6363

酉島製作所(6363)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • ポンプ事業
    当社グループの主力事業で、各種ポンプやポンププラント、メカニカルシールなどの関連機器の製造・販売、据付工事、アフターサービスを一貫して手掛けています。国内外の子会社20社以上がこの事業を支え、顧客の多様なニーズに応えています。これにより、安定的な収益基盤を構築しています。
  • 環境新エネルギー事業
    環境装置の製造・販売に加え、廃棄物の再利用品の企画・製造・販売を行っています。また、小水力発電設備の販売・据付工事、さらには電気の供給業務も手掛けており、再生可能エネルギー分野への貢献を通じて、持続可能な社会の実現を目指しています。この事業は、将来の成長ドライバーとして期待されています。
  • グローバル展開
    当社グループは、日本国内だけでなく、香港、インドネシア、欧州、中東、インド、オーストラリア、タイ、サウジアラビア、マレーシア、台湾、米国など、世界各地に子会社を展開し、ポンプ事業を中心にグローバルに事業を展開しています。これにより、特定の地域に依存しない多様な収益源を確保し、地域ごとの市場特性に応じた事業戦略を展開しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ポンプ事業
    ポンプ、ポンププラント、メカニカルシール、その他ポンプ関連機器の製造・販売、据付工事、サービスを国内外で展開しています。国内では当社、九州トリシマ、新東邦などが、海外では酉島ポンプ香港、PT.TORISHIMA GUNA INDONESIA、TORISHIMA EUROPE LTD.など多数の子会社が事業を担っています。これは当社グループの主要な収益源であり、世界中のインフラを支える重要な役割を担っています。
  • 環境新エネルギー事業
    環境装置の製造・販売、各種廃棄物の再利用品の企画・製造・販売を行っています。また、小水力発電設備の販売・据付工事、電気の供給業務も手掛けており、国内では当社や関連会社の肥前風力エネルギー開発が中心となっています。この事業は、地球温暖化対策や再生可能エネルギーの普及に貢献し、将来の成長分野として位置づけられています。
  • その他事業
    有価証券報告書では明確なセグメント情報が記載されていないため、ポンプ事業と環境新エネルギー事業以外の具体的な事業内容は不明です。しかし、ポンプ関連機器の製造・販売やサービス、電気の供給業務など、主要事業に付随する多様な活動が含まれている可能性があります。これらの事業は、主要事業を補完し、グループ全体の安定的な運営に貢献していると考えられます。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,208 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社と子会社31社(うち連結子会社30社)及び関連会社2社で構成され、各種ポンプ・ポンププラント、環境装置、小水力発電設備、メカニカルシール、その他ポンプ関連機器の製造・販売、据付工事・サービスを主な事業内容としております。 当社グループの主な事業内容に係わる位置付け等は次のとおりであります。なお、セグメント情報を記載していないため、事業部門別に記載しております。事業の内容主な事業内容会社ポンプ事業ポンプ、ポンププラント、メカニカルシール、その他ポンプ関連機器の製造・販売及び据付工事・サービス国内当社、㈱九州トリシマ、新東邦㈱、その他2社※協和機工㈱、※AESSEAL TORISHIMA JAPAN CO.,LTD.海外酉島ポンプ香港有限公司PT.TORISHIMA PUMP MFG INDONESIAPT.GETEKA FOUNINDOPT.TORISHIMA SERVICE INDONESIATORISHIMA EUROPE LTD.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS FZCO.酉島ポンプ(天津)有限公司TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS EUROPE LTD.TORISHIMA PUMPS (INDIA) PRIVATE LTD.