事業の概要
- 塗料事業を中核とした多角化大日本塗料グループは、塗料の製造・販売を主軸に、照明機器、蛍光色材の製造・販売も手掛けています。さらに、これらの事業に関連する物流やその他のサービスも展開しており、幅広い事業活動を通じて収益を上げています。
- 国内外での塗料製造・販売網国内では、大日本塗料と神東塗料が塗料の製造・販売を担い、子会社に製造を委託しつつ、地域や顧客特性に応じた販売網を構築しています。海外では、東南アジア、中国、メキシコなどに製造・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。
- 多様な製品とサービス提供塗料事業では、一般塗料から防食塗料、外装建材用塗料まで幅広い製品を提供。照明機器事業では各種照明機器の製造・販売、蛍光色材事業では蛍光顔料や特殊コーティング材を手掛け、塗装工事や物流サービスも提供することで、多角的な収益構造を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 国内塗料事業売上509.21億円、営業利益19.68億円。国内市場で幅広い産業に塗料を提供しており、特に防食技術や外装建材用塗料が重要です。公共投資や民間住宅投資の動向に影響を受けやすく、高付加価値化を推進しています。
- 海外塗料事業売上81.33億円、営業利益2.38億円。東南アジア、中国、メキシコなどに製造・販売拠点を持ち、グローバルに展開しています。新規顧客開拓や高付加価値化を図りつつ、為替変動や各国の政治・経済状況のリスクを抱えています。
- 照明機器事業売上104.18億円、営業利益20.63億円。各種照明機器の製造・販売、店舗工事などを手掛けています。LEDなどの新しい光源に対応した技術力とノウハウを活かし、事業拡大を目指していますが、販売競争の激化が課題です。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| DomesticPaintCoatings | 事業 | 509 | 20 | 3.9% |
| OverseaPaintCoatings | 事業 | 81 | 2 | 2.9% |
| Lighting | 事業 | 104 | 21 | 19.8% |
| FluorescencePigment | 事業 | 12 | 1 | 5.1% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは当社(大日本塗料株式会社)、子会社29社及び関連会社5社で構成され、塗料、照明機器及び蛍光色材等の製造・販売を主な内容とし、更に各事業に関連する物流及びその他のサービス等の事業活動を展開しております。なお、当連結会計年度において、当社はボンフロン株式会社の全株式を取得したことにより、同社を連結子会社として連結の範囲に含めております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、セグメントは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (国内塗料事業)国内では、当社が塗料の製造・販売を行っているほか、子会社の千葉化工株式会社、日東三和塗料株式会社、岡山化工株式会社に塗料の製造を委託しており、神東塗料株式会社、日塗化学株式会社、ボンフロン株式会社は自社製品の製造・販売を行っております。また、子会社のDNTサービス株式会社、シントーサービス株式会社が塗料の調色加工を行い、当社と神東塗料株式会社が全量を仕入れております。販売面では、国内の地域や顧客の特色に応じ、子会社の大日本塗料北海道株式会社、DNT山陽ケミカル株式会社、ジャパンカーボライン株式会社、株式会社早神、株式会社九州シントー、株式会社宇部塗料商会、関連会社の神東アクサルタコーティングシステムズ株式会社が塗料の販売を行い、家庭用塗料については子会社のサンデーペイント株式会社、他1社が塗料の販売を行っております。 (海外塗料事業)海外では、タイにおいては子会社のThai DNT Paint Mfg.Co.,Ltd.、関連会社のTOA-SHINTO (THAILAND) CO.,LTD.が、マレーシアにおいては子会社のDNT Paint(Malaysia)Sdn.Bhd.が、インドネシアにおいては子会社のPT.DNT INDONESIAが、中国においては子会社の迪恩特塗料(浙江)有限公司が、台湾においては関連会社の神東艾仕得塗料系統股份有限公司が、メキシコにおいては子会社のDAI NIPPON TORYO MEXICANA,S.A. de C.V. が、それぞれ塗料の製造・販売を行っております。インドネシアにおいては子会社のPT.Shinto Paint Manufacturing Indonesiaが塗料の製造を行っております。シンガポールにおいては子会社のDNT Singapore Pte.,Ltd.が、メキシコにおいては子会社のDNT KANSAI MEXICANA S.A. de C.V.が、インドネシアにおいては関連会社のPT. SHINTO PAINT INDONESIAが、それぞれ塗料の販売を行っております。 (照明機器事業)子会社のDNライティング株式会社が各種照明機器の製造・販売、店舗工事等を行っております。また、同社は同社子会社の秋田DNライティング株式会社へ一部の部品及び製品の製造を委託しており、その全量を仕入れております。 (蛍光色材事業)子会社のシンロイヒ株式会社が蛍光顔料及び特殊コーティング材の製造・販売を行っております。 (その他事業)子会社の日塗エンジニアリング株式会社が、塗装工事を行っております。また、子会社のニットサービス株式会社が、当社グループの製品等の物流業務を行っております。関連会社の友美工業株式会社が建材の製造・販売を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料価格高騰に対し販売価格への転嫁が販売競争激化により充分に進まない場合があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 蛍光色材の国内唯一の総合メーカーであること、防食技術や塗膜診断技術などの基盤技術。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:市場環境変化による需要減少や価格下落 / 原材料価格の大幅な上昇や調達困難 / 販売競争激化による価格転嫁の不十分さ
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
