事業の概要
- クラウドERPサービス提供freeeは、個人事業主や従業員1,000名以下の中小企業向けに、会計・人事労務などのバックオフィス業務を効率化するクラウド型ERPサービスを提供しています。インターネット経由で利用できるため、ソフトウェアのインストールは不要で、初期費用やメンテナンスの手間を削減できます。これにより、スモールビジネスの生産性向上と経営改善を支援し、利用料を収益としています。
- サブスクリプションモデル主な収益源は、クラウドサービスの月額または年額の利用料(サブスクリプション売上高)です。ユーザーは必要な機能に応じてプランを選択し、継続的に料金を支払うことでサービスを利用します。このモデルは、安定した収益基盤を築きやすく、長期的な顧客関係を構築できるのが特徴です。
- M&Aによる事業拡大会計・人事労務以外の周辺領域にも事業を拡大するため、積極的にM&A(企業の買収・合併)を行っています。例えば、電子契約サービスの「NINJA SIGN(現・freeeサイン)」や、税理士事務所向け電子申告ソフト「A-SaaS」、請求書自動化サービス「sweeep」などを買収し、提供サービスを拡充しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- プラットフォーム事業freeeの主要な事業セグメントであり、会計、人事労務、申告、経費精算、販売管理など、スモールビジネス向けの統合型クラウドERPサービスを提供しています。この事業が売上の大部分を占めており、個人事業主や従業員1,000名以下の法人を主な顧客としています。
- SaaSサービス展開2013年の「freee会計」リリース以降、「freee人事労務」「freee申告」「freee工数管理」「freee勤怠管理Plus」「freee経費精算」「freeeカード Unlimited」「freee販売」など、多様なSaaS(Software as a Service)サービスを開発・提供し、ラインナップを拡充しています。
- M&Aによる事業領域拡大株式会社サイトビジット(現・フリーサイン株式会社)、Mikatus株式会社、sweeep株式会社、Why株式会社、アポロ株式会社、株式会社YUIなどを子会社化・吸収合併し、電子契約、税理士事務所向けソフト、請求書自動化、情報システム部門向けツール、フリーランス管理、予約システム、連結会計機能など、事業領域を積極的に拡大しています。
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3 【事業の内容】(1) ミッション当社グループは「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションのもと、「だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム」の実現を目指し、個人事業主及び従業員1,000名以下の法人に対してサービスの開発及び提供をしております。大胆に、スピード感をもってアイデアを具現化できるスモールビジネスは、様々なイノベーションを生むと同時に、大企業を刺激して世の中全体に新たなムーブメントを起こすことができる存在だと考えております。一方、日本全体の労働生産性は主要先進7ヶ国中最下位(注1)であり、なかでも中小企業の従業員一人当たり付加価値額は大企業の半分未満(注2)と、スモールビジネスの生産性は低い状況にあります。当社グループは、AIを始めとする先進的なテクノロジーを用いてスモールビジネスにクラウドERPサービス(注3、4)を提供し、スモールビジネスの生産性向上と経営改善を支援してまいりました。当社グループは、データとテクノロジーの活用が、スモールビジネスが更なる成長を遂げる鍵であると捉え、スモールビジネスこそがデータとテクノロジーの最先端を活用できる世界を追求することで、より良い社会を実現してまいります。(注) 1.公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較 2025」。主要先進7ヶ国(米国、ドイツ、カナダ、フランス、イタリア、英国、日本)における1人当たり労働生産性の比較において日本が最下位。2.中小企業庁「中小企業白書(2026年版)」。従業員一人当たり付加価値額の企業規模別の比較において、大企業(資本金10億円以上)は約1,666万円であるのに対し、中規模企業(資本金1千万円以上1億円未満)は約608万円、小規模企業(資本金1千万円未満)は約537万円。3.クラウドサービス:ソフトウェアやハードウェアを所有することなく、ユーザーがインターネットを経由してITシステムにアクセスを行えるサービス。4.ERP:Enterprise Resources Planningの略称。日本語では、企業経営において点在するあらゆる情報を一箇所に集め、一元管理を行うシステムを指して一般的に「ERP」「ERPパッケージ」と呼ばれる。 (2) サービス概要当社グループでは、スモールビジネスのバックオフィスの生産性向上に寄与するSaaS(注1)を開発・提供してまいりました。具体的には、2013年に「freee会計」を、2014年に「freee人事労務」をリリースしました。その後もラインナップを拡充し、2016年に「freee申告」を、2020年に「freee工数管理」を、2021年に「freee勤怠管理Plus」及び「freee経費精算」を、2022年に「freeeカード Unlimited」及び「freee販売」を、2025年に「freee AIタレントマネジメントシリーズ」をリリースしました。また、会計事務所向けに、証憑などの資料回収から記帳代行、決算申告まで一気通貫で対応する業務プラットフォームを提供しております。事業領域拡大に向けたM&Aにも積極的に取り組んでおります。2021年には、株式会社サイトビジット(注2)を子会社化し、電子契約サービス「NINJA SIGN(現・freeeサイン)」の提供を開始しました。2022年には、Mikatus株式会社を完全子会社化及び吸収合併し、税理士事務所向け及びその顧問先に電子申告ソフト「A-SaaS(エーサース)」の提供を開始しました。2023年には、sweeep株式会社を子会社化(注3)し、請求書の受取・仕訳・振込・保管を自動化するサービス「sweeep(現・freee支出管理 受取請求書)」の提供を開始したほか、Why株式会社を完全子会社化及び吸収合併し、企業の情報システム部門向けの作業自動化ツール「Bundle(現・freee IT管理)」の提供を開始しました。さらに同年、フリーランス管理ツールの「pasture」事業をエン・ジャパン株式会社より承継し、「freee業務委託管理」の提供を開始しました。2024年には、アポロ株式会社を完全子会社化し、翌年より「freee予約」の提供を開始しました。2025年には、株式会社YUIを完全子会社化及び吸収合併し、「freee会計」の連結会計機能を強化しました。また同年に、GMOクリエイターズネットワーク株式会社を完全子会社化及び吸収合併し、ファクタリングサービス「FREENANCE by freee」の提供を開始しました。さらに2026年には、株式会社ロジクラを完全子会社化し、「freee在庫管理」の提供を開始しました。なお、当社グループは、当社と連結子会社5社及び持分法適用関連会社1社の合計7社(注4)で構成されておりますが、プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。(注) 1.SaaS: Software as a Serviceの略称。ユーザー側のコンピューターにソフトウェアをインストールするの ではなく、ネットワーク経由でソフトウェアを利用する形態のサービス。2.2022年8月に株式会社サイトビジットの社名をフリーサイン株式会社に変更。2024年6月にフリーサイン株式会社を完全子会社化、2024年7月にフリーサイン株式会社を吸収合併。3.2024年1月にsweeep株式会社を吸収合併。4.当事業年度末時点。 (3) 統合型クラウド会計ソフト・人事労務ソフトを提供する「freee」が選ばれる理由当社グループが提供するサービスは、資本、人材に限りのあるスモールビジネスにおける利用を前提に設計・提供しており、独自性の高い統合型クラウド会計ソフト・人事労務ソフトとして、下記の特長がユーザー企業(注)に支持されています。(注)当社グループのサービスを利用する個人事業主と法人の双方を指す。 ① カンタン、自動化一般的な会計ソフトは、すべての取引を複式簿記形式の仕訳として手動で入力する必要があり、多くの手間を要するという課題があります。「freee会計」においては、例えばクレジットカードや銀行の口座との同期(データ連携を指し、以下、「同期」という。)を行うことで、金融機関のトランザクションデータを自動的にサービス上に取り込み、AIにより自動で仕訳を行うことができます。これにより、ユーザー企業は手作業や手入力にかけてきた時間と工数を削減し、生産性を向上させることが可能です。また「freee会計」は、簿記の知識がない人でも直感的に使用可能なユーザー・インターフェイスの提供により、専門人材の確保が容易でないスモールビジネスが自社で財務会計及び管理会計を実施することを可能にしております。一方で、従来の会計ソフトで一般的な複式簿記形式の入力に対応したインターフェースも提供しているため、会計士をはじめ高い専門性を有するユーザーのニーズにも対応しております。近年では、生成AIが著しく進展するなか、顧客体験の変化を「Done by You」から「Done for You」へのシフトと捉え、「人間が使いやすいユーザー・インターフェース」から「業務そのものをAIエージェントに任せきる体験」へと、提供価値の転換を進めています。こうした中、顧問先業務に最適化した統合型AIエージェント「freee Agent Hub」を会計事務所向けに、自社の業務フローに合わせてAIエージェントを作成できる「freee AIアシスタント」を法人顧客向けに提供開始するなど、AI関連プロダクト・サービスの市場浸透を推進しております。さらに当社グループでは、会計ソフト業界において早期よりモバイル対応の開発を行ってまいりました。「freee会計」のモバイルアプリは、直感的に操作しやすいユーザー・インターフェイスを有し、簡単かつ効率的に業務を行うことができます。その結果、このモバイルアプリは、10万件超のユーザー評価をいただくなど、多くのユーザーに利用頂いていることに加えて、5段階評価で平均4.5の高評価(注)を獲得しております。また、スモールビジネスにおいて、会計業務に次いで負担が大きいのが給与計算や勤怠管理等の人事労務業務です。人事労務の業務領域では、社会保険や源泉所得税などの専門的知識が必要である上に、勤怠情報や従業員の扶養状況といった詳細情報の把握や、様々な行政手続を遅滞なく正確に実施することが必要となります。「freee人事労務」では、従業員が必要な情報を登録し、勤怠をつけるだけで、会社の給与計算やそれに付随する申告書類の作成などを自動化することができるため、専門的知識がなくても利用可能です。(注)Apple社が運営するApp Storeにて「freee会計」のiPhoneアプリが5段階評価で平均4.5のスコアを獲得。ユーザー評価数は10万件超(いずれも2026年8月末時点)。 ② バックオフィスオートメーション一般的な単機能型会計ソフトが担う領域は経理業務全体の一部である記帳処理に留まり、上流工程である業務は別のソフトウェアやソリューションを使用する必要があります。例えば、請求書発行や入金消込といった販売管理業務や、購買申請や支払いといった仕入業務では、会計ソフトとは異なるソフトウェアや紙・印鑑などを使用したオペレーションが用いられてきたため、各業務が分断された非効率な業務構造となっています。加えて、同一の取引に係る情報について、会計ソフトへの転記作業が発生し、さらに手入力ミスを防止するための確認作業を要するという課題があります。「freee会計」は、スモールビジネス向け統合型会計ソフトであり、請求書機能やワークフロー機能(注)を同一のソフトウェア上で提供しているユニークな設計を特長としており、経理業務の枠を超えたバックオフィス全体の効率化に寄与します。例えば、「freee会計」上にて作成した請求書の情報は、売掛金として自動で帳簿に登録され、かつ債権管理台帳にも登録されます。その債権情報と、銀行のオンライン口座の入金情報との連携により、自動的に債権の消込が行われます。一方、仕入取引又は経費精算の場合においても、受領した請求書をスキャンして取り込むと、買掛金や未払金として自動で会計帳簿及び債務管理台帳に登録されます。加えて、登録された債務は「freee会計」の中から一括で振込指示を行うことができ、債務の消込も自動的に行われます。このように、統合型会計ソフトである「freee会計」上で上流工程にあたる業務を行うことで自動的に会計帳簿が作成されるため、経理業務自体が大幅に効率化されます。同様に、人事労務の領域においても、従来は、従業員基礎情報、勤怠管理、給与計算、保険・行政手続、マイナンバー等の人事関連の定型業務に係る情報のマスタ(データベース)が別個のソフトウェアに散逸し、マスタ間の転記及び整合性担保に手間とコストが生じているケースが見られました。「freee人事労務」も統合型ソフトとしての特長を有しており、従業員基礎情報の構築から給与計算及び行政手続等に至るまでのデータを一元管理することで、人事労務に係る定型業務を単一のソフトウェア上で完結できます。これにより、人事労務担当者の負荷を軽減するとともに、従来の転記作業に伴うミスを抑制でき、人事労務業務の大幅な効率化に寄与します。(注)経費精算、支払依頼、各種稟議など、各種業務フローに係る申請・承認を行う機能。 ③スモールビジネスの経営課題の解決を支援一般的な会計ソフトは、税務を中心とした制度会計向けの財務諸表作成とそのための記帳を主な目的として利用されています。スモールビジネスにおける経理業務は、会計ソフトだけでなく、様々なソフトウェアや紙と印鑑によるオペレーションの組み合わせにより行われていることが多く、販売や仕入等の取引発生から会計処理の完了までのリードタイムは長期化しています。また、様々なソフトウェアやアナログ手法の組み合わせによって経理業務が行われていることで、取引の発生から財務諸表までのデータは断絶されています。そのため、従来の会計ソフトは、経営指標のモニタリングや経営分析を目的に利用することが困難です。当社グループの「freee会計」は統合型会計ソフトであるため、上流工程と会計帳簿を一体で扱うユニークな設計を有しており、リアルタイムに資金繰りが記録され、経営状況が可視化されます。また、財務情報のみならず、財務諸表や各種レポートから、上流工程業務の証憑、取引先、部門等の情報を一元化して可視化し分析することができます。例えば「予算・実績管理」機能を用いることで、予算と実績の差異について、財務諸表から個々の取引情報や証憑まで遡って分析することができます。さらに、「freeeカード Unlimited」は「freee会計」のデータを活用した独自の与信モデルに基づき与信を提供するほか、ファクタリングサービスの提供を通じて資金繰りの課題解決に貢献しております。人事労務ソフトの領域においても、従来は、従業員情報及び勤怠情報等のデータが別個のソフトウェアに散逸し、意思決定に有用なデータをリアルタイムで把握することが困難な状況が珍しくありませんでした。