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS ASIA PRIVATE LTD.TORISHIMA AUSTRALIA PTY LTD.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS THAILAND LTD.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS (SAUDI ARABIA) LTD.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS MALAYSIA SDN.BHD.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS FORMOSA LTD.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS OF MICHIGAN LLC.CRYO PUMP REPAIRS LTD.AUSTRALIAN FLUID HANDLING PTY LTD.TORISHIMA TRADING AND SERVICES WLL.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS EGYPT.TORISHIMA SERVICE SOLUTIONS TURKIYE POMPA.TORISHIMA AL YASEAH SERVICE SOLUTIONS LLC.JUNEUNG CO.,LTD.KRG SPECIALIST ENGINEERING SERVICES LTD.その他 3社環境新エネルギー事業環境装置の製造・販売及び各種廃棄物の再利用品等の企画・製造・販売小水力発電設備の販売及び据付工事・サービス国内当社(注)※印は、関連会社であります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
「スーパーエコポンプ」が省エネ大賞を受賞し、高い省エネ性が評価されているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
液体アンモニア・液体水素用ポンプなど新エネルギー分野向けポンプの開発に注力している。
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:地政学上のリスク / サイバーセキュリティとシステム / 人材(確保と維持)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

長年の実績と技術蓄積はあるが、特許やブランド力が決定的な競争優位に直結しているとは言えない。一部の特殊ポンプ分野でのノウハウは存在する。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

大型プラント向けポンプは、一度導入するとメンテナンスや互換性の問題から切り替えコストが発生する可能性がある。しかし、顧客の設備投資判断が優先されるため、スイッチングコストは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

製造業として一定の効率化は図っているが、他社と比較して構造的なコスト優位性を持つほどの情報は確認できない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ポンプ・ブロワ業界において、国内大手の一角を占める規模を持つ。特に大型ポンプや特殊用途向けでは、一定の市場シェアと生産規模が競争力となっている。

  • ポンプ技術と実績
    長年にわたり培ってきたポンプに関する高い技術力と豊富な実績が強みです。多様な産業ニーズに対応できる製品ラインナップと、設計から製造、据付、アフターサービスまで一貫して提供できる体制は、顧客からの信頼獲得につながっています。特に、大規模プラント向けのポンプでは高い競争力を持つと考えられます。
  • グローバルサービス網
    世界各地にサービス拠点を持ち、迅速かつきめ細やかなサポートを提供できるグローバルなサービスネットワークが競争優位性となっています。これにより、海外の顧客に対しても高品質なサービスを提供し、長期的な関係を構築できるため、他社との差別化につながっています。
  • 環境・新エネルギー対応
