事業の概要
- システムインテグレーション官公庁や地方自治体向けに、マイナンバーや財務、航空管制などの社会インフラシステムの提案から運用・保守まで一貫した技術支援を提供しています。長年の実績と深い業務知識が強みで、安定した収益基盤となっています。
- 法人向けITサービス企業向けに基幹業務システムやWeb・クラウドアプリケーションの開発、ネットワークインフラ構築、RPAソリューション、コンサルティングなどを提供しています。「intra-mart」や「SAP」といった市場シェアの高い製品を扱える体制が特徴です。
- 情報セキュリティ製品とサービス企業向けにインフラ設計・構築、メインフレーム業務、システム開発に加え、IoTや情報セキュリティ分野での自社製品(暗号、電子透かしなど)の製造・ソリューション提供を行っています。日本アイ・ビー・エムとの長年の取引で基盤を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 公共関連事業官公庁や地方自治体を主な顧客とし、マイナンバー、財務、航空管制システムなど社会インフラのシステム開発・運用・保守を手掛けています。売上高は99.76億円、営業利益は15.94億円で、グループの安定収益基盤となっています。
- 法人企業向け事業主に法人企業を対象に、基幹業務システム、Web・クラウドアプリケーション開発、ネットワークインフラ構築、RPAソリューションなどを提供しています。売上高は89.64億円、営業利益は10.24億円で、幅広い産業のニーズに対応しています。
- 広域ソリューション事業東京、名古屋、大阪地域を中心に、通信制御・組込みシステム開発、AIソリューション、運用・保守、ICTコンサルティングを提供しています。売上高は55.75億円、営業利益は5.86億円で、創業以来の通信制御システム開発の技術が強みです。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| PublicRelated | 事業 | 100 | 16 | 16.0% |
| EnterpriseReportableSegment | 事業 | 90 | 10 | 11.4% |
| BroadAreaSolutionsReportableSegment | 事業 | 56 | 6 | 10.5% |
| InnovationReportableSegment | 事業 | 80 | 10 | 12.2% |
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3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社1社(㈱フォーカスインキュベート)、関連会社6社(㈱イノス、㈱メティス、㈱エー・アイ・エムスタッフ、㈱G.A.P、㈱OtoCheck、㈱TryTree)の計8社で構成されており、子会社1社を除き関連会社6社はシステムインテグレーション及びITサービス並びに情報セキュリティ製品、AI製品の販売・関連サービスを主な事業としております。 子会社である㈱フォーカスインキュベートは、企業・ベンチャービジネスへの投融資、育成、仲介を行っております。当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。なお、以下に示す区分は、当社の報告セグメントと同一です。 公共関連事業主に最終ユーザーが官公庁及び地方自治体となるマイナンバー関連システム、財務システム、貿易システム、航空管制システム、自動車関連システム、社会保険・健康保険・年金に関するシステム等、社会インフラのシステム実現に向けた提案・設計・製造・試験からシステム稼働後の運用・保守に至るまで、総合的な技術支援を行っております。1988年に現在の主要取引先である㈱NTTデータの前身である日本電信電話㈱と取引を開始しました。その後、公共関連システムの特徴である長期的かつ継続的なライフサイクルの下、長年培ってきた深い業務知識と豊富な開発経験により公共関連システムの開発・保守維持業務に多くの人材を投入することで、経営基盤の更なる安定化を図っております。(主な関係会社)当社、㈱エー・アイ・エムスタッフ、㈱G.A.P、㈱TryTree エンタープライズ事業主に法人企業の基幹業務システム・Webアプリケーション・クラウドアプリケーションの開発、ネットワークインフラ設計・構築、RPAソリューション、付随する運用・保守、ICTに係るコンサルティングを行っております。 市場シェアの高い「intra-mart」「SAP」等を同一部門で取扱うことができる組織体制と知見を強みに、あらゆる産業・事業・業務の特性やニーズに対応できる事業基盤を確立してまいりました。また、クラウド、RPA、仮想化等新たな価値創造を担う技術領域の幅を更に広げ、お客さまへの提供価値最大化を図っております。(主な関係会社)当社、㈱メティス 広域ソリューション事業主に東京・名古屋・大阪地域における、通信制御・組込み・法人企業及び行政機関向けの各システム開発、AIソリューション、付随する運用・保守、ICTに係るコンサルティングを行っております。 創業当時から続く電話・インターネット等の通信制御システムの開発をはじめ、携帯電話・スマートフォン等情報通信機器のソフトウェアの開発、カーエレクトロニクス・デジタルカメラ・ウェアラブル端末等組込み型ソフトウェアの開発を特徴にあらゆる事業分野に対応する技術領域の広さを強みとしつつ、安定基盤の拡大を図っております。(主な関係会社)当社、㈱エー・アイ・エムスタッフ、㈱OtoCheck イノベーション事業主に法人企業向けのインフラ設計・構築、メインフレーム業務、システム開発、付随する運用・保守、IoT及び情報セキュリティ分野における自社製品の製造・ソリューション提供を行っております。1997年より現在の主要取引先である日本アイ・ビー・エム㈱と取引を開始しました。法人企業の情報システム基盤の構築、システム運用・保守、インフラ技術支援で存在感を強めていき、システム開発を含め、事業の発展・拡大を続けております。また、情報セキュリティ及びIoT分野に参入し、暗号・電子透かし・ビーコン・指向性受信機等ソリューションの提供に自社製品も活用することで、より細やかなソリューションの提供を図っております。(主な関係会社)当社、㈱イノス、㈱エー・アイ・エムスタッフ 当社グループの主たる会社について図示すると次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 長期継続的な取引と深い専門知識・豊富な実績を強みとし、顧客ニーズに即応。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 公共関連システムの長期的かつ継続的なライフサイクルにおける深い業務知識と豊富な開発経験。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:特定の事業分野への依存 / 特定取引先への依存 / 協力会社への依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
