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PEGASUS(6262)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 工業用ミシンの製造販売
    主にニット衣料の縫製に使われる「環縫いミシン」という特殊なミシンを製造・販売しています。このミシンは伸縮性のある縫い目を作り、ジーンズなど様々な製品で広く使われており、同社はこの分野でトップブランドの地位を確立しています。これが主要な収益源の一つです。
  • 自動車部品の製造販売
    自動車の安全ベルトに使われる巻き取り装置(リトラクター)部品など、高い技術力が求められる自動車用部品を製造・販売しています。自動車産業のサプライチェーンに組み込まれており、安定した需要が見込まれる事業です。
  • グローバルな事業展開
    工業用ミシンと自動車部品の両事業において、製造・販売拠点の大部分を海外に置いています。特にアパレルマシナリー事業は、縫製産業が人件費の低い国に集中する傾向があるため、中国やベトナムを中心にグローバルに事業を展開し、収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • アパレルマシナリー事業
    この事業では、主にニット衣料の縫製に使われる「環縫いミシン」という工業用ミシンの製造と販売を行っています。2024年6月25日付けで「工業用ミシン事業」から名称が変更されました。売上高は138.53億円、営業利益は14.14億円と、同社の主要な稼ぎ頭となっています。
  • オートモーティヴ事業
    自動車の安全ベルトに使われる巻き取り装置(リトラクター)部品など、高い技術力が求められる自動車用部品を製造・販売しています。売上高は81.87億円、営業利益は12.65億円で、アパレルマシナリー事業に次ぐ重要な収益源です。
  • グローバルな事業展開
    アパレルマシナリー事業は日本、中国、ベトナムに製造拠点を持ち、アメリカ、ヨーロッパ、アジアにも販売子会社があります。オートモーティヴ事業も中国、ベトナム、メキシコに製造・販売拠点を持ち、両事業ともに世界中で事業を展開していることが特徴です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ApparelMachineryDivisionReportableSegment 事業 139 14 10.2%
AutomotiveDivisionReportableSegment 事業 82 13 15.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,141 文字
3 【事業の内容】当社企業グループ(当社及び連結子会社)は、工業用ミシンの製造販売及び自動車用部品の製造販売を主な事業として取り組んでおります。当社企業グループは当社のほか、工業用ミシンの製造販売を主な事業とするアパレルマシナリー事業に関連する子会社7社、自動車用部品の製造販売に関連する子会社4社の合計12社で構成されております。 (1) アパレルマシナリー事業アパレルマシナリー事業は、縫製工場においてアパレル生産に使用される工業用ミシンのうち、主にニット衣料などの縫製に使用される「環縫いミシン」と呼ばれる種類のミシンの製造販売を行っております。「環縫いミシン」とは、糸を鎖のように編んで縫い目を構成するため伸縮性があり、ニット素材の縫製に適しているのと同時に縫い目自体に装飾性があるのでジーンズを筆頭に様々な製品の縫製で広く利用されております。当社は、この「環縫いミシン」でトップブランドとしての地位を築いております。 (2) オートモーティヴ事業オートモーティヴ事業は、自動車用安全ベルトのリトラクター(巻き取り装置)部品を始めとする技術力の求められる自動車用部品の製造販売を行っております。 セグメント別当社企業グループの各社及び事業の系統図は、次のとおりであります。セグメント名社名事業内容アパレルマシナリー事業当社工業用ミシンの製造ならびに工業用ミシン及び部品の販売 美馬精機株式会社工業用ミシン部品の製造 PEGASUS SEWING MACHINE PTE. LTD.工業用ミシン及び部品の販売 PEGASUS CORPORATION OF AMERICA工業用ミシン及び部品の販売 PEGASUS EUROPA GmbH工業用ミシン及び部品の販売 PEGASUS UNITED ASIA SDN. BHD.工業用ミシン及び部品の販売 ペガサス(天津)ミシン有限公司工業用ミシン及び部品の製造・販売 PEGASUS VIETNAM SEWING MACHINE CO., LTD.工業用ミシン及び部品の製造・販売オートモーティヴ事業天津ペガサス嶋本自動車部品有限公司自動車用ダイカスト部品を始めとする自動車用部品の製造・販売 PEGASUS-SHIMAMOTO AUTO PARTS VIETNAM CO., LTD.自動車用ダイカスト部品を始めとする自動車用部品の製造・販売 PEGASUS AUTO PARTS MONTERREY S.A. DE C.V.自動車用ダイカスト部品を始めとする自動車用部品の製造・販売 南通ペガサス自動車部品製造有限公司自動車用ダイカスト部品を始めとする自動車用部品の製造・販売 (注) 上表の各社は、全て連結子会社であります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
環縫いミシンでトップブランドの地位を築いているが、価格競争のリスクもあるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
環縫いミシンでトップブランドの地位を築き、独自の固有技術の創出で差別化を図っている。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:アパレルマシナリー事業の景況変動 / オートモーティヴ事業の取引先経営状況 / 海外事業活動におけるカントリーリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPなどの無形資産に関する具体的な評価は困難です。公開情報からは、特定の強力な無形資産の存在を示す情報は確認できません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