    環境装置や小水力発電設備など、環境・新エネルギー分野への取り組みは、将来の市場変化に対応できる強みです。脱炭素社会への移行が進む中で、これらの技術や製品は新たな需要を創出し、持続的な成長機会をもたらす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、創業以来「金銭の赤字は出しても信用の赤字は出すな」の社是を掲げてまいりました。100年以上にわたり、社会の心臓部であるポンプの安定供給と稼働を確保し、お客様との信頼を徹底的に追求することで「社会に欠かせない企業」を目指しております。 気候変動や人口増加といった地球規模の課題が深刻化する中、エネルギー課題への対応や安全・安心な社会の構築へのニーズは、100年後も不可欠であり続けます。私たちは、世界の多様な課題に真摯に向き合い、「ポンプで世界を救う」という壮大な夢を掲げ、絶えず進化し続けます。 現在、当社グループは世界20カ国・36拠点にオフィスや工場、サービス拠点を展開しております。チーム全員が「One Torishima」として一丸となり、最先端技術によるポンプの提供と安定稼働の維持を通じて、お客様の生涯利益(Lifetime Benefit)の最大化に貢献してまいります。 (2)当社グループの現況ア. 事業の経過及びその成果(ア)当連結会計年度における事業環境 当連結会計年度における世界経済は、主要国のインフレ沈静化と金融緩和への転換を追い風に、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国の通商政策の動向や、緊迫化するウクライナ・中東地域の地政学リスクなど、依然として不確実な状況が続いております。こうした環境下、当社グループが手掛ける高性能ポンプ事業に関連する各分野は、以下の経営環境となりました。 a. エネルギー課題への取り組み 生成AIの急速な普及による電力需要の急増、及び省エネ・脱炭素への社会的要請の高まりから、発電や一般産業向けポンプの需要は好調に推移いたしました。また、技術開発の挑戦が実を結び、「超電導モータ液化水素ポンプ」の初受注も達成いたしました。 b. 安全・安心な社会の構築への取り組み 世界的な人口増による水不足、気候変動に伴う豪雨災害対策(事前防災)、及び上下水道インフラの老朽化対策を背景に、各種ポンプの更新需要が拡大いたしました。これにより、海水淡水化や雨水排水、上下水道向けポンプの需要は堅調に推移しております。 当社グループの重要課題である「エネルギー課題への取り組み」と「安全・安心な社会の構築への取り組み」について、それぞれ「事業環境・成長性」及び「強み・取り組み・成果」の双方から以下に詳しくご説明いたします。 (イ)重要課題における事業実績と今後の展開a. エネルギー課題への取り組み(a) 発電事業環境・成長性: 2025年は、世界の多くの地域で発電所建設市場への投資が極めて活発な1年となりました。その背景には、米国、中国、インドにおける電力需要の急増があります。 米国では、圧倒的な市場規模を誇る生成AIの普及に伴い、データセンターの建設ラッシュが続いております。同時に、「シェール革命」による豊富な天然ガスを活用した「GTCC(ガスタービンコンバインドサイクル)発電所」の建設も急ピッチで進んでおります。また、国家主導で開発に注力する中国や、豊富な労働力とデジタル基盤を武器に外資を誘致するインドでは、自国資源による石炭火力発電が依然として電力供給の主役です。これら世界各地の急激な電力需要に対応するため、各国で発電所投資が加速しております。 日本においても、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせる「GTCC発電」は重要な位置付けにあります。石炭火力の半分以下のCO₂排出量に抑えられる最もクリーンな火力発電であり、将来的に燃料を天然ガスから水素やアンモニアに置き換える計画も含め、脱炭素社会へ移行するための主力技術とされています。さらに、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた国の支援制度「長期脱炭素電源オークション」の入札が2024年に開始され、脱炭素電源への投資が促進されております。これらの要因により、国内外を問わず、発電所に不可欠なポンプへの需要が高まっております。 しかし、現在、発電市場では電力関連設備の需給逼迫が深刻な課題となっております。