フォーカスシステムズは、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという公開情報は見当たらない。事業内容はシステム開発・運用・保守が中心であり、これらは一般的に模倣されやすい技術に基づいている。
スイッチングコスト★★☆☆☆
顧客の基幹システム開発や運用保守を受託しているため、システム移行には一定の時間、コスト、リスクが伴う。特に長年運用してきたシステムの場合、仕様の把握やデータ移行の複雑さから、顧客が安易にベンダーを変更することは難しい可能性がある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業モデルは、ユーザー数の増加がサービス価値を直接的に高めるネットワーク効果を生むタイプではない。個々の顧客との個別契約に基づいてサービスを提供しており、プラットフォーム型ビジネスとは異なる。
コスト優位★☆☆☆☆
システム開発・運用保守業界は競争が激しく、価格競争に陥りやすい。同社が構造的に競合他社よりも大幅に低いコストでサービスを提供できるような、明確なコスト優位性を示す情報は確認できない。効率化努力は行われていると推測される。
規模の経済★☆☆☆☆
情報通信業におけるシステムインテグレーターとして一定の規模を持つが、業界全体で見ると、圧倒的なシェアを持つ寡占的な地位を確立しているとは言えない。同業他社も多数存在し、規模の経済による持続的な競争優位性は限定的。
- 公共分野での長期的実績官公庁や地方自治体向けのシステム開発において、1988年からNTTデータとの取引を開始し、長年にわたり培った深い業務知識と豊富な開発経験が強みです。社会インフラという安定した分野で、継続的な案件獲得により経営基盤を安定させています。
- 多様な技術領域と専門性通信制御、組込みソフトウェア開発からAIソリューション、クラウド、RPAまで幅広い技術領域に対応できる点が強みです。特に主要顧客のニーズに合わせ、各案件でスペシャリストを育成し、顧客満足度を高めるサポート体制を維持しています。
- 主要顧客との強固な関係主要顧客上位4社との取引が売上全体の44.1%を占めており、これらの顧客と長期にわたり継続的な関係を築いています。顧客の事業方針や案件状況に影響を受けるリスクはあるものの、長年の信頼関係と実績が安定した事業運営を支えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社は、社員の一体感を高め、社員全体が一丸となってパワーを発揮できる組織とし、未来のために貢献できる会社を目指したいとの思いの下、「社員すべてが心と力を合わせ、企業の発展と成長を通じて、未来のより良い環境作りに貢献する。」を経営理念とし、以下の3つの責任を果たしてまいります。①個人責任 人間性と技術力を磨き、最高のサービスをお客様に提供します。②企業責任 社員相互が信頼し合い、安心かつ働きがいのある会社を作ります。③社会責任 お客様、投資家、株主から信頼され、社会から必要とされる会社を作ります。 (2)目標とする経営指標当社は、企業価値及び株主価値の向上を図るため、経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)として、「売上高450億円」「営業利益額45億円」「営業利益率10.0%」及び「ROE(自己資本利益率)16.0%以上」の達成を目指しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略当社は、2029年3月期に向けた「中期経営計画 27-29」を掲げております。「中期経営計画 27-29」の概要については以下のとおりであります。≪ビジョン≫ デジタル革新で顧客の変革を支える戦略パートナー≪事業展開≫中核事業の高付加価値化・生産性向上による収益力強化とDX・コンサルティング領域へのスケーラブルな展開 ①全社戦略事業提供サービスの高度化と効率化最新技術の導入・活用、技術手法の革新、品質管理の徹底、ナレッジ・マネジメントによるQCD*1向上、プロジェクトマネジメント手法の飛躍コンサルティング事業の強化DX戦略立案・RFP*2作成支援・インフラ運用コンサルティング・内製化支援等、長期的パートナーシップの構築ソリューションの研究開発コーポレート専門人材の確保高度なソリューション提供技術・知識を持つ技術者、プロジェクトマネージャー、コンサルタント等組織力の強化AIや自動化ツールの積極的取込み及びプロセス改善、社員のエンゲージメントを高める施策を拡充、社内の透明性を向上・データドリブンな組織運営、事業環境等の変化に応じた組織・体制の最適化 ②人材戦略施策エンゲージメント向上エンゲージメント強化による定着・生産性向上、やりがいのある報酬の実現、福利厚生の拡充、従業員健康サポート強化による健康意識向上専門人材開発個々の特性やキャリアに応じた能力開発、AI等の先進技術力習得の推進、プロジェクトマネジメント層の拡充、高度資格保有者の増加 ③財務戦略財務方針成長投資成長分野へ3年間で85億円、M&Aの活用、先進技術探索の強化、株主資本コストと投資リスクを反映したベースレートの活用財務健全性D/Eレシオ*30.35程度を上限設定、現預金を月商2か月程度確保、非事業用資産の整理、最適資本構成の定期的な見直し株主還元配当性向40%以上、機動的な自己株式の取得 ④M&A戦略戦略ロールアップ戦略、垂直統合戦略投資判断基準株主資本コストからリスクごとにハードルレートを設定下記二つの基準により、投資可否を決定<必須基準> NPV*4(正味現在価値)がプラスであること<付随基準> IRR*5(内部収益率)>ハードルレート+期待する収益スプレッド、投下資金回収期間5年以内(原則) ⑤株主還元配当方針配当性向40%以上、利益成長に応じた配当の拡充自己株式の取得株価水準・資本構成・資本収益性・C/Fを総合的に勘案し、機動的に実施 ⑥サステナビリティ経営サステナビリティ基本方針当社は、未来から必要とされる会社を目指し持続可能な社会と環境の実現に貢献します。