4492

ゼネテック(4492)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • システムソリューション事業
    ゼネテックは、携帯電話やカーナビなどの組込みシステム(特定の機能を持つ機械に組み込まれるコンピューターシステム)の設計・開発を主な事業としています。長年の経験で培った技術を活かし、ソフトウェアとハードウェアを一体で開発する受託開発を行っており、特に自動車の自動運転システムやIoT関連のエッジコンピューターなどの成長分野に注力しています。また、企業の資源を一元管理するERPシステムの導入支援も手掛けています。
  • エンジニアリングソリューション事業
    この事業では、製造業向けの3次元CAD/CAMソフトウェア(設計や加工プログラム作成ソフト)や、工場・物流のシミュレーションソフトウェア「FlexSim」、製品ライフサイクル管理(PLM)ソフトウェアのライセンス販売、導入支援、サポート、教育研修を提供しています。自社開発のIoTモニタリングプラットフォーム「Surve-i」を活用し、製造機械の稼働監視システムなども販売しており、製造業のDX推進を支援しています。
  • GPS事業
    スマートフォン向け防災アプリ『ココダヨ』を提供しています。このアプリは、緊急地震速報と連動して家族の居場所を自動で知らせる機能があり、安否確認に役立ちます。NTTドコモのサービスにも採用されており、今後は高齢者や子供の見守り、海外展開も視野に入れています。この事業は、人々の安全・安心を支えるサービスを通じて収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • システムソリューション事業
    この事業は、同社グループの主要な収益源であり、売上高は45.36億円、営業利益は11.63億円を計上しています。主に移動体通信機や自動車関連の組込みシステム開発を手掛けており、ソフトウェアとハードウェアを一体で開発する受託開発が中心です。今後は自動運転システムやIoT関連のエッジコンピューターなど、成長が期待されるモビリティ分野や製造業のDX関連需要に注力していく方針です。
  • エンジニアリングソリューション事業
    この事業の売上高は30.55億円、営業利益は5.31億円です。製造業向けに3次元CAD/CAMソフトウェア「Mastercam」や3Dシミュレーションソフトウェア「FlexSim」、製品ライフサイクル管理(PLM)ソフトウェアのライセンス販売、導入支援、サポート、教育研修を提供しています。また、自社開発のIoTモニタリングプラットフォーム「Surve-i」を活用した稼働監視システムなども展開しており、製造業の生産性向上とDXを支援しています。
  • GPS事業
    この事業は、売上高5.34億円、営業利益1.17億円を計上しています。スマートフォン向け防災アプリ『ココダヨ』を提供しており、緊急地震速報と連動した家族の安否確認サービスが特徴です。NTTドコモのサービスにも採用されており、今後は高齢者や子供の見守りサービス、海外展開など、さらなる事業拡大を目指しています。この事業は、社会の安全・安心に貢献するサービスを通じて収益を上げています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
DigitalSolutionBusiness 地域 45 12 25.6%
EngineeringSolutionBusiness 地域 31 5 17.4%
CocodayoBusiness 地域 5 1 22.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,504 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社および連結子会社)は、当社(株式会社ゼネテック)および子会社1社により構成されており、システムソリューション事業、エンジニアリングソリューション事業およびGPS事業を主たる事業としております。当社グループの事業内容および当社の関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、次の3区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。また、当連結会計年度より、社内の組織体制と情報開示するセグメント区分を一致させるため、「エンジニアリングソリューション事業」セグメントに含まれていた「EVC関連開発(注)1」を「システムソリューション事業」セグメントへと区分変更いたしました。 (1)システムソリューション事業当社グループは、当社の1985年7月の設立以来、移動体通信機分野(ポケットベル、携帯電話、PHSなど)の各種情報端末、自動車関連(カーナビ、カーオーディオ、インフォテインメント(注)2など)の組込みシステム(注)3の設計開発をコア事業として発展してまいりました。カーエレクトロニクス全般、デジタル情報家電、半導体製造装置分野などの組込みシステムに係るソフトウェア開発およびハードウェア開発において、長年培ってきた受託開発ノウハウを駆使し、仕様分析・検討、基本設計から製造までシステムの一括受託開発を行っております。今後、特に、モビリティ分野の自動運転システム、安全運転アシストシステム、インフォテインメントシステムなどの成長が期待されており、また、各種制御系機器のインテリジェント化やデータ収集ニーズに伴う各種センサーの情報を取りまとめるエッジコンピュータ(注)4やFPGAの需要なども成長が期待され、製造業分野でDX(注)5関連の需要が大きく高まっていくと予測されております。ソフトウェア専業開発と異なり、組込みシステム開発にはハードウェア制御の知識が必須であり、また、製品の性格上、ソフトウェア開発と比べて非常に厳しい品質確保が要求されるものになるため、この領域は、当社グループの強みであるソフトウェアとハードウェアの一体型システム開発力および通信・ネットワーク分野の開発技術力を活かせる分野になります。これらのソフトウェア開発およびシステム開発の領域に加え、当連結会計年度から株式会社モアソンジャパン(静岡県浜松市、以下「モアソンジャパン」という。)が行うデジタル楽器のソフトウェア開発、産業用ロボット制御開発、生産管理・品質管理システムなどのビジネスアプリケーション開発、放送局向け開発などの領域が加わり、システムソリューション事業はより幅広い事業を展開しております。 (2)エンジニアリングソリューション事業「3次元CAD(注)6/CAM(注)7ソフトウェア」「ロボットティーチングソフトウェア」「3次元シミュレーションソフトウェア」「製品ライフサイクル管理ソフトウェア」について、ライセンス販売、導入・技術支援、サポート、教育・研修などのソリューションサービス事業を行っております。また、今後の成長が見込まれる製造業向けIoT分野において、創立来システム開発で培ってきた通信・制御・センサーデバイス、ネットワーク、クラウド技術をベースにしたモニタリングプラットフォーム「Surve-i」を自社開発し、製造機械・設備の稼働モニタリングシステム「GCモニター」や防犯・災害対策用遠隔カメラ監視ソリューションとして販売しております。 [3次元CAD/CAM関連]主力製品である「Mastercam」は、製品や部品に関するCAD設計データに、工具・切削方法などのさまざまな加工情報を付加し、NC工作機械(注)8を制御する数値データへ変換するCAMソフトウェアです。ソフトウェアの使用ライセンスに加えて、CAMの導入時に必要なポストプロセッサ(注)9の開発、操作や設定についての教育・研修、保守メンテナンス・サポート契約、当社の技術的知見を活かしたカスタマイズソフトウェア、アドオンソフトウェア、エンジニアリングサービス等の技術サービスなど様々なサービスを提供しております。これらの既存事業に加え、当連結会計年度からモアソンジャパンが行うCAD/CAM関連が加わり、より広く3次元CAD/CAM関連ソリューションをお客様にご提供しております。 [3次元シミュレーション関連]日本国内では、ますます少子高齢化が進む中で、工場の見直し、ライン・設備等の見直し、省力化対応の機械、ロボットやDX関連システムの導入が一層進むと予想されますが、「FlexSim」は、製造・物流現場において投資対効果の高い最適な検証結果を企画段階で容易に導きだすことができ、工場・物流の生産性向上と利益の向上に貢献する3次元シミュレーションソフトウェアです。「FlexSim」は、製造・物流の業界だけでなくマテハン・ロジスティックス・医療・港湾・空港・大型商業施設などの「ヒト・モノの流れ」がある多種多様な業界で利用されております。 [PLM(製品ライフサイクルマネジメント)関連]製造業のエンジニアリングチェーン(企画や受注から始まり、設計、製造準備、製造、保守保全等まで設計を中心とした一連の業務プロセス)を管理するシステムでPLM(注)10と呼ばれています。PLMを導入することで製品ライフサイクル全体のリードタイムやコストを大幅に削減し、収益や品質向上につなげるための業務改革を可能にし、企業の開発力や競争力の向上を実現するものであります。 (3)GPS事業緊急地震速報の受信と同時に、事前に合意登録されている家族の最新の居場所が自動配信され、お互いの安否が把握できる自社開発のスマートフォン向け防災サポートアプリ『ココダヨ』を提供しており、2018年9月より株式会社NTTドコモが提供するスマートフォンアプリ定額使い放題サービス「dバリューパス(旧:スゴ得コンテンツ)」に採用されております。加えて、2026年3月26日より防災・防犯・見守り機能および多言語に対応した新アプリ『ココダヨ Life』の提供を開始し、サービス拡充を図りました。今後、高齢者や子供の見守り用としてのサービス拡大や、地震・自然災害の多い国や地域へのサービス拡大を目指しております。 (用語解説)(注)1.Engineering Value Chain:製造プロセスにおける設計部門を中心とした一連のシステム開発(注)2.インフォテインメント:主に車載システムについて用いられる用語で、情報と娯楽の提供を実現するシステムの総称(注)3.組込みシステム:特定用途向けに特化、限定した機能を果たすために各種機械や機器に組み込まれるコンピュータシステム(注)4.エッジコンピュータ:製造現場においては、工場内に多数設置されたセンサー等から得られる大容量データに対し、端末近くで高速な処理をするコンピュータのこと(注)5.DX:デジタルトランスフォーメーション。ビッグデータなどのデータとAIやIoTを始めとするデジタル技術を活用して業務プロセスを改善。製品やサービス、ビジネスモデルそのものを変革するとともに、組織、企業文化、風土を改革し、競争上の優位性を確立すること(注)6.CAD:Computer Aided Design(コンピュータ支援設計)。パソコンの画面上で図面を作成するためのソフトウェア。2次元は平面上での製図、3次元は立体空間の製図(注)7.CAM:Computer Aided Manufacturing(コンピュータ支援製造)。NC(Numerically Controlled :数値制御)工作機械の加工プログラムを作成するソフトウェア(注)8.NC工作機械:Numerically Controlled Machine Tools(数値制御される工作機械)。数値制御とは「工作物に対する工具経路、その他加工に必要な作業の工程などを、それに対応する数値情報で指令する制御」のこと(注)9.ポストプロセッサ:CAMの言語を工作機械の言語に変える翻訳機(注)10.PLM:Product Lifesycle Managementの略であり、企画・要件定義から製造・配送・保守に至るまでの工程全体のライフサイクルを管理するシステムのこと [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
組込みシステム開発におけるソフトウェアとハードウェアの一体型システム開発力および通信・ネットワーク分野の開発技術力。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
組込みシステム開発にはハードウェア制御の知識が必須であり、非常に厳しい品質確保が要求される。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:特定領域への依存度に関するリスク / 自然災害等に関するリスク / 個人情報および機密情報の漏えいに関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ゼネテックの財務サマリデータが未収録のため、ブランド、特許、規制ライセンス、独占的IPなどの無形資産に関する具体的な評価は困難です。公開情報が限定的であり、詳細な分析に必要な情報が不足しています。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

ゼネテックは主にITソリューションを提供しており、顧客は特定のシステムやサービスに依存する可能性があります。しかし、乗り換えコストが極めて高いことを示す具体的な事例や、顧客定着率に関する詳細なデータは現時点では確認できません。そのため、スイッチング・コストは弱いシグナルに留まります。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ゼネテックの事業内容から、直接的なネットワーク効果(ユーザー数の増加がサービス価値を向上させる構造)は想定されません。プラットフォームビジネスのような特性は見られず、ネットワーク効果による競争優位性は確認できません。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

ゼネテックのコスト構造に関する詳細な情報や、競合他社と比較して構造的に低コストでサービスを提供できる優位性を示すデータは現時点では確認できません。特に、規模の経済や独自の生産プロセスによるコスト優位性は見られません。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

ゼネテックは情報・通信業に属していますが、業界全体における同社の市場シェアや、規模の経済を活かした寡占的な地位を確立しているかは不明です。限定的な情報から、効率規模による優位性は現時点では弱いと考えられます。

  • 組込みシステム開発力
    ゼネテックは、設立以来、移動体通信機や自動車関連の組込みシステム開発をコア事業としてきました。ソフトウェア開発だけでなく、ハードウェア制御の知識も必須となるこの分野で、長年培った受託開発ノウハウと、ソフトウェア・ハードウェア一体型の開発力、通信・ネットワーク技術力を強みとしています。これにより、高い品質が求められる製品開発において競争優位性を確立しています。
