4406

新日本理化(4406)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 天然油脂製品事業
    新日本理化グループは、天然油脂を主原料とした脂肪酸、高級アルコール、界面活性剤などを製造・販売しています。これらの製品は、洗剤や化粧品、医薬品など、私たちの身近な製品の原料として幅広く使われています。自社工場だけでなく、関連会社での製造や市場からの仕入れも行い、多様な製品供給体制を構築しています。
  • 石油化学製品事業
    可塑剤、機能製品、樹脂添加剤といった石油化学製品も手掛けています。これらはプラスチック製品の柔軟性を高めたり、特定の機能を持たせたり、劣化を防いだりするために使われる重要な材料です。天然油脂製品と同様に、自社製造と市場からの仕入れを組み合わせ、顧客のニーズに応えています。
  • 多角的な供給体制
    当社グループは、自社工場(新日本理化、日新理化、日東化成工業)での製造に加え、関連会社(Edenor Oleochemicals Rika (M) Sdn.Bhd.など)からの仕入れ、さらには市場からの調達も活用しています。これにより、安定した製品供給と多様な顧客要求への対応を可能にし、事業の安定性を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 化学製品事業
    新日本理化グループの主要事業であり、天然油脂由来の製品(脂肪酸、高級アルコール、界面活性剤など)と石油化学由来の製品(可塑剤、機能製品、樹脂添加剤など)の製造・販売を行っています。このセグメントはグループ全体の売上高の大部分を占める基幹事業です。
  • 売上規模と収益性
    最新年度の化学製品事業の売上高は251億3,600万円ですが、営業利益はマイナス4億1,700万円と赤字を計上しています。これは、原材料価格の高騰や物流コストの増加など、外部環境の変化が収益に大きく影響している可能性を示唆しています。
  • 事業の多角性と課題
    天然油脂と石油化学の両方を扱うことで、幅広い産業分野に製品を提供していますが、現状では収益性に課題を抱えています。原材料価格の変動や物流費用の増加といったリスク要因への対応が、今後の収益改善の鍵となります。
FY2017 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ChemicalProducts 事業 251 -4 -1.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|383 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社6社及び関連会社3社で構成されており、その主な事業内容と当該事業における当社、子会社及び関連会社の位置づけは次のとおりであります。 天然油脂を主たる原料とする主な製品は脂肪酸、高級アルコール、不飽和アルコール、界面活性剤等であり、当社及び子会社である日新理化㈱、日東化成工業㈱で製造し、当社が販売するほか、関連会社であるEdenor Oleochemicals Rika (M) Sdn.Bhd.等で製造し、その一部を当社が仕入れて販売しております。また、一部は市場より仕入れて当社が販売しております。 石油化学製品を主たる原料とする主な製品は可塑剤、機能製品、樹脂添加剤等であり、当社及び子会社である日新理化㈱で製造し、当社が販売するほか、一部は市場より仕入れて販売しております。 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料価格変動に対し、製品販売価格への転嫁等の対策をとっているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
Only Oneの技術・製品の開発、有機EL用材料向けの特殊酸二無水物など特殊な製品を開発。
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
会社が挙げる主要リスク:原材料の価格変動 / 原材料の調達 / 為替相場の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

新日本理化は特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、または規制ライセンスによる明確な無形資産の優位性を示唆する情報は公開情報からは確認できない。事業内容は油脂化学製品や機能性化学品が中心であり、これらは一般的に模倣が比較的容易な分野である。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

一部の特殊化学品や顧客仕様に合わせた製品開発においては、顧客との関係性が深く、仕様変更に伴うコストやリスクから乗り換えが抑制される可能性はわずかに存在する。しかし、汎用的な油脂化学製品においてはスイッチングコストは低いと考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

