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ファインシンター(5994)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

金属製品 建設・資材

事業の概要

  • 自動車焼結製品製造販売
    ファインシンターグループは、主に自動車向けの焼結製品を製造・販売しています。焼結製品とは、金属粉末を型に入れて高温で焼き固めることで作られる部品で、エンジンやショックアブソーバーなどに使われています。トヨタ自動車をはじめとする自動車メーカーに継続的に製品を供給しており、グループ全体の収益の柱となっています。
  • 鉄道・油圧機器製品
    自動車分野以外にも、鉄道車両用の焼結製品や油圧機器製品の製造販売も行っています。これらの製品は、自動車部品で培った粉末冶金技術を応用しており、事業の多角化を図る重要な要素となっています。特に鉄道分野は、自動車産業の変動リスクを分散する役割も担っています。
  • グローバルな製造販売網
    日本国内に加えて、タイ、アメリカ、中国、インドネシアにも製造子会社を持ち、グローバルな生産・販売体制を構築しています。これにより、各地域の自動車産業の需要に対応し、効率的な供給体制を維持しています。海外子会社も自動車焼結製品の製造販売が中心です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 自動車焼結製品事業
    この事業は、ファインシンターグループの主要な収益源であり、売上高は384.58753億円、営業利益は22.2351億円を計上しています。主に自動車のエンジン部品やショックアブソーバー部品などを製造・販売しており、国内外の子会社がこの事業を担っています。グループ全体の売上の大部分を占める稼ぎ頭です。
  • 鉄道焼結製品事業
    鉄道車両向けの焼結製品を製造・販売しており、売上高は23.90115億円、営業利益は5.18368億円です。自動車産業への依存度を低減し、事業の多角化を進める上で重要な役割を担っています。自動車部品で培った技術を応用し、安定した収益基盤の構築を目指しています。
  • 油圧機器製品事業
    油圧機器向けの製品を提供しており、売上高は18.66398億円、営業利益は4.19187億円です。この事業も、自動車以外の分野での収益確保に貢献しています。特定の産業に偏らず、幅広い分野で粉末冶金技術を活用することで、事業リスクの分散を図っています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
AutomobileSinteringProductsReportableSegment 事業 385 22 5.8%
RailwaySinteringProductsReportableSegment 事業 24 5 21.7%
OilHydraulicEquipmentProducts 事業 19 4 22.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|301 文字
3 【事業の内容】当社の企業集団は、当社及び製造子会社6社で構成され、自動車焼結製品、鉄道焼結製品、油圧機器製品の製造販売を主な事業内容としており、関連当事者(その他の関係会社)であるトヨタ自動車㈱には継続的に自動車焼結製品を販売しております。当グループの事業に係る位置づけ、及び事業の種類別セグメントとの関連は次の通りであります。ファインシンター東北㈱は当社の自動車焼結製品の製造を行っており、また、ファインシンター三信㈱、タイファインシンター㈱、アメリカンファインシンター㈱、精密焼結合金(無錫)有限公司、及びファインシンターインドネシア㈱は、自動車焼結製品の製造及び販売を事業内容としております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
原材料価格の高騰を製品価格に反映することが困難な場合があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
粉末冶金工法を活用した製品開発・製造、デジタル設計から実証加工、電動化製品の開発から量産までを担う専任組織とテクニカルセンター。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:コンプライアンス違反による罰則・訴訟・社会的制裁 / 自動車業界への販売依存度と市場縮小 / 海外進出に内在する政治・経済状況の変化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ファインシンターの事業内容(粉末冶金製品)において、特許やブランド力、規制ライセンスといった明確な無形資産の存在を示す情報は限定的である。競合他社との差別化要因としての無形資産の強さは確認できない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

