事業の概要
- 工業用刃物の製造販売兼房は、木材加工、金属加工、製紙・紙工など幅広い産業で使われる工業用機械刃物とその関連製品を製造・販売しています。具体的には、木工用平鉋刃や製本紙工用刃物などの「平刃類」、溝突・面取カッターやダイヤ製品などの「精密刃具類」、チップソーや金属切断用丸鋸などの「丸鋸類」が主力製品です。これらの製品は、工場や製造現場で材料を切断・加工するために不可欠なツールであり、産業の基盤を支える役割を担っています。
- グローバルな生産・販売網日本、インドネシア、中国、ベトナムに生産拠点を持ち、日本、インドネシア、米国、欧州、中国、ブラジル、ベトナム、インド、メキシコといった世界各地に販売拠点を展開しています。これにより、各地域の顧客ニーズに対応し、効率的な供給体制を構築しています。特に海外売上高は全体の50%以上を占めており、グローバル市場での事業展開が収益の大きな柱となっています。
- 再研磨サービスによる付加価値米国、ブラジル、ベトナム、インド、メキシコの子会社では、製品の販売だけでなく、使用済みの刃物を再研磨するサービスも提供しています。これにより、顧客は刃物を長く使い続けることができ、コスト削減につながります。兼房にとっては、製品販売後の継続的な収益源となり、顧客との長期的な関係構築にも寄与するビジネスモデルです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 日本事業兼房株式会社が生産を担い、国内および海外へ製品を販売しています。最新年度の売上高は106.31124億円、営業利益は4.8286億円と、グループ全体の売上高の大部分を占める主要な事業拠点であり、生産と販売の両面で中心的な役割を担っています。国内外の顧客への供給を支える基盤となっています。
- インドネシア事業PT.カネフサインドネシアが、主に兼房株式会社から原材料や半製品の供給を受けて製品を生産し、インドネシア・マレーシアを中心とした東南アジア地域やグループ会社へ販売しています。最新年度の売上高は23.6434億円、営業利益は3.29316億円と、海外生産拠点として重要な役割を果たし、東南アジア市場への供給を担うとともに、グループ内のサプライチェーンにも貢献しています。
- 米国事業カネフサUSA, INC.が主に北米地域へ製品を販売し、再研磨サービスも提供しています。最新年度の売上高は24.1168億円、営業利益は1.58005億円と、海外販売拠点の中で大きな規模を占めています。北米市場は兼房グループにとって重要な市場であり、販売とアフターサービスを通じて顧客との関係を強化しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| JAPAN | 地域 | 106 | 5 | 4.5% |
| INDONESIA | 事業 | 24 | 3 | 13.9% |
| UNITEDSTATES | 事業 | 24 | 2 | 6.6% |
| EUROPE | 地域 | 20 | 0 | 1.3% |
| CHINA | 地域 | 9 | -3 | -35.4% |
| BRAZIL | 事業 | 7 | 1 | 9.2% |
| VIETNAM | 事業 | 1 | 1 | 76.1% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社及び当社の関係会社は、当社(兼房株式会社)、連結子会社10社で構成され、工業用機械刃物及びその関連製品の製造、販売を主たる事業内容としております。 当社及び当社の関係会社の事業に係る位置付けは、次のとおりであります。なお、次の7区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (1)日 本・・・・・当社が生産し、国内及び海外へ販売しております。(2)インドネシア・・・・・PT.カネフサインドネシアが、主に当社より原材料・半製品の供給を受けて生産し、インドネシア・マレーシアを中心とした東南アジア、当社及び当社の関係会社へ販売しております。(3)米 国・・・・・カネフサUSA, INC.が主に北米へ販売並びに再研磨サービスを行っております。(4)欧 州・・・・・カネフサヨーロッパB.V.がヨーロッパへ販売しております。(5)中 国・・・・・昆山兼房高科技刀具有限公司が、主に当社より原材料・半製品の供給を受けて生産し、中国、当社及び当社の関係会社へ販売しております。(6)ブラジル・・・・・カネフサ ド ブラジル LTDA.が、南米へ販売並びに再研磨サービスを行っております。(7)ベトナム・・・・・カネフサベトナム マニュファクチャリングCO.,LTD.は、当社より原材料・半製品の供給を受けて生産し、当社へ販売しております。カネフサベトナム CO.,LTD.はベトナム国内へ販売並びに再研磨サービスを行っております。(8)その他・・・・・大口サービス㈱は、グループ会社の株式保有などを行っております。カネフサインディア Pvt.Ltd.はインド国内へ販売並びに再研磨サービスを行っております。カネフサメキシコ S.A. DE C.V.はメキシコ国内へ販売並びに再研磨サービスを行っております。 また、工業用機械刃物の製品区分と、当社及び当社の関係会社の生産・販売を記載すると、以下のとおりとなります。製品区分主要製品及び商品主要生産会社主要販売会社平刃類木工用平鉋刃、ジョインター、その他木工用平刃、エンシン替刃、電気鉋刃、製本紙工用刃物、ベニヤナイフ、スライサーナイフ、その他合板用刃物、チッパー、切断刃、その他刃物、機械部品当社PT.カネフサインドネシア昆山兼房高科技刀具有限公司カネフサベトナム マニュファクチャリングCO., LTD.当社PT.カネフサインドネシア昆山兼房高科技刀具有限公司カネフサUSA, INC.カネフサヨーロッパB.V.カネフサインディア Pvt.Ltd.カネフサ ド ブラジル LTDA.カネフサメキシコ S.A. DE C.V.カネフサベトナム CO.,LTD.