経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループでは、「わたしたちは、未来にむけて新しい価値を創造し、社業を通じて社会に貢献しよう」という企業理念の下、創業以来、包装関連業界において多岐・多様にわたる市場ニーズを的確にとらえ、技術を磨きながら、産業の発展や生活の利便性を向上させる製品づくりを行ってまいりました。その間に培われた“ラミネート技術”、“コーティング技術”、“フィルム多層押出し技術”の3つの生産技術が当社グループのコア・テクノロジーであります。 このコア・テクノロジーをベースとした複合化技術によって、紙、プラスチック、金属箔等がもつそれぞれの特性を活かしながら、軽包装材料(食品用包材、医薬品・医療用包材、日用品等の包材)、産業資材(紙・布へのラミネート製品、剥離紙)並びに機能性材料(オレフィン系粘着加工品、その他の粘着加工品)の製品を製造し、販売を行っております。 この事業活動を通じて、今後も社会に必要とされる製品を供給し続けるとともに、健全な成長・発展を遂げることが、すべてのステークホルダーが当社グループに期待する社会的役割であると考えております。 (2)経営戦略等 当社グループが生み出しうる収益の源泉は、創業以来80年以上にわたり培ってきた前述のコア・テクノロジーにあります。どのような時代にあっても、このコア・テクノロジーを絶えず進化させることで、既存の自社技術の陳腐化に備えるとともに、新技術の開発を推進いたします。 また、市場の動向、社会の変化を常に注視しながら、顧客のどのような要望にも真摯に対応することで製品開発のためのニーズを的確に捉えるよう努力いたします。その上で、魅力ある製品のラインアップ拡充と高付加価値製品の開発・拡販を推進し、収益基盤の安定化を図ります。同時に徹底したコスト削減を実施し、価格競争力と収益力の強化に努めます。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として、売上高や営業利益率を主要な収益性指標としております。近年、上場会社に対して資本コストや資本効率を意識した経営が求められていることを踏まえ、当社グループにおいても、ROE、ROIC等の指標を参考にしながら、収益性の改善と財務健全性の維持の両立を図ってまいります。具体的には、製品価格の適正化、生産性向上、コスト削減、在庫水準の適正化等を通じて、安定的に利益を創出できる経営基盤の構築に努めてまいります。 (4)経営環境 当社グループは、前述のコア・テクノロジーを基に、時代の変化に合わせて技術を進化させ、今日まで製品の開発・改良を積み重ねてまいりました。その過程で当社グループの事業は大きく3つのセグメントに集約され、現在に至っておりますが、当社グループを取り巻く経営環境もセグメント毎に異なることから、以下にそれぞれの特徴を記述いたします。 軽包装材料セグメントにおきましては、紙、プラスチックフィルム、金属箔等を主原料とする軟包装材料を製造・販売しております。当社グループの製品は、食品用、医薬・医療用、日用品等(洗剤・トイレタリー用、精密機器用、その他様々な用途)に使用され、そのほとんどを国内ユーザー向けに販売しておりますが、国内市場は少子化に伴う人口減少が見込まれる中、大幅な拡大は期待できず、競合メーカーも数多く存在するため、競争は激化しております。しかしながら、高齢化による慢性疾患や要介護者は増加しており、医薬品・医療包材や介護・高齢者食のニーズは増加傾向にあります。また、近年、サステナビリティへの意識が高まっており、中でも、プラスチック包材のモノマテリアル(単一素材)化や紙を使用した包材への切り替えなど、脱炭素化に繋がる取り組みが求められております。 産業資材セグメントにおきましては、紙・布へのラミネート製品(主として粘着テープ用基材)や剥離紙(主としてラベル用)を主要製品として製造・販売しております。これらの製品を使用して製造される顧客の最終製品の多くが国内では飽和状態に近く、競合他社の数も限られています。そのような状況の中、粘着テープ市場は、海外製品の流入による国内市場の侵食が進行しており、顧客からの価格や品質に対する要求は厳しさを増す一方、剥離紙市場は、資源循環の取り組みとして、リサイクルがしやすい構成品の検討が進められています。 機能性材料セグメントにおきましては、FPD(フラットパネルディスプレイ)用など光学用途の表面保護フィルムを製造・販売しております。この市場の主な用途である大型液晶テレビはコモディティ化が進んでおりますが、もう一つの主な用途であるスマートフォンやタブレットといった携帯情報端末は、新モデルが投入される度に、各種部材にはより高性能・高機能化が求められ、その実現に向けた技術開発競争が激化しています。従って、この市場で当社グループの製品が存続し続けるためには、差別化された技術力や高付加価値製品の開発が不可欠となっています。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 現在、我が国経済は、雇用・所得環境の改善などを背景に、緩やかな回復基調で推移しております。一方で、中東情勢をはじめとする地政学リスク、米国の通商政策をめぐる不確実性、金融資本市場の変動、原材料価格・エネルギー価格の高止まり等により、先行きは依然として不透明な状況が続いております。 個人消費につきましては、持ち直しの動きがみられるものの、食料品や光熱費を中心とした物価上昇の影響により、消費者マインドには弱さもみられ、節約志向は根強いものと認識しております。 このような状況のなか、当社グループでは、製品価格の適正化、設備の統廃合を含む合理化、生産性向上及びコスト削減を推進し、収益基盤の改善に取り組んでおります。また、従業員の安全確保とエンゲージメント向上を強く意識しながら、事業部門ごとに以下の取り組みを行い、業績改善に努めてまいります。 (軽包装材料部門) 軽包装材料部門につきましては、電子レンジ対応食品包材「レンジDo!」のアイテムを拡充し、レトルト食品分野や介護食分野への拡販に注力してまいります。 非食品分野の化粧品、日用品、医療及び医薬包材につきましても、高い技術力を活かした新製品を開発、拡販を進めるとともに、製品価格の適正化及び採算性を重視した販売活動により、販売数量の回復、売上及び利益の確保に努めてまいります。 環境対応製品につきましては、プラスチック使用量の削減、容器の減容化、モノマテリアル化、紙を使用した包材への転換など、顧客の環境対応ニーズに応じた製品開発を進めてまいります。 (産業資材部門) 産業資材部門につきましては、粘着テープ用基材及び剥離紙を中心に、国内需要の成熟化、海外製品との競争、原材料価格・エネルギー価格の高止まりなど、厳しい事業環境が継続しております。 