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杏林製薬(4569)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

医薬品 医薬品

事業の概要

  • 医薬品の製造販売
    杏林製薬グループは、主に医療用医薬品の研究開発、製造、販売を行っています。グループ会社には、医薬品の製造販売を担う杏林製薬とキョーリン リメディオ、そして医薬品の製造と試験を行うキョーリン製薬グループ工場が含まれており、これらが一体となって事業を推進しています。
  • 医薬品原材料の調達
    医薬品製造に必要な原材料の一部は、関連会社である日本理化学薬品から仕入れています。これにより、グループ内で原材料の安定供給と品質管理を連携して行い、医薬品製造の基盤を強化しています。
  • グループ会社による分業体制
    杏林製薬グループは、杏林製薬、子会社2社、関連会社1社の計4社で構成されており、それぞれが医薬品の製造販売、製造、試験、原材料供給といった役割を分担しています。この分業体制により、効率的かつ専門性の高い事業運営を実現しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

杏林製薬グループの事業セグメントは主に二つあります。一つは「医療用医薬品事業(EthicalDrugsBusiness)」で、これがグループの主要な収益源であり、売上高1036.03億円、営業利益66.19億円を計上しています。もう一つは「ヘルスケア事業(HealthcareBusiness)」で、売上高63.83億円、営業利益7.36億円となっています。医療用医薬品事業が圧倒的に稼ぎ頭であり、グループ全体の業績を牽引しています。

FY2020 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
EthicalDrugsBusiness 事業 1,036 66 6.4%
HealthcareBusiness 事業 64 7 11.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|260 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は当社、子会社2社及び関連会社1社の計4社により構成されており、主な事業内容は次のとおりであります。 (医薬品事業)杏林製薬㈱は医薬品の製造販売等を行っております。医薬品原材料の一部については関連会社である日本理化学薬品㈱より仕入を行っております。キョーリン リメディオ㈱は、医薬品の製造販売等を行っております。キョーリン製薬グループ工場㈱は、医薬品の製造及び試験等を行っております。 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと下記のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
新薬比率の最大化により収益力向上を図る一方、薬価改定の影響を受けるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
医薬品の開発、製造、流通等に関する薬機法をはじめとする諸規制及び海外における各国の規制。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:研究開発に関するリスク / 安定供給に関するリスク / 医療制度改革に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

杏林製薬は、独自の創薬プラットフォームと研究開発パイプラインに強みを持つ。特に、感染症領域や中枢神経系領域における新規治療薬の開発は、特許やノウハウといった無形資産として競争優位の源泉となりうる。例えば、抗インフルエンザウイルス薬「インフルエンザ」や、抗生物質「フロモックス」などの既存製品群も、長年の研究開発の賜物である。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

医療用医薬品は、医師の処方行動や患者の服用習慣により、スイッチング・コストが一定程度存在する。しかし、新薬の登場や有効性・安全性の評価によっては、比較的容易に切り替えられる可能性もある。特にジェネリック医薬品の普及は、スイッチング・コストを低下させる要因となりうる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

医薬品業界において、直接的なネットワーク効果は限定的である。製品の普及は主に臨床的価値や医師・患者への情報提供によって推進されるため、ユーザー数の増加が製品価値を直接的に高める構造は希薄。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

医薬品の製造コストは、研究開発費や品質管理費、治験費用などが高額であり、構造的なコスト優位性を確立することは難しい。ただし、一部のジェネリック医薬品や後発品においては、製造プロセスの効率化によるコスト削減の余地は存在する。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

杏林製薬は、中堅の製薬企業であり、売上規模や研究開発投資額において、大手製薬企業と比較すると規模の経済性は限定的である。しかし、特定の疾患領域に特化することで、その領域においては一定の効率性を発揮している可能性はある。

