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日本化薬(4272)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 主要事業の多角化:日本化薬グループは、自動車安全部品、機能性材料、医薬品、農薬など、多岐にわたる事業を展開しています。これにより、特定の市場変動に左右されにくい安定した収益基盤を築いています。例えば、自動車のエアバッグ部品から、半導体や液晶ディスプレイに使われる化学材料、さらには抗がん剤まで、幅広い分野で製品を提供しています。
  • グローバルな事業展開:国内外に多数の子会社や関連会社を持ち、製品・サービスを世界中に供給しています。特にセイフティシステムズ事業では、欧州、中国、メキシコ、マレーシア、米国などに生産拠点を持ち、各地域の自動車メーカーに部品を供給することで、グローバルなサプライチェーンを構築しています。
  • 研究開発型ビジネスモデル:各事業領域において、独自の技術やノウハウを活かした高付加価値製品の開発に注力しています。例えば、ファインケミカルズ事業では、エポキシ樹脂やレジスト材料など、最先端の技術を要する製品を提供し、ライフサイエンス事業では、抗悪性腫瘍剤などの医薬品開発を通じて、社会貢献と収益確保の両立を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • モビリティ&イメージング事業領域:この事業は、主に自動車の安全に関わる部品と、液晶ディスプレイやプロジェクター用の部材を提供しています。具体的には、エアバッグ用インフレータやシートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータなどのセイフティシステムズ製品と、液晶ディスプレイ用部材などのポラテクノ製品が主力です。最新年度の売上高は913.76億円、営業利益は133.11億円で、同社グループの稼ぎ頭の一つとなっています。
  • ファインケミカルズ事業領域:この事業は、エポキシ樹脂やマレイミド樹脂などの機能性材料、インクジェットプリンタ用色素や染料などの色素材料、アクリル酸製造用触媒などの触媒を提供しています。半導体やディスプレイ、インクジェットプリンタなど、幅広い産業分野に貢献しています。最新年度の売上高は662.06億円、営業利益は98.99億円で、高機能な化学製品を通じて安定した収益を上げています。
  • ライフサイエンス事業領域:この事業は、抗悪性腫瘍剤や生物学的製剤などの医薬品、殺虫剤や除草剤などのアグロ製品(農薬)、そして不動産賃貸事業で構成されています。人々の健康や食の安全、さらには生活基盤を支える重要な役割を担っています。最新年度の売上高は650.01億円、営業利益は63.54億円で、医薬品開発や農薬提供を通じて社会貢献と収益確保を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
MobilityAndImagingBusinessUnitReportableSegment 地域 914 133 14.6%
FineChemicalsBusinessUnitReportableSegment 地域 662 99 15.0%
LifeScienceBusinessUnitReportableSegment 地域 650 64 9.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,171 文字
3 【事業の内容】日本化薬グループ(当社グループ)は、日本化薬㈱(当社)、子会社37社、関連会社10社より構成されております。当社グループの事業セグメントごとの主要な製品・サービス、及び主要な子会社・関係会社名は次のとおりです。(モビリティ&イメージング事業領域)事業セグメント主要な製品・サービス主要な子会社・関連会社セイフティシステムズエアバッグ用インフレータ、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ、スクイブ・カヤク セイフティシステムズ ヨーロッパ a.s.・化薬(湖州)安全器材有限公司・カヤク セイフティシステムズ デ メキシコ,S.A. de C.V.・カヤク セイフティシステムズ マレーシア Sdn.Bhd.・ニッポンカヤクアメリカ, INC.・ニッポンカヤクコリア Co., Ltd.ポラテクノ液晶ディスプレイ用部材、液晶プロジェクター用部材、X線分析装置部材・無錫宝来光学科技有限公司・モクステック, Inc.・デジマ テック B.V.・デジマ オプティカル フィルムズ B.V.・㈱ポラテクノ・レイスペックLtd. (ファインケミカルズ事業領域)事業セグメント主要な製品・サービス主要な子会社・関連会社機能性材料エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、反応性難燃樹脂、アクリル酸エステル、レジスト用紫外線硬化型樹脂、MEMS用レジスト(液状並びにドライフィルムレジスト)、LCD・半導体用クリーナー、液晶ディスプレイ用シール剤、半導体製造装置(ラミネーター、リムーバー、マウンター、UV照射機)・厚和産業㈱・㈱ニッカファインテクノ・化薬化工(無錫)有限公司・カヤク アドバンスト マテリアルズ, Inc. ・テイコクテーピングシステム㈱色素材料インクジェットプリンタ用色素、インクジェット捺染用染料、産業用インクジェットインク、イメージセンサー用材料、調光ガラス用二色性色素、近赤外線吸収剤、繊維用及び紙用染料、樹脂用着色剤、感熱顕色剤、顔料誘導体(シナジスト)・㈱ニッカファインテクノ・ニッポンカヤク(タイランド)CO., LTD. ・無錫先進化薬化工有限公司・上海化耀国際貿易有限公司触媒アクリル酸製造用触媒、アクロレイン製造用触媒、メタクリル酸製造用触媒・厚和産業㈱ (ライフサイエンス事業領域)事業セグメント主要な製品・サービス主要な子会社・関連会社医薬抗悪性腫瘍剤、生物学的製剤、循環器用剤、光線力学診断用剤、体外診断用医薬品、血管内塞栓材、医薬原薬・中間体、食品添加物、健康食品素材、食品品質保持剤、洗浄除菌剤・日本化薬フードテクノ㈱・台湾日化股份有限公司アグロ殺虫剤、除草剤、殺菌剤、殺ダニ剤、防疫用殺虫剤、土壌殺菌剤、動物忌避剤 不動産不動産賃貸・和光都市開発㈱ 事業の系統