同社は塗料・化成品事業を展開。長年の事業活動で培われたブランド力や技術力は存在するが、特許や強力なブランドによる明確な独占的優位性を示す具体的な情報は限定的。一部の特殊塗料における技術的優位性は示唆されるものの、業界全体を席巻するほどの無形資産とは言えない。
スイッチングコスト★★☆☆☆
建築用塗料や工業用塗料において、顧客(建設会社、メーカー等)は一度採用した塗料メーカーを変更する際に、品質確認や塗装方法の再調整などの手間が発生する可能性がある。しかし、塗料の性能や価格競争力も重要な選定基準であり、スイッチング・コストが極めて高いとは言えない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
塗料事業は、製品の利用者が増えることで製品価値が向上するようなネットワーク効果は基本的に発生しないビジネスモデルである。
コスト優位★★☆☆☆
同社は長年の経験と効率的な生産体制により、一定のコスト競争力を有していると考えられる。しかし、原材料価格の変動や、より大規模な競合他社とのコスト構造における明確な優位性を示す具体的な情報は少ない。規模の経済によるコスト優位性は限定的。
規模の経済★★☆☆☆
塗料業界は、大手企業から中小企業まで多数のプレイヤーが存在する競争環境にある。同社は一定の市場シェアを有しているが、業界全体を代表するような寡占的な地位を確立しているわけではなく、効率規模による明確な優位性は限定的。
- 国内塗料市場での広範な提供国内塗料事業では、幅広い産業に製品を提供しており、特に創業以来培ってきた防食技術は多方面で需要があり、売上の重要な部分を占めています。これにより、多様な顧客基盤と安定した需要を確保しています。
- 蛍光色材の国内唯一の総合メーカー蛍光色材事業では、蛍光顔料、蛍光塗料、特殊コーティング材において、国内で唯一の総合メーカーとしての地位を確立しています。この独自の強みにより、国内外市場で競争優位性を持ち、特定のニッチ市場での高いシェアを維持しています。
- 環境対応型製品の開発力環境・安全・健康を重視した「レスポンシブル・ケア」活動やISO14001認証取得を通じて、環境対応型塗料の開発に注力しています。例えば、「DNT水性重防食システム」や低臭気室内用水性塗料「COZY PACK」などを提供し、環境意識の高い顧客ニーズに応えることで、製品競争力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社は「新しい価値の創造を通じて地球環境や資源を護り、広く社会の繁栄と豊かな暮らしの実現に貢献できる企業を目指します。」という経営理念のもと、持続的成長力をもつ企業たるべく事業展開を図っております。2024年度を初年度とする『2026中期経営計画』の策定においては、この経営理念を改めて見つめなおし、当社グループが重視するマテリアリティを刷新のうえ、創立100周年となる2029年度に向けてありたい姿(ビジョン2029)を明確化しました。マテリアリティについての詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループでは企業価値の向上に向けて、持続的な事業成長を果たすための指標としては売上高を、資本コストを踏まえた本業における利益成長を推進するための指標としては営業利益及びNOPAT-ROE(税引後営業利益ベースROE)を、それぞれ設定しております。ビジョン2029及び2026中期経営計画における各指標の連結目標値は下記のとおりであります。 参考:2023年度実績(2023中期経営計画最終年度)2026年度目標(2026中期経営計画最終年度)2029年度目標(2029中期経営計画最終年度)売上高719億円800億円1,000億円営業利益49億円80億円100億円NOPAT-ROE6.1%8.0%程度8.0%程度DOE2.4%3.0%以上5.0%以上他方で、足元の当社グループを取り巻く事業環境の変化や、2024年度及び2025年度に実施した2件のM&Aに伴うグループ体制の刷新を踏まえ、2026年度の業績予想は売上高960億円、営業利益55億円、NOPAT-ROE 5.6%程度としております。また、株価を意識した経営の観点から、安定的かつ積極的な株主還元を通じて株主価値の向上を目指すべく、株主還元指標としてはDOE(株主資本配当率)を採用しております。当社のDOEの分母は、原則として前期末の株主資本を基準としております。 (3)経営環境、対処すべき課題及び経営戦略当社グループを取り巻く事業環境としましては、国際的な政治・経済の不確実性が増しており、とりわけ地政学リスクの高まりに伴うエネルギー価格の変動や原材料供給の逼迫など、サプライチェーンの混乱やコスト上昇圧力に対し、引き続き強い警戒が必要な状況です。国内塗料事業においては、建築・土木分野での人手不足や住宅着工件数の長期的な低迷という構造的な課題を抱えており、当社グループにおいては生産体制の最適化が重要課題として挙げられます。一方、各種の金属製品や機械向けの工業用分野では安定的な需要が期待され、各用途に適した塗料及び塗装工程の提案を通じて顧客訴求力を強化してまいります。海外塗料事業においては、業績低迷が続いておりました中国事業について、2027年3月期中に予定する中国製造子会社の連結除外をもって、構造改革には一定の区切りがつく見通しです。今後は、神東塗料グループの海外事業活用も視野に入れ、事業成長に向けたリソースの再配分を進めてまいります。照明機器事業については、都市部の再開発案件を背景に堅調な需要環境の継続が見込まれており、2024年度に竣工した新本社内に設立した技術センターを活用し、様々な空間に対応する製品ラインナップや顧客ニーズを実現するカスタマイズ力をさらに強化するとともに、生産効率化及び将来的な能増を視野に入れた工場の増改築に着手しております。このような情勢の中、当社グループは変化に強い企業体質の確立を進めるとともに、全てのステークホルダーの皆さまからの信頼回復に向け、品質管理を中心としたガバナンス体制の徹底・強化を最優先課題として取り組んでおります。コンプライアンスの徹底はもとより、全社員が自律的に正しく判断できる組織風土の再構築を急ぎ、ガバナンスの実効性を高める具体的な取組みを全社一丸となって推進してまいります。この組織変革を戦略遂行の実効性を高めるための原動力とし、将来の持続的な成長に向けた施策を力強く推し進めてまいります。当社グループは、ビジョン2029の実現に向けた第1フェーズとして、2024年度から2026年度までの3か年を事業戦略と基盤の深化に注力する期間と位置づけた「2026中期経営計画」を推進しております。本計画では、従来の経営戦略や事業ポートフォリオを見直し、以下の3つの基本方針に基づいた諸施策に取り組んでおります。