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テセック(6337)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 半導体検査装置の開発・製造・販売
    テセックグループは、半導体の性能や品質をチェックするための「半導体検査装置」を開発し、製造・販売しています。具体的には、半導体チップを検査機に供給する「ハンドラ」、半導体の電気的特性を測定する「テスタ」、そしてそれらの装置に必要な部品などを手掛けています。これらの製品を通じて、半導体メーカーの生産活動を支え、収益を得ています。
  • アフターサービスも提供
    製品を販売するだけでなく、購入後のメンテナンスや修理といったアフターサービスも提供しています。これにより、顧客との長期的な関係を築き、安定した収益源を確保しています。特に海外の子会社が販売とアフターサービスを担い、グローバルな顧客サポート体制を構築しています。
  • 単一事業で専門性を追求
    テセックグループは、半導体検査装置の製造・販売という一つの事業に特化しています。これにより、限られた経営資源を集中させ、この分野での専門性と技術力を高めることに注力しています。事業の種類を絞ることで、効率的な経営と市場の変化への迅速な対応を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 半導体検査装置事業
    テセックグループは、半導体の性能や品質を検査するための装置の開発、製造、販売を主な事業としています。この事業には、半導体チップを検査機に供給する「ハンドラ」や、半導体の電気的特性を測定する「テスタ」、そしてこれら装置に必要な部品などが含まれます。この単一事業がグループ全体の収益源となっています。
  • グローバルな販売とサービス
    日本国内のテセック本社が製品の開発・製造・販売・アフターサービスを担う一方で、海外の子会社が各地域の顧客への販売とアフターサービスを提供しています。具体的には、米国、マレーシア、中国に子会社があり、それぞれの地域で事業を展開しています。これにより、世界中の半導体メーカーに製品とサービスを届けています。
  • 専門性の高い製品群
    テセックグループは、半導体検査装置という特定の分野に特化しており、この分野における専門性の高い製品群を提供しています。顧客のニーズに応じた製品開発と、それらを支えるアフターサービス体制を構築することで、半導体産業の発展に貢献しつつ、自社の事業基盤を強化しています。この専門性が、競争優位の源泉となっています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|373 文字
3【事業の内容】 当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社および子会社4社で構成され、半導体検査装置の製造・販売を単一の事業として運営しているため、事業の種類別セグメントおよび事業部門は一括して記載しております。 当社グループの事業内容および当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。会社名関 係事業内容㈱テセック当 社ハンドラ、テスタおよびパーツ等の開発・製造・販売およびアフターサービスTESEC,INC.連結子会社当社製品の販売およびアフターサービスTESEC(M)SDN.BHD.連結子会社当社製品の販売およびアフターサービス泰賽国際貿易(上海)有限公司連結子会社当社製品の販売およびアフターサービス嶺光音電機㈱連結子会社半導体測定器の開発・製造・販売およびアフターサービス 事業系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
製品価格の値下げ要求は概して恒常化しており、競争激化で販売価格下落が予想されるため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
顧客の要求する仕様に沿う製品を他社に先駆けて開発し、最短で納入する技術力
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:半導体市場の変動 / 特定顧客との取引 / 輸出取引
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

テセックは半導体製造装置の洗浄装置や検査装置を製造しているが、特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、あるいは規制ライセンスによる明確な無形資産の優位性は見られない。技術革新は重要だが、競合他社も同様の技術開発を進めている。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

半導体製造装置は、一度導入すると、その後のメンテナンス、オペレーション、歩留まり調整などでサプライヤーとの関係が継続しやすい。特に、特定のプロセスに最適化された装置の場合、乗り換えには時間とコストがかかる可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

テセックの事業には、ユーザーが増えることでサービスの価値が向上するようなネットワーク効果は基本的に存在しない。個々の顧客との取引が中心であり、プラットフォーム型のビジネスモデルではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