AIデータセンターの爆発的な電力需要に対応するため、北米を中心に世界中でGTCC発電所の建設が急増した結果、ガスタービンメーカーの受注残高は過去最高水準に達し、納期が2~3年待ちという状況にあります。これに伴い、発電所向けポンプの受注においても、納期が長期化する案件が増加しております。 強み・取り組み・成果: GTCC発電の心臓部であるボイラ給水ポンプは、排熱回収ボイラへ高温・高圧の水を送り込むという極めて過酷な環境に耐える必要があり、当社グループはこの分野における圧倒的なリーディングメーカーです。 当社グループのボイラ給水ポンプは、国内外のタービンメーカー及びプラントメーカーから絶大な信頼を獲得しております。さらに、発電所で必要とされるボイラ循環ポンプ、復水ポンプ、冷却水ポンプといった多種多様なポンプを、すべてワンストップで一括提供できる体制も強みです。この強みを背景に、直近2年間は受注が大幅に増加しており、2026年度も引き続き順調な受注の継続を見込んでおります。 これは、数年先までの売上が確定し、中期的な経営の安定性を高める要素となります。しかし、この旺盛な需要に確実に応えるためには、これまで取り組んできた「設計期間の短縮」「加工能力の増強」「サービス拠点の拡充」といった生産・サービス体制の整備に、より一層万全を期す必要があります。現在の需要増という追い風を楽観視するだけでなく、発電市場における長期的な構造変化を見据え、将来の脱炭素ソリューション向けポンプの実現に向けた中長期的な投資や研究開発にも、継続して注力してまいります。 (b) 省エネルギー事業環境・成長性: ポンプは発電分野にとどまらず、鉄鋼・化学・製紙・飲料・食品・半導体などの産業全般をはじめ、ビルや商業施設の空調、地域冷暖房にいたるまで、水が流れるすべての場所において「決して止まってはならない産業の心臓」として社会を支えております。そのため、実に日本の総電力消費量の約3割がポンプの稼働に費やされています。 こうした中、地球温暖化に伴う空調需要の拡大や、生成AIの普及によるデータセンターの冷却用電力の急増を背景に、CO₂削減に直結するポンプの高効率化(省エネルギー化)へのニーズは急速に高まっております。 強み・取り組み・成果: 当社グループは、最新鋭のデジタル技術による流体解析(CFD)、100年以上の歴史で蓄積した設計データとAIの融合、顧客ごとに最適な仕様へと調整するきめ細かな対応、という3つの独自アプローチによって高効率ポンプの製造を実現しております。 2024年度には、世界最高水準の効率を誇る「スーパーエコポンプ(SEP)」を開発・発売し、省エネ大賞の最高位である「経済産業大臣賞(電気需要最適化分野)」を受賞いたしました。今後も、市場で高まる省エネニーズに応え、高い評価をいただいているSEPのさらなる拡販に注力してまいります。 (c) 脱炭素事業環境・成長性: 日本政府の「水素基本戦略」では、2040年頃に国内の水素サプライチェーンが本格化し、関連市場は1兆円を超える規模へ成長するシナリオが描かれております。また、海外に目を向ければ、同時期に世界の市場規模は90兆円超に達するとの予測も複数の調査機関から発表されており、今後極めて巨大な市場が立ち上がろうとしております。 火力発電の主力であるGTCC発電は、将来的に水素やアンモニアの混焼への移行が計画されており、日本政府の「長期脱炭素電源オークション」においても導入期の主役として期待を集めております。当社グループが供給するボイラ給水ポンプは、そのシステムの安定稼働を左右する心臓部を担う製品であり、今後さらなる需要の拡大が見込まれます。 強み・取り組み・成果: 当社グループは、水素・アンモニアサプライチェーンの「つくる・はこぶ・つかう」というすべてのフェーズにおいて、ポンプが不可欠な役割を果たすと考えております。「つかう」工程では、長年培った高温・高圧技術を強みとする「ボイラ給水ポンプ」が、水素やアンモニアを燃料とする次世代クリーン発電プラントの安定稼働を力強く支えます。また「つくる・はこぶ」工程では、低温下でのハンドリングが求められる液化水素及び液化アンモニア向けポンプの開発・製造を加速させております。液化アンモニアポンプについては、アンモニア燃料供給設備向けなどですでに複数の受注を獲得しており、社会実装に向けた実績を着実に積み上げております。 また、技術的難度が極めて高い液化水素ポンプの分野では、国立大学法人京都大学との共同開発により「超電導モータ液化水素ポンプ」の開発に成功いたしました。