事業の概要
- コンクリート製品製造販売ベルテクスコーポレーションは、マンホールやヒューム管、ボックスカルバートといったコンクリート二次製品の製造・販売を主力としています。これらの製品は、道路や下水道、河川工事など、社会インフラの整備に不可欠なものであり、据付工事まで一貫して手掛けることで、顧客の多様なニーズに対応しています。
- パイル製品と杭打工事同社は、遠心力プレストレスコンクリートパイル(PCパイル)の製造・販売も行っています。PCパイルは、建物の基礎を支える重要な部材であり、その杭打工事までを請け負うことで、安定した収益源を確保しています。特に、高支持力杭工法であるHyperストレート工法に注力し、競争力を高めています。
- 防災製品の提供落石防護柵などの防災製品の製造・販売および設置工事も手掛けています。これは、自然災害が多い日本において、国土強靭化や防災・減災対策のニーズに応える重要な事業です。公共事業向けの売上が大部分を占めるため、国の政策や予算配分が業績に大きく影響します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- コンクリート事業マンホール、ヒューム管、ボックスカルバートなどのコンクリート二次製品の製造・販売および据付工事が主な事業内容です。このセグメントは地域を問わず展開しており、売上高は269.18億円、営業利益は54.11億円と、同社グループの収益の大部分を占める最も重要な稼ぎ頭となっています。
- コンクリートパイル事業遠心力プレストレスコンクリートパイル(PCパイル)の製造・販売と杭打工事を行っています。この事業は、建物の基礎工事に不可欠な製品とサービスを提供しており、売上高は36.89億円、営業利益は2.46億円です。高支持力杭工法に注力し、特定の地域で競争力を高めています。
- 斜面防災事業落石防護柵などの防災製品の製造・販売および設置工事が中心です。この事業は、自然災害対策としての需要が高く、売上高は48.91億円、営業利益は16.59億円と、売上規模に対して高い利益率を誇っています。公共事業への依存度が高い特徴があります。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ConcreteBusiness | 地域 | 269 | 54 | 20.1% |
| ConcretePile | 事業 | 37 | 2 | 6.7% |
| SlopeDisasterPreventionReportableSegment | 事業 | 49 | 17 | 33.9% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは当社、連結子会社10社及び関連会社1社で構成されており、主にコンクリート二次製品の製造・販売及び関連商品の販売並びにこれらの製品の据付工事、コンクリートパイルの製造・販売並びに杭打工事、防災製品の製造・販売及び関連商品の販売並びに設置工事、トンネルセグメント製品の製造・販売等の事業を展開しております。また、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。なお、当社グループは、2025年10月1日付で株式会社IKKを連結子会社化したことに伴い、当連結会計年度よりセグメント区分に「セグメント事業」を新たに設けております。当社グループの事業に係わる当社及び関係会社の位置づけ及びセグメントとの関連は、次のとおりであり、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 セグメント事業区分主な事業の内容及び関係会社(コンクリート事業)マンホール、ヒューム管、ボックスカルバート等のコンクリート二次製品の製造・販売、その関連商品の販売並びにこれらの製品の据付工事、コンクリートの調査・試験を行っております。(主な関係会社)ベルテクス㈱、ベルテクス建設㈱、㈱ホクコンプロダクト、九州ベルテクス㈱、㈱IKK(パイル事業)遠心力プレストレストコンクリートパイルの製造・販売並びに杭打工事を行っております。(主な関係会社)ホクコンマテリアル㈱(斜面防災事業)落石並びに土砂防護柵等の防災製品の製造・販売、その他関連商品の販売並びに設置工事を行っております。(主な関係会社)ベルテクス㈱、ベルテクス建設㈱、九州ベルテクス㈱(セグメント事業)トンネルセグメント製品の製造・販売を行っております。(主な関係会社)㈱IKK(その他)セラミックス製品の製造・販売、油圧関連ホースの企画・販売、不動産の賃貸、システム開発・販売、機器レンタル及び資材販売並びにRFID(非接触ICタグ)の販売等を行っております。(主な関係会社)ベルテクス㈱、九州ベルテクス㈱、㈱ウイセラ、アイビーソリューション㈱、プロフレックス㈱、ベルテクス・テクノロジーズ㈱、㈱エヌエクス 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い コンクリート事業及びパイル事業で需要減少傾向、価格競争が厳しさを増しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 建設業法、製造物責任法、JIS法、各種環境関連法、各種労働関連法などの法的規制や認定。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:法的規制の遵守 / 自然災害による事業活動への影響 / 公共事業比率の高さ
