的に対処すべき課題等中期経営計画の初年度となる当連結会計年度は、数値目標は大幅に未達となりましたが、当社独自技術を活かし、競争力を有するポリイミドフィルム、分離膜、セラミックス、セパレータ、DMC・EMC等の製造設備への投資を行ってきました。また、ドイツLANXESS社から取得したウレタンシステムズ事業の統合を着実に進めるなど、将来の成長に向けた施策を進めています。さらに、損益変動が大きく温室効果ガス(GHG)排出量の多いアンモニア・カプロラクタム・ナイロンポリマーについては、タイの製造設備の縮小・停止を一年前倒して2026年3月までに完了、日本の製造設備の縮小・停止を2027年3月及び2028年3月に予定するなど、事業構造の改革に向けた施策を進めています。これらの施策を着実に進め、成長を実現することで、スペシャリティ化学企業として一層の成長を目指します。(ⅰ)スペシャリティ事業の拡大ポリイミド、分離膜、セラミックス、C1ケミカル等既存スペシャリティ事業の成長に加え、買収したウレタンシステムズ事業の統合を着実に進めることで、グローバルに、かつ既存事業とのシナジー追求により収益を拡大します。自社技術開発による新事業立上げと、既存スペシャリティ化学の周辺事業やスタートアップ企業へのM&A等による新事業領域でのコアコンピタンス獲得を両輪として、新たなスペシャリティ化学事業を創出します。さらに、2025年1月28日に公表した、アンモニア、カプロラクタム、ナイロンポリマー等の生産撤退・縮小を着実に実行するとともに、機械事業及びセメント関連事業については自立化の最終ステージとして株式上場を進めることで、スペシャリティ化学企業へポートフォリオを転換します。また、日本・アジア・欧州の従来の3極に加え、新たに米州・中国拠点を整備し世界5極体制を構築します。各拠点は、新規事業のグローバル展開やグローバル企業(事業)の買収等についても円滑に進めることができるよう、マネジメント体制(資本、指揮命令、人財、バックオフィス等)を強化します。(ⅱ)多様な人財の活躍スペシャリティ化学をグローバルに展開するため、経験・知識・能力等多様な人財を広く採用するとともに、既存の人財と一体となって活躍するための新しい人事制度を2026年度より開始します。全ての人財に活躍する場を提供するなどワークエンゲージメントの改善を通じ、ウェルビーイングの向上を図ります。これらを通じて、技術革新のパートナーとして自ら仕掛け、顧客をドアノックしていく社風を醸成します。(ⅲ)労働安全・保安防災ものづくりの会社の責務として、従業員が健康で働きやすい職場環境を確保するとともに、安全・安心な設備で安定操業を継続します。(ⅳ)地球環境問題への対応これまで注力してきた地球温暖化問題(カーボンニュートラル)に加えて、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブの3つの課題に取組みます。GHG排出量に関しては、2030年度50%削減、2035年度70%削減(いずれも対2013年度比)の達成を目指します。(ⅴ)誠実で公正な企業統治取締役会の実効性の一層の向上に努めるとともに、コンプライアンス確保やリスクマネジメント等内部統制を強化します。スペシャリティ事業の拡大に必要となる資金を確保するため、利益・キャッシュフロー創出力と有利子負債のバランスを意識して適切な財務運営を継続し、健全な財務規律と市場からの信頼を維持します。UBEグループ内にROIC経営を浸透・徹底し資本効率を向上させます。 <事業ポートフォリオ>市場の成長期待、UBEグループの強み、収益性、資本効率等を踏まえて策定した現時点での事業ポートフォリオです。これに基づき経営資源を配分します。ただし、事業ポートフォリオ内の各事業領域の位置づけは適宜見直します。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等新中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation -2nd Stage-」においては、最終年度となる2030年度の数値計画及び目標を次のとおり設定しています。<数値計画主要項目> 2030年度目標売上高5,500億円営業利益600億円 <2030年度目標主要項目> 2030年度目標EBITDA1,000億円以上売上高営業利益率(ROS)10%以上自己資本利益率(ROE)8%以上投下資本利益率(ROIC)6%以上
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)経営方針120年を超える歴史を刻むUBEグループは、地域社会との「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」という創業の精神を受け継ぎ、当社グループの存在意義を明確化した、パーパス(存在意義)と、企業経営の根幹となる経営理念・経営方針を理念体系としています。UBEグループは、この理念体系に基づき、未来につながる、新たな価値を創造するための事業活動をグローバルに展開するとともに、環境・社会・コーポレートガバナンスに関する取組みの充実に努め、企業価値の更なる向上を目指します。 パーパス(存在意義):「希望ある化学で、難題を打ち破る。」 「創業以来の歴史の中で培ってきたモノづくりの技術を活かし、社会に必要とされている価値を、社会が求める安全で環境負荷を極限まで低減した方法で創り出し、人々に提供していくこと。これにより、人類共通の課題となった地球環境問題の解決に、また人々の生命・健康、そして未来へとつながる豊かな社会に貢献すること。」 UBE経営理念:「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します。」 UBE経営方針(ⅰ)「倫理」 高い倫理観を保ち、法令及び社会規範を遵守します。(ⅱ)「安全と安心」 地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います。(ⅲ)「品質」 お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします。(ⅳ)「人」 個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくります。 (2)経営戦略等当社グループは、2025年度から2030年度までの6ヵ年を対象とする中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation -2nd Stage-」を策定し、以下の行動計画を掲げています。2030年に向けて、当社グループを「スペシャリティ化学企業」へ進化させるとともに、これを実現するための行動計画を着実に実行していきます。