事業の概要
- 流体制御機器の製造販売オーケーエムグループは、建築、発電、造船、各種プラントなど幅広い産業で使われるバタフライバルブを中心に、流体の流れを制御する機器を製造・販売しています。特に、超高層ビル「あべのハルカス」の空調設備に採用されるなど、高い技術力と品質が評価されています。
- カスタマイズ製品の提供顧客の多様なニーズに応えるため、型式、サイズ、部品、材質、制御方法などを組み合わせた10万種類以上のカスタマイズバルブを提供しています。これにより、標準品では対応できないニッチな市場を開拓し、競争力を高めています。
- 陸用と舶用の二本柱売上高の約48%を占める「陸用」では、建築設備や化学、電力ガス、水処理業界など幅広い顧客に製品を提供しています。一方、約52%を占める「舶用」では、造船所に製品を納入し、特に国際海事機関(IMO)の排ガス規制に対応した船舶排ガス用バルブで高いシェア獲得を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- バルブ製造販売事業(陸用)工場、建築物、化学プラント、電力ガス、鉄鋼、紙パルプ、水処理業界など、幅広い産業向けに流体制御機器を製造・販売しています。2025年3月期にはグループ連結売上高の48.0%を占めており、多様な顧客ニーズに対応した製品提供が特徴です。
- バルブ製造販売事業(舶用)船舶市場向けに流体制御機器を製造・販売しており、特に各造船所に製品を納入しています。2025年3月期にはグループ連結売上高の52.0%を占める主力事業であり、IMOのNOx3次規制に対応した船舶排ガス用バルブの販売に注力し、高い市場シェアを目指しています。
- カスタマイズバルブの提供バタフライバルブ、ナイフゲートバルブ、ピンチバルブといった主要製品群に加え、顧客の要望に応じたカスタマイズバルブを開発・製造・販売しています。10万種類を超える製品種類を取り扱うことで、標準製品では対応できないニッチな市場を開拓し、競争力を強化しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社と連結子会社(OKM VALVE(M)SDN.BHD.、奥村閥門(江蘇)有限公司)の計3社で構成されており、建築、発電、造船、各種プラント等、幅広い業界における流体配管に使用されるバタフライバルブを中心とした流体制御機器の製造、販売を主な事業として取り組んでおります。なお、当社グループはバルブ製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別に代えて、「陸用」、「舶用」の市場区分別に示しております。「陸用」の市場区分については、工場市場や建築市場のニーズを捉えて市場に喜ばれる製品を販売し、「舶用」の市場区分については、船舶市場で多くの販売実績を基盤に、環境対策分野のニーズを捉えた製品の販売を行っております。 (1)事業の特徴 当連結会計年度における当社グループ連結売上構成比は、「陸用」が42.2%、「舶用」が57.8%の割合を占めております。 「陸用」に関しては、建築設備、石油化学、鉄鋼金属、電力ガス、機械装置、紙パルプ業界等幅広い顧客に採用いただいているのが特徴であります。「舶用」に関しては、各造船所に納入しております。なお、「舶用」の製品に関連して、世界の環境規制にてIMO(注1)がNOx(注2)3次規制での舶用排気ガス処理装置の搭載を2016年1月1日より義務付けました。当社はいち早く処理装置における世界的なライセンサー2社(当該2社で市場占有率約90%)(注3)による船舶排ガス用バルブの製造販売認証を取得しております。この船舶排ガス用バルブ市場で、当社は過半のシェア獲得を目指しております。 「陸用」及び「舶用」いずれも、製品技術、品質管理体制、納期管理体制、メンテナンス対応等で顧客より高い評価をいただいております。 また、当社グループの海外売上高比率は約2割を占めており、主に韓国や中国向けに船舶排ガス用バルブを販売しております。 (注)1.International Maritime Organization(国際海事機関) 2.窒素酸化物 3.日本舶用工業会「各国舶用機関の生産動向」より (2)当社の取引先について当社の製品は、空調設備、造船、半導体、石油、化学、鉄鋼、電力、水道、食品等の幅広い業界の大手顧客に納入され、高層ビル、工場、空港、船、駅、ドーム、遊園地等の最終需要先において当社の製品が使用されております。例えば、超高層ビル「あべのハルカス」では、すべての空調設備に当社のバルブが使用されています(下右図)。 最終需要先イメージ図 超高層ビル「あべのハルカス」 以上を踏まえた、当社グループの事業系統図は、次のとおりとなります。 (3)主な製品a バタフライバルブ 弁体(輪っかの中の円板)を90度回転して開閉します。中間開度での流量調整機能に優れ、幅を取らず、省スペースでの設置が可能です。また、電子制御バルブについては、コンピューターからの信号によって弁体の開度を調整し、流体をコントロールします。 b ナイフゲートバルブ 鋭いエッジを有するプレートの出し入れで開閉します。各種スラリー、粉粒体、固形物、パルプストック等、一般のバルブでは処理できない流体を止めることが可能です。 