6305

日立建機(6305)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 建設機械の製造販売
    油圧ショベルやホイールローダといった建設機械を製造し、世界中で販売しています。これらの機械は、道路や建物の建設、資源開発など、社会のインフラ整備に不可欠なもので、同社の主要な収益源となっています。
  • 部品サービス提供
    建設機械の販売だけでなく、それに関連する部品の供給やメンテナンスサービスも提供しています。機械が長く使われる中で発生する部品交換や修理の需要に応えることで、安定した収益を確保し、顧客との長期的な関係を築いています。
  • トータルライフサイクル提供
    建設機械の製造から販売、そしてその後の部品供給やメンテナンスまで、機械の生涯にわたる一連のサービスを提供しています。これにより、顧客は機械の導入から運用、保守までを一貫して任せることができ、同社は顧客のニーズに幅広く対応することで事業を拡大しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 建設機械ビジネス
    油圧ショベルやホイールローダといった建設機械の製造・販売を主に行う事業です。インフラ整備や資源開発、不動産建設など、幅広い分野で使われる機械を提供し、関連する部品やサービスの販売を通じて、機械の全ライフサイクルをサポートしています。
  • スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス
    建設機械ビジネスに含まれない、マイニング設備や機械のアフターセールスに特化した事業です。部品の開発、製造、販売、そしてサービスソリューションの提供を通じて、鉱山機械などの専門的な機械の長期的な運用を支え、安定稼働に貢献しています。
  • グローバルな事業展開
    同社は、日本だけでなく世界各地に連結子会社や関連会社を持ち、グローバルに事業を展開しています。これにより、各地域の市場ニーズに合わせた製品やサービスを提供し、多様な地域からの収益を確保することで、事業の安定性と成長を目指しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|293 文字
3 【事業の内容】当連結グループは、提出会社、連結子会社81社及び関連会社20社で構成され、油圧ショベル・超大型油圧ショベル・ホイールローダ等の製造・販売及びこれに関連する部品サービスの販売により建設機械に関連する一連のトータルライフサイクルの提供を主たる目的とした建設機械ビジネスセグメントと、建設機械ビジネスセグメントに含まれないマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品開発、製造、販売及びサービスソリューションの提供を主たる目的としたスペシャライズド・パーツ・サービスビジネスセグメントの2つを報告セグメントとしています。当連結グループの事業の系統図は次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
資材費や関税・物流費等のコスト上昇に対し、適正な販売価格の確保に努めているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
次期排ガス規制対応技術、クリーン化・省エネルギー化技術、遠隔診断・ソフトウェア更新技術。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:市場環境の変動 / 為替相場の変動 / 金融市場の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

日立建機は、建設機械業界において長年の実績と信頼に基づくブランド力を持つ。特に、グローバル市場での認知度や、一部の専門分野における技術的ノウハウは無形資産となり得る。しかし、特許やライセンスによる明確な独占性は限定的であり、ブランド力も競合他社との差別化が難しい側面もある。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

建設機械は高額な設備投資であり、一度導入するとメンテナンス体制やオペレーターの習熟度から、他社製品への乗り換えには一定のコストと手間がかかる。特に、特定機種に最適化されたアタッチメントやサービス網を利用している顧客は、乗り換えによる機会損失や追加コストを懸念するため、スイッチング・コストは中程度存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

建設機械の利用において、ユーザーが増えることで機械自体の価値が向上するようなネットワーク効果は基本的に存在しない。プラットフォーム型ビジネスではないため、このモートは該当しない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

日立建機はグローバルな生産・調達ネットワークを持つが、建設機械業界は一般的に価格競争が激しく、原材料費や人件費の変動リスクに晒される。規模の経済によるコスト優位性は存在するものの、競合他社も同様の取り組みを行っており、構造的な圧倒的コスト優位性は限定的である。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

日立建機は、世界有数の建設機械メーカーであり、グローバルな販売・サービス網を構築している。この規模は、研究開発投資、生産効率、部品調達、アフターサービスにおいて、中小規模の競合他社に対して優位性をもたらす。特に、主要市場でのシェアは、効率的な事業運営を可能にする。

  • グローバルな事業展開
    世界各地に生産拠点や販売網を持つことで、特定の地域経済の変動リスクを分散し、多様な市場の需要を取り込むことが可能です。これにより、安定した事業基盤を築き、国際的な競争力を維持しています。
  • 幅広い製品ラインナップ
    油圧ショベルから超大型油圧ショベル、ホイールローダまで、多様な建設機械を提供しています。これにより、様々な顧客のニーズに対応でき、幅広い建設・鉱山現場での採用機会を増やし、市場での存在感を高めています。
  • アフターセールス体制
    建設機械の販売後も、部品開発、製造、販売、サービスソリューションの提供を通じて、顧客の機械が長く効率的に稼働するよう支援しています。この手厚いアフターセールス体制は、顧客満足度を高め、リピート購入や長期的な関係構築に繋がる強みとなります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。(1) 経営方針当連結グループは、「豊かな大地、豊かな街を未来へ 安全で持続可能な社会の実現に貢献します」というビジョンを掲げ、全従業員が、グループ共通の行動規範である「Challenge Customer Communication」を体現しながら、お客さまの価値を創造し続けます。その上で、新たなコーポレートブランドとなる「LANDCROS」のもと、創業以来積み重ねてきた確かな技術力を基盤として、コア製品をグローバルに提供するとともに、お客さまの立場に立ったバリューチェーンを展開していきます。加えて、デジタル技術の活用と「オープン戦略」を通じて、お客さまの課題の本質に踏み込んだ革新的なソリューションを提供することで、市場における競争優位性を確立します。お客さまから獲得した圧倒的な信頼を背景に、当社グループは、世界トップクラスの建設・マイニング機械メーカーとして、持続的な事業成長を図っていきます。同時に、絶え間ない経営効率向上に向けた取り組みを通じて収益性を向上し、キャッシュの創出力を高めていきます。加えてSDGsやESG等を経営課題と位置付け、持続可能な社会の実現にも貢献します。こうした取り組みを通じ、企業価値の増大と更なる株主価値の向上に取り組んでいきます。 (2) 中期経営計画の進捗当社グループは、「豊かな大地、豊かな街を未来へ 安全で持続可能な社会の実現に貢献します」というビジョンの実現に向けて、2023年度を初年度とする中期経営計画(BUILDING THE FUTURE 2025 未来を創れ)を推進してまいりました。当社は、2027年4月にランドクロス株式会社へ社名変更を予定しており、2026年度より始まる新中期経営計画「LANDCROS 2028」を、その新たな船出を成功させる3年間と位置付けるとともに、ブランド変更を未来に向けた変革の起点としてまいります。 ① 前中期経営計画のふり返り前中期経営計画の期間(2023年度~2025年度)、油圧ショベルの世界需要は、2022年度の25万台から2025年度の23万4千台へと、6%減少する厳しい市場環境でした。その中でも当社は、米州独自展開を中心に売上を伸ばし、部品・サービス事業でも着実に成果を積み上げてきました。さらに、営業キャッシュフローを大きく改善させるなど、財務体質を強化してまいりました。 この結果は、前中期経営計画で掲げた4つの施策を順調に進めることができたこと、特にバリューチェーンの拡大とソリューションの深化がけん引しました。厳しい市場環境の中でも、「顧客に寄り添う革新的ソリューションの提供」として、フル電動ダンプトラックの実証試験を成功させ、2027年度の商用化に道を開きました。「バリューチェーン事業の拡充」として、ConSiteの深化による継続的な売り上げ拡大と共にLANDCROS Connect Insightによる稼働データ解析などに取り組みました。「米州事業の拡大」として、事業基盤を強化し、当社製品の稼働台数を着実に増やしました。「人・企業力の強化」として、グローバルにモノづくり人財を育成するとともに、インドに開発・設計センターを設立し、次の成長に向けた基盤作りを進めました。 ② 新中期経営計画「LANDCROS 2028」についてa. LANDCROSがめざす姿と成長ストーリー始めに、社名やブランドは変わりますが、当社として大切にしている想いは変わりません。75年にわたる誇りある歩みを礎に、人と技術の協働で持続可能な社会を創り、次の100年も変わらずお客さまの想いに応えつづけてまいります。コーポレートブランド「LANDCROS」は、私たちのビジョン、豊かな大地「LAND」と、私たちが大切にしている「Customer」、「Reliable」、「Open」、「Solutions」を組み合わせ、「革新的な製品・サービス・ソリューションを協創し、ともに新たな価値を創造し続ける」という私たちのミッションを表しています。LANDCROSとともに、私たちのミッションやスピリットを継承しながら、日本発のモノづくり力、グローバルな販売サービス力、そしてオープンな協創力といった、これまでに培ってきた強みを進化させ、企業価値を向上させていきます。 この「LANDCROS」による成長ストーリーを6つ示します。キーワードは、「継承と進化」による新たな船出です。バリューチェーン事業の強化を継続し、リカーリング収益を拡大させます。戦略の柱に、“マイニング事業”を名実ともに追加し、更に強化してまいります。 加えて、事業を「太く・強く」する大胆な成長投資と構造改革を実施し、オープン戦略とともに、「事業拡大・企業価値向上・株価向上」を実現します。これにより、2030年には、業界トップスリーを実現し、LANDCROSブランドを飛躍させてまいります。 具体的な目標として、4つの成長ドライバーと目標を下記の図のとおり定めました。厳しさを増す競争環境の中で、自律的かつ持続的に成長し革新的ソリューションを提供しつづけるためには、事業規模の拡大が不可欠です。売上と利益の絶対額にこだわり、大胆な成長投資と事業ポートフォリオ戦略も実施し、ここに示した重点事業の目標を達成してまいります。2030年業界トップスリーになるための通過点として、新中期経営計画「LANDCROS 2028」を推進してまいります。 b. 新中期経営計画「LANDCROS 2028」の取り組みについて新中期経営計画では、先に示した4つの重点事業を拡大してまいります。そのための推進力は、「代理店・パートナー企業とともに創るオープン戦略」、「人・企業力の強化」、さらには「成長投資と事業ポートフォリオ戦略」です。 <重点事業>新中期経営計画における重点事業は、「北米事業」、「中南米事業」、「マイニング事業」および「部品・サービス事業」の4つです。「北米事業」は、独自展開において、成長の第2フェーズとして、主力の油圧ショベル、ホイールローダに加えて製品ラインナップを増やし、販売シェアを一層向上してまいります。「中南米事業」は、成長基盤を拡大して構築いたします。マイニングを中心に、ファイナンス、サプライチェーン、サービス体制などの整備を継続し、部品・サービス事業やスペシャライズド・パーツ・サービスビジネス事業の強化を図ってまいります。「マイニング事業」は、北中南米、アフリカを重点地域と位置づけ、お客さまニーズに応えることにこだわり、コア製品を一層強化します。合わせて、スペシャライズド・パーツ・サービスビジネスなどの事業領域をさらに拡大してまいります。「部品・サービス事業」では、北中南米事業、マイニング事業などの拡大による稼働台数の増加に対し、捕捉率の向上施策を実行することで、売上高と利益額の拡大を図ってまいります。 <代理店・パートナー企業とともに創るオープン戦略>当社の強みとオープン戦略を掛け合わせ、アセットライトで重点事業の拡大を推進します。当社の強みには、75年にわたる建設機械の研究開発力とそれに裏付けられた「モノづくり力」があります。さらに代理店の皆さまと培ってきた「販売サービス力」があります。ここには、全世界約300社の代理店と約9,000人のメカニックが支えるお客さま接点と、蓄積された知見やデータという強固な基盤があります。これらに加え、パートナー企業と連携して価値を広げる協創力があり、これらをオープンに連携することで、当社ならではの革新的ソリューションを提供し続けてまいります。 <人・企業力の強化>始めに、研究開発力強化による価値創造と競争力の強化を進めてまいります。モノづくり技術とデジタル価値を統合し、革新的ソリューションで差別化を図ることで、「安全性・生産性の向上、ライフサイクルコスト削減、環境対応」といったお客さまの普遍的価値を追求します。品質管理、油圧制御といったコア技術・価値をさらに磨き、グローバルに展開している当社機械の稼働データやAI、デジタルなどの先進技術と融合させ、技術革新を加速します。そして、人検知システムや遠隔・自動化対応、稼働状況に基づくサービスなどを掛け合わせることで、高い付加価値を有する製品とサービス・ソリューションを提供し、お客さま現場の課題に総合的に応えてまいります。 次に、ヒトの知恵とAIの協調による提供価値の高度化をめざします。AI活用では、お客さまの価値創造を実現するために、ヒトの知恵とAIの進化を掛け合わせることを基本方針としています。施工現場の安全性向上や稼働率の向上、機械の巡回メンテナンスサービスの最適化など、お客さまに関わる領域において横断的にAI活用を推進します。同時に、ヒトがフィジカルに対応する領域をAIがサポートしていくことで、革新的ソリューションの提供と、事業競争力の強化を着実に進めてまいります。 併せて、環境価値・社会価値向上にも取り組んでまいります。新中期経営計画においても、前中期経営計画に引き続き、2050年カーボンニュートラル実現へ向けて1.5℃シナリオに沿った取り組みを推進してまいります。また、事業全体を通じて、サーキュラーエコノミー(CE)、ネイチャーポジティブ(NP)にも取り組んでまいります。 さらに、持続可能な成長に向けた人的資本経営の実現を図ります。社名・ブランド変更という節目を迎えるにあたり、従業員と企業の関係性の強さや深さを示す指標である「エンゲージメント」と、多様性や一体感を表す指標である「インクルージョン&ダイバーシティ」の向上に取り組んでまいります。社員一人ひとりが変化の担い手となり、多様な人財が力を発揮できる環境づくりを、経営の重要課題として進めてまいります。 <成長投資と事業ポートフォリオ戦略>先に示した各種取り組みにより、オーガニック成長を着実に進め、重点事業を拡大してまいります。さらに、2030年の業界トップスリーを確実に実現するために、戦略的な成長投資と事業ポートフォリオ戦略を進め、インオーガニック成長を実現することで事業拡大を加速させます。新中期経営計画の3年間においては、安定的な営業キャッシュフローの獲得に加え、財務レバレッジを戦略的に活用することで、5,000億円規模の成長投資資金を確保し積極的な成長戦略を実行してまいります。 ③新中期経営計画の定量的目標成長性の面では、4つの成長ドライバーを中心に事業を拡大し、2030年に業界トップスリーをめざすことができる事業規模を実現してまいります。収益性・効率性の目標値は、記載の通りで、成長とともに利益額、そして営業キャッシュフロー額の拡大をめざします。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。(1) 経営方針当連結グループは、「豊かな大地、豊かな街を未来へ 安全で持続可能な社会の実現に貢献します」というビジョンを掲げ、全従業員が、グループ共通の行動規範である「Challenge Customer Communication」を体現しながら、お客さまの価値を創造し続けます。その上で、新たなコーポレートブランドとなる「LANDCROS」のもと、創業以来積み重ねてきた確かな技術力を基盤として、コア製品をグローバルに提供するとともに、お客さまの立場に立ったバリューチェーンを展開していきます。加えて、デジタル技術の活用と「オープン戦略」を通じて、お客さまの課題の本質に踏み込んだ革新的なソリューションを提供することで、市場における競争優位性を確立します。お客さまから獲得した圧倒的な信頼を背景に、当社グループは、世界トップクラスの建設・マイニング機械メーカーとして、持続的な事業成長を図っていきます。同時に、絶え間ない経営効率向上に向けた取り組みを通じて収益性を向上し、キャッシュの創出力を高めていきます。加えてSDGsやESG等を経営課題と位置付け、持続可能な社会の実現にも貢献します。こうした取り組みを通じ、企業価値の増大と更なる株主価値の向上に取り組んでいきます。 (2) 中期経営計画の進捗当社グループは、「豊かな大地、豊かな街を未来へ 安全で持続可能な社会の実現に貢献します」というビジョンの実現に向けて、2023年度を初年度とする中期経営計画(BUILDING THE FUTURE 2025 未来を創れ)を推進してまいりました。当社は、2027年4月にランドクロス株式会社へ社名変更を予定しており、2026年度より始まる新中期経営計画「LANDCROS 2028」を、その新たな船出を成功させる3年間と位置付けるとともに、ブランド変更を未来に向けた変革の起点としてまいります。 ① 前中期経営計画のふり返り前中期経営計画の期間(2023年度~2025年度)、油圧ショベルの世界需要は、2022年度の25万台から2025年度の23万4千台へと、6%減少する厳しい市場環境でした。その中でも当社は、米州独自展開を中心に売上を伸ばし、部品・サービス事業でも着実に成果を積み上げてきました。さらに、営業キャッシュフローを大きく改善させるなど、財務体質を強化してまいりました。 この結果は、前中期経営計画で掲げた4つの施策を順調に進めることができたこと、特にバリューチェーンの拡大とソリューションの深化がけん引しました。厳しい市場環境の中でも、「顧客に寄り添う革新的ソリューションの提供」として、フル電動ダンプトラックの実証試験を成功させ、2027年度の商用化に道を開きました。「バリューチェーン事業の拡充」として、ConSiteの深化による継続的な売り上げ拡大と共にLANDCROS Connect Insightによる稼働データ解析などに取り組みました。「米州事業の拡大」として、事業基盤を強化し、当社製品の稼働台数を着実に増やしました。「人・企業力の強化」として、グローバルにモノづくり人財を育成するとともに、インドに開発・設計センターを設立し、次の成長に向けた基盤作りを進めました。 ② 新中期経営計画「LANDCROS 2028」についてa. LANDCROSがめざす姿と成長ストーリー始めに、社名やブランドは変わりますが、当社として大切にしている想いは変わりません。75年にわたる誇りある歩みを礎に、人と技術の協働で持続可能な社会を創り、次の100年も変わらずお客さまの想いに応えつづけてまいります。コーポレートブランド「LANDCROS」は、私たちのビジョン、豊かな大地「LAND」と、私たちが大切にしている「Customer」、「Reliable」、「Open」、「Solutions」を組み合わせ、「革新的な製品・サービス・ソリューションを協創し、ともに新たな価値を創造し続ける」という私たちのミッションを表しています。LANDCROSとともに、私たちのミッションやスピリットを継承しながら、日本発のモノづくり力、グローバルな販売サービス力、そしてオープンな協創力といった、これまでに培ってきた強みを進化させ、企業価値を向上させていきます。 この「LANDCROS」による成長ストーリーを6つ示します。キーワードは、「継承と進化」による新たな船出です。バリューチェーン事業の強化を継続し、リカーリング収益を拡大させます。戦略の柱に、“マイニング事業”を名実ともに追加し、更に強化してまいります。 加えて、事業を「太く・強く」する大胆な成長投資と構造改革を実施し、オープン戦略とともに、「事業拡大・企業価値向上・株価向上」を実現します。これにより、2030年には、業界トップスリーを実現し、LANDCROSブランドを飛躍させてまいります。 具体的な目標として、4つの成長ドライバーと目標を下記の図のとおり定めました。厳しさを増す競争環境の中で、自律的かつ持続的に成長し革新的ソリューションを提供しつづけるためには、事業規模の拡大が不可欠です。売上と利益の絶対額にこだわり、大胆な成長投資と事業ポートフォリオ戦略も実施し、ここに示した重点事業の目標を達成してまいります。2030年業界トップスリーになるための通過点として、新中期経営計画「LANDCROS 2028」を推進してまいります。 b. 新中期経営計画「LANDCROS 2028」の取り組みについて新中期経営計画では、先に示した4つの重点事業を拡大してまいります。そのための推進力は、「代理店・パートナー企業とともに創るオープン戦略」、「人・企業力の強化」、さらには「成長投資と事業ポートフォリオ戦略」です。 <重点事業>新中期経営計画における重点事業は、「北米事業」、「中南米事業」、「マイニング事業」および「部品・サービス事業」の4つです。「北米事業」は、独自展開において、成長の第2フェーズとして、主力の油圧ショベル、ホイールローダに加えて製品ラインナップを増やし、販売シェアを一層向上してまいります。「中南米事業」は、成長基盤を拡大して構築いたします。マイニングを中心に、ファイナンス、サプライチェーン、サービス体制などの整備を継続し、部品・サービス事業やスペシャライズド・パーツ・サービスビジネス事業の強化を図ってまいります。「マイニング事業」は、北中南米、アフリカを重点地域と位置づけ、お客さまニーズに応えることにこだわり、コア製品を一層強化します。合わせて、スペシャライズド・パーツ・サービスビジネスなどの事業領域をさらに拡大してまいります。「部品・サービス事業」では、北中南米事業、マイニング事業などの拡大による稼働台数の増加に対し、捕捉率の向上施策を実行することで、売上高と利益額の拡大を図ってまいります。 <代理店・パートナー企業とともに創るオープン戦略>当社の強みとオープン戦略を掛け合わせ、アセットライトで重点事業の拡大を推進します。当社の強みには、75年にわたる建設機械の研究開発力とそれに裏付けられた「モノづくり力」があります。さらに代理店の皆さまと培ってきた「販売サービス力」があります。ここには、全世界約300社の代理店と約9,000人のメカニックが支えるお客さま接点と、蓄積された知見やデータという強固な基盤があります。これらに加え、パートナー企業と連携して価値を広げる協創力があり、これらをオープンに連携することで、当社ならではの革新的ソリューションを提供し続けてまいります。 <人・企業力の強化>始めに、研究開発力強化による価値創造と競争力の強化を進めてまいります。モノづくり技術とデジタル価値を統合し、革新的ソリューションで差別化を図ることで、「安全性・生産性の向上、ライフサイクルコスト削減、環境対応」といったお客さまの普遍的価値を追求します。品質管理、油圧制御といったコア技術・価値をさらに磨き、グローバルに展開している当社機械の稼働データやAI、デジタルなどの先進技術と融合させ、技術革新を加速します。そして、人検知システムや遠隔・自動化対応、稼働状況に基づくサービスなどを掛け合わせることで、高い付加価値を有する製品とサービス・ソリューションを提供し、お客さま現場の課題に総合的に応えてまいります。 次に、ヒトの知恵とAIの協調による提供価値の高度化をめざします。AI活用では、お客さまの価値創造を実現するために、ヒトの知恵とAIの進化を掛け合わせることを基本方針としています。施工現場の安全性向上や稼働率の向上、機械の巡回メンテナンスサービスの最適化など、お客さまに関わる領域において横断的にAI活用を推進します。同時に、ヒトがフィジカルに対応する領域をAIがサポートしていくことで、革新的ソリューションの提供と、事業競争力の強化を着実に進めてまいります。 併せて、環境価値・社会価値向上にも取り組んでまいります。新中期経営計画においても、前中期経営計画に引き続き、2050年カーボンニュートラル実現へ向けて1.5℃シナリオに沿った取り組みを推進してまいります。また、事業全体を通じて、サーキュラーエコノミー(CE)、ネイチャーポジティブ(NP)にも取り組んでまいります。 さらに、持続可能な成長に向けた人的資本経営の実現を図ります。社名・ブランド変更という節目を迎えるにあたり、従業員と企業の関係性の強さや深さを示す指標である「エンゲージメント」と、多様性や一体感を表す指標である「インクルージョン&ダイバーシティ」の向上に取り組んでまいります。社員一人ひとりが変化の担い手となり、多様な人財が力を発揮できる環境づくりを、経営の重要課題として進めてまいります。 <成長投資と事業ポートフォリオ戦略>先に示した各種取り組みにより、オーガニック成長を着実に進め、重点事業を拡大してまいります。さらに、2030年の業界トップスリーを確実に実現するために、戦略的な成長投資と事業ポートフォリオ戦略を進め、インオーガニック成長を実現することで事業拡大を加速させます。新中期経営計画の3年間においては、安定的な営業キャッシュフローの獲得に加え、財務レバレッジを戦略的に活用することで、5,000億円規模の成長投資資金を確保し積極的な成長戦略を実行してまいります。 ③新中期経営計画の定量的目標成長性の面では、4つの成長ドライバーを中心に事業を拡大し、2030年に業界トップスリーをめざすことができる事業規模を実現してまいります。収益性・効率性の目標値は、記載の通りで、成長とともに利益額、そして営業キャッシュフロー額の拡大をめざします。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】1.経営成績等の状況の概要(1) 業績 ① 売上収益当連結会計年度の連結売上収益は前連結会計年度比2.5%増加の1兆4,054億9千3百万円となりました。 ② 売上原価、販売費及び一般管理費当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度比4.8%増加の9,880億7千7百万円となりました。売上原価の売上収益に対する比率は前連結会計年度より1.6ポイント増加し70.3%となりました。また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度比0.3%増加の2,844億6千5百万円となりました。 ③ 営業利益営業利益は、前連結会計年度より15.9%減少し1,301億4千4百万円となりました。営業利益の売上収益に対する比率は前連結会計年度より2.0ポイント減少し9.3%となりました。 ④ 金融収益及び金融費用金融収益及び金融費用は、前連結会計年度の238億1百万円の損失(純額)から当連結会計年度94億9千4百万円の損失(純額)と、損失が143億7百万円減少しました。これは主に、為替差損益が、前連結会計年度96億5千7百万円の損失(純額)から当連結会計年度3億3百万円の利益(純額)と、損失が99億6千万円の減少、支払利息が、前連結会計年度188億4千9百万円から当連結会計年度158億8千3百万円と、29億6千6百万円減少したことによるものです。 ⑤ 税引前当期利益税引前当期利益は、前連結会計年度より7.4%減少し1,242億2千6百万円となりました。 ⑥ 法人所得税費用当連結会計年度における法人所得税費用は、前連結会計年度より5.2%減少し、415億3千8百万円となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,414億5千6百万円となり、当連結会計年度期首より56億8千万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動に関するキャッシュ・フロー)当連結会計年度の営業活動に関するキャッシュ・フローは、当期利益826億8千8百万円をベースに、減価償却費682億8千2百万円、棚卸資産の減少518億1千5百万円等を計上する一方、法人所得税の支払414億7千8百万円等の計上がありました。この結果、当連結会計年度は1,642億2千3百万円の収入となり、前連結会計年度に比べて収入が202億9千1百万円増加しました。 (投資活動に関するキャッシュ・フロー)当連結会計年度の投資活動に関するキャッシュ・フローは、主として、有形固定資産の取得409億6千8百万円、無形資産の取得80億6千5百万円があったことで467億2千8百万円の支出となり、前連結会計年度と比べて支出が61億5百万円減少しました。これにより、営業活動に関するキャッシュ・フローと、投資活動に関するキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは1,174億9千5百万円の収入となりました。 (財務活動に関するキャッシュ・フロー)当連結会計年度の財務活動に関するキャッシュ・フローは、主として、社債及び長期借入金による調達189億7百万円等があったものの、短期借入金の減少520億2千3百万円、配当金の支払(非支配持分株主への配当金を含む)473億2千万円等により1,363億2千2百万円の支出となり、前連結会計年度と比べて支出が509億5千1百万円増加しました。 (3) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績当連結会計年度の生産実績は、次のとおりです。 セグメントの名称生産高(百万円)前連結会計年度比(%)建設機械ビジネス1,259,750104スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス--合計1,259,750104 (注) 1.金額は、販売価格によっています。2.スペシャライズド・パーツ・サービスビジネスセグメントのビジネスは、マイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品開発、製造、販売及びサービスソリューションの提供を主たる目的としており、ビジネスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しています。 ② 受注実績当連結グループの製品は、そのほとんどが見込生産のため受注実績の記載は省略しています。 ③ 販売実績当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。 セグメントの名称販売高(百万円)前連結会計年度比(%)建設機械ビジネス1,268,519102スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス136,974108合計1,405,493102 (注) 1.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。 2.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 重要な会計方針及び見積り当連結グループは連結財務諸表の作成に際し、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、財政状態及び経営成績の金額に影響を与える見積りを行っていますが、特に以下の重要な会計方針が、提出会社の連結財務諸表の作成における重要な見積りに大きな影響を及ぼすと考えています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。当該仮定は当連結会計年度末時点における最善の見積りであると判断していますが、実際の経済活動の推移が今後この仮定から乖離した場合には翌期以降の重要な会計上の見積りの判断に影響を及ぼす可能性があります。 ① 棚卸資産当連結グループは、棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い方の金額で評価しており、実際の将来需要または市場状況が悪化した場合は、評価減が必要となる可能性があります。 ② 有形固定資産及び無形資産当連結グループは、有形固定資産及び無形資産について減損の兆候の有無の判定を行い、その帳簿価額が回収不可能であるような兆候がある場合、減損テストを実施しています。将来の営業活動から生ずる損益またはキャッシュ・フローの悪化等により回収可能価額が低下した場合には追加の減損損失の計上が必要になる可能性があります。また、耐用年数を確定できない無形資産及びのれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年、主に第4四半期において、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を見積もり、減損テストを実施しています。のれんが発生している連結子会社の超過収益力が低下した場合には、追加の減損損失の計上が必要になる可能性があります。 ③ 営業債権及びその他の金融資産金融資産については、減損を示す客観的な証拠が金融資産の当初認識後に発生しておりその金融資産の見積将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合、当該金融資産について減損損失が発生する可能性があります。また、営業債権にかかる減損損失については、事業を行う国あるいは地域の特有な商慣行を含む事業環境に関連した潜在的なリスクを評価した上で算定した将来の回収可能額の見積りに基づいて減損損失を計上しており、将来の市況悪化や取引先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。 ④ 繰延税金資産繰延税金資産は、未使用の税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。将来において業績及び課税所得が見積額より悪化した場合、繰延税金資産に対し追加の評価減の計上が必要となる可能性があります。 ⑤ 退職給付に係る負債当連結グループは、退職給付制度に基づく確定給付債務及び制度資産の測定に当たっては、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しています。これらの前提条件には、割引率、昇給率、退職率及び死亡率などが含まれます。将来において、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付に係る負債、退職給付費用及び退職給付制度の再測定に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 当連結会計年度の経営成績の分析文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。当連結グループは、2026年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画「BUILDING THE FUTURE 2025 未来を創れ」のもと、①顧客に寄り添う革新的ソリューションの提供、②バリューチェーン事業の拡充、③米州事業の拡大、④人・企業力の強化、の4つの経営戦略を掲げて持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいりました。当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)においては、米州OEM事業やオセアニアでの販売減少が売上収益の下押し要因となりました。一方、欧州や米州独自展開事業での販売は堅調で、これらの地域の売上はそれぞれ前年度を上回りました。これらの結果、当連結会計年度の売上収益は1兆4,054億9千3百万円(対前年同期増減率2.5%)と前年度比で増収となりました。利益項目については、販売価格引き上げによる増益効果が見られた一方、米国関税の影響や成長投資に伴うコスト増に加え、地域・製品構成差の悪化が下押し要因となりました。この結果、調整後営業利益(売上収益から、売上原価並びに販売費及び一般管理費の額を減算して算出した指標)は、1,329億5千1百万円(同△8.3%)と減益となりました。また、親会社株主に帰属する当期利益については、調整後営業利益の減益により、731億9千3百万円(同△10.1%)となりました。一方、在庫の縮減等の取り組みによって、営業キャッシュ・フローおよびフリー・キャッシュ・フローは前年度比で増加しています。なお、2024年3月期第4四半期連結会計期間より、IFRS会計基準に則して、スペシャライズド・パーツ・サービスビジネスセグメントにおけるノンコア事業を非継続事業に分類しています。これにより、対前年同期増減率を算出するにあたっての前連結会計年度の数値については、売上収益、調整後営業利益、営業利益、税引前当期利益は非継続事業を除いた継続事業の金額を用い、当期利益及び親会社株主に帰属する当期利益は、継続事業及び非継続事業の合算の金額を用いています。 ① 建設機械ビジネス当連結会計年度における売上収益は1兆2,685億9千4百万円(同2.0%)、調整後営業利益は1,214億8千1百万円(同△6.4%)となりました。欧州や米州独自展開事業での販売は堅調に推移したほか、販売価格の引き上げが売上収益および調整後営業利益を下支えしました。一方で、米国関税を含むコスト増や地域・製品構成差の悪化が利益を下押ししました。 ② スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス当事業は、主としてマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品サービス事業を行うBradken Pty Limited及びその子会社と、サービスソリューションを提供するH-E Parts International LLC及びその子会社で構成されています。当連結会計年度における売上収益は1,452億2千6百万円(同7.1%)、調整後営業利益は114億7千万円(同△24.2%)と、増収減益となりました。2024年12月に事業買収を行った米国Brake Supply Co., INC.の取込みによる増収効果があった一方で、米国関税の影響に加え、一部主要顧客の投資抑制や競争環境激化により、調整後営業利益は減益となりました。 なお、上記、①②の売上収益については、セグメント間調整前の数値です。 また、変化に強い企業体質づくりと成長戦略の刈取りを促進すべく策定した2023年度から3か年の中期経営計画の達成・進捗状況は、以下のとおりです。 指標2025年度目標当連結会計年度実績前連結会計年度比収益性営業利益からその他の収益及びその他の費用を除いた利益率13%以上をめざす9.5%1.1%pt減効率性ROE13%以上をめざす8.6%1.8%pt減ネットD/Eレシオ0.4以下をめざす0.400.09減株主還元連結配当性向を30%~40%を目安とする50.9%5.2%pt増 (注) 2025年度目標の前提となる為替レートは、米ドル145円、ユーロ155円、人民元19.9円、豪ドル94円としています。 (3) 経営成績に重要な影響を与える要因当連結グループに与える業績変動要因、並びに国内外の政治的・経済的変動及び需要変動による影響については3[事業等のリスク]に記載のとおりです。 (4) 財政状態の分析 [資産]流動資産は、前連結会計年度末に比べて、4.2%、422億9千6百万円増加し、1兆430億5千1百万円となりました。これは主として営業債権が261億6千5百万円、棚卸資産が100億4千1百万円増加したことによります。非流動資産は、前連結会計年度末に比べて、3.0%、240億1千9百万円増加し、8,142億7千万円となりました。これは主として、有形固定資産が65億5千3百万円、のれんが52億6千9百万円増加したことによります。この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて、3.7%、663億1千5百万円増加し、1兆8,573億2千1百万円となりました。 [負債]流動負債は、前連結会計年度末に比べて、△0.7%、45億9千5百万円減少し、6,086億6千1百万円となりました。これは主としてその他の金融負債が42億4千1百万円増加したものの、社債及び借入金が105億3千4百万円減少したことによります。非流動負債は、前連結会計年度末に比べて8.4%、268億8百万円減少し、2,929億9千万円となりました。これは主として社債及び借入金が297億5千8百万円減少したことによります。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて△3.4%、314億3百万円減少し、9,016億5千1百万円となりました。 [資本]資本合計は、主に利益剰余金の増加に加え、在外営業活動体の換算差額の増加等により前連結会計年度末に比べて、11.4%、977億1千8百万円増加し、9,556億7千万円となりました。 (5) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報① キャッシュ・フロー当連結グループのキャッシュ・フローの分析・検討内容は、1.経営成績等の状況の概要(2) キャッシュ・フローの状況に記載のとおりです。 ② 資本の財源及び資金の流動性当連結グループは、成長投資の実行と財務の健全性向上及び株主還元を最適なバランスで行うため、資本効率を高めつつ適切な水準の流動性を維持し、調達手段の多様化を図ることとしています。資金調達にあたっては、長短、直間のバランスを考慮し金融機関からの借入や社債の発行を実施すると共に、債権の流動化等による調達手段の多様化を図っています。また、コミットメントライン契約を締結し適切な水準の流動性を確保する様にしています。

事業リスク

  • 市場環境の変動リスク
    建設機械の需要は、インフラ整備などの公共投資や資源開発、不動産投資といった民間の設備投資に大きく左右されます。急激な経済変動や地政学的な変化により需要が落ち込むと、工場の稼働率低下や在庫過剰、価格競争の激化を招き、会社の収益が悪化する可能性があります。
  • 為替相場の変動リスク
    同社は世界中で事業を展開しているため、外国通貨建ての売上や原材料の調達コストが為替相場の変動の影響を受けます。円高に振れると、海外での売上が円換算で減少し、原材料の調達コストが増加する可能性があり、会社の財政状態や経営成績に悪影響を及ぼすことがあります。
  • 生産・調達・関税等のリスク
    製品の原価に占める部品・資材の割合が大きく、鋼材などの原材料価格の変動や品薄は、製造原価の上昇や生産効率の低下を招きます。また、各国での関税や海上運賃の上昇もサプライチェーン全体のコストを押し上げ、会社の収益を圧迫する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,114 文字
3 【事業等のリスク】当連結グループは、生産、販売、ファイナンス等幅広い事業分野にわたり、世界各地において事業活動を行っています。そのため、当連結グループの事業活動は、市況、為替、ファイナンス等多岐に亘る要因の影響を受けます。当連結会計年度末現在予見可能な範囲で考えられる主な事業等のリスクは次のとおりです。 項目リスク対策1市場環境の変動当連結グループの事業は、需要の多くはインフラ整備等の公共投資、資源開発や不動産等の民間設備投資等に大きく影響を受けます。各地域の急激な経済変動や多様な地政学的変動により、需要が大きく下振れするリスクがあり、工場操業度の低下や在庫水準の過不足、競合激化による売価下落等による収益悪化リスクがあります。中東地域の地政学的リスクの高まりにより、需要減少や物流の混乱、コスト増が生じ、当連結グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。需要動向や各地域の市況の変化、災害、法規制、地政学的変動等による影響を軽減するため、当連結グループは、毎月、現地拠点から将来見通しを収集し、最新の事業計画をもとに生産工場と連携した生産対応を行っています。在庫管理については、各事業会社に基準在庫月数を設定し、機会損失及び在庫過剰の回避を図るとともに、先行きを見据えた生産・供給コントロールにより、適正在庫の維持に努めています。なお、想定を超える急激な事業環境の変動が生じた場合には、臨時に販売・生産に関する会議を開催し、各担当執行役の承認の下、迅速な生産・出荷対応を行う体制を構築しています。2為替相場の変動為替相場の変動は、外国通貨建ての売上や原材料の調達コストに影響を及ぼします。また、連結決算における在外連結子会社の財務諸表の円貨換算額にも影響を及ぼします。通常は外国通貨に対して円高になれば財政状態や経営成績にマイナスの影響を及ぼします。これら為替変動リスクを軽減するため、現地生産を行い、また、先物為替予約等を行っています。しかし、これらの活動にも関わらず、為替相場の変動は、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。3金融市場の変動当連結グループは有利子負債を有しており、市場金利の上昇は支払利息を増加させ、利益を減少させるリスクがあります。また、年金資産に関しても、市場性のある証券の公正価値や金利等の変動が、財政状態や経営成績に悪影響を与えるリスクがあります。これらの金融市場の変動に対応するため、固定金利調達を行うことにより金利変動リスクの影響を軽減しています。また、年金資産については、運用状況を常に監視し、安全で安定的な運用をめざしています。4生産・調達・関税等当連結グループの製品原価に占める部品・資材の割合は大きく、その調達は、素材市況の変動に影響を受けます。鋼材等の原材料価格の高騰は、製造原価の上昇をもたらします。また、部品・資材の品薄時には、適時の調達・生産が困難になり、生産効率が低下する可能性があります。その他、各国での関税や海上運賃等のサプライチェーンにおけるコストが上昇した場合に収益に悪影響を与えるリスクがあります。資材費や関税・物流費等のコストの上昇については、VEC活動を通じて原価低減に努めると共に、生産においても、自動化やデジタル技術活用による生産性向上、最適地での生産で総原価低減を図っています。これに加え、総売上原価上昇に見合った適正な販売価格の確保に努めることにより対応していきます。また、部品・資材の品薄時には、当該品の拠点間融通や、代替品への切り替えにより、生産への影響を回避していきます。5債権管理当連結グループの主要製品である建設機械は、割賦販売、ファイナンスリース等の販売ファイナンスを行っております。お客さまの財政状態の悪化により貸し倒れが発生し、収益に影響を与えるリスクがあります。専門部署を設け、極端な債権の集中が生じないように、与信管理や遅延債権管理を徹底して、債権管理にあたっています。6公的規制・税務当連結グループの事業活動は、政策動向や数々の公的規制、税務法制等の影響を受けています。具体的には、事業展開する国において、事業や投資の許可、輸出入に関する制限や規制等、また、知的財産権、消費者、環境・リサイクル、労働条件、租税等に関する法令の適用を受けています。これらの規制の強化や変更は、対応コスト及び支払税額の増加により、収益へ影響を与えるリスクがあります。法務部門が、知的財産や環境等の各部門やグループ各社の法務部門と協力して、各国の法令動向や当連結グループの事業や製品への影響を調査しています。影響を察知した場合は、必要な部門に情報を提供し、対応に当たる体制を整備しています。 項目リスク対策7環境規制・気候変動当連結グループが取り扱う建設機械は、気候変動(CO2削減等)及び環境負荷(排ガス、騒音)等の社会問題への対応が求められており、環境規制の適用を受けています。これらの要求に応えるため、開発や、サービス・販売・生産・調達体制の構築といった投資が必要になり、経営に財務的なインパクトを与えるリスクがあります。環境に配慮した事業運営は、当連結グループが積極的に取り組むべき課題と認識し、より高度な環境対応技術の開発に向けた先行研究やリソースの確保(人財確保、施設導入等)の中長期的な計画を立案すると共に、TCFD(気候変動)/TNFD(自然関連)共通のガバナンスのもと、リスク評価及び管理プロセスを導入することで、財務的なインパクトの平準化に努めています。8製造物責任予期せぬ製品の不具合により事故が発生した場合、製造物責任に関する対処あるいはその他の義務に直面する可能性があり、収益を減少させるリスクがあります。社内で確立した厳しい基準のもとに、品質と信頼性の維持向上に努めています。万が一事故が発生した場合に備え、充分な保険を付保して、費用や賠償責任の負担による財務的インパクトを軽減しています。9提携・協力関係当連結グループは国際的な競争力を強化するために、販売代理店、供給業者、同業他社等さまざまな提携・協力を講じて製品の開発、生産、販売・サービス体制の整備・拡充を図っています。これらの提携・協力による期待する効果が得られない場合、あるいは紛争や争訟等の結果、提携・協力関係が解消された場合には、業績に影響を与えるリスクがあります。提携・協力関係を構築する際には、事前調査や契約条件等を精査したうえで慎重に決定する体制と基準を整備しています。万が一、提携・協力関係に障害や解消の必要性等が生じた場合は、法務部門と関係部門が協力して対応し、業績に与える影響を最大限抑制する体制としています。10国際取引規制国内外の取引については、安全保障貿易管理法令や国際的な規制が適用されます。当連結グループの製品・技術・顧客・用途等に適用される法令や国際的な規制が変更された場合、取引が継続不能となり、業績に影響を与えるリスクがあります。国内外の取引においては、当連結グループの製品・技術・顧客・用途等に適用される法令や国際的な規制を精査し、慎重に判断しています。法令や国際的な規制の変更等の動向について、常に情報を収集し当連結グループ内への周知を行う等、確実な法令遵守とリスク管理を行う体制としています。11情報セキュリティ当連結グループは事業活動において、顧客情報・個人情報等に接することがあり、営業上・技術上の機密情報を保有しています。万が一、情報漏洩等の事故が発生した場合には、評判・信用に悪影響を与えるなどのリスクがあります。また、開発・生産・販売等の拠点を多くの国に設け、それらの拠点とネットワークを介してグローバルに事業を展開しています。近年増加傾向にあるサイバー攻撃による被災等が発生するリスクがあります。各種情報の取り扱い、機密保持に関する管理体制及び取扱規則を定め、不正なアクセス、改ざん、破壊、漏洩、紛失等を防止する合理的な技術的対策を実施するなど、適切な安全措置を講じています。また、サイバー攻撃への耐性を向上させるため、サーバーの堅牢化や、工場ネットワークの分離対策を推進すると共に、情報セキュリティの事業継続計画(IT-BCP)の構築を推進しています。加えて経営リスクになり得るサイバー攻撃に関しては、2023年7月に日立建機CSIRT(Cyber Security Incident Response Team)を構築、情報セキュリティ委員会の直下に配属し、グローバルで組織的なサイバーリスク対応を推進しています。12知的財産当連結グループが提供する製品・サービスが第三者の知的財産権(特許等)に抵触した場合、第三者から訴訟を提起されるリスクがあります。また、第三者の技術情報を不正に取得・使用した場合、第三者から訴訟を提起されるリスクがあります。当連結グループは、第三者の知的財産権を尊重する方針のもと、知的財産に関する専門の部門を設置し、第三者の知的財産権を侵害しないように、第三者の知的財産権の監視・対策を実行しています。また、第三者の技術情報の取得・使用に当たっては、事前の検討と取得後の適正な管理を徹底する体制としています。 項目リスク対策13天変地異・感染症・戦争・テロ等当連結グループは開発・生産・販売等の拠点を多くの国に設け、グローバルに事業を展開しています。それらの拠点において、地震・水害等の自然災害、感染症の流行、戦争、テロ、事故、第三者による非難・妨害等が発生するリスクがあります。災害等により、材料・部品の調達、生産活動、販売・サービス活動に影響が発生する可能性を事前に察知した場合、または実際に影響が発生した場合には、グループ各社及び取引先と連携して、遅延や中断を最小限に食い止める体制を構築しています。常に最新の情報を入手し、従業員の安全確保を最優先の事項として対応すると共に、国の方針や規制の範囲内で当社の事業活動を円滑に継続できるよう対応しています。

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