精密刃具類溝突・面取カッター、接合用カッター、その他カッター、替刃式カッター、替刃式ビット、錐、ルータービット、替刃チップ、ストレート鉋胴類、エンシン鉋胴、ダイヤ製品、高精度刃具丸鋸類チップソー、金属切断用丸鋸商品仕入商品等――― <事業系統図> 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 高付加価値工具の研究開発により差別化を図っているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 切削加工における「長寿命化」「高精度化」「低騒音化」などの市場ニーズを解決する高付加価値工具及び周辺技術の研究開発 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:経済状況の悪化による需要低下 / 米国の関税政策による業績影響 / カントリーリスク(社会的混乱、法的規制、租税制度変更)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な評価は困難。公開情報からは、特定の無形資産による競争優位性は明確に確認できない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
金属製品、特に産業用部品においては、顧客が特定のサプライヤーに依存する傾向がある。しかし、兼房に特化した高いスイッチング・コストを示す具体的な証拠は現時点では確認できない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
事業内容から、ネットワーク効果が競争優位性の源泉となる可能性は低い。製品・サービスがユーザー数の増加によって価値を高める構造ではない。
コスト優位★★☆☆☆
金属加工業においては、生産効率や規模の経済がコスト競争力に影響を与える可能性がある。しかし、兼房が構造的に顕著なコスト優位性を持つという具体的な情報は現時点では確認できない。
規模の経済★★★☆☆
産業用工具・機械部品の分野において、一定の市場シェアと生産規模を持つと考えられる。業界規模に対して最適な少数寡占の一角を占めている可能性はあるが、詳細な市場シェアデータは不明。
- 多様な産業分野への貢献兼房の工業用機械刃物は、木材加工、金属加工、製紙・紙工といった多岐にわたる産業分野で利用されています。特定の産業に依存しすぎないことで、市場変動リスクを分散し、安定した事業基盤を築いています。特に木材加工を中心とした住宅関連業界と、金属加工における自動車関連業界へのウエイトが高まっており、これら主要産業の動向が業績に影響を与える可能性があります。
- グローバルな生産・販売体制日本、インドネシア、中国、ベトナムに生産拠点を、世界各地に販売拠点を有することで、地域ごとの需要に柔軟に対応し、効率的な供給網を構築しています。海外売上高が全体の52.4%を占めるなど、国際的な事業展開は兼房の強みであり、特定の国や地域経済の変動リスクを分散する効果も期待できます。ただし、各国の経済状況や関税政策、カントリーリスクの影響を受ける可能性もあります。
- 製品ラインナップの広さ平刃類、精密刃具類、丸鋸類といった幅広い製品群を提供しており、顧客の多様なニーズに応えることが可能です。特に木工用平鉋刃やエンシン替刃、チップソー、ダイヤ製品など、専門性の高い製品を自社で生産している点は、技術力と品質へのこだわりを示しています。これにより、顧客は兼房一社で様々な刃物製品を調達できるため、利便性が高く、顧客ロイヤルティの向上につながる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、以下の企業理念を掲げております。私たちは、一人一人がプロフェッショナルとして、刃物の先を見つめ、新しい価値を創造し、世界のものづくりに貢献します。基本方針1. 私たちは、お客様の視点に立ち、信頼される技術とサービスを提供します。2. 私たちは、わが社にしかできない、世界に通用する仕事に挑戦します。3. 私たちは、共に働く仲間を尊重し、力を合せ、誇りを持てる会社を目指します。 この企業理念にしたがい、「一人一人がプロフェッショナル」を自覚し、「刃物の先」として、刃物の命である刃先、提供する刃物の先に存在するお客様、切削技術の未来を見つめ、研究開発、技術開発につとめ、高付加価値の製品づくりで「新しい価値を創造」し、「世界の兼房」を目指して「世界のものづくりに貢献」することを基本方針としております。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、収益性を重視してまいります。その指標としましては、5.0%以上の連結売上高営業利益率の継続的な実現を目指しております。 (3)経営環境及び対処すべき課題次期経済環境につきましては、米国の関税政策によるサプライチェーンの混乱や中国経済の低迷に加え、ロシア・ウクライナ戦争長期化や中東での紛争など地政学的リスクを背景に、引き続き先行き不透明な状況が続くものと予想されます。わが国経済においては、積極的な財政政策による企業業績改善と賃上げが期待される一方で、レアメタルと原油由来の原材料やエネルギー価格の高騰が企業活動に影響を及ぼす可能性があります。このような状況のもと、当社は経営環境のさらなる変化に対応するべく、10年後の当社のありたい姿(長期ビジョン)を定めた上で、2026年度よりスタートする新たな3ヶ年の中期経営計画の策定を進めており、中期ビジョンとして「変化への対応スピードとやりきる力で持続的成長を実現」を掲げ、企業体質の改善・改革と、新たなビジネスモデルの創造、ビジネスプロセスの変革を目指してまいります。中期経営計画の基本方針及び重点テーマは、次のとおりであります。 中期経営計画(2026年度~2028年度)(基本方針)[第一の柱][第二の柱][第三の柱]市場価値を高める事業展開と選択集中競争力を支えるものづくり革新とDX実装人財力を引き出す成長支援型組織づくり[土台]利益創出を軸とした経営管理と基盤強化■ PDCA/OODAサイクルの短縮による経営スピードの向上■ 役割と責任の明確化によるタスク成功率の向上■ 受注変化に効率よく迅速に対応かつ余裕時に徹底的な教育が実施できる体制づくり■ 市場変動や需給変化への代替策(Plan B)を常に準備(重点分野)戦略製品■グローバル戦略製品:市場の大きい自動車・住宅関連の金属切断・木工用丸鋸製品競合の少ない合板・紙工関連の平刃製品■新市場攻略製品:EV・半導体関連の高精度刃具、新素材切断刃重点市場北中南米、インド重点技術希少素材の微小化、コーティング、接合、レーザクラッド、熱処理 (重点投資・活動)投資対象重点活動システム、モノづくり、人的資本、作業環境、カーボンニュートラル変化対応力・調達能力アップ主要投資及び活動高人依存からの脱却・付加価値創出型の生産体制へ(自動化・省人化)製造・業務に「変化対応部門(プール) 」を設置(業務の平準化)採用から再雇用(シニア層)まで幅広く人財へ投資(人事制度見直し)調達先の多様化、レアメタル由来の重要原材料の安定確保