企業活動の中でステークホルダーとのエンゲージメントを大切にすると共に企業価値の向上に努めてまいります。マテリアリティ気候変動への適切なアプローチ、多様な人材が安心して働ける職場へ、ステークホルダーの価値創造、現状に満足しないガバナンス経営の強化 *1.QCD(Quality Cost Delivery):品質(Q)・費用(C)・納期(D)の3要素の頭文字。*2.RFP(Request for Proposal):提案依頼書。要件、業務課題、予算、納期等を明示し、提案や見積りを依頼する文書。*3.D/Eレシオ:負債資本倍率。有利子負債(Debt)を自己資本(Equity)で割って算出する財務健全性指標。*4.NPV(Net Present Value):正味現在価値。将来得られるキャッシュ・フローを現在価値に割引いた金額から、投資額を差し引いた価値。設備投資、M&A、新規事業の投資判断等に用いる。*5.IRR(Internal Rate of Return):内部収益率。投資から得られる将来キャッシュ・フローの現在価値と投資額が等しくなる割引率。複数案件における投資効率の比較・評価等に用いる。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題デジタル技術の進展、とりわけAI台頭に伴い、IT利活用の普及・拡大が加速度的に進展し、企業や生活者とITとの関わり方はより一層の多様化が進むことが予想されます。また、インフレ圧力の上昇やIT人材の獲得競争の激化に伴い、人件費・外注費・仕入原価等が持続的に高まる可能性があります。当社は、前中期経営計画を成功裏に終え、事業基盤はより強固なものとなりました。2027年3月期より始動した「中期経営計画 27-29」では、ビジョンに「デジタル革新で顧客の変革を支える戦略パートナー」を掲げました。前中期経営計画で推進した収益性向上のステージから、システムインテグレーターの枠を超えた「非連続な成長」のステージに舵を切ります。「業界の中核企業となるための第一歩」を踏み出し、企業価値の向上に努めてまいります。これらを実現するため、当社は以下の課題に重点的に取組んでまいります。 ①AIと実践知を融合した「知能集約型」へのシフト当社の成長コアは「短納期化と高品質化の両立」と捉えております。そのため、先端技術・マネジメント手法の活用はもとより、AIを業務プロセス及びサービス提供の双方に取入れ、生産性と品質の向上を図ってまいります。当社は、従業員をかけがえのない経営資源としております。社員一人ひとりがITの良き使い手・担い手として、多様な現場で長年培った膨大な実践知をもって顧客の変革を支えることが、AI時代にこそ真価を発揮する競争優位性の確立に繋がるものと捉えております。「労働集約型」から「知能集約型」へのシフトを加速させ、収益を最大化する重層的な成長モデルへの転換も必要となります。具体的には、先端IT人材、プロジェクトマネージャー、コンサルタント等の専門人材の確保及び育成を最重要課題と位置付け、個々のキャリアに応じた能力開発支援を強化いたします。また、やりがいを実感できる報酬体系の実現や健康経営の推進を通じ、社員のエンゲージメントを高める等、個の力が最大限に発揮される強固な組織基盤・形式知を構築いたします。 ②成長投資による非連続な成長当社は、提供サービスの高度化と効率化・コンサルティング事業の強化・ソリューションの研究開発等を重要な成長投資領域に位置付けております。また、自律的な成長に加えて、M&Aによるインオーガニックな規模拡大にも積極的に取組むことで収益基盤を拡充すると共に、特定の市場環境に左右されない多様な収益源の確保にも努めてまいります。 ③資本コストを意識した経営と株主還元の高度化当社は、資本コストを上回る資本収益性の維持・向上を重要な経営課題と認識しております。ROE(資本効率)の継続的な向上を重視し、事業の成長ステージとリスク許容度を踏まえた最適な資本構成を追求してまいります。キャッシュアロケーションについては、成長投資、財務健全性及び株主還元のバランスを重視いたします。成長領域への85億円規模の戦略投資を実行する一方、配当性向40%以上を基準とした利益還元及び自己株式の取得を機動的に実施し、35億円規模の株主還元を目指してまいります。更に、戦略的なIR活動による情報の非対称性の是正、認知度向上により、市場からの期待成長率を高め、資本市場からの信頼を盤石なものにしてまいります。 これらの取組みによって、より強固な顧客基盤を拡大し、より盤石な経営体制を整え、将来にわたり安全・安心な社会作りに貢献してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社は、社員の一体感を高め、社員全体が一丸となってパワーを発揮できる組織とし、未来のために貢献できる会社を目指したいとの思いの下、「社員すべてが心と力を合わせ、企業の発展と成長を通じて、未来のより良い環境作りに貢献する。」を経営理念とし、以下の3つの責任を果たしてまいります。①個人責任 人間性と技術力を磨き、最高のサービスをお客様に提供します。②企業責任 社員相互が信頼し合い、安心かつ働きがいのある会社を作ります。③社会責任 お客様、投資家、株主から信頼され、社会から必要とされる会社を作ります。 (2)目標とする経営指標当社は、企業価値及び株主価値の向上を図るため、経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)として、「売上高450億円」「営業利益額45億円」「営業利益率10.0%」及び「ROE(自己資本利益率)16.0%以上」の達成を目指しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略当社は、2029年3月期に向けた「中期経営計画 27-29」を掲げております。