事業の概要
- 訪販とフードの複合事業ダスキンは、家庭やオフィス向けの清掃用品レンタルや家事代行などの「訪販グループ」と、ミスタードーナツなどの飲食店を運営する「フードグループ」の二つの柱で事業を展開しています。これにより、異なる市場のニーズに対応し、収益源を多角化しています。
- フランチャイズが中心多くの事業でフランチャイズ方式を採用しており、加盟店がダスキンのブランドとノウハウを活用して事業を運営します。ダスキンは加盟店に商品や原材料を供給し、ロイヤリティを得ることで、効率的に事業規模を拡大しています。
- レンタルと役務提供訪販グループでは、マットやモップなどの環境衛生用品のレンタルを主力とし、定期的な交換と洗浄で収益を得ています。また、ハウスクリーニングや害虫駆除などの専門サービス(役務提供)も手掛け、多様な顧客ニーズに応えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 訪販グループ(DirectSellingGroup)このグループは、環境衛生用品のレンタル(マット、モップなど)や、ハウスクリーニング、家事代行、害虫駆除などのケアサービスを提供しています。売上高は1077.86億円、営業利益は57.21億円で、ダスキンの主力事業の一つであり、安定した収益基盤を形成しています。
- フードグループ(FoodGroup)ミスタードーナツを主力とし、ドーナツや飲茶の製造・販売、とんかつレストラン「かつアンドかつ」などの飲食店運営を行っています。売上高は667.42億円、営業利益は85.56億円で、訪販グループに次ぐ規模を持ち、特に利益面で貢献度が高い事業です。
- その他事業このセグメントには、フランチャイズ展開していない事務用機器・車両のリース事業、保険代理業、病院のマネジメントサービスなどが含まれます。また、クリーンサービスやドーナツ事業の海外展開部門もここに計上されており、事業の多角化と海外展開を担っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| DirectSellingGroup | 事業 | 1,078 | 57 | 5.3% |
| FoodGroup | 事業 | 667 | 86 | 12.8% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは、当社(株式会社ダスキン)、子会社38社及び関連会社4社により構成され訪販グループのダストコントロール商品のレンタル及びフードグループのミスタードーナツを主な事業内容とし、更にこれらに関連する事業活動をフランチャイズ方式を中心に展開しております。事業内容と当社及び関係会社等の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。なお、事業の区分は報告セグメントと同一であります。 区分主要会社名訪販グループ 環境衛生用品・清掃用資器材の賃貸化粧品等の製造・販売キャビネットタオルの賃貸環境衛生用品・トイレタリー商品の販売産業用ウエスの賃貸浄水器・空気清浄機の賃貸ハウスクリーニングサービス家事代行サービス害虫獣駆除・予防サービス樹木・芝生管理サービス住まいのピンポイント補修工場・事務所施設管理サービス高齢者生活支援サービスイベントの企画運営旅行用品・ベビー用品・レジャー用品・健康及び介護用品等の賃貸並びに販売ユニフォームの企画・販売・賃貸オフィスコーヒー等の販売鍵の駆けつけサービス等販売国内(株)ダスキンサーヴ北海道、(株)ダスキンサーヴ東北、(株)ダスキンサーヴ北関東、(株)ダスキンサーヴ南関東、(株)ダスキンサーヴ東海北陸、(株)ダスキンサーヴ近畿、(株)ダスキンサーヴ中国四国、(株)ダスキンサーヴ九州、(株)ダスキン沖縄、(株)ダスキン十和田、(株)ダスキン宇都宮、(株)ダスキン伊那、(株)ダスキン越前、(株)ダスキン八代、(株)ダスキン鹿児島、(株)ダスキンシャトル東京、共和化粧品工業(株)、中外産業(株)、(株)ナック製造販売国内当社、アザレプロダクツ(株)製造国内(株)和倉ダスキン、(株)小野ダスキン、(株)ダスキンプロダクト北海道、(株)ダスキンプロダクト東北、(株)ダスキンプロダクト東関東、(株)ダスキンプロダクト西関東、(株)ダスキンプロダクト東海、(株)ダスキンプロダクト中四国、(株)ダスキンプロダクト九州フードグループ ドーナツの製造・販売及び飲食物等の販売とんかつレストランの運営イタリアンレストランの運営その他料理飲食物の販売等販売国内当社、エムディフード(株)、エムディフード東北(株)、エムディフード九州(株)、(株)かつアンドかつ、(株)ボストンハウス製造販売国内(株)エバーフレッシュ函館その他 事務用機器及び車両のリース病院のマネジメントサービス保険代理業海外事業等販売国内当社海外楽清(上海)清潔用具租賃有限公司、楽清服務股份有限公司、統一多拿滋股份有限公司、Big Apple Worldwide Holdings Sdn.Bhd.販売その他国内ダスキン共益(株)その他国内(株)ダスキンヘルスケア、(株)JPホールディングス [訪販グループ]マット・モップ、キャビネットタオル、空気清浄機等の環境衛生用品・清掃美化関連商品のレンタルを主とする「クリーンサービス事業」を中核にして、プロのお掃除サービス「サービスマスター」、家事代行サービス「メリーメイド」、害虫獣駆除と総合衛生管理「ターミニックス」、緑と花のお手入れサービス「トータルグリーン」、住まいのピンポイント補修「ホームリペア」のケアサービス(役務提供)事業を、一般家庭と事業所のマーケット別に展開しております。クリーンサービス事業は、フランチャイズ方式による展開を基本としており、当社は加盟店に対してマット・モップ等のレンタルを行う他、環境衛生用品やトイレタリー商品、オフィスコーヒーや天然水等の販売を行っております。加盟店は、お客様に商品を一定期間レンタルし、期間経過後にお客様から回収して当社へ返却し、当社又は生産子会社等は、回収後の商品を洗浄等の再生加工を施した上で再製品化を行い、再度加盟店へ供給を行っております。ケアサービス(役務提供)事業は、フランチャイズ方式による展開を基本としており、当社は加盟店に対して薬剤・資器材等の販売を行うと共に、当社ブランドを使用した事業運営に関するノウハウ及び清掃技術を提供し、その対価としてロイヤルティを得ております。また、クリーンサービス事業、ケアサービス(役務提供)事業とも、一部の地域においては、当社直営の店舗又は関係会社を通して同様の仕組みでお客様へ商品を提供しております。その他、このグループは「ヘルス&ビューティ事業」等の化粧品事業、ご高齢者の暮らしのお手伝い「ライフケア事業」、イベントの企画運営やイベント用品・日用品のレンタル「レントオール事業」、介護用品・福祉用具のレンタルと販売「ヘルスレント事業」、ユニフォームのリース・販売とクリーニング「ユニフォームサービス事業」、鍵の駆けつけサービス「レスキューサービス事業」等で構成されております。 [フードグループ]飲食店の展開を目的とした事業グループであり、ドーナツ・飲茶等を販売する「ミスタードーナツ」が主体で、その他、とんかつレストラン「かつアンドかつ」、イタリアンレストラン「ナポリの食卓」等を展開しております。