製造業として一定の規模の経済は存在するが、半導体製造装置業界全体で激しい価格競争や技術開発競争があるため、構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。サプライヤーとの交渉力も限定的と考えられる。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

半導体製造装置業界は、一部のグローバル企業が市場を寡占している傾向がある。テセックはその中でニッチな分野で事業を展開しているが、業界全体の規模に対して最適な少数寡占を形成しているとは言えない。一定の市場シェアは持つものの、圧倒的な地位ではない。

  • 顧客密着型の製品開発
    テ顧客の要求仕様に合わせた製品を、他社よりも早く開発し、最短で納入できる体制を強みとしています。これは、顧客と密接な関係を築き、ニーズを深く理解しているからこそ可能となる競争優位性です。この迅速な対応力により、顧客からの信頼を獲得し、継続的な取引に繋げています。
  • グローバルな販売・サービス網
    テセックグループは、日本国内だけでなく、米国、マレーシア、中国といった海外にも子会社を展開し、製品の販売とアフターサービスを提供しています。2024年3月期には海外売上高比率が65.7%に達しており、世界中の大手半導体メーカーを顧客としています。このグローバルネットワークは、多様な市場からの収益機会を創出し、事業の安定性に寄与しています。
  • 技術革新への継続的な取り組み
    半導体業界は技術革新が非常に速い分野であり、テセックグループも最先端の市場ニーズを見据えた新製品開発に継続的に取り組んでいます。研究開発への投資を通じて、常に新しい技術や製品を生み出すことで、競争力を維持し、顧客に価値を提供し続けています。これにより、技術的な優位性を保ち、市場での存在感を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、以下のとおり社是、経営理念、行動規範、環境方針、品質方針を定めております。 <社是> Enjoy 仕事も楽しみましょう 遊びも楽しみましょう 生活も楽しみましょう 人生も楽しみましょう 物事すべて楽しみましょう <経営理念> TESECは優れた半導体検査装置を世界中に供給することで社会へ貢献します。 TESECはソリューションを提供する創造業のトップランナーを目指します。 TESECは豊かな発想と強い意志を持つ社員を大切にします。 <行動規範> お客様を第一に考え、誠実に対応しよう。 新しいことに常に挑戦しよう。 自分の職務に誇りと自信を持とう。 法令を遵守し、高い倫理観をもって行動しよう。 信頼され、尊敬される人を目指そう。 <環境方針> 当社は、半導体検査装置を製造、販売する企業として、地球環境の保全が人類共通の課題であることを深く認識し、環境との共生を目指して環境安全活動を推進します。1.当社の活動、製品、サービスにおける環境影響要因とその環境負荷を把握し、環境汚染の予防に努め、環境 負荷の低減に向けて継続的改善に努力します。2.当社に適用される環境関連の法律、条例、及びその他の要求事項を遵守します。3.環境目的・目標を設定し、環境負荷の低減、及び環境に配慮した製品開発に取り組みます。4.環境方針、環境保全推進状況を社員に周知させ、意識向上を図るとともに、社外に公表します。5.社会で実施、推進される環境保全活動に積極的に参画します。6.当社の活動、製品、サービスにかかわる環境影響のなか、環境重点テーマとして省エネルギー、省資源、廃 棄物の削減、環境負荷の高い物質の使用量削減を推進します。 <品質方針>「世界中の顧客から信頼される商品とサービスを提供する」1.お客様のニーズを的確に捉え、各種法規則を遵守し、お客様が満足するソリューションを提供し続ける。2.品質マネジメント・システムを構築し、マネジメントレビューを通して、システムの有効性を継続的に改善 する。3.この品質方針を実施するために品質目標を設定し、その達成に努める。 (2)経営環境 当社グループは、半導体の電気的な特性・性能を評価する「テスタ」、様々な形状のデバイスを搬送し、接続されたテスタからの測定データに基づき、設定された基準に応じて自動で分類・収納する「ハンドラ」を主力とする、半導体製造工程を支える重要な製品群を有しています。 足下では、AI関連需要を背景としたアナログIC増産等の影響から、ハンドラ分野は受注が回復に転じましたが、EV需要の減速を受け、パワー半導体を対象とするテスタ分野は厳しい状況が続いております。 一方で、自動車の電動化や再生可能エネルギー関連をはじめとしたパワー半導体およびアナログ分野の需要拡大に対する期待は依然として根強く、中長期的な市場成長に対する見通しに大きな変化は生じておりません。 (3)事業上及び財務上の対処すべき課題 生成AIの普及に伴うデータセンターの増強、自動運転技術(ADAS)の普及に向けたEV(電気自動車)シフトなどのカーボンニュートラルへの取組が世界的なトレンドとなるなか、半導体製造装置市場は、短期的には変動しつつも中長期的には堅調な成長が予想されます。 このような状況を踏まえ、当社はシクリカルな市場環境下にあっても需要拡大を背景とした中長期的な成長を目指すべく、2025~2027年度を対象期間とする中期計画「Enjoy2.1」を下記の通り策定いたしました。 今後も測定における提案力と付加価値の創造で事業を成長させるため、基盤戦略および事業戦略を着実に遂行するとともに、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を一体的に推進してまいります。 中期経営計画「Enjoy2.1」の概要 <基盤戦略>・ 生産工程の標準化・効率化による供給安定性の向上・ 顧客満足を起点とした営業力・提案力の強化・ デジタル化を通じた業務プロセス革新と情報基盤の整備・ グローバルで活躍できる人材育成と組織体制の再構築 <事業戦略> テスタ分野・ バリュー志向型ビジネスとトータルソリューションの構築・ パートナー企業との連携による技術・コスト優位の確立・ 海外市場への積極展開とアプリケーション対応力の向上 ハンドラ分野・ 既存顧客との安定取引の維持と新規市場の開拓・ 次世代ハンドラの市場投入による製品競争力の強化・ テスタ事業との連携によるシナジー創出と価値向上 <資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応>・ 成長投資と安定配当を両立する資金配分・ 中長期視点に立脚した戦略的投資の実行・ DOE4%を目安とした配当政策の再構築・ ローリングプランの導入とIRの充実 <中期見通し(2026年5月14日更新)> (百万円) 2026年度 2027年度 2028年度売上高6,3008,0009,000 ハンドラ3,4504,0004,100 テスタ1,7002,7003,500 パーツ等1,1501,3001,400営業利益4501,3001,850 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 半導体製造装置市場は、需給バランスの調整に伴うシリコンサイクルの影響により、短期的には変動しつつも、中長期的には堅調な成長が見込まれます。当社グループでは、短期的な業績変動は避けられないものの、中長期での持続的な成長の観点から、「売上高」および「営業利益」を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標と位置付けております。また、資本効率の観点から、「ROE」についても重要な指標と認識しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、以下のとおり社是、経営理念、行動規範、環境方針、品質方針を定めております。 <社是> Enjoy 仕事も楽しみましょう 遊びも楽しみましょう 生活も楽しみましょう 人生も楽しみましょう 物事すべて楽しみましょう <経営理念> TESECは優れた半導体検査装置を世界中に供給することで社会へ貢献します。 TESECはソリューションを提供する創造業のトップランナーを目指します。 TESECは豊かな発想と強い意志を持つ社員を大切にします。 <行動規範> お客様を第一に考え、誠実に対応しよう。 新しいことに常に挑戦しよう。 自分の職務に誇りと自信を持とう。 法令を遵守し、高い倫理観をもって行動しよう。 信頼され、尊敬される人を目指そう。 <環境方針> 当社は、半導体検査装置を製造、販売する企業として、地球環境の保全が人類共通の課題であることを深く認識し、環境との共生を目指して環境安全活動を推進します。1.当社の活動、製品、サービスにおける環境影響要因とその環境負荷を把握し、環境汚染の予防に努め、環境 負荷の低減に向けて継続的改善に努力します。2.当社に適用される環境関連の法律、条例、及びその他の要求事項を遵守します。3.環境目的・目標を設定し、環境負荷の低減、及び環境に配慮した製品開発に取り組みます。4.環境方針、環境保全推進状況を社員に周知させ、意識向上を図るとともに、社外に公表します。5.社会で実施、推進される環境保全活動に積極的に参画します。6.当社の活動、製品、サービスにかかわる環境影響のなか、環境重点テーマとして省エネルギー、省資源、廃 棄物の削減、環境負荷の高い物質の使用量削減を推進します。 <品質方針>「世界中の顧客から信頼される商品とサービスを提供する」1.お客様のニーズを的確に捉え、各種法規則を遵守し、お客様が満足するソリューションを提供し続ける。2.品質マネジメント・システムを構築し、マネジメントレビューを通して、システムの有効性を継続的に改善 する。3.この品質方針を実施するために品質目標を設定し、その達成に努める。 (2)経営環境 当社グループは、半導体の電気的な特性・性能を評価する「テスタ」、様々な形状のデバイスを搬送し、接続されたテスタからの測定データに基づき、設定された基準に応じて自動で分類・収納する「ハンドラ」を主力とする、半導体製造工程を支える重要な製品群を有しています。 足下では、AI関連需要を背景としたアナログIC増産等の影響から、ハンドラ分野は受注が回復に転じましたが、EV需要の減速を受け、パワー半導体を対象とするテスタ分野は厳しい状況が続いております。 一方で、自動車の電動化や再生可能エネルギー関連をはじめとしたパワー半導体およびアナログ分野の需要拡大に対する期待は依然として根強く、中長期的な市場成長に対する見通しに大きな変化は生じておりません。 (3)事業上及び財務上の対処すべき課題 生成AIの普及に伴うデータセンターの増強、自動運転技術(ADAS)の普及に向けたEV(電気自動車)シフトなどのカーボンニュートラルへの取組が世界的なトレンドとなるなか、半導体製造装置市場は、短期的には変動しつつも中長期的には堅調な成長が予想されます。 このような状況を踏まえ、当社はシクリカルな市場環境下にあっても需要拡大を背景とした中長期的な成長を目指すべく、2025~2027年度を対象期間とする中期計画「Enjoy2.1」を下記の通り策定いたしました。 今後も測定における提案力と付加価値の創造で事業を成長させるため、基盤戦略および事業戦略を着実に遂行するとともに、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を一体的に推進してまいります。 中期経営計画「Enjoy2.1」の概要 <基盤戦略>・ 生産工程の標準化・効率化による供給安定性の向上・ 顧客満足を起点とした営業力・提案力の強化・ デジタル化を通じた業務プロセス革新と情報基盤の整備・ グローバルで活躍できる人材育成と組織体制の再構築 <事業戦略> テスタ分野・ バリュー志向型ビジネスとトータルソリューションの構築・ パートナー企業との連携による技術・コスト優位の確立・ 海外市場への積極展開とアプリケーション対応力の向上 ハンドラ分野・ 既存顧客との安定取引の維持と新規市場の開拓・ 次世代ハンドラの市場投入による製品競争力の強化・ テスタ事業との連携によるシナジー創出と価値向上 <資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応>・ 成長投資と安定配当を両立する資金配分・ 中長期視点に立脚した戦略的投資の実行・ DOE4%を目安とした配当政策の再構築・ ローリングプランの導入とIRの充実 <中期見通し(2026年5月14日更新)> (百万円) 2026年度 2027年度 2028年度売上高6,3008,0009,000 ハンドラ3,4504,0004,100 テスタ1,7002,7003,500 パーツ等1,1501,3001,400営業利益4501,3001,850 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 半導体製造装置市場は、需給バランスの調整に伴うシリコンサイクルの影響により、短期的には変動しつつも、中長期的には堅調な成長が見込まれます。当社グループでは、短期的な業績変動は避けられないものの、中長期での持続的な成長の観点から、「売上高」および「営業利益」を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標と位置付けております。また、資本効率の観点から、「ROE」についても重要な指標と認識しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、地政学的緊張や米中貿易摩擦の長期化により不透明な状況が続きました。米国では高関税による物価上昇懸念と雇用軟化を背景に利下げが実施され、欧州では外需不安や政治リスクが景気の下押し要因となりました。中国では不動産低迷や過剰生産、出生率低下等の構造的課題が重荷となり、日本では企業収益や株価が堅調な一方、円安・物価高によるコスト増もあり、景気回復は緩やかにとどまりました。 半導体業界におきましては、生成AI向けのGPU、ASIC、HBM(High Bandwidth Memory)への需要が好調に推移しましたが、非AI分野では在庫調整の影響を受け、需要は伸び悩みました。当社のテスタ分野が対象とするパワー半導体市場では、EV(電気自動車)需要の減速に加え、海外メーカーとの競争激化を背景に、半導体関連企業による投資抑制や業界再編の動きが相次ぎました。 このような環境において、当社は顧客ニーズに応える製品の開発に注力するとともに、パワーデバイス用テスタやMAPハンドラ、新たにリリースしたリードフレームストリップハンドラなどを軸として、実機デモの実施や国内外の展示会への参加、トップセールスを通じた積極的な販売活動を展開しました。また、中期計画に基づく人的資本関連の成長投資として、株式給付信託(J-ESOP)の導入や従業員持株会における奨励金付与率の引き上げを行い、従業員の企業価値向上への意識醸成とエンゲージメント向上に努めました。 以上の結果、受注高は54億62百万円(前期比35.1%増)、売上高は55億67百万円(同5.5%減)、受注残高は25億56百万円(前連結会計年度末比4.0%減)となりました。製品別売上高は、ハンドラ25億47百万円(前期比53.9%増)、テスタ19億74百万円(同34.8%減)、パーツ等10億46百万円(同13.5%減)となりました。 損益面は、減収に伴う売上総利益の減少等により、営業利益は3億1百万円(前年同期比30.7%減)、経常利益は5億64百万円(同16.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億63百万円(同8.3%増)となりました。②財政状態の状況 当連結会計年度末における総資産は、受注、売上の低迷や、自社株買い等の資本収益性向上に向けた資金配分に伴い、現金及び預金、たな卸資産、売掛金が減少した一方、有価証券および投資有価証券が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ4億21百万円増加し、158億96百万円となりました。 負債は、買掛金や繰延税金負債が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ3億86百万円増加し、16億96百万円となりました。 純資産は、配当金の支払に伴い利益剰余金が減少した一方、その他有価証券評価差額金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ35百万円増加し、142億円となりました。③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、下記の各キャッシュ・フローによる増減により、前連結会計年度末に比べ8億97百万円減少し、31億66百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、14億64百万円のプラス(前期は17億67百万円のプラス)となりました。これは主に、棚卸資産の減少額、売上債権の減少額、税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、14億2百万円のマイナス(同9億円のマイナス)となりました。これは主に、有価証券および投資有価証券の取得による支出によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、10億94百万円のマイナス(同4億95百万円のマイナス)となりました。これは主に、配当金の支払および自己株式の取得によるものであります。④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループは、半導体検査装置の製造・販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。品目当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)対前期増減率(%)ハンドラ(百万円)2,54560.3テスタ(百万円)1,632△40.5パーツ等(百万円)935△12.3合計(百万円)5,113△5.3(注)金額は販売価格によっております。 b.受注実績 当社グループは、半導体検査装置の製造・販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。品目受注高対前期増減率(%)受注残高対前期増減率(%)ハンドラ(百万円)3,314134.91,76277.1テスタ(百万円)1,117△30.4659△56.5パーツ等(百万円)1,0300.4134△10.3 合計(百万円)5,46235.12,556△4.0(注)金額は販売価格によっております。 c.販売実績 当社グループは、半導体検査装置の製造・販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。品目当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)対前期増減率(%)ハンドラ(百万円)2,54753.9テスタ(百万円)1,974△34.8パーツ等(百万円)1,046△13.5合計(百万円)5,567△5.5(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)INFINEON TECHNOLOGIES (MALAYSIA) SDN BHD--59610.7(注)総販売実績に対する割合が10%未満となる連結会計年度の販売実績及び総販売実績に対する割合は、記載を省略しております。2.金額は販売価格によっております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 3.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。 財務諸表の作成に必要な見積りは、過去の実績、見通し、その他状況に応じて合理的であると考えられる様々な仮定に基づき実施しておりますが、本質的に不確実な事項についての見積りを行う必要性の結果として、困難で主観的な判断が要求されることから、実際の業績は大きく異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。なお、繰延税金資産の回収可能性の検討に際しては、半導体製造市場および当社固有のリスク、過去の業績推移等を踏まえ、評価性引当額の必要性を判断しております。②経営成績に重要な影響を与える要因 「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。③当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度における売上高は55億67百万円、営業利益は3億1百万円となりました。 売上高は、AI需要の拡大に伴うデータセンター関連投資の増加を背景として、主力製品であるMAPハンドラの需要が回復し、ハンドラ関連売上が増加しました。一方、テスタにつきましては、EV市場の調整局面が継続したことから、国内及び中国市場を中心に需要が低迷し、前連結会計年度を下回りました。 損益面は、部材価格高騰の影響が正常化したものの、テスタ需要の低迷による操業度の低下や固定費負担の影響により、利益水準は低位で推移しました。 受注高は、ハンドラ需要の回復を主因として前連結会計年度比35%増となり、4期ぶりに増加へ転じました。特に2025年度第3四半期以降は、AI関連半導体向けを中心とした需要拡大により受注環境が改善し、大型案件や短納期案件も増加しております。このような状況を踏まえ、今後の需要拡大に対応するため、生産能力の強化及び部材調達体制の充実による供給力の確保が重要と認識しております。 ハンドラは、製品単価及び受注ロットが大きく、また特定顧客向け売上の比率が高いことから、テスタと比較して業績変動が大きい特徴があります。2021年度を直近ピークとして低迷していた受注高は、AI関連半導体向け需要の拡大を受けて回復基調へ転じました。出荷地域別では海外向けが約9割を占めており、当連結会計年度はマレーシア、フィリピン及び中国向けの出荷が中心となりました。 テスタは、2023年度まで3期連続で30億円規模の受注を獲得しましたが、EV市場減速の影響を受けて2024年度に受注が大幅に減少し、当連結会計年度においても受注高及び売上高は前連結会計年度比で概ね3割減となりました。その結果、受注残高は6年ぶりの低水準となっております。市場環境は引き続き厳しい状況にありますが、SiCをはじめとする次世代パワー半導体市場の中長期的な成長が見込まれることから、将来の需要拡大を見据えた研究開発投資を継続してまいります。なお、テスタは日本及び中国が主要市場となっております。 パーツ等は、ハンドラ改造用のチェンジキットが中心であり、当社ハンドラの稼働台数を基盤としたストック型の収益特性を有する取引です。今後もハンドラのインストールベース拡大に合わせて需要の積み上げを図り、収益基盤の強化に努めてまいります。④資本の財源及び資金の流動性 当社グループは、運転資金及び設備資金とも概ね内部資金により賄っておりますが、資金需要が急増した場合等には銀行借入により調達しております。当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、主要取引金融機関と10億円の貸出コミットメントライン契約を締結しておりますが、当連結会計年度末における借入実行残高はありません。 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 半導体市場の変動リスク
    テセックグループの事業は、半導体市場の景気変動や半導体メーカーの設備投資動向に大きく左右されます。半導体市場は予測が難しく、需要が大きく変動すると、検査装置の販売も影響を受け、テセックグループの業績が悪化する可能性があります。
  • 特定顧客への依存リスク
    世界の大手半導体メーカーを主要顧客としていますが、特定の顧客との取引規模が大きいため、その顧客の業績や設備投資計画が大きく変動した場合、テセックグループの売上や利益に大きな影響が出る可能性があります。顧客数の拡大に努めていますが、このリスクは依然として存在します。
  • 為替変動と輸出関連リスク
    テセックグループの売上高の多くは海外取引によるものであり、為替レートの変動は海外顧客にとっての製品価格に影響を与え、売上高や利益を変動させる可能性があります。また、政治・経済情勢の不安定化、経済制裁、関税の変更、知的財産権の保護不足なども、輸出取引に支障をきたし、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,173 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)半導体市場の変動について 当社グループは、半導体検査装置の製造・販売を行っておりますが、検査装置の需要は半導体市況の変動および半導体メーカーの設備投資動向等に影響を受けます。当社グループでは市場環境の変化に対応するためコスト構造の改善を進めておりますが、半導体市場は不安定かつ予測不能であり、市場変動の増大が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(2)特定顧客との取引について 当社グループは、世界の大手半導体メーカーを主要な顧客としております。取引顧客数の拡大に向け活動しておりますが、主要顧客との取引規模が大きく変動した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(3)輸出取引について 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の比率は、2025年3月期においては65.7%、当期においては77.0%となっております。海外への販売は今後も当社グループの収益のなかで大きな割合を占めると考えられるため、以下の要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。・外貨建取引について、為替変動により海外の顧客にとって当社グループの製品価格が上昇するリスク。・政治的または経済的な不安定要因、景気後退ならびに経済制裁等により当社グループ製品の輸出に支障が生じるリスク。・関税およびその他の障壁が当社グループ製品の価格競争力を低下させるリスク。・一部の国において、当社グループの企業秘密や知的財産権が法律によって適切に保護されないリスク。(4)法令・規制について当社グループは、事業活動を行うにあたり、輸出入、環境、競争、労働、税制等、様々な法令、規制の適用を受けております。当社は、法令遵守のみならず、環境に与える負荷を低減するため、様々な施策に取り組んでおりますが、期待した成果が得られなかった場合や、各種法令、規制に抵触した場合には、社会的信用の低下、課徴金・損害賠償の発生、事業の制限等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(5)競争優位について当社グループの属する半導体検査装置業界は、国際的な大企業から、高度に専門化し急成長している比較的小規模な企業まで、広範囲な競合企業が存在します。当社の競合環境は、コスト構造等で優位性を持つ中国等の新興国企業を含め、新たな脅威となる競合他社の出現によって常に変化する可能性があります。 競合の要因は分野によって異なりますが、製品価格の値下げ要求は概して恒常化しているため、競争が激化すれば、当社製品の販売価格の下落が予想されます。 現在の競合他社および潜在的な競合他社のなかには、財務、技術、製造、マーケティング、顧客サポートの能力が高く、広範な製品を提供している企業が含まれており、当社グループは必要な投資を競合他社と同程度に行うことができない可能性があります。 競争を優位に進めるためには、顧客と密接な関係を保つことが重要な要素であり、その結果、顧客の要求する仕様に沿う製品を他社に先駆けて開発し、最短で納入することが可能となります。このような顧客との重要な関係や技術の優位性を維持できない場合には、競合企業との価格競争への対応として想定以上の製品価格の引き下げを余儀なくされ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(6)人材について当社グループが競争力を維持し、持続的成長を実現するためには、次世代を担う人材の獲得、育成が重要となります。人材は価値創造の源泉であるとの認識から、労働環境の改善やモチベーションを高める人事制度の構築に取り組んでおりますが、必要な人材の継続的な採用や育成ができない場合や重要な人材が離職した場合には、製品開発力や顧客サポートの質が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(7)研究開発について当社グループは、技術革新が激しい半導体業界にあって最先端の市場を見据えた新製品の開発を行っておりますが、技術開発には時間とコストがかかり、成功する保証はありません。結果として受注獲得に至らない場合や、新製品投入のタイミングが遅れた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)部品調達および外注について 当社グループは、部品の調達および組立・配線工程の外注に関して多数の仕入先・外注先と取引を行っておりますが、特定の部品調達および外注については一部の取引先に依存しております。取引先の事情により部品の調達および製造工程に支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(9)情報セキュリティについて 当社グループは、事業全般において各種ITシステムを活用しております。基幹システム等に対する被害を最小限に抑えるべく、ウイルス対策やデータのバックアップ等の予防策を講じておりますが、自然災害やサイバー攻撃、ネットワーク障害などの不測の事態により、安定した業務の継続が困難になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(10)品質について当社グループは、国際的品質管理基準であるISO9001などに基づいて品質保証体制の強化を図っておりますが、予期せぬ不具合や瑕疵による製造物責任賠償により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(11)在庫について当社グループが事業を展開する半導体検査装置関連事業では、顧客仕様による受注販売が中心であり、かつ、短納期の要求を受けることから、顧客からの正式受注によらず、顧客から提示される需要見通しや市場動向を勘案した当社の判断に基づく部品手配・計画生産を行う場合があります。 部品および製品プラットフォームの共通化により在庫の汎用性を高めておりますが、在庫投資は需要予測と密接に関連しているため、見込みに狂いが生じた場合には、過剰な在庫エクスポージャーの発生、陳腐化リスクの増大などを通じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(12)売掛債権について当社グループは、顧客との取引の大部分を代金後払いで販売しております。与信管理等により回収リスクの軽減に努めておりますが、顧客の財務問題等により売掛債権の回収が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(13)固定資産の減損について当社グループは、所有する固定資産について「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、外部環境の変化等により収益性が著しく低下した場合には、減損損失の計上により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(14)保有有価証券の価格変動について当社グループは、余裕資金の一部を有価証券にて運用しておりますが、時価または実質価額が著しく下落した場合には、有価証券評価損等の計上により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(15)災害等の発生について当社グループは、東京都東大和市の本社、長野県上伊那郡箕輪町の工場の他、海外を含む複数の事業拠点を有しております。事業継続計画(BCP)の策定等によりリスクの低減を図っておりますが、これらの地域で大地震や台風、パンデミック等の自然災害や、テロ等の社会的混乱が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

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