「中期経営計画 27-29」の概要については以下のとおりであります。≪ビジョン≫ デジタル革新で顧客の変革を支える戦略パートナー≪事業展開≫中核事業の高付加価値化・生産性向上による収益力強化とDX・コンサルティング領域へのスケーラブルな展開 ①全社戦略事業提供サービスの高度化と効率化最新技術の導入・活用、技術手法の革新、品質管理の徹底、ナレッジ・マネジメントによるQCD*1向上、プロジェクトマネジメント手法の飛躍コンサルティング事業の強化DX戦略立案・RFP*2作成支援・インフラ運用コンサルティング・内製化支援等、長期的パートナーシップの構築ソリューションの研究開発コーポレート専門人材の確保高度なソリューション提供技術・知識を持つ技術者、プロジェクトマネージャー、コンサルタント等組織力の強化AIや自動化ツールの積極的取込み及びプロセス改善、社員のエンゲージメントを高める施策を拡充、社内の透明性を向上・データドリブンな組織運営、事業環境等の変化に応じた組織・体制の最適化 ②人材戦略施策エンゲージメント向上エンゲージメント強化による定着・生産性向上、やりがいのある報酬の実現、福利厚生の拡充、従業員健康サポート強化による健康意識向上専門人材開発個々の特性やキャリアに応じた能力開発、AI等の先進技術力習得の推進、プロジェクトマネジメント層の拡充、高度資格保有者の増加 ③財務戦略財務方針成長投資成長分野へ3年間で85億円、M&Aの活用、先進技術探索の強化、株主資本コストと投資リスクを反映したベースレートの活用財務健全性D/Eレシオ*30.35程度を上限設定、現預金を月商2か月程度確保、非事業用資産の整理、最適資本構成の定期的な見直し株主還元配当性向40%以上、機動的な自己株式の取得 ④M&A戦略戦略ロールアップ戦略、垂直統合戦略投資判断基準株主資本コストからリスクごとにハードルレートを設定下記二つの基準により、投資可否を決定<必須基準> NPV*4(正味現在価値)がプラスであること<付随基準> IRR*5(内部収益率)>ハードルレート+期待する収益スプレッド、投下資金回収期間5年以内(原則) ⑤株主還元配当方針配当性向40%以上、利益成長に応じた配当の拡充自己株式の取得株価水準・資本構成・資本収益性・C/Fを総合的に勘案し、機動的に実施 ⑥サステナビリティ経営サステナビリティ基本方針当社は、未来から必要とされる会社を目指し持続可能な社会と環境の実現に貢献します。企業活動の中でステークホルダーとのエンゲージメントを大切にすると共に企業価値の向上に努めてまいります。マテリアリティ気候変動への適切なアプローチ、多様な人材が安心して働ける職場へ、ステークホルダーの価値創造、現状に満足しないガバナンス経営の強化 *1.QCD(Quality Cost Delivery):品質(Q)・費用(C)・納期(D)の3要素の頭文字。*2.RFP(Request for Proposal):提案依頼書。要件、業務課題、予算、納期等を明示し、提案や見積りを依頼する文書。*3.D/Eレシオ:負債資本倍率。有利子負債(Debt)を自己資本(Equity)で割って算出する財務健全性指標。*4.NPV(Net Present Value):正味現在価値。将来得られるキャッシュ・フローを現在価値に割引いた金額から、投資額を差し引いた価値。設備投資、M&A、新規事業の投資判断等に用いる。*5.IRR(Internal Rate of Return):内部収益率。投資から得られる将来キャッシュ・フローの現在価値と投資額が等しくなる割引率。複数案件における投資効率の比較・評価等に用いる。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題デジタル技術の進展、とりわけAI台頭に伴い、IT利活用の普及・拡大が加速度的に進展し、企業や生活者とITとの関わり方はより一層の多様化が進むことが予想されます。また、インフレ圧力の上昇やIT人材の獲得競争の激化に伴い、人件費・外注費・仕入原価等が持続的に高まる可能性があります。当社は、前中期経営計画を成功裏に終え、事業基盤はより強固なものとなりました。2027年3月期より始動した「中期経営計画 27-29」では、ビジョンに「デジタル革新で顧客の変革を支える戦略パートナー」を掲げました。前中期経営計画で推進した収益性向上のステージから、システムインテグレーターの枠を超えた「非連続な成長」のステージに舵を切ります。「業界の中核企業となるための第一歩」を踏み出し、企業価値の向上に努めてまいります。これらを実現するため、当社は以下の課題に重点的に取組んでまいります。 ①AIと実践知を融合した「知能集約型」へのシフト当社の成長コアは「短納期化と高品質化の両立」と捉えております。そのため、先端技術・マネジメント手法の活用はもとより、AIを業務プロセス及びサービス提供の双方に取入れ、生産性と品質の向上を図ってまいります。当社は、従業員をかけがえのない経営資源としております。社員一人ひとりがITの良き使い手・担い手として、多様な現場で長年培った膨大な実践知をもって顧客の変革を支えることが、AI時代にこそ真価を発揮する競争優位性の確立に繋がるものと捉えております。「労働集約型」から「知能集約型」へのシフトを加速させ、収益を最大化する重層的な成長モデルへの転換も必要となります。具体的には、先端IT人材、プロジェクトマネージャー、コンサルタント等の専門人材の確保及び育成を最重要課題と位置付け、個々のキャリアに応じた能力開発支援を強化いたします。また、やりがいを実感できる報酬体系の実現や健康経営の推進を通じ、社員のエンゲージメントを高める等、個の力が最大限に発揮される強固な組織基盤・形式知を構築いたします。 ②成長投資による非連続な成長当社は、提供サービスの高度化と効率化・コンサルティング事業の強化・ソリューションの研究開発等を重要な成長投資領域に位置付けております。また、自律的な成長に加えて、M&Aによるインオーガニックな規模拡大にも積極的に取組むことで収益基盤を拡充すると共に、特定の市場環境に左右されない多様な収益源の確保にも努めてまいります。 ③資本コストを意識した経営と株主還元の高度化当社は、資本コストを上回る資本収益性の維持・向上を重要な経営課題と認識しております。