「ミスタードーナツ」は、フランチャイズ方式による店舗展開を基本としており、当社は加盟店に対してドーナツ等の原材料等の販売を行うと共に、当社ブランドを使用した店舗運営に関するノウハウ及び製造技術を提供し、その対価としてロイヤルティを得ております。また、一部の地域においては、当社直営の店舗又は関係会社の店舗にてドーナツ等の販売を行っております。 [その他]報告セグメントに含まれない事業で、国内でフランチャイズ展開を行っていない事業(主にフランチャイズ加盟店を対象とした事務用機器・車両等のリース事業及び保険代理業、病院のマネジメントサービス)及びクリーンサービス事業、ケアサービス(役務提供)事業、ドーナツ事業の海外部門並びに海外でのライセンス管理及び海外部門の原材料調達事業で構成されております。 以上の内容についての事業系統図は、次頁のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 市場動向、競合の状況、消費者の嗜好の変化や原材料等の高騰により影響を受ける。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | ブランド ダスキンブランドの確立を目指し、品質・環境対策を重視した研究開発に取り組んでいる。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:フランチャイズ加盟店との関係性 / 事業環境の変動(市場規模減少、競合、嗜好変化) / 製商品・食品の安全性に関する問題
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
ダスキンブランドは長年培われてきた認知度と信頼性を持つ。特に「ミスタードーナツ」や「ダスキン」の清掃・家事代行サービスは、消費者の間で一定の地位を確立している。しかし、特許や独占的IPによる明確な優位性は限定的。
スイッチングコスト★★☆☆☆
ダスキンが提供する清掃・家事代行サービスは、顧客が他のサービスに乗り換える際の直接的な金銭的損失は小さい。しかし、長年の利用による習慣や、担当者との信頼関係構築が乗り換え障壁となりうる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ダスキンが提供するサービスには、ユーザー数の増加がサービス価値を直接的に高めるネットワーク効果はほとんど見られない。
コスト優位★☆☆☆☆
フランチャイズ展開による店舗運営コストの最適化は一部見られるが、競合他社と比較して圧倒的なコスト優位性を確立しているとは言えない。人件費や資材費の上昇は収益を圧迫する可能性がある。
規模の経済★★☆☆☆
国内の清掃・家事代行サービス市場において一定のシェアを持つが、業界全体は多数のプレイヤーが存在する競争環境にある。規模の経済による圧倒的な優位性は限定的。
- 全国に広がるネットワークダスキンはフランチャイズ方式を基本とすることで、日本全国に広範なサービス網を構築しています。これにより、地域密着型のきめ細やかなサービス提供を可能にし、顧客との接点を増やしています。
- ブランドとノウハウ長年にわたり培ってきた「ダスキン」や「ミスタードーナツ」といった強力なブランド力と、清掃・衛生管理、店舗運営に関する豊富なノウハウが強みです。これにより、加盟店は安定した事業運営ができ、顧客は信頼性の高いサービスを期待できます。
- 多様なサービス展開環境衛生用品のレンタルから家事代行、飲食店の運営、さらには高齢者支援やイベント用品レンタルまで、幅広いサービスを提供しています。これにより、顧客の様々なライフステージやビジネスシーンに対応し、顧客基盤を強化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは創業時より、企業理念である「祈りの経営」のもと、世の中の人に喜ばれる「喜びのタネまき」を実践してまいりました。2024年3月期に創業60周年を迎え、また2025年3月期に長期戦略「ONE DUSKIN」を終えたことを機に、ここからの将来を見据え、変わる時代の中でも変わらぬ価値を届けていく未来の想いを込めパーパスとビジョンを2024年11月に策定しております。①パーパス変わる時代の中でも変わらぬ価値を届けていく未来への想い「人に社会に寄り添い、安心と喜びのある豊かな明日を創造します。」②ビジョンパーパス実現のための担うべき役割「人と人、人と社会、人と明日をつなぐ笑顔の環を届けます。」③バリュービジョン実現のための大切な価値観「想いを今、動かせ。」(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標パーパス、ビジョンの策定に合わせて、それらを実現するための長期戦略「Do-Connect」を同時に策定しております。①長期経営戦略「Do-Connect」人と人、人と社会、人と明日をつなぐ、これら3つのつながりで「喜びのタネまき」を実践し、パーパス・ビジョンの実現を目指すために、新たな事業への「新化」、周辺事業への「進化」、既存事業の「深化」への挑戦と挑戦する人材育成、並びに後押しする企業風土醸成に注力します。②「中期経営方針2028」2026年3月期~2028年3月期長期経営戦略「Do-Connect」の3つの「シン化」に、経済・社会価値創造の源(原動力)となる「経営基盤の強化」を加えた4つの経営テーマのもと、経営の根幹である「道と経済の合一」、すなわち社会価値と経済価値の両面において価値向上を目指し、「人と社会に寄り添い、安心と喜びのある豊かな明日の創造」を進めます。そのために、お客様との対面での関係性を大切にすると共に、それを支えるデジタル技術の向上にも努めてまいります。 長期経営戦略「Do-Connect」の第1フェーズに当たる2026年3月期を開始期とする「中期経営方針2028」を2025年5月15日に公表しております。 <目標(2028年3月期)> 連結売上高 207,800百万円 親会社株主に帰属する当期純利益 10,600百万円 ROE 7.0%以上 「中期経営方針2028」策定、並びに株主還元方針及び配当方針の変更に関するお知らせhttps://www.duskin.co.jp/ir/news/2025/pdf/20250515_03.pdf (3)対処すべき課題①経営環境の変化並びに経営課題の認識当社グループを取り巻く事業環境は、国内市場の成熟や人口構造の変化、生活様式や消費行動の多様化等を背景に、従来の延長線上での成長が見込みにくい局面を迎えております。加えて、原材料・エネルギー価格や人件費の上昇、慢性的な人材不足は、現場を起点とする当社グループの事業運営や収益構造に影響を及ぼしており、これまでの事業モデルや店舗・拠点運営の在り方についても、見直しが求められております。こうした環境下においては、サービス品質を下げることなく、人に過度に依存しない運営体制の構築や、より効率的且つ再現性の高いサービス提供の実現が、中長期的な成長に繋がると考えております。更に、持続的な成長を実現するためには、国内市場に留まらず、海外を含む新たな市場への展開にも目を向けていく必要があります。その際には、地政学的リスク等にも十分配慮しつつ、特定の地域や事業に過度に依存しない事業ポートフォリオを構築することで、成長機会の獲得と事業継続性の両立を図ることが重要であると考えております。