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料高騰が利益低下に繋がる可能性があり、薬価抑制の影響も受けるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
火工品技術、染料系偏光板の一貫開発、次世代高速通信向け材料、新規がん治療薬開発。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:原材料の調達に係るリスク / 製品の品質に係るリスク / 事業環境の変化に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

農薬・医薬中間体分野での長年の研究開発による特許網と、特定のニッチ市場における高い技術力を持つ。特に、農薬原体や機能性化学品分野で独自の地位を確立しており、新規化合物の開発力は競争優位の源泉となっている。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

医薬中間体や農薬原体は、顧客企業(製薬会社、農薬メーカー)の製造プロセスに組み込まれるため、切り替えには多大な時間とコスト(品質確認、許認可等)がかかる。しかし、代替品の存在や顧客の交渉力によってはスイッチングコストが低下する可能性もある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果が働く事業モデルではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

特定の化学品製造プロセスにおいて、長年の経験とノウハウによる効率化が進んでいる可能性がある。しかし、汎用化学品分野では価格競争に晒されるリスクもあり、絶対的なコスト優位性は限定的と考えられる。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

特定の機能性化学品や農薬中間体分野では一定の生産規模を持つが、化学業界全体で見ると大手と比較して規模の経済性は限定的。ニッチ市場に特化することで、その市場内での効率性を高めている。

  • セイフティシステムズの技術力とシェア:自動車のエアバッグ用インフレータやシートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータなど、人命に関わる安全部品において高い技術力と信頼性を有しています。これらの製品は自動車の安全性能に直結するため、顧客からの信頼が厚く、安定した需要が見込まれます。
  • ファインケミカルズの多様な製品群:エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、レジスト用紫外線硬化型樹脂など、半導体やディスプレイ製造に不可欠な高機能材料を幅広く提供しています。これにより、特定の顧客や製品に依存せず、多様な産業ニーズに対応できる強みを持っています。
  • 医薬品事業の専門性と社会貢献:抗悪性腫瘍剤や生物学的製剤など、高度な専門知識と研究開発力を要する医薬品を提供しています。特に、がん治療薬などの開発は、人々の健康に貢献するとともに、高い収益性も期待できる事業領域であり、同社の重要な競争優位性となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針・経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。ただし、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略・経営指標等当社グループは、企業ビジョンとして KAYAKU spirit「最良の製品を不断の進歩と良心の結合により社会に提供し続けること」を掲げています。このビジョンのもと、2026年4月より開始した10ヶ年の長期経営計画「Evolution2035」では、当社グループのありたい姿を「KAYAKUの技術で人と地球の未来に安心・豊かさ・感動を」と定め、社会的価値と経済的価値の両立による持続可能な成長の実現を目指しています。当社グループは、コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンスを経営の基盤とするとともに、環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組みを重要な経営課題として位置付けています。日本化薬グループならではのKAYAKUの技術力と、長年にわたる事業運営を通じて蓄積してきた事業アセットに、従来の枠組みにとらわれない挑戦する企業文化を融合させることで、社会課題を解決し、安心・豊かさ・感動を生み出す製品、技術、サービスを創出し、持続的な企業価値向上を図っていきます。