事業の概要
- 機能性コーティング事業光硬化型樹脂や熱硬化型樹脂、印刷インキ用樹脂、塗料用樹脂などを製造・販売しています。これらの製品は、インキの印刷適性や塗料の耐熱性・速乾性・光沢といった性能を向上させるために使われ、幅広い産業分野で利用されています。
- 製紙・環境事業紙の強度を高める紙力増強剤や、耐水性・印刷適性を与えるサイズ剤、その他新規水系ポリマーなどを提供しています。紙製品の品質向上に貢献し、環境に配慮した製品開発も行っています。
- 粘接着・バイオマス事業水素化石油樹脂、粘着・接着剤用樹脂、超淡色ロジン、合成ゴム重合用乳化剤などを手掛けています。粘着・接着剤の性能向上や、バイオマス由来の素材を活用した製品開発を通じて、多様な産業ニーズに応えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 機能性コーティング事業売上168.42億円、営業利益12.19億円。光硬化型樹脂や印刷インキ用樹脂、塗料用樹脂などを手掛け、インキや塗料の性能向上に貢献しています。主に日本、中国、タイ、台湾などで事業を展開しており、安定した収益を上げています。
- 製紙・環境事業売上220.41億円、営業利益18.49億円。紙力増強剤やサイズ剤、新規水系ポリマーなどを提供し、紙の強度や耐水性、印刷適性を向上させています。中国やベトナム、台湾などアジア地域を中心に事業を展開し、グループ内で最も高い営業利益を稼ぎ出しています。
- 粘接着・バイオマス材料事業売上278億円、営業利益-22.41億円。水素化石油樹脂や粘着・接着剤用樹脂、超淡色ロジンなどを製造しています。粘着・接着剤の性能向上に寄与していますが、最新年度では赤字となっており、収益改善が課題と考えられます。日本、中国、タイ、台湾、欧米などで幅広く事業を展開しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| FunctionalCoatingChemicalsReportableSegment | 事業 | 168 | 12 | 7.2% |
| PaperChemicalsAndEnvironmentalBusinessReportableSegment | 地域 | 220 | 18 | 8.4% |
| AdhesiveAndBiomassMaterialsReportableSegment | 事業 | 278 | -22 | -8.1% |
| FineChemicalsAndElectronicsReportableSegment | 事業 | 135 | 8 | 6.3% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、荒川化学工業株式会社(当社)および連結子会社15社で構成されており、機能性コーティング事業、製紙・環境事業、粘接着・バイオマス事業、ファイン・エレクトロニクス事業およびその他事業をおこなっております。当社および当社の関係会社の事業における当社および関係会社の位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。 セグメントの名称主要品目会社機能性コーティング事業光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、印刷インキ用樹脂、塗料用樹脂等当社、ペルノックス㈱、南通荒川化学工業有限公司、荒川ケミカル(タイランド)社、台湾荒川化学工業股份有限公司、荒川化学合成(上海)有限公司、日華荒川化学股份有限公司製紙・環境事業紙力増強剤、サイズ剤、新規水系ポリマー等当社、広西梧州荒川化学工業有限公司、荒川ケミカルベトナム社、南通荒川化学工業有限公司、台湾荒川化学工業股份有限公司粘接着・バイオマス事業水素化石油樹脂、粘着・接着剤用樹脂、超淡色ロジン、合成ゴム重合用乳化剤等当社、高圧化学工業㈱、広西梧州荒川化学工業有限公司、荒川ケミカル(タイランド)社、台湾荒川化学工業股份有限公司、千葉アルコン製造㈱、荒川ヨーロッパ社、荒川化学合成(上海)有限公司、荒川ケミカル(米国)社ファイン・エレクトロニクス事業精密部品洗浄剤および洗浄装置、低誘電ポリイミド樹脂、ファインケミカル製品、電子材料用配合製品、精密研磨剤等当社、ペルノックス㈱、高圧化学工業㈱、山口精研工業㈱、南通荒川化学工業有限公司、荒川ケミカル(タイランド)社、台湾荒川化学工業股份有限公司、荒川化学合成(上海)有限公司、日華荒川化学股份有限公司、ポミラン・テクノロジー社その他事業損害保険、不動産管理等カクタマサービス㈱ 機能性コーティング事業については、光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、印刷インキ用樹脂(顔料分散性を良好にし、印刷適性と印刷効果などインキの性能を向上させる樹脂)、塗料用樹脂(塗料の耐熱性、速乾性、光沢など、用途に応じた特性を向上させる樹脂)等が主力製品であります。製紙・環境事業については、紙力増強剤(紙の強度を向上させる薬品)、サイズ剤(紙に耐水性や印刷適性を与え、インキがにじむのを防ぐ薬品)、新規水系ポリマー等が主力製品であります。粘接着・バイオマス事業については、水素化石油樹脂、粘着・接着剤用樹脂(粘着・接着剤の粘着力や接着強度並びに耐熱性を向上させる樹脂)、超淡色ロジン、合成ゴム重合用乳化剤等が主力製品であります。ファイン・エレクトロニクス事業については、精密部品洗浄剤および洗浄装置、低誘電ポリイミド樹脂、ファインケミカル製品、電子材料用配合製品、精密研磨剤等が主力製品であります。その他事業は、連結子会社のカクタマサービス㈱がおこなっている損害保険、不動産管理等であります。 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 原材料価格の変動に見合った販売価格の見直しをおこなう。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、紙力増強剤、サイズ剤、水素化石油樹脂、精密部品洗浄剤等の開発。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:政治・経済状況および需要の動向 / 法的規制の変更・強化、訴訟・紛争 / 災害・事故・感染症による生産活動停止
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
特定の機能性化学品分野における長年の研究開発実績とノウハウは存在するが、特許の独占性やブランド力が極めて高いとは言えない。一部製品で高いシェアを持つ可能性はあるが、汎用的な技術も含まれる。
スイッチングコスト★★☆☆☆
顧客は特定の機能性化学品を自社製品に組み込んでいるため、代替品の選定・評価・切り替えには一定のコストと時間がかかる。しかし、競合他社も類似の代替品を提供できる可能性があり、絶対的なスイッチング・コストとは言えない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
事業モデルにおいて、ユーザー数の増加が製品・サービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は観察されない。
コスト優位★☆☆☆☆
化学品製造におけるスケールメリットや効率化は一定程度存在するが、原料価格の変動や競合他社とのコスト競争力において、構造的な圧倒的優位性を示す証拠は乏しい。
規模の経済★★☆☆☆
特定のニッチ市場では一定のシェアを確保している可能性があるが、化学業界全体で見ると、規模の経済が競争優位に直結するほどの寡占状態にはない。グローバルな大手化学メーカーとの比較では規模は小さい。
- 多角的な事業展開機能性コーティング、製紙・環境、粘接着・バイオマス、ファイン・エレクトロニクスと幅広い事業を展開しており、特定の市場変動リスクを分散し、安定的な収益基盤を構築しています。これにより、各市場の需要変動に対応できる柔軟性を持っています。
- グローバルな生産・販売網日本だけでなく、アジア、南北アメリカ、ヨーロッパなど世界各地に生産拠点や販売網を築いています。これにより、各地域の市場ニーズにきめ細かく対応できるとともに、特定の地域に依存しない安定した事業運営を可能にしています。
- 技術開発力と製品応用力光硬化型樹脂や精密部品洗浄剤、低誘電ポリイミド樹脂など、多岐にわたる高機能製品を開発・提供しています。これは、長年にわたる研究開発によって培われた技術力と、それを様々な産業分野に応用する能力があることを示しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、経営理念「個性を伸ばし 技術とサービスで みんなの夢を実現する」のもと、「つなぐを化学する SPECIALITY CHEMICAL PARTNER」をビジョンとして掲げております。この理念とビジョンの具現化に向け、共有すべき価値観・行動指針である「ARAKAWA WAY 5つのKIZUNA」を全社員で実践し、企業価値の持続的な向上に努めています。また、2021年には、2030年に向けた「ありたい姿」である『ロジンをはじめとする環境に配慮した素材を活かし、「つなぐ」技術の深化と新たな付加価値の創造に挑戦し続けることで、地球環境と社会の持続可能な未来に貢献する』を設定し、この実現に向け、社会課題の解決と持続的な成長の両立を推進しております。 (2) 目標とする経営指標ならびに中長期的な会社の経営戦略①第5次中期5ヵ年経営実行計画(2021~2025年度)の総括当社は「ありたい姿」の実現を目指し、グループの価値観・行動指針(ARAKAWA WAY 5つのKIZUNA)に基づいた経営(=KIZUNA経営)のもと、「V-ACTION for sustainability」のスローガンを掲げ、第5次中計を推進してまいりました。最終年度(2025年度)の連結業績は、親会社株主に帰属する当期純利益およびROEについては目標を達成いたしましたが、売上高、営業利益、経常利益については、千葉アルコン製造株式会社の稼働低迷の影響が大きく、目標を下回る結果となりました。一方で、定性的には着実な成果を収めています。「働きがい」を高める施策を通じて組織力の向上が図られ、KIZUNA指標として掲げたイキイキ度(エンゲージメント指数)は高い水準を維持しております。また、設備面においても、成長事業である電子材料領域において、2030年の将来需要に見合う生産能力増強投資を計画通り実施し、第6次中計での飛躍に向けた強固な経営基盤を整えました。 ②第6次中期5ヵ年経営実行計画(2026~2030年度)第6次中計では、初年度の2026年度に創業150周年を迎え、この大きな節目に、新たな中計スローガン「V-ACTION for the Future ~心と技を磨き いのちと社会に輝きを~」を掲げました。第5次中計で掲げた「V-ACTION」の「5つのV」<Vector 方向・進路(サスティナビリティ)、Value 価値(企業価値)、Variety 変化・多様性(中計最終時の姿)、Venture 冒険的事業(みつける)、Vitality 活力(働きがいと生産性の向上)>を継承し、未来に向けて価値創造に挑戦し続ける強い意志を表しています。社員一人ひとりの意識やマインド(心)と、技術やビジネスモデル(技)を磨き上げ、当社グループの幅広い事業を通じ、より豊かで輝かしい未来社会の実現に貢献してまいります。中核方針として「事業ポートフォリオ改革の加速」と「生産性および資本効率の向上」を掲げ、挑戦・変革を通じた価値創造力の強化に取り組みます。2030年度の最終年度においては売上高1,030億円、営業利益70億円、経常利益67億円、親会社株主に帰属する当期純利益44億円、EBITDA105億円、ROE7%以上、ROIC5%以上の達成を目標とします。 表1:連結業績目標金額:百万円 2025年度2028年度2030年度実績目標伸長率目標伸長率売上高82,13593,000+13.2%103,000+25.4%営業利益2,5005,000+100.0%7,000+180.0%経常利益2,3904,200+75.7%6,700+180.3%親会社株主に帰属する当期純利益2,2013,000+36.3%4,400+99.9%EBITDA8,0889,200+13.7%10,500+29.8%ROE3.6%5%以上―7%以上―ROIC※12.0%3.5%以上―5%以上―自己資本比率49.5%50%程度―54%程度―有利子負債40,62439,500―37,000― ※1 税率は簡便的に30%として試算 表2:連結業績目標(セグメント別)金額:百万円 2025年度2028年度2030年度実績目標目標機能性コーティング売上高18,20619,80021,500セグメント利益2,2032,5002,800利益率(%)12.112.613.0製紙・環境売上高20,66624,00027,000セグメント利益1,3811,3001,650利益率(%)6.75.46.1粘接着・バイオマス売上高28,43531,70033,000セグメント利益△1,4006001,900利益率(%)△4.91.95.8ファイン・エレクトロニクス売上高14,74817,00018,500セグメント利益8951,2001,400利益率(%)6.17.17.6ライフサイエンス売上高―5003,000セグメント利益―40200利益率(%)―8.06.7合計売上高82,13593,000103,000セグメント利益3,1215,6407,950利益率(%)3.86.17.7 (3) 会社の経営環境と優先的に対処すべき課題第6次中期5ヵ年経営実行計画では、第5次中計でおこなった成長市場に向けた生産能力増強投資の成果を確実に収益・キャッシュに結びつけていきます。そして、当社グループの価値観・行動指針である「5つのKIZUNA」とのつながりを意識しながら、第5次中計の重要課題(マテリアリティ)を再編し、中核方針として掲げた「事業ポートフォリオ改革の加速」と「生産性および資本効率の向上」のもと、以下の施策を進めてまいります。 ・集中投資:電子材料およびライフサイエンスへの重点資源投入 ・グローバル展開:「かせぐ」事業の再構築と、海外市場における成長機会の追求を両立・環境経営の深化:EBITDAをCO2排出量で除した「炭素利益率(ROC)」を新たな業績指標として導入し、 収益性向上と脱炭素を連動・規律ある資源配分:成長性と収益性に加え、ROICも考慮した事業評価に基づき、低収益・非中核事業を 継続的に見直す・企業体質の強靭化:全社横断プロジェクトによるプロセス変革をおこない、生産性とキャッシュ創出力 を高め、PBRの向上を目指す 注力事業に位置付けているライフサイエンス領域(ヘルスケア、アグリ、コスメ)では、事業化加速と収益貢献化を推進してまいります。ヘルスケア分野では微細藻類「オーランチオキトリウム」に関する事業を譲受し、これまでの「探索・共同研究」フェーズから「商用化・社会実装」フェーズへと移行し、早期の収益化を目指してまいります。また、松葉抽出物により、心と身体の健康とめぐりをサポートするサプリメント「Pino Fleur®(ピノフルール)」のEC販売を開始し、さらに機能性表示食品(サプリメント)やスキンケア化粧品を販売するナチュラルウェーブ株式会社を子会社化いたしました。アグリ分野では収量の向上や猛暑などの環境ストレス耐性の強化などに効果がある農業資材「EcoRosin®(エコロジン)」のEC販売を開始し、実証試験を積み重ねながら持続可能な農業の発展に貢献してまいります。これらの取り組みを通じて、BtoBを見据えた事業展開につなげてまいります。品質保証に関しましては、従来の品質業務に加えて、成長事業と位置付ける電子材料領域において業務の高度化・複雑化が進み、注力事業であるライフサイエンス領域では、提供する製品・サービスの特性に合わせた専門性の高い品質管理・保証体制の確立が求められています。こうした状況を踏まえ、専門知見を備えた人材の育成と品質管理・保証体制のさらなる充実により、「顧客の信頼と満足が得られる製品とサービスの提供」をサスティナブルに実現してまいります。安全につきましては、2017年12月1日の富士工場での爆発・火災事故の教訓を風化させないため、安全文化の醸成に注力し、安全を経営の最優先事項としています。2026年4月からは、グループ全体の総合的な「保安力」のさらなる向上を目的に、従来の「安全文化醸成専門委員会」を発展的に解消し、新たに「安全推進専門委員会」を設置しました。新委員会は保安委員会の実行部隊として、「安全文化(意識)」と「安全基盤(仕組み)」の連動を高め、経営方針と現場の実行施策を直結させる安全推進の役割を担います。富士工場の「荒川安全伝承館」や小名浜工場の「保安道場」での全社員教育、加えて高度専門人財である「安全技術者」の育成を継続し、積極的に外部による評価も活用するなど、保安力向上に向けた取り組みを追求してまいります。 詳細については、当社ウェブサイトに掲載しておりますのでご参照ください。・第6次中期5ヵ年経営実行計画 https://www.arakawachem.co.jp/jp/ir/strategy.html・サスティナビリティ https://www.arakawachem.co.jp/jp/csr/・KIZUNA指標 https://www.arakawachem.co.jp/jp/csr/sdgs.html#KIZUNAindex・サステナビリティ・リンク・ボンド https://www.arakawachem.co.jp/jp/ir/slb.html
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、経営理念「個性を伸ばし 技術とサービスで みんなの夢を実現する」のもと、「つなぐを化学する SPECIALITY CHEMICAL PARTNER」をビジョンとして掲げております。この理念とビジョンの具現化に向け、共有すべき価値観・行動指針である「ARAKAWA WAY 5つのKIZUNA」を全社員で実践し、企業価値の持続的な向上に努めています。また、2021年には、2030年に向けた「ありたい姿」である『ロジンをはじめとする環境に配慮した素材を活かし、「つなぐ」技術の深化と新たな付加価値の創造に挑戦し続けることで、地球環境と社会の持続可能な未来に貢献する』を設定し、この実現に向け、社会課題の解決と持続的な成長の両立を推進しております。 (2) 目標とする経営指標ならびに中長期的な会社の経営戦略①第5次中期5ヵ年経営実行計画(2021~2025年度)の総括当社は「ありたい姿」の実現を目指し、グループの価値観・行動指針(ARAKAWA WAY 5つのKIZUNA)に基づいた経営(=KIZUNA経営)のもと、「V-ACTION for sustainability」のスローガンを掲げ、第5次中計を推進してまいりました。最終年度(2025年度)の連結業績は、親会社株主に帰属する当期純利益およびROEについては目標を達成いたしましたが、売上高、営業利益、経常利益については、千葉アルコン製造株式会社の稼働低迷の影響が大きく、目標を下回る結果となりました。一方で、定性的には着実な成果を収めています。「働きがい」を高める施策を通じて組織力の向上が図られ、KIZUNA指標として掲げたイキイキ度(エンゲージメント指数)は高い水準を維持しております。また、設備面においても、成長事業である電子材料領域において、2030年の将来需要に見合う生産能力増強投資を計画通り実施し、第6次中計での飛躍に向けた強固な経営基盤を整えました。 ②第6次中期5ヵ年経営実行計画(2026~2030年度)第6次中計では、初年度の2026年度に創業150周年を迎え、この大きな節目に、新たな中計スローガン「V-ACTION for the Future ~心と技を磨き いのちと社会に輝きを~」を掲げました。第5次中計で掲げた「V-ACTION」の「5つのV」<Vector 方向・進路(サスティナビリティ)、Value 価値(企業価値)、Variety 変化・多様性(中計最終時の姿)、Venture 冒険的事業(みつける)、Vitality 活力(働きがいと生産性の向上)>を継承し、未来に向けて価値創造に挑戦し続ける強い意志を表しています。社員一人ひとりの意識やマインド(心)と、技術やビジネスモデル(技)を磨き上げ、当社グループの幅広い事業を通じ、より豊かで輝かしい未来社会の実現に貢献してまいります。中核方針として「事業ポートフォリオ改革の加速」と「生産性および資本効率の向上」を掲げ、挑戦・変革を通じた価値創造力の強化に取り組みます。2030年度の最終年度においては売上高1,030億円、営業利益70億円、経常利益67億円、親会社株主に帰属する当期純利益44億円、EBITDA105億円、ROE7%以上、ROIC5%以上の達成を目標とします。 表1:連結業績目標金額:百万円 2025年度2028年度2030年度実績目標伸長率目標伸長率売上高82,13593,000+13.2%103,000+25.4%営業利益2,5005,000+100.0%7,000+180.0%経常利益2,3904,200+75.7%6,700+180.3%親会社株主に帰属する当期純利益2,2013,000+36.3%4,400+99.9%EBITDA8,0889,200+13.7%10,500+29.8%ROE3.6%5%以上―7%以上―ROIC※12.0%3.5%以上―5%以上―自己資本比率49.5%50%程度―54%程度―有利子負債40,62439,500―37,000― ※1 税率は簡便的に30%として試算 表2:連結業績目標(セグメント別)金額:百万円 2025年度2028年度2030年度実績目標目標機能性コーティング売上高18,20619,80021,500セグメント利益2,2032,5002,800利益率(%)12.112.613.0製紙・環境売上高20,66624,00027,000セグメント利益1,3811,3001,650利益率(%)6.75.46.1粘接着・バイオマス売上高28,43531,70033,000セグメント利益△1,4006001,900利益率(%)△4.91.95.8ファイン・エレクトロニクス売上高14,74817,00018,500セグメント利益8951,2001,400利益率(%)6.17.17.6ライフサイエンス売上高―5003,000セグメント利益―40200利益率(%)―8.06.7合計売上高82,13593,000103,000セグメント利益3,1215,6407,950利益率(%)3.86.17.7 (3) 会社の経営環境と優先的に対処すべき課題第6次中期5ヵ年経営実行計画では、第5次中計でおこなった成長市場に向けた生産能力増強投資の成果を確実に収益・キャッシュに結びつけていきます。そして、当社グループの価値観・行動指針である「5つのKIZUNA」とのつながりを意識しながら、第5次中計の重要課題(マテリアリティ)を再編し、中核方針として掲げた「事業ポートフォリオ改革の加速」と「生産性および資本効率の向上」のもと、以下の施策を進めてまいります。 ・集中投資:電子材料およびライフサイエンスへの重点資源投入 ・グローバル展開:「かせぐ」事業の再構築と、海外市場における成長機会の追求を両立・環境経営の深化:EBITDAをCO2排出量で除した「炭素利益率(ROC)」を新たな業績指標として導入し、 収益性向上と脱炭素を連動・規律ある資源配分:成長性と収益性に加え、ROICも考慮した事業評価に基づき、低収益・非中核事業を 継続的に見直す・企業体質の強靭化:全社横断プロジェクトによるプロセス変革をおこない、生産性とキャッシュ創出力 を高め、PBRの向上を目指す 注力事業に位置付けているライフサイエンス領域(ヘルスケア、アグリ、コスメ)では、事業化加速と収益貢献化を推進してまいります。ヘルスケア分野では微細藻類「オーランチオキトリウム」に関する事業を譲受し、これまでの「探索・共同研究」フェーズから「商用化・社会実装」フェーズへと移行し、早期の収益化を目指してまいります。また、松葉抽出物により、心と身体の健康とめぐりをサポートするサプリメント「Pino Fleur®(ピノフルール)」のEC販売を開始し、さらに機能性表示食品(サプリメント)やスキンケア化粧品を販売するナチュラルウェーブ株式会社を子会社化いたしました。アグリ分野では収量の向上や猛暑などの環境ストレス耐性の強化などに効果がある農業資材「EcoRosin®(エコロジン)」のEC販売を開始し、実証試験を積み重ねながら持続可能な農業の発展に貢献してまいります。これらの取り組みを通じて、BtoBを見据えた事業展開につなげてまいります。品質保証に関しましては、従来の品質業務に加えて、成長事業と位置付ける電子材料領域において業務の高度化・複雑化が進み、注力事業であるライフサイエンス領域では、提供する製品・サービスの特性に合わせた専門性の高い品質管理・保証体制の確立が求められています。こうした状況を踏まえ、専門知見を備えた人材の育成と品質管理・保証体制のさらなる充実により、「顧客の信頼と満足が得られる製品とサービスの提供」をサスティナブルに実現してまいります。安全につきましては、2017年12月1日の富士工場での爆発・火災事故の教訓を風化させないため、安全文化の醸成に注力し、安全を経営の最優先事項としています。2026年4月からは、グループ全体の総合的な「保安力」のさらなる向上を目的に、従来の「安全文化醸成専門委員会」を発展的に解消し、新たに「安全推進専門委員会」を設置しました。新委員会は保安委員会の実行部隊として、「安全文化(意識)」と「安全基盤(仕組み)」の連動を高め、経営方針と現場の実行施策を直結させる安全推進の役割を担います。富士工場の「荒川安全伝承館」や小名浜工場の「保安道場」での全社員教育、加えて高度専門人財である「安全技術者」の育成を継続し、積極的に外部による評価も活用するなど、保安力向上に向けた取り組みを追求してまいります。 詳細については、当社ウェブサイトに掲載しておりますのでご参照ください。・第6次中期5ヵ年経営実行計画 https://www.arakawachem.co.jp/jp/ir/strategy.html・サスティナビリティ https://www.arakawachem.co.jp/jp/csr/・KIZUNA指標 https://www.arakawachem.co.jp/jp/csr/sdgs.html#KIZUNAindex・サステナビリティ・リンク・ボンド https://www.arakawachem.co.jp/jp/ir/slb.html
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の概要当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の国内経済は、雇用・所得環境が改善し、緩やかな回復基調が続く一方で、世界経済は、一部の地域において弱さがみられ、中東情勢等を背景とする地政学リスクの高まりや、中国における景気の減速、米国の通商政策をめぐる動向などにより、依然として先行きは不透明な状況が続いております。このような環境のもと、当社グループにおきましては、最終年度を迎えた第5次中期5ヵ年経営実行計画(以下「第5次中計」)「V-ACTION for sustainability」のもと、重点施策に取り組んでまいりました。生産能力増強をおこなった光硬化型樹脂およびファインケミカル製品においては、将来的な需要増に向けた量産化体制の構築を完了しました。特に光硬化型樹脂については、従来のスマートフォンやディスプレイ関連分野に加え、AIサーバー向け材料での需要も伸長しております。また、ライフサイエンス領域(ヘルスケア、アグリ、コスメ)での事業化に向け、松や微細藻類などの天然素材を活かした新規事業の展開にも注力しており、ヘルスケア分野では松葉抽出物により心と身体の健康とめぐりをサポートするサプリメント「Pino Fleur®(ピノフルール)」、アグリ分野では収量の向上や猛暑などの環境ストレス耐性の強化などに効果がある農業資材「EcoRosin®(エコロジン)」のEC販売をそれぞれ開始しました。水素化石油樹脂につきましては、千葉アルコン製造株式会社の安定稼働を重要な全社課題と認識し、「アルコン特別委員会」を中心に課題解決に向けた体制を強化したことにより、前年度から稼働率が改善しました。業績面では、半導体、生成AI、データセンターなどの注力分野に関連し、機能性コーティング材料用の光硬化型樹脂、ファインケミカル製品、ハードディスク用精密研磨剤の販売は過去最高となりました。その結果、当連結会計年度の売上高は821億35百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は25億円(同136.4%増)、経常利益は23億90百万円(同179.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は22億1百万円(同16.8%減)となりました。 セグメントの業績は次のとおりであります。なお、セグメント区分の売上高はセグメント間の内部売上高を含んでおりません。また、報告セグメントに含まれないその他事業は、売上高は79百万円(前年同期比15.1%減)、セグメント利益は40百万円(同29.2%減)となりました。 <機能性コーティング事業>電機・精密機器関連業界は、電子部品などの需要が堅調に推移しています。このような環境のもと、当事業におきましては、機能性コーティング材料用の光硬化型樹脂は、AIサーバーやスマートフォン、ディスプレイ関連分野での需要が伸長し販売が増加しました。また、フィルムコーティングを中心に各種用途で使用される熱硬化型樹脂も新規採用や拡販により販売が増加しました。その結果、売上高は182億6百万円(前年同期比8.1%増)、セグメント利益は22億3百万円(同80.6%増)となりました。 <製紙・環境事業>製紙業界は、国内の紙・板紙生産量は前年を下回る水準が続いております。また中国では、依然として供給過剰が続いており、他のアジア地域の市況に影響を与えるなど厳しい状況にあります。このような環境のもと、当事業におきましては、海外での紙力増強剤も価格競争の激化により、利益を押し下げました。その結果、売上高は206億66百万円(前年同期比6.2%減)、セグメント利益は13億81百万円(同25.3%減)となりました。 <粘接着・バイオマス事業>粘着・接着剤業界は、米国関税政策の影響が自動車関連分野を中心に見られ、テープやシート類用途の需要は弱含みとなりました。このような環境のもと、当事業におきましては、ロジン系の粘着・接着剤用樹脂は、製造拠点の統廃合によって収益性を押し上げ、またアジア地域を中心に販売が堅調に推移しました。また、水素化石油樹脂につきましては、欧州につづき米国向けにも安定的な供給を開始した千葉アルコン製造株式会社は、目標には届かなかったものの稼働率は改善し生産量は増加しました。その結果、売上高は284億35百万円(前年同期比2.3%増)、セグメント損失は14億円(前年同期はセグメント損失22億41百万円)となりました。 <ファイン・エレクトロニクス事業>電子工業業界は、電子部品などの需要は堅調に推移しており、加えて生成AIの需要増加に伴うデータセンターへの投資が活発化しております。このような環境のもと、当事業におきましては、半導体関連先端材料のファインケミカル製品の販売が増加し、データセンター向けのハードディスク用精密研磨剤は、旺盛な需要により、販売が好調に推移しました。また、増強した半導体関連先端材料用の新設備については顧客での認証取得後、2026年度後半からの量産化を予定しております。その結果、売上高は147億48百万円(前年同期比9.6%増)、セグメント利益は8億95百万円(同5.7%増)となりました。 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ37億62百万円増加し、1,260億59百万円となりました。主な要因は、有形固定資産が18億71百万円減少したものの、現金及び預金が11億64百万円、棚卸資産が12億51百万円、投資有価証券が10億80百万円、退職給付に係る資産が24億72百万円増加したことによります。負債は、支払手形及び買掛金が5億54百万円、長期借入金が31億53百万円減少した一方で、短期借入金が43億97百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ17億59百万円増加し、668億19百万円となりました。純資産は、利益剰余金、その他有価証券評価差額金が増加したことにより前連結会計年度末に比べ20億3百万円増加し、592億40百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ19億78百万円増加し、84億13百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、41億76百万円の増加となりました。これは税金等調整前当期純利益(24億4百万円)、減価償却費(55億88百万円)などによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、21億3百万円の減少となりました。これは、投資有価証券の売却による収入(13億31百万円)などにより資金が増加した一方、固定資産の取得による支出(37億95百万円)などにより資金が減少した結果であります。財務活動によるキャッシュ・フローは、2億86百万円の減少となりました。これは、借入金が純増加(11億48百万円)した一方、配当金の支払額(9億91百万円)などにより資金が減少した結果であります。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称数量(トン)前年同期比(%)機能性コーティング事業17,334+7.6製紙・環境事業226,063+2.2粘接着・バイオマス事業85,904+1.1ファイン・エレクトロニクス事業13,384+4.5合計342,685+2.3 (注) その他事業においては、生産をおこなっておりません。 b 受注実績当社グループは過去の販売実績と将来の予測に基づいて見込生産方式をとっております。 c 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)機能性コーティング事業18,206+8.1製紙・環境事業20,666△6.2粘接着・バイオマス事業28,435+2.3ファイン・エレクトロニクス事業14,748+9.6その他事業79△15.1合計82,135+2.4 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社は「ありたい姿」の実現を目指し、グループの価値観・行動指針(ARAKAWA WAY 5つのKIZUNA)に基づいた経営(=KIZUNA経営)のもと、「V-ACTION for sustainability」のスローガンを掲げ、第5次中期5ヵ年経営実行計画(2021年度~2025年度)を推進してまいりました。途中、当社グループを取り巻く事業環境の変化等を踏まえ最終年度の計数目標と施策の見直しも行いましたが、最終年度の連結業績は、親会社株主に帰属する当期純利益およびROEについては目標を達成したものの、売上高、営業利益、経常利益については、千葉アルコン製造株式会社の稼働低迷の影響が大きく、目標を下回る結果となりました。(単位:百万円) 2025年度(実績)2025年度(期初予想)2025年度(修正中計目標)売上高82,13585,00090,000営業利益2,5002,8003,500経常利益2,3902,4003,000当期純利益2,2011,8002,100EBITDA8,0888,3008,700ROE(%)3.63.03.6 *EBITDA:償却前営業利益=営業利益+減価償却費+のれん償却額 第5次中計の重点施策の主なものは、次のとおりであります。生産能力増強をおこなった光硬化型樹脂およびファインケミカル製品においては、将来的な需要増に向けた量産化体制の構築を完了しました。ライフサイエンス領域(ヘルスケア、アグリ、コスメ)での事業化に向け、松や微細藻類などの天然素材を活かした新規事業の展開にも注力しており、ヘルスケア分野では松葉抽出物により心と 身体の健康とめぐりをサポートするサプリメント「Pino Fleur®(ピノフルール)」、アグリ分野では収量の向上や猛暑などの環境ストレス耐性の強化などに効果がある農業資材「EcoRosin®(エコロジン)」のEC販売をそれぞれ開始しました。水素化石油樹脂につきましては、千葉アルコン製造株式会社の安定稼働を重要な全社課題と認識し、「アルコン特別委員会」を中心に課題解決に向けた体制を強化したことにより、前年度から稼働率が改善しました。なお、第5次中計最終年度におけるセグメント別の実績および経営目標は以下のとおりであります。(単位:百万円) 2025年度(実績)2025年度(期初予想)2025年度(修正中計目標)機能性コーティング事業売上高18,20618,50020,000セグメント利益2,2031,6001,600製紙・環境事業売上高20,66622,40023,500セグメント利益1,3811,6001,600粘接着・バイオマス事業売上高28,43529,00030,500セグメント利益△1,400△700400ファイン・エレクトロニクス事業売上高14,74815,00015,500セグメント利益8951,000700 このような経営環境のもと、当社グループにおきましては、2026年4月より第6次中期5ヵ年経営実行計画がスタートしました。「事業ポートフォリオ改革の加速」と「生産性および資本効率の向上」を中核とし、挑戦・変革を通じた価値創造力の強化に取り組みます。また、キャッシュ創出を変革の軸とし、成長投資・ 人的投資・財務健全性・株主還元の好循環の確立により、中長期的な企業価値の最大化を目指してまいります。 資本の財源および資金の流動性につきましては、次のとおりであります。短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の長期的な資金需要に関しては、金融機関からの長期借入や社債の発行により調達しております。また、グループ会社の資金調達につきましては、当社において一元管理しております。なお、当社は格付を取得しており、本報告書提出日時点において、日本格付研究所「BBB+」となっております。また、金融機関には充分な借入枠を有しており、当社グループの事業の維持・拡大、設備資金の調達は今後も可能であると考えております。 なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因および対応策につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 政治経済と需要変動日本、アジア、南北アメリカ、ヨーロッパなど広範囲で事業を展開しているため、各国の政治・経済状況や政策、主要顧客である製紙、印刷インキ、塗料、粘着・接着剤、電子工業業界の景気後退による需要減少が、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特定の政治動向に依存しない収益構造への転換や、事業の新陳代謝を促すことでリスク分散を図っています。
- 原材料価格の変動主要原材料である石油化学製品やガムロジンの価格変動が、業績に影響を与える可能性があります。特にガムロジンは中国への依存度が高く、生産量減少による価格高騰リスクがあります。購入価格に見合った販売価格の見直しや、調達地域の多様化を進めることでリスクを最小化しています。
- 法的規制と環境問題国内外の各種許認可や規制、特に炭素税導入などの法規制強化、環境問題や製造物責任、知的財産侵害に関する訴訟・紛争が、事業活動の制限や費用増大を通じて業績に影響を及ぼす可能性があります。リスク・コンプライアンス委員会を設置し、リスクの未然防止と顕在化時の適切な対応体制を整備しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 政治・経済状況および需要の動向について当社グループは、日本、アジア、南北アメリカおよびヨーロッパ等の各地域において事業活動を展開しております。したがいまして、当社グループにおける生産・販売等の事業活動は、これらの国や地域における政治・経済状況や政策の影響を受けます。また、当社グループ製品の主な販売先である製紙、印刷インキ、塗料、粘着・接着剤および電子工業等の各業界が受ける景気後退等による需要減少は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではこうした状況に対して、特定の政治動向によるリスクを分散させるとともに、需要動向などの影響を受け難い収益構造とするため、事業の新陳代謝を促し、いかなる環境変化にも迅速かつ柔軟に対応しつつ、長期的な視野を持って、集中的、効率的に経営資源を投入していくことでリスクの最小化を図っております。(2) 法的規制について当社グループは、事業活動を展開している国内外の地域において各種許認可や規制等の様々な法令の適用を受けております。したがいまして、炭素税の導入など法規制の大幅な変更や強化、ならびに海外の進出地域における予期せぬ法令の変更等により事業活動が制限される場合や、規制遵守のための費用の増大、また、環境問題や製造物責任、知的財産侵害等による訴訟や紛争による費用の増大で経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではこうした状況に対して、取締役会の下部組織であるリスク・コンプライアンス委員会が、事業目的を阻害するさまざまなリスクの発生を未然に防止するとともに、リスクが顕在化した場合、損害の拡大防止や当社グループの社会的信用の維持を図るため、適切な対応をおこなう体制を整備・構築しております。(3) 災害・事故・感染症について当社グループは、国内外の拠点において生産活動を行っております。したがいまして、万一、気候変動などによる大規模な自然災害や火災事故、感染症の大流行等が発生した場合には、当社グループを含めたサプライチェーンにおける生産活動の停止等により当社グループの経営成績等に悪影響を与えることがあります。当社グループではこうした状況に対して、災害・事故等による事業活動への悪影響を最小限に留めるために、リスク発生の可能性や結果の重大性に応じた製造設備の定期点検や従業員の教育・訓練等の保安活動、災害防止策の強化に努めるとともに、BCP(事業継続計画)を策定し、定期的な訓練をおこなうことによりリスクの最小化を図っております。また、感染症による事業活動全体への悪影響を最小限に留めるべく、感染防止策を徹底するとともに、テレワークや時差出勤、Web会議の積極活用や生産拠点での入場前チェックなどの対策を必要に応じて実施いたします。(4) 原材料について当社グループの主要原材料は、石油化学製品およびガムロジンであります。ガムロジンは、松の木に溝を切りつけて滲み出てくる生松脂を蒸留して製造したもので、当社グループは、ガムロジンの調達の多くを最大の生産国である中国に依存しておりますが、中国におけるガムロジンの生産量は年々減少しております。したがいまして、ガムロジンの需給バランスの変動により購入価格が高騰した場合は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、石油化学製品におきましても、グローバルな環境規制や安全規制による需給バランスの変動ならびに地政学リスクの高まり等により原材料購入価格の高騰や供給の不安定化が生じた場合は、同様に当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではこうした状況に対して、購入価格の変動に見合った販売価格の見直しをおこなうとともに、主要原材料の調達地域の多様化を進めることによりリスクの最小化を図っております。 (5) 為替レートの変動について当社グループは、アジア、南北アメリカおよびヨーロッパ等の各地域において事業活動を展開しております。したがいまして、外貨建ての取引におきましては、為替レートの変動は当社グループの経営成績等に影響を与えることがあります。当社グループではこうした状況に対して、収入と費用の通貨を一致させる施策を進めること等によりリスクの最小化を図っております。また、当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、海外の連結子会社の財務諸表を円換算しており、為替レートが変動した場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。(6) 減損会計について当社グループの資産の時価が著しく下落した場合や事業資産の収益性が著しく悪化し、回復の可能性が見込めない場合には、減損会計の適用により固定資産の減損処理をおこないます。これらの減損損失の発生は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではこうした状況に対して、各事業の事業採算を的確に把握し、採算悪化の兆候がみられる場合には、速やかに対策を講じて事業採算を改善させることによりリスクの最小化を図っております。(7) 海外での事業活動について当社グループは、アジア、南北アメリカおよびヨーロッパ等の各地域において事業活動を展開しております。当社グループにおける事業活動のグローバル化には、進出地域における政治・経済情勢の悪化、治安の悪化、予期せぬ法律または規制、戦争・テロ・感染症等のリスクが潜在しておりますが、当社グループが進出している地域でこれら事象が顕在化した場合には、当該地域での事業活動に支障が生じ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではこうした状況に対して、現地における優秀な人財の確保と育成を進め、いち早く正確な情報を入手し、的確に対応することによりリスクの最小化を図っております。(8) 情報セキュリティについて当社グループは、事業活動において顧客情報、個人情報、技術情報などの秘密情報を保有・管理しております。当社グループ内においては、規定や情報インフラ(基盤)などを整備し、加えて情報漏洩防止に関する研修や訓練などの対策を講じ、情報セキュリティ強化に努めております。しかしながら、第三者による不正アクセスやコンピューターウィルスの感染などにより、情報の漏洩や改ざんなどが発生した場合は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。