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、以下の企業理念を掲げております。私たちは、一人一人がプロフェッショナルとして、刃物の先を見つめ、新しい価値を創造し、世界のものづくりに貢献します。基本方針1. 私たちは、お客様の視点に立ち、信頼される技術とサービスを提供します。2. 私たちは、わが社にしかできない、世界に通用する仕事に挑戦します。3. 私たちは、共に働く仲間を尊重し、力を合せ、誇りを持てる会社を目指します。 この企業理念にしたがい、「一人一人がプロフェッショナル」を自覚し、「刃物の先」として、刃物の命である刃先、提供する刃物の先に存在するお客様、切削技術の未来を見つめ、研究開発、技術開発につとめ、高付加価値の製品づくりで「新しい価値を創造」し、「世界の兼房」を目指して「世界のものづくりに貢献」することを基本方針としております。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、収益性を重視してまいります。その指標としましては、5.0%以上の連結売上高営業利益率の継続的な実現を目指しております。 (3)経営環境及び対処すべき課題次期経済環境につきましては、米国の関税政策によるサプライチェーンの混乱や中国経済の低迷に加え、ロシア・ウクライナ戦争長期化や中東での紛争など地政学的リスクを背景に、引き続き先行き不透明な状況が続くものと予想されます。わが国経済においては、積極的な財政政策による企業業績改善と賃上げが期待される一方で、レアメタルと原油由来の原材料やエネルギー価格の高騰が企業活動に影響を及ぼす可能性があります。このような状況のもと、当社は経営環境のさらなる変化に対応するべく、10年後の当社のありたい姿(長期ビジョン)を定めた上で、2026年度よりスタートする新たな3ヶ年の中期経営計画の策定を進めており、中期ビジョンとして「変化への対応スピードとやりきる力で持続的成長を実現」を掲げ、企業体質の改善・改革と、新たなビジネスモデルの創造、ビジネスプロセスの変革を目指してまいります。中期経営計画の基本方針及び重点テーマは、次のとおりであります。 中期経営計画(2026年度~2028年度)(基本方針)[第一の柱][第二の柱][第三の柱]市場価値を高める事業展開と選択集中競争力を支えるものづくり革新とDX実装人財力を引き出す成長支援型組織づくり[土台]利益創出を軸とした経営管理と基盤強化■ PDCA/OODAサイクルの短縮による経営スピードの向上■ 役割と責任の明確化によるタスク成功率の向上■ 受注変化に効率よく迅速に対応かつ余裕時に徹底的な教育が実施できる体制づくり■ 市場変動や需給変化への代替策(Plan B)を常に準備(重点分野)戦略製品■グローバル戦略製品:市場の大きい自動車・住宅関連の金属切断・木工用丸鋸製品競合の少ない合板・紙工関連の平刃製品■新市場攻略製品:EV・半導体関連の高精度刃具、新素材切断刃重点市場北中南米、インド重点技術希少素材の微小化、コーティング、接合、レーザクラッド、熱処理 (重点投資・活動)投資対象重点活動システム、モノづくり、人的資本、作業環境、カーボンニュートラル変化対応力・調達能力アップ主要投資及び活動高人依存からの脱却・付加価値創出型の生産体制へ(自動化・省人化)製造・業務に「変化対応部門(プール) 」を設置(業務の平準化)採用から再雇用(シニア層)まで幅広く人財へ投資(人事制度見直し)調達先の多様化、レアメタル由来の重要原材料の安定確保
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、各国における金融緩和的な政策運営やAI関連投資の拡大を背景に、総じて底堅く推移しました。一方で、ウクライナ・中東情勢などの地政学的リスクの長期化、中国経済の低迷、米国の通商政策を巡る不透明感などにより、景気の先行きに対する警戒感は依然として強く、地域ごとに景況感の差がみられる状況となりました。わが国経済においては、人手不足を背景とした雇用改善と賃上げ、さらにはDX投資拡大など、内需中心に改善傾向にありましたが、円安による輸入物価上昇などから、景気回復は力強さを欠いた状況となっております。このような状況の下、当社グループは生産性の維持・向上、国内の住宅関連市場における占有率拡大と非住宅関連市場の開拓や海外の売上拡大などを目指し、戦略的な製品開発、生産、営業活動を展開しました。国内における売上は、住宅関連刃物は減少したものの非住宅関連刃物の販売拡大により前年同期から増加しました。一方、海外での売上は、欧州向けを中心に増加し、当連結会計年度の売上高は、209億4千7百万円(前年同期比3.5%増)となりました。利益面につきましては、原材料価格等のコスト上昇要因があったものの、前年の中国子会社における事業構造改革の効果が寄与したことなどから、営業利益は、10億9千万円(前年同期比45.9%増)となりました。営業外収益として為替差益2億円を計上したことなどから、経常利益は、13億4千4百万円(前年同期比90.1%増)となりました。