有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
FY2026 FY2025 FY2022
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは「一人でも多くの方に笑顔を取りもどしていただくために、優れた医薬品の提供を通じて患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上につとめる」を企業理念として、株主の皆様から負託された企業活動を行うにあたり、経営の基本方針として次の三つの方針を掲げております。この基本方針に則り、企業価値の最大化をはかり、ステークホルダーの信頼と期待に応えてまいります。① 患者さんと医療関係者のニーズに即した、有用な医薬品の創製・提供につとめる。② 医薬品企業としての社会的責任を自覚し、高い倫理観をもって企業活動を行い、社会から信頼される企業をめざす。③ 社員がその仕事に歓びと誇りをもち、活力あふれる存在感のある企業をめざす。 (2) 経営環境製薬業界を取り巻く環境は日々急速に変化し、厳しさを増しております。国内医薬品事業におきましては、高齢化社会の進行等によって国の医療財政が逼迫する中、薬価制度の抜本改革をはじめとする様々な医療費抑制策が進められており、長期収載品の選定療養制度が導入されるなど、当連結会計年度においても引き続き厳しい事業環境にあります。このような環境の中、当社グループは、2022年を起点とする10か年の経営計画において、製薬業界を取り巻く厳しい状況や、それに伴う当社グループの長期的課題を分析し、2031年ビジョンとして「画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業」「皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業」を掲げました。また、当社グループは、ビジョン実現のための戦略として「研究開発」「海外展開」「経営基盤」の3つのTransformationを策定し、研究開発への積極的な戦略投資、高い有効性と安全性を有し世界に通用する医薬品を効率良く創出・販売できる体制の構築、挑戦と変革を追求し続ける人材の育成等を進めております。農業薬品事業におきましては、主力品である微生物由来の天然物質農薬「ポリオキシン」の成長戦略を柱とした価値の最大化をはかっております。以上の戦略を通じて経営計画達成に向けて取り組んでおります。なお、経営環境の変化や計画の進捗等を踏まえ、2025年4月8日に「長期経営計画2031」の一部見直しを発表いたしました。主な変更内容は、①画期的・革新的新薬の継続的な上市のための戦略投資金額の増額、②財務規律の維持、③株主還元の強化であります。詳細につきましては当社グループのウェブサイトをご参照ください。https://www.kaken.co.jp/invest/policy/long_term.html (3) 中期経営戦略2022年を起点とする10か年の経営計画においては、製薬業界を取り巻く厳しい状況や、それに伴う当社グループの長期的課題を分析し、当社グループの2031年ビジョンとそのビジョンの実現に向けた戦略を掲げております。≪2031年ビジョン≫ 1. 画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業 2. 皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業≪ビジョンの実現に向けた戦略 ~3つのTransformation~≫ (1)研究開発Transformation① 自社研究基盤の活用② 新規診療領域への展開③ 新たなモダリティへの挑戦④ 研究開発への積極的投資 (2)海外展開Transformation① 自社創薬と製品・開発品の導入による海外展開品の充実② 海外自社展開(開発・販売)による製品の価値最大化(3)経営基盤Transformation① プロフェッショナルとして変革を追求し続ける人材の育成及び就業環境整備② データとデジタル技術を活用して変革し続ける企業風土の醸成③ 患者さんファーストのための製品価値最大化及び高品質な医薬品の安定的な生産体制の構築 また、2031年度経営数値目標として、連結売上高1,000億円、連結営業利益285億円、連結ROE10%以上をめざします。(経営環境の変化や計画の進捗等を踏まえ、2025年4月8日に「長期経営計画2031」の一部見直しを発表いたしました。主な変更内容は、①画期的・革新的新薬の継続的な上市のための戦略投資金額の増額、②財務規律の維持、③株主還元の強化であります。詳細につきましては当社グループのウェブサイトをご参照ください。https://www.kaken.co.jp/invest/policy/long_term.html ) (4) 会社の対処すべき課題当社グループが企業価値の最大化をめざし、社会から信頼される企業であり続けるため、対処すべき当面の課題は、次のとおりであります。① 研究開発及び導出入活動への重点投資当社グループの成長には新薬の継続的な上市が不可欠である一方、新薬創出の難易度の高まりによる研究開発費用の増加や導出入活動の競争激化による投資金額の増大が見込まれます。このような状況の下、資源投入の集中と研究開発の効率化をめざし、資本効率や投資体力を勘案した資源投入、3領域(免疫系・神経系・感染症)を柱とした研究開発テーマへの集中投資、国内外の企業・研究機関との共同研究や戦略的提携等を積極的に進めることにより、パイプラインの充実をはかり、世界に通用する画期的新薬の継続的な上市をめざしてまいります。また、アーディ社を米国市場での自社販売拠点とし、グローバルな医療ニーズに応えるための基盤構築を加速させて海外展開や適応拡大にも積極的に取り組んでまいります。② 営業基盤の強化営業面では、皮膚科領域、整形外科領域等の当社グループが強みを持つ領域でのプレゼンスをより一層高め、各領域における製品価値の最大化をはかってまいります。また、製品特性と領域に沿った人員配置・組織開発・教育研修を進め、積極的にICTを活用してリアルとデジタルを融合させることにより、医療現場のニーズの変化や制度の変更に柔軟に対応した付加価値の高い情報を提供してまいります。2025年3月には医療関係者向けウェブサイトをリニューアルし、会員制コンテンツを含む「KAKEN Medical Pro」を開設いたしました。デジタル技術を介した情報提供プラットフォームとして、医療関係者の皆様のニーズに即したソリューションを創出してまいります。③ 人材育成人材育成は企業経営の根幹であり、社員一人ひとりの成長が当社グループの持続的成長につながると考えております。イノベーティブなチャレンジの奨励と人を活かすマネジメントを推進することにより全社員の生産性を高め、次世代のリーダーやグローバルで成果を出せる人材の育成を行ってまいります。また、新たな働き方に対して柔軟に対応し、全社員のエンゲージメントを高めて持てる力を十分に発揮できるよう、働く環境の整備を進めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは「一人でも多くの方に笑顔を取りもどしていただくために、優れた医薬品の提供を通じて患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上につとめる」を企業理念として、株主の皆様から負託された企業活動を行うにあたり、経営の基本方針として次の三つの方針を掲げております。この基本方針に則り、企業価値の最大化をはかり、ステークホルダーの信頼と期待に応えてまいります。① 患者さんと医療関係者のニーズに即した、有用な医薬品の創製・提供につとめる。② 医薬品企業としての社会的責任を自覚し、高い倫理観をもって企業活動を行い、社会から信頼される企業をめざす。③ 社員がその仕事に歓びと誇りをもち、活力あふれる存在感のある企業をめざす。 (2) 経営環境製薬業界を取り巻く環境は日々急速に変化し、厳しさを増しております。国内医薬品事業におきましては、高齢化社会の進行等によって国の医療財政が逼迫する中、薬価制度の抜本改革をはじめとする様々な医療費抑制策が進められており、長期収載品の選定療養制度が導入されるなど、当連結会計年度においても引き続き厳しい事業環境にあります。このような環境の中、当社グループは、2022年を起点とする10か年の経営計画において、製薬業界を取り巻く厳しい状況や、それに伴う当社グループの長期的課題を分析し、2031年ビジョンとして「画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業」「皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業」を掲げました。また、当社グループは、ビジョン実現のための戦略として「研究開発」「海外展開」「経営基盤」の3つのTransformationを策定し、研究開発への積極的な戦略投資、高い有効性と安全性を有し世界に通用する医薬品を効率良く創出・販売できる体制の構築、挑戦と変革を追求し続ける人材の育成等を進めております。農業薬品事業におきましては、主力品である微生物由来の天然物質農薬「ポリオキシン」の成長戦略を柱とした価値の最大化をはかっております。以上の戦略を通じて経営計画達成に向けて取り組んでおります。なお、経営環境の変化や計画の進捗等を踏まえ、2025年4月8日に「長期経営計画2031」の一部見直しを発表いたしました。主な変更内容は、①画期的・革新的新薬の継続的な上市のための戦略投資金額の増額、②財務規律の維持、③株主還元の強化であります。詳細につきましては当社グループのウェブサイトをご参照ください。https://www.kaken.co.jp/invest/policy/long_term.html (3) 中期経営戦略2022年を起点とする10か年の経営計画においては、製薬業界を取り巻く厳しい状況や、それに伴う当社グループの長期的課題を分析し、当社グループの2031年ビジョンとそのビジョンの実現に向けた戦略を掲げております。≪2031年ビジョン≫ 1. 画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業 2. 皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業≪ビジョンの実現に向けた戦略 ~3つのTransformation~≫ (1)研究開発Transformation① 自社研究基盤の活用② 新規診療領域への展開③ 新たなモダリティへの挑戦④ 研究開発への積極的投資 (2)海外展開Transformation① 自社創薬と製品・開発品の導入による海外展開品の充実② 海外自社展開(開発・販売)による製品の価値最大化(3)経営基盤Transformation① プロフェッショナルとして変革を追求し続ける人材の育成及び就業環境整備② データとデジタル技術を活用して変革し続ける企業風土の醸成③ 患者さんファーストのための製品価値最大化及び高品質な医薬品の安定的な生産体制の構築 また、2031年度経営数値目標として、連結売上高1,000億円、連結営業利益285億円、連結ROE10%以上をめざします。(経営環境の変化や計画の進捗等を踏まえ、2025年4月8日に「長期経営計画2031」の一部見直しを発表いたしました。主な変更内容は、①画期的・革新的新薬の継続的な上市のための戦略投資金額の増額、②財務規律の維持、③株主還元の強化であります。詳細につきましては当社グループのウェブサイトをご参照ください。https://www.kaken.co.jp/invest/policy/long_term.html ) (4) 会社の対処すべき課題当社グループが企業価値の最大化をめざし、社会から信頼される企業であり続けるため、対処すべき当面の課題は、次のとおりであります。① 研究開発及び導出入活動への重点投資当社グループの成長には新薬の継続的な上市が不可欠である一方、新薬創出の難易度の高まりによる研究開発費用の増加や導出入活動の競争激化による投資金額の増大が見込まれます。このような状況の下、資源投入の集中と研究開発の効率化をめざし、資本効率や投資体力を勘案した資源投入、3領域(免疫系・神経系・感染症)を柱とした研究開発テーマへの集中投資、国内外の企業・研究機関との共同研究や戦略的提携等を積極的に進めることにより、パイプラインの充実をはかり、世界に通用する画期的新薬の継続的な上市をめざしてまいります。また、アーディ社を米国市場での自社販売拠点とし、グローバルな医療ニーズに応えるための基盤構築を加速させて海外展開や適応拡大にも積極的に取り組んでまいります。② 営業基盤の強化営業面では、皮膚科領域、整形外科領域等の当社グループが強みを持つ領域でのプレゼンスをより一層高め、各領域における製品価値の最大化をはかってまいります。また、製品特性と領域に沿った人員配置・組織開発・教育研修を進め、積極的にICTを活用してリアルとデジタルを融合させることにより、医療現場のニーズの変化や制度の変更に柔軟に対応した付加価値の高い情報を提供してまいります。2025年3月には医療関係者向けウェブサイトをリニューアルし、会員制コンテンツを含む「KAKEN Medical Pro」を開設いたしました。デジタル技術を介した情報提供プラットフォームとして、医療関係者の皆様のニーズに即したソリューションを創出してまいります。③ 人材育成人材育成は企業経営の根幹であり、社員一人ひとりの成長が当社グループの持続的成長につながると考えております。イノベーティブなチャレンジの奨励と人を活かすマネジメントを推進することにより全社員の生産性を高め、次世代のリーダーやグローバルで成果を出せる人材の育成を行ってまいります。また、新たな働き方に対して柔軟に対応し、全社員のエンゲージメントを高めて持てる力を十分に発揮できるよう、働く環境の整備を進めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】2025年3月26日に行われたアーディ社との企業結合について、前連結会計年度末において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当社グループの当連結会計年度の業績は、減収減益となりました。売上高は76,871百万円(対前年同期比18.3%減)、営業損失は899百万円(前年同期は営業利益21,034百万円)、経常損失は206百万円(前年同期は経常利益21,279百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,144百万円(対前年同期比84.6%減)となりました。なお、研究開発費につきましては、20,585百万円(対前年同期比9.9%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。薬業売上高は74,328百万円(対前年同期比18.8%減)となりました。なお、海外売上高は12,840百万円(対前年同期比51.7%減)となりました。 不動産事業不動産事業の主たる収入は文京グリーンコート関連の賃貸料であります。売上高は2,543百万円(対前年同期比2.5%増)となりました。 当連結会計年度末の総資産は、前期末比15,159百万円減少し、178,217百万円となりました。これは主に、法人税等の支払により現預金が減少したことによるものであります。当連結会計年度末の負債合計は、前期末比10,144百万円減少し、30,597百万円となりました。これは主に、未払法人税等の減少によるものであります。正味運転資本(流動資産から流動負債を控除した金額)は、73,248百万円であり、流動比率は452.1%で財務の健全性は保たれております。当連結会計年度末の純資産合計は、前期末比5,015百万円減少し、147,619百万円となりました。これは主に、利益剰余金の減少によるものであります。自己資本比率は、82.8%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前年同期に比べ19,380百万円減少し、50,705百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、11,079百万円の支出(前年同期は29,780百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額の増加によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、315百万円の収入(前年同期は19,650百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産売却額の増加によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ3,471百万円支出が増加し、8,841百万円の支出となりました。これは主に、自己株式処分による収入の減少によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)薬業36,272△9.7不動産事業--合計36,272△9.7 (注) 金額は、販売価格によっております。 b. 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)薬業22,910△0.6不動産事業--合計22,910△0.6 (注) 金額は、仕入価格によっております。 c. 受注実績当社グループは、主として販売計画に基づく生産計画によって生産を行っており、受注生産は行っておりません。 d. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)薬業74,328△18.8不動産事業2,543+2.5合計76,871△18.3 (注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)アルフレッサ㈱13,34814.212,50916.3㈱メディセオ10,66611.310,47713.6㈱スズケン10,10910.89,33312.1ニューマブ社10,28510.9-- (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。a. 経営成績の状況国内医薬品事業におきましては、高齢化社会の進行等によって国の医療財政が逼迫する中、薬価制度の抜本改革をはじめとする様々な医療費抑制策が進められており、長期収載品の選定療養制度が導入されるなど、当連結会計年度においても引き続き厳しい事業環境にあります。このような環境の中、当社グループは、2022年を起点とする10か年の経営計画において、製薬業界を取り巻く厳しい状況や、それに伴う当社グループの長期的課題を分析し、2031年ビジョンとして「画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業」「皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業」を掲げました。また、当社グループは、ビジョン実現のための戦略として「研究開発」「海外展開」「経営基盤」の3つのTransformationを策定し、研究開発への積極的な戦略投資、高い有効性と安全性を有し世界に通用する医薬品を効率良く創出・販売できる体制の構築、挑戦と変革を追求し続ける人材の育成等を進めております。農業薬品事業におきましては、主力品である微生物由来の天然物質農薬「ポリオキシン」の成長戦略を柱とした価値の最大化をはかっております。以上の戦略を通じて経営計画達成に向けて取り組んでおります。なお、経営環境の変化や計画の進捗等を踏まえ、2025年4月8日に「長期経営計画2031」の一部見直しを発表いたしました。主な変更内容は、①画期的・革新的新薬の継続的な上市のための戦略投資金額の増額、②財務規律の維持、③株主還元の強化であります。詳細につきましては当社グループのウェブサイトをご参照ください。https://www.kaken.co.jp/invest/policy/long_term.html 当連結会計年度における事業の主な進捗は以下のとおりであります。〔研究開発〕・当社グループが、難治性脈管奇形を対象疾患として開発を進めている「KP-001」の国内第Ⅲ相検証的試験において、主要評価項目を達成いたしました。また、安全性に関しても開発上の問題となる副作用は認められませんでした。今後は、現在実施中の国内第Ⅲ相長期投与試験の結果を踏まえ、2026年度上期中の製造販売承認申請を予定しております。・当社グループは、Numab Therapeutics AG(以下、「ニューマブ社」という。)と炎症性腸疾患を対象疾患とする新規多重特異性抗体医薬「NM81」の戦略的なライセンス及び共同開発契約を締結いたしました。本契約締結により、当社グループが2024年11月に締結した共同研究契約に附随するオプション権に基づくアジアの特定の地域における「NM81」の販売権を取得するとともに、両社で「NM81」の共同開発を推進いたします。また、ニューマブ社が製品の事業化に成功した場合、当社グループはニューマブ社から一定額までの対価を受け取ります。・当社グループが、既存治療で効果不十分なアタマジラミ症を対象疾患として開発を進めている「KAR」の国内第Ⅲ相試験において、主要評価項目を達成いたしました。また、安全性に関しても開発上の問題となる副作用や重篤な副作用は認められなかったため、2026年度上期中の製造販売承認申請を予定しております。 〔導入関連〕・2024年10月に、当社グループが三洋化成工業㈱(以下、「三洋化成」という。)と日本における独占的販売権に関するライセンス契約を締結しておりました日本初の遺伝子組み換え技術を用いた新規の創傷治癒材「シルクエラスチン創傷用シート」に関し、三洋化成が製造販売承認を取得いたしました。 ・㈱ツーセルが創製し、再生医療等製品としての承認をめざしている同種(他家)滑膜間葉系幹細胞由来三次元人工組織「gMSC1」に関するライセンス契約を締結いたしました。本契約締結により、当社グループは日本国内の整形外科領域における共同開発権、独占的販売権を取得いたしました。・Astria Therapeutics, Inc.(現、BioCryst Pharmaceuticals, Inc. 以下、「バイオクリスト社」という。)が遺伝性血管性浮腫の長期予防を目的として開発中の「ナベニバルト」について、日本における開発及び商業化に関するライセンス契約を締結いたしました。本契約締結により、当社グループは日本における「ナベニバルト」の独占的な開発及び販売の権利を取得いたしました。・当社グループは、KalVista Pharmaceuticals Ltd.(以下、「カルビスタ社」という。)が製造販売承認を取得した、遺伝性血管性浮腫急性発作治療用血漿カリクレイン阻害薬「エクテリー」(一般名:セベトラルスタット)の国内での販売を開始いたしました。・当社グループが、日本での皮膚科領域の疾患に対する治療剤としての独占的な開発、製造及び販売の権利を取得している「ESK-001」について、Alumis Inc.(以下、「アルミス社」という。)が第Ⅲ相臨床試験の結果を2026年米国皮膚科学会年次総会において発表いたしました。当社グループは、国内での製造販売承認に向けた準備を進めてまいります。 〔海外展開〕・爪白癬治療剤「Jublia」(日本販売名:クレナフィン)について、欧州の導出先であるAlmirall S.A.が、ドイツの連邦医薬品医療機器研究所より製造販売承認を取得いたしました。今回のドイツでの承認取得は、イタリアに続いて欧州で2か国目になります。・原発性腋窩多汗症治療剤「エクロック」について、韓国の導出先であるDong-Wha Pharm. Co.,Ltd.が韓国で発売いたしました。 〔その他〕・当社の株価や業績と従業員の処遇の連動性をより高め、経済的な効果を株主の皆様と共有することにより、株価及び業績向上への従業員の意欲や士気を高めることを目的として、従業員に対して自社の株式を給付するインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP)」の運用を開始いたしました。・連結子会社である科研ファルマ㈱が、爪白癬治療剤「クレナフィン」のオーソライズド・ジェネリック(以下、「AG」という。)を発売いたしました。 b.経営成績の分析当社グループの当連結会計年度の業績は、減収減益となりました。売上高は、前連結会計年度の増収要因であった「NM26」の知的財産譲渡及び販売提携オプション契約に係る契約一時金収入(8,600万米ドル)、「STAT6阻害剤」に関するライセンス契約締結に基づく契約一時金収入(3,000万米ドル)の反動や、「クレナフィン」のAGへの置き換えが進んだこと等により減収となりました。利益につきましては、カルビスタ社との「エクテリー」(一般名:セベトラルスタット)の日本での販売に関する提携及びライセンス契約締結、㈱ツーセルとの「gMSC1」に関するライセンス契約締結、バイオクリスト社が開発中の「ナベニバルト」の日本における開発及び商業化に関するライセンス契約締結、ニューマブ社との「NM81」の戦略的なライセンス及び共同開発契約締結等による研究開発費の増加もあり、減益となりました。売上高は76,871百万円(対前年同期比18.3%減)、営業損失は899百万円(前年同期は営業利益21,034百万円)、経常損失は206百万円(前年同期は経常利益21,279百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,144百万円(対前年同期比84.6%減)となりました。 主要科目の状況は、次のとおりであります。(売上高)薬業1) 医薬品・医療機器〔国内売上〕医薬品・医療機器につきましては、「エクロック」等の売上増加や「エクテリー」(一般名:セベトラルスタット)の販売開始による売上が増加したものの、「クレナフィン」のAGへの置き換えが進んだこと等により、結果として減収となりました。〔海外売上〕前連結会計年度の増収要因であった「NM26」の知的財産譲渡及び販売提携オプション契約及び「STAT6阻害剤」に関するライセンス契約締結に基づく契約一時金収入の反動等により、減収となりました。2)農業薬品 農業薬品につきましては、除草剤「メタミホップ」等の売上が増加したことにより、増収となりました。この結果、売上高は74,328百万円(対前年同期比18.8%減)となりました。なお、海外売上高は12,840百万円(対前年同期比51.7%減)となりました。不動産事業不動産事業の主たる収入は文京グリーンコート関連の賃貸料であります。売上高は2,543百万円(対前年同期比2.5%増)となりました。 (売上原価)当社グループの売上原価は、主に工場の製造原価、仕入商品原価、不動産事業の役務収益原価から構成されます。売上原価は36,879百万円であり、売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度37.8%、当連結会計年度48.0%と増加いたしました。 (販売費及び一般管理費)販売費及び一般管理費につきましては、主に人件費、研究開発費、営業活動費用であり、当連結会計年度は40,891百万円と前連結会計年度比9.1%増加いたしました。 c.財政状態の分析財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、50,705百万円であり、事業運営上適切な水準であるとともに、外部環境の急激な変化にも一定程度耐えうる流動性を確保できていると考えております。当社グループの主要な資金需要は、開発パイプライン拡充のための研究開発費用及びM&A・導入費用、当社製品製造のための原材料購入費用及び製造費用、商品仕入費用、研究・生産・営業効率を向上させるための設備投資費用であります。持続的な成長のための資金需要には、財務健全性を考慮したうえで積極的に対応していく方針であります。これら資金需要への対応は、営業キャッシュ・フローにより積み上げられた自己資金によることを基本としておりますが、追加的に資金が必要な場合は、金融機関からの借入等をはじめとした資金調達手段を実施できる体制も整えております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは「一人でも多くの方に笑顔を取りもどしていただくために、優れた医薬品の提供を通じて患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上につとめる」を企業理念として、株主の皆様から負託された企業活動を行うにあたり、経営の基本方針として次の三つの方針を掲げております。この基本方針に則り、企業価値の最大化をはかり、ステークホルダーの信頼と期待に応えてまいります。① 患者さんと医療関係者のニーズに即した、有用な医薬品の創製・提供につとめる。② 医薬品企業としての社会的責任を自覚し、高い倫理観をもって企業活動を行い、社会から信頼される企業をめざす。③ 社員がその仕事に歓びと誇りをもち、活力あふれる存在感のある企業をめざす。 (2) 経営環境製薬業界を取り巻く環境は日々急速に変化し、厳しさを増しております。国内医薬品事業におきましては、高齢化社会の進行等によって国の医療財政が逼迫する中、ジェネリック医薬品使用促進策や長期収載品の薬価見直しをはじめとする薬価制度の抜本改革等の様々な医療費抑制策が実施されており、製薬企業は社会的使命を果たすため、より一層効率性を高めながら画期的新薬を創出し、医薬品の安定供給を続けていくことが求められております。研究開発においては、難病や希少疾患等に対するアンメットメディカルニーズが高まり、創薬研究の対象は病因・病態の難解な疾患や新たなモダリティへと広がりを見せ、画期的新薬を創出するための研究開発費用と難易度はますます増大しております。さらに、国内外の企業との開発品の導入や販売提携等の交渉についても競争が激化しており、その費用も高額化しております。このような状況下において、私たちは、社員一人ひとりの成長によって組織力の最大化をはかるべく人材育成に注力するとともに、高い有効性と安全性を有し需要が見込める医薬品を効率よく創出・販売できる体制の構築、研究開発への積極的な投資を進めております。また、2025年3月に買収が完了し連結子会社となったアーディ社を米国市場での自社販売体制の中心に位置付け、グローバル展開を加速させて新たな成長機会の獲得をめざしております。 (3) 中期経営戦略2022年を起点とする10か年の経営計画においては、製薬業界を取り巻く厳しい状況や、それに伴う当社グループの長期的課題を分析し、当社グループの2031年ビジョンとそのビジョンの実現に向けた戦略を掲げております。≪2031年ビジョン≫ 1. 画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業 2. 皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業≪ビジョンの実現に向けた戦略 ~3つのTransformation~≫ (1)研究開発Transformation① 自社研究基盤の活用② 新規診療領域への展開③ 新たなモダリティへの挑戦④ 研究開発への積極的投資 (2)海外展開Transformation① 自社創薬と製品・開発品の導入による海外展開品の充実② 海外自社展開(開発・販売)による製品の価値最大化 (3)経営基盤Transformation① プロフェッショナルとして変革を追求し続ける人材の育成及び就業環境整備② データとデジタル技術を活用して変革し続ける企業風土の醸成③ 患者さんファーストのための製品価値最大化及び高品質な医薬品の安定的な生産体制の構築 また、2031年度経営数値目標として、連結売上高1,000億円、連結営業利益285億円、連結ROE10.0%以上をめざしてまいります。(経営環境の変化や計画の進捗等を踏まえ、2025年4月8日に「長期経営計画2031」の一部見直しを発表いたしました。主な変更内容は、①画期的・革新的新薬の継続的な上市のための戦略投資金額の増額、②財務規律の維持、③株主還元の強化であります。詳細につきましては当社グループのウェブサイトをご参照ください。https://ssl4.eir-parts.net/doc/4521/tdnet/2591011/00.pdf) (4) 会社の対処すべき課題当社グループが企業価値の最大化をめざし、社会から信頼される企業であり続けるため、対処すべき当面の課題は、次のとおりであります。① 研究開発及び導出入活動への重点投資当社グループの成長には新薬の継続的な上市が不可欠である一方、新薬創出の難易度の高まりによる研究開発費用の増加や導出入活動の競争激化による投資金額の増大が見込まれます。このような状況の下、資源投入の集中と研究開発の効率化をめざし、資本効率や投資体力を勘案した資源投入、3領域(免疫系・神経系・感染症)を柱とした研究開発テーマへの集中投資、国内外の企業・研究機関との共同研究や戦略的提携等を積極的に進めることにより、パイプラインの充実をはかり、世界に通用する画期的新薬の継続的な上市をめざしてまいります。また、アーディ社を米国市場での自社販売拠点とし、グローバルな医療ニーズに応えるための基盤構築を加速させて海外展開や適応拡大にも積極的に取り組んでまいります。② 営業基盤の強化営業面では、皮膚科領域、整形外科領域等の当社グループが強みを持つ領域でのプレゼンスをより一層高め、各領域における製品価値の最大化をはかってまいります。また、製品特性と領域に沿った人員配置・組織開発・教育研修を進め、積極的にICTを活用してリアルとデジタルを融合させることにより、医療現場のニーズの変化や制度の変更に柔軟に対応した付加価値の高い情報を提供してまいります。2025年3月には医療関係者向けウェブサイトをリニューアルし、会員制コンテンツを含む「KAKEN Medical Pro」を開設いたしました。デジタル技術を介した情報提供プラットフォームとして、医療関係者の皆様のニーズに即したソリューションを創出してまいります。③ 人材育成人材育成は企業経営の根幹であり、社員一人ひとりの成長が当社グループの持続的成長につながると考えております。イノベーティブなチャレンジの奨励と人を活かすマネジメントを推進することにより全社員の生産性を高め、次世代のリーダーやグローバルで成果を出せる人材の育成を行ってまいります。また、新たな働き方に対して柔軟に対応し、全社員のエンゲージメントを高めて持てる力を十分に発揮できるよう、働く環境の整備を進めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは「一人でも多くの方に笑顔を取りもどしていただくために、優れた医薬品の提供を通じて患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上につとめる」を企業理念として、株主の皆様から負託された企業活動を行うにあたり、経営の基本方針として次の三つの方針を掲げております。この基本方針に則り、企業価値の最大化をはかり、ステークホルダーの信頼と期待に応えてまいります。① 患者さんと医療関係者のニーズに即した、有用な医薬品の創製・提供につとめる。② 医薬品企業としての社会的責任を自覚し、高い倫理観をもって企業活動を行い、社会から信頼される企業をめざす。③ 社員がその仕事に歓びと誇りをもち、活力あふれる存在感のある企業をめざす。 (2) 経営環境製薬業界を取り巻く環境は日々急速に変化し、厳しさを増しております。国内医薬品事業におきましては、高齢化社会の進行等によって国の医療財政が逼迫する中、ジェネリック医薬品使用促進策や長期収載品の薬価見直しをはじめとする薬価制度の抜本改革等の様々な医療費抑制策が実施されており、製薬企業は社会的使命を果たすため、より一層効率性を高めながら画期的新薬を創出し、医薬品の安定供給を続けていくことが求められております。研究開発においては、難病や希少疾患等に対するアンメットメディカルニーズが高まり、創薬研究の対象は病因・病態の難解な疾患や新たなモダリティへと広がりを見せ、画期的新薬を創出するための研究開発費用と難易度はますます増大しております。さらに、国内外の企業との開発品の導入や販売提携等の交渉についても競争が激化しており、その費用も高額化しております。このような状況下において、私たちは、社員一人ひとりの成長によって組織力の最大化をはかるべく人材育成に注力するとともに、高い有効性と安全性を有し需要が見込める医薬品を効率よく創出・販売できる体制の構築、研究開発への積極的な投資を進めております。また、2025年3月に買収が完了し連結子会社となったアーディ社を米国市場での自社販売体制の中心に位置付け、グローバル展開を加速させて新たな成長機会の獲得をめざしております。 (3) 中期経営戦略2022年を起点とする10か年の経営計画においては、製薬業界を取り巻く厳しい状況や、それに伴う当社グループの長期的課題を分析し、当社グループの2031年ビジョンとそのビジョンの実現に向けた戦略を掲げております。≪2031年ビジョン≫ 1. 画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業 2. 皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業≪ビジョンの実現に向けた戦略 ~3つのTransformation~≫ (1)研究開発Transformation① 自社研究基盤の活用② 新規診療領域への展開③ 新たなモダリティへの挑戦④ 研究開発への積極的投資 (2)海外展開Transformation① 自社創薬と製品・開発品の導入による海外展開品の充実② 海外自社展開(開発・販売)による製品の価値最大化 (3)経営基盤Transformation① プロフェッショナルとして変革を追求し続ける人材の育成及び就業環境整備② データとデジタル技術を活用して変革し続ける企業風土の醸成③ 患者さんファーストのための製品価値最大化及び高品質な医薬品の安定的な生産体制の構築 また、2031年度経営数値目標として、連結売上高1,000億円、連結営業利益285億円、連結ROE10.0%以上をめざしてまいります。(経営環境の変化や計画の進捗等を踏まえ、2025年4月8日に「長期経営計画2031」の一部見直しを発表いたしました。主な変更内容は、①画期的・革新的新薬の継続的な上市のための戦略投資金額の増額、②財務規律の維持、③株主還元の強化であります。詳細につきましては当社グループのウェブサイトをご参照ください。https://ssl4.eir-parts.net/doc/4521/tdnet/2591011/00.pdf) (4) 会社の対処すべき課題当社グループが企業価値の最大化をめざし、社会から信頼される企業であり続けるため、対処すべき当面の課題は、次のとおりであります。① 研究開発及び導出入活動への重点投資当社グループの成長には新薬の継続的な上市が不可欠である一方、新薬創出の難易度の高まりによる研究開発費用の増加や導出入活動の競争激化による投資金額の増大が見込まれます。このような状況の下、資源投入の集中と研究開発の効率化をめざし、資本効率や投資体力を勘案した資源投入、3領域(免疫系・神経系・感染症)を柱とした研究開発テーマへの集中投資、国内外の企業・研究機関との共同研究や戦略的提携等を積極的に進めることにより、パイプラインの充実をはかり、世界に通用する画期的新薬の継続的な上市をめざしてまいります。また、アーディ社を米国市場での自社販売拠点とし、グローバルな医療ニーズに応えるための基盤構築を加速させて海外展開や適応拡大にも積極的に取り組んでまいります。② 営業基盤の強化営業面では、皮膚科領域、整形外科領域等の当社グループが強みを持つ領域でのプレゼンスをより一層高め、各領域における製品価値の最大化をはかってまいります。また、製品特性と領域に沿った人員配置・組織開発・教育研修を進め、積極的にICTを活用してリアルとデジタルを融合させることにより、医療現場のニーズの変化や制度の変更に柔軟に対応した付加価値の高い情報を提供してまいります。2025年3月には医療関係者向けウェブサイトをリニューアルし、会員制コンテンツを含む「KAKEN Medical Pro」を開設いたしました。デジタル技術を介した情報提供プラットフォームとして、医療関係者の皆様のニーズに即したソリューションを創出してまいります。③ 人材育成人材育成は企業経営の根幹であり、社員一人ひとりの成長が当社グループの持続的成長につながると考えております。イノベーティブなチャレンジの奨励と人を活かすマネジメントを推進することにより全社員の生産性を高め、次世代のリーダーやグローバルで成果を出せる人材の育成を行ってまいります。また、新たな働き方に対して柔軟に対応し、全社員のエンゲージメントを高めて持てる力を十分に発揮できるよう、働く環境の整備を進めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当社グループの当連結会計年度の業績は、増収増益となりました。売上高は94,035百万円(対前年同期比30.5%増)、営業利益は21,034百万円(対前年同期比121.1%増)、経常利益は21,279百万円(対前年同期比113.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13,945百万円(対前年同期比73.8%増)となりました。なお、研究開発費につきましては、18,725百万円(対前年同期比49.3%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。薬業売上高は91,553百万円(対前年同期比31.5%増)、セグメント利益(営業利益)は19,659百万円(対前年同期比141.5%増)となりました。なお、海外売上高は26,609百万円(対前年同期比311.0%増)となりました。 不動産事業不動産事業の主たる収入は文京グリーンコート関連の賃貸料であります。売上高は2,481百万円(対前年同期比2.1%増)、セグメント利益(営業利益)は1,375百万円(対前年同期比0.1%増)となりました。 当連結会計年度末の総資産は、前期末比18,799百万円増加し、190,422百万円となりました。これは主に、アーディ社取得によるのれんの増加によるものであります。当連結会計年度末の負債合計は、前期末比9,919百万円増加し、37,787百万円となりました。これは主に、未払法人税等の増加によるものであります。正味運転資本(流動資産から流動負債を控除した金額)は、81,023百万円であり、流動比率は366.9%で財務の健全性は保たれております。当連結会計年度末の純資産合計は、前期末比8,879百万円増加し、152,634百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。自己資本比率は、80.2%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4,760百万円増加し、70,085百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比ベ27,203百万円収入が増加し、29,780百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ13,795百万円支出が増加し、19,650百万円の支出となりました。これは主に、連結子会社株式の取得による支出によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ288百万円支出が減少し、5,369百万円の支出となりました。これは、自己株式の取得額の増加、自己株式の処分による収入の増加、配当金の支払額の増加によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)薬業40,162+11.9不動産事業――合計40,162+11.9 (注) 金額は、販売価格によっております。 b. 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)薬業23,040+0.5不動産事業――合計23,040+0.5 (注) 金額は、仕入価格によっております。 c. 受注実績当社グループは、主として販売計画に基づく生産計画によって生産を行っており、受注生産は行っておりません。 d. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)薬業91,553+31.5不動産事業2,481+2.1合計94,035+30.5 (注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)アルフレッサ㈱13,31318.513,34814.2㈱メディセオ9,95213.810,66611.3ニューマブ社――10,28510.9㈱スズケン10,23414.210,10910.8 2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。その内容等については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。a. 経営成績の状況国内医薬品事業におきましては、高齢化社会の進行等によって国の医療財政が逼迫する中、薬価制度の抜本改革をはじめとする様々な医療費抑制策が進められており、長期収載品の選定療養制度が導入されるなど、当連結会計年度においても引き続き厳しい事業環境にあります。このような環境の中、当社グループは、2022年を起点とする10か年の経営計画において、製薬業界を取り巻く厳しい状況や、それに伴う当社グループの長期的課題を分析し、2031年ビジョンとして「画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業」「皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業」を掲げました。また、当社グループは、ビジョン実現のための戦略として「研究開発」「海外展開」「経営基盤」の3つのTransformationを策定し、研究開発への積極的な戦略投資、高い有効性と安全性を有し世界に通用する医薬品を効率良く創出・販売できる体制の構築、挑戦と変革を追求し続ける人材の育成等を進めております。農業薬品事業におきましては、主力品である微生物由来の天然物質農薬「ポリオキシン」の成長戦略を柱とした価値の最大化をはかっております。以上の戦略を通じて経営計画達成に向けて取り組んでおります。 当連結会計年度における事業の主な進捗は以下のとおりであります。〔研究開発〕・当社グループがニューマブ・セラピューティクス社(以下、「ニューマブ社」という。)とアトピー性皮膚炎を対象に共同開発していた新規多重特異性抗体「NM26」について、ジョンソン・エンド・ジョンソン社(以下、「J&J社」という。)の関連会社であるシーラグ社との間で知的財産の譲渡及び販売提携オプション契約を締結いたしました。本契約締結に伴い、当社グループはJ&J社から契約一時金を受け取るとともに、今後のJ&J社の日本及びアジアでの開発の進捗及び売上の目標達成に応じたマイルストン収入、並びにアジアでの売上に応じたロイヤリティ収入を受け取る権利を取得いたしました。加えて、J&J社が日本で承認取得するすべての適応症について販売提携契約を交渉するオプション権を有しております。一方、当社グループはニューマブ社と締結した「新規多重特異性抗体医薬に関するライセンス・共同開発契約」を解約してニューマブ社から契約一時金を受け取りましたが、J&J社の開発の進捗に応じたマイルストン収入を受け取る権利は存続しております。・整形外科疾患の治療に関するプログラム医療機器の創出に向けたフィージビリティ・スタディ契約をクロスメッド㈱と締結いたしました。「長期経営計画2031」では新規分野へのチャレンジとして整形外科領域でのデジタル活用を掲げており、本契約締結によりデジタル製品の共同開発を進めてまいります。・炎症性腸疾患を対象疾患とする新規多重特異性抗体医薬「ND081」に関する共同研究契約をニューマブ社と締結いたしました。本契約に基づき、当社グループは特定の主要アジア地域における「ND081」の商業化権を取得するオプション権を獲得しました。両社の持つ技術・リソースを最大限活かすことで、炎症性腸疾患に対する画期的新薬の創出を進めてまいります。・当社グループが2型炎症性疾患(アトピー性皮膚炎、喘息など)に対する次世代の経口治療薬として開発中の「STAT6プログラム」のグローバルにおける開発、製造及び商業化に関する独占的なライセンスをJ&J社に許諾する契約を締結いたしました(12月26日公表「STAT6阻害剤に関するライセンス契約締結」)。日本国内においては当社グループが「STAT6プログラム」において開発される製品の商業化に関する権利を保持しております。本契約締結に伴い、当社グループはJ&J社から契約一時金を受領するとともに、今後の開発の進捗及び売上の目標達成に応じたマイルストン収入、加えて全世界での売上に対しロイヤリティを受け取る権利を有しております。 〔導入関連〕・製品ポートフォリオの拡充として、新規創傷治療材料「シルクエラスチン創傷用シート」の日本国内における独占的販売権に関するライセンス契約を三洋化成工業㈱と締結いたしました。当社グループが強みとする形成外科、皮膚科等の診療領域において、患者さんに新たな治療選択肢を提供することをめざしております。・アルミス社が尋常性乾癬等を対象に開発中の「ESK-001」について、日本における開発、製造及び商業化に関するライセンス契約を締結いたしました。本契約締結により、当社グループは日本における「ESK-001」の皮膚科領域の疾患に対する治療剤としての独占的な開発、製造及び販売の権利、並びに膠原病領域及び消化器領域における開発・販売権のライセンスに係るオプション権を取得いたしました。 〔海外展開〕・米国アーディ社の買収が2025年3月26日付で完了いたしました。本件買収完了により、悪性血管周囲類上皮細胞腫瘍治療薬「FYARRO」及び米国販売拠点に加えて、アーディ社が有する希少疾病用医薬品の販売プラットフォームや販売ノウハウを獲得いたしました。当社グループは、アーディ社を米国市場での自社販売体制の中心に位置付け、現在、米国において自社開発を進めている難治性脈管奇形の治療薬である「KP-001」に「FYARRO」の販売知見を活用するとともに、グローバルな医療ニーズに応えるための基盤構築を加速させてまいります。・爪白癬治療剤「Jublia」(日本販売名:クレナフィン)について、欧州の導出先であるアルミラル社がイタリア医薬品庁より製造販売承認を取得いたしました。当社グループは、アルミラル社に本剤の欧州における独占的な開発及び販売の権利を供与する契約を締結しており、アルミラル社は、イタリアの他、ドイツにおいても製造販売承認の申請を行っております。 〔農業薬品〕・農薬業界で世界的にSDGsの取組みが高まっていることを背景に、天然物質農薬「ポリオキシン」の欧米等での需要拡大が見込まれることから、当社グループの静岡工場内に、発酵農薬原体の製造工場を建設することを決定いたしました。 b.経営成績の分析当社グループの当連結会計年度の業績は、増収増益となりました。「「NM26」の知的財産譲渡及び販売提携オプション契約の締結」に基づくJ&J社、ニューマブ社との総額8,600万米ドルの契約一時金、及び「STAT6阻害剤に関するライセンス契約締結」に基づくJ&J社との3,000万米ドルの契約一時金により、海外売上が増加したことが増収増益の主な要因であります。売上高は94,035百万円(対前年同期比30.5%増)、営業利益は21,034百万円(対前年同期比121.1%増)、経常利益は21,279百万円(対前年同期比113.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13,945百万円(対前年同期比73.8%増)となりました。 主要科目の状況は、次のとおりであります。(売上高)薬業1) 医薬品・医療機器医薬品・医療機器につきましては、主に海外売上の増加により増収となりました。〔国内売上〕競合品の終売に伴う関節機能改善剤「アルツ」の伸長や、めまい・平衡障害治療剤「メリスロン」及び筋緊張改善剤「ミオナール」(2024年3月にエーザイ㈱と日本国内の製造販売承認を承継する契約を締結した2製品)の販売権の許諾に対するロイヤリティ収入等により国内売上が増加しました。〔海外売上〕「NM26」の知的財産譲渡に係る契約一時金及び「STAT6プログラム」のライセンス許諾に係る契約一時金等により海外売上が増加しました。2)農業薬品 農業薬品につきましては、主力品である「ポリオキシン」が海外の販売先での在庫調整の影響を受けて売上が減少したことなどにより、減収となりました。この結果、売上高は91,553百万円(対前年同期比31.5%増)となりました。なお、海外売上高は26,609百万円(対前年同期比311.0%増)となりました。不動産事業不動産事業の主たる収入は文京グリーンコート関連の賃貸料であります。売上高は2,481百万円(対前年同期比2.1%増)となりました。 (売上原価)当社グループの売上原価は、主に工場の製造原価、仕入商品原価、不動産事業の役務収益原価から構成されます。売上原価は35,502百万円であり、売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度46.5%、当連結会計年度37.8%と減少いたしました。 (販売費及び一般管理費)販売費及び一般管理費につきましては、主に人件費、研究開発費、営業活動費用であり、当連結会計年度は37,497百万円と前連結会計年度比29.2%増加いたしました。主たる要因は、研究開発費が前連結会計年度比49.3%増加し、18,725百万円となったためであります。 c.財政状態の分析財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、70,085百万円であり、事業運営上適切な水準であるとともに、外部環境の急激な変化にも一定程度耐えうる流動性を確保できていると考えております。当社グループの主要な資金需要は、開発パイプライン拡充のための研究開発費用及びM&A・導入費用、当社製品製造のための原材料購入費用及び製造費用、商品仕入費用、研究・生産・営業効率を向上させるための設備投資費用であります。持続的な成長のための資金需要には、財務健全性を考慮したうえで積極的に対応していく方針であります。これら資金需要への対応は、営業キャッシュ・フローにより積み上げられた自己資金によることを基本としておりますが、追加的に資金が必要な場合は、金融機関からの借入等をはじめとした資金調達手段を実施できる体制も整えております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは「一人でも多くの方に笑顔を取りもどしていただくために、優れた医薬品の提供を通じて患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上につとめる」を企業理念として、株主の皆様から負託された企業活動を行うにあたり、経営の基本方針として次の三つの方針を掲げております。この基本方針に則り、企業価値の最大化をはかり、ステークホルダーの信頼と期待に応えてまいります。① 患者さんと医療関係者のニーズに即した、有用な医薬品の創製・提供につとめる。② 医薬品企業としての社会的責任を自覚し、高い倫理観をもって企業活動を行い、社会から信頼される企業をめざす。③ 社員がその仕事に歓びと誇りをもち、活力あふれる存在感のある企業をめざす。 (2) 経営環境新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大は製薬業界にも大きな影響を及ぼしており、先行きが不透明な状況が続いております。さらに、近年、国内製薬業界を取り巻く環境も大きく変化し、かつてない厳しい時代を迎えております。国内医薬品事業におきましては、急速な高齢化社会の進行等によって国の医療財政が逼迫する中、ジェネリック医薬品使用促進策や薬価制度の抜本改革等の様々な医療費抑制策が実施され、製薬企業は生き残りをかけて、より一層効率性を高めながら画期的新薬を創出し続けていくことが求められております。また、研究開発においては、難病や希少疾患等に対するアンメットメディカルニーズが高まり、創薬研究の対象は病因・病態の難解な疾患へとシフトし、革新的な新薬を創出することは年々難易度を増しており、研究開発に関する費用とリスクはますます増大しております。さらに、国内外の企業との開発品の導入や販売提携等の交渉についても競争が激化しており、その費用も高額化しております。このような状況下において、私たちは、社員一人ひとりの成長によって組織力の最大化をはかるべく人材育成に注力するとともに、高い有効性と安全性を有し需要が見込める医薬品を効率よく創出・販売できる体制の構築、研究開発への積極的な投資を進めております。また、海外企業への導出による製品のグローバル展開を加速し、新たな成長機会の獲得をめざしております。 (3) 中期経営戦略2019年を起点とする3か年の中期経営計画においては、その期間の業績だけにとらわれず、厳しい時代を乗り切るための「成長基盤の確立」を重要課題と位置付け、次の4点に重点的に取り組んでまいりました。① 開発パイプラインの充実を最優先課題とし、可能な限りの経営資源を配分する。② クレナフィンの海外展開、新製品の海外展開や適応拡大により、価値最大化をはかる。③ 連結売上高945億円達成に向け、営業基盤の強化と効率化をはかり、生産性の向上をめざす。④ 人材育成・人材教育により全社員の生産性を高め、存在感のある社員を育成するとともに、組織のスリム化・人員配置の適正化をはかる。また、2021年度経営数値目標として、連結売上高945億円、連結営業利益250億円、連結ROE12.0%以上としておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大による医療機関への受診抑制及び想定以上の薬価改定、競合環境の変化等により連結売上高760億円、連結営業利益170億円、連結ROE7.0%という結果でありました。 2022年を起点とする10か年の経営計画においては、製薬業界を取り巻く厳しい状況や、それに伴う当社の長期的課題を分析し、当社の2031年ビジョンとそのビジョンの実現に向けた戦略を掲げております。≪2031年ビジョン≫ 1. 画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業 2. 皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業≪ビジョンの実現に向けた戦略 ~3つのTransformation~≫ (1)研究開発Transformation① 自社研究基盤の活用② 新規診療領域への展開③ 新たなモダリティへの挑戦④ 研究開発への積極的投資 (2)海外展開Transformation① 自社創薬と製品・開発品の導入による海外展開品の充実② 海外自社展開(開発・販売)による製品の価値最大化(3)経営基盤Transformation① プロフェッショナルとして変革を追求し続ける人材の育成及び就業環境整備② データとデジタル技術を活用して変革し続ける企業風土の醸成③ 患者さんファーストのための製品価値最大化及び高品質な医薬品の安定的な生産体制の構築 また、2026年度経営数値目標として、連結売上高800億円、連結営業利益180億円、連結ROE8.0%以上、2031年度経営数値目標として、連結売上高1,000億円、連結営業利益285億円、連結ROE10.0%以上をめざしてまいります。 当連結会計年度は、開発パイプラインの充実に向けて国内バイオベンチャー企業アーサム㈱を2021年12月に買収いたしました。同社は、形成外科領域における開発品「ART-001」(対象疾患:難治性脈管奇形)及び皮膚科領域の開発品「ART-648」(同:水疱性類天疱瘡)を有しており、本買収により開発パイプラインの強化に加え、アーサム㈱の有するドラッグリポジショニングに関わる技術と経験を当社が保有する既存化合物に適用する等のシナジー効果を実現し、当社の研究開発能力の更なる向上をはかってまいります。その他の開発パイプラインといたしましては、希少疾病用医薬品に指定されております熱傷焼痂除去剤「KMW-1」の製造販売承認申請がなされるとともに、アタマジラミ症治療剤「イベルメクチン0.5%外用剤(KAR)」がフェーズⅢ、掌蹠多汗症治療剤「BBI-4000」がフェーズⅠにそれぞれステージアップいたしました。また、がん免疫療法剤「KP-483」がフェーズⅠ、ニューマブ・セラピューティクス社と共同開発しておりますアトピー性皮膚炎を対象にした新規多重特異性抗体医薬候補物質「NM26-2198」がフェーズⅠ準備中に新たにステージアップいたしました。主力品でありますクレナフィンにつきましては、アルミラル社と欧州における独占的ライセンス実施許諾及び供給契約を締結いたしました。また、生産性の向上をめざし、営業基盤の強化、人材育成・人材教育の促進、組織のスリム化・人員配置の適正化等に取り組んでおります。 (4) 会社の対処すべき課題当社グループが企業価値の最大化をめざし、社会から信頼される企業であり続けるため、対処すべき当面の課題は、次のとおりであります。① 研究開発及び導出入活動への重点投資当社の成長には新薬の継続的な上市が不可欠である一方、新薬創出の難易度の高まりによる研究開発費用の増加や導出入活動の競争激化による投資金額の増大が見込まれます。このような状況の下、資源投入の集中と研究開発の効率化をめざし、資本効率や投資体力を勘案した資源投入、3領域(免疫系・神経系・感染症)を柱とした研究開発テーマへの集中投資、国内外の企業・研究機関との共同研究や戦略的提携等を積極的に進めることにより、開発パイプラインの充実をはかってまいります。また、現地企業への導出を中心とした海外展開や適応拡大にも積極的に取り組んでまいります。 ② 営業基盤の強化営業面では、皮膚科領域、整形外科領域等の当社が強みを持つ領域でのプレゼンスをより一層高め、各領域における製品価値の最大化をはかってまいります。また、製品特性と領域に沿った人員配置・組織づくりを進め、積極的にICT(情報通信技術)を活用し、医療現場のニーズの変化や制度の変更に柔軟に対応した付加価値の高い情報を提供してまいります。③ 人材育成人材は企業経営の根幹にかかわるものであり、社員一人ひとりの成長が当社の持続的成長につながると考えております。人を活かすマネジメントを推進することにより全社員の生産性を高め、次世代のリーダーやグローバルで成果を出せる人材の育成を行ってまいります。また、新たな働き方に対して柔軟に対応し、全社員が持てる力を十分に発揮できるよう、働く環境の整備を進めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは「一人でも多くの方に笑顔を取りもどしていただくために、優れた医薬品の提供を通じて患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上につとめる」を企業理念として、株主の皆様から負託された企業活動を行うにあたり、経営の基本方針として次の三つの方針を掲げております。この基本方針に則り、企業価値の最大化をはかり、ステークホルダーの信頼と期待に応えてまいります。① 患者さんと医療関係者のニーズに即した、有用な医薬品の創製・提供につとめる。② 医薬品企業としての社会的責任を自覚し、高い倫理観をもって企業活動を行い、社会から信頼される企業をめざす。③ 社員がその仕事に歓びと誇りをもち、活力あふれる存在感のある企業をめざす。 (2) 経営環境新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大は製薬業界にも大きな影響を及ぼしており、先行きが不透明な状況が続いております。さらに、近年、国内製薬業界を取り巻く環境も大きく変化し、かつてない厳しい時代を迎えております。国内医薬品事業におきましては、急速な高齢化社会の進行等によって国の医療財政が逼迫する中、ジェネリック医薬品使用促進策や薬価制度の抜本改革等の様々な医療費抑制策が実施され、製薬企業は生き残りをかけて、より一層効率性を高めながら画期的新薬を創出し続けていくことが求められております。また、研究開発においては、難病や希少疾患等に対するアンメットメディカルニーズが高まり、創薬研究の対象は病因・病態の難解な疾患へとシフトし、革新的な新薬を創出することは年々難易度を増しており、研究開発に関する費用とリスクはますます増大しております。さらに、国内外の企業との開発品の導入や販売提携等の交渉についても競争が激化しており、その費用も高額化しております。このような状況下において、私たちは、社員一人ひとりの成長によって組織力の最大化をはかるべく人材育成に注力するとともに、高い有効性と安全性を有し需要が見込める医薬品を効率よく創出・販売できる体制の構築、研究開発への積極的な投資を進めております。また、海外企業への導出による製品のグローバル展開を加速し、新たな成長機会の獲得をめざしております。 (3) 中期経営戦略2019年を起点とする3か年の中期経営計画においては、その期間の業績だけにとらわれず、厳しい時代を乗り切るための「成長基盤の確立」を重要課題と位置付け、次の4点に重点的に取り組んでまいりました。① 開発パイプラインの充実を最優先課題とし、可能な限りの経営資源を配分する。② クレナフィンの海外展開、新製品の海外展開や適応拡大により、価値最大化をはかる。③ 連結売上高945億円達成に向け、営業基盤の強化と効率化をはかり、生産性の向上をめざす。④ 人材育成・人材教育により全社員の生産性を高め、存在感のある社員を育成するとともに、組織のスリム化・人員配置の適正化をはかる。また、2021年度経営数値目標として、連結売上高945億円、連結営業利益250億円、連結ROE12.0%以上としておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大による医療機関への受診抑制及び想定以上の薬価改定、競合環境の変化等により連結売上高760億円、連結営業利益170億円、連結ROE7.0%という結果でありました。 2022年を起点とする10か年の経営計画においては、製薬業界を取り巻く厳しい状況や、それに伴う当社の長期的課題を分析し、当社の2031年ビジョンとそのビジョンの実現に向けた戦略を掲げております。≪2031年ビジョン≫ 1. 画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業 2. 皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業≪ビジョンの実現に向けた戦略 ~3つのTransformation~≫ (1)研究開発Transformation① 自社研究基盤の活用② 新規診療領域への展開③ 新たなモダリティへの挑戦④ 研究開発への積極的投資 (2)海外展開Transformation① 自社創薬と製品・開発品の導入による海外展開品の充実② 海外自社展開(開発・販売)による製品の価値最大化(3)経営基盤Transformation① プロフェッショナルとして変革を追求し続ける人材の育成及び就業環境整備② データとデジタル技術を活用して変革し続ける企業風土の醸成③ 患者さんファーストのための製品価値最大化及び高品質な医薬品の安定的な生産体制の構築 また、2026年度経営数値目標として、連結売上高800億円、連結営業利益180億円、連結ROE8.0%以上、2031年度経営数値目標として、連結売上高1,000億円、連結営業利益285億円、連結ROE10.0%以上をめざしてまいります。 当連結会計年度は、開発パイプラインの充実に向けて国内バイオベンチャー企業アーサム㈱を2021年12月に買収いたしました。同社は、形成外科領域における開発品「ART-001」(対象疾患:難治性脈管奇形)及び皮膚科領域の開発品「ART-648」(同:水疱性類天疱瘡)を有しており、本買収により開発パイプラインの強化に加え、アーサム㈱の有するドラッグリポジショニングに関わる技術と経験を当社が保有する既存化合物に適用する等のシナジー効果を実現し、当社の研究開発能力の更なる向上をはかってまいります。その他の開発パイプラインといたしましては、希少疾病用医薬品に指定されております熱傷焼痂除去剤「KMW-1」の製造販売承認申請がなされるとともに、アタマジラミ症治療剤「イベルメクチン0.5%外用剤(KAR)」がフェーズⅢ、掌蹠多汗症治療剤「BBI-4000」がフェーズⅠにそれぞれステージアップいたしました。また、がん免疫療法剤「KP-483」がフェーズⅠ、ニューマブ・セラピューティクス社と共同開発しておりますアトピー性皮膚炎を対象にした新規多重特異性抗体医薬候補物質「NM26-2198」がフェーズⅠ準備中に新たにステージアップいたしました。主力品でありますクレナフィンにつきましては、アルミラル社と欧州における独占的ライセンス実施許諾及び供給契約を締結いたしました。また、生産性の向上をめざし、営業基盤の強化、人材育成・人材教育の促進、組織のスリム化・人員配置の適正化等に取り組んでおります。 (4) 会社の対処すべき課題当社グループが企業価値の最大化をめざし、社会から信頼される企業であり続けるため、対処すべき当面の課題は、次のとおりであります。① 研究開発及び導出入活動への重点投資当社の成長には新薬の継続的な上市が不可欠である一方、新薬創出の難易度の高まりによる研究開発費用の増加や導出入活動の競争激化による投資金額の増大が見込まれます。このような状況の下、資源投入の集中と研究開発の効率化をめざし、資本効率や投資体力を勘案した資源投入、3領域(免疫系・神経系・感染症)を柱とした研究開発テーマへの集中投資、国内外の企業・研究機関との共同研究や戦略的提携等を積極的に進めることにより、開発パイプラインの充実をはかってまいります。また、現地企業への導出を中心とした海外展開や適応拡大にも積極的に取り組んでまいります。 ② 営業基盤の強化営業面では、皮膚科領域、整形外科領域等の当社が強みを持つ領域でのプレゼンスをより一層高め、各領域における製品価値の最大化をはかってまいります。また、製品特性と領域に沿った人員配置・組織づくりを進め、積極的にICT(情報通信技術)を活用し、医療現場のニーズの変化や制度の変更に柔軟に対応した付加価値の高い情報を提供してまいります。③ 人材育成人材は企業経営の根幹にかかわるものであり、社員一人ひとりの成長が当社の持続的成長につながると考えております。人を活かすマネジメントを推進することにより全社員の生産性を高め、次世代のリーダーやグローバルで成果を出せる人材の育成を行ってまいります。また、新たな働き方に対して柔軟に対応し、全社員が持てる力を十分に発揮できるよう、働く環境の整備を進めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当社グループの当連結会計年度の業績は、増収減益となりました。売上高は76,034百万円(対前年同期比1.4%増)となり、海外売上高の増加などにより増収となりました。利益面では、販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は17,064百万円(対前年同期比4.1%減)、経常利益は17,542百万円(対前年同期比3.7%減)となりました。販売費及び一般管理費が増加した主たる要因は、研究開発費が対前年同期比25.0%増加し、8,420百万円となったためであります。親会社株主に帰属する当期純利益はコーバス社より導入した全身性強皮症及び皮膚筋炎治療剤「レナバサム」に関する減損損失計上等による特別損失が発生したことにより、9,549百万円(対前年同期比28.8%減)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。前連結会計年度比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。詳細につきましては、連結財務諸表「注記事項(会計方針の変更)」に記載しております。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。薬業医薬品・医療機器につきましては、爪白癬治療剤「クレナフィン」の売上は減少したものの、原発性腋窩多汗症治療剤「エクロック」、ジェネリック医薬品等の売上増加及びJubliaの売上が伸長したことによる海外売上高増加により増収となりました。農業薬品につきましては増収となりました。この結果、売上高は73,623百万円(対前年同期比1.4%増)、セグメント利益(営業利益)は15,710百万円(対前年同期比4.0%減)となりました。なお、海外売上高は6,956百万円(対前年同期比41.7%増)となりました。不動産事業不動産事業の主たる収入は文京グリーンコート関連の賃貸料であります。売上高は2,410百万円(対前年同期比1.9%増)となりましたが、セグメント利益(営業利益)は、関西支店建て替えに伴う費用が発生したことから、1,353百万円(対前年同期比4.5%減)となりました。 <新型コロナウイルス感染症の拡大への当社グループの対応及び事業・業績への影響>新型コロナウイルス感染症が未だ収束の見通しが立たない中、当社グループは、高品質な医薬品を安定的に供給することを社会的使命と考えております。取引先企業とも連携し、安定供給は維持されており、現時点においても当社医薬品の生産及び医療機関への供給体制に支障を来すような事態は生じておりません。今後も社員の感染予防・健康管理などを徹底し、感染拡大防止に配慮したうえで安定供給に向けて最善を尽くしてまいります。当社グループの取り組みに関わらず、新型コロナウイルス感染症による影響が当社グループの想定を超えて深刻化、長期化した場合には、医薬品の供給体制や研究開発活動にも影響が生じたり、それらが繰り返される可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症が収束した場合であっても、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に対して、一定期間継続して影響を及ぼす可能性があります。 (実施している感染防止対策)新型コロナウイルス対応本部を設置し、フレックスタイム制度や時差出勤、在宅勤務、発熱(37度以上が目安)等があった場合の出勤自粛等の感染症対策を講じております。また、医薬情報担当者(MR)等の情報提供活動に関しましては、デジタルツール等も活用し、医療関係者のニーズに合わせて実施しております。なお、医療機関に訪問する際は、十分な感染防止対策を講じております。 (業績への影響)新型コロナウイルス感染症拡大に伴う医療機関への受診抑制などにより、当社グループの業績に影響が生じており、今後も継続して影響が生じることを想定しております。(研究開発活動への影響)患者さんや治験実施医療機関の安全性確保と負担軽減を最優先して治験を実施しております。一部の医療機関においては治験業務の遅延等が発生しておりますが、現時点でスケジュールに大きな遅延はありません。 以上のように、当社グループの事業活動・業績が新型コロナウイルス感染症拡大により影響を受けておりますが、今後もフレックスタイム制度や時差出勤、在宅勤務、ICT(情報通信技術)を活用したリモートワーク環境の整備・拡充を積極的に行うことによって、働き方改革を推進し、生産性の向上に取り組んでまいります。 当連結会計年度末の総資産は、前期末比1,849百万円増加し、165,181百万円となりました。これは主に、仕掛研究開発の増加によるものであります。当連結会計年度末の負債合計は、前期末比219百万円減少し、26,855百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少によるものであります。正味運転資本(流動資産から流動負債を控除した金額)は、91,564百万円であり、流動比率は580.7%で財務の健全性は保たれております。当連結会計年度末の純資産合計は、前期末比2,068百万円増加し、138,325百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。自己資本比率は、83.4%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,680百万円減少し、74,625百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比ベ1,043百万円収入が減少し、13,336百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の減少によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ6,243百万円支出が増加し、7,888百万円の支出となりました。これは主に、連結子会社株式の取得による支出によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ623百万円支出が減少し、8,129百万円の支出となりました。これは主に、自己株式の取得額の減少によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)薬業38,157+3.0不動産事業――合計38,157+3.0 (注) 金額は、販売価格によっております。 b. 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)薬業22,764+1.8不動産事業――合計22,764+1.8 (注) 金額は、仕入価格によっております。 c. 受注実績当社グループは、主として販売計画に基づく生産計画によって生産を行っており、受注生産は行っておりません。 d. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)薬業73,623+1.4不動産事業2,410+1.9合計76,034+1.4 (注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)アルフレッサ㈱13,34917.813,48617.7㈱メディセオ11,23615.011,23714.8㈱スズケン11,37515.211,19214.7 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。a. 経営成績の状況中期的な重点課題として、パイプラインの充実やクレナフィン及び新製品の価値最大化などに取り組んでまいりました。パイプラインの充実につきましては、資源投入の集中と研究開発の効率化により、最優先課題として活動しております。当連結会計年度においては、開発パイプラインの充実に向けて国内バイオベンチャー企業アーサム㈱を2021年12月に買収いたしました。同社は、形成外科領域における開発品「ART-001」(対象疾患:難治性脈管奇形)及び皮膚科領域の開発品「ART-648」(同:水疱性類天疱瘡)を有しており、本買収により開発パイプラインの強化に加え、アーサム㈱の有するドラッグリポジショニングに関わる技術と経験を当社が保有する既存化合物に適用する等のシナジー効果を実現し、当社の研究開発能力の更なる向上をはかってまいります。その他の開発パイプラインとしましては、希少疾病用医薬品に指定されております熱傷焼痂除去剤「KMW-1」の製造販売承認申請がなされるとともに、アタマジラミ症治療剤「イベルメクチン0.5%外用剤(KAR)」は、フェーズⅢ、掌蹠多汗症治療剤「BBI-4000」がフェーズⅠにそれぞれステージアップいたしました。また、がん免疫療法剤「KP-483」がフェーズⅠ、ニューマブ・セラピューティクス社と共同開発しておりますアトピー性皮膚炎を対象にした新規多重特異性抗体医薬候補物質「NM26-2198」がフェーズⅠ準備中に新たにステージアップいたしました。クレナフィンの価値最大化につきましては、国内では競合環境が厳しくなる中、営業基盤の強化と効率化に取り組むとともに、海外展開を推進しております。当連結会計年度においては、アルミラル社と欧州における独占的ライセンス実施許諾及び供給契約を締結いたしました。 中期的な数値目標につきましては、2019年を起点とする3か年の中期経営計画において、2021年度に、連結売上高945億円、連結営業利益250億円、連結ROE12.0%以上としておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大による医療機関への受診抑制及び想定以上の薬価改定、競合環境の変化等により最終年度の2022年3月期は連結売上高760億円、連結営業利益170億円、連結ROEは7.0%という結果でありました。 2022年を起点とする10か年の経営計画においては、製薬業界を取り巻く厳しい状況や、それに伴う当社の長期的課題を分析し、当社の2031年ビジョンとそのビジョンの実現に向けた戦略を掲げております。≪2031年ビジョン≫ 1. 画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業2. 皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業≪ビジョンの実現に向けた戦略 ~3つのTransformation~≫ (1)研究開発Transformation ① 自社研究基盤の活用② 新規診療領域への展開③ 新たなモダリティへの挑戦④ 研究開発への積極的投資 (2)海外展開Transformation① 自社創薬と製品・開発品の導入による海外展開品の充実 ② 海外自社展開(開発・販売)による製品の価値最大化(3)経営基盤Transformation① プロフェッショナルとして変革を追求し続ける人材の育成及び就業環境整備② データとデジタル技術を活用して変革し続ける企業風土の醸成③ 患者さんファーストのための製品価値最大化及び高品質な医薬品の安定的な生産体制の構築 また、2026年度経営数値目標として、連結売上高800億円、連結営業利益180億円、連結ROE8.0%以上、2031年度経営数値目標として、連結売上高1,000億円、連結営業利益285億円、連結ROE10.0%以上をめざしてまいります。 b.経営成績の分析当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は76,034百万円(対前年同期比1.4%増)、営業利益は17,064百万円(対前年同期比4.1%減)、経常利益は17,542百万円(対前年同期比3.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,549百万円(対前年同期比28.8%減)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。前連結会計年度比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。詳細につきましては、連結財務諸表「注記事項(会計方針の変更)」に記載しております。 主要科目の状況は、次のとおりであります。(売上高)薬業医薬品・医療機器につきましては、爪白癬治療剤「クレナフィン」の売上は減少したものの、原発性腋窩多汗症治療剤「エクロック」、ジェネリック医薬品等の売上増加及びJubliaの売上が伸長したことによる海外売上高増加により増収となりました。農業薬品につきましては増収となりました。この結果、売上高は73,623百万円(対前年同期比1.4%増)となりました。なお、海外売上高は6,956百万円(対前年同期比41.7%増)となりました。不動産事業不動産事業の主たる収入は文京グリーンコート関連の賃貸料であります。売上高は2,410百万円(対前年同期比1.9%増)となりました。 (売上原価)当社グループの売上原価は、主に工場の製造原価、仕入商品原価、不動産事業の役務収益原価から構成されます。売上原価は34,458百万円であり、売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度45.4%、当連結会計年度45.3%となりました。 (販売費及び一般管理費)販売費及び一般管理費につきましては、主に人件費、研究開発費、広告宣伝費や販売促進費などの営業活動費用であり、当連結会計年度は24,511百万円と前連結会計年度比6.0%増加いたしました。主たる要因は、研究開発費が前連結会計年度比25.0%増加し、8,420百万円となったためであります。 c.財政状態の分析財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、74,625百万円であり、事業運営上適切な水準であるとともに、経済環境の急激な変化にも一定程度耐えうる流動性を確保できていると考えております。また、継続している新型コロナウイルス感染症の影響は、この認識の修正を要する程度には至っておりません。当社グループの主要な資金需要は、開発パイプライン拡充のための研究開発費用及び導入費用、当社製品製造のための原材料購入費用及び製造費用、商品仕入費用、研究・生産・営業効率を向上させるための設備投資費用であります。持続的な成長のための資金需要には、財務健全性を考慮したうえで積極的に対応していく方針であります。これら資金需要への対応は、営業キャッシュ・フローにより積み上げられた自己資金によることを基本としておりますが、追加的に資金が必要な場合は、金融機関からの借入等をはじめとした資金調達手段を実施できる体制も整えております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りにつきましては、連結財務諸表「注記事項(追加情報)」に記載しております。