このような状況のもと、当部門では、製品価格の適正化、採算性を重視した販売活動、掛川工場WESTを中心とした生産体制への移行及び設備の統廃合を進めた結果、当連結会計年度において黒字化を達成し、長年の課題であった収益構造の改善に一定の成果を上げることができました。 今後は、黒字基調の定着を図るため、シノムラ化学工業株式会社との設備・人員の最適化をさらに進め、グループ全体での生産効率向上、安定供給体制の強化、製品価格の適正化に継続して取り組んでまいります。 (機能性材料部門) 機能性材料部門につきましては、緩やかながら需要が回復傾向にあります。譲り受けた保護フィルム事業については、当社製品への切り替え及び顧客対応を進めた結果、当連結会計年度において売上及び利益に寄与いたしました。今後は、同社から引き継いだ生産技術や取引先との関係を活かし、既存事業とのシナジー創出をさらに進めることで、収益基盤の強化に努めてまいります。 今後ニーズの高まりが予想されるクリーン塗工商材への対応は、従来のディスプレイ分野だけではなく、幅広い業界から製品開発に関するお問い合わせをいただいております。 当社の強みである顧客密着型の開発体制を強化することにより、保護フィルムだけではなく、部材を含めた様々な開発にも注力し、早期に利益に貢献できるよう努めてまいります。 (6)その他、会社の経営上重要な事項 該当事項はありません。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループでは、「わたしたちは、未来にむけて新しい価値を創造し、社業を通じて社会に貢献しよう」という企業理念の下、創業以来、包装関連業界において多岐・多様にわたる市場ニーズを的確にとらえ、技術を磨きながら、産業の発展や生活の利便性を向上させる製品づくりを行ってまいりました。その間に培われた“ラミネート技術”、“コーティング技術”、“フィルム多層押出し技術”の3つの生産技術が当社グループのコア・テクノロジーであります。 このコア・テクノロジーをベースとした複合化技術によって、紙、プラスチック、金属箔等がもつそれぞれの特性を活かしながら、軽包装材料(食品用包材、医薬品・医療用包材、日用品等の包材)、産業資材(紙・布へのラミネート製品、剥離紙)並びに機能性材料(オレフィン系粘着加工品、その他の粘着加工品)の製品を製造し、販売を行っております。 この事業活動を通じて、今後も社会に必要とされる製品を供給し続けるとともに、健全な成長・発展を遂げることが、すべてのステークホルダーが当社グループに期待する社会的役割であると考えております。 (2)経営戦略等 当社グループが生み出しうる収益の源泉は、創業以来80年以上にわたり培ってきた前述のコア・テクノロジーにあります。どのような時代にあっても、このコア・テクノロジーを絶えず進化させることで、既存の自社技術の陳腐化に備えるとともに、新技術の開発を推進いたします。 また、市場の動向、社会の変化を常に注視しながら、顧客のどのような要望にも真摯に対応することで製品開発のためのニーズを的確に捉えるよう努力いたします。その上で、魅力ある製品のラインアップ拡充と高付加価値製品の開発・拡販を推進し、収益基盤の安定化を図ります。同時に徹底したコスト削減を実施し、価格競争力と収益力の強化に努めます。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として、売上高や営業利益率を主要な収益性指標としております。近年、上場会社に対して資本コストや資本効率を意識した経営が求められていることを踏まえ、当社グループにおいても、ROE、ROIC等の指標を参考にしながら、収益性の改善と財務健全性の維持の両立を図ってまいります。具体的には、製品価格の適正化、生産性向上、コスト削減、在庫水準の適正化等を通じて、安定的に利益を創出できる経営基盤の構築に努めてまいります。 (4)経営環境 当社グループは、前述のコア・テクノロジーを基に、時代の変化に合わせて技術を進化させ、今日まで製品の開発・改良を積み重ねてまいりました。その過程で当社グループの事業は大きく3つのセグメントに集約され、現在に至っておりますが、当社グループを取り巻く経営環境もセグメント毎に異なることから、以下にそれぞれの特徴を記述いたします。 軽包装材料セグメントにおきましては、紙、プラスチックフィルム、金属箔等を主原料とする軟包装材料を製造・販売しております。当社グループの製品は、食品用、医薬・医療用、日用品等(洗剤・トイレタリー用、精密機器用、その他様々な用途)に使用され、そのほとんどを国内ユーザー向けに販売しておりますが、国内市場は少子化に伴う人口減少が見込まれる中、大幅な拡大は期待できず、競合メーカーも数多く存在するため、競争は激化しております。しかしながら、高齢化による慢性疾患や要介護者は増加しており、医薬品・医療包材や介護・高齢者食のニーズは増加傾向にあります。また、近年、サステナビリティへの意識が高まっており、中でも、プラスチック包材のモノマテリアル(単一素材)化や紙を使用した包材への切り替えなど、脱炭素化に繋がる取り組みが求められております。 産業資材セグメントにおきましては、紙・布へのラミネート製品(主として粘着テープ用基材)や剥離紙(主としてラベル用)を主要製品として製造・販売しております。これらの製品を使用して製造される顧客の最終製品の多くが国内では飽和状態に近く、競合他社の数も限られています。そのような状況の中、粘着テープ市場は、海外製品の流入による国内市場の侵食が進行しており、顧客からの価格や品質に対する要求は厳しさを増す一方、剥離紙市場は、資源循環の取り組みとして、リサイクルがしやすい構成品の検討が進められています。 機能性材料セグメントにおきましては、FPD(フラットパネルディスプレイ)用など光学用途の表面保護フィルムを製造・販売しております。この市場の主な用途である大型液晶テレビはコモディティ化が進んでおりますが、もう一つの主な用途であるスマートフォンやタブレットといった携帯情報端末は、新モデルが投入される度に、各種部材にはより高性能・高機能化が求められ、その実現に向けた技術開発競争が激化しています。従って、この市場で当社グループの製品が存続し続けるためには、差別化された技術力や高付加価値製品の開発が不可欠となっています。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 現在、我が国経済は、雇用・所得環境の改善などを背景に、緩やかな回復基調で推移しております。