c ピンチバルブ ゴムチューブを押し挟んで流路を開閉します。固形物が混入しても完全遮断が可能です。また、長寿命でメンテナンスが容易です。 バタフライバルブナイフゲートバルブピンチバルブ ※電子制御バルブ 売上構成比 84%(2026/3期)売上構成比 16%(2026/3期) 当社は顧客ニーズに合わせたカスタマイズバルブを開発・製造・販売し、標準製品では対応できないニッチ市場を開拓しており、型式、サイズ、部品、材質、制御方法といったカスタマイズの組み合わせにより、10万種類を超える製品種類を取扱っております。 (4)新製品開発当社グループにおける新製品開発は、さまざまな種類の試験・実験設備を活用しながら行っております。技術本部では、新商品の構想や設計・解析ソフトによる構造解析等の机上業務を行うと共に、開発項目に対する製品評価等を実施するために実流体実験装置、高温試験装置及び低温試験装置等を活用して流体制御に関する研究開発を実施しております。これら研究開発を通じて長年蓄積してきた顧客ニーズに合わせた多様な試験・実験に基づくデータが、当社グループの新製品開発の大きな手がかりとなっております。更に、2020年10月に滋賀県野洲市に開設した研究開発センターでは、脱炭素化によるエネルギー情勢の変化や環境規制等に伴う新市場へ対応するため、5つの各種試験室を設置しています。従来の試験・実験設備にこれらの新たな試験・実験設備を加え、産官学との一層の連携強化を図ることにより、流体制御に関する研究開発体制の更なる強化を目指してまいります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 カスタマイズ品に注力し、製品技術、品質管理体制、納期管理体制、メンテナンス対応等で顧客より高い評価を得ているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 船舶排ガス用バルブ市場で、世界的なライセンサー2社による製造販売認証を取得している。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:原材料高騰リスク / カントリーリスク(製品部品等調達リスク) / カントリーリスク(販売リスク)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な評価は不可能。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
産業用機械の分野では、特定の用途に合わせたカスタマイズや長年の使用実績による信頼性がスイッチング・コストを生む可能性があるが、具体的な顧客基盤や製品ラインナップの詳細は不明。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果が期待できる事業モデルではないため、スコアは0とする。
コスト優位★☆☆☆☆
製造業一般に言えることだが、生産効率の改善やサプライチェーンの最適化によるコスト優位の可能性はある。しかし、具体的なコスト構造や競合他社との比較データがないため、評価は限定的。
規模の経済★★☆☆☆
産業用機械市場において、一定の生産規模を持つことで効率性を高めている可能性はある。しかし、市場シェアや業界内でのポジショニングに関する詳細情報が不足しているため、明確な評価は難しい。
- ニッチ市場開拓と技術力オーケーエムは、顧客の細かな要望に応じたカスタマイズバルブの開発・製造・販売に注力し、標準製品では対応できないニッチ市場を開拓しています。10万種類を超える製品ラインナップは、長年の技術蓄積と研究開発の成果であり、高い技術力が競争優位の源泉となっています。
- 舶用排ガスバルブの認証国際海事機関(IMO)のNOx3次規制に対応する舶用排ガス処理装置向けバルブにおいて、世界的なライセンサー2社(市場占有率約90%)から製造販売認証を取得しています。これにより、環境規制強化の波に乗じた成長機会を捉え、この市場で過半のシェア獲得を目指せる点が強みです。
- 品質管理と顧客評価陸用・舶用ともに、製品技術、品質管理体制、納期管理体制、メンテナンス対応において顧客から高い評価を得ています。これは、量産前の試作品評価、製造工程での各種検査、不具合の原因究明と改善の徹底といった品質管理体制が確立されているためであり、顧客からの信頼獲得に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針[パーパス(存在意義)・中長期ビジョン] 当社グループは「いい流れをつくる。」をパーパスに掲げ、これをもとに中長期ビジョン「Create200」を策定いたしました。「Create200」では、2031年3月期に連結売上高200億円、営業利益20億円の達成を目標としており、グループ一丸となって持続的な企業価値の向上に取り組んでおります。 [社是]創業の精神として受け継がれている社是を1973年に制定しました。近江商人の三方よし「売り手よし・買い手よし・世間よし」の精神に通じた価値観を踏襲し、メーカーとして重視する技術と品質への考え方と当社グループに関わるステークホルダーへの姿勢を表現しています。 (2) 中長期的な経営戦略と目標とする経営指標2025年5月に公表した「第2次中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)(以下「第2次中計」)」は「Create200」の第2フェーズと位置づけております。第2次中計では、「売上拡大に加えて収益性にも重点を置く経営」への転換を掲げ、注力領域の選別や資源配分の最適化、グループ体制の再構築を通じて、変革から成長へのフェーズ移行を目指してまいります。 [基本戦略]第2次中計においては、3つの基本戦略を掲げ、国内外における安定的な収益基盤の構築を図るとともに、グローバル市場で選ばれ続ける企業として、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。 Ⅰ 既存領域の拡充脱炭素関連製品と高付加価値化で国内市場を深掘りし、技術営業力の強化により顧客課題を解決し収益基盤を強化してまいります。 Ⅱ 海外市場の展開国内で基盤を構築した船舶排ガス用バルブやLNG用バルブを軸にグローバル展開を加速し、海外売上高比率を向上させてまいります。 Ⅲ 新領域への挑戦バルブ技術の応用領域拡大とDX推進、IoT活用サービス事業化で新たな収益の柱を創出し、事業ポートフォリオの多角化を図ってまいります。 [財務目標]第2次中計最終年度に連結売上高132億円、営業利益率10%以上、ROE8~10%を目指します。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社の翌連結会計年度の売上高は、当連結会計年度よりも上回って推移すると想定しております。 しかしながら、利益面におきましては、資材価格やエネルギーコストの高止まり、賃上げに伴う人件費の増加等の減益要因が予想されます。引き続き市場動向に注意を払いながら必要な施策を講じ、戦略的に経営を進めてまいります。以上の状況を踏まえ、翌連結会計年度の業績につきましては、売上高は11,900,000千円(前年同期比7.1%増)、営業利益は1,060,000千円(前年同期比18.2%減)、経常利益は1,050,000千円(前年同期比18.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は730,000千円(前年同期比8.6%減)を想定しております。なお、これらの予想及び進捗は当社が現時点において入手可能な情報に基づき作成したものであり、様々な要因により変動する可能性を含んでおります。当社グループは、第2次中計に則り、「既存領域の拡充」「海外市場の展開」「新領域への挑戦」の3つを基本戦略に掲げ、グループ一丸となって製品力・サービス力の向上に取り組むことにより、さらなる収益性の拡大、企業価値の向上に取り組んでまいります。 (免責・注意事項) 記載しております当社の現在の経営指標、経営戦略等は将来の実績等に関する見通しであり、リスクや不確定な要因を含んでおります。そのため、実際の業績につきましては、一般的経済状況、製品需給や市場価格の状況、市場での競争の状況、為替の変動等さまざまな要因により、これらの見通しと大きく異なる結果となることがあり得ます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針[パーパス(存在意義)・中長期ビジョン] 当社グループは「いい流れをつくる。」をパーパスに掲げ、これをもとに中長期ビジョン「Create200」を策定いたしました。「Create200」では、2031年3月期に連結売上高200億円、営業利益20億円の達成を目標としており、グループ一丸となって持続的な企業価値の向上に取り組んでおります。 [社是]創業の精神として受け継がれている社是を1973年に制定しました。近江商人の三方よし「売り手よし・買い手よし・世間よし」の精神に通じた価値観を踏襲し、メーカーとして重視する技術と品質への考え方と当社グループに関わるステークホルダーへの姿勢を表現しています。 (2) 中長期的な経営戦略と目標とする経営指標2025年5月に公表した「第2次中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)(以下「第2次中計」)」は「Create200」の第2フェーズと位置づけております。第2次中計では、「売上拡大に加えて収益性にも重点を置く経営」への転換を掲げ、注力領域の選別や資源配分の最適化、グループ体制の再構築を通じて、変革から成長へのフェーズ移行を目指してまいります。 [基本戦略]第2次中計においては、3つの基本戦略を掲げ、国内外における安定的な収益基盤の構築を図るとともに、グローバル市場で選ばれ続ける企業として、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。 Ⅰ 既存領域の拡充脱炭素関連製品と高付加価値化で国内市場を深掘りし、技術営業力の強化により顧客課題を解決し収益基盤を強化してまいります。 Ⅱ 海外市場の展開国内で基盤を構築した船舶排ガス用バルブやLNG用バルブを軸にグローバル展開を加速し、海外売上高比率を向上させてまいります。 Ⅲ 新領域への挑戦バルブ技術の応用領域拡大とDX推進、IoT活用サービス事業化で新たな収益の柱を創出し、事業ポートフォリオの多角化を図ってまいります。 [財務目標]第2次中計最終年度に連結売上高132億円、営業利益率10%以上、ROE8~10%を目指します。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社の翌連結会計年度の売上高は、当連結会計年度よりも上回って推移すると想定しております。 しかしながら、利益面におきましては、資材価格やエネルギーコストの高止まり、賃上げに伴う人件費の増加等の減益要因が予想されます。引き続き市場動向に注意を払いながら必要な施策を講じ、戦略的に経営を進めてまいります。以上の状況を踏まえ、翌連結会計年度の業績につきましては、売上高は11,900,000千円(前年同期比7.1%増)、営業利益は1,060,000千円(前年同期比18.2%減)、経常利益は1,050,000千円(前年同期比18.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は730,000千円(前年同期比8.6%減)を想定しております。なお、これらの予想及び進捗は当社が現時点において入手可能な情報に基づき作成したものであり、様々な要因により変動する可能性を含んでおります。当社グループは、第2次中計に則り、「既存領域の拡充」「海外市場の展開」「新領域への挑戦」の3つを基本戦略に掲げ、グループ一丸となって製品力・サービス力の向上に取り組むことにより、さらなる収益性の拡大、企業価値の向上に取り組んでまいります。 (免責・注意事項) 記載しております当社の現在の経営指標、経営戦略等は将来の実績等に関する見通しであり、リスクや不確定な要因を含んでおります。そのため、実際の業績につきましては、一般的経済状況、製品需給や市場価格の状況、市場での競争の状況、為替の変動等さまざまな要因により、これらの見通しと大きく異なる結果となることがあり得ます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営成績等の状況の概要①経営成績の状況当社グループは、「独創的な技術」を軸に三方よしを追求する4つの社是のもと、パーパスである「いい流れをつくる。」の実現に取り組んでおります。さらに、2031年3月期に連結売上高200億円、営業利益20億円を目指す中長期ビジョン「Create200」を掲げ、持続的な成長と企業価値の向上を図っております。2025年5月に公表した第2次中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)では、「既存領域の拡充」「海外市 場の展開」「新領域への挑戦」の3つを基本戦略に掲げ、引き続き国内外における安定的な収益基盤の構築を図る とともに、グローバル市場で選ばれ続ける企業として持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。当連結会計年度における受注高は10,926,283千円(前年同期比0.4%減)、売上高は11,114,278千円(前年同期比6.5%増)となりました。利益面におきましては、SaaS等のクラウド型システム導入に伴う通信費増加等の減益要因はあったものの、LNG(液化天然ガス)用バルブの収益性改善や高付加価値製品の販売増加等により、営業利益は1,295,129千円(前年同期比65.3%増)、経常利益は1,287,700千円(前年同期比73.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、798,704千円(前年同期比44.3%増)となりました。なお、新基幹システム導入に向けた取り組みの進捗状況等を総合的に評価し、計画を見直した結果、特別損失に契約解除損失98,000千円、減損損失68,012千円を計上しております。 ②財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ167,524千円増加の13,331,335千円となりました。これは主として、現金及び預金が1,230,541千円増加した一方、電子記録債権が925,106千円、原材料及び貯蔵品が64,341千円、保険積立金が61,356千円減少したこと等によるものであります。(負債) 負債合計は、前連結会計年度末と比べ312,345千円減少の2,538,898千円となりました。これは主として、電子記録債務が371,812千円、長期借入金が216,415千円減少した一方、未払法人税等が93,506千円、契約解除損失引当金が84,000千円、買掛金が79,723千円増加したこと等によるものであります。(純資産) 純資産合計は、前連結会計年度末と比べ479,869千円増加の10,792,437千円となりました。これは主として、利益剰余金が594,487千円、為替換算調整勘定が110,072千円増加した一方、自己株式を256,935千円取得したこと等によるものであります。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は3,286,312千円と前連結会計年度と比べ1,230,541千円の増加となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、2,002,761千円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が881,321千円増加しました。