◆長期ビジョン(2030年)の目指す姿「地球環境と人々の健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学企業」 ◆中期経営計画の行動計画2030年の目指す姿を実現するため、パーパス・経営理念、社会課題に対する影響度を踏まえて、次の5つをマテリアリティ(重要課題)として設定しています。これらの課題に対して、DXの推進等により迅速かつ効果的に様々な施策を展開していきます。<UBEグループのマテリアリティ>(ⅰ) スペシャリティ事業の拡大(ⅱ) 多様な人財の活躍(ⅲ) 労働安全・保安防災(ⅳ) 地球環境問題への対応(ⅴ) 誠実で公正な企業統治 (3)経営環境当連結会計年度においては、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、米中対立、中東情勢の緊迫等により世界経済は不安定さと不透明感を強めました。欧米での物価上昇が続く中、金融引き締め策の継続にもかかわらず財政出動やAI投資の増加により米国景気が堅調に拡大したことで、想定以上の円安が日本の物価をも押し上げました。当社事業においても、米中対立等による世界的な経済情勢の不安定化に伴う需要減退の影響を受けました。これら地政学的リスクの深刻化、物価上昇や金利上昇に伴う需要減退の懸念等から今後も先行きが見通しづらい状況が続くものと予測されます。こうした状況に加え、地球温暖化、自然災害の増加、インフラの老朽化等、持続可能な社会創出のための諸課題への対応が企業活動に求められており、さらにはDXによる競争優位性の変化、健康や安全・安心についての意識の更なる高まり等、経営環境の変化のスピードも一段と速まっています。 (4)優先的に対処すべき課題等中期経営計画の初年度となる当連結会計年度は、数値目標は大幅に未達となりましたが、当社独自技術を活かし、競争力を有するポリイミドフィルム、分離膜、セラミックス、セパレータ、DMC・EMC等の製造設備への投資を行ってきました。また、ドイツLANXESS社から取得したウレタンシステムズ事業の統合を着実に進めるなど、将来の成長に向けた施策を進めています。さらに、損益変動が大きく温室効果ガス(GHG)排出量の多いアンモニア・カプロラクタム・ナイロンポリマーについては、タイの製造設備の縮小・停止を一年前倒して2026年3月までに完了、日本の製造設備の縮小・停止を2027年3月及び2028年3月に予定するなど、事業構造の改革に向けた施策を進めています。これらの施策を着実に進め、成長を実現することで、スペシャリティ化学企業として一層の成長を目指します。(ⅰ)スペシャリティ事業の拡大ポリイミド、分離膜、セラミックス、C1ケミカル等既存スペシャリティ事業の成長に加え、買収したウレタンシステムズ事業の統合を着実に進めることで、グローバルに、かつ既存事業とのシナジー追求により収益を拡大します。自社技術開発による新事業立上げと、既存スペシャリティ化学の周辺事業やスタートアップ企業へのM&A等による新事業領域でのコアコンピタンス獲得を両輪として、新たなスペシャリティ化学事業を創出します。さらに、2025年1月28日に公表した、アンモニア、カプロラクタム、ナイロンポリマー等の生産撤退・縮小を着実に実行するとともに、機械事業及びセメント関連事業については自立化の最終ステージとして株式上場を進めることで、スペシャリティ化学企業へポートフォリオを転換します。また、日本・アジア・欧州の従来の3極に加え、新たに米州・中国拠点を整備し世界5極体制を構築します。各拠点は、新規事業のグローバル展開やグローバル企業(事業)の買収等についても円滑に進めることができるよう、マネジメント体制(資本、指揮命令、人財、バックオフィス等)を強化します。(ⅱ)多様な人財の活躍スペシャリティ化学をグローバルに展開するため、経験・知識・能力等多様な人財を広く採用するとともに、既存の人財と一体となって活躍するための新しい人事制度を2026年度より開始します。全ての人財に活躍する場を提供するなどワークエンゲージメントの改善を通じ、ウェルビーイングの向上を図ります。これらを通じて、技術革新のパートナーとして自ら仕掛け、顧客をドアノックしていく社風を醸成します。(ⅲ)労働安全・保安防災ものづくりの会社の責務として、従業員が健康で働きやすい職場環境を確保するとともに、安全・安心な設備で安定操業を継続します。(ⅳ)地球環境問題への対応これまで注力してきた地球温暖化問題(カーボンニュートラル)に加えて、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブの3つの課題に取組みます。GHG排出量に関しては、2030年度50%削減、2035年度70%削減(いずれも対2013年度比)の達成を目指します。(ⅴ)誠実で公正な企業統治取締役会の実効性の一層の向上に努めるとともに、コンプライアンス確保やリスクマネジメント等内部統制を強化します。スペシャリティ事業の拡大に必要となる資金を確保するため、利益・キャッシュフロー創出力と有利子負債のバランスを意識して適切な財務運営を継続し、健全な財務規律と市場からの信頼を維持します。UBEグループ内にROIC経営を浸透・徹底し資本効率を向上させます。 <事業ポートフォリオ>市場の成長期待、UBEグループの強み、収益性、資本効率等を踏まえて策定した現時点での事業ポートフォリオです。これに基づき経営資源を配分します。ただし、事業ポートフォリオ内の各事業領域の位置づけは適宜見直します。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等新中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation -2nd Stage-」においては、最終年度となる2030年度の数値計画及び目標を次のとおり設定しています。<数値計画主要項目> 2030年度目標売上高5,500億円営業利益600億円 <2030年度目標主要項目> 2030年度目標EBITDA1,000億円以上売上高営業利益率(ROS)10%以上自己資本利益率(ROE)8%以上投下資本利益率(ROIC)6%以上