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
財務サマリに時系列データが未収録であり、ブランド力や特許、規制ライセンス等に関する具体的な情報が得られないため、無形資産による競争優位性は現時点では評価できない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
ガラス・土石製品という性質上、顧客が他社製品へ切り替える際の直接的なコストは限定的と考えられる。しかし、特定の建設プロジェクトやインフラ案件において、長年の取引実績や仕様適合性からくる暗黙のスイッチング・コストが存在する可能性は否定できない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ガラス・土石製品の製造・販売事業であり、ユーザー数の増加によって製品・サービスの価値が向上するネットワーク効果は期待できない。
コスト優位★★☆☆☆
ガラス・土石製品業界は一般的に規模の経済が働きやすいが、ベルテクスコーポレーション単独での顕著なコスト優位性を示す具体的なデータはない。ただし、製造業としての効率化努力による一定のコスト管理は行われていると推測される。
規模の経済★★★☆☆
ガラス・土石製品業界は、設備投資が大きく、一定の規模を持つ企業が市場シェアを確保しやすい傾向がある。ベルテクスコーポレーションが業界内で一定の地位を占めている場合、効率規模による競争優位性が存在する可能性がある。ただし、詳細な市場シェアや業界構造のデータがないため、限定的な評価となる。
- 多様な製品と一貫体制ベルテクスコーポレーションは、コンクリート二次製品、パイル製品、防災製品と多岐にわたる製品ラインナップを持ち、製造から販売、据付・設置工事までを一貫して提供できる体制を構築しています。これにより、顧客は複数の業者に依頼する手間が省け、品質管理も容易になるため、顧客にとっての利便性が高いと言えます。
- 技術力と高付加価値製品コンクリート事業においては、価格競争に晒されにくいオリジナル製品や高付加価値製品の受注に注力しています。また、パイル事業では高支持力杭工法であるHyperストレート工法を強化するなど、技術力を活かした差別化を図っています。2023年4月には技術研究所を立ち上げ、研究開発にも力を入れています。
- 全国展開とBCP体制全国に営業所や工場を展開しており、広範囲の顧客に対応できる体制を整えています。また、大規模な自然災害に備え、本社および各地域の重要拠点においてBCP(事業継続計画)を策定し、災害発生時の事業継続性を高める努力をしています。これにより、予期せぬ事態が発生しても事業活動への影響を最小限に抑えることを目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針2024年4月1日に当社の社会的な存在意義となる「VERTEX Purpose(ベルテクス・パーパス)」を制定し、全社員が共有する価値観と進むべき方向性を明確化する「VERTEX POLICY(ベルテクス・ポリシー)」を体系的にまとめました。ベルテクスグループは、多様な従業員一人ひとりと共に成長し、パーパスの実現と持続可能な社会への貢献を目指します。 (2) 中長期的な会社の経営戦略「VERTEX Purpose」の実現に向け、2034年に目指す姿を描いた長期ビジョン「VERTEX Vision 2034」を策定し、バックキャスティングの手法で2025年3月期~2027年3月期を第3次中期経営計画期間と定めました。この期間は、事業ポートフォリオの強化やコア事業(コンクリート・斜面防災)の再成長、新規事業(インフラメンテナンス、鉄道、油圧ホースメンテナンス、防衛)の育成に注力します。重点施策は以下のとおりです。① 事業ポートフォリオの強化事業ポートフォリオの強化に向けた成長投資を行い、基盤を整えたコア事業である、コンクリート事業と斜面防災事業の再成長と、長期的な成長の軸となる新規事業(インフラメンテナンス、鉄道、油圧ホースメンテナンス、防衛)の育成を進めます。② 人的資本・R&D・DXの推進強化各事業の成長・育成を実現するため、人的資本の強化、R&D、DXの推進を積極的に進めます。③ サステナビリティの推進当社グループで特定したマテリアリティに関する取り組みを進め、持続的な企業価値向上を目指します。 (3) 経営環境当業界は、将来的な国内市場の縮小リスクや労働力不足、原材料・物流コストの高騰といった構造的な要因が引き続き業界全体の共通課題となっています。一方、近年、頻発化、激甚化する自然災害の発生や高度成長期に建設された社会資本の老朽化等を背景に、防災・減災、国土強靭化に資する製品やメンテナンス技術に対するニーズの高まりや、労働人口の減少による熟練工不足や現場の働き方改革に対する施工効率化の要求、サステナブルな社会の実現など、当業界を巡る状況は大きく変化しております。このような状況下において当社グループは、これまで培った技術力・ノウハウをさらに結集し、革新的な発想と新技術の開発、ビジネススタイルの変化への対応力を上げ、新たな要請にこたえてまいります。