6185

SMN(6185)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • マーケティングテクノロジー事業
    SMNグループは、主に「マーケティングテクノロジー事業」を展開しており、この単一セグメントで収益を上げています。具体的には、広告主の広告効果を最大化するための広告買い付けプラットフォーム「Logicad(ロジカド)」を中核としたアドテクノロジーサービスを提供しています。これは、ビッグデータ処理、人工知能、金融工学という3つの独自技術を駆使し、リアルタイムで広告枠を売買するRTB(Real Time Bidding)という手法を用いています。
  • デジタルマーケティング支援
    DSP「Logicad」の開発・運用で培った高度な技術と専門知識を活かし、広告主企業のデジタルマーケティング活動の内製化(インハウス化)を支援する「デジタルハウスエージェンシー」サービスも提供しています。これにより、広告主が自社で効率的かつ透明性の高いデジタルマーケティングを実行できるよう、戦略策定からデータ分析基盤の構築までをサポートし、収益源としています。
  • アフィリエイト・コンテンツ制作
    連結子会社のSMT株式会社は、厳選された媒体に限定して広告を掲載するクローズド型アフィリエイトサービス「SCAN(スキャン)」を提供し、広告主の投資効果最大化を支援しています。また、株式会社ASAはWebサイトやモバイルアプリケーションなどのデジタルコンテンツの制作・開発を手がけ、SMN株式会社自体もテレビCMメタデータの販売など、プロモーション関連サービスを提供しており、多角的な収益構造を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • マーケティングテクノロジー事業
    SMNグループの主要な収益源であり、唯一のセグメントです。この事業では、広告主の広告効果を最適化するDSP「Logicad」を中心に、アドテクノロジーサービスを提供しています。具体的には、ビッグデータ処理、人工知能、金融工学といった高度な技術を駆使し、リアルタイムで広告枠を売買するRTB(Real Time Bidding)という手法を用いて、広告主の広告配信を支援しています。
  • アドテクノロジーサービス
    このサービスには、DSP「Logicad」の提供と、広告主のデジタルマーケティング活動の内製化を支援する「デジタルハウスエージェンシー」が含まれます。Logicadは、独自AIによる高精度なターゲティングと、月間約10,469億件を超える入札リクエストを平均数ミリセカンドで処理するビッグデータ技術が特徴で、国内最大級のリーチ可能なユーザー層を有しています。デジタルハウスエージェンシーは、広告主が自社で効率的かつ透明性の高いマーケティングを実行できるよう、戦略策定からデータ分析基盤構築までをサポートします。
  • その他のソリューション
    連結子会社を通じて、クローズド型アフィリエイトサービス「SCAN」や、Webサイト・モバイルアプリケーションなどのデジタルコンテンツ制作・開発、テレビCMメタデータの販売なども行っています。また、テレビ番組表ポータル「テレビ王国」やインターネット利用支援ポータル「PreBell」の広告枠の企画・販売も手掛けており、多様なデジタルソリューションを提供することで、マーケティングテクノロジー事業を補完しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,508 文字
3【事業の内容】 当社グループは、「情報通信技術の進歩を人に優しいかたちにして、愉快なる未来を創る」というミッションのもと、ビッグデータ(注1)処理、人工知能、金融工学の3つのコアテクノロジーを源泉とした、アドテクノロジーのDSP(注2)「Logicad(ロジカド)」を中心とする「マーケティングテクノロジー事業」の単一セグメントを提供しております。主要なサービスは、1.アドテクノロジー、2.マーケティングソリューション、3.デジタルソリューション、4.その他の4つに大別され、2026年3月31日現在、当社ならびに連結子会社4社で構成されております。 当社グループは、これまで培ってきた大規模データ処理技術、AIを活用した広告配信・ターゲティング技術、独自プラットフォームの開発・運用力、広告運用及びデータ分析に関する知見を組み合わせ、クライアント及び広告代理店のデジタルマーケティング活動を支援しております。また、広告配信領域における提供価値に加え、広告運用の高度化、データ分析、効果測定、マーケティングPDCAの支援等を通じて、クライアントのマーケティング活動全体に対する支援領域を拡大しております。 1.アドテクノロジー DSP「Logicad」を中心とする広告配信サービス及びデジタルハウスエージェンシーを提供しています。 DSPは、Demand Side Platformの略で、RTB(注3)を活用し、クライアントの広告配信効果を最適化するための広告買付プラットフォームです。RTBは、広告枠をリアルタイムに売買する広告配信の入札手法であり、クライアントと媒体社は「インプレッション」(注4)ごとに「オークション形式」で取引を行うことを可能にするものです。クライアントはDSPを通じて「広告を配信するユーザー」、「広告を配信する媒体」、「広告を配信するタイミング」、「広告の配信量」、「広告枠の購入単価」をインプレッション単位で適切にコントロールすることにより、広告枠買付の投資効果を改善するとともに、広告効果に関する仮説検証を短期間に繰り返し行うことが可能となります。 当社が内製開発したDSP「Logicad」は、クライアント及び広告代理店に提供している広告配信プラットフォームです。Logicadの大きな特徴は、自社開発のAIを活用したターゲティング及び入札最適化機能、大規模な広告配信リクエストを高速かつ安定的に処理する基盤、並びに多様な媒体への接続を通じた広範な広告配信面にあります。2026年3月末現在、月間約10,968億件を超える入札リクエストに対して、3,400件を超える広告キャンペーン(注5)を運用していますが、各広告キャンペーンにおいて最適と予測した価格を瞬時に判断して応札しております。秒間最大48万件を超える膨大なオークション情報を平均数ミリセカンド(注6)でリアルタイムに処理するビッグデータ処理技術により、タイムアウト(注7)の発生を抑制し、安定した広告配信を実現しております。 また、当社グループは、テレビ視聴データ、属性・行動データ、購買データ等の多様なデータとの連携を通じて、広告配信ターゲティング及び効果分析の高度化に取り組んでおります。これにより、クライアントは、自社の商品・サービスに関心を持つ可能性の高いユーザーに対し、より適切なタイミングで広告を配信することが可能となります。 デジタルハウスエージェンシーはDSP「Logicad」の開発・運用を通じて培ってきた高度なテクノロジーと専門的な広告運用知見を最大限に活用し、クライアントのデジタルマーケティング活動の内製化及び高度化を支援するサービスです。現在、多くのクライアントが、データのサイロ化、ブラックボックス化、局所最適の限界といったマーケティング上の課題を抱えております。 当社のデジタルハウスエージェンシーは、クライアントの抱える課題を克服するために、自社プロダクトの開発・運用で培った技術力、AI技術、ビッグデータ処理、データ可視化、広告運用及び効果分析に関する知見を活用し、戦略策定支援、広告運用設計、データ分析基盤の構築、効果測定、改善施策の実行支援及びノウハウ移転等を提供しております。これにより、クライアントが自社で有するデータに基づいた効率的かつ透明性の高いデジタルマーケティングの実行を支援し、企業の経営に直結するマーケティング意思決定の高度化を実現し、顧客の持続的な事業成長に貢献しております。 2.マーケティングソリューション 連結子会社のSMT株式会社はクローズド型アフィリエイトサービス「SCAN(スキャン)」を提供しております。アフィリエイトサービスとは、インターネット上で商品やサービスを販売しているクライアントの広告を、WEBサイトやスマートフォンアプリ等の媒体に掲載し、広告掲載の成果(商品購入、会員登録の実績等)に応じて報酬を得るサービスです。 当社のクローズド型アフィリエイトサービス「SCAN」は、当社の独自の審査により厳選した媒体に限定した広告掲載を通じて、広告品質の管理及び成果に応じた効率的な広告出稿を図り、クライアントの投資効果の最大化を支援しております。 