事業の概要
- 産業機械の製造販売日本製鋼所グループは、主に樹脂製造・加工機械、プラスチック射出成形機、防衛関連機器などの産業機械を製造・販売しています。これらの機械は、自動車部品や電子部品、食品容器など、私たちの身の回りにある様々なプラスチック製品を作るために不可欠なものです。製造から販売、保守サービスまで一貫して手掛けることで、顧客のニーズに幅広く対応し、安定した収益を上げています。
- 素形材・エンジニアリング事業発電所や原子力関連施設で使われる特殊な金属部品(素形材)や、鋼構造物、各種プラントの設計・建設・修理なども行っています。これらの製品やサービスは、高い技術力と品質が求められる分野であり、社会インフラを支える重要な役割を担っています。特に、発電用部材や原子力関連部材は、安全性と信頼性が極めて重要であり、同社の高い技術力が活かされています。
- 多角的な事業展開上記主要事業のほか、新製品の研究開発・製造・販売や、グループ会社の業務支援・管理サービスも手掛けています。これにより、特定の事業に依存するリスクを軽減し、新たな収益源の確保を目指しています。例えば、電子デバイス関連機器の製造・販売も行っており、時代の変化に対応した事業ポートフォリオの構築を進めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 産業機械事業この部門は、樹脂製造・加工機械(プラスチック製品を作る機械)やプラスチック射出成形機、防衛関連機器などを製造・販売しています。売上高は1990.45億円、営業利益は175.76億円と、グループ全体の収益の大部分を占める主力事業です。国内外に販売・保守サービス拠点を持ち、グローバルに展開しています。
- 素形材・エンジニアリング事業発電所や原子力関連施設向けの特殊な金属部品(素形材)の製造・販売、鋼構造物や各種プラントの設計・建設・修理などを行っています。売上高は471.18億円、営業利益は86.99億円です。高い技術力と品質が求められる分野であり、社会インフラを支える重要な役割を担っています。
- 不動産・その他事業新製品の研究開発・製造・販売、グループ会社の業務支援・管理サービスなど、多岐にわたる事業が含まれます。売上高は23.91億円、営業利益は1.12億円と、規模は小さいですが、事業の多角化や新たな収益源の確保を目指しています。例えば、電子デバイス関連機器の製造・販売もこの部門に含まれる可能性があります。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| IndustrialMachineryProducts | 地域 | 1,990 | 176 | 8.8% |
| SteelAndEngineeringProducts | 事業 | 471 | 87 | 18.5% |
| RealEstateAndOtherBusinesses | 地域 | 24 | 1 | 4.7% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社43社(うち連結子会社32社、非連結子会社11社)及び関連会社2社(うち持分法適用関連会社1社)により構成され、産業機械事業、素形材・エンジニアリング事業及びその他事業を展開しております。当社グループの事業内容及び当社と主な子会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。部門事業内容当社及び主な子会社の位置付け産業機械事業樹脂製造・加工機械樹脂製造・加工機械(造粒機、二軸混練押出機、フィルム・シート製造装置等)の製造・販売・保守サービス当社が製造・販売の主要部分を担当しており、日鋼設計㈱、日鋼テクノ㈱、日鋼工機㈱が設計・製造の一部を分担しております。国内販売の一部を日鋼YPK商事㈱が分担しております。なお、SM PLATEK CO., LTD.、㈱ジーエムエンジニアリングは、当社の事業拡大のための子会社です。成形機プラスチック射出成形機、中空成形機、マグネシウム合金射出成形機の製造・販売・保守サービス当社が製造・販売の主要部分を担当しており、日鋼設計㈱、日鋼テクノ㈱、JSW Machinery (Ningbo) Co., Ltd.が設計・製造の一部を分担しております。国内販売の一部を日鋼YPK商事㈱が分担し、海外での販売・保守サービスはJapan Steel Works America, Inc.が米国を担当し、THE JAPAN STEEL WORKS (SINGAPORE) PTE. LTD.、JSW Plastics Machinery (H.K.) Co., Ltd.、The Japan Steel Works (Thailand) Co., Ltd.、JSW Plastics Machinery (M) SDN. BHD.、JSW Plastics Machinery (Shenzhen) Co., Ltd.、JSW Machinery Trading (Shanghai) Co., Ltd.がアジア地区を担当、JSW Plastics Machinery Europe Sp. z o.o.がヨーロッパ地区を担当しております。また、国内及び海外の一部地域の保守サービスについては㈱ニップラが担当しております。なお、中空成形機は主として㈱タハラが製造・販売を担当しております。エムジープレシジョン㈱は当社の事業拡大のための子会社です。防衛関連機器防衛関連機器等の製造・販売・保守サービス当社が製造・販売の主要部分を担当しており、㈱サン・テクトロ、㈱ジャスト及び日鋼特機㈱が製造と修理等の一部を分担しております。その他の産業機械電子デバイス関連機器(レーザアニール装置、ECR成膜装置、プレス・ラミネータ機等)、鉄道用連結器・緩衝器等の製造・販売・保守サービス電子デバイス関連機器につきましては、子会社のJSWアクティナシステム㈱、JSWアフティ㈱及び当社が製造・販売・保守サービスを担当しており、日製鋼機電商貿(上海)有限公司がレーザアニール装置の中国での販売・保守サービスを分担しております。鉄道用連結器・緩衝器につきましては、当社が製造・販売を担当しております。素形材・エンジニアリング事業素形材製品発電用部材、原子力関連部材、ロール材・金型材等の一般鋳鍛鋼製品、機能性材料等の鋳鍛鋼部材・クラッド鋼板等の製造・販売子会社の日本製鋼所M&E㈱が設計・製造・販売・検査・建設・修理・保守サービスを担当しており、日鋼運輸㈱、日鋼トラック㈱が構内運搬及び運送を担当しております。日鋼室蘭サービス㈱は、子会社の事務・管理部門の補助事業(警備、印刷、社宅管理等)を行っております。なお、室蘭環境プラントサービス㈱は、当社の事業多角化のための子会社です。エンジニアリング他鋼構造物・関連部材等の製造・販売、各種プラントの設計・建設及び修理、風力発電機器の保守サービス、各種非破壊検査及び溶接加工、各種装置及び機器類の監視・保守点検及び補修等その他事業その他新製品の研究開発・製造・販売、業務支援・管理サービス事業等ニッコー厚産㈱は、当社及び子会社の事務・管理部門の補助事業(警備、印刷、社宅管理等)を行っております。なお、ファインクリスタル㈱と室蘭銅合金㈱は、当社の事業多角化のための子会社です。 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 個別受注生産が主であり、製品の性能や品質が重要視されるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 「溶かす」「混ぜる」「固める」技術と「機械要素技術」「精密制御技術」というコア・コンピタンス。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:事業環境(景気動向、調達価格、為替変動) / 設備の減損に係るリスク / 原材料・部品等の調達(価格高騰、供給不足)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 12 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
日本製鋼所は、大型鋳鍛鋼品、特に原子力発電所向け機器や半導体製造装置向け部品など、高度な技術力と長年の実績に裏打ちされた無形資産を持つ。特に、特殊鋼の溶解・鋳造・鍛造・加工・熱処理まで一貫して行う技術力は、参入障壁が高い。
スイッチングコスト★★★☆☆
原子力発電所向け機器や、大型プレス機などの特殊な産業機械においては、一度採用されたサプライヤーからの切り替えは、設計変更、認証取得、設備投資など多大なコストと時間を要するため、顧客にとってスイッチング・コストは高い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業モデルは、特定のプラットフォームやコミュニティを形成するネットワーク効果とは直接関連しない。
コスト優位★★☆☆☆
大型設備投資や熟練工の確保が必要なため、構造的なコスト優位性は限定的。ただし、長年の経験による生産効率の向上や、特定の材料調達における交渉力は一定の優位性をもたらす可能性がある。
規模の経済★★★★☆
大型鋳鍛鋼品や特殊鋼の分野では、世界的に見ても寡占的な市場であり、同社はその中で主要プレイヤーの一つである。大規模な生産設備と技術力を持つ企業は限られており、規模の経済が競争優位に寄与している。
- 高度な技術力と品質日本製鋼所は、樹脂製造・加工機械や素形材製品など、高い技術力と品質が求められる分野で事業を展開しています。長年の経験と研究開発によって培われた独自の技術は、製品の性能や信頼性を高め、顧客からの信頼を得ています。特に、発電用部材や防衛関連機器など、社会インフラを支える製品においては、その技術力が競争優位の源泉となっています。
- グローバルな事業展開産業機械事業では、日本国内だけでなく、米国、アジア、ヨーロッパなど世界各地に販売・保守サービス拠点を展開しています。これにより、多様な地域の顧客ニーズに対応し、グローバル市場での競争力を強化しています。海外子会社が現地での製造や販売、保守サービスを分担することで、地域に密着したきめ細やかなサービスを提供しています。
- 一貫したサービス体制製品の設計から製造、販売、そして保守サービスまでを一貫して提供する体制を構築しています。これにより、顧客は製品導入後も安心して利用でき、長期的な信頼関係を築くことができます。特に、産業機械やプラント設備は導入後のメンテナンスが重要であり、一貫したサービス体制は顧客にとって大きなメリットとなります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針① Our Philosophy当社は、将来予測が困難な事業環境において、当社グループが一丸となって変化に対応していくための判断と行動の軸となる「Purpose(パーパス)」を“「Material Revolution®」の力で世界を持続可能で豊かにする。”と制定しました。また、「Purpose(パーパス)」を起点として、当社グループが将来目指す姿である「Vision(ビジョン)」及び当社グループ独自の提供価値を生み出す「Value Creation Process(価値創造プロセス)」を再定義し、これら3つを合わせて企業グループ理念体系「Our Philosophy」として制定しました。同時に、「Purpose(パーパス)」を実現するために優先的に取り組むべきテーマとして6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。当社グループは、全ての役職員が「Purpose(パーパス)」を共有し、マテリアリティ(重要課題)の重要性を認識した上で、実効性のある経営、事業活動に取り組み、様々な社会課題を解決する産業機械と新素材の開発・実装を通じ、将来にわたって全てのステークホルダーに貢献し、社会価値の創出と持続的な企業価値の向上を同時に実現してまいります。「Purpose(パーパス)」を起点とした日本製鋼所グループの企業理念体系及びマテリアリティ(重要課題)の概要は以下のとおりです。 <Purpose(パーパス)を起点とした日本製鋼所グループの企業理念体系「Our Philosophy」>○Philosophy Structure<マテリアリティ(重要課題)>○価値創造領域:当社グループの事業を通じた価値創造と社会課題の解決・プラスチック資源循環社会の実現・低炭素社会への貢献・超スマート社会への貢献 ○経営基盤領域:当社グループの持続的成長に向けた経営基盤の強化・人的資本の強化とDEI & B・未来への投資とイノベーションマネジメント・JSWグループにおけるガバナンス強化 なお、当社ホームページに「Purpose(パーパス)」及びマテリアリティ(重要課題)の詳細を掲載しておりますのでご参照ください。当社ホームページは随時、最新の情報に更新しておりますが、下記の参照先につきましては、有価証券報告書提出日現在において更新の予定はございません。Purpose(パーパス)(https://www.jsw.co.jp/ja/guide/vision.html)マテリアリティ(重要課題)(https://www.jsw.co.jp/ja/sustainability/materiality.html) ② 日本製鋼所グループ サステナビリティ基本方針当社グループは、サステナビリティを巡る取り組みについての基本的な方針として、「日本製鋼所グループ サステナビリティ基本方針」を定めています。「日本製鋼所グループ サステナビリティ基本方針」は以下のとおりです。 日本製鋼所グループは、“「Material Revolution®」の力で世界を持続可能で豊かにする。”というパーパスのもと、社会課題を解決する産業機械と新素材の開発・実装を通じて以下の通りステークホルダーに貢献すると同時に組織的な危機管理を徹底し、社会価値の創出と持続的な企業価値の向上を同時に実現していきます。 [お客様や社会のために]品質を重視した信頼性の高い製品の提供と適切なコミュニケーションを通じて、お客様や社会が抱える課題を解決し、持続可能で豊かな社会の実現を目指します。[地球環境のために]事業活動およびサプライチェーン全体で環境負荷の低減に取り組み、循環型社会の構築や気候変動の抑制に貢献します。[ともに働く人々のために]個々の能力を高め、多様性を尊重する働き方を実現するとともに、人権を重視し、健康・安全で風通しがよく、だれもが働きがいをもてる職場環境を提供します。[お取引先のために]公平・公正な取引を通じて、ともに社会価値を創造し、共存共栄のパートナーシップを構築します。[地域社会のために]「良き企業市民」として、積極的に地域社会に参画し、その発展に貢献します。[株主・投資家のために]経営の透明性・健全性・効率性を確保し、持続的な企業価値の向上を図ります。また、適正な企業情報の適時適切な開示に努めるとともに、ステークホルダーとの建設的な対話を行います。 上記の実践にあたっては、人権尊重、コンプライアンス遵守に努め、その敷衍とともに、コーポレートガバナンスの充実に取り組みます。 (2)経営環境と対処すべき課題① 組織風土改革当社グループにおける組織風土改革活動は、品質不適切行為を端緒として2023年より取り組みを開始し、品質コンプライアンスはもとより、当社グループのイノベーションと持続的な成長に関わる重要な課題であるとの認識のもと、取締役会において「高い倫理観とチャレンジ精神」と、あらゆる業務・場面における「心理的安全性」の醸成・両立を企図した取り組みを行っていくことを確認しております。具体的には、社員一人ひとりが自由に意見を出し合い、部門を越えた活発なコミュニケーションにより問題や情報を速やかに共有できること、そして、チャレンジを推奨し、それに伴う失敗を成長の糧と捉えて支援する組織風土の醸成が重要であると認識しております。この組織風土改革活動と、「Purpose(パーパス)」、「Vision(ビジョン)」の浸透活動を通じ、社員一人ひとりの行動変革を促すことで、中期経営計画「JGP2028」策定の前提である『2033年度に目指す姿』を、マテリアリティを解決しながら実現してまいります。 ② 経営環境当社グループを取り巻く中期的な経営環境は、産業機械事業では、防衛関連機器事業が高水準に推移するほか、低炭素社会の実現や省エネルギー化、プラスチック資源循環社会の実現に向けて、各種プラスチック加工機械の底堅い需要を見込んでおります。素形材・エンジニアリング事業では、世界的に伸長する電力需要に対して安定供給と低炭素を実現する発電機器向け素形材製品の安定的な需要が見込まれます。なお、現下の中東情勢が当社グループの事業及び業績へ与える影響については、足元で潤滑油・塗料など生産用資材の供給制約等が生じつつあり、これらが長期化した場合には影響を受ける可能性がありますが、現時点では直接的な影響は限定的と見込んでおります。 (3)中期経営計画「JGP2028」の進捗について当社グループは、2025年3月期を初年度とする5カ年の中期経営計画「JGP2028」を推進しております。 「JGP2028」の概要は以下のとおりです。 1)「JGP2028」の位置づけ当社グループでは、長期的な視点で成長戦略を立案することを目的に、中期経営計画の期間を5カ年としております。特に「JGP2028」では、10年後の2034年3月期における当社グループの目指す姿を、「Purpose(パーパス)」のもと、サステナビリティ目標「社会課題を解決する産業機械と新素材の開発・実装を通じて持続可能で豊かな世界の実現に貢献する」及び財務目標「売上高5,000億円規模の企業グループへの成長」を同時に実現することとし、その中間地点である2029年3月期における目標を設定し、マテリアリティ解決と持続的企業価値向上を目指すための具体的なあり方を明確にしました。 2)財務目標(連結) 3)基本方針
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針① Our Philosophy当社は、将来予測が困難な事業環境において、当社グループが一丸となって変化に対応していくための判断と行動の軸となる「Purpose(パーパス)」を“「Material Revolution®」の力で世界を持続可能で豊かにする。”と制定しました。また、「Purpose(パーパス)」を起点として、当社グループが将来目指す姿である「Vision(ビジョン)」及び当社グループ独自の提供価値を生み出す「Value Creation Process(価値創造プロセス)」を再定義し、これら3つを合わせて企業グループ理念体系「Our Philosophy」として制定しました。同時に、「Purpose(パーパス)」を実現するために優先的に取り組むべきテーマとして6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。当社グループは、全ての役職員が「Purpose(パーパス)」を共有し、マテリアリティ(重要課題)の重要性を認識した上で、実効性のある経営、事業活動に取り組み、様々な社会課題を解決する産業機械と新素材の開発・実装を通じ、将来にわたって全てのステークホルダーに貢献し、社会価値の創出と持続的な企業価値の向上を同時に実現してまいります。「Purpose(パーパス)」を起点とした日本製鋼所グループの企業理念体系及びマテリアリティ(重要課題)の概要は以下のとおりです。 <Purpose(パーパス)を起点とした日本製鋼所グループの企業理念体系「Our Philosophy」>○Philosophy Structure<マテリアリティ(重要課題)>○価値創造領域:当社グループの事業を通じた価値創造と社会課題の解決・プラスチック資源循環社会の実現・低炭素社会への貢献・超スマート社会への貢献 ○経営基盤領域:当社グループの持続的成長に向けた経営基盤の強化・人的資本の強化とDEI & B・未来への投資とイノベーションマネジメント・JSWグループにおけるガバナンス強化 なお、当社ホームページに「Purpose(パーパス)」及びマテリアリティ(重要課題)の詳細を掲載しておりますのでご参照ください。当社ホームページは随時、最新の情報に更新しておりますが、下記の参照先につきましては、有価証券報告書提出日現在において更新の予定はございません。Purpose(パーパス)(https://www.jsw.co.jp/ja/guide/vision.html)マテリアリティ(重要課題)(https://www.jsw.co.jp/ja/sustainability/materiality.html) ② 日本製鋼所グループ サステナビリティ基本方針当社グループは、サステナビリティを巡る取り組みについての基本的な方針として、「日本製鋼所グループ サステナビリティ基本方針」を定めています。「日本製鋼所グループ サステナビリティ基本方針」は以下のとおりです。 日本製鋼所グループは、“「Material Revolution®」の力で世界を持続可能で豊かにする。”というパーパスのもと、社会課題を解決する産業機械と新素材の開発・実装を通じて以下の通りステークホルダーに貢献すると同時に組織的な危機管理を徹底し、社会価値の創出と持続的な企業価値の向上を同時に実現していきます。 [お客様や社会のために]品質を重視した信頼性の高い製品の提供と適切なコミュニケーションを通じて、お客様や社会が抱える課題を解決し、持続可能で豊かな社会の実現を目指します。[地球環境のために]事業活動およびサプライチェーン全体で環境負荷の低減に取り組み、循環型社会の構築や気候変動の抑制に貢献します。[ともに働く人々のために]個々の能力を高め、多様性を尊重する働き方を実現するとともに、人権を重視し、健康・安全で風通しがよく、だれもが働きがいをもてる職場環境を提供します。[お取引先のために]公平・公正な取引を通じて、ともに社会価値を創造し、共存共栄のパートナーシップを構築します。[地域社会のために]「良き企業市民」として、積極的に地域社会に参画し、その発展に貢献します。[株主・投資家のために]経営の透明性・健全性・効率性を確保し、持続的な企業価値の向上を図ります。また、適正な企業情報の適時適切な開示に努めるとともに、ステークホルダーとの建設的な対話を行います。 上記の実践にあたっては、人権尊重、コンプライアンス遵守に努め、その敷衍とともに、コーポレートガバナンスの充実に取り組みます。 (2)経営環境と対処すべき課題① 組織風土改革当社グループにおける組織風土改革活動は、品質不適切行為を端緒として2023年より取り組みを開始し、品質コンプライアンスはもとより、当社グループのイノベーションと持続的な成長に関わる重要な課題であるとの認識のもと、取締役会において「高い倫理観とチャレンジ精神」と、あらゆる業務・場面における「心理的安全性」の醸成・両立を企図した取り組みを行っていくことを確認しております。具体的には、社員一人ひとりが自由に意見を出し合い、部門を越えた活発なコミュニケーションにより問題や情報を速やかに共有できること、そして、チャレンジを推奨し、それに伴う失敗を成長の糧と捉えて支援する組織風土の醸成が重要であると認識しております。この組織風土改革活動と、「Purpose(パーパス)」、「Vision(ビジョン)」の浸透活動を通じ、社員一人ひとりの行動変革を促すことで、中期経営計画「JGP2028」策定の前提である『2033年度に目指す姿』を、マテリアリティを解決しながら実現してまいります。 ② 経営環境当社グループを取り巻く中期的な経営環境は、産業機械事業では、防衛関連機器事業が高水準に推移するほか、低炭素社会の実現や省エネルギー化、プラスチック資源循環社会の実現に向けて、各種プラスチック加工機械の底堅い需要を見込んでおります。素形材・エンジニアリング事業では、世界的に伸長する電力需要に対して安定供給と低炭素を実現する発電機器向け素形材製品の安定的な需要が見込まれます。なお、現下の中東情勢が当社グループの事業及び業績へ与える影響については、足元で潤滑油・塗料など生産用資材の供給制約等が生じつつあり、これらが長期化した場合には影響を受ける可能性がありますが、現時点では直接的な影響は限定的と見込んでおります。 (3)中期経営計画「JGP2028」の進捗について当社グループは、2025年3月期を初年度とする5カ年の中期経営計画「JGP2028」を推進しております。 「JGP2028」の概要は以下のとおりです。 1)「JGP2028」の位置づけ当社グループでは、長期的な視点で成長戦略を立案することを目的に、中期経営計画の期間を5カ年としております。特に「JGP2028」では、10年後の2034年3月期における当社グループの目指す姿を、「Purpose(パーパス)」のもと、サステナビリティ目標「社会課題を解決する産業機械と新素材の開発・実装を通じて持続可能で豊かな世界の実現に貢献する」及び財務目標「売上高5,000億円規模の企業グループへの成長」を同時に実現することとし、その中間地点である2029年3月期における目標を設定し、マテリアリティ解決と持続的企業価値向上を目指すための具体的なあり方を明確にしました。 2)財務目標(連結) 3)基本方針
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績等の状況当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、産業機械事業では米国関税政策に端を発する投資決定の遅延が樹脂製造・加工機械の分野で広がりました。一方、国の防衛力強化方針のもとで防衛関連機器の需要が高まりました。素形材・エンジニアリング事業では、AI/データセンターの急速な普及やエネルギー安全保障を意識した電力関連投資の拡大が見られました。このような状況のもと、当社グループでは10年後の2034年3月期における目指す姿を、「Purpose(パーパス)」のもと、サステナビリティ目標「社会課題を解決する産業機械と新素材の開発・実装を通じて持続可能で豊かな世界の実現に貢献する」及び財務目標「売上高5,000億円規模の企業グループへの成長」を同時に実現することとし、その中間地点である2029年3月期における目標を設定し、マテリアリティ解決と持続的企業価値向上を目指すための具体的なあり方として、中期経営計画「JGP2028」を策定し、これに基づき事業活動を推進してまいりました。当社グループにおける当連結会計年度の業績につきましては、前年同期に比し、受注高は、産業機械事業は減少したものの、素形材・エンジニアリング事業が増加したことから、前年同期並みの3,094億23百万円(前年同期比0.3%減)となりました。売上高は、素形材・エンジニアリング事業は減少したものの、産業機械事業が増加したことから、2,748億52百万円(前年同期比10.6%増)となりました。損益面では、営業利益は253億6百万円(前年同期比10.9%増)、経常利益は260億51百万円(前年同期比10.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は192億39百万円(前年同期比7.1%増)となりました。 セグメント別の業績は次のとおりであります。(産業機械事業)受注高は、FPD向けELA装置などその他の産業機械において受注が増加しましたが、防衛関連機器が前年同期の大口案件の反動により減少し、2,482億13百万円(前年同期比4.0%減)となりました。売上高及び営業利益は、全般に豊富な受注残を背景に、それぞれ2,262億48百万円(前年同期比13.7%増)、200億39百万円(前年同期比14.0%増)となりました。 (素形材・エンジニアリング事業)受注高は、高効率火力発電及び原子力発電向けの旺盛な需要を背景に581億84百万円(前年同期比17.8%増)となりました。売上高は457億95百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益は88億74百万円(前年同期比2.0%増)となりました。 (その他事業)受注高は30億24百万円、売上高は28億8百万円、営業利益は88百万円となりました。 ② キャッシュ・フロー 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末比22億37百万円増加し、773億87百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果支出した資金は、168億93百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を計上した一方、中小受託取引適正化法の施行及び売上の増加に伴い、運転資金が増加したことによるものです。なお、前年同期は45億67百万円の支出でした。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は、171億3百万円となりました。これは主に、固定資産の取得による支出があったことによるものです。なお、前年同期は122億72百万円の支出でした。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果獲得した資金は、360億89百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入があったことによるものです。なお、前年同期は57億23百万円の支出でした。 ③ 生産、受注及び販売の実績1.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自2025年4月1日 至2026年3月31日)前期比 (%)産業機械事業(百万円)224,365+12.9素形材・エンジニアリング事業(百万円)45,788△2.8その他事業(百万円)2,808+17.4合計(百万円)272,962+10.0(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、販売価格によっております。 2.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自2025年4月1日 至2026年3月31日)受注高(百万円)前期比 (%)受注残高(百万円)前期比 (%)産業機械事業248,213△4.0360,910+6.5素形材・エンジニアリング事業58,184+17.870,246+21.4その他事業3,024+27.5320+207.3合計309,423△0.3431,477+8.7(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。 3.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自2025年4月1日 至2026年3月31日)前期比 (%)産業機械事業(百万円)226,248+13.7素形材・エンジニアリング事業(百万円)45,795△2.8その他事業(百万円)2,808+17.4合計(百万円)274,852+10.6(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。相手先前連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)当連結会計年度(自2025年4月1日 至2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)防衛装備庁--30,47111.1(注)前連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10未満であるため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ② 財政状態1.総資産当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比318億60百万円増加し、4,299億83百万円となりました。これは主に、仕掛品などの流動資産が増加したことに加え、設備投資により固定資産が増加したためであります。 2.負債当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末比131億31百万円増加し、2,161億51百万円となりました。これは主に、長期借入金など固定負債が増加したためであります。 3.純資産当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末比187億29百万円増加し、2,138億31百万円となりました。これは主に、利益剰余金が増加したためであります。 ③ 経営成績1.売上高当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比262億96百万円(10.6%)増の2,748億52百万円となりました。これは、素形材・エンジニアリング事業は減少したものの、産業機械事業が増加したことによるものです。 2.売上総利益当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度比32億65百万円(5.4%)増の642億59百万円となりました。 3.販売費及び一般管理費、営業利益当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比7億82百万円(2.1%)増の389億52百万円となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比24億82百万円(10.9%)増の253億6百万円となりました。営業利益率は、前連結会計年度並みの9.2%となりました。 4.営業外損益、経常利益当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度比6億98百万円(43.1%)増の23億18百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度比6億25百万円(66.0%)増の15億73百万円となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比25億55百万円(10.9%)増の260億51百万円となりました。経常利益率は、前連結会計年度並みの9.5%となりました。 5.特別損益、税金等調整前当期純損益当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度比16億92百万円(117.3%)増の31億35百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度比2億76百万円(16.9%)減の13億55百万円となりました。この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比45億24百万円(19.4%)増の278億31百万円となりました。 6.親会社株主に帰属する当期純損益当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は、前連結会計年度比33億円(64.0%)増の84億54百万円となりました。以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比12億78百万円(7.1%)増の192億39百万円となりました。また、当連結会計年度の1株当たり当期純利益金額は261.38円となりました。④ 経営上の目標の達成状況当社グループは、2029年3月期を最終年度とする5カ年の中期経営計画「JGP2028」を策定しております。「JGP2028」において掲げる4つの基本方針に基づき、当連結会計年度までに実施又は計画した具体的な施策は以下のとおりであります。4つの基本方針実績現有事業の持続的価値向上○産業機械セグメントにおけるグローバル展開の更なる加速・成長のため、事業部門と連携した戦略の策定・推進を担うとともに、海外拠点のガバナンス強化のためグローバル戦略本部を新設○インド市場におけるプレゼンス向上による事業規模の拡大を目的として、インドにエクスペリエンスセンターを開設○広島製作所において第10組立工場竣工、樹脂機械製品の生産能力を拡大。第3機械工場竣工、機械部品の機械加工能力・生産効率向上○樹脂機械事業におけるアフターサービス事業の更なる拡大に向け、樹脂機械ソリューション事業部を新設○防衛関連機器の増産に応じ、適地生産により生産能力を拡大(名機製作所での生産開始、室蘭製作所における生産体制を整備中、広島製作所で新組立工場を竣工)○素形材・エンジニアリング事業の持続的成長、防衛関連機器及び新事業とのシナジー効果創出を目的として日本製鋼所M&E㈱を吸収合併、素形材エンジニアリング事業部を新設新規事業の創出・育成○「超スマート社会への貢献」実現への重点投資を中心に研究開発活動を推進 (中計期間中に研究開発費総額410億円を計画、2026年3月期までの実績累計は118億円)○革新技術の開発を担う新たな研究開発拠点の用地(千葉県柏市柏の葉キャンパスエリア)を取得○半導体・光学デバイス向け材料を中心とするフォトニクス事業の拡大を目指し、フォトニクス事業室を新設人への投資を始めとした無形資産投資の拡充○組織風土改革プロジェクトを推進、社員の判断・行動の指針となる「日本製鋼所グループ 行動指針」を制定、挑戦を推奨する組織風土への変革を促進○エンゲージメントサーベイを活用し、多様な「個」の成長と「組織」の成果の最大化の進捗を定量的に評価するため、「J-IS(JSW-Ikiiki(イキイキ)Status指数)」を設定○ポジティブアクションによる女性活躍推進 (女性管理職比率、女性係長級比率の向上)○子育てサポート企業としての取組みが評価され「くるみん認定」を受ける○経済産業省「DX認定事業者」に認定○お客様のスマートファクトリー化を支援するIoTソリューション「J-WiSe®」を展開 (射出成形機の成形不良防止・不良改善を支援する「J-WiSe AI Molding Navigator®」等)コーポレートガバナンスの強化○役員報酬制度の改定による、中長期的な企業価値向上に対するインセンティブ機能の強化及び株主との利害共有の推進(株式報酬割合向上、譲渡制限期間の改定)○全社的リスクマネジメント活動を推進・統括する専門組織として経営企画室リスクマネジメントグループを設置○取締役会、監査役会、執行役員の多様性向上 (社外取締役比率50%、社外監査役比率50%、女性取締役比率20%、女性監査役比率25%、当社初の女性執行役員が就任)○「日本製鋼所グループ コンプライアンス・ポリシー」の制定○政策保有株式の縮減(2026年3月期末の対連結純資産比率11.8%)※「J-WiSe」、「J-WiSe AI Molding Navigator」は、株式会社日本製鋼所の登録商標です。 ○数値目標及び実績 JGP2028数値目標(連結)2026年3月期実績(連結)2027年3月期予想(連結)中間目標(2027年3月期)最終目標(2029年3月期)売上高3,200億円3,800億円2,748億円3,100億円営業利益260億円370億円253億円270億円営業利益率8.1%9.7%9.2%8.7%ROE9.0%10~11%9.5%8.7% <中期経営計画「JGP2028」の見直しについて> 2025年3月期を初年度とする5カ年の中期経営計画「JGP2028」につきましては、計画策定時の想定に対し、EV市場の減速、米国通商政策による樹脂機械製品への投資決定の遅延がみられる一方、世界的な電力需要の拡大に伴う素形材製品への需要の増加、国の防衛力強化方針のもとで防衛関連機器の需要が高まるなどの変化が生じております。これらの変化を踏まえ、「JGP2028」の中間年度である2027年3月期において中計目標達成に向けた施策の見直しに取り組んでおり、決定次第「JGP2028」の改訂版として速やかに公表いたします。 (3)資本の源泉及び資金の流動性① キャッシュ・フロー○当連結会計年度の概要 2024年3月期2025年3月期2026年3月期増減営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)21,707△4,567△16,893△12,325投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△6,841△12,272△17,103△4,830財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△4,899△5,72336,08941,813現金及び現金同等物に係る換算差額(百万円)535812144△667現金及び現金同等物の増減額(百万円)10,502△21,7512,23723,988新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額(百万円)----現金及び現金同等物の期末残高(百万円)96,90275,15077,3872,237借入金等及び社債の期末残高(百万円)43,63643,52888,35644,827 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末比22億37百万円増加し、773億87百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)45.748.348.549.4時価ベースの自己資本比率(%)52.468.096.8143.3債務償還年数(年)-2.0--インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)-102.2-- ② 流動性と資金の源泉当社グループは、現在及び将来の事業活動のための適切な水準の流動性を維持すると同時に、資本効率の最適化を重要な財務活動の方針としております。上記目的の為、日常的に運転資金の効率化活動を推進すると共に、投融資・設備投資にあたっては、資本効率向上の観点から厳選しております。当社グループは、営業活動により創出されるキャッシュ・フローと現金及び現金同等物を内部的な資金の主な源泉と考えております。また、資金需要に応じて金融機関からの借入及び社債や株式等の資本性証券の発行も可能と考えております。 ③ 財務政策基本的な考え方として、営業活動による創出資金は、設備投資を中心とする成長投資と株主還元に活用します。売上の増加に伴う運転資金の増加は、既存の現金預金の活用と投資有価証券の資金化により賄ったうえで、不足分は有利子負債を調達する計画です。なお、当社グループでは最適現預金水準を翌年度の月商2カ月分に突発的な資金需要に対応する100億円程度を加えた金額と考えており、中期経営計画「JGP2028」期間中においても常に同水準を確保する予定です。借入金等の概要については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 ⑤連結附属明細表」のとおりであります。当社グループは、引き続き財務の健全性を保ち、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出すとともに、資金需要に応じて金融機関からの借入及び社債や株式等の資本性証券の発行も実施することで、将来必要な運転資金、設備投資資金及びアライアンスの推進資金を調達することが可能と考えています。
事業リスク
- 景気変動と収益性同社の主要事業である設備投資関連事業は、国内外の景気動向に大きく左右されます。景気が悪化すると、企業の設備投資が抑制され、製品の受注減少や収益性の低下につながる可能性があります。また、製品の納期が長いため、調達価格や為替の変動が収益に影響を与えることもあります。
- 品質問題と製造物責任製造業であるため、製品の性能不良や欠陥が発生した場合、損害賠償責任を負う可能性があります。過去には不適切行為も発生しており、品質管理体制の不備は企業の信頼を損ない、多額の補償費用が発生するリスクがあります。品質管理の徹底と再発防止策の実行が重要です。
- 為替レートの変動製品の輸出比率が約50%と高く、原材料の輸入も行っているため、為替レートの変動が業績に大きな影響を与える可能性があります。円高は輸出製品の価格競争力を低下させ、輸入原材料のコストを押し下げる一方で、円安は逆の影響をもたらします。為替予約などのヘッジ取引でリスク軽減を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。<当社グループにおけるリスク管理体制>当社グループでは「日本製鋼所グループ リスク管理規程」を定め、リスク管理担当役員を委員長とする「リスクマネジメント委員会」において、重要リスクの選定やリスク対応に係る審議等を実施し、適切かつ効果的なリスク管理を実行しております。また、経営管理部門がリスクマネジメント委員会の事務局となり、スリーラインモデルのリスクマネジメント体制を構築し、第2線のリスク管理部門の機能を強化すると共に、リスク管理の状況を取締役会及び経営戦略会議に報告しております。また、内部監査部門である監査室が第3線としてリスク管理状況のモニタリングを行い、取締役会及び経営戦略会議に報告しており、これらにより実効性の高い全社的リスクマネジメントを推進しております。なお、経営企画室リスクマネジメントグループが全社的リスクマネジメント活動を推進、統括しております。 (1)事業環境設備投資関連事業が中心の当社グループの事業は、国内外の景気及び政策の動向に左右されます。また製品の納期も長いことから調達価格や為替の変動等による収益性の低下や追加費用の発生によって当初見積り以上のコストが発生する可能性があります。その場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、グローバル経済の状況とその変動に伴う影響に留意し、また各国の政策動向について早期の情報収集に努めるとともに、業績に影響を与える事象が発生した場合は、その影響を織り込んで業績予測に反映し、取締役会及び経営戦略会議における討議を経て、状況に応じた経営資源の再配分を行っております。また、製品のライフサイクルを注視して中長期的な製品・事業ポートフォリオを意識した経営に努めております。 (2)設備の減損に係るリスク当社グループは、既存事業の競争力強化並びに新規事業や新規製品の開拓・開発のため、設備投資を行っております。固定資産の減損に係る会計基準に従い、同資産の貸借対照表計上額について、将来キャッシュ・フローにより回収することができるかを、定期的に検証しています。充分なキャッシュ・フローが見込めない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの設備投資計画については、社内規程に基づき取締役会及び経営戦略会議等において投資計画の妥当性の審議を行い実施の可否を決定しております。また、取締役会及び経営戦略会議にて実施を決定した投資につきましては、実行後、投資効果が計画と乖離していないかを取締役会及び経営戦略会議にて確認し、必要に応じて関係部門は対策を検討・実行しております。 (3)原材料・部品等の調達当社グループの原材料・部品等の調達は、為替・市況・エネルギー価格の変動影響を受けます。これら原材料・部品等の品質上の問題、供給不足、納入遅延、災害に伴う生産停止等の発生及び市況の急激な変動による原材料・部品等の調達価格の高騰は当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは原材料・部品等の市況変動に柔軟に対応するため、調達品の複数社購買の推進、代替調達品の検討と選定を適宜実施し、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に与える影響を軽減する対応を行っております。 (4)品質管理・製造物責任当社グループは、主にメーカーとして製品を個別受注し製造・販売しているため、製品の性能不良や欠陥等の契約不適合に起因する損害賠償等の負担により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおいては、各製作所の品質管理部門が設計・調達・製造における品質管理を指導するとともに、品質保証部門が品質管理のプロセスを統制・チェックしております。毎月、各製作所では不良の発生と対策状況を審議し、その結果を部門業績報告会議にて報告することで管理の充実に努めております。上記に示す事業部あるいは製作所における品質保証マネジメント体制に対して、コーポレートとしての監視・監督機能を強化するために、各事業部・製作所における品質保証機能を統括する部門として「品質統括室」を設置し、第2線として各製作所が実施している品質保証活動の適切性と有効性の監視・監督を徹底しております。その実施状況については、第3線である監査室が妥当性と適正性を監査し、取締役会で報告しております。そのほか、製造物責任に起因する損害賠償については、製造物賠償責任保険及び企業包括賠償責任保険に加入して付保内容を毎年見直し、当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響を軽減する対応を行っております。(不適切行為の影響)当社グループでは、不適切行為を踏まえて策定したグループ全体の再発防止策を当社取締役会にて決議し、品質管理体制の見直しによる相互牽制が機能する組織の構築、品質統括室の設置による品質保証機能の監視・監督など、再発防止に向けた諸施策を着実に実行し、その実施状況を継続的にモニタリングしております。なお、お客様への補償費用等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)為替レートの変動リスク当社グループの製品は、輸出比率が毎年50%程度で推移しており、製品の受注から売上までに比較的長期間を要するほか、原材料の輸入等海外調達の一部において外貨建取引を行っております。従って、当社グループの業績は、受注から売上までの間の為替動向により、受注時点の予想に比べて売上時点の損益に相違が生じ、影響を受ける可能性があります。また、為替レートにより海外競合企業との相対的競争力が変動し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。為替レートの変動対策として、社内規程に基づき米ドル、ユーロ及びその他主要通貨の変動影響を最小限に抑えるため、金融機関と為替予約等のヘッジ取引を行っております。 (6)安全衛生当社グループは、製作所(構内協力会社を含む)及び活動拠点における労働災害の防止、従業員の健康管理に万全の対策を講じておりますが、万一不測の事故・災害等が発生した場合には、生産活動に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは製造拠点である製作所を中心に安全対策設備の導入、安全な作業を確保できる基準の見直し、従業員の身体及び精神の健康管理を実施するほか、心理的安全性の向上を含む職場風土の改善にも取り組み、従業員のみならず、当社グループで働く全ての方々が安心・安全に働けるよう、安全衛生活動を推進しております。製作所で策定された安全衛生活動計画を各拠点にも展開し、年2回の全社安全衛生会議での評価と対策の検討により持続的な安全衛生活動を推進しております。また、各種損害保険については付保内容を毎年見直しております。 (7)知的財産当社グループは、保有する知的財産の適切な保全(特許・実用新案・先使用権の取得)に努めておりますが、第三者によって製品や技術等が模倣されたり、意図せぬ技術流失が発生した場合、当社グループの製品や技術等が陳腐化するなどの影響が発生し、売上高の減少等により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが将来に向けて開発している製品・技術が、意図せず他社等の知的財産権を侵害してしまう場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらの影響を低減するため、知的財産部を設置して適切な管理体制を構築し、事案の内容に応じて適時適切に対応するとともに、当社グループの事業成長を推進するための知財戦略を構築し、当社グループ保有の知的財産の価値を高める活動を推進しております。 (8)環境保全当社グループは、環境汚染防止、省エネルギー、省資源等環境負荷低減に取り組むとともに、関連法令等の遵守など環境マネジメントの徹底に取り組んでおりますが、関連する法令変更への対応が遅れた場合、あるいは不測の事態等により環境汚染が発生した場合は、社会的信用の失墜を招くとともに損害賠償責任が生じ、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。環境マネジメントシステムの運用により環境関連規制を遵守するとともに、年2回の環境マネジメント委員会で規制等の変更に即した管理と対応への協議を実施しております。なお、ESG推進室が気候変動対応・環境負荷低減に関わる諸施策の立案と推進を行っております。 (9)企業買収・他社提携等に係るリスク当社グループは、新規事業や新規製品の開拓・開発のため、他社の買収、他社との業務提携や合弁会社設立、他社との共同開発、他社への出資などを行っております。これらの戦略的提携において、期待した成果が十分に得られない場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、買収や他社との提携についてM&A・アライアンス協議会、経営戦略会議、取締役会にて、投資効果・リスク等を審議し、可否を決定しております。 (10)自然災害等による影響当社グループは、地震・風水害・火災・感染症の世界的流行(パンデミック)等の各種災害による物的・人的被害の発生及び社会インフラの機能が低下した場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、各種災害に対して、発生時の損害を最小限に抑えるため、設備点検・訓練の実施、連絡体制・事業継続計画(BCP)を整備して、被災時でも重要な事業を継続し早期に事業復旧できるよう準備を行っております。また、損害保険等の付保内容を毎年見直しております。 (11)地政学リスク当社グループは、グローバルに事業を展開し、日本及び海外各国・地域の法規制に従って事業活動を行っており、国際関係の変化に伴う政策や法規制の変更は事業活動に大きく影響します。今後、各種法規制の改廃や厳格化、技術移転の制限、関税の引き上げ等により、当社グループの事業活動の再構築や法規制遵守のための費用が増加する可能性があります。その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、国内外の法規制の運用・解釈の変更について早期の情報収集に努め迅速な対応を実施しております。中国の輸出規制や中東情勢緊迫化等による当社への影響についても、取引先からの情報収集に努め、適時適切な対応に取り組んでおります。 (12)情報セキュリティ当社グループは、事業活動を通じて取引先及び自社の営業情報や個人情報等の機密情報を保有しております。外部からのサイバー攻撃や不正アクセス等により、パソコン・サーバー等から、機密情報が流出あるいは消失した場合、生産や業務の停止が発生するほか、社会的信用の失墜により、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、重要な経営資源であるデータについて複数のデータセンターにてバックアップを取るとともに、情報機器管理、システム管理体制の強化を実施し、機密情報保護に細心の注意を払っております。また、各種サイバー攻撃の糸口になる不正メールをブロックするシステムの導入、情報流出やシステム障害など、万一の場合に備えたサイバーセキュリティ上の行動指針立案、従業員への情報セキュリティ教育も併せて実施しております。 (13)人材育成・確保当社グループが持続的な企業価値(経済価値・社会価値)の向上を実現するためには、自由闊達な企業文化を構築するとともに、多様な「個(=人材)」が自律的に成長し、イノベーションを生み出し「組織」の成果を最大化することが必要となります。人材確保や育成が不十分な場合は、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、多様な人材の確保のために、知名度向上を図り、新卒者だけでなく経験者採用にも注力し、多様な採用手法の実施、各種処遇向上、働きがいにあふれた職場づくり等の推進に取り組むと共に、ベテランから若手への技術技能の伝承は、各製作所にて中長期計画に基づき、着実に実行しております。 (14)社会・人権当社グループは、事業活動が極めて幅広い分野にわたり、またその関係者も多様であることから、事業活動において直接的・間接的に人権への負の影響を生じさせた場合、社会的信用の失墜により、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」などの国際規範に則った「日本製鋼所グループ人権方針」を策定し、同方針に基づき、サプライチェーンを含めた事業活動全般に関わる全ての人々の人権を尊重する取組を推進しております。サプライヤー、ビジネスパートナーに対しては、人権デューデリジェンスを通じたリスクの軽減に取り組んでおります。