工作機械は一般的に導入コストが高く、一度導入した顧客が他社製品に乗り換えるには、再教育や周辺機器の互換性問題などが発生する可能性があります。しかし、PEGASUS固有の強固なスイッチング・コストを裏付ける情報は限定的です。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

工作機械事業は、ユーザーが増えることで価値が増すようなネットワーク効果が働くビジネスモデルではありません。個々の機械の性能やサポートが重視されるため、ネットワーク効果による競争優位性は見られません。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の製造業としての経験と、ある程度の生産規模からくる効率性は推測されます。しかし、競合他社と比較して構造的に圧倒的なコスト優位性を持つという具体的な証拠は現時点では確認できません。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

工作機械業界は、特定の分野で高いシェアを持つ企業が存在する寡占市場の側面があります。PEGASUSが特定のニッチ市場において、一定の規模と効率性を活かした競争優位性を築いている可能性はあります。しかし、業界全体を代表するような圧倒的な規模の経済とは言えません。

  • 環縫いミシンのトップブランド
    ニット衣料の縫製に適した「環縫いミシン」において、同社はトップブランドとしての地位を確立しています。これは長年の技術蓄積と品質への信頼によって築かれたもので、競合他社に対する強い優位性となっています。
  • 自動車部品の技術力
    自動車用安全ベルトのリトラクター部品など、高い安全性と精密な技術が求められる自動車部品の製造販売を行っています。世界のサプライチェーンで確固たる地位を築いていることは、同社の技術力と信頼性の高さを裏付けており、安定した事業基盤となっています。
  • 製造拠点の分散化
    アパレルマシナリー事業では中国とベトナム、オートモーティヴ事業では中国、ベトナム、メキシコに製造拠点を分散させています。これにより、特定の国や地域でのリスク(自然災害、政治的要因など)を軽減し、安定的な供給体制を維持できる強みがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社企業グループは、100年を超える歴史のなかで培ってきた、工業用環縫いミシンの専業メーカーとしての確固たる技術力により、世界の「衣料文化」の発展に貢献することを目指しております。また、2007年に立ち上げましたオートモーティヴ事業は、自動車用安全ベルトのリトラクター(巻き取り装置)部品を始めとする自動車用部品を通して、世界中の方々の生命の安全を守る事業として、最高の品質を提供することに努めております。グローバルな事業展開により世界の人々との交流を深め、信頼される企業活動の展開を経営理念としており、お客様に最高の満足を提供できる製品、サービス及び品質の提供に努めてまいります。 (2) 目標とする経営指標当社企業グループは、収益性、効率性、健全性、企業価値及び債務返済能力の観点から各種の指標を意識した経営を行ってまいります。当社企業グループでは、株主資本コストを約9.0%とし、当該資本コストを超えるROEならびにPBR1倍超の実現を目指すとともにBSマネジメント方針を設定いたしました。投下資本の最小化を追求し、持続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題当社企業グループは、アパレルマシナリー事業及びオートモーティヴ事業の二つの事業を展開しております。製造・販売する製品及び部品は世界各国・地域のユーザーを対象としており、世界経済の動向、地政学的リスクの高まり、各国・地域における通商政策や規制動向の変化、ならびに顧客ニーズの多様化・高度化など、事業環境の変化に迅速かつ的確に対応することが求められております。製造業におけるデジタル化・自動化の進展、生成AIをはじめとする先端技術の実用化拡大など、事業を取り巻く前提条件は大きく変化しており、これらを事業機会として取り込むと同時に、リスクとして適切に管理していくことが重要となっております。このような経営環境のもと、当社企業グループは以下の課題に取り組み、効率的なグループ経営を実現するとともに、収益性の向上に加えて、当社「サステナビリティ方針」に基づくサステナビリティ委員会において特定したマテリアリティを踏まえながら、関連課題にも持続的に取り組んでまいります。 ① アパレルマシナリー事業:他メーカーとの差別化の徹底アパレルマシナリー事業は、国内外の各メーカーと熾烈な競争を行っており、それに勝ち抜くための施策として、製品、サービス、品質の3つの要素に対して他メーカーとの差別化を徹底的に推進しております。製品では、開発テーマの明確化及び新製品をタイムリーに開発することを目指し、サービスでは、長年に亘り培われた技術を縫製業者の問題解決に活かすソリューションをタイムリーに提供することに注力し、品質では、ITを駆使した品質の見える化の推進及び最新鋭の測定機器の導入による品質向上に努めてまいります。② アパレルマシナリー事業:販路拡大アパレルマシナリー事業の主力市場は、これまでの中国から東南アジア地域(ベトナム、カンボジア、インドネシアなど)及び南アジア地域(インド、バングラデシュなど)へ移行してきており、近年では、アフリカ地域(エジプト、ケニア、エチオピアなど)も新たな市場として成長してきております。これらの環境変化に対応すべく、地域ニーズに即応した戦略を立案し、販売網の強化及び人材育成の注力に努めております。特にアジア地域で縫製されているアパレル製品はデザインや素材の多様化に伴い、高度な縫製技術への対応や品質安定が求められ、生産性の向上や省人化に向けた自動化・省力化機器への需要が高まっており、当社企業グループもそのような機器の拡販に努めております。一方、アフリカ地域においては、比較的安価な戦略機器を用いて、市場開拓を進めてまいります。