  • 製造業向けDX支援
    3次元CAD/CAMソフトウェア「Mastercam」や3Dシミュレーションソフトウェア「FlexSim」の提供を通じて、製造業の生産性向上とDX推進を支援しています。特に「FlexSim」は、製造・物流現場の最適化を企画段階で検証できるため、投資対効果の高いソリューションとして多様な業界で利用されています。これにより、顧客企業の開発力や競争力向上に貢献し、長期的な関係を築いています。
  • 防災・見守りサービスの提供
    スマートフォン向け防災アプリ『ココダヨ』は、緊急地震速報と連動して家族の安否確認ができる独自のサービスです。NTTドコモの定額サービスに採用されるなど、その利便性と信頼性が評価されています。高齢者や子供の見守り、海外展開といった今後のサービス拡大の可能性も秘めており、社会貢献性の高い分野での事業展開が強みと言えます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、経営理念「想像力・創造力・技術力を駆使して、安心・安全な社会づくりに寄与すると共に、社会の継続的発展と成長に貢献する」のもと、「お客さま満足度の継続的な向上に努める」および「社員の健全で豊かな生活の実現に努める」を経営方針としております。 (2)目標とする経営指標当社グループは、2026年度から2028年度までの3ヵ年を対象とした中期経営計画におきまして、売上高、営業利益、営業利益率、ROE(自己資本利益率)を重要な経営目標として設定しております。具体的な目標数値につきましては、2026年5月15日に発表いたしました「中期経営計画(2026年度~2028年度)」をご参照ください。https://pdf.irpocket.com/C4492/WUpy/TQJe/iDuh.pdf (3)中長期的な会社の経営戦略当社グループは、2026年度から2028年度までの3ヵ年を対象とした中期経営計画において、「トータルソリューションパートナーへの進化」を全社方針とし、事業成長戦略と経営基盤戦略を基本戦略として定めております。事業成長戦略の重点施策は、システムソリューション事業では事業領域拡大と収益力強化、エンジニアリングソリューション事業ではコンサル/技術サービス強化に取り組んでまいります。加えて、グループ一体経営として、これらの各事業を事業ごとの縦割りではなく、部門・会社を超えた一体経営で取り組むことで、各事業の力を最大限に発揮してまいります。経営基盤戦略の重点施策は、人的資本の強化としてプロジェクトマネジメント力の強化、生成AIの活用として開発業務の生産性向上、営業・間接部門の業務効率向上、基幹システム活用による業務効率向上として前期に導入したSAP S/4HANA Cloudの導入後の利用高度化を進めてまいります。当社グループは、これらの基本戦略と重点施策を着実に遂行することで、経営目標の達成を目指してまいります。 (4)経営環境および対処すべき課題当社グループが属する情報サービス産業は、社会のデジタルトランスフォーメーション(DX)に対する需要を背景に、さまざまな分野において積極的なIT投資が継続しております。 当社グループのシステムソリューション事業のソフトウェア開発においては、デジタル家電および自動車におけるソフトウェアの重要性がますます高まっており、大手家電メーカーによる新製品開発、自動車メーカーによる車載ソフトウェアに対する投資が拡大しております。システム開発においては、エッジコンピューティングやFPGAなどのソフトウェア・ハードウェア一体開発の需要が高まっております。エンジニアリングソリューション事業においては、主要顧客が属する製造業において生産性・効率性向上を目的としたDX化がいっそう進展するものと思われます。当社グループでは、多様化する社会ニーズや市場環境の変化に機動的に対応し、持続的な成長と盤石な経営基盤を確立するために、以下を対処すべき課題と認識し、取り組んでまいります。 ①人的資本の強化付加価値の高いサービスの提供を行い、業容拡大を図っていくためには、事業成長戦略の核となる人材の拡充および高度化を継続的に図っていくことが必要だと認識しており、事業成長に合わせて適材適所に人材配置ができるよう新卒・中途での人材採用を強化してまいります。また、最新の技術動向や環境変化に迅速に対応できる技術教育研修制度の充実を図るとともに、管理職についてはマネジメントスキルの高度化を目的とした育成に努めてまいります。 ②営業力の強化既存顧客からの安定受注と新規顧客からの受注獲得に必要な要員を確保するため、技術教育に注力するとともに、多種多様な案件に人材を柔軟かつ機動的に配置できるよう努めてまいります。また、既存顧客との取引深耕と新規顧客の開拓に当たっては、顧客ニーズに対応した提案営業の強化が必要だと認識しており、こうした営業スタイルを徹底することを通じて顧客への提案力および課題解決力の強化を図り、もって受注獲得率の向上に繋げてまいります。 ③プロジェクト管理の徹底と品質の向上プロジェクト管理の徹底と、品質・生産性・技術力およびマネジメント力を向上するための社員育成を通じてコスト競争力を具備する体制を整備してまいります。また、顧客のシステムに対する要求水準が高まっており、要求の充足と顧客満足を実現するために、ISO9001(品質マネジメントシステム)を用いた品質の向上に努めております。 ④グループ一体経営とマネジメント体制の強化当社グループの成長を加速させていくためには、グループ一体となった事業活動が必要であると認識しております。これには、マネジメント体制の強化およびグループ間での連携強化が不可欠であり、マネジメント人材の育成、グループ間のコミュニケーションの活性化そして人材交流の活発化等を通じて中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。また、グループ会社のガバナンスの強化も重要な課題だと認識しており、グループとしての内部統制体制の充実を通じてグループ内における報告・分析・改善体制を整えてまいります。 ⑤生成AIの活用現在の事業活動において、効率性を上げる手段の1つとして生成AIは欠かせないものとなりつつありますが、生成AI活用においては、利用基盤とガバナンスの整備が重要であると認識しております。当社グループはこれまでも、開発業務の一部においてAIを活用してまいりましたが、その活用範囲の拡大とともにガバナンスの強化を行うことで、さらなる開発業務の生産性向上、営業・間接部門の業務効率向上を図ってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、経営理念「想像力・創造力・技術力を駆使して、安心・安全な社会づくりに寄与すると共に、社会の継続的発展と成長に貢献する」のもと、「お客さま満足度の継続的な向上に努める」および「社員の健全で豊かな生活の実現に努める」を経営方針としております。 (2)目標とする経営指標当社グループは、2026年度から2028年度までの3ヵ年を対象とした中期経営計画におきまして、売上高、営業利益、営業利益率、ROE(自己資本利益率)を重要な経営目標として設定しております。具体的な目標数値につきましては、2026年5月15日に発表いたしました「中期経営計画(2026年度~2028年度)」をご参照ください。