ROE(資本効率)の継続的な向上を重視し、事業の成長ステージとリスク許容度を踏まえた最適な資本構成を追求してまいります。キャッシュアロケーションについては、成長投資、財務健全性及び株主還元のバランスを重視いたします。成長領域への85億円規模の戦略投資を実行する一方、配当性向40%以上を基準とした利益還元及び自己株式の取得を機動的に実施し、35億円規模の株主還元を目指してまいります。更に、戦略的なIR活動による情報の非対称性の是正、認知度向上により、市場からの期待成長率を高め、資本市場からの信頼を盤石なものにしてまいります。 これらの取組みによって、より強固な顧客基盤を拡大し、より盤石な経営体制を整え、将来にわたり安全・安心な社会作りに貢献してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 経営成績の状況当事業年度におけるわが国経済は、景気が緩やかに回復しております。 また、世界経済は持直しておりますが、欧米における高金利水準の継続や中東地域をめぐる情勢のほか、アメリカの政策動向による影響や金融資本市場の変動等による下振れリスクの高まりにも注意する必要があります。情報サービス業界におけるソフトウェア投資が増加する中、産業を問わずクラウド化・仮想化・内製化へとシフトしており、AI・ロボティクス・IoT等のIT活用、情報セキュリティの重要性が刻々と増しています。また、人材の獲得競争・人員の流動化・賃金上昇が一層進む中、各種先端技術・プロジェクト管理を担う人材の増強やIT内製化への順応は業界発展の要となっています。このような状況の中、当社は、「中期経営計画 24-26」で掲げた「発展・利益・還元サイクルの強化」のために実施した各種施策により全指標において目標を達成いたしました。また、自己株式の取得では決議した予定株数を取得する等「資本コストを意識した経営の実現に向けた対応」を進めております。業績面では、人的資本への投資を進めたうえで、一次請け比率の向上・価格転嫁・案件管理・業務効率化等により着実に利益を生み出し、増収増益となりました。この結果、当事業年度の業績は、売上高35,698百万円(前事業年度比9.7%増)、営業利益3,036百万円(前事業年度比39.8%増)、経常利益3,068百万円(前事業年度比41.7%増)、当期純利益2,333百万円(前事業年度比48.9%増)となり、売上高・各利益共に過去最高を更新しました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。公共関連事業主に最終ユーザーが官公庁及び地方自治体となるマイナンバー関連システム、財務システム、貿易システム、航空管制システム、自動車関連システム、社会保険・健康保険・年金に関するシステム等、社会インフラのシステム実現に向けた提案・設計・製造・試験からシステム稼働後の運用・保守に至るまで、総合的な技術支援を行っております。当セグメントにおきましては、既存案件の拡充と徹底したプロジェクト管理、単価交渉が奏功しました。その結果、売上高10,875百万円(前年同期比9.0%増)、セグメント利益(営業利益)は1,922百万円(前年同期比20.6%増)となりました。 エンタープライズ事業主に法人企業の基幹業務システム・Webアプリケーション・クラウドアプリケーションの開発、ネットワークインフラ設計・構築、RPAソリューション、付随する運用・保守、ICTに係るコンサルティングを行っております。当セグメントにおきましては、提案力強化と体制拡充により、ERPとインフラが業績向上に貢献しました。その結果、売上高10,899百万円(前年同期比21.6%増)、セグメント利益(営業利益)は1,433百万円(前年同期比40.0%増)となりました。 広域ソリューション事業主に東京・名古屋・大阪地域における、通信制御・組込み・法人企業及び行政機関向けの各システム開発、AIソリューション、付随する運用・保守、ICTに係るコンサルティングを行っております。当セグメントにおきましては、収益性の高い案件へのシフト、安定した案件管理、価格転嫁等により成長しました。その結果、売上高5,781百万円(前年同期比3.7%増)、セグメント利益(営業利益)は782百万円(前年同期比33.5%増)となりました。 イノベーション事業主に法人企業向けのインフラ設計・構築、メインフレーム業務、システム開発、付随する運用・保守、IoT及び情報セキュリティ分野における自社製品の製造・ソリューション提供を行っております。当セグメントにおきましては、インフラ案件がけん引し、利益率重視の一次請け開発案件も順調に進捗しました。その結果、売上高8,142百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益(営業利益)は1,121百万円(前年同期比14.7%増)となりました。 ② 財政状態の状況当事業年度における資産は、前事業年度末に比較し2,928百万円増加し、23,821百万円となりました。これは主に電子記録債権の減少18百万円があった一方で、投資有価証券の増加1,331百万円、売掛金及び契約資産の増加756百万円、現金及び預金の増加427百万円、前払費用の増加173百万円、商品及び製品の増加113百万円、長期預金の増加100百万円、保険積立金の増加44百万円等によるものであります。負債は、前事業年度末に比較し1,594百万円増加し、8,439百万円となりました。これは主に長期借入金の減少153百万円があった一方で、短期借入金の増加500百万円、未払金の増加406百万円、未払法人税等の増加370百万円、買掛金の増加308百万円、繰延税金負債の増加173百万円等によるものであります。純資産は、前事業年度末に比較し1,334百万円増加し、15,382百万円となりました。これは主に自己株式の取得による減少889百万円があった一方で、繰越利益剰余金の増加1,607百万円、その他有価証券評価差額金の増加602百万円等によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比較し990百万円増加し、6,556百万円(前事業年度比17.8%増)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。