③ アパレルマシナリー事業:生産体制の拡充アパレルマシナリー事業では、製造拠点の分散によるカントリーリスクの回避を目的として、中国及びベトナムに製造拠点を設けており、両拠点のいずれにおいても同一の生産が可能となる体制整備を進め、生産の柔軟性及び安定性の確保に努めております。こうした共通基盤を前提としつつ、各国・地域の特性を活かし、新たな技術を取り入れた生産体制の構築を進めるとともに、サプライチェーンの一層の強化を通じて、部品・製品在庫の適正化及び原価低減に努めてまいります。④ オートモーティヴ事業:販路拡大及び供給体制の構築当社企業グループは、成長戦略の第2の柱として自動車用部品を中心としたオートモーティヴ事業に参入し、収益力の拡大を図ってまいりました。そしてグローバルなマーケットへの対応ならびにカントリーリスクの回避を目的として、中国、ベトナム及びメキシコに製造拠点を設けております。現在は、各製造拠点が主体となった事業運営を本社オートモーティヴ事業本部が支援する体制にありますが、今後は本社オートモーティヴ事業本部の機能を段階的に充実させ、技術及び品質の両面において本社主導の体制へと移行してまいります。本社を中心に品質・技術の標準化及び基盤整備を進め、各拠点への展開力及び再現性を高めることで、均一な品質・技術水準の確保を実現し、お客様に選ばれる付加価値の高いものづくりを目指してまいります。あわせて、生産能力の増強ならびに高機能化への対応に加え、自動車を構成するさらなる新規部品にも取り組み、セールスエンジニア投入による販路拡大を通じて、持続的な成長に努めてまいります。⑤ 財務体質の強化当社企業グループは、変化の激しい経営環境にあって企業としての基礎体力を向上させるため、財務体質の強化を行ってまいりました。今後もキャッシュ・フローに重点をおいた経営に注力し、財務体質の強化に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社企業グループは、100年を超える歴史のなかで培ってきた、工業用環縫いミシンの専業メーカーとしての確固たる技術力により、世界の「衣料文化」の発展に貢献することを目指しております。また、2007年に立ち上げましたオートモーティヴ事業は、自動車用安全ベルトのリトラクター(巻き取り装置)部品を始めとする自動車用部品を通して、世界中の方々の生命の安全を守る事業として、最高の品質を提供することに努めております。グローバルな事業展開により世界の人々との交流を深め、信頼される企業活動の展開を経営理念としており、お客様に最高の満足を提供できる製品、サービス及び品質の提供に努めてまいります。 (2) 目標とする経営指標当社企業グループは、収益性、効率性、健全性、企業価値及び債務返済能力の観点から各種の指標を意識した経営を行ってまいります。当社企業グループでは、株主資本コストを約9.0%とし、当該資本コストを超えるROEならびにPBR1倍超の実現を目指すとともにBSマネジメント方針を設定いたしました。投下資本の最小化を追求し、持続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題当社企業グループは、アパレルマシナリー事業及びオートモーティヴ事業の二つの事業を展開しております。製造・販売する製品及び部品は世界各国・地域のユーザーを対象としており、世界経済の動向、地政学的リスクの高まり、各国・地域における通商政策や規制動向の変化、ならびに顧客ニーズの多様化・高度化など、事業環境の変化に迅速かつ的確に対応することが求められております。製造業におけるデジタル化・自動化の進展、生成AIをはじめとする先端技術の実用化拡大など、事業を取り巻く前提条件は大きく変化しており、これらを事業機会として取り込むと同時に、リスクとして適切に管理していくことが重要となっております。このような経営環境のもと、当社企業グループは以下の課題に取り組み、効率的なグループ経営を実現するとともに、収益性の向上に加えて、当社「サステナビリティ方針」に基づくサステナビリティ委員会において特定したマテリアリティを踏まえながら、関連課題にも持続的に取り組んでまいります。 ① アパレルマシナリー事業:他メーカーとの差別化の徹底アパレルマシナリー事業は、国内外の各メーカーと熾烈な競争を行っており、それに勝ち抜くための施策として、製品、サービス、品質の3つの要素に対して他メーカーとの差別化を徹底的に推進しております。製品では、開発テーマの明確化及び新製品をタイムリーに開発することを目指し、サービスでは、長年に亘り培われた技術を縫製業者の問題解決に活かすソリューションをタイムリーに提供することに注力し、品質では、ITを駆使した品質の見える化の推進及び最新鋭の測定機器の導入による品質向上に努めてまいります。② アパレルマシナリー事業:販路拡大アパレルマシナリー事業の主力市場は、これまでの中国から東南アジア地域(ベトナム、カンボジア、インドネシアなど)及び南アジア地域(インド、バングラデシュなど)へ移行してきており、近年では、アフリカ地域(エジプト、ケニア、エチオピアなど)も新たな市場として成長してきております。これらの環境変化に対応すべく、地域ニーズに即応した戦略を立案し、販売網の強化及び人材育成の注力に努めております。特にアジア地域で縫製されているアパレル製品はデザインや素材の多様化に伴い、高度な縫製技術への対応や品質安定が求められ、生産性の向上や省人化に向けた自動化・省力化機器への需要が高まっており、当社企業グループもそのような機器の拡販に努めております。一方、アフリカ地域においては、比較的安価な戦略機器を用いて、市場開拓を進めてまいります。③ アパレルマシナリー事業:生産体制の拡充アパレルマシナリー事業では、製造拠点の分散によるカントリーリスクの回避を目的として、中国及びベトナムに製造拠点を設けており、両拠点のいずれにおいても同一の生産が可能となる体制整備を進め、生産の柔軟性及び安定性の確保に努めております。こうした共通基盤を前提としつつ、各国・地域の特性を活かし、新たな技術を取り入れた生産体制の構築を進めるとともに、サプライチェーンの一層の強化を通じて、部品・製品在庫の適正化及び原価低減に努めてまいります。④ オートモーティヴ事業:販路拡大及び供給体制の構築当社企業グループは、成長戦略の第2の柱として自動車用部品を中心としたオートモーティヴ事業に参入し、収益力の拡大を図ってまいりました。そしてグローバルなマーケットへの対応ならびにカントリーリスクの回避を目的として、中国、ベトナム及びメキシコに製造拠点を設けております。現在は、各製造拠点が主体となった事業運営を本社オートモーティヴ事業本部が支援する体制にありますが、今後は本社オートモーティヴ事業本部の機能を段階的に充実させ、技術及び品質の両面において本社主導の体制へと移行してまいります。本社を中心に品質・技術の標準化及び基盤整備を進め、各拠点への展開力及び再現性を高めることで、均一な品質・技術水準の確保を実現し、お客様に選ばれる付加価値の高いものづくりを目指してまいります。あわせて、生産能力の増強ならびに高機能化への対応に加え、自動車を構成するさらなる新規部品にも取り組み、セールスエンジニア投入による販路拡大を通じて、持続的な成長に努めてまいります。⑤ 財務体質の強化当社企業グループは、変化の激しい経営環境にあって企業としての基礎体力を向上させるため、財務体質の強化を行ってまいりました。今後もキャッシュ・フローに重点をおいた経営に注力し、財務体質の強化に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、ロシア・ウクライナ紛争の長期化や中東情勢の不安定化を背景に、地政学的リスクが継続したほか、中国経済の低迷や米国関税措置の影響等もあり、先行き不透明な状況が続きました。こうしたなか、エネルギー価格や金融市場の変動を通じて、世界経済の成長に対する下振れリスクが意識される場面もありましたが、インフレ率の低下や実質所得の改善を背景に、主要国を中心に景気は総じて緩やかな回復基調を維持しました。 このような環境のもとで、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。 イ.財政状態当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ14億27百万円減少し449億63百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ16億7百万円減少し111億46百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1億79百万円増加し338億17百万円となりました。 ロ.経営成績当連結会計年度の売上高は216億57百万円(前年同期比1.7%減)、営業利益は9億46百万円(前年同期比39.8%減)、経常利益は11億4百万円(前年同期比29.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億23百万円(前年同期比66.5%減)となりました。 アパレルマシナリー事業中国及びバングラデシュの主要市場では伸び悩みましたが、インドにおける堅調な売上に支えられ、中南米やエジプトなどの市場拡大が進んだ地域もあり、売上高は138億30百万円(前年同期比0.2%減)、セグメント利益は11億86百万円(前年同期比16.1%減)となりました。 オートモーティヴ事業米州市場を中心に新規顧客の獲得を進め、グループとして省人化や業務効率化など原価改善に取り組みましたが、中国の厳しい価格引下げ圧力や他のアジア市場における競争激化などの影響により、売上高は78億27百万円(前年同期比4.4%減)、セグメント利益は9億72百万円(前年同期比23.1%減)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は89億円となり、前連結会計年度末に比べ5億67百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と増減の要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、26億30百万円(前連結会計年度比7.7%増)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益8億30百万円、減価償却費12億22百万円、売上債権の減少額15億94百万円に対し、仕入債務の減少額12億31百万円などによります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は、3億10百万円(前連結会計年度比81.1%減)となりました。これは主として定期預金の預入による支出17億31百万円、有形固定資産の取得による支出4億77百万円に対し、定期預金の払戻による収入12億96百万円、投資有価証券の売却による収入6億26百万円などによります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は、19億98百万円(前連結会計年度比31.5%増)となりました。これは主として、自己株式の取得による支出8億23百万円、配当金の支払額4億46百万円、長期借入金の返済による支出4億25百万円、リース債務の返済による支出1億43百万円などによります。 ③生産、受注及び販売の状況イ. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)アパレルマシナリー事業6,119,483△19.2オートモーティヴ事業5,951,773△2.1合計12,071,256△11.6 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 上記の金額は、製造原価によっております。 ロ. 受注実績当社企業グループは、受注生産形態をとらないため、該当事項はありません。 ハ. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)アパレルマシナリー事業13,830,689△0.2オートモーティヴ事業7,827,178△4.4合計21,657,868△1.7 (注) 1 売上高は、外部顧客に対する売上高であります。2 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①重要な会計方針及び見積り当社企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産・負債の金額及び報告期間における収益・費用の金額に影響する見積り、判断及び仮定の設定を行っております。当社企業グループにおいて重要性の高い会計上の見積りとして棚卸資産の評価を認識しています。なお、これらの会計上の見積りの内容に関する理解に資する情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容イ.財政状態の分析(資産の部)流動資産は、前連結会計年度末に比べて4億52百万円減少し、306億22百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金が14億82百万円、商品及び製品が58百万円減少し、貸倒引当金が96百万円増加(流動資産は減少)した一方、現金及び預金が10億59百万円、仕掛品が1億35百万円増加したことなどによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて9億75百万円減少し、143億41百万円となりました。これは、有形固定資産が6億94百万円、投資その他の資産が2億70百万円減少したことなどによります。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて14億27百万円減少し、449億63百万円となりました。(負債の部)流動負債は、前連結会計年度末に比べて7億80百万円減少し、69億94百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が11億47百万円、リース債務が68百万円それぞれ減少し、1年内返済予定の長期借入金が3億51百万円、その他が42百万円増加したことなどによります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて8億27百万円減少し、41億52百万円となりました。これは、長期借入金が7億76百万円、リース債務が35百万円減少したことなどによります。この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて16億7百万円減少し、111億46百万円となりました。(純資産の部)純資産は、前連結会計年度末に比べて1億79百万円増加し、338億17百万円となりました。これは、為替換算調整勘定が8億38百万円、その他有価証券評価差額金が1億90百万円、退職給付に係る調整累計額が55百万円、非支配株主持分が41百万円それぞれ増加した一方、自己株式が8億23百万円増加(純資産は減少)し、利益剰余金が1億23百万円減少したことなどによります。 ロ.経営成績の分析(売上高)当連結会計年度における売上高は216億57百万円となり、前連結会計年度に比べ3億82百万円の減収となりました。アパレルマシナリー事業におきましては、インドにおける堅調な売上に支えられ、中南米やエジプトなどの市場拡大が進んだ地域もありましたが、中国及びバングラデシュの主要市場では伸び悩み、22百万円減少しました。オートモーティヴ事業におきましては、米州市場を中心に新規顧客の獲得を進めましたが、中国の厳しい価格引下げ圧力や他のアジア市場における競争激化などの影響により、3億60百万円減少しました。(営業損益)当連結会計年度における営業利益は9億46百万円となり、前連結会計年度と比べ6億26百万円の減益となりました。売上減少、原価率悪化、販売費及び一般管理費の増加などによるものであります。(経常損益)当連結会計年度における経常利益は11億4百万円となり、前連結会計年度と比べ4億51百万円の減益となりました。営業外収益が3億75百万円の一方、営業外費用が2億18百万円発生したことによるものであります。(親会社株主に帰属する当期純損益)当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は3億23百万円となり、前連結会計年度と比べ6億41百万円の減益となりました。経常損益が減少したことに加えて、オートモーティヴ事業における中国の自動車部品の製造及び販売を行う子会社におきまして2億73百万円の減損損失を計上したことが主な要因となります。 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。(アパレルマシナリー事業)アパレルマシナリー事業につきましては、バングラデシュで総選挙を控えた金融引締めにより取引環境が悪化し、中国では景気減速等を理由として設備投資を見合わせる動きがありましたが、インドの需要は堅調に推移し、中南米で低価格市場の開拓を目的とした価格競争力を有した戦略機器の投入を進め、北アフリカではエジプト市場の拡大にも取り組みました。この結果、通期の売上高は前連結会計年度と比べ0.2%減、セグメント利益は前連結会計年度と比べ16.1%減となりました。今後につきましては、縫製工場における熟練工の確保が難しくなるなか、自動化や省力化の性能を有するミシンへの需要が高まっており、当社ではデジタル制御ミシンの開発を進めております。加えて、より幅広い顧客課題に対応するため、主に低価格市場の開拓を目的とした価格競争力を有した戦略機種の市場投入を継続し、製品ラインナップの拡充も進めております。それにより、当社の対象顧客の拡大を図り、あらゆる顧客層から信頼されるブランドを目指します。 (オートモーティヴ事業)オートモーティヴ事業につきましては、通期を通じて中国における厳しい環境下でいわゆる「内巻」による価格引下げ圧力の影響や米国通商政策の動向など不透明な外部環境が続きましたが、米州市場で日系自動車部品メーカーを中心として販売が増加し、海外拠点への技術支援や品質安定化、業務効率化などの面で本社機能の強化も進めました。この結果、通期の売上高は前連結会計年度と比べ4.4%減、セグメント利益は前連結会計年度と比べ23.1%減となりました。今後につきましては、中国市場における価格下落圧力に加え、東南アジアで日系自動車メーカー市場シェア低下による当社主要顧客の需要減少や北米を中心とした通商政策動向の影響などにより、経営環境は不透明さを増しておりますが、世界3か国4拠点に展開する生産体制の強みを活かし、新規顧客及び新規部品の獲得を進めるとともに、安定供給体制の維持・強化を通じて、持続的な成長と事業拡大を目指してまいります。 ハ.資本の財源及び資金の流動性当社企業グループにおける主な資金需要は、営業活動や生産活動に必要な運転資金、販売費、研究開発費などがあります。投資活動においては、新規設備投資や更新投資があります。必要な資金は主に営業活動によるキャッシュ・フローで得られる資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入金による調達を実施しております。引き続き、事業計画に基づく資金需要、金融市場の調達環境、既存借入金の返済時期などを考慮のうえ、株式市場や金融機関からの調達を適宜判断してまいります。なお、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計55億30百万円の当座貸越契約を締結し、資金需要に備えております(借入未実行残高31億80百万円)。併せて、資金調達の機動性及び財務基盤の安定性向上を目的として、総額50億円のシンジケート方式コミットメントライン契約を締結いたしました。なお、本契約による借入を含め、当連結会計年度に新たな借入金の調達はありませんでした。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は89億円を有し、資金の流動性は十分に確保しているものと認識しております。 ニ.目標とする経営指標に関する分析当社企業グループは2024年5月20日に2027年3月期を最終年度とする中期経営計画を公表し、各目標達成に向けて尽力してまいりましたしかしながら、外部環境の大きな変化を踏まえた最近の業績動向を背景にROEは3期連続で5%を下回り、PBRにおきましても1倍割れの状態が継続しています。このような状況を考慮して、成長に向けた戦略の一部再考ならびに期待収益率改善に向けた事業の再構築に取り組み、持続的な事業価値・株主価値の創出を行い、ROE9%超とPBR1倍超の早期実現を目指します。そのなかで、当連結会計年度(2025年度)は、売上高216億57百万円、営業利益9億46百万円、売上高営業利益率4.4%、ROE1.0%となりました。

事業リスク

  • アパレル市場の変動影響
    アパレルマシナリー事業は、アパレル産業の景況や消費者の流行に大きく左右されます。もしアパレル製品の生産方針が変わったり、同社のミシンが市場のニーズに合わなくなったりすると、販売戦略や業績に悪影響が出る可能性があります。
  • 海外事業活動の不安定性
    売上や製造の大部分を海外に依存しているため、政治・経済の不安定な国での労働争議、テロ、戦争、通貨危機、自然災害などが起こると、海外拠点の経営が困難になるリスクがあります。また、各国の輸出入規制や税制変更も業績に影響を与える可能性があります。
  • 製品構成比の変化と競争
    アパレルマシナリー事業では、アパレルの流行によって需要のあるミシンの種類が変わり、環縫いミシンへの需要が減少する可能性があります。また、製品ごとの収益率が異なるため、販売構成比の変化や新興国メーカーとの価格競争激化も、収益力低下につながるリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,301 文字
3 【事業等のリスク】当社企業グループの事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、当社はこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。 (1) アパレルマシナリー事業について当社企業グループのアパレルマシナリー事業における製品は、工業用ミシンのなかでも環縫いミシンと呼ばれるミシンに特化しており、ユーザーであるアパレル産業の景況ならびに消費者動向による影響によっては、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社企業グループは、社会のトレンド、各市場動向を常に注視し、事業本部内にて情報共有を行い、事業運営へ迅速に反映させることで、リスクの最小化を図っております。アパレル製品の生産はグローバル化が進んでおり、海外生産品の品質、価格、納期などの変化ならびにアパレル産業の生産方針の変更により、当社製品もしくは技術がそのニーズを満たさない、あるいは市場から認められない場合には、当社企業グループの販売戦略及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。当社企業グループは、国内外の生産現場と密接に連携し、当社の技術・製品の高度化及び改良に努め、当該リスクの低減を図っております。(2) オートモーティヴ事業について当社企業グループのオートモーティヴ事業における製品は高い安全性を確保し、世界的なサプライチェーンの中で確固たる地位を築いておりますが、主要取引先の経営環境や財務状況に変化が生じた場合、受注量の減少や取引条件の変更等により、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社企業グループは中国、ベトナム及びメキシコに製造拠点を有しており、地政学的リスク、国際関係や通商政策の変化、政情不安等により、調達、生産、物流に支障が生じた場合、事業活動の停滞やコスト増加を通じて、当社企業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社企業グループでは、特定顧客や特定地域への依存度を低減するため、既存取引先における品目拡大及び新規顧客の開拓を継続的に推進しております。また、価格競争の影響を受けにくい事業構造を構築するため、品質・工程・量産立上げ支援を含めた付加価値提案を強化し、価格以外の要素による競争力の向上に努めております。さらに、長期的な取引関係の構築を目的として、主要取引先との継続的な情報交換を行い、需要動向や経営環境の変化を早期に把握する体制の整備を進めております。地政学的リスクや政情不安等の影響に備え、複数拠点による生産体制の構築や拠点間での生産補完・移管が可能な体制整備を進めております。 (3) 海外での事業活動について当社企業グループの販売及び製造は、大半が海外に依存しております。特に、アパレルマシナリー事業の製品を使用する縫製産業は労働集約型産業の典型であることから、賃金水準の低い国・地域がその主要な生産地となっており、各国の縫製産業に対する政策の違い及び物流面の条件などにより、生産拠点が特定の国・地域に集中する傾向も見られます。当社企業グループの取引先であるこれらの国・地域には、政治的、地政学的、経済的に不安定な国もあり、労働争議、テロ、戦争、内戦、通貨危機などによる為替取引の凍結、債務不履行、投資資産の接収、もしくは地震などの自然災害によっては海外拠点経営が困難になる可能性があります。さらに、アパレルマシナリー事業における各国繊維製品の輸出入に関する規制の急激な強化もしくは緩和が実施されることにより、市場の需給関係が崩れ、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、移転価格税制を始めとする各国の規制・税制などの変更により予測できない事態が生じる可能性もあります。当社企業グループでは、政治・経済動向等に関する情報収集及び分析を継続的に行うとともに、各国の拠点を含む独自のネットワークを通じて情報の把握に努め、必要に応じた対応を講じることで、これらのリスクの低減に努めております。 (4) 生産拠点の集中について当社企業グループのアパレルマシナリー事業においては、製造拠点の中国集中によるリスク回避を目的として、ベトナムに製造子会社を設立したことにより、日本、中国及びベトナムの3カ国に製造拠点を分散し、製造拠点の集中リスクの緩和を図っております。同様に、オートモーティヴ事業におきましても、中国以外の製造拠点としてベトナムに加え、世界的な自動車部品サプライチェーンを担う生産体制の継続及び強化を目的としてメキシコにも製造拠点を設立しており、現在では中国、ベトナム及びメキシコの3カ国に製造拠点を分散した体制を構築しております。一方で、両事業において中国及びベトナムは依然として重要な製造拠点であることから、当社企業グループでは独立行政法人日本貿易保険の海外投資保険に加入し、カントリーリスクの軽減を図っております。しかしながら、各国における政治・経済情勢の変化、法規制や商習慣の相違、地震等の自然災害、電力事情の悪化及びその他予測不可能な事態が発生した場合には、生産活動に支障が生じ、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外拠点における従業員の確保や人材育成が計画どおりに進まなかった場合においても、同様に当社企業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社企業グループでは、両事業において製造拠点の分散化を推進するとともに、各拠点における生産体制の相互補完を可能とする体制の構築に取り組んでおります。具体的には、アパレルマシナリー事業では、日本、中国及びベトナムの各拠点間において、主要製品や重要工程の生産移管が可能となるよう、設備仕様や製造プロセスの標準化、技術情報の共有を進め、生産拠点の集中に伴うリスクの低減を図っております。オートモーティヴ事業では、同一品質基準の確立を目指した生産体制の整備を進め、各拠点が相互に補完可能となるよう、情報共有の強化や生産・品質面においてグループ内での密な連携を図っております。これにより、特定の拠点において問題が発生した場合であっても、他拠点による代替供給が可能な体制の構築を進めております。また、人材・組織リスクを低減するため、海外拠点における人材確保策の多様化、計画的な人材育成及び現地管理人材の育成を進めるとともに、本社と海外拠点との連携強化を通じて、安定的な事業運営体制の構築に努めております。 (5) 為替の影響等について当社企業グループは、グローバルな事業展開をしており、取引通貨の多くは円以外の通貨となっております。各地域における売上高、費用、資産などの現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のため円換算しており、換算時の為替レートの変動が当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社は外貨建て取引について、為替変動に対処するためにインパクトローンによってリスクを軽減させる措置を講じる場合があります。 (6) 知的財産権について当社企業グループは、製品開発の段階で発生した知的財産について特許や意匠、商標等の出願、権利化を積極的に行い、独自技術やブランドを保護し、他社製品との差別化を図っておりますが、製品の外観やブランド、あるいは独自技術を模倣した第三者の製品が市場に流通することによって、当社企業グループの市場競争力が低下し収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、出願が特許と認められないあるいは権利保護のために講じる手段が成功しなかった場合、第三者の類似品との競合状態が発生し、当社企業グループの事業活動や収益に悪影響を及ぼす可能性があります。当社企業グループでは、製品開発の段階で特許や意匠、商標等に関するクリアランス調査を実施し、第三者の知的財産権を侵害するリスクの低減を図っております。 (7) 製品の欠陥について当社企業グループは、独自の品質管理基準に従って各種製品を製造しております。過去において製品の欠陥による重大な事故は発生しておりませんが、今後全ての製品について欠陥がなく、将来リコールが発生しないという保証はなく、当社企業グループの製品もしくはサービスに関連した欠陥及び問題に対して責任を負う可能性があります。製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を充分にカバーできるという保証はありません。さらに、経済合理性のある条件で当社企業グループがこのような保険を契約期間満了後も更新できるとは限らず、大規模なリコールや製造物責任賠償に繋がるような製品の欠陥が生じた場合は、当社企業グループの財政状態及び経営成績のほか、ブランドイメージに影響を及ぼす可能性があります。当社企業グループでは、製品の欠陥に起因するリスクを低減するため、品質マネジメント体制の強化に継続的に取り組んでおります。具体的には、設計・製造・出荷の各工程において品質管理基準に基づく管理を徹底するとともに、顧客からの苦情情報や市場品質情報の収集・分析結果を設計及び製造工程へ反映することにより、品質の向上を図っております。また、重大な品質問題が発生した場合には、速やかに社内関係部門及び経営層へ報告・共有を行い、原因究明及び是正措置を迅速に実施する体制を整備しております。 (8) 工業用ミシン製品の構成比の変化による収益力低下についてアパレルマシナリー事業における工業用ミシン製品は、アパレルの生産地域の動向及びファッションの動向により、使用されるミシンの種類に変化が生じる場合があり、環縫いミシンへの需要に変化を及ぼす場合には、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社企業グループではファッショントレンドや生産方法に関する情報収集及び分析を行い、需要に対応した開発及び改良・改善を行うことでリスクの低減を図っております。また、当社企業グループが製造している環縫いミシンにも多くの種類があり、製品ごとの単価ならびに収益率が異なるため、製品の販売構成比が変化した場合にも、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社企業グループでは、製品及び部品のコスト低減に努め、収益率の低い製品については生産の効率化及び在庫水準の適正化を図ることにより、当該リスクの発生に備えております。 (9) 競合等の影響についてアパレルマシナリー事業におきましては、当社企業グループが製造及び販売する各製品の多くは、同業他社の類似製品と競合状態にあり、当社企業グループの製品の優位性が低下すれば、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、新興国メーカーの普及価格帯製品の価格下落が進み、価格競争に巻き込まれた場合、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。アパレルマシナリー事業では、影響を最小限とするため、製品、サービス、品質の3つの差別化を継続的に推進することにより、競合他社に対して優位性の維持・向上を図り、当該リスクの低減に取り組んでおります。オートモーティヴ事業におきましては、自動車市場の動向や競合他社との競争状況の影響を受けております。近年、特に中国市場を中心に価格競争が激化しており、完成車メーカーによる販売価格引き下げの影響がTier1メーカーを通じて部品サプライヤーにも波及しております。このような状況において、当社企業グループにおいても販売価格の引き下げ要請が継続して行われており、販売単価の下落や原価率の上昇ならびに低コスト構造を有する競合他社との競争の激化により、受注量や売上高等、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、構造的な価格低下が続く状況にあり、特に中国及びベトナムにおいては、その影響が顕在化しております。オートモーティヴ事業では、このような環境下においても、価格競争への対応に加え、顧客との関係強化や品質の維持・向上に取り組むことにより、競争力の維持・向上を図っております。併せて、自動化を中心とした原価率低減を推進し、コスト構造の基盤強化に努めております。また、特定顧客への依存を低減すべく、新規顧客の開拓にも積極的に取り組んでおります。 (10)金融市場の変動について当社企業グループは、緩和的な金融環境を踏まえ主に変動金利調達を行っているため、市場金利の上昇が、有利子負債のうち変動金利部分の支払利息を増加させ、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらには、事業の拡大や技術革新を目指し、新たな投資などによる資金が必要となった場合、金融市場の大幅な変化などによっては、資金調達条件が悪化する可能性があり、また当社企業グループの年金資産に関しては、市場性のある証券の公正価値や利子率など、金融市場における変動が年金制度の積立不足金額や債務を増加させ、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社企業グループでは、中長期的な事業拡大及び企業価値の向上に向けた安定的な財務基盤を確保するとともに、機動的な資金調達体制を整備することを目的として、シンジケート方式によるコミットメントライン契約を締結するなど、資金調達手段の多様化を図ることで当該リスクの低減に努めております。 (11)税制等について当社企業グループは、国内外において税制に関する様々な法規制の適用を受けており、各国の社会情勢の変化等により規制強化や新たな法的規制が適用される可能性があります。また、国内外における各国税務当局との見解の相違等により追徴課税が発生する可能性があり、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社企業グループでは、各国の税法に準拠して適正な申告・納税を行い、移転価格税制を含む国際税務リスクに適切に対応することにより、当該リスクの低減に取り組んでおります。 (12)人材の確保について当社企業グループは、売上及び製造ともに海外比率が高く、激しい競争のなかで事業を継続的に発展させるためには、高い専門性をもった世界で活躍できる技術者ならびにグローバルな経営戦略や組織運営に優れた人材を確保し、育成していく必要がありますが、近年は少子高齢化等による労働人口の減少によって、人材の確保及び育成が難航した場合、長期的には当社企業グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。当社企業グループは、新卒採用及びキャリア採用の双方に取り組み人材の育成及び定着支援を推進しております。また、各拠点における現地社員の積極的な幹部登用にも努めております。従業員一人ひとりの役割、能力及び成果をより適切に処遇へ反映し、働きがいの向上と人材の定着を図ることを目的として、働きがいを持って活躍できる環境の整備及び給与制度等の見直しを実施するなど、当該リスクの低減に取り組んでおります。

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