これは主として、売上債権の回収が進んだことによる収入増加596,381千円、税金等調整前当期純利益が367,254千円増加したこと等によるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、135,749千円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が6,447千円増加しました。これは主として、保険積立金の解約による収入が68,280千円増加したものの、定期預金の払戻による収入が53,014千円減少したこと、長期前払費用の取得による支出が41,717千円増加したこと等によるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローは、709,601千円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が350,930千円増加しました。これは主として、自己株式の取得による支出が256,935千円増加し、短期借入金の純増減額が130,550千円減少したこと等によるものであります。 ④生産、受注及び販売の実績生産実績、受注実績、販売実績を市場別に示すと次のとおりであります。なお、当社グループはバルブ製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別に代えて市場区分別に示しております。 a 生産実績 市場区分当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)全市場区分計(千円)6,568,405101.4合計6,568,405101.4 (注) 1.当社グループ間の取引については簡易的に相殺消去しております。2.製造原価を以て生産実績を示しております。3.製造原価は、市場区分別に区別することが困難なため、全市場区分計にて示しております。 b 受注実績 市場区分当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)陸用(千円)4,644,05496.5舶用(千円)6,282,229102.00合計10,926,28399.6 (注) 当社グループ間の取引については簡易的に相殺消去しております。 c 販売実績 市場区分当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)陸用(千円)4,691,23393.6舶用(千円)6,423,045118.4合計11,114,278106.5 (注) 1.当社グループ間の取引については簡易的に相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりです。 相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)(株)メタルワン2,521,66824.22,438,60821.9英和(株)1,400,10413.42,077,33918.7(株)YUASA(旧 ユアサ商事(株))1,158,37511.11,148,22310.3 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容 a 財政状態 「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。 b 経営成績当連結会計年度における売上高は11,114,278千円、営業利益は1,295,129千円、経常利益は1,287,700千円、親会社株主に帰属する当期純利益は798,704千円となりました。陸用市場は受注高、売上高ともに減少しました。これは石油化学向けが伸長した一方で、前期に鉄鋼・金属向けの大口案件を納入したことや個別案件の小口化が主な要因となります。舶用市場の受注高は微増となりましたが、売上高は期初からの受注残に支えられ大きく伸長しました。過去に大量建造された船舶の代替需要や世界的な物流量の増加に伴う新造船需要の高まりを背景に、造船向けの販売が堅調に推移しました。また、船舶排ガス用バルブでは、発電用補機向けを中心に売上高が大幅に増加しました。さらに、脱炭素への移行期の燃料として注目される液化天然ガス(LNG)を燃料とする船舶の燃料ガス供給システム(FGSS:Fuel Gas Supply System)向けのLNG用バルブについても販売先の拡大が奏功し、増収となりました。利益面におきましては、SaaS等のクラウド型システム導入に伴う通信費増加の減益要因はあったものの、LNG(液化天然ガス)用バルブの収益性改善や高付加価値製品の販売増加等により、営業利益、経常利益、親会社に帰属する当期純利益は増益となりました。なお、新基幹システム導入に向けた取り組みの進捗状況等を総合的に評価し、計画を見直した結果、特別損失に契約解除損失、減損損失を計上しております。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 a キャッシュ・フロー 「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの必要運転資金については、自己資金及び金融機関からの短期借入れを基本としており、設備投資や長期運転資金は、金融機関からの長期借入れを基本としております。機動的かつ効率的な資金調達をすべく、主要取引銀行と当座貸越契約を締結しております。 c 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 連結財務諸表の作成にあたっては、期末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を行うことが必要となります。当社グループは、連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。 見積り、判断及び仮定により当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた重要なものは次のとおりであります。 (棚卸資産の評価) 当社グループは、将来推定される需要及び市場状況に基づく時価の見積額と原価との差額について、評価減を計上しております。今後の需要又は市場状況が悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。 (貸倒引当金)当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、貸倒引当金を計上しております。この貸倒引当金は、期末の一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を見積った金額であります。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。 (繰延税金資産)当社グループは、将来の回収可能性を十分に検討した上で、回収可能額を繰延税金資産として計上しております。なお、業績の動向によっては繰延税金資産の取崩が必要となる可能性があります。 (製品保証引当金)当社グループは、顧客に納品した製品に対して、将来の製品交換及び補修費用に備えるため、今後必要と見込まれる金額を計上しておりますが、予期せぬ不良の発生等により追加引当が必要になる可能性があります。
事業リスク
- 原材料価格の変動リスクバルブの生産に必要な銅、ステンレス、アルミ、鉄などの金属素材の価格が急騰したり、必要な数量の確保が困難になったりするリスクがあります。原材料高騰分を製品価格に転嫁できない場合、利益が圧迫される可能性があります。新規サプライヤー開拓や設計見直しで対応しています。
- カントリーリスクと販売リスク主要な海外生産拠点であるマレーシアや中国、主要販売地域であるアジア地域の経済、政治、法規制、災害などの情勢変動により、部品調達の停止や遅延、販売活動の停滞が生じるリスクがあります。販売先の分散化や現地情報収集を強化して対応しています。
- 需要先の業界変動リスク製品の多くが受注生産であり、造船、建設、電力などのプラント業界が主要な需要先です。これらの業界の景気変動や経済情勢の変化は、オーケーエムグループの業績に直接影響を及ぼす可能性があります。新規需要分野や取引先の開拓を進めることでリスク分散を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。これらのリスクの発生可能性や影響度を認識した上で、リスクを低減するための対応策を記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 主要なリスク詳細発生可能性影響度対応策原材料高騰リスク当社グループのバルブ生産に必要な銅、ステンレス、アルミ、鉄等の各種金属素材等における国内又は国際市況の急騰リスクが存在する。また生産に必要な数量の確保が困難となる場合も想定される。更に、原材料高騰の製品価格への転嫁の遅れ、又は困難等も想定される。大大・新規サプライヤーの開拓による安定供給元の確保・生産性改善等の取り組みを推進・設計見直しによる原材料使用量の低減カントリーリスク①(製品部品等調達リスク)当社グループにおけるバルブ製品部品等の主要な海外生産拠点はマレーシア及び中国である。当該国の経済、政治、法律・税制、規制、災害等により、材料等の供給ストップや遅延のリスクが存在する。中大・日本において代替的に調達・各製造拠点の保有在庫を活用カントリーリスク②(販売リスク)当社グループの主要な販売地域はアジア地域である。当該地域の経済、政治、法律・税制、規制、災害等の情勢により、販売等に影響を及ぼすリスクが存在する。具体的には、各国の政治的施策、為替政策、大規模な自然災害、新型コロナウイルスに代表されるような感染症の拡大等による当社顧客の操業停止に伴う販売活動の停滞を想定している。中大・販売代理店との連絡を密にして現地情報の収集を図り適宜適切に対応需要先に関するリスク当社グループの製品の多くは受注生産であり、主要需要先は造船業界及び建設業界、電力業界をはじめとするプラント業界である。そのため、これらの主要需要先の動向及び経済情勢の変動により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。中大・販売先の分散化・新規需要分野の開拓・新規取引先の開拓 主要なリスク詳細発生可能性影響度対応策価格競争リスク当社グループは、顧客の細やかな要望に応えるべくカスタマイズ品に注力し、業容拡大を図っているが、少なからず競合他社が存在する。今後更に競合他社が増加し価格引き下げ圧力が強まれば価格競争に陥る可能性がある。中大・研究開発等を推進することにより更なる付加価値を持つ製品の開発を目指す・既存商品の設計や部材の見直し、さらには生産性の改善を進めることでコストダウンに取り組み価格競争力を向上自然災害リスク大地震等の大規模な自然災害発生時に、当社グループの有する資産の棄損、滅失等、また、物流網への被害により、当社グループの事業活動の停止や復旧遅延により業績に影響を及ぼす可能性がある。具体的には、東南海沖を中心とした大規模な地震の発生とそれに伴う大津波、また巨大台風による大規模な水害が発生した場合には、製品の安定供給ができなくなる等の影響が考えられる。小大・定期的に防災訓練を行い社員意識を向上・BCP規程を整備し事業の早期復旧が出来る体制の構築製品認証に関するリスク当社グループが事業を遂行する上で必要となる知的財産権につき、当該権利の保有者よりライセンス等を受けられず、その結果特定の技術、商品、又はサービスを提供できなくなる可能性がある。これにより当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある。特に当社グループの製品には、Everllence SEより製品認証を取得し、製造販売している船舶排ガス用バルブがある。その製品認証は期間ごとに更新をしていく必要がある。同社が何らかの理由により認証更新しない場合には、当社グループの根幹となっている船舶排ガス用バルブが製造・販売できなくなる可能性がある。小大・品質管理体制を充実させ認証に合致した製品の製造・販売を推進・Everllence SEとのコミュニケーションを密にし、連携を強化製造物責任リスク当社グループの製品には、製造物責任のリスクが内在していることから、リスクの顕在化に備えてPL保険に加入している。しかしながら、製品の欠陥に起因して大規模な製品回収や損害賠償につながるリスクが現実化し、これを保険により補填できない事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。小大・量産調達前の試作品評価や製造工程における各種検査の実施・発見された不具合に対する原因追究と改善の徹底といった品質管理体制を構築し、品質強化への取り組みに注力 主要なリスク詳細発生可能性影響度対応策情報システムリスク当社グループは、事業を展開する上で、外部からの攻撃や、内部的過失や盗難等により、顧客及び取引先、当社グループ内の機密情報や個人情報の流出、破壊もしくは改ざん又は情報システムの停止等が引き起こされる可能性がある。このような事態が生じた場合には、信用低下、被害を受けた方への損害賠償等の費用の発生、又は業務の停止等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。小大・外部流出や破壊、改ざん等が無いように、グループ全体で管理体制を構築し、徹底した管理とITセキュリティ、施設セキュリティの強化、従業員教育等の施策を実行・情報マインドを高めるための社員教育、情報の取り扱いに関するモニタリング、法規制強化への対応等情報セキュリティ強化の対策を実施訴訟リスク当社グループは、事業活動又は知的財産権について、重要な訴訟等が提訴されることにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。当社グループが仮に第三者から訴えられた場合、訴訟活動や和解交渉が必要となり、そのための費用が発生する他、これらの係争において当社グループの主張が認められなかった場合には、損害賠償の支払が必要になる等、市場を失うリスクが発生する恐れがある。小大・複数の弁護士と顧問契約を結び、適切に法律対応出来る体制を構築・諸契約の締結時には事前のリーガルチェックを徹底することで契約上のリスクを排除為替リスク為替相場の変動は、連結決算における連結子会社財務諸表の円貨換算額及び輸出入取引に係る為替換算額に影響を与えるため、為替相場に著しい変動が生じた場合は、為替差損益の発生により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。大中・為替リスク管理規程を整備し、常に為替相場を注視しながら外貨準備、外貨預金口座、先物予約等の活用により相場の急変に対応大規模感染症に関するリスク当社グループの事業を行っている地域において、新たに新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症が蔓延した場合には、これによる経済の停止や事業停止等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。小中・緊急事態等対応規程を定め、感染症を含む緊急事態対応について明記し、緊急対策本部を設置して指示命令系統を構築する体制を整備