一方で、中東情勢をはじめとする地政学リスク、米国の通商政策をめぐる不確実性、金融資本市場の変動、原材料価格・エネルギー価格の高止まり等により、先行きは依然として不透明な状況が続いております。 個人消費につきましては、持ち直しの動きがみられるものの、食料品や光熱費を中心とした物価上昇の影響により、消費者マインドには弱さもみられ、節約志向は根強いものと認識しております。 このような状況のなか、当社グループでは、製品価格の適正化、設備の統廃合を含む合理化、生産性向上及びコスト削減を推進し、収益基盤の改善に取り組んでおります。また、従業員の安全確保とエンゲージメント向上を強く意識しながら、事業部門ごとに以下の取り組みを行い、業績改善に努めてまいります。 (軽包装材料部門) 軽包装材料部門につきましては、電子レンジ対応食品包材「レンジDo!」のアイテムを拡充し、レトルト食品分野や介護食分野への拡販に注力してまいります。 非食品分野の化粧品、日用品、医療及び医薬包材につきましても、高い技術力を活かした新製品を開発、拡販を進めるとともに、製品価格の適正化及び採算性を重視した販売活動により、販売数量の回復、売上及び利益の確保に努めてまいります。 環境対応製品につきましては、プラスチック使用量の削減、容器の減容化、モノマテリアル化、紙を使用した包材への転換など、顧客の環境対応ニーズに応じた製品開発を進めてまいります。 (産業資材部門) 産業資材部門につきましては、粘着テープ用基材及び剥離紙を中心に、国内需要の成熟化、海外製品との競争、原材料価格・エネルギー価格の高止まりなど、厳しい事業環境が継続しております。 このような状況のもと、当部門では、製品価格の適正化、採算性を重視した販売活動、掛川工場WESTを中心とした生産体制への移行及び設備の統廃合を進めた結果、当連結会計年度において黒字化を達成し、長年の課題であった収益構造の改善に一定の成果を上げることができました。 今後は、黒字基調の定着を図るため、シノムラ化学工業株式会社との設備・人員の最適化をさらに進め、グループ全体での生産効率向上、安定供給体制の強化、製品価格の適正化に継続して取り組んでまいります。 (機能性材料部門) 機能性材料部門につきましては、緩やかながら需要が回復傾向にあります。譲り受けた保護フィルム事業については、当社製品への切り替え及び顧客対応を進めた結果、当連結会計年度において売上及び利益に寄与いたしました。今後は、同社から引き継いだ生産技術や取引先との関係を活かし、既存事業とのシナジー創出をさらに進めることで、収益基盤の強化に努めてまいります。 今後ニーズの高まりが予想されるクリーン塗工商材への対応は、従来のディスプレイ分野だけではなく、幅広い業界から製品開発に関するお問い合わせをいただいております。 当社の強みである顧客密着型の開発体制を強化することにより、保護フィルムだけではなく、部材を含めた様々な開発にも注力し、早期に利益に貢献できるよう努めてまいります。 (6)その他、会社の経営上重要な事項 該当事項はありません。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に景気は緩やかに持ち直しているものの、継続する物価上昇や人手不足、さらには中東情勢の緊迫化によるエネルギー問題や石油関連製品の供給不安などの懸念から、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。 そのような状況下、当社グループでは、前連結会計年度に譲り受けた保護フィルム事業の生産開始により、機能性材料セグメントの稼働率が上昇し、収益性が改善したこともあり、増収増益となりました。 その結果、当社グループの経営成績は、売上高303億58百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益8億37百万円(前年同期は営業損失32百万円)、経常利益10億21百万円(前年同期は経常利益90百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益9億57百万円(前年同期比299.4%増)となりました。 なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。 セグメント別の業績は、次のとおりであります。セグメント別 売上高 構成比 前年同期比軽包装材料 12,322百万円 40.6% 1.9%減産業資材 10,217百万円 33.7% 0.5%増機能性材料 7,345百万円 24.2% 19.6%増その他 473百万円 1.5% 15.3%減合計 30,358百万円 100.0% 3.2%増 (軽包装材料) 食品用包材は、電子レンジ対応食品用包材「レンジDo!」において食品メーカーでの販売価格値上げの影響から消費者の買い控えがおこり当社の受注も減少いたしました。一方でその他の食品用包材の受注は堅調に推移いたしました。 医薬品・医療用包材は、高防湿PTP包装用フィルム「テクニフイルム」をはじめその他の医薬品向けにおいても受注が堅調に推移いたしました。 日用品等の包材は、低採算製品の受注調整や包材の形態変更に伴い受注が減少いたしました。 その結果、当連結会計年度の売上高は123億22百万円(前年同期比1.9%減)となりました。(産業資材) 紙・布へのラミネート製品は、一部顧客のテープ事業縮小の動きや、顧客の製品ユーザーにおける大規模なシステム障害の影響、海外品の流入などにより受注が減少いたしました。 剥離紙はスマートフォン向けFPC(フレキシブルプリント基板)用工程紙や自動車関連用途向け製品の受注が増加いたしました。 その結果、当連結会計年度の売上高は102億17百万円(前年同期比0.5%増)となりました。(機能性材料) オレフィン系粘着加工品については、前連結会計年度に譲り受けた保護フィルムの生産開始により受注が増加いたしました。 その他の粘着加工品は、スマートフォン・タブレット等の仕様変更やVRゴーグルの売れ行き不振の影響を受けて受注が減少いたしました。 その結果、当連結会計年度の売上高は73億45百万円(前年同期比19.6%増)となりました。 b.財政状態(資産) 総資産は前連結会計年度末と比べて9億81百万円増加いたしました。これは投資有価証券が17億26百万円増加、退職給付に係る資産が4億30百万円増加等の増加要因や、現金及び預金が3億75百万円減少、受取手形が3億47百万円減少、機械装置及び運搬具(純額)が1億74百万円減少等の減少要因によるものであります。(負債) 負債は前連結会計年度末と比べて12億43百万円減少いたしました。