営業活動によるキャッシュ・フローでは、2,569百万円の収入がありました。これは主に、売上債権の増加737百万円、法人税等の支払額570百万円があった一方で、税引前当期純利益3,162百万円、未払金の増加399百万円、仕入債務の増加額308百万円等によるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローでは、138百万円の支出がありました。これは主に、定期預金等の減少額462百万円があった一方で、投資有価証券の取得による支出459百万円、有形固定資産の取得による支出137百万円等によるものであります。財務活動におけるキャッシュ・フローでは、1,441百万円の支出がありました。これは、長期借入れによる収入600百万円、短期借入金の純増額500百万円があった一方で、自己株式の取得による支出889百万円、長期借入金の返済による支出886百万円、配当金の支払額725百万円等によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a 生産実績当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前期比(%)公共関連事業8,962,8497.0エンタープライズ事業8,896,97622.0広域ソリューション事業4,978,5003.5イノベーション事業6,691,456△5.3合計29,529,7827.2 b 受注実績当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)公共関連事業11,190,4834.72,733,12613.0エンタープライズ事業12,767,69739.54,638,88867.4広域ソリューション事業5,832,1831.51,172,4674.6イノベーション事業8,095,651△0.11,406,410△3.3合計37,886,01512.59,950,89228.2 c 販売実績当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前期比(%)公共関連事業10,875,4319.0エンタープライズ事業10,899,37721.6広域ソリューション事業5,781,0753.7イノベーション事業8,142,9491.3合計35,698,8349.7 (注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合 相手先前事業年度当事業年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)㈱NTTデータ・アイ4,131,78912.74,913,44813.8キンドリルジャパン㈱5,290,84816.34,847,18913.6㈱NTTデータ3,591,72211.04,453,01912.5 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載されているとおりであります。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 その他の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、以下のとおりであります。(ア)投資の減損当社は、所有する有価証券について、決算日の市場価格等に基づく時価相当額で計上しております。市場価格のない株式等以外のものについては、市場価格等が取得価額に比べて50%超下落した場合に、原則として減損処理を行っております。また、下落率が30%以上50%以下の有価証券については、過去2年間の平均下落率においても概ね30%以上50%以下に該当した場合に減損処理を行っております。市場価格のない株式等については、その発行会社の財政状態の悪化により実質価額が取得価額に比べて50%超下落した場合に原則として減損処理を行っております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。(イ)繰延税金資産の回収可能性当社は、繰延税金資産の回収可能性があると考えられる金額まで減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を検討するにあたっては、将来の課税所得見込み及び税務計画を検討しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産の取崩しが必要となる可能性があります。(ウ)貸倒引当金当社は、売上債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。取引先の財務状況が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加で引当金が必要になる可能性があります。 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社の当事業年度の経営成績等は、以下のとおりであります。(ア)経営成績の分析当事業年度の経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご覧ください。(イ)財政状態の分析当事業年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご覧ください。(ウ)キャッシュ・フローの分析当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。 当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。当社の資金需要の主なものは、ソフトウェア開発を行うための協力会社への支払及び人件費の支払であります。当社は、必要な運転資金について外部借入により賄っております。外部借入の場合、短期借入金、長期借入金、無担保社債の発行を行っており、当社では、今後とも営業活動によって得る自己資本を基本的な資金源としながら、必要に応じて銀行借入により資金調達を行っていく考えであります。
事業リスク