基本方針概 要成長市場と先駆的領域への注力・各事業の有機成長の推進と、新たな成長ドライバの育成に向けた、リソース配分の最適化と戦略投資の実行・顧客ニーズに沿ったサステナビリティ貢献製品・海外製品等、開発力の強化外部リソース獲得・活用による事業基盤の拡大・M&Aや業務提携等のアライアンス活動を通じた塗料事業の基盤拡大及び抜本的効率化・自立的な事業推進に向けた外部リソース獲得による海外事業基盤の拡大人材及び事業活動の全社最適化・採用、育成強化及び人材・組織の最適化、職場環境の整備・製品開発力と総合提案力を最大化する組織・グループ間協働の強化・適時かつ適切な設備更新及びDXの活用による、生産性の更なる向上 こうした事業戦略の遂行と並行し、当社グループでは資本効率の改善と適切な株価形成を経営の重要課題と捉え、「資本コストや株価を意識した経営」の高度化を推進してまいります。現状の株価水準及びPBR(株価純資産倍率)を真摯に受け止め、事業ポートフォリオの最適化による収益力の強化を通じて、資本効率の指標であるNOPAT-ROE 8.0%程度の確立・維持を目指します。資金面につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローの創出に加え、政策保有株式や遊休資産の整理・売却を通じた資産の効率化を積極化することで、成長投資と株主還元の原資を確保してまいります。確保した資金は、図のキャッシュアロケーション方針に基づき、中長期的な成長の源泉となる設備投資や外部リソースの獲得に向けて積極的に投下する方針です。株主の皆様への還元につきましては、将来の成長に向けた投資との両立を図りつつ、DOE(株主資本配当率)を基準に据えることで、配当の安定性と成長性を両立した積極的な還元を継続してまいります。 (品質に関する不適切行為)当社は、一部の日本産業規格(以下、JISという)認証製品について、検査結果を改ざんし製品を出荷、社内で定めた検査規格から逸脱した製品を出荷していることが確認されました。本事案につきましては、2023年10月26日付でJISマーク表示の一時停止を受領しておりましたが、2024年3月7日付で解除されております。また、一部のJIS認証製品において、一般財団法人日本塗料検査協会に申請を行っていない外注先製造会社に対して製造を委託し、JISマークを表示して製品を出荷する等、外注管理の不備があることが確認されました。加えて、社内で定める検査手順や条件を遵守せずに製品を出荷した事案が確認されました。本事案は、2024年11月29日付でこれらの不適切事案について一般財団法人日本塗料検査協会に報告を行い、同協会の審査を受審し、JISマーク表示の一時停止の通知を受領しました。上記の事案の対象製品の組成及び品質に問題がないと判断しております。そのうえで、お客様に対しては、謝罪とともに事案の内容及び当該製品の品質が担保されていることについて、ご説明し、適切に対応しております。なお、2023年10月26日に公表した不適切行為及び2024年11月29日付で公表したJISマーク表示の一時停止について、外部弁護士を中心とする特別調査委員会の調査結果を踏まえ、2025年5月12日付で調査報告書を公表いたしました。また、2024年11月29日付で受領したJISマーク表示の一時停止通知は、2025年11月14日付で解除されております。当社では、今回の事態を重大なものとして受け止め、特別調査委員会の指摘を踏まえ、引き続き全力を挙げて信頼回復に向けて取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社は「新しい価値の創造を通じて地球環境や資源を護り、広く社会の繁栄と豊かな暮らしの実現に貢献できる企業を目指します。」という経営理念のもと、持続的成長力をもつ企業たるべく事業展開を図っております。2024年度を初年度とする『2026中期経営計画』の策定においては、この経営理念を改めて見つめなおし、当社グループが重視するマテリアリティを刷新のうえ、創立100周年となる2029年度に向けてありたい姿(ビジョン2029)を明確化しました。マテリアリティについての詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループでは企業価値の向上に向けて、持続的な事業成長を果たすための指標としては売上高を、資本コストを踏まえた本業における利益成長を推進するための指標としては営業利益及びNOPAT-ROE(税引後営業利益ベースROE)を、それぞれ設定しております。ビジョン2029及び2026中期経営計画における各指標の連結目標値は下記のとおりであります。 参考:2023年度実績(2023中期経営計画最終年度)2026年度目標(2026中期経営計画最終年度)2029年度目標(2029中期経営計画最終年度)売上高719億円800億円1,000億円営業利益49億円80億円100億円NOPAT-ROE6.1%8.0%程度8.0%程度DOE2.4%3.0%以上5.0%以上他方で、足元の当社グループを取り巻く事業環境の変化や、2024年度及び2025年度に実施した2件のM&Aに伴うグループ体制の刷新を踏まえ、2026年度の業績予想は売上高960億円、営業利益55億円、NOPAT-ROE 5.6%程度としております。また、株価を意識した経営の観点から、安定的かつ積極的な株主還元を通じて株主価値の向上を目指すべく、株主還元指標としてはDOE(株主資本配当率)を採用しております。当社のDOEの分母は、原則として前期末の株主資本を基準としております。 (3)経営環境、対処すべき課題及び経営戦略当社グループを取り巻く事業環境としましては、国際的な政治・経済の不確実性が増しており、とりわけ地政学リスクの高まりに伴うエネルギー価格の変動や原材料供給の逼迫など、サプライチェーンの混乱やコスト上昇圧力に対し、引き続き強い警戒が必要な状況です。国内塗料事業においては、建築・土木分野での人手不足や住宅着工件数の長期的な低迷という構造的な課題を抱えており、当社グループにおいては生産体制の最適化が重要課題として挙げられます。一方、各種の金属製品や機械向けの工業用分野では安定的な需要が期待され、各用途に適した塗料及び塗装工程の提案を通じて顧客訴求力を強化してまいります。海外塗料事業においては、業績低迷が続いておりました中国事業について、2027年3月期中に予定する中国製造子会社の連結除外をもって、構造改革には一定の区切りがつく見通しです。今後は、神東塗料グループの海外事業活用も視野に入れ、事業成長に向けたリソースの再配分を進めてまいります。照明機器事業については、都市部の再開発案件を背景に堅調な需要環境の継続が見込まれており、2024年度に竣工した新本社内に設立した技術センターを活用し、様々な空間に対応する製品ラインナップや顧客ニーズを実現するカスタマイズ力をさらに強化するとともに、生産効率化及び将来的な能増を視野に入れた工場の増改築に着手しております。