3.デジタルソリューション 連結子会社の株式会社ASAはWebサイト、モバイル(Webアプリケーションなど)をはじめとするデジタルコンテンツの制作及び開発を行っております。SMN株式会社では全国各地のテレビCMメタデータの販売などのプロモーション関連領域のサービスを提供しています。 なお、連結子会社であったルビー・グループ株式会社では、ラグジュアリーブランド向けEコマースの構築・運営・コンサルティングを提供しておりましたが、前連結会計年度において株式譲渡を実施し、連結の範囲から除外しております。 4.その他 テレビ番組表ポータル「テレビ王国」の広告枠の企画及び販売事業、キャラクター「PostPet」のライセンス事業、アーティストやキャラクター等、IP(知的財産)の価値を最大化するIPプロデュース事業等を行っています。 5.用語注1.ビッグデータ従来のデータベース管理システムなどでは処理することが困難なほど巨大で複雑なデータ集合の集積物。2.DSP(Demand Side Platform)広告主の広告配信効果を最適化するための広告買付プラットフォーム。媒体側の広告収益の最大化を支援するプラットフォームであるSSP(Supply Side Platform)と対になる仕組みであり、両者はRTB(Real Time Bidding)を通して、広告枠の売買をリアルタイムに行っている。「Logicad(ロジカド)」の場合、2026年3月末現在、複数のSSPと接続しており、月間約10,968億件を超えるリクエストを処理している。3.RTB(Real Time Bidding)媒体を閲覧したユーザーの1インプレッション毎にインターネット広告枠の売買がリアルタイムにオークション形式で行われる仕組み。4.インプレッション媒体に掲載される広告の効果を計る指標の一つで、広告の掲載回数のこと。媒体にユーザーが訪れ、広告が1回表示されることを1インプレッションという。5.広告キャンペーン広告主から受託した広告を管理するための単位で、商品やサービス毎に広告キャンペーンを作成しており、広告キャンペーン毎に予算やターゲットユーザー、地域などを設定。「Logicad」の場合、同一商材であっても、PC向けとスマートフォン向けの広告で別の広告キャンペーンとしてカウントしている。6.ミリセカンド時間の単位のひとつで、1,000分の1秒のこと。「Logicad」の場合、2026年3月末現在、秒間最大48万件を超えるオークション情報を平均数ミリセカンドでリアルタイムに処理している。7.タイムアウトSSPが受け付ける各DSPによるオークションの入札期限のこと。「Logicad」の場合、2026年3月末現在、平均数ミリセカンドでの入札を実現することで、タイムアウトによる広告出稿機会のロスを防いでいる。 6.事業系統図以上の内容を事業系統図に示すと、次のとおりであります。 (注)親会社であるソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社とは、当社グループサービスのアドテクノロジーにおいて取引を行っており、「Logicad」の広告枠の販売、デジタルハウスエージェンシーの提供を行っております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
独自開発の人工知能、ビッグデータ処理技術、国内最大級のリーチ可能なユーザー層
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
独自開発の人工知能、ビッグデータ処理技術、金融工学の3つのコアテクノロジー
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:インターネット広告市場の景気変動と技術変化 / プログラマティック広告取引の将来性の不透明さ / 技術革新への対応遅れによる競争力低下
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

SMNはデジタルマーケティング支援事業を展開しており、特定の強力なブランドや特許、規制ライセンス、独占的IPといった無形資産の優位性は現時点では明確に確認できない。事業の性質上、技術革新やサービス内容の差別化が重要となるが、それが持続的な無形資産に繋がっているかは不明瞭。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

デジタルマーケティング支援は、顧客企業が広告運用や効果測定のツール・手法を変更する際に、一定の学習コストやシステム連携の手間が発生する可能性がある。しかし、SMNのサービスが顧客の基幹システムと深く統合されているわけではなく、競合他社への乗り換え障壁は限定的と考えられる。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

デジタルマーケティングプラットフォームの利用において、広告主やメディアが増えることでプラットフォームの価値が高まる側面は理論上存在する。しかし、SMNの事業モデルが直接的なネットワーク効果を生み出す構造(例:SNSプラットフォーム)ではなく、その効果は限定的と推測される。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

デジタルマーケティング支援業界は競争が激しく、価格競争に陥りやすい。SMNが他社と比較して構造的に低いコストでサービスを提供できるような、規模の経済や独自の効率化によるコスト優位性は現時点では見られない。むしろ、人件費や広告費の変動が収益に影響しやすい。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

SMNはデジタルマーケティング支援分野で一定の事業規模を有しているが、業界全体で見ると多数のプレイヤーが存在する競争環境にある。特定のニッチ市場で圧倒的なシェアを持つわけではなく、効率規模による寡占状態を形成しているとは言えない。

  • 独自AIによる高精度ターゲティング
    SMNのDSP「Logicad」は、独自開発の人工知能(AI)を活用し、精度の高いターゲティングを実現しています。これにより、広告主は自社の広告を最も効果的なタイミングで、最も関心の高いユーザーに届けることが可能となり、広告効果の最大化に貢献しています。このAI技術は、競合他社との差別化要因となっています。
  • ビッグデータ処理技術と安定性
    月間約10,469億件を超える入札リクエストと3,200件以上の広告キャンペーンを運用する中で、秒間最大48万件を超える膨大なオークション情報を平均数ミリセカンドでリアルタイムに処理するビッグデータ処理技術を有しています。この高い処理能力と安定性は、タイムアウトによる広告出稿機会のロスを防ぎ、広告主の機会損失を最小限に抑えることで、サービス品質の優位性を確立しています。
  • 国内最大級のリーチ可能なユーザー層
    多くのウェブサイトと接続することで、国内最大級のリーチ可能なユーザー層を確保している点が強みです。これにより、「Logicad」を利用する広告主は、幅広い潜在顧客に対して広告を配信することができ、広告キャンペーンの規模や目的に応じた柔軟な対応が可能となります。この広範なネットワークは、競合に対する優位性をもたらしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、ビッグデータ処理、人工知能、金融工学の3つのコアテクノロジーを軸に「情報通信技術の進歩を人に優しいかたちにして、愉快なる未来を創る」というミッションのもと、発想力と技術力を磨き、新しい事業を次々生み出すべく、尽力してまいります。 当社グループは、「最先端のデータサイエンスとビッグデータを駆使してクライアントのデジタルマーケティング領域の課題を解決する総合デジタルマーケティングテクノロジー企業」となることを目指す姿として掲げております。 この目指す姿を実現するために、当社グループが長年にわたって培ってきた、AI・データ・プラットフォーム・コンサルティングといったコア・コンピタンスを活用・拡大するとともに、ソニーグループとの連携を更に深化させてまいります。これにより、マーケティング活動の一部分を担う広告配信プラットフォームから、クライアントのマーケティング全体を最適化する事業成長インフラへと提供価値を転換し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営戦略等 当社グループは、2026年4月、新たに「2030に向けたビジョンと中期経営計画2026-2028」を策定いたしました。