また、今後10年、20年の成長を担う新たな事業の開発・獲得に向けて取り組んでまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後のわが国経済は、社会経済活動の正常化や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復が期待される一方で、原材料価格やエネルギー価格の高止まり、為替相場の変動、物価上昇に加え、中東地域の緊張、ウクライナ情勢、米中関係等の海外動向に起因する地政学リスクの高まりなど、先行き不透明な状況が続くものと見込まれます。これらの影響により、資源価格の上昇や物流の停滞、サプライチェーンの混乱が生じる可能性があります。当社グループが属する業界においては、気候変動に伴う豪雨・浸水被害等への対応を含む防災・減災及び国土強靭化の推進に加え、高度成長期に整備された社会インフラの老朽化対策を背景として、関連する公共建設投資は引き続き底堅く推移するものと見込まれます。 また、民間建設投資についても、企業の設備投資需要等を背景に堅調に推移することが期待されます。このような環境のもと、当社グループでは、2027年3月期を最終年度とする第3次中期経営計画を策定し、未来の安心と更なる企業価値向上に向けて努めてまいります。また引き続き、技術・研究開発、人材、設備等、グループ内の有形・無形の資産を最大限に活用し、建設業界ひいてはわが国の課題解決の一助となるべく、革新的な製品の開発・供給に真摯に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針2024年4月1日に当社の社会的な存在意義となる「VERTEX Purpose(ベルテクス・パーパス)」を制定し、全社員が共有する価値観と進むべき方向性を明確化する「VERTEX POLICY(ベルテクス・ポリシー)」を体系的にまとめました。ベルテクスグループは、多様な従業員一人ひとりと共に成長し、パーパスの実現と持続可能な社会への貢献を目指します。 (2) 中長期的な会社の経営戦略「VERTEX Purpose」の実現に向け、2034年に目指す姿を描いた長期ビジョン「VERTEX Vision 2034」を策定し、バックキャスティングの手法で2025年3月期~2027年3月期を第3次中期経営計画期間と定めました。この期間は、事業ポートフォリオの強化やコア事業(コンクリート・斜面防災)の再成長、新規事業(インフラメンテナンス、鉄道、油圧ホースメンテナンス、防衛)の育成に注力します。重点施策は以下のとおりです。① 事業ポートフォリオの強化事業ポートフォリオの強化に向けた成長投資を行い、基盤を整えたコア事業である、コンクリート事業と斜面防災事業の再成長と、長期的な成長の軸となる新規事業(インフラメンテナンス、鉄道、油圧ホースメンテナンス、防衛)の育成を進めます。② 人的資本・R&D・DXの推進強化各事業の成長・育成を実現するため、人的資本の強化、R&D、DXの推進を積極的に進めます。③ サステナビリティの推進当社グループで特定したマテリアリティに関する取り組みを進め、持続的な企業価値向上を目指します。 (3) 経営環境当業界は、将来的な国内市場の縮小リスクや労働力不足、原材料・物流コストの高騰といった構造的な要因が引き続き業界全体の共通課題となっています。一方、近年、頻発化、激甚化する自然災害の発生や高度成長期に建設された社会資本の老朽化等を背景に、防災・減災、国土強靭化に資する製品やメンテナンス技術に対するニーズの高まりや、労働人口の減少による熟練工不足や現場の働き方改革に対する施工効率化の要求、サステナブルな社会の実現など、当業界を巡る状況は大きく変化しております。このような状況下において当社グループは、これまで培った技術力・ノウハウをさらに結集し、革新的な発想と新技術の開発、ビジネススタイルの変化への対応力を上げ、新たな要請にこたえてまいります。また、今後10年、20年の成長を担う新たな事業の開発・獲得に向けて取り組んでまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後のわが国経済は、社会経済活動の正常化や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復が期待される一方で、原材料価格やエネルギー価格の高止まり、為替相場の変動、物価上昇に加え、中東地域の緊張、ウクライナ情勢、米中関係等の海外動向に起因する地政学リスクの高まりなど、先行き不透明な状況が続くものと見込まれます。これらの影響により、資源価格の上昇や物流の停滞、サプライチェーンの混乱が生じる可能性があります。当社グループが属する業界においては、気候変動に伴う豪雨・浸水被害等への対応を含む防災・減災及び国土強靭化の推進に加え、高度成長期に整備された社会インフラの老朽化対策を背景として、関連する公共建設投資は引き続き底堅く推移するものと見込まれます。 また、民間建設投資についても、企業の設備投資需要等を背景に堅調に推移することが期待されます。このような環境のもと、当社グループでは、2027年3月期を最終年度とする第3次中期経営計画を策定し、未来の安心と更なる企業価値向上に向けて努めてまいります。また引き続き、技術・研究開発、人材、設備等、グループ内の有形・無形の資産を最大限に活用し、建設業界ひいてはわが国の課題解決の一助となるべく、革新的な製品の開発・供給に真摯に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は66,032百万円(前連結会計年度末と比べ14,165百万円増)となりました。流動資産は44,321百万円(前連結会計年度末と比べ9,631百万円増)となりました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産9,302百万円(前連結会計年度末と比べ1,796百万円増)、商品及び製品6,578百万円(前連結会計年度末と比べ2,313百万円増)等によるものであります。固定資産は21,711百万円(前連結会計年度末と比べ4,534百万円増)となりました。これは主に土地9,640百万円(前連結会計年度末と比べ2,462百万円増)及びリース資産849百万円(前連結会計年度末と比べ849百万円増)等によるものであります。当連結会計年度末の総負債は21,600百万円(前連結会計年度末と比べ6,268百万円増)となりました。流動負債は、16,625百万円(前連結会計年度末と比べ4,664百万円増)となりました。これは主に短期借入金4,340百万円(前連結会計年度末と比べ1,800百万円増)及び未払法人税等1,785百万円(前連結会計年度末と比べ1,323百万円増)等によるものであります。固定負債は4,975百万円(前連結会計年度末と比べ1,603百万円増)となりました。これは主にリース債務686百万円(前連結会計年度末と比べ686百万円増)及び退職給付に係る負債1,229百万円(前連結会計年度末と比べ825百万円増)等によるものであります。当連結会計年度末の純資産は44,432百万円(前連結会計年度末と比べ7,897百万円増)となりました。これは主に利益剰余金43,678百万円(前連結会計年度末と比べ8,783百万円増)等によるものです。この結果、自己資本比率は66.8%となり前連結会計年度末と比べ3.2ポイント減となりました。 ② 経営成績の分析当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績の回復を背景とした設備投資の増加や雇用・所得環境の改善などにより、全体として緩やかな回復の動きがみられました。一方で、原材料及びエネルギー価格の高止まりや円安の進行、海外経済の減速、地政学的リスク、各国間の貿易摩擦などにより、先行きの不透明感が依然として続いています。当社グループが属する業界においては、国土強靭化や防災・減災の重要性が一段と高まっています。政府はこれらの政策を積極的に推進し、インフラ老朽化対策や防災インフラの整備、気候変動リスクへの対応を目的とした公共投資が底堅く推移しました。一方で、将来的な国内市場の縮小リスクや労働力不足、原材料・物流コストの高騰といった構造的な要因が、引き続き業界全体の共通課題となっています。第3次中期経営計画期間は「VERTEX Vision2034」に基づく1期目と位置付け、事業ポートフォリオの強化に向けた成長投資を推進するとともに、基盤を整えたコア事業の更なる成長と、長期的な成長の軸となる新規事業の育成に取り組んでいます。重点施策として掲げる「事業ポートフォリオの強化」、「人的資本・R&D・DXの推進強化」、「サステナビリティの推進」に注力し、更なる企業価値の向上に努めております。2025年10月1日付で株式会社IKKを連結子会社化したことに伴い、当連結会計年度よりセグメント区分に「セグメント事業」を新たに設けております。これらの外部環境の変化に対応しつつ、中期経営計画に基づく各種成長戦略や重点施策を着実に実行した結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は46,519百万円(前年同期比19.5%増)、営業利益は7,058百万円(前年同期比12.3%増)、経常利益は7,109百万円(前年同期比10.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益(負ののれん発生益6,019百万円)の計上により10,315百万円(前年同期比113.7%増)となりました。 セグメント業績を示すと、次のとおりであります。(コンクリート事業)販売価格の改定効果に加え、付加価値の高い製品の構成比が高水準で推移しました。特に、大型の浸水対策案件が好調に推移したことから、浸水対策用途で使用される耐震対応型ボックスカルバート(SJ-BOX)及び雨水貯留槽などの製品が売上に占める割合を高め、売上高及び収益性の向上に寄与しました。その結果、売上高は前年同期比11.6%増の30,028百万円、セグメント利益は前年同期比17.2%増の6,341百万円となりました。(パイル事業)建設資材価格の高止まり等を背景とした建設需要の減少に加え、米国の関税政策の影響等による景況感の不透明さから、民間建設投資において期初に計画されていた工事案件の中止・延期が発生しました。その結果、売上高は前年同期比23.3%減の2,828百万円、セグメント利益は前年同期比71.4%減の70百万円となりました。 (斜面防災事業)期初に計画していた案件の一部が当期中の実施に至らず、当期における売上計上が想定を下回りました。その結果、売上高は前年同期比5.2%減の4,635百万円、セグメント利益は前年同期比3.8%減の1,595百万円となりました。(セグメント事業)連結子会社化した株式会社IKKのセグメント事業については、概ね期初計画に沿って推移したものの、一部案件において売上計上時期が翌期にずれ込みました。その結果、売上高は5,623百万円、セグメント利益は286百万円となりました。(その他)その他に属する各事業は概ね安定的に推移し、売上高は前年同期比0.5%減の3,403百万円とほぼ横ばいとなりました。一方、セラミックス事業において半導体製造装置関連の出荷が順調に推移したことから、セグメント利益は前年同期比14.6%増の893百万円となりました。 ③ キャッシュ・フローの分析当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期に比べ678百万円増加し、17,981百万円となりました。 当連結会計年度末に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、5,351百万円(前年同期比1,025百万円減)となりました。その主な要因は、負ののれん発生益6,019百万円に対し、税金等調整前当期純利益13,079百万円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、3,146百万円(前年同期比3,361百万円増)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出1,946百万円及び連結子会社株式の取得による支出1,247百万円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、1,526百万円(前年同期比1,658百万円減)となりました。その主な要因は、短期借入金の借入による収入1,800百万円に対し、自己株式取得による支出1,264百万円及び配当金の支払額1,527百万円等の資金支出によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%) コンクリート事業11,121,21215.8 パイル事業598,458△13.1 斜面防災事業820,2443.8 セグメント事業4,527,591- その他931,7206.3合計17,999,22850.5 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は製造原価によっております。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%) コンクリート事業26,473,5193.39,778,4429.9 パイル事業2,734,089△21.6368,561△20.5 斜面防災事業5,067,9354.01,120,00262.9 セグメント事業1,315,972-23,413,848- その他3,439,898△2.2356,59211.5合計39,031,4144.135,037,446237.9 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は販売価格によっております。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%) コンクリート事業30,028,85211.6 パイル事業2,828,858△23.3 斜面防災事業4,635,313△5.2 セグメント事業5,623,679― その他3,403,163△0.5合計46,519,866 19.5 (注)セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりでありますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 1. 固定資産及びのれんの減損処理当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。2. 繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。3. 退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は発生、変更年度に一時の費用として認識されるため、退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの経営成績等は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の分析及び ② 経営成績の分析」に記載のとおりであります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの主要な運転資金需要は、製品製造のための材料費や部品の調達及び商品仕入に費やされており、製造費や販売費及び一般管理費等に計上される財・サービスに対しても同様に費消されております。また、投資を目的とした資金需要は、生産設備の新設、改修及び関連会社株式の取得等に支出されております。これらの所要資金については、自己資金により賄っております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は5,986百万円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は17,981百万円となっております。