特別利益として、事業譲渡益6千5百万円を計上したものの、前期には固定資産売却益9億5千7百万円を計上したことから、税金等調整前当期純利益は、14億6千5百万円(前年同期比11.3%減)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、10億3千1百万円(前年同期比4.8%増)となりました。セグメントの経営成績の概要は、次のとおりであります。 a. 経営成績 (日本)海外向けでは自動車関連刃物および鉄鋼関連刃物が減少したものの、国内向けでは非住宅関連刃物が増加したことから、売上高は159億1千3百万円(前年同期比0.6%増)、原材料・副資材のコストアップにより営業利益は3億1千万円(前年同期比35.7%減)となりました。(インドネシア)木工関連刃物および自動車関連刃物などが減少し、売上高は41億7千7百万円(前年同期比2.1%減)、減価償却費の減少などにより原価率が良化したことから、営業利益は3億9千8百万円(前年同期比21.1%増)となりました。(米国)鋼管関連刃物および自動車関連刃物が増加したことから、売上高は24億6千2百万円(前年同期比2.1%増)となりましたが、グループ間の仕入価格上昇により、営業利益は8千2百万円(前年同期比48.0%減)となりました。(欧州)木工関連刃物が増加したことから、売上高は22億8千9百万円(前年同期比17.3%増)、営業利益は4千1百万円(前年同期比59.0%増)となりました。(中国)木工関連刃物および自動車関連刃物が増加したことから、売上高は18億4千9百万円(前年同期比6.2%増)、前期の事業構造改革が功を奏し、営業利益は6百万円(前年同期は3億8百万円の営業損失)となりました。(ブラジル)木工関連刃物および製紙関連刃物が増加したことから、売上高は7億8千5百万円(前年同期比18.6%増)となりましたが、仕入に伴う輸入費用の増加やドル取引におけるレアル安の影響などにより、営業損益は2千2百万円の損失(前年同期は6千万円の営業利益)となりました。(ベトナム)紙工関連刃物や自動車関連刃物が増加したことから、売上高は15億6百万円(前年同期比13.8%増)となりましたが、減価償却費の増加などにより原価率が悪化したことから、営業利益は9千5百万円(前年同期比14.4%減)となりました。なお、セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。 b. 財政状態(資産合計)当連結会計年度末における流動資産は206億3千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億円増加いたしました。これは主に現金及び預金が1億7千5百万円減少したものの、商品及び製品が4億6千1百万円増加したことなどによるものであります。固定資産は177億6千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億6千6百万円減少いたしました。これは主に退職給付に係る資産が4億1千1百万円増加したものの、有形固定資産が9億4千2百万円減少したことなどによるものであります。この結果、総資産は、384億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ6千6百万円減少いたしました。 (負債合計)当連結会計年度末における流動負債は29億5千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億8千3百万円減少いたしました。これは主に未払法人税等が3億3千2百万円、未払金が3億円、買掛金が2億1千3百万円減少したことなどによるものであります。固定負債は41億1千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ3千4百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金が1億4千4百万円減少したものの、繰延税金負債が1億5千3百万円、退職給付に係る負債が2千9百万円増加したことなどによるものであります。この結果、負債合計は、70億6千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億4千9百万円減少いたしました。 (純資産合計)当連結会計年度末における純資産合計は313億3千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億8千3百万円増加いたしました。これは主に為替換算調整勘定が1億8千3百万円減少したものの、利益剰余金が6億8千4百万円、退職給付に係る調整累計額が2億5千6百万円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は81.6%(前連結会計年度末は79.4%)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億7千5百万円減少し、当連結会計年度末には78億8千5百万円(前年同期比2.2%減)となりました。 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は10億9千4百万円(前年同期比58.5%減)となりました。これは、主として14億6千5百万円の税金等調整前当期純利益を計上したこと、減価償却費17億5千5百万円による資金の増加があったものの、法人税等の支払額7億3千5百万円、棚卸資産の増加額3億6千4百万円、仕入債務の減少額3億3千6百万円による資金の減少があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は9億3千6百万円(前年同期比46.5%減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が10億6千6百万円と、前年同期の27億1千8百万円から大きく減少したことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は6億9百万円(前年同期は14億1千1百万円の収入)となりました。