当社グループの「freee人事労務」は統合型人事労務ソフトであり、人事労務に係る情報を単一のソフトウェアに集約することが可能です。これにより、適時に情報を把握することが可能となり、近年の深刻な人材不足に対応するための賃上げや人材リテンションなどの意思決定の判断材料を提供するほか、「freee会計」とも連携することで人件費を含めた部門別の損益分析等のより高度な分析を実現し、現場の経営課題の解決を支援します。さらに、従来はエンタープライズ企業向けのタレントマネジメント製品が主流であったなか、スモールビジネスに適した機能パッケージと導入しやすい価格設定が特長の「freee AIタレントマネジメントシリーズ」も提供しており、人材確保という経営課題の解決に貢献しております。こうした「統合型」の設計思想及び、約70万社の事業所に選ばれる経営プラットフォームに蓄積された財務会計・人事データや業務コンテキスト、そして厳格な法令遵守設計がAI時代における当社グループの強みです。この独自データとAIエージェントを掛け合わせることで、より高度な自動化や意思決定へのインサイトの提供にとどまらず、スモールビジネスの経営課題である与信・資金繰りのソリューションも提供してまいります。 ④ 組織全体での利用による効率化と内部統制整備一般的な会計ソフトは、経理業務に携わる従業員のみがライセンスを有して使うことが想定されています。「freee会計」は、上述のワークフロー機能の提供を通じて、経理業務の枠組みを超えた企業のあらゆる事業活動において全従業員が活用することが可能な設計となっております。特に中堅規模以上の企業において、全従業員が利用することで「カンタン、自動化」「オペレーション効率化」の更なる追求につながる他、ワークフロー機能が有する承認プロセスの証跡を活用することで内部統制の整備にも貢献します。また、「freee人事労務」と併せて利用することで、人事データ及び組織構造をリアルタイムにワークフローや経営分析に反映し、一層の業務効率化と高度な経営の可視化の両立を図ることが可能となります。 ⑤ パブリックAPI(注1)による拡張性従来のスモールビジネスでは、その企業特有の業務プロセスを自動化するために、独自のシステムを開発するしかありませんでした。しかし、独自のシステム開発は多額な開発コストとメンテナンスコストがかかり、IT投資の体力が限られるスモールビジネスにとって、大きな負担になっていました。また、そもそも独自のシステム開発自体が難しい規模の企業においては、市販のソフトウェアにアナログのプロセスを加えて補う運用がなされてきました。このように自社開発された独自システムや、市販のソフトウェアと別のソフトウェア間でのデータ連携も容易ではなく、システム間のデータ連携はファイルの取り込み等の手作業によってなされ、工数が増大する上、転記ミス等の原因にもなっていました。当社グループは、2013年に日本国内の会計ソフトとして初めてパブリックAPIを公開して以来、クラウドとAPIを活用したオープン・エコシステム(注2)の構築を進めてまいりました。2019年の「freeeアプリストア」のリリースにより、ユーザー自身がfreeeと連携可能なソフトウェアを検索し、数クリックで設定を完了できるデータ連携の体験を実現しております。また、パブリックAPIの対応領域を継続的に拡大させ、その本数は380本以上まで拡充させました。さらに、2026年3月には「freee-mcp」を公開し、AIエージェントがMCPを経由してAPIをコールすることで業務の自動化を実現できる仕組みが構築されています。これにより、AIエージェントとfreeeを掛け合わせた新たなユースケースがイノベーター層を中心に創出されています。また今後、より幅広いユーザーに対しAIエージェントを活用した自動化体験を提供するため、高いセキュリティやトークン効率を実現した自社開発AIエージェントの提供及び、ユーザーがfreee上でAIエージェントを開発できるプラットフォームの提供にも取り組んでまいります。これまで蓄積したAPIのアセットを基盤に、あらゆるユーザーへの「Done for You」体験の価値提供を推進してまいります。(注) 1.組織内部のみでの利用を想定したAPIをプライベートAPIと呼び、他方で、組織外の主体にも利用を認めるものをオープンAPIと呼ぶ。オープンAPIの中でも、特定の提携企業のみでなく、幅広い外部企業が利用可能なものをパブリックAPIと呼ぶ。2.複数の企業同士が非排他的に提携することで、複数の企業が提供するサービスが共存共栄できる生態系のような環境を指す。以上の「選ばれる理由」を背景に、有料課金ユーザー企業数(注1)及びARPU(注2)の双方が伸長した結果、当社グループのプラットフォームARR(注3)は堅調に成長し、2026年6月期末には43,595百万円(うち法人34,779百万円、個人事業主8,816百万円)に到達するなど、事業は順調に拡大しております。(注)1.当社グループのサービスを利用する個人事業主と法人の双方を指す。2.ARPU: Average Revenue Per Userの略称。1有料課金ユーザー企業当たりの平均単価。各期末時点における合計ARRを有料課金ユーザー企業数で除して算出。3.ARR:Annual Recurring Revenueの略称。各期末月のMRR(Monthly Recurring Revenue)を12倍して算出。MRR:Monthly Recurring Revenueの略称。対象月の月末時点における継続課金ユーザー企業に係る月額料金の合計額(一時収益は含まない)。 (4) サービスラインナップ①「freee会計」個人事業主及び法人向けに提供している統合型クラウド会計ソフトです。銀行口座やクレジットカード等との連携、請求書発行から入金管理、各種稟議や支払依頼など日々行われる経理の上流工程業務との統合により、手入力によるミスを防ぎ、経理作業にかかる負担を大幅に削減できます。同時に、上流工程業務まで含めた日々のデータを活かして、リアルタイムでの経営指標のモニタリングや具体的な打ち手に繋がる詳細な経営分析を可能としております。さらに、従業員に個別アカウントを付与し、ワークフロー機能を利用することで、更なる業務の効率化と内部統制の整備にも寄与します。なお、ワークフロー機能は、承認プロセスの証跡を有していることから、上場企業に求められる内部統制報告制度に対応しており、上場準備企業及び上場企業における利用も非常に効果的です。なお、個人事業主向けプランにおいては、所得税の確定申告まで完結できます。加えて、2026年1月の「freee振込」の提供開始に伴い、日々の記帳から振込、決算処理に至る一連のプロセスを、freeeのプラットフォーム上でシームレスに完結できる体験を実現しました。さらに、業種別ニーズへの対応の一環として、業界独自の会計処理が求められる医療業界向けに「freee for 医療」をリリースし、提供価値の最大化を進めています。②「freee人事労務」法人向けの統合型クラウド人事労務ソフトです。人事労務業務においては、給与計算、勤怠管理、保険・行政手続、マイナンバー管理等と多岐にわたり、かつ従来は業務ごとに使用するツールが異なるなど、複雑に分断されているという課題がありました。従業員一人一人が、「freee人事労務」の従業員用アカウントを用いて、個人情報や勤怠情報を入力することにより、給与計算や年末調整、労務の諸手続の自動化や従業員マスタとなるデータベースの構築を可能とします。また「freee会計」と「freee人事労務」を連携することで、「freee人事労務」で計算した給与の情報が「freee会計」に自動で反映されるほか、「freee会計」にて申請・承認された経費精算と給与の支払いを「freee人事労務」経由でまとめて実施することができます。さらに、「freee人事労務」上の従業員マスタにおける役職や組織構造に基づくワークフローを「freee会計」の申請経路として自動で反映させ運用することが可能です。加えて、幅広いニーズに適した勤怠管理プロダクトである「freee勤怠管理Plus」をリリースし、店舗数や拠点数が多いユーザーや、組織階層が複雑なMidセグメント(注) のユーザーにおけるニーズに対応します。また、人事労務領域の関連分野にも事業を拡大しており、借り上げ社宅制度の導入及び運用のサポートや充実のベネフィットサービスを提供する「freee福利厚生」や、「freee人事労務」の従業員マスタとの連携により社員の健康管理を効率化できる「freee人事労務 健康管理」をリリースしました。さらに、人事制度設計や人事評価、サーベイなど、従来はエンタープライズ企業向けのタレントマネジメント製品が主流であったなか、スモールビジネスに適した機能パッケージと導入しやすい価格設定が特長の「freee AIタレントマネジメントシリーズ」を2025年10月にリリースしました。(注) 従業員が20名以上1,000名以下の法人を指す。③「freee販売」個人事業主及び法人向けに提供している統合型クラウド販売管理ソフトです。販売管理業務においては、商談の開始から売上の入金等のプロセスが紙や表計算ソフトで管理されることが多く、業務ごとに異なるツールが使用され案件別の工数を正確に把握することが難しいという課題がありました。「freee販売」では請負型ビジネスにおける商談開始からサービス受注・発注後の納品管理まで、一連の販売管理業務を案件単位で管理することを可能としております。また「freee販売」は、「freee会計」の取引先マスタや「freee人事労務」の従業員マスタを共通で利用できます。そのため、「freee販売」において新たにマスタを構築することなくスムーズに利用開始でき、またソフトウェア間でのデータの整合性にも優れております。④「freee申告」「freee申告」は、会計事務所や小規模法人に提供している、「freee会計」とシームレスに連携したクラウド型税務申告ソフトです。従来の税務申告ソフトは会計ソフトと分断されており、会計ソフトから出力したデータを税務申告ソフトに手入力で転記する必要があるなど、多大な労力や時間がかかるという課題がありました。「freee申告」の利用により、これまで分断されていた会計と申告の業務がシームレスに連携し、「freee会計」上の財務情報をもとに税務申告書を自動で作成することができ、更に、作成した申告書の電子申告まで実施することができます。また、会計事務所は、顧問先とともに「freee会計」及び「freee申告」を利用することで、会計事務所での記帳業務から顧問先の決算申告、経営支援まで、ワンストップでクラウド上で行うことができます。⑤「freeeサイン」 「freeeサイン」は、個人事業主及び法人向けに提供している電子契約サービスです。スモールビジネスにおいては、法務専任者を自社に抱えていないことが多く、担当者が他の業務と兼務しながら契約業務を行うことが一般的であり、本来注力すべき業務に時間を割けないなどの課題がありました。「freeeサイン」は、法務の知識が浅い方や、業務に時間を割けない方でも、迷わず簡単に利用できるユーザー・インターフェイスを提供しており、契約書のひな形やテンプレートをご利用いただくことで簡単にドラフトを作成いただけます。契約書の新規作成から、社内承認プロセス、電子契約の締結、契約書管理まで、契約業務をカバーしているため、契約業務をワンストップでクラウド上で管理することが可能になります。⑥金融サービス スモールビジネスの資金繰り改善を企図した金融サービスとして、「freeeカード」や「freeeカード Unlimited」等を提供しております。「freeeカード」は、従来クレジットカードを作成することが容易でなかった個人事業主や中小企業に特化した事業用クレジットカードです。経費精算や仕入等をキャッシュレス化することでバックオフィス業務の効率化が可能となります。さらに、法人顧客の資金ニーズに対応すべく、自社の与信モデルを活用した「freeeカード Unlimited」も提供しております。「freeeカード Unlimited」では、「freee会計」のデータを活用した独自審査により最大5億円の利用可能枠を実現しており、ユーザーの事業成長をサポートします。また、ファクタリングサービスとして「FREENANCE by freee」を2026年より提供開始しており、スモールビジネスの経営課題である資金繰りのソリューションを強化しております。以上に述べたプラットフォーム事業を事業系統図によって示すと、次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 SaaSサービスは継続率と単価向上が重要であり、競合他社との競争が激しい。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 AIを始めとする先進的なテクノロジーを用いたクラウドERPサービスの開発・提供ノウハウ。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:クラウド関連市場の成長阻害 / 技術革新、規制変更等への対応遅れ / 法的規制への抵触や強化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 0 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPなどの無形資産に関する具体的な評価は不可能。
スイッチングコスト☆☆☆☆☆
財務データが未収録のため、顧客が乗り換える際の損失に関する具体的な評価は不可能。SaaSビジネスモデルの特性上、一定のスイッチングコストは想定されるが、その程度を定量的に判断する材料がない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
財務データが未収録のため、ユーザー増加による価値向上のネットワーク効果に関する具体的な評価は不可能。プロダクトの性質上、ネットワーク効果のポテンシャルは考えられるが、現時点での評価は困難。
コスト優位☆☆☆☆☆
財務データが未収録のため、構造的なコスト優位性に関する具体的な評価は不可能。SaaSビジネスであるため、初期開発コストや運用コストの効率性は重要だが、比較対象がないため判断できない。
規模の経済☆☆☆☆☆
財務データが未収録のため、業界規模に対する効率的な規模の経済性に関する具体的な評価は不可能。市場シェアや成長率に関する情報が不足している。
- 統合型クラウドプラットフォームfreeeは、会計、人事労務、申告、経費精算、販売管理など、スモールビジネスのバックオフィス業務全般をカバーする統合型プラットフォームを提供しています。これにより、複数のシステムを使い分ける手間が省け、データ連携がスムーズになるため、業務効率が大幅に向上します。単機能のソフトでは得られない利便性が強みです。
- AIと自動化による効率性クレジットカードや銀行口座との同期により、取引データを自動で取り込み、AIが仕訳を自動で行う機能が特徴です。これにより、手作業での入力や簿記の知識がなくても会計処理が可能となり、ユーザーは時間と労力を大幅に削減できます。モバイルアプリも高評価で、場所を選ばずに業務を行える点も強みです。
