5410

合同製鐵(5410)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

鉄鋼 鉄鋼・非鉄

事業の概要

  • 鉄鋼製品の製造販売
    合同製鐵グループは、線材、形鋼、軌条、構造用棒鋼、鉄筋用棒鋼といった多岐にわたる鉄鋼製品を製造し、販売しています。これらの製品は、建設やインフラ整備に不可欠な基礎材料であり、日本の経済活動を支える重要な役割を担っています。また、棒鋼加工製品や線材加工製品の製造販売も手掛けており、顧客の多様なニーズに対応しています。
  • 農業資材の製造販売
    有機質肥料や化成肥料などの農業資材の製造および販売も行っています。この事業は、持続可能な農業を支えるために不可欠なものであり、食料生産の基盤を強化する役割を担っています。鉄鋼事業とは異なる分野で収益源を確保し、事業ポートフォリオの多角化を図っています。
  • グループ会社による事業展開
    当社グループは、合同製鐵を中核に、15社の連結子会社と3社の持分法適用関連会社、そしてその他の関係会社である日本製鉄株式会社で構成されています。これらのグループ会社が連携し、鉄鋼事業と農業資材事業を推進することで、それぞれの専門性を活かしながら、グループ全体の収益力を高めるビジネスモデルを構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 鉄鋼事業
    合同製鐵グループの主要な収益源であり、売上高は1,885.25億円に達しています。線材、大形・中形形鋼、軌条、構造用棒鋼、鉄筋用棒鋼といった多種多様な鉄鋼製品の製造・販売を行っています。これらの製品は、建設業や製造業など幅広い産業で利用される基幹材料であり、グループ全体の事業基盤を支えています。
  • 農業資材事業
    売上高121.96億円の事業セグメントであり、有機質肥料や化成肥料などの農業資材の製造・販売を手掛けています。この事業は、食料生産の安定化に貢献するとともに、鉄鋼事業とは異なる市場で収益を確保することで、グループ全体の事業ポートフォリオの多様化と安定化に寄与しています。
  • 事業系統図に基づくグループ構成
    合同製鐵グループは、当社を中核に、15社の連結子会社と3社の持分法適用関連会社、そしてその他の関係会社である日本製鉄株式会社で構成されています。これらのグループ会社がそれぞれの専門性を活かし、鉄鋼事業と農業資材事業を効率的に推進することで、グループ全体の競争力強化と持続的な成長を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Metal 事業 1,885 − −
AgriculturalMaterialsReportableSegment 事業 122 − −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|453 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、16社の連結子会社、3社の持分法適用関連会社及びその他の関係会社である日本製鉄㈱で構成されており、鉄鋼事業及び農業資材事業を主な事業としております。各事業を構成している当社及び当社の連結子会社において営まれている主な事業の内容及び位置づけは次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。また、当社は、2025年6月30日付で株式会社ブラストの鉄筋工事事業の分割会社「合同デーバーエンジニアリング㈱」を譲受し、同社を当連結会計年度より新たに連結子会社としております。 [鉄鋼事業]・線材、各種大形・中形形鋼、軌条、構造用棒鋼、鉄筋用棒鋼の製造及び販売・棒鋼加工製品、線材加工製品等の製造及び販売・ねじ節鉄筋の製造及び販売・機械、製鋼原料等の販売 [農業資材事業]・有機質肥料、化成肥料等の製造及び販売 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。(2026年3月31日現在)

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
需要減少に伴い他社との販売競争が激化する可能性があり、再生産可能な販売価格の維持に努めているため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
鉄鋼事業は大規模な生産設備が必要であり、新規参入には多額の投資が伴うため
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:国内需要減少と販売競争激化 / 主原料価格の変動 / 電力単価の上昇
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

合同製鐵は鉄鋼メーカーであり、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに依存するビジネスモデルではない。汎用品に近い製品が多く、無形資産による競争優位性は限定的と考えられる。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

鉄鋼製品は顧客の仕様に合わせて製造される場合もあるが、多くは汎用品であり、顧客が他社へ乗り換える際のスイッチングコストは比較的低い。ただし、長年の取引関係や品質への信頼から、一部の顧客にとっては乗り換えにくさがある可能性は否定できない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

鉄鋼業は、製品の利用者が増えることでサービスの価値が増すといったネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。生産者と需要家の間の直接的な取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスとは異なる。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

