事業の概要
- チタン事業航空機や一般産業向けの金属チタン(スポンジチタン、チタンインゴット)を製造・販売しています。これらの製品は、さらに加工されて最終製品となるため、様々な産業の基盤を支える素材を提供しているのが特徴です。主に輸出向けが多く、世界経済の動向に影響を受けやすいビジネスモデルです。
- 高機能材料事業チタンやシリコンを応用した高純度チタン、粉末チタン、SiOなどの特殊な材料を製造・販売しています。これらは新用途開発品であり、より高度な技術や特定の産業ニーズに応えることで収益を上げています。チタン事業と同様に、国際的な環境要因の影響を受けやすい特性があります。
- 素材提供ビジネス同社は、最終製品ではなく、その元となる素材を提供する「素材メーカー」です。そのため、顧客である加工メーカーや最終製品メーカーの需要に大きく左右されます。特に航空機産業の動向は、主力であるチタン事業の業績に直結するため、その動向を注視する必要があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- チタン事業金属チタン(スポンジチタン、チタンインゴット)の製造販売が主な事業です。航空機や電解プラント、熱交換器など幅広い産業で利用される基幹素材を提供しています。最新年度の売上高は479.47億円、営業利益は99.01億円と、同社の収益の大部分を占める主力事業です。
- 高機能材料事業高純度チタン、SiO、球状チタン粉末(TILOP)などの新用途開発品を製造販売しています。これらの製品は、より高度な技術を要し、特定のニッチな市場向けに展開されています。最新年度の売上高は39.66億円、営業利益は1.87億円と、チタン事業に比べ規模は小さいですが、将来の成長が期待される分野です。
- 事業構成と収益性同社の事業は、主力であるチタン事業が売上・利益ともに圧倒的な割合を占めています。高機能材料事業は、売上規模は小さいものの、技術開発による新たな収益源としての役割を担っています。全体として、素材産業の特性上、国際的な市況や為替変動の影響を大きく受ける構造となっています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Titanium | 事業 | 479 | 99 | 20.6% |
| HighPerformanceMaterials | 事業 | 40 | 2 | 4.7% |
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3【事業の内容】(チタン事業) 金属チタン(スポンジチタン、チタンインゴット)を主な製品として製造販売を行っております。 (高機能材料事業) スポンジチタンの製造工程における中間生成物である四塩化チタン及び四塩化チタン水溶液とチタン、シリコンの新用途開発品である高純度チタン、粉末チタン、SiO等の高機能材料の製造販売を行っております。 各々のセグメントごとの主要製品は次のとおりであります。 なお、当事業年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 セグメント主要製品チタン事業スポンジチタン、チタンインゴット高機能材料事業高純度チタン、SiO、TILOP®(球状チタン粉末)、粉末チタン、四塩化チタン、四塩化チタン水溶液 当社製品は多くの産業プロセスを経て最終製品となりますが、最終製品までの流れ(事業系統図)は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 チタン原料等の価格変動の当社製品価格への転嫁に努めているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 業界トップクラスの製品品質、生産性を有するチタン事業の生産技術開発および基礎研究。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:需要変動等によるリスク / 為替変動によるリスク / 電力供給制限及び料金の変動によるリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
チタン sponge の製造技術は一定のノウハウを持つが、特許による独占性は限定的。海外大手メーカーとの技術格差は縮小傾向にあり、明確な無形資産による優位性は確立されていない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
顧客は航空宇宙産業や化学プラントなど、品質要求の高い分野が中心。一度採用された材料メーカーを変更する際の認証プロセスは煩雑だが、代替材料への切り替えリスクはゼロではない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果は事業モデルに存在しない。
コスト優位★★★☆☆
電解法によるチタン sponge 製造において、長年の操業で培われたコスト管理ノウハウと、一部の製造プロセスにおける効率化が進んでいる。しかし、原料価格の変動やエネルギーコストの影響を受けやすい。
規模の経済★★★☆☆
国内大手チタン sponge メーカーとして一定の生産規模を持つ。しかし、世界的なチタン需要の拡大に対し、グローバルな大手メーカーと比較すると規模の経済性は限定的であり、寡占市場での地位は盤石ではない。
- 高品質な航空機用チタン同社の金属チタンは、高品質が求められる航空機用途に多く採用されています。これは、長年の技術蓄積と信頼性によって築かれた強みであり、新規参入が難しい分野での競争優位性となっています。航空機メーカーからの受注やメンテナンス需要が安定した収益源です。
- 多角的な高機能材料開発チタンやシリコンの新用途開発品である高純度チタンや粉末チタンなど、高機能材料事業を展開しています。これにより、特定の産業だけでなく、幅広い分野での需要を取り込むことが可能となり、事業ポートフォリオの多様化による安定化を図っています。
- 安定供給体制と品質管理素材メーカーとして、顧客が満足する製品とサービスを安定的に供給することを重視しています。組織的な品質管理体制と継続的なインフラ投資により、高品質を維持し、顧客からの信頼を得ています。これは、長期的な取引関係を築く上で重要な競争力となります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
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経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 事業課題 現在、民間航空機メーカーでは、コロナ禍からの運行機数の急回復に伴い、民間航空機の受注残が増加しており ます。並行して、民間航空機エンジンメーカーにおけるMRO(メンテナンス・リペア・オーバーホール)需要も拡 大しており、航空機産業全体が成長軌道にある中で、中長期的にはスポンジチタンの需要は堅調に推移することを 想定しております。直近の民間航空機向けサプライチェーンにおける在庫調整局面が終了すれば、需要の増加によ り需要はひっ迫する見込みであり、航空機産業の成長を支えるキープレイヤーとして供給能力の確保が課題となっ ています。 一方、当社は2018年のポリシリコン事業撤退以降、スポンジチタンの航空機産業に依存する事業構造が更に進ん でおり、会社全体の安定性やリスク分散の観点で課題を抱えております。 社会課題 持続可能な社会の実現に向け、GXは企業の社会的責任を果たすための課題と認識しています。また、我が国にお ける労働人口は更に減少する見込みであり、当社においても必要な人材の確保や業務の効率化・自動化が課題とな っています。 財務課題 資本コストや株価を意識した経営は、当社の最も重要な課題の一つであります。我が国における政策金利の正常 化に伴い、資本コストは更に上昇する見込みであり、資本効率の改善が必要であると認識しています。また、事業 拡大に伴い運転資金が増加しており、各種施策を実行するための資金確保も当社にとって重要な課題であります。 上記課題に対処すべく、当社は中期経営計画「OTC 2030」を策定致しました。 中期経営計画「OTC 2030」においては、新たにパーパス・ビジョンを掲げ、2026年度から2030年度を計画 期間として6つの方針を設定いたしました。 方針 チタン事業の持続的な成長に向けてスポンジチタン新工場を稼働させ、生産能力増強を図り(4万トン/年か ら5万トン/年)、航空機需要の拡大に応える供給体制を構築し、市場におけるプレゼンスの向上を図ります。ま たスポンジチタンメーカーのグローバルリーダーとしての地位を確固たるものとし、世界の航空機産業の一角を担 う企業として、さらなる国際社会への貢献を目指します。 事業ポートフォリオの面では、チタン事業にて得た収益を高機能材料事業へ重点的に投入し、他の成長分野(半 導体分野・環境分野等)の変革を図ります。なお高純度チタンや四塩化チタン等の既存の高機能材料事業において は、営業力の強化や生産性の向上にリソースを注入し、収益力の強化を図ります。 GXの推進として、コア技術を応用したリサイクル事業への参入など環境分野における事業の創出および航空機の 燃費向上に不可欠な素材としての地位確立を目指します。 人的資本経営の推進として、「採用」「育成」「活躍」の三位一体の人材戦略による人的資本の強化を図り、 人材への投資を起点としたエンゲージメントの維持・向上を実現します。 DXの推進として全社データの一元管理により、スマートファクトリー化を実現し、生産性を向上させることに 加え、ガバナンスの高度化に貢献するシステムを構築します。またDX人材の育成をベースとして、最新技術の活用 を進め、プロセスの自動化などの業務変革を推進する。 財務面では収益力の改善をPBR(株価純資産倍率)の維持・上昇に結び付けるために、資本コストの低減や期待 成長率の向上に取り組みます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 事業課題 現在、民間航空機メーカーでは、コロナ禍からの運行機数の急回復に伴い、民間航空機の受注残が増加しており ます。並行して、民間航空機エンジンメーカーにおけるMRO(メンテナンス・リペア・オーバーホール)需要も拡 大しており、航空機産業全体が成長軌道にある中で、中長期的にはスポンジチタンの需要は堅調に推移することを 想定しております。直近の民間航空機向けサプライチェーンにおける在庫調整局面が終了すれば、需要の増加によ り需要はひっ迫する見込みであり、航空機産業の成長を支えるキープレイヤーとして供給能力の確保が課題となっ ています。 一方、当社は2018年のポリシリコン事業撤退以降、スポンジチタンの航空機産業に依存する事業構造が更に進ん でおり、会社全体の安定性やリスク分散の観点で課題を抱えております。 社会課題 持続可能な社会の実現に向け、GXは企業の社会的責任を果たすための課題と認識しています。また、我が国にお ける労働人口は更に減少する見込みであり、当社においても必要な人材の確保や業務の効率化・自動化が課題とな っています。 財務課題 資本コストや株価を意識した経営は、当社の最も重要な課題の一つであります。我が国における政策金利の正常 化に伴い、資本コストは更に上昇する見込みであり、資本効率の改善が必要であると認識しています。また、事業 拡大に伴い運転資金が増加しており、各種施策を実行するための資金確保も当社にとって重要な課題であります。 上記課題に対処すべく、当社は中期経営計画「OTC 2030」を策定致しました。 中期経営計画「OTC 2030」においては、新たにパーパス・ビジョンを掲げ、2026年度から2030年度を計画 期間として6つの方針を設定いたしました。 方針 チタン事業の持続的な成長に向けてスポンジチタン新工場を稼働させ、生産能力増強を図り(4万トン/年か ら5万トン/年)、航空機需要の拡大に応える供給体制を構築し、市場におけるプレゼンスの向上を図ります。ま たスポンジチタンメーカーのグローバルリーダーとしての地位を確固たるものとし、世界の航空機産業の一角を担 う企業として、さらなる国際社会への貢献を目指します。 事業ポートフォリオの面では、チタン事業にて得た収益を高機能材料事業へ重点的に投入し、他の成長分野(半 導体分野・環境分野等)の変革を図ります。なお高純度チタンや四塩化チタン等の既存の高機能材料事業において は、営業力の強化や生産性の向上にリソースを注入し、収益力の強化を図ります。 GXの推進として、コア技術を応用したリサイクル事業への参入など環境分野における事業の創出および航空機の 燃費向上に不可欠な素材としての地位確立を目指します。 人的資本経営の推進として、「採用」「育成」「活躍」の三位一体の人材戦略による人的資本の強化を図り、 人材への投資を起点としたエンゲージメントの維持・向上を実現します。 DXの推進として全社データの一元管理により、スマートファクトリー化を実現し、生産性を向上させることに 加え、ガバナンスの高度化に貢献するシステムを構築します。またDX人材の育成をベースとして、最新技術の活用 を進め、プロセスの自動化などの業務変革を推進する。 財務面では収益力の改善をPBR(株価純資産倍率)の維持・上昇に結び付けるために、資本コストの低減や期待 成長率の向上に取り組みます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 当事業年度における我が国経済は、賃金上昇といった雇用・所得環境の改善や訪日外国人観光客数の回復に伴う インバウンド需要の堅調な推移を背景に、緩やかな景気回復基調を維持しました。一方で、物価上昇に伴う消費者 の購買意欲の低下やインフレによる企業コスト負担の増加ならびに為替変動リスクに対する懸念が続いております。 海外経済においては、主要国における金融政策の引き締めの影響や、中国経済の不動産市況低迷や内需減退に伴 う景気減速が依然として課題となっています。また、ウクライナ情勢に起因する地政学的リスクの継続、中東情勢 の影響によるエネルギー価格の上昇や物流コストへの影響が懸念され、原油関連資材の調達不安も加わり、企業活 動に不安要素を加えているほか、米国の輸入関税政策や通商摩擦に関連する影響も継続していることから、世界経 済の先行きに対する不透明感が増しております。 当社を取り巻く事業環境について、チタン事業においては民間航空機需要の高まりを受け、ボーイング社、エア バス社といった民間航空機メーカーでは受注残が増加、民間航空機エンジンメーカーでのMRO(メンテナンス・リ ペア・オーバーホール)需要の増加も加わり、全般的に民間航空機サプライチェーンは成長軌道となっておりま す。しかしながら、足元では民間航空機メーカーを中心としたサプライチェーンにおける在庫調整の影響が生じて おります。また、高機能材料事業においても、AI関連を除く半導体市場における調整局面が継続しております。 こうした中、当事業年度の売上高は46,952百万円(前年同期比9.6%減)、営業利益は5,524百万円(前年同期比 45.2%減)、経常利益は6,434百万円(前年同期比29.1%減)、当期純利益は2,576百万円(前年同期比63.7%減)となりました。 なお、当事業年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。 ①財政状態及び経営成績の状況 当事業年度におけるチタン事業の売上高は民間航空機運航機数増加に伴うエンジンのMRO(メンテナンス・リ ペア・オーバーホール)需要が堅調に推移した一方で、民間航空機メーカーを中心としたサプライチェーンにお ける在庫調整の影響により、輸出向けの売上高は前年同期比1.5%増にとどまりました。 一方、一般産業用途向け主体の国内売上高は、需要の低迷や取引先および最終需要家での在庫調整の継続によ り、大幅な減少(前年同期比42.8%減)となりました。この結果、チタン事業の売上高は40,444百万円(前年同 期比10.6%減)となりました。 損益につきましては、国内向け販売数量の大幅な減少及び輸出向け価格フォーミュラによる販売価格下落の影 響等により営業利益は4,654百万円(前年同期比48.1%減)となりました。 当事業年度における高機能材料事業の売上高はAI関連を除く半導体市場での需要低迷が依然継続している中 で、前年同期には半導体関連のスパッタリングターゲット用高純度チタンの販売量において一部取引先によるス ポット受注増加の効果が含まれていたことから、6,507百万円(前年同期比2.5%減)となりました。 損益につきましては、同製品の販売減影響により営業利益は870百万円(前年同期比22.8%減)となりました。 損益につきましては、民間航空機需要の高まりを受け、全般的に民間航空機サプライチェーンは成長軌道へ本格移行となりましたが、足元のサプライチェーン内における在庫調整の影響、また国内向けの販売数量の減少及び輸出向けの価格フォーミュラによる販売価格下落の影響もあり、営業利益は5,524百万円(前年同期45.2%減)、経常利益は6,434百万円(前年同期29.1%減)、当期純利益は2,576百万円(前年同期63.7%減)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ473百万円減少し、4,145百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益等により4,169百万円の収入となりました(前事業年度は2,859百万円の収入)。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により9,677百万円の支出となりました(前事業年度は3,475百万円の支出)。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入等により4,992百万円の収入となりました(前事業年度は694百万円の支出)。 ③生産、受注及び販売の実績a 生産実績 当事業年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)チタン事業44,928△21.5高機能材料事業7,56237.9合計52,491△16.3(注) 金額は、販売価格によっております。 b 受注実績 当事業年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)チタン事業38,446△16.79,734△17.0高機能材料事業6,9453.91,98428.3合計45,391△14.111,718△11.8 c 販売実績 当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)チタン事業40,444△10.6高機能材料事業6,507△2.5合計46,952△9.6 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先第28期第29期金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)住商メタレックス㈱33,36864.334,82374.2神鋼商事㈱8,12615.73,9278.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ①当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a 当社の当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高) 当社チタン事業においては民間航空機需要の高まりを受け、ボーイング社、エアバス社といった民間航空機メ ーカーでは受注残が増加、民間航空機エンジンメーカーでのMRO(メンテナンス・リペア・オーバーホール)需要 の増加も加わり、全般的に民間航空機サプライチェーンは成長軌道へ本格移行しております。しかしながら、足元 では民間航空機メーカーを中心としたサプライチェーンにおける在庫調整の影響が一時的に生じております。また、高機能材料事業においても、AI関連を除く半導体市場の調整局面が継続しております。こうした中、当事業年度の売上高は、46,952百万円(前年同期比9.6%減)となりました。 (営業利益・経常利益)民間航空機需要の高まりを受け、全般的に民間航空機サプライチェーンは成長軌道へ本格移行となりましたが、足元のサプライチェーン内における在庫調整の影響、また国内向けの販売数量の減少及び輸出向けの価格フォーミュラによる販売価格下落の影響により、営業利益は5,524百万円(前年同期比45.2%減)、経常利益は6,434百万円(前年同期比29.1%減)となりました。 (当期純利益) 当期純利益につきましては、2,576百万円(前年同期比63.7%減)となりました。 (財政状態)(イ)資産 当事業年度末の総資産の残高は、107,066百万円と前事業年度末と比べ6,140百万円増加いたしました。これは、商品及び製品、固定資産が増加したことが主な要因であります。(ロ)負債 当事業年度末の負債の残高は、62,754百万円と前事業年度末と比べ4,667百万円増加いたしました。借入金が増加したことが主な要因であります。(ハ)純資産 当事業年度末の純資産の残高は、44,311百万円と前事業年度末と比べ1,472百万円増加いたしました。これは、当期純利益により利益剰余金が増加したことが主な要因であります。 b セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社チタン事業におきましては、民間航空機運航機数増加に伴うエンジンのMRO(メンテナンス・リペア・オーバーホール)需要が堅調に推移した一方で、民間航空機メーカーを中心としたサプライチェーンにおける在庫調整の影響により、輸出向けの売上高は前年同期比1.5%増にとどまりました。一方、一般産業用途向け主体の国内売上高は、需要の低迷や取引先および最終需要家での在庫調整の継続により、大幅な減少(前年同期比42.8%減)となりました。この結果、チタン事業の売上高は40,444百万円(前年同期比10.6%減)となりました。セグメント損益につきましては、国内向け販売数量の大幅な減少及び輸出向け価格フォーミュラによる販売価格下落の影響等により営業利益は4,654百万円(前年同期比48.1%減)となりました。当事業年度において、生産能力増強等を主な目的として6,448百万円の設備投資を実施しております。 当事業年度における高機能材料事業の売上高はAI関連を除く半導体市場での調整局面が依然継続している中で、前年同期には半導体関連のスパッタリングターゲット用高純度チタンの販売量において一部取引先によるスポット受注増加の効果が含まれていたことから、6,507百万円(前年同期比2.5%減)となりました。 セグメント損益は、同製品の販売減影響により営業利益は870百万円(前年同期比22.8%減)となりました。 当事業年度において、製造能力の維持更新を主な目的として278百万円の設備投資を実施しております。 ※経営方針・経営戦略、経営上の目的を達成するための方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当事業年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社の資金需要については、運転資金に加え製造設備の維持改善や研究開発等を目的とした設備投資等があります。これらの資金需要については、自己資金に加え、金融機関からの調達等により確保しております。 長期借入金の借り換えも実施しながら、安定資金の確保と財務体質の健全化に向けた取組を進めております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要と判断したものは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 また、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 需要変動と国際情勢航空機産業の受注変動や世界経済の変動、多国間の通商問題、ロシア・ウクライナ情勢など、国際的な環境要因がチタン事業および高機能材料事業の需要に大きな影響を与えます。特に航空機向けは景気変動の影響を受けやすく、業績が不安定になる可能性があります。
- 為替変動リスク輸出売上高の約7割が米ドル建てであり、米ドルの受取超過傾向にあるため、円高に大きく振れると売上高が減少し、業績に悪影響を及ぼします。為替予約取引でリスク軽減を図っていますが、完全に排除することは困難です。
- 電力供給と価格変動製造工程で大量の電力を消費するため、電力供給制限や電力料金の大幅な改定は、生産コストの増加に直結し、業績を圧迫する可能性があります。原油価格の変動やロシア・ウクライナ情勢が電力価格に影響を与えるリスクも抱えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
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3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)需要変動等によるリスク 当社の輸出向け金属チタン(スポンジチタン、インゴット)の主要用途は高品質の航空機用であり、航空機メーカーの受注並びに航空機のメンテナンス需要の変動や海外の金属チタンメーカーの動向により、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。 国内向け金属チタンの多くも、電解プラント向けやプレート式熱交換器向け等の一般産業用として、展伸材メーカーから海外向けに直接または間接的に輸出されております。 そのため、チタン事業全体といたしましても世界経済の変動や多国間の通商問題等の国際的な環境要因により、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。 また、高機能材料事業につきましてもチタン事業と同様に、世界経済の変動や多国間の通商問題等の国際的な環境要因により、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。 このため、製品の新たな用途開拓、魅力ある製品の提供によりその影響を最小限にするべく努めております。 また、中東情勢を起因とする資源・エネルギー価格の高騰により、航空機メーカーの受注並びに航空機のメンテナンス需要の変動が生じ、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。 (2)為替変動によるリスク 当社の輸出売上高の殆どが米ドル建てであり、当社全体の売上高に占める輸出の割合は、当事業年度実績で76.3%となっております。輸入原材料の米ドル建てでの仕入や、電力、LNG等の間接的な米ドルでの支払いを含めても、米ドルの受取超過になる傾向にあり、為替の変動により、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。 また、当社は為替の変動に関して為替予約取引によるヘッジを行うなど、為替リスクを低減すべく努めておりますが、為替リスクを完全に排除することは困難であり、為替が大きく円高に振れた場合は、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。 (3)金利変動によるリスク 当事業年度末における有利子負債残高は498億円となります。当社は長期借入金に関して、大半は固定金利での調達を実施することで、将来の金利変動リスクをヘッジする施策を講じておりますが、中長期的な金融情勢の変動に起因する金利率の変動により、当社の経営成績が影響を受ける可能性があると想定しております。 (4)電力供給制限及び料金の変動によるリスク 当社の製造工程においては、大量の電力を消費するため、設備の改良による電力エネルギーの効率化及び改善に日々努めておりますが、電力の供給に制限があった場合、また電力会社の発電構成の見直しや原油価格の変動等により電力料金の大幅改定があった場合、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。 また、中東情勢は、電力供給及び料金にも影響をもたらし、結果として当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。 (5)原料市場の需給変動及び価格変動によるリスク 当社が購入しているチタン原料等の原料価格及びそれらの輸送に関わる海上運賃等は国際的な市況、為替相場、法規制、自然災害、地政学的リスク等により影響を受けます。調達先の分散や調達先との関係強化などを通じてこれらの安定調達に努め、またチタン原料等の価格変動の当社製品価格への転嫁にも努めておりますが、チタン原料の需給バランスが崩れることにより調達量が制約されたり購入価格が大きく変動する場合、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。 (6)自然災害及び感染症等によるリスク 当社の製品は全て自社工場で生産されており、大規模地震や台風等の自然災害、感染症等の大規模流行、戦争やテロ、暴動が発生した際の損害を最小限に抑えるため、緊急対応策の準備、連絡体制の整備、定期的な見直しや訓練の実施等を行っております。しかし、これら大規模災害等により直接的に被害を受ける、もしくは物流網や供給網の混乱、インフラの障害等により事業活動に支障が生じた場合には、売上高や受注高の減少、生産コストの上昇や復旧コストの発生等により当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。 当社は調達先の複数化や適正在庫の確保、並びに感染拡大を防止するための衛生管理の徹底やテレワークを行うなど、各種対応に努めておりますが、ほかにも様々なサプライチェーンの停滞による資材等の調達懸念、変異株の再流行による事業活動の制限などにより、生産活動が停滞し、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。 (7)重大な生産トラブルによるリスク 当社では、全ての設備の予防保全に努めるとともに設備の安全審査、保安管理体制の強化を図り、その維持及び改善に万全を期しておりますが、万一重大な生産トラブルが発生した場合、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。また、予期せぬ設備の調整不足や操業条件の不具合による生産トラブルが発生し所定の生産量や製品品質が確保できない場合、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。 (8)品質に関するリスク 当社は、素材メーカーであり、その社会的使命は、顧客が満足する製品及びサービスを安定的に供給することであると考えております。そのため、組織的な対応・維持及び継続的な改善のためのインフラ投資を行い、品質管理に万全を期しておりますが、万一品質不良、品質事故等が発生した場合は、対策コストの発生や、当社製品への評価の低下により、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。 (9)競合会社との競争等によるリスク チタン事業におきましては、国内外に存在する競合他社による新製品(新素材)の上市、価格競争の激化、低価格品などへの需要シフト等に対応するため、当社独自の製品開発・生産技術・品質保証体制を活かし、競合他社との差別化を図っておりますが、競合他社との競争激化等により当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。 (10)情報の流出によるリスク 当社は事業活動において顧客情報等を入手することがあり、また営業上・技術上の秘密情報を保有しており、システムを構築し事業活動を行っております。当社はサイバー攻撃等による不正アクセスや情報漏洩等を防ぐため、管理体制を構築し適切な安全措置を講じております。しかし、顧客情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合には、損害賠償や社会的信用の低下等により、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。また、営業上・技術上の秘密情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合や、第三者に不正使用された場合、サイバー攻撃等によるシステム障害が発生した場合には、生産や業務の停止、競争優位性の喪失、社会的信用の低下等により当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。 (11)財務制限条項への抵触によるリスク 当社は借入金の一部を、当社メイン銀行を主幹事とするシンジケートローンにて調達を行っており、財務制限条項付融資契約について、財務制限条項に抵触した場合、期限の利益を喪失し当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 尚、当該契約に付された財務制限条項の内容は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 (貸借対照表関係)※3 財務制限条項」をご参照下さい。 (12)固定資産の減損損失の計上によるリスク 当社が保有している固定資産について、将来のキャッシュ・フローの見積りに変動が生じた場合、固定資産の減損が発生し減損損失の計上により当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (13)繰延税金資産の金額の変動によるリスク 当社では繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しております。 しかしながら、今後将来の課税所得の予測・仮定に変動が生じた場合、繰延税金資産の金額の変動により当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (14)気候変動によるリスク カーボンプライシング導入をはじめとする気候変動に関する環境規制の強化などにより、当社の財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。 また、近年、洪水・台風に関する被害が激甚化する傾向にあり、気候変動による災害の増加により、生産量低下、サプライチェーンの混乱などが想定されます。 尚、気候変動関連リスク及び機会と当社の戦略の詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照下さい。 (15)人的資本の確保・育成によるリスク 当社では、事業の維持・成長に必要な人材の確保のために、多様な背景を持つ社員一人ひとりが持てる能力や専門性を最大限発揮し、活き活きと働くことが出来るよう、職場環境の整備や人材育成の取組を進めています。しかし、今後、少子化や人材の流動化の加速、また労働市場の需給バランスの変化などによって人材の確保が想定どおりに進まない場合には、当社の経営成績が影響を受ける可能性があります。 (16)知的財産に関するリスク 当社は、各国の知的財産法を遵守し、他社と差別化できる技術と知的財産権を蓄積しグローバルに事業競争力を強化してきましたが、知的財産の保全手続きにつきましては、各国の法制度や執行制度の相違により、第三者による当社の知的財産権への侵害に対して十分な保護が得られるとは限らず、当社の事業が脅かされ当社の経営成績が影響を受ける可能性が考えられます。 また、第三者から知的財産権の侵害によるクレームや訴訟提訴等を受け、当社に不利な判断がなされた場合は、当社の事業活動、経営成績が影響を受ける可能性があります。 (17)法令等に関するリスク 当社は、許認可、通商、環境、税制、独占禁止法等の様々な法令等の適用を受けています。また、脱炭素社会実現への取組は世界的に加速している状況にあり、炭素税等法規制が厳格化する可能性があります。当社は、法令遵守が事業活動の基盤であることを認識し、企業行動規範を制定するとともに、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会の設置等により、コンプライアンス経営の強化を図っております。万一、これらの法令等への違反が認められた場合、各規制当局からの処分、訴訟の提起や社会的信用の失墜等により、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。