5331

ノリタケ(5331)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

ガラス・土石製品 建設・資材

事業の概要

  • 多角的な事業展開
    ノリタケは、工業機材、セラミック・マテリアル、エンジニアリング、食器の4つの主要事業を展開しています。これにより、特定の産業に依存せず、幅広い分野で収益を上げています。例えば、自動車や半導体、ホテル・レストランなど、多様な顧客基盤を持っています。
  • グローバルな製造販売網
    日本国内だけでなく、米国、インドネシア、スリランカ、台湾など世界各地に製造・販売拠点を持ち、製品を供給しています。これにより、地域ごとの市場ニーズに対応し、安定的な事業運営を目指しています。
  • グループ会社による連携
    子会社25社と関連会社4社が連携し、研削砥石、ダイヤモンド工具、電子ペースト、蛍光表示管、工業炉、陶磁器食器など、多岐にわたる製品の製造から販売までを一貫して行っています。これにより、効率的なサプライチェーンを構築し、各事業の専門性を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 工業機材事業
    研削砥石やダイヤモンド工具などを製造・販売しており、売上高564.37億円、営業利益16.67億円と、同社グループ内で最も大きな売上規模を持つ事業です。国内外の自動車、鉄鋼、ベアリング業界などに製品を提供し、グローバルな生産・販売体制を構築しています。
  • セラミック・マテリアル事業
    電子ペースト、厚膜回路基板、蛍光表示管、セラミック原料などを手掛け、売上高454.78億円、営業利益66.14億円と、最も高い営業利益を稼ぎ出す収益の柱です。電子・半導体分野向けの製品が多く、国内外で製造・販売を行っています。
  • エンジニアリング事業
    各種工業炉やスタティックミキサーの製造・販売を行い、売上高290.67億円、営業利益19.19億円を計上しています。主に国内外の製造業向けに、焼成炉や乾燥炉といった設備を提供しており、生産効率向上に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
IndustrialProducts 地域 564 17 3.0%
CeramicsAndMaterials 事業 455 66 14.5%
Engineering 事業 291 19 6.6%
Tabletop 事業 72 0 0.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,265 文字
3【事業の内容】当社の企業集団は、子会社25社(内、連結子会社23社)及び関連会社4社(内、持分法適用会社3社)で構成され、工業機材事業、セラミック・マテリアル事業、エンジニアリング事業、食器事業を事業部門として、製造販売を主な事業内容とし、関連するサービス部門とともに事業活動を展開しております。 当社グループの事業に係わる上記事業部門の位置づけは次のとおりであり、セグメントの区分と同一であります。 工業機材事業製造面では、研削砥石の製造及び加工を当社他5社の子会社及び関連会社2社が行い、ダイヤモンド工具の製造を当社他1社の子会社が行っております。また、研磨布紙の製造を子会社である日本レヂボン株式会社及びその子会社1社が行い、一部を当社へ供給しております。販売面では、国内、海外とも当社他1社の子会社が販売するほか、国内市場におきましては株式会社ゼンノリタケ他1社の子会社が行い、海外市場におきましてはNoritake U.S.A., Inc.(米国)他3社の子会社が行っております。 セラミック・マテリアル事業製造面では、電子ペースト、セラミックコア等を当社が製造するほか、子会社であるPT. Noritake Indonesia(インドネシア)他1社の子会社が製造しております。また、蛍光表示管を子会社であるノリタケ伊勢株式会社が製造しており、セラミック原料等を子会社である共立マテリアル株式会社及びその子会社が製造し、一部を当社へ供給しております。販売面では、国内、海外とも当社が販売するほか、ノリタケ伊勢株式会社が行っております。海外市場におきましてはNoritake U.S.A., Inc.(米国)他3社の子会社が行っております。共立マテリアル株式会社はその製品の大部分を直接国内、海外に販売しております。また、関連会社であるクラレノリタケデンタル株式会社は、デンタル関連商品の製造販売を行っております。 エンジニアリング事業製造面では当社が製造するほか、各種工業炉の製造を子会社である株式会社ノリタケTCFが、スタティックミキサーの製造を子会社である晨杏股份有限公司(台湾)が行い、当社へ供給しております。販売面では、国内、海外とも当社他1社の子会社が販売するほか、国内市場におきましては子会社である株式会社ノリタケマシンテクノが行い、海外市場におきましては子会社であるNoritake U.S.A., Inc.(米国)が行っております。 食器事業製造面では当社が製造するほか、陶磁器等食器の製造を子会社であるNoritake Lanka Porcelain (Private) Limited(スリランカ)及び関連会社1社が行い、当社へ供給しております。販売面では、国内、海外ともに当社が販売するほか、海外市場におきましてはNoritake U.S.A., Inc.(米国)他1社の子会社が行っております。 そのほかサービス部門として株式会社ノリタケの森があります。 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
原材料や燃料の高騰分を価格転嫁できない場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
セラミックスの要素技術をもとにした新商品・新技術の開発、知的財産権の取得。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:経済状況の変動に関するリスク / 競合他社との競争に関するリスク / 原材料、燃料の高騰に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

ノリタケは、創業100年以上の歴史を持つ高級陶磁器ブランド「ノリタケ」を有しており、その高いブランド認知度と品質への信頼は、長年にわたり培われてきた無形資産と言える。特に、高級食器市場やホテル・レストラン向けの業務用食器市場において、そのブランド力は一定の競争優位性をもたらしている。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