このような情勢の中、当社グループは変化に強い企業体質の確立を進めるとともに、全てのステークホルダーの皆さまからの信頼回復に向け、品質管理を中心としたガバナンス体制の徹底・強化を最優先課題として取り組んでおります。コンプライアンスの徹底はもとより、全社員が自律的に正しく判断できる組織風土の再構築を急ぎ、ガバナンスの実効性を高める具体的な取組みを全社一丸となって推進してまいります。この組織変革を戦略遂行の実効性を高めるための原動力とし、将来の持続的な成長に向けた施策を力強く推し進めてまいります。当社グループは、ビジョン2029の実現に向けた第1フェーズとして、2024年度から2026年度までの3か年を事業戦略と基盤の深化に注力する期間と位置づけた「2026中期経営計画」を推進しております。本計画では、従来の経営戦略や事業ポートフォリオを見直し、以下の3つの基本方針に基づいた諸施策に取り組んでおります。基本方針概 要成長市場と先駆的領域への注力・各事業の有機成長の推進と、新たな成長ドライバの育成に向けた、リソース配分の最適化と戦略投資の実行・顧客ニーズに沿ったサステナビリティ貢献製品・海外製品等、開発力の強化外部リソース獲得・活用による事業基盤の拡大・M&Aや業務提携等のアライアンス活動を通じた塗料事業の基盤拡大及び抜本的効率化・自立的な事業推進に向けた外部リソース獲得による海外事業基盤の拡大人材及び事業活動の全社最適化・採用、育成強化及び人材・組織の最適化、職場環境の整備・製品開発力と総合提案力を最大化する組織・グループ間協働の強化・適時かつ適切な設備更新及びDXの活用による、生産性の更なる向上 こうした事業戦略の遂行と並行し、当社グループでは資本効率の改善と適切な株価形成を経営の重要課題と捉え、「資本コストや株価を意識した経営」の高度化を推進してまいります。現状の株価水準及びPBR(株価純資産倍率)を真摯に受け止め、事業ポートフォリオの最適化による収益力の強化を通じて、資本効率の指標であるNOPAT-ROE 8.0%程度の確立・維持を目指します。資金面につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローの創出に加え、政策保有株式や遊休資産の整理・売却を通じた資産の効率化を積極化することで、成長投資と株主還元の原資を確保してまいります。確保した資金は、図のキャッシュアロケーション方針に基づき、中長期的な成長の源泉となる設備投資や外部リソースの獲得に向けて積極的に投下する方針です。株主の皆様への還元につきましては、将来の成長に向けた投資との両立を図りつつ、DOE(株主資本配当率)を基準に据えることで、配当の安定性と成長性を両立した積極的な還元を継続してまいります。 (品質に関する不適切行為)当社は、一部の日本産業規格(以下、JISという)認証製品について、検査結果を改ざんし製品を出荷、社内で定めた検査規格から逸脱した製品を出荷していることが確認されました。本事案につきましては、2023年10月26日付でJISマーク表示の一時停止を受領しておりましたが、2024年3月7日付で解除されております。また、一部のJIS認証製品において、一般財団法人日本塗料検査協会に申請を行っていない外注先製造会社に対して製造を委託し、JISマークを表示して製品を出荷する等、外注管理の不備があることが確認されました。加えて、社内で定める検査手順や条件を遵守せずに製品を出荷した事案が確認されました。本事案は、2024年11月29日付でこれらの不適切事案について一般財団法人日本塗料検査協会に報告を行い、同協会の審査を受審し、JISマーク表示の一時停止の通知を受領しました。上記の事案の対象製品の組成及び品質に問題がないと判断しております。そのうえで、お客様に対しては、謝罪とともに事案の内容及び当該製品の品質が担保されていることについて、ご説明し、適切に対応しております。なお、2023年10月26日に公表した不適切行為及び2024年11月29日付で公表したJISマーク表示の一時停止について、外部弁護士を中心とする特別調査委員会の調査結果を踏まえ、2025年5月12日付で調査報告書を公表いたしました。また、2024年11月29日付で受領したJISマーク表示の一時停止通知は、2025年11月14日付で解除されております。当社では、今回の事態を重大なものとして受け止め、特別調査委員会の指摘を踏まえ、引き続き全力を挙げて信頼回復に向けて取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】1.経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 (1)経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、緊張状態が継続する中東情勢や米国の通商政策の動向など、海外景気の下振れリスクに対する警戒感が高まっております。加えて、円安やエネルギー価格の高騰、原材料の供給制約や価格変動により調達環境は不安定な状況が続いており、企業収益の下押し要因となっていることから、先行きは引き続き不透明な状況にあります。このような状況の下、当社グループの経営成績は、売上高は937億5千9百万円(前期比 29.3%増)、営業利益は38億5千4百万円(同 18.3%減)、経常利益は44億7千9百万円(同 13.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億8千8百万円(同 82.1%減)となりました。売上高は、国内塗料事業及び海外塗料事業における販売が低調に推移するなか、前期に連結子会社となった神東塗料グループの損益を当期より連結に含めたことにより、前期を大きく上回りました。一方で当該連結化による利益面への寄与は国内、海外ともに限定的であるほか、販売の伸び悩みによる収益性の低下や人件費等を中心とした経費増加の影響が大きく、営業利益及び経常利益は前期を下回りました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した負ののれん発生益の剥落に加えて、近年低迷が続く中国事業の構造改革として実行した中国製造子会社の持分譲渡契約締結により関係会社整理損を計上した結果、前期を大きく下回りました。なお、当該子会社の連結除外は2027年3月中間期を予定しており、以降、中国事業における営業赤字は解消する見通しであります。