これは、配当金の支払額3億4千7百万円、長期借入金の返済による支出2億2百万円によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)日本(千円)10,750,96097.2インドネシア(千円)3,878,734106.8米国(千円)67,94968.8欧州(千円)--中国(千円)1,365,623107.8ブラジル(千円)19,724118.6ベトナム(千円)1,300,153115.0報告セグメント計(千円)17,383,146101.0その他(千円)52,120100.6合計(千円)17,435,267101.0 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 b. 受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)日本(千円)11,145,951102.81,757,266126.5インドネシア(千円)2,401,22795.9460,171105.1米国(千円)2,361,15089.01,082,96091.5欧州(千円)2,328,820111.8675,229106.3中国(千円)950,160109.552,044145.1ブラジル(千円)785,698118.6--ベトナム(千円)152,937100.49,41090.4報告セグメント計(千円)20,125,947101.84,037,081109.3その他(千円)1,180,938102.3186,573108.3合計(千円)21,306,886101.84,223,654109.3 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 c. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)日本(千円)10,777,420101.4インドネシア(千円)2,378,769100.6米国(千円)2,462,312102.1欧州(千円)2,288,874117.3中国(千円)933,978107.2ブラジル(千円)785,698118.6ベトナム(千円)153,940104.5報告セグメント計(千円)19,780,994103.9その他(千円)1,166,57797.9合計(千円)20,947,572103.5 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が10%以上に該当するものがないため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状態は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。当社グループの当連結会計年度の経営成績は、国内における売上は、住宅関連刃物は減少したものの非住宅関連刃物の販売拡大により前年同期から増加しました。一方、海外での売上は、欧州向けを中心に増加し、当連結会計年度の売上高は209億4千7百万円(前年同期比3.5%増)となりました。 製品区分別売上高においては、平刃類では包装関連刃物が増加したことなどにより、売上高は70億4千6百万円(前年同期比5.5%増)となりました。精密刃具類では木工関連刃物が微減となり、売上高は37億6千8百万円(前年同期比0.0%減)となり、丸鋸類では鋼管関連刃物や自動車関連刃物が増加し、売上高は97億3千8百万円(前年同期比2.6%増)となりました。また、商品の売上高は3億9千3百万円(前年同期比34.8%増)となりました。 売上原価は、前連結会計年度に比べ3億9千5百万円増加の146億7千5百万円となり、売上原価率は前連結会計年度の70.6%から当連結会計年度70.1%となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2千2百万円減少の51億8千万円となりました。人件費が前連結会計年度に比べ2千4百万円減少、経費が2百万円増加しております。以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ3億4千3百万円増加の10億9千万円となり、売上高営業利益率は前連結会計年度の3.7%から当連結会計年度5.2%となりました。営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は2億5千3百万円の収益計上となりました。以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ6億3千7百万円増加の13億4千4百万円となりました。特別利益から特別損失を差し引いた純額は1億2千1百万円の収益計上となりました。これは固定資産売却益7千9百万円、事業譲渡益6千5百万円を計上したことなどによります。以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ1億8千6百万円減少の14億6千5百万円となり、法人税等は前連結会計年度に比べ2億3千4百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ4千7百万円増加の10億3千1百万円となりました。なお、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度70円82銭から当連結会計年度74円24銭となりました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える大きな要因として、経済状況、販売状況、カントリーリスク、為替相場の変動、原材料価格の変動、会計上の見積り、環境保護、自然災害、感染症の流行によるリスク、情報セキュリティリスク等があります。当社グループの経営成績に重要な影響を与える大きな要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 (日本)売上高は、海外向けでは自動車関連刃物および鉄鋼関連刃物が減少したものの、国内向けでは非住宅関連刃物が増加したことから、前年同期比0.6%増の159億1千3百万円となりました。セグメント利益(営業利益ベース、以下同じ。)は、前年同期比35.7%減の3億1千万円となりました。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ7億6千8百万円減少の309億7千9百万円となりました。(インドネシア)売上高は、木工関連刃物および自動車関連刃物などが減少したことから、前年同期比2.1%減の41億7千7百万円となりました。セグメント利益は、前年同期比21.1%増の3億9千8百万円となりました。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億3千3百万円増加の55億3百万円となりました。(米国)売上高は、鋼管関連刃物および自動車関連刃物が増加したことから、前年同期比2.1%増の24億6千2百万円となりました。セグメント利益は、前年同期比48.0%減の8千2百万円となりました。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億7千4百万円減少の16億2千4百万円となりました。 (欧州)売上高は、木工関連刃物が増加したことから、前年同期比17.3%増の22億8千9百万円となりました。セグメント利益は、前年同期比59.0%増の4千1百万円となりました。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億6千4百万円増加の14億6千7百万円となりました。(中国)売上高は、木工関連刃物および自動車関連刃物が増加したことから、前年同期比6.2%増の18億4千9百万円となりました。セグメント利益は、6百万円となりました。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億2千7百万円増加の21億7千9百万円となりました。(ブラジル)売上高は、木工関連刃物および製紙関連刃物が増加したことから、前年同期比18.6%増の7億8千5百万円となりました。セグメント損失(営業損失ベース、以下同じ。)は、2千2百万円となりました。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ8千7百万円増加の7億7千3百万円となりました。(ベトナム)売上高は、紙工関連刃物や自動車関連刃物が増加したことから、前年同期比13.8%増の15億6百万円となりました。セグメント利益は、9千5百万円となりました。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ5億6千9百万円増加の73億2千万円となりました。(その他)報告セグメントに含まれないその他の地域・事業を「その他」として区分しており、売上高は前年同期比2.1%減の11億6千6百万円、セグメント利益は、前年同期比71.0%減の1千1百万円、セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億4千2百万円増加の8億8千8百万円となりました。なお、セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。当連結会計年度では有形固定資産の取得による支出10億6千6百万円を計上したことなどから、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1億7千5百万円減少の78億8千5百万円の状況であります。当連結会計年度末現在における重要な設備の新設等に係る今後の設備投資では、主に生産設備の更新・合理化などを計画しておりますが、その所要資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり当連結会計年度末における資産、負債の金額並びに当連結会計年度における収益、費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りが必要となりますが、当社グループは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 世界経済の変動と貿易摩擦兼房グループは海外売上高が全体の52.4%を占めるなど、グローバルに事業を展開しているため、日本だけでなく、事業を展開する各国の経済状況の悪化は、製品需要の低下を通じて業績に影響を与える可能性があります。特に米国の関税政策による貿易摩擦の激化は、米国販売子会社が米国国外から製品を仕入れているため、追加関税が課された場合に業績に悪影響を及ぼす懸念があります。
- 主要産業の動向と需要変動兼房の製品は、木材加工を中心とした住宅関連業界と、金属加工における自動車関連業界への依存度が高いです。このため、日本国内の新設住宅着工戸数の変動や、グローバルな自動車業界の生産・販売動向が低迷した場合、製品の需要が減少し、兼房グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特定の産業の景気変動に左右されるリスクがあります。
- 為替変動と原材料価格の変動グローバルな事業活動に伴い、海外取引や外貨建て資産・負債は米ドルやユーロなどの為替相場の変動の影響を受けます。為替予約などでリスク軽減を図っていますが、急激な為替変動は業績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、製品の原材料である鋼材や超硬合金の価格は、需給バランスや市況によって変動するため、原材料価格の異常な高騰は、製造コスト増加を通じて利益を圧迫する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、本記載は将来発生しうるすべてのリスクを必ずしも網羅したものではありません。(1) 経済状況について 当社グループは、事業を日本、インドネシア、米国、欧州、中国、インド、ブラジル、メキシコ、ベトナムに展開しております。