- 特定の事業分野への依存公共関連システム分野が売上全体の30.6%を占めており、安定した収益基盤である一方で、政権交代や政策転換、国家的緊急事態による予算削減などが生じた場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。ただし、社会性の高いシステムが多く、連続的な消失のリスクは低いとされています。
- 特定取引先への依存主要顧客上位4社への売上高が全体の44.1%を占めており、これらの取引先の事業方針変更や案件獲得状況によって、経営成績が変動する可能性があります。長期的な取引関係は強みですが、その継続が保証されるものではないため、リスクとして認識されています。
- 協力会社への依存と人材確保売上原価に占める外注費の割合が約6割と高く、協力会社からの開発人員調達が困難になった場合や、プロジェクト管理に問題が生じた場合に経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、雇用環境の変化や人材流出、採用・育成費の増大もリスク要因です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
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3 【事業等のリスク】当社では、リスク管理委員会活動において、毎年、当社の経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを発生頻度(可能性)と影響度(損失額)に基づき評価したうえで、優先度を決定し、リスク管理全般の統制管理を行っております。投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のリスクがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。(1) 人材の確保・育成及び労働環境に関するリスク当社の持続的成長には高度IT人材やマネジメント人材の確保が不可欠ですが、獲得競争激化、賃金水準上昇に伴う採用計画未達、人材流出、人件費増大が収益を圧迫する可能性があります。また、特定個人への業務集中による長時間労働やメンタル不調による生産性低下のほか、組織の同質化に伴う多様性の不足が柔軟な発想を阻害し、当社の中長期的な競争力に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社は、人材の維持・確保に向け、競合他社に劣後しない報酬体系や柔軟なワークスタイル、健康経営を推進し、従業員の心身の健康維持と定着を図っております。また、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)*を推進し、多様な価値観を受容する組織文化を醸成することで、女性管理職及び中途採用者の登用を通じて組織の変革力を高める取組みを行っております。(2) ビジネスパートナー及びサプライチェーンに関するリスク当社は、外部協力会社や国内外のベンダーからリソースを調達しております。IT人材不足による技術者の確保遅延、外注先の管理不備に伴う納期遅延、品質低下、情報漏洩のリスクがあります。また、ベンダーの供給停止、仕様変更、サプライチェーンの混乱、調達価格の上昇といった外部要因に加え、取引適正化に関連する諸法令や労働関連法令への対応に不備が生じた場合には、行政指導及び社会的信用の低下を招く可能性があります。これらに起因して、プロジェクトの遂行能力や収益性、当社の事業活動全般に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社は、調達に伴う不確実性を低減するため、技術力や品質、コンプライアンス体制を総合的に評価した優良なパートナーの選定に努めております。定期協議を通じた安定的な協力関係の維持やマルチベンダー体制による調達リスクの分散を図ると共に、情報セキュリティに関する研修の受講及び適正な契約運用の徹底により、サプライチェーン全体でのガバナンス強化を推進しております。(3) システム開発プロジェクトの不採算化に関するリスク当社のシステム開発事業は、案件ごとに工数及び原価を見積る受託型ビジネスを主としております。着手後の要件変更、仕様追加、予期せぬ技術的課題、想定以上の開発難易度、人員配置の変更、外部委託先の作業遅延といった要因により、見積り精度不足及び管理不備を招く可能性があります。これらに起因して、工数増大や納期遅延による不採算プロジェクトが発生し、追加コストの計上及び利益率の著しい低下が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社は、採算性の悪化を未然に防ぎ適切な利益水準を確保するため、大規模・高難易度案件の受注前における審査体制を強化し、見積りの妥当性と技術的実現性を厳格に評価しております。稼働後においても、進捗や発生原価の継続的なモニタリングを通じて不採算化の兆候を早期に把握・是正するほか、プロジェクトマネージャーの育成を推進し、組織的なプロジェクト完遂能力の向上に努めております。(4) 特定の顧客及び企業グループへの依存に関するリスク当事業年度における、主要顧客上位3社向け売上高が占める割合は、全体の39.8%(前事業年度は40.0%)となっております。主要顧客とは安定的な関係を維持しておりますが、顧客企業の経営戦略転換、IT投資方針の見直し、内製化の進展、取引条件の変更といった要因により、取引が縮小又は終了するリスクがあります。これらに起因して、受注案件の縮小、延期又は中止が生じ、受注高及び利益が減少した際、代替となる受注を十分に確保できない場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社は、主要顧客に対して提供領域の拡大及び高付加価値な提案を継続することで、単なる取引関係を超えた「戦略的共創パートナーシップ」の構築を推進し、強固な取引関係の維持・発展に努めております。加えて、事業基盤の安定化を図るため、DX関連等の新規事業の強化を通じた新規顧客の開拓によるバランスの取れた事業ポートフォリオの構築に注力しております。 (5) 自然災害、テロ等によるリスク当社の事業は電力・通信網及び外部データセンター、人的リソースに深く依存しております。