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 [国内塗料事業]売上高は718億7千万円(前期比 41.1%増)、営業利益は12億3千1百万円(同 37.4%減)となりました。一般用分野は、2025年11月にJISマーク表示の一時停止処分が解除されたものの、期中においては販売の本格的な回復には至らず、売上高は前期を下回りました。工業用分野は、自動車部品用途や各種建材用途などの一部市況が低調に推移し、売上高は前期を下回りました。インク・分散技術関連は、期末にかけて主要顧客の在庫調整の影響を受けたほか、新規顧客の獲得に遅れが生じ、売上高は前期を下回りました。当セグメント全体の売上高は、神東塗料グループの連結化により前期を大きく上回りました。営業利益は、製品ミックスの改善や価格是正に継続して取り組んだものの、販売の伸び悩みによる収益性の低下に加え、人材確保・育成に向けた人件費の増加により、前期を下回りました。 [海外塗料事業]売上高は85億9千万円(前期比 5.6%増)、営業利益は3億6千8百万円(同 54.1%増)となりました。東南アジアでは、タイを中心に日系自動車メーカーの生産低迷に伴う需要減少が継続しましたが、神東塗料グループの連結化により、売上高は前期を上回りました。メキシコでは、低採算品の販売抑制や主要顧客における在庫調整の影響を受け、売上高は前期を下回りました。中国では、各種工業用途における需要の減少により、売上高は前期を下回りました。営業利益は、東南アジアおよびメキシコにおいて販売が低迷したものの、中国におけるコスト抑制により、前期を上回りました。 [照明機器事業]売上高は104億2千4百万円(前期比 0.1%増)、営業利益は19億2千8百万円(同 6.6%減)となりました。LED照明分野は、再開発案件を中心とした商業施設向けや宿泊施設向けの堅調な需要に支えられ、売上高は前期を上回りました。他方、UVランプ分野における特定顧客向けの需要減少や蛍光灯分野の市場縮小等の影響は見られましたが、LED照明分野の伸長がこれらを補い、当セグメント全体の売上高は前期をわずかに上回りました。営業利益は、前期に実施した本社移転に伴う減価償却費の増加や人材確保・育成のための人件費の増加が影響し、前期を下回りました。なお、価格戦略等による製品収益性の向上は着実に進んでおり、全体として概ね堅調な推移となりました。 [蛍光色材事業]売上高は10億8千8百万円(前期比 6.1%減)、営業利益は6千4百万円(同 8.5%増)となりました。顔料分野は、EU地域等における海外向け需要の回復や文具向けへの新規採用により、売上高は前期を上回りました。一方で加工品分野は、前期における大口物件の剥落により、売上高は前期を下回りました。これにより、当セグメント全体の売上高は、前期を下回りました。営業利益は、高付加価値製品の販売伸長および経費圧縮に努めたことにより、前期を上回りました。 [その他事業]売上高は17億8千5百万円(前期比 5.0%減)、営業損失は3千7百万円(前期は営業利益7千9百万円)となりました。物流事業は、取扱量の減少により、売上高は前期を下回りました。塗装工事事業は工事受注が堅調に推移し、売上高は前期を上回りました。営業利益は、塗装工事において収益率の高い物件受注が増加した一方、物流事業における拠点集約に伴う一過性費用の計上により、前期を下回りました。 (2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より5億5千6百万円減少し、109億1千3百万円となりました。 ① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動により得られた資金は、30億1千1百万円(前連結会計年度は35億7千万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益及び減価償却費等による収入と、退職給付に係る資産の増加、法人税等の支払及び仕入債務の減少等の支出が主因であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、33億9千7百万円(前連結会計年度は3億6千4百万円の支出)となりました。これは定期預金の払戻による収入及び投資有価証券の売却による収入と、有形固定資産の取得及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出等の支出が主因であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、1億8千9百万円(前連結会計年度は7千5百万円の支出)となりました。これは長期借入金の借入等の収入と、短期借入金の返済及び配当金の支払等の支出が主因です。② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループでは、営業活動から得られたキャッシュ・フローの収入を財源に運転資金、製造設備や研究開発設備の購入、配当金の支払い及び借入金の返済等に利用しております。事業活動の持続的成長に欠かせない資金の流動性や安定的確保において、短期運転資金については、自己資金及び取引金融機関からの短期借入を基本とし、また設備投資など長期運転資金の調達については、長期借入を基本としております。当連結会計年度においては、重要な資金調達はありません。その結果、短期借入金残高は86億6千8百万円(前連結会計年度は105億3千6百万円)、長期借入金残高は58億3千1百万円(前連結会計年度は10億4千万円)となっております。当連結会計年度における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は168億1千3百万円となっております。また、現金及び預金残高は113億3千2百万円となっております。一部の国内子会社については、各社の余剰資金を効率的に活用するため、CMS(キャッシュマネジメントサービス)を導入し、資金及び財務効率性を目的とした一元管理を行っております。なお、在外子会社については、現地での設備投資や運転資金等の資金需要のために必要な現預金を保有しており、余剰資金が発生した場合には、将来的な資金需要を考慮しながら配当金を通じて、当社が余剰資金を回収しております。ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の悪化及び米国の保護主義的な政策運営が金利・為替・株式相場の変動を引き起こす等、足元の業績が不透明な中で、当社としては手元資金の流動性の確保に向け金融機関と日々連携しており、当面の資金繰りについては、十分に担保されております。今後、運転資金等の需要が増加した場合には、コミットメントライン契約の活用の検討や、主力銀行等からの追加の短期資金調達を実施いたします。 (3)生産、受注及び販売の実績① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期増減率(%)国内塗料(百万円)63,92725.9海外塗料(百万円)7,6535.9照明機器(百万円)7,17214.0蛍光色材(百万円)916△3.0合 計(百万円)79,67022.1(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。2.前記セグメント区分以外の「その他」は、塗装工事事業、物流事業等であり、提供するサービスの性格上、生産実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。 ② 受注実績当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は、一部特需関係等を除き主として見込生産によっておりますので、受注並びに受注残等について特に記載すべき事項はありません。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期増減率(%)国内塗料(百万円)71,87041.1海外塗料(百万円)8,5905.6照明機器(百万円)10,4240.1蛍光色材(百万円)1,088△6.1報告セグメント計(百万円)91,97430.2その他(百万円)1,785△5.0合 計(百万円)93,75929.3(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。当社グループの連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断は、合理的と考えられる要因を考慮した上で行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 (2)当連結会計年度の経営成績の分析当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は照明機器事業の堅調な推移により前期を上回りましたが、営業利益は国内塗料事業の費用増加等の影響により前期を下回りました。売上高と営業利益のセグメントごとの経営成績の詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (1)経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (3)経営成績に重要な影響を与える要因について「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (4)当連結会計年度における財政状態の分析 前連結会計年度(2025年3月31日)当連結会計年度(2026年3月31日)増減額資産 (百万円) 133,344137,4904,146負債 (百万円) 57,17360,8133,639純資産(百万円) 76,17076,676506自己資本比率(%) 48.848.6△0.2pt当連結会計年度末における総資産は、1,374億9千万円となり、前連結会計年度末と比較して41億4千6百万円の増加となりました。流動資産は、512億5千8百万円で前連結会計年度末と比較して18億7百万円の減少となりましたが、これは現金及び預金の減少、受取手形、売掛金及び契約資産の減少が主因であります。固定資産は、862億3千1百万円で前連結会計年度末と比較して59億5千3百万円の増加となりましたが、これは有形固定資産の増加、投資その他の資産の増加が主因であります。負債は、608億1千3百万円となり、前連結会計年度末と比較して36億3千9百万円の増加となりました。流動負債は、374億9千8百万円で前連結会計年度末と比較して21億4千3百万円の減少となりましたが、これは支払手形及び買掛金の減少、短期借入金の減少、リース債務の減少が主因であります。固定負債は、233億1千5百万円で前連結会計年度末と比較して57億8千3百万円の増加となりましたが、これは長期借入金の増加、リース債務の増加、繰延税金負債の増加が主因であります。純資産は、766億7千6百万円となり、前連結会計年度末と比較して5億6百万円の増加となりましたが、これは利益剰余金の増加、為替換算調整勘定の増加、退職給付に係る調整累計額の増加が主因であります。 (5)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、ビジョン2029及び2026中期経営計画における経営上の目標としての業績指標に、売上高、営業利益、NOPAT-ROEを設定しております。これらの目標を踏まえ、各期においても期初に事業環境等を考慮して計画値を設定し、その達成に向け努めております。当連結会計年度の達成・進捗状況は次のとおりであります。 期初業績予想(2025年5月15日公表)との比較 (金額:百万円、NOPAT-ROE:%)指 標2025年度予 想2025年度実 績予想比・額(百万円)予想比・増減率(%)売上高92,00093,7591,7591.9営業利益5,0003,854△1,145△22.9NOPAT-ROE5.34.1△1.2pt-期初に設定した業績予想との比較では、売上高は17億5千9百万円増(予想比 1.9%増)、営業利益は11億4千5百万円減(同 22.9%減)、NOPAT-ROEは1.2ポイント減となりました。売上高につきましては、国内塗料事業および海外塗料事業における販売が低調に推移するなか、連結子会社の売上が好調に推移したことにより、期初予想を上回りました。営業利益につきましては、販売の伸び悩みによる収益性の低下により、期初予想を下回りました。NOPAT-ROEは、株主還元の強化や資産流動化などを通じて自己資本の抑制に努めたものの、営業利益が予想を下回った結果、期初予想を下回りました。なお、2026中期経営計画では2026年度の連結業績目標を売上高800億円、営業利益80億円、NOPAT-ROE 8.0%程度としておりましたが、足元の事業環境の変化やこれまでに実施したM&Aに伴うグループ体制の刷新を踏まえ、2026年度の業績予想は売上高960億円、営業利益55億円、NOPAT-ROE 5.6%程度といたしました。2026年度予想は中計目標と乖離するものの、ビジョン2029目標である売上高1,000億円、営業利益100億円、NOPAT-ROE 8.0%に変更はなく、新たなグループ体制下での成長戦略を加速させることで、同目標の実現を目指してまいります。(金額:百万円、NOPAT-ROE:%)指 標2024年度実 績2025年度実 績2026年度業績予想2026年度中計目標ビジョン2029目標売上高72,51193,75996,00080,000100,000営業利益4,7163,8545,5008,00010,000NOPAT-ROE5.34.15.68.0程度8.0程度