連結売上高に占める海外売上高の割合は、当連結会計年度においては53.7%、前連結会計年度においては52.4%となっており、日本経済だけでなく、関係会社が存在する地域における経済動向の悪化により需要が低下した場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 なかでも、米国の関税政策により、貿易摩擦による世界経済の悪化が懸念されます。当社グループの米国販売子会社は米国国外から製品を仕入れ販売していることから、追加関税の動向によっては米国販売子会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、中東地域における地政学的緊張の高まりや武力衝突により、原油・天然ガスをはじめとするエネルギー資源の供給不安が強まっており、国際的な資源価格の変動幅が拡大し、物流網の混乱や海上輸送コストの上昇が発生するなど、世界経済全体に不確実性が増大しています。当社グループでは、こうした経済情勢や政治状況を継続的にモニタリングするとともに、生産体制の見直し等を含めた様々な対応策について検討しています。(2) 販売状況について 当社グループの製品は、木材加工、金属加工、製紙・紙工等の広範囲な産業分野で使用されております。売上構成では、木材加工を中心とした住宅関連業界に対するウエイトが高い状況にありますが、金属加工における自動車関連業界に対するウエイトも高まってきております。このため、日本国内における新設住宅着工戸数の変動やグローバル市場における自動車業界の生産及び販売動向により、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。(3) カントリーリスクについて 当社グループは、海外諸国において事業活動を行っております。これらの国において、戦争・テロ・暴動・その他の要因による社会的混乱、労働法制・労働環境の相違による労働争議の発生、法的規制、租税制度の予期せぬ変更等により当社グループの業績への影響が懸念されます。また、グループ会社間における取引価格については、日本及び相手国の移転価格税制など国際税務を順守するよう注意を払っておりますが、税務当局との見解の相違等により追加課税が発生し、当社グループ業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。(4) 為替相場の変動によるリスク 当社グループは、販売・生産などの活動をグローバルに推進しており、海外取引は今後も拡大が見込まれますが、海外取引及び外貨建資産・負債については、米ドル・ユーロなど各通貨と日本円との為替相場変動の影響を受けております。また、当社グループは海外に9社の連結子会社を有しており、当社連結財務諸表において、海外連結子会社の外貨建財務諸表金額は換算時の為替レートにより円換算されるため、同様に為替相場変動の影響を受けております。 当社グループでは、為替予約等を実施することで為替相場変動によるリスクの軽減を図っておりますが、これにより当該リスクを回避できるものではなく、為替相場が異常な変動をした場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。(5) 原材料価格の変動による影響について 当社グループの製品は、鋼材や超硬合金等を原材料として使用しておりますが、これら原材料の価格は、需給バランスや市況の変化等により変動する可能性があります。原材料価格が異常な変動をした場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 なお、近年、中国政府によるレアメタルの輸出規制強化を背景として、当社が刃先材料として使用する超硬素材の主要原料であるタングステンの国際供給量が減少し、今年に入って輸入価格が高騰する局面が続いており、当社においてもサプライヤーからの供給制限や調達コスト上昇などの影響を受けております。当社グループでは、原材料確保のためサプライヤーの多様化を進めつつ、販売先への丁寧な説明により価格転嫁を進めておりますが、今後も急激な原材料価格高騰により、当社の製造原価及び収益に影響を及ぼすリスクがあります。(6) 会計上の見積りについて 当社グループは、財務諸表の作成にあたり会計上の見積りが必要な事項については、合理的な基準に基づき見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、金額の見直しや実際の結果と異なる場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当連結会計年度の会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。棚卸資産の評価 当社グループは、国内及び海外において顧客の様々な需要に対応していることから、顧客の仕様に合わせた受注生産を主としており製品の種類は多岐にわたっております。当社グループは棚卸資産の適切な管理を行っておりますが、正味売却価額と取得原価を比較して正味売却価額が取得原価を下回っている場合、また、営業循環過程から外れた滞留等の棚卸資産については規則的に帳簿価額を切り下げる評価減を実施する事としており、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。(7) 環境保護について 当社グループは、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けております。また、将来環境に関する規制や社会的要求がより厳しくなり、有害物質の除去や温室効果ガス排出削減等の責任が追加される可能性があります。当社では、ISO14001の認証を取得するなどして環境に配慮した事業活動を展開しておりますが、過去、現在及び将来の当社グループの事業活動に関して、環境に関する法的、社会的責任を負う事態が発生した場合には、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。(8) 自然災害、感染症の流行によるリスクについて 当社グループの生産拠点のうち、国内は当社の本社工場(愛知県丹羽郡大口町)1ヵ所のみであり、将来発生が予想されている東海及び東南海地震等の災害により大きな被害を受ける可能性があります。また、感染症が世界的に大流行した場合は販売及び生産活動が阻害される可能性があります。当社グループは、インドネシア、中国、ベトナムに生産拠点を設けてリスク分散を行っており、サプライチェーンへの影響に対応しておりますが、大規模な災害や世界的な感染症が発生した場合は事業活動が滞り、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。(9) 情報セキュリティリスクについて 当社グループは、取引先の情報、従業員の個人情報、経営に関する機密情報等を保管・管理しております。近年増加するサイバー攻撃に対し、情報セキュリティの重要性が高まる中、当社グループでは、取り扱う情報を事業活動の展開ならびに付加価値を創出するための重要な資産と位置づけ、情報の漏洩が生じないよう情報セキュリティに関する体制や社内教育、規程を整備し、システム停止等の事業継続リスクを低減させるよう対応しておりますが、サイバー攻撃によるインシデントが発生した場合には、損害賠償義務や社会的信用の低下により、当社グループの事業及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。(10) 地政学リスクについて 当社グループは、中東地域の地政学的リスク(紛争、航路遮断等)がさらなる悪化、長期化した場合、エネルギー価格の上昇や物流停滞を通じて、原材料コストの増加及びサプライチェーンの混乱が発生する可能性があります。その結果、当社グループの生産活動及び収益性に影響を及ぼす可能性があります。(11) 従業員の労働安全衛生に関するリスクについて当社グループの事業活動においては、製造現場を中心に、機械設備の操作、重量物の取り扱い、化学物質の使用など、従業員の安全衛生に影響を及ぼす可能性のある業務が存在しています。これらの業務に起因する労働災害の発生は、従業員の健康被害のみならず、生産停止、補償費用の発生、社会的信用の低下など、当社グループの事業運営及び財務状況に重大な影響を及ぼすおそれがあります。また近年、労働環境の変化や人員構成の多様化に伴い、メンタルヘルス不調を含む心理的負荷への対応が重要性を増しています。当社グループにおいても、長時間労働、職場の人間関係、業務負荷の偏在などが原因となるメンタル不全が発生した場合、従業員の離職や生産性の低下、労災認定に伴う費用負担、企業イメージの毀損などが生じる可能性があります。当社グループでは、労働安全衛生マネジメントの強化、設備の安全対策、作業手順の標準化、定期的な安全教育の実施、ストレスチェック制度の活用、産業医・外部専門家との連携によるメンタルヘルス対策などを進めています。しかし、これらの取り組みにもかかわらず、予期せぬ労働災害やメンタルヘルス不調が発生するリスクを完全に排除することはできません。これらの事象が発生した場合には、当社グループの事業活動及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (12) グローバルでの人材確保に関するリスク当社グループの事業活動を継続的に発展させるためには、国内外の拠点において、専門性の高い技術者、研究開発人材、マネジメント人材、デジタル人材など、多様な人材を安定的に確保し、育成していくことが不可欠です。しかしながら、近年、世界的に高度人材の獲得競争が激化しており、特に日本国内においては、労働人口の減少や若年層の採用市場の逼迫により、優秀な人材の採用・定着が一層困難になっています。また、海外拠点においても、現地の労働市場環境、報酬水準の上昇、国際的な人材流動性の高まりなどにより、必要な人材を適時に確保できないリスクが存在します。さらに、グローバルに事業を展開する当社グループにおいては、各国の労働慣行や規制の違い、文化的背景の多様性に対応しながら、従業員のエンゲージメントを維持・向上させることが求められます。これらの対応が不十分であった場合、離職率の上昇、生産性の低下、事業計画の遅延などが生じる可能性があります。当社グループでは、採用チャネルの多様化、報酬制度の見直し、リスキリング・アップスキリングの推進、グローバル人材マネジメント体制の強化などに取り組んでいます。しかし、これらの施策を講じた場合でも、採用競争の激化や労働市場の構造的変化により、必要な人材を十分に確保できない可能性があります。その結果、当社グループの事業運営、競争力、財務状況に影響を及ぼすおそれがあります。(13) 製品・サービスの品質及び製造物責任に関するリスク当社グループは、製造業として、製品及びサービスの品質確保を最重要課題の一つとして位置づけ、品質管理体制の強化、製造プロセスの標準化、検査工程の高度化などに取り組んでいます。しかしながら、原材料の不具合、製造工程における人的・機械的ミス、設計上の不備、外部委託先の品質管理不良などにより、製品の品質問題が発生する可能性を完全に排除することはできません。万が一、重大な品質不良や欠陥が発生した場合には、製品の回収、修理・交換対応、顧客への補償費用の発生に加え、取引先からの信用失墜、ブランド価値の毀損など、当社グループの事業運営及び財務状況に重大な影響を及ぼすおそれがあります。また、当社グループが提供する製品・サービスに起因して、利用者や第三者に身体・財産上の損害が生じた場合、製造物責任法(PL法)等に基づく損害賠償請求を受ける可能性があります。特に、グローバルに事業を展開する当社グループにおいては、各国・地域の法規制や訴訟環境の違いにより、予期せぬ高額の賠償責任や訴訟費用が発生するリスクも存在します。当社グループでは、品質マネジメントシステムの運用、サプライヤー監査の強化、トレーサビリティの向上、製品安全に関する社内教育の徹底などを進めています。しかし、これらの取り組みにもかかわらず、品質問題や製造物責任に関する事象が発生した場合には、当社グループの業績、財務状況および社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。