https://pdf.irpocket.com/C4492/WUpy/TQJe/iDuh.pdf (3)中長期的な会社の経営戦略当社グループは、2026年度から2028年度までの3ヵ年を対象とした中期経営計画において、「トータルソリューションパートナーへの進化」を全社方針とし、事業成長戦略と経営基盤戦略を基本戦略として定めております。事業成長戦略の重点施策は、システムソリューション事業では事業領域拡大と収益力強化、エンジニアリングソリューション事業ではコンサル/技術サービス強化に取り組んでまいります。加えて、グループ一体経営として、これらの各事業を事業ごとの縦割りではなく、部門・会社を超えた一体経営で取り組むことで、各事業の力を最大限に発揮してまいります。経営基盤戦略の重点施策は、人的資本の強化としてプロジェクトマネジメント力の強化、生成AIの活用として開発業務の生産性向上、営業・間接部門の業務効率向上、基幹システム活用による業務効率向上として前期に導入したSAP S/4HANA Cloudの導入後の利用高度化を進めてまいります。当社グループは、これらの基本戦略と重点施策を着実に遂行することで、経営目標の達成を目指してまいります。 (4)経営環境および対処すべき課題当社グループが属する情報サービス産業は、社会のデジタルトランスフォーメーション(DX)に対する需要を背景に、さまざまな分野において積極的なIT投資が継続しております。 当社グループのシステムソリューション事業のソフトウェア開発においては、デジタル家電および自動車におけるソフトウェアの重要性がますます高まっており、大手家電メーカーによる新製品開発、自動車メーカーによる車載ソフトウェアに対する投資が拡大しております。システム開発においては、エッジコンピューティングやFPGAなどのソフトウェア・ハードウェア一体開発の需要が高まっております。エンジニアリングソリューション事業においては、主要顧客が属する製造業において生産性・効率性向上を目的としたDX化がいっそう進展するものと思われます。当社グループでは、多様化する社会ニーズや市場環境の変化に機動的に対応し、持続的な成長と盤石な経営基盤を確立するために、以下を対処すべき課題と認識し、取り組んでまいります。 ①人的資本の強化付加価値の高いサービスの提供を行い、業容拡大を図っていくためには、事業成長戦略の核となる人材の拡充および高度化を継続的に図っていくことが必要だと認識しており、事業成長に合わせて適材適所に人材配置ができるよう新卒・中途での人材採用を強化してまいります。また、最新の技術動向や環境変化に迅速に対応できる技術教育研修制度の充実を図るとともに、管理職についてはマネジメントスキルの高度化を目的とした育成に努めてまいります。 ②営業力の強化既存顧客からの安定受注と新規顧客からの受注獲得に必要な要員を確保するため、技術教育に注力するとともに、多種多様な案件に人材を柔軟かつ機動的に配置できるよう努めてまいります。また、既存顧客との取引深耕と新規顧客の開拓に当たっては、顧客ニーズに対応した提案営業の強化が必要だと認識しており、こうした営業スタイルを徹底することを通じて顧客への提案力および課題解決力の強化を図り、もって受注獲得率の向上に繋げてまいります。 ③プロジェクト管理の徹底と品質の向上プロジェクト管理の徹底と、品質・生産性・技術力およびマネジメント力を向上するための社員育成を通じてコスト競争力を具備する体制を整備してまいります。また、顧客のシステムに対する要求水準が高まっており、要求の充足と顧客満足を実現するために、ISO9001(品質マネジメントシステム)を用いた品質の向上に努めております。 ④グループ一体経営とマネジメント体制の強化当社グループの成長を加速させていくためには、グループ一体となった事業活動が必要であると認識しております。これには、マネジメント体制の強化およびグループ間での連携強化が不可欠であり、マネジメント人材の育成、グループ間のコミュニケーションの活性化そして人材交流の活発化等を通じて中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。また、グループ会社のガバナンスの強化も重要な課題だと認識しており、グループとしての内部統制体制の充実を通じてグループ内における報告・分析・改善体制を整えてまいります。 ⑤生成AIの活用現在の事業活動において、効率性を上げる手段の1つとして生成AIは欠かせないものとなりつつありますが、生成AI活用においては、利用基盤とガバナンスの整備が重要であると認識しております。当社グループはこれまでも、開発業務の一部においてAIを活用してまいりましたが、その活用範囲の拡大とともにガバナンスの強化を行うことで、さらなる開発業務の生産性向上、営業・間接部門の業務効率向上を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、以下のとおりであります。① 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における流動資産は4,490百万円となり、前連結会計年度末に比べて129百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金の減少388百万円、売掛金の増加281百万円等によるものであります。固定資産は2,421百万円となり、前連結会計年度末に比べて107百万円減少いたしました。これは主に、のれんの償却による減少133百万円等によるものであります。この結果、総資産は6,912百万円となり、前連結会計年度末に比べて237百万円減少いたしました。(負債)当連結会計年度末における流動負債は3,017百万円となり、前連結会計年度末に比べて316百万円減少いたしました。これは主に、未払金の減少337百万円等によるものであります。固定負債は1,167百万円となり、前連結会計年度末に比べて244百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金の減少257百万円等によるものであります。この結果、負債合計は4,185百万円となり、前連結会計年度末に比べて560百万円減少いたしました。(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は2,726百万円となり、前連結会計年度末に比べて323百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上510百万円、配当金の支払いによる利益剰余金の減少207百万円等によるものであります。 ② 経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境が改善するなかで各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調が続いております。しかしながら、物価上昇の継続や中東・ウクライナ情勢による影響等には注視が必要であり、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。一方で、当社グループが属する情報サービス産業においては、社会のデジタルトランスフォーメーション(DX)に対する需要を背景に、さまざまな分野において積極的なIT投資が継続しております。 このような環境のもと、当社グループは、2023年5月31日に公表した中期経営計画(2023年度~2025年度)の最終年度を迎え、事業成長戦略、経営基盤戦略および行動指針に基づき、「システムソリューション事業」「エンジニアリングソリューション事業」「GPS事業」の3つの事業の業容拡大を通じて経営目標の達成に取り組みました。加えて、今期下期は既存事業および新規連結子会社の収益改善ならびに収益改善を支える経営基盤の整備を重点的に取り組みました。既存事業の事業別売上高は、システムソリューション事業では、ソフトウェア開発で自動車などのモビリティ開発やデジタル家電開発の案件が増加し、システム開発でFPGA開発案件が増加した結果、前期比増収となりました。エンジニアリングソリューション事業では、「FlexSim」が第1四半期での前期比減収分を通期でカバーできず、前期比減収となりましたが、「Mastercam」関連とPLM関連で下期の重点施策が奏功した結果、前期比増収となりました。一方で、GPS事業では『ココダヨ』の「dバリューパス(旧:スゴ得コンテンツ)」(注)向け売上が、当連結会計年度を通じて低調であり前期比減収となりました。(注.株式会社NTTドコモが提供するスマートフォンアプリ使い放題サービス)以上の結果、既存事業の売上高合計は前期比増収となりました。この既存事業の売上高に、2024年7月から株式会社フラッシュシステムズ(愛知県名古屋市、以下「フラッシュシステムズ」という。)、2025年4月からモアソンジャパンの2社の売上高が加わった結果、当連結会計年度の売上高は、10,983百万円(前期比35.2%増)となり、過去最高を更新しました。利益面については、システム開発のハードウェア部材の仕入価格上昇や「FlexSim」および『ココダヨ』の減収影響等がありましたが、下期重点施策として既存事業および新規連結子会社の収益改善を進めた結果、営業利益820百万円(前期比18.3%増)、経常利益824百万円(前期比20.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益510百万円(前期比21.2%増)となり、連結会計年度において過去最高の段階利益を更新しました。 当連結会計年度におけるセグメント別の状況は次のとおりであります。(システムソリューション事業)当社グループのソフトウェア開発の事業領域は、従前からの、自動車のECUやCDC、鉄道車両のソフトウェアなどのモビリティ開発、デジタル家電や産業機器の組込系ソフトウェア開発に、当連結会計年度からモアソンジャパンが行うデジタル楽器のソフトウェア開発、産業用ロボット制御開発、生産管理・品質管理システムなどのビジネスアプリケーション開発、放送局向け開発などが加わり広がりました。既存事業では、モビリティ開発において自動車メーカー向けの案件が増加するとともに、Tier1企業向けの案件も継続、加えて鉄道車両関連案件も増えました。デジタル家電などの組込系ソフトウェア開発も堅調で、売上高は、3,416百万円(前期比5.5%増)となりました。この既存事業にモアソンジャパンのソフトウェア開発売上高1,769百万円が加わり、当社グループのソフトウェア開発売上高は、5,185百万円(前期比60.2%増)となりました。当社グループの強みのひとつであるソフトウェアとハードウェア一体開発を行うシステム開発は、下期重点施策であるFPGA開発や産業機器向けの新規開発案件が増加し、売上高は1,612百万円(前期比5.9%増)となりましたが、ハードウェア部材の仕入価格上昇等があり、前期比減益となりました。以上の結果、当連結会計年度におけるシステムソリューション事業の売上高は6,798百万円(前期比42.8%増)、セグメント利益は1,504百万円(前期比19.5%増)となりました。 (エンジニアリングソリューション事業)当社グループのエンジニアリングソリューション事業は、主に製造業のDX推進を支援する各種ソリューションの提供を行っており、モアソンジャパンにおいても各種ソリューションの提供を行っております。3次元シミュレーションソフトウェア「FlexSim」は、第1四半期での前期比減収分を通期でカバーできず、売上高は767百万円(前期比4.6%減)となりました。しかし、「FlexSim」の需要は引き続き堅調であり、今後は準大手・中堅企業への拡販を積極的に進めてまいります。当社グループのCAD/CAM関連は、既存の「Mastercam」関連に加え、当連結会計年度からモアソンジャパンが扱うCAD/CAM関連が加わりました。「Mastercam」関連は、下期重点施策である当社の技術的知見を活かしたカスタマイズソフトウェア、アドオンソフトウェア、エンジニアリングサービス等の技術サービスの売上増加に加え、メンテナンスキャンペーンが奏功し、売上高は1,433百万円(前期比6.4%増)となりました。この既存事業にモアソンジャパンのCAD/CAM関連売上高760百万円が加わった結果、CAD/CAM関連の売上高は2,193百万円(前期比62.8%増)となりました。PLM・ERP関連は、既存案件の開発継続に加え、大手SIerとの連携強化による案件増加、2024年7月から新規連結したフラッシュシステムズの連結効果などで、売上高は860百万円(前期比19.6%増)となりました。以上の結果、当連結会計年度におけるエンジニアリングソリューション事業の売上高は、3,821百万円(前期比33.1%増)、セグメント利益は462百万円(前期比6.3%増)となりました。 なお、当社グループは、組織および事業の合理化を図り、グループ全体で保有する経営資源の効率化を進めることを目的として、フラッシュシステムズを2026年1月1日に吸収合併いたしました。また、EVC関連開発(注)は、当連結会計年度よりエンジニアリングソリューション事業からシステムソリューション事業に報告セグメントを変更しております(当連結会計年度のEVC関連開発実績は、報告セグメント変更後に組み替えております)。(注.Engineering Value Chain:製造プロセスにおける設計部門を中心とした一連のシステム開発) (GPS事業)当社グループのGPS事業は、自社開発の防災サポートアプリ『ココダヨ』の提供に加え、2026年3月26日から防災・防犯・見守り機能および多言語に対応した新アプリ『ココダヨ Life』の提供を開始し、サービス拡充を図りました。GPS事業の売上構成の80%以上を占める「dバリューパス(旧:スゴ得コンテンツ)」の売上について、『ココダヨ』に適用されるレベニューシェア(注)の低下が当連結会計年度を通じて続いたことで、売上高は335百万円(前期比26.4%減)となりました。(注.サービス全体の収益をアプリ提供事業者間で分配する仕組み)一方で、ストア(App Store、Google Play)向けの売上は順調に増加し、売上高は55百万円(前期比26.0%増)となりました。以上の結果、当連結会計年度におけるGPS事業の売上高は399百万円(前期比25.2%減)、セグメント利益は24百万円(前期比79.5%減)となりました。なお、GPS事業につきましては、企業会計基準第17号「セグメント情報等の開示に関する会計基準」第11項 集約基準および第12項 量的基準に該当するため、2027年3月期第1四半期から「調整額」と合算し「その他」に報告セグメントを変更します。③ キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は112百万円(前年同期は451百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益826百万円、減価償却費89百万円、のれん償却額133百万円、顧客関連資産償却額21百万円等の資金増加要因が、売上債権及び契約資産の増加額333百万円、未払金の減少額356百万円、法人税等の支払額303百万円等の資金減少要因を上回ったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は47百万円(前年同期は388百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出65百万円、無形固定資産の取得による支出55百万円等の資金減少要因が、定期預金の払戻による収入54百万円、保険積立金の払戻による収入31百万円等の資金増加要因を上回ったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は398百万円(前年同期は655百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出290百万円、配当金の支払額207百万円等の資金減少要因が、短期借入金の純増加額100百万円等の資金増加要因を上回ったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績システムソリューション事業において、半導体製造装置ユニットの受託製造を主とする組み込みシステム開発をおこなっておりますが、当社の設計仕様に基づき外部企業に生産委託するファブレス形式によっており、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 b.受注実績当社グループの事業は、受注から売上計上までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)システムソリューション事業(千円)6,798,86242.84エンジニアリングソリューション事業(千円)3,821,94233.10GPS事業(千円)399,695△25.17合計(千円)11,020,49934.96(注)1.各セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおります。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社ニューフレアテクノロジー1,045,13112.9--ソニー株式会社866,22510.7--(注)当連結会計年度においては、総販売高に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.当社グループの経営成績イ.売上高当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ2,858百万円増の10,983百万円(前期比35.2%増)となりました。これは主に、既存事業のシステムソリューション事業において自動車などのモビリティ開発やデジタル家電開発、FPGAの開発案件が増加したこと、エンジニアリングソリューション事業において「Mastercam」関連とPLM関連で下期の重点施策が奏功したこと、新規連結のフラッシュシステムズおよびモアソンジャパンの売上高が加わったことによるものであります。セグメント別(セグメント間の内部売上高又は振替高を含む)では、システムソリューション事業6,798百万円(前期比42.8%増)、エンジニアリングソリューション事業3,821百万円(前期比33.1%増)、GPS事業399百万円(前期比25.2%減)となりました。 ロ.売上原価当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ1,982百万円増加の6,835百万円(前期比40.8%増)となりました。これは主に、既存事業において増収に伴う労務費、外注費、商品仕入高が増加したこと、新規連結のフラッシュシステムズおよびモアソンジャパンの労務費、外注費、商品仕入高の増加によるものであります。なお、売上総利益率は37.8%(前期比2.5ポイント減少)となりました。 ハ.販売費及び一般管理費当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ749百万円増加の3,327百万円(前期比29.1%増)となりました。これは主に、新規連結のフラッシュシステムズおよびモアソンジャパンの販売費及び一般管理費の増加、のれん償却および顧客関連資産償却の増加などによるものであります。なお、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は前期比1.4ポイント減少の30.3%となりました。 ニ.営業利益上記の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ126百万円増加の820百万円(前期比18.3%増)となりました。 ホ.経常利益当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ141百万円増加の824百万円(前期比20.7%増)となりました。これは主に、支払利息、子会社における保険解約返戻金が増加したことによるものであります。 ヘ.親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ89百万円増加の510百万円(前期比21.2%増)となりました。なお、1株当たり当期純利益金額は44円26銭となり、1株当たり年間配当金は22円00銭、連結配当性向は49.7%となりました。 b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績等に影響を与える要因としては、市場動向、人材の確保、各プロジェクトの採算性があります。 イ.市場動向日本国内の情報サービス市場は、2024年から2029年までの年間平均成長率(CAGR)は6.6%で成長し、2029年には9兆6,625億円に達するとみられています。IT予算を前年比増とする企業は全体の40%を超え、横ばいを含めると95%の企業が継続投資を行う見込みであります。DXは多くの企業において重要な経営課題の一つとして取り組まれ、大手企業のみならず中堅・中小企業へとDX投資の裾野は広がっています。分野別では、DX、AI、IoTによる自動化といった「攻めのIT分野」への投資が拡大し、特に生成AIの台頭によりAI関連への投資意欲が顕著に上昇しております。業種別では、製造業(特に自動車や半導体)のIT投資額・伸び率ともに高い水準にあり、特に自動車業界ではSDV化の進展に伴いソフトウェア投資の割合が増加傾向であります。企業規模別では、大手企業では、ERP更新と業務プロセス変革を軸とする経営基盤のモダナイゼーション/マイグレーションの投資が活況であり、新たに構築された基盤をベースとしたデータドリブン経営への舵取りが進められています。加えて、企業価値の向上と持続可能な成長を目指し、将来の収益基盤強化のための価値創造やDXの鍵となるソフトウェア等の無形資産への投資を重視していく見通しであります。中堅・中小企業では、大手企業から遅れる形で、デジタル化を軸とする業務効率化、働き方改革の実践、経営基盤の刷新に向け、特に人手不足という喫緊の課題解決に向けたIT投資が拡大していく見通しであります。 ロ.人材の確保当社グループは、継続的に付加価値の高いサービスを提供するために、高いITスキルを備え、当社グループの企業理念を理解し、主体的に課題解決を行うことのできる優秀な人材の育成および確保が不可欠であると認識しております。OJTや体系的な育成プログラムによる研修を実施し、社員のスキル向上をはかるとともに、積極的な採用活動に取り組み、優秀な人材の確保に努めてまいります。また、技術者確保のひとつの方法として、パートナーと位置付ける協力会社からの技術者の受け入れを行っております。 ハ.各プロジェクトの採算性当社グループのシステムソリューション事業において、プロジェクト単位ごとに適正利益の確保に努めるとともに、開発想定工数が大幅に乖離することがないようプロジェクトの進捗管理を行っております。しかしながら、不測の事態等により開発工数が増大した場合には、プロジェクトの採算が悪化する可能性があります。当社グループでは、開発工数の実績が計画を上回ることがないよう、常にプロジェクトの進捗状況を把握すると同時に、プロジェクトの責任者が問題発生の兆候を発見した場合は適時報告するよう努めております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況 に記載のとおりであります。当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、人件費及び外注費であります。当社グループは、運転資金については、内部資金、金融機関からの借入金により調達しております。 ③ 経営方針、経営戦略、営業上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは「トータルソリューションパートナーへの進化」を全社方針とする「中期経営計画2026-2028」(2027年3月期~2029年3月期)を策定し、2026年5月15日に発表いたしました。この「中期経営計画2026-2028」では、「事業成長戦略」と「経営基盤戦略」を着実に実行し、経営目標の達成を目指してまいります。当社の祖業であり当社グループ売上の60%を超えるシステムソリューション事業の事業成長戦略としては、「事業領域の拡大と収益力強化」を基本戦略に据え、開発フィールドのシフトチェンジとエッジコンピューティングやFPGAを核とした新規顧客開拓を重点施策として取組んでまいります。エンジニアリングソリューション事業の事業成長戦略としては、「FlexSim」、CAD/CAM関連、PLM関連のいずれにおいても当社グループの強みである「コンサル・技術サービス」を強化し、高付加価値サービスの提供を重点施策として取組んでまいります。経営基盤戦略は、「事業成長を支え、環境の変化に対応し、持続的成長を可能にする経営基盤の確立」を取組み方針として、人的資本の強化、生成AIの活用、基幹システム活用による業務効率向上の3つに取組んでまいります。加えて、この中期経営計画においても積極的に新規M&Aを進め、事業拡大を図ってまいります。経営目標としては、新規M&Aによる事業拡大を含み、中期経営計画最終年度(2029年3月期)に売上高160億円、営業利益14億円、営業利益率9%、ROE18%の達成を目指してまいります。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づいて見積りを行っておりますが、見積りには不確実性があるため実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 特定領域への依存
    システムソリューション事業における組込みシステム受託開発への依存度が高いことがリスクです。発注元企業の開発体制や事業戦略の変更により、受注が減少した場合、会社の業績に影響が出る可能性があります。このため、同社は高付加価値案件への対応や、他セグメントへの人材シフト、クラウド案件など新たな分野への営業活動を強化し、依存度低減に努めています。
  • 自然災害・感染症拡大
    近年増加傾向にある大型台風や洪水、地震などの自然災害、戦争、テロ、新たな感染症の拡大などが、同社グループや取引先に人的・物的被害をもたらしたり、販売活動の停滞や投資計画に影響を与えたりする可能性があります。これにより、同社の財政状態や経営成績に悪影響が及ぶリスクがあります。同社は事業継続計画の策定やテレワーク体制の整備を進めています。
  • 情報漏えいリスク
    同社は業務上、顧客や取引先の個人情報および機密情報を取り扱っており、これらの情報が外部に漏えいした場合、信用失墜による売上減少や損害賠償費用の発生により、業績に影響を及ぼす可能性があります。同社はISO27001認証取得や情報セキュリティ基本方針に基づいた対策、協力会社への管理体制要求など、情報管理を徹底しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,259 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)自然災害等に関するリスク近年、気候変動により発生頻度・影響度が増大した大型台風や洪水、大型地震等の自然災害や、戦争、テロ等により、当社グループや取引先において人的被害または物的被害が生じた場合や、新たに感染症等が世界的に拡大もしくは深刻化・長期化し、販売活動の停滞や取引先の投資計画に大きな影響を与えるような事態となる場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、事業の継続や早期復旧をはかるため事業継続計画の策定に努めるとともに、疫病が蔓延した場合であっても、時差出勤やテレワーク等により柔軟に事業を継続できる体制の整備を進めております。 (2)経済環境や市場動向に関するリスク当社グループが展開する事業は、自動車、産業機器、デジタル家電、医療機器等の製造業界を始め、加工業界、物流業界など様々な産業分野に及んでおります。今後大幅な為替変動や、グローバルな政策要因、地政学的要因等によって、それらの産業が悪影響を被った場合、競合他社との価格競争が予想を超えて激しくなった場合などは、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、様々な業界への事業展開を行うことで、経済環境や市場動向が当社グループの財政状態および経営成績に与える影響の低減に努めております。 (3)技術革新に関するリスク当社グループが属する情報サービス産業は、技術革新のスピードが速くかつ変化が著しい業界であり、新技術や新サービスが続々と登場しております。当社グループにおいて、技術革新への対応が遅れた場合または対応することができなかった場合は、市場競争力が低下するなど事業運営に支障が生じ、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、常に技術革新の動向についてアンテナを張るとともに、スピーディーな対応を行うために技術者の採用、教育、社内環境の整備等に取り組んでおります。 (4)特定領域への依存度に関するリスク当社グループのシステムソリューション事業においては、組込み領域への依存度が高く、当連結会計年度においても同事業の売上高の過半を組込みシステム受託開発が占めております。