事業リスク
- 市場環境変化による需要減少国内外の景気後退や地政学的な問題、自然災害などにより、塗料や照明機器などの販売数量が減少し、価格が下落する可能性があります。特に国内塗料事業は公共投資や民間住宅投資の動向に、海外塗料事業は為替変動や政治・経済状況の激変に影響を受け、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 原材料価格の高騰と調達困難塗料事業の主要原材料である石油化学製品の価格が、世界的需要構造の変化や為替レートの変動により大幅に上昇するリスクがあります。また、需給バランスの逼迫や遅延により原材料の調達が困難になった場合、コスト増大や生産遅延が生じ、業績や財務状況に影響を与える可能性があります。
- 製品品質問題と法的規制強化製品の不良発生による大規模なクレームや製造物責任を問われる事態が生じた場合、補償費用や対策費用が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。特に住宅建材用塗料の長期保証や、環境・安全に関する法規制の強化は、多大な投資や新製品開発の遅延を招き、事業活動に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、本記載は将来発生しうる全てのリスクを網羅したものではありません。 (1)事業展開に係るリスク① 市場環境変化に関するリスク当社グループの事業は、1)国内塗料事業、2)海外塗料事業、3)照明機器事業、4)蛍光色材事業、5)その他事業で構成され、売上の拡大や生産性の向上を図るとともに、原材料費用の低減並びに販売費及び一般管理費の抑制等のコスト削減に注力し、事業環境の変化に影響されにくい高い収益性を維持できる収益体質を確立すべく事業を展開しております。これらの関連業界市場の需要減少や販売地域での景気後退により、地政学的な問題(戦争、テロ、社会的不安等)及び自然災害(地震、台風、大雨等)の要因で販売数量の減少や価格の下落が生じた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。事業ごとの状況は以下のとおりです。1)国内塗料事業では、国内市場において広範囲な産業に製品を提供しております。新規顧客の開拓や製品の高付加価値化を図っておりますが、これらの市場において需要の低迷、競争の激化等が生じた場合は、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に創業以来培ってきた防食技術の需要分野は多方面に亘り、売上の重要部分を占めておりますが、防食塗料の需要は公共投資の動向に多大な影響を受けます。また、外装建材用塗料については民間住宅投資の動向やそれに係わる法的規制等に多大な影響を受けます。2)海外塗料事業では、東南アジア、中国、メキシコに製造・販売拠点を構築し、グローバルに製品を提供しております。新規顧客の開拓や製品の高付加価値化を図っておりますが、為替レートの変動に加え、法律・規制の変更、不利な影響を及ぼす租税制度への変更や政治・経済状況の激変、テロ・戦争等の海外特有の社会的混乱のほか、その他予期せぬリスクが生じた場合は、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。3)照明機器事業では、建設業許可を受け、電気工事業者として登録し、主として当事業の製品である照明器具について、商業施設の内装に係る工事を受注しております。LEDをはじめとした新しい光源の発達に対応すべく今まで培ってきた技術力・ノウハウ・人材を活かして事業の拡大を図っておりますが、販売競争の激化等が生じた場合は、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。4)蛍光色材事業では、蛍光色材の国内唯一の総合メーカーとして、国内外市場において広範囲な産業に蛍光顔料、蛍光塗料、特殊コーティング材等の製品を提供しております。新たな用途開拓や製品の高付加価値化を図っておりますが、これらの業界市場において需要の低迷が生じた場合は、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。5)その他事業では、塗装工事及び塗料製品の運送・保管等で、需要の低迷が生じた場合は、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。② 原材料調達に関するリスク当社グループの塗料事業に用いる原材料は、ナフサ等からなる石油化学製品であり、原材料の調達においては複数購買、代替品調査等の施策により安価で安定した調達を図っております。しかしながら、石油関連製品の世界的需給構造の変化及び為替レートの変動、地政学的な問題により原材料価格が大幅に上昇した場合や、需給バランスの逼迫や遅延により原材料の調達が困難になった場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。③ 販売価格に関するリスク当社グループは、原材料価格の高騰に対し販売価格に転嫁すべく努力しておりますが、販売競争の激化等により価格転嫁が十分に進まない場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。④ 為替レート変動に関するリスク当社グループの海外展開する連結会社等は、財務諸表項目の円換算額が為替レートの変動による影響を受けるため為替レートに大幅な変動が生じた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 情報セキュリティに関するリスク当社グループは、事業活動の基盤である情報システム・情報ネットワークに対し、様々なセキュリティ対策を実施しておりますが、災害、サイバー攻撃、不正アクセス等により情報システム等に改ざんや障害が生じた場合、企業情報及び個人情報等が社外に流出した場合は、事業活動の停滞や社会的評価・信用の低下等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。⑥ 退職給付に関するリスク当社グループの退職給付費用及び債務は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回り等の前提に基づき計算されておりますが、年金資産の運用環境の悪化により前提と実績に乖離が生じた場合は、積立不足等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。