業務用食器市場においては、一度採用されたブランドや品質基準からの変更は、オペレーションの混乱や顧客満足度への影響を考慮すると、一定のスイッチングコストが発生する可能性がある。しかし、新規顧客獲得のハードルは比較的低く、代替品の選択肢も多いため、スイッチングコストは限定的である。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ノリタケの事業モデルにおいて、ネットワーク効果が競争優位性の源泉となっているという明確な証拠は見当たらない。製品の価値がユーザー数の増加に比例して高まるような構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

長年の操業による生産ノウハウの蓄積や、一部の原材料調達における規模の経済性は考えられるが、競合他社と比較して構造的に著しく低いコストを実現しているという証拠は乏しい。特に、人件費やエネルギーコストの上昇は、コスト優位性を圧迫する要因となりうる。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ノリタケは、食器、タイル、研削材など多岐にわたる事業を展開しており、それぞれの分野で一定の生産規模と販売網を有している。特に、食器事業においては、グローバルな生産・販売体制を構築しており、業界内での一定のシェアを確保している。これにより、効率的な生産と販売が可能となっている。

  • セラミックス技術の応用力
    長年培ってきたセラミックスの要素技術を核に、多様な製品開発を行っています。これにより、研削砥石から電子部品材料、工業炉、高級食器まで、幅広い分野で高品質な製品を提供できる強みがあります。
  • グローバルな生産・販売体制
    世界各地に製造拠点と販売網を持つことで、特定の地域や市場の変動リスクを分散しています。例えば、工業機材事業では需要地生産を進め、セラミック・マテリアル事業では国内生産拠点を増やしてリスク分散を図っています。
  • ブランド力と品質への信頼
    ノリタケは、特に食器事業で培われた高いブランド認知度と品質への信頼を持っています。これは、長年の歴史と製品の品質管理によって築き上げられたものであり、顧客からの安定した需要に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社が判断したものであります。2030年度を見据えた経営の方向性(1)VISION2030(2030年度のありたい姿)「マテリアル×プロセスの独自技術で変化する社会の欠かせない推進役へ」ノリタケグループは、創業者が「我カ社ノ精神」に記した"事業を通じて社会に貢献する"という姿勢を経営理念の核としてきました。今後の当社グループを取り巻く経営環境は、地政学リスクの顕在化、保護主義の台頭、カーボンニュートラルを始めとするサステナビリティに対する意識や、心身の幸福や健康に対する意識の高まり、生成AIやDXの進展など、不確実で先が予測しにくい時代が続くものと認識しています。こうした経営環境のなか、VISION2030(2030年度のありたい姿)と、その実現に向けた戦略の方向性を描き、その上で中期経営計画の3年間の位置付けを明確にして、取り組むべき具体的な戦略を定めました。 当社グループは、経営基盤を強化するとともに成長領域に注力し、「マテリアル×プロセスの独自技術で変化する社会の欠かせない推進役」として社会に貢献してまいります。 (2)全社戦略(基本方針)「選択と集中(環境/エレクトロニクス/ウェルビーイングの領域へ)」2030年度を見据えた経営の方向性として策定したVISION2030(2030年度のありたい姿)「マテリアル×プロセスの独自技術で変化する社会の欠かせない推進役」を実現するために、今後の成長が期待される環境・エレクトロニクス・ウェルビーイングの3分野を成長領域と定めて「選択と集中」を進め、現状の基盤領域(内燃機関、窯業等)から成長領域(環境・エレクトロニクス・ウェルビーイング)へ事業領域の転換を図ります。 また、成長領域への取り組みを通じて、当社グループは、「地球を元気に」、「社会を便利に」、「人と社会を幸福に」する企業を目指します。 第13次中期経営計画(1)中期経営計画の位置付け「成長基盤の確立」VISION2030の実現に向けて、2025年度から2027年度までの3カ年を対象とする第13次中期経営計画(以下、第13次計画)は、「成長基盤の確立」の期間と位置付けます。両利きの経営として「強固な収益基盤の構築」と「成長加速に向けた投資」を推進するとともに、事業成長を後押しする「経営基盤の高度化」に取り組みます。また、これらの戦略実行に最適な体制に事業を再編してまいります。 (2)経営数値目標第13次計画の最終年度(2027年度)の数値目標は、連結売上高1,575億円、連結営業利益135億円、連結経常利益175億円、ROE9%以上とし、PBR1倍超の早期の実現を目指します。 (3)第13次計画の骨子 ①強固な収益基盤の構築成長領域への事業転換を図るため、積極的な投資による増産・拡販への対応と、新商品開発に取り組みます。また、合理化・収益改善のため、価格の適正化、原価低減とともに、老朽化設備の更新による効率化を推進します。さらに、外部連携も活用し、既存事業における前後工程への染み出しや、既存商品の新用途開拓によって、高付加価値・高収益な事業機会を獲得し、強固な収益基盤の構築に取り組みます。(当期の進捗状況)自動車、AI、通信・情報機器向けの需要拡大を見据え、MLCC用材料の生産能力増強を進めました。また、厚膜回路基板事業及び転写紙の製造・販売事業をノリタケ伊勢株式会社に集約し、印刷技術を中核とした事業体制に再編しました。さらに、外部連携による新商品開発・市場展開においては、LG Chem Ltd.と共同で自動車向けパワー半導体用の銀ペースト接合材を開発したほか、半導体向け回路形成用銅ナノペーストについては三菱商事グループと市場展開を進めました。これらの取り組みにより、エレクトロニクス分野を中心に高付加価値商品の拡充が進展しました。今後も、需要動向を見極めた増産対応、事業集約による収益性の向上、並びに新商品開発・市場展開などを通じて、新たな事業機会の創出に取り組みます。 ②成長加速に向けた投資「成長加速」と位置付けた第14次計画(2028年度から2030年度)期間中の一段の飛躍に向けて、従来の事業毎の製品起点から、新たに市場起点による、成長領域における事業横断での投資機会を探索し、戦略的企業連携(M&A・資本提携等)を進めます。また、全従業員から広く開発テーマを募る開発テーマ提案制度とステージゲート制度により、全社一丸となって新事業を育てると同時に、これまでの自前主義から脱却し、オープンイノベーションや他社との協業により早期の新事業創出に取り組みます。(当期の進捗状況)成長領域を対象とした事業横断の体制を組成し、M&A・資本提携等に向けた具体的なアプローチを開始しました。また、開発テーマ提案制度及びステージゲート制度の運用により、開発テーマの新規提案や入れ替えを進めました。さらに、名古屋大学発スタートアップ企業である株式会社TOWINGへの出資・協業を開始するなど、オープンイノベーションによる新事業創出を推進しました。今後も、事業横断での投資機会の具体化、戦略的企業連携の推進、並びにオープンイノベーションや他社との協業を通じて、具体的な事業化案件の創出に取り組みます。 ③経営基盤の高度化持続可能な社会の実現に向けた社会課題の解決のため、サステナビリティ経営を推進し、カーボンニュートラルの実現、気候変動等のリスクへの対応等のサステナビリティに向けた取り組みを進めます。人的資本経営の強化とDXの推進に注力し、経営基盤を高度化することにより事業成長を後押しし、VISION2030の実現を目指します。 [人的資本経営の強化]事業戦略と連動して策定した人財戦略を推進します。タレントマネジメントシステムの活用により従業員のスキルや経験等のタレント情報を可視化し、目指す人材ポートフォリオの充足に向けて人材投資を強化します。また、働き方改革と社内環境整備に取り組み、多様な人材の役割・成果に基づく新人事制度の定着により、従業員のチャレンジ精神の醸成とエンゲージメントの向上を図り、組織風土改革を実現します。(当期の進捗状況)新人事制度の定着に向けて制度理解の向上を図るとともに、コンピテンシー評価を通じて優先育成人材タイプを選定し、新人事制度と人財戦略に連動した育成体系を整備しました。従業員エンゲージメントについては、課題共有会を通じた改善活動を推進しました。今後も、これらの取り組みを通じて、組織風土改革の実現につなげてまいります。[DXの推進]市場や競争環境の変化にスピード感を持って対応できるよう、DXを推進します。社内データのデジタル化によって効率化・高度化の基盤を構築し、MI※の活用による開発の促進、業務フローの最適化、製販技連携の活性化などの取り組みとあわせて、中核となるDX人材を育成し、内部プロセスの抜本的な変革を目指します。(当期の進捗状況)業務・製造プロセスの見える化とデータ連携により、生産計画や在庫管理などの業務効率化を進めるとともに、開発面では生成AIを活用したデザイン制作プロセスを開発するなど、具体的な成果を創出しました。また、事業課題の解決に率先して取り組むDX推進リーダーの育成を推進し、2026年3月には経済産業省が定める「DX認定事業者」の認定を取得しました。今後も、さらなる効率化・高度化とDX人材の育成を進め、内部プロセスの抜本的な変革につなげてまいります。※MI(マテリアルズ・インフォマティクス):AIをはじめとする情報科学の技術を活用し、材料開発を迅速化する手法 (4)資本コストや株価を意識した経営2027年度ROE9%以上、PBR1倍超の早期実現を目標に掲げ、第13次計画を着実に遂行するとともに、「資本収益性の向上」と「市場評価の改善」に取り組みます。 [資本収益性の向上]・事業別ROICの目標設定及び実績管理により、資本収益性を高める施策を推進します。・成長領域(環境・エレクトロニクス・ウェルビーイング)に向けた積極的な投資を実行します。・政策保有株式の縮減を継続します。 [市場評価の改善]・株主還元の拡充を実施します。 配当性向:30%以上⇒35%以上 (第13次計画期間中は、1株当たり年間70円(2026年4月1日付株式分割後ベース)を下限とした累進配当) 機動的な自己株式取得 総還元性向:50%以上(第13次計画期間累計)・成長戦略及び進捗状況の適時適切な情報開示、並びにIR体制の強化と個別面談の拡充を図ります。・投資家との対話により得られた情報を取締役会に報告し、課題解決に向けた施策を実行します。 (5)セグメントごとに取り組むべき課題と対策(工業機材)オーダーメイド品事業では、市場の変化に迅速に対応するため、従来の製品別から市場別(成長領域別)に事業体制を再編しました。徹底した収支改善(拡販・価格適正化・OEM活用・原価低減等)に取り組みます。汎用品事業では、国内及びタイ国の製造体制の再編と整備により競争力を高め、収益改善を図ります。また、エレクトロニクス分野を中心に成長領域向けの新商品の開発、販路の拡大、増産体制の確立に取り組むとともに、国内及び海外の販売拠点の整備、販売・製造システムの刷新を進めます。 (セラミック・マテリアル)電子ペーストは、価格の適正化と製品ラインナップの拡充を進めるとともに、パワー半導体周辺材料への参入と量産化に取り組みます。電子部品材料は、主力の積層セラミックコンデンサ用材料の生産能力の増強とともに、製造基盤の整備と原価低減による競争力の強化を図ります。印刷技術を中核とした事業ポートフォリオの再編に伴い製造拠点の集約を進め、新たに高収益で高効率な事業基盤を確立します。また、成長領域(環境・エレクトロニクス・ウェルビーイング)向け新商品の開発を進めます。2026年4月1日付でセラミック・マテリアル事業に編入した食器事業は、体制のスリム化と事業運営の効率化を図ります。あわせて、セラミックス事業とのシナジー創出を通じて、収益改善に向けた構造改革を進めます。(エンジニアリング)主力のエネルギー、エレクトロニクス分野では、開発、販売、製造、品質管理体制の整備と、アフターサービス(メンテナンス・消耗品販売等)体制の確立により、シェアの拡大を図ります。また、新しい分野(医薬、半導体、サーキュラーエコノミー)への参入と市場の開拓、成長領域(環境・エレクトロニクス・ウェルビーイング)での新用途・新商品の開発を進めます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社が判断したものであります。2030年度を見据えた経営の方向性(1)VISION2030(2030年度のありたい姿)「マテリアル×プロセスの独自技術で変化する社会の欠かせない推進役へ」ノリタケグループは、創業者が「我カ社ノ精神」に記した"事業を通じて社会に貢献する"という姿勢を経営理念の核としてきました。今後の当社グループを取り巻く経営環境は、地政学リスクの顕在化、保護主義の台頭、カーボンニュートラルを始めとするサステナビリティに対する意識や、心身の幸福や健康に対する意識の高まり、生成AIやDXの進展など、不確実で先が予測しにくい時代が続くものと認識しています。こうした経営環境のなか、VISION2030(2030年度のありたい姿)と、その実現に向けた戦略の方向性を描き、その上で中期経営計画の3年間の位置付けを明確にして、取り組むべき具体的な戦略を定めました。 当社グループは、経営基盤を強化するとともに成長領域に注力し、「マテリアル×プロセスの独自技術で変化する社会の欠かせない推進役」として社会に貢献してまいります。 (2)全社戦略(基本方針)「選択と集中(環境/エレクトロニクス/ウェルビーイングの領域へ)」2030年度を見据えた経営の方向性として策定したVISION2030(2030年度のありたい姿)「マテリアル×プロセスの独自技術で変化する社会の欠かせない推進役」を実現するために、今後の成長が期待される環境・エレクトロニクス・ウェルビーイングの3分野を成長領域と定めて「選択と集中」を進め、現状の基盤領域(内燃機関、窯業等)から成長領域(環境・エレクトロニクス・ウェルビーイング)へ事業領域の転換を図ります。 また、成長領域への取り組みを通じて、当社グループは、「地球を元気に」、「社会を便利に」、「人と社会を幸福に」する企業を目指します。 第13次中期経営計画(1)中期経営計画の位置付け「成長基盤の確立」VISION2030の実現に向けて、2025年度から2027年度までの3カ年を対象とする第13次中期経営計画(以下、第13次計画)は、「成長基盤の確立」の期間と位置付けます。