- スモールビジネス特化の設計資本や人材に限りがあるスモールビジネスのニーズに特化してサービスを設計しています。簿記の知識がない人でも直感的に使えるユーザーインターフェースや、専門的な知識が必要な人事労務業務の自動化など、専門人材の確保が難しい中小企業にとって使いやすい点が支持されています。これにより、高い継続率と顧客満足度を維持しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションを掲げ、「だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム」をコンセプトとしたサービスを提供しております。 (2) 当社グループの強み① 成長性の高いクラウド会計・人事労務ソフト市場におけるユニークで強固なポジション国内企業の99.7%を占める中小企業(注1)は大企業と比べて生産性が低く、テクノロジー活用において大きな成長ポテンシャルが存在しております。当社グループは、個人事業主をはじめ、従業員規模別に法人顧客を区分したSmall(従業員19名以下)及びMid(従業員20名以上1,000名以下)の3領域に対して、それぞれのニーズに即したソリューションを提供しております。(注2)当社グループは、スモールビジネス向けのクラウド会計ソフト及びクラウド人事労務ソフトのTAM(注3)について、合計で約1.7兆円と推計(注4)しております。また、国内の中小企業におけるバックオフィス向けクラウドソフトの利用率は47.7%(注5)、個人事業主におけるクラウド会計ソフトの利用率は38.4%(注6)であり、クラウドERP市場の拡大ポテンシャルは高いと認識しております。また、大企業よりも深刻な採用難(注7)や高い離職率(注8)等、人材確保が喫緊の経営課題である中小企業において業務効率化ニーズがますます高まっています。加えて、中小企業の事業承継の活発化(注9)や新設法人数の増加(注10)といった企業の新陳代謝も、スモールビジネスにおけるクラウド浸透の追い風になっていると考えております。前記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3)統合型クラウド会計ソフト・人事労務ソフトを提供する「freee」が選ばれる理由」にて記載のとおり、当社グループの提供するサービスは、従来型の会計ソフト・人事労務ソフトを単にクラウド化したものとは異なる統合型の経営プラットフォームであり、経理業務の枠を超えたバックオフィス全体の効率化、及び経営者の意思決定のナビゲーションにも寄与するものです。こうしたユニークなサービス設計・顧客価値により、成長性の高いクラウド会計・人事労務ソフト市場において当社グループのユーザー規模は創業以来順調に拡大しており、マーケットリーダーとして業界を牽引しております。(注) 1.中小企業庁「中小企業白書(2026年版)」2.個人事業主、Small及びMidにおける潜在企業数と出所は下表のとおり。尚、Midの潜在企業数については、「令和3年 経済センサス 活動調査」における雇用者規模20~999名の企業数を参考値として使用。顧客セグメント潜在企業数出所個人事業主4,488,359国税庁令和5年調査Small(従業員19名以下の法人)1,768,899令和3年経済センサス 活動調査Mid(従業員20名以上1,000名以下の法人)291,957 3.TAM:Total Addressable Marketの略称。当社グループが想定する最大の市場規模を意味する用語であり、当社グループが本書提出日現在で営む事業に係る客観的な市場規模を示す目的で算出されたものではない。各プロダクトのTAMは、一定の前提の下、外部統計資料をはじめ、プロダクトラインナップ拡充やプラン改定等の当社ビジネスの取り組み状況も踏まえ、国内における全潜在ユーザー企業において各プロダクトが導入された場合の年間支出総金額を当社グループが推計したものであり、その正確性にはかかる統計資料や推計に固有の限界があるため、実際の市場規模はかかる推計値と異なる可能性がある。4.国内の潜在ユーザー企業に対し、「freee会計」「freee人事労務」及び隣接領域プロダクトが導入された場合に想定される年間支出総金額。潜在ユーザー企業は、個人事業主と従業員1,000名未満の法人の合計(潜在ユーザー企業数(国税庁「令和6年申告所得税」、総務省統計局「令和3年経済センサス 活動調査」) × 「freee会計」「freee人事労務」及び隣接領域プロダクトの従業員規模別の想定年間課金額)5.令和7年通信利用動向調査(総務省情報流通行政局)より、従業員数100名以上999名以下の企業における財務会計・人事・給与向けクラウドソフトの利用率を当社にて推計。6. クラウド会計ソフトの利用状況調査(2026年3月末)(株式会社MM総研)7. リクルートワークス研究所(2025)、「ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」。従業員300名以上の企業における大卒求人倍率は約0.9倍である一方、従業員300名未満の企業における同倍率は約9.0倍。8. 厚生労働省「雇用動向調査(2025年版)」。従業員1,000名以上の企業における離職率は12.5%である一方、従業員100~299名の企業における離職率は17.9%。9. 中小企業庁「中小企業白書(2026年版)」。事業承継・引継ぎセンターにおける事業承継の成約件数は、2021年度から2024年度にかけて約1.5倍に増加。10.「国税庁法人番号公表サイト」より、各年に新たに法人番号が指定された法人を新設法人として抽出し集計。2016年から2025年にかけて新設法人数は約4割増加。 ② スモールビジネス向けクラウドERP市場及びアウトソース市場における更なるTAMの拡大当社グループは、従来の会計・人事労務ソフトの枠を超え、バックオフィス全体の効率化に資する統合型業務ソフト(ERP)を志向してサービスを提供しております。今後もプロダクトラインナップを継続的に拡充し、スモールビジネス向けERPとして提供価値の強化を目指してまいります。バックオフィス全体の効率化に資するERP市場として捉えた場合、当社グループが狙うTAMは合計で約3.7兆円(注1)に達すると試算しており、持続的な事業成長の強固な基盤として捉えています。さらに当社グループは、AI活用の加速によりアウトソースビジネスの事業拡大を推進しております。人材確保が喫緊の課題であるスモールビジネスのバックオフィス人件費の市場は約33.5兆円(注2)と推定しており、同市場に対するアウトソースサービスの浸透を進めてまいります。(注)1.国内の潜在ユーザー企業に対し、「freee会計」「freee人事労務」「freee販売」「freeeサイン」「freee業務委託管理」及びファイナンスサービス(カード・ファクタリング)等が導入された場合に想定される年間支出総金額。潜在ユーザー企業は、個人事業主と従業員1,000名未満の法人の合計。(潜在ユーザー企業数(国税庁「令和6年申告所得税」、総務省統計局「令和3年経済センサス 活動調査」) × 各プロダクト及びサービスの従業員規模別の想定年間課金額)2.常用雇用者数×バックオフィス人員比率×平均人件費により算出。常用雇用者数は、総務省統計局「令和3年 経済センサス活動調査」の中小企業の常用雇用者数を参照。バックオフィス人員比率は、総務省統計局「令和4年 就業構造基本調査」をもとに中小企業の事務従事者の割合を推計。平均人件費は、国税庁「令和6年 民間給与実態統計調査」の中小企業の平均給与をもとに推計。いずれのデータも、従業者数999名以下の企業を対象とする。 ③ AIエージェント時代に強くなるSaaSとしての競争優位性当社グループは、AIエージェントの進展に伴う事業環境の変化に対し、以下4つの要素を軸とした強固な競争優位性を構築しております。第一に、「System of Record(企業活動の正しい記録)」としてのデータ基盤と完全性です。会計申告や人事労務等、制度上の確定データが不可欠な領域において、すべての取引証憑や仕訳履歴を「Single Source of Truth(真実の唯一のソース)」として一元管理・蓄積する構造を有しており、AIエージェントが正確な判断・処理を行うための前提となるデータの正当性と整合性を担保します。第二に、End-to-Endの統合型プラットフォームである点です。単一機能の提供にとどまらず、証憑回収から決算・申告に至る一連の業務プロセスを横断的に統合しています。さらに国内の法規制や独自の商習慣に準拠した統合ワークフローエンジンを備えることで、AIエージェントによる業務全体の自律的な完遂を可能にします。第三に、AIエコシステムにおける高いアクセシビリティです。創業後早期からのパブリックAPI公開を通じてオープンエコシステムを推進しており、汎用AIエージェントや各種アプリケーションとの円滑な連携を可能にする技術的基盤を有しております。第四に、ガバナンスと説明責任(アカウンタビリティ)を担保する証跡基盤です。権限設定や監査ログによりAIの適切な挙動とトレーサビリティ(追跡可能性)を保証するとともに、会計士・税理士等のプロフェッショナルとの強固なエコシステムを確立することで、実務における最終的な信頼性を担保しております。 ④ 高い安定性を誇る財務モデル当社グループは、統合型プラットフォームの価値向上を見据えプロダクトラインナップの拡充を推進しており、クロスセルによる収益拡大のポテンシャルを継続的に高めております。また、人事労務領域のプロダクトを中心に従業員数に応じた課金モデルを導入することで、顧客企業の成長に伴う従業員数の増加により自動的に収益が拡大する仕組みを構築しております。さらにカスタマーサクセスの取り組みにも注力し、2026年6月期における月次平均解約率(注1)は約1.0%となりました。スモールビジネスは大企業と比して廃業率が高く、また他社のソフトウェアへの乗り換えも多い傾向にあるなか、当社グループは継続的な解約率の低減を実現しております。このような取り組みを通じて顧客生涯価値(LTV)(注2)の長期的な最大化を図り、高い安定性を誇る財務モデルを実現しております。(注) 1.(当該月に有料課金ユーザーでなくなったユーザーに関連するARR÷前月末ARR)の過去12ヶ月平均。当社の全顧客領域を対象に集計。2.LTV:Life Time Valueの略称。顧客から契約期間(Life Time)を通じてもたらされる価値であり、契約期間×MRR×売上総利益率によって算出。 ⑤ 企業文化「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションの実現に向け、当社グループは「マジ価値を届けきる集団」であると自己定義し、「本質的な価値(マジ価値)をユーザーに届けきること」を世の中へのコミットメントとして位置づけております。「マジ価値」とは、「ユーザーにとって本質的な価値があると自信をもって言えることをする」という意味であり、当社グループが創業以来、大切にしている考え方です。同時に、これは届いてこそ意味があるという考えから、マジ価値を届ける共通基盤である全役員及び全従業員が持つべきマインドとして「マジ価値2原則」を、マジ価値をチームとして届けるために大切にしたい行動として「マジ価値指針」を全役員及び全従業員で議論し浸透させております。また、当社グループは原則全日出社の方針を設け、働き方の柔軟性を担保しながら「一緒に出社」することで高いスピード感で事業を推進しております。当社グループは、ミッションやコミットメントに共感する社員が集まり、個々人が高い自律性を持ちながらも強い一体感・カルチャーを持つ組織を実現しています。 マジ価値2原則・「社会の進化を担う責任感」:社会をよい方向へ進化させる責任を有するという自負をもって、あきらめずに挑戦する姿勢。また、世の中を変えうるよい事例は率先してつくるという姿勢・「ムーブメント型チーム」:目指すべき世の中の方向性に共感し、自律的にアクションを起こす姿勢マジ価値指針・「理想ドリブン」:理想から考える。現在のリソースやスキルにとらわれず挑戦しつづける・「アウトプット⇒思考」:まず、アウトプットする。そして考え、改善する・「Hack Everything★」:取り組んでいることや持っているリソースの性質を深く理解する。その上で枠を超えて発想する・「ジブンゴーストバスター」:フィードバックを貪欲に求めることで、自分が認識出来ていない自分を知る。強み・弱みと向き合い、自分を進化させ続ける。・「あえて共有」:人とチームを知る。知られるよう共有する。オープンにフィードバックをしあうことで一緒に成長する (3) 経営環境 我が国は、少子高齢化を背景に人口減少フェーズに入り、生産年齢人口の減少が見込まれております。また、2017年3月に政府から「働き方改革実行計画」が発表されて以降、労働環境の規制が強化されています。加えて、最低賃金も上昇するなど、労働生産性の向上が益々要求される局面を迎えております。生産年齢人口が減少する一方で、新設法人数や副業者数は増加傾向にあります。こうした独立を志向した生き方に対するニーズが時代に合わせて大きくなることで、スモールビジネスの裾野は広がりを見せております。当社グループでは、このような環境下において、スモールビジネスは労働力への依存から脱却し、テクノロジーに代替可能な作業を積極的に置き換える必要があるほか、だれもが自由に経営できる社会をつくり、新しい生き方のニーズに対応することが重要であると認識しており、スモールビジネスが強くスマートになることに貢献するサービスの開発、提供を目指してまいります。また、(2) 当社グループの強み ① 成長性の高いクラウド会計・人事労務ソフト市場におけるユニークで強固なポジションに記載がある通り、現状の我が国における会計ソフト及び人事労務ソフトの普及余地は多分に存在するものと考えております。 (4) 中長期的な経営戦略上記の経営環境を前提とし、今後も継続的な成長を実現することを目的として、中長期成長戦略のもとで事業を推進しております。現在推進している中長期戦略においては、2028年6月期に、成長性と収益性を一体で捉える財務目標として対前期比売上高成長率と調整後営業利益率(注1)の合計で40%(Rule of 40)に到達することを掲げております。このうち、調整後営業利益率については15%以上に向上させ、高成長と収益性向上の両立を図ってまいります。また、キャッシュ創出力の重要指標である調整後フリー・キャッシュ・フロー(注2)についても、2028年6月期に調整後営業利益と同水準に拡大すると見込んでおります。(注) 1.売上高に対する調整後営業利益の比率。調整後営業利益:営業利益+株式報酬費用+M&Aにより生じた無形資産の償却費用+その他の一時費用2.調整後フリー・キャッシュ・フロー:一般的なフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フロー+ 投資活動によるキャッシュ・フロー)に対して、クレジットカード事業で発生する立替金の増減及び、ファクタリング事業で発生する買取債権の増減が営業キャッシュ・フローに与える影響と、M&Aに伴う支出及び収入が投資キャッシュ・フローに与える影響を調整したもの。① ユーザー基盤の更なる拡大当社グループの2026年6月期末における有料課金ユーザー企業数は694,586件であり、創業以来順調に拡大し続けております。これまでは、WebマーケティングやSNS経由で流入した顧客の自発的なユーザー登録をはじめ、インサイドセールス(注1)及びフィールドセールス(注2)経由での獲得が中心でした。近年では、これらのダイレクトチャネル経由での顧客獲得に加えて、会計事務所とのパートナーシップ拡大により会計事務所経由での顧客獲得が大きく伸長しています。これは、会計ソフトと申告ソフトの双方を提供し一気通貫でオンライン完結できるプラットフォームとしての価値が会計事務所及び顧問先から高く評価されているものと考えております。