⑦ 固定資産の減損に関するリスク当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下又は市場価格の下落等により、減損損失が発生した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。⑧ 繰延税金資産の取崩しに関するリスク当社グループは、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っておりますが、将来の課税所得の予測・仮定が変更され、繰延税金資産が減額された場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2)法律及び規制に係るリスク① 法的規制等に関するリスク当社グループは、事業活動を行う上で、商取引、環境、安全、保安、品質保証、化学物質管理、労働、特許、会計基準及び租税等の様々な法規制の適用を受けており、法令遵守を基本として事業活動を行っております。特に環境・安全・健康を確保するための責任ある自主活動「レスポンシブル・ケア」のほか、ISO14001の認証取得による全事業所での環境マネジメントシステムを実施し、環境汚染の防止に関する各種法律の遵守、重防食塗装を全て水性塗料で可能とする「DNT水性重防食システム」や、低臭気の室内用水性塗料「COZY PACK」をはじめとする環境対応形各種塗料を開発しておりますが、今後の法改正や法規制強化のあり方次第では、生産・研究施設の改善あるいは製品設計・開発に多大な投資を必要とし、新製品開発の遅延による機会損失が生じた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、競争力基盤の強化のため、様々な知的財産権を保有し、維持・管理しておりますが、第三者による侵害や訴訟を提起された場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。② 製品品質に関するリスク当社グループは、製品の特性に応じて品質保証及び環境保全を最優先課題として製品を製造しておりますが、様々な技術上、あるいはそれ以外の要因により不良品が発生し、クレームを受ける場合があります。大規模なクレームや製造物責任を問われる事態が生じた場合は、これらの補償、対策費用が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に住宅建材メーカーに納入する外装建材用塗料については、1999年に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が施行されて以降、住宅建材メーカー各社がこれを契機に高級外装材の拡販戦略として10年あるいはそれ以上の長期保証を打ち出し、塗料メーカーにも同様の塗膜保証を求めてきております。同塗料のトップメーカーである当社としては、製品の開発・製造には万全の注意を払い、損害賠償保険等による対策をとっておりますが、保証期間が伸長され、新製品発売により、当社のクレーム発生件数増加や補償負担の発生リスクを伴うものであります。③ 品質不適切行為に関するリスク当社グループは、2023年10月26日に公表した当社連結子会社である岡山化工株式会社における不適切行為(改ざん)及び2024年11月29日付で公表したJISマーク表示の一時停止(規格外出荷、外注管理に係る不備)について、JIS認証機関より処分を受けました。当社グループにおいては、再発防止策の推進及びコンプライアンス遵守の徹底に取り組んでまいりましたが、同活動を進めるなかで新たな不適切事案を確認いたしました。これを受け、当社は当事案に該当するJIS認証製品の出荷を自粛し、2024年11月29日付で該当製品はJISマーク表示の一時停止となり、外部弁護士を中心とする特別調査委員会の調査結果を踏まえ、2025年5月12日付で調査報告書を公表させていただきました。その後、2025年11月14日付で、日本塗料検査協会よりJISマーク表示の一時停止の解除について通知を受けました。当社は一連の不適切行為を重く受け止め、特別調査委員会の提言に基づいた再発防止策をグループ一体となって取り組むとともに、信頼回復に向けて最大限努力してまいりますが、お客様への補償費用の発生や本件に起因する販売数量の減少等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (3)災害等に係るリスク① 災害、事故に関するリスク当社グループは、災害や事故発生時の被害を最小限にとどめ、速やかな復旧により事業を円滑に継続できる体制の整備と維持に努めておりますが、予想を上回る規模の地震や台風等の自然災害に見舞われた場合、火災等の事故が発生した場合は、人的、物的損害のほか、事業活動の停止、制約等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に当社グループの事業拠点について、塗料事業の生産拠点は分散化を図っておりますが、照明機器事業の生産拠点として、蛍光ランプ類は神奈川県秦野市に、安定器・照明器具類は秋田県潟上市に、蛍光色材事業の生産拠点は神奈川県鎌倉市にあり、自然災害等の外的要因により生産活動を停止せざるを得ないケースでは、代替する生産拠点を有しておりません。各事業の生産拠点のいずれかが地震等の災害に罹災し稼働困難となった場合、コンピュータの基幹システムに重大な障害が発生した場合、あるいは電力需要調整の必要が生じた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。② 感染症に関するリスク当社グループの従業員へのインフルエンザ等の感染症に対しては、手洗い、うがい、アルコール消毒等の感染予防対策を講じておりますが、感染者が発生し一時的に操業を停止した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。③ 気候変動対応に関するリスク当社グループは、環境対応形各種塗料の開発に注力するなど、事業活動を通じてCO2排出量の削減等に取り組み、環境改善や気候変動リスクの低減に努めております。また、以下の気候変動リスクを識別及び評価しております。・脱炭素化に向けたクリーンエネルギー及びCO2排出削減設備を導入することによるコスト増加・環境負荷の低い原材料を購入することによる購入コストの増加・気候変動による異常気象がもたらすサプライチェーンや事業活動停止によるコスト増加・環境対応形製品への需要シフトといった市場ニーズの変化による当社の既存製品の陳腐化による事業悪化・温室効果ガスの排出に関する新たな税負担が発生した場合のコスト増加