以上を踏まえ、当社グループとしては、生活者との接点や提供価値の拡張、就労人口の減少下においても、持続可能な事業運営の実現、及び新たな企業価値創造を進めると共に、それらを支える経営基盤の強化が今後における重要な経営課題であると位置づけております。 ②経営課題に関する今後の取り組み訪販グループでは、今後も多様化するニーズにお応えすべく、注力領域である「ハウスメンテナンス領域」への取り組みを着実に推進してまいります。また、変化する事業環境に柔軟に対応可能な体制を構築するため、基幹システムの再構築を目指しております。なお、2026年4月からはタグラインを、従来の「衛生環境を整える」から、幅広い商品・サービスの提供に留まらず、新しいことへ挑戦し続ける姿勢を表明するものとして、「くらしに、新しいつながりを。」へと変更いたしました。フードグループでは、食べたその時だけではなく、食べ終わった後も、そのおいしさと喜びが、心に残り続けるような「おいしい想い出」をより多くのお客様にお届けするため、挑戦を積み重ねてまいります。その一環として、お客様との接点の強化を図ると共に、無理なく働ける店舗運営の実現を目指します。主力ミスタードーナツ事業では、更なるサービス品質の向上を目的として、各種省力化機器を順次導入してまいります。海外展開については、ミスタードーナツの中国華東地区(上海市、浙江省、江蘇省、山東省)展開において、2027年3月期中に1店舗目のオープンを予定しております。今後も積極的な海外戦略を実行していく計画であり、その他のアジア諸国への展開可能性についても検討を進めてまいります。経営基盤の強化では、経営(事業)戦略と人材戦略の連動を図る観点から、従業員一人ひとりの担う役割や責任、及び挑戦した成果について、KGI・KPIに基づく客観的且つ公正な評価を行い、貢献度に応じて適切に処遇へ反映する仕組みへの移行を進めております。加えて、従業員が自律的に学習し、思考・行動を通じて「喜びのタネまき」を継続的に実践できる組織風土の醸成を目的として人事制度を見直し、管理職から段階的に導入しております。また、DX推進の一環として、各組織単位で業務改革を推進できる人材の育成を進めると共に、デジタル技術を活用した業務プロセスの見直し・標準化・効率化を全社的に推進してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは創業時より、企業理念である「祈りの経営」のもと、世の中の人に喜ばれる「喜びのタネまき」を実践してまいりました。2024年3月期に創業60周年を迎え、また2025年3月期に長期戦略「ONE DUSKIN」を終えたことを機に、ここからの将来を見据え、変わる時代の中でも変わらぬ価値を届けていく未来の想いを込めパーパスとビジョンを2024年11月に策定しております。①パーパス変わる時代の中でも変わらぬ価値を届けていく未来への想い「人に社会に寄り添い、安心と喜びのある豊かな明日を創造します。」②ビジョンパーパス実現のための担うべき役割「人と人、人と社会、人と明日をつなぐ笑顔の環を届けます。」③バリュービジョン実現のための大切な価値観「想いを今、動かせ。」(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標パーパス、ビジョンの策定に合わせて、それらを実現するための長期戦略「Do-Connect」を同時に策定しております。①長期経営戦略「Do-Connect」人と人、人と社会、人と明日をつなぐ、これら3つのつながりで「喜びのタネまき」を実践し、パーパス・ビジョンの実現を目指すために、新たな事業への「新化」、周辺事業への「進化」、既存事業の「深化」への挑戦と挑戦する人材育成、並びに後押しする企業風土醸成に注力します。②「中期経営方針2028」2026年3月期~2028年3月期長期経営戦略「Do-Connect」の3つの「シン化」に、経済・社会価値創造の源(原動力)となる「経営基盤の強化」を加えた4つの経営テーマのもと、経営の根幹である「道と経済の合一」、すなわち社会価値と経済価値の両面において価値向上を目指し、「人と社会に寄り添い、安心と喜びのある豊かな明日の創造」を進めます。そのために、お客様との対面での関係性を大切にすると共に、それを支えるデジタル技術の向上にも努めてまいります。 長期経営戦略「Do-Connect」の第1フェーズに当たる2026年3月期を開始期とする「中期経営方針2028」を2025年5月15日に公表しております。 <目標(2028年3月期)> 連結売上高 207,800百万円 親会社株主に帰属する当期純利益 10,600百万円 ROE 7.0%以上 「中期経営方針2028」策定、並びに株主還元方針及び配当方針の変更に関するお知らせhttps://www.duskin.co.jp/ir/news/2025/pdf/20250515_03.pdf (3)対処すべき課題①経営環境の変化並びに経営課題の認識当社グループを取り巻く事業環境は、国内市場の成熟や人口構造の変化、生活様式や消費行動の多様化等を背景に、従来の延長線上での成長が見込みにくい局面を迎えております。加えて、原材料・エネルギー価格や人件費の上昇、慢性的な人材不足は、現場を起点とする当社グループの事業運営や収益構造に影響を及ぼしており、これまでの事業モデルや店舗・拠点運営の在り方についても、見直しが求められております。こうした環境下においては、サービス品質を下げることなく、人に過度に依存しない運営体制の構築や、より効率的且つ再現性の高いサービス提供の実現が、中長期的な成長に繋がると考えております。更に、持続的な成長を実現するためには、国内市場に留まらず、海外を含む新たな市場への展開にも目を向けていく必要があります。その際には、地政学的リスク等にも十分配慮しつつ、特定の地域や事業に過度に依存しない事業ポートフォリオを構築することで、成長機会の獲得と事業継続性の両立を図ることが重要であると考えております。以上を踏まえ、当社グループとしては、生活者との接点や提供価値の拡張、就労人口の減少下においても、持続可能な事業運営の実現、及び新たな企業価値創造を進めると共に、それらを支える経営基盤の強化が今後における重要な経営課題であると位置づけております。 ②経営課題に関する今後の取り組み訪販グループでは、今後も多様化するニーズにお応えすべく、注力領域である「ハウスメンテナンス領域」への取り組みを着実に推進してまいります。また、変化する事業環境に柔軟に対応可能な体制を構築するため、基幹システムの再構築を目指しております。なお、2026年4月からはタグラインを、従来の「衛生環境を整える」から、幅広い商品・サービスの提供に留まらず、新しいことへ挑戦し続ける姿勢を表明するものとして、「くらしに、新しいつながりを。」へと変更いたしました。フードグループでは、食べたその時だけではなく、食べ終わった後も、そのおいしさと喜びが、心に残り続けるような「おいしい想い出」をより多くのお客様にお届けするため、挑戦を積み重ねてまいります。その一環として、お客様との接点の強化を図ると共に、無理なく働ける店舗運営の実現を目指します。主力ミスタードーナツ事業では、更なるサービス品質の向上を目的として、各種省力化機器を順次導入してまいります。海外展開については、ミスタードーナツの中国華東地区(上海市、浙江省、江蘇省、山東省)展開において、2027年3月期中に1店舗目のオープンを予定しております。今後も積極的な海外戦略を実行していく計画であり、その他のアジア諸国への展開可能性についても検討を進めてまいります。