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サンエー化研(4234)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 軽包装製品の製造販売
    食品や医薬品、日用品などに使われる包装材料を製造・販売しています。これには、食品を新鮮に保つための包材や、医薬品の品質を守るための特殊な包材などが含まれ、私たちの生活に身近な製品を支える重要な役割を担っています。
  • 産業資材製品の製造販売
    紙や布に特殊な加工を施したラミネート製品や、シールなどの裏に使われる剥離紙などを製造・販売しています。これらの製品は、様々な産業分野で使われる基盤材料であり、例えば建築材料や自動車部品など、幅広い用途で活用されています。
  • 機能性材料製品の製造販売
    オレフィン系粘着加工品やその他の粘着加工品など、特定の機能を持つ材料を製造・販売しています。特にスマートフォンやタブレット端末のタッチパネルに使われる表面保護フィルムは主力製品の一つで、高い技術力が求められる分野で収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 軟包装材料事業
    食品用包材、医薬品・医療用包材、日用品等の包材を製造・販売しており、売上高は125.59807億円、営業利益は1.58988億円と、グループ内で最も大きな売上を誇る事業です。主に日本国内を中心に展開し、私たちの生活に欠かせない製品の包装を支えています。
  • 産業資材事業
    紙・布へのラミネート製品や剥離紙などを製造・販売しており、売上高は101.69971億円ですが、営業利益は-1.51463億円と赤字です。この事業は、様々な産業分野で利用される基盤材料を提供しており、日本国内だけでなく、中国の子会社も関与しています。
  • 機能性材料事業
    オレフィン系粘着加工品やその他の粘着加工品を手掛けており、売上高は61.41546億円ですが、営業利益は-0.9604億円と赤字です。特にスマートフォンやタブレット端末向けの表面保護フィルムが主力製品であり、高い技術力が求められる分野ですが、市場変動の影響を受けやすい特性があります。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
FlexiblePackaging 事業 126 2 1.3%
IndustrialMaterials 地域 102 -2 -1.5%
FunctionalMaterials 事業 61 -1 -1.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|574 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社サンエー化研)、子会社3社(東邦樹脂工業株式会社、シノムラ化学工業株式会社、燦櫻(上海)商貿有限公司)及び持分法適用関連会社1社(株式会社ネスコ)により構成されており、その主な事業内容は、軽包装材料製品、産業資材製品、機能性材料製品等の製造、販売であります。また、法人主要株主1社(新生紙パルプ商事株式会社)に対して製品の販売及び原材料の仕入を行っております。 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。区分主要製品会社軽包装材料事業食品用包材、医薬品・医療用包材、日用品等の包材当社、東邦樹脂工業㈱、㈱ネスコ、燦櫻(上海)商貿有限公司産業資材事業紙・布へのラミネート製品、剥離紙当社、東邦樹脂工業㈱、シノムラ化学工業㈱、㈱ネスコ、燦櫻(上海)商貿有限公司機能性材料事業オレフィン系粘着加工品、その他の粘着加工品当社、㈱ネスコ、燦櫻(上海)商貿有限公司 以上の当社グループの取引関係を事業系統図によって示すと次のとおりであります。(注) 無印 連結子会社※1 持分法適用関連会社※2 法人主要株主

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
原材料費の上昇を製品価格に転嫁しきれない場合、売上総利益が低下する。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
ラミネート技術、コーティング技術、フィルム多層押出し技術をコア・テクノロジーとする。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:携帯情報端末向け製品の技術革新とシェア集中 / 原材料の価格変動・調達に関するリスク / 製品の品質に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

サンエー化研は特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、あるいは規制ライセンスによる独占的な地位を確立しているという公開情報は確認できない。主力製品である特殊粘着テープやフィルムは、技術的な優位性を持つ可能性はあるものの、それが特許等で強固に保護され、模倣困難な無形資産となっているかは不明瞭。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