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりです。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度との比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。また、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 ①経営成績の状況(一)当社グループ全体当社グループは、2025年度からスタートした6カ年の中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation -2nd Stage-」を策定し、2030年の目指す姿「地球環境と人々の健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学企業」を掲げ、成長の実現に向けた取組みを推進しています。当連結会計年度においては、売上高は、2025年4月1日付でドイツLANXESS社からウレタンシステムズ事業を取得したことによる効果はあったものの、樹脂・化成品セグメントにおいてナイロンポリマー、カプロラクタム等の販売が低迷したことに加え、機械セグメントでは前連結会計年度に製鋼事業の経営権を他社へ譲渡し連結対象から除外した影響もあり、減収となりました。営業利益は、医薬セグメント、機能品セグメント、機械セグメント、高機能ウレタンセグメントにおいて販売が低調に推移したものの、樹脂・化成品セグメントにおいて前連結会計年度にアンモニア・カプロラクタム・ナイロンポリマーの事業構造改革の決定に伴う減損損失を計上したことにより減価償却費が減少したこと、アンモニア工場における隔年実施の定期修理が当連結会計年度はなかったこと、エラストマーの原料価格が下落したことなどから、増益となりました。経常利益は、営業利益の増益に加えて、前連結会計年度に計上したエラストマー事業を営む持分法適用関連会社の解散決議に伴う持分法投資損失が当連結会計年度は発生しなかったこと、さらに為替差益が増加したことなどから、増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度にアンモニア・カプロラクタム・ナイロンポリマーの事業構造改革を決定したことに伴う特別損失が、当連結会計年度は発生しなかった影響が大きく、増益となりました。この結果、当社グループの売上高は前連結会計年度と比べ244億5千9百万円減の4,623億4千3百万円、営業利益は8億9千9百万円増の189億4千1百万円、経常利益は151億3千7百万円増の375億6百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は238億7千2百万円となりました。項 目売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)当連結会計年度462,343百万円18,941百万円37,506百万円23,872百万円前連結会計年度486,802百万円18,042百万円22,369百万円△4,816百万円増 減△24,459百万円899百万円15,137百万円28,688百万円増 減 率△5.0%5.0%67.7%- (二)セグメント別機能品セグメントポリイミド事業は、フィルムの販売は前連結会計年度並みを維持したものの、ワニスの販売は、当社品が採用されているスマートフォンの販売減少の影響等もあり低調に推移したことから、減収となりました。分離膜事業は、窒素膜は堅調であったものの、バイオメタン製造向け脱炭酸膜が一部顧客で在庫調整等の影響が継続したことから、減収となりました。なお、バイオメタン製造向け脱炭酸膜の中長期的な需要拡大トレンドは持続しています。セラミックス事業は、電動車市場の成長鈍化に伴い軸受や基板用途の販売が低迷したことから、減収となりました。セパレータ事業は、ハイブリッド自動車向けの需要増加等に伴い販売数量が増加したことにより、増収となりました。機能品セグメント全体としては、セパレータ事業は堅調であったものの、ポリイミド事業、分離膜事業、セラミックス事業が低調に推移したことにより、減収減益となりました。高機能ウレタンセグメントウレタンシステムズ事業は、2025年4月1日付でドイツLANXESS社から取得しました。なお、当事業を担う各社は12月決算であるため、4-12月の9ヵ月間の業績が当連結会計年度の損益に反映されています。高機能コーティング事業は、海外での販売が低調に推移したことなどから、減収となりました。高機能ウレタンセグメント全体としては、ウレタンシステムズ事業取得による増収効果があり、また米国市場を中心に半導体製造装置向け等が堅調に推移したものの、高機能コーティング事業の低調な販売に加え、ウレタンシステムズ事業取得後の統合費用が生じたことから、増収減益となりました。医薬セグメント医薬セグメントは、受託品事業の販売数量の減少により、減収減益となりました。樹脂・化成品セグメント■パフォーマンスポリマー&ケミカルズ事業コンポジット事業は、自動車向けの国内需要が回復基調にあることから販売数量が増加し、また前連結会計年度に欧州のマテリアルリサイクル樹脂製造会社を取得したことから、増収となりました。ナイロンポリマー事業は、海外において食品包装フィルム用途等の需要が低迷したことにより販売数量が減少し、販売価格も下落したことから、減収となりました。カプロラクタム・硫安事業は、競争激化により販売数量が減少し、販売価格も下落したことから、減収となりました。工業薬品事業は、アンモニア工場における隔年実施の定期修理がなく販売数量が増加したことから、増収となりました。■エラストマー事業製品販売は堅調に推移したものの、主原料ブタジエンの価格下落に連動し製品市況も下落したことなどにより、減収となりました。樹脂・化成品セグメント全体としては、ナイロンポリマー・カプロラクタム等の販売が低調に推移したものの、前連結会計年度にアンモニア・カプロラクタム・ナイロンポリマーの構造改革の決定に伴う減損損失の計上により減価償却費が減少したこと、アンモニア工場における隔年実施の定期修理がなかったこと、エラストマー事業の原料価格が下落したことなどから、減収増益となりました。機械セグメント成形機事業は、アフターサービスは概ね堅調に推移したものの、自動車産業向けの製品販売が低調に推移したことから、減収となりました。産機事業は、アフターサービスは堅調に推移したものの、製品販売において大型案件が前連結会計年度と比較して少なかったことから、減収となりました。機械セグメント全体としては、製鋼事業の経営権を前連結会計年度に他社へ譲渡した影響に加え、産機事業における製品販売が減少し、また成形機事業においても製品販売が低調に推移したことから、減収減益となりました。その他セグメント電力事業において、石炭価格の下落により売電価格が低下したことなどから売上高は減収となったものの、自家発電所における隔年実施の定期修理がなかった効果があり、営業利益は前連結会計年度並みとなりました。 <セグメント別売上高> 前連結会計年度当連結会計年度増 減増減率機能品66,157百万円61,900百万円△4,257百万円△6.4%高機能ウレタン15,616百万円46,549百万円30,933百万円198.1%医薬31,490百万円21,004百万円△10,486百万円△33.3%樹脂・化成品273,558百万円251,237百万円△22,321百万円△8.2%機械86,876百万円68,414百万円△18,462百万円△21.3%その他39,204百万円34,483百万円△4,721百万円△12.0%調整額△26,099百万円△21,244百万円4,855百万円-合計486,802百万円462,343百万円△24,459百万円△5.0% <セグメント別営業利益> 前連結会計年度当連結会計年度増 減増減率機能品11,668百万円9,758百万円△1,910百万円△16.4%高機能ウレタン△200百万円△548百万円△348百万円-医薬1,151百万円△1,255百万円△2,406百万円-樹脂・化成品△713百万円8,189百万円8,902百万円-機械7,883百万円6,242百万円△1,641百万円△20.8%その他2,057百万円1,916百万円△141百万円△6.9%調整額△3,804百万円△5,361百万円△1,557百万円-合計18,042百万円18,941百万円899百万円5.0% ②経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況2025年度を初年度とする中期経営計画における数値目標と進捗状況は以下のとおりです。<主要項目・経営指標> 2025年度(原計画)2025年度実績2026年度(原計画)2027年度(原計画)2030年度(原計画)売上高4,900億円4,623億円5,450億円5,450億円5,500億円営業利益250億円189億円320億円400億円600億円経常利益375億円375億円415億円450億円650億円親会社株主に帰属する当期純利益275億円239億円300億円370億円450億円売上高営業利益率(ROS)5.1%4.1%5.9%7.3%11.0%自己資本利益率(ROE)6.8%5.7%7.1%8.4%9.0% ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)機能品60,338△1.0高機能ウレタン45,252201.4医薬14,245△42.5樹脂・化成品255,331△4.8機械60,576△20.3その他9,256△9.5合計444,998△2.2 (注)金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっています。 b.受注実績 当連結会計年度における機械の受注実績を示すと、次のとおりです。 なお、機械を除くセグメントの製品については、受注生産は行っていません。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)機械82,4849.857,78613.7 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)機能品61,900△6.4高機能ウレタン46,549198.1医薬21,004△33.3樹脂・化成品251,237△8.2機械68,414△21.3その他34,483△12.0消去△21,244-合計462,343△5.0 (注)セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっています。 ④財政状態総資産当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ801億3千3百万円(9.3%)増加し、9,463億1千3百万円となりました。流動資産は、商品及び製品等の棚卸資産が増加したものの、現金及び預金が減少したことなどにより500億8千5百万円(△14.0%)減少し、3,082億9千2百万円となりました。固定資産は、有形固定資産や無形固定資産が増加したことなどにより1,302億4千7百万円(25.7%)増加し、6,378億2千6百万円となりました。繰延資産は、社債発行費が減少したことにより2千9百万円(△12.9%)減少し、1億9千5百万円となりました。負債当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ374億9千1百万円(8.3%)増加し、4,913億7千9百万円となりました。有利子負債は276億3千6百万円(8.4%)増加し、3,581億7千2百万円となりました。流動負債は、コマーシャル・ペーパーが減少したものの、支払手形及び買掛金や短期借入金が増加したことなどにより61億8千9百万円(3.1%)増加し、2,039億8百万円となりました。固定負債は、長期借入金が増加したことなどにより313億2百万円(12.2%)増加し、2,874億7千1百万円となりました。純資産当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ426億4千2百万円(10.3%)増加し、4,549億3千4百万円となりました。株主資本は、利益剰余金が配当により106億8千4百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益により238億7千2百万円増加したことなどにより132億3千7百万円(3.9%)増加し、3,514億6千3百万円となりました。その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定及び退職給付に係る調整累計額が増加したことなどにより288億8千5百万円(50.8%)増加し、857億3千7百万円となりました。非支配株主持分は、5億3千1百万円(3.1%)増加し、177億2千1百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.6ポイント増加し、46.2%となりました。 前連結会計年度当連結会計年度増 減総資産866,180百万円 946,313百万円80,133百万円負債453,888百万円 491,379百万円37,491百万円純資産412,292百万円454,934百万円42,642百万円 ⑤キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動により得られた資金は599億8千4百万円(前連結会計年度に比べ241億4千7百万円の増加)となりました。これは税金等調整前当期純利益、減価償却費、運転資金の増減等から法人税等の支払額を控除した結果となります。投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果使用した資金は1,402億3千2百万円(前連結会計年度に比べ770億8千万円の増加)となりました。