  • 研究開発力とパイプライン
    医療ニーズに応える価値の高い新薬の創出に注力しており、多額の研究開発投資と長い期間をかけて新薬開発を進めています。また、外部からの導入品獲得も強化することで、開発中の医薬品候補(パイプライン)を拡充し、将来の収益源を確保しようとしています。
  • 安定供給体制の構築
    製品や原材料の安定供給を確保するため、製造委託先や調達先との緊密な連携、生産計画の立案、在庫調整を行っています。さらに、4工場体制による生産能力の増強や、必要に応じて原料調達先の複数化を進めることで、供給リスクの低減を図っています。
  • 品質管理と法令遵守
    医薬品の製造においては、薬機法をはじめとする厳格な法規制を遵守し、高い品質管理体制を維持しています。信頼性保証の環境変化にも迅速に対応し、薬事に関する法令遵守体制を強化することで、製品の安全性と信頼性を確保し、事業継続の基盤としています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)企業理念及び長期ビジョン当社グループは、企業理念として「キョーリンは生命を慈しむ心を貫き、人々の健康に貢献する社会的使命を 遂行します。」を掲げています。当社グループは、創業110周年に向けた長期ビジョン「Vision 110(2023年度~2032年度)」を策定し、目指す姿を「医療ニーズに応える価値の高い新薬を継続的に提供する新医薬品事業を中核に据え、健康関連事業を複合的に展開し、人々の健康に幅広く貢献する企業」とし、その実現に向けて取り組んでいます。 (2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題社内外ともに事業環境が劇的に変化する中、当社グループは長期ビジョン「Vision 110」を策定し、その実現に向け、3つのステージ(Stage1:2023年度~2025年度、Stage2:2026年度~2029年度、Stage3:2030年度~2032年度)からなる中期経営計画を推進しています。2023年度より、その第一段階である中期経営計画「Vision 110-Stage1-」を推進し、新医薬品事業における創薬・導入活動、事業体制の変革等において着実な成果を獲得することができました。当社グループは中長期的なさらなる成長を成し遂げるため、第二段階にあたる中期経営計画「Vision 110 -Stage2-(2026年度~2029年度)」を新たに策定し、2026年4月よりその実現に向けた取り組みを開始しました。 中期経営計画「Vision 110-Stage2-」(2026年度~2029年度)について 中期経営計画「Vision 110-Stage2-」では、ステートメントを「持続成長に向けた積極的な投資」とし、中長期的な成長エンジンとなる導入品等の獲得を最優先事項と位置付け、確固たる信念を持って取り組みます。また、以下の事業戦略を強力に推進することで、成果目標の達成とステークホルダーの皆様からの支持・評価の向上を目指します。 事業戦略 ①積極的な導入投資による開発パイプラインの拡充②医療ニーズに応える価値の高い新薬の創出力強化③新薬の普及最大化④新医薬品事業と相乗効果のある健康関連事業の推進⑤持続可能な企業基盤の構築 成果目標 中期経営計画「Vision 110-Stage2-」で目指す成果目標は、以下の通りです。 2025年度実績2029年度Stage2出口目標(参考)2032年度Stage3出口で目指す姿売上高1,263億円1,200億円以上1,600億円以上営業利益(研究開発費控除前)156億円170億円以上200億円以上ROE2.5%5%以上8%以上 株主還元方針Stage3以降の持続的な成長に向けたパイプライン拡充のための投資を優先し、一株当たり配当25円/年を確保しつつ、業績及びキャッシュフローの状況を勘案し、増配の実施を検討します。 中期経営計画「Vision 110-Stage1-(2023~2025年度)」の成果について創薬においては、疼痛、自己免疫疾患、神経筋疾患を注力領域として定め、領域を軸にした研究体制への変革を推進することで、新薬の創出力強化を図りました。この体制のもと、自社のコア技術である低分子創薬の更なる強化に加え、外部アセットの積極的な獲得や、新たなモダリティへの拡大に取り組み、新たな臨床的意義を生み出す創薬イノベーションに挑戦しました。2025年3月には、自社創製品であるKRP-M223をノバルティス社に導出しました。また導入による開発パイプライン拡充への取り組みについては、資金及び人的資源を最大限投入して活動を展開し、目標6件を上回る7件の獲得を達成しました。新薬比率の最大化については、積極的な営業活動を展開した結果、新薬比率55.4%(目標:50%以上)、売上570億円(目標:560億円)と目標を上回りました。持続可能な企業基盤の構築に向けた対応については、グループ体制の刷新や、希望退職プログラムの実施、本社移転等を進めました。また、後発医薬品事業については、当社の連結子会社であるキョーリン リメディオ株式会社、当社の連結子会社であるキョーリン製薬グループ工場株式会社が保有する高岡工場及び井波工場を、ダイト株式会社を筆頭とし、ダイト以外の共同出資者2者が共同出資予定の「株式会社医薬品共創機構(仮)」に承継することについて、具体的な協議を進める旨の基本合意書を2026年4月24日にダイト等との間で締結しました。Stage1における成果目標とした「売上高:年平均成長率2%以上」については3.7%と目標を達成しました。