今後もスモールビジネスへのタッチポイントの深化、多様化を進めることで、ユーザー基盤の更なる拡大を進めてまいります。プラットフォーム事業の有料課金ユーザー企業数推移(件)(注3)顧客セグメント2022年6月期末2023年6月期末2024年6月期末2025年6月期末2026年6月期末全社379,427452,923534,819609,292694,586個人事業主249,762292,951336,398374,222419,957法人129,665159,972198,421235,070274,629 (注)1.メールや電話等を活用し、非対面で実施する営業活動2. 見込み顧客を直接訪問し、対面で実施する営業活動3. 当事業年度より開示区分を見直し、サブスクリプションサービスの利用顧客を対象とする従来の区分から、クレジットカード等のトランザクションサービスの利用顧客も対象に含めたプラットフォームユーザーとしての開示に変更 ② 顧客価値の最大化当社グループは継続的に新規サービスをリリースしてきたほか、既存サービスの機能改善などにより、顧客価値の向上に努めております。また、プロダクト価値の向上に応じた機動的なプラン改定の実施や、複数プロダクトの利用を促すクロスセルを推進した結果、ARPU(注)の上昇を実現してまいりました。今後は、収益の中心である会計・人事労務領域に留まらず、「freee販売」をはじめ高い成長ポテンシャルを有する新規事業領域にも注力し、スモールビジネスの業務の効率化と可視化をより幅広い領域で実現することで統合体験を強化していきます。真にスモールビジネスに必要とされる既存サービスの改善や新規サービスのリリース等を通じて、顧客価値の最大化を目指してまいります。(注)ARPU: Average Revenue Per Userの略称。1有料課金ユーザー企業当たりの平均単価。各期末時点における合計ARRを有料課金ユーザー企業数で除して算出。 ③ 金融サービスの拡大当社グループは、新規事業領域の1つとして金融サービスに注力しております。2022年1月には、Midセグメント(注1)を中心とした顧客の成長資金ニーズに対応すべく「freeeカード Unlimited」をリリースし、2023年2月にはSmallセグメント(注2)にも提供範囲を拡大いたしました。また、M&Aも積極的に活用しながら金融サービスのラインナップ強化に取り組んでおり、即日払いのファクタリング等の金融支援サービス「FREENANCE」を提供するGMOクリエイターズネットワーク株式会社を2025年9月に完全子会社化いたしました。今後もスモールビジネスにとって大きな課題である資金繰りに対して、これらの改善を進めるとともに、データとテクノロジーの力を活用することで、あらゆる経営課題の解決に貢献するサービス開発及び提供を目指してまいります。(注)1.従業員が20名以上1,000名以下の法人を指す。2.従業員が19名以下の法人を指す。 ④ AI活用の推進当社グループは、プラットフォームの価値強化と社内業務の生産性向上の双方においてAIの活用を進めております。プラットフォームの価値強化においては、AI時代における顧客体験として、業務そのものをAIエージェントに任せきる「Done for You」体験の実現を目指しております。こうした中、顧問先業務に最適化した統合型AIエージェント「freee Agent Hub」を会計事務所向けに、自社の業務フローに合わせてAIエージェントを作成できる「freee AIアシスタント」を法人顧客向けに提供開始するなど、AI関連プロダクト・サービスの市場浸透を推進しております。また当社グループは、全社的なAI活用を通じた更なる業務効率化・生産性向上を重点施策として推進しております。研究開発をはじめ、セールス、マーケティング、カスタマーサクセスを含む全社的な生産性向上を通じて、売上高成長に対する費用増加ペースを抑制しオペレーティングレバレッジを最大化させ、持続的な事業成長と利益拡大を実現してまいります。 (5) 対処すべき課題① スモールビジネス向けクラウドERP市場の拡大当社グループは、スモールビジネス向けのクラウド会計ソフトとクラウド人事労務ソフトのTAMについて、合計で約1.7兆円と推計(注)しております。また、国内の中小企業におけるバックオフィス向けクラウドソフトの利用率は47.7%(注)、個人事業主におけるクラウド会計ソフトの利用率は38.4%(注)であり、クラウドERP市場の拡大ポテンシャルは高いと認識しております。当社グループは、スモールビジネス向けクラウドERP市場におけるリーディングカンパニーとして、市場を引き続き牽引することが重要であると認識しております。(注)前記「(2)当社グループの強み ① 成長性の高いクラウド会計・人事労務ソフト市場におけるユニークで強固なポジション」を参照。 ② 持続可能な社会の実現と、そのための組織体制の整備「freee会計」、「freee人事労務」をはじめとする各サービスの提供により、だれもが自由に自然体で経営できる環境をつくることで、ユーザーの皆様を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することが重要と考えております。また、当社グループが持続可能な組織であるために、多様なバックグラウンドをもった優秀な人材を採用し、強い組織体制を整備することが重要であると認識しております。上記をはじめとするサステナビリティ推進活動の詳細に関しては、当社グループWebサイト内の「サステナビリティ」コーナー、及び「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 ③ 情報管理体制の強化当社グループは、提供するサービスに関連して多数のユーザー企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため、専任の情報セキュリティチームを設置しております。また情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理、保護しております。今後も社内教育・研修の実施のほか、システムの強化・整備を実施してまいります。 ④ 新規事業の展開とAIイニシアティブの推進現在、当社グループの収益の大半が「freee会計」や「freee人事労務」等のSaaSサービスから成り立っております。今後も継続的な事業成長の実現に向けて、既存サービスの伸長に加えて、金融サービスや取引プラットフォームにおける新規事業の展開を積極的に検討してまいります。さらに、統合型経営プラットフォームへのAIエージェントの導入を加速させ、AIに安心して任せきれる「Done for You」体験を実現することで顧客満足度の向上を図ってまいります。 ⑤ 利益及びキャッシュ・フローの創出当社グループの収益の中心であるSaaSビジネスは、サブスクリプション方式でユーザーに提供しており、継続して利用されることで収益が積み上がるストック型の収益モデルになります。一方で、開発費用やユーザーの獲得費用が先行して計上される特徴があり、短期的には赤字が先行することが一般的です。当社グループは、2025年6月期に創業以来初となる営業利益の黒字化を達成し、続く2026年6月期においても高成長及び収益性の向上を継続しております。SaaSビジネスにおいては、投資効率を計る指標として顧客生涯価値(LTV)(注1)と顧客獲得コスト(CAC)(注2)のバランス(LTV/CAC)が重要であるため、これを重要指標の一つとして顧客獲得活動における投資判断を行っております。さらに、既存顧客からの収益拡大の状態を示す重要指標としてNet Revenue Retention Rate(注3)を定めており、収益獲得の効率性を測っております。これらの指標を基準として成長投資を継続することが中長期的に利益及びキャッシュ・フローの最大化に寄与するものと考えております。現在推進している中長期戦略においては、2028年6月期に、成長性と収益性を一体で捉える財務目標として対前期比売上高成長率と調整後営業利益率(注4)の合計で40%(Rule of 40)に到達することを掲げております。このうち、調整後営業利益率については15%以上に向上させ、高成長と収益性向上の両立を図ってまいります。また、キャッシュ創出力の重要指標である調整後フリー・キャッシュ・フロー(注5)についても、2028年6月期に調整後営業利益と同水準に拡大すると見込んでおります。 (注)1.LTV:Life Time Valueの略称。顧客から契約期間(Life Time)を通じてもたらされる価値であり、契約期間×MRR×売上総利益率によって算出。2.CAC:Customer Acquisition Costの略称。顧客の獲得に要するコストであり、セールス活動及びマーケティング活動に係る費用が該当。3.Net Revenue Retention Rateは、該当期間中に、前期の同期間において顧客であったユーザーの該当期間における売上を前期の同期間における売上で除して算出。会計事務所の売上増分には、会計事務所の顧問先の増加に伴う売上増加を含む。4.売上高に対する調整後営業利益の比率。調整後営業利益:営業利益+株式報酬費用+M&Aにより生じた無形資産の償却費用+その他の一時費用5. 調整後フリー・キャッシュ・フロー:一般的なフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フロー+ 投資活動によるキャッシュ・フロー)に対して、クレジットカード事業で発生する立替金の増減及び、ファクタリング事業で発生する買取債権の増減が営業キャッシュ・フローに与える影響と、M&Aに伴う支出及び収入が投資キャッシュ・フローに与える影響を調整したもの。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションを掲げ、「だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム」をコンセプトとしたサービスを提供しております。 (2) 当社グループの強み① 成長性の高いクラウド会計・人事労務ソフト市場におけるユニークで強固なポジション国内企業の99.7%を占める中小企業(注1)は大企業と比べて生産性が低く、テクノロジー活用において大きな成長ポテンシャルが存在しております。当社グループは、個人事業主をはじめ、従業員規模別に法人顧客を区分したSmall(従業員19名以下)及びMid(従業員20名以上1,000名以下)の3領域に対して、それぞれのニーズに即したソリューションを提供しております。(注2)当社グループは、スモールビジネス向けのクラウド会計ソフト及びクラウド人事労務ソフトのTAM(注3)について、合計で約1.7兆円と推計(注4)しております。また、国内の中小企業におけるバックオフィス向けクラウドソフトの利用率は47.7%(注5)、個人事業主におけるクラウド会計ソフトの利用率は38.4%(注6)であり、クラウドERP市場の拡大ポテンシャルは高いと認識しております。また、大企業よりも深刻な採用難(注7)や高い離職率(注8)等、人材確保が喫緊の経営課題である中小企業において業務効率化ニーズがますます高まっています。加えて、中小企業の事業承継の活発化(注9)や新設法人数の増加(注10)といった企業の新陳代謝も、スモールビジネスにおけるクラウド浸透の追い風になっていると考えております。前記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3)統合型クラウド会計ソフト・人事労務ソフトを提供する「freee」が選ばれる理由」にて記載のとおり、当社グループの提供するサービスは、従来型の会計ソフト・人事労務ソフトを単にクラウド化したものとは異なる統合型の経営プラットフォームであり、経理業務の枠を超えたバックオフィス全体の効率化、及び経営者の意思決定のナビゲーションにも寄与するものです。こうしたユニークなサービス設計・顧客価値により、成長性の高いクラウド会計・人事労務ソフト市場において当社グループのユーザー規模は創業以来順調に拡大しており、マーケットリーダーとして業界を牽引しております。(注) 1.中小企業庁「中小企業白書(2026年版)」2.個人事業主、Small及びMidにおける潜在企業数と出所は下表のとおり。尚、Midの潜在企業数については、「令和3年 経済センサス 活動調査」における雇用者規模20~999名の企業数を参考値として使用。顧客セグメント潜在企業数出所個人事業主4,488,359国税庁令和5年調査Small(従業員19名以下の法人)1,768,899令和3年経済センサス 活動調査Mid(従業員20名以上1,000名以下の法人)291,957 3.TAM:Total Addressable Marketの略称。当社グループが想定する最大の市場規模を意味する用語であり、当社グループが本書提出日現在で営む事業に係る客観的な市場規模を示す目的で算出されたものではない。各プロダクトのTAMは、一定の前提の下、外部統計資料をはじめ、プロダクトラインナップ拡充やプラン改定等の当社ビジネスの取り組み状況も踏まえ、国内における全潜在ユーザー企業において各プロダクトが導入された場合の年間支出総金額を当社グループが推計したものであり、その正確性にはかかる統計資料や推計に固有の限界があるため、実際の市場規模はかかる推計値と異なる可能性がある。4.国内の潜在ユーザー企業に対し、「freee会計」「freee人事労務」及び隣接領域プロダクトが導入された場合に想定される年間支出総金額。潜在ユーザー企業は、個人事業主と従業員1,000名未満の法人の合計(潜在ユーザー企業数(国税庁「令和6年申告所得税」、総務省統計局「令和3年経済センサス 活動調査」) × 「freee会計」「freee人事労務」及び隣接領域プロダクトの従業員規模別の想定年間課金額)5.令和7年通信利用動向調査(総務省情報流通行政局)より、従業員数100名以上999名以下の企業における財務会計・人事・給与向けクラウドソフトの利用率を当社にて推計。6. クラウド会計ソフトの利用状況調査(2026年3月末)(株式会社MM総研)7. リクルートワークス研究所(2025)、「ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」。従業員300名以上の企業における大卒求人倍率は約0.9倍である一方、従業員300名未満の企業における同倍率は約9.0倍。8. 厚生労働省「雇用動向調査(2025年版)」。従業員1,000名以上の企業における離職率は12.5%である一方、従業員100~299名の企業における離職率は17.9%。9. 中小企業庁「中小企業白書(2026年版)」。事業承継・引継ぎセンターにおける事業承継の成約件数は、2021年度から2024年度にかけて約1.5倍に増加。10.「国税庁法人番号公表サイト」より、各年に新たに法人番号が指定された法人を新設法人として抽出し集計。2016年から2025年にかけて新設法人数は約4割増加。 ② スモールビジネス向けクラウドERP市場及びアウトソース市場における更なるTAMの拡大当社グループは、従来の会計・人事労務ソフトの枠を超え、バックオフィス全体の効率化に資する統合型業務ソフト(ERP)を志向してサービスを提供しております。今後もプロダクトラインナップを継続的に拡充し、スモールビジネス向けERPとして提供価値の強化を目指してまいります。