これは設備投資による支出、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出等によるものです。財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動により得られた資金は130億2千7百万円(前連結会計年度は1,058億5千1百万円の収入)となりました。これは有利子負債の借入から配当金の支払い等を控除した結果となります。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額を含め、前連結会計年度末に比べ628億5千9百万円(△54.5%)減少し、525億8千3百万円となりました。 前連結会計年度当連結会計年度増 減営業活動によるキャッシュ・フロー35,837百万円 59,984百万円24,147百万円投資活動によるキャッシュ・フロー△63,152百万円△140,232百万円△77,080百万円財務活動によるキャッシュ・フロー105,851百万円13,027百万円△92,824百万円 ⑥資本の財源及び資金の流動性に関する情報(財務の基本方針)当社グループは、財務構造の健全性の維持及び資金の効率的な調達・運用を基本方針として財務活動を行っており、取締役会がその状況を監督しています。資金調達については、自己資金に加え、金融機関からの借入、社債及びコマーシャル・ペーパー(電子CP)の発行等により行っています。また、資金の流動性の確保にあたっては、現金及び現金同等物の保有に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、一部の取引金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しています。(資本の財源及び資金の流動性)当社グループは、スペシャリティ化学企業としての成長を目指し、事業ポートフォリオの転換を進めるとともに、収益の安定化と資本効率の改善に取り組んでいます。市況依存度の高い事業構造から脱却し、収益性と安定性に優れたスペシャリティ事業へと事業ポートフォリオを転換することで、安定的にキャッシュ・フローを創出できる体制の構築を進めています。また、当社グループは、中長期的な視点に立ち、成長投資・株主還元・負債返済のバランスを踏まえた戦略的な資源配分を基本方針としています。中期経営計画(6カ年)においては、営業キャッシュ・フロー4,600億円及び資産売却等による1,750億円のキャッシュインに加え、配分可能総額は約7,500億円となる見通しです。これらのキャッシュの使途としては、設備投資3,250億円、投融資1,350億円、研究開発850億円等の成長投資に重点的に充当するほか、株主還元1,000億円、負債返済650億円を予定しています。成長投資については、資本効率を重視し、ROICが資本コスト(WACC)を上回る案件に厳選することで、投資の質を高める方針としています。また、これまで実施してきた大型投資(北米におけるC1ケミカル(DMC・EMC)プラント新設、ポリイミドフィルム・分離膜・セパレータの能力増強、ウレタンシステムズ事業の取得等)は、2026年度以降、順次投資の回収フェーズに移行するため、PMIや設備建設を着実に進めることで早期に収益貢献を最大化することに注力します。株主還元については、安定配当を基本方針とし、株主資本配当率(DOE)をKPIとして累進配当を目指しており、2026年度以降はDOEを3.5%以上へ引き上げ、将来的には4.0%への引き上げを目指しています。一方、有利子負債については、大型投資に伴い一時的に増加することが見込まれるものの、投資の回収により得られるキャッシュを負債返済に充当することで、適切な水準へコントロールしていく方針です。財務の健全性については、D/Eレシオを0.6倍程度を目安としつつ、上限を1.0倍に抑制することを基本方針とし、財務規律を維持していきます。 (2)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告年度における収益・費用の数値に影響を与える将来に関する見積り及び仮定が必要であり、過去の実績やその他の様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っています。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

事業リスク

  • 化学事業の市場変動リスク
    化学事業では、同業他社の生産能力増強による供給過多や、ベンゼンなどの主原料価格の急激な変動が、製品と原料の価格差(スプレッド)を縮小させ、業績に悪影響を与える可能性があります。また、特定の地域や供給元に原料を依存しているため、供給停止のリスクも存在します。
  • 機械事業の需要変動リスク
    機械事業の主力製品は、自動車産業や公共事業の動向に影響を受けやすい特性があります。内燃エンジン車の販売減少や公共事業の縮小、脱炭素社会への移行に伴う設備投資の抑制などが、受注や出荷、サービス提供の減少につながり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 地球環境問題への対応リスク
    気候変動問題への対応として、炭素税や規制強化が進むと、コスト増加につながる可能性があります。また、脱炭素社会への移行が加速する中で、環境対応が遅れていると評価された場合、企業価値の低下や製品販売の低迷を招く恐れがあります。自然災害の激甚化も、生産活動に悪影響を与えるリスクです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|8,979 文字