発注元企業の開発体制の見直し、事業戦略の変更等にともない当社グループへの発注方針に変化があった場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、経営の健全性確保の観点から、これらの分野での売上の拡大をはかりつつ、より高付加価値な案件に対応するために、他セグメントへのスキルチェンジ促進(人材のシフト)や、当社にとっての新機軸となる案件に対する営業活動を積極的に進めております。つきましては、グループ全体の業績向上に努めていくことにより、結果的に組込み領域への依存度低減に繋がるものと考えます。 (5)プロジェクトの採算性に関するリスク当社グループのシステムソリューション事業において、プロジェクト単位ごとに適正利益の確保に努めるとともに、開発想定工数が大幅に乖離することがないようプロジェクトの進捗管理を行っております。しかしながら、不測の事態等により開発工数が増大した場合には、プロジェクトの採算が悪化し、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、工数見積りの精度向上のため、開発工数の実績が計画を超過することがないよう、常にプロジェクトの進捗状況を把握すると同時に、プロジェクトの責任者が問題発生の兆候を発見した場合は適時報告するよう努めております。 (6)品質不良に関するリスク当社グループの事業においては、当社グループの責による品質不良が発生した場合は、品質改善対応による追加コストの発生や損害賠償等により、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001の認証を取得し、当社グループが開発・提供するソフトウェア、ハードウェアの品質管理に努めており、品質不良に関するリスクの低減を図っております。 (7)海外からの仕入れに関するリスク当社グループのエンジニアリングソリューション事業においては、ソリューションの開発元企業より仕入れを行っております。しかしながら、何らかの理由により製品の供給が継続できなくなった場合、あるいは供給条件に大きな変更が生じた場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、開発元企業との緊密な連携を推進することで、このような事態の発生を未然に防ぐとともに、安定的かつ長期的な関係の構築に努めております。 (8)人材の確保、育成に関するリスク当社グループにおいては、専門的な情報技術や業務知識を有する優秀な人材を確保することが、事業遂行において重要と考えております。人材の確保・育成が計画通りおこなえなかった場合、システムエンジニア等の退職者が一時的に多数発生した場合は、当社グループが受注した案件に対応し得る十分な体制を確保できなくなり、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、計画的な採用活動を通じて、新卒採用および中途採用を実施し、人材の確保をはかるとともに、OJT、計画的な教育研修を通じて、専門性の高い技術を有する人材の育成に注力しております。 (9)協力会社(外注先)への外部委託に関するリスク当社グループのシステムソリューション事業において、受託開発業務等の一部を協力会社(以下、「外注先」)へ外部委託しております。外注先から十分な開発人員を確保できない場合、あるいは、外注先における問題等に起因してプロジェクトの品質低下、開発遅延または不具合等が生じた場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、既存パートナー企業との連携強化および新規パートナー開発を担当する専任組織を設け、メインとなる外注先の選定・育成に努めております。 (10)訴訟や損害賠償等に関するリスク当社グループの事業運営において、製品の瑕疵、品質不良、知的財産権侵害、情報漏洩、交通事故など、様々な要因で訴訟や損害賠償請求を受けた場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、業務過誤賠償責任保険、生産物製造賠償責任保険、サイバー保険、自動車保険など各種保険商品に加入し、リスクの軽減を図っております。 (11)法令違反や許認可取消に関するリスク当社グループのシステムソリューション事業においては、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)に基づく事業許可を受けて事業の一部を運営しております。しかしながら、何らかの理由により労働者派遣事業者の欠格事由または当該許可の取消事由に該当し、業務の全部もしくは一部の停止処分を受けた場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、各種法令のもと事業運営を行うとともに、法令遵守に留意したガバナンス体制を構築し、役職員は法令遵守に努めております。 (12)個人情報および機密情報の漏えいに関するリスク当社グループは、業務に関連して顧客や取引先の個人情報および機密情報を取り扱う場合があります。万が一、個人情報および機密情報が外部に漏えいする事態となった場合には、当社グループの信用失墜による売上の減少または損害賠償による費用の発生等により、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISO27001の認証を取得し、運用管理を徹底しております。また、「情報セキュリティ基本方針」に基づき、入退出管理、アクセス可能者の制限、アクセスログ取得等のセキュリティ対策を講じるとともに、協力会社(外注先)に対しても一定水準の管理体制を求めるなど、適切な情報の取扱いに努めております。また、当社グループではAIの活用は業務効率化などの観点から重要であると認識しております。一方で、その利用にあたっては適切なリスク管理が不可欠であると考えており、社内においてAI活用基盤とガバナンス整備を進め、適切な利用の促進に努めております。 (13)知的財産権の侵害に関するリスク当社グループにおいて、故意によらず、第三者の特許等の知的財産が新たに登録された場合、また当社グループが認識していない特許等の知的財産が成立している場合、当該第三者から損害賠償または使用差止等の請求を受ける可能性、並びに当該特許等の知的財産に関する対価の支払い等が発生し、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、事業の根幹に関わる技術について特許を積極的に取得し、また類似特許の調査も綿密に行うことで、知財トラブルの防止に努めております。 (14)M&Aに関するリスク当社グループは、成長戦略の一環としてM&Aを推進しております。しかしながら、買収後に何らかの理由により想定した事業シナジーが得られない場合や、買収先の経営状態が悪化した場合などは、追加費用の発生やのれんの減損等により、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、M&Aの実施に際し市場環境や対象先の経営成績、財政状態等を考慮のうえデューデリジェンスを入念に行い、当社グループの企業価値向上に寄与すると判断した場合にM&Aを実施しております。また、買収後のPMIにおいては買収先企業の体制整備や当社グループ各社との事業シナジーの早期発揮に努めることで、M&Aに関するリスクの低減を図っております。

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