特殊粘着テープやフィルムは、特定の用途や顧客の製造プロセスに適合するようにカスタマイズされている場合、顧客が他社製品へ切り替える際には、再評価や再テスト、場合によっては製造ラインの調整が必要となる可能性がある。しかし、その切り替えコストが顧客にとって致命的な損失となるほど高いとは断定できない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

サンエー化研の事業モデルは、製品の利用者が増えることでその価値が増大するようなネットワーク効果を生み出す性質のものではない。BtoBビジネスが中心であり、プラットフォーム型ビジネスのような特性は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

化学製品の製造においては、規模の経済や効率的な生産プロセスによるコスト優位性が競争力の源泉となりうる。しかし、サンエー化研が業界内で突出したコスト競争力を持っていることを示す具体的な証拠は現時点では確認できない。原材料調達や生産技術における隠れた優位性の可能性は否定できない。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

特殊粘着テープ・フィルム市場において、サンエー化研が圧倒的なシェアを持つ、あるいは寡占市場を形成しているという情報は確認できない。業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているとは言い難く、競争環境はより広範である可能性が高い。

  • 多様な事業ポートフォリオ
    軽包装材料、産業資材、機能性材料という異なる3つの事業を展開しており、特定の市場変動リスクを分散しています。これにより、例えば一つの事業が不調でも、他の事業でカバーできる可能性があり、経営の安定性につながっています。
  • 技術革新への対応力
    特に機能性材料事業においては、スマートフォンやタブレット端末向けの表面保護フィルムなど、技術革新が速い分野に対応しています。絶えず変化する市場ニーズに合わせて、付加価値の高い製品を開発・提供できる技術力を持っていると考えられます。
  • 顧客基盤とサプライチェーン
    法人主要株主である新生紙パルプ商事株式会社に対して製品販売と原材料仕入れの両方を行っており、安定した取引関係を築いています。これにより、製品の安定供給と原材料の安定調達の両面で強みを持っていると推測されます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループでは、「わたしたちは、未来にむけて新しい価値を創造し、社業を通じて社会に貢献しよう」という企業理念の下、創業以来、包装関連業界において多岐・多様にわたる市場ニーズを的確にとらえ、技術を磨きながら、産業の発展や生活の利便性を向上させる製品づくりを行ってまいりました。その間に培われた“ラミネート技術”、“コーティング技術”、“フィルム多層押出し技術”の3つの生産技術が当社グループのコア・テクノロジーであります。 このコア・テクノロジーをベースとした複合化技術によって、紙、プラスチック、金属箔等がもつそれぞれの特性を活かしながら、軽包装材料(食品用包材、医薬品・医療用包材、日用品等の包材)、産業資材(紙・布へのラミネート製品、剥離紙)並びに機能性材料(オレフィン系粘着加工品、その他の粘着加工品)の製品を製造し、販売を行っております。 この事業活動を通じて、今後も社会に必要とされる製品を供給し続けるとともに、健全な成長・発展を遂げることが、すべてのステークホルダーが当社グループに期待する社会的役割であると考えております。 (2)経営戦略等 当社グループが生み出しうる収益の源泉は、創業以来80年以上にわたり培ってきた前述のコア・テクノロジーにあります。どのような時代にあっても、このコア・テクノロジーを絶えず進化させることで、既存の自社技術の陳腐化に備えるとともに、新技術の開発を推進いたします。 また、市場の動向、社会の変化を常に注視しながら、顧客のどのような要望にも真摯に対応することで製品開発のためのニーズを的確に捉えるよう努力いたします。その上で、魅力ある製品のラインアップ拡充と高付加価値製品の開発・拡販を推進し、収益基盤の安定化を図ります。同時に徹底したコスト削減を実施し、価格競争力と収益力の強化に努めます。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として、売上高や営業利益率を主要な収益性指標としております。近年、上場会社に対して資本コストや資本効率を意識した経営が求められていることを踏まえ、当社グループにおいても、ROE、ROIC等の指標を参考にしながら、収益性の改善と財務健全性の維持の両立を図ってまいります。具体的には、製品価格の適正化、生産性向上、コスト削減、在庫水準の適正化等を通じて、安定的に利益を創出できる経営基盤の構築に努めてまいります。 (4)経営環境 当社グループは、前述のコア・テクノロジーを基に、時代の変化に合わせて技術を進化させ、今日まで製品の開発・改良を積み重ねてまいりました。その過程で当社グループの事業は大きく3つのセグメントに集約され、現在に至っておりますが、当社グループを取り巻く経営環境もセグメント毎に異なることから、以下にそれぞれの特徴を記述いたします。 