3【事業等のリスク】当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を下記のとおり記載します。これらの事項は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性がありますが、当社グループは、リスク管理委員会を設置し、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、リスクの回避・分散及び発生した場合の対応、リスクの移転、危機管理対策等に最大限努力する方針です。下記事項には、将来に関するものが含まれますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、また、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。(1)各事業の経営成績に影響を与える変動要因当社グループは、化学及び機械の事業分野で様々な製品を製造・販売しており、各事業分野において想定されるリスクは以下のとおりです。①化学事業構造改革事業については、同業他社の生産能力増強により当該製品の供給が大幅に増加した場合やベンゼン等の主原料価格が国際的な需給バランスや原油等のエネルギー価格の変動により急激に変動した場合には、製品と主原料の価格差(スプレッド)が著しく縮小することで業績に悪影響を与える可能性があります。また、原料の一部については特定の地域や供給元に依存しているため、供給元の事故等により必要な原料を確保できない場合があります。スペシャリティ事業については、情報技術やデジタル家電関連分野のように製品の世代交代が速い市場において、顧客要求にタイムリーに応じられない場合、販売量の減少や競争激化に伴う価格低下により業績に悪影響を与える可能性があります。以上のようなリスクに対して、(一)原料市況動向の注視と価格高騰時の製品価格への迅速な転嫁による適正スプレッドの確保、(二)工場におけるコストダウンや不採算事業の能力縮小・撤退、(三)経営資源の重点投入によるスペシャリティ事業の成長加速等、収益基盤の強化に積極的に取り組んでいます。②機械事業機械事業の主力製品は、ダイカストマシン、射出成形機、運搬機、除塵機、化学機器、粉砕機等であり、内燃エンジン系自動車販売台数の伸び悩みや公共事業の減少、原燃料価格高騰による各社の回復の遅れに加え、脱炭素社会に向けた設備投資や補修予算が控えられた場合には、受注や出荷、サービス提供の減少といった影響を受ける可能性があります。また、グローバル化する市場においては、各国の景気の減速、貿易摩擦、中東情勢、競合メーカーの台頭等で販売が減少する可能性があります。また洋上風力発電設備や造船業再生など政府主導の設備投資喚起施策により生産能力・設備能力を超える案件に対し機会損失が生じる可能性があります。以上のようなリスクに対して(一)他社製品を含めたアフターサービス事業の拡充による収益拡大・安定化、(二)コストダウンの強化、(三)カーボンニュートラル・DX・リサイクル事業・政府主導の設備投資喚起施策・EV化に伴うダイカストマシン・射出成形機の大型化等の成長市場における顧客ニーズへの対応力強化、サプライチェーン強化、収益基盤強化に積極的に取り組んでいます。(2)地球環境問題気候変動問題については、当社グループはこれまで石炭を有効活用しつつ事業の拡大を図ってきました。2026年度から開始される排出量取引制度や2028年度導入予定の化石燃料賦課金などの規制が強化され、賦課金等によりコストが増加することが予想されています。また、環境意識の高まりが脱炭素社会への移行を加速させることにより、ステークホルダーから気候変動問題への対応が遅れている企業と評価された場合、製品の販売が低迷するなど、企業価値に悪影響を与える可能性があります。さらに、地球環境の変化により自然災害が激甚化・高頻度化する場合、製造拠点の設備被害、物流網の遮断、原材料等の入手困難等により生産活動に悪影響を与える可能性があります。また、サーキュラーエコノミーやネイチャーポジティブ等の地球環境に関する関心の高まりを背景に、顧客等から当社グループ製品に対する要求が変化する可能性があり、この問題への対応が遅れることにより製品の販売が低迷するなど、企業価値に悪影響を与えることが予測されます。以上のようなリスクに対して当社グループは、これらの地球環境問題を経営の最重点課題と定め、中長期的な戦略及び対策方針を検討・審議する地球環境問題対策委員会を設置しています。また、省エネ推進・プロセス改善、再生可能エネルギー利用の最大化、事業構造改革及び革新的な技術開発によりGHG排出量の削減に注力しています。さらに、当社グループの強みを生かした環境貢献型製品・技術及び環境製品ブランドの販売拡大と開発を推し進めることにより、持続可能な社会の実現に貢献していきます。これらの実現に向けた製品・開発品として、再生材利用化学製品(複合樹脂リサイクル等)、バイオマス材利用化学製品、CO2を原料とする化学品製造(CO2電解)等があります。(3)製品品質・製造物責任当社グループの製品は、自動車部品やデジタル家電、医薬品、家庭用品等の身近なものから、社会インフラの整備まで多くの分野で使用されます。そのため、品質に瑕疵のある製品が出荷された場合、その波及範囲は広範囲にわたり、安全上や健康上他の問題に至らない場合であっても、当該製品の回収や顧客への損害賠償等、多額の費用が発生し、さらに、社会的な信用失墜により事業活動が低迷する可能性があります。以上のようなリスクに対して当社グループは、工程管理を確実に行うための設備の維持や適切な測定機器の設置、作業マニュアルの整備、従業員の教育等に努め、万一の不良品発生及び流出を防止できる体制を構築するとともに、国内外を対象とした生産物賠償責任保険に加入しています。さらに、当社グループでは、過去に判明した品質検査に関わる不適切事案の対策として、品質保証委員会を設置し、毎年の品質大会開催等、ガバナンスの強化、全従業員に対する継続的な教育の実施等、再発防止と風化防止に努めています。(4)大規模事故(爆発・火災・漏洩事故)当社グループの製造事業所、特に化学製品の製造工場では、多種、大量の高圧ガスや危険物等の原材料、電気、スチーム等のエネルギーを使用しており、設備故障、人為的ミス、自然災害により大規模な爆発・火災・漏洩が発生する可能性があります。その場合には、従業員・地域住民等の生命・身体・財産並びに環境へ重大な影響を与えることとなり、事故対応や復旧の費用、生産活動の停止による機会損失及び顧客・地域住民に対する補償が生じることで、業績に深刻な影響を与える可能性があります。以上のようなリスクに対して当社グループは、「安全はすべてに優先する」を環境安全共通の価値観として、環境安全委員会の設置、基本行動の徹底、関連法令の遵守の徹底、設備の定期点検及び適切な維持補修、教育・経験を積んだ従業員の確保、管理マニュアルの整備、HAZOP(Hazard and Operability Study)等リスクアセスメントの実施、DXを活用したスマートファクトリー化、防災訓練の定期実施、環境安全監査、毎年の安全衛生大会開催等により、爆発・火災・漏洩等の事故の予防に取り組んでいます。(5)研究開発当社グループは、需要家のニーズに合わせた新技術・新製品をタイムリーに上市するために、あるいは次世代の事業の創出のために探索研究を含む研究開発に取り組んでいます。研究開発は長期間にわたることもあり、研究開発テーマが計画どおり進まず、新製品の開発が著しく遅延することや開発を断念した場合、あるいは医薬事業においては新薬の承認見送りや承認取り消しがなされた場合には、事業における競争力が低下し業績に悪影響を与える可能性があります。