合同製鐵は、高炉を持たない電炉メーカーであり、設備投資や操業コストの面で高炉メーカーと比較して構造的なコスト優位性を持つ可能性がある。特に、鉄スクラップを主原料とするため、原料調達コストの変動に影響を受けるものの、設備稼働率の向上や省エネ技術によりコスト競争力を維持している。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

電炉メーカーとしては国内有数の規模を誇り、一定の生産能力と販売網を有している。しかし、鉄鋼業界全体で見ると、グローバルな大手鉄鋼メーカーと比較すると規模の経済性は限定的であり、業界内での寡占度はそれほど高くない。

  • 安定した生産体制と輸出注力
    国内の建設需要が成熟する中で、需要に見合った生産体制を維持しつつ、再生産可能な販売価格を確保することに努めています。さらに、生産余力を活用して鋼片や鋼材の輸出に注力することで、海外市場での収益機会を拡大し、収益基盤の強化を図っています。これにより、国内市場の変動リスクを分散し、安定的な事業運営を目指しています。
  • 複数の製造拠点と効率化
    複数の製造拠点を持つ事業所体制を構築しており、これにより災害時などのリスク分散や、生産効率の向上を図っています。グループ全体の業務効率化、営業力強化、資産の有効活用を進めることで、安定した収益基盤の確立に努めています。これにより、市場環境の変化にも柔軟に対応できる体制を整えています。
  • 資材調達先の多角化と在庫管理
    主要資材である電極や耐火物、合金鉄の価格変動リスクに対し、複数の資材調達先を確保することで、供給途絶のリスクを低減しています。また、操業に応じた最適な在庫水準の維持に努めることで、急激な価格変動による影響を最小限に抑え、安定した生産活動を継続できる体制を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、『持てる資源を最大限に活かし製造実力の向上で、ゆるぎないコスト競争力の確立、新たな商品価値の創造 資源循環の担い手としての企業価値の一層の向上を目指す』をスローガンに、企業価値の向上を図るために売上高利益率・資産効率・資本効率を重視し、継続的な企業成長に努めてまいります。鉄鋼事業では、良質な鉄鋼製品の安定供給を通して、経済・社会の発展に寄与していくこと、及び、電炉メーカーとして鉄鋼リサイクルシステムの一翼を担い、省資源・省エネルギーに貢献していくこととしております。農業資材事業では、種子と牧草というスペシャリティを持った肥料メーカーとして発展させ、社会に貢献していくこととしております。 当社グループは上記の基本方針のもとに、様々な環境の変化のもとで安定的に収益が確保できる経営基盤の確立を目指して、以下の経営戦略を推進いたします。(鉄鋼事業)① 国内では、需要見合いの生産を実行し、再生産可能な販売価格の維持に努めつつ、生産余力を活用して鋼片・鋼材の輸出に注力することにより収益基盤を強化するとともに、普通鋼電炉業界の改善・発展に寄与してまいります。② 線材・形鋼・構造用鋼・鉄筋棒鋼等の多様な条鋼類の製造販売を行うことにより、安定的な収益の確保を図ってまいります。③ 製品の品質・コストの競争力確保に努めるとともに、財務体質の強化も図り、電炉会社に相応しい経営体質の構築を図ってまいります。④ 当社グループは完全子会社の朝日工業㈱、三星金属工業㈱及び㈱トーカイを含めた6つの製造拠点をもつ事業所体制を構築し、グループ全体の一層の業務効率化、営業力強化並びにあらゆる資産の有効活用を進めることにより、安定した収益基盤の確立を目指してまいります。⑤ 良質な製品の提供並びに環境面への積極的な取組みを通じて、需要家はもとより社会全体の信頼を確保してまいります。 (農業資材事業)肥料事業では、製造技術に強みを有する有機質肥料への経営資源シフトを行い、未利用資源活用による原料開発や複数工場の一体運営による生産効率化を通した更なるコストダウンを推進いたします。 当社グループの経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。当社は、2021~2025年度を実行期間とする、グループ中期目標「合同製鐵グループ中期ビジョン2025」を策定し実行してまいりました。目標とした収益レベルは2022~2024年度には概ね到達いたしましたが、2025年度は先述のとおり鋼材需要の低迷が継続した結果、目標損益を下回る結果となりました。さらに足元の主原料である鉄スクラップ及び燃料等の価格急騰の影響も加わり、2026年度損益も一層厳しい見通しとなっております。そうした中、2026年度からの「合同製鐵グループ中期ビジョン2030」では、「Proactive×Challenge」を行動方針として掲げ、縮減していく鋼材市場や生産年齢人口を前提に、成長投資の実現、人的資本投資の強化、サステナビリティの推進等により、収益力の復元・向上と財務体質の改善を図るなど、中期課題に対して積極的に挑戦いたします。[経営指標] 中期ビジョン2030FY目標 中期ビジョン2025FY目標売 上 高2,250億円 2,250億円経常利益 160億円 160億円R O S7% 7%R O E7%中長期では8%以上を目指す 8%以上D / E0.4以下 0.5以下女性在籍割合10%以上 - 設備投資計画400億円/5年 400億円/5年 具体的には、まず成長投資の実現に向けて、線材/構造用鋼における客先ニーズの高度化を踏まえた高品質化の推進や、鉄筋棒鋼における関東3ミルでの一体的運営促進、鉄筋4ミルでのトップランナー方式による収益改善に加え、農業資材分野における有機肥料の活用拡大対応の他、M&Aについても継続的に検討してまいります。