新日本理化の事業モデルは、製品の利用者が増えることでその価値が増大するようなネットワーク効果を生み出す構造にはない。化学製品のサプライヤーとしてのビジネスであり、プラットフォーム型ビジネスとは根本的に異なる。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業運営で培われた製造ノウハウや、一部原料の調達における交渉力により、同業他社と比較してわずかなコスト優位性を持つ可能性はある。しかし、規模の経済や技術革新による圧倒的なコストリーダーシップは示されていない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

油脂化学や機能性化学品分野において、一定の事業規模を有しているが、業界全体を寡占するほどの圧倒的なシェアや規模の経済による優位性は限定的である。グローバルな大手化学メーカーと比較すると規模は小さい。

  • 天然油脂の専門性
    長年にわたり天然油脂を主原料とした製品開発・製造を行っており、この分野における深い知見と技術力が強みです。脂肪酸や高級アルコールといった基礎化学品から、界面活性剤などの高機能製品まで、幅広い製品ラインナップを有し、多様な産業分野のニーズに対応できる点が競争優位に繋がっています。
  • 製造・販売の一貫体制
    自社および子会社で製品を製造し、当社が販売までを一貫して行う体制を構築しています。これにより、製品の品質管理を徹底しやすく、顧客への安定供給を実現しています。また、関連会社や市場からの仕入れも活用することで、供給リスクを分散し、柔軟な生産・販売戦略を可能にしています。
  • 多岐にわたる製品展開
    天然油脂由来の製品と石油化学由来の製品の両方を手掛けている点が特徴です。これにより、異なる産業分野の顧客にアプローチでき、特定の市場変動リスクを分散する効果も期待できます。可塑剤や機能製品、樹脂添加剤など、幅広い用途に対応する製品群が事業の安定性を支えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営理念及び経営ビジョン 経営理念:私たち新日本理化グループは、もの創りを通して広く社会の発展に貢献します。 2030年の経営ビジョン:Be the best SPICE!~心躍る極上のスパイスになる~ 当社は、1919年の創業からこれまで、上記経営理念のもと着実に事業を継続してまいりました。そして2030年のありたい姿を示すものとして、ビジョン2030「Be the best SPICE!~心躍る極上のスパイスになる~」を策定しております。 当社が創るものは、社会の様々なシーンを支える、キラリと光る唯一無二の特性をもった素材です。それらの素材は、当社自身が、多様な価値観を活かす、精鋭の集まりであってこそ生み出されるものだと考えております。当社の一人ひとりが、スパイスのようにお互いを引き立て合い、そして人々の心を躍らせるようなスパイスを提供する企業となること、それが2030年に向けて、当社が目指す姿です。 (2)経営環境 当社を取り巻く環境は、生成AIの普及に伴う半導体材料需要の拡大など一部に堅調さが見られるものの、ナフサ価格の高騰や中国経済の減速に伴う末端需要の停滞、さらには海外メーカーからの廉価品の流入激化など、当社の主力を占める汎用製品分野を中心に厳しい事業環境が続いております。 このような変化の激しい外部環境に適応し、持続的な成長を実現するためには、激化する市場競争に左右されない構造改革が不可欠であると認識しております。 (3)中期経営計画の策定と基本方針 当社は、前中期経営計画(2021年度~2025年度)では事業撤退や拠点集約等の合理化と高付加価値化により収益構造は改善したものの、地政学リスク等に伴う原料高騰を補えず、当初目標とした収益水準の達成には至りませんでした。この結果を真摯に受け止め、2026年度からの5ヵ年を「構造改革」期とする新中期経営計画を策定いたしました。 <中期経営計画の基本方針>「社会(お客様)の満足を超えた感動を生み出す機能を提供できる、もの創りの会社でありつづける」のもと、以下3つの成長戦略を断行してまいります。 <中期経営計画の事業戦略骨子> ①稼ぐ力の再構築 2.0 ②筋肉質な経営基盤の構築 ③無形資産(知的財産・人財)の戦略的活用 <経営目標(連結)> 2030年度目標売上高350億円営業利益17.5億円 <対処すべき課題>①稼ぐ力の再構築 2.0 高度情報化(デジタル)領域や環境調和(グリーン)領域といった次世代成長市場において、営業が潜在ニーズを捉え研究開発へ繋ぎ、当社のコア技術と社外知見を掛け合わせることで高付加価値製品の早期事業化を進めてまいります。 また、開発製品を再び営業が「ソリューション」として市場へ展開し部門間連携による市場開拓のサイクルを回すことで、ファインケミカル主導の高収益体質を完成させてまいります。 ②筋肉質な経営基盤の構築 低採算事業の聖域なきスクラップにより利益体質を改善し、創出したリソースを成長領域へ集中させてまいります。 また、全社バリューチェーンのデジタル化による業務効率化と高付加価値業務へのシフト、さらに、原料調達網の分散化等でサプライチェーンを強靭化し、いかなる外部環境の変化にも揺るがない「強靭な収益基盤」を確立してまいります。 ③無形資産(知的財産・人財)の戦略的活用 持続的成長の源泉として知的財産と人財への投資を強化してまいります。自社技術の防衛と特許情報を起点にした「ミライづくり」の両輪で知的財産の利益化を推進し、競争優位性を強固にしてまいります。 また、人財投資では、新人事制度の運用を定着させることで、変化を恐れずに挑む「挑戦型人財」を継続的に輩出し、多様な人財が活躍できる組織風土を醸成し、個人の成長を企業の価値向上へと直結させてまいります。 当社グループは経営理念「もの創りを通して広く社会の発展に貢献します」のもと、事業を通じた社会価値の創造を目指します。2050年度のカーボンニュートラル達成に向けた環境対応や、人権・環境に配慮したCSR調達を進めることで、持続可能な社会と当社グループの持続的な成長を実現してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営理念及び経営ビジョン 経営理念:私たち新日本理化グループは、もの創りを通して広く社会の発展に貢献します。 2030年の経営ビジョン:Be the best SPICE!~心躍る極上のスパイスになる~ 当社は、1919年の創業からこれまで、上記経営理念のもと着実に事業を継続してまいりました。そして2030年のありたい姿を示すものとして、ビジョン2030「Be the best SPICE!~心躍る極上のスパイスになる~」を策定しております。 当社が創るものは、社会の様々なシーンを支える、キラリと光る唯一無二の特性をもった素材です。それらの素材は、当社自身が、多様な価値観を活かす、精鋭の集まりであってこそ生み出されるものだと考えております。当社の一人ひとりが、スパイスのようにお互いを引き立て合い、そして人々の心を躍らせるようなスパイスを提供する企業となること、それが2030年に向けて、当社が目指す姿です。 (2)経営環境 当社を取り巻く環境は、生成AIの普及に伴う半導体材料需要の拡大など一部に堅調さが見られるものの、ナフサ価格の高騰や中国経済の減速に伴う末端需要の停滞、さらには海外メーカーからの廉価品の流入激化など、当社の主力を占める汎用製品分野を中心に厳しい事業環境が続いております。 このような変化の激しい外部環境に適応し、持続的な成長を実現するためには、激化する市場競争に左右されない構造改革が不可欠であると認識しております。 (3)中期経営計画の策定と基本方針 当社は、前中期経営計画(2021年度~2025年度)では事業撤退や拠点集約等の合理化と高付加価値化により収益構造は改善したものの、地政学リスク等に伴う原料高騰を補えず、当初目標とした収益水準の達成には至りませんでした。この結果を真摯に受け止め、2026年度からの5ヵ年を「構造改革」期とする新中期経営計画を策定いたしました。 <中期経営計画の基本方針>「社会(お客様)の満足を超えた感動を生み出す機能を提供できる、もの創りの会社でありつづける」のもと、以下3つの成長戦略を断行してまいります。 <中期経営計画の事業戦略骨子> ①稼ぐ力の再構築 2.0 ②筋肉質な経営基盤の構築 ③無形資産(知的財産・人財)の戦略的活用 <経営目標(連結)> 2030年度目標売上高350億円営業利益17.5億円 <対処すべき課題>①稼ぐ力の再構築 2.0 高度情報化(デジタル)領域や環境調和(グリーン)領域といった次世代成長市場において、営業が潜在ニーズを捉え研究開発へ繋ぎ、当社のコア技術と社外知見を掛け合わせることで高付加価値製品の早期事業化を進めてまいります。 また、開発製品を再び営業が「ソリューション」として市場へ展開し部門間連携による市場開拓のサイクルを回すことで、ファインケミカル主導の高収益体質を完成させてまいります。 ②筋肉質な経営基盤の構築 低採算事業の聖域なきスクラップにより利益体質を改善し、創出したリソースを成長領域へ集中させてまいります。 また、全社バリューチェーンのデジタル化による業務効率化と高付加価値業務へのシフト、さらに、原料調達網の分散化等でサプライチェーンを強靭化し、いかなる外部環境の変化にも揺るがない「強靭な収益基盤」を確立してまいります。 ③無形資産(知的財産・人財)の戦略的活用 持続的成長の源泉として知的財産と人財への投資を強化してまいります。自社技術の防衛と特許情報を起点にした「ミライづくり」の両輪で知的財産の利益化を推進し、競争優位性を強固にしてまいります。 また、人財投資では、新人事制度の運用を定着させることで、変化を恐れずに挑む「挑戦型人財」を継続的に輩出し、多様な人財が活躍できる組織風土を醸成し、個人の成長を企業の価値向上へと直結させてまいります。 当社グループは経営理念「もの創りを通して広く社会の発展に貢献します」のもと、事業を通じた社会価値の創造を目指します。2050年度のカーボンニュートラル達成に向けた環境対応や、人権・環境に配慮したCSR調達を進めることで、持続可能な社会と当社グループの持続的な成長を実現してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済におきましては、米国経済の堅調さが維持された一方、中国の不動産不況や欧州の製造業停滞など、地域間での景況感の格差が鮮明となりました。