これはマイナス253℃という極低温下でモータの電気抵抗をゼロにすることで発熱を極限まで抑え、水素の蒸発(ボイルオフ)を最小限にとどめる画期的な製品です。本開発の成果により、2026年1月には、世界初の実装事例として、川崎重工業株式会社から液化水素基地「川崎LH₂ターミナル」向けに様々な種類の液化水素ポンプを受注いたしました。今後、市場拡大が見込まれる水素分野において、さらなる「大流量化・高圧化・高効率化」を目指した研究開発を継続してまいります。 当社グループは、これら次世代クリーンエネルギーの全フェーズにわたり、世界最先端の最適なポンプソリューションを提供し続けることで、持続可能な脱炭素社会の実現にグローバルに貢献してまいります。 b. 安全・安心な社会の構築への取り組み(a) 海水淡水化・上水・送配水事業環境・成長性: 中東・北アフリカ地域を中心に、人口増加や都市化に伴う深刻な水不足に対応するため、海水淡水化・上水・送配水プラントの新設・拡張プロジェクトが活発に進んでおります。 世界の海水淡水化プラントの総容量は、過去20年間において年率7%以上でコンスタントに拡大しており、地球温暖化の影響も背景に、今後もこのスピード以上の年率10%程度での拡大が見込まれています。 地域別で見ると、中東・アフリカ地域は世界市場の約5割を占める海水淡水化プラント市場の中心であり、当社グループが強みを持つ主要マーケットです。また、海水淡水化システムの主要な部材であるRO(逆浸透)膜の供給においては日本企業が世界的に高い競争力を維持しており、日本の先進技術が世界の水インフラを支える大きな構造となっています。 さらに、沿岸部のプラントで造られた淡水を内陸の消費地へと供給する大規模な送配水インフラの整備も不可欠であり、海水淡水化プラントの建設に伴い、送配水ポンプ市場も拡大傾向にあります。(※中東情勢の影響については、後述の「イ. 対処すべき課題」をご参照ください。) 強み・取り組み・成果: 「RO膜法」による海水淡水化プロセスにおいて、大型・高圧ポンプは不可欠な心臓部であり、当社グループはこの分野で世界トップシェアを誇っております。また、プラントから都市部へと「命の水」を届ける送水・配水工程においても、長年培ったポンプ技術を活かし、安定した水インフラの構築に貢献しております。 これらの水インフラ事業は稼働時に大量の電力を消費しますが、世界最高水準の効率を誇る当社グループのポンプは、消費電力の削減に直結しています。「安全な水をつくる・はこぶ」と、「CO₂を削減する」というSDGsの二大課題を同時に解決することが、当社グループの重要な使命です。 受注実績については、2025年度は前年度比で減少となったものの、2026年度においては、海水淡水化プラント及びそれに伴う送配水プロジェクトの活発な引き合いを背景に、堅調な受注を見込んでおります。 (b) 雨水排水・下水道事業環境・成長性: 国内においては、気候変動に伴う豪雨災害の激甚化やインフラの老朽化に対応するため、政府主導による「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」(2021〜2025年度、事業規模約15兆円)が集中的に実施されてきました。 国土交通省の調査によると、過去10年間(2015年〜2024年)における国内の水害被害総額は約7兆円以上に及んでおり、国は「事前防災」の重要性を掲げ、強力な対策を推進しております。こうした背景から、激甚化する災害への備えやインフラ老朽化対策、地域防災力のさらなる強化を目的に、2026年度から2030年度までの5年間でおおむね20兆円規模の国家予算を投じる「第1次国土強靭化実施中期計画」が新たにスタートいたします。 強み・取り組み・成果: 当社グループが得意とする大型・大流量ポンプは、水害対策において重要な役割を担っております。近年の雨水排水設備の更新需要の増加を背景に、日本だけでなく世界各国においても受注は堅調に推移しております。 特に、当社が開発した「耐水モータ 一体型ポンプ」は、従来の設備にはない防水構造を採用しているため、浸水時でも運転を休止することなく継続でき、極めて高い注目を集めております。本製品は、国土交通省が推進する下水道技術海外実証事業(WOW TO JAPANプロジェクト)に採択され、パキスタンの排水機場における実証試験をクリアいたしました。外気温が50℃を超える過酷な環境下でも安定した稼働を証明し、現地で高い評価を獲得しております。