経営基盤の強化では、経営(事業)戦略と人材戦略の連動を図る観点から、従業員一人ひとりの担う役割や責任、及び挑戦した成果について、KGI・KPIに基づく客観的且つ公正な評価を行い、貢献度に応じて適切に処遇へ反映する仕組みへの移行を進めております。加えて、従業員が自律的に学習し、思考・行動を通じて「喜びのタネまき」を継続的に実践できる組織風土の醸成を目的として人事制度を見直し、管理職から段階的に導入しております。また、DX推進の一環として、各組織単位で業務改革を推進できる人材の育成を進めると共に、デジタル技術を活用した業務プロセスの見直し・標準化・効率化を全社的に推進してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日、以下「当期」という。)における我が国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方、米国の関税政策による摩擦の継続や中東情勢の悪化を受け、エネルギー・原材料の供給動向に対する懸念が高まり、先行きは一層不透明となっております。 そのような環境の中、当社は、長期経営戦略「Do-Connect」の第1フェーズである「中期経営方針2028」(2026年3月期~2028年3月期)の1年目として、新たな事業への「新化」、周辺事業への「進化」、既存事業の「深化」と、それらを支える経営基盤の強化に取り組みました。訪販グループにおいては、新たに注力しているハウスメンテナンス領域の取り組みを進めました。レスキューサービス事業(鍵の駆けつけサービス)では、2028年3月期までに全国100拠点以上の展開を目指し、2026年1月から加盟店による稼働を開始しました。また社会価値創造に向けた取り組みでは、レントオール事業(日用品・イベント用品等のレンタル)において、「Rescue Training Module®」(建物倒壊現場等での救助活動を実践的に学べる訓練設備)のレンタルにより各地域の防災訓練で活用される等、防災・減災を通じた社会価値の向上と企業としての持続的な成長、双方の実現を目指した取り組みを進めました。フードグループにおいては、2025年1月に事業開始から55周年を迎えた主力のミスタードーナツが、新スローガン“いつもあるのに、いつもあたらしい。ミスタードーナツ”を掲げ、周年企画の展開等、更なるブランド価値向上への取り組みに注力しました。また、新規事業開発に向けた取り組みでは、冷凍宅配弁当の「nosh(ナッシュ)」等を運営するナッシュ株式会社と2025年7月に資本業務提携契約を締結し、発行済み株式の一部を取得、新たなサービス展開への検討を開始しております。一方で、政策保有株式の縮減に加え、意思決定プロセスの在り方を見直し権限委譲を進める等コーポレートガバナンスの強化にも取り組みました。サステナビリティの取り組みにつきましては、CO2排出削減の取り組みとして訪販グループにおける電気自動車(EV車)の導入と充電設備の設置を首都圏を中心に進めました。 当期の業績につきましては、全てのセグメントが増収となったことにより、連結売上高は前期から57億63百万円(3.1%)増加し1,945億54百万円となりました。利益面につきましては、訪販グループにおける原価率上昇影響があったものの、増収に伴う売上総利益の増加等により、連結営業利益は前期から14億79百万円(20.4%)増加し87億48百万円、連結経常利益も持分法による投資利益が増加したこと等により前期から22億67百万円(21.2%)増加し129億64百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、当期も政策保有株式の縮減を進めたものの、投資有価証券売却益が前期より減少したことに加えて、固定資産の減損損失を計上したこと等により、前期から3億72百万円(4.2%)増加の91億80百万円となりました。 (単位:百万円) 前 期(2025年3月期)当 期(2026年3月期)増 減 増減率 (%)連結売上高188,791194,5545,7633.1連結売上総利益83,54985,8442,2942.7連結営業利益7,2688,7481,47920.4連結経常利益10,69712,9642,26721.2親会社株主に帰属する当期純利益8,8089,1803724.2 <セグメント毎の状況>セグメント別売上高 (単位:百万円) 前 期(2025年3月期)当 期(2026年3月期)増 減 増減率 (%) 訪販グループ108,438111,2482,8102.6 フードグループ66,74768,9142,1673.2 その他16,48616,9714852.9 小計191,673197,1355,4622.8 セグメント間取引消去△2,882△2,581300- 連結売上高188,791194,5545,7633.1(注)各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおります。 セグメント別営業利益 (単位:百万円) 前 期(2025年3月期)当 期(2026年3月期)増 減 増減率 (%) 訪販グループ5,7215,639△82△1.4 フードグループ8,55610,0231,46717.1 その他5115796813.4 小計14,78916,2421,4539.8 セグメント間取引消去及び全社費用△7,520△7,49426- 連結営業利益7,2688,7481,47920.4(注)各セグメントの営業利益は、セグメント間の取引を含んでおります。 イ.訪販グループ訪販グループは、主力のクリーンサービス事業(ダストコントロール商品のレンタルと販売)が減収となったものの、ケアサービス事業(役務提供サービス)、その他の事業の増収により、売上高は前期から28億10百万円(2.6%)増加し1,112億48百万円となりました。一方営業利益は、2025年2月から発売を開始した「ケース付きモップクリーナー」(フランチャイズ加盟店に初めて出荷する際に原価を一括計上し、その後、レンタル契約に応じて月々の売上を計上する仕組みの商品)が計画を上回る出荷となったことで、原価が上昇したことを主因として、前期から82百万円(1.4%)減少し56億39百万円となりました。なお当社は、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」会場内清掃及び個別パビリオンの清掃や衛生商品の提供等を受注したことで、業績に寄与しました。 訪販グループ主力のクリーンサービス事業は、家庭向け、事業所向け共に減収となりました。家庭向けの売上を商品別に見ますと、「ケース付きモップクリーナー」、並びに「ペット用おそうじモップセット」が引き続き好調を維持したものの、主力商品であるモップ商品の売上は減少しました。しかし、新商品の「ファインバブル浄水シャワー」、並びに年末のお掃除セット「くらしキレイBOX」の売上が寄与したこと等により、家庭向け売上全体の減収幅は前期に比べて縮小しました。当期も新規顧客の獲得に向け営業専任活動に注力しました。事業所向けの売上においては、化粧室周り商品や抗ウイルス機能付帯商品等の高機能マットが堅調に推移したものの、マット商品全体の売上が減少したこと等により、事業所向けの売上全体では前期を下回りました。