軽包装材料セグメントにおきましては、紙、プラスチックフィルム、金属箔等を主原料とする軟包装材料を製造・販売しております。当社グループの製品は、食品用、医薬・医療用、日用品等(洗剤・トイレタリー用、精密機器用、その他様々な用途)に使用され、そのほとんどを国内ユーザー向けに販売しておりますが、国内市場は少子化に伴う人口減少が見込まれる中、大幅な拡大は期待できず、競合メーカーも数多く存在するため、競争は激化しております。しかしながら、高齢化による慢性疾患や要介護者は増加しており、医薬品・医療包材や介護・高齢者食のニーズは増加傾向にあります。また、近年、サステナビリティへの意識が高まっており、中でも、プラスチック包材のモノマテリアル(単一素材)化や紙を使用した包材への切り替えなど、脱炭素化に繋がる取り組みが求められております。 産業資材セグメントにおきましては、紙・布へのラミネート製品(主として粘着テープ用基材)や剥離紙(主としてラベル用)を主要製品として製造・販売しております。これらの製品を使用して製造される顧客の最終製品の多くが国内では飽和状態に近く、競合他社の数も限られています。そのような状況の中、粘着テープ市場は、海外製品の流入による国内市場の侵食が進行しており、顧客からの価格や品質に対する要求は厳しさを増す一方、剥離紙市場は、資源循環の取り組みとして、リサイクルがしやすい構成品の検討が進められています。 機能性材料セグメントにおきましては、FPD(フラットパネルディスプレイ)用など光学用途の表面保護フィルムを製造・販売しております。この市場の主な用途である大型液晶テレビはコモディティ化が進んでおりますが、もう一つの主な用途であるスマートフォンやタブレットといった携帯情報端末は、新モデルが投入される度に、各種部材にはより高性能・高機能化が求められ、その実現に向けた技術開発競争が激化しています。従って、この市場で当社グループの製品が存続し続けるためには、差別化された技術力や高付加価値製品の開発が不可欠となっています。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 現在、我が国経済は、雇用・所得環境の改善などを背景に、緩やかな回復基調で推移しております。一方で、中東情勢をはじめとする地政学リスク、米国の通商政策をめぐる不確実性、金融資本市場の変動、原材料価格・エネルギー価格の高止まり等により、先行きは依然として不透明な状況が続いております。 個人消費につきましては、持ち直しの動きがみられるものの、食料品や光熱費を中心とした物価上昇の影響により、消費者マインドには弱さもみられ、節約志向は根強いものと認識しております。 このような状況のなか、当社グループでは、製品価格の適正化、設備の統廃合を含む合理化、生産性向上及びコスト削減を推進し、収益基盤の改善に取り組んでおります。また、従業員の安全確保とエンゲージメント向上を強く意識しながら、事業部門ごとに以下の取り組みを行い、業績改善に努めてまいります。 (軽包装材料部門) 軽包装材料部門につきましては、電子レンジ対応食品包材「レンジDo!」のアイテムを拡充し、レトルト食品分野や介護食分野への拡販に注力してまいります。 非食品分野の化粧品、日用品、医療及び医薬包材につきましても、高い技術力を活かした新製品を開発、拡販を進めるとともに、製品価格の適正化及び採算性を重視した販売活動により、販売数量の回復、売上及び利益の確保に努めてまいります。 環境対応製品につきましては、プラスチック使用量の削減、容器の減容化、モノマテリアル化、紙を使用した包材への転換など、顧客の環境対応ニーズに応じた製品開発を進めてまいります。 (産業資材部門) 産業資材部門につきましては、粘着テープ用基材及び剥離紙を中心に、国内需要の成熟化、海外製品との競争、原材料価格・エネルギー価格の高止まりなど、厳しい事業環境が継続しております。 このような状況のもと、当部門では、製品価格の適正化、採算性を重視した販売活動、掛川工場WESTを中心とした生産体制への移行及び設備の統廃合を進めた結果、当連結会計年度において黒字化を達成し、長年の課題であった収益構造の改善に一定の成果を上げることができました。 今後は、黒字基調の定着を図るため、シノムラ化学工業株式会社との設備・人員の最適化をさらに進め、グループ全体での生産効率向上、安定供給体制の強化、製品価格の適正化に継続して取り組んでまいります。 (機能性材料部門) 機能性材料部門につきましては、緩やかながら需要が回復傾向にあります。譲り受けた保護フィルム事業については、当社製品への切り替え及び顧客対応を進めた結果、当連結会計年度において売上及び利益に寄与いたしました。今後は、同社から引き継いだ生産技術や取引先との関係を活かし、既存事業とのシナジー創出をさらに進めることで、収益基盤の強化に努めてまいります。 今後ニーズの高まりが予想されるクリーン塗工商材への対応は、従来のディスプレイ分野だけではなく、幅広い業界から製品開発に関するお問い合わせをいただいております。 当社の強みである顧客密着型の開発体制を強化することにより、保護フィルムだけではなく、部材を含めた様々な開発にも注力し、早期に利益に貢献できるよう努めてまいります。 (6)その他、会社の経営上重要な事項 該当事項はありません。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループでは、「わたしたちは、未来にむけて新しい価値を創造し、社業を通じて社会に貢献しよう」という企業理念の下、創業以来、包装関連業界において多岐・多様にわたる市場ニーズを的確にとらえ、技術を磨きながら、産業の発展や生活の利便性を向上させる製品づくりを行ってまいりました。その間に培われた“ラミネート技術”、“コーティング技術”、“フィルム多層押出し技術”の3つの生産技術が当社グループのコア・テクノロジーであります。 このコア・テクノロジーをベースとした複合化技術によって、紙、プラスチック、金属箔等がもつそれぞれの特性を活かしながら、軽包装材料(食品用包材、医薬品・医療用包材、日用品等の包材)、産業資材(紙・布へのラミネート製品、剥離紙)並びに機能性材料(オレフィン系粘着加工品、その他の粘着加工品)の製品を製造し、販売を行っております。 この事業活動を通じて、今後も社会に必要とされる製品を供給し続けるとともに、健全な成長・発展を遂げることが、すべてのステークホルダーが当社グループに期待する社会的役割であると考えております。 (2)経営戦略等 当社グループが生み出しうる収益の源泉は、創業以来80年以上にわたり培ってきた前述のコア・テクノロジーにあります。どのような時代にあっても、このコア・テクノロジーを絶えず進化させることで、既存の自社技術の陳腐化に備えるとともに、新技術の開発を推進いたします。 また、市場の動向、社会の変化を常に注視しながら、顧客のどのような要望にも真摯に対応することで製品開発のためのニーズを的確に捉えるよう努力いたします。その上で、魅力ある製品のラインアップ拡充と高付加価値製品の開発・拡販を推進し、収益基盤の安定化を図ります。同時に徹底したコスト削減を実施し、価格競争力と収益力の強化に努めます。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として、売上高や営業利益率を主要な収益性指標としております。近年、上場会社に対して資本コストや資本効率を意識した経営が求められていることを踏まえ、当社グループにおいても、ROE、ROIC等の指標を参考にしながら、収益性の改善と財務健全性の維持の両立を図ってまいります。具体的には、製品価格の適正化、生産性向上、コスト削減、在庫水準の適正化等を通じて、安定的に利益を創出できる経営基盤の構築に努めてまいります。 (4)経営環境 当社グループは、前述のコア・テクノロジーを基に、時代の変化に合わせて技術を進化させ、今日まで製品の開発・改良を積み重ねてまいりました。その過程で当社グループの事業は大きく3つのセグメントに集約され、現在に至っておりますが、当社グループを取り巻く経営環境もセグメント毎に異なることから、以下にそれぞれの特徴を記述いたします。 軽包装材料セグメントにおきましては、紙、プラスチックフィルム、金属箔等を主原料とする軟包装材料を製造・販売しております。当社グループの製品は、食品用、医薬・医療用、日用品等(洗剤・トイレタリー用、精密機器用、その他様々な用途)に使用され、そのほとんどを国内ユーザー向けに販売しておりますが、国内市場は少子化に伴う人口減少が見込まれる中、大幅な拡大は期待できず、競合メーカーも数多く存在するため、競争は激化しております。しかしながら、高齢化による慢性疾患や要介護者は増加しており、医薬品・医療包材や介護・高齢者食のニーズは増加傾向にあります。また、近年、サステナビリティへの意識が高まっており、中でも、プラスチック包材のモノマテリアル(単一素材)化や紙を使用した包材への切り替えなど、脱炭素化に繋がる取り組みが求められております。 産業資材セグメントにおきましては、紙・布へのラミネート製品(主として粘着テープ用基材)や剥離紙(主としてラベル用)を主要製品として製造・販売しております。これらの製品を使用して製造される顧客の最終製品の多くが国内では飽和状態に近く、競合他社の数も限られています。そのような状況の中、粘着テープ市場は、海外製品の流入による国内市場の侵食が進行しており、顧客からの価格や品質に対する要求は厳しさを増す一方、剥離紙市場は、資源循環の取り組みとして、リサイクルがしやすい構成品の検討が進められています。 機能性材料セグメントにおきましては、FPD(フラットパネルディスプレイ)用など光学用途の表面保護フィルムを製造・販売しております。この市場の主な用途である大型液晶テレビはコモディティ化が進んでおりますが、もう一つの主な用途であるスマートフォンやタブレットといった携帯情報端末は、新モデルが投入される度に、各種部材にはより高性能・高機能化が求められ、その実現に向けた技術開発競争が激化しています。従って、この市場で当社グループの製品が存続し続けるためには、差別化された技術力や高付加価値製品の開発が不可欠となっています。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 現在、我が国経済は、雇用・所得環境の改善などを背景に、緩やかな回復基調で推移しております。一方で、中東情勢をはじめとする地政学リスク、米国の通商政策をめぐる不確実性、金融資本市場の変動、原材料価格・エネルギー価格の高止まり等により、先行きは依然として不透明な状況が続いております。 個人消費につきましては、持ち直しの動きがみられるものの、食料品や光熱費を中心とした物価上昇の影響により、消費者マインドには弱さもみられ、節約志向は根強いものと認識しております。 このような状況のなか、当社グループでは、製品価格の適正化、設備の統廃合を含む合理化、生産性向上及びコスト削減を推進し、収益基盤の改善に取り組んでおります。また、従業員の安全確保とエンゲージメント向上を強く意識しながら、事業部門ごとに以下の取り組みを行い、業績改善に努めてまいります。 (軽包装材料部門) 軽包装材料部門につきましては、電子レンジ対応食品包材「レンジDo!」のアイテムを拡充し、レトルト食品分野や介護食分野への拡販に注力してまいります。 非食品分野の化粧品、日用品、医療及び医薬包材につきましても、高い技術力を活かした新製品を開発、拡販を進めるとともに、製品価格の適正化及び採算性を重視した販売活動により、販売数量の回復、売上及び利益の確保に努めてまいります。 環境対応製品につきましては、プラスチック使用量の削減、容器の減容化、モノマテリアル化、紙を使用した包材への転換など、顧客の環境対応ニーズに応じた製品開発を進めてまいります。 (産業資材部門) 産業資材部門につきましては、粘着テープ用基材及び剥離紙を中心に、国内需要の成熟化、海外製品との競争、原材料価格・エネルギー価格の高止まりなど、厳しい事業環境が継続しております。 このような状況のもと、当部門では、製品価格の適正化、採算性を重視した販売活動、掛川工場WESTを中心とした生産体制への移行及び設備の統廃合を進めた結果、当連結会計年度において黒字化を達成し、長年の課題であった収益構造の改善に一定の成果を上げることができました。 今後は、黒字基調の定着を図るため、シノムラ化学工業株式会社との設備・人員の最適化をさらに進め、グループ全体での生産効率向上、安定供給体制の強化、製品価格の適正化に継続して取り組んでまいります。 (機能性材料部門) 機能性材料部門につきましては、緩やかながら需要が回復傾向にあります。譲り受けた保護フィルム事業については、当社製品への切り替え及び顧客対応を進めた結果、当連結会計年度において売上及び利益に寄与いたしました。今後は、同社から引き継いだ生産技術や取引先との関係を活かし、既存事業とのシナジー創出をさらに進めることで、収益基盤の強化に努めてまいります。 今後ニーズの高まりが予想されるクリーン塗工商材への対応は、従来のディスプレイ分野だけではなく、幅広い業界から製品開発に関するお問い合わせをいただいております。 当社の強みである顧客密着型の開発体制を強化することにより、保護フィルムだけではなく、部材を含めた様々な開発にも注力し、早期に利益に貢献できるよう努めてまいります。 (6)その他、会社の経営上重要な事項 該当事項はありません。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に景気は緩やかに持ち直しているものの、継続する物価上昇や人手不足、さらには中東情勢の緊迫化によるエネルギー問題や石油関連製品の供給不安などの懸念から、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。 そのような状況下、当社グループでは、前連結会計年度に譲り受けた保護フィルム事業の生産開始により、機能性材料セグメントの稼働率が上昇し、収益性が改善したこともあり、増収増益となりました。 その結果、当社グループの経営成績は、売上高303億58百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益8億37百万円(前年同期は営業損失32百万円)、経常利益10億21百万円(前年同期は経常利益90百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益9億57百万円(前年同期比299.4%増)となりました。 なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。 セグメント別の業績は、次のとおりであります。セグメント別 売上高 構成比 前年同期比軽包装材料 12,322百万円 40.6% 1.9%減産業資材 10,217百万円 33.7% 0.5%増機能性材料 7,345百万円 24.2% 19.6%増その他 473百万円 1.5% 15.3%減合計 30,358百万円 100.0% 3.2%増 (軽包装材料) 食品用包材は、電子レンジ対応食品用包材「レンジDo!」において食品メーカーでの販売価格値上げの影響から消費者の買い控えがおこり当社の受注も減少いたしました。一方でその他の食品用包材の受注は堅調に推移いたしました。 医薬品・医療用包材は、高防湿PTP包装用フィルム「テクニフイルム」をはじめその他の医薬品向けにおいても受注が堅調に推移いたしました。 日用品等の包材は、低採算製品の受注調整や包材の形態変更に伴い受注が減少いたしました。 その結果、当連結会計年度の売上高は123億22百万円(前年同期比1.9%減)となりました。(産業資材) 紙・布へのラミネート製品は、一部顧客のテープ事業縮小の動きや、顧客の製品ユーザーにおける大規模なシステム障害の影響、海外品の流入などにより受注が減少いたしました。 剥離紙はスマートフォン向けFPC(フレキシブルプリント基板)用工程紙や自動車関連用途向け製品の受注が増加いたしました。 その結果、当連結会計年度の売上高は102億17百万円(前年同期比0.5%増)となりました。(機能性材料) オレフィン系粘着加工品については、前連結会計年度に譲り受けた保護フィルムの生産開始により受注が増加いたしました。 その他の粘着加工品は、スマートフォン・タブレット等の仕様変更やVRゴーグルの売れ行き不振の影響を受けて受注が減少いたしました。 その結果、当連結会計年度の売上高は73億45百万円(前年同期比19.6%増)となりました。 b.財政状態(資産) 総資産は前連結会計年度末と比べて9億81百万円増加いたしました。これは投資有価証券が17億26百万円増加、退職給付に係る資産が4億30百万円増加等の増加要因や、現金及び預金が3億75百万円減少、受取手形が3億47百万円減少、機械装置及び運搬具(純額)が1億74百万円減少等の減少要因によるものであります。(負債) 負債は前連結会計年度末と比べて12億43百万円減少いたしました。これは支払手形及び買掛金が3億92百万円減少、電子記録債務が5億17百万円減少、短期借入金が5億60百万円減少、1年内返済予定の長期借入金が3億32百万円減少等の減少要因や、その他流動負債に含まれる未払消費税が3億16百万円増加、繰延税金負債が4億73百万円増加等の増加要因によるものであります。(純資産) 純資産は前連結会計年度末に比べて22億24百万円増加いたしました。これは利益剰余金が7億99百万円増加、その他有価証券評価差額金が11億41百万円増加、退職給付に係る調整累計額の2億57百万円増加等の増加要因によるものであります。 なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較にあたっては、暫定的な会計処理の確定による内容を反映した金額を使用しております。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益、減価償却費等の増加要因があったものの、仕入債務の減少額、有形固定資産の取得による支出、短期借入金の純減少額、長期借入金の返済による支出等の減少要因に相殺され、前連結会計年度末に比べ3億77百万円減少し当連結会計年度末には59億44百万円(前年同期比6.0%減)となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は16億68百万円(前年同期は使用した資金3億19百万円)となりました。これは税金等調整前当期純利益10億40百万円(前年同期比149.4%増)、減価償却費8億56百万円(前年同期比13.4%増)、未払消費税等の増加額3億85百万円(前年同期は未払消費税等の減少額2億37百万円)等の増加要因や、仕入債務の減少額8億61百万円(前年同期は33百万円)等の減少要因によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は6億62百万円(前年同期比40.3%減)となりました。これは有形固定資産の取得による支出6億31百万円(前年同期比33.1%減)等の減少要因によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は13億95百万円(前年同期は得られた資金5億13百万円)となりました。これは短期借入金の純減少額5億60百万円(前年同期は短期借入金の純増加額6億80百万円)、長期借入金の返済による支出5億81百万円(前年同期比10.9%増)等の減少要因によるものであります。 なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較にあたっては、暫定的な会計処理の確定による内容を反映した金額を使用しております。 ③生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)前年同期比(%)軽包装材料(千円)13,813,366100.3産業資材 (千円)8,562,677102.0機能性材料(千円)7,466,259121.4報告セグメント計(千円)29,842,304105.4その他(千円)47,09585.0合計(千円)29,889,399105.4(注)1.金額は販売価格によっております。2.有償受給取引に係る顧客から購入した原材料等の支払いを含めた金額となっております。 b. 商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)前年同期比(%)軽包装材料(千円)5,710450.6産業資材 (千円)3,63460.1機能性材料(千円)24,59182.1報告セグメント計(千円)33,93591.1その他(千円)1,521,03874.8合計(千円)1,554,97475.1(注)金額は仕入価格によっております。 c. 受注実績当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)軽包装材料13,996,01199.43,957,993109.4産業資材12,401,396101.01,386,418120.7機能性材料7,839,898127.31,340,529153.7報告セグメント計34,237,306105.36,684,941118.5その他1,052,40892.722,81343.3合計35,289,714104.96,707,754117.8(注)1.金額は販売価格によっております。2.有償受給取引に係る顧客から購入した原材料等の支払いを含めた金額となっております。 d. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)前年同期比(%)製品 軽包装材料(千円)12,317,32698.1産業資材 (千円)10,211,819100.5機能性材料(千円)7,313,182119.7報告セグメント計(千円)29,842,327103.5その他(千円)23,90736.0小計(千円)29,866,235103.3商品 軽包装材料(千円)4,920339.5産業資材 (千円)5,32074.0機能性材料(千円)32,233105.5報告セグメント計(千円)42,474108.4その他(千円)449,37291.3小計(千円)491,84692.5合計(千円)30,358,082103.2 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 a.有形固定資産の減損 当社グループは、有形固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、減損損失の認識の要否の判定をしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識の見積りにあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、見積りの金額に影響を及ぼす可能性があります。b.退職給付に係る負債 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。c.繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 ②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果につきましても、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ③資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループでは、資金の流動性維持、健全性の高い財務基盤の構築を図ることを財務の基本方針としております。資金調達の方法といたしましては、必要な運転資金及び設備投資資金を内部留保と金融機関からの借入によって賄っております。当連結会計年度においては、短期借入金5億60百万円を返済して資金の効率化を図りました。 今後も中長期的な企業価値向上を図るために最適な設備投資や人的資本投資、研究開発活動を継続していき、営業活動により得られるキャッシュ・フローの拡大、資本効率の向上を図ってまいります。

事業リスク

  • 携帯情報端末市場の変動
    スマートフォンやタブレット端末向けの表面保護フィルムは主力製品ですが、技術革新が早く、最終製品の構成や光学用部材が短期間で変更されるリスクがあります。特定機種へのシェア集中により、受注の変動幅が拡大すると、業績に大きな影響を与える可能性があります。
  • 原材料価格の変動と調達
    製品の主な原材料は石油化学製品(ポリエチレン)であり、ナフサ価格の変動が仕入価格に直接影響します。原材料費の割合が高いため、価格上昇を製品価格に転嫁できない場合や、世界的な需給逼迫、大規模災害による供給不足が発生した場合、生産活動に支障が生じ、収益性が低下するリスクがあります。
  • 生産拠点の地域集中
    主要な生産拠点7ヶ所のうち5ヶ所が静岡県に集中しており、南海トラフ地震などの大規模地震発生リスクが高い地域に立地しています。特に築年数の経過した工場が被災した場合、生産活動に甚大な影響が生じる可能性があります。リスク軽減策は講じているものの、完全に排除はできていません。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,639 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与えると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)機能性材料部門における市場変動及び技術変化に関するリスク 当社グループの機能性材料部門において、主力製品の一つである表面保護フィルムは、主にFPD(フラットパネルディスプレイ)向けに生産されております。FPDは、最終製品である液晶テレビやパソコンなどに組み込まれますが、中でもスマートフォン、タブレット端末などの携帯情報端末に搭載されるタッチパネル向けに付加価値の高い表面保護フィルムが使用される傾向にあります。 しかしながら、これら最終製品におけるFPDの構成や、使用される光学用部材は、技術革新の進展により短期間で変更されるリスクが常にあります。特に、最終製品の設計変更や部材構成の変更により、当社製品が使用される対象部材の仕様変更、代替部材への切り替え又は使用廃止が生じた場合には、当社製品の需要が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)原材料の価格変動・調達に関するリスク 当社グループの製品は、石油化学製品(主にポリエチレン)を主な原材料としているため、その仕入価格はナフサ価格の変動の影響を受けるものであります。また、製造原価に占める原材料費の割合が高いことから、原材料費の上昇が生産合理化と製品価格への転嫁で吸収しきれない場合には、売上総利益の低下につながり、収益成長に影響を及ぼします。 また、当社グループは、使用する主要原材料、副資材等について、複数の調達先との関係維持や在庫管理の徹底等により必要量の確保に努めております。しかしながら、中東情勢をはじめとする地政学的リスク、国際物流の混乱、世界的な需給逼迫、大規模災害等により、主要原材料等の供給不足、供給遅延又は価格の急激な変動が発生する可能性があります。このような場合には、当社グループの生産活動に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)製品の品質に関するリスク 当社グループでは、品質に留意して製品の製造を行っておりますが、品質上の問題が発生する可能性をゼロにすることはできません。 一方、当社グループの製品は、ユーザーにとっては一般に副資材として使用されており、ユーザーの商品価格と比較すると極めて少額ですが、多くの場合、その製品品質の良し悪しがユーザーの商品の品質に直接影響するというリスクを有しております。中でもディスプレイ関連部材や電子部品等に使用される製品については、要求される品質レベルが年々高度化しており、品質上の問題が発生した場合には、返品、代替品対応、補償費用の発生、顧客からの信用低下等につながる可能性があります。 このため当社グループでは、万一に備えて製造物賠償責任保険に加入しておりますが、製品の不具合によるユーザーの損害が、当該保険の支払限度額を超える規模で発生した場合は、補償費用の負担が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)生産拠点及び設備集約に関するリスク 当社グループの生産拠点は、静岡工場、袋井工場、掛川工場、掛川工場WEST、奈良工場、東邦樹脂工業㈱野木工場及びシノムラ化学工業㈱静岡工場の合計7拠点でありますが、そのうち静岡工場、袋井工場、掛川工場、掛川工場WEST及びシノムラ化学工業㈱静岡工場の5拠点が静岡県内に立地しております。この地域は、南海トラフ地震をはじめとする大規模地震の発生が懸念されており、万一、大規模地震が発生した場合には、当社グループの生産活動に相当程度の支障が生じる可能性があります。 また、当社グループでは、収益性の改善、生産効率の向上及び品質安定を図るため、設備の統廃合や生産品目の集約を進めております。これらの取り組みは、低コスト構造への転換や生産性向上に資する一方で、特定の設備又は拠点への依存度が高まる場合があります。そのため、当該設備又は拠点において自然災害、火災、設備故障、停電その他の操業停止要因が発生した場合には、代替生産や復旧に時間を要し、当社グループの生産活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、重要設備の保全、設備点検の強化、製品特性や設備能力を踏まえた生産品目の最適配置に加え、可能な範囲で複数拠点における代替生産体制の整備を進めるなど、リスクの軽減を図っておりますが、すべての製品について代替生産が可能となるものではなく、リスクを完全に排除できるものではありません。 (5)環境関連の法規制リスク 当社グループの事業は、大気汚染、水質汚濁、化学物質の管理、廃棄物処理、製品リサイクル、土壌・地下水汚染並びに温室効果ガスの排出等を規制する様々な環境関連法令の適用を受けております。このため当社グループでは、ISO14001の認証を取得するなどして環境に配慮した事業活動を展開しておりますが、環境関連法規制は年々厳しさを増しており、その確実な対応が課題となっております。 また、地球温暖化防止に対する国際的な機運が一層高まっており、各国で脱炭素社会の実現に向けた取り組みが加速しております。わが国においても、政府は2021年10月に2030年度までに温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減し、さらに50%削減を目指すことを閣議決定し、国際社会に表明しました。また、2035年度及び2040年度において温室効果ガス排出量を2013年度比でそれぞれ60%、73%削減することを目指す新たな目標を示しております。これらの目標達成に向けて、今後、産業界に対してより厳格な排出規制やエネルギー使用に関する制度改正が行われる可能性があり、当社グループが製造・販売する製品に関しても、製造工程や原材料、エネルギー使用に関連して新たな規制が課せられることが予想されます。 このように当社グループは常に環境規制に関するリスクに晒されており、将来、規制の追加又は強化により、当社グループの事業規模や収益力に比して過大な対応費用が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

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