バックオフィス全体の効率化に資するERP市場として捉えた場合、当社グループが狙うTAMは合計で約3.7兆円(注1)に達すると試算しており、持続的な事業成長の強固な基盤として捉えています。さらに当社グループは、AI活用の加速によりアウトソースビジネスの事業拡大を推進しております。人材確保が喫緊の課題であるスモールビジネスのバックオフィス人件費の市場は約33.5兆円(注2)と推定しており、同市場に対するアウトソースサービスの浸透を進めてまいります。(注)1.国内の潜在ユーザー企業に対し、「freee会計」「freee人事労務」「freee販売」「freeeサイン」「freee業務委託管理」及びファイナンスサービス(カード・ファクタリング)等が導入された場合に想定される年間支出総金額。潜在ユーザー企業は、個人事業主と従業員1,000名未満の法人の合計。(潜在ユーザー企業数(国税庁「令和6年申告所得税」、総務省統計局「令和3年経済センサス 活動調査」) × 各プロダクト及びサービスの従業員規模別の想定年間課金額)2.常用雇用者数×バックオフィス人員比率×平均人件費により算出。常用雇用者数は、総務省統計局「令和3年 経済センサス活動調査」の中小企業の常用雇用者数を参照。バックオフィス人員比率は、総務省統計局「令和4年 就業構造基本調査」をもとに中小企業の事務従事者の割合を推計。平均人件費は、国税庁「令和6年 民間給与実態統計調査」の中小企業の平均給与をもとに推計。いずれのデータも、従業者数999名以下の企業を対象とする。 ③ AIエージェント時代に強くなるSaaSとしての競争優位性当社グループは、AIエージェントの進展に伴う事業環境の変化に対し、以下4つの要素を軸とした強固な競争優位性を構築しております。第一に、「System of Record(企業活動の正しい記録)」としてのデータ基盤と完全性です。会計申告や人事労務等、制度上の確定データが不可欠な領域において、すべての取引証憑や仕訳履歴を「Single Source of Truth(真実の唯一のソース)」として一元管理・蓄積する構造を有しており、AIエージェントが正確な判断・処理を行うための前提となるデータの正当性と整合性を担保します。第二に、End-to-Endの統合型プラットフォームである点です。単一機能の提供にとどまらず、証憑回収から決算・申告に至る一連の業務プロセスを横断的に統合しています。さらに国内の法規制や独自の商習慣に準拠した統合ワークフローエンジンを備えることで、AIエージェントによる業務全体の自律的な完遂を可能にします。第三に、AIエコシステムにおける高いアクセシビリティです。創業後早期からのパブリックAPI公開を通じてオープンエコシステムを推進しており、汎用AIエージェントや各種アプリケーションとの円滑な連携を可能にする技術的基盤を有しております。第四に、ガバナンスと説明責任(アカウンタビリティ)を担保する証跡基盤です。権限設定や監査ログによりAIの適切な挙動とトレーサビリティ(追跡可能性)を保証するとともに、会計士・税理士等のプロフェッショナルとの強固なエコシステムを確立することで、実務における最終的な信頼性を担保しております。 ④ 高い安定性を誇る財務モデル当社グループは、統合型プラットフォームの価値向上を見据えプロダクトラインナップの拡充を推進しており、クロスセルによる収益拡大のポテンシャルを継続的に高めております。また、人事労務領域のプロダクトを中心に従業員数に応じた課金モデルを導入することで、顧客企業の成長に伴う従業員数の増加により自動的に収益が拡大する仕組みを構築しております。さらにカスタマーサクセスの取り組みにも注力し、2026年6月期における月次平均解約率(注1)は約1.0%となりました。スモールビジネスは大企業と比して廃業率が高く、また他社のソフトウェアへの乗り換えも多い傾向にあるなか、当社グループは継続的な解約率の低減を実現しております。このような取り組みを通じて顧客生涯価値(LTV)(注2)の長期的な最大化を図り、高い安定性を誇る財務モデルを実現しております。(注) 1.(当該月に有料課金ユーザーでなくなったユーザーに関連するARR÷前月末ARR)の過去12ヶ月平均。当社の全顧客領域を対象に集計。2.LTV:Life Time Valueの略称。顧客から契約期間(Life Time)を通じてもたらされる価値であり、契約期間×MRR×売上総利益率によって算出。 ⑤ 企業文化「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションの実現に向け、当社グループは「マジ価値を届けきる集団」であると自己定義し、「本質的な価値(マジ価値)をユーザーに届けきること」を世の中へのコミットメントとして位置づけております。「マジ価値」とは、「ユーザーにとって本質的な価値があると自信をもって言えることをする」という意味であり、当社グループが創業以来、大切にしている考え方です。同時に、これは届いてこそ意味があるという考えから、マジ価値を届ける共通基盤である全役員及び全従業員が持つべきマインドとして「マジ価値2原則」を、マジ価値をチームとして届けるために大切にしたい行動として「マジ価値指針」を全役員及び全従業員で議論し浸透させております。また、当社グループは原則全日出社の方針を設け、働き方の柔軟性を担保しながら「一緒に出社」することで高いスピード感で事業を推進しております。当社グループは、ミッションやコミットメントに共感する社員が集まり、個々人が高い自律性を持ちながらも強い一体感・カルチャーを持つ組織を実現しています。 マジ価値2原則・「社会の進化を担う責任感」:社会をよい方向へ進化させる責任を有するという自負をもって、あきらめずに挑戦する姿勢。また、世の中を変えうるよい事例は率先してつくるという姿勢・「ムーブメント型チーム」:目指すべき世の中の方向性に共感し、自律的にアクションを起こす姿勢マジ価値指針・「理想ドリブン」:理想から考える。現在のリソースやスキルにとらわれず挑戦しつづける・「アウトプット⇒思考」:まず、アウトプットする。そして考え、改善する・「Hack Everything★」:取り組んでいることや持っているリソースの性質を深く理解する。その上で枠を超えて発想する・「ジブンゴーストバスター」:フィードバックを貪欲に求めることで、自分が認識出来ていない自分を知る。強み・弱みと向き合い、自分を進化させ続ける。・「あえて共有」:人とチームを知る。知られるよう共有する。オープンにフィードバックをしあうことで一緒に成長する (3) 経営環境 我が国は、少子高齢化を背景に人口減少フェーズに入り、生産年齢人口の減少が見込まれております。また、2017年3月に政府から「働き方改革実行計画」が発表されて以降、労働環境の規制が強化されています。加えて、最低賃金も上昇するなど、労働生産性の向上が益々要求される局面を迎えております。生産年齢人口が減少する一方で、新設法人数や副業者数は増加傾向にあります。こうした独立を志向した生き方に対するニーズが時代に合わせて大きくなることで、スモールビジネスの裾野は広がりを見せております。当社グループでは、このような環境下において、スモールビジネスは労働力への依存から脱却し、テクノロジーに代替可能な作業を積極的に置き換える必要があるほか、だれもが自由に経営できる社会をつくり、新しい生き方のニーズに対応することが重要であると認識しており、スモールビジネスが強くスマートになることに貢献するサービスの開発、提供を目指してまいります。また、(2) 当社グループの強み ① 成長性の高いクラウド会計・人事労務ソフト市場におけるユニークで強固なポジションに記載がある通り、現状の我が国における会計ソフト及び人事労務ソフトの普及余地は多分に存在するものと考えております。 (4) 中長期的な経営戦略上記の経営環境を前提とし、今後も継続的な成長を実現することを目的として、中長期成長戦略のもとで事業を推進しております。現在推進している中長期戦略においては、2028年6月期に、成長性と収益性を一体で捉える財務目標として対前期比売上高成長率と調整後営業利益率(注1)の合計で40%(Rule of 40)に到達することを掲げております。このうち、調整後営業利益率については15%以上に向上させ、高成長と収益性向上の両立を図ってまいります。また、キャッシュ創出力の重要指標である調整後フリー・キャッシュ・フロー(注2)についても、2028年6月期に調整後営業利益と同水準に拡大すると見込んでおります。(注) 1.売上高に対する調整後営業利益の比率。調整後営業利益:営業利益+株式報酬費用+M&Aにより生じた無形資産の償却費用+その他の一時費用2.調整後フリー・キャッシュ・フロー:一般的なフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フロー+ 投資活動によるキャッシュ・フロー)に対して、クレジットカード事業で発生する立替金の増減及び、ファクタリング事業で発生する買取債権の増減が営業キャッシュ・フローに与える影響と、M&Aに伴う支出及び収入が投資キャッシュ・フローに与える影響を調整したもの。① ユーザー基盤の更なる拡大当社グループの2026年6月期末における有料課金ユーザー企業数は694,586件であり、創業以来順調に拡大し続けております。これまでは、WebマーケティングやSNS経由で流入した顧客の自発的なユーザー登録をはじめ、インサイドセールス(注1)及びフィールドセールス(注2)経由での獲得が中心でした。近年では、これらのダイレクトチャネル経由での顧客獲得に加えて、会計事務所とのパートナーシップ拡大により会計事務所経由での顧客獲得が大きく伸長しています。これは、会計ソフトと申告ソフトの双方を提供し一気通貫でオンライン完結できるプラットフォームとしての価値が会計事務所及び顧問先から高く評価されているものと考えております。今後もスモールビジネスへのタッチポイントの深化、多様化を進めることで、ユーザー基盤の更なる拡大を進めてまいります。プラットフォーム事業の有料課金ユーザー企業数推移(件)(注3)顧客セグメント2022年6月期末2023年6月期末2024年6月期末2025年6月期末2026年6月期末全社379,427452,923534,819609,292694,586個人事業主249,762292,951336,398374,222419,957法人129,665159,972198,421235,070274,629 (注)1.メールや電話等を活用し、非対面で実施する営業活動2. 見込み顧客を直接訪問し、対面で実施する営業活動3. 当事業年度より開示区分を見直し、サブスクリプションサービスの利用顧客を対象とする従来の区分から、クレジットカード等のトランザクションサービスの利用顧客も対象に含めたプラットフォームユーザーとしての開示に変更 ② 顧客価値の最大化当社グループは継続的に新規サービスをリリースしてきたほか、既存サービスの機能改善などにより、顧客価値の向上に努めております。また、プロダクト価値の向上に応じた機動的なプラン改定の実施や、複数プロダクトの利用を促すクロスセルを推進した結果、ARPU(注)の上昇を実現してまいりました。今後は、収益の中心である会計・人事労務領域に留まらず、「freee販売」をはじめ高い成長ポテンシャルを有する新規事業領域にも注力し、スモールビジネスの業務の効率化と可視化をより幅広い領域で実現することで統合体験を強化していきます。真にスモールビジネスに必要とされる既存サービスの改善や新規サービスのリリース等を通じて、顧客価値の最大化を目指してまいります。(注)ARPU: Average Revenue Per Userの略称。1有料課金ユーザー企業当たりの平均単価。各期末時点における合計ARRを有料課金ユーザー企業数で除して算出。 ③ 金融サービスの拡大当社グループは、新規事業領域の1つとして金融サービスに注力しております。2022年1月には、Midセグメント(注1)を中心とした顧客の成長資金ニーズに対応すべく「freeeカード Unlimited」をリリースし、2023年2月にはSmallセグメント(注2)にも提供範囲を拡大いたしました。また、M&Aも積極的に活用しながら金融サービスのラインナップ強化に取り組んでおり、即日払いのファクタリング等の金融支援サービス「FREENANCE」を提供するGMOクリエイターズネットワーク株式会社を2025年9月に完全子会社化いたしました。今後もスモールビジネスにとって大きな課題である資金繰りに対して、これらの改善を進めるとともに、データとテクノロジーの力を活用することで、あらゆる経営課題の解決に貢献するサービス開発及び提供を目指してまいります。(注)1.従業員が20名以上1,000名以下の法人を指す。2.従業員が19名以下の法人を指す。 ④ AI活用の推進当社グループは、プラットフォームの価値強化と社内業務の生産性向上の双方においてAIの活用を進めております。プラットフォームの価値強化においては、AI時代における顧客体験として、業務そのものをAIエージェントに任せきる「Done for You」体験の実現を目指しております。こうした中、顧問先業務に最適化した統合型AIエージェント「freee Agent Hub」を会計事務所向けに、自社の業務フローに合わせてAIエージェントを作成できる「freee AIアシスタント」を法人顧客向けに提供開始するなど、AI関連プロダクト・サービスの市場浸透を推進しております。また当社グループは、全社的なAI活用を通じた更なる業務効率化・生産性向上を重点施策として推進しております。研究開発をはじめ、セールス、マーケティング、カスタマーサクセスを含む全社的な生産性向上を通じて、売上高成長に対する費用増加ペースを抑制しオペレーティングレバレッジを最大化させ、持続的な事業成長と利益拡大を実現してまいります。 (5) 対処すべき課題① スモールビジネス向けクラウドERP市場の拡大当社グループは、スモールビジネス向けのクラウド会計ソフトとクラウド人事労務ソフトのTAMについて、合計で約1.7兆円と推計(注)しております。また、国内の中小企業におけるバックオフィス向けクラウドソフトの利用率は47.7%(注)、個人事業主におけるクラウド会計ソフトの利用率は38.4%(注)であり、クラウドERP市場の拡大ポテンシャルは高いと認識しております。当社グループは、スモールビジネス向けクラウドERP市場におけるリーディングカンパニーとして、市場を引き続き牽引することが重要であると認識しております。(注)前記「(2)当社グループの強み ① 成長性の高いクラウド会計・人事労務ソフト市場におけるユニークで強固なポジション」を参照。 ② 持続可能な社会の実現と、そのための組織体制の整備「freee会計」、「freee人事労務」をはじめとする各サービスの提供により、だれもが自由に自然体で経営できる環境をつくることで、ユーザーの皆様を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することが重要と考えております。また、当社グループが持続可能な組織であるために、多様なバックグラウンドをもった優秀な人材を採用し、強い組織体制を整備することが重要であると認識しております。上記をはじめとするサステナビリティ推進活動の詳細に関しては、当社グループWebサイト内の「サステナビリティ」コーナー、及び「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 ③ 情報管理体制の強化当社グループは、提供するサービスに関連して多数のユーザー企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため、専任の情報セキュリティチームを設置しております。