両利きの経営として「強固な収益基盤の構築」と「成長加速に向けた投資」を推進するとともに、事業成長を後押しする「経営基盤の高度化」に取り組みます。また、これらの戦略実行に最適な体制に事業を再編してまいります。 (2)経営数値目標第13次計画の最終年度(2027年度)の数値目標は、連結売上高1,575億円、連結営業利益135億円、連結経常利益175億円、ROE9%以上とし、PBR1倍超の早期の実現を目指します。 (3)第13次計画の骨子 ①強固な収益基盤の構築成長領域への事業転換を図るため、積極的な投資による増産・拡販への対応と、新商品開発に取り組みます。また、合理化・収益改善のため、価格の適正化、原価低減とともに、老朽化設備の更新による効率化を推進します。さらに、外部連携も活用し、既存事業における前後工程への染み出しや、既存商品の新用途開拓によって、高付加価値・高収益な事業機会を獲得し、強固な収益基盤の構築に取り組みます。(当期の進捗状況)自動車、AI、通信・情報機器向けの需要拡大を見据え、MLCC用材料の生産能力増強を進めました。また、厚膜回路基板事業及び転写紙の製造・販売事業をノリタケ伊勢株式会社に集約し、印刷技術を中核とした事業体制に再編しました。さらに、外部連携による新商品開発・市場展開においては、LG Chem Ltd.と共同で自動車向けパワー半導体用の銀ペースト接合材を開発したほか、半導体向け回路形成用銅ナノペーストについては三菱商事グループと市場展開を進めました。これらの取り組みにより、エレクトロニクス分野を中心に高付加価値商品の拡充が進展しました。今後も、需要動向を見極めた増産対応、事業集約による収益性の向上、並びに新商品開発・市場展開などを通じて、新たな事業機会の創出に取り組みます。 ②成長加速に向けた投資「成長加速」と位置付けた第14次計画(2028年度から2030年度)期間中の一段の飛躍に向けて、従来の事業毎の製品起点から、新たに市場起点による、成長領域における事業横断での投資機会を探索し、戦略的企業連携(M&A・資本提携等)を進めます。また、全従業員から広く開発テーマを募る開発テーマ提案制度とステージゲート制度により、全社一丸となって新事業を育てると同時に、これまでの自前主義から脱却し、オープンイノベーションや他社との協業により早期の新事業創出に取り組みます。(当期の進捗状況)成長領域を対象とした事業横断の体制を組成し、M&A・資本提携等に向けた具体的なアプローチを開始しました。また、開発テーマ提案制度及びステージゲート制度の運用により、開発テーマの新規提案や入れ替えを進めました。さらに、名古屋大学発スタートアップ企業である株式会社TOWINGへの出資・協業を開始するなど、オープンイノベーションによる新事業創出を推進しました。今後も、事業横断での投資機会の具体化、戦略的企業連携の推進、並びにオープンイノベーションや他社との協業を通じて、具体的な事業化案件の創出に取り組みます。 ③経営基盤の高度化持続可能な社会の実現に向けた社会課題の解決のため、サステナビリティ経営を推進し、カーボンニュートラルの実現、気候変動等のリスクへの対応等のサステナビリティに向けた取り組みを進めます。人的資本経営の強化とDXの推進に注力し、経営基盤を高度化することにより事業成長を後押しし、VISION2030の実現を目指します。 [人的資本経営の強化]事業戦略と連動して策定した人財戦略を推進します。タレントマネジメントシステムの活用により従業員のスキルや経験等のタレント情報を可視化し、目指す人材ポートフォリオの充足に向けて人材投資を強化します。また、働き方改革と社内環境整備に取り組み、多様な人材の役割・成果に基づく新人事制度の定着により、従業員のチャレンジ精神の醸成とエンゲージメントの向上を図り、組織風土改革を実現します。(当期の進捗状況)新人事制度の定着に向けて制度理解の向上を図るとともに、コンピテンシー評価を通じて優先育成人材タイプを選定し、新人事制度と人財戦略に連動した育成体系を整備しました。従業員エンゲージメントについては、課題共有会を通じた改善活動を推進しました。今後も、これらの取り組みを通じて、組織風土改革の実現につなげてまいります。[DXの推進]市場や競争環境の変化にスピード感を持って対応できるよう、DXを推進します。社内データのデジタル化によって効率化・高度化の基盤を構築し、MI※の活用による開発の促進、業務フローの最適化、製販技連携の活性化などの取り組みとあわせて、中核となるDX人材を育成し、内部プロセスの抜本的な変革を目指します。(当期の進捗状況)業務・製造プロセスの見える化とデータ連携により、生産計画や在庫管理などの業務効率化を進めるとともに、開発面では生成AIを活用したデザイン制作プロセスを開発するなど、具体的な成果を創出しました。また、事業課題の解決に率先して取り組むDX推進リーダーの育成を推進し、2026年3月には経済産業省が定める「DX認定事業者」の認定を取得しました。今後も、さらなる効率化・高度化とDX人材の育成を進め、内部プロセスの抜本的な変革につなげてまいります。※MI(マテリアルズ・インフォマティクス):AIをはじめとする情報科学の技術を活用し、材料開発を迅速化する手法 (4)資本コストや株価を意識した経営2027年度ROE9%以上、PBR1倍超の早期実現を目標に掲げ、第13次計画を着実に遂行するとともに、「資本収益性の向上」と「市場評価の改善」に取り組みます。 [資本収益性の向上]・事業別ROICの目標設定及び実績管理により、資本収益性を高める施策を推進します。・成長領域(環境・エレクトロニクス・ウェルビーイング)に向けた積極的な投資を実行します。・政策保有株式の縮減を継続します。 [市場評価の改善]・株主還元の拡充を実施します。 配当性向:30%以上⇒35%以上 (第13次計画期間中は、1株当たり年間70円(2026年4月1日付株式分割後ベース)を下限とした累進配当) 機動的な自己株式取得 総還元性向:50%以上(第13次計画期間累計)・成長戦略及び進捗状況の適時適切な情報開示、並びにIR体制の強化と個別面談の拡充を図ります。・投資家との対話により得られた情報を取締役会に報告し、課題解決に向けた施策を実行します。 (5)セグメントごとに取り組むべき課題と対策(工業機材)オーダーメイド品事業では、市場の変化に迅速に対応するため、従来の製品別から市場別(成長領域別)に事業体制を再編しました。徹底した収支改善(拡販・価格適正化・OEM活用・原価低減等)に取り組みます。汎用品事業では、国内及びタイ国の製造体制の再編と整備により競争力を高め、収益改善を図ります。また、エレクトロニクス分野を中心に成長領域向けの新商品の開発、販路の拡大、増産体制の確立に取り組むとともに、国内及び海外の販売拠点の整備、販売・製造システムの刷新を進めます。 (セラミック・マテリアル)電子ペーストは、価格の適正化と製品ラインナップの拡充を進めるとともに、パワー半導体周辺材料への参入と量産化に取り組みます。電子部品材料は、主力の積層セラミックコンデンサ用材料の生産能力の増強とともに、製造基盤の整備と原価低減による競争力の強化を図ります。