また、人的資本投資の強化として、D&Iの推進や会社と社員との絆の深化に向けた取り組みを積極的に展開するとともに、サステナビリティの推進の一環として、非化石電力鋼材「GODO Green(商標登録出願中)」の製造・販売、省エネ設備投資の継続等、カーボンニュートラル社会の実現に向けた施策を着実に実行してまいります。あわせて、IR体制の拡充・強化並びに財務体質の強靭化の一環として有利子負債の圧縮や政策保有株式の縮減にも引き続き取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、『持てる資源を最大限に活かし製造実力の向上で、ゆるぎないコスト競争力の確立、新たな商品価値の創造 資源循環の担い手としての企業価値の一層の向上を目指す』をスローガンに、企業価値の向上を図るために売上高利益率・資産効率・資本効率を重視し、継続的な企業成長に努めてまいります。鉄鋼事業では、良質な鉄鋼製品の安定供給を通して、経済・社会の発展に寄与していくこと、及び、電炉メーカーとして鉄鋼リサイクルシステムの一翼を担い、省資源・省エネルギーに貢献していくこととしております。農業資材事業では、種子と牧草というスペシャリティを持った肥料メーカーとして発展させ、社会に貢献していくこととしております。 当社グループは上記の基本方針のもとに、様々な環境の変化のもとで安定的に収益が確保できる経営基盤の確立を目指して、以下の経営戦略を推進いたします。(鉄鋼事業)① 国内では、需要見合いの生産を実行し、再生産可能な販売価格の維持に努めつつ、生産余力を活用して鋼片・鋼材の輸出に注力することにより収益基盤を強化するとともに、普通鋼電炉業界の改善・発展に寄与してまいります。② 線材・形鋼・構造用鋼・鉄筋棒鋼等の多様な条鋼類の製造販売を行うことにより、安定的な収益の確保を図ってまいります。③ 製品の品質・コストの競争力確保に努めるとともに、財務体質の強化も図り、電炉会社に相応しい経営体質の構築を図ってまいります。④ 当社グループは完全子会社の朝日工業㈱、三星金属工業㈱及び㈱トーカイを含めた6つの製造拠点をもつ事業所体制を構築し、グループ全体の一層の業務効率化、営業力強化並びにあらゆる資産の有効活用を進めることにより、安定した収益基盤の確立を目指してまいります。⑤ 良質な製品の提供並びに環境面への積極的な取組みを通じて、需要家はもとより社会全体の信頼を確保してまいります。 (農業資材事業)肥料事業では、製造技術に強みを有する有機質肥料への経営資源シフトを行い、未利用資源活用による原料開発や複数工場の一体運営による生産効率化を通した更なるコストダウンを推進いたします。 当社グループの経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。当社は、2021~2025年度を実行期間とする、グループ中期目標「合同製鐵グループ中期ビジョン2025」を策定し実行してまいりました。目標とした収益レベルは2022~2024年度には概ね到達いたしましたが、2025年度は先述のとおり鋼材需要の低迷が継続した結果、目標損益を下回る結果となりました。さらに足元の主原料である鉄スクラップ及び燃料等の価格急騰の影響も加わり、2026年度損益も一層厳しい見通しとなっております。そうした中、2026年度からの「合同製鐵グループ中期ビジョン2030」では、「Proactive×Challenge」を行動方針として掲げ、縮減していく鋼材市場や生産年齢人口を前提に、成長投資の実現、人的資本投資の強化、サステナビリティの推進等により、収益力の復元・向上と財務体質の改善を図るなど、中期課題に対して積極的に挑戦いたします。[経営指標] 中期ビジョン2030FY目標 中期ビジョン2025FY目標売 上 高2,250億円 2,250億円経常利益 160億円 160億円R O S7% 7%R O E7%中長期では8%以上を目指す 8%以上D / E0.4以下 0.5以下女性在籍割合10%以上 - 設備投資計画400億円/5年 400億円/5年 具体的には、まず成長投資の実現に向けて、線材/構造用鋼における客先ニーズの高度化を踏まえた高品質化の推進や、鉄筋棒鋼における関東3ミルでの一体的運営促進、鉄筋4ミルでのトップランナー方式による収益改善に加え、農業資材分野における有機肥料の活用拡大対応の他、M&Aについても継続的に検討してまいります。また、人的資本投資の強化として、D&Iの推進や会社と社員との絆の深化に向けた取り組みを積極的に展開するとともに、サステナビリティの推進の一環として、非化石電力鋼材「GODO Green(商標登録出願中)」の製造・販売、省エネ設備投資の継続等、カーボンニュートラル社会の実現に向けた施策を着実に実行してまいります。あわせて、IR体制の拡充・強化並びに財務体質の強靭化の一環として有利子負債の圧縮や政策保有株式の縮減にも引き続き取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に景気は総じて緩やかな回復基調で推移しました。