これは支払手形及び買掛金が3億92百万円減少、電子記録債務が5億17百万円減少、短期借入金が5億60百万円減少、1年内返済予定の長期借入金が3億32百万円減少等の減少要因や、その他流動負債に含まれる未払消費税が3億16百万円増加、繰延税金負債が4億73百万円増加等の増加要因によるものであります。(純資産) 純資産は前連結会計年度末に比べて22億24百万円増加いたしました。これは利益剰余金が7億99百万円増加、その他有価証券評価差額金が11億41百万円増加、退職給付に係る調整累計額の2億57百万円増加等の増加要因によるものであります。 なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較にあたっては、暫定的な会計処理の確定による内容を反映した金額を使用しております。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益、減価償却費等の増加要因があったものの、仕入債務の減少額、有形固定資産の取得による支出、短期借入金の純減少額、長期借入金の返済による支出等の減少要因に相殺され、前連結会計年度末に比べ3億77百万円減少し当連結会計年度末には59億44百万円(前年同期比6.0%減)となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は16億68百万円(前年同期は使用した資金3億19百万円)となりました。これは税金等調整前当期純利益10億40百万円(前年同期比149.4%増)、減価償却費8億56百万円(前年同期比13.4%増)、未払消費税等の増加額3億85百万円(前年同期は未払消費税等の減少額2億37百万円)等の増加要因や、仕入債務の減少額8億61百万円(前年同期は33百万円)等の減少要因によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は6億62百万円(前年同期比40.3%減)となりました。これは有形固定資産の取得による支出6億31百万円(前年同期比33.1%減)等の減少要因によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は13億95百万円(前年同期は得られた資金5億13百万円)となりました。これは短期借入金の純減少額5億60百万円(前年同期は短期借入金の純増加額6億80百万円)、長期借入金の返済による支出5億81百万円(前年同期比10.9%増)等の減少要因によるものであります。 なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較にあたっては、暫定的な会計処理の確定による内容を反映した金額を使用しております。 ③生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)前年同期比(%)軽包装材料(千円)13,813,366100.3産業資材 (千円)8,562,677102.0機能性材料(千円)7,466,259121.4報告セグメント計(千円)29,842,304105.4その他(千円)47,09585.0合計(千円)29,889,399105.4(注)1.金額は販売価格によっております。2.有償受給取引に係る顧客から購入した原材料等の支払いを含めた金額となっております。 b. 商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)前年同期比(%)軽包装材料(千円)5,710450.6産業資材 (千円)3,63460.1機能性材料(千円)24,59182.1報告セグメント計(千円)33,93591.1その他(千円)1,521,03874.8合計(千円)1,554,97475.1(注)金額は仕入価格によっております。 c. 受注実績当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)軽包装材料13,996,01199.43,957,993109.4産業資材12,401,396101.01,386,418120.7機能性材料7,839,898127.31,340,529153.7報告セグメント計34,237,306105.36,684,941118.5その他1,052,40892.722,81343.3合計35,289,714104.96,707,754117.8(注)1.金額は販売価格によっております。2.有償受給取引に係る顧客から購入した原材料等の支払いを含めた金額となっております。 d. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)前年同期比(%)製品 軽包装材料(千円)12,317,32698.1産業資材 (千円)10,211,819100.5機能性材料(千円)7,313,182119.7報告セグメント計(千円)29,842,327103.5その他(千円)23,90736.0小計(千円)29,866,235103.3商品 軽包装材料(千円)4,920339.5産業資材 (千円)5,32074.0機能性材料(千円)32,233105.5報告セグメント計(千円)42,474108.4その他(千円)449,37291.3小計(千円)491,84692.5合計(千円)30,358,082103.2 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 a.有形固定資産の減損 当社グループは、有形固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、減損損失の認識の要否の判定をしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識の見積りにあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、見積りの金額に影響を及ぼす可能性があります。b.退職給付に係る負債 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。c.繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 ②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果につきましても、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ③資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループでは、資金の流動性維持、健全性の高い財務基盤の構築を図ることを財務の基本方針としております。