印刷技術を中核とした事業ポートフォリオの再編に伴い製造拠点の集約を進め、新たに高収益で高効率な事業基盤を確立します。また、成長領域(環境・エレクトロニクス・ウェルビーイング)向け新商品の開発を進めます。2026年4月1日付でセラミック・マテリアル事業に編入した食器事業は、体制のスリム化と事業運営の効率化を図ります。あわせて、セラミックス事業とのシナジー創出を通じて、収益改善に向けた構造改革を進めます。(エンジニアリング)主力のエネルギー、エレクトロニクス分野では、開発、販売、製造、品質管理体制の整備と、アフターサービス(メンテナンス・消耗品販売等)体制の確立により、シェアの拡大を図ります。また、新しい分野(医薬、半導体、サーキュラーエコノミー)への参入と市場の開拓、成長領域(環境・エレクトロニクス・ウェルビーイング)での新用途・新商品の開発を進めます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の経済状況は、国内では、個人消費や設備投資に持ち直しの動きがみられるなど、景気は緩やかに回復しました。海外では、米国は一部に弱さがみられるものの底堅く推移し、欧州も持ち直しの動きがみられましたが、中国は不動産市場の停滞を背景に緩やかな減速が続きました。一方、米国の通商政策の動向や中東情勢の緊迫化に伴う資源やエネルギー価格の上昇など、世界経済の先行きに対する不透明感が強まっています。こうした情勢の下、当社グループは当期を初年度とする2027年度までの第13次中期経営計画をスタートさせました。成長領域向け製品の生産能力増強や事業体制の再編など将来の成長に向けた施策を着実に進める一方、自動車・鉄鋼等の既存顧客向けは需要変動の影響を受け、事業ごとに業績の明暗が分かれる結果となりました。 その結果、当連結会計年度の売上高は1,429億8百万円(前期比3.4%増加)、営業利益は111億14百万円(前期比8.8%増加)、経常利益は151億94百万円(前期比8.3%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は141億78百万円(前期比9.6%増加)となりました。 セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの利益又は損失の算定方法の変更を行っております。以下の前期比較については、変更後の算定方法により組み替えた数値で比較分析しております。(工業機材)オーダーメイド品は、国内においては、主要顧客である軸受業界に持ち直しの動きが見られたものの、自動車・鉄鋼業界の生産が低調に推移したことから、売上は前年並みとなりました。海外においては、北米では自動車・軸受向けが関税政策の影響を受け、中国では鉄鋼向けが顧客の在庫調整の影響を受けたほか、東南アジアでは自動車・軸受業界の景気低迷の影響を受けたことから、海外全体で売上は減少しました。成長分野である電子半導体向けは、拡販の取り組みを進めた結果、国内及び中国で売上は増加しました。汎用品は、切断・オフセット砥石は、国内向けは横ばいとなったものの、海外向けはアジアが減少したことに加えてタイバーツ高の影響を大きく受けたことから、売上は減少しました。研磨布紙は、国内及びアジア向けが堅調に推移し、売上は増加しました。その結果、工業機材事業の売上高は、563億85百万円(前期比0.1%減少)、営業利益は為替及び米国の関税政策の影響等を受けたことから、16億5百万円(前期比12.1%減少)となりました。(セラミック・マテリアル)電子ペースト及び電子部品材料は、積層セラミックコンデンサ用材料において、ADAS(先進運転支援システム)の進展等により搭載される電子部品数が増加している自動車向け、並びに需要が拡大しているAIサーバー向けが堅調に推移したことから、売上は増加しました。セラミックコアは交換需要・新規需要共に堅調で、売上は増加しました。石膏は海外の建材関係が回復傾向にあり、売上は増加しました。蛍光表示管は主要顧客の在庫調整の影響を受け、厚膜回路基板は米国向けの医療センサー用が減少したことから、いずれも売上は減少しました。セラミック原料は耐熱ガラス用及びディスプレー用が減少し、売上は減少しました。その結果、セラミック・マテリアル事業の売上高は、500億35百万円(前期比10.0%増加)、営業利益は販売及び生産量の増加により、83億24百万円(前期比23.8%増加)となりました。(エンジニアリング)主力の焼成炉及び乾燥炉は、エレクトロニクス向けとメンテナンス関連が堅調であったことから、売上は増加しました。混合装置及び濾過装置は、半導体・食品向けが堅調で、売上は増加しました。超硬丸鋸切断機は、自動車向けが落ち込んだことから、売上は大きく減少しました。ロードカッターは、公共工事が低調に推移し、売上は前年並みに留まりました。その結果、エンジニアリング事業の売上高は、297億57百万円(前期比2.4%増加)、営業利益は18億28百万円(前期比5.9%増加)となりました。(食器)国内においては、エアライン向けの受注が堅調に推移したものの、商品ラインナップの見直しに伴い一部商品の終売を進めたことから、国内全体での売上は減少しました。海外においては、米国では関税政策の影響による購買心理の冷え込みや、中国及びインドでは流通在庫の消化局面にあることから需要が減少し、海外全体での売上は減少しました。その結果、食器事業の売上高は、67億30百万円(前期比6.5%減少)、営業利益は販売減に加え、原材料価格の上昇や市場開拓に向けた先行費用の増加により、6億43百万円の営業損失(前期は64百万円の営業損失)となりました。 総資産は、前連結会計年度末に比べ317億64百万円(16.0%)増加し2,300億76百万円、負債合計は、前連結会計年度末に比べ148億87百万円(31.4%)増加し623億38百万円、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ168億76百万円(11.2%)増加し1,677億38百万円となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ16億9百万円増加し、134億60百万円となりました。また、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは23億33百万円の支出となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローにおける収入は、前連結会計年度から80億27百万円増加の100億43百万円となりました。これは主に仕入債務の減少幅の縮小に加え、法人税等の支払額の減少により資金が増加したことによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローにおいて支出した資金は、前連結会計年度から24億46百万円増加の77億10百万円となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入が増加した一方、有形及び無形固定資産の取得による支出、並びに定期預金の預入による支出が増加したことによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローにより支出した資金は、前連結会計年度から14億86百万円減少の15億44百万円となりました。