一方で「研究開発費控除前 営業利益:対売上高16%以上」は、Stage1開始時には想定していなかった長期収載品の選定療養等の薬価制度改革やコスト高騰等により12.4%と未達となりました。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)企業理念及び長期ビジョン当社グループは、企業理念として「キョーリンは生命を慈しむ心を貫き、人々の健康に貢献する社会的使命を 遂行します。」を掲げています。当社グループは、創業110周年に向けた長期ビジョン「Vision 110(2023年度~2032年度)」を策定し、目指す姿を「医療ニーズに応える価値の高い新薬を継続的に提供する新医薬品事業を中核に据え、健康関連事業を複合的に展開し、人々の健康に幅広く貢献する企業」とし、その実現に向けて取り組んでいます。 (2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題社内外ともに事業環境が劇的に変化する中、当社グループは長期ビジョン「Vision 110」を策定し、その実現に向け、3つのステージ(Stage1:2023年度~2025年度、Stage2:2026年度~2029年度、Stage3:2030年度~2032年度)からなる中期経営計画を推進しています。2023年度より、その第一段階である中期経営計画「Vision 110-Stage1-」を推進し、新医薬品事業における創薬・導入活動、事業体制の変革等において着実な成果を獲得することができました。当社グループは中長期的なさらなる成長を成し遂げるため、第二段階にあたる中期経営計画「Vision 110 -Stage2-(2026年度~2029年度)」を新たに策定し、2026年4月よりその実現に向けた取り組みを開始しました。 中期経営計画「Vision 110-Stage2-」(2026年度~2029年度)について 中期経営計画「Vision 110-Stage2-」では、ステートメントを「持続成長に向けた積極的な投資」とし、中長期的な成長エンジンとなる導入品等の獲得を最優先事項と位置付け、確固たる信念を持って取り組みます。また、以下の事業戦略を強力に推進することで、成果目標の達成とステークホルダーの皆様からの支持・評価の向上を目指します。 事業戦略 ①積極的な導入投資による開発パイプラインの拡充②医療ニーズに応える価値の高い新薬の創出力強化③新薬の普及最大化④新医薬品事業と相乗効果のある健康関連事業の推進⑤持続可能な企業基盤の構築 成果目標 中期経営計画「Vision 110-Stage2-」で目指す成果目標は、以下の通りです。 2025年度実績2029年度Stage2出口目標(参考)2032年度Stage3出口で目指す姿売上高1,263億円1,200億円以上1,600億円以上営業利益(研究開発費控除前)156億円170億円以上200億円以上ROE2.5%5%以上8%以上 株主還元方針Stage3以降の持続的な成長に向けたパイプライン拡充のための投資を優先し、一株当たり配当25円/年を確保しつつ、業績及びキャッシュフローの状況を勘案し、増配の実施を検討します。 中期経営計画「Vision 110-Stage1-(2023~2025年度)」の成果について創薬においては、疼痛、自己免疫疾患、神経筋疾患を注力領域として定め、領域を軸にした研究体制への変革を推進することで、新薬の創出力強化を図りました。この体制のもと、自社のコア技術である低分子創薬の更なる強化に加え、外部アセットの積極的な獲得や、新たなモダリティへの拡大に取り組み、新たな臨床的意義を生み出す創薬イノベーションに挑戦しました。2025年3月には、自社創製品であるKRP-M223をノバルティス社に導出しました。また導入による開発パイプライン拡充への取り組みについては、資金及び人的資源を最大限投入して活動を展開し、目標6件を上回る7件の獲得を達成しました。新薬比率の最大化については、積極的な営業活動を展開した結果、新薬比率55.4%(目標:50%以上)、売上570億円(目標:560億円)と目標を上回りました。持続可能な企業基盤の構築に向けた対応については、グループ体制の刷新や、希望退職プログラムの実施、本社移転等を進めました。また、後発医薬品事業については、当社の連結子会社であるキョーリン リメディオ株式会社、当社の連結子会社であるキョーリン製薬グループ工場株式会社が保有する高岡工場及び井波工場を、ダイト株式会社を筆頭とし、ダイト以外の共同出資者2者が共同出資予定の「株式会社医薬品共創機構(仮)」に承継することについて、具体的な協議を進める旨の基本合意書を2026年4月24日にダイト等との間で締結しました。Stage1における成果目標とした「売上高:年平均成長率2%以上」については3.7%と目標を達成しました。一方で「研究開発費控除前 営業利益:対売上高16%以上」は、Stage1開始時には想定していなかった長期収載品の選定療養等の薬価制度改革やコスト高騰等により12.4%と未達となりました。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当社グループは、2023年度に策定した長期ビジョン「Vision 110(2023年度~2032年度)」の実現に向け、3つのステージからなる中期経営計画を推進しています。その第一段階にあたる中期経営計画「Vision 110 -Stage1-(2023年度~2025年度)」の最終年度である2026年3月期は、経営方針に「Vision 110の実現に向けた事業体制の確立」を掲げ、目標達成に向け取り組みました。当連結会計年度における経営成績は以下の通りです。 