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金の他、金融機関からの借入金等による資金調達にて対応してまいります。なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。 (経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況)2024年5月10日に公表いたしました中期経営計画(2024年度~2026年度)の目標、当期実績については以下のとおりです。 (単位:百万円) 2025年3月期(中計1年目)2026年3月期(中計2年目)2027年3月期(中計3年目)指標(計画)(実績)(計画)(実績)(計画)(予想)売上高40,00038,91841,00046,51943,000(50,000)52,000営業利益6,0006,2856,2007,0586,5007,100経常利益6,2006,4496,4007,1096,7007,250親会社株主に帰属する当期純利益4,0504,8264,20010,3154,4004,700自己資本当期純利益率(ROE)―13.8%―25.7%14.0%― (注)2027年3月期の売上高の( )は、M&A目標を含んだ売上高となります。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。なお、「VERTEX Vision 2034」 に基づく第3次中期経営計画の2期目として2026年3月期の業績は、収益性の高い大型案件及び株式会社IKKの連結子会社化が寄与し全ての項目で計画を上回る結果となりました。また、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、3期目の計画を上回る結果となりました。
事業リスク
- 法的規制とコンプライアンス建設業法、製造物責任法、JIS法、環境関連法、労働関連法など、多岐にわたる法的規制や認定を受けています。これらの法令を遵守できなかった場合や、認定更新の基準を満たせなかった場合、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。同社は研修や品質パトロールで法令遵守に努めています。
- 公共事業への依存度コンクリート事業の一部と斜面防災事業の大部分は、政府や地方自治体の公共事業向け売上が占めています。そのため、公共事業の規模や予算配分の変動が、同社の業績に直接的な影響を与える可能性があります。同社は国土強靭化やインフラメンテナンスに焦点を当て、リスク軽減を図っています。
- 原材料価格と輸送費の変動主要原材料であるセメント、鋼材、燃料の価格は市況によって大きく変動します。また、物流業界の人手不足や働き方改革関連法の施行により、製品輸送費も上昇傾向にあります。これらのコスト上昇分を製品価格に転嫁しきれない場合、利益率が圧迫され、業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
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3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、文中における将来に関する事項につきましては、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 重大リスクの選定プロセスについて当社グループでは、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある重大なリスクを、社会的情勢や経営環境及びグループの経営課題などを踏まえて、毎年度網羅的に洗い出し、評価しています。また、事業個別の重大なリスクについても、所管部署が毎年度洗い出し・評価を行ったうえで、リスク管理委員会を経て決定しています。なお、重大リスクの選定にあたっては、「発生可能性」と「影響度」に加え、中長期の経営戦略との関連性や投資家の判断への影響の観点も踏まえております。 (2) リスクマネジメント体制について当社グループでは、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を設置し、評価・特定された重要なリスクについて、実施計画を策定のうえ、リスクマネジメント活動を行っています。活動状況については四半期ごとにモニタリングを行い、対応策の進捗確認及び必要に応じた見直しを行っております。また、重大リスクは取締役会に報告され、取締役会はリスクマネジメントを含むリスクの状況を監督しています。 (3) 事業等のリスクについて有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。また、各リスクの発生時期については、短期(概ね1年以内)、中期(概ね1~3年)、長期(3年超)を目安として記載しております ① 法令遵守・コンプライアンスに関するリスク(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:短期~中期)当社グループでは、事業運営上、建設業法、製造物責任法、JIS法、各種環境関連法、各種労働関連法などの様々な法的規制や認定を受けております。これらの法令への理解不足や対応不備、または許認可更新時における基準未達等が生じた場合には、行政処分、事業停止、損害賠償等につながる可能性があります。