これは主に自己株式の取得による支出が増加したものの、短期借入金が増加したことによるものです。 ③生産、受注及び販売の実績 a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)生産高(百万円)前年同期比(%)工業機材45,015100.4セラミック・マテリアル43,862117.0エンジニアリング6,134102.8食器4,24989.2合計99,261106.7(注)金額は、販売価格によっております。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)工業機材56,28499.37,71098.7セラミック・マテリアル50,469111.15,083109.3エンジニアリング29,23094.131,51398.4食器6,67392.560791.4合計142,657101.644,91499.4(注)金額は、販売価格によっております。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称売上高(百万円)前年同期比(%)内、海外売上高(百万円)前年同期比(%)海外売上割合(%)工業機材56,38599.920,99097.737.2セラミック・マテリアル50,035110.028,264110.556.5エンジニアリング29,757102.411,64784.039.1食器6,73093.53,81992.656.7合計142,908103.464,72199.545.3 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(財政状態)ⅰ)総資産当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ317億64百万円(16.0%)増加し、2,300億76百万円となりました。うち、流動資産が89億38百万円増加の993億45百万円、固定資産が228億25百万円増加の1,307億31百万円であります。これは主に投資有価証券並びに有形固定資産が増加したことによるものです。ⅱ)負債当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ148億87百万円(31.4%)増加し、623億38百万円となりました。これは主に短期借入金並びに繰延税金負債が増加したことによるものです。ⅲ)純資産当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ168億76百万円(11.2%)増加し、1,677億38百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金並びに利益剰余金が増加したことによるものです。この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比べ388円91銭増加して3,031円96銭となり、自己資本比率は前連結会計年度末の75.6%から72.5%に減少しました。なお、2026年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、1株当たり純資産額は当該株式分割実施後の株数にて算出しております。(経営成績)ⅰ)売上高当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ47億26百万円(3.4%)増加の1,429億8百万円となりました。なお、販売活動の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。ⅱ)経常利益当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ11億65百万円(8.3%)増加の151億94百万円となりました。主な要因としては、売上高が増加したことによるものであります。ⅲ)特別利益・特別損失当連結会計年度の特別利益は62億75百万円であり、主なものは投資有価証券売却益62億57百万円であります。また、当連結会計年度の特別損失は21億56百万円であり、主なものは環境対策引当金繰入額17億26百万円であります。ⅳ)親会社株主に帰属する当期純利益以上の結果、193億13百万円の税金等調整前当期純利益となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額及び非支配株主に帰属する当期純利益を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は141億78百万円となりました。1株当たり当期純利益は254円64銭となり、自己資本利益率は前連結会計年度の8.7%から9.0%となりました。なお、2026年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、1株当たり当期純利益は当該株式分割実施後の株数にて算出しております。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フロー)「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。(資本の財源及び資金の流動性)当社グループは、現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金、金融機関からの借入れ又は社債の発行により資金調達することとしております。運転資金につきましては、期限が一年以内の短期借入金で資金調達を行っております。国内におきましては、キャッシュ・マネジメント・システムにより当社が一括して資金を調達して各連結子会社に必要資金を分配し、海外におきましては、各々の連結子会社が運転資金として使用する現地通貨にて調達することを基本としております。2026年3月31日現在の短期借入金の残高は131億55百万円であります。設備投資等の長期資金につきましては、自己資金を原則とし、一部を長期借入金により調達することとしております。2026年3月31日現在の現預金残高は195億70百万円で、当社グループとして十分な水準の手元資金を確保していると考えております。③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況に基づく仮定により、様々な見積りを行っており、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。ⅰ)繰延税金資産繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、回収が不確実と考えられる部分は、評価性引当額としています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。