「Evolution2035」では、10ヶ年を3つの中期経営計画期間(Phase)に区分し、2026年度から2028年度までの3ヶ年を「Evolution2035 Phase1」と位置付けています。Phase1においては、最終年度である2028年度において、売上高3,000億円、営業利益360億円、ROE10%以上、税引後ROIC7%以上の達成を目標としています。これらの経営指標は、資本効率の向上及び持続的な成長力の強化を通じた中長期的な企業価値創造を測る重要な指標として設定しています。Phase1における全社重点施策として、「強靭な事業ポートフォリオの構築」、「KV25取組みの実績化」、「キャッシュアロケーションの最適化」、「効率とスピードを高める組織運営の進化」、「人的資本への戦略的投資」の5項目を定めています。これらの施策は、事業競争力の強化に加え、サステナビリティを意識した経営基盤の高度化を同時に実現することを目的としており、計画的に推進してまいります。特に、人的資本については、当社グループの持続的成長及び中長期的価値創造を支える最も重要な経営資源の1つと位置付けています。「人的資本への戦略的投資」においては、専門性の高度化、多様な人材の活躍推進、挑戦を促す組織風土の醸成などを通じて、従業員一人ひとりの能力及びエンゲージメントの最大化を図り、イノベーション創出力の強化につなげていきます。また、当社グループは、持続的な成長の実現に向け、研究開発投資及び成長投資を継続的かつ積極的に実施していきます。研究開発分野においては、将来を見据え、既存事業の枠組みにとらわれない新たなビジネスの創出を目的として「未来Bizセンター」を新設します。この取り組みは、技術力の進化に加え、人材の知見・創造性を結集することで中長期的な社会価値の創出を図るものです。さらに、事業ポートフォリオの一層の充実を図るため、自社技術に限定することなく、オープンイノベーション、製品導入、事業提携、M&Aなどを通じた外部経営資源の活用についても、サステナビリティの観点を踏まえた戦略的投資として積極的に検討してまいります。 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当期の世界経済は、底堅い成長を維持しているものの、ロシア・ウクライナ戦争の長期化、中東情勢の緊張、米中対立の構造化などの地政学リスクによる不透明感が続いています。モビリティ&イメージング事業領域においては、グローバルなモビリティ市場の動向に影響を受けます。EVからハイブリッドの再評価など常に状況は変化しているものの、安全性向上や快適さを追求する商品開発のニーズは高く、将来の中長期的な拡大が見込める有望な市場であります。ファインケミカルズ事業領域においては、急速なデジタル技術の進歩により、次世代高速通信(5G/6G)デバイス等のデジタル機器の高機能化、AIサーバをはじめとするデータセンタ向けサーバの普及拡大及び自動車の高度電装化に伴う半導体関連部材のニーズが高まっております。また、印刷産業においては従来のアナログ印刷からデジタル化が進み、感熱顕色剤分野ではノンフェノール系の材料が求められるなど、環境対応へのニーズが高まっております。ライフサイエンス事業領域においては、革新的創薬により我が国の健康寿命の延伸に寄与するとともに、医薬品の品質確保・安定供給を通じて、国民が安心して良質な医療を受けられる社会を次世代へと引き継いでいくことが求められています。これらの実現のために、医薬品の研究・開発・製造・供給を迅速かつ安定的に行うことが期待されています。一方で、医療費等の社会保障費の増加により財政が逼迫し、薬剤費を含む医療費の抑制政策がさらに厳しさを増すとともに、持続可能な医療の実現が課題となっています。また、世界人口が増え続け、食の安全保障の重要性が叫ばれる中で、食糧の増産と農業の環境負荷低減の双方に寄与する製品が求められています。これらの実現のために、環境にやさしい優れたアグロケミカルを、その技術・サービスとともに提供し、食糧供給を支え、持続可能な農業の発展に貢献し続けることが求められています。このような状況の中、当社グループは2022年4月より開始した中期事業計画“KAYAKU Vision 2025(KV25)”が最終年度に入り、引き続き事業ごとに定めた「ありたい姿=Vision」の実現に向け、全社重要課題への取組みを進めました。 今後の当社グループを取り巻く経営環境は、地政学リスクや米国の関税引き上げ、原油価格の高騰などにより景気の下振れリスクがあります。このような状況において、当社グループは事業環境の変化に対応し、株主価値を高める経営資本の最適化を進め、グローバルな成長市場で既存ビジネスの拡大と新事業・新製品の展開を加速させ、収益の拡大を図ってまいります。セイフティシステムズ事業では、エアバッグ用インフレータ、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ及びスクイブについて、製品ラインアップの拡充と拡販に取り組み、また基盤技術である火薬を生かした新製品の研究開発に注力してまいります。ポラテクノ事業では、車載領域で求められるヘッドアップディスプレイ用遮光板、携帯型X線分析装置や電子顕微鏡などに使われるX線分析装置用部材といった特徴ある製品の開発に取り組んでまいります。機能性材料事業では次世代高速通信システム(5G/6G)、AIサーバ等のデータセンタの普及拡大や自動車の高度電装化に向けた基板及び封止用高機能樹脂、炭素繊維強化プラスチック用エポキシ樹脂、半導体用クリーナー、半導体製造装置、色素材料事業では産業用インクジェットインクをはじめイメージセンサー用材料、調光ガラス用二色性色素、触媒事業では省エネ・省資源に貢献するアクリル酸やメタクリル酸製造用高収率触媒、脱炭素・水素社会の実現に貢献するグリーン触媒といった特徴ある製品の開発に取り組んでまいります。医薬事業では、肺がんに対する抗悪性腫瘍剤「イブトロジー®」、肺がんに対するバイオ医薬品「ポートラーザ®」、血液がんに対する「ダルビアス®」、光線力学診断用剤「アラグリオ®」等の新薬の市場浸透を図ります。抗体バイオシミラーと製剤工夫した特徴のあるジェネリック医薬品を含めたがん関連領域での製品ラインアップの拡充と、安定供給、品質保証体制のさらなる強化に取り組んでまいります。アグロ事業では、海外を含めたフロメトキン製剤の販売数量拡大に注力し、新規工夫製剤・新規殺虫剤の開発、バイオスティミュラントの開発と導入に取り組んでまいります。 コーポレートガバナンス・コードへの対応をはじめ、グループ経営の強化やコンプライアンスの徹底など内部統制の充実に努め、健全で透明性・公正性の高い経営を実行してまいります。また、女性、外国人、キャリア採用者の活躍促進を含めた人材の育成・活用を推進し、多様な意見が尊重され、働きがいのある、心理的安全性の高い職場を作ってまいります。併せて、2022年4月1日に定めた日本化薬グループ人権方針に則り、全ての取引関係者とともに人権を尊重した責任あるサプライチェーンを築いてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針・経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。ただし、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略・経営指標等当社グループは、企業ビジョンとして KAYAKU spirit「最良の製品を不断の進歩と良心の結合により社会に提供し続けること」を掲げています。このビジョンのもと、2026年4月より開始した10ヶ年の長期経営計画「Evolution2035」では、当社グループのありたい姿を「KAYAKUの技術で人と地球の未来に安心・豊かさ・感動を」と定め、社会的価値と経済的価値の両立による持続可能な成長の実現を目指しています。当社グループは、コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンスを経営の基盤とするとともに、環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組みを重要な経営課題として位置付けています。日本化薬グループならではのKAYAKUの技術力と、長年にわたる事業運営を通じて蓄積してきた事業アセットに、従来の枠組みにとらわれない挑戦する企業文化を融合させることで、社会課題を解決し、安心・豊かさ・感動を生み出す製品、技術、サービスを創出し、持続的な企業価値向上を図っていきます。「Evolution2035」では、10ヶ年を3つの中期経営計画期間(Phase)に区分し、2026年度から2028年度までの3ヶ年を「Evolution2035 Phase1」と位置付けています。Phase1においては、最終年度である2028年度において、売上高3,000億円、営業利益360億円、ROE10%以上、税引後ROIC7%以上の達成を目標としています。これらの経営指標は、資本効率の向上及び持続的な成長力の強化を通じた中長期的な企業価値創造を測る重要な指標として設定しています。Phase1における全社重点施策として、「強靭な事業ポートフォリオの構築」、「KV25取組みの実績化」、「キャッシュアロケーションの最適化」、「効率とスピードを高める組織運営の進化」、「人的資本への戦略的投資」の5項目を定めています。これらの施策は、事業競争力の強化に加え、サステナビリティを意識した経営基盤の高度化を同時に実現することを目的としており、計画的に推進してまいります。特に、人的資本については、当社グループの持続的成長及び中長期的価値創造を支える最も重要な経営資源の1つと位置付けています。「人的資本への戦略的投資」においては、専門性の高度化、多様な人材の活躍推進、挑戦を促す組織風土の醸成などを通じて、従業員一人ひとりの能力及びエンゲージメントの最大化を図り、イノベーション創出力の強化につなげていきます。また、当社グループは、持続的な成長の実現に向け、研究開発投資及び成長投資を継続的かつ積極的に実施していきます。研究開発分野においては、将来を見据え、既存事業の枠組みにとらわれない新たなビジネスの創出を目的として「未来Bizセンター」を新設します。この取り組みは、技術力の進化に加え、人材の知見・創造性を結集することで中長期的な社会価値の創出を図るものです。さらに、事業ポートフォリオの一層の充実を図るため、自社技術に限定することなく、オープンイノベーション、製品導入、事業提携、M&Aなどを通じた外部経営資源の活用についても、サステナビリティの観点を踏まえた戦略的投資として積極的に検討してまいります。 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当期の世界経済は、底堅い成長を維持しているものの、ロシア・ウクライナ戦争の長期化、中東情勢の緊張、米中対立の構造化などの地政学リスクによる不透明感が続いています。モビリティ&イメージング事業領域においては、グローバルなモビリティ市場の動向に影響を受けます。EVからハイブリッドの再評価など常に状況は変化しているものの、安全性向上や快適さを追求する商品開発のニーズは高く、将来の中長期的な拡大が見込める有望な市場であります。ファインケミカルズ事業領域においては、急速なデジタル技術の進歩により、次世代高速通信(5G/6G)デバイス等のデジタル機器の高機能化、AIサーバをはじめとするデータセンタ向けサーバの普及拡大及び自動車の高度電装化に伴う半導体関連部材のニーズが高まっております。また、印刷産業においては従来のアナログ印刷からデジタル化が進み、感熱顕色剤分野ではノンフェノール系の材料が求められるなど、環境対応へのニーズが高まっております。ライフサイエンス事業領域においては、革新的創薬により我が国の健康寿命の延伸に寄与するとともに、医薬品の品質確保・安定供給を通じて、国民が安心して良質な医療を受けられる社会を次世代へと引き継いでいくことが求められています。これらの実現のために、医薬品の研究・開発・製造・供給を迅速かつ安定的に行うことが期待されています。一方で、医療費等の社会保障費の増加により財政が逼迫し、薬剤費を含む医療費の抑制政策がさらに厳しさを増すとともに、持続可能な医療の実現が課題となっています。また、世界人口が増え続け、食の安全保障の重要性が叫ばれる中で、食糧の増産と農業の環境負荷低減の双方に寄与する製品が求められています。これらの実現のために、環境にやさしい優れたアグロケミカルを、その技術・サービスとともに提供し、食糧供給を支え、持続可能な農業の発展に貢献し続けることが求められています。このような状況の中、当社グループは2022年4月より開始した中期事業計画“KAYAKU Vision 2025(KV25)”が最終年度に入り、引き続き事業ごとに定めた「ありたい姿=Vision」の実現に向け、全社重要課題への取組みを進めました。 今後の当社グループを取り巻く経営環境は、地政学リスクや米国の関税引き上げ、原油価格の高騰などにより景気の下振れリスクがあります。このような状況において、当社グループは事業環境の変化に対応し、株主価値を高める経営資本の最適化を進め、グローバルな成長市場で既存ビジネスの拡大と新事業・新製品の展開を加速させ、収益の拡大を図ってまいります。セイフティシステムズ事業では、エアバッグ用インフレータ、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ及びスクイブについて、製品ラインアップの拡充と拡販に取り組み、また基盤技術である火薬を生かした新製品の研究開発に注力してまいります。ポラテクノ事業では、車載領域で求められるヘッドアップディスプレイ用遮光板、携帯型X線分析装置や電子顕微鏡などに使われるX線分析装置用部材といった特徴ある製品の開発に取り組んでまいります。機能性材料事業では次世代高速通信システム(5G/6G)、AIサーバ等のデータセンタの普及拡大や自動車の高度電装化に向けた基板及び封止用高機能樹脂、炭素繊維強化プラスチック用エポキシ樹脂、半導体用クリーナー、半導体製造装置、色素材料事業では産業用インクジェットインクをはじめイメージセンサー用材料、調光ガラス用二色性色素、触媒事業では省エネ・省資源に貢献するアクリル酸やメタクリル酸製造用高収率触媒、脱炭素・水素社会の実現に貢献するグリーン触媒といった特徴ある製品の開発に取り組んでまいります。医薬事業では、肺がんに対する抗悪性腫瘍剤「イブトロジー®」、肺がんに対するバイオ医薬品「ポートラーザ®」、血液がんに対する「ダルビアス®」、光線力学診断用剤「アラグリオ®」等の新薬の市場浸透を図ります。抗体バイオシミラーと製剤工夫した特徴のあるジェネリック医薬品を含めたがん関連領域での製品ラインアップの拡充と、安定供給、品質保証体制のさらなる強化に取り組んでまいります。アグロ事業では、海外を含めたフロメトキン製剤の販売数量拡大に注力し、新規工夫製剤・新規殺虫剤の開発、バイオスティミュラントの開発と導入に取り組んでまいります。 コーポレートガバナンス・コードへの対応をはじめ、グループ経営の強化やコンプライアンスの徹底など内部統制の充実に努め、健全で透明性・公正性の高い経営を実行してまいります。また、女性、外国人、キャリア採用者の活躍促進を含めた人材の育成・活用を推進し、多様な意見が尊重され、働きがいのある、心理的安全性の高い職場を作ってまいります。併せて、2022年4月1日に定めた日本化薬グループ人権方針に則り、全ての取引関係者とともに人権を尊重した責任あるサプライチェーンを築いてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、その作成には経営者による会計方針の選択・適用と、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りにあたっては過去の実績などを勘案し合理的な判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性によりこれらの見積りと異なる場合があります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当社グループは2022年4月に開始した中期事業計画“KAYAKU Vision 2025(KV25)”の最終年度として、各事業において設定した「ありたい姿=Vision」の実現に向けたロードマップを着実に推進するとともに、その達成に資する全社重要課題への取り組みを進めてまいりました。 当連結会計年度の連結売上高は、モビリティ&イメージング事業領域、ファインケミカルズ事業領域、ライフサイエンス事業領域の全ての事業領域で前連結会計年度を上回り、2,418億5千1百万円と前連結会計年度に比べ192億6千6百万円(8.7%)増加しました。