大規模な地震、風水害、テロ、紛争、不測の事象による広域的なインフラの停止・損壊が生じた場合、開発環境及び運用保守サービスが機能不全に陥り、プロジェクトが中断する可能性があります。これらに起因して、従業員の安全確保が困難となり人的リソースが不足した結果、工期延伸の追加コストや売上計上の遅延、損害賠償等が発生した場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社は、不測の事態による影響を最小限に留めるため、事業継続計画(BCP)の策定及び安否確認訓練の定期実施等を通じて、組織的な対応能力の向上を図っております。(6) 情報セキュリティ及び個人情報保護に関するリスク当社は、顧客の機密情報や個人情報、重要な業務データ等を恒常的に取扱っており、サイバー攻撃、不正アクセス、システムの脆弱性悪用、役職員及び委託先の過失並びに不正行為、外部クラウドの不具合等の可能性があります。これらに起因して、情報の漏洩、流出、改ざん、消失が生じた場合、多額の損害賠償及び行政処分、社会的信用の失墜による受注機会の喪失を招き、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社は、ISMS(ISO/IEC 27001)及びプライバシーマーク認証に基づいた国際標準の管理体制を運用しております。また、アクセス管理や監視強化、脆弱性診断等の技術的対策に加え、社内規程の整備や従業員教育、インシデント発生時の緊急対応体制を整備しております。あわせて、外部委託先にも当社と同等の管理を義務付け、サプライチェーン全体でのセキュリティ水準の維持・向上に努めております。 (7) コンプライアンスに関するリスク当社は、国内外の多岐にわたる法令(会社法、金融商品取引法、派遣法、労働基準法、個人情報保護法、取適法、独占禁止法、贈収賄防止法等)の適用を受けております。また、情報サービス業として、高い倫理観に基づいた事業運営が求められております。万一、法令違反及び不祥事が発生した場合、行政処分(業務停止命令等)並びに課徴金の納付、多額の損害賠償責任の発生に加えて、社会的信用の失墜による顧客離れ、入札参加資格の停止等が生じる可能性があります。これらに起因して、ブランド価値の毀損による収益の減少を招き、当社の経営成績、財政状態及び社会的信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社は、コンプライアンス委員会による監視体制の構築や社内外に設置した内部通報制度の適切な運用に加え、全役職員を対象とした定期的な教育研修及び内部監査部門による業務プロセスの厳格なチェックを継続的に実施することで、法令遵守意識の徹底と不正行為の未然防止と早期発見に努めております。 (8) M&A、投資及び保有資産の減損に関するリスク当社は、事業拡大及び技術力強化、新規市場参入等を目的とした企業買収、資本提携、ベンチャー出資、研究開発投資等を実施しておりますが、今後の企業買収等の実施に伴い、のれんが新たに発生する可能性があります。投資に際しては、事業環境の変化、競争激化、事業計画未達、簿外債務の判明、組織統合プロセス(PMI)の遅延、ガバナンス不全等の可能性があります。想定したシナジーや成果が得られず、投資価値が著しく毀損した場合には、のれんの減損損失及び評価損の計上を招く可能性があります。これらに起因して、追加投資に伴う資金負担増や資本効率の低下を通じて、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社は、専門家を活用したデューデリジェンス等により、潜在的リスクの把握及び投資リスクの低減に努めております。投資後は速やかに経営管理体制を整備し、当社基盤との連携によるシナジー創出を図るほか、投資先の定期的なモニタリングを通じた事業計画の修正や適時な是正措置により、資産価値の維持・向上に取組んでおります。(9) マクロ経済環境の変化に関するリスク当社のシステム開発及び運用サービス等の事業は、企業並びに官公庁のIT投資動向に大きく影響を受けます。投資動向は国内外の景気や金融市場、地政学リスク等のマクロ経済環境に左右され、顧客の経営環境が悪化した場合、投資計画の見直し及び予算削減により、案件の延期、縮小又は中止となる可能性があります。特に当社は国内顧客への依存度が高いため、国内景気及び設備投資動向の影響を受けやすい構造にあります。これらに起因して、受注高の減少及び稼働率の低下が生じた場合、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社は、マクロ経済環境の変化による影響を低減するため、特定業種に依存しない顧客ポートフォリオの分散及び公共・社会インフラ等の景気変動を受けにくい領域への展開を推進しております。また、運用・保守サービス等の継続収益比率向上による安定収益基盤の強化を図ると共に、DX関連等の需要が高い領域へのサービス提供に注力しております。あわせて、長期的な取引関係の構築を通じた安定的な受注確保に努め、景気変動への耐性がある事業構造の構築に取組んでおります。(10) AI等の技術革新及びIT技術環境の変化に関するリスク当社は、クラウド及びAI等の技術革新が急速に進む環境下で、顧客ニーズの変化やプラットフォーマーの台頭等による既存スキルの陳腐化、競争力低下、開発投資の増大リスクがあります。AI活用では、学習転用による情報漏洩、第三者の知的財産権侵害、ハルシネーション(虚偽情報の生成)、脆弱性混入等の技術的課題に加え、不適切な利用が生じる可能性があります。これらに起因して、受注機会の損失及び法的責任の追及、社会的信用の失墜を招いた場合、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社は、技術変化を成長機会と捉え、戦略的投資や外部連携を通じた最先端知見の獲得を推進しております。AI利用に関しては、「AI基本方針」等の規程整備及び承認フローの標準化により不適切な利用を防止しております。あわせて、技術研修及び教育制度を充実させ、最新技術へのスキル転換支援並びに知財リスクの事例共有を行うことで、安全かつ高度に技術を活用できる専門人材の育成と柔軟な事業基盤の構築に努めております。 *ダイバーシティ&インクルージョン(D&I):多様性(性別、年齢、国籍、価値観等の違い)を認め合い、組織の一員として活かし合う柔軟な環境のこと。