本計画は、2031年3月期における売上高200億円の達成を見据えた最初の3カ年計画であり、最終年度である2029年3月期に売上高160億円、営業利益12億円、ROE15%を達成することを目標としております。 当社グループは、当該目標の達成に向けて、事業戦略と経営基盤戦略の両面から取組みを推進してまいります。事業戦略においては、2027年3月期よりサービス区分を再定義し、「アドプラットフォーム」と「デジタルマーケティング支援」を中心とする事業構造へ整理いたします。アドプラットフォームにおいては、独自データとAIを活用した独立アドプラットフォームとしての競争力を高め、デジタルマーケティング支援においては、広告運用の内製化支援、統合分析、マーケティングPDCAの高度化等を通じて、クライアントの成長に深くコミットする伴走型パートナーへの進化を図ってまいります。 また、当社グループのコア・コンピタンスの拡大とソニーグループとの連携深化を軸として、新規事業創出、M&A並びに業務・資本提携の検討を進め、既存事業の強化に加えて新たな成長領域の創出に取り組んでまいります。経営基盤戦略においては、全社横断でのAI活用による経営効率化、人的資本への投資、実効性のあるコーポレート・ガバナンスの強化、及び資本コストを意識した経営の推進により、中長期的な企業価値の最大化を目指してまいります。 (3) 経営環境 当社グループが事業を展開しているインターネット広告市場は、引き続き拡大を続けております。「2025年日本の広告費」(株式会社電通調べ)によると、2025年のインターネット広告費は、SNS上の縦型動画広告やコネクテッドTV等の動画広告需要の高まり等が市場全体の拡大に寄与し、前年から10.8%増加して4兆459億円となりました。初の4兆円を超え、日本の総広告費に占める構成比が50.2%と初めて過半数に達しました。 一方で、当社グループを取り巻く事業環境は、生成AIの急速な進展、AIエージェントの広告運用への浸透、プライバシー規制の強化、巨大プラットフォームによる市場寡占、生活者の検索・購買行動の変容、広告チャネル及びメディア接触の分散等により、大きく変化しております。また、クライアントにおいては、広告投資の費用対効果や顧客生涯価値(LTV)の可視化、ポストクッキー環境における自社データの利活用、ブランドセーフティへの対応等に対するニーズが高まっております。 このような環境のもと、当社グループは、技術革新や市場環境の変化に迅速に対応し、AI、データ、独自プラットフォーム及びコンサルティング機能を組み合わせた提供価値の高度化を進めてまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 生成AIの台頭やAIエージェントの浸透等、マーケティングテクノロジーにおける技術革新への適応 生成AIの急速な進展及びAIエージェントの普及により、広告配信、クリエイティブ制作、運用、分析、改善提案等の各プロセスにおいて、AIを前提とした競争環境への移行が進んでおります。また、生活者の検索行動や広告接点の変化、広告運用の自動化・高度化により、クライアントのマーケティング課題に対して、従来以上に高度かつ迅速な対応が求められております。 当社グループは、長年培ってきた大規模データ処理技術、広告配信AI技術、リコメンドAI技術及び生成AI活用の知見を融合し、広告配信から分析、運用改善までを一体で支援する機能の高度化を進めてまいります。特に、AIエージェントの活用による運用PDCAの効率化・高品質化、自社開発基盤の継続的な機能強化、独自データとAIを組み合わせたターゲティング精度の向上に取り組み、マーケティングテクノロジー領域における競争力の維持・強化を図ってまいります。 ② プライバシー規制強化への対応とデータ利活用戦略の推進 プライバシー保護に対する社会的要請の高まりや関連法規制の強化により、第三者データやクッキーに依存した従来型のマーケティング手法には制約が生じつつあります。一方で、クライアントにおいては、広告効果の最大化、マーケティング投資の最適化、ポストクッキー環境における自社データ活用へのニーズが高まっており、プライバシーに配慮したデータ利活用基盤の重要性が一層増しております。 当社グループは、法令・規制への対応及びデータガバナンスの強化を徹底した上で、テレビ視聴データ、属性・行動データ、オフライン購買データ等の多様なデータとの連携を推進し、広告配信ターゲティング及び効果分析の精度向上に取り組んでまいります。また、クライアント保有データを含む各種データの統合・分析支援を通じて、クライアントのマーケティングプロセス全体を支えるデータ利活用戦略を推進してまいります。 ③ 広告投資の可視化等、広告主企業のニーズ変化に伴うソリューション進化 デジタル広告市場の拡大と広告チャネルの多様化に伴い、クライアントにおいては、広告投資の費用対効果の可視化、顧客生涯価値を重視した施策評価、ブランドセーフティへの対応、複数媒体を横断した効果分析等へのニーズが高まっております。これに伴い、広告運用の代行に留まらず、マーケティング全体の意思決定を支援する高度なソリューション提供が重要な課題となっております。 当社グループは、広告運用の内製化支援、データ分析・基盤構築、統合PDCAプラットフォームの提供、AIエージェントを活用した分析・提言機能の高度化等を通じて、クライアントの成長に深くコミットする伴走型パートナーへの進化を目指してまいります。これらの取組みにより、提供価値の高度化と高付加価値サービスの拡大を図り、収益基盤の拡充及び収益性の向上につなげてまいります。 ④ 技術進化を牽引する専門人材の育成と組織基盤の強化 マーケティングテクノロジー領域では、AI、データ、プラットフォーム開発、コンサルティング等の専門性が競争力を左右する重要な要素となっております。当社グループが技術革新に対応し、広告配信プラットフォームからクライアントのマーケティング全体を最適化する事業成長インフラへの転換を進めるためには、これらの領域を牽引する専門人材の確保・育成に加え、多様な人材が能力を最大限に発揮できる組織基盤の整備が不可欠であると認識しております。 当社グループは、人的資本への投資を成長投資と位置付け、エンジニア、データサイエンティスト、マーケティングコンサルタント等の専門人材の採用・育成を強化してまいります。あわせて、研修制度やキャリア開発支援の拡充、AI活用による定型業務の削減、ナレッジ共有及び業務プロセスの標準化を進め、創出した人材・時間を高付加価値業務及び成長領域へ再配分することで、一人当たり生産性の向上と持続的な企業価値向上に努めてまいります。 (5) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、継続的な成長及び資本効率の向上を目指しており、売上高、営業利益及びROEを重要な経営指標としております。2026年4月に策定した中期経営計画においては、最終年度である2029年3月期に売上高160億円、営業利益12億円、ROE15%を達成することを目標としております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、ビッグデータ処理、人工知能、金融工学の3つのコアテクノロジーを軸に「情報通信技術の進歩を人に優しいかたちにして、愉快なる未来を創る」というミッションのもと、発想力と技術力を磨き、新しい事業を次々生み出すべく、尽力してまいります。 当社グループは、「最先端のデータサイエンスとビッグデータを駆使してクライアントのデジタルマーケティング領域の課題を解決する総合デジタルマーケティングテクノロジー企業」となることを目指す姿として掲げております。 この目指す姿を実現するために、当社グループが長年にわたって培ってきた、AI・データ・プラットフォーム・コンサルティングといったコア・コンピタンスを活用・拡大するとともに、ソニーグループとの連携を更に深化させてまいります。これにより、マーケティング活動の一部分を担う広告配信プラットフォームから、クライアントのマーケティング全体を最適化する事業成長インフラへと提供価値を転換し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営戦略等 当社グループは、2026年4月、新たに「2030に向けたビジョンと中期経営計画2026-2028」を策定いたしました。