当社グループの主要な許認可等の概要は、以下のとおりであります。会社名許認可等の名称監督官庁等有効期限ベルテクス㈱一般建設業許可国土交通省2031年1月24日ベルテクス建設㈱特定建設業許可国土交通省2030年1月15日㈱IKK特定建設業許可国土交通省2026年12月3日ホクコンマテリアル㈱一般建設業許可国土交通省2026年12月19日 当社グループでは、法令改正動向の継続的なモニタリング、全従業員向けコンプライアンス研修の実施、品質管理活動の徹底等により遵守体制の強化を図っております。しかしながら、法令解釈の変更や予期せぬ事象によりコンプライアンス上の問題が発生するリスクを完全に排除することは困難であり、万一当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 自然災害・重大事故・事業継続に関するリスク(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:短期~中期)当社グループは全国に営業所や工場を展開しております。大規模な地震・風水害などの自然災害や感染症の拡大等が発生し、これらの事業拠点が被災した場合には、従業員や建物・設備に被害が及び、原材料の調達や製品の供給が停滞または中断することにより、事業活動の継続に影響が及ぶ可能性があります。また、当社グループの工場及び製品施工現場では、重大な事故や労働災害が発生するリスクがあります。仮に重大な事故や労働災害が発生した場合には、人的・物的な被害や補償等の費用、生産停止等により、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、従業員の安全を確保し、事業活動への影響を最小限に留めるために、本社及び各地域の重要拠点においてBCP(事業継続計画)を策定するとともに、災害発生時の初期対応を行うための災害対策本部の設置や、迅速な業務の復旧を可能とするための本社機能のバックアップ体制や設計・開発機能の分散化などの環境整備を進めております。また、設備の保守・点検や安全衛生教育の徹底、定期的な安全パトロールの実施等により、事故・災害の発生防止に努めております。しかしながら、想定を超える広域災害や長期的な供給制約等が発生した場合には、復旧の長期化により中長期的に当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 季節的変動のリスク(発生可能性:高、影響度:中、発生時期:短期)当社グループの売上高は、公共事業に関連する取引が一定の割合を占めていることから、発注や施工の時期が年度後半に偏る傾向があり、上半期の売上高に比べて下半期の売上高の割合が多くなる季節的変動要因を有しております。また、期末に予定していた工事の進捗遅延や検収の遅れ等が発生した場合には、売上計上が翌期に繰り越されることにより、当期の業績に影響を及ぼす可能性があります。このような季節的変動が、天候不順や公共工事の発注時期の変化等により一段と大きくなった場合には、上半期を中心に四半期ごとの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、民間分野向け製品・サービスの拡大などにより事業ポートフォリオの多様化を進めるとともに、生産・施工体制の平準化を図ることにより、業績の季節的変動の緩和に努めております。 ④ 事業ポートフォリオ・需要構造に関するリスク(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:中期~長期)当社グループのコンクリート事業、斜面防災事業、セグメント事業においては、売上の相当部分が公共事業に依存しております。当社グループでは、国土強靭化、防災・減災対応のために必要とされる製品や老朽化したインフラのメンテナンスを中心に、社会資本・生活インフラの整備に欠かせない各種製品や材料、工法の供給に経営資源を集中し、厳しい財政状況の中でも優先的に予算が配分される公共事業領域を見定めて事業を展開するほか、建設投資額が大きい都市部近郊における民間需要向けの製品の供給拡大を積極的に推進しております。しかしながら、今後の公共事業の規模及びその予算の配分内容によっては、当社グループの業績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ⑤ 競争環境・価格動向に関するリスク(発生可能性:中、影響度:大、発生時期:短期~中期)当社グループのコンクリート事業、パイル事業、セグメント事業においては、国内建設需要の構造変化や地域別需給の変動等を背景に、競争環境は厳しい状況が継続しております。そのような中、コンクリート事業及びセグメント事業におきましては、価格競争に晒されにくい高付加価値製品の受注に注力し、その構成比率を高めることにより業績の維持・拡大に努めております。一方、パイル事業におきましては、需要が高まっている高支持力杭工法の一つであるHyperストレート工法主体の営業を強化するほか、当社が強みを有する地域に営業エリアを絞り、採算性の維持・向上に努めております。しかしながら、製品の機能や施工品質等による差別化が難しい製品群が想定以上の激しい価格競争に晒された場合には、当社グループの業績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ⑥ 原材料価格・物流コストに関するリスク(発生可能性:高、影響度:中、発生時期:短期)当社グループのコンクリート事業、パイル事業、斜面防災事業及びセグメント事業の主要原材料であるセメント及び鋼材並びに燃料である石油は、市況性があり、国際情勢、為替動向や需給動向等により価格が大きく変動することがあります。また、物流業界における慢性的な人手不足や2024年4月に改正された働き方改革関連法の施行等を背景に、当社グループの製品輸送費は年々上昇傾向にあります。当社グループでは、生産性の改善による原価低減、納入地に近接する工場での生産振替えによる輸送費用の低減、及び売価改定に取り組んでおりますが、今後の市況動向等によって原材料等の価格が上昇し続け、原価上昇分のすべてを価格転嫁しきれない場合には、当社グループの業績に一定程度影響が及ぶ可能性があります。 ⑦ 人材・労務に関するリスク(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:中期)建設業界における慢性的な人手不足を背景に、生コンクリートの現場打ちと比較して品質・工期面で優れるコンクリート製品の採用拡大の機運が高まっておりますが、一方で当社グループの人材の確保も困難になってきております。当社グループでは、人材採用力の強化、労働時間の短縮やフレックスタイムの導入、育児・介護休業を含む柔軟な休暇制度の充実化、その他多様な人材がそれぞれの事情に応じて柔軟に働くことができる労働環境の整備に努めております。また、生産部門においては生産及び出荷準備工程の省人化に向けた取り組みとして、工程の一部へのロボットの導入にも着手しております。しかしながら、人材の確保が想定以上に進まず顧客ニーズに応じた対応ができない場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。 ⑧ 研究開発・新規事業に関するリスク(発生可能性:低、影響度:中、発生時期:中期)当社グループでは、市場のニーズやウォンツを先取りした製品の開発・市場投入に向けた研究開発活動を行っております。現存する技術部門とは別に、2023年4月に技術研究所を立ち上げ、開発テーマの検討、評価、並びに開発の進捗管理をグループ横断的に実施する仕組みを導入し、十分な成果を上げられるよう取り組んでおります。しかしながら、これらの活動のすべてが将来の収益に繋がる保証はなく、研究開発活動の結果次第では、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。また、当社グループでは、コンクリート事業、パイル事業及び斜面防災事業のさらなる成長を図ることと並行して、リスクをコントロールしながらその他事業への取組みや新規事業の探索を行っておりますが、これらの活動が期待する成果を上げられない場合には、投資回収の遅れや追加コストの発生等により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。 ⑨ 知的財産権に関するリスク(発生可能性:低、影響度:中、発生時期:中期~長期)当社グループにおいて、特許権等の知的財産権は、他社との差別化要因の一つであり、重要な経営資源であります。当社グループでは、法令に従い知的財産権の適切な取得保全手続きを行うとともに、知的財産権を含む第三者の権利を侵害することが無いよう細心の注意を払っております。しかしながら、当社グループの知的財産権が十分に保護されず、もしくは当社グループが第三者の権利を侵害した場合には、収益機会の喪失・減少や損害賠償の支払いなど、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。 ⑩ 情報セキュリティ・ITに関するリスク(発生可能性:中、影響度:大、発生時期:短期)当社グループは、顧客の機密情報及び営業上・技術上の秘密情報を保有しております。これらの情報について、サイバー攻撃、不正アクセス、内部不正、情報機器の紛失等により漏洩・滅失等が発生するリスクがあります。近年はサイバー攻撃の高度化・多様化が進んでおり、当社グループを取り巻く情報セキュリティリスクの水準も変化しております。当社グループでは、情報管理規程の整備、教育の実施、アクセス権限管理、技術的対策等を講じております。しかしながら、これらの対策をもってしてもリスクを完全に排除することは困難であり、万一当該事象が発生した場合には、損害賠償、信用失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 固定資産及びのれんの減損に関するリスク(発生可能性:低、影響度:中、発生時期:中期)当社グループは、品質の向上または生産性の向上のため設備投資を継続的に行っております。また、事業の成長のため必要に応じてM&Aを実施しております。当社グループでは、投資の意思決定の際には、投資効果を慎重に検討しているほか、M&A投資につきましては、投資後も適切な経営指導やシナジー創出のための積極的な関与・連携を行い、投資価値の維持・向上に努めております。しかしながら、有形固定資産及びのれんを含む無形固定資産が想定したキャッシュ・フローを生み出さない場合は、減損損失を認識する必要性が生じ、結果として多額の減損損失を認識した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。