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カワタ(6292)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • プラスチック製造機器事業
    カワタグループは、プラスチック製品を作るための機械やシステムを製造・販売しています。具体的には、原料を運ぶ機械(オートローダー)、混ぜる機械(オートカラー)、乾燥させる機械(チャレンジャー)、金型の温度を調整する機械(ジャストサーモ)など多岐にわたります。これらの機器は、自動車部品や電子部品など、様々なプラスチック製品の製造現場で使われています。
  • システムエンジニアリング
    単に機械を売るだけでなく、顧客の工場全体の生産効率を上げるためのシステム設計や導入支援も行っています。例えば、原料の自動供給システムや、各工程を合理化・自動化するシステムを提供することで、顧客の生産性向上に貢献し、継続的な収益源としています。
  • グローバルな製造販売網
    日本国内だけでなく、中国、インドネシア、東南アジア、北中米といった世界各地に製造・販売拠点を展開しています。これにより、各地域の顧客ニーズに合わせた製品供給やサービス提供が可能となり、グローバル市場での競争力を高め、収益機会を広げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本事業
    日本国内でのプラスチック製品製造機器の製造と販売を担う主要なセグメントです。金型温度調節機や金型冷却機は子会社のサーモテックが、水関連機器はレイケンが製造し、その他製品は当社が製造しています。売上高は135.61億円と、グループ全体の約6割を占める最大の市場です。
  • 東アジア事業
    中国、台湾などを中心とした東アジア地域での事業活動を指します。川田機械製造(上海)有限公司が輸送機、乾燥機、金型温度調節機などを製造し、複数の販売子会社が地域に展開しています。売上高は46.00億円で、海外セグメントの中では最も大きく、グループの海外戦略において重要な位置を占めています。
  • 東南アジア事業
    東南アジア地域におけるプラスチック製品製造機器の製造と販売を行うセグメントです。PT.カワタインドネシアが乾燥機や金型温度調節機を製造し、複数の販売子会社が地域に展開しています。売上高は22.59億円で、成長が見込まれる市場として、今後の拡大が期待されています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 136 − −
EastAsia 地域 46 − −
SoutheastAsia 地域 23 − −
NorthAndCentralAmericaReportableSegment 地域 3 − −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|808 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び子会社14社で構成され、プラスチック成形機周辺装置等のプラスチック製品製造機器の製造、販売及びこれに関連するシステムエンジニアリングその他のサービス等の活動を主な事業としております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。 主要な製品は輸送機(オートローダー)、輸送・計量・混合機(オートカラー)、高速混合機(スーパーミキサー)、乾燥機(チャレンジャー)、大型乾燥装置、原料受入貯蔵システム、原料自動分配供給システム、原料計量混合システム、金型温度調節機(ジャストサーモ)、金型冷却機(チラー)、プラスチック粉砕機、環境保全関連の各工程の合理化機器及び自動化システムであります。日本では金型温度調節機及び金型冷却機を㈱サーモテックが、水関連機器を㈱レイケンが、その他の製品を当社が製造し、これらを当社及び㈱レイケンが販売しております。エム・エルエンジニアリング㈱は、プラスチック成形加工合理化機器を製造し、直接顧客へ販売しております。東南アジアでは主として乾燥機、金型温度調節機をPT.カワタインドネシアが、東アジアでは川田機械製造(上海)有限公司が主として輸送機、乾燥機、金型温度調節機を製造し、カワタパシフィックPTE.LTD.、カワタマーケティングSDN.BHD.、カワタタイランドCO.,LTD.、PT.カワタマーケティングインドネシア及びカワタマシナリーベトナムCO.,LTD.が東南アジア地域に、川田機械製造(上海)有限公司、川田機械香港有限公司及び川田國際股份有限公司が東アジア地域に販売しております。北中米では、当社グループ製品をカワタU.S.A.INC.が北米地域向けに販売し、カワタマシナリーメキシコS.A. DE C.V.が中米地域向けに販売しております。 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
原材料価格の上昇を販売価格へ十分に転嫁できない可能性、価格競争激化。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
「業界トップ技術」を掲げ、高機能かつ操作性に優れた独自製品の研究開発を進めている。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:特定事業分野への集中リスク / 原材料価格の上昇リスク / 価格競争激化のリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

カワタは特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPに関する顕著な情報がなく、無形資産による競争優位性は現時点では確認できない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

産業用ロボットの導入には初期投資やオペレーションの習熟が必要であり、顧客が他社製品へ容易に乗り換えることは考えにくい。しかし、特定の高度なカスタマイズや既存設備との連携度合いが不明なため、スイッチングコストは限定的と判断。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

産業用ロボット事業は、ユーザー数の増加が直接的な製品価値向上に繋がるネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の製造業としての経験や効率化努力により、一定のコスト管理能力は有していると考えられる。しかし、競合他社とのコスト構造における明確な優位性を示す具体的な情報は現時点では乏しい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

産業用ロボット市場において、カワタは特定のニッチ分野や地域で一定のシェアを確保している可能性があり、その規模が効率的な生産・提供に寄与していると考えられる。しかし、グローバルな大手と比較すると規模の経済性は限定的。

  • 多様な製品ラインナップ
    カワタグループは、プラスチック成形に必要な周辺装置を幅広く提供しており、顧客は多様なニーズに対応できるワンストップソリューションを得られます。輸送機から乾燥機、金型温度調節機、粉砕機まで、一貫したシステムを提供することで、顧客の設備投資の合理化と効率化を支援しています。
  • 地域に根差した生産・販売体制
    日本、中国、インドネシアに生産拠点を持ち、東アジア、東南アジア、北中米に販売・サービス拠点を展開しています。これにより、各地域の市場特性や顧客の要望に迅速に対応できる体制を構築しており、輸送コストの削減や為替変動リスクの軽減にも寄与しています。
  • 高機能合理化機器への注力
    自動車関連や電子部品関連業界向けに、高機能で生産性を向上させる合理化機器の提供に強みを持っています。これにより、顧客の生産効率向上や品質安定化に貢献し、技術的な優位性を確立することで、競争の激しい市場において差別化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針イ.社是われわれは「三力」をもって生産に励み、社運の伸展につくし、企業を通じて社会の平和と繁栄に寄与せんことを期する。知力 価値を生み出すのは知力である全知をつくして方法を考え力強く実行しよう努力 一歩前進するにも努力がいる苦難を克服し向上発展の道を一すじに進もう協力 ひとりの力には限界があるみんな力を出しきり一つに結ぼう ロ.経営理念「プラスチックをはじめとする粉粒体による製品製造現場において、省力化機器のスペシャリストとして、お客様のニーズにマッチした、品質の高い、他社の追随を許さないオンリーワン製品をお届けすることにより、社会に貢献する」1.市場が求めるものを常に探求し、お客様に喜ばれる製品・サービスを提供する。2.お客様が製造する消費財・生産財を通じて、世界の人々のより豊かで安全な暮らしに貢献する。3.従業員の自主性と働きがいを重視し、会社を持続的に成長させる。4.株主、取引先、地域社会の皆様から、「いい会社」と呼ばれる会社になる。 ハ.サステナビリティに関する考え方と取組み詳細につきましては「第2事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。 ニ.基本方針当社グループは、プラスチック成形工場における合理化機器システムの製造販売に長年携わっております。製造工程の省力化と加工材料のロス低減による環境への負荷軽減を理念とし、チャレンジCES(低コスト(C)、省エネ(E)、省スペース(S))を製品開発指針として、当業界のリーディングカンパニーとして、高機能かつ操作性に優れた独自製品を開発し新技術を世界に発信し続けるとともに、現場力を一層強化し収益力の向上を図っております。更に、プラスチック成形関連分野で培った技術、ノウハウを応用して、電池、食品、化粧品、化学等の新規販売分野を開拓・拡大していくことにより、市場対応力のある企業として成長を続け、企業価値・株主価値を高めていくことを基本方針としております。 (2) 経営環境、中長期的な経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループの主力納入先であるプラスチック成形加工業界は、国内外での激烈な技術革新と品質・価格競争の中にあります。当社グループでは、かかる環境下、コア事業におきまして、生産拠点(日本、中国、東南アジア)及び営業・サービス拠点(日本、中国、台湾、東南アジア、北中米)相互の連携を強固にし、品質、コスト、納期、アフターサービスでの競争力を一層強化することにより、グローバル化するユーザーニーズへ対応しマーケットシェアの拡大と収益力の向上を図ってまいります。当連結会計年度においては、日本セグメントにおけるフィルム・シート関連、医療向け等の非プラスチック関連、東南アジアセグメントにおけるOA機器、二輪関連等、比較的堅調に推移した分野はあったものの、自動車向け射出成形関連、EV向けのリチウムイオン電池関連の低迷に加え、東アジアセグメント(中国)における製品構成差異や価格競争激化、事業体制再構築に伴う構造改革費用を特別損失に計上したことなどにより、連結業績は計画値を下回りました。また、受注面においても、セグメント別でバラツキはあるものの、前連結会計年度に比べ、若干の減少となりました。上記状況を踏まえ、当社グループでは、2026年5月13日開催の当社取締役会において中期経営計画(2026-2028年度)の更新を行いました。概要は以下に記載のとおりでありますが、新規市場、成長分野における事業展開の強化や経営基盤の強化、資本収益性を意識した経営の推進等に取り組み、当社グループの継続的な成長と企業価値の更なる向上に努めてまいります。なお、東アジアセグメント(中国)においては、引き続き厳しい環境下ではありますが、人員減によるコスト削減に加え、①主力製品のコストダウンと営業・設計の提案力、サービス力向上による販売価格の維持、②高付加価値製品の開発・改良、③汎用品のラインナップ強化などを行い、収益性の改善に努めてまいります。また、当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底、人材の育成と強化等により、経営体質の一層の強化と透明性の向上を図ることを、経営上の重点課題と位置付けております。コーポレート・ガバナンスの詳細につきましては、㈱東京証券取引所に「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」を提出するとともに、当社ホームページ(https://www.kawata.cc/)に、社是・経営理念、コーポレート・ガバナンス基本方針、社外役員独立性基準、グループ行動指針、環境理念と方針、経営方針、中期経営計画等を開示しております。 (中期経営計画)① 事業環境・IMFは2026年の世界経済の実質GDP成長率を3.1%と予測しており、米国の通商政策における関税の不確実性低下や、金融引き締め局面の一服を背景に、低成長ながらも安定的な成長軌道への回帰が期待される。一方で、米国におけるインフレ率の予期せぬ上振れや貿易摩擦の再燃など、地政学的な不確実性および景気の下振れリスクは依然として残存している。・中国市場の停滞傾向が継続する中、中国企業が国外進出を活発化させ、東南アジア市場における競争が激化している。この結果、日系企業の収益環境が悪化し、設備投資意欲を減退させており、需要低迷の主要因となっている。一方で、成長著しいインド市場への注目は高まり、同国向けの投資が増加するなど、地域間の需要シフトが加速している。・日本国内における射出成形機の受注動向は、コロナ後の2021年~2022年に一時的な増加が見られたものの、その後は低迷が続いており、劇的に回復する兆しは見られない。 ② 基本的な考え方中長期的な視点において、プラスチックは高機能化と用途拡大に伴い、今後も世界の人々の生活に不可欠な素材であり、当社の核となる事業であり続ける。以下の重点項目を当社の持続的成長を支える最重要テーマと位置づけ、製造現場の構造的な課題解決に取組むとともに、プラスチック分野で培った技術やノウハウを基盤として、既存顧客の深化と新規市場・成長分野の拡大を図っていく。(a)製造現場の生産性向上への対応・労働供給制約(人手不足・賃金高騰)を背景とした省人化・省力化投資需要の捕捉・IoT、AI、ロボット活用によるDX化、スマートファクトリー化に伴う設備更新への対応(b)サステナビリティへの貢献・脱炭素・循環型経済の実現に向けた省エネルギー、環境投資需要への対応・EV、リサイクル、バイオプラスチック関連における環境課題のビジネス転換(c)新規市場、成長分野における事業展開の強化・既存の技術、ノウハウを応用した非プラスチック分野及び未開拓市場への進出・次世代の収益の柱となる新事業の育成と事業ポートフォリオの拡充 ③ 中期経営方針~世の中から必要とされる「優良企業」を目指す~ 「より強靭な事業体の構築」aESG経営の強化・環境・社会への貢献・透明性の高い企業統治(コーポレート・ガバナンス)の実現・全てのステークホルダーへの配慮 (株主、従業員、販売先、仕入先、金融機関、政府・自治体、地域社会)b少数精鋭かつ高収益体質の確立(地に足を付けた持続的な成長を図る)・人的資本への投資(人材確保、研修体系の確立と運用)・研究開発、技術力向上のための投資・事業所等の最適配置と更新、能力増強、効率化のための投資・省力化、省人化、システム化の推進・資本効率の向上(適正な棚卸資産の維持と有利子負債の削減)・安定的に当期利益10億円以上、自己資本利益率(ROE) 8%以上の確保・連結配当性向30%以上を基本として、自己資本配当率(DOE)2%台を維持 ④ 中期経営戦略の骨子a新規市場、成長分野における事業展開の強化 (事業拡大に寄与し、次世代の収益の柱となる事業の育成)(a) 非プラスチック分野・プラスチック成形関連分野で培った技術、ノウハウの応用と用途開発製品:高速混合機、粉体供給機器及びシステム、熱媒体循環温度調節機市場:食品、化粧品、セラミックス、化学、新素材、ダイカスト業界(b) 微粒子コーティング技術・実用化に向けたテスト対応、量産化対応の推進市場:全固体電池、液系リチウムイオン電池、ファインセラミックス部材分野など(c) EV関連業界製品:高速混合機、粉体供給機器及びシステム、熱媒体循環温度調節機市場:LIB業界(d) 新領域、未開拓分野への戦略的取組み市場:インド市場、非日系企業 b既存市場、既存分野での販売拡大と収益力向上(既存の市場や分野でのお客様を堅守、拡大のための取組み)製造現場における構造的な課題に寄り添い、省人化・生産性効率化投資、買替需要を確実に捕捉する。また、差別化戦略による競争優位性を確立し、劣勢・スリーピング顧客の掘り起こしや同業他社からのブランドチェンジを推進し、収益力を向上させる。(a) 競争力のある製品の開発、改良・QCDの徹底追求による製品競争力の底上げと信頼性の確立・「省スペース・省エネルギー・環境改善」を実現する操作性に優れた新機種開発と既存モデルの改良(b) 提案力、訴求力強化・製品の優位性や導入効果を可視化し、顧客に分かりやすく訴求する提案資料の作成・設計と営業の連携深化によるトータルソリューションの提案とシステム案件の積極的取組みを推進(c) サービス力・迅速かつ質の高いサービス提供による顧客満足度向上と顧客の囲い込み・計画的なメンテナンス提案と巡回サービスを通して高機能製品への買替需要の掘り起こしc経営基盤の強化(持続的成長を図るための取組み)(a) ガバナンスとリスク管理の徹底・透明性の高い企業統治(コーポレート・ガバナンス)の実現・コンプライアンス意識の徹底による誠実な企業活動・リスク管理の取組み強化とBCP対策への取組みの推進(b) 人的資本経営の推進と人財育成・優秀な人材・適正人員の確保・育成方針に基づく教育研修制度の充実・心理的安全性の確保・ダイバーシティ(多様性)への取組み強化(c) グループシナジーの最大化と組織の最適化・事業所等の最適配置と再構築によるグループ全体の組織力向上・各部門におけるグループ相互の連携強化・グローバル人材育成のための制度・運用とグループ間人材交流の強化(d) システム刷新による作業の平準化と業務効率化の推進(e) 積極的な情報発信とIR活動d資本収益性を意識した経営の推進(収益力と資産効率の両面から、資本収益性の改善を推進)(a) 収益力向上・中期経営戦略の取組み加速による、利益改善の前倒し・付加価値確保に拘った既存事業の収益性改善と、高収益の新規事業育成・収益安定化に向けた海外子会社の事業運営面の改革検討(b) 資産効率改善・経常運転資金の圧縮(売掛債権の回収早期化や大型案件における前受金取引の拡大、在庫の適正化、生産リードタイムの短縮)・グループ内資金の有効活用 (3) 目標とする経営指標当社グループは、株主の皆様への還元(配当または自己株式の取得)を充実させる一方で、高付加価値製品の開発や新規販売分野・地域の拡大、新規事業開発や戦略投資等にも積極的に経営資源を投下することにより、市場対応力のある企業として成長を続け、企業価値・株主価値を高めていくことを基本方針としております。資本コストや株価を意識した経営を進め、中長期的には、グループとして安定的に当期利益10億円以上、自己資本利益率(ROE)を8%以上を確保することと、連結配当性向30%以上を基本として、自己資本配当率(DOE)2%台を維持していくことを目標としております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針イ.社是われわれは「三力」をもって生産に励み、社運の伸展につくし、企業を通じて社会の平和と繁栄に寄与せんことを期する。知力 価値を生み出すのは知力である全知をつくして方法を考え力強く実行しよう努力 一歩前進するにも努力がいる苦難を克服し向上発展の道を一すじに進もう協力 ひとりの力には限界があるみんな力を出しきり一つに結ぼう ロ.経営理念「プラスチックをはじめとする粉粒体による製品製造現場において、省力化機器のスペシャリストとして、お客様のニーズにマッチした、品質の高い、他社の追随を許さないオンリーワン製品をお届けすることにより、社会に貢献する」1.市場が求めるものを常に探求し、お客様に喜ばれる製品・サービスを提供する。2.お客様が製造する消費財・生産財を通じて、世界の人々のより豊かで安全な暮らしに貢献する。3.従業員の自主性と働きがいを重視し、会社を持続的に成長させる。4.株主、取引先、地域社会の皆様から、「いい会社」と呼ばれる会社になる。 ハ.サステナビリティに関する考え方と取組み詳細につきましては「第2事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。 ニ.基本方針当社グループは、プラスチック成形工場における合理化機器システムの製造販売に長年携わっております。製造工程の省力化と加工材料のロス低減による環境への負荷軽減を理念とし、チャレンジCES(低コスト(C)、省エネ(E)、省スペース(S))を製品開発指針として、当業界のリーディングカンパニーとして、高機能かつ操作性に優れた独自製品を開発し新技術を世界に発信し続けるとともに、現場力を一層強化し収益力の向上を図っております。更に、プラスチック成形関連分野で培った技術、ノウハウを応用して、電池、食品、化粧品、化学等の新規販売分野を開拓・拡大していくことにより、市場対応力のある企業として成長を続け、企業価値・株主価値を高めていくことを基本方針としております。 (2) 経営環境、中長期的な経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループの主力納入先であるプラスチック成形加工業界は、国内外での激烈な技術革新と品質・価格競争の中にあります。当社グループでは、かかる環境下、コア事業におきまして、生産拠点(日本、中国、東南アジア)及び営業・サービス拠点(日本、中国、台湾、東南アジア、北中米)相互の連携を強固にし、品質、コスト、納期、アフターサービスでの競争力を一層強化することにより、グローバル化するユーザーニーズへ対応しマーケットシェアの拡大と収益力の向上を図ってまいります。当連結会計年度においては、日本セグメントにおけるフィルム・シート関連、医療向け等の非プラスチック関連、東南アジアセグメントにおけるOA機器、二輪関連等、比較的堅調に推移した分野はあったものの、自動車向け射出成形関連、EV向けのリチウムイオン電池関連の低迷に加え、東アジアセグメント(中国)における製品構成差異や価格競争激化、事業体制再構築に伴う構造改革費用を特別損失に計上したことなどにより、連結業績は計画値を下回りました。また、受注面においても、セグメント別でバラツキはあるものの、前連結会計年度に比べ、若干の減少となりました。上記状況を踏まえ、当社グループでは、2026年5月13日開催の当社取締役会において中期経営計画(2026-2028年度)の更新を行いました。概要は以下に記載のとおりでありますが、新規市場、成長分野における事業展開の強化や経営基盤の強化、資本収益性を意識した経営の推進等に取り組み、当社グループの継続的な成長と企業価値の更なる向上に努めてまいります。なお、東アジアセグメント(中国)においては、引き続き厳しい環境下ではありますが、人員減によるコスト削減に加え、①主力製品のコストダウンと営業・設計の提案力、サービス力向上による販売価格の維持、②高付加価値製品の開発・改良、③汎用品のラインナップ強化などを行い、収益性の改善に努めてまいります。また、当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底、人材の育成と強化等により、経営体質の一層の強化と透明性の向上を図ることを、経営上の重点課題と位置付けております。コーポレート・ガバナンスの詳細につきましては、㈱東京証券取引所に「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」を提出するとともに、当社ホームページ(https://www.kawata.cc/)に、社是・経営理念、コーポレート・ガバナンス基本方針、社外役員独立性基準、グループ行動指針、環境理念と方針、経営方針、中期経営計画等を開示しております。 (中期経営計画)① 事業環境・IMFは2026年の世界経済の実質GDP成長率を3.1%と予測しており、米国の通商政策における関税の不確実性低下や、金融引き締め局面の一服を背景に、低成長ながらも安定的な成長軌道への回帰が期待される。一方で、米国におけるインフレ率の予期せぬ上振れや貿易摩擦の再燃など、地政学的な不確実性および景気の下振れリスクは依然として残存している。・中国市場の停滞傾向が継続する中、中国企業が国外進出を活発化させ、東南アジア市場における競争が激化している。この結果、日系企業の収益環境が悪化し、設備投資意欲を減退させており、需要低迷の主要因となっている。一方で、成長著しいインド市場への注目は高まり、同国向けの投資が増加するなど、地域間の需要シフトが加速している。・日本国内における射出成形機の受注動向は、コロナ後の2021年~2022年に一時的な増加が見られたものの、その後は低迷が続いており、劇的に回復する兆しは見られない。 ② 基本的な考え方中長期的な視点において、プラスチックは高機能化と用途拡大に伴い、今後も世界の人々の生活に不可欠な素材であり、当社の核となる事業であり続ける。以下の重点項目を当社の持続的成長を支える最重要テーマと位置づけ、製造現場の構造的な課題解決に取組むとともに、プラスチック分野で培った技術やノウハウを基盤として、既存顧客の深化と新規市場・成長分野の拡大を図っていく。(a)製造現場の生産性向上への対応・労働供給制約(人手不足・賃金高騰)を背景とした省人化・省力化投資需要の捕捉・IoT、AI、ロボット活用によるDX化、スマートファクトリー化に伴う設備更新への対応(b)サステナビリティへの貢献・脱炭素・循環型経済の実現に向けた省エネルギー、環境投資需要への対応・EV、リサイクル、バイオプラスチック関連における環境課題のビジネス転換(c)新規市場、成長分野における事業展開の強化・既存の技術、ノウハウを応用した非プラスチック分野及び未開拓市場への進出・次世代の収益の柱となる新事業の育成と事業ポートフォリオの拡充 ③ 中期経営方針~世の中から必要とされる「優良企業」を目指す~ 「より強靭な事業体の構築」aESG経営の強化・環境・社会への貢献・透明性の高い企業統治(コーポレート・ガバナンス)の実現・全てのステークホルダーへの配慮 (株主、従業員、販売先、仕入先、金融機関、政府・自治体、地域社会)b少数精鋭かつ高収益体質の確立(地に足を付けた持続的な成長を図る)・人的資本への投資(人材確保、研修体系の確立と運用)・研究開発、技術力向上のための投資・事業所等の最適配置と更新、能力増強、効率化のための投資・省力化、省人化、システム化の推進・資本効率の向上(適正な棚卸資産の維持と有利子負債の削減)・安定的に当期利益10億円以上、自己資本利益率(ROE) 8%以上の確保・連結配当性向30%以上を基本として、自己資本配当率(DOE)2%台を維持 ④ 中期経営戦略の骨子a新規市場、成長分野における事業展開の強化 (事業拡大に寄与し、次世代の収益の柱となる事業の育成)(a) 非プラスチック分野・プラスチック成形関連分野で培った技術、ノウハウの応用と用途開発製品:高速混合機、粉体供給機器及びシステム、熱媒体循環温度調節機市場:食品、化粧品、セラミックス、化学、新素材、ダイカスト業界(b) 微粒子コーティング技術・実用化に向けたテスト対応、量産化対応の推進市場:全固体電池、液系リチウムイオン電池、ファインセラミックス部材分野など(c) EV関連業界製品:高速混合機、粉体供給機器及びシステム、熱媒体循環温度調節機市場:LIB業界(d) 新領域、未開拓分野への戦略的取組み市場:インド市場、非日系企業 b既存市場、既存分野での販売拡大と収益力向上(既存の市場や分野でのお客様を堅守、拡大のための取組み)製造現場における構造的な課題に寄り添い、省人化・生産性効率化投資、買替需要を確実に捕捉する。また、差別化戦略による競争優位性を確立し、劣勢・スリーピング顧客の掘り起こしや同業他社からのブランドチェンジを推進し、収益力を向上させる。(a) 競争力のある製品の開発、改良・QCDの徹底追求による製品競争力の底上げと信頼性の確立・「省スペース・省エネルギー・環境改善」を実現する操作性に優れた新機種開発と既存モデルの改良(b) 提案力、訴求力強化・製品の優位性や導入効果を可視化し、顧客に分かりやすく訴求する提案資料の作成・設計と営業の連携深化によるトータルソリューションの提案とシステム案件の積極的取組みを推進(c) サービス力・迅速かつ質の高いサービス提供による顧客満足度向上と顧客の囲い込み・計画的なメンテナンス提案と巡回サービスを通して高機能製品への買替需要の掘り起こしc経営基盤の強化(持続的成長を図るための取組み)(a) ガバナンスとリスク管理の徹底・透明性の高い企業統治(コーポレート・ガバナンス)の実現・コンプライアンス意識の徹底による誠実な企業活動・リスク管理の取組み強化とBCP対策への取組みの推進(b) 人的資本経営の推進と人財育成・優秀な人材・適正人員の確保・育成方針に基づく教育研修制度の充実・心理的安全性の確保・ダイバーシティ(多様性)への取組み強化(c) グループシナジーの最大化と組織の最適化・事業所等の最適配置と再構築によるグループ全体の組織力向上・各部門におけるグループ相互の連携強化・グローバル人材育成のための制度・運用とグループ間人材交流の強化(d) システム刷新による作業の平準化と業務効率化の推進(e) 積極的な情報発信とIR活動d資本収益性を意識した経営の推進(収益力と資産効率の両面から、資本収益性の改善を推進)(a) 収益力向上・中期経営戦略の取組み加速による、利益改善の前倒し・付加価値確保に拘った既存事業の収益性改善と、高収益の新規事業育成・収益安定化に向けた海外子会社の事業運営面の改革検討(b) 資産効率改善・経常運転資金の圧縮(売掛債権の回収早期化や大型案件における前受金取引の拡大、在庫の適正化、生産リードタイムの短縮)・グループ内資金の有効活用 (3) 目標とする経営指標当社グループは、株主の皆様への還元(配当または自己株式の取得)を充実させる一方で、高付加価値製品の開発や新規販売分野・地域の拡大、新規事業開発や戦略投資等にも積極的に経営資源を投下することにより、市場対応力のある企業として成長を続け、企業価値・株主価値を高めていくことを基本方針としております。資本コストや株価を意識した経営を進め、中長期的には、グループとして安定的に当期利益10億円以上、自己資本利益率(ROE)を8%以上を確保することと、連結配当性向30%以上を基本として、自己資本配当率(DOE)2%台を維持していくことを目標としております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態、経営成績の状況a.当連結会計年度の概況当連結会計年度の世界経済は、米国の通商政策に翻弄され不透明感が高まる中、様子見の傾向が強まる一方でIT関連投資を中心に底堅さが見られたものの、ウクライナ紛争の長期化に加え、足元では中東情勢の悪化による原油価格高騰も生じ、先行きに対する懸念が増大しております。わが国経済においては、個人消費の改善やDX、サプライチェーン強化に伴う設備投資により緩やかな回復基調を維持しました。また、設備投資の動向を知るうえで先行指標の一つである機械受注統計の推移を見ると、製造業の機械受注額は、造船、化学等の特定業種の押し上げにより、2025年4月~6月は13,174億円(前年同期比4.1%増)、7月~9月は13,616億円(同14.0%増)、10月~12月は13,578億円(同3.9%増)、1月は4,358億円、2月は5,695億円と、概ね堅調な推移となりました。一方、米国の通商政策に対する不透明感は継続し、直近では地政学的リスクの高まりに伴う輸入インフレの再燃により、全体的なコスト増が見込まれ、外部環境の変動に一層の注視が必要な状況にあります。このような環境下、当社グループは、プラスチック成形関連のコアビジネスにおきまして、品質の向上、納期の確守、新製品の開発等、競争力強化によるマーケットシェアの拡大を図るとともに、電池、食品、化粧品等の新規販売分野の開拓・拡大に注力してまいりました。しかしながら、当連結会計年度における受注高は、国内外の自動車業界向けを中心とした射出成形関連の受注が低迷していることに加え、電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連の投資低迷が影響し、前年同期比1億3千3百万円減(同0.7%減)の187億7千4百万円(受注残高は前年同期比3億9千万円減(同4.9%減)の76億1千9百万円)、売上高につきましても、前年同期比13億9千9百万円減(同6.7%減)の193億6千7百万円となりました。損益面では、販売費及び一般管理費は減少したものの、売上高の減少並びに売上総利益率の低下(30.1%→29.2%)により、営業利益は前年同期比5億3千6百万円減(同54.5%減)の4億4千7百万円、経常利益は為替差益8千5百万円の計上等により、前年同期比4億6千万円減(同44.6%減)の5億7千2百万円となりました。特別損益では、固定資産売却益7百万円を特別利益に、固定資産除売却損1千万円、中国子会社の事業体制再構築に伴う構造改革費用1億5千1百万円を特別損失に計上し、更に法人税、住民税及び事業税4億1千2百万円、法人税等調整額マイナス3千5百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比5億3千9百万円減(同93.6%減)の3千6百万円となりました。 b.報告セグメント別の概況日本におきましては、フィルム・シート関連、医療向け等の非プラスチック関連の売上は増加したものの、EV向けのリチウムイオン電池関連の売上や射出成形関連の売上が低調に推移したことから、売上高は前年同期比15億1千2百万円減(同10.7%減)の126億5千3百万円となりました。一方、損益面では、生産効率の向上による原価低減や大型案件の減少等により売上総利益率が改善(27.6%→28.3%)し、販売費及び一般管理費も減少したものの、売上減収分をカバーするには至らず、営業利益は前年同期比2億7千7百万円減(同23.6%減)の8億9千7百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、受取配当金の減少、支払利息の増加等により、前年同期比2億9千9百万円減(同22.4%減)の10億3千8百万円となりました。東アジアにおきましても、中国におけるEV向けのリチウムイオン電池関連の売上低迷に加え、スマホ・VR用レンズ関連の売上も低調であったことから、売上高は前年同期比2億6千3百万円減(同5.0%減)の50億2千4百万円となりました。損益面においても、販売費及び一般管理費は大きく減少したものの、中国における上記要因に伴う製品構成差異(付加価値の高い製品の販売が減少し、汎用品の比率が上昇)や価格競争激化により売上総利益率が低下(27.8%→20.9%)し、営業損失は4億8千4百万円(前年同期は1億7千2百万円の営業損失)となり、セグメント損失(経常損失)は4億8千2百万円(前年同期は1億1千4百万円の経常損失)となりました。東南アジアにおきましては、OA機器及び二輪関連の売上が堅調に推移したことから、売上高は前年同期比1億6千1百万円増(同7.1%増)の24億3千万円となりました。損益面では、販売費及び一般管理費が増加したものの、売上総利益率は若干良化(34.9%→35.0%)し、営業利益は前年同期比1千4百万円増(同25.6%増)の7千3百万円、セグメント利益(経常利益)は前年同期比9百万円増(同14.8%増)の7千3百万円となりました。北中米におきましては、前連結会計年度での受注増により、自動車業界向けを中心とした売上が堅調に推移し、売上高は前年同期比3億3百万円増(同85.0%増)の6億6千万円となりました。一方、損益面では、主として納入後に発生した不具合の手直し費用の増加により、売上総利益率が低下(36.1%→25.6%)し、販売費及び一般管理費も増加したため、営業損失は6千8百万円(前年同期は8千万円の営業損失)、セグメント損失(経常損失)は5千5百万円(前年同期は1億3千3百万円の経常損失)となりました。 なお、報告セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。 c.資産、負債及び純資産の状況流動資産は、前連結会計年度末に比べて、受取手形及び売掛金、契約資産、商品及び製品等が減少したことにより14億8千6百万円減少し、170億3千8百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べて、無形固定資産、投資有価証券等の増加により2億7千5百万円増加し、70億5千4百万円となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて12億1千1百万円減少し、240億9千2百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて、支払手形及び買掛金、短期借入金等が減少したことにより9億3千万円減少し、65億5千2百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べて、長期借入金等が減少したことにより2億5千9百万円減少し、40億8千1百万円となりました。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて11億8千9百万円減少し、106億3千4百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、利益剰余金の減少により2千2百万円減少し、134億5千8百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が4億1千8百万円となり、減価償却費4億2千万円、売上債権、契約資産及び契約負債の減少17億8千6百万円、棚卸資産の減少3億6千万円等の収入要因が、仕入債務の減少3億8千5百万円、法人税等の支払額4億4千1百万円等の支出要因を上回り、19億9千2百万円の収入超過(前年同期は11億2千2百万円の収入超過)となりました。運転資金の減少により、営業活動によるキャッシュ・フローが増加する中、金利上昇を背景とした有利子負債圧縮による財務費用の抑制と資金運用を図りつつ、当社における基幹システム刷新を中心とした投資も進めました。この結果、投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出6億2千6百万円、有形固定資産の取得による支出2億1百万円、ソフトウエアの取得による支出2億6千2百万円等により、10億3千3百万円の支出超過(前年同期は4億5千5百万円の支出超過)となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少による支出3億6千万円、長期借入金の減少による支出3億4千万円、配当金の支払額2億7千9百万円等により、10億6百万円の支出超過(前年同期は12億2千1百万円の支出超過)となりました。上記結果の他に、換算差額がマイナス1千3百万円となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べて6千万円減少して、67億9百万円となりました。 ③ 生産、受注及び販売の状況a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、北中米には生産拠点が存在しないため、記載しておりません。 セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)日本11,157,642△10.1東アジア4,505,1814.6東南アジア430,158△5.3合計16,092,981△6.3 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 金額は販売価格によっております。3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)日本11,624,608△6.15,169,242△10.8東アジア4,359,74610.81,665,19610.6東南アジア2,330,30611.5697,76249.8北中米459,926△8.387,462△63.6合計18,774,586△0.77,619,664△4.9 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)日本11,981,192△11.6東アジア4,318,642△6.1東南アジア2,414,6186.9北中米653,09288.0合計19,367,545△6.7 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績受注高は、フィルム・シート、医療向け等の非プラスチック関連、一部の海外地域におけるOA機器、二輪関連の受注は比較的堅調であったものの、自動車業界向けを中心とした射出成形関連、EV向けのリチウムイオン電池関連の受注は減少し、年度全体では前年同期比0.7%減となり、売上高につきましても6.7%減となりました。売上総利益率は、セグメント別でバラツキはあるものの、東アジア(中国)におけるEV向けのリチウムイオン電池関連の低迷、これに伴う製品構成差異や価格競争激化による落ち込みが大きく影響し、連結全体としては前年同期より0.9%低下しました。これらをセグメント別に見ると以下のとおりです。なお、セグメント別の受注高、売上高等の数値につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」を参照ください。 セグメント受注高増減割合売上高増減割合粗利率増減割合備考日本△6.1%△11.6%0.7%・押出成形関連は比較的堅調・自動車業界向け射出成形関連、EV共に低調・大型案件の減少東アジア10.8%△6.1%△6.9%・自動車向け射出成形関連、EV共に低調・製品構成差異、価格競争激化東南アジア11.5%6.9%0.1%・OA機器、二輪関連共に比較的堅調北中米△8.3%88.0%△10.5%・繰越受注残高の売上計上・自動車業界向け射出成形関連低調連結全体△0.7%△6.7%△0.9% 販売費及び一般管理費は、売上高の減少に伴う変動費を中心に前年同期比1.1%減少となり、営業外損益全体では、為替差益8千5百万円、助成金及び補助金収入4千7百万円、増値税還付金1千5百万円、支払利息6千5百万円の計上等により1億2千4百万円の利益(前年同期は4千9百万円の利益)となりました。特別損益全体では、固定資産売却益7百万円、固定資産除売却損1千万円、中国子会社の事業体制再構築に伴う構造改革費用1億5千1百万円の計上等により1億5千4百万円の損失(前年同期は8百万円の利益)となりました。また、法人税、住民税及び事業税4億1千2百万円、法人税等調整額マイナス3千5百万円を計上し、海外子会社の損益のうち、非支配株主に帰属する利益として4百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比5億3千9百万円減(同93.6%減)の3千6百万円となりました。 b.財政状態当社グループの経常運転資金(売上債権+棚卸資産-仕入債務)は、概ね月商の4~5か月程度を目安としておりますが、日本における中小受託取引適正化法の施行に伴い、今後は一定程度、低減していくものと推測しております。現預金残高は、大型案件の受注や売上時期が必ずしも毎月一定額とはならない当社グループの事業形態を考慮して、概ね月商の3か月程度を適正水準としており、海外子会社においては、資金の現地調達事情や緊急時の手元流動性をある程度考慮するようにしております。当連結会計年度においては、地政学的リスクの高まりに伴い、適正水準を上回る結果となっておりますが、金利上昇を受け、有利子負債(長短期借入金)の圧縮に努めました。現在の各勘定科目の水準は、現状の受注状況や、効率性と安全性の両面から考えると概ね適正であると判断しており、今後も自己資本比率45%程度、現預金は月商の3か月程度、有利子負債は月商の4か月程度をひとつの目途値と考えております。引続き棚卸資産の削減、売掛金の早期回収等により営業キャッシュ・フローの拡大を図るとともに、事業投資は営業活動によるキャッシュ・フローの収入超過額の枠内とすることを原則といたしますが、株主価値を持続的に向上させるため、新規事業開発や海外展開、戦略投資等には積極的な投資を実施していく予定です。一時的に営業活動によるキャッシュ・フローの収入超過額が不足する資金需要については、事業投資資金は長期借入金や社債により、運転資金は短期借入金により安定的に調達することを基本方針としております。また、現時点では具体的な予定はありませんが、大型の設備投資やM&A等の戦略投資の際には、エクイティファイナンスも選択肢のひとつとして検討する可能性があります。 c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおり、当社グループは、中長期的には、資本コストや株価を意識した経営を進め、安定的に当期利益10億円以上、自己資本利益率(ROE)8%以上を確保することと、連結配当性向30%以上を基本として、自己資本配当率(DOE)2%台を維持していくことを目標としております。当連結会計年度におきましては、総資産の減少により自己資本比率(前年度52.2%→54.7%)が上昇しました。これに対し、売上高の減少と売上総利益率の低下により収益性(売上高当期純利益率:前年度2.8%→当年度0.2%)が悪化し、自己資本利益率(ROE)は0.3%と前連結会計年度の4.5%と比較して4.2%低下いたしました。配当については、連結配当性向30%以上を安定して確保する観点から1株当たり年間38.0円(中間配当19.0円、期末配当19.0円)の配当を実施させていただくことにより、連結配当性向は717.8%、自己資本配当率(DOE)は2.0%(前年度は2.3%)となりました。中長期的な目標の達成に向け、適正な販売価格の維持と製造工程における業務効率化並びに中期経営計画、優先的な対処課題の着実な推進により、継続的な企業価値の向上と事業体質の更なる強化に努めてまいります。

事業リスク

  • 特定事業分野への集中
    カワタグループの売上は、自動車関連や電子部品関連業界向けのプラスチック製品製造機器に大きく依存しています。これらの業界の設備投資が景気変動や技術革新によって減少した場合、グループ全体の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 原材料価格の変動
    製品の製造に必要な鋼材などの原材料価格が市場の状況によって上昇するリスクがあります。原材料費の上昇を販売価格に十分に転嫁できない場合、利益率が低下し、グループの収益性に影響を与える可能性があります。
  • 海外事業と為替変動
    売上高の約37.1%を海外が占めており、特に東アジアの重要性が増しています。海外での政治的混乱、法改正、経済状況の変化、または中国人民元やインドネシアルピアなどの為替レートの急激な変動は、生産活動や営業活動、連結財務諸表の円換算に影響を及ぼし、グループの損益や財政状態を悪化させる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,964 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期並びに顕在化した場合における当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容については、合理的な見積もりを行うことが困難であるため記載しておりませんが、企業経営に対する重大なリスクに適切かつ迅速に対応するためにリスク審査委員会を編成し、発生頻度の可能性や経営に与える影響度に応じたリスク情報の収集と分析を行っております。併せて、その予防と緊急時の対応策整備、当社グループ全体のリスクの統括的管理を行い、取締役会において、連結子会社を含めたグループ全体の最新状況を共有し、管理、監督の徹底に努めております。今後の見通しとしては、世界経済は、地政学的リスクの高まりや中国経済の長期低迷等により、先行きに対する強い不透明感が漂っています。また、当社グループを取り巻く環境としては、射出成形機関連は依然として厳しい状況である一方、食品、粉体等の非プラスチック分野への販路拡大や生産年齢人口の減少、賃金上昇等の労働供給制約を背景とした省人化、省力化投資、さらに容器包装のリユース、リサイクル率向上に向けた取組み強化など、需要拡大に繋がる動きも見られます。このような状況を総合的に勘案した上で、より強靭な事業体を構築し、世の中から必要とされる「優良企業」を目指すべく、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)」に記載の中期経営計画を策定しました。翌連結会計年度につきましては、連結売上高は当期と概ね同水準ですが、中期経営計画に定めた諸施策の実行及び東アジアセグメント(中国)における収益性改善により、増益を見込んでおります。なお、現時点においては、損益及び財政状態に重大な影響を与えるリスクは認識しておりません。また、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰および調達リスクについては、現時点ではその影響額を合理的に算定することが困難であるため、業績予想には織り込んでおりません。今後、これらを含め、当社グループの業績に重大な影響が見込まれる事象が発生した場合には、速やかに関係者に対する通知並びに開示等の適切な対応を行います。 (1) 特定事業分野への集中リスク当社グループのコアビジネスはプラスチック製品製造機器事業であり、中でも、自動車関連や電子部品関連業界向けの高機能合理化機器の売上高構成比が高くなっております。当社グループは、今後も継続して新規販売分野の開拓・拡大や、新製品・新技術の開発等に注力してまいりますが、国内外のプラスチック成形加工業界の設備投資額が景気動向等により低下した場合や、当該業界を取り巻く技術革新や事業環境の変化に対応できなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 原材料価格の上昇リスク当社グループの製品の原材料には、鋼材等、市況変動の影響を受けるものや石油由来の化学素材があります。種々の原価低減策を上回る原材料価格の上昇が生じた場合は、可能な範囲で販売価格へ転嫁するよう努めますが、価格転嫁が十分にできなかった場合は、利益率が低下する可能性があります。また、中東情勢悪化に伴う原油問題については、調達先の多様化や在庫の確保等、製品の安定供給に向けた最大限の努力を継続し、影響の最小化に努めてまいりますが、世界的な供給途絶や市場での深刻な品薄が発生した場合、原材料の安定確保が困難となり、生産活動の停止や製品供給の遅延を余儀なくされる恐れがあります。 (3) 価格競争激化のリスク当社グループの主力納入先であるプラスチック成形加工業界は、国内外での激烈な技術革新と品質・価格競争の中にあり、設備投資に関する要求水準が厳しくなっております。当社グループでは、高付加価値製品の開発や品質・納期・価格面での競争力強化に努めておりますが、想定を上回る価格競争が生じた場合には、利益率が低下する可能性があります。 (4) 海外事業リスク当社グループは、プラスチック成形加工業界向けの需要や市場の将来性が見込める海外地域に拠点を展開する方針としており、東アジア、東南アジアでの生産拠点、東アジア、東南アジア、北中米での営業・サービス拠点の強化に努めております。2026年3月期において、売上高に占める海外売上高の割合は40.1%となっており、中でも東アジア(中国、台湾等)の重要性が増しております。当該海外地域での政治的混乱、法律の一方的な改訂、経済状況の変化、宗教問題等、予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの生産・営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 為替レートの変動リスク当社グループは、輸送コストや為替の影響を軽減するため、海外生産を中国、インドネシアで行っておりますが、中国人民元、インドネシアルピアの通貨価値の変動により、各製造子会社の外貨建の販売価格、仕入価格に影響を及ぼす可能性があります。外貨建取引については為替先物予約等によるリスクヘッジに極力努めておりますが、急激な為替レートの変動があった場合は、想定以上の為替差損益が発生する可能性があります。また、各海外子会社における売上、費用、資産及び負債については、連結財務諸表作成時に各現地通貨から円換算を行っているため、換算時のレートの変動により、当社グループの損益や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 人材の確保と育成のリスク当社グループの事業の発展と成功は、人材の確保と育成にかかっております。中でも海外子会社においては、実務能力に加えて、現地従業員に対するリーダーシップとコミュニケーション能力にたけた人材を十分に確保・育成する必要があります。人材の確保・育成に成功しなかった場合には、当社グループの中長期的な事業戦略に影響を与える可能性があります。 (7) 訴訟リスク当社グループの事業活動において、知的財産、製造物責任、環境保全、労務問題等に関し訴訟を提起される、または訴訟を提起する場合があり、その動向によっては当社グループの損益及び財政状態、社会的信用等に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 自然災害、事故災害、重篤な感染症の流行のリスク地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、重篤な感染症が流行した場合、直接的または間接的に当社グループの生産・営業活動に影響を及ぼし、損益及び財政状態が悪化する可能性があります。 (9) 気候変動によるリスク気候変動がもたらす大規模災害による生産設備への被害や原材料調達等への影響のほか、世界各国における気候変動に対する規制強化や制度の変化により原材料やエネルギー等に係るコストが上昇した場合には、直接的または間接的に当社グループの生産・営業活動に影響を及ぼし、損益及び財政状態が悪化する可能性があります。

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