本計画は、2031年3月期における売上高200億円の達成を見据えた最初の3カ年計画であり、最終年度である2029年3月期に売上高160億円、営業利益12億円、ROE15%を達成することを目標としております。 当社グループは、当該目標の達成に向けて、事業戦略と経営基盤戦略の両面から取組みを推進してまいります。事業戦略においては、2027年3月期よりサービス区分を再定義し、「アドプラットフォーム」と「デジタルマーケティング支援」を中心とする事業構造へ整理いたします。アドプラットフォームにおいては、独自データとAIを活用した独立アドプラットフォームとしての競争力を高め、デジタルマーケティング支援においては、広告運用の内製化支援、統合分析、マーケティングPDCAの高度化等を通じて、クライアントの成長に深くコミットする伴走型パートナーへの進化を図ってまいります。 また、当社グループのコア・コンピタンスの拡大とソニーグループとの連携深化を軸として、新規事業創出、M&A並びに業務・資本提携の検討を進め、既存事業の強化に加えて新たな成長領域の創出に取り組んでまいります。経営基盤戦略においては、全社横断でのAI活用による経営効率化、人的資本への投資、実効性のあるコーポレート・ガバナンスの強化、及び資本コストを意識した経営の推進により、中長期的な企業価値の最大化を目指してまいります。 (3) 経営環境 当社グループが事業を展開しているインターネット広告市場は、引き続き拡大を続けております。「2025年日本の広告費」(株式会社電通調べ)によると、2025年のインターネット広告費は、SNS上の縦型動画広告やコネクテッドTV等の動画広告需要の高まり等が市場全体の拡大に寄与し、前年から10.8%増加して4兆459億円となりました。初の4兆円を超え、日本の総広告費に占める構成比が50.2%と初めて過半数に達しました。 一方で、当社グループを取り巻く事業環境は、生成AIの急速な進展、AIエージェントの広告運用への浸透、プライバシー規制の強化、巨大プラットフォームによる市場寡占、生活者の検索・購買行動の変容、広告チャネル及びメディア接触の分散等により、大きく変化しております。また、クライアントにおいては、広告投資の費用対効果や顧客生涯価値(LTV)の可視化、ポストクッキー環境における自社データの利活用、ブランドセーフティへの対応等に対するニーズが高まっております。 このような環境のもと、当社グループは、技術革新や市場環境の変化に迅速に対応し、AI、データ、独自プラットフォーム及びコンサルティング機能を組み合わせた提供価値の高度化を進めてまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 生成AIの台頭やAIエージェントの浸透等、マーケティングテクノロジーにおける技術革新への適応 生成AIの急速な進展及びAIエージェントの普及により、広告配信、クリエイティブ制作、運用、分析、改善提案等の各プロセスにおいて、AIを前提とした競争環境への移行が進んでおります。また、生活者の検索行動や広告接点の変化、広告運用の自動化・高度化により、クライアントのマーケティング課題に対して、従来以上に高度かつ迅速な対応が求められております。 当社グループは、長年培ってきた大規模データ処理技術、広告配信AI技術、リコメンドAI技術及び生成AI活用の知見を融合し、広告配信から分析、運用改善までを一体で支援する機能の高度化を進めてまいります。特に、AIエージェントの活用による運用PDCAの効率化・高品質化、自社開発基盤の継続的な機能強化、独自データとAIを組み合わせたターゲティング精度の向上に取り組み、マーケティングテクノロジー領域における競争力の維持・強化を図ってまいります。 ② プライバシー規制強化への対応とデータ利活用戦略の推進 プライバシー保護に対する社会的要請の高まりや関連法規制の強化により、第三者データやクッキーに依存した従来型のマーケティング手法には制約が生じつつあります。一方で、クライアントにおいては、広告効果の最大化、マーケティング投資の最適化、ポストクッキー環境における自社データ活用へのニーズが高まっており、プライバシーに配慮したデータ利活用基盤の重要性が一層増しております。 当社グループは、法令・規制への対応及びデータガバナンスの強化を徹底した上で、テレビ視聴データ、属性・行動データ、オフライン購買データ等の多様なデータとの連携を推進し、広告配信ターゲティング及び効果分析の精度向上に取り組んでまいります。また、クライアント保有データを含む各種データの統合・分析支援を通じて、クライアントのマーケティングプロセス全体を支えるデータ利活用戦略を推進してまいります。 ③ 広告投資の可視化等、広告主企業のニーズ変化に伴うソリューション進化 デジタル広告市場の拡大と広告チャネルの多様化に伴い、クライアントにおいては、広告投資の費用対効果の可視化、顧客生涯価値を重視した施策評価、ブランドセーフティへの対応、複数媒体を横断した効果分析等へのニーズが高まっております。これに伴い、広告運用の代行に留まらず、マーケティング全体の意思決定を支援する高度なソリューション提供が重要な課題となっております。 当社グループは、広告運用の内製化支援、データ分析・基盤構築、統合PDCAプラットフォームの提供、AIエージェントを活用した分析・提言機能の高度化等を通じて、クライアントの成長に深くコミットする伴走型パートナーへの進化を目指してまいります。これらの取組みにより、提供価値の高度化と高付加価値サービスの拡大を図り、収益基盤の拡充及び収益性の向上につなげてまいります。 ④ 技術進化を牽引する専門人材の育成と組織基盤の強化 マーケティングテクノロジー領域では、AI、データ、プラットフォーム開発、コンサルティング等の専門性が競争力を左右する重要な要素となっております。当社グループが技術革新に対応し、広告配信プラットフォームからクライアントのマーケティング全体を最適化する事業成長インフラへの転換を進めるためには、これらの領域を牽引する専門人材の確保・育成に加え、多様な人材が能力を最大限に発揮できる組織基盤の整備が不可欠であると認識しております。 当社グループは、人的資本への投資を成長投資と位置付け、エンジニア、データサイエンティスト、マーケティングコンサルタント等の専門人材の採用・育成を強化してまいります。あわせて、研修制度やキャリア開発支援の拡充、AI活用による定型業務の削減、ナレッジ共有及び業務プロセスの標準化を進め、創出した人材・時間を高付加価値業務及び成長領域へ再配分することで、一人当たり生産性の向上と持続的な企業価値向上に努めてまいります。 (5) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、継続的な成長及び資本効率の向上を目指しており、売上高、営業利益及びROEを重要な経営指標としております。2026年4月に策定した中期経営計画においては、最終年度である2029年3月期に売上高160億円、営業利益12億円、ROE15%を達成することを目標としております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当社グループが事業を展開しているインターネット広告市場は、引き続き拡大を続けています。「2025年日本の広告費」(株式会社電通調べ)によると、2025年のインターネット広告費は、SNS上の縦型動画広告やコネクテッドTV等の動画広告需要の高まり等が市場全体の拡大に寄与し、前年から10.8%増加して4兆459億円となりました。初の4兆円を超え、日本の総広告費に占める構成比が50.2%と初めて過半数に達しました。 このような経営環境のもと、当社グループは、「発想力と技術力で社会にダイナミズムをもたらすユニークな事業開発会社になる」という経営理念のもと、2026年3月期は「最先端のデータサイエンスとビッグデータを駆使してクライアントのデジタルマーケティング領域の課題を解決する総合デジタルマーケティングテクノロジー企業」となることを目指す姿として掲げ、目指す姿の実現に向けて3つの取り組みを進めてまいりました。1つ目は事業毎の収益性・成長性の向上×総合シナジーの追求、2つ目はソニーグループ連携の更なる深化と新規事業創造による成長、3つ目は成長を支える強靭な経営基盤の確立です。売上高においては、アドテクノロジーの増収により、当連結会計年度では増収となりました。営業利益、経常利益は、既存事業の業績回復により増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益、経常利益の黒字幅の増加による影響で増益となりました。 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ586,014千円増加し、6,549,053千円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ157,538千円増加し、2,140,467千円となりました。 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ428,476千円増加し、4,408,586千円となりました。 b.経営成績 当連結会計年度の経営成績は、売上高は12,348,427千円(前期比6.1%増)、営業利益は561,005千円(前期比134.6%増)、経常利益は540,905千円(前期比227.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は434,953千円(前期比49.1%増)となりました。 当社グループはマーケティングテクノロジー事業の単一セグメントでありますが、取扱いサービス別の売上高の概況は次のとおりであります。 1.アドテクノロジー クライアントの広告配信効果を最適化するための広告買付プラットフォームであるDSP「Logicad」の提供を行っております。また、前期よりクライアントのデジタル広告・デジタルマーケティングを総合的に支援するデジタルハウスエージェンシーの提供を開始しています。当連結会計年度は、デジタルハウスエージェンシーの支援拡充等の影響により、アドテクノロジーの売上は前期比13.6%増の11,093,278千円となりました。 2.マーケティングソリューション クライアントと媒体を限定したクローズド型アフィリエイト「SCAN(スキャン)」の提供を行っています。当連結会計年度は、クライアント及び媒体運営業者の開拓に努めましたが、ASP領域の競争環境激化による一部カテゴリでの販売不調の影響等により、マーケティングソリューションの売上は前期比57.1%減の211,692千円となりました。 3.デジタルソリューション 連結子会社の株式会社ASAではWebサイト、モバイル(Webアプリケーションなど)をはじめとするデジタルコンテンツの制作及び開発を行っています。SMN株式会社では全国各地のテレビCMメタデータの販売などのプロモーション関連領域のサービスを提供しています。なお、前連結会計年度においてルビー・グループ株式会社の全株式を譲渡したため、連結の範囲から除外しております。以上の結果、当連結会計年度では、ASAでは増収したものの、ルビー・グループ株式会社の株式譲渡に伴う減収により、デジタルソリューションの売上高は前期比28.0%減の928,571千円となりました。 4.その他 テレビ番組表ポータル「テレビ王国」の広告枠の企画及び販売事業、キャラクター「PostPet」のライセンス事業、アーティストやキャラクター等、IP(知的財産)の価値を最大化するIPプロデュース事業等を行っています。当連結会計年度では、IPプロデュース事業の売上増加等の影響により、その他の売上高は前期比26.2%増の114,885千円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動による収入が投資活動及び財務活動による支出を上回ったため、前連結会計年度末に比べ711,863千円増加し3,187,997千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動においては、税金等調整前当期純利益540,905千円、減価償却費521,479千円を計上し、また、売上債権が92,366千円減少、仕入債務が97,322千円増加、法人税等の支払額37,365千円がありました。その結果、営業活動により得られた資金は1,199,347千円となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動においては、ソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出が415,264千円、造作・サーバー等の有形固定資産の取得による支出が47,041千円となりました。その結果、投資活動により使用した資金は475,115千円となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動においては、長期借入金の返済による支出が12,420千円となりました。その結果、財務活動により減少した資金は12,483千円となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績 当社グループは、マーケティングテクノロジー事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載は省略しております。 a.生産実績 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 b.受注実績 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。サービスの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)販売高(千円)前年同期比(%)アドテクノロジー11,093,278113.6%マーケティングソリューション211,69242.9%デジタルソリューション928,57172.0%その他114,885126.2%合計12,348,427106.1%(注)1.サービス間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社3,307,10728.44,370,21235.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。(繰延税金資産) 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1) 財政状態(資産合計) 当連結会計年度末における流動資産は、4,999,758千円となり、前連結会計年度末に比べ621,856千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が711,863千円増加した一方で、売掛金が92,366千円減少したことによるものであります。固定資産は1,549,294千円となり、前連結会計年度末に比べ35,841千円減少いたしました。これは主に、ソフトウエアが60,255千円減少した一方で、敷金が13,189千円増加したことによるものであります。 その結果、総資産は6,549,053千円となり、前連結会計年度末に比べ586,014千円増加いたしました。 (負債合計) 当連結会計年度末における流動負債は2,007,040千円となり、前連結会計年度末に比べ147,031千円増加いたしました。これは主に、買掛金が97,322千円、未払法人税等が93,226千円増加した一方で、未払消費税等が20,023千円減少したことによるものであります。固定負債は133,426千円となり、前連結会計年度末に比べ10,506千円増加いたしました。これは主に、資産除去債務が20,353千円増加したことによるものであります。 その結果、負債合計は2,140,467千円となり、前連結会計年度末に比べ157,538千円増加いたしました。 (純資産合計) 当連結会計年度末における純資産合計は4,408,586千円となり、前連結会計年度末に比べ428,476千円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が434,953千円増加したことによるものであります。 その結果、自己資本比率は67.3%(前連結会計年度末は66.7%)となりました。 2) 経営成績(売上高) アドテクノロジーの増収により、当連結会計年度は増収となりました。この結果、売上高は12,348,427千円となりました。 (売上原価、売上総利益)売上原価は9,870,951千円となりました。これは主に売上の増加にともなう仕入費用の増加によるものです。この結果、売上総利益は2,477,476千円となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益) 販売費及び一般管理費は1,916,471千円となりました。これは主に事業再編の実施にともなう給与等の減少によるものです。この結果、営業利益は561,005千円となりました。営業外収益は9,923千円、営業外費用は30,023千円発生しており、経常利益は540,905千円となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 営業利益、経常利益の黒字幅の増加による影響で、親会社株主に帰属する当期純利益は434,953千円となりました。 当社グループはマーケティングテクノロジー事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の区分による分析は省略しております。 3) キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.資本の財源及び資金の流動性(資金需要) 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、広告枠の仕入費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としては、主にソフトウエア開発にかかる無形固定資産投資、サーバー等の有形固定資産の取得によるものであります。(財務政策) 当社グループは、運転資金及び設備資金については主に、内部資金により調達しております。また、金融上のリスクに対応するため主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結することで、手許流動性を確保しております。 c.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況 当連結会計年度は、売上高はアドテクノロジーの増収により、期初計画を上回って着地いたしました。営業利益は、マーケティングテクノロジー事業の回復により、期初計画を上回って着地いたしました。期初計画に比べ、売上は348百万円(+2.9%)増加し12,348百万円、営業利益は161百万円(+40.2%)増加し561百万円となりました。 指標2026年3月期(実績)2026年3月期(期初計画)2026年3月期(期初計画比)売上高12,348百万円12,000百万円348百万円(102.9%)営業利益561百万円400百万円161百万円(140.2%) (3)経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、システム等、事業運営体制、その他、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。 そのため、当社グループは常に市場動向を留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズにあったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。 (4)経営戦略の現状と見通し 当社グループは、「発想力と技術力で社会にダイナミズムをもたらすユニークな事業開発会社になる」という経営理念のもと、更なる企業価値の向上に努めてまいります。 2026年4月、新たに「2030に向けたビジョンと中期経営計画2026-2028」を策定いたしました。2031年3月期の売上高200億円の達成を見据え、2029年3月期に売上高160億円、営業利益12億円、ROE15%を目標としております。当社グループは、AI・データ・プラットフォーム・コンサルティングのコア・コンピタンスの活用・拡大し、ソニーグループ連携をより深化することにより、クライアントのマーケティング活動の一部にとどまる広告配信プラットフォームからクライアントのマーケティング全体を最適化する事業成長インフラへ転換し、非連続的な成長を実現することを目指します。 具体的には、「アドプラットフォーム」と「デジタルマーケティング支援」を軸にサービス区分を再定義し、独自データとAIで差異化された独立アドプラットフォームの提供、AIエージェントによる広告運用PDCAの高度化、クライアントの成長に深くコミットする伴走型支援、新規事業創出並びにM&A及び業務・資本提携の検討を推進してまいります。また、全社横断でのAI活用による経営効率化、人的資本への投資、実効性のあるコーポレート・ガバナンス及び資本コストを意識したキャピタルアロケーションにより、成長を支える経営基盤の強化に取り組んでまいります。 事業環境の見通しにつきましては、生成AIの急速な進展、広告効果に対する説明責任の高まり、生活者の検索・購買行動の変容、プライバシー規制の強化、広告チャネル及びメディア接触の分散等により、クライアントが直面するマーケティング領域の課題は一層複雑化・多様化するものと認識しております。このような環境のもと、当社グループの強みを成長領域へ重点的に投入し、成長性と収益性の向上に努めてまいります。 (5)経営者の問題認識と今後の方針について 当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報にもとづき最善の経営方針を立案し、社会貢献を前提として企業価値を最大限に高めるべく努めております。経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

事業リスク

  • インターネット広告市場の変動
    SMNグループの主要事業はインターネット広告市場に依存しており、景気変動によって広告主の支出が増減するため、業績が影響を受けやすい傾向にあります。また、技術や顧客ニーズ、競争が急速に変化する業界であるため、新しいサービスや競合の出現に迅速に対応できない場合、事業や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • プログラマティック広告の不確実性
    コアプロダクトであるDSP「Logicad」は、RTB(リアルタイム入札)によるプログラマティック広告取引に特化していますが、一部メディアでは従来の広告取引への回帰が見られるなど、その将来性には不透明な部分があります。今後、プログラマティック広告の普及や利用が想定通りに進まない場合、SMNグループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 技術革新への対応遅れ
    SMNグループはビッグデータ処理、人工知能、金融工学の専門家を擁し、新技術開発に積極的に取り組んでいますが、急激な環境変化への対応が遅れた場合、サービスの陳腐化や競争力低下を招く恐れがあります。また、対応できたとしても多大な費用や投資が発生する可能性があり、これらが事業や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|7,917 文字
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業環境に関するリスクについて① インターネット広告市場について 当社グループのマーケティングテクノロジー事業は、インターネット広告市場を主たる事業対象としておりますが、広告業界においては、景気動向によって広告への支出を増減させる広告主が多いため、景気変動の影響を受けやすい傾向にあります。また、インターネット広告業界においては、技術、顧客ニーズ及び競争が急速に変化することから、頻繁に新しい商品及びサービスの導入、新たな競争相手等が出現しており、当社グループにおいてもこれらの変化等に迅速に対応していく必要があります。 インターネット広告市場は、テレビ広告市場を上回るまでに成長しておりますが、今後これらの状況に変化が生じ、企業がインターネット広告への支出を削減する場合、また当社が急速な環境変化への対応が遅れる場合等には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② プログラマティック広告取引について 当社グループのコアプロダクトであるDSP「Logicad(ロジカド)」は、プログラマティック(RTBによるインターネット)広告取引に特徴があります。プログラマティック広告は、広告の費用対効果を高め、効率的な広告出稿を実現するテクノロジーとして、国内の広告業界でも相応のシェアを占めるにいたりました。しかしながら、一部メディアでは従来の非プログラマティックな広告取引への回帰がみられるなど、その将来性はいまだ不透明な部分があることから、今後においてプログラマティック広告の普及及び利用が想定どおり推移しない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 技術革新について 当社グループは、ビッグデータ処理、人工知能、金融工学の専門家を採用し、開発チームとして組織することで、新技術の開発に積極的に取り組んでおります。しかしながら、何らかの理由により、当社グループにおいて急激な環境変化への対応が遅れた場合には、サービスの陳腐化、競争力低下等が生じる可能性があり、また、対応が可能であったとしても、追加の多大な費用や投資の負担が発生する可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 競合について 当社グループのマーケティングテクノロジー事業における主な競争相手は、国内外において複数社存在しており、今後も競合他社による新規参入、市場環境の変化等により、競争が激化する可能性があります。また、競合他社の中には、当社グループに比べ強い財務基盤、広い顧客層及び高い知名度などを有している企業、当社グループにはないサービス及び商品を提供する企業があります。当社グループはプロダクトの競争力の源泉であるビッグデータ処理、人工知能、金融工学の3つをコアテクノロジーとして強化していくことで、競合他社と比較して競争力の高いプロダクトを継続して開発していく方針であります。しかしながら、競合先の営業方針、価格設定及び提供するサービス及び商品は、当社グループの属する市場に影響を与える可能性があり、これらの競合先に対し効果的な差異化を図れず、当社グループが想定している事業進展が図れない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 法的規制について インターネット関連分野においては、インターネット上のプライバシー保護の観点からcookie(ウェブサイト閲覧者のコンピューターにインストールされ、ユーザーのウェブ閲覧履歴を監視するテキストファイル)に対する規制など、インターネット利用の普及に伴って法的規制の在り方等については検討が引き続き行われている状況にあります。このため、関係諸法令の改正の動向によっては新たな法令遵守体制の構築が必要とされる可能性があり、今後、当社の事業運営において何らかの法規制に関連する紛争が発生した場合には、その管轄地、準拠法を含め、当該紛争に関する法的判断を的確に予想することができず、当社が法的リスクを負担せざるを得ない状況となる恐れがあります。また、今後のインターネットに対する日本を含む各国の法規制のあり方次第では、当社グループの将来の事業展開が制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、知的財産権について、過去もしくは現時点において、当社グループが第三者の知的財産権を侵害したことによる損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、今後、当社グループの事業分野で当社グループの認識していない特許等が成立した場合又は競合他社が特許等を取得した場合、その内容によっては競争の激化又は当社グループへの損害賠償やロイヤルティの支払請求、使用差止請求等が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業内容に関するリスクについて① DSPにおける仕入先について 当社グループのコアプロダクトであるDSP「Logicad」は、取引形態の性質上、広告枠を提供するSSP事業者又はアドエクスチェンジ事業者からの広告枠の仕入が必要となります。当社においては、新規仕入先の開拓等の施策により、広告枠の確保に努めております。しかしながら、SSP事業者又はアドエクスチェンジ事業者の方針、事業戦略の転換等によって、取引が継続されず広告枠の仕入ができなくなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② DSPにおける販売先について 当社グループのコアプロダクトであるDSP「Logicad」の大部分は、広告代理店を経由し広告主へ販売されております。当社グループにおいては、勉強会の開催による当社プロダクトの紹介、新規広告代理店の開拓等の施策により、広告代理店との関係性強化に努めております。しかしながら、主要広告代理店の販売状況や経営環境に変化が生じた場合、もしくは主要広告代理店が他の競合サービスの取り扱いを増やした場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 季節変動について 当社グループのアドテクノロジーの売上は、広告主の広告予算により構成されるため、広告主による月ごとの予算配分に影響を受け、1~3月に集中する傾向にあります。このため、安定的に月次業績が推移する業種に比べ、売上及び利益の変動が起こりやすく、大きく下振れ幅が顕著な場合には当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 ④ 新規サービスについて 当社グループは、アドテクノロジー及びマーケティングソリューション以外の新規サービスへ取り組んでおりますが、これによる人件費等の追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、当初の予測とは異なる状況が発生し、新サービスの展開が計画どおり進まない場合、投資を回収できず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 海外企業との取引及び海外展開について 当社グループでは、DSP「Logicad」において海外の企業と取引を行っております。これらの取引は、国際政治にかかわるリスク、地域特性によるリスクや為替変動によるリスクがあり、こうしたリスクが顕在化した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 海外子会社の財務諸表は原則として現地通貨で作成後、連結財務諸表作成のため円換算されております。したがって、決算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) システム等に関するリスクについて 当社グループのコアプロダクトであるDSP「Logicad」は、利用しているサーバーの全てについて、24時間、365日の管理体制を敷いています。これらサーバーについては、重要性に鑑み、原則として二重化する等の不慮の事故への対策を講じています。しかしながら、不可抗力による緊急事態又は偶発事故の発生、行政もしくは司法当局による規制、地震、火災、洪水その他の自然災害や、十分な電気もしくは他のエネルギーの不足又は取得不能による停電、ソフトウエア又はハードウエアの故障や致命的欠陥、コンピュータウイルスやネットワークへの不正侵入、サービス提供妨害その他の破壊的行為、その他当社に通信回線を提供している電気通信事業者の行為等(以上の事象を含むがこれらに限定されるものではない)により、通信回線が提供されない、通信回線及びサーバーが使用不能となる、復旧まで多大の時間と労力を要する、又は復旧の目処が立たず、サービスの再開が不可能になる等の可能性があり、これらの場合には当社グループの経営、事業の継続性等に重大な影響を及ぼす可能性があります。この場合、当社グループの信用が毀損し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 事業運営体制に関するリスクについて① 小規模組織について 当社グループは小規模組織であることから、代表取締役を含む役員、幹部社員等の専門的な知識、技術、経験を有している役職員が、経営方針や事業戦略の決定、技術的な判断・遂行において重要な役割を果たしております。当社グループでは、取締役会や事業執行会議等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図っており、特定人物に過度に集中しない体制整備を進めておりますが、これらの役職員が何らかの理由により退任、退職し、後任者の採用が困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ② 人材の確保及び育成について 当社グループの事業展開においては、技術力を持つ人員のみならず、サービスの販売、運用調整を行う人員も重要な役割を果たしています。技術開発人員において創造性、技術力、サービス販売・運用人員において営業力、運用力、実行力、管理部門強化のために管理能力等様々な能力を有する人材を確保する必要がありますが、インターネット関連ビジネスにおいては人材の流動性が高いため、今後必要な人材を十分に確保できない恐れがあります。当社グループは人材の採用、育成に努め、また一部業務の外注化やシステム化等の業務内容の効率化に取り組みますが、必要な人材を十分に採用、育成できなかった場合には、当社グループの将来の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 内部管理体制について 当社グループは、当社グループの企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を図る多様な施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。 (5) その他① 配当政策について 当社グループは、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。現在当社グループは成長過程にあると認識しており、内部留保の充実を図り、収益力強化や事業基盤整備のための投資に充当することにより、なお一層の事業拡大をめざすことが、将来において安定的かつ継続的な利益還元に繋がるものと考えております。将来的には各期の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案したうえで株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその時期等については未定であります。 当社グループは、株主に対する利益還元を重要な経営施策の一つと位置付けております。利益配分につきましては、将来の成長を牽引する技術投資及び成長投資を優先しつつ、財務体質の健全性、業績動向、キャッシュ・フローの状況等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な株主還元の実施を目指すことを基本方針としております。 配当につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益5.5億円の達成を配当開始の一つの目安とし、配当性向20~30%程度を目処として、安定性及び継続性を重視した実施を検討してまいります。また、内部留保資金につきましては、AI・データ基盤等の先端技術への投資や新規事業創出に向けた研究開発投資、人的資本投資並びにM&A等の成長投資に充当し、中長期的な収益力の向上及び企業価値の拡大に活用してまいります。 しかしながら、今後の当社グループの業績動向やキャッシュ・フローの状況が計画を下回った場合、あるいは今後の事業展開において大規模な資金需要等が発生した場合等には、当社の想定通りに配当を実施できない可能性があります。 ② M&A及び資本業務提携について 当社グループは、同業他社等に対するM&Aや資本業務提携を実施することにより当社グループの事業を補完・強化することが可能であると考えており、出資及びM&Aを積極的に検討してまいります。その際、対象企業や事業の財務、税務、法務、ビジネス等について詳細なデューデリジェンスを行うなど、意思決定のために必要かつ十分と考えられる情報収集、精査、検討をすることにより、可能な限りリスク回避に努めておりますが、出資及びM&A後において、当社グループが認識していない問題が明らかとなった場合や、市場環境や競合状況の変化及び何らかの事由により事業展開が計画どおりに進まない場合、対象企業の株式価値や譲り受けた事業資産の減損処理を行う必要が生じるなど、当社グループの業績や財務状態に影響を与える可能性があります。 ③ 繰越欠損金について 当社は、税務上の繰越欠損金を有しております。これは法人税負担の軽減効果があり、今後とも当該繰越欠損金の繰越期間の使用制限範囲内においては納税額の減少により、キャッシュ・フロー改善に貢献することとなります。しかしながら、当社の業績が順調に推移することで繰越欠損金の控除限度額を上回る課税所得が発生した場合には、所定の税率にもとづく法人税等の納税負担が発生するため、当社グループの業績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) ソニーグループとの関係について① ソニーグループ内における当社の位置づけについて 当社グループはソニーグループ株式会社を中心とした企業集団に属しております。ソニーグループ株式会社の完全子会社であるソニー株式会社の完全子会社(ソニーグループ株式会社の完全孫会社)として当社株式を直接保有する親会社であるソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社は「エンタテインメント・テクノロジー&サービス」セグメント(提出日現在)に区分され、当社グループはその中においてインターネット関連サービスを展開する企業集団として位置付けられております。 ソニーグループ内においては、インターネット関連サービスを展開する企業は他にも存在しますが、当社グループは主にRTBを活用したDSPを広告主及び広告代理店向けに提供する事業を国内において展開しており、これらの企業との事業及び展開地域における競合は生じておりません。 これらのことから、当社グループ事業に係るソニーグループ内における競合は生じておらず、また現時点では今後発生する予定はないものと認識しておりますが、将来的にソニーグループの経営方針に変更が生じた場合等には、当社グループの業績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② ソニーグループとの取引及び取引条件について ソニーグループ内において、ソニーグループ株式会社の完全孫会社であり当社株式を直接保有する親会社であるソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社とは、当社グループのアドテクノロジーにおいて通信サービスとの広告宣伝取引を行っております。当該取引にあたっては、当社の利益を害することのないよう、他の広告主と同等の取引条件としております。 ③ ソニーグループとの人的関係について 本書提出日現在、当社取締役6名のうち、当社グループの親会社であるソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社の業務執行者1名を選任しています。兼任している役員は以下のとおりであります。 当社における役職氏名兼務先における主な役職取締役(非常勤)小笠原 康貴ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社執行役員法人サービス事業部長ソニービズネットワークス株式会社取締役 また、当社グループの事業展開においては、創造性、技術力、実行力、管理能力等様々な能力を有する人材を確保する必要があります。しかしながら、インターネット関連ビジネスにおいては人材の流動性が高いため、優秀な人材を適時に採用することは容易ではありません。そのため、当社グループではソニーグループの人的資源を活用し、経営体質の強化と事業の拡大に資するため、これまで出向者を受け入れてきました。なお、現在、当社グループの各部門を統括し、承認権限を持つ者は、原則としてソニーグループ各社から当社に転籍しています。 なお、当社グループに対するソニーグループの出資比率が変更された場合には、これらの人的関係が変動する可能性があります。 ④ ソニーグループとの資本的関係について 当連結会計年度末現在において、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社は当社株式7,861,200株(当社議決権比率の53.76%)を保有しており、当社グループはソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社の子会社となっております。ソニーグループにおいて、その出資比率は、直接保有、間接保有分を含め、当面過半数が維持される見込みです。しかしながら、何らかの理由によりソニーグループの出資比率が過半数を下回った場合、後記「5 重要な契約等」に記載のとおり、特許権においてソニーグループ株式会社の保有する広範な特許資産を利用することができなくなる可能性があり、他社の特許侵害回避や訴訟等への対応で費用が発生し、当社グループの業績や財務状態に影響を与える可能性があります。一方で、ソニーグループの評判が何らかの理由で著しく損なわれた場合、それが当社グループに起因するものでない場合にも、当社グループの業績や財務状態に影響を与える可能性があります。

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