また情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理、保護しております。今後も社内教育・研修の実施のほか、システムの強化・整備を実施してまいります。 ④ 新規事業の展開とAIイニシアティブの推進現在、当社グループの収益の大半が「freee会計」や「freee人事労務」等のSaaSサービスから成り立っております。今後も継続的な事業成長の実現に向けて、既存サービスの伸長に加えて、金融サービスや取引プラットフォームにおける新規事業の展開を積極的に検討してまいります。さらに、統合型経営プラットフォームへのAIエージェントの導入を加速させ、AIに安心して任せきれる「Done for You」体験を実現することで顧客満足度の向上を図ってまいります。 ⑤ 利益及びキャッシュ・フローの創出当社グループの収益の中心であるSaaSビジネスは、サブスクリプション方式でユーザーに提供しており、継続して利用されることで収益が積み上がるストック型の収益モデルになります。一方で、開発費用やユーザーの獲得費用が先行して計上される特徴があり、短期的には赤字が先行することが一般的です。当社グループは、2025年6月期に創業以来初となる営業利益の黒字化を達成し、続く2026年6月期においても高成長及び収益性の向上を継続しております。SaaSビジネスにおいては、投資効率を計る指標として顧客生涯価値(LTV)(注1)と顧客獲得コスト(CAC)(注2)のバランス(LTV/CAC)が重要であるため、これを重要指標の一つとして顧客獲得活動における投資判断を行っております。さらに、既存顧客からの収益拡大の状態を示す重要指標としてNet Revenue Retention Rate(注3)を定めており、収益獲得の効率性を測っております。これらの指標を基準として成長投資を継続することが中長期的に利益及びキャッシュ・フローの最大化に寄与するものと考えております。現在推進している中長期戦略においては、2028年6月期に、成長性と収益性を一体で捉える財務目標として対前期比売上高成長率と調整後営業利益率(注4)の合計で40%(Rule of 40)に到達することを掲げております。このうち、調整後営業利益率については15%以上に向上させ、高成長と収益性向上の両立を図ってまいります。また、キャッシュ創出力の重要指標である調整後フリー・キャッシュ・フロー(注5)についても、2028年6月期に調整後営業利益と同水準に拡大すると見込んでおります。 (注)1.LTV:Life Time Valueの略称。顧客から契約期間(Life Time)を通じてもたらされる価値であり、契約期間×MRR×売上総利益率によって算出。2.CAC:Customer Acquisition Costの略称。顧客の獲得に要するコストであり、セールス活動及びマーケティング活動に係る費用が該当。3.Net Revenue Retention Rateは、該当期間中に、前期の同期間において顧客であったユーザーの該当期間における売上を前期の同期間における売上で除して算出。会計事務所の売上増分には、会計事務所の顧問先の増加に伴う売上増加を含む。4.売上高に対する調整後営業利益の比率。調整後営業利益:営業利益+株式報酬費用+M&Aにより生じた無形資産の償却費用+その他の一時費用5. 調整後フリー・キャッシュ・フロー:一般的なフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フロー+ 投資活動によるキャッシュ・フロー)に対して、クレジットカード事業で発生する立替金の増減及び、ファクタリング事業で発生する買取債権の増減が営業キャッシュ・フローに与える影響と、M&Aに伴う支出及び収入が投資キャッシュ・フローに与える影響を調整したもの。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営成績等の状況の概要① 業績等の概要当社グループは「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、「だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム」の実現を目指してサービスの開発及び提供をしております。スモールビジネス(注1)向けのクラウド会計ソフトとクラウド人事労務ソフトのTAM(注2)について、合計で約1.7兆円と推計(注3)しております。また、国内の中小企業におけるバックオフィス向けクラウドソフトの利用率は47.7%(注4)、個人事業主におけるクラウド会計ソフトの利用率は38.4%であり(注5)、クラウドERP市場の拡大ポテンシャルは高いと認識しております。当連結会計年度において、当社グループは、主要サービスである「freee会計」及び「freee人事労務」を中心に機能改善を目的とした開発投資を実施し、会計事務所経由での新規顧客獲得の推進、及び、既存の顧客基盤を活用したクロスセル販売の促進を行いました。また、AI時代における顧客体験の変化を「Done by You」から「Done for You」へのシフトと捉え、「人間にとって使いやすいUI」から「業務そのものをAIエージェントに任せきる体験」へと、提供価値の転換を進めています。こうした中、顧問先業務に最適化した統合型AIエージェント「freee Agent Hub」を会計事務所向けに、自社の業務フローに合わせてAIエージェントを作成できる「freee AIアシスタント」を法人顧客向けに提供開始するなど、AI関連プロダクト・サービスの市場浸透を推進しています。このような取り組みの結果、当連結会計年度末におけるプラットフォーム事業のプラットフォームARR(注6)は前連結会計年度末比21.8%増の43,595百万円、有料課金ユーザー企業数(注7)は同14.0%増の694,586件、ARPU(注8)は同6.8%増の62,772円、当連結会計年度における同事業の売上高は前連結会計年度比27.6%増の42,441百万円、調整後営業利益(注9)は同41.3%増の2,663百万円となりました。以上の結果、当連結会計年度における売上高は前連結会計年度比27.6%増の42,441百万円、調整後営業利益は同41.3%増の2,663百万円、営業利益は同78.6%増の1,091百万円、経常利益は同81.0%増の746百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同21.3%減の1,077百万円となりました。プラットフォーム事業のプラットフォームARR、有料課金ユーザー企業数及びARPU推移 2022年6月期末2023年6月期末2024年6月期末2025年6月期末2026年6月期末ARR(百万円)15,25920,99826,83435,79643,595有料課金ユーザー企業数(件)379,427452,923534,819609,292694,586ARPU(円)40,24246,37250,17458,75062,772 プラットフォーム事業のサブスクリプションARR、有料課金ユーザー企業数及びARPU推移 2022年6月期末2023年6月期末2024年6月期末2025年6月期末2026年6月期末ARR(百万円)15,05720,57926,08734,39341,274有料課金ユーザー企業数(件)379,404451,088532,637606,533691,225ARPU(円)39,68645,62248,97756,70459,715 (注) 1.「スモールビジネス」とは、個人事業主と従業員が1,000名以下の法人を指す 2.TAM:Total Addressable Marketの略称。当社グループが想定する最大の市場規模を意味する用語であり、当社グループが本書提出日現在で営む事業に係る客観的な市場規模を示す目的で算出されたものではない。各プロダクトのTAMは、一定の前提の下、外部統計資料をはじめ、プロダクトラインナップ拡充やプラン改定等の当社ビジネスの取り組み状況も踏まえ、国内における全潜在ユーザー企業において各プロダクトが導入された場合の年間支出総金額を当社グループが推計したものであり、その正確性にはかかる統計資料や推計に固有の限界があるため、実際の市場規模はかかる推計値と異なる可能性がある3.国内における当社グループの全潜在ユーザー企業において「freee会計」及び「freee人事労務」が導入された場合の全潜在ユーザー企業による年間支出総金額。全潜在ユーザー企業は、個人事業主と従業員が1,000名未満の法人の合計。(「freee会計」及び「freee人事労務」の全潜在ユーザー企業数(国税庁「令和5年申告所得税」、総務省統計局「令和3年経済センサス 活動調査」) × 従業員規模別の「freee会計」及び「freee人事労務」の想定年間課金額)4.令和7年通信利用動向調査(総務省情報流通行政局)より、従業者数100名以上999名以下の企業における財務会計・人事・給与向けクラウドソフトの利用率を当社にて推計5.クラウド会計ソフトの利用状況調査(2026年3月末)(株式会社MM総研)6.プラットフォームARR:当社グループのプラットフォーム事業において継続的に得られる収益を1年間あたりの金額に換算した指標であり、ARRは、Annual Recurring Revenueの略称。プラットフォームARRはサブスクリプションARRとトランザクションARRから構成され、一時収益は含まない。サブスクリプションARRとは、各期末月のMRR(Monthly Recurring Revenue)を12倍して算出した指標。MRRとは、Monthly Recurring Revenueの略称であり、対象月の月末時点における継続課金ユーザー企業に係る月額料金の合計額。トランザクションARRとは、従量型・手数料型売上の各期末月の売上高を12倍してARRに換算した指標。なお、前連結会計期間までARRと称していた指標を当連結会計期間よりサブスクリプションARRへと表記の変更を行ったが、集計算出の定義に変更はない。7.当社グループのサービスを利用する個人事業主と法人の双方を指す8.ARPU: Average Revenue Per Userの略称。1有料課金ユーザー企業当たりの平均単価。各四半期末時点における合計ARRを有料課金ユーザー企業数で除して算出9.調整後営業利益=営業利益+株式報酬費用+M&Aにより生じた無形資産の償却費用+その他一時費用 ② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末比9,325百万円増加の61,920百万円となりました。これは主に、立替金が3,175百万円、ソフトウェアが2,855百万円、買取債権が1,536百万円、売掛金が1,379百万円増加したことによるものです。(負債)当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末比7,801百万円増加の40,734百万円となりました。これは主に、短期借入金が4,700百万円、前受収益が2,671百万円増加したことによるものです。(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末比1,523百万円増加の21,186百万円となりました。これは主に、資本剰余金が15,874百万円、利益剰余金が1,077百万円増加した一方、資本金が14,125百万円減少し、自己株式が1,290百万円増加したことによるものです。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、36,179百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により獲得した資金は1,519百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益768百万円、前受収益の増加額2,664百万円、減価償却費1,316百万円に対し、立替金の増加額3,175百万円によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は5,898百万円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出4,323百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出713百万円及び有形固定資産の取得による支出610百万円によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により獲得した資金は4,765百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増額4,700百万円及び株式の発行による収入81百万円によるものです。 ④ 生産、受注及び販売の状況a. 生産実績当社グループが営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 b. 受注実績当社グループが営む事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績は前連結会計年度比27.6%増の42,441百万円となりました。なお、当社グループは、当社と連結子会社5社及び持分法適用関連会社1社の合計7社で構成されておりますが、プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。また、総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売実績等の記載は省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。 なお、当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 経営成績の分析(売上高) 売上高は42,441百万円となりました。これは「freee会計」及び「freee人事労務」の有料課金ユーザー企業数の増加、ARPUの上昇によるARRの拡大を主因とした売上高の増加によるものであります。(売上原価、売上総利益)売上原価は8,043百万円となりました。これは主に、ソフトウェア償却費の増加に加え、サービスの利用ユーザーの増加に伴いサーバーに係る費用が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は34,397百万円(前連結会計年度は27,361百万円)となりました。(調整後販売費及び一般管理費(注1)、調整後営業利益(注2)) 調整後販売費及び一般管理費は31,734百万円となりました。当連結会計年度においては、中長期成長戦略に伴い人件費、マーケティング費用への投資を継続し、調整後販売費及び一般管理費が増加しました。この結果、調整後営業利益は2,663百万円(前連結会計年度は1,885百万円の調整後営業利益)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益) 営業外収益は80百万円となりました。営業外費用は425百万円となり、主な内容は支払利息及び譲渡制限付株式報酬償却損であります。