今後は、恒常的な洪水被害に苦しむアジア諸国など、さらなる海外展開も視野に入れています。 また、2026年4月には、内閣府「国土強靭化基本計画」に基づいた表彰制度である「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)」において、企業・産業部門の最高位「最優秀賞」を受賞いたしました。 以上の状況のもと、次期連結会計年度における当社グループの通期業績見通しは以下のとおりを見込んでおります。 〔連結業績〕売上高 95,500百万円営業利益 5,200百万円経常利益 4,400百万円親会社株主に帰属する当期純利益 3,800百万円(為替レートは1ドル=155円を前提としております) ※業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。上記見通しには、2026年2月10日に開示しております2026年7月取得予定の新日本造機株式会社は含めておりません。 イ. 対処すべき課題(ア)外部環境a. 中東情勢 当社グループのターゲット市場の一つである中東地域では予断を許さない情勢が続いておりますが、2026年度期初時点において、事業活動に対する直接的な影響は生じておりません。 しかしながら、紛争が長期化した場合には、世界的な資材価格や物流費用の高騰に加え、当社が高性能ポンプを数多く供給しているUAE、カタール、サウジアラビア等の経済・財政へ及ぼす影響が懸念されます。万一、同地域の海水淡水化プラントや発電プラントの安全が脅かされるような事態となった場合においては、その安定的な運営維持を確保することが当社グループの極めて重要な使命であると認識しております。 b. 納期の長期化 世界的なAIデータセンターの建設ラッシュや、脱炭素社会への移行に向けたGTCC発電への投資加速を背景に、電力関連設備の需要が世界規模で急増しております。これに伴い、主要な発電設備メーカーの受注残高が高水準で推移しており、その影響を受けてポンプを供給する当社においても受注案件の納期が長期化しております。 特に足元では、2026年度の納入・売上計上が一時的に抑制されることを当面の重要課題と捉えております。ただし、積み上がった受注残については、2027年度以降に着実な納入と売上計上へと繋げてまいります。したがって2026年度においては、比較的納期が短く当期の業績に直結するサービス事業(メンテナンス・部品供給等)へより一層注力し、グループ全体の収益確保に努めてまいります。 (イ)当社グループの課題a. 中期経営計画 当社グループは、創業100周年を迎えた2019年に「私たちはポンプを愛し、世界によりよい変化を生み出すために、進化し続けます。」という新たな経営理念を策定いたしました。 2021年度には中期経営計画「Beyond 110」を策定し、創業110周年(2029年度)の目標として「売上高600億円、営業利益50億円」を掲げましたが、2022年度にこれを7年前倒しで達成いたしました。これを受け、2024年度には「売上高1,000億円、営業利益100億円、ROE10%」へと目標を上方修正し、「世界No.1」のポンプメーカーになるというビジョンを掲げました。2025年度の受注高は949億円に達し、売上高1,000億円の目標達成に手が届く水準に近づいております。一方で、利益面は2025年度の経常利益目標は達成したものの、営業利益100億円の目標達成については、今後の課題と認識しております。 さらに、2026年2月10日には「Beyond 110」の先にある持続的な成長を見据え、住友重機械工業株式会社から新日本造機株式会社の株式を取得し、子会社化することを決議いたしました。この戦略的買収により、当社グループの市場及び製品ポートフォリオをさらに拡大してまいります。 なお、株式取得は2026年7月1日に完了する予定です。現行の「Beyond 110」の目標数値は自律成長で達成を見込んでいることから、同社の株式取得完了後に2029年度にむけた中期経営計画を修正する予定です。 b. 新市場の拡大 当社グループは2020年、経済産業省より「グローバルニッチトップ企業100選」に選定されました。水ポンプのスペシャリストとして、世界の海水淡水化市場や日本の発電市場において、No.1の高性能ポンプメーカーとしての地位を確立しております。一方で、世界的な総合ポンプメーカーへとさらなる飛躍を遂げるため、海外の大手競合が強みを持つオイル&ガス向けポンプ市場への本格参入が長年の課題となっていました。 