一方で、地政学リスクは依然として混迷の度合いを深め、不確実性が一段と高まる等、先行き不透明な状況が継続しました。普通鋼電炉業界におきましては、主たる需要分野である国内建設分野において、建設現場の人手不足や働き方改革に伴う労働時間の上限規制等により、工期の長期化が常態化するとともに、物流コストや資機材価格の高騰等による建設案件の延期、中止が散見され、鋼材需要は低調に推移しました。一方、主原料である鉄スクラップにつきましては、国内需要が低調であるにもかかわらず価格は高水準で推移し、円安の継続によりエネルギー価格が高止まる等、調達コストを取り巻く環境は、これまでに例を見ない極めて厳しい状況が続きました。こうした中、当社グループにおきましては、強固な事業基盤を確立し、更なる成長を目指した「合同製鐵グループ中期ビジョン2025」に基づき、複数の製造拠点をもつ事業所体制を活かしつつ、販売、購買環境や生産条件などの変化を迅速に捉えながら、需要見合いの生産に徹するとともに、再生産可能な販売価格の実現に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度の業績につきましては、需要低迷による販売価格の下落及び販売数量の減少等により、連結売上高は前期比134億27百万円減収の1,917億72百万円となりました。上記の減収要因に加え、電力費及び資材価格の高騰や、円安の影響等で足元上昇している鉄スクラップ価格等の影響もあり、連結営業損益は前期比39億36百万円減益の98億13百万円の利益、連結経常損益は前期比43億32百万円減益の110億89百万円の利益、親会社株主に帰属する当期純損益は、前期比32億71百万円減益の80億51百万円の利益となりました。 各セグメント別の業績の概況は以下のとおりであります。<鉄鋼事業>当セグメントにおける当連結会計年度の売上高は前期比142億17百万円減収の1,743億8百万円、経常損益は前期比49億69百万円減益の102億89百万円の利益となりました。<農業資材事業>当セグメントにおける当連結会計年度の売上高は前期比5億19百万円増収の127億16百万円、経常損益は前期比5億1百万円増益の2億75百万円の利益となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績セグメントの名称品目前連結会計年度 生産量(千t)当連結会計年度 生産量(千t)鉄鋼事業粗鋼1,4331,399 鋼材1,3291,274農業資材事業肥料9491 ② 受注実績当社グループの販売実績は、見込生産によるものが大半を占めるため記載を省略しております。 ③ 販売実績セグメントの名称前連結会計年度 金額(百万円)当連結会計年度 金額(百万円)鉄鋼事業188,525174,307農業資材事業12,19612,716その他4,4774,748合計205,199191,772 (注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)阪和興業㈱28,78114.027,29914.2伊藤忠丸紅住商テクノスチール㈱22,28810.920,43010.7エムエム建材㈱20,42010.0-- なお、当連結会計年度におけるエムエム建材㈱の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、当連結会計年度の記載を省略し、「-」表示しております。 (2) 財政状態当連結会計年度末の総資産は、投資有価証券の増加(67億66百万円)及び受取手形及び売掛金の減少(58億99百万円)等により、前連結会計年度末(2,541億59百万円)から13億47百万円増加し、2,555億7百万円となりました。負債につきましては、長期借入金の減少(82億7百万円)等により前連結会計年度末(1,194億10百万円)から81億53百万円減少し、1,112億57百万円となりました。純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上(80億51百万円)及び配当金の支払(35億9百万円)等により前連結会計年度末(1,347億49百万円)から95億円増加し、1,442億49百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の52.8%から56.3%になりました。 セグメントごとの財政状態は、次のとおりであります。<鉄鋼事業>当連結会計年度末のセグメント資産は、前期比39億63百万円増加の2,386億円となりました。<農業資材事業>当連結会計年度末のセグメント資産は、前期比6億54百万円減少の144億2百万円となりました。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末(284億円)より18億96百万円減少し、265億4百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益112億25百万円、減価償却費48億13百万円及び売上債権の減少額58億99百万円等により、214億29百万円の収入(前期は191億38百万円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出89億88百万円等により、95億92百万円の支出(前期は56億78百万円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは長期借入金の返済による支出103億89百万円及び配当金の支払額35億9百万円等により、137億34百万円の支出(前期は94億48百万円の支出)となりました。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、運転資金につきましては、金融機関からの短期借入金により調達することとしており、設備投資等の資金につきましては、金融機関からの長期借入及び社債の発行を原則としております。当社グループでは、資金の流動性を確保するため、金融機関の短期借入枠を設定しています。また、連結Cash Management Systemの運営によって、資金余剰状態にある子会社からの預金と資金需要がある子会社への貸付を一元管理することで、資金効率化を図っております。 (4) 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 国内需要の減少と競争激化
    成熟した日本経済において、公共事業や民間建設需要の大きな伸長は見込みにくい状況です。これにより、需要減少に伴う他社との販売競争が激化し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。国内市場の縮小は、販売量や販売価格の低下に直結するリスクとなります。
  • 原材料価格の変動
    主原料である鉄スクラップの価格は、地政学リスクや東アジア地域の需要拡大、国内高炉メーカーの購入増加などにより、短期間で大幅に変動する可能性があります。このような原材料価格の急激な変動は、製造コストの増加を通じて、当社グループの業績に大きな影響を与えるリスクがあります。
  • 電力コストの増大と資材調達
    国内の電力供給構造の変化(原子力発電の停止、自然エネルギーへの移行)に伴い、電力単価が上昇し、電力費の負担が年々増大しています。また、電極や耐火物、合金鉄といった主要資材の需給逼迫や価格上昇も、製造コストを押し上げ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,556 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 市場環境等について① 成熟した日本経済の環境下で、長期的視点から、国内の公共事業・民間建設需要が大きく伸長することは考えにくく、需要減少に伴い他社との販売競争が激化して当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、需要見合いの生産を実行し、再生産可能な販売価格の維持に努めつつ、生産余力を活用して鋼片・鋼材の輸出に注力するなどにより収益基盤の強化を図っております。② 主原料である鉄スクラップ価格が地政学リスクや、東アジア地域内の需要拡大、国内高炉メーカーの購入増加などの影響を受け、短期的かつ大幅に変動した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、操業に応じた最適な在庫水準の維持に努めております。③ 東アジア地域を中心に全世界で鉄鋼生産能力の増強が進行し、過剰な生産設備による供給過剰問題が顕在化することにより世界的な鉄鋼需給バランスが大きく崩れた場合、海外市場から日本市場への輸出が増加する可能性があります。この場合、当社グループ製品の販売量減少、販売価格下落などにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、複数の製造拠点をもつ事業所体制を構築し、グループ全体の業務の効率化、営業力強化並びに資産の有効活用を進めることなどにより、安定した収益基盤の確立に努めております。④ 経営環境の変化などに伴う収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、その回収可能性を踏まえて固定資産の帳簿価額を減額し減損損失を計上するため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、需要見合いの生産を実行し、再生産可能な販売価格の維持に努めつつ、生産余力を活用して鋼片・鋼材の輸出に注力するなどにより収益基盤の強化を図っております。⑤ 当社グループは有利子負債を保有しているため、金利情勢やその他金融市場の変動により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、金利を固定化すること等により、リスク低減を図っております。 (2) 特定の取引先・製品・技術等への依存に係るもの① 電力供給の影響に関して、国内では原子力発電所の運転停止が継続し火力依存が続く中、カーボンニュートラルの推進に伴い再生可能エネルギーへの移行が進展しております。加えて、国際情勢の緊迫化や燃料需給の逼迫によるLNG・石炭価格の上昇、円安の進行に伴う燃料輸入コスト増加等を背景に電力料金は上昇傾向にあり、電力負担は増大しており、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうした電源構造の変化に応じた最適な生産体制を整えるとともに、製造時に使用する電力・燃料の軽減につながる省エネルギー投資や、太陽光発電設備の導入等、省電力対策投資に積極的に取り組んでおります。② 電気炉製造の主要資材である電極について、東アジア地域における電気炉での製造拡大や電気自動車の普及に伴う電極の主原料であるニードルコークスの需給逼迫などにより、今後、短期的かつ大幅に変動した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、主要資材の耐火物や合金鉄についても、その製造における原料の原産地が限定されるものがあり、今後、調達数量の制約や価格上昇により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、複数の資材調達先を確保し、適切な在庫水準の維持に努めております。 (3) 特有の法的規制・取引慣行・経営方針に係るもの今後、当社グループが事業活動を行うにあたり、環境規制など、将来における法律、規則、政策等の変更や強化・導入された場合には、鉄鋼事業を中心に事業活動が制約を受けることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、業界団体への加盟等により必要な情報を的確に収集し、グループリスクマネジメント委員会を通じてグループ各社との情報共有を図っており、事前の対処により受ける影響を最小限に留めるように努めております。 (4) 重要な訴訟事件等の発生に係るもの現時点において、製造物責任に関する損害賠償請求等、当社グループが関係する重要な係争中の訴訟はありません。しかしながら、将来において、当社グループの事業活動に関連する訴訟事件が発生する可能性は否定できません。将来、起こり得る訴訟事件等に関する裁判所等の最終判断は、現時点で予測不可能でありますが、場合によっては当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、弁護士事務所と顧問契約を締結し、専門家による適切な助言を受けられる体制を構築しております。 (5) 人材確保・育成、省力化対策当社グループの更なる成長について、有能な人材の確保や育成に大きく依存しております。当社グループは、今後の少子化・労働者人口の減少などによる人手不足に対応するべく、女性や外国人、中途採用者等、多様な価値観や経験をもつ人材の採用や人材教育、省力化対策への設備投資などに取り組んでおりますが、人員バランスの計画が少子化等による外部環境の悪化により達成できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、女性活躍の推進等による優秀な人材の確保や福利厚生施設の充実化など、従業員が働きやすい職場づくりに努めるとともに、在宅勤務制度の整備や、新入社員研修等で実施している人権研修の拡充等、D&Iへの意識改革を目的とした全社教育環境の整備や、今後の女性及び高齢者等の活用を鑑みた育児・介護と仕事の両立支援に向け、更なる施策を検討してまいります。 (6) 自然災害、異常気象等当社グループの各事業所及び需要家をはじめとする取引先が、大規模な台風、地震等の自然災害や新型ウイルス等の感染症の流行の発生に見舞われた場合には、事業活動が制約を受けることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、重大な労働災害、設備事故、環境事故、品質問題等が発生した場合、又は重要な訴訟において当社グループに不利な判断がなされた場合には、事業活動の停止・制約、補償等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、各事業所間において鋼片等を相互に供給できる体制の構築に努めております。 (7) 組織再編等当社グループは、今後の事業拡大に向けて企業買収や資本提携等が重要かつ有効であると認識していますが、買収後に偶発債務の発生等、未認識の債務が判明し損失が発生する可能性があります。また、買収後の事業環境や競合状況の変化等により買収当初の事業計画遂行に支障が生じ、計画どおりに進まない場合は、のれんの減損損失等の損失が発生する可能性があり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 情報システムの障害、情報漏洩等当社グループの事業活動は、情報システムの利用に大きく依存しており、また、自社及び顧客・取引先の営業機密や個人情報等の機密情報が情報システムに保管されています。当社においては、技術情報をはじめとする機密情報の漏洩対策を最重要の経営課題として認識し、システムのセキュリティ強化に加えて、業務ルール、社員教育等の対策を推進していますが、当社グループの情報システムにおいて、悪意ある第三者からのウイルス感染等のサイバー攻撃等により、システム停止、機密情報の外部漏洩や棄損・改ざん等の事故が起きた場合、生産や業務の停止、知的財産における競争優位性の喪失、訴訟、社会的信用の低下等を招き、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 (9) その他現時点では予測できない、政治・経済状況の変化をはじめとする、上記以外の事業リスクの発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

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