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)売上高130,087126,257△3,829△2.9営業利益12,5673,567△9,000△71.6経常利益13,2194,031△9,188△69.5親会社株主に帰属する当期純利益9,0863,448△5,637△62.0 国内医療用医薬品業界は、薬価改定をはじめとする継続的な医療費抑制策の推進によって一層厳しい事業環境にあります。このような状況下、当連結会計年度における当社グループ全体の売上高は126,257百万円と、前期に対して3,829百万円(前期比2.9%減)の減収となりました。新医薬品等(国内)の売り上げは、薬価改定(杏林製薬㈱5%台)の影響はあったものの、新薬の伸長により前期を上回る実績で推移しました。新医薬品(海外)の売り上げは、前期に自社創製化合物「KRP-M223」のノバルティス社(本社:スイス)への導出に伴う契約一時金収入を計上した反動減により、前期より減少しました。後発医薬品の売り上げは、薬価改定の影響を大きく受けましたが長期収載品の選定療養等の影響もあり、前期より増加しました。利益面では、新薬の伸長等はあったものの、前述の契約一時金収入の反動減による減収により、売上総利益は51,622百万円と前期に対して7,912百万円の減少となりました。販売費及び一般管理費は、コスト削減等に努めたものの、2025年9月に導入したSLE等の新規治療薬候補「KRP-A225」、及び2026年3月に導入した神経障害性疼痛治療薬「KRP-126 (BDT272)」に係る導入一時金等の計上により研究開発費が増加し、前期に対して1,087百万円増加(研究開発費は1,545百万円増加)しました。その結果、営業利益は3,567百万円(前期比71.6%減)、経常利益は4,031百万円(前期比69.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、3,448百万円(前期比62.0%減)となりました。 当連結会計年度における売上高の状況につきましては、以下の通りです。〔新医薬品等(国内)〕当社グループは、中期経営計画「Vision 110 -Stage1-」の重点戦略の一つとして「新薬比率の最大化」を掲げ、積極的な営業活動を展開してきました。その結果、主力製品である過活動膀胱治療剤「ベオーバ」、アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」の売り上げが増加しました。また長期収載品では、気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」の売り上げは増加しましたが、気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」の売り上げは、長期収載品の選定療養等の影響を受け、減少しました。以上の結果、新医薬品等(国内)の売上高は87,113百万円(前期比3.5%増)となりました。 〔新医薬品(海外)〕新医薬品(海外)の売上高は、契約一時金収入の反動減により減収となり、693百万円(前期比92.2%減)となりました。 〔後発医薬品〕安定供給に最大限注力するとともに主要品目の売り上げ拡大に努めました。オーソライズド・ジェネリックの売り上げは前期を下回りましたが、2024年発売の追補収載品の売上寄与や長期収載品の選定療養等の影響により、後発医薬品の売上高は38,451百万円(前期比3.7%増)となりました。品質確保の取り組みについては、杏林製薬㈱、キョーリン リメディオ㈱、キョーリン製薬グループ工場㈱の全てのグループ会社が一丸となり、GMP※などの法令遵守の徹底を図るとともに品質管理体制のより一層の強化に努めています。今後とも信頼性の確保に最大限注力し、高品質で安心・安全な製品を提供していきます。※医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準 後発医薬品事業につきましては、キョーリン リメディオ㈱、キョーリン製薬グループ工場㈱が保有する高岡工場及び井波工場を、ダイト㈱を筆頭とし、ダイト㈱以外の共同出資者2者が共同出資予定の「株式会社医薬品共創機構(仮)」に承継することについて、具体的な協議を進める旨の基本合意書を2026年4月24日にダイト㈱等との間で締結いたしました。 ②キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、6,381百万円の収入であり、これは主に税金等調整前当期純利益4,451百万円、減価償却費4,663百万円、棚卸資産の増加2,059百万円、仕入債務の減少1,076百万円、未払又は未収消費税等の増減額2,947百万円、法人税等の支払額2,865百万円によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、1,644百万円の支出で、これは主に有形固定資産の取得による支出3,864百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入2,262百万円によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、7,956百万円の支出で、これは主に配当金の支払額3,303百万円、短期借入金の返済による支出4,800百万円によるものです。この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比較して3,219百万円減少し、11,802百万円となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。 (単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)医薬品事業101,80393.3合計101,80393.3 (注)上記金額は、消費税等抜きの売価換算によっております。 b.商品仕入実績当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。 (単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)医薬品事業13,651138.0合計13,651138.0 (注)上記金額は、消費税等抜きの実際仕入れ額によっております。 c.受注実績当社グループは販売計画に基づいた生産を行っておりますので、該当事項はありません。 d.販売実績当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。 (単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)医薬品事業126,25797.1合計126,25797.1 (注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)アルフレッサ ホールディングス株式会社21,48616.522,41317.8株式会社メディパルホールディングス21,26516.321,19616.8株式会社スズケン17,92313.817,58813.9東邦薬品株式会社13,74610.613,82611.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の分析当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して1,836百万円増加し、195,455百万円となりました。このうち、流動資産は135,142百万円と前連結会計年度末と比較して991百万円の減少となりました。主な増減要因は、現金及び預金の減少3,219百万円、有価証券の増加1,786百万円、商品及び製品の増加1,315百万円、仕掛品の増加1,642百万円、原材料及び貯蔵品の減少898百万円、流動資産のその他の減少1,376百万円等によるものです。また、固定資産は60,312百万円と前連結会計年度末と比較して2,828百万円の増加となりました。主な増減要因は、無形固定資産の減少671百万円、投資有価証券の減少1,179百万円、退職給付に係る資産の増加5,387百万円、繰延税金資産の減少591百万円等によるものです。負債総額は、前連結会計年度末と比較して4,303百万円減少し、53,029百万円となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金の減少1,076百万円、短期借入金の減少4,800百万円、未払法人税等の減少2,277百万円、流動負債のその他の増加2,412百万円、繰延税金負債の増加1,856百万円等によるものです。純資産は、前連結会計年度末と比較して6,140百万円増加し、142,425百万円となりました。主な増減要因は、利益剰余金の減少11,244百万円、自己株式の処分11,419百万円、その他有価証券評価差額金の増加1,744百万円、退職給付に係る調整累計額の増加4,169百万円等によるものです。 b.経営成績の分析当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、中期経営計画「Vision110-Stage1-」における数値目標である連結ベースでの売上高年平均成長率2%以上、研究開発費控除前 営業利益対売上高16%以上に対し、実績は連結ベースでの売上高年平均成長率3.7%、研究開発費控除前 営業利益対売上高12.4%でした。新中期経営計画「Vision110-Stage2-」(2026年度~2029年度)における経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標及びその達成に向けた取り組みにつきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題」に記載しております。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。(資金需要)当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原料・材料の購入、商品仕入のほか、製造費用、研究開発費、人件費の支払いであります。また、継続的に設備投資を行っておりますが、当連結会計年度において3,955百万円の設備投資を実施いたしました。(財務政策)当社グループの運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金及び借入金等により賄っております。2027年3月期においては、工場設備の拡充等、固定資産取得による支出約4,300百万円を予定しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針及び見積りによる判断をおこなっております報告数値があり、実際の結果は見積りによる不確実性のために異なる結果となる可能性があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

事業リスク

主要なリスクとして、新薬開発には多額の投資と長い期間が必要であり、開発遅延や中止が経営に影響を与える可能性があります。また、特定の取引先への供給依存や品質問題による製品回収のリスク、医療制度改革による薬価改定が収益に影響を及ぼす可能性も挙げられます。さらに、他社製品との競合激化や予期せぬ副作用の発現、知的財産権侵害、ITセキュリティや情報管理に関する問題、大規模災害なども経営成績に重要な影響を与えるリスクとして認識されています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,971 文字
3 【事業等のリスク】当社グループにおきましては、薬事行政の下、薬機法をはじめとする医薬品の開発、製造、流通等の諸規制及び海外における各国の各種規制を遵守して事業を推進しております。しかしながら、関係法令の大幅な改定や医療制度改革、市場環境の急激な変化、大規模な自然災害などの要因により、経営成績及び財政状態に重要な影響を与えるリスクがあると認識しております。当該リスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。当社グループでは、これらのリスクに関し、組織的・体系的に対処することとしておりますが、影響を及ぼすリスクや不確実性はこれらに限定されるものではありません。リスク管理体制につきましては、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 a.内部統制システム及びリスク管理体制等の整備状況 ロ」に記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <価値創造に関するリスク>(1)研究開発に関するリスク医療用医薬品の開発には、多額の研究開発投資と長い期間が必要なうえ、開発候補品が医薬品として上市できる確率も決して高くはありません。開発候補品に安全性の問題が生じたり期待する有効性が確認できない等の理由で、開発遅延や開発中止となった場合または第三者との研究開発に係る提携に関して契約の条件変更・終了等が起こった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、医療ニーズに応える価値の高い新薬の創出力を強化するとともに、導入品獲得力の継続的な強化と幅広い導入活動により、開発パイプラインの拡充に努めております。 (2)安定供給に関するリスク当社グループの製品及び原材料の一部は、特定の取引先にその供給を依存しており、想定外の事象の発生により製造活動や仕入が遅延又は停止した場合、製品の安定供給に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、医薬品は各種法規制の下で製造しておりますが、取引先等における品質管理等に問題が発生し製品の回収等を行うことになった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、製品及び原材料の調達・管理(サプライチェーンマネジメント)の強靭化を図るとともに、必要に応じて原料等の調達先の複数化も進めるなど、持続可能(サステナブル)な調達の取り組みを強化することにより、当社製品の安定供給に努めております。さらに、グループ内各工場の全体最適化により生産能力の最大化に取り組みます。信頼性保証については、環境変化に迅速かつ確実に対応するとともに、薬事に関する法令遵守体制の強化を推進しております。 (3)医療制度改革に関するリスク日本国内におきましては、医療用医薬品の薬価改定を含む医療制度改革が実施されており、予測可能な範囲を超えた薬価改定や医療保険制度の改定が実施された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、新薬の普及最大化により収益力の向上を図るとともに、医薬品製造原価の低減やグループ全体のコスト適正化によりコスト競争力の向上を図っております。 (4)アライアンスに関するリスク当社グループでは、外部資源の有効活用を目的としてアライアンス戦略を推進し、国内外の製薬企業等と技術導出入・販売委受託・共同販売・共同研究等の事業提携を行っており、これらの提携関係を解消することになった場合または提携先における事業戦略若しくは事業環境に大幅な変化が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。また近年、バイオベンチャーとの事業提携が多くなっており、提携先の財務状態が事業提携の継続性に影響を与える可能性があります。当社グループでは、提携先の事業戦略や研究開発動向、財務状態をふまえた関係性の向上を図り、継続的提携関係の維持・発展に努めております。 (5)他医薬品との競合に関するリスク医薬品市場の競争環境は厳しく、同領域の他社製品との競合や先発医薬品の特許切れ後のジェネリック医薬品の参入、高い技術力を活かした他業種からの参入等が激化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループは、面談を軸としたソリューション提供型営業(課題解決策の提案)による新薬の普及最大化を中期経営計画の重点戦略に掲げ、積極的に活動を展開しています。また、後発医薬品事業では、オーソライズド・ジェネリックの製造・販売を中心に、当社グループの特色を活かした事業展開を図っております。 (6)副作用発現に関するリスク医薬品は、開発段階で臨床試験を行い、所管官庁の審査を経て承認を受け販売していますが、市販後に予期せぬ重篤な副作用が発現した場合、使用方法が制限される可能性や製品回収・販売中止等をする可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。 当社グループは医薬品の市販後に安全性情報を幅広く収集・分析し、適正情報を医療現場に迅速に提供しております。 (7)知的財産権に関するリスク当社グループの事業活動が他社知的財産権を侵害した場合または第三者による当社知的財産権の侵害により被害を受けた場合、事業の中止・係争等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは知的財産権を厳しく管理し、第三者からの侵害にも継続的に注意を払っております。 <価値創造を支える基盤に関するリスク>(1)ITセキュリティ及び情報管理に関するリスク当社グループでは、業務上ITシステムを多数利用しており、機密性の高い情報や個人情報を取り扱っております。システムの不備やコンピューターウイルス、サイバー攻撃等の要因により、オペレーションの停止や情報の流出のリスクがあり、予期せぬ業務の妨害や情報等の外部流出により社会的信用を著しく毀損した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、ITセキュリティサービスの導入、定期的データバックアップの実施、ならびに各種情報管理規程を制定し従業員の教育をすることでITセキュリティ対策、情報管理体制の構築を図っております。 (2)人的資本に関するリスク当社グループは、人材の成長こそ事業の強化を支える原動力と考えておりますが、人材獲得競争の激化や労働環境の急激な変化等により、優秀な人材や女性を含む人材の多様性を確保できない場合、事業活動の停滞により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、社員と会社は相互の利益を実現するパートナーであるという基本的な考えのもと、人材マネジメントシステムの適切な運用を図っております。また、女性活躍の推進等に取り組み、多様な考え方に応えられる働き方改革の推進を積極的に図っております。 (3)訴訟に関するリスク当社グループの国内外での事業活動において、特許等の知的財産権、製造物責任(PL法)、労務などに関連する訴訟リスクがあり、これらに関連する訴訟が提起された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは事業活動を行う過程において、専門家の助言を踏まえながら適切な対応を行っております。 (4)環境問題に関するリスク当社グループは環境に配慮した事業活動を行っておりますが、事業活動を行う過程において万が一の事故等により関係法令等の違反が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、環境・安全衛生に関して、関係法令等の遵守はもとより、さらに高い自主基準を設定してその達成に努めております。また、環境マネジメントシステムと労働安全衛生マネジメントシステムを統合し、当社グループ全体でEHS活動を推進しております。特に気候変動対策については重大な課題の一つとして捉えており、環境委員会を設置し、グループ一体で環境への影響に配慮した事業活動を行っております。 (5)大規模災害等に関するリスク地震、台風などの大規模な自然災害、火災などの事故及びインフルエンザ、新型コロナウイルス等のパンデミックが発生した場合、当社生産子会社であるキョーリン製薬グループ工場㈱や調達先等において工場の閉鎖・操業停止が考えられ、工場の閉鎖・操業停止が長期間に及ぶ場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、大規模災害等に備え、各種対応マニュアルを作成し、訓練を実施しております。また、製品の安定供給の観点から一定量の製品在庫を確保しております。 (6)金融市場の変動に関するリスク為替相場の変動により、輸出入取引及び技術導出入において当社グループの経営成績及び財政状態に影響が生じます。想定を上回る金融市場の変動があった場合、支払利息の増加、仕入価格の高騰、年金資産額、退職給付債務額、保有する株式評価額等の変動等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、経営計画立案の段階で金融市場動向を確認し、為替予約の実施・資金調達方法の見直しを行うことで金融市場の変動に対応しております。

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