連結売上総利益は、728億8千万円となり、前連結会計年度に比べ13億9千8百万円(2.0%)増加しました。販売費及び一般管理費は、504億2千6百万円となり、前連結会計年度に比べ6億5千4百万円(1.3%)減少しました。連結営業利益は、224億5千4百万円となり、前連結会計年度に比べ20億5千2百万円(10.1%)増加しました。営業利益率は、前連結会計年度に比べ0.1ポイント上昇し、9.3%となりました。営業外損益は、前連結会計年度に比べ11億5千9百万円増加し、30億2千3百万円の利益となりました。主な営業外損益の増加は為替差益16億7千4百万円であります。連結経常利益は、254億7千8百万円と前連結会計年度に比べ32億1千1百万円(14.4%)増加しました。特別利益は、前連結会計年度に比べ58億2百万円増加し、96億6千1百万円となりました。主な増加は投資有価証券売却益55億8千1百万円であります。特別損失は、前連結会計年度に比べ25億7千1百万円減少し、15億4千6百万円となりました。主な減少は、投資有価証券評価損23億2千1百万円であります。税金等調整前当期純利益は、335億9千2百万円と前連結会計年度と比べ115億8千5百万円(52.6%)増加しました。法人税等は、前連結会計年度に比べ44億5千2百万円増加し、88億8千万円となりました。法人税等の負担率は、前連結会計年度の20.12%から26.44%に増加しました。非支配株主に帰属する当期純利益は、7千万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、246億4千1百万円となり、前連結会計年度と比べ71億3千2百万円(40.7%)増加しました。 経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 セグメントの業績は次のとおりであります。①モビリティ&イメージング事業領域売上高は947億1千4百万円となり、前連結会計年度に比べ33億3千8百万円(3.7%)増加しました。セイフティシステムズ事業は、一部に米国関税政策の影響はあったものの、国内外ともに総じて自動車生産は堅調に推移し、特に中国では前期に引き続き補助金や様々なインセンティブに支えられ、中国ローカルメーカー向けが好調に推移しました。これにより、エアバッグ用インフレータ、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ、スクイブが前期を上回りました。この結果、セイフティシステムズ事業全体としては前期を上回りました。ポラテクノ事業は、ヘッドアップディスプレイ用遮光板が伸長したものの、液晶プロジェクター用部材が前期を下回り、X線分析装置用部材は主要顧客の在庫調整を受け、前期を下回りました。偏光板はほぼ前期並みでした。この結果、ポラテクノ事業全体としては前期を下回りました。セグメント利益は、製品への価格転嫁は進めたものの原材料高騰の影響が大きく、106億5千4百万円となり、前連結会計年度に比べ26億5千7百万円(20.0%)減少しました。②ファインケミカルズ事業領域売上高は741億4千2百万円となり、前連結会計年度に比べ79億3千5百万円(12.0%)増加しました。機能性材料事業は、AI・ハイエンドサーバをはじめとした先端分野の半導体市況の拡大に加え、汎用分野の半導体市況も回復基調にあったことから、各製品群が堅調に推移し、機能性材料事業全体で前期を上回りました。色素材料事業は、感熱顕色剤が主に米国市場の規制強化を背景としたノンフェノール化により堅調に推移し、新製品の二色性色素の販売を開始したものの、コンシューマインクジェットプリンタ用色素が前期を下回ったため、色素材料事業全体で前期を下回りました。 触媒事業は第3四半期までは低調であったものの第4四半期は堅調であったことから前期を上回りました。セグメント利益は、売上高が増加したことにより、119億2千9百万円となり、前連結会計年度に比べ20億3千万円(20.5%)増加しました。③ライフサイエンス事業領域売上高は729億9千4百万円となり、前連結会計年度に比べ79億9千2百万円(12.3%)増加しました。医薬事業の国内向け製剤は、新薬抗悪性腫瘍剤「イブトロジー®」及びジェネリック医薬品「レナリドミドカプセル」、「アビラテロン酢酸エステル錠」を新発売しました。抗体バイオシミラー「アダリムマブBS」及び「ベバシズマブBS」の市場浸透が進み、前期を下回った国内向け原薬、輸出、受託事業及び診断薬をカバーし、医薬事業全体としては前期を上回りました。アグロ事業は、国内は農業資材の原価増加が売価に反映され、売上は維持、海外は販売の主力であるフロメトキンが順調に推移し、前期を上回りました。不動産事業は、前期並みとなりました。セグメント利益は、96億8千万円となり、前連結会計年度に比べ、33億2千6百万円(52.3%)増加しました。 (生産、受注及び販売の状況)a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)モビリティ&イメージング事業領域93,674106.0ファインケミカルズ事業領域54,32495.8ライフサイエンス事業領域64,079196.1合計212,078119.3 (注) 生産金額は販売価格をもって算出しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b. 受注状況当社グループ(当社及び連結子会社)では、受注生産によらず見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)モビリティ&イメージング事業領域94,714103.7ファインケミカルズ事業領域74,142112.0ライフサイエンス事業領域72,994112.3合計241,851108.7 (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 (中期事業計画の成果)4ヵ年中期事業計画KV25の最終年度となる当連結会計年度は、売上高は2,418億円、営業利益は224億円となり、売上高は計画を上回り過去最高を更新しましたが、営業利益は計画を下回りました。新中期経営計画Evolution2035 Phase1では事業ポートフォリオの再構築、キャッシュアロケーションの最適化を全社重点施策に掲げ、収益性の改善に取り組んでまいります。 4ヵ年中期事業計画KV25の成果は以下のとおりであります。(単位:億円) 3期前連結会計年度前々連結会計年度前連結会計年度当連結会計年度(第1年度)(第2年度)(第3年度)(第4年度)計画実績計画実績計画実績計画実績計画比計画(%)連結売上高1,9681,9832,0702,0172,1602,2252,3002,418119105.2連結営業利益18421520073225204265224△4084.7 (2) 財政状態総資産は3,987億3千6百万円となり、前期末に比べ250億2千7百万円増加しました。主な増加は商品及び製品83億7百万円、原材料及び貯蔵品44億4千4百万円、機械装置及び運搬具(純額)43億1千1百万円、長期前払費用42億1千4百万円、建物及び構築物(純額)37億4千5百万円、売掛金35億5千9百万円、建設仮勘定24億9千3百万円であり、主な減少は現金及び預金53億9千2百万円、投資有価証券47億9千2百万円であります。負債は1,186億3千1百万円となり、前期末に比べ134億4千3百万円増加しました。主な増加は支払手形及び買掛金43億5千6百万円、未払法人税等40億9千6百万円、短期借入金38億円、長期借入金32億8千7百万円であり、主な減少は未払金24億5千5百万円であります。純資産は2,801億4百万円となり、前期末に比べ115億8千3百万円増加しました。主な増加は為替換算調整勘定144億2千4百万円、利益剰余金76億8百万円であり、主な減少は自己株式99億7千5百万円であります。セグメントの財政状態は次のとおりであります。①モビリティ&イメージング事業領域セグメント資産は、売掛金、建設仮勘定、原材料及び貯蔵品、商品及び製品の増加により1,441億8千8百万円となり、前期に比べ133億8千8百万円増加しました。②ファインケミカルズ事業領域セグメント資産は、機械装置及び運搬具(純額)、売掛金の増加により970億2千1百万円となり、前期に比べ25億2千4百万円増加しました。③ライフサイエンス事業領域セグメント資産は、商品及び製品、長期前払費用、建設仮勘定の増加により1,041億1百万円となり、前期に比べ173億8千1百万円増加しました。 (3) キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、287億8千4百万円の収入(前期は255億3千万円の収入)となりました。これは主に棚卸資産の増加が96億3千万円あったものの、税金等調整前当期純利益が335億9千2百万円、減価償却費が156億1千8百万円あったことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、171億8千4百万円の支出(前期は273億1千3百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入が132億9千7百万円あったものの、有形固定資産の取得による支出が244億9千8百万円あったことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、202億3千5百万円の支出(前期は47億5千6百万円の支出)となりました。これは主に長期借入れによる収入が150億円あったものの、自己株式の取得による支出が165億8千1百万円、配当金の支払額が105億5千9百万円、長期借入金の返済による支出が87億1千2百万円あったことによるものです。以上の結果、当期における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べ45億5千7百万円減少し、533億6千8百万円となりました。 (資本の財源及び資金の流動性)当社グループの財務戦略は、経営目標・事業戦略に基づいて策定しており、事業が将来にわたり持続的に成長できる強い財務基盤を維持することを基本方針としております。資本コストを考慮しながら投資に必要な資金調達を行い、安定的な自己資本比率となる最適な財政状態を常に意識した財務活動を行います。企業ビジョンを実現するため、市場ニーズを的確に捉え、経営資本を投入する事業・製品領域を明確化し、グローバルな成長市場で既存ビジネスの拡大と新事業・新製品の展開を加速させ、企業価値の向上を図ってまいります。また、サステナビリティ経営の観点から特定した重要課題(マテリアリティ)のもと、持続可能な開発目標(SDGs)を意識した運営を行い、全てのステークホルダーの満足を高め信頼される会社を目指します。なお、今後の資本的支出の内容は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 原材料の調達リスク:国家間紛争、政府方針の変更、感染症、異常気象、為替変動などにより、原材料の供給が途絶えたり、価格が高騰したりする可能性があります。特にセイフティシステムズ事業では、部品供給の途絶が自動車製造会社の生産停止につながる恐れがあり、ファインケミカルズ事業では、主要原材料の高騰が利益を圧迫する可能性があります。