粉末冶金製品は、自動車部品など特定の用途向けにカスタマイズされる場合が多く、顧客の設計仕様に適合させるための開発協力や品質管理が求められる。一度採用された製品の仕様変更やサプライヤー変更には、再設計や評価コストが発生する可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

粉末冶金製品の製造・販売事業には、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果が発生するメカニズムは見られない。製品の価値は個々の性能や品質に依存する。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

粉末冶金は、切削加工に比べて材料ロスが少なく、複雑形状の部品を一体成形できるため、特定の部品においてはコスト優位性を持つ可能性がある。しかし、原材料価格の変動や生産効率の改善余地は存在する。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

粉末冶金業界は、特定の用途に特化した中小企業が多く、ファインシンターは一定のシェアを持つと考えられる。特に自動車部品分野での実績は、一定の規模の経済性を享受している可能性を示唆する。

  • 粉末冶金技術の専門性
    ファインシンターグループは、粉末冶金という特殊な技術に強みを持っています。これは金属粉末を固めて部品を作る技術で、複雑な形状の部品を高い精度で製造でき、材料の無駄が少ないという特徴があります。この技術は、自動車の軽量化や高性能化に貢献し、競争優位性となっています。
  • トヨタ自動車との関係性
    長年にわたり、トヨタ自動車およびその子会社に自動車焼結製品を継続的に販売しており、安定した取引関係を築いています。連結売上高の約20.1%をトヨタグループが占めており、これは安定的な収益基盤となる一方で、主要顧客との強固な信頼関係が競争上の強みと言えます。
  • 多角的な事業展開
    自動車部品だけでなく、鉄道車両用部品や油圧機器製品も手掛けることで、特定の産業への依存度を低減しています。これにより、自動車産業の構造変化や市場変動のリスクを分散し、安定した事業運営を目指しています。異なる分野での技術応用も競争力に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針〔基本理念〕ものつくりを通し、すみよい社会と人々の幸せに貢献する 〔長期方針〕・ 21世紀に勝ち残る企業基盤を確立する品質第一に徹し、魅力ある商品・技術の実現・ 良い社風を築き、地域に信頼される企業を目指す・ 明るく働きがいのある職場を築く 〔サステナビリティ方針〕ものつくりを通し、すみよい社会と人々の幸せに貢献する(基本理念がSDGsのアジェンダと重なり、グローバル・グループ内に浸透していることからサステナビリティ方針と位置付けております。) (2)経営戦略等当社グループが有する技術融合の強みを軸に、事業ポートフォリオの見直しと収益構造の転換を加速させることを目的に、2026年5月、新たな中期経営計画(Vision2030)を開示いたしました。本計画では、「変革を遂げる」を基本方針に掲げ、「構造×人」の両軸から企業価値向上を図ります。具体的には、事業ポートフォリオの継続的な見直しを通じた重点事業への経営資源の集中と、収益基盤の強化を図るとともに、人的資本への投資を通じて、将来志向の組織・人材への変革を推進いたします。これらの取り組みを通じて、収益性と資本効率の双方を高め、持続的成長企業への進化に向けた基盤を確立してまいります。これにより、最終年度である2031年3月期において、売上高450億円、営業利益率5%、ROE8%の達成を目指してまいります。あわせて、モビリティの脱炭素化への貢献のためCO₂排出量の削減率を重要な経営指標としております。中期経営計画(Vision2030)URL:https://www.fine-sinter.com/ir/plan/ (3)経営環境及び対処すべき課題当社を取り巻く事業環境は、電動化の進展等による産業構造の変化や消費ニーズの多様化、総労働人口の減少といった構造的な転換期を迎えております。さらに、脱炭素対応やサステナビリティへの要請の高まり、人的資本経営の重要性の増大により、より高度な対応が求められております。特に、技術革新の進展やAIとの協働、国際競争の激化により事業環境は一層厳しさを増しており、競争力の強化と付加価値の向上が課題となっております。加えて、消費者ニーズの変化や労働人口の減少に伴う人材不足の深刻化により、生産性向上が重要課題となっております。少量不採算品による収益への影響、構造改革及びモノづくり改革の遅れ、設備の老朽化による生産性の低下、技術継承の停滞といった問題が顕在化しており、これら収益力低下要因の解消が課題となっております。これらの課題に的確に対応し持続的成長を実現するためには、経営の透明性及び意思決定の実効性を高める観点から、ガバナンスの強化が不可欠であると認識しております。こうした中、以下の項目を重点実施項目として取り組んでまいります。 1. 収益基盤の強化 ・ モノづくり革新・改革 ・ グローバル拠点再編 ・ 不採算品対応 2. ポートフォリオ変革 ・ 重点3事業へのリソースの集中 3. 人の改革(未来志向へシフト)ガバナンスの徹底 ・ 経営の透明性向上プロフェッショナル集団への回帰 ・ フロー(Flow)が生まれる働き方支援 ・ 技能・スキル向上支援 ・ ウェルネス経営 ・ 組織力強化 ・ 人材多様化 ・ 職場環境改善
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針〔基本理念〕ものつくりを通し、すみよい社会と人々の幸せに貢献する 〔長期方針〕・ 21世紀に勝ち残る企業基盤を確立する品質第一に徹し、魅力ある商品・技術の実現・ 良い社風を築き、地域に信頼される企業を目指す・ 明るく働きがいのある職場を築く 〔サステナビリティ方針〕ものつくりを通し、すみよい社会と人々の幸せに貢献する(基本理念がSDGsのアジェンダと重なり、グローバル・グループ内に浸透していることからサステナビリティ方針と位置付けております。) (2)経営戦略等当社グループが有する技術融合の強みを軸に、事業ポートフォリオの見直しと収益構造の転換を加速させることを目的に、2026年5月、新たな中期経営計画(Vision2030)を開示いたしました。本計画では、「変革を遂げる」を基本方針に掲げ、「構造×人」の両軸から企業価値向上を図ります。具体的には、事業ポートフォリオの継続的な見直しを通じた重点事業への経営資源の集中と、収益基盤の強化を図るとともに、人的資本への投資を通じて、将来志向の組織・人材への変革を推進いたします。これらの取り組みを通じて、収益性と資本効率の双方を高め、持続的成長企業への進化に向けた基盤を確立してまいります。これにより、最終年度である2031年3月期において、売上高450億円、営業利益率5%、ROE8%の達成を目指してまいります。あわせて、モビリティの脱炭素化への貢献のためCO₂排出量の削減率を重要な経営指標としております。中期経営計画(Vision2030)URL:https://www.fine-sinter.com/ir/plan/ (3)経営環境及び対処すべき課題当社を取り巻く事業環境は、電動化の進展等による産業構造の変化や消費ニーズの多様化、総労働人口の減少といった構造的な転換期を迎えております。さらに、脱炭素対応やサステナビリティへの要請の高まり、人的資本経営の重要性の増大により、より高度な対応が求められております。特に、技術革新の進展やAIとの協働、国際競争の激化により事業環境は一層厳しさを増しており、競争力の強化と付加価値の向上が課題となっております。加えて、消費者ニーズの変化や労働人口の減少に伴う人材不足の深刻化により、生産性向上が重要課題となっております。少量不採算品による収益への影響、構造改革及びモノづくり改革の遅れ、設備の老朽化による生産性の低下、技術継承の停滞といった問題が顕在化しており、これら収益力低下要因の解消が課題となっております。これらの課題に的確に対応し持続的成長を実現するためには、経営の透明性及び意思決定の実効性を高める観点から、ガバナンスの強化が不可欠であると認識しております。こうした中、以下の項目を重点実施項目として取り組んでまいります。 1. 収益基盤の強化 ・ モノづくり革新・改革 ・ グローバル拠点再編 ・ 不採算品対応 2. ポートフォリオ変革 ・ 重点3事業へのリソースの集中 3. 人の改革(未来志向へシフト)ガバナンスの徹底 ・ 経営の透明性向上プロフェッショナル集団への回帰 ・ フロー(Flow)が生まれる働き方支援 ・ 技能・スキル向上支援 ・ ウェルネス経営 ・ 組織力強化 ・ 人材多様化 ・ 職場環境改善
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (経営成績等の状況の概要)(1) 業績当連結会計年度における世界経済は、原材料価格やエネルギー価格の高止まり、物価上昇、さらには米国の通商政策等により、先行き不透明な状況が継続しております。加えて、ウクライナ情勢の長期化や中東地域における地政学的緊張の高まりは、原材料等の調達や原油価格の動向を通じて、サプライチェーンおよび最終製品需要に影響を及ぼす可能性があり、世界経済の下振れリスクとして懸念されております。一方で、こうしたエネルギー価格の高騰は、内燃機関車を中心とした自動車需要にも影響を及ぼし得るとともに、自動車産業における構造変化を一層加速させる要因となり得ます。そのなかでも、このような環境変化は電動化の進展やエネルギー効率の高い製品への需要拡大を促す側面も有しており、当社グループにとっては、中長期的な事業機会の拡大につながるものと認識しております。こうしたなか、自動車焼結事業において、国内における販売量の増加及び価格是正による増収、加えてタイ第2拠点の増産効果やハイブリッド車用インバーター部品の好調な受注により、過去最高の売上高となりました。中長期的な事業戦略として、当社グループは、国内外の生産拠点再編による「基盤収益力の底上げ」、磁性材・鉄道・油圧事業への重点投資による「事業ポートフォリオ変革」を着実に進めてまいりました。このような状況において、当連結会計年度の業績は、売上高は462億6百万円(前年度比8.2%増)となり、営業利益は11億95百万円と前年度に比べ5億12百万円の増益となりました。また、経常利益は7億54百万円と前年度に比べ2億81百万円の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純損失については、中長期的な戦略に沿ったグローバルな生産拠点再編等に伴う固定資産減損損失21億91百万円等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は24億14百万円(前年度は親会社株主に帰属する当期純損失2億6百万円)となりました。セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。 ①自動車焼結事業当連結会計年度においては、主要顧客のグローバルな生産・販売が好調に推移したことを背景に、当社グループの売上は増収となりました。増収要因として海外ではタイ子会社第2拠点における駆動系部品の販売が好調に推移したほか、国内においてもハイブリッド車用インバーター部品の受注が堅調であるなか、新型インバーター部品も生産を開始し、売上拡大に貢献いたしました。利益面では、原材料やエネルギー価格の高騰、加えて労務費の上昇といったコスト増に対する販売価格への調整や、不採算製品に対する販売価格の適正化に取り組みました。さらに、過年度における原材料単価変動に伴う販売価格への反映が行われたことも加わりました。これらの結果、当連結会計年度における売上高は418億95百万円と前年度と比べ34億36百万円(8.9%)、セグメント利益につきましては、29億43百万円と前年度と比べ7億19百万円(32.4%)の増収増益となりました。 ②鉄道焼結事業新幹線用ブレーキライニング及びすり板の受注は前年度と同水準で推移しており、当連結会計年度は前年度と同程度の売上高となった一方で、原価改善が進みました。これらの結果、当連結会計年度における売上高は23億81百万円と前年度と比べ8百万円(△0.4%)の微減となりましたが、セグメント利益につきましては、6億46百万円と前年度と比べ1億27百万円(24.7%)の増益となりました。 ③油圧機器製品事業デンタルチェア用製品について、トランプ関税の間接的影響により北米輸出を行う中国顧客向けの売上が減少したものの、北米顧客の売上の増加と新規案件の獲得により減少分を補填できました。これらの結果、当連結会計年度における売上高は19億20百万円と前年度と比べ54百万円(2.9%)、セグメント利益につきましては、4億53百万円と前年度と比べ33百万円(8.1%)の増収増益となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度は税金等調整前当期純損失であるものの、非資金項目である減価償却費や減損損失を計上しているためであり、47億59百万円の収入と前年度と比べ39億44百万円の収入増加となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度は前年度と同程度の有形及び無形固定資産の取得による支出となったものの、投資有価証券の売却による収入が減少したことにより、23億36百万円の支出と前年度と比べ17億92百万円の支出増加となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において新規の長期借入金による資金調達を行ったものの短期借入金の返済及び中国の連結子会社の持分を取得したことによる支出により、12億51百万円の支出(前年度は8百万円の収入)となりました。 (生産、受注及び販売の状況)(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)自動車焼結事業41,986,1999.0鉄道焼結事業2,344,845△2.3油圧機器製品事業1,941,7785.4合計46,272,8238.2 (注) 金額は販売価格によっております。 (2) 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)自動車焼結事業42,099,5329.13,685,6855.9鉄道焼結事業2,337,2940.3145,639△23.3油圧機器製品事業1,966,0055.7181,94533.1合計46,402,8328.44,013,2695.4 (3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)自動車焼結事業41,895,0708.9鉄道焼結事業2,381,655△0.4油圧機器製品事業1,920,7732.9その他9,25480.7合計46,206,7548.2 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)㈱デンソー4,715,22511.05,254,56711.3トヨタ自動車㈱4,103,9319.64,804,68510.3 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容) 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。(1) 財政状態の分析(資産)資産は463億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ、14億56百万円減少いたしました。これは、主に減損損失を計上したことに伴う有形固定資産の減少(前連結会計年度末比21億91百万円減)によるものであります。 (負債)負債は313億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ、4億85百万円増加いたしました。これは、主に短期借入金の減少(前連結会計年度末比18億30百万円減)、中国の連結子会社である精密焼結合金(無錫)有限公司の持分取得により未払債務が増加したことによる流動負債のその他の増加(前連結会計年度末比10億76百万円増)、1年以内返済予定の長期借入金の増加(前連結会計年度末比12億79百万円増)等によるものであります。 (純資産)純資産は150億51百万円となり、前連結会計年度末に比べ、19億42百万円減少いたしました。これは、主に資本剰余金の増加(前連結会計年度末比12億76百万円増)、利益剰余金の減少(前連結会計年度末比25億円減)、為替換算調整勘定の増加(前連結会計年度末比12億52百万円増)、非支配株主持分の減少(前連結会計年度末比21億92百万円減)等によるものであります。 (2) 経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析当社グループは、グループ一丸となり「経営基盤の再整備」「収益構造の抜本的改革」「事業ポートフォリオ変革」に取り組んでまいりました。当連結会計年度におきましては、「収益構造の抜本的改革」の取り組みとして、BEV化を見据えた資産効率・生産性向上を狙いとして、2024年8月に決定した国内拠点再編(自動車部品製造拠点を6拠点から4拠点に再編する取組み)のための諸準備を継続しております。また、少量不採算品に対して生産打切り・価格の適正化含めた改善を進め一定の成果につながっております。更に、デジタル技術と匠の技の融合によるモノづくり革新「未来Factory」について、量産工程に展開し、今後その技術を展開していくべく計画を策定中であります。事業ポートフォリオ変革につきましては、成長分野である磁性材製品について、ハイブリッド車用のインバーター部品の受注好調に加え、新型ハイブリッド車用部品の新規ラインを増設し、更に当社が設計から生産まで一貫で取り組む高付加価値のユニット製品についても、2026年末の量産に向けた設備の導入をほぼ完了し、量産開始に向けた準備を進めております。鉄道・油圧事業についてはコア技術を活かした海外への拡販・産業機器分野の開拓など、お客様への提案活動含めた取り組みを進めております。タイ子会社第2拠点については、2024年11月に本格生産を開始しており、第2拠点における新規品の受注好調などにより、2026年3月期の売上・利益に貢献しました。このような状況のなか、当連結会計年度の目標として中間期に見直しました、連結での売上高440億円、営業利益15億円、ROE6.2%の計画に対して、実績は売上高462億円、営業利益は11億95百万円、ROEは△17.0%でした。売上高については、ハイブリッド車用磁性材部品の受注好調や新規ライン増設、タイ第2拠点の新規品が大きく寄与し、販売数量が前年度比大幅に増加、業績予想に対しては、全般に販売量が増加したことに加え、円安への為替変動が売上を押し上げ、計画を上回りました。営業利益については、計画に対する販売量の増加に加え、全社をあげた原価改善の取組みや、不採算品の価格調整交渉の進展等により、実質的には計画を上回る結果でしたが、中国子会社における固定資産残存価額見直しを当期末に行った結果、上記結果となりました。親会社株主に帰属する当期純損失については米国子会社で固定資産減損損失等を計上したため赤字となりました。2026年4月にグローバル生産最適化の一環で当該米国子会社の事業停止を決定しており、順次他拠点に生産移管することで、連結固定費の低減と生産性向上を図り今後の収益力改善につなげてまいります。なお、当連結会計年度は、前中期経営計画の最終年度であり、中期目標として、売上高400億円、営業利益率8%、ROE10%を掲げてまいりました。これに対し、前述の通り、売上高は、磁性材部品の計画以上の伸長やタイ第2拠点の新規品の影響などにより大幅な過達となった一方、営業利益率については、製品構成変化・少量品の増加などに対する構造改革のスピードが不十分で、また米国子会社における一部主力製品の打切りなども重なり、大幅な未達となりました。ROEについては前述の通り、米子会社の減損損失計上などがあり、マイナスとなりました。こうした前中期経営計画の振返りや内外の環境変化を踏まえて策定した、新たな中期経営計画に基づき、初年度である2027年3月期については、そのテーマである構造と人の変革、特に収益基盤の強化を中心に進めてまいります。連結売上高について米国における主要製品の一部打切りの影響で減少を見込むものの、主力の磁性材製品は先に言及した新型ハイブリッド用製品や高付加価値ユニットの販売を着実に伸ばし、更に原価改善や価格適正化を進め、前期を上回る営業利益の確保を図るとともに、親会社株主に帰属する当期純利益についても黒字化を図ります。当社グループの資金状況は、営業キャッシュ・フローが47億59百万円に加え、仕入先への支払いサイト短縮など特殊要因で減少した前期の影響を除いても、これまでの取組みの結果、着実に改善しつつあります。事業ポートフォリオ変革の一つの柱である新世代ハイブリッド車用磁性材製品用新規ライン設置等の投資キャッシュ・フローで23億36百万円、株主還元に85百万円を支出した結果、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度より14億18百万円増加し、55億37百万円となりました。引き続き、中期経営計画に沿って稼ぐ力の強化をしてまいります。今後の資金需要としましては、国内における磁性材製品の高付加価値品や新規分野への開発投資等に伴う設備投資やグローバル拠点再編に伴う費用がありますが、必要資金は自己資金及び借入金に加え、政策保有株式などの資産売却でまかなう予定です。 (重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果となる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 ① 繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 ② 固定資産の減損損失当社グループは固定資産の減損会計の適用に際し、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングし、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積っております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。将来この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生し、利益に影響を与える可能性があります。

事業リスク

  • 自動車業界への高い依存
    ファインシンターグループの売上は、主に自動車部品に依存しています。自動車産業の構造変化(例:EV化の加速)や市場縮小は、同社の業績に大きな影響を与える可能性があります。特に、エンジン部品の需要減少は直接的なリスクとなります。
  • コンプライアンス違反リスク
    過去に不適切会計が発覚しており、法令違反や社会規範に反する行動は、罰則、訴訟、社会的信用の失墜に繋がり、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。再発防止策を講じていますが、その実効性が問われます。
  • 原材料価格と為替変動
    鉄粉などの金属粉末を原材料とするため、これらの価格高騰は製造コストを押し上げ、利益を圧迫する可能性があります。また、海外での生産・販売が多いため、為替レートの変動(円高など)は、海外売上や利益の円換算額に影響を与え、業績に変動をもたらすリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,879 文字
3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)コンプライアンス当社グループでは事業の遂行にあたり各国の法的規制の適用を受けております。これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により、法令による罰則・訴訟・社会的制裁を受ける可能性があります。訴訟及び規制当局による措置その他の法的手段は、当社グループの事業、業績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。法令に適合することを確保するための体制として、内部統制委員会を設置しており、定期的に取締役会への報告を行っております。また、2024年に発覚した不適切会計に対する再発防止策として、コンプライアンス・リスク管理研修や内部統制アンケートの実施、内部通報制度の強化等に取り組んでおります。今後、実施した再発防止策を継続実施し、社内定着を図ってまいります。引き続き、継続的な教育、研修による啓蒙活動でコンプライアンス遵守を強化してまいります。 (2)自動車業界への販売依存度当社グループの製品は主としてエンジン部品、ショックアブソーバー部品等の自動車用部品のため、自動車産業の構造変革及び市場縮小等が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの連結売上高に占めるトヨタ自動車及び同社現地子会社への売上の割合は19.8%であります。当社グループとしては、自動車産業の変革に対応するために、当社の強みである粉末冶金の特性や関連技術を活かし、電動化関連製品の開発を強化する一方、非自動車分野の鉄道車両用製品及び油圧機器製品の開発と拡販の強化、新規分野の開拓を加速すべく、営業・技術が一体となった組織「新規拡販室」を設置し取り組みを進めております。 (3)海外進出に内在するリスク当社グループの事業には、海外における製品の生産と販売が含まれております。各地域における政治、経済状況の変化等による予期せぬ事象が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、現地の動向は海外拠点スタッフの情報網を積極的に活用する事で適時適切に入手し対応するように努めております。 (4)業界内外の競争に伴うリスク当社グループが身を置く業界の競争は非常に厳しく、競合他社は国内外の多岐にわたります。顧客のニーズを満たした製品の開発・製造・販売に努めておりますが、競合他社との価格競争に巻き込まれた場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、デジタル設計から実証加工、電動化製品の開発から量産までそれぞれを担う専任組織と、開発・生産技術部門を統合した「テクニカルセンター」を設けており、開発力の強化と開発から量産化までの加速を進めております。 (5)原材料の仕入に係る仕入価格の変動及び人権に関わるリスク当社グループでは、粉末冶金製品の原材料として鉄粉等の金属粉を使用していますが、これらの原料価格が高騰し、製品価格に反映することが困難な場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、供給元の不慮の事故や資源国の政治・経済状況、労務管理面での人権侵害などにより、原材料・部品の不足や当社グループの企業イメージ毀損などが生じる可能性があります。その場合は生産の遅れによる原価上昇、株価低迷や投資家の投資撤退などの可能性があります。当社グループとしては、製品歩留りの向上による原材料使用量の低減や市況の変動が大きく資源国での人権侵害リスクの高いコバルトの添加不要材料の開発・提案、人権や環境等の社会問題の影響を考慮した鉱物調達活動などを推進し、リスク低減を図っております。 (6)為替変動によるリスク当社グループの事業には、海外における製品の生産と販売が含まれています。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されています。従いまして、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。なお、為替変動による通期連結営業利益への影響は、1円/$あたり約10百万円です。当社グループとしては、ものづくり改革や自動化等の合理化推進等により、円高進行時でも利益確保できる体質構築に努めております。 (7)感染症拡大に関するリスク感染症の拡大に伴う製品需要の低迷、生産の停滞などが継続する場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。当社グループとしては、感染拡大防止のため、衛生管理の徹底や必要に応じテレワーク等の事業運営を実施するとともに、有事の際、稼働日数調整や開発費以外の固定費削減及び機動的な短期資金調達などの対応で、リスクの最小化に努めてまいります。 (8)気候変動気候変動がもたらすリスクは、製品の開発設計から調達・生産・物流・販売まで、企業活動全般にわたって存在しており、異常気象による災害リスクがもたらす生産影響、規制強化によるコスト増等は企業活動を停滞させる恐れがあります。当社グループとしては、気候変動対応への取り組みとして、2050年度カーボンニュートラルに向けた長期ビジョンを策定し、2030年度までに50%削減する目標の達成に向けて、省エネ技術の開発など当社グループ一丸となって推進しております。また、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載の通り、電動車両搭載製品や鉄道車両用製品への売上構成比を高めてまいります。 (9)退職給付債務当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率などの数理計算上の前提条件や年金資産の長期期待収益率に基づいて算出されております。従いまして、割引率の低下や年金資産の減少など実際の結果が前提条件と異なる場合は、将来の期間に認識される費用及び計上される債務に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、年金資産の運用にあたり、分散投資や運用状況の定期的モニター等により、リスクの低減に努めております。 (10)情報セキュリティ当社グループは、技術情報などの情報資産のデータ処理を行っていますが、不測の事態によって外部からのコンピュータウィルスの感染やハッキングの被害、サーバー及びネットワーク機器の障害やシステム障害の発生による業務停止や情報の外部漏洩等の事態が発生する可能性があり、それに伴い当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、情報セキュリティリスクの評価・分析と状況の把握を行い、段階的なセキュリティ強化に取り組んでいます。引き続き、人的・組織的対策、技術的対策を講じ、更なるセキュリティのレベルアップ、強化に取り組んでまいります。

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