わが国経済におきましては、トランプ関税によるマイナス効果や物価上昇さらには人手不足による供給制約が見られたものの、継続的な賃上げによる所得環境の改善や個人消費の持ち直しにより、緩やかな回復基調で推移いたしました。 化学業界におきましては、生成AIの普及に伴う半導体材料需要の拡大が見られた一方、ナフサ価格の高騰や、中国市場の需要停滞による汎用製品の市況悪化が、収益を圧迫する要因となりました。 このような環境のなか、中期経営計画(2021年度~2025年度)の最終年度として、「もの創り力の向上」と「事業ポートフォリオの組換え」を加速してまいりました。「もの創り力の向上」におきましては、重要品目の複数購買化やサプライチェーンの見直しを推進し、地政学リスク等に伴う調達不安への耐性を強化いたしました。また、設備・運転情報のデジタル化により、安定生産を阻害する要因の排除に努めるとともに、ビッグデータの活用により異常を早期に発見し、対策を講じることで、生産性の維持・向上を図ってまいりました。「事業ポートフォリオの組換え」におきましては、前連結会計年度において、堺工場の酸無水物及び可塑剤製品の生産終了を決定し、当連結会計年度においては、経営資源の最適化及び生産効率の向上をさらに推し進めるべく、同工場を閉鎖することを決定し、閉鎖に付随して発生する諸費用等について損失を計上しました。一方で、成長分野への注力として、樹脂成型における生産効率向上に寄与する「RiKACRYSTA®(リカクリスタ)」の自動車部品での採用の他、脱炭素社会の実現に向け、バイオマス由来原料を活用した「RiKANATURA®(リカナチュラ)シリーズ」や「グリーンサイザー®シリーズ」等の新製品開発及び市場展開を積極的に推進いたしました。 しかしながら、上期はトランプ関税による自動車産業向け製品の販売が減少しました。当社の収益基盤である汎用製品分野におきましては、海外メーカーによる廉価品の流入が激化しており、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度を下回る厳しい決算となりました。 この結果、2024年6月に修正公表した中期経営計画の目標(営業利益8億円)に対し、前連結会計年度はこれを上回る実績を上げましたが、当連結会計年度におきましては、当社グループの売上高は321億5百万円(前期比1.8%減)となり、損益面では、営業利益5億7千6百万円(前期比30.5%減)、経常利益5億4千7百万円(前期比54.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益5億9千7百万円(前期比14.5%増)となりました。 当連結会計年度における主要製品の概況は次のとおりであります。 トイレタリー向け界面活性剤におきましては、パーソナルケア製品の高付加価値化が進み、これに伴う高機能原料の需要が堅調に推移しております。一方で、主力の汎用品においては、アジア地域から流入する廉価品との競合により数量は前年を下回ったものの、原料価格高騰に伴う価格改定を進めた結果、売上高は前年を上回りました。市場全体として需給の緩和が続いており、総じて厳しい事業環境で推移いたしました。 主に床材や壁紙、電線被覆材などの建築部材に使用される汎用可塑剤は、住宅着工の低迷や建設コスト上昇の影響に加え、海外からの廉価品の流入により競争環境が悪化し、数量、売上高ともに前年を下回りました。一方で、高耐熱・高耐候といった機能性可塑剤については、用途の高度化を背景に需要が堅調に推移し、全体の下支え要因となっております。 自動車産業向け製品は、海外向けを中心とした需要構造の中で、上期に影響を受けたトランプ関税による販売減少が一巡し、下期においては受注が回復基調となりましたが、数量、売上高ともに前年を下回りました。電子材料向け製品については、中国経済の減速により末端需要が低迷したことから数量は前年を下回りましたが、価格転嫁、高付加価値製品の販売により、売上高は前年を上回りました。 当連結会計年度末の総資産は前期末比7.5%増、金額で28億2千6百万円増加の403億4千5百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ27億5千2百万円増加し、55億3千2百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、資金は16億4千3百万円増加(前期は2億2千4百万円減少)しました。これは主に、税金等調整前当期純利益6億7千9百万円及び減価償却費7億5千5百万円によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、資金は5億1百万円増加(前期は1億7千4百万円減少)しました。これは主に、投資有価証券の売却による収入9億4千2百万円及び有形固定資産の取得による支出3億2千2百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、資金は6千4百万円減少(前期は5億1千3百万円減少)しました。これは主に、長期借入金の純増1億4千9百万円及び配当金の支払額1億4千9百万円によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の状況1)生産実績 当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。