なお、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収可能額の見直しを行い、繰延税金資産の修正を行うため、当期純利益額が変動する可能性があります。ⅱ)退職給付債務及び退職給付費用退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の期待運用収益率に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い債券の利回りを基礎として決定し、また、年金資産の期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。ⅲ)固定資産の減損固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として計上しています。固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、損益を悪化させる可能性があります。

事業リスク

  • 経済状況の変動
    自動車、鉄鋼、半導体、ホテル・レストランなど幅広い分野に製品を提供していますが、国内外の景気、設備投資、個人消費の動向に業績が左右される可能性があります。特定の分野に偏らない事業構成ですが、全体的な経済の冷え込みは収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 原材料価格の高騰と為替変動
    窯業を中心とする事業のため、原材料や燃料の価格高騰は製造コストを押し上げ、利益を圧迫する可能性があります。また、輸出入が多い事業構造のため、急激な為替変動は製品や原材料の価格に影響を与え、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 海外情勢と技術陳腐化
    売上の約47%が海外市場であるため、各国の政治情勢不安、法規制変更、テロ、戦争などが事業活動を制約する可能性があります。また、電子・半導体分野など技術革新が速い業界では、開発した技術や商品が早期に陳腐化し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,518 文字
3【事業等のリスク】当社グループのリスク管理につきましては、以下の体制をとり対応しております。1.法令違反に基づく不祥事、事故又は災害等の発生により企業価値を損なうような危機に直面した時に、可能な限り損失を低減し重大な影響を受けることなく事業を継続することができるよう危機管理規程に基づき、危機発生時には直ちに対策本部を設置し対応します。2.大規模地震や火災等への防災対策に係る規程を定め、防災教育・訓練を実施するとともに、災害発生時の従業員の行動基準を明確にし、従業員の安全と被害の軽減を図ります。3.事業運営上のリスクについては、事業計画や予算、設備投資計画等、重要な事項の決裁の過程において、総合的に検討・分析を行って、これを回避・予防します。4.サステナビリティ統括委員会の下に設置されたリスクマネジメント委員会において、当社に重大な影響を及ぼすリスクを把握して、その対応方針を定め、未然防止を図ります。また、その進捗状況を定期的に取締役会に報告します。 当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主なリスクについて以下に記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経済状況の変動に関するリスク当社グループは、工業機材事業(研削砥石・ダイヤモンド工具等)、セラミック・マテリアル事業(電子ペースト・電子部品材料・陶磁器食器※等)、エンジニアリング事業(焼成炉・乾燥炉等)を展開し、自動車、鉄鋼、ベアリング、電子・半導体、ホテル・レストラン等、幅広い分野に製品とサービスを提供しております。そのため特定分野の需要変動による大きな影響を受け難い事業構成ではありますが、各業界の需要動向は、国内外の景気、設備投資、個人消費、市況等の経済状況の影響を受けるため、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。※2026年4月1日付で、食器事業はセラミック・マテリアル事業に編入しております。(2)競合他社との競争に関するリスク当社グループは、セラミックスの要素技術をもとに、顧客や市場のニーズに対応した新商品・新技術の開発に取り組んでおります。しかしながら、各製品において、国内外の競合各社と激しい競争状態にあり、その状況次第では業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(3)原材料の調達について当社グループは、高品質で優れた製品を安定して製造・販売するため、原材料を適時、安定的に入手することが不可欠となります。購入元の品質不良、倒産、災害、事故、又は地政学的情勢の変化や物流の混乱等の理由で原材料の供給が停止した場合、在庫の確保や代替品への切替え等により、一定期間は製品の製造を維持できる体制を確立しておりますが、それが長期化した場合は、製品が製造できず業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(4)原材料、燃料の高騰について窯業を中心とした事業を展開する当社グループでは、原材料又は燃料の高騰が製造コストの上昇要因となります。ものづくり強化活動による生産性の向上や経費の削減等コストの低減には継続的に取り組んでいますが、コストの上昇分を吸収できない範囲につきましては、価格への転嫁をお願いいたしております。しかしながら、原材料やエネルギーの需要変動、供給国の社会情勢等により、過度の急激な価格の上昇で、いずれの方法でも解決できない場合は業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(5)為替の変動について当社グループは、全事業にわたり輸出及び一部の原材料の輸入をしております。短期的な為替変動に対しては、為替予約等によりリスクの回避を図っておりますが、急激な為替変動は製品・原材料の輸出入価格に大きな影響を与え、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、各地域における現地通貨建ての損益及び資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算しているため、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(6)海外情勢の変化によるリスク当社グループは、売上の約45%が海外市場であり、海外生産の展開も合せて、グローバルな事業活動を行っております。しかしながら、各国の紛争や治安状態の悪化等の政治情勢不安、経済情勢の不確実性、予期せぬ法規制や関税等の税制変更、宗教・文化や商習慣の相違に起因するトラブル等により、事業活動が制約されることが考えられます。