この結果、経常利益は746百万円(前連結会計年度は412百万円の経常利益)となりました。(特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)特別利益は54百万円となり、主な内容は新株予約権戻入益であります。特別損失は33百万円となり、主な内容は投資有価証券評価損であります。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,077百万円(前連結会計年度は1,370百万円の利益)となりました。(単位:百万円) 2024年6月期2025年6月期2026年6月期売上高25,43033,27042,441売上原価4,4395,9098,043売上総利益20,99127,36134,397調整後販売費及び一般管理費28,55325,47531,734 うち調整後R&D(注3)8,3464,7426,549 うち調整後S&M(注4)16,96117,73321,318 うち調整後G&A(注5)3,2462,9993,866調整後営業利益 又は損失(△)△7,5621,8852,663 (注)1.費用計上区分の見直しにより、過年度の調整後販売費及び一般管理費内訳の金額を変更しております2.調整後営業利益=営業利益+株式報酬費用+M&Aにより生じた無形資産の償却費用+その他一時費用。なお、調整後営業利益及び調整後販売費及び一般管理費については有限責任あずさ監査法人による監査又はレビューを受けておりません3.Research and Developmentの略称。研究開発に係るエンジニアの人件費や関連する経費及び共通費等の 合計4.Sales and Marketingの略称。販売促進に係る広告宣伝費やセールス人員の人件費や関連する経費及び共通費等の合計5.General and Administrativeの略称。コーポレート部門の人件費や関連する経費及び共通費等の合計 ③ 財政状態の分析当連結会計年度の財政状態の分析については、前記「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ④ キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、前記「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループにおける主な資金需要は、当社グループの業容拡大を企図した、M&Aや戦略的投融資のほか、研究開発活動や営業活動にかかる人件費や広告宣伝費です。これらの資金需要に対しては、主に自己資金を充当することを基本としております。また、クレジットカード事業においては、運転資金の効率的な調達を行うため当座貸越契約等を締結しております。 ⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
事業リスク
- クラウド市場の成長鈍化freeeの売上の大部分はクラウドサービスの利用料に依存しています。国内のBtoB向けクラウド市場は成長途上ですが、法規制の導入、技術革新の停滞などにより、クラウドサービスの導入が想定通りに進まない場合、市場の成長が阻害され、freeeの事業や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 技術革新と競争への対応クラウドサービスを取り巻く技術革新のスピードは非常に速く、常に最新の技術を取り入れ、顧客ニーズに合ったサービスを提供し続けることが重要です。もし技術ノウハウの獲得が困難になったり、競合他社がより優れたサービスを展開したりした場合、freeeの競争力が低下し、事業や業績に影響が出る可能性があります。
- 法的規制の変更と遵守freeeは電子決済等代行業者や金融サービス仲介業者として登録されており、関連法規を遵守する必要があります。これらの法令に違反した場合、行政処分を受けたり、登録が取り消されたりするリスクがあります。また、会計、税務、人事労務などの規制変更により、サービスの大幅な修正や販売中止が必要となる可能性があり、事業に影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】以下において、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも、そのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業に関するリスクについて① クラウド関連市場について(発生可能性:低、影響度:大)当社グループのプラットフォーム事業は、売上高の大部分をクラウドサービスのサブスクリプション売上高が占めています。国内のBtoB向けのクラウド関連市場は従来型の会計ソフト・人事労務ソフトと比べて発展途上段階にあり、当社グループは当該市場が今後も拡大していくことが事業展開の前提であると考えております。当社グループでは、今後もクラウド関連市場の順調な成長を見込んでおりますが、クラウドサービスに関連して、今後新たな法的規制の導入、技術革新の停滞などの要因により、クラウドサービスの導入が想定通りに進捗せず、クラウド関連市場の成長が阻害される場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 技術革新、規制変更等への対応について(発生可能性:中、影響度:大)当社グループのプラットフォーム事業においては、顧客であるスモールビジネスのニーズに対応したサービスの拡充・開発を適時かつ継続的に行うことが重要です。とりわけ、クラウドサービスを取り巻く技術革新のスピードは大変速く、先端的なニーズに合致するクラウドサービスを提供し続けるためには、常に先進的な技術ノウハウを獲得し、当社グループの開発プロセス・組織に取り入れていく必要があります。このため、当社グループは、エンジニアの採用・育成や創造的な職場環境・開発環境の整備を進めるとともに、技術的な知見・ノウハウの取得に注力しております。しかしながら、かかる知見やノウハウの獲得に困難が生じた場合、技術革新に対する当社グループの対応が遅れた場合又は競合他社がより優れたサービスを展開した場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。更に、新技術への対応のために追加的なシステム投資、人件費などの支出が拡大する可能性があります。このように、当社グループが技術革新に対して、適時かつ適切に対応することができなかった場合には、当社グループの技術力低下、それに伴うサービスの質の低下、そして競争力や業界での地位の低下を招き、また、対応のための支出の増大により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、会計、税務、人事労務その他の規制に関する変更により、当社グループのサービスについて重大な修正を要し、又は販売が延期若しくは中止となる場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 法的規制について(発生可能性:低、影響度:大)当社は、電子決済等代行業者及び金融サービス仲介業者として関東財務局に登録(登録番号:関東財務局長(電代)第1号及び関東財務局長(金サ)第17号)(以下、「本登録」という。)をし、サービスの提供を行っております。本登録に関して、有効期限は存在しないものの、当社が本登録に関連する法令に違反して業務改善命令を受ける、又は本登録が取り消される等した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。但し、本書提出日現在において、本登録の継続に支障を来す要因は発生しておりません。また、当社子会社であるフリー創業融資サポート株式会社は貸金業者として東京都に登録(登録番号:東京都知事(1)第32015号)を行っており、貸金業法に基づく役務の提供を行っております。上記許認可及び登録の状況の概要は以下のとおりであります。 (当社)許認可等の名称取得年月日所管官庁等許認可等の内容有効期限主な許認可等の取消事由電子決済等代行業者2018年9月26日(登録)金融庁電子決済等代行業1号業務(銀行口座への送金指図伝達業務)及び2号業務(銀行口座情報の取得・提供業務)の登録―銀行法第52条の61の17金融サービス仲介業者2024年12月19日(登録)金融庁金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第11条第2項に定める業務(預金等媒介業務)の登録―金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第38条 (フリー創業融資サポート株式会社)許認可等の名称取得年月日所管官庁等許認可等の内容有効期限主な許認可等の取消事由貸金業者2025年2月28日(登録)金融庁貸金業者の登録2028年2月27日貸金業法第24条の6の5 当社グループは、社内の管理体制の構築等により、当該法令を遵守する体制を整備しておりますが、当社グループが当該法令に抵触すること等により何らかの行政処分を受けた場合や、社会情勢の変化等により当社グループの事業展開を阻害する規制の強化等が行われた場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 情報管理体制について(発生可能性:低、影響度:大)当社グループは、提供するサービスに関連して多数の顧客企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため、情報セキュリティに係る専任チームを設置し、情報資産を適切に管理、保護しております。具体的には、「freee会計」「freee人事労務」「freee販売」「freee工数管理」「freee支出管理」「freee経理」「freee請求書」については、国際的な保証報告書であるSOC1 Type2報告書を取得しております。また、「freeeカードunlimited」ではクレジットカード取扱事業者に求められる国際認証であるPCI-DSSを取得しており、提携先の金融機関によるセキュリティチェックや、電子決済等代行業者の登録に際して金融庁によるセキュリティチェックをパスしております。また、個人情報の取扱いに関して、プライバシーポリシーを定めると共に、個人情報保護に係る国際認証であるTRUSTe認証を取得し、関連法規類に準拠した情報保護を実施しています。さらに、情報セキュリティ基本方針を定め、従業員に対して継続的な研修活動を実施しております。しかしながら、このような対策にもかかわらず、重要な情報資産の外部漏洩等により、当社グループが行政指導や行政処分等を受け、当社グループの社会的信用が失墜したり、若しくは損害賠償請求が発生したりする可能性があります。また、情報資産の取扱いに関する法規制若しくはその運用の厳格化等により、当社グループのサービスの停止、情報の利活用に対する制約の増加等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑤ 競争状況について(発生可能性:中、影響度:大)当社グループは、主としてクラウド会計サービス業者、クラウド人事労務サービス業者と競合するほか、クラウドサービスと従来型の会計ソフト・人事労務ソフトの双方を提供している会計・人事労務サービス業者とも競合していることに加え、当社グループが属するクラウド関連市場は、近年急速に拡大している分野であるため、さらに多数の競合企業が参入する可能性があります。当社グループは、これまで培った独自の開発ノウハウを活用したサービスを提供し、また、新規顧客獲得のための戦略的な施策を展開することで、継続的な事業成長に努めておりますが、既存の競合企業の競争力の向上や競合企業の参入を含む競争環境の変化にともなって、当社グループや当社グループのサービス等に対する評価や信頼性を維持することができず、又はその優位性が失われる場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑥ 既存ユーザー企業の継続率及び単価向上について(発生可能性:中、影響度:大)当社グループのSaaSサービスのビジネスモデルは、サブスクリプション型のリカーリングモデルであることから、当社グループの継続的な成長には、新規顧客の獲得のみならず、既存顧客の維持及び単価向上が重要と考えております。既存顧客の維持については、その継続率が非常に重要な要素であり、機能の追加開発やサポートの充実により、継続率の維持・向上を図っております。予算及び経営計画には、実績を基に一定の解約率を踏まえた継続率を見込んでおりますが、当社グループのサービスの魅力の低下、競合他社に対する競争力の低下、追加機能やサポートに対する満足度の低下等により、当社グループの想定を大幅に下回る継続率となる可能性があります。単価向上については、当社グループは、ユーザー企業当たりのユーザーID数の増加によるARPUの増加、既存顧客へのアップセルやクロスセルを促進する戦略をとっております。しかしながら、既存顧客の事業が成長しない、中堅規模の企業の顧客獲得が奏功しない、又は当社グループのサービスが顧客のニーズに合致しないこと等により、想定した顧客単価の向上が実現しない可能性があります。これらの結果、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑦ 事業の拡大に伴うリスクについて(発生可能性:中、影響度:大)現在、当社グループの収益は、主力サービスである「freee会計」及び「freee人事労務」等のSaaSサービスによる売上が大部分を占めている状況であるため、当社グループは、多角的観点から新たな収益源を常に模索し、スモールビジネス向けERPとして実現・提供可能なサービスの範囲の拡大を目指すとともに、金融サービスの拡大等に取り組んでおります。加えて、当社グループは、今後、フィンテック領域における新規金融サービス等、現在の事業領域と異なる分野にも進出する可能性があります。しかしながら、現在の事業領域と異なる分野に進出したものの当該分野において収益化が進まない場合や当該分野に関係する法規制に新たに服することになる場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、事業の拡大及び新規事業展開に際しては、資本提携やM&Aも有効な手段であるものと認識しております。資本提携やM&Aに際しては、既存サービスとのシナジーやリスク等について十分な検討を行うことによりリスク低減を図る方針ですが、当初想定した事業のシナジー効果等が得られない、デュー・ディリジェンスの限界等から法的若しくは事業上の新たなリスク要因が発生する、または期待した投資のリターンが得られない等の可能性があり、これらに起因して当社グループの事業又は業績に影響を及ぼす可能性があります。また、期待した収益を得られず、保有する投資有価証券やのれん等の減損損失等が発生する場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 先行投資から得られる効果が期待通りに実現しないリスクについて(発生可能性:中、影響度:大)当社グループが運営する事業は、先行的に研究開発費及び広告宣伝費を投下し、サービス開発とユーザー獲得を進めることが必要なものであり、当社グループは、創業以来赤字を継続しておりましたが、2025年6月期に黒字化を達成いたしました。今後も、高水準な売上高成長を維持しつつ収益性の向上に努めながら先行的な投資を継続する方針であり、開発費用やユーザーの獲得費用等の対売上高比率を改善させ調整後営業利益率(注1)及び調整後フリー・キャッシュ・フローマージン(注2)の改善を見込んでおります。当社グループは、海外の同業他社等を参考に、売上に対して適切な比率の額を研究開発費として先行投資し、将来的なサービスの競争力を維持・向上させることに努めておりますが、研究開発活動をより確実に成果に結びつけるため、新規のサービスを小規模に開始し、市場の反応を確認しながら改善していく方法を採っております。また、顧客獲得活動についても先述のとおりLTV/CACを投資判断の重要指標として、Net Revenue Retention Rate(注3)を獲得した顧客からの収益増加の状態を示す重要指標として計測・把握し、日々活動の効率を向上させております。しかしながら、経営環境の急激な変化、その他「事業等のリスク」に記載のリスクの顕在化等により、こうした確実性を担保する努力にも関わらず、これらの先行投資が想定どおりの成果に繋がらなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、目標とする経営指標の見込みや財務方針等を掲げることがありますが、かかる経営指標の見込みや財務方針等は、経済状況の変化、経営環境、ユーザー企業のニーズの変化、他社との競合、技術革新の動向、法規制の変更及び為替変動等に係る多くの前提に基づいて作成されています。(注)1.売上高に対する調整後営業利益の比率。調整後営業利益:営業利益+株式報酬費用+M&Aにより生じた無形 資産の償却費用+その他の一時費用 2.売上高に対する調整後フリー・キャッシュ・フローの比率。調整後フリー・キャッシュ・フロー:一般的なフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フロー+ 投資活動によるキャッシュ・フロー)に対して、クレジットカード事業で発生する立替金の増減及び、ファクタリング事業で発生する買取債権の増減が営業キャッシュ・フローに与える影響と、M&Aに伴う支出及び収入が投資キャッシュ・フローに与える影響を調整したもの 3.Net Revenue Retention Rateは、該当期間中に、前期の同期間において顧客であったユーザーの該当期間における売上を前期の同期間における売上で除して算出。会計事務所の売上増分には、会計事務所の顧問先の増加に伴う売上増加を含む ⑨ 為替の変動について(発生可能性:低、影響度:大)当社グループは、外部クラウドサーバーのAmazon Web Services社が提供するサービス(以下、「AWS」という。)をはじめとする海外事業者が提供するサービス利用料等の支払いの一部を外貨建てで行っております。当社グループは、為替相場の変動リスクを軽減するために、一部の外貨建て支払いにおいて為替予約を利用しておりますが、想定以上に為替相場が円安傾向となった場合は、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 金融機関、他社ソフトウェアや会計事務所との連携について(発生可能性:低、影響度:大)第三者との連携は、当社グループの事業の維持・成長における重要な取り組みです。例えば、当社グループが提供するサービスの重要な機能として、金融機関及び他社ソフトウェアとデータ連携することによる入力等業務の自動化が挙げられます。金融機関との口座同期(いわゆるアカウントアグリゲーション)について、当社は電子決済等代行業の第一号として関東財務局へ登録しております。何らかの事情により、当該許認可の取り消しや金融機関との契約が維持できない場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。一方、他社ソフトウェアとのデータ連携は、主に当社グループが提供するパブリックAPIを通じて実施するものとなります。当社グループは顧客基盤の拡大及びサービスの機能の向上を通じて、連携先企業からみた当社グループが提供するプラットフォームの魅力を増大させております。また連携先企業を増やすことで、特定の連携先に対して依存しない体制の構築に向けて取り組んでおります。しかしながら、何らかの事象による連携先企業と当社グループの関係悪化等によって、連携が解消された場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。さらに、当社グループは、会計事務所及び金融機関等との間で密接な関係を築くことでスモールビジネスとのタッチポイントを拡充しています。しかしながら、会計事務所及び連携先には当社グループとの関係を継続する義務はありません。競合他社がインセンティブを提供することなどにより、当社グループの連携先の数が減少した場合には、当社グループの顧客獲得力が減退し、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑪ 固定資産の減損リスクについて (発生可能性:中、影響度:大)当社グループは、今後減損の兆候が認められ、減損損失の認識をすべきであると判定されたソフトウェア等の固定資産について減損損失を計上する場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 ⑫ 業績の季節変動について(発生可能性:中、影響度:中)当社グループの個人事業主向けのプランの新規契約の多くが確定申告時期(1月から3月、当社グループにおける第3四半期)に集中する傾向があります。確定申告時期においては、他の四半期の時期と比して、広告宣伝費を増額することが多く、第3四半期における損益が悪化する傾向にあります。また、2020年6月期及び2021年6月期においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、確定申告期限が当初3月中旬であったところ4月以降に延長され、同連結会計年度の損益に一定の影響が生じました。このように、確定申告期限の変更により、上記季節変動に変更が生じる可能性があります。 ⑬ 金融サービスにおける与信管理について(発生可能性:低、影響度:小)当社グループは、既存ユーザーの利便性向上と事業の拡大を目的として金融サービスの展開を進めております。具体的には、2022年1月よりクレジットカードサービスの「freeeカードunlimited」を提供しており、2025年9月より新たにファクタリングサービスの提供を開始しております。これらのサービスにおいてはカード決済代金の立て替えや売掛債権の買い取りに伴いユーザーに対する与信リスクを負担しており、与信管理が重要であると考えております。当社グループは、創業以来提供しているクラウド会計サービスから得られる会計情報を背景に中小企業の決済に関する与信管理のノウハウを十分持っていると認識しておりますが、金銭債権の回収がなされず想定以上の貸倒が発生した場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 (2) システム等に関するリスクについて(発生可能性:低、影響度:大)当社グループが運営する事業は、PC、スマートフォン、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社グループの事業及び業績は影響を受けます。また、当社グループのサービスは、AWSにて提供しており、AWSの安定的な稼働が当社グループの事業運営上、重要な事項となっております。当社ではAWSが継続的に稼働しているかを常時監視しており、障害の発生又はその予兆を検知した場合には、当社の役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整えております。AWSは、個々のアベイラビリティゾーン(注1)で運用されており、FISC安全対策基準(注2)を満たす安全性を備えております。しかしながら、システムエラー、人為的な破壊行為、自然災害等や当社の想定していない事象の発生によりAWSが停止した場合や、コンピュータ・ウイルスやクラッカーの侵入その他の不具合等によりシステム障害が生じた場合、又はAmazon Web Services社との契約が解除される等によりAWSの利用が継続できなくなった場合には、顧客への損害の発生、当社グループの追加費用負担、又は当社グループのブランドの毀損などにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。(注)1.リージョンの中の個々の独立したデータセンターの名称を指す。2.金融庁が金融機関のシステム管理体制を検査する際に使用する基準を指す。 (3) 経営管理体制に関するリスクについて① 内部管理体制の整備状況にかかるリスクについて(発生可能性:低、影響度:大)当社グループは、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制が適切に整備され、有効に機能していることが必要不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、更に法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ② 人材の採用・育成について(発生可能性:低、影響度:中)当社グループは、今後急速な成長が見込まれる事業の展開や企業規模の拡大に伴い、継続的に幅広く優秀な人材を採用し続けることが必須であると認識しております。質の高いサービスの安定稼働や競争力の向上に当たっては、開発部門を中心に極めて高度な技術力・企画力を有する人材が要求されていることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を継続的に採用すると共に、成長ポテンシャルの高い人材の採用及び既存の人材の更なる育成・維持に積極的に努めていく必要性を強く認識しております。しかしながら、特にエンジニア等の一定の人材の確保に関する競争は激しく、当社グループの採用基準を満たす優秀な人材の確保や人材育成が計画どおりに進まなかった場合又は人材確保のためにより高額の報酬を支払うこととなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 特定人物への依存について(発生可能性:低、影響度:中)当社の代表取締役である佐々木大輔は、創業者であると同時に創業以来当社の事業推進において重要な役割を担ってまいりました。同氏は、クラウド会計ソフトの企画から開発、運用に至るまで豊富な経験と知識を有しております。当社の設立以降は、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社グループでは、取締役会やその他会議体において役員及び従業員への情報共有や権限委譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の経営執行を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ コンプライアンス体制について(発生可能性:低、影響度:中)当社グループでは、企業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えております。そのため、コンプライアンスに関する社内規程を策定し、全役員及び全従業員を対象として社内研修を実施し、周知徹底を図っていると共に、コンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。しかしながら、これらの取組みにも関わらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社グループの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 知的財産権の管理について(発生可能性:低、影響度:大)当社グループは、運営するコンテンツ及びサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権の侵害を防ぐ体制として、当社グループの法務本部及び顧問弁理士への委託等による事前調査を行っております。しかしながら、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらに対する対価の支払いやこれらに伴うサービス内容の変更の必要等が発生する可能性があります。また、当社グループが保有する知的財産権について、第三者により侵害される可能性があるほか、当社グループが保有する権利の権利化ができない場合もあります。こうした場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) その他のリスクについて① 自然災害、事故等について(発生可能性:低、影響度:大) 当社グループでは、自然災害、事故等に備え、サービスの定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの未然防止又は回避に努めておりますが、当社グループまたは当社グループが利用するクラウドサービスの所在地近辺において、大地震等の自然災害が発生した場合、当社グループが保有する設備の損壊や電力供給やインターネットアクセスの制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生して、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 株式の追加発行等による株式価値の希薄化について(発生可能性:中、影響度:小)当社は、当社の役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、過去に新株予約権を発行しており、今後においても譲渡制限付株式や株式給付信託等による株式報酬制度を活用していく方針であります。発行済みの新株予約権が権利行使された場合や譲渡制限付株式付与、株式給付信託制度の運用に伴い、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 ③ 訴訟等について(発生可能性:低、影響度:大)当社グループは、本書提出日現在において、事業に重大な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、事業を展開するなかで、当社グループが提供するサービスの不備、情報漏洩等により、何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因して偶発的に発生する訴訟等やそれに至らない請求等を受ける可能性があります。その場合、当該訴訟等に対する防御の為に費用と時間を要する可能性があるほか、当社グループの社会的信用が毀損され、また、損害賠償の金額、訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 税務上の繰越欠損金について(発生可能性:中、影響度:中)2026年6月期末において、当社グループに税務上の繰越欠損金が存在しております。当社の経営成績が順調に推移することにより、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、キャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。