資金調達の方法といたしましては、必要な運転資金及び設備投資資金を内部留保と金融機関からの借入によって賄っております。当連結会計年度においては、短期借入金5億60百万円を返済して資金の効率化を図りました。 今後も中長期的な企業価値向上を図るために最適な設備投資や人的資本投資、研究開発活動を継続していき、営業活動により得られるキャッシュ・フローの拡大、資本効率の向上を図ってまいります。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループでは、「未来に向けて新しい価値を創造し、社業を通じて社会に貢献する」という企業理念の下、創業以来、包装関連業界において多岐・多様にわたる市場ニーズを的確にとらえ、技術を磨きながら、産業の発展や生活の利便性を向上させる製品づくりを行ってまいりました。その間に培われた“ラミネート技術”、“コーティング技術”、“フィルム多層押出し技術”の3つの生産技術が当社グループのコア・テクノロジーであります。 このコア・テクノロジーをベースとした複合化技術によって、紙、プラスチック、金属箔等がもつそれぞれの特性を活かしながら、軽包装材料(食品用包材、医薬品・医療用包材、日用品等の包材)、産業資材(紙・布へのラミネート製品、剥離紙)並びに機能性材料(オレフィン系粘着加工品、その他の粘着加工品)の製品を製造し、販売を行っております。 この事業活動を通じて、今後も社会に必要とされる製品を供給し続けるとともに、健全な成長・発展を遂げることが、すべてのステークホルダーが当社グループに期待する社会的役割であると考えております。 (2)経営戦略等 当社グループが生み出しうる収益の源泉は、創業以来80年以上にわたり培ってきた前述のコア・テクノロジーにあります。どのような時代にあっても、このコア・テクノロジーを絶えず進化させることで、既存の自社技術の陳腐化に備えるとともに、新技術の開発を推進いたします。 また、市場の動向、社会の変化を常に注視しながら、顧客のどのような要望にも真摯に対応することで製品開発のためのニーズを的確に捉えるよう努力いたします。その上で、魅力ある製品のラインアップ拡充と高付加価値製品の開発・拡販を推進し、収益基盤の安定化を図ります。同時に徹底したコスト削減を実施し、価格競争力と収益力の強化に努めます。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための指標等について特に定めているわけではありませんが、売上高営業利益率を収益性の指標として使用しております。 (4)経営環境 当社グループは、前述のコア・テクノロジーを基に、時代の変化に合わせて技術を進化させ、今日まで製品の開発・改良を積み重ねてまいりました。その過程で当社グループの事業は大きく3つのセグメントに集約され、現在に至っておりますが、当社グループを取り巻く経営環境もセグメント毎に異なることから、以下にそれぞれの特徴を記述いたします。 軽包装材料セグメントにおきましては、紙、プラスチックフィルム、金属箔等を主原料とする軟包装材料を製造・販売しております。当社グループの製品は、食品用、医薬・医療用、日用品等(洗剤・トイレタリー用、精密機器用、その他様々な用途)に使用され、そのほとんどを国内ユーザー向けに販売しておりますが、国内市場は少子化に伴う人口減少が見込まれる中、大幅な拡大は期待できず、競合メーカーも数多く存在するため、競争は激化しております。しかしながら、高齢化による慢性疾患や要介護者は増加しており、医薬品・医療包材や介護・高齢者食のニーズは増加傾向にあります。また、近年、サステナビリティへの意識が高まっており、中でも、プラスチック包材のモノマテリアル(単一素材)化や紙を使用した包材への切り替えなど、脱炭素化に繋がる取り組みが求められております。 産業資材セグメントにおきましては、紙・布へのラミネート製品(主として粘着テープ用基材)や剥離紙(主としてラベル用)を主要製品として製造・販売しております。これらの製品を使用して製造される顧客の最終製品の多くが国内では飽和状態に近く、競合他社の数も限られています。そのような状況の中、粘着テープ市場は、海外製品の流入による国内市場の侵食が進行しており、顧客からの価格や品質に対する要求は厳しさを増す一方、剥離紙市場は、資源循環の取り組みとして、リサイクルがしやすい構成品の検討が進められています。 機能性材料セグメントにおきましては、FPD(フラットパネルディスプレイ)用など光学用途の表面保護フィルムを製造・販売しております。この市場の主な用途である大型液晶テレビはコモディティ化が進んでおりますが、もう一つの主な用途であるスマートフォンやタブレットといった携帯情報端末は、新モデルが投入される度に、各種部材にはより高性能・高機能化が求められ、その実現に向けた技術開発競争が激化しています。従って、この市場で当社グループの製品が存続し続けるためには、差別化された技術力や高付加価値製品の開発が不可欠となっています。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 現在、我が国経済は緩やかに回復しておりますが、その成長は力強いものとは言えません。政府も慎重な見方を示しており、実質GDP成長率や企業収益の回復見通しを引き下げる動きを見せています。その背景には、米国や中国といった主要貿易相手国の経済減速懸念があります。 一方で、個人消費は緩やかに増加しており、雇用・所得環境の改善によって消費マインドの支えとなっています。しかし、家計に占める支出割合の大きい食費や光熱費が上昇しており、物価高の影響を強く受けています。そのため、賃金が改善しても、消費者は慎重な支出を続け、節約志向が根強いのが現状です。そのような状況のなか、当社グループでは、設備の統廃合を中心とした合理化、そして製品の値上げといった利益確保のための活動を推進しております。従業員の安全とエンゲージメント向上を強く意識しながら、事業部門毎に以下の取り組みを行い、業績改善に努めてまいります。 (軽包装部門) 軽包装部門につきましては、電子レンジ対応食品包材「レンジDo!」のアイテムを拡充し、レトルト食品分野や介護食分野への拡販に注力してまいります。 非食品分野の化粧品、日用品、医療及び医薬包材にも、高い技術力を活かした新製品を開発、拡販し、販売数量の回復、売上確保に努めてまいります。 また、プラスチック容器包装の廃棄によって生じる様々な環境問題に対処するため、プラスチックボトル代替品として、内容物に応じた強度と耐性をもつパウチを開発、商品化することで、プラスチックごみの減容化に貢献してまいります。また、紙や生分解性プラスチックを主原料とする包材の開発や、リサイクルが容易なモノマテリアル化にも積極的に取り組んでまいります。 (産業資材部門) 産業資材部門につきましては、取扱製品のほとんどが中間製品ということもあり、昨今の円安と材料価格高騰によるコストの増加への対応が追い付かず、厳しい事業環境に置かれております。そのような状況を打開するため、高い生産能力とクリーンな環境という特長を有する掛川工場WESTを中心とする生産体制への移行と設備の統廃合に取り組んでおりますが、今後はその活動を加速し、早期に低コスト構造への転換を実現いたします。 シノムラ化学工業株式会社との垣根を超えた設備、人材の最適化は着実に進んでおります。今後はグループ全体で生産効率の改善と製品価格の適正化をより一層推し進め、収益性の向上に努めてまいります。 (機能性材料部門) 機能性材料部門につきましては、緩やかながら需要が回復傾向にあります。昨年11月に株式会社レゾナックから譲り受けた保護フィルム事業については、現在当社品への切り替えを順次進めており、収益化は今後の課題でありますが、同社から引き継いだ生産技術や取引先との交流を通じて、当部門の既存事業とのシナジー創出につなげることを目指します。 今後ニーズの高まりが予想されるクリーン塗工商材への対応は、従来のディスプレイ分野だけではなく、幅広い業界から製品開発に関するお問い合わせをいただいております。当社の強みである顧客密着型の開発体制を強化することにより、保護フィルムだけではなく、部材を含めた様々な開発にも注力し、早期に利益に貢献できるよう努めてまいります。 (6)その他、会社の経営上重要な事項 該当事項はありません。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループでは、「未来に向けて新しい価値を創造し、社業を通じて社会に貢献する」という企業理念の下、創業以来、包装関連業界において多岐・多様にわたる市場ニーズを的確にとらえ、技術を磨きながら、産業の発展や生活の利便性を向上させる製品づくりを行ってまいりました。その間に培われた“ラミネート技術”、“コーティング技術”、“フィルム多層押出し技術”の3つの生産技術が当社グループのコア・テクノロジーであります。 このコア・テクノロジーをベースとした複合化技術によって、紙、プラスチック、金属箔等がもつそれぞれの特性を活かしながら、軽包装材料(食品用包材、医薬品・医療用包材、日用品等の包材)、産業資材(紙・布へのラミネート製品、剥離紙)並びに機能性材料(オレフィン系粘着加工品、その他の粘着加工品)の製品を製造し、販売を行っております。 この事業活動を通じて、今後も社会に必要とされる製品を供給し続けるとともに、健全な成長・発展を遂げることが、すべてのステークホルダーが当社グループに期待する社会的役割であると考えております。 (2)経営戦略等 当社グループが生み出しうる収益の源泉は、創業以来80年以上にわたり培ってきた前述のコア・テクノロジーにあります。どのような時代にあっても、このコア・テクノロジーを絶えず進化させることで、既存の自社技術の陳腐化に備えるとともに、新技術の開発を推進いたします。 また、市場の動向、社会の変化を常に注視しながら、顧客のどのような要望にも真摯に対応することで製品開発のためのニーズを的確に捉えるよう努力いたします。その上で、魅力ある製品のラインアップ拡充と高付加価値製品の開発・拡販を推進し、収益基盤の安定化を図ります。同時に徹底したコスト削減を実施し、価格競争力と収益力の強化に努めます。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための指標等について特に定めているわけではありませんが、売上高営業利益率を収益性の指標として使用しております。 (4)経営環境 当社グループは、前述のコア・テクノロジーを基に、時代の変化に合わせて技術を進化させ、今日まで製品の開発・改良を積み重ねてまいりました。その過程で当社グループの事業は大きく3つのセグメントに集約され、現在に至っておりますが、当社グループを取り巻く経営環境もセグメント毎に異なることから、以下にそれぞれの特徴を記述いたします。 軽包装材料セグメントにおきましては、紙、プラスチックフィルム、金属箔等を主原料とする軟包装材料を製造・販売しております。当社グループの製品は、食品用、医薬・医療用、日用品等(洗剤・トイレタリー用、精密機器用、その他様々な用途)に使用され、そのほとんどを国内ユーザー向けに販売しておりますが、国内市場は少子化に伴う人口減少が見込まれる中、大幅な拡大は期待できず、競合メーカーも数多く存在するため、競争は激化しております。しかしながら、高齢化による慢性疾患や要介護者は増加しており、医薬品・医療包材や介護・高齢者食のニーズは増加傾向にあります。また、近年、サステナビリティへの意識が高まっており、中でも、プラスチック包材のモノマテリアル(単一素材)化や紙を使用した包材への切り替えなど、脱炭素化に繋がる取り組みが求められております。 産業資材セグメントにおきましては、紙・布へのラミネート製品(主として粘着テープ用基材)や剥離紙(主としてラベル用)を主要製品として製造・販売しております。これらの製品を使用して製造される顧客の最終製品の多くが国内では飽和状態に近く、競合他社の数も限られています。そのような状況の中、粘着テープ市場は、海外製品の流入による国内市場の侵食が進行しており、顧客からの価格や品質に対する要求は厳しさを増す一方、剥離紙市場は、資源循環の取り組みとして、リサイクルがしやすい構成品の検討が進められています。 機能性材料セグメントにおきましては、FPD(フラットパネルディスプレイ)用など光学用途の表面保護フィルムを製造・販売しております。この市場の主な用途である大型液晶テレビはコモディティ化が進んでおりますが、もう一つの主な用途であるスマートフォンやタブレットといった携帯情報端末は、新モデルが投入される度に、各種部材にはより高性能・高機能化が求められ、その実現に向けた技術開発競争が激化しています。従って、この市場で当社グループの製品が存続し続けるためには、差別化された技術力や高付加価値製品の開発が不可欠となっています。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 現在、我が国経済は緩やかに回復しておりますが、その成長は力強いものとは言えません。政府も慎重な見方を示しており、実質GDP成長率や企業収益の回復見通しを引き下げる動きを見せています。その背景には、米国や中国といった主要貿易相手国の経済減速懸念があります。 一方で、個人消費は緩やかに増加しており、雇用・所得環境の改善によって消費マインドの支えとなっています。しかし、家計に占める支出割合の大きい食費や光熱費が上昇しており、物価高の影響を強く受けています。そのため、賃金が改善しても、消費者は慎重な支出を続け、節約志向が根強いのが現状です。そのような状況のなか、当社グループでは、設備の統廃合を中心とした合理化、そして製品の値上げといった利益確保のための活動を推進しております。従業員の安全とエンゲージメント向上を強く意識しながら、事業部門毎に以下の取り組みを行い、業績改善に努めてまいります。 (軽包装部門) 軽包装部門につきましては、電子レンジ対応食品包材「レンジDo!」のアイテムを拡充し、レトルト食品分野や介護食分野への拡販に注力してまいります。 非食品分野の化粧品、日用品、医療及び医薬包材にも、高い技術力を活かした新製品を開発、拡販し、販売数量の回復、売上確保に努めてまいります。 また、プラスチック容器包装の廃棄によって生じる様々な環境問題に対処するため、プラスチックボトル代替品として、内容物に応じた強度と耐性をもつパウチを開発、商品化することで、プラスチックごみの減容化に貢献してまいります。また、紙や生分解性プラスチックを主原料とする包材の開発や、リサイクルが容易なモノマテリアル化にも積極的に取り組んでまいります。 (産業資材部門) 産業資材部門につきましては、取扱製品のほとんどが中間製品ということもあり、昨今の円安と材料価格高騰によるコストの増加への対応が追い付かず、厳しい事業環境に置かれております。そのような状況を打開するため、高い生産能力とクリーンな環境という特長を有する掛川工場WESTを中心とする生産体制への移行と設備の統廃合に取り組んでおりますが、今後はその活動を加速し、早期に低コスト構造への転換を実現いたします。 シノムラ化学工業株式会社との垣根を超えた設備、人材の最適化は着実に進んでおります。今後はグループ全体で生産効率の改善と製品価格の適正化をより一層推し進め、収益性の向上に努めてまいります。 (機能性材料部門) 機能性材料部門につきましては、緩やかながら需要が回復傾向にあります。昨年11月に株式会社レゾナックから譲り受けた保護フィルム事業については、現在当社品への切り替えを順次進めており、収益化は今後の課題でありますが、同社から引き継いだ生産技術や取引先との交流を通じて、当部門の既存事業とのシナジー創出につなげることを目指します。 今後ニーズの高まりが予想されるクリーン塗工商材への対応は、従来のディスプレイ分野だけではなく、幅広い業界から製品開発に関するお問い合わせをいただいております。当社の強みである顧客密着型の開発体制を強化することにより、保護フィルムだけではなく、部材を含めた様々な開発にも注力し、早期に利益に貢献できるよう努めてまいります。 (6)その他、会社の経営上重要な事項 該当事項はありません。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績 当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業業績を背景とした所得環境の改善やインバウンド需要の増加により、緩やかながら回復基調で推移いたしました。一方で、政策金利の引き上げによる金利上昇や、実質賃金の伸び悩みによる個人消費の落ち込みから、依然として先行き不透明な状況が続いております。 そのような状況下、当社グループの業績概況といたしましては、業績回復に向けて価格転嫁を推し進めてまいりましたが、売上拡大を目指して事業譲受した機能性材料セグメントの保護フィルム事業の立ち上げに向けた各種費用の先行が営業収益を圧迫し、赤字幅は縮小したものの営業赤字となりました。 経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、受取配当金や政策保有株式売却による投資有価証券売却益から黒字となりました。 その結果、当社グループの経営成績は、売上高294億30百万円(前年同期比6.9%増)、営業損失34百万円(前年同期は営業損失1億95百万円)、経常利益88百万円(前年同期比150.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2億37百万円(前年同期比31.9%減)となりました。 セグメント別の業績は、次のとおりであります。セグメント別 売上高 構成比 前年同期比軽包装材料 12,559百万円 42.7% 5.7%増産業資材 10,169百万円 34.6% 4.4%増機能性材料 6,141百万円 20.9% 10.5%増その他 558百万円 1.9% 62.2%増合計 29,430百万円 100.0% 6.9%増 (軽包装材料) 食品用包材は、上期において電子レンジ対応食品包材「レンジDo!」の受注が好調に推移しておりましたが、下期に入り食料品価格値上げの影響を受けた需要減少から受注が減少し通期では前年同期並みの受注数量となりました。 日用品等の包材は、耐内容物包材「プラピカ」の受注が好調に推移したことから販売数量は微増となりました。 医薬品・医療用包材は前年同期並みの受注数量で推移しております。 その結果、当連結会計年度の売上高は125億59百万円(前年同期比5.7%増)となりました。(産業資材) 紙・布へのラミネート製品は、輸入品のOPPテープの価格上昇や脱炭素の流れを受けてクラフトテープ基材用途向けの受注が増加しました。一方で布テープ基材用途向けは海外からの安価品流入により受注が減少しております。 剥離紙は、建材用途向け及び家電用途向け製品の受注が低調でしたが、自動車関連用途向け製品の受注が好調に推移したことから販売数量は前年同期比微増となりました。 その結果、当連結会計年度の売上高は101億69百万円(前年同期比4.4%増)となりました。(機能性材料) その他の粘着加工品は新たに獲得したフォルダブルスマートフォン用途向けやモバイル用途向け保護フィルムの受注が好調に推移したことから増収となりました。 オレフィン系粘着加工品は前年同期並みで推移いたしました。 その結果、当連結会計年度の売上高は61億41百万円(前年同期比10.5%増)となりました。 b.財政状態(資産) 総資産は前連結会計年度末と比べて3億69百万円増加いたしました。これは機械装置及び運搬具(純額)が7億34百万円増加、のれんが7億19百万円増加等の増加要因や、現金及び預金が9億36百万円減少、投資有価証券が2億57百万円減少等の減少要因によるものであります。(負債) 負債は前連結会計年度末と比べて9億53百万円増加いたしました。これは短期借入金が6億80百万円増加、長期借入金が4億34百万円増加等の増加要因によるものであります。(純資産) 純資産は前連結会計年度末に比べて5億83百万円減少いたしました。これは自己株式取得による4億66百万円減少等の減少要因によるものであります。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資有価証券の売却による収入、短期借入金の純増加額、長期借入れによる収入等の増加要因があったものの、有形固定資産の取得による支出、事業譲受による支出、長期借入金の返済による支出、自己株式の取得による支出等の減少要因に相殺され、前連結会計年度末に比べ9億12百万円減少し当連結会計年度末には63億21百万円(前年同期比12.6%減)となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果使用した資金は3億19百万円(前年同期は得られた資金12億67百万円)となりました。これは減価償却費7億51百万円(前年同期比7.1%増)等の増加要因や、投資有価証券売却益3億77百万円(前年同期は21百万円)、売上債権の増加額4億6百万円(前年同期は売上債権の減少額3億1百万円)、未払消費税等の減少額2億37百万円(前年同期は未払消費税等の増加額2億41百万円)等の減少要因によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は11億10百万円(前年同期は得られた資金6億30百万円)となりました。これは有形固定資産の取得による支出9億44百万円(前年同期比70.0%増)、事業譲受による支出7億32百万円等の減少要因や、投資有価証券の売却による収入5億13百万円(前年同期比566.7%増)等の増加要因によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果得られた資金は5億13百万円(前年同期は使用した資金8億21百万円)となりました。これは短期借入金の純増加額6億80百万円(前年同期は60百万円)、長期借入れによる収入10億70百万円等の増加要因や、長期借入金の返済による支出5億24百万円(前年同期比8.1%減)、自己株式の取得による支出4億77百万円(前年同期比445.9%増)等の減少要因によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)前年同期比(%)軽包装材料(千円)13,765,952105.6産業資材 (千円)8,397,97299.8機能性材料(千円)6,152,074111.4報告セグメント計(千円)28,316,000104.9その他(千円)55,39682.5合計(千円)28,371,396104.9(注)1.金額は販売価格によっております。2.有償受給取引に係る顧客から購入した原材料等の支払いを含めた金額となっております。 b. 商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)前年同期比(%)軽包装材料(千円)1,26733.8産業資材 (千円)6,048110.0機能性材料(千円)29,945100.3報告セグメント計(千円)37,26095.3その他(千円)2,032,470192.7合計(千円)2,069,731189.2(注)金額は仕入価格によっております。 c. 受注実績当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)軽包装材料14,080,642109.73,619,172104.0産業資材12,273,881104.61,148,320103.9機能性材料6,157,727105.4872,389101.7報告セグメント計32,512,251106.95,639,882103.6その他1,135,671360.252,71299.9合計33,647,922109.55,692,595103.6(注)1.金額は販売価格によっております。2.有償受給取引に係る顧客から購入した原材料等の支払いを含めた金額となっております。 d. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)前年同期比(%)製品 軽包装材料(千円)12,558,358105.7産業資材 (千円)10,162,785104.4機能性材料(千円)6,110,982110.6報告セグメント計(千円)28,832,127106.2その他(千円)66,418135.2小計(千円)28,898,545106.3商品 軽包装材料(千円)1,44936.3産業資材 (千円)7,185121.1機能性材料(千円)30,563100.5報告セグメント計(千円)39,19897.2その他(千円)492,403166.7小計(千円)531,602158.4合計(千円)29,430,148106.9 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 a.有形固定資産の減損 当社グループは、有形固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、減損損失の認識の要否の判定をしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識の見積りにあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、見積りの金額に影響を及ぼす可能性があります。b.退職給付に係る負債 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。c.繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 ②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果につきましても、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ③資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループでは、資金の流動性維持、健全性の高い財務基盤の構築を図ることを財務の基本方針としております。資金調達の方法といたしましては、必要な運転資金及び設備投資資金を内部留保と金融機関からの借入によって賄っております。当連結会計年度においては、短期借入金6億80百万円、長期借入金10億70百万円を資金調達し流動性の確保を行いました。 今後も継続して設備投資を実施していくため、投資金額の抑制を図り資金負担を軽減するとともに、営業活動により得られるキャッシュ・フローの拡大、資本効率の向上を図ってまいります。