ケアサービス事業につきましては、「ホームリペア」(住まいのピンポイント補修)は減収となったものの、お客様売上増加に伴うロイヤルティ収入の増加に加え、新規導入したエアコン清掃用資器材の売上が寄与したこと等により全体では増収となりました。お客様売上では、「サービスマスター」(プロのお掃除サービス)の寄与が大きく、中でもエアコンクリーニングや事業所施設の日常清掃サービスが好調に推移しております。その他「メリーメイド」(家事代行サービス)、「ターミニックス」(害虫獣の駆除と総合衛生管理)、「トータルグリーン」(緑と花のお手入れサービス)、「ホームリペア」についても前期を上回りました。訪販グループその他の事業につきましては、イベントの受注が増加したレントオール事業、ヘルスレント事業(介護用品・福祉用具のレンタルと販売)、ライフケア事業(ご高齢者の暮らしのお手伝い)、化粧品関連事業、ユニフォーム関連事業、レスキューサービス事業も増収となりました。 ロ.フードグループフードグループは、主力事業であるミスタードーナツの全店合計お客様売上が増加し、原材料売上、ロイヤルティ売上が増加したこと等により、売上高は前期から21億67百万円(3.2%)増加し689億14百万円となりました。利益面につきましては、増収に伴い売上総利益が増加したことに加え、前期中の価格改定等により原価率が改善したこと等で、営業利益は前期から14億67百万円(17.1%)増加し100億23百万円となりました。 フードグループの主力であるミスタードーナツは、2024年末の「ミスド福袋」の販売数減少に伴う引き換えカード使用顧客の減少があったものの、前期の価格改定効果によるお客様単価の増加、新規出店による稼働店舗数の増加等により、全店合計お客様売上は前期を上回りました。第1四半期は宇治茶専門店「祇園辻利」とのコラボレーション商品や創業55周年を記念して開発した“もっちゅり食感”が特長の新食感ドーナツ「もっちゅりん」を発売しました。特に「もっちゅりん」はお客様から大きな反響を得て、売上増加に寄与しました。第2四半期は創業時から販売していた商品「ホームカット」を時代に合わせて改良し、55周年記念商品「ニューホームカット」として8月に発売しました。また、毎秋恒例の「さつまいもド」、栗のドーナツ「くりド」、人気菓子とコラボレーションした「MISDO HALLOWEEN×ブラックサンダー」等もお客様からの支持を得ました。第3四半期は秋冬商品として定着している「ポン・デ・ショコラシリーズ」を発売し、「ポケットモンスター」とのキャンペーンをクリスマス企画として展開しました。また年末年始恒例の「ミスド福袋」は55周年を記念し、ミスタードーナツの人気キャラクターである「ポン・デ・ライオンと仲間たち」や、ご要望の多かったイラストレーター原田治氏とのコラボレーション企画を盛り込む等、お客様への感謝を込めた企画として展開しました。第4四半期は「Mister Donut×GODIVA」や、お客様から再販売のご要望が多かった「ショコラフレンチシリーズ」を55周年記念商品として発売し高い評価を得ました。また、3月にはミスタードーナツ春の定番商品「桜もちっとドーナツ」を発売しました。フードグループのその他の事業につきましては、とんかつレストラン「かつアンドかつ」は減収、2024年1月に子会社化した株式会社ボストンハウスは、その主力業態であるイタリアンレストラン「ナポリの食卓」を中心に好調に推移したものの、前期は変則決算により、2024年1月から2025年3月までの15ヵ月分の実績を計上した影響により減収となりました。ハ.その他その他につきましては、売上高は前期から4億85百万円(2.9%)増加し169億71百万円、営業利益は前期から68百万円(13.4%)増加し5億79百万円となりました。国内連結子会社につきましては、ダスキン共益株式会社(リース及び保険代理業)が減収となったものの、株式会社ダスキンヘルスケア(病院施設のマネジメントサービス)は増収となりました。海外事業につきましては、中国でダストコントロール商品のレンタル・販売を展開している楽清(上海)清潔用具租賃有限公司は減収となりましたが、マレーシアを中心にドーナツ事業を展開しているBig Appleグループは、新規出店による店舗数増等により前期の売上を上回りました。海外向けの原材料等の売上につきましては、香港向けドーナツ原材料売上が増加した一方、台湾向けのドーナツ原材料、マット売上ともに減少したこと等により、海外事業全体では前期を下回りました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の209億85百万円から31億97百万円増加し241億83百万円となりました。各々のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。イ.営業活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、137億92百万円の資金収入(前期は166億83百万円の資金収入)となりました。その要因は、税金等調整前当期純利益129億48百万円、減価償却費73億67百万円、利息及び配当金の受取額21億42百万円等の資金増加要因に対し、法人税等の支払額47億75百万円、退職給付に係る資産又は負債の増減額21億85百万円、持分法による投資損益21億14百万円等の資金減少要因によります。ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、56億8百万円の資金支出(前期は50億74百万円の資金支出)となりました。その要因は、有価証券及び投資有価証券の取得による支出81億72百万円、無形固定資産の取得による支出51億92百万円、有形固定資産の取得による支出49億42百万円等の資金減少要因に対し、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入130億44百万円等の資金増加要因によります。ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、50億42百万円の資金支出(前期は107億53百万円の資金支出)となりました。その要因は、配当金の支払額52億79百万円等の資金減少要因によります。 ③生産、受注及び販売の実績イ.仕入実績 セグメントの名称 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 増減金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)増減率(%)訪販グループ31,18843.533,17344.41,9856.4フードグループ36,06650.337,04049.69732.7その他4,4246.24,4336.080.2合計71,679100.074,646100.02,9674.1(注)訪販グループでは生産を行っており、主なものは下記のとおりであります。(訪販グループにおける生産実績) 区分 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 増減回数(ワッシャー)構成比(%)回数(ワッシャー)構成比(%)回数(ワッシャー)増減率(%)マット1,126,54286.61,109,16386.8△17,379△1.5モップ140,64810.8135,65110.6△4,998△3.6ウエス23,7221.823,2181.8△503△2.1ロールタオル10,0610.89,3210.8△740△7.4合計1,300,973100.01,277,354100.0△23,619△1.8 ロ.