生産量(トン)前年同期比(%)54,47795.1 2)受注状況 当社グループ(当社及び連結子会社)は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。 3)販売実績 当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。販売高(百万円)前年同期比(%)32,10598.2(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)昭和化成工業(株)3,42210.5-- 主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。また、当連結会計年度の昭和化成工業㈱に対する販売実績は、総販売実績の10%未満のため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の売上高は、前期比1.8%減、金額で5億9千8百万円減少の321億5百万円となりました。これは主に、高耐候性可塑剤や医療用原料などの高機能製品が販売数量を伸ばしたものの、汎用品は安価な海外品との価格競争激化などにより販売数量が減少したためであります。 営業利益は前期比30.5%減、金額で2億5千2百万円減少の5億7千6百万円となりました。これは主に、生産・設備保全・品質管理体制の見直しによる生産ロス低減によるものであります。 受取配当金、支払利息等の営業外損益を加えた経常利益は前期比54.2%減、金額で6億4千8百万円減少の5億4千7百万円となり、投資有価証券売却益や法人税等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比14.5%増、金額で7千5百万円増加の5億9千7百万円となりました。 当連結会計年度末の総資産は前期末比7.5%増、金額で28億2千6百万円増加の403億4千5百万円となりました。 流動資産につきましては、現金及び預金が増加したことなどにより前期末比14.2%増、金額で24億9千9百万円増加の200億8千4百万円となりました。固定資産につきましては、一部株式を売却したものの、投資有価証券の時価が上昇したことなどにより前期末比1.6%増、金額で3億2千6百万円増加の202億6千万円となりました。 流動負債につきましては、資産除去債務が増加したことなどにより前期末比13.4%増、金額で12億1千5百万円増加の102億9千2百万円となりました。固定負債につきましては、資産除去債務を流動負債に振り替えたことなどにより前期末比4.0%減、金額で3億8千万円減少の90億6千5百万円となりました。 純資産につきましては、利益剰余金及びその他有価証券評価差額金が増加したことなどにより前期末比10.5%増、金額で19億9千1百万円増加の209億8千7百万円となりました。 この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は48.9%となりました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金及び設備資金を内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入金による資金調達につきましては、運転資金は短期借入金で、設備資金などの長期資金は長期借入金で調達しております。 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は74億2百万円となっております。 また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は55億3千2百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されています。 連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断の下、一定の前提条件に基づく見積りが必要となる場合がありますが、この前提条件の置き方などにより、連結貸借対照表上の資産及び負債、連結損益計算書上の収益及び費用などに重要な影響を及ぼすことがあります。 なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 原材料価格の変動リスク
    天然油脂原料は気候変動やバイオ燃料需要、石化原料は原油価格や国際情勢に影響され、購入価格が大きく変動する可能性があります。これらの価格変動が製品販売価格に十分に転嫁できない場合、利益が圧迫され、業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。製品価格への転嫁や為替予約でリスク低減を図っています。
  • 原材料調達の安定性リスク
    主要原材料の供給元で自然災害、事故、品質不良が発生した場合、製品の安定生産が困難になる可能性があります。これにより、顧客への供給が滞り、売上減少や信頼失墜に繋がる恐れがあります。調達先の多様化を図ることで、特定の供給元への依存度を下げ、安定的な調達を確保するよう努めています。