以上のようなリスクに対して当社グループは、将来の市場ニーズを見据え、事業ポートフォリオの強化・拡充を図るため、新たに研究所を設置するなど、重点的に経営資源を投入しています。これにより研究開発成果の早期実現と精度の向上を図ることにより、スペシャリティ事業の更なる成長に取り組んでいます。(6)自然災害当社グループは、国内外に製造拠点や営業拠点を有しており、これらの施設が、想定を超えた大規模な地震、台風、集中豪雨、津波等の自然災害により甚大な被害を受け、製造拠点における生産停止や営業拠点の活動休止等が発生する可能性があります。その場合には、建物・製造設備の復旧、棚卸資産の廃棄、設備の再稼働や原料調達・製品出荷の遅延等により、多額の費用及び機会損失が発生し業績に悪影響を与える可能性があります。以上のようなリスクに対して当社グループは、危機対応委員会及び自然災害対策委員会を設置し、災害発生時の対応規準を明確化するとともに対応マニュアル等の整備、建物・製造設備の計画的な改修・強化、定期的な防災訓練、教育、リスクマネジメント制度を活用した個別リスクの抽出と対策等を実施しています。また、早期に事業復旧を図る仕組みとして、自然災害発生時における事業継続計画(BCP)を策定し、定期的な見直しと訓練を行っています。(7)情報セキュリティ(サイバーセキュリティ)当社グループは、各種業務システムやプラント制御システムを利用しており、年々高度化しているサイバー攻撃や不測の事態によるシステム停止、重要情報の漏洩や破壊等の被害が発生した場合、生産活動の停止、損害賠償や信用の失墜により、業績に悪影響を与える可能性があります。以上のようなリスクに対して当社グループは、サイバーセキュリティを重要な経営リスクの一つとして捉え、情報セキュリティ委員会の設置、関連規程の整備と周知、不正侵入探知・防御等の技術的な対策、IT-BCPの整備・訓練、当社グループの全役員・従業員に対するセキュリティ教育と訓練等を実施するとともに、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)を設置するなどのセキュリティインシデント発生時の被害を最小化するための体制を構築しています。また、これら対策状況を定期的に評価、改善を行いリスクの低減に努めています。加えて、サプライチェーン全体のセキュリティを向上させる取組みとして取引先やパートナー企業等のセキュリティ対策状況を把握、内部不正行為の早期発見と防止策として従業員の情報取扱いの監視、有事発生時の体制強化として外部SOC(Security Operation Center)による24時間365日のインシデント監視及び専門家の支援体制を整備するなどセキュリティ対策の強化に努めています。(8)法令・規制当社グループは、国内外に製造拠点や営業拠点を有し、様々な国々・地域に製品を供給していることから、各国・地域における製造・営業活動に関わる法令・規制を遵守する必要があり、これらが改定された場合には、製造設備等の改修や変更、労働環境の整備等で費用が発生する可能性があります。また、法令・規制に違反した場合には、多額の罰金・制裁金・賠償金、従業員の収監等を受けるだけでなく、事業活動の制約や社会的信用に悪影響を与える可能性があります。以上のようなリスクに対して当社グループは、コンプライアンスの確保・推進及び市場における公正で自由な競争を損なう行為を防止し、企業活動の健全性確保のためコンプライアンス・オフィサーを置き、その諮問機関として顧問弁護士を加えたコンプライアンス委員会を設置しています。また、コンプライアンスに関わる問題を迅速に察知・是正するため、職制ルートによらず役員・従業員が直接連絡できる通報窓口(UBE C-Line)を設けています。事業活動に関わる国内外の主な法規制をリスト化し、当該法令等の主幹部署と関連する部署において法規制の改廃の情報を漏れなく共有する体制を整備するとともに、リスクマネジメント制度において法規制に関わるリスクを洗い出し、各々のリスクに対する対策を実施しています。また、当社グループの全役員・従業員を対象にしたe-ラーニング・研修の定期実施等によって法規制の遵守とそれを堅持する企業風土を醸成しています。加えて、近年、安全保障の観点に立った貿易管理の必要性が高まる中、これに対応すべく、安全保障輸出管理委員会を設置し関連する法令への違反リスクを回避する体制を構築しています。(9)人的資本・人権当社グループは、競争の激しい市場において、製品やサービスの提供を継続し企業価値を向上させるため、新規性のある製品や市場の創出、付加価値の高いビジネスモデルの構築等が不可欠であり、その実現に向けて多様な技術・知識・視点を融合し、イノベーションを生み出すことができる高い専門性を持つ人財を獲得する必要があります。また、OJTや教育訓練の観点から、経験豊富な人財並びに業務やプラント運転操作等のノウハウを持った人財の確保も重要になります。こうした優秀な人財の獲得が困難となる場合や、重要な人財の社外流出が生じた場合には、企業活動に悪影響を与える可能性があります。これらのリスクに対して当社グループは、経営方針に「個性と多様性の尊重と働きやすい職場環境の整備」を掲げ、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」を推進しています。女性活躍推進をはじめ、外国人やシニア人財の活躍支援、障がい者雇用とその能力開発に取り組み、働きがいのある職場を提供するとともに、賃金を含む待遇改善や、多様な人財一人ひとりが活躍できる柔軟な働き方の整備、労働時間の短縮を推進しています。一方、当社グループやサプライチェーンにおいては、国際的な「ビジネスと人権」に関する意識の高まりを背景に、人権に関する高度な対応が求められており、適切な対応が講じられていない場合には、企業価値に悪影響を及ぼす可能性があります。このような人権に関するリスクに対して当社グループは、UBEグループ人権基本指針のもと、取引先とともにサプライチェーン全体の人権尊重に取り組むとともに、人権デューデリジェンスの体制整備を推進しています。また、社内の人権教育体制を整え、人権教育を実施し、当社グループの全役員・従業員が人権について正しい理解と認識を持ち行動できるよう取り組んでいます。また、上記の取組みに加え、人的資本に関するリスクへの対応として、健康投資を推進しています。健康推進委員会を設置し、疾病管理に加え健康増進施策を展開し、当社の中長期的企業価値の向上に取り組んでいます。併せて、人財・人権委員会を設置し、当社グループ全体で経営戦略と連動した人財戦略の推進と人権の尊重に向けて、関連リスクを特定し、方針及び目標を設定する体制を整えています。(10)金融市場当社グループは、金融機関からの借入や社債の発行等による資金調達を行っています。主要金融市場において著しい混乱が発生する場合、あるいは当社に対する信用格付が大幅に引き下げられるなどの信用力が著しく低下した場合には、好ましい条件で資金調達ができず、成長投資等のために必要な資金を十分に確保できない可能性があります。以上のようなリスクに対して当社グループは、キャッシュ・フローを重視した経営を行い健全な財務体質を確保・維持するとともに、現預金、コミットメントライン等において十分な流動性を確保しながら、返済(償還)期限の分散、調達手段の多様化を図ることで、資金調達環境変動の影響を低減するよう取り組んでいます。また、当社グループは、外貨建てによる原材料等の輸入や製品等の輸出に伴い、外国為替相場の変動による影響を受ける可能性がありますが、債権債務を概ね均衡させるとともに、適宜為替予約等を実施することで、その影響の低減に取り組んでいます。(11)海外事業展開(カントリーリスク)当社グループは、化学製品並びに機械製品については、海外に生産、開発、サービス拠点を有しており、主にアジア、北中南米、欧州等で事業活動を展開しています。2025年度の海外売上高は、連結売上高の約55%を占めています。これらの事業活動には、海外の政治・経済情勢の悪化、戦争・紛争・テロ等に伴う社会的混乱、進出先の外資に対する規制強化、経済・通商政策の変更、環境関連の規制強化、労働争議の発生等のリスクが内在しており、これらが顕在化した場合は業績に悪影響を与える可能性があります。以上のようなリスクに対して当社グループは、海外事業展開における緊急事態に速やかに対処するため、情報の集約や緊急時の対応等のマニュアルを整備し、専門コンサルタントを有効活用するとともに、海外危機対応部会が主体となり、必要な情報の収集及び現地の各拠点との適時・適切な情報共有を実施できる体制を整えています。さらに、有事の際には対策本部を設置し、従業員の安全を最優先事項として迅速・的確な対応を図っていきます。(12)知的財産権当社グループは、知的財産権が重要な資産であることを認識し、事業競争力の強化を図っていますが、当社グループの重要な技術やノウハウが予期せぬ事態により外部に流出する可能性や当社グループの知的財産権が侵害される可能性があります。他方、将来的に他社との間で知的財産を巡って紛争が生じた際に当社グループに不利な判断がなされる可能性があります。このような場合には、事業における競争力が低下し業績に悪影響を与える可能性があります。以上のようなリスクに対して当社グループは、国内外において知的財産権の取得・管理、さらに、技術ノウハウ等の適正な情報管理等により知的財産の保護を図るとともに、第三者が保有する知的財産権についてもその権利を尊重し、特許クリアランスの確保に万全を期しています。(13)買収・資本提携当社グループは、事業拡大、技術獲得、又は競争力強化等を目的として、国内外において企業買収・資本提携等を実施しています。このような買収や資本提携等においては、当初の期待を下回るシナジー効果、コスト改善の失敗、想定外の瑕疵の発覚や債務の拡大、出資先企業の経営成績や財政状態の悪化による企業価値の低下等によって業績に悪影響を与える可能性があります。以上のようなリスクに対して当社グループは、買収・資本提携実施前において事前段階の適切な市場調査やデューデリジェンス、慎重な事業評価と契約交渉、十分な社内審議等のプロセスを経ることに加え、買収・資本提携実施後は当社グループへの円滑な融合・協力関係を実現するべく十分な経営資源を投入するとともに、適切にモニタリングを行うことによって、リスクを極力低減させることに努めています。(14)訴訟当社グループは、国内外で行う広範な事業活動の中で訴訟、その他の法的手続に関わる場合があります。将来の帰趨を予測することは困難ですが、訴訟等において不利益な決定や判決がなされる場合には、業績に悪影響を与える可能性があります。なお、現在係争中の主な訴訟事件は次のとおりです。2008年5月以降、建設作業等従事者及びその遺族らが国及びウベボード㈱(当社連結子会社)を含む建材メーカー40社余に対して、建設現場で使用されていた石綿含有建材の石綿粉じんを吸引して石綿関連疾患に罹患したとして、連帯して損害を賠償するように求めて訴えを順次提起していますが、これまでの判決において、ウベボード㈱に対する請求はいずれも棄却されました。現在、全国の裁判所に16件の訴訟が係属中で、その請求額は最大で83億円です。以上のような訴訟リスクに対しては、業務に関連する法令情報の収集や法令遵守に関する研修等を継続的に実施し、紛争発生を予防するとともに、訴訟の発生後も弁護士等と適切に連携を取りながら訴訟活動を行うことによって、会社業績への影響の低減等に努めています。(注)上記の請求額は、ウベボード㈱を被告とする訴えの請求額を合計したもので、国及び他の建材メーカーと連帯して請求を受けているものです。(15)サプライチェーン当社グループは、国内外から原燃料、資材等を調達し、国内外に製品を出荷しています。調達においては、関連企業の倒産、戦争・紛争・テロ、国際情勢の変化、自然災害、地球環境問題、人権問題等により、原燃料価格の上昇や調達ルートの寸断が発生する可能性があります。また、物流においては、ドライバー不足や時間外労働規制の強化、燃料費の高騰等により、物流コストの上昇や輸送の遅延・寸断が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。近年では、中東地域を中心とした地政学的リスクの高まりにより、重油等の燃料価格の上昇や、ナフサの供給制約を起点とする石油化学関連原料の調達環境が不安定化する可能性があります。一方、各国における通商政策や関税制度の変更については、当社グループのサプライチェーン全体に与える重大な影響は現時点では限定的であると認識しています。これらのリスクに対し、当社グループではサプライチェーンマネジメント委員会を設置し、調達基本指針やガイドライン等に基づくサステナブル調達を推進しています。原燃料及び資材価格の上昇に対しては、取引適正化法(下請法からの改正を含む)等の関連法規に適宜対応しつつ、適切な交渉によるパートナーシップ構築や、製品価格への転嫁、製造コスト削減等により、損益影響の軽減に努めています。調達ルートの寸断に対しては、調達先や生産拠点の分散、適正な在庫確保等の平時対策に加え、リスク顕在化時には社内関係部門及び取引先との密な情報共有を通じて、事業影響の最小化を図っています。また、物流においては、物流効率化法等の関連法規に適宜対応しつつ、モーダルシフトの推進や輸送手段の多様化、荷待ち・荷役時間の削減等を通じ、安定した輸送体制の確保とホワイト物流の推進に取り組んでいます。

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