受注実績該当事項はありません。 ハ.販売実績 セグメントの名称 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 増減金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)増減率(%)訪販グループ107,78657.1110,64356.92,8562.7フードグループ66,74235.468,90335.42,1603.2その他14,2627.515,0077.77455.2合計188,791100.0194,554100.05,7633.1(注)セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容イ.経営成績の分析(イ)全国チェーン店お客様売上フランチャイズ方式を中心に事業展開する当社は、国内外の直営店・子会社等及び加盟店推定売上の合計値である「全国チェーン店お客様売上(以下「お客様売上」という。)」の状況・推移を最も重要視しております。 当連結会計年度の全社ベースのお客様売上は、訪販グループ、フードグループ他、全てのセグメントで増加しました。お客様売上の約60%を占める訪販グループは、主力のクリーンサービス事業の売上が減少したものの、ケアサービス事業においては、サービスマスターの寄与が大きく、中でもエアコンクリーニングや事業所施設の日常清掃サービスが好調に推移しました。その他のケアサービス事業についても全て前期を上回りました。その他の事業につきましては、イベントの受注が増加したレントオール事業、介護用品のレンタル「ヘルスレント」等の売上が増加し、訪販グループ全体でもお客様売上は増加しました。フードグループは、引き続きお客様からの支持を得たミスタードーナツは、前期の価格改定効果によるお客様単価の増加、新規出店による稼働店舗数の増加等により、全店合計お客様売上は前期を上回りました。とんかつレストラン「かつアンドかつ」は減収となりました。2024年1月に子会社化した株式会社ボストンハウスは、主力業態であるイタリアンレストラン「ナポリの食卓」を中心に好調に推移しましたが、前期は変則決算(2024年1月から2025年3月までの15ヵ月分の実績を計上した)の影響により減収となりました。しかしながらミスタードーナツの増収が大きく寄与し、フードグループ全体のお客様売上は増加しました。海外の売上を含む「その他」セグメントにつきましても、病院等の施設の衛生管理サービスを展開する子会社である株式会社ダスキンヘルスケアの売上が増加しました。海外の訪販事業につきましては、上海のダストコントロール商品のレンタル・販売は減収となりましたが、台湾では、ダストコントロール商品のレンタル・販売と清掃等の役務サービスが好調に推移しました。海外のミスタードーナツ事業につきましては、新たに進出した香港が好調に推移し、台湾においても高単価の期間限定フェア商品が好調で前年を上回りました。また、マレーシアを中心にドーナツ事業を展開しているBig Appleグループは、新規出店による店舗数増等により前期のお客様売上を上回りました。 <全国チェーン店お客様売上推移> (単位:百万円) 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期訪販グループ265,659270,081267,783269,555273,273フードグループ95,031107,388126,729141,908147,114その他28,69834,30237,94142,59046,408合計389,388411,772432,454454,055466,795(注)全国チェーン店お客様売上には、一部、推定値が含まれております。 (ロ)収益性当社が収益性の指標として重要視しているROEの推移は以下のとおりであります。 <ROE推移> 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期ROE(%)5.54.83.05.85.9純利益(百万円)8,1327,1964,5898,8089,180自己資本(百万円)150,661151,360154,122151,197157,936(注)純利益:親会社株主に帰属する当期純利益 当連結会計年度は、増収に伴い売上総利益が増加したことや持分法による投資利益が増加した一方で、投資有価証券売却益が前期より減少したこと、固定資産の減損損失を計上したこと等により、ROEは前期から0.1ポイント上昇し5.9%となりました。当社は、「中期経営方針2028」におきましては、ROEの目標を「7%以上」としており、PBRの更なる向上を目指してまいります。ロ.財政状態の分析(イ)流動資産当連結会計年度末における流動資産残高は663億20百万円となりました。前連結会計年度末と比較して57億26百万円増加しております。その要因は、有価証券が32億3百万円、現金及び預金が14億円、受取手形、売掛金及び契約資産が6億10百万円増加したこと等であります。(ロ)固定資産当連結会計年度末における固定資産残高は1,439億67百万円となりました。前連結会計年度末と比較して12億42百万円増加しております。その要因は、退職給付に係る資産が25億95百万円、無形固定資産その他が14億59百万円増加したことに対し、投資有価証券が17億79百万円、土地が9億14百万円減少したこと等であります。(ハ)流動負債当連結会計年度末における流動負債残高は419億8百万円となりました。前連結会計年度末と比較して1億89百万円減少しております。その要因は、未払法人税等が16億55百万円減少したことに対し、流動負債その他が11億27百万円、未払金が3億76百万円増加したこと等であります。(ニ)固定負債当連結会計年度末における固定負債残高は100億82百万円となりました。前連結会計年度末と比較して4億3百万円増加しております。その要因は、繰延税金負債が17億60百万円増加したことに対し、退職給付に係る負債が7億24百万円、長期預り保証金が4億36百万円減少したこと等であります。(ホ)純資産当連結会計年度末における純資産残高は1,582億97百万円となりました。前連結会計年度末と比較して67億54百万円増加しております。その要因は、利益剰余金が39億3百万円、その他有価証券評価差額金が15億24百万円、退職給付に係る調整累計額が7億69百万円増加したこと等であります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当社グループの主な資金需要は、各事業の営業活動に必要な原材料・製商品の仕入、販売促進活動等の営業活動費用並びに工場設備の維持更新投資、店舗の出店・改装投資及び成長が見込まれる分野への投資等であります。これらの必要資金については、主として自己資金で賄っておりますが、機動性及び長期安定性の確保、企業価値向上に資する成長投資のため、金融機関からの調達も想定に含めております。株主に対する利益還元を経営の重要課題と位置付け、持続的な成長と企業価値向上のための投資や様々なリスクに備えるための財務健全性とのバランスを考慮した上で、業績に応じた利益配分を行うことを基本方針とし、毎期の普通配当額は、連結配当性向60%又は自己資本配当率(DOE)3.0%のいずれか高い額としております。また、災害等のリスク発生時には、当社グループの事業継続のための資金需要が見込まれます。このような不測の資金需要に対して資金調達の機動性を高めるため、主要取引金融機関とコミットメントライン契約を締結しております。今後も安定的な外部調達能力の維持向上のため、強固な経営基盤を維持しつつ、事業継続及び拡大に注力してまいります。<キャッシュ・フロー指標のトレンド> 2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)76.676.374.475.1時価ベースの自己資本比率(%)78.378.684.094.2キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.10.10.00.0インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)65,517.11,812,974.616,140.861,062.1(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により、それぞれ下記の算式により算出しております。自己資本比率 :(純資産-新株予約権-非支配株主持分)÷総資産時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額÷総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債÷営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー÷利払い2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。5.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
事業リスク
- フランチャイズ運営リスク事業の多くをフランチャイズ方式に依存しているため、加盟店との関係悪化やトラブル、加盟店の法令違反などがダスキン全体の事業やブランドイメージに悪影響を与える可能性があります。加盟店の理解や協力が得られない場合、新規施策の実行が遅れることもあります。
- 市場環境の変化リスク訪販グループの主要事業であるクリーンサービスは、使い捨て商品の普及や企業の経費削減意識の高まりにより、市場規模が減少傾向にあります。フードグループも消費者の嗜好変化や原材料価格の高騰により、収益が影響を受ける可能性があります。
- 法的規制と安全性リスクフランチャイズ運営に関する独占禁止法や、クリーンサービスでの水質汚濁防止法、フードグループでの食品衛生法など、多岐にわたる法的規制を受けています。これらの法令改正や違反が発生した場合、事業活動に制限が生じたり、企業の信用が低下したりする可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】以下におきまして、当企業集団(当社及び当社の子会社)の事業展開及びその他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。これらのリスクの可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。ただし、全てのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在します。係るリスク要因のいずれにおいても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)ビジネスモデル(フランチャイズ方式)に関するリスク①加盟店との関係性について当企業集団における事業展開は、主としてフランチャイズ方式を中心に展開しており、当企業集団及び加盟店の収益向上のために必要な新商品・サービスの開発・導入、新規出店、既存店の改装等の施策を計画、実施しておりますが、これら施策の実行には加盟店の理解・協力、資金負担等が必要な場合があり、加盟店の理解等を得られない場合には、計画の中止又は遅延の場合もあります。また、加盟店との間にトラブル等が発生した場合、加盟店の離脱、訴訟の発生又は、加盟店の法令違反、不祥事等により、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。 ②法的規制について当企業集団は、フランチャイズ方式による店舗展開に関して中小小売商業振興法、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)及び「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」(改正:2021年4月28日公正取引委員会)等の規制を受けております。従いまして、これらの法令等の改廃、新たな法令等の制定により、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。 (2)経営環境の変動リスク①事業環境について訪販グループの主要事業であるクリーンサービス事業は、家庭市場においては、使い捨て商品の普及等により、また、事業所市場においては、企業の経費削減意識の浸透等により、市場規模は減少傾向にあると推測しております。一方、同グループで展開するケアサービス事業は、家庭市場、事業所市場共にアウトソーシングニーズの増大による市場拡大を見込んでおります。クリーンサービス事業では、衛生領域商品の開発、販売チャネルの拡大、決済方法の多様化への対応、ケアサービス事業においては、同じく衛生領域商品の開発、新規加盟店の募集等により事業拡大を図っていく方針でありますが、各事業に関連する市場動向、競合の状況、お客様ニーズの変化等によって、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。フードグループの主要事業であるミスタードーナツ事業では、郊外・都市立地等への新規出店、利用動機や立地環境に応じた店舗の改装・再配置、時間帯別に応じたメニューや付加価値の高いメニューの開発、アジア市場への進出等により事業拡大を図っていく方針でありますが、市場動向、競合の状況、消費者の嗜好の変化や原材料等の高騰等により、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。 ②法的規制についてクリーンサービス事業の商品は洗浄工程等を経て複数回のレンタルを行っております。洗浄工程では薬剤と大量の水を使用しておりますが、当企業集団及び委託先では、薬剤の使用量削減と水の再利用等による環境負荷の低減に努めております。しかしながら、当企業集団又は委託先において水質汚濁防止法等の法的規制に違反する事象又は何らかの問題が生じる、或いは、環境保護に係る法的規制等が強化された場合、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。ケアサービス事業は、「化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)」等の法的規制を受ける場合があります。また、当企業集団で展開する事業は、食品衛生法、不当景品類及び不当表示防止法、中小受託取引適正化法の法的規制を受けております。従いまして、これらの法令等の改廃、新たな法令の制定、当企業集団の違反に対する行政指導等により、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。 (3)製商品の安全性に関するリスク①製商品の安全性について訪販グループで展開する事業では、環境衛生用品・清掃用資器材、キャビネットタオル、トイレタリー商品、天然水等のドリンク商品、家庭用電気製品、化粧品や健康食品等について安全性を確認した上でレンタル又は販売を行っておりますが、これら製商品に何らかの品質上の問題が発生した場合、当企業集団に対する信用の低下等により、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。 ②食品の安全性についてフードグループで展開する事業では、食品衛生法の改正に合わせ、国際標準の衛生管理手法であるHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point:危害分析重要管理点方式)の考え方を取り入れた衛生管理ガイドの整備、自主的に専門部門の検査機関を使った定期検査を実施する等、食品の安全性を確保するための社内体制を構築し、運用しております。しかしながら、当企業集団又は加盟店の店舗において食中毒が発生したり、食品衛生法等の法的規制に違反する事象が生じた場合、損害賠償金の負担の発生、これらの店舗の全部又は一部の営業停止や当企業集団に対する信用の低下等により、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。 (4)サービスの品質に関するリスク訪販グループで展開するライフケア事業の利用者は、主に高齢者等であり、サービス提供による不測の事故が起こる可能性もあります。事故の発生防止や緊急時対応等、教育研修による徹底的なスキルアップ、マニュアルの整備等に積極的に取り組んでおりますが、万一サービス提供中に事故等が発生し、過失責任が問われるような事態が生じた場合は、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。また、ケアサービス事業では、サービススタッフは一定の技能を必要とすることから、研修制度、ライセンス制度によりサービス品質の向上及び均一化を図っております。更に、サービスの提供に用いる資器材等については安全性を確認した上で、研修を受けたサービススタッフが用いることとなっております。しかしながら、サービススタッフが提供するサービスに瑕疵があった場合やサービスに用いる資器材等に何らかの問題が発生した場合、更に、これらのサービスを原因として健康被害等が発生した場合には、当企業集団への損害賠償請求や当企業集団に対する信用の低下等により、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。 (5)特定の製品の製造元に関するリスク当企業集団における主要製品については、製造技術に関する特異性等の観点から特定の関係会社及び外部企業に製品の製造、取引等を依存しております。これら製造業者の被災等の有事に早期復旧を可能とするため、複数購買・類似品代替品対応等の事前対策を講じております。しかしながら、予期せぬ天災地変等で製品の製造が困難になった場合は、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。 (6)自然災害・感染症に関するリスク当企業集団は、地震、台風、洪水、津波等の自然災害や気候変動に伴う異常気象等の災害に対して、発生時の損害を最小限に抑えるため、安否確認体制の構築、自然災害対応マニュアルの作成、事業継続計画の整備に努め、災害発生を想定した訓練を実施しております。しかしながら、日本全国に事業を展開していることから全ての被害や影響を回避することは困難であり、また、大規模な災害が発生し、被災地域における営業活動の停止、被害を受けた設備等の修復、電力・燃料・水等の供給停止が生じた場合は、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。また、新型ウイルス等の感染症拡大に対しては、お客様と従業員の安全を最優先に考え、国(政府・関係省庁)及び各都道府県等の方針に従うことを原則として対策を推進しております。 (7)情報セキュリティに関するリスク当企業集団及び加盟店は、事業運営に当たりお客様の個人情報を取得、利用しております。「個人情報保護規程」をはじめとする諸規程の制定、役員・従業員への研修の実施、加盟店を対象とした勉強会の開催、システムのセキュリティ対策等個人情報の管理体制を構築・運用しており、定期的に監査も実施しております。しかしながら、外部からのサイバー攻撃、マルウェア感染、標的型攻撃に加え、近年増加しているランサムウェア等によるサイバー脅迫行為により、システムへの不正アクセスやデータの暗号化・窃取、情報の暴露を伴う被害が発生する可能性があります。これらにより、個人情報の流出、業務停止、復旧対応費用の発生、更には金銭要求への対応等を余儀なくされる場合があります。このような重大なトラブルが発生した場合には、当企業集団への損害賠償請求や信用の低下等を招き、当企業集団の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(8)人材の育成と確保に関するリスク当企業集団では、あらゆるサービスの基本は、お客様を始めとする様々なステークホルダーに対して、人にしかできないホスピタリティを実践できる人材だと考え、さまざまな教育や研修を通じて人材の育成を進めております。また、新卒者の安定的採用や専門的知識・経験を持ち即戦力となる中途採用により、計画的に人材の確保を図っております。現時点では当企業集団の人事制度・教育制度により、必要な人材は確保されております。しかしながら、今後の労働市場の逼迫により人材の確保が困難になる、又は、優秀な人材が流出した場合には、競争力や効率性が低下し、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。 (9)海外展開に関するリスク当企業集団は、アジア圏の国と地域において、クリーンサービス事業及びミスタードーナツ事業等を展開しております。これらの国と地域において政治・経済の混乱及び想定していなかったテロ・労働争議の発生等といった障害に直面し、日本外務省からの現地退避勧告が発令された場合、若しくは身の危険を感じ、退避が必要と判断した場合には、速やかに日本若しくは近隣の安全な国・地域に退避を指示する方針です。また、法令や各種規制の制定若しくは改正がなされた場合、事業活動が期待どおりに展開できない可能性があります。こうした海外における障害に対しては、人事コンサルティング会社及び経理財務協力会社等から事前に情報提供を受けられるように、問合せ窓口を一覧表で管理し、案件毎にその回避策を講じてリスク管理に努めておりますが、完全に回避できるものではなく、リスクが顕在化した場合には、当企業集団の事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。