  • 物流コスト増加と確保難
    人手不足などを背景に物流費用が増加しており、最適な物流手段の確保が困難になるリスクがあります。これは製品の輸送コスト上昇に直結し、利益を圧迫する可能性があります。また、物流の遅延は顧客への供給に影響を与え、事業活動に支障をきたす恐れがあります。国内外の幅広い物流手段を活用し、最適化に努めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,928 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)原材料の価格変動 当社グループの主要原材料である油脂原料及び石化原料の購入価格は、国内外の市況の変動の影響を受けます。植物系油脂原料の購入価格は、気候変動による不作やバイオ燃料需要の拡大により上昇する可能性があります。また、石化原料の購入価格は、原油・ナフサの国際市況の影響を受けます。原油価格は、国際的な需給バランスに加え、中東等の産油国の情勢や先物市場での投機的な要因により変動する可能性があります。これらの原材料価格が大幅に変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、製品販売価格への転嫁等の対策をとっております。 (2)原材料の調達 当社グループが調達する原材料の供給元において、自然災害や事故等による製品供給の停止や遅れ、品質不良が発生した場合、当社製品の安定生産が困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、品質・コストを踏まえ調達先の多様化を図るなど安定的な調達に努めております。 (3)為替相場の変動 為替相場の変動により輸入原材料価格が大幅に変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、必要な範囲で為替予約を行うなどの対策をとっております。 (4)物流の確保 当社グループの製品輸送に関し、人手不足等を背景に物流費用の増加が顕著であることから、最適な物流手段の確保が困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、国内外の海運及び国内陸送等の幅広い物流手段を活用しており、コスト・時間・品質面での最適化に努めております。 (5)自然災害、事故災害 当社グループの工場において大規模な自然災害や事故災害が発生した場合、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償に加え、近隣地域への損害賠償や社会的信用の失墜に見舞われることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、災害に備えた教育訓練の実施や製造設備の定期保全、損害保険への加入等の対策をとっております。 (6)製品の品質 当社グループの製品に予期しない欠陥が生じる等の重大な品質問題が発生した場合、製品回収や顧客への損害賠償を行うことにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、品質マネジメントシステムに基づく品質保証体制の強化のほか、製造物賠償責任保険を付保する等の対策をとっております。 (7)知的財産 当社グループの予期しない事情により第三者との間で知的財産に関する紛争が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、開発した技術を早期に権利化するほか、第三者が保有する知的財産権を十分に調査することにより、第三者の権利を侵害することがないよう努めております。 (8)人材の確保 日本国内の労働者人口の減少や価値観の変化により、優秀な人材の採用及び維持が困難となった場合、人材不足により事業運営に支障をきたすことにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、採用方法及び雇用形態の多様化や働きやすい環境の整備のほか、デジタル技術を活用した技能伝承を進めるなど人材の確保に努めております。 (9)サイバー攻撃、システム障害 当社グループは、生産、物流、販売等の業務において各種情報システムやネットワークを利用しており、また、機密情報や個人情報を保有しております。これらが、悪意ある第三者からのサイバー攻撃(ランサムウェアや不正アクセス等)やコンピューターウイルスの感染、または予期せぬ機器の故障や災害等により停止・誤作動を起こした場合、あるいは重大な情報漏洩が発生した場合、操業停止による機会損失、復旧費用の発生、社会的信用の失墜や顧客への損害賠償等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、セキュリティ対策の強化、データの定期的なバックアップの取得、従業員へのセキュリティ教育の徹底、及び万一のシステム障害発生時に備えた緊急時対応計画の整備等の対策を進めております。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が 新日本理化 の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →