事業の概要
- 金属加工機械器具事業アマダグループは、金属を加工するための機械や器具の開発、製造、販売、サービスを主要な事業としています。具体的には、板金を切断・曲げ加工するレーザマシンやプレスブレーキ、微細な溶接を行う精密レーザ機器などを手掛けており、製品の販売だけでなく、設置後のメンテナンスや修理といったサービスも提供しています。これにより、顧客企業の生産活動を支え、継続的な収益を上げています。
- 金属工作機械器具事業金属を削ったり、穴を開けたりする工作機械もアマダグループの重要な事業です。例えば、金属を切断する帯鋸盤や、プレス加工を行うメカニカルプレスなどを開発・製造・販売しています。これらの機械は、自動車部品や家電製品など、幅広い産業の製造現場で使われており、顧客の多様なニーズに応えることで収益を確保しています。
- グローバルな事業展開とファイナンスアマダグループは、日本だけでなく北米、欧州、アジアなど世界各地に生産・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。海外売上比率は63.6%に達し、各地域の市場特性に合わせた製品供給とサービス提供を行っています。また、顧客が機械を導入しやすいように、ファイナンス(融資やリース)も提供しており、これも収益源の一つとなっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 金属加工機械事業この事業は、レーザマシンやプレスブレーキといった板金加工機械、精密レーザ機器や抵抗溶接機器などの微細溶接商品を扱っています。売上高は2,508.62億円、営業利益は345.61億円と、アマダグループの主要な稼ぎ頭であり、特に板金加工分野で高い技術力と市場シェアを持っています。日本国内だけでなく、北米、欧州、アジアなどグローバルに展開し、各地域の顧客に製品とサービスを提供しています。
- 金属工作機械事業この事業では、金属を切断する金切帯鋸盤や、プレス加工を行うメカニカルプレスなどを提供しています。売上高は515.08億円、営業利益は77.48億円で、金属加工機械事業に次ぐ規模の事業です。切削商品や研削盤、プレス商品など多岐にわたり、自動車産業や一般機械産業など幅広い分野の製造業を支えています。こちらも国内外に拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。
- その他事業アマダグループは、主要な機械事業の他に、保有する不動産の賃貸なども行っています。これは、遊休地の有効活用を目的としたもので、ショッピングセンターなどへの賃貸を通じて収益を得ています。規模としては上記の二つの事業に比べ小さいですが、安定的な収益源の一つとなっています。
FY2016 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| MetalworkingMachinery | 事業 | 2,509 | 346 | 13.8% |
| MetalworkingMachineTools | 事業 | 515 | 77 | 15.0% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】(1) 企業集団において営まれている主な事業の内容当社の企業集団は、当連結会計年度末現在、当社並びに子会社100社及び関連会社3社で構成され、金属加工機械器具・金属工作機械器具の開発、製造、販売、サービス等(ファイナンスを含む。)を主要な事業内容としており、主要な商品等は次のとおりであります。(イ)金属加工機械事業・板金商品(レーザマシン、NC付タレットパンチプレス〔NCT〕、パンチ・レーザ複合加工機、 プレスブレーキ、ベンディングロボット、シャーリング、板金加工システムライン、 FA用コンピューター、FA用ソフトウエア等)・微細溶接商品(精密レーザ機器・抵抗溶接機器等)(ロ)金属工作機械事業・切削商品(金切帯鋸盤、形鋼切断機、ボール盤、金切帯鋸刃等)・研削盤等・プレス商品(メカニカルプレス、プレス加工自動化機械装置)(ハ)その他・ビアメカニクス株式会社及び子会社7社の事業・不動産の賃貸等 (2) 各事業を構成している当社又は子会社、関連会社の当該事業における位置付け(2026年3月31日現在)(イ)金属加工機械事業金属加工機械事業は、当社及び以下の主な子会社、関連会社で構成されております。 (a) 国内株式会社アマダ(親会社)は、板金商品、精密レーザ機器及び抵抗溶接機器等の開発・製造・販売・サービスを行っております。株式会社アマダオートメーションシステムズ(連結子会社)は、板金商品の周辺装置等の製造等を行っております。株式会社アマダツール(連結子会社)は、NC付タレットパンチプレス〔NCT〕及びプレスブレーキ用の金型の製造等を行っております。 (b) 北米アマダ・ノース・アメリカ社(米国:連結子会社)は、北米地域における現地法人の統括機能を有する持株会社であります。アマダ・アメリカ社(米国:連結子会社)は、当社で製造した板金商品等を北米市場へ販売するとともに、自ら板金商品を製造し、主に北米市場へ商品を供給しております。アマダ・カナダ社(カナダ:連結子会社)は、板金商品等をカナダ市場へ、アマダ・メキシコ社(メキシコ:連結子会社)は板金商品等をメキシコ市場へ、それぞれ販売しております。アマダ・ツール・アメリカ社(米国:連結子会社)は、NC付タレットパンチプレス〔NCT〕及びプレスブレーキ用の金型の製造を行っております。アマダ・キャピタル社(米国:連結子会社)は、主にアマダ・アメリカ社が取り扱う商品の顧客に対するファイナンス及び当社グループ商品のリースを行っております。アマダ・ウエルドテック・アメリカ社(米国:連結子会社)は、主に自社で開発・製造した微細溶接商品を北米市場へ販売しております。 (c) 欧州アマダ・ユー・ケー社(英国:連結子会社)は、板金商品等を英国市場等へ、ドイツ・アマダ社(ドイツ:連結子会社)は、板金商品等をドイツを中心とした欧州市場へ、アマダ・エス・エー社(フランス:連結子会社)は、板金商品等をフランスを中心とした欧州市場へ、また、アマダ・イタリア社(イタリア:連結子会社)は、板金商品等をイタリアを中心とした欧州市場へ、アマダ・スカンジナビア社(スウェーデン:連結子会社)は板金商品等をスウェーデン市場へ、それぞれ販売しております。アマダ・ヨーロッパ・エス・エー社(フランス:連結子会社)は、板金商品等を製造し、欧州市場へ商品を供給しております。アマダ・オーストリア社(オーストリア:連結子会社)は、プレスブレーキ用金型を製造し欧州・米国市場へ供給しております。アマダ・イノベイティブ・ソフトウエア・ヨーロッパ社(イタリア:連結子会社)は、当社グループの板金商品のソフトウエアの研究開発を行っております。アマダ・オートメーション・ヨーロッパ社(フィンランド:連結子会社)は、欧州市場において板金商品の周辺装置等の製造、サービス等を行っております。アマダ・ウエルドテック・ヨーロッパ社(ドイツ:連結子会社)は、主に自社で製造した微細溶接商品を欧州市場へ販売しております。 (d) アジア天田(中国)有限公司(中国:連結子会社)は、中国の現地法人の統括、板金商品等の中国市場への販売を行っております。天田香港有限公司(中国:連結子会社)は板金商品等の中国市場への販売を行っております。天田股份有限公司(台湾:連結子会社)は板金商品等を台湾市場へ、アマダ・コリア社(韓国:連結子会社)は板金商品等を韓国市場へ、アマダ(タイランド)社(タイ:連結子会社)は板金商品等をタイ市場へ、アマダ(マレーシア)社(マレーシア:連結子会社)は板金商品等をマレーシア市場へ、アマダ・シンガポール社(シンガポール:連結子会社)は板金商品等をシンガポール市場へ、アマダ(インディア)社(インド:連結子会社)は板金商品等をインド市場へ、アマダ・マシナリー・インドネシア社(インドネシア:連結子会社)は板金商品をインドネシア市場へ、それぞれ販売しております。アマダソフト(インディア)社(インド:連結子会社)は、当社グループの板金商品のソフトウエアの研究開発を行っております。天田溶接技術(上海)有限公司(中国:連結子会社)は、主にアジア市場へ精密レーザ機器・抵抗溶接機器等の販売・サービスを行っております。アマダ・ウエルドテック・コリア社(韓国:連結子会社)は、精密レーザ機器・抵抗溶接機器等を製造し、主に北米・アジア市場へ販売・サービスを行っております。アマダ・ウエルドテック・インド社(インド:連結子会社)は、主にインド市場へ精密レーザ機器・抵抗溶接機器等の販売・サービスを行っております。 (e) その他の地域アマダ・ブラジル社(ブラジル:連結子会社)は板金商品等をブラジル市場へ、アマダ・オセアニア社(オーストラリア:連結子会社)は板金商品等をオセアニア市場へ、それぞれ販売しております。 (ロ)金属工作機械事業金属工作機械事業は、当社及び以下の主な子会社、関連会社で構成されております。 (a) 国内株式会社アマダマシナリー(連結子会社)は、金属工作機械(切削商品及び研削盤等)の開発、製造、販売、サービス等を行っております。株式会社アマダプレスシステム(連結子会社)は、プレス及びプレス加工自動化機械装置等の開発、製造、販売、サービス等を行っております。株式会社エイチアンドエフ(連結子会社)は、プレス及びプレス加工自動化機械装置等の開発、製造、販売、サービス等を行っております。 (b) 北米アマダ・マシナリー・アメリカ社(米国:連結子会社)は、金属工作機械を北米市場へ販売しております。アマダ・マーベル社(米国:連結子会社)は、切削商品等の開発、製造を行っております。アマダ・プレスシステム・アメリカ社(米国:連結子会社)は、プレス及びプレス加工自動化機械装置等の販売・サービスを行っております。 (c) 欧州アマダ・マシナリー・ヨーロッパ社(ドイツ:連結子会社)は、金属工作機械を欧州市場へ販売しております。アマダ・オーストリア社(オーストリア:連結子会社)は、切削商品(金切帯鋸刃)を製造し欧州・米国市場へ供給しております。 (d) アジアアマダ(タイランド)社(タイ:連結子会社)は、金属工作機械をASEAN市場へ販売しております。天田連雲港機械有限公司(中国:連結子会社)は、切削商品(金切帯鋸刃)を製造し、中国市場へ供給しております。天田(連雲港)机床有限公司(中国:持分法適用の関連会社)は、切削商品(金切帯鋸盤)を製造し、主に中国市場へ供給しております。 (ハ)その他ビアメカニクス株式会社及び子会社7社の事業、遊休地の有効利用を目的としたショッピングセンター等の不動産賃貸事業等を含んでおります。 主な事業の系統図は次のとおりであります。(2026年3月31日現在)
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 市場は激しい価格競争下にあり、販売価格の変動が業績に影響を及ぼす可能性があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 金属加工機械器具・金属工作機械器具の開発、製造、販売、サービスには専門技術が必要。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:経済及び市場環境の動向 / 海外展開 / 価格競争
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
アマダは長年にわたり、板金加工機械分野で高い技術力と信頼性を培ってきた。特にレーザー加工機やプレスブレーキなどの分野で、独自の技術開発と品質へのこだわりがブランド価値を形成している。しかし、特許などの明確な知的財産権による独占性は限定的であり、競合他社も技術開発を進めている。
スイッチングコスト★★★☆☆
アマダの機械は高額であり、導入には多額の設備投資とオペレーターの習熟が必要となる。また、同社の提供するソフトウェアや保守サービスとの連携も深く、一度導入すると他社製品への切り替えには、再教育コスト、互換性の問題、生産ラインの停止リスクなどが伴うため、顧客は容易に乗り換えられない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
アマダの事業モデルは、個々の機械の販売とサービスが中心であり、ユーザーが増えることで製品の価値が向上するようなネットワーク効果は基本的に見られない。
コスト優位★★☆☆☆
アマダはグローバルな生産・販売体制を構築し、一定の規模の経済を活かしたコスト管理を行っている。しかし、高付加価値製品が中心であり、徹底した低コスト競争力を持つわけではない。為替変動や原材料価格の変動の影響を受ける可能性もある。
規模の経済★★★★☆
板金加工機械市場において、アマダは世界有数のシェアを誇る。特に高精度・高付加価値分野では、その規模と技術力から寡占的な地位を築いている。グローバルな販売・サービス網も強みであり、競合他社が容易に追随できない規模の優位性を持つ。
- 幅広い製品ラインナップとソリューションアマダグループは、板金加工機械から金属工作機械、さらには微細溶接機器まで、金属加工に関する非常に幅広い製品ラインナップを持っています。これにより、顧客は様々な加工ニーズに対してアマダグループから最適な機械やシステムをまとめて導入でき、生産効率の向上やコスト削減に繋がるソリューションを提供できる点が強みです。
- グローバルな販売・サービスネットワーク世界各地に子会社や関連会社を展開し、製品の販売だけでなく、製造、サービス、ファイナンスまでを一貫して提供できる体制を構築しています。これにより、各地域の顧客に対して迅速かつきめ細やかなサポートが可能となり、顧客との長期的な関係を築きやすいという競争優位性を持っています。
- 技術開発と知的財産権の保護アマダグループは、研究開発に重点を置き、新しい技術やノウハウを特許出願することで知的財産権の保護に努めています。これにより、他社にはない独自の技術や製品を生み出し、市場での競争力を維持・向上させています。特に、精密レーザ機器や板金加工システムにおける技術力は、同社の強みの一つと考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針及び経営環境① 経営環境の変化とお客さまのモノづくりにおける課題当社グループを取り巻く社会環境は、労働人口の減少と高齢化、AIをはじめとするデジタルインフラの激変、GX(グリーン・トランスフォーメーション)投資の加速、さらには地政学リスクやサプライチェーンの不安定化など、多岐にわたる要因が複雑に絡み合い、かつてないスピードで変化しています。特にお客さまのモノづくり現場においては、深刻な人材不足や技術継承の難しさといった課題が顕在化しているだけでなく、グリーン・デジタル対応など期待される技術の多様化・高度化への対応が急務となっています。不確実性が高まる中、新たな素材や加工技術への対応など、スピード感を持った変革が求められています。 ② 環境変化に対する当社グループの使命と価値観(ミッション・バリュー・長期ビジョンの策定)当社グループは1946年の創業以来、金属加工機械のグローバルメーカーとして世界のモノづくりを支えてまいりました。創業80年という節目を迎えるにあたり、これまでの歴史を踏まえ、これから社会やお客さまに対してどのような役割を果たすべきか、そのためにアマダで働く一人ひとりが大切にする価値観は何かを再確認するため、現行のコーポレートフィロソフィーを基にミッション・バリューを再整理すると同時に、目指す姿の明確化を目的に長期ビジョンを再定義いたしました。幾多の困難を乗り越えてきた原点である「経営理念」と「行動規範」を基盤として、社会課題の解決を自社の存在意義と捉え、以下の理念体系の下で持続的な企業価値の創出に取り組んでまいります。 アマダグループ:ミッション・バリュー・長期ビジョン・ミッション(恒久的に社会に果たす役割・存在意義):「新たな価値に挑戦し 人と社会、地球のより良い未来を創る」 ・バリュー(日々の業務で大切にする価値観):「創造と挑戦・誠実と公正・自己成長」 ・長期ビジョン(長期的に目指す姿):「生産革新と先端技術でモノづくりの課題を競争力に変える」 ③ 持続的な成長に向けた経営方針当社グループは、長らく「直販・直サービス体制」を敷き、お客さまに寄り添うことで各地域のモノづくりを支え、事業成長を続けてまいりました。不確実性が高まる中、お客さまの製造現場においては新たな素材や加工技術への対応など、スピード感を持った変革が急務となっています。こうした中、これまで培ってきた強みを生かし、それらの変革を支え続けるメーカーでなければならないと考えております。このような事業環境を背景に、持続的な成長を実現するためには、収益構造の抜本的な改善を図る必要があります。同時に、M&A等で得た基盤を活かし、成長領域への投資を加速させることが不可欠です。これらを踏まえ、アマダ本来の「稼ぐ力」を更に強化し、強固で独自性のある事業ポートフォリオにより事業成長を加速させることで、持続的な企業価値の創出に取り組んでまいります。 (2) 「中期経営計画2030」の戦略骨子① 全体方針とフェーズごとの位置付け新たに掲げた長期ビジョンの実現に向けた実行計画として、不確実な環境下でも持続的な成長を実現するため、2026年度から2030年度までの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2030」を策定いたしました。本計画ではスローガンに「Transform to AMADA2030 >> For Growth Acceleration ~変革を原動力に、新たな成長ステージへ~」を掲げています。本計画を前半2年の「変革・成長期(構造改革)」と後半3年の「成長加速期」に分け、環境変化に応じた柔軟かつ厳格な進捗管理を行います。まずはアマダ本来の「稼ぐ力」を強化する構造改革を断行し、その強靭な基盤の上に新たな成長の柱を構築することで、企業価値の最大化を目指します。 ② 企業価値最大化に向けた6つの重点戦略目標達成に向け、以下の6つの重点戦略を柱として推進します。ⓐ 構造改革(稼ぐ力の強化)事業軸と地域軸、機能軸を掛け合わせた「ビジネスユニット(BU)制」(注)及び「マトリクス組織」を導入し、権限と収益責任を明確化します。また、製造・営業・サービス拠点のグローバルな統廃合と最適化を実施し、全社標準プロセスの確立などにより、徹底した固定費の合理化と製造原価の低減を図ります。ⓑ 経営基盤の強化事業体制の抜本改革を推進するため、監査等委員会設置会社への移行を実施いたします。迅速な意思決定による「攻めのガバナンス」と、経営の透明性や公平性を確保する「守りのガバナンス」を両立させ、中期経営計画目標達成に向けた重点戦略の実行と「稼ぐ力」の強化を後押しします。また、AIやDXを活用した業務改革を推進し、データドリブンで迅速な経営判断を可能にするインテリジェントな経営基盤を構築します。ⓒ 事業ポートフォリオ経営の推進各BUの位置付けを明確にし、安定収益を重視する「基盤事業(シートメタル ソリューションズBU)」、市場成長性を重視する「成長牽引事業(ジョイニング テクノロジーズBU、エレクトロニクスプロセスBU)」、収益性と成長性の改善を目指す「変革事業(カッティング ファブリケータBU、グラインディング テクノロジーズBU、アドバンスドフォーミング ソリューションズBU)」に分類し、それぞれの役割に応じたメリハリのあるリソースアロケーションを実行します。ⓓ 事業成長を支える新商品展開総合加工メーカーとして、事業成長を支える新商品を継続的に市場へ投入します。各ビジネスユニットが持つグローバルな情報資産や技術資産を横断的に活用し、既存市場における新たな需要の創出と、成長領域への展開を加速させます。さらに、グループ入りした企業とのシナジーを最大限に引き出し、これまでにない新たな市場開拓を推進することで、持続的な成長を実現します。ⓔ 「モノ売り」から「モノ×コト売り」への変革当社グループの強みである「直販・直サービス体制」を活かし、製品の提供に留まらず、AI提案ツールによる加工課題解決、稼働監視や予知保全による稼働保障、工場全体の運営課題を解決するスマートファクトリー提案などを展開します。これにより、お客さまの工場稼働率を最大化するライフサイクルビジネスへ転換し、収益構造を高度化します。ⓕ 新事業の創出・強化「Innovation LABO」において検証を重ねたレーザ溶接技術や研削技術を活かし、Mobilityや半導体といった成長領域に向けた付加価値の高い新商品を継続的に市場投入し、新たな市場と顧客層の開拓を図ります。また、グループ入りした企業とのシナジーによる大型プレスや最先端基板加工ソリューションの高度化を進めるとともに、成長領域における新たなM&Aにも挑戦し、非連続な成長を目指します。さらに、人とロボット、AIが協働する「自律化工場」の実現に向けた他社提携を強化し、次世代モノづくりを牽引します。 (注) ビジネスユニット(BU)制への移行現行事業名目指す姿BU名板金『工程』から『工場全体』へ板金加工の進化に伴走するパートナーシートメタル ソリューションズSheet Metal Solutions (SMS)微細溶接様々な『接合』要求に応える新しい加工を創りだす技術メーカージョイニング テクノロジーズJoining Technologies (JT)切削『鋼材』加工を未来へ導く価値を創造し将来のモノづくりを持続可能にするカッティング ファブリケータCutting Fabricator (CF)研削盤蓄積された『高精度』研削技術で新たな加工ニーズを実現するクリエイターグラインディング テクノロジーズGrinding Technologies (GT)プレス『プレス』の加工領域を拡大し課題を解決するソリューションを創造アドバンスドフォーミング ソリューションズAdvanced Forming Solutions (AFS)ビアメカニクス『最先端基板』の進化を牽引しビア加工から領域を拡大エレクトロニクスプロセスElectronics Process (EP) (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 前中期経営計画の総括と成果・課題前中期経営計画(2023-2025年度)においては、成長投資として掲げていた資金を積極的に活用し、半導体基板穴あけ機メーカーや総合プレス機械メーカーといった大型M&Aを成就させました。これらが奏功し、売上収益については目標であった4,000億円を上回る4,373億円を達成するとともに、成長領域への参入基盤を確固たるものにいたしました。一方で、収益性に関しては、新商品の展開の遅れや資材費・人件費の高騰等によるコスト増の影響を受け、営業利益率及びROEについては目標未達となる結果となりました。また、このようなコスト上昇の傾向が継続する厳しい環境下において、これまでの事業構造のままでは十分な収益性を確保することが難しくなりつつあることや、営業・生産拠点の合理化及び最適化の遅れによるコスト増といった、次なる変革に向けて乗り越えなければならない構造的な課題も浮き彫りとなりました。 ② 課題に向けた今後の対応お客さまのモノづくり現場においてスピード感を持った変革が急務となる中、当社グループがその変革を先導し支え続けるメーカーとして持続的な成長を実現すべく、これらの課題に真正面から対処し、これまでの事業構造を見直すことで、収益構造の抜本的な改善を図ります。アマダ本来の「稼ぐ力」を更に強化する構造改革を断行すると同時に、M&A等で得た基盤を最大限に活かして成長領域への投資を加速させ、強固で独自性のある事業ポートフォリオにより事業成長を加速させてまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等財務指標と財務戦略基本方針当社グループは、持続的な利益成長と企業価値の最大化を目指し、「収益性の向上」「BSマネジメントの高度化」「戦略的キャピタルアロケーション」の3軸を強力に推進・連動させる財務戦略を実行いたします。基本方針として「稼ぐ力」の強化と資本・資産の最適化を掲げ、「攻めの成長投資」と「徹底した資本効率の向上」の両輪を回すことで、資本コストを上回るリターンを継続的に創出するとともに最適資本構成への移行を図ります。これにより、資産効率を抜本的に改善し、2030年度において以下の目標達成と安定確保を実現します。 重要経営指標 キャッシュアロケーション売上収益5,200億円 成長投資1,500億円営業利益730億円 株主還元2,500億円ROE10%以上 ① 重要経営指標当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上収益、営業利益、ROEであります。これらの指標を採用した理由は、当社グループが「中期経営計画2030」で掲げる「稼ぐ力の強化」及び「企業価値の最大化」の進捗状況と実現可能性を客観的に評価する上で、最も重要な指標であると認識しているためです。具体的には、「売上収益」は新商品の市場投入やM&Aによる成長領域への展開といった持続的な事業成長を図る指標として、「営業利益」は構造改革によるコスト低減やBU制による稼ぐ力の強化、高付加価値なライフサイクルビジネスの拡大を通じた本業の収益力の向上を図る指標として位置付けております。また、「ROE」は、積極的な株主還元や成長投資などの戦略的キャピタルアロケーションを実行することで、資本効率の向上を図り、資本コストを上回るリターンの創出を図る指標として採用しております。 ② キャッシュアロケーション方針5年間で約3,500億円の営業キャッシュ・フローを創出することに加え、バランスシート改革の推進及び現預金の活用(約500億円+α)により、事業のさらなる成長と資本効率の改善に向けて適切に資金を配分します。ⓐ 成長投資既存事業の競争力向上に向けた研究開発の強化やAI搭載等による高度化、新加工技術の構築、環境に配慮した商品開発のほか、成長領域におけるM&Aの実施、生産性向上に向けたAI・DX投資や人的資本投資などの経営基盤強化に重点的に配分します。ⓑ 株主還元連結配当性向50%を目安とするとともに、新たにROE10%達成を意識した「DOE(株主資本配当率)3%~5%」を導入し、安定的な配当を維持します。また、過去の事業活動を通じて過度に積み上がった自己資本の水準を早期に適正化するため、適正な自己資本水準(5,000億円未満)を意識し、5年間で1,500億円の積極的な自己株式取得を実行します。配当金と自己株式取得を合わせた総還元額は約2,500億円以上(総還元性向120%程度)を予定しており、これらを通じてEPS(1株当たり利益)の最大化とTSR(株主総利回り)の向上を強力に推し進めます。 (5) サステナビリティ戦略(非財務目標)中期経営計画の戦略を支え、持続的な企業価値の向上につなげるための非財務目標として、サステナビリティ戦略における主要な指標及び目標を下記のとおり設定しております。 領域取り組み方針指標2025年度実績2030年度目標環境負荷の低減環境に配慮した商品・サービスの提供GHG排出量(Scope3)72.5%減(見込み)75%減人的資本経営の深化労働生産性と働きがいの向上エンゲージメントスコア(eNPS*)-肯定回答率20%以上向上トータル・クオリティの向上信頼に応える品質と事業継続性の追求NIST CSF*準拠のセキュリティ成熟度全業界平均15%以上向上技術革新の進展持続可能なモノづくりに貢献する商品・サービスの提供新領域売上*成長率-60%以上 範囲:GHG排出量、セキュリティ成熟度、新領域売上成長率 連結 / エンゲージメントスコア 国内基準年:GHG排出量 2013年度 / エンゲージメントスコア、セキュリティ成熟度、新領域売上成長率 2025年度*eNPS:従業員ネット・プロモーター・スコア (Employee Net Promoter Score)*NIST CSF:米国標準技術研究所によるサイバーセキュリティフレームワーク*新領域売上:新領域(新市場、成長市場)における売上収益
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針及び経営環境① 経営環境の変化とお客さまのモノづくりにおける課題当社グループを取り巻く社会環境は、労働人口の減少と高齢化、AIをはじめとするデジタルインフラの激変、GX(グリーン・トランスフォーメーション)投資の加速、さらには地政学リスクやサプライチェーンの不安定化など、多岐にわたる要因が複雑に絡み合い、かつてないスピードで変化しています。特にお客さまのモノづくり現場においては、深刻な人材不足や技術継承の難しさといった課題が顕在化しているだけでなく、グリーン・デジタル対応など期待される技術の多様化・高度化への対応が急務となっています。不確実性が高まる中、新たな素材や加工技術への対応など、スピード感を持った変革が求められています。 ② 環境変化に対する当社グループの使命と価値観(ミッション・バリュー・長期ビジョンの策定)当社グループは1946年の創業以来、金属加工機械のグローバルメーカーとして世界のモノづくりを支えてまいりました。創業80年という節目を迎えるにあたり、これまでの歴史を踏まえ、これから社会やお客さまに対してどのような役割を果たすべきか、そのためにアマダで働く一人ひとりが大切にする価値観は何かを再確認するため、現行のコーポレートフィロソフィーを基にミッション・バリューを再整理すると同時に、目指す姿の明確化を目的に長期ビジョンを再定義いたしました。幾多の困難を乗り越えてきた原点である「経営理念」と「行動規範」を基盤として、社会課題の解決を自社の存在意義と捉え、以下の理念体系の下で持続的な企業価値の創出に取り組んでまいります。 アマダグループ:ミッション・バリュー・長期ビジョン・ミッション(恒久的に社会に果たす役割・存在意義):「新たな価値に挑戦し 人と社会、地球のより良い未来を創る」 ・バリュー(日々の業務で大切にする価値観):「創造と挑戦・誠実と公正・自己成長」 ・長期ビジョン(長期的に目指す姿):「生産革新と先端技術でモノづくりの課題を競争力に変える」 ③ 持続的な成長に向けた経営方針当社グループは、長らく「直販・直サービス体制」を敷き、お客さまに寄り添うことで各地域のモノづくりを支え、事業成長を続けてまいりました。不確実性が高まる中、お客さまの製造現場においては新たな素材や加工技術への対応など、スピード感を持った変革が急務となっています。こうした中、これまで培ってきた強みを生かし、それらの変革を支え続けるメーカーでなければならないと考えております。このような事業環境を背景に、持続的な成長を実現するためには、収益構造の抜本的な改善を図る必要があります。同時に、M&A等で得た基盤を活かし、成長領域への投資を加速させることが不可欠です。これらを踏まえ、アマダ本来の「稼ぐ力」を更に強化し、強固で独自性のある事業ポートフォリオにより事業成長を加速させることで、持続的な企業価値の創出に取り組んでまいります。 (2) 「中期経営計画2030」の戦略骨子① 全体方針とフェーズごとの位置付け新たに掲げた長期ビジョンの実現に向けた実行計画として、不確実な環境下でも持続的な成長を実現するため、2026年度から2030年度までの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2030」を策定いたしました。本計画ではスローガンに「Transform to AMADA2030 >> For Growth Acceleration ~変革を原動力に、新たな成長ステージへ~」を掲げています。本計画を前半2年の「変革・成長期(構造改革)」と後半3年の「成長加速期」に分け、環境変化に応じた柔軟かつ厳格な進捗管理を行います。まずはアマダ本来の「稼ぐ力」を強化する構造改革を断行し、その強靭な基盤の上に新たな成長の柱を構築することで、企業価値の最大化を目指します。 ② 企業価値最大化に向けた6つの重点戦略目標達成に向け、以下の6つの重点戦略を柱として推進します。ⓐ 構造改革(稼ぐ力の強化)事業軸と地域軸、機能軸を掛け合わせた「ビジネスユニット(BU)制」(注)及び「マトリクス組織」を導入し、権限と収益責任を明確化します。また、製造・営業・サービス拠点のグローバルな統廃合と最適化を実施し、全社標準プロセスの確立などにより、徹底した固定費の合理化と製造原価の低減を図ります。ⓑ 経営基盤の強化事業体制の抜本改革を推進するため、監査等委員会設置会社への移行を実施いたします。迅速な意思決定による「攻めのガバナンス」と、経営の透明性や公平性を確保する「守りのガバナンス」を両立させ、中期経営計画目標達成に向けた重点戦略の実行と「稼ぐ力」の強化を後押しします。また、AIやDXを活用した業務改革を推進し、データドリブンで迅速な経営判断を可能にするインテリジェントな経営基盤を構築します。ⓒ 事業ポートフォリオ経営の推進各BUの位置付けを明確にし、安定収益を重視する「基盤事業(シートメタル ソリューションズBU)」、市場成長性を重視する「成長牽引事業(ジョイニング テクノロジーズBU、エレクトロニクスプロセスBU)」、収益性と成長性の改善を目指す「変革事業(カッティング ファブリケータBU、グラインディング テクノロジーズBU、アドバンスドフォーミング ソリューションズBU)」に分類し、それぞれの役割に応じたメリハリのあるリソースアロケーションを実行します。ⓓ 事業成長を支える新商品展開総合加工メーカーとして、事業成長を支える新商品を継続的に市場へ投入します。各ビジネスユニットが持つグローバルな情報資産や技術資産を横断的に活用し、既存市場における新たな需要の創出と、成長領域への展開を加速させます。さらに、グループ入りした企業とのシナジーを最大限に引き出し、これまでにない新たな市場開拓を推進することで、持続的な成長を実現します。ⓔ 「モノ売り」から「モノ×コト売り」への変革当社グループの強みである「直販・直サービス体制」を活かし、製品の提供に留まらず、AI提案ツールによる加工課題解決、稼働監視や予知保全による稼働保障、工場全体の運営課題を解決するスマートファクトリー提案などを展開します。これにより、お客さまの工場稼働率を最大化するライフサイクルビジネスへ転換し、収益構造を高度化します。ⓕ 新事業の創出・強化「Innovation LABO」において検証を重ねたレーザ溶接技術や研削技術を活かし、Mobilityや半導体といった成長領域に向けた付加価値の高い新商品を継続的に市場投入し、新たな市場と顧客層の開拓を図ります。また、グループ入りした企業とのシナジーによる大型プレスや最先端基板加工ソリューションの高度化を進めるとともに、成長領域における新たなM&Aにも挑戦し、非連続な成長を目指します。さらに、人とロボット、AIが協働する「自律化工場」の実現に向けた他社提携を強化し、次世代モノづくりを牽引します。 (注) ビジネスユニット(BU)制への移行現行事業名目指す姿BU名板金『工程』から『工場全体』へ板金加工の進化に伴走するパートナーシートメタル ソリューションズSheet Metal Solutions (SMS)微細溶接様々な『接合』要求に応える新しい加工を創りだす技術メーカージョイニング テクノロジーズJoining Technologies (JT)切削『鋼材』加工を未来へ導く価値を創造し将来のモノづくりを持続可能にするカッティング ファブリケータCutting Fabricator (CF)研削盤蓄積された『高精度』研削技術で新たな加工ニーズを実現するクリエイターグラインディング テクノロジーズGrinding Technologies (GT)プレス『プレス』の加工領域を拡大し課題を解決するソリューションを創造アドバンスドフォーミング ソリューションズAdvanced Forming Solutions (AFS)ビアメカニクス『最先端基板』の進化を牽引しビア加工から領域を拡大エレクトロニクスプロセスElectronics Process (EP) (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 前中期経営計画の総括と成果・課題前中期経営計画(2023-2025年度)においては、成長投資として掲げていた資金を積極的に活用し、半導体基板穴あけ機メーカーや総合プレス機械メーカーといった大型M&Aを成就させました。これらが奏功し、売上収益については目標であった4,000億円を上回る4,373億円を達成するとともに、成長領域への参入基盤を確固たるものにいたしました。一方で、収益性に関しては、新商品の展開の遅れや資材費・人件費の高騰等によるコスト増の影響を受け、営業利益率及びROEについては目標未達となる結果となりました。また、このようなコスト上昇の傾向が継続する厳しい環境下において、これまでの事業構造のままでは十分な収益性を確保することが難しくなりつつあることや、営業・生産拠点の合理化及び最適化の遅れによるコスト増といった、次なる変革に向けて乗り越えなければならない構造的な課題も浮き彫りとなりました。 ② 課題に向けた今後の対応お客さまのモノづくり現場においてスピード感を持った変革が急務となる中、当社グループがその変革を先導し支え続けるメーカーとして持続的な成長を実現すべく、これらの課題に真正面から対処し、これまでの事業構造を見直すことで、収益構造の抜本的な改善を図ります。アマダ本来の「稼ぐ力」を更に強化する構造改革を断行すると同時に、M&A等で得た基盤を最大限に活かして成長領域への投資を加速させ、強固で独自性のある事業ポートフォリオにより事業成長を加速させてまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等財務指標と財務戦略基本方針当社グループは、持続的な利益成長と企業価値の最大化を目指し、「収益性の向上」「BSマネジメントの高度化」「戦略的キャピタルアロケーション」の3軸を強力に推進・連動させる財務戦略を実行いたします。基本方針として「稼ぐ力」の強化と資本・資産の最適化を掲げ、「攻めの成長投資」と「徹底した資本効率の向上」の両輪を回すことで、資本コストを上回るリターンを継続的に創出するとともに最適資本構成への移行を図ります。これにより、資産効率を抜本的に改善し、2030年度において以下の目標達成と安定確保を実現します。 重要経営指標 キャッシュアロケーション売上収益5,200億円 成長投資1,500億円営業利益730億円 株主還元2,500億円ROE10%以上 ① 重要経営指標当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上収益、営業利益、ROEであります。これらの指標を採用した理由は、当社グループが「中期経営計画2030」で掲げる「稼ぐ力の強化」及び「企業価値の最大化」の進捗状況と実現可能性を客観的に評価する上で、最も重要な指標であると認識しているためです。具体的には、「売上収益」は新商品の市場投入やM&Aによる成長領域への展開といった持続的な事業成長を図る指標として、「営業利益」は構造改革によるコスト低減やBU制による稼ぐ力の強化、高付加価値なライフサイクルビジネスの拡大を通じた本業の収益力の向上を図る指標として位置付けております。また、「ROE」は、積極的な株主還元や成長投資などの戦略的キャピタルアロケーションを実行することで、資本効率の向上を図り、資本コストを上回るリターンの創出を図る指標として採用しております。 ② キャッシュアロケーション方針5年間で約3,500億円の営業キャッシュ・フローを創出することに加え、バランスシート改革の推進及び現預金の活用(約500億円+α)により、事業のさらなる成長と資本効率の改善に向けて適切に資金を配分します。ⓐ 成長投資既存事業の競争力向上に向けた研究開発の強化やAI搭載等による高度化、新加工技術の構築、環境に配慮した商品開発のほか、成長領域におけるM&Aの実施、生産性向上に向けたAI・DX投資や人的資本投資などの経営基盤強化に重点的に配分します。ⓑ 株主還元連結配当性向50%を目安とするとともに、新たにROE10%達成を意識した「DOE(株主資本配当率)3%~5%」を導入し、安定的な配当を維持します。また、過去の事業活動を通じて過度に積み上がった自己資本の水準を早期に適正化するため、適正な自己資本水準(5,000億円未満)を意識し、5年間で1,500億円の積極的な自己株式取得を実行します。配当金と自己株式取得を合わせた総還元額は約2,500億円以上(総還元性向120%程度)を予定しており、これらを通じてEPS(1株当たり利益)の最大化とTSR(株主総利回り)の向上を強力に推し進めます。 (5) サステナビリティ戦略(非財務目標)中期経営計画の戦略を支え、持続的な企業価値の向上につなげるための非財務目標として、サステナビリティ戦略における主要な指標及び目標を下記のとおり設定しております。 領域取り組み方針指標2025年度実績2030年度目標環境負荷の低減環境に配慮した商品・サービスの提供GHG排出量(Scope3)72.5%減(見込み)75%減人的資本経営の深化労働生産性と働きがいの向上エンゲージメントスコア(eNPS*)-肯定回答率20%以上向上トータル・クオリティの向上信頼に応える品質と事業継続性の追求NIST CSF*準拠のセキュリティ成熟度全業界平均15%以上向上技術革新の進展持続可能なモノづくりに貢献する商品・サービスの提供新領域売上*成長率-60%以上 範囲:GHG排出量、セキュリティ成熟度、新領域売上成長率 連結 / エンゲージメントスコア 国内基準年:GHG排出量 2013年度 / エンゲージメントスコア、セキュリティ成熟度、新領域売上成長率 2025年度*eNPS:従業員ネット・プロモーター・スコア (Employee Net Promoter Score)*NIST CSF:米国標準技術研究所によるサイバーセキュリティフレームワーク*新領域売上:新領域(新市場、成長市場)における売上収益
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1) 経営成績当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、米国の関税政策の影響や中東情勢の緊迫化を背景に、依然として先行き不透明な状況が続いております。当連結会計年度における当社グループの経営成績は次のとおりです。 売上収益営業利益親会社の所有者に帰属する当期利益国内海外合計2026年3月期(百万円)156,078281,293437,37244,79830,5542025年3月期(百万円)144,313252,357396,67049,07632,386増減率8.2%11.5%10.3%△8.7%△5.7% (売上収益)当連結会計年度の売上収益は、顧客工場の建設遅延などによる受注残の消化遅延が見られたものの、M&Aによる事業寄与やAI普及に伴うデータセンター関連投資の恩恵を受け、437,372百万円(前期比10.3%増)となりました。売上収益の内訳は、国内156,078百万円(前期比8.2%増)、海外281,293百万円(前期比11.5%増)となりました。詳細については、① 事業別・地域別の成績に記載のとおりです。 (営業利益)営業利益は、米国の関税影響や人件費上昇といったコスト増などが影響し、44,798百万円(前期比8.7%減)となりました。 (親会社の所有者に帰属する当期利益)親会社の所有者に帰属する当期利益については、30,554百万円(前期比5.7%減)となりました。 なお、経営成績に重要な影響を与える要因については、3 事業等のリスクに記載のとおりであり、経営方針・経営戦略を達成するための客観的な指標については、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に記載のとおりです。 当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 ① 事業別・地域別の成績事業別売上収益及び地域別の状況は、以下のとおりです。 (事業別売上収益の状況)事 業 別前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金属加工機械事業330,20183.3326,48574.6△1.1 (板金部門)(298,241)(75.2)(296,853)(67.8)(△0.5) (微細溶接部門)(31,959)(8.1)(29,632)(6.8)(△7.3)金属工作機械事業65,21316.488,34520.235.5 (切削・研削盤部門)(45,742)(11.5)(45,403)(10.4)(△0.7) (プレス部門)(19,471)(4.9)(42,942)(9.8)(120.5)その他(注)1,2550.322,5415.21,695.3合 計396,670100.0437,372100.010.3 (注) その他は、ビアメカニクス株式会社及び子会社7社の事業、遊休地の有効利用を目的としたショッピングセンター等の不動産賃貸事業等です。 (金属加工機械事業)売上収益は326,485百万円(前期比1.1%減)、営業利益は37,333百万円(前期比7.6%減)となりました。 <板金部門>地 域前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)売上収益(百万円)構成比(%)売上収益(百万円)構成比(%) 日 本102,21934.399,77433.6△2.4海 外196,02265.7197,07866.40.5(北米)(89,749)(30.1)(93,838)(31.6)(4.6)(欧州)(69,674)(23.3)(66,269)(22.3)(△4.9)(アジア他)(36,598)(12.3)(36,971)(12.5)(1.0)合 計298,241100.0296,853100.0△0.5 (注) 本表の地域別売上収益は、顧客の所在地別の売上収益です。(以下の表も同様。) 日本:配電盤・制御盤、サーバーラックなどデータセンター向けや半導体製造装置関連の設備投資は堅調に推移したものの、産業機械、工作機械、建設機械向けは軟調でした。その結果、売上収益は99,774百万円(前期比2.4%減)となりました。 北米:米国ではデータセンターやインフラ関連向けの設備投資需要が引き続き活況であり、着実に売上を伸ばしました。その結果、売上収益は93,838百万円(前期比4.6%増)となりました。 欧州:東欧では防衛やインフラ関連、自動化への投資が牽引したほか、イタリアではエネルギー関連向けが下支えするなど、一部で底堅い動きも見られました。しかし、地域全体としては輸出減少による景気低迷を背景とした設備投資の先送りが影響し、ドイツやフランス、北欧などで苦戦を強いられた結果、売上収益は66,269百万円(前期比4.9%減)となりました。 アジア他:米国関税や中国景気減退の影響から、総じて設備投資に慎重な姿勢が見られたものの、中国、インド、ベトナムにおいては、データセンター関連向けが堅調に推移しました。その結果、売上収益は36,971百万円(前期比1.0%増)となりました。 <微細溶接部門>地 域前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)売上収益(百万円)構成比(%)売上収益(百万円)構成比(%) 日 本4,51114.13,94913.3△12.5海 外27,44885.925,68286.7△6.4(北米)(11,961)(37.4)(8,939)(30.2)(△25.3)(欧州)(5,335)(16.7)(6,307)(21.3)(18.2)(アジア他)(10,152)(31.8)(10,435)(35.2)(2.8)合 計31,959100.029,632100.0△7.3 欧州では医療や航空・宇宙分野が好調に推移し、アジアではデータセンター関連の需要が牽引した一方で、世界的なEV市場の停滞に伴い、バッテリー関連投資が抑制されたことで売上収益は前期比で減収となりました。 (金属工作機械事業)売上収益は88,345百万円(前期比35.5%増)、営業利益は9,161百万円(前期比32.8%増)となりました。 <切削・研削盤部門>地 域前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)売上収益(百万円)構成比(%)売上収益(百万円)構成比(%) 日 本21,59347.220,07544.2△7.0海 外24,14852.825,32755.84.9合 計45,742100.045,403100.0△0.7 国内では資材高騰や人手不足による建設市場の停滞に加え、自動車関連市場における設備投資抑制の動きが継続しました。一方、海外では北米の大手鋼材流通業向けバンドソーマシンの販売が順調に推移したほか、欧州市場でも航空産業向けの難削材対応などブレードに回復の兆しが見られました。また、アジアを中心に半導体関連向けの研削盤の売上が堅調に推移しました。 <プレス部門>地 域前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)売上収益(百万円)構成比(%)売上収益(百万円)構成比(%) 日 本14,75075.826,71662.281.1海 外4,72024.216,22537.8243.7合 計19,471100.042,942100.0120.5 国内では資材の高騰やEV減速などの影響により自動車関連の設備投資が手控えられ軟調となりました。一方、海外では北米におけるデータセンター関連向け需要やリショアリングの進展に伴う自動機の導入が売上増に寄与したほか、医療向けばね成形機が業績を下支えしました。なお、2025年5月1日付でプレス事業に加わったエイチアンドエフグループは、自動車関連分野におけるサーボプレス等の大型案件が売上増加につながっております。 なお、各部門別の状況を合算した主要地域の状況は以下のとおりです。 (地域別売上収益の状況)地 域前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)売上収益(百万円)構成比(%)売上収益(百万円)構成比(%) 日 本144,31336.4156,07835.78.2海 外252,35763.6281,29364.311.5(北米)(113,559)(28.6)(120,592)(27.6)(6.2)(欧州)(83,609)(21.1)(82,383)(18.8)(△1.5)(アジア他)(55,188)(13.9)(78,317)(17.9)(41.9)合 計396,670100.0437,372100.010.3 ② 生産、受注及び販売の実績生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。(生産実績) 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金属加工機械事業134,24480.5132,96666.6(板金部門)(119,909)(71.9)(121,641)(60.9)(微細溶接部門)(14,335)(8.6)(11,325)(5.7)金属工作機械事業32,50919.548,85124.4(切削・研削盤部門)(20,612)(12.4)(20,098)(10.0)(プレス部門)(注)1(11,897)(7.1)(28,753)(14.4)その他(注)2--17,8979.0合計166,754100.0199,716100.0 (注)1.当連結会計年度において、2025年5月1日付で連結子会社化した株式会社エイチアンドエフ及び子会社4社の数値を含めております。2.当連結会計年度において、2025年7月1日付で連結子会社化したビアメカニクス株式会社及び子会社7社の数値を含めております。 (受注状況) 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)受注高受注残高受注高受注残高金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金属加工機械事業309,39283.0114,56884.9328,66871.9121,43557.4(板金部門)(281,292)(75.5)(105,088)(77.9)(297,675)(65.1)(109,995)(52.0)(微細溶接部門)(28,100)(7.5)(9,479)(7.0)(30,992)(6.8)(11,439)(5.4)金属工作機械事業62,22116.720,34715.192,73420.351,61824.4(切削・研削盤部門)(42,086)(11.3)(10,502)(7.8)(43,697)(9.6)(9,037)(4.3)(プレス部門)(注)1(20,134)(5.4)(9,845)(7.3)(49,037)(10.7)(42,581)(20.1)その他(注)21,2550.3--35,5907.838,37918.2合計372,869100.0134,916100.0456,993100.0211,433100.0 (注)1.当連結会計年度において、2025年5月1日付で連結子会社化した株式会社エイチアンドエフ及び子会社4社の数値を含めております。2.当連結会計年度において、2025年7月1日付で連結子会社化したビアメカニクス株式会社及び子会社7社の数値を含めております。 (販売実績) 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金属加工機械事業330,20183.3326,48574.6(板金部門)(298,241)(75.2)(296,853)(67.8)(微細溶接部門)(31,959)(8.1)(29,632)(6.8)金属工作機械事業65,21316.488,34520.2(切削・研削盤部門)(45,742)(11.5)(45,403)(10.4)(プレス部門)(注)1(19,471)(4.9)(42,942)(9.8)その他(注)21,2550.322,5415.2合計396,670100.0437,372100.0 (注)1.当連結会計年度において、2025年5月1日付で連結子会社化した株式会社エイチアンドエフ及び子会社4社の数値を含めております。2.当連結会計年度において、2025年7月1日付で連結子会社化したビアメカニクス株式会社及び子会社7社の数値を含めております。 (2) 財政状態財政状態の概要及び分析は以下のとおりです。 前連結会計年度末(2025年3月31日)当連結会計年度末(2026年3月31日)増減流動資産(百万円)414,511498,03483,523非流動資産(百万円)235,380274,07438,694総資産(百万円)649,891772,109122,217負債(百万円)126,141231,751105,609資本(百万円)523,750540,35816,608親会社所有者帰属持分比率79.9%69.4%△10.5%pt (総資産)当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比122,217百万円増加の772,109百万円となりました。流動資産は、企業買収に伴う連結範囲の拡大により、現金及び預金や棚卸資産が増加したことで、83,523百万円増加の498,034百万円となりました。非流動資産は、新たに連結対象となったグループ2社に係るのれん及び顧客関連資産等の無形資産を計上したことから、38,694百万円増加の274,074百万円となりました。 (負債及び資本)負債は、ビアメカニクス株式の取得に充てた借入金の増加により、前連結会計年度末と比べ105,609百万円増加の231,751百万円となりました。また資本についても、主に利益剰余金の増加や期末時点の円安による在外営業活動体の換算差額の増加などから、16,608百万円増加の540,358百万円となり、これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末と比べ79.9%から69.4%と10.5%pt減少しました。 (3) キャッシュ・フロー連結キャッシュ・フローの区分別状況は以下のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益、減価償却費などの収入に加え、前連結会計年度に比べ、既存事業での棚卸資産の増加抑制や営業債権の回収進展など、運転資本の効率的な管理が奏功し、58,065百万円の収入(前連結会計年度は、46,192百万円の収入)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、M&Aによる子会社化等の積極的な投資を実行した結果、25,168百万円の支出(前連結会計年度は、7,851百万円の収入)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、ビアメカニクス株式の取得に充てた短期借入金の増加などにより、13,741百万円の収入(前連結会計年度は、42,420百万円の支出)となりました。 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ48,785百万円増の153,626百万円となりました。 なお、連結キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。 2024年3月期2025年3月期2026年3月期親会社所有者帰属持分比率(%)77.879.969.4時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%)84.471.686.9キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)39.746.6160.6インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)163.1222.286.3 親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/総資産 時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い * 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。 * 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。* 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの主な資金の源泉は、営業活動からのキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、内部資金で構成され、運転資金や設備投資等の経常的な資金需要及びM&Aや株主還元といった機動的な資金需要に充当されています。このうち、金融機関からの借入については、主に事業資金への対応としてシンジケートローン及び銀行借入により調達しておりますが、その残高は現金及び現金同等物を下回る残高水準である事から、今後必要となる資金を適切に調達するうえで特段の問題は生じないものと考えています。加えて、格付投資情報センターより信用格付(A+安定的)を取得、維持しており、幅広い手段で低利で安定的な資金調達が実施可能であると認識しています。なお、日本、アメリカ、ヨーロッパ、中国にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しており、資金効率の向上、金融費用の抑制を図ると同時に、流動性確保の状況について継続的なモニタリングが可能な体制となっております。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針及び、将来に関する仮定及び報告期間末における見積りの不確実性の要因となる事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針及び4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
事業リスク
- 経済・市場環境の変動アマダグループの製品は、輸送機器、家電、情報通信機器など幅広い産業の生産設備として使われています。特定の産業の景気変動には強いものの、産業全体の設備投資が減少すると、製品の販売が落ち込み、業績に悪影響が出る可能性があります。
- 海外事業における地政学リスク売上収益の63.6%を海外で稼いでいるため、進出している国や地域の紛争、経済・政治情勢の変化、予期せぬ法規制の変更などが、事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、ロシア・ウクライナ情勢のような国際的な問題は、事業展開に不確実性をもたらします。
- 為替相場の変動と価格競争主に米ドルやユーロ建てで商品を輸出しているため、為替相場が大きく変動すると、円換算した際の売上や利益に影響が出たり、商品の価格競争力に変化が生じたりする可能性があります。また、市場での価格競争が激化すると、販売価格の維持が難しくなり、収益性が低下する恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの損失発生の防止及び損失の最小化を図ることを目的として「リスク管理基本規程」においてリスク管理に関する基本的な事項を定め、平常時から対応策を検討する等のリスク管理に努めております。内部統制・リスク管理委員会が当社グループのリスクを一元管理し全社的推進等を図り、個々のリスク管理は内部統制・リスク管理委員会の下部組織であるリスクマネジメント部会が、ヒト・モノ・カネ・情報等に係るグループレベルでの重要リスク管理シートに基づいたリスク評価と進捗状況を確認しております。これに加え、「サイバーセキュリティ委員会」、「輸出管理本部」、「統括安全衛生委員会」等の各専門委員会においてリスク管理を図っております。 また、緊急事態の発生時においては緊急対策本部等を設置して迅速に危機管理を行っております。(リスク管理活動の概要)リスクマネジメント部会又はリスク主管部署は、毎期リスクの見直しを行い、「損失規模」と「発生頻度」の観点から重要度を再評価し、主要リスクのリスクマップを作成しています。主要リスクの対応範囲や目標、期限等を明確にしたうえで各リスク対策を実施し、実施状況と効果等をモニタリングし必要な是正・改善を行います。識別されたリスク項目とその対策状況は内部統制・リスク管理委員会が全社的なリスク管理活動として一元管理し、主要リスク項目については取締役会へ報告されます。当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点で当社グループが判断したものであり、以下の記載事項は、当社グループの事業に関するすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) 経済及び市場環境の動向について当社グループの販売する商品は、生産設備として輸送機器・家電製品・情報通信機器・一般機械・建築資材など幅広い分野の製造工程において使用されております。その結果、特定の産業の景況変動の影響は受けにくい傾向にありますが、産業全体の設備投資動向等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 海外展開について当社グループは、市場のグローバル化に対応して、生産及び営業拠点を北米、欧州、アジア等の海外にも展開しており、連結売上収益に占める海外売上比率は、当連結会計年度で64.3%であります。このため、進出国における紛争(戦争、内乱、クーデター等)・テロ、経済動向及び政治・社会情勢の変化、予期せぬ法規制等の変更などにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 価格競争について当社グループが事業を展開する市場は、激しい価格競争下にあり、新商品の投入やソリューション提案型のエンジニアリングビジネスへの取り組みなどにより、適正な販売価格の維持に努めておりますが、競争のさらなる激化や長期化による販売価格の変動が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 為替相場の変動について当社グループは、主に米ドルやユーロの現地通貨建てで商品を輸出しております。このため、為替相場の変動に備えて、為替予約取引などによるリスクヘッジや海外での生産比率の向上に努めております。また、海外連結子会社の資産及び負債等が円換算されることから、想定以上に為替相場が変動した場合は、為替差損益の発生や商品競争力の変化により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 資材調達について当社グループは、部品や資材を複数の取引先から調達しております。これらは原材料価格や原油等のエネルギー価格の変動により、調達価格が大幅に変動する可能性があります。また業界の需給状況や調達先の事情、自然災害によって安定的な供給が困難になり、生産効率が低下することも想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 製品の品質について当社グループは、国際標準化機構(ISO)の品質マネジメントシステムに基づき、万全の品質管理体制を整え、製品の設計・製造を行い欠陥の発生を抑えるように努めており、設計審査(デザインレビュー)においては、リスクアセスメントや試作機による製品安全チェックを実施しております。しかしながら、万が一製品に欠陥が発生した際のリコール費用や、事故につながった場合の損害賠償請求費用が加入している保険等で補えない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 環境問題の対応について当社グループは、アマダグループ環境エコ委員会において気候変動を含む環境問題に対応し、環境保全に資する生産体制の構築や、商品・サービスの提供に心がけ、環境負荷の低減に努めております。環境に配慮した商品については、オイルやガスの使用量が少ない省資源機、騒音が小さい低騒音機、電気の使用量が少ない省エネ機等を社内基準により評価しアマダエコプロダクツとして市場投入しております。しかしながら各国の環境規制によっては、現在の商品の販売や部品の使用が困難になり、設計変更のための費用や研究開発費の増加につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 知的財産権について当社グループでは、新たな価値創造のために研究開発に重点をおき、そこで開発された技術やノウハウにおいては特許出願することで知的財産権の保護に努めております。しかしながら、これらの権利が第三者により侵害されることでの競争優位性の低下や、第三者から権利侵害を追及され、損害賠償請求や商品の販売差し止めを受けることで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 情報セキュリティについて当社グループでは、事業活動に必要な機密情報・個人情報などを保有しており、これら情報の機密保持については厳格な管理体制を構築しております。しかしながら、サイバー攻撃やコンピュータウィルスにより、不正アクセスが発生した場合は、当社グループの業務システムの停止や機密情報・個人情報の外部流出、信頼の低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは「サイバーセキュリティ委員会」を設置し、セキュリティリスクに備えるため、リスクアセスメント・対策計画作成・実行・報告を循環プロセスとして継続的に行い、グループ・グローバルのITガバナンスの強化をするとともに従業員のセキュリティレベルに合わせた教育や訓練を行い、セキュリティリテラシーの向上を行っています。 (10) 自然災害、広範囲な感染症の流行などについて当社グループは、生産及び営業拠点をグローバルに展開しております。それら周辺地域での地震・水害等の自然災害や広範囲な感染症の流行などにより甚大な被害が発生し、復旧、復興が長期化した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、事業継続計画(BCP)対策の一環として、伊勢原事業所内の一部の建物に免震装置の導入や防災エネルギーセンターの建設により自家発電設備、給水、食料備蓄などを整備しております。また、国内及び海外の製造拠点の拡充を推進し、生産活動や供給におけるリスク分散を図っております。 (11) 金融市場の変動について当社グループは、一部でキャッシュ・マネジメント・システムの導入などを行うことで有利子負債の最適化に取り組んでおりますが、大幅な金利の上昇は支払利息の増加につながります。一方で金利の低下や株式市場の変動により、保有する有価証券の利回りの低下や評価額の変動及び、制度資産の割引率への影響による退職給付費用や債務が増加することも想定されます。これらの要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 人材について当社グループは、製造・開発・販売等に携わる多様な人材を採用し育成することで、グローバルな事業活動の推進と競争力の維持向上を図っております。しかしながら、労働人口の減少、人々の働き方や生活スタイルに対する価値観の変化に伴い労働市場の流動化が進み、多様な社員が退職又は流出した場合には、競争力の低下により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。