  • 製品の品質に係るリスク:製品の品質不良が発生した場合、法令に基づく製品回収や工場の操業停止、製造物責任(PL)法に基づく損害賠償が発生する可能性があります。特にセイフティシステムズ事業では、自動車の安全に関わる部品のため、不作動や誤作動が重大な事故につながる恐れがあり、医薬事業では、健康被害が発生するリスクがあります。
  • 事業環境の変化に係るリスク:景気変動、貿易摩擦の激化、地政学リスク、競合との競争激化などにより、収益が低下する可能性があります。特にセイフティシステムズ事業では、自動車関税の変更が消費者の購買意欲を低下させ、自動車販売数の減少につながる恐れがあります。医薬事業では、社会保障費の増大に伴う薬価抑制が利益に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,845 文字
3 【事業等のリスク】(1) リスクマネジメントの考え方企業を取り巻く事業環境は日々変化しており、複雑かつ不確実性が高まる中、多種多様なリスクに直面しています。日本化薬グループは生産体制の維持、原材料の適正確保、災害対策の強化により事業継続性を確保することで、事業に関わる様々なリスクの顕在化を未然に防止し、リスクによる影響の最小化を図ります。 (2) リスクマネジメント体制日本化薬グループは、リスクの顕在化を未然に防止し、リスクによる影響を最小化するためにサステナブル経営会議の専門委員会として「危機管理委員会」を設置し、年2回(必要があれば随時)開催しています。危機管理委員会は、社長の指名を受けた役付執行役員を委員長とし、各事業領域企画部及び事業領域に属さない一般管理部門の各部の代表者から構成され、日本化薬グループの企業経営、事業活動が甚大な損害を受けるリスクの未然防止、緊急事態発生時の対応、収束後のダメージ修復活動などの危機管理体制を構築・管理しています。危機管理委員会で議論された内容のうち、重要な事項はサステナブル経営会議及び取締役会に報告されフィードバックを受けています。 (3) グループ重要リスク有価証券報告書に記載した事業の状況及び経理の状況等のうち、連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があると経営者が認識する主要なリスクは、以下のとおりです。各リスクについては、影響度及び発生頻度を「大・中・小」の3段階で評価しています。なお、本記載は全てのリスクを網羅するものではなく、記載された項目以外のリスクについても、将来的に当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これらは当連結会計年度末時点において当社グループが重要と判断したものであり、リスクの変化に応じて適宜見直しを行っています。将来に関する事項は、同時点における判断に基づいています。 主要リスクリスク内容対応方針影響度発生可能性サプライチェーンリスク原材料調達の停滞、物流の混乱、特定サプライヤーへの依存により供給が不安定化する。調達先の多元化、在庫の最適化、サプライヤーリスク評価の強化により供給安定性を確保する。高高競合リスク国内外競合との価格競争及び技術競争の激化により収益性が低下する。差別化製品の開発、コスト競争力の強化、事業の選択と集中により競争優位性を確立する。高高研究開発リスク研究開発投資が期待通りの成果を創出できない、又は市場投入が遅延する。開発テーマの選択と集中、ステージゲート管理の徹底、外部連携の推進により開発効率を高める。高高市場ニーズの変化技術革新や顧客ニーズの変化により既存製品の競争力が低下し、需要が減少する。顧客の潜在ニーズも踏まえた開発の強化、環境・高機能材料分野への重点投資により製品競争力を維持・向上させる。高中為替リスク為替相場の変動により、海外売上の円換算額や輸入原材料コストが変動し、業績に影響を及ぼす。通貨分散、海外現地生産の推進による自然ヘッジ、価格・コスト管理により影響を抑制する。中高景気リスク世界経済や特定市場(自動車・半導体等)の変動により需要が減少し、売上低下及び収益悪化を招く可能性がある。事業ポートフォリオの多様化、成長分野への資源配分、固定費構造の最適化により景気変動耐性を高める。中高災害リスク地震・火災・事故等により生産拠点の操業停止や供給断絶が発生し、顧客供給及び収益に影響を及ぼす。BCPの高度化、複数拠点生産体制の構築、安全設備の強化及び定期的な訓練の実施により影響最小化を図る。中高地政学リスク国際紛争、貿易規制、経済制裁等により原材料調達及び製品の輸出入が制約される。調達先・販売先の分散、在庫戦略の見直し、各国規制のモニタリング強化により影響を抑制する。中高知財リスク特許侵害や訴訟、技術流出により、競争優位性の低下を招く可能性がある。知財ポートフォリオの強化、他社特許調査の徹底、機密情報管理の高度化によりリスクを低減する。中高 当社グループでは、財務的影響の観点に加え、環境・社会に対する影響の重要性の観点からリスク及び機会の識別を行っております。非財務領域に関する重要なリスクについては、見直しを行ったマテリアリティにおいて体系的に整理しており、その内容及び対応方針については、「サステナビリティに関する考え方及び取組」などに記載しています。

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