事業の概要
- エンジニアリング事業都市ガスや石油関連のプラント、化学工場、水素製造装置、下水処理施設など、社会インフラに不可欠な大規模設備の設計から建設までを一貫して手掛けています。強化プラスチック(FRP)製の耐食容器なども製造し、幅広い産業の基盤を支える事業です。
- 単体機械事業油清浄機や船舶の環境規制に対応する機器、各種分離機・ろ過装置、海水取水用の除塵設備、攪拌機など、特定の機能を持つ産業用機械を製造・販売しています。これらの機械は、様々な工場や船舶で効率的な運用や環境負荷低減に貢献しています。
- グループ構成三菱化工機グループは、当社を中心に子会社8社と関連会社2社で構成されています。これらの関係会社がエンジニアリング事業と単体機械事業の双方、または一方に深く関与し、専門性と連携を通じて事業を推進する体制を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- エンジニアリング事業都市ガス・石油関連プラント、各種化学工業用プラント、水素製造装置、下水処理装置、産業排水処理装置、各種水処理装置、強化プラスチック(FRP)による耐食容器等の制作を手掛けています。最新年度の売上高は411.71億円、営業利益は19.24億円で、グループの主力事業の一つです。
- 単体機械事業油清浄機、船舶環境規制対応機器、各種分離機・ろ過機、海水取水用除塵設備、攪拌機などを製造・販売しています。最新年度の売上高は180.31億円、営業利益は37.7億円と、売上規模はエンジニアリング事業に劣るものの、高い利益率を誇る事業です。
- 事業構成と収益性三菱化工機グループは、大規模プラントを手掛けるエンジニアリング事業と、専門性の高い産業機械を提供する単体機械事業の二本柱で構成されています。エンジニアリング事業は売上規模が大きい一方、単体機械事業は売上は小さいながらも利益貢献度が高いという特徴があります。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| EngineeringOperations | 事業 | 412 | 19 | 4.7% |
| MachineryOperations | 事業 | 180 | 38 | 20.9% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社9社及び関連会社2社により構成されており、エンジニアリング事業、単体機械事業、GX事業の3事業を主たる事業としております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。 事業区分主要製品関係する会社エンジニアリング事業都市ガス・石油関連プラント、各種化学工業用プラント、水素製造装置、下水処理装置、産業排水処理装置、各種水処理装置、強化プラスチック(FRP)による耐食容器等の製作、煙突の製作・監理等当社、三菱化工機アドバンス㈱MKK東北㈱MKK Asia Co.,Ltd.株式会社日誠工業(非連結子会社)稚内エネサービス㈱(関連会社)合同会社赤城自然エネルギー(関連会社)単体機械事業油清浄機、船舶環境規制対応機器、各種分離機・ろ過機、海水取水用除塵設備、攪拌機等当社、三菱化工機アドバンス㈱MKK Europe B.V.菱化機械技術(上海)有限公司(非連結子会社)GX事業GX用途向け水素製造装置、水素ステーション、汚泥熱可溶化装置、バイオガス利活用関連装置、電解フィルター®、SAF用遠心分離機等当社、三菱化工機アドバンス㈱MKK東北㈱MKK Asia Co.,Ltd. (注) 非連結子会社及び関連会社は、いずれも持分法非適用会社であります。 事業の系統図は概ね次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 請負契約が主体であり、激化する価格競争の中で価格優位性が保てない場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 水素製造装置、下水処理装置、油清浄機などの専門的な技術とノウハウが必要。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:経済情勢による設備投資の変動 / 激化する価格競争 / 資材調達コストの急激な上昇
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
三菱化工機は、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPによる明確な無形資産の優位性は、公開情報からは確認できない。事業内容は産業機械の製造・販売が中心であり、技術力は存在するものの、それが直接的な無形資産として競争優位に結びついているかは不明瞭。
スイッチングコスト★★☆☆☆
同社が提供するプラントや産業機械は、導入に多額の初期投資と専門知識が必要であり、顧客が競合他社へ乗り換える際のコストは大きいと考えられる。しかし、製品ラインナップや顧客基盤の広範さから、特定の顧客層に限定された高いスイッチング・コストとは言えない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業モデルは、製品の利用者が増えることでその価値が増加するようなネットワーク効果を生み出す構造ではない。個々の機械の性能や信頼性が重要であり、ユーザー間の相互作用による価値向上は見られない。
コスト優位★☆☆☆☆
産業機械分野では、規模の経済や効率的な生産体制がコスト競争力に影響を与える可能性がある。しかし、三菱化工機が他社と比較して構造的に著しく低いコスト構造を有しているという明確な証拠は、公開情報からは見当たらない。標準的な製造業のコスト構造と考えられる。
規模の経済★★★☆☆
産業機械分野において、同社は一定の市場シェアと生産能力を有しており、業界内での地位を確立している。特定のニッチ市場や大型プラント分野では、規模の経済が一定の競争優位をもたらしている可能性がある。しかし、グローバルな巨大企業と比較すると、その規模の優位性は限定的かもしれない。
- 社会インフラを支える技術力都市ガス・石油関連プラントや各種水処理装置など、社会の基盤を支える大規模な設備を手掛ける高いエンジニアリング技術とノウハウを有しています。これにより、安定した需要が見込める分野で事業を展開できています。
- 多様な産業機械の提供油清浄機や各種分離機・ろ過機など、幅広い産業で必要とされる専門性の高い単体機械を提供しています。これにより、顧客の多様なニーズに応え、特定の市場で強固な地位を築いていると考えられます。
- アフターサービスとメンテナンス経済情勢による業績変動リスクに対し、アフターサービスやメンテナンス工事の拡大を通じて安定的な収益基盤の確保に努めています。これは、製品納入後も顧客との関係を維持し、継続的な収益源を確保する強みとなります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループの一貫した基本方針は、「モノづくりに根ざした確かな技術と徹底した品質管理に基づく高品質な製品・設備を提供すること。」であります。当社グループは、これまで培ってきた技術、経験、ノウハウを活用し、絶え間ない新製品、技術の開発、改良により、エンジニアリング、化学工業機械等の分野において、新しい時代のニーズに応えるとともに、既存の製品・技術にとらわれない新しい事業分野にも積極的にチャレンジし、顧客のあらゆる要望に応える製品、技術、サービスの提供を目指してまいります。(2) 経営戦略等当社グループは、2021年11月に「三菱化工機グループ2050経営ビジョン」(以下「経営ビジョン」)を策定し公表いたしました。この経営ビジョンは、2050年を最終到達年として、2035年の当社創立100周年を見据えた長期的な道筋を示すものです。2026年5月、当社グループを取り巻く事業環境の構造的変化、当社経営戦略の進展等により、経営ビジョン実現の道筋がより明確になったと判断したため、連結売上高1,000億円への到達時期を2029年度へと6年前倒し、2035年度の売上高を1,200~1,400億円へ上方修正する経営ビジョン内容の一部アップデートを行いました。経営ビジョンでは、2050年までに、5つの社会課題「CO2・気候変動」「資源循環」「水・食料」「自然災害」「労働力不足」の解決に貢献する企業グループを目指し、全社目標に「持続可能な発展に挑戦し、快適な社会を実現する」を掲げ、以下の4つの戦略的事業領域を展開することといたしました。①持続可能な循環型社会推進事業②水素を核としたクリーンエネルギー事業③デジタルを活用した省力・省エネ事業④水・食・自然災害等の課題解決に向けた次世代技術開発事業前中期経営計画は、経営ビジョンの実現に向けた成長の足固め期としておりましたが、2025年度開始の現在の中期経営計画「『進化と変革へ』2.0」(2025年度~2027年度)は、GX事業の成長と売上拡大を図る「飛躍の3年間」と位置づけております。本中期経営計画は、脱炭素化が進展する2035年に向けた動きに呼応し、社会課題の解決に資する「戦略的事業領域」におけるより具体的かつ着実な取り組みを進め、成果を創出し、経営ビジョン実現に向けた大きな飛躍を成し遂げるための活動計画であります。そのための原動力となる「戦略的事業領域」を「GX事業」として全社の注力領域に再定義し、その推進を担う組織として「GX事業推進室」を通じ、さらなる戦略の推進を図ります。このような取組を中心に、事業ポートフォリオの進化と、資本コスト・株価を意識した経営を確立し、また、それを支える持続可能な経営基盤の強化、社会課題の解決と成長の具現化を通じ、経営ビジョン実現に向けた持続的成長を続けてまいります。(3) 経営環境経営環境につきましては、当社グループに関連する分野では、脱炭素社会実現に向けた国家レベルの動きは活発化しており、日本においても、2024年10月、脱炭素社会への円滑な移行を目指し、「水素社会推進法」、「CCS事業法」の2法案が施行、2025年2月には「GX2024ビジョン」が策定されました。日本政府の目指す2050年カーボンニュートラルに向けて、GXをはじめとするサステナビリティ推進の動きも加速しております。また、政府が重点投資対象と位置付ける「17の戦略分野」には、当社の幅広い事業領域が合致しております。加えて、資本コストを意識した経営の推進など、中長期的な企業価値向上に向けた自律的な取り組みの動機付けとなる枠組みづくりが求められております。 プラント事業においては、前連結会計年度に引き続き化学関連プラントの需要が堅調に推移している一方で、投資計画に影響するような材料・資材価格等の高騰や米国の通商政策をはじめとする地政学リスクの高まり等がみられる状況にあります。GX事業に寄与する水素関連においては、カーボンニュートラルに関する案件が増加するとともに、クリーンエネルギーでは、水素関連市場の立ち上がりは依然として途上ですが、水素の利活用・CO2排出削減の社会的要請が強まっており、脱炭素化の加速により、水素のブルー及びグリーン化を求める動きが加速しております。環境事業においては、大型案件でPPP/PFIの発注形態が増加しております。主力の下水処理分野における需要は、更新工事を基に安定した状況が続きました。一方で、バイオガス関連では脱炭素化の加速により、民間でのバイオガス利用市場に活発な動きが昨年に引き続きみられました。各種産業機械においては、化学・ファインケミカル、医薬、エネルギー・発電の分野で国内生産増強、老朽化設備の更新需要が堅調に推移しております。また、脱炭素化、生産効率向上を目的とした設備投資の検討が具体化しております。主力の油清浄機においては、主要顧客である業績が好調な造船業界及び海運業界向けの販売が堅調に推移しておりますが、燃料のクリーンエネルギー化が加速しており、その対応が求められております。NOx(窒素酸化物)規制においては、NOx3次規制に対応する船舶向けEGRエンジンの需要が増加するなど、欧州及び米国の規制海域(ECA)を航行する船舶向けの環境規制対応機器の販売が堅調に推移いたしました。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社が策定いたしました中期経営計画で対処すべき課題は以下の4点であります。①事業ポートフォリオの進化1)GX事業の確立経営ビジョンに掲げる社会課題解決に資する戦略的事業領域に係わる事業を「GX事業」とし、その推進を加速するために立ち上げた報告セグメントであり、戦略的事業領域に関する事業計画の進捗度合いを定量的にモニタリング可能な体制としたものです。「持続可能な循環型社会推進事業」と水素利活用等の「水素を核としたクリーンエネルギー事業」をQuick-Win分野として注力し、GX事業の確立に向けた事業展開を進めてまいります。GX事業推進室によるGX事業の一元管理と部門間調整によりビジネス規模の拡大、事業化を加速してまいります。2)基盤事業の競争力強化既存事業強化の仕組みとして、ROIC(投下資本利益率)を用いた評価ルールの運用を実施しております。成長性と収益性の観点から事業を評価し、低収益事業については、事業の見直し・再構築により、早期の収益改善を図ります。また、各既存事業の競争優位性を維持し、収益性のさらなる向上を実現してまいります。3)事業拡大戦略の実践2024年に設立いたしました営業統括本部を中心に、事業部間の連携を加速させるとともに、海外拠点のネットワーク化による販売網を拡大してまいります。また、全社的な海外戦略の再構築を行い、従来のEPC中心の海外アプローチを見直し、各国の市場・現地ニーズに合わせた製品の投入を促進してまいります。②資本コスト・株価を意識した経営の確立1)成長投資の実行ステークホルダーの信頼に応え、持続可能な成長と経営基盤確保のために、事業成長のドライバーとなるGX事業を中心としたR&D,設備投資、M&A、基盤事業の強化にもつながる人的投資、DX投資を最優先に資本配分してまいります。また、本社・川崎製作所の再編投資を成長投資、ESG関連投資、既存施設の更新投資へ充て、2035年までの中長期的な発展の礎としてまいります。2)資本効率の向上本中期経営計画では、前中期経営計画から取り組んでおります事業ポートフォリオ戦略と資本政策を連動させ、ROICを意識した経営を行い、事業単位での売上拡大・コスト削減といったP/L改善だけでなく、B/Sマネジメントにも取り組むことで、営業CFの改善と非事業性資産の圧縮により資金創出してまいります。また、株主還元と最適資本構成とのバランスを意識した資源配分・調達を行うことによって資本効率の向上を図ってまいります。3)株主還元の強化・成長期待を高める情報発信株主還元につきましては、利益還元の充実を図り、自己資本比率や業績見通し・外部環境を勘案し、配当性向は40%に引き上げ、配当の下限としてDOE3.5%を設定しております。また、ステークホルダーとの対話を重視したIR・SR活動の強化、川崎発の脱炭素・循環型技術トップブランドとしての段階的なブランド構築、情報発信及び認知拡大を通じ、適正な評価の獲得並びに成長期待を醸成いたします。③人的資本・技術資本の強化1)人的資本戦略の推進事業戦略実現のために人材ポートフォリオ管理を強化すると共に、GX事業の推進に資する人材育成・獲得の強化・従業員全体のエンゲージメント向上に係る施策強化・技術継承を行ってまいります。2)モノづくり戦略の実践再編する川崎製作所をGX事業の製品開発・生産拠点(マザー工場)と位置づけ、グループ内の各工場と有機的に連携し、事業拡大を実現、あわせて基盤事業のモノづくりを効率化・高度化し、収益性の改善を実現してまいります。また、2025年に設立いたしました生産戦略企画室を中心に、工場間連携の強化を推進いたします。④経営ガバナンスの透明性向上1)事業ポートフォリオ管理/ROIC経営の浸透ROICツリーを起点とした経営管理を新たに取り入れ、ドライバー毎にKPIを設定、業務レベルへブレイクダウンし、改善策を実行していくことでそれぞれの指標の改善を図ってまいります。各KPIの達成状況と進捗状況のモニタリングを実施することで目標達成の確度を高め、全社としての営業利益率の向上と資本効率の向上を図ってまいります。2)サステナビリティの推進マテリアリティに係るKPI達成への取り組みを通じて、社会課題への対応を促進し、企業価値の向上及び持続的な成長を図ってまいります。(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)等について、中期経営計画では、事業ポートフォリオの進化と資本コスト・株価を意識した経営の確立を実現し、また、それを支える持続可能な経営基盤の強化を図ることを目標としており、財務数値指標を市場評価、成長性、収益性、株主還元、財務健全性に分類した目標設定をしております。当社グループでは、利益指標を最重視しており、安定的高収益体制を構築するため営業利益率を、また、資本効率の向上で市場評価を高めることを目的としてROEをそれぞれ収益性の指標として取り組んでおります。KPI(連結ベース)2028年3月期目標値売上高(百万円)90,000売上高営業利益率(%)9.0以上ROE(%)12.0以上 (注)上記KPI(中期経営計画最終年度数値目標)については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループの一貫した基本方針は、「モノづくりに根ざした確かな技術と徹底した品質管理に基づく高品質な製品・設備を提供すること。」であります。当社グループは、これまで培ってきた技術、経験、ノウハウを活用し、絶え間ない新製品、技術の開発、改良により、エンジニアリング、化学工業機械等の分野において、新しい時代のニーズに応えるとともに、既存の製品・技術にとらわれない新しい事業分野にも積極的にチャレンジし、顧客のあらゆる要望に応える製品、技術、サービスの提供を目指してまいります。(2) 経営戦略等当社グループは、2021年11月に「三菱化工機グループ2050経営ビジョン」(以下「経営ビジョン」)を策定し公表いたしました。この経営ビジョンは、2050年を最終到達年として、2035年の当社創立100周年を見据えた長期的な道筋を示すものです。2026年5月、当社グループを取り巻く事業環境の構造的変化、当社経営戦略の進展等により、経営ビジョン実現の道筋がより明確になったと判断したため、連結売上高1,000億円への到達時期を2029年度へと6年前倒し、2035年度の売上高を1,200~1,400億円へ上方修正する経営ビジョン内容の一部アップデートを行いました。経営ビジョンでは、2050年までに、5つの社会課題「CO2・気候変動」「資源循環」「水・食料」「自然災害」「労働力不足」の解決に貢献する企業グループを目指し、全社目標に「持続可能な発展に挑戦し、快適な社会を実現する」を掲げ、以下の4つの戦略的事業領域を展開することといたしました。①持続可能な循環型社会推進事業②水素を核としたクリーンエネルギー事業③デジタルを活用した省力・省エネ事業④水・食・自然災害等の課題解決に向けた次世代技術開発事業前中期経営計画は、経営ビジョンの実現に向けた成長の足固め期としておりましたが、2025年度開始の現在の中期経営計画「『進化と変革へ』2.0」(2025年度~2027年度)は、GX事業の成長と売上拡大を図る「飛躍の3年間」と位置づけております。本中期経営計画は、脱炭素化が進展する2035年に向けた動きに呼応し、社会課題の解決に資する「戦略的事業領域」におけるより具体的かつ着実な取り組みを進め、成果を創出し、経営ビジョン実現に向けた大きな飛躍を成し遂げるための活動計画であります。そのための原動力となる「戦略的事業領域」を「GX事業」として全社の注力領域に再定義し、その推進を担う組織として「GX事業推進室」を通じ、さらなる戦略の推進を図ります。このような取組を中心に、事業ポートフォリオの進化と、資本コスト・株価を意識した経営を確立し、また、それを支える持続可能な経営基盤の強化、社会課題の解決と成長の具現化を通じ、経営ビジョン実現に向けた持続的成長を続けてまいります。(3) 経営環境経営環境につきましては、当社グループに関連する分野では、脱炭素社会実現に向けた国家レベルの動きは活発化しており、日本においても、2024年10月、脱炭素社会への円滑な移行を目指し、「水素社会推進法」、「CCS事業法」の2法案が施行、2025年2月には「GX2024ビジョン」が策定されました。日本政府の目指す2050年カーボンニュートラルに向けて、GXをはじめとするサステナビリティ推進の動きも加速しております。また、政府が重点投資対象と位置付ける「17の戦略分野」には、当社の幅広い事業領域が合致しております。加えて、資本コストを意識した経営の推進など、中長期的な企業価値向上に向けた自律的な取り組みの動機付けとなる枠組みづくりが求められております。 プラント事業においては、前連結会計年度に引き続き化学関連プラントの需要が堅調に推移している一方で、投資計画に影響するような材料・資材価格等の高騰や米国の通商政策をはじめとする地政学リスクの高まり等がみられる状況にあります。GX事業に寄与する水素関連においては、カーボンニュートラルに関する案件が増加するとともに、クリーンエネルギーでは、水素関連市場の立ち上がりは依然として途上ですが、水素の利活用・CO2排出削減の社会的要請が強まっており、脱炭素化の加速により、水素のブルー及びグリーン化を求める動きが加速しております。環境事業においては、大型案件でPPP/PFIの発注形態が増加しております。主力の下水処理分野における需要は、更新工事を基に安定した状況が続きました。一方で、バイオガス関連では脱炭素化の加速により、民間でのバイオガス利用市場に活発な動きが昨年に引き続きみられました。各種産業機械においては、化学・ファインケミカル、医薬、エネルギー・発電の分野で国内生産増強、老朽化設備の更新需要が堅調に推移しております。また、脱炭素化、生産効率向上を目的とした設備投資の検討が具体化しております。主力の油清浄機においては、主要顧客である業績が好調な造船業界及び海運業界向けの販売が堅調に推移しておりますが、燃料のクリーンエネルギー化が加速しており、その対応が求められております。NOx(窒素酸化物)規制においては、NOx3次規制に対応する船舶向けEGRエンジンの需要が増加するなど、欧州及び米国の規制海域(ECA)を航行する船舶向けの環境規制対応機器の販売が堅調に推移いたしました。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社が策定いたしました中期経営計画で対処すべき課題は以下の4点であります。①事業ポートフォリオの進化1)GX事業の確立経営ビジョンに掲げる社会課題解決に資する戦略的事業領域に係わる事業を「GX事業」とし、その推進を加速するために立ち上げた報告セグメントであり、戦略的事業領域に関する事業計画の進捗度合いを定量的にモニタリング可能な体制としたものです。「持続可能な循環型社会推進事業」と水素利活用等の「水素を核としたクリーンエネルギー事業」をQuick-Win分野として注力し、GX事業の確立に向けた事業展開を進めてまいります。GX事業推進室によるGX事業の一元管理と部門間調整によりビジネス規模の拡大、事業化を加速してまいります。2)基盤事業の競争力強化既存事業強化の仕組みとして、ROIC(投下資本利益率)を用いた評価ルールの運用を実施しております。成長性と収益性の観点から事業を評価し、低収益事業については、事業の見直し・再構築により、早期の収益改善を図ります。また、各既存事業の競争優位性を維持し、収益性のさらなる向上を実現してまいります。3)事業拡大戦略の実践2024年に設立いたしました営業統括本部を中心に、事業部間の連携を加速させるとともに、海外拠点のネットワーク化による販売網を拡大してまいります。また、全社的な海外戦略の再構築を行い、従来のEPC中心の海外アプローチを見直し、各国の市場・現地ニーズに合わせた製品の投入を促進してまいります。②資本コスト・株価を意識した経営の確立1)成長投資の実行ステークホルダーの信頼に応え、持続可能な成長と経営基盤確保のために、事業成長のドライバーとなるGX事業を中心としたR&D,設備投資、M&A、基盤事業の強化にもつながる人的投資、DX投資を最優先に資本配分してまいります。また、本社・川崎製作所の再編投資を成長投資、ESG関連投資、既存施設の更新投資へ充て、2035年までの中長期的な発展の礎としてまいります。2)資本効率の向上本中期経営計画では、前中期経営計画から取り組んでおります事業ポートフォリオ戦略と資本政策を連動させ、ROICを意識した経営を行い、事業単位での売上拡大・コスト削減といったP/L改善だけでなく、B/Sマネジメントにも取り組むことで、営業CFの改善と非事業性資産の圧縮により資金創出してまいります。また、株主還元と最適資本構成とのバランスを意識した資源配分・調達を行うことによって資本効率の向上を図ってまいります。3)株主還元の強化・成長期待を高める情報発信株主還元につきましては、利益還元の充実を図り、自己資本比率や業績見通し・外部環境を勘案し、配当性向は40%に引き上げ、配当の下限としてDOE3.5%を設定しております。また、ステークホルダーとの対話を重視したIR・SR活動の強化、川崎発の脱炭素・循環型技術トップブランドとしての段階的なブランド構築、情報発信及び認知拡大を通じ、適正な評価の獲得並びに成長期待を醸成いたします。③人的資本・技術資本の強化1)人的資本戦略の推進事業戦略実現のために人材ポートフォリオ管理を強化すると共に、GX事業の推進に資する人材育成・獲得の強化・従業員全体のエンゲージメント向上に係る施策強化・技術継承を行ってまいります。2)モノづくり戦略の実践再編する川崎製作所をGX事業の製品開発・生産拠点(マザー工場)と位置づけ、グループ内の各工場と有機的に連携し、事業拡大を実現、あわせて基盤事業のモノづくりを効率化・高度化し、収益性の改善を実現してまいります。また、2025年に設立いたしました生産戦略企画室を中心に、工場間連携の強化を推進いたします。④経営ガバナンスの透明性向上1)事業ポートフォリオ管理/ROIC経営の浸透ROICツリーを起点とした経営管理を新たに取り入れ、ドライバー毎にKPIを設定、業務レベルへブレイクダウンし、改善策を実行していくことでそれぞれの指標の改善を図ってまいります。各KPIの達成状況と進捗状況のモニタリングを実施することで目標達成の確度を高め、全社としての営業利益率の向上と資本効率の向上を図ってまいります。2)サステナビリティの推進マテリアリティに係るKPI達成への取り組みを通じて、社会課題への対応を促進し、企業価値の向上及び持続的な成長を図ってまいります。(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)等について、中期経営計画では、事業ポートフォリオの進化と資本コスト・株価を意識した経営の確立を実現し、また、それを支える持続可能な経営基盤の強化を図ることを目標としており、財務数値指標を市場評価、成長性、収益性、株主還元、財務健全性に分類した目標設定をしております。当社グループでは、利益指標を最重視しており、安定的高収益体制を構築するため営業利益率を、また、資本効率の向上で市場評価を高めることを目的としてROEをそれぞれ収益性の指標として取り組んでおります。KPI(連結ベース)2028年3月期目標値売上高(百万円)90,000売上高営業利益率(%)9.0以上ROE(%)12.0以上 (注)上記KPI(中期経営計画最終年度数値目標)については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあり緩やかに回復しました。民間設備投資は堅調に推移しましたが、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響等が景気下押しリスクとなり、また、米国の通商政策をめぐる動向、年度末には中東情勢が緊迫化しエネルギー価格が高騰するなど、先行き不透明な状況が続きました。このような事業環境の下、当社グループは、受注の確保及び手持案件の着実な遂行への取り組みを通じて、営業利益の確保と業績向上に努めました。また、本年度を初年度とする「中期経営計画(2025年度〜2027年度)」を策定・公表し、計画達成に向けた活動を開始いたしました。中期経営計画の当社グループ内への一層の理解・浸透を図るため代表取締役自ら全従業員と対話するタウンホールミーティングを実施するとともに、戦略的事業領域のさらなる推進・拡大に向けて新たな報告セグメントとしてGX(グリーントランスフォーメーション)事業を追加し、脱炭素案件創出への取り組み姿勢を明確にするとともに、当社グループの認知度向上を目的とした社外へのさまざまな情報発信、ステークホルダーとの対話を重視したIR・SR活動の展開等を通じて、企業価値向上に努めてまいりました。また、本社・川崎製作所の再編計画の実施を決定し、建設工事に着手いたしました。売上高は、84,240百万円と前連結会計年度と比べ42.3%の増加となりました。損益面におきましては、人件費・研究開発費・広告宣伝費等の増加による販売費及び一般管理費の増加がありましたが、売上高の増加による売上総利益の増加等により、営業利益は前連結会計年度に比べ61.2%増加の9,181百万円、経常利益は前連結会計年度に比べ68.2%増加の9,462百万円となりました。また、特別利益に固定資産売却益1,448百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ54.7%増加の7,546百万円となりました。エンジニアリング事業については、売上高45,747百万円(前年同期比25.2%増加)、営業利益3,124百万円(前年同期比92.8%増加)となりました。単体機械事業については、売上高20,170百万円(前年同期比13.6%増加)、営業利益5,410百万円(前年同期比32.1%増加)となりました。GX事業については、売上高18,322百万円(前年同期は4,912百万円)、営業利益645百万円(前年同期は22百万円の損失)となりました。財政状態におきましては、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ11,919百万円増加の78,093百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の減少1,797百万円、電子記録債権の減少1,505百万円等がありましたが、売掛金の増加3,174百万円、契約資産の増加3,620百万円、仕掛品の増加977百万円、主として前渡金の増加による流動資産のその他の増加1,337百万円等の影響により、前連結会計年度末に比べ5,786百万円増加し、56,625百万円となりました。固定資産は、非事業性資産の売却による土地の減少535百万円等がありましたが、主として本社・川崎製作所の再編に関する建設仮勘定の増加3,208百万円、株価上昇に伴う評価差額の増加による投資有価証券の増加2,324百万円、退職給付に係る資産の増加1,156百万円等の影響により、前連結会計年度末に比べ6,133百万円増加し、21,468百万円となりました。負債は、契約負債の減少2,514百万円等がありましたが、支払手形及び買掛金の増加3,039百万円、短期借入金の増加3,500百万円、未払法人税等の増加1,555百万円等の影響により、前連結会計年度末に比べ5,213百万円増加し、33,161百万円となりました。純資産は、その他有価証券評価差額金の増加953百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加5,326百万円、退職給付に係る調整累計額の増加560百万円等の影響により、前連結会計年度末に比べ6,705百万円増加し、44,932百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、税金等調整前当期純利益の計上や、仕入債務の増加、固定資産売却による収入等により一部相殺されたものの、売上債権の増加や、契約負債の減少、固定資産の取得による支出、法人税等の支払い、配当金の支払い等の結果、前連結会計年度末に比べ1,797百万円減少し、当連結会計年度末には9,024百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により獲得した資金は、1,803百万円となりました(前連結会計年度は3,311百万円の使用)。これは、固定資産売却益の計上1,448百万円、売上債権及び契約資産の増加4,937百万円、棚卸資産の増加1,299百万円、前渡金の増加1,101百万円、契約負債の減少2,570百万円、法人税等の支払1,944百万円等により資金が減少いたしましたが、税金等調整前当期純利益の計上10,404百万円、減価償却費の計上845百万円、減損損失の計上506百万円、仕入債務の増加3,758百万円等の影響によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ3,577百万円増加し、3,534百万円となりました。これは、固定資産の売却による収入1,958百万円等がありましたが、固定資産の取得による支出4,699百万円、投資有価証券の取得による支出619百万円等の影響によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ865百万円減少の181百万円となりました。これは、短期借入による資金の増加3,500百万円等がありましたが、長期借入金の返済額1,600百万円、配当金の支払額2,152百万円等に資金を使用したことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)エンジニアリング事業(百万円)45,747125.2単体機械事業(百万円)20,170113.6GX事業18,322373.0合計(百万円)84,240142.3 (注) 金額は販売価額によっております。なお、セグメント間の内部売上高又は振替高はありません。b.受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)エンジニアリング事業30,69877.238,69772.0単体機械事業20,659103.110,640104.8GX事業19,974390.941,504104.1合計71,332109.990,84287.6 (注) 金額は販売価額によっております。なお、セグメント間の内部売上高又は振替高はありません。c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)エンジニアリング事業(百万円)45,747125.2単体機械事業(百万円)20,170113.6GX事業(百万円)18,322373.0合計(百万円)84,240142.3 (注) 1.セグメント間の内部売上高又は振替高はありません。 2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)日本製鉄株式会社2,5404.314,87817.7 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末において判断したものであります。① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。当連結会計年度における売上高は、エンジニアリング事業において前期までに受注した半導体素材関連を中心とした国内ケミカルプラント、下水処理施設等の大型案件が売上に寄与したこと、単体機械事業では、好調な造船業界及び海運業界の市況に支えられ、三菱油清浄機本体及び部品、環境規制対応機器等の販売が増加したこと、さらにGX事業では、前期までに受注の大型水素製造設備案件が売上に寄与したことなどの理由から、前連結会計年度に比べ25,038百万円増加し、84,240百万円となりました。営業利益は、賃上げ等による人件費等の増加、新製品創出に向けた成長投資を拡大したことによる研究開発費の増加、また、企業ブランド戦略活動による広告宣伝費の増加等により販売費及び一般管理費が増加いたしましたが、売上高の増加による売上総利益が増加し、前連結会計年度に比べ3,486百万円増加し、9,181百万円となりました。経常利益は、為替差益を計上したこと、受取配当金の増加等による営業外収益の増加により、前連結会計年度に比べ3,836百万円増加し、9,462百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失に減損損失506百万円を計上いたしましたが、特別利益に固定資産売却益1,448百万円を計上したこともあり、前連結会計年度に比べ2,667百万円増加し7,546百万円となりました。当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金の減少、電子記録債権の減少等はありましたが、売上増加による売掛債権の増加、前渡金等の増加によるその他流動資産の増加、主として本社・川崎製作所の再編に関する建設仮勘定の増加、株価上昇に伴う評価差額の増加による投資有価証券の増加、退職給付に係る資産の増加等により前連結会計年度末に比べ11,919百万円増加し、78,093百万円となりました。支払手形及び買掛金の増加、短期借入金の増加、未払法人税等の増加等による負債の増加もありましたが、純資産についても、その他有価証券評価差額金の増加、親会社株主に帰属する当期純利益の計上、退職給付に係る調整累計額の増加等により6,705百万円増加した影響もあり、総資産と純資産の増加が相殺され、当連結会計年度末の自己資本比率は前期比0.3ポイント減少とほぼ横ばいの57.5%となりました。経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは、2025年度から3ヶ年の中期経営計画において、売上高90,000百万円、営業利益率9.0%以上、ROE12.0%以上を達成目標としておりました。中期経営計画(2025年度~2027年度)の初年度となる当連結会計年度は、売上高は84,240百万円と計画未達となりましたが、利益面では、売上高の増加等による売上総利益の増加に加え、エンジニアリング事業の完工工事のコスト改善、単体機械事業のアフターサービス部品・工事等が寄与し、営業利益は9,181百万円、営業利益率は10.9%、ROE18.2%となり大幅に計画を達成することができました。セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。エンジニアリング事業では、顧客ニーズの掘り起こしを図り、民間向け各種プラント・装置及び官公庁向け下水処理装置の受注確保に努めてまいりました。クリーンエネルギー及びバイオガス関連の技術の拡充・強化のための協業、各種研究及び実証試験に引き続き取り組んでまいりました。受注高は、民間向け案件では各種プラント・装置、官公庁向け案件では下水処理装置の成約を得ることができましたが、前連結会計年度は大型案件の受注が複数あったこと、また米国の通商政策をはじめとする地政学リスクの高まり等による顧客の投資計画の一部見直し等により、30,698百万円(前連結会計年度は39,783百万円)と前連結会計年度を22.8%下回りました。売上高は、45,747百万円(前連結会計年度は36,539百万円)と前連結会計年度を25.2%上回りました。 単体機械事業では、主力製品である三菱油清浄機の拡販と各種単体機械の提案型の営業活動を展開し、受注確保に努めてまいりました。また、モジュール型の医薬品製造設備「iFactory®」の開発事業と普及への取り組み、船舶環境規制対応機器等の受注確保、新型の小型連続ろ過機の市場投入、藻類分離・濃縮等クリーンエネルギー分野における三菱油清浄機の用途開発、案件開拓等を引き続き推進するとともに、小型分離板型遠心分離機「LABOCENT™」の販売を開始いたしました。受注高は、好調な造船・海運市況に支えられ、三菱油清浄機の本体及び部品、船舶環境規制対応機器の受注が引き続き増加し、20,659百万円(前連結会計年度は20,035百万円)と前連結会計年度を3.1%上回りました。売上高は、20,170百万円(前連結会計年度は17,750百万円)と前連結会計年度を13.6%上回りました。GX事業は、本中期経営計画期間中については「持続可能な循環型社会推進事業」「水素を核としたクリーンエネルギー事業」の2事業をQuick-Win分野と位置付けて注力し、早期の中核事業化と収益貢献の実現を目指すこととしており、当連結会計年度においては、成長事業として順調に立ち上がりました。受注高は、水素利活用や微細藻類生産関連等における案件の成約を得ることができ、19,974百万円(前連結会計年度は5,108百万円)と前連結会計年度を290.9%上回りました。売上高は、18,322百万円(前連結会計年度は4,912百万円)と前連結会計年度を273.0%上回りました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係わる情報キャッシュ・フローについては、売上高の増加による売上債権の増加等がありましたが、税金等調整前当期純利益の計上、仕入債務の増加等により、営業キャッシュ・フローはプラスとなりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出が収入を上回りマイナスとなりました。投資キャッシュ・フローがマイナスとなったことの影響が大きく、フリーキャッシュ・フローは1,731百万円の減少となりました。当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を財源とすることを主としながら、必要に応じて銀行からの借入による資金調達を行うことで、事業上必要な資金の流動性を確保しております。具体的には、取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結し、資金の流動性を高めております。また、当連結会計年度には、新たに本社・川崎製作所の建設に伴う組成金額100億円のシンジケーション方式のタームローン契約を締結し、大型設備投資にかかる長期的な資金の確保を図っております。なお、当連結会計年度末における当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約に基づく借入未実行残高は1,800百万円、シンジケーション方式タームローン契約に基づく借入未実行残高は10,000百万円となっております。当社グループの資金需要の主なものは、事業に係る運転資金と工場用機械設備等の設備投資資金であります。③ 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針等につきましては、注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
事業リスク
- 経済情勢の変動主要顧客である化学・石油・ガス・海運業界や公共下水処理の設備投資の動向に業績が左右される可能性があります。景気後退や業界の投資抑制は、受注の減少を通じて売上や利益に悪影響を及ぼす恐れがあります。
- 価格競争の激化請負契約が主体の事業構造のため、競合他社との価格競争が激化した場合、価格優位性を保てなくなり、業績や財政状態が悪化する可能性があります。差別化技術やコスト競争力の強化が常に求められます。
- 資材調達コストの変動受注から引き渡しまでの工期が長期にわたるプロジェクトが多く、その間に素材価格などが急激に上昇すると、想定外のコスト増が発生し、利益を圧迫する可能性があります。販売価格への転嫁や早期発注などの対策が重要となります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、本項における将来に関する事項は、連結会計年度末現在において判断したものであります。(1) 経済情勢国内外の物価・金利上昇、米国の通商政策をはじめとする地政学リスクの高まり等により、経済環境の先行きが不透明な状況が続いております。当社グループの主要顧客である化学・石油・ガス・海運業界及び公共下水処理等の設備投資計画の動向は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、経済情勢による業績への影響を最小限に抑えるため、アフターサービスやメンテナンス工事を拡大することで収益のベースロードを確保すること、また、2025年4月より「三菱化工機グループ2050経営ビジョン」で新たな成長分野として設定した5つの社会課題に対応する4つの戦略的事業領域に係わる事業を「GX事業」とし、新たな報告セグメントとして設定し、事業の推進・拡大に取り組んでおります。(2) 価格競争当社グループの受注は請負契約が主体であり、激化する価格競争の中で、競合先に対して価格優位性が保てない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、差別化技術の深化・創出、コスト競争力の強化等により、競合先に対し価格優位性を保てるよう努めております。(3) 資材調達コスト受注から引渡しまでの工期が長期に亘る工事もあり、急激な素材価格等の上昇は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、販売価格への転嫁、早期発注などの対策に努めると共に、調達体制の見直し、グループ調達・共同購買の強化による資材費圧縮に取り組んでおります。(4) 安全、品質問題多額のコストを必要とする製品欠陥が発生する場合、また、建設工事現場において事故・災害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、製造する製品及び建設工事について安全・品質管理体制を整備し、高い品質の確保・維持に努めております。(5) 海外取引先の選定・管理海外企業を調達・サプライヤーとして利用することがある場合、これら海外企業の品質不良・納期遅延や倒産等により、プロジェクトの採算が悪化することがあります。海外取引先の選定・管理を誤ると、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、海外取引先に対し、事前の与信調査の実施、サプライヤーとして選定する際の評価基準を定め、安定したサプライチェーンの構築を図っております。(6) 人材の確保・育成雇用環境の変化が急速に進むなかで必要とする人材の確保ができなかった場合、及び当社グループの事業に必要な技術を有するエンジニアの確保と育成ができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、優秀な人材を確保及び育成するため、積極的な新卒・キャリア人材の採用、部門別・階層別の研修の継続による社内教育、従業員エンゲージメント向上に係る施策の強化に努めております。(7) 研究開発・技術提携研究開発の結果生み出した新製品・新技術及び技術提携により導入した技術が販売目標を達成できない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「第2 事業の状況 6 研究開発活動」の記載にありますとおり継続的な研究開発を行っており、販売活動へつながるよう努めております。(8) 取引先企業の信用顧客企業及び仕入先企業の業績不振、倒産等によって入金遅延、納期遅延等が発生する場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、事前の与信調査を実施するとともに、販売部門及び調達部門が、定常的に取引先の情報収集を実施することで経営成績等に与える影響を最小限にするよう努めております。 (9) 為替レートの変動外貨建取引における他の通貨に対する円高は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、外貨取扱基準等を定め、為替予約を実施する等により為替リスクの極小化に努めております。(10) 株価下落当社グループは取引先、金融機関等の市場性のある有価証券を保有しておりますが、株価の下落によって保有有価証券に評価損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、保有有価証券は定期的に時価及び発行体の財務状況等を把握しております。また、政策保有株式については、個別銘柄ごとに保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているかを検証しております。(11) 退職給付債務当社グループの退職給付費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率により算出しており、割引率の低下や年金資産運用利回りの悪化は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、このような数理計算上の差異の発生に伴う損益変動リスクに対応するため、年金資産の運用は、適宜、情報を取得し、安全性を考慮した投資配分に努めております。また、退職給付制度には確定給付型と確定拠出型を組み合わせた制度を導入しております。(12) 借入金の財務制限条項当社グループの借入金の一部については、シンジケーション方式によるコミットメントライン契約及びタームローン契約を締結しております。当該契約には、融資契約上の債務について期限の利益を喪失する財務制限条項が定められており、これに抵触した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、財務制限条項の要求基準を安定的に充足するべく業務運営に努めております。(13) コンプライアンス違反従業員等による業務上の不法行為や違法行為により当社グループは刑事上、民事上、行政上の責任を負うことがあります。これらの処分に加え、社会的な信用を失うことは、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、内部統制委員会を設置しており、コンプライアンスの観点から、当社グループ全体の内部統制システムの構築運営状況のモニタリング、個々の業務活動の適正性の調査を行うとともに、各部門・各子会社により実施されるチェックの有効性を確認しております。(14) 自然災害等地震や風水害等の災害が発生した場合に、当社グループの主要な生産拠点における生産設備、製品等が破損することがあります。また、これらの災害に起因するサプライチェーンの混乱は、当社グループの生産活動をはじめとする事業全般に影響を及ぼすことがあります。これらの災害により直接的・間接的な被害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、感染症のまん延などにより、当社関連工場や現場での当該感染者の発生、及び資機材の納期遅延などによる既存工事または計画における工程遅延の発生、そして、感染症の終息長期化に伴う景気後退による顧客の設備投資やメンテナンス工事などの減少、延期、中止などは、業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、可能かつ妥当な範囲で保険を付保し、自然災害による損害軽減を図るとともに、事業継続計画(BCP)の定期的な見直し、定期的な設備点検、従業員の衛生管理等予防措置を行っております。(15)気候変動世界の二酸化炭素の排出量の増加による地球温暖化は、大型台風や集中豪雨等の自然災害の激甚化・増加、平均気温の上昇による猛暑等をもたらすなど、経済社会環境へ様々な影響があります。また、これらの抑制のための社会的要求や、環境規制等に伴う製品・設備・職場環境等の低炭素、脱炭素への移行は、当社の製品の研究・開発、生産など、経営全般に亘って当社グループに影響をもたらします。これらは、当社グループのみならず、当社グループのサプライチェーンへの影響を通じて、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。(16)情報セキュリティ当社グループは、事業活動を通じて得意先情報や個人情報等の機密情報を保有しております。これらの情報について、外部からのサイバー攻撃等により機密情報が漏洩した場合、社会的信用の低下や損害賠償の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、情報システム運用に関する厳格な管理体制を構築し、情報の取扱い等に関する規程類の整備・充実やeラーニング等による教育等、従業員への意識向上に取り組んでおります。