日頃から情報を収集して情勢の把握に努めておりますが、特に戦争や内乱、テロ等が発生した場合には、事業活動を停止せざるを得ない事態も想定され、こうした場合には業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(7)パンデミックに関するリスク新興あるいは再興の感染症等の蔓延に関しては、その影響や状況を鑑みて適宜、適切な対応を行っております。しかしながら、それらが世界的な流行に発展した場合には、顧客の生産調整及び設備投資の抑制等による販売の減少や、当社の国内外の生産拠点の安定的な操業に支障が生じる等、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(8)技術・知的財産に関するリスク当社グループは、全社戦略「選択と集中(環境/エレクトロニクス/ウェルビーイングの領域へ)」に基づき、電子・半導体及びエネルギー業界等の成長産業への経営資源の集中を図っております。これらの業界では技術革新のスピードが速いことや需要動向の変動が大きいことから、開発した技術や商品が早期に陳腐化する傾向にあります。業界の動向や技術の進展の状況について日頃から情報を収集して対応をしておりますが、主力の商品が陳腐化した場合や新商品の投入時機を逸したときには、業績や財務状況に影響を受ける可能性があります。また、事業の優位性の確保や技術の保護のため、知的財産権の取得等の対策をしておりますが、特許侵害に対する係争や、それによるライセンス費用、和解費用の負担等が発生した場合、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(9)品質に関するリスク当社グループは、各事業において所定の品質基準に基づき、製品の品質確保に万全の対策を講じております。また、品質委員会において当社グループ全体の品質保証体制の強化に取り組んでおりますが、すべての製品において、予想し得ない品質問題が発生する可能性は皆無ではありません。製品に欠陥が生じた場合、欠陥に起因する直接的、間接的損害に対して、製造物賠償責任保険等では十分に補償しきれない損害賠償等の損失が発生する可能性があります。また、当社グループの社会的評価の低下により、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(10)災害・気候変動によるリスク当社グループには、国内及び海外に活動拠点があり、防災管理規程や災害対応マニュアルを整備する等防災管理体制づくりを進めております。また、工業機材事業においては、需要地生産の観点からグローバルな生産体制を展開しており、セラミック・マテリアル事業においては、電子・半導体分野向けの製品について、国内生産拠点を増加してリスクの分散を図っております。しかしながら、地震や火災等の災害、台風や豪雨等の気候変動に伴う異常気象により重大な被害が発生した場合には、相当期間にわたって生産活動が停止し、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(11)法的規制等に関するリスク当社グループは、国内外で事業展開をするにあたり、コンプライアンス体制の構築とグループガバナンスの強化によって、日本及び諸外国・地域の各種法令・規制等の遵守に努めております。しかしながら、重大な法令違反を起こしたり、現行の法規制等が従来よりも厳格化されたり、新たな法規制等が設けられた場合は、事業活動の制限を受ける、法規制等に適合させるための費用が発生する等の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(12)環境に関するリスク当社グループは、地球環境の保全を重要な経営課題の一つと位置づけ、環境方針を策定し、環境に配慮した製品の開発・販売、CO2排出量の抑制、省資源・廃棄物の削減とリサイクルの推進等に取り組んでおります。また、事業を遂行するにあたり、環境に関連する各種法令・規制等の遵守に努めておりますが、予期せぬ事故や災害等により環境汚染が生じたり、環境に関する法規制等が強化されたり、新たな法規制等が設けられた場合は、事業活動の制限や法規制等に適合させるための費用の増加等により、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動に関する個別リスクについては「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動」をご参照ください。(13)情報システムに関するリスク情報システムは年々、複雑化・高度化しており、当社グループにおいても、事業運営に各種情報システムを活用するとともに、営業・技術・個人情報等の重要な情報資産を保有・管理しております。当社グループでは、サイバーセキュリティ対策の強化、アクセス権限管理、データのバックアップ体制の整備等の技術的対策に加え、入退室管理等の物理的対策、さらには、社内規程の整備、従業員教育及び意識向上等の人的対策を講じることにより、情報管理体制の強化に努めております。しかしながら、外部攻撃の巧妙化や災害等の予期せぬ事象を完全に防止することは困難であり、情報システムの停止・障害や情報漏えいが発生した場合、事業活動の中断、復旧対応コスト、損害賠償責任、社会的信用の低下等により、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(14)人材流出に関するリスク当社グループは、業績と能力に基づく公正な人事考課と処遇を行うとともに、従業員エンゲージメント向上の取り組みを推進しております。また、製造・業務に関するノウハウについては、ものづくり強化活動を通じた多能工化により、特定の人材に依存しない体制の構築に努めております。しかしながら、近年の転職市場の活発化に伴い、人材流出を完全に防止することは困難であり、有能な人材の継続的な確保・育成ができない場合には、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(15)金融資産について当社グループは投資有価証券として株式を保有しておりますが、投資先の業績不振や証券市場の市況の悪化等で当該株式の時価が帳簿価額を著しく下回った場合、評価損の計上が必要となります。また、支払利息、受取利息等の金融資産及び負債は、金利の影響を受け、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(16)固定資産の減損に関するリスク当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、定期的に保有する固定資産の減損損失の認識・測定を行っております。経営環境の著しい悪化等により収益性が低下した場合は、固定資産の減損損失が発生し、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が ノリタケ の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →