事業の概要
- メディア・コンテンツ事業テレビ放送(フジテレビジョン、仙台放送など)、ラジオ放送(ニッポン放送)を中核に、放送番組・映画・アニメ・イベントの制作、映像・音楽ソフトの販売(ポニーキャニオン)、音楽出版(フジパシフィックミュージック)、広告(クオラス)、通信販売(DINOS CORPORATION)、雑誌書籍の出版(扶桑社)、新聞発行(産業経済新聞社)など多岐にわたる事業を展開し、広範なメディアを通じて収益を得ています。
- 都市開発・観光事業ビル賃貸、不動産取引(サンケイビル)、イベント・内装、ビルマネジメント(サンケイビルテクノ)、ホテルリゾート運営(グランビスタホテル&リゾート)などを手掛けています。不動産の開発・賃貸やホテル運営を通じて、安定的な収益基盤を構築しています。
- 多角的な収益構造認定放送持株会社として、放送事業を基盤としつつ、コンテンツ制作から販売、広告、通信販売、さらには不動産や観光事業まで、幅広い分野で事業を展開しています。これにより、特定の事業に依存しない、バランスの取れた収益構造を確立しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- メディア・コンテンツ事業テレビ放送、ラジオ放送、番組制作、映像・音楽ソフト販売、広告、通信販売、出版、新聞発行など、多岐にわたるメディア関連事業を展開しています。売上高は4034.79億円ですが、営業利益は-40.85億円と赤字であり、事業構造改革が課題となっています。
- 都市開発・観光事業ビル賃貸、不動産取引、ホテルリゾート運営などを手掛ける事業セグメントです。売上高は1404.31億円、営業利益は244.9億円と、グループ全体の収益を牽引する重要な事業となっています。不動産からの安定収入と観光需要の取り込みが特徴です。
- 多角的な事業構成フジ・メディア・ホールディングスは、メディア・コンテンツ事業と都市開発・観光事業という大きく異なる二つの柱で構成されています。メディア事業の収益変動リスクを、都市開発・観光事業の安定的な収益で補完し、グループ全体のバランスの取れた成長を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| MediaAndContentReportableSegment | 事業 | 4,035 | -41 | -1.0% |
| UrbanDevelopmentHotelsAndResortsReportableSegment | 事業 | 1,404 | 245 | 17.4% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、㈱フジ・メディア・ホールディングス(当社)を認定放送持株会社として、子会社85社と関連会社50社で構成され、主として放送法に定める基幹放送や、配信、放送番組・映画・アニメ・イベント等の制作、映像・音楽ソフトの販売、音楽出版、広告、通信販売等のメディア・コンテンツ事業、ビル賃貸・不動産取引・ホテルリゾート運営等の都市開発・観光事業などを営んでおります。なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。各セグメントに属する主要な会社及び事業系統図は、次の通りであります。セグメント及び主な事業内容主要な会社◇メディア・コンテンツ事業 ・テレビ放送 ㈱フジテレビジョン ㈱仙台放送 ㈱ビーエスフジ ※関西テレビ放送㈱ ※日本映画放送㈱ ※㈱WOWOW・ラジオ放送 ㈱ニッポン放送 ・放送番組の制作等 ㈱共同テレビジョン ㈱フジアール ㈱フジクリエイティブコーポレーション ・映像・音楽ソフトの販売等 ㈱ポニーキャニオン ・音楽出版等 ㈱フジパシフィックミュージック ・通信販売 ㈱dinos ・広告 ㈱クオラス ・雑誌書籍の出版 ㈱扶桑社 ・新聞発行※㈱産業経済新聞社◇都市開発・観光事業 ・ビル賃貸・不動産取引㈱サンケイビル ・イベント・内装、ビルマネジメント等 ㈱サンケイビルテクノ ㈱サンケイビルマネジメント ㈱サンケイビルウェルケア ・ホテルリゾート運営 ㈱グランビスタホテル&リゾート◇その他事業 ・動産リース・商品販売等 ㈱ニッポン放送プロジェクト ・ソフトウェア開発 ㈱フジ・ネクステラ・ラボ ・レストラン・売店※㈱フジランド ・その他※伊藤忠・フジ・パートナーズ㈱ (注)※印は持分法適用関連会社であります。 (注) 上図は主要な連結子会社及び持分法適用関連会社について記載しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 放送事業の広告収入はCM枠販売価格と視聴率に左右されるが、多様な事業展開で補完。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 放送法に基づく認定放送持株会社としての認定、放送免許・電波法に基づく免許が必要。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:人権・コンプライアンスに関するリスク / メディア・コンテンツ事業の競争環境 / 都市開発・観光事業の景気変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 0 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
財務サマリに時系列データが未収録であり、具体的なブランド価値や特許、IPに関する情報が不足しているため、無形資産による競争優位性の評価は困難です。
スイッチングコスト☆☆☆☆☆
顧客がサービスを乗り換える際のコストに関する具体的な情報がなく、スイッチング・コストの存在を判断する材料が不足しています。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果に関する具体的なデータや事例が示されておらず、ユーザー数の増加がサービス価値向上に繋がる構造があるか不明です。
コスト優位☆☆☆☆☆
コスト構造に関する情報がなく、競合他社と比較して構造的に安価にサービスを提供できる優位性があるか判断できません。
規模の経済☆☆☆☆☆
事業規模や市場シェアに関する情報が不足しており、業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているか評価できません。
- 広範なメディア展開テレビ、ラジオ、映画、音楽、出版、新聞など、多岐にわたるメディアチャネルをグループ内に保有しており、多様なコンテンツを様々な媒体で展開できる点が強みです。これにより、幅広い層の視聴者や消費者にアプローチし、収益機会を最大化できる可能性があります。
- 強力なコンテンツ制作力フジテレビジョンをはじめとするグループ会社が、長年にわたり培ってきた放送番組や映画、アニメなどのコンテンツ制作ノウハウと実績は、同社の大きな競争優位性です。これにより、質の高いオリジナルコンテンツを生み出し、視聴者やユーザーの獲得に繋げています。
- 都市開発・観光事業メディア事業に加えて、ビル賃貸やホテル運営といった都市開発・観光事業を展開していることで、事業ポートフォリオの多様化と安定化を図っています。不動産からの安定収入や観光需要の取り込みにより、メディア事業の変動リスクを補完する役割を担っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、昨年5月に策定し順次アップデートしている「改革アクションプラン」に基づき、自己資本の適正規模への見直しや成長投資の拡大を掲げ、ROE8%目標の実現に向けた構造改革を進めております。加えて、㈱フジテレビジョン(以下「フジテレビ」)の事案による広告収入の落ち込みについても、概ね事案前の水準まで回復しつつあり、今後はさらなる収益拡大に向けた取り組みを強化してまいります。本年2月には、メディア・コンテンツおよび都市開発・観光の両事業の成長実現を目的に、㈱サンケイビルを中核とする都市開発・観光事業への外部資本導入の検討開始を決定し、オフバランスを通じた資本効率向上を図る方針とし、現在、具体的な検討を進めております。株主還元については、業績回復および外部資本導入による財務余力の向上を見据え、2026年3月期末配当を1株当たり100円とするとともに、2027年3月期および2028年3月期の年間配当を各200円へ大幅に拡充する予定です。また、本年2月には総額2,350億円の自己株式取得を実施しており、当面は自己資本を一定程度に抑制する方針です。こうした取り組みを進める中で、当社グループはROE目標の達成と持続的成長の実現に向けた具体的な成長戦略として、本年5月に「Group Vision 2026-2030 Ver.1.0」(以下「本ビジョン」)を公表いたしました。なお、本ビジョンについては、都市開発・観光事業における外部資本導入の確定後に、キャピタルアロケーションや数値目標をアップデートした「Ver.2.0」を改めて公表する予定です。 (1) IP・コンテンツを核とした成長戦略の推進本ビジョンにおいて、当社グループはグループ全体の経営ビジョンとして「好きでつながる明日をともに」を掲げました。お客様のコンテンツへの興味や共感から生まれる「好き」を起点に、人と人とが安心してつながる未来を生み出すことを目指し、「信頼性」「クリエイティビティ」「共創・共生」の3つの価値観を指針としています。当社が目指す事業構造は、従来の放送中心・放送起点のビジネスモデルから転換し、IP・コンテンツを起点として、創出から育成、多角展開、収益獲得に至るバリューチェーンの各領域の機能をグループ内で完結できる「一気通貫モデル」として備えることにより、IP価値の最大化を実現することにあります。各IPで生活者との接点を増やすことが「好き」の熱量を高め、生活者・ユーザーの皆様からのフィードバックを新たなIP創出につなげる「価値創出ループ」の確立を目指します。当社グループは、ドラマから映画、イベントなどへ展開する多角展開型IPの創出力や、地上波をはじめとするグループのメディアアセット連携によるIP育成力など、バリューチェーンの中でもいわゆる川中にあたる制作・ディストリビューション領域に強みを有しています。この強みを基軸に当該領域の機能強化を進めるとともに、収益の源泉となるIPを創出するバリューチェーンの川上と、市場規模が大きく多角展開による拡張余地の大きい川下を重点的に強化する方針です。川上にあたるIPの開発・獲得領域では、オリジナルIPの創出・獲得を推進するとともにAI技術も活用してニーズを分析・可視化し、ヒット確率の向上を図ります。あわせて、有力IPホルダーとの連携を一層深化させていきます。川中にあたる制作・ディストリビューション領域では、コンテンツ制作体制および人材の増強を通じてコンテンツの商品力を高めるほか、従来の番組の枠組みにとらわれない新たな映像制作領域を開拓し、多様な市場での収益獲得を可能とする体制を整備します。コンテンツ育成・拡張の核となる地上波放送については、有力な収益チャネルの一つとしてシェアの拡大を目指すとともに、AI/DXの活用による制作プロセスの強化・効率化を通じて利益創出力の底上げを図ります。さらに、川下にあたる多角展開領域では、成長期待の高いグッズ製造・販売事業やライブエンタテインメント・ファンダム関連事業などへ事業領域を拡張するとともに、グローバル展開を加速してまいります。これらの取り組みにより、川上から川下までの事業領域を一気通貫で束ねる機能を持つことで競争優位を確立し、クリエイターやパートナーの皆様から選ばれる独自のポジションを実現してまいります。これらの成長戦略を着実に推進するため、2030年度までに総額1,500億円規模の成長投資を実行する方針です。内訳は、川上の「IP開発・獲得」に200億円規模、川中の「制作・ディストリビューション強化」に500億円規模、川下の「IP多角展開」に800億円規模と想定しています。これにより2030年度には2025年度比で営業利益をテレビ放送の収益改善を含め660億円程度伸長させるとともに、ROEについても2030年度に6%、2033年度に8%の達成を目指します。 (2) 成長戦略を実行するためのグループ体制と人的資本戦略当社グループは、成長戦略を着実に実行するため、グループ全体の実行体制を抜本的に見直すとともに人的資本戦略を強化します。体制面では、フジテレビがIP・コンテンツビジネスにおける投資戦略を統括する役割を明確化する観点から、保有する放送用設備等の放送インフラアセットを当社へ移管し、当社はグループ共通のインフラ提供とハードアセットの最適化・活用を推進する方針です。また、フジテレビがグループの成長戦略を主導し、事業領域ごとに統括責任者を配置するとともに、グループ内の機能の集約・増強を進め、重点強化領域を中心にM&Aや資本提携を検討してまいります。あわせて、成長戦略の実行を支える人材基盤を競争力の源泉と位置付け、IPバリューチェーン各領域の中核人材の獲得・育成を中心に、2030年度までに累計150億円規模の投資を行う方針です。これらの取り組みにより推進体制を強化し、成長投資の実行力と成果創出力を高めることで、持続的な成長を支える経営基盤を確立してまいります。 (3) サステナビリティ経営の一層の推進当社グループは、人権尊重を経営の最優先課題としてサステナビリティ経営の一層の深化を図ります。当社社長を委員長、グループ各社社長を委員とする「グループ人権委員会」を継続的に開催するなど、トップコミットメントのもとでコンプライアンス意識の徹底を進めています。また、昨年8月には、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく苦情処理メカニズムとして、外部弁護士に委託した相談窓口を新たに開設しており、あらゆるハラスメントや人権侵害に迅速かつ適切に対応できる体制の整備・運用を継続してまいります。ガバナンス面では、外部有識者を含むリスク・ポリシー委員会による継続的なモニタリングや、グループ横断で運用する「リスクレジスター」を通じて、経営リスクの回避・軽減を実効性あるものとし、ステークホルダーから信頼される企業体を目指します。 なお、当社は、さらなる監督機能の強化と経営の透明性向上を目的として、本年6月からの指名委員会等設置会社への移行について、指名・報酬委員会および取締役会において慎重に検討を重ねてまいりました。その結果、当社の取締役会の過半数を独立社外取締役が占める構成であることや、独立社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会において指名・報酬にかかる客観性・透明性を確保していること等から、現時点においては現在のガバナンス体制を維持しつつ、その実効性を高めることが最善であると判断し、当該移行を見送ることといたしました。今後は、将来的な会社法改正等の法制度の動向を注視しつつ、当社にとって最適なガバナンス体制のあり方について、継続して検討を進めてまいります。 「Group Vision 2026-2030 Ver.1.0」につきましては、当社ホームページに掲載しております。[掲載ページ] https://www.fujimediahd.co.jp/ir/pdf/groupvision2026-2030_Ver1.pdf
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、昨年5月に策定し順次アップデートしている「改革アクションプラン」に基づき、自己資本の適正規模への見直しや成長投資の拡大を掲げ、ROE8%目標の実現に向けた構造改革を進めております。加えて、㈱フジテレビジョン(以下「フジテレビ」)の事案による広告収入の落ち込みについても、概ね事案前の水準まで回復しつつあり、今後はさらなる収益拡大に向けた取り組みを強化してまいります。本年2月には、メディア・コンテンツおよび都市開発・観光の両事業の成長実現を目的に、㈱サンケイビルを中核とする都市開発・観光事業への外部資本導入の検討開始を決定し、オフバランスを通じた資本効率向上を図る方針とし、現在、具体的な検討を進めております。株主還元については、業績回復および外部資本導入による財務余力の向上を見据え、2026年3月期末配当を1株当たり100円とするとともに、2027年3月期および2028年3月期の年間配当を各200円へ大幅に拡充する予定です。また、本年2月には総額2,350億円の自己株式取得を実施しており、当面は自己資本を一定程度に抑制する方針です。こうした取り組みを進める中で、当社グループはROE目標の達成と持続的成長の実現に向けた具体的な成長戦略として、本年5月に「Group Vision 2026-2030 Ver.1.0」(以下「本ビジョン」)を公表いたしました。なお、本ビジョンについては、都市開発・観光事業における外部資本導入の確定後に、キャピタルアロケーションや数値目標をアップデートした「Ver.2.0」を改めて公表する予定です。 (1) IP・コンテンツを核とした成長戦略の推進本ビジョンにおいて、当社グループはグループ全体の経営ビジョンとして「好きでつながる明日をともに」を掲げました。お客様のコンテンツへの興味や共感から生まれる「好き」を起点に、人と人とが安心してつながる未来を生み出すことを目指し、「信頼性」「クリエイティビティ」「共創・共生」の3つの価値観を指針としています。当社が目指す事業構造は、従来の放送中心・放送起点のビジネスモデルから転換し、IP・コンテンツを起点として、創出から育成、多角展開、収益獲得に至るバリューチェーンの各領域の機能をグループ内で完結できる「一気通貫モデル」として備えることにより、IP価値の最大化を実現することにあります。各IPで生活者との接点を増やすことが「好き」の熱量を高め、生活者・ユーザーの皆様からのフィードバックを新たなIP創出につなげる「価値創出ループ」の確立を目指します。当社グループは、ドラマから映画、イベントなどへ展開する多角展開型IPの創出力や、地上波をはじめとするグループのメディアアセット連携によるIP育成力など、バリューチェーンの中でもいわゆる川中にあたる制作・ディストリビューション領域に強みを有しています。この強みを基軸に当該領域の機能強化を進めるとともに、収益の源泉となるIPを創出するバリューチェーンの川上と、市場規模が大きく多角展開による拡張余地の大きい川下を重点的に強化する方針です。川上にあたるIPの開発・獲得領域では、オリジナルIPの創出・獲得を推進するとともにAI技術も活用してニーズを分析・可視化し、ヒット確率の向上を図ります。あわせて、有力IPホルダーとの連携を一層深化させていきます。川中にあたる制作・ディストリビューション領域では、コンテンツ制作体制および人材の増強を通じてコンテンツの商品力を高めるほか、従来の番組の枠組みにとらわれない新たな映像制作領域を開拓し、多様な市場での収益獲得を可能とする体制を整備します。コンテンツ育成・拡張の核となる地上波放送については、有力な収益チャネルの一つとしてシェアの拡大を目指すとともに、AI/DXの活用による制作プロセスの強化・効率化を通じて利益創出力の底上げを図ります。さらに、川下にあたる多角展開領域では、成長期待の高いグッズ製造・販売事業やライブエンタテインメント・ファンダム関連事業などへ事業領域を拡張するとともに、グローバル展開を加速してまいります。これらの取り組みにより、川上から川下までの事業領域を一気通貫で束ねる機能を持つことで競争優位を確立し、クリエイターやパートナーの皆様から選ばれる独自のポジションを実現してまいります。これらの成長戦略を着実に推進するため、2030年度までに総額1,500億円規模の成長投資を実行する方針です。内訳は、川上の「IP開発・獲得」に200億円規模、川中の「制作・ディストリビューション強化」に500億円規模、川下の「IP多角展開」に800億円規模と想定しています。これにより2030年度には2025年度比で営業利益をテレビ放送の収益改善を含め660億円程度伸長させるとともに、ROEについても2030年度に6%、2033年度に8%の達成を目指します。 (2) 成長戦略を実行するためのグループ体制と人的資本戦略当社グループは、成長戦略を着実に実行するため、グループ全体の実行体制を抜本的に見直すとともに人的資本戦略を強化します。体制面では、フジテレビがIP・コンテンツビジネスにおける投資戦略を統括する役割を明確化する観点から、保有する放送用設備等の放送インフラアセットを当社へ移管し、当社はグループ共通のインフラ提供とハードアセットの最適化・活用を推進する方針です。また、フジテレビがグループの成長戦略を主導し、事業領域ごとに統括責任者を配置するとともに、グループ内の機能の集約・増強を進め、重点強化領域を中心にM&Aや資本提携を検討してまいります。あわせて、成長戦略の実行を支える人材基盤を競争力の源泉と位置付け、IPバリューチェーン各領域の中核人材の獲得・育成を中心に、2030年度までに累計150億円規模の投資を行う方針です。これらの取り組みにより推進体制を強化し、成長投資の実行力と成果創出力を高めることで、持続的な成長を支える経営基盤を確立してまいります。 (3) サステナビリティ経営の一層の推進当社グループは、人権尊重を経営の最優先課題としてサステナビリティ経営の一層の深化を図ります。当社社長を委員長、グループ各社社長を委員とする「グループ人権委員会」を継続的に開催するなど、トップコミットメントのもとでコンプライアンス意識の徹底を進めています。また、昨年8月には、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく苦情処理メカニズムとして、外部弁護士に委託した相談窓口を新たに開設しており、あらゆるハラスメントや人権侵害に迅速かつ適切に対応できる体制の整備・運用を継続してまいります。ガバナンス面では、外部有識者を含むリスク・ポリシー委員会による継続的なモニタリングや、グループ横断で運用する「リスクレジスター」を通じて、経営リスクの回避・軽減を実効性あるものとし、ステークホルダーから信頼される企業体を目指します。 なお、当社は、さらなる監督機能の強化と経営の透明性向上を目的として、本年6月からの指名委員会等設置会社への移行について、指名・報酬委員会および取締役会において慎重に検討を重ねてまいりました。その結果、当社の取締役会の過半数を独立社外取締役が占める構成であることや、独立社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会において指名・報酬にかかる客観性・透明性を確保していること等から、現時点においては現在のガバナンス体制を維持しつつ、その実効性を高めることが最善であると判断し、当該移行を見送ることといたしました。今後は、将来的な会社法改正等の法制度の動向を注視しつつ、当社にとって最適なガバナンス体制のあり方について、継続して検討を進めてまいります。 「Group Vision 2026-2030 Ver.1.0」につきましては、当社ホームページに掲載しております。[掲載ページ] https://www.fujimediahd.co.jp/ir/pdf/groupvision2026-2030_Ver1.pdf
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。①財政状態及び経営成績の状況(経営成績の概況)当連結会計年度における業績に関しましては、㈱フジテレビジョンにおいて、第3四半期からは回復基調となったものの、第2四半期まで同社の事案の影響を大きく受け、地上波テレビ広告収入が大幅な減収となりました。一方、都市開発・観光事業は、保有・開発物件の売却や大型分譲マンションの販売が好調に推移し、一昨年6月にグランドオープンした神戸須磨シーワールドが通年で業績に寄与したほか、過去最高を更新し続ける旺盛なインバウンド需要を取り込んだ運営ホテルの稼働も順調に推移しました。この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、メディア・コンテンツ事業は減収、都市開発・観光事業は増収となり、全体では前年同期比0.2%増収の551,865百万円となりました。営業損益は、メディア・コンテンツ事業において、上記の減収に加え、㈱ポニーキャニオンのアニメ関連の構造改革を進める中でアニメ制作費用に係る評価損を計上した結果、減益となりました。一方、都市開発・観光事業は増益となりましたが、全体では前年同期から27,059百万円減少し、8,766百万円の損失となりました。経常損益は、受取配当金の増加等がある一方で支払利息の増加もあり、前年同期から27,988百万円減少し、2,807百万円の損失となりました。特別損益では、特別利益に投資有価証券売却益を計上したほか、特別損失では前期の固定資産の減損損失の大幅な反動減がありました。また、法人税等調整額において、当社及び一部の連結子会社において、業績回復に伴う将来の課税所得の見通し等を踏まえて繰延税金資産を計上した一方、都市開発・観光事業のオフバランスの検討を進めていることに伴い、同事業を構成する連結子会社への投資に係る将来加算一時差異について繰延税金負債16,706百万円を計上しました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期から26,633百万円増加し、6,499百万円となりました。 報告セグメントの業績の状況は以下の通りであります。 売 上 高セグメント利益又は損失(△)前連結会計年度当連結会計年度増減前連結会計年度当連結会計年度増減 (百万円)(百万円)(%)(百万円)(百万円)(%)メディア・コンテンツ事業404,376350,889△13.2△4,085△30,835-都市開発・観光事業140,990193,49537.224,49025,1852.8その他事業20,05726,68133.08761,42462.5調整額△14,661△19,200-△2,989△4,540-合 計550,761551,8650.218,293△8,766- (メディア・コンテンツ事業)㈱フジテレビジョンは、第3四半期以降は広告出稿の再開が続き回復基調となり下期は営業利益を計上したものの、同社の事案の影響による上期の業績の落ち込みが大きく、通期では減収となり前期に続き営業損失を計上しました。売上高のうち放送・メディア収入は、117,077百万円と前年同期比27.4%の減収となり、同事業の売上総利益は損失となりました。全国放送を対象とするネットタイムセールスは、上期を中心にレギュラー番組の広告出稿が減少したほか、単発番組において「ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック」の中継があったものの、前期の「パリ2024夏季オリンピック」や「MLBワールドシリーズ2024」等の大型イベントの規模に及ばず、反動減となったことで、売上高は34,366百万円で前年同期比36.5%の減収となりました。関東地区への放送を対象とするローカルタイムセールスは、6,143百万円で前年同期比34.3%の減収となりました。スポットセールスは、下期にかけて回復基調となったものの、上期を中心に事案の影響を受けたことにより、業種別で前年を上回ったものは19業種のうち「外食・各種サービス」「流通・小売業」「不動産・住宅設備」「情報・通信・放送」の4業種となりました。その結果、売上高は43,543百万円で前年同期比27.8%の減収となりました。また、民放公式テレビポータル「TVer」などを通じた配信広告セールスにおいても事案の影響による予約型広告の苦戦から、配信広告収入は前年同期比38.0%の減収となる5,212百万円となりました。一方、コンテンツ・ビジネス収入では、FOD課金収入が好調なデジタル事業収入及び「爆弾」等のヒット作による劇場収入に加え人気作品の二次利用権販売が寄与した映画事業収入が増収となり、前期の社屋イベントの反動減によるMD事業収入と催物事業収入の減収をカバーしました。その結果、同事業の売上高は56,623百万円で前年同期比7.0%の増収となり、売上総利益は増益となりました。以上により、㈱フジテレビジョン全体の売上高は、前年同期比18.9%減収の173,701百万円となり、利益面では放送・メディアの減益が大きく、前年同期から18,486百万円減少し32,515百万円の営業損失となりました。㈱ビーエスフジは、タイム収入、スポット収入ともに減少し放送事業は減収となりました。イベント事業についても前期に実施したイベントの反動減により減収となり、全体として減収減益となりました。㈱ニッポン放送は、タイム収入が好調で放送事業が増収となりましたが、前期に計上された大型イベントの反動減により減収減益となりました。㈱ポニーキャニオンは、音楽パッケージが前期の規模に及ばず、アニメのヒット作品数減少により配信が減収となったほか、イベント規模も前期に及ばず売上高は減収となりました。利益面ではアニメ関連の出資金償却の増加及びアニメ関連の構造改革を進める中でアニメ制作費用に係る評価損を計上したこともあり、営業損失を計上しました。㈱フジパシフィックミュージックは、主力の著作権使用料収入が堅調に推移したことに加え、原盤使用料収入やマネージメント収入も伸長し、増収増益となりました。㈱dinos(㈱DINOS CORPORATIONから2025年7月1日付にて商号変更)は、テレビ通販の深夜帯や特番の売上が好調に推移しましたが、カタログ通販の家具収納・リビング・美容健康・ファッション等の商材が振るわず、全体として減収となりました。利益面では、カタログ発行の効率化等による徹底した費用構造の改革を進め、増益となりました。㈱クオラスは、テレビの広告取扱い、マーケティング及びプロモーション事業やイベント関連の収入が好調で増収増益となりました。以上のとおり、メディア・コンテンツ事業は上期を中心に事案の影響を受けた㈱フジテレビジョンの減収減益が響き、全体の売上高は前年同期比13.2%減収の350,889百万円となり、利益面では前年同期から26,750百万円赤字幅が拡大し、30,835百万円のセグメント損失となりました。 中核子会社である㈱フジテレビジョンの経営成績等の推移は以下の通りです。 ㈱フジテレビジョン (単位:百万円、%表示は対前年同期増減率) 2024年3月期2025年3月期2026年3月期売上高238,2190.3%214,186△10.1%173,701△18.9% 放送収入147,348△8.1%123,750△16.0%84,053△32.1% ネットタイム63,551△8.2%54,117△14.8%34,366△36.5% ローカルタイム10,135△4.6%9,353△7.7%6,143△34.3% スポット73,662△8.5%60,280△18.2%43,543△27.8%営業利益又は営業損失(△)5,433△29.2%△14,029-△32,515- (都市開発・観光事業)㈱サンケイビルは、オフィスビル、ホテル、賃貸レジデンスの賃料収入が引き続き好調に推移したことや、保有・開発物件の売却及び大型分譲マンション販売の規模が前期を上回ったことにより、増収増益となりました。㈱グランビスタ ホテル&リゾートは、一昨年6月にグランドオープンした神戸須磨シーワールドが通年で業績に寄与したほか、旺盛なインバウンド需要もあり、インターゲートホテルシリーズをはじめとした運営ホテルの稼働も引き続き好調に推移し増収となりました。一方、利益面では、食材など各種原価の高騰や人件費の増加があり減益となりました。以上の結果、都市開発・観光事業全体の売上高は、前年同期比37.2%増収の193,495百万円となり、セグメント利益は同2.8%増益の25,185百万円となりました。(その他事業)その他事業全体の売上高は前年同期比33.0%増収の26,681百万円となり、セグメント利益は同62.5%増益の1,424百万円となりました。 持分法適用会社では、伊藤忠・フジ・パートナーズ㈱、日本映画放送㈱、㈱WOWOWなどが持分法による投資利益に貢献しました。 (財政状態の概況)当期末の総資産は1,464,728百万円となり、前期末比24,431百万円(1.7%)増加しました。流動資産は390,667百万円で、前期末比7,924百万円(2.0%)減少しました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が28,813百万円、棚卸資産が6,784百万円それぞれ増加した一方で、有価証券が41,439百万円減少したこと等によります。固定資産は1,074,060百万円で、前期末比32,356百万円(3.1%)増加しました。これは主に、投資有価証券が42,594百万円減少した一方で、土地が44,112百万円、建物及び構築物が15,944百万円、退職給付に係る資産が8,065百万円それぞれ増加したこと等によります。負債は903,260百万円で、前期末比292,987百万円(48.0%)増加しました。流動負債は423,652百万円で、前期末比236,712百万円(126.6%)増加しました。これは主に、短期借入金が208,372百万円、未払法人税等が11,861百万円、「その他」に含まれる未払金が9,055百万円それぞれ増加したこと等によります。固定負債は479,608百万円で、前期末比56,274百万円(13.3%)増加しました。これは主に、退職給付に係る負債が1,642百万円減少した一方で、長期借入金が53,866百万円、繰延税金負債が2,235百万円、社債が2,000百万円それぞれ増加したこと等によります。純資産は561,467百万円で、前期末比268,555百万円(32.4%)減少しました。これは主に、自己株式を249,045百万円取得した一方で、208,044百万円消却したことにより、自己株式は全体として40,891百万円増加したことに加え、資本剰余金が自己株式の消却等により139,991百万円、その他有価証券評価差額金が22,036百万円それぞれ減少したこと等によります。また、利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益6,499百万円を計上した一方で、資本剰余金の負の残高の振替により67,968百万円、剰余金の配当により10,522百万円それぞれ減少したことから、全体として71,926百万円減少しました。 ②キャッシュ・フローの状況当期における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。営業活動によるキャッシュ・フローは、前期の58,449百万円の収入から当期は341百万円の支出となり、前期比58,790百万円の支出増加となりました。これは、税金等調整前当期純利益が40,028百万円の増加、「その他」の中に含まれる未払金の増減額が7,043百万円、未払費用の増減額が6,024百万円それぞれ支出減少となった一方で、売上債権の増減額が54,105百万円の収入減少、投資有価証券売却益が42,981百万円の増加、減損損失が25,173百万円の減少、棚卸資産の増減額が3,811百万円の収入減少となったこと等によります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前期の37,492百万円の支出から当期は117百万円の収入となり、前期比37,610百万円の収入増加となりました。これは、有価証券の売却及び償還による収入が122,052百万円減少し、有形固定資産の取得による支出が37,076百万円増加した一方で、有価証券の取得による支出が140,163百万円減少し、投資有価証券の売却及び償還による収入が48,703百万円増加したこと等によります。財務活動によるキャッシュ・フローは、5,641百万円の収入となり、前期比3,178百万円(129.0%)の収入増加となりました。これは、自己株式の取得による支出が234,162百万円、長期借入金の返済による支出が31,912百万円それぞれ増加した一方で、短期借入金の純増減額が227,655百万円の収入増加となり、長期借入れによる収入が37,100百万円、社債の発行による収入が2,000百万円それぞれ増加したこと等によります。上記の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、128,936百万円となり、前期末に比べ5,823百万円(4.7%)の増加となりました。 (参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)59.760.659.256.837.3時価ベースの自己資本比率(%)19.519.229.636.8 38.9キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)5.14.56.86.1 -インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)35.843.827.322.2- (注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。※ キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。※ 2026年3月期は、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオを記載しておりません。 ③生産、受注及び販売の実績(a) 生産実績該当事項はありません。 (b) 受注実績該当事項はありません。 (c) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)メディア・コンテンツ事業350,889△13.2都市開発・観光事業193,49537.2その他事業26,68133.0調整額△19,200-計551,8650.2 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)㈱電通68,80512.545,2518.2㈱博報堂41,1327.526,4704.8 (注) ㈱博報堂と㈱博報堂DYメディアパートナーズは2025年4月1日をもって経営統合し、㈱博報堂となっております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等については、(1)経営成績等の状況の概要に記載の通りです。当連結会計年度においては、子会社㈱フジテレビジョンで発生した事案の影響により、上期を中心に地上波テレビ広告収入が大幅に減少したことが連結全体の収益性に大きな影響を与えました。都市開発・観光事業では大幅な増収を記録したものの、メディア・コンテンツ事業での地上波テレビ広告収入減、ならびに㈱ポニーキャニオンにおけるアニメ関連事業の構造改革に伴う評価損の計上等による利益の減少が大きく、連結全体では8,766百万円の営業損失を計上しました。計画対比では、メディア・コンテンツ事業において、当初想定していた地上波テレビ広告収入の回復が上期には十分に進まず、第3四半期以降は広告出稿の再開が続き回復基調となったものの、通期で期初計画を下回る結果となりました。一方、都市開発・観光事業は保有・開発物件の売却や大型分譲マンション販売の順調な進捗、ならびに旺盛なインバウンド需要を背景とする観光事業の好調を受け、当初計画を上回る水準で推移しました。連結業績では、メディア・コンテンツ事業の営業損失の影響が大きく、期初計画を下回る結果となりました。当社では、事案の影響による経営状況の悪化を受けて、昨年5月以降段階的に「改革アクションプラン」を公表し、人権尊重を最優先に、人的資本経営の推進とガバナンス改革を実行することで、経営体制の抜本的な見直しを進めてまいりました。さらに本年5月には、「改革アクションプラン」の内容を大幅に更新した「Group Vision 2026-2030 Ver.1.0」を公表し、早期の収益性回復を図るとともに、グループの新たな成長戦略に基づく事業改革を進めております。また、資本政策に関しては、「自己資本水準の適正化」「成長投資の強化」「株主還元の拡充」を一体的に推進する方針のもと、当連結会計年度では約494億円の政策保有株式売却を実施しました。今後は2027年度末までに累計1,000億円超を売却し、その後もさらなる縮減を目指してまいります。 (セグメント区分別の分析)(メディア・コンテンツ事業)メディア・コンテンツ事業の経営成績等の状況に関する認識については、(1)経営成績等の状況の概要に記載の通りです。当連結会計年度においては、㈱フジテレビジョンにおける事案の影響を受け、上期を中心に地上波テレビ広告収入が大幅に減少したことから、セグメント全体としては減収減益となりました。第3四半期以降は広告出稿に回復の兆しが見られたものの、通期では営業損失を計上する結果となっております。一方で、配信プラットフォーム「FOD」における課金収入や、映画事業におけるヒット作品、海外番販や二次利用権販売等のコンテンツ・ビジネスは堅調に推移しており、当社が中長期的な成長領域と位置付けている「IP・コンテンツを核としたビジネス」は着実に拡大しております。今後は、「Group Vision 2026-2030 Ver.1.0」に基づき、地上波テレビ広告収入を主たる収益源とする従来の事業構造から、IP・コンテンツを起点に、IP創出から育成、多角展開までを一気通貫で実現させる事業体制への本格的な転換を進めてまいります。地上波放送については、IP育成・拡張の中核エンジンとして再定義し、収益力と効率性の向上を目指します。 (都市開発・観光事業)都市開発・観光事業の経営成績等の状況に関する認識については、(1)経営成績等の状況の概要に記載の通りです。当連結会計年度においては、㈱サンケイビルにおける不動産賃貸収入が引き続き堅調に推移したほか、保有・開発物件の売却や大型分譲マンション販売の進捗が業績に寄与しました。また、㈱グランビスタホテル&リゾートでは、神戸須磨シーワールドの通年での寄与に加え、旺盛なインバウンド需要を取り込み、運営ホテルの稼働も高水準で推移したことから、売上高は大幅に増加しました。原材料価格や人件費の上昇などにより一部コスト増加要因はあったものの、セグメント全体では安定した利益水準を維持しました。都市開発・観光事業については、本年2月に公表した通り、当社グループにおける各事業の持続的成長と資本効率の向上を両立させる観点から、外部資本の導入およびオフバランス化の検討を進めております。本事業は、安定的な営業キャッシュ・フロー創出力を有する一方で、資産規模が大きく、連結全体での自己資本を押し上げる要因となっていることから、資本構成を適切に見直すことが中長期的な企業価値向上につながると判断しております。外部資本導入の具体的な手法、時期および規模等については現時点で未確定ですが、当社グループ全体のキャピタルアロケーションを最適化する観点から、慎重に検討を進めてまいります。 (その他事業)その他事業の経営成績等の状況に関する認識等については、(1)経営成績等の状況の概要に記載の通りです。 ② 資本の財源及び資金の流動性に関する情報(財務戦略の基本的な考え方)当社グループは、グループ各社の持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指すため、健全な財務体質と資本効率の向上を両立させながら、成長分野への投資を推進し、株主還元の充実を図っていくことを財務戦略の基本方針としています。メディア・コンテンツ事業の中核をなす㈱フジテレビジョンは、事業上のリスクにより大幅な収入減が長期間生じた際にも、社会的なインフラとして放送を継続する役割を担っており、それを可能とする強固な財務体質と十分な手元流動性の確保が必要です。前期に発生した一連の事案を受けて、㈱フジテレビジョンの放送収入は減収となりましたが、当社における政策保有株式の売却が寄与し、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は連結で128,936百万円と十分な手元流動性を確保しており、日々の資金繰り管理によるモニタリング強化を図っております。都市開発・観光事業では、様々なアセットタイプへの戦略投資のほか、国内旅行やインバウンド需要が旺盛な観光需要をさらに取り込むための成長投資資金の確保が必要になると考えております。自己資本比率、有利子負債残高、ROE等の指標を注視して、一定の財務健全性を確保しながら資本効率を高め、グループ全体の企業価値向上に努めてまいります。(資金需要の内容)当社グループの資金需要は、営業活動に関わる支出として、放映権の取得費用、番組制作およびIP開発のための人件費、外注費、著作権等の使用料、通信販売商品の仕入、新規不動産の取得ならびに開発費、既存ビルの設備改修ほか、販売費及び一般管理費(代理店手数料、宣伝広告費、人件費等)があります。また投資活動に関わる支出として、コンテンツ制作力の増強を図るための放送用設備・機器等の設備投資、次世代映像制作技術・ツール等のAI・DX投資、メディア戦略強化のための投資資金、グループの資本政策に伴う株式の取得資金等があります。(資金調達)当社グループの事業活動を維持し拡大していくためには資金の安定的な確保が求められますが、そのために内部資金を中心に、中長期的な財務の健全性、最適な資本構成や資本コストを意識しながら外部資金も有効に活用しております。直近では2026年2月に自己株式の取得資金として金融機関から230,000百万円の短期資金を調達しました。また、2023年12月には20,000百万円の社債を発行し、長期安定資金を調達しました。更に機動的な資金調達を可能にするために50,000百万円の社債発行登録枠を確保、維持することで今後の資金調達に効果的に活用して参ります。都市開発・観光事業では建物及び土地の調達にあたり、一定の財務規律の下、金融機関からの借入を活用しています。また、環境問題への取り組みとして、借入条件がCARBON HALF(2030年度までに2013年度比でScope1・2のCO2総排出量50%削減)中間目標の達成状況と連動したサステナビリティ・リンク・ローンによる借入を実行しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループにおいて、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えている会計上の見積りに係る項目は、以下の通りであります。なお、会計上の見積りに係る項目のうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響に重要性があると判断しているアニメ制作に係る流動資産のその他(前払費用)の評価及び棚卸資産の評価につきましては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に算出方法や主要な仮定等の詳細を記載しております。(繰延税金資産)当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の検討にあたり、課税主体ごとに将来の課税所得を合理的に見積もり、回収可能性がないと判断した部分については評価性引当額を計上しております。将来の課税所得の見積りは、当連結会計年度末時点で予測可能な合理的な将来課税所得見込額とタックスプランニングに基づいておりますが、今後の業績の変動により見積りと実績が乖離する可能性があります。この場合、繰延税金資産の取崩等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼすことが考えられます。(退職給付に係る資産及び負債)当社及び一部の連結子会社では確定給付型の退職金制度を採用しており、退職給付債務算定において原則法を採用しています。退職給付債務算定における数理計算は、割引率、退職率、死亡率、予想昇給率などの計算基礎に基づいており、割引率は安全性の高い債券の利回りを基礎として決定しております。また、年金資産の長期期待運用収益率は、年金資産が退職給付の支払に充てられるまでの時期、保有している年金資産のポートフォリオ、過去の運用実績、運用方針及び市場の動向等を考慮して決定しております。これらの前提条件の見積りと実績の差異は、数理計算上の差異として計上され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼすことが考えられます。(固定資産の減損)固定資産の減損損失計上の検討において、都市開発・観光事業においては原則として個別の物件ごとに、または管理会計上の事業所区分別にグルーピングを行っております。回収可能価額の算定にあたり、当連結会計年度末時点で予測可能な合理的な将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等を見積もっておりますが、今後の業績や事業環境の変動により見積りと実績が乖離する可能性があります。この場合、追加の減損損失計上が必要になるなど、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼすことが考えられます。
事業リスク
- 人権・コンプライアンス事業活動における人権侵害や法令違反、社会的規範からの逸脱行為が発生した場合、企業の社会的信用が著しく損なわれるリスクがあります。実際に子会社での事案により広告収入が大幅に減少し、連結業績に悪影響が出たため、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
- メディア事業の競争激化インターネットでの動画・音楽配信や動画広告の拡大により、生活者のコンテンツ接触方法が多様化・細分化しています。これにより、既存メディアの接触時間が減少し、媒体価値が低下した場合、広告収入の減少などにより業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 景気変動と不動産市況メディア・コンテンツ事業の広告収入は景気変動に左右されやすく、都市開発・観光事業は不動産市況や旅行需要の影響を受けやすい特性があります。景気悪化や大規模災害、感染症拡大などにより、これらの事業の収益が減少し、業績に負の影響が生じる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要リスクは、以下の通りであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 人権・コンプライアンスに関するリスク当社グループは、事業活動における人権の尊重及びコンプライアンスの確保を経営上の最重要課題の一つと位置付けております。しかしながら、将来において重大な人権の侵害や法令違反、または社会的規範や倫理から逸脱する行為等が発生した場合には、当社グループの社会的信用が著しく毀損される可能性があります。また、その結果として、顧客や視聴者・ユーザーの皆様や広告主をはじめとするお取引先の皆様などの信頼を損ない、業績に重大な影響を及ぼすおそれがあります。前期に当社子会社である㈱フジテレビジョンにおいて発生した人権・コンプライアンスに関する事案では、実際に当該リスクが顕在化いたしました。その結果、㈱フジテレビジョンの広告収入が大幅に減少したことを受けて、連結業績は減益となり、当社グループに重大な影響を及ぼすこととなりました。当該リスクに関して、当社グループでは、2025年4月に取締役会・グループ社長会においてグループ各社のコンプライアンス事案の報告を必須化するとともに、同年5月には当社社長を委員長、人権分野を専門とする弁護士を副委員長とする「グループ人権委員会」の活動を開始し、同年9月には「グループ人権方針」を改定いたしました。また、同年7月に独立性の高い社外出身の取締役をトップに外部有識者を交えた「リスクポリシー委員会」を設置し、客観的な視点からリスクの抽出・評価・方針策定を行い、人権リスクをはじめとする重要な経営リスクをグループ横断で監督する体制を構築いたしました。引き続き、人権デューデリジェンスの継続的な実施と、実効性のある人権救済メカニズムの構築を進めてまいります。あわせて、人権の尊重を最優先としたうえで、人材の価値を最大限に引き出す人的資本経営を推進するとともに、従業員の「心理的安全性」を高めるための職場環境整備や研修、ガイドラインの策定とその徹底にも積極的に取り組んでまいります。 (2) メディア・コンテンツ事業に関するリスク①景気変動等による影響当社グループのメディア・コンテンツ事業の中核である放送事業の売上高の多くはCM枠の販売による広告収入で構成されています。今後、景気変動のほか大規模災害や感染症の拡大、海外有事その他の様々な要因に基づき国内景気が悪化するなどして国内の総広告費が減少した場合、CM枠の販売価格を決定する上で重要な要素である視聴率が低下した場合、そのほか当社グループの他のメディア及びコンテンツ関連事業において景気悪化等の影響が波及した場合には、当社グループの業績等に負の影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに関して、当社グループでは、今後もコンテンツのラインナップの一層の充実とともに、様々なメディアや販路を通じて、当社グループが提供するコンテンツやサービスの領域を拡げ、ビジネス圏の拡張を図る方針としております。当社グループは過度に広告収入からの収益に頼ることなく、多様な事業を展開して持続的なグループの成長を目指していく方針です。②メディア・コンテンツ事業を取り巻く競争環境昨今、インターネットでの動画配信や音楽配信、動画広告が飛躍的に拡大し、生活者のコンテンツへの接触方法の多様化・細分化が加速しています。こうした環境変化により、生活者による既存のメディアへの接触時間が減少し、媒体価値が低下した場合には、当社グループの業績等に負の影響が生じる可能性があります。当該リスクに関して、当社グループでは、㈱フジテレビジョンを地上波広告収入が中心のメディア企業から、コンテンツから多様な収益を得ていく「コンテンツカンパニー」へと進化させ、コンテンツを基軸に、地上波だけでなく、配信デジタル事業・映画など多様な収益機会を得る事業構造への抜本的な改革を進めていく方針です。また、メディア・コンテンツ・セグメント全体で、コンテンツIPの開発・取得や配信関連ビジネスに注力し、中長期的に成長が期待できる分野や競争力を有するビジネス領域に集中的に経営資本を投下してまいります。さらに新しいウェブメディアの開発や、海外マーケットへの進出も加速させ販路の拡大を図ります。 ③著作権など知的財産権について当社グループでは、テレビ番組などのコンテンツの放送・配信等を行うにあたって、著作物、レコード、実演をはじめ、多様な権利処理に真摯に取り組む必要があります。万が一、当社グループが著作権者等に対して不適切な対応を行った場合には、放送・配信等の差し止めや損害賠償請求等により、当社グループの業績等に負の影響が生じる可能性があります。当社グループは他者の著作権・著作隣接権などを侵害することのないよう権利処理に真摯に取り組むほか、著作権や権利処理に関する社員教育にも引き続き注力してまいります。また、ビジネスの核となる「コンテンツ」の価値を守るため、知的財産の適切な保護・管理に努めています。㈱フジテレビジョンでは、番組コンテンツの無許諾アップロードや海賊版DVD販売などの著作権侵害行為の監視・削除要請等を行っています。 (3) 都市開発・観光事業に関するリスク都市開発・観光事業は、景気変動のほか大規模災害や感染症の拡大その他の様々な要因に基づく景気動向の影響を受けやすく、都市開発事業の中核事業であるビル事業・資産開発事業・住宅事業は、国内経済情勢と連動した不動産市況の動向によっては、空室の発生・賃料水準の下落及び販売価格の下落により当社グループの業績等に負の影響が生じる可能性があります。また、観光事業においても、景気の悪化等によるインバウンドを含む旅行・観光需要の減少、国際情勢の変化等により利用客が減少し、当社グループの業績等に負の影響が生じる可能性があります。当該リスクに関して、本事業の中核であるビル事業・資産開発事業・住宅事業では、一定の財務規律のもとで、資産の開発や売却、さらにはREITを活用した保有資産リスクの分散化など経営環境に応じた保有資産の見直し等によりリスクを適切にコントロールしております。なお、当社グループは、メディア・コンテンツ及び都市開発・観光の両事業の成長実現を目的に、㈱サンケイビルを中核とする都市開発・観光事業への外部資本導入の検討開始を決定し、現在、具体的な検討を進めております。本施策は速やかな実現を目指しておりますが、現時点において実施時期は未定です。また、最終的な導入の形態等によっては、当該事業が当社グループの連結業績に与える影響度が大きく変動する可能性があります。 (4) 設備投資及び投資等について当社グループは、持続的な成長を促進していくために、適切な設備投資及び投資を継続し、当社グループ事業の強化を図る方針ですが、投資額に見合う十分な利益を確保することができない可能性もあります。当該リスクに関して、当社グループでは、設備投資及び投資について専門部局をメンバーとする会議体や専門部署等を配するなどして、専門的見地から検討を進めることとしております。なお、大型の出資・投資案件については、経営会議にも付議し、取締役会でも決議を行う等、複数のチェック体制を確保し、慎重かつ多角的に検討する仕組みとしております。 (5) 当社グループ事業に対する法的規制に関するリスク当社は、放送法に基づく認定放送持株会社として総務大臣の認定を受けております。認定放送持株会社の認定には放送法で定める要件に適合する必要があり、当該要件に適合しなくなった場合は、認定を取り消される可能性があります。また、当社グループの中核事業である放送事業では、放送法・電波法に基づく放送免許又は認定を受け、事業を行っております。仮に法令に基づく認定若しくは放送免許の取消し等の処分を受けた場合又は再免許を受けることができなかった場合は、当社グループの業績等に負の影響を及ぼす可能性があります。当社では、要件や認定条件への適合状況についてモニタリングとチェック体制を強化し適切な運用を図るよう努めております。当社グループでは、グループ経営に重要な影響を与える法的な問題及びリスクに対しては、グループコンプライアンス等規程に基づき、取締役及び使用人等の法令順守について適切な体制を構築しております。また、当社では内部監査規程に基づき、当社の内部監査部門が、当社グループのコンプライアンスの状況を定期的に監査しております。 (6) 大規模災害等による事業継続に関するリスク大規模災害等により、当社グループの中核である放送事業において、番組を放送するために使用している放送機材及び放送施設に障害が発生した場合や、その他イベントや映画における興行の中止や減少、通信販売事業、映像音楽事業などにおける商品等の製造、調達や流通への被害、都市開発・観光事業における保有・開発資産の毀損等が発生した場合には、当社グループの業績等に負の影響が生じる可能性があります。当該リスクに関して、当社グループでは、放送設備等に障害が発生した場合でも、バックアップ用放送設備または放送用リース設備の代替システムの利用等により放送を継続する仕組みを備えております。ただし、既存対応では対処しきれない自然災害が発生した場合等は、放送を長期間停止するリスクが想定されます。なお、当社グループでは、年に数回、安否回答確認訓練やBCP訓練を定期的に開催し、平常時から防災意識の向上と連絡体制の確認に努めております。 (7) 気候変動に関するリスク当社グループでは、気候変動を環境・社会、ひいては事業活動にとっての重要な脅威と認識し、その対応を経営課題の最優先事項の一つとしております。2022年5月のTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同表明移行、放送事業、通販事業及び都市開発・観光事業を軸に、気候変動がもたらすリスクと機会の特定・検討を進め、2023年5月には同提言に基づく情報開示を行いました。現在は、こうした取り組みをさらに加速させるべく、本年5月に公表した「Group Vision 2026-2030 Ver.1.0」では新たな目標を掲げ、脱炭素経営を積極的に進めております。TCFD提言に基づく情報開示やGroup Visionでの新目標につきましては当社ホームページに掲載しております。[掲載ページ] https://www.fujimediahd.co.jp/ir/pdf/tcfd251114.pdf https://www.fujimediahd.co.jp/ir/pdf/groupvision2026-2030_Ver1.pdf (8) 個人情報の取扱いに関するリスク当社グループは、視聴者情報、番組出演情報、通信販売事業ほか各事業における顧客情報などのデータベースを管理・運営しておりますが、当該情報が外部から不正にアクセスされた場合や、個人情報の外部流出等が発生した場合には、当社グループの業績及び企業としての社会的信用に負の影響を与える可能性があります。当該リスクに関して、当社グループでは、データベースにおける顧客等の個人情報について社内でのアクセス権限を設定するなどその取扱いには十分な注意を払い、セキュリティの強化に努めております。また個人情報のみならず、事業活動を通じて取得する全ての情報の適正な管理及び保護を重要な経営課題と認識しており、情報を安全に管理する諸方針を、2024年11月に改めてグループの「情報セキュリティ基本方針」としてまとめました。本方針に基づいてグループ全体で情報セキュリティ対策を推進してまいります。 (9) 人材に関するリスク当社グループにおいて、多様な「価値」を生み出す要となるのは「人」です。しかし、各事業を取り巻く環境が急速に変化し、それに対応するスキルを持つ人材の獲得競争が激しさを増す中で、必要な人材を獲得できない場合や、優秀な人材が流出した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに関して、当社グループでは、2026年5月に公表した「Group Vision 2026-2030 Ver.1.0」において、人的資本を成長投資を成果につなげるための重要な資源と捉え、成長戦略を支える人材基盤を競争力の源泉と位置付けたうえで、IPバリューチェーン各領域の中核人材の獲得・育成を中心に、2030年度までに累計150億円規模の投資を行う方針です。外部人材の積極的な採用や交流、リスキリングの推進、スキルアップ研修の充実に力を入れてまいります。また、子育てや介護、病気などで休業・休職を余儀なくされる従業員にも配慮し、多様な働き方に対応した職場環境の整備も進めています。さらに、社員一人ひとりが自己の成長と幸せを実感しながら日々の業務に取り組めるよう、健康経営の推進にも注力してまいります。