同市場への参入には、業界における基準(API規格)への対応と豊富な納入実績が不可欠です。このような状況下、オイル&ガス事業向けのポンプ・蒸気タービン及び発電所向けの蒸気タービンの製造販売を行う新日本造機株式会社を新たにグループに迎え入れることとなりました。これにより、自律成長に加え、外部の新しい力を取り入れて成長する大きな一歩を踏み出すこととなります。 c. つくる力 2023年度から2025年度にかけて、海外売上高の急拡大に伴い、機械加工プロセスの一部を外注化する必要が生じておりました。これに対し、2025年7月に韓国のJuneung社、英国のKRG社の機械加工専門メーカー2社の子会社化及びインド子会社での設備投資を行い、グループ内での生産体制を整えました。さらに、営業技術部門への適切な人員シフトにより、設計図面のリードタイム短縮を実現いたしました。 これらの施策により「つくる力」のボトルネックを解消し、中期経営計画「Beyond 110」が目指す売上高1,000億円の達成を支える強固な生産体制を確保しております。 d. サービス 前述の通り、2026年度は納期の長期化に伴い、ポンプ本体販売における収益の伸びの鈍化が予想され、納期が短く当期中の売上計上が見込まれるサービスビジネスへの注力が重要となります。特に、近年の販売増に伴って順次拡大が予想されるサービス需要を確実に取り込むため、海外の既存拠点の機能強化と、新規サービスセンター開設の双方への投資を拡充してまいります。これらを通じて、世界中のお客様が必要とする場所で、迅速かつきめ細やかなサポートを提供し、収益基盤の安定化を図ってまいります。 (セグメント情報)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、当社グループは、全セグメントの売上高の合計、営業利益の合計額に占めるポンプ事業の割合がいずれも90%を超えているため、記載を省略しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、創業以来「金銭の赤字は出しても信用の赤字は出すな」の社是を掲げてまいりました。100年以上にわたり、社会の心臓部であるポンプの安定供給と稼働を確保し、お客様との信頼を徹底的に追求することで「社会に欠かせない企業」を目指しております。 気候変動や人口増加といった地球規模の課題が深刻化する中、エネルギー課題への対応や安全・安心な社会の構築へのニーズは、100年後も不可欠であり続けます。私たちは、世界の多様な課題に真摯に向き合い、「ポンプで世界を救う」という壮大な夢を掲げ、絶えず進化し続けます。 現在、当社グループは世界20カ国・36拠点にオフィスや工場、サービス拠点を展開しております。チーム全員が「One Torishima」として一丸となり、最先端技術によるポンプの提供と安定稼働の維持を通じて、お客様の生涯利益(Lifetime Benefit)の最大化に貢献してまいります。 (2)当社グループの現況ア. 事業の経過及びその成果(ア)当連結会計年度における事業環境 当連結会計年度における世界経済は、主要国のインフレ沈静化と金融緩和への転換を追い風に、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国の通商政策の動向や、緊迫化するウクライナ・中東地域の地政学リスクなど、依然として不確実な状況が続いております。こうした環境下、当社グループが手掛ける高性能ポンプ事業に関連する各分野は、以下の経営環境となりました。 a. エネルギー課題への取り組み 生成AIの急速な普及による電力需要の急増、及び省エネ・脱炭素への社会的要請の高まりから、発電や一般産業向けポンプの需要は好調に推移いたしました。また、技術開発の挑戦が実を結び、「超電導モータ液化水素ポンプ」の初受注も達成いたしました。 b. 安全・安心な社会の構築への取り組み 世界的な人口増による水不足、気候変動に伴う豪雨災害対策(事前防災)、及び上下水道インフラの老朽化対策を背景に、各種ポンプの更新需要が拡大いたしました。これにより、海水淡水化や雨水排水、上下水道向けポンプの需要は堅調に推移しております。 当社グループの重要課題である「エネルギー課題への取り組み」と「安全・安心な社会の構築への取り組み」について、それぞれ「事業環境・成長性」及び「強み・取り組み・成果」の双方から以下に詳しくご説明いたします。 (イ)重要課題における事業実績と今後の展開a. エネルギー課題への取り組み(a) 発電事業環境・成長性: 2025年は、世界の多くの地域で発電所建設市場への投資が極めて活発な1年となりました。その背景には、米国、中国、インドにおける電力需要の急増があります。 米国では、圧倒的な市場規模を誇る生成AIの普及に伴い、データセンターの建設ラッシュが続いております。同時に、「シェール革命」による豊富な天然ガスを活用した「GTCC(ガスタービンコンバインドサイクル)発電所」の建設も急ピッチで進んでおります。また、国家主導で開発に注力する中国や、豊富な労働力とデジタル基盤を武器に外資を誘致するインドでは、自国資源による石炭火力発電が依然として電力供給の主役です。これら世界各地の急激な電力需要に対応するため、各国で発電所投資が加速しております。 日本においても、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせる「GTCC発電」は重要な位置付けにあります。石炭火力の半分以下のCO₂排出量に抑えられる最もクリーンな火力発電であり、将来的に燃料を天然ガスから水素やアンモニアに置き換える計画も含め、脱炭素社会へ移行するための主力技術とされています。さらに、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた国の支援制度「長期脱炭素電源オークション」の入札が2024年に開始され、脱炭素電源への投資が促進されております。これらの要因により、国内外を問わず、発電所に不可欠なポンプへの需要が高まっております。 しかし、現在、発電市場では電力関連設備の需給逼迫が深刻な課題となっております。AIデータセンターの爆発的な電力需要に対応するため、北米を中心に世界中でGTCC発電所の建設が急増した結果、ガスタービンメーカーの受注残高は過去最高水準に達し、納期が2~3年待ちという状況にあります。これに伴い、発電所向けポンプの受注においても、納期が長期化する案件が増加しております。 強み・取り組み・成果: GTCC発電の心臓部であるボイラ給水ポンプは、排熱回収ボイラへ高温・高圧の水を送り込むという極めて過酷な環境に耐える必要があり、当社グループはこの分野における圧倒的なリーディングメーカーです。 当社グループのボイラ給水ポンプは、国内外のタービンメーカー及びプラントメーカーから絶大な信頼を獲得しております。さらに、発電所で必要とされるボイラ循環ポンプ、復水ポンプ、冷却水ポンプといった多種多様なポンプを、すべてワンストップで一括提供できる体制も強みです。この強みを背景に、直近2年間は受注が大幅に増加しており、2026年度も引き続き順調な受注の継続を見込んでおります。 これは、数年先までの売上が確定し、中期的な経営の安定性を高める要素となります。しかし、この旺盛な需要に確実に応えるためには、これまで取り組んできた「設計期間の短縮」「加工能力の増強」「サービス拠点の拡充」といった生産・サービス体制の整備に、より一層万全を期す必要があります。現在の需要増という追い風を楽観視するだけでなく、発電市場における長期的な構造変化を見据え、将来の脱炭素ソリューション向けポンプの実現に向けた中長期的な投資や研究開発にも、継続して注力してまいります。 (b) 省エネルギー事業環境・成長性: ポンプは発電分野にとどまらず、鉄鋼・化学・製紙・飲料・食品・半導体などの産業全般をはじめ、ビルや商業施設の空調、地域冷暖房にいたるまで、水が流れるすべての場所において「決して止まってはならない産業の心臓」として社会を支えております。そのため、実に日本の総電力消費量の約3割がポンプの稼働に費やされています。 こうした中、地球温暖化に伴う空調需要の拡大や、生成AIの普及によるデータセンターの冷却用電力の急増を背景に、CO₂削減に直結するポンプの高効率化(省エネルギー化)へのニーズは急速に高まっております。 強み・取り組み・成果: 当社グループは、最新鋭のデジタル技術による流体解析(CFD)、100年以上の歴史で蓄積した設計データとAIの融合、顧客ごとに最適な仕様へと調整するきめ細かな対応、という3つの独自アプローチによって高効率ポンプの製造を実現しております。 2024年度には、世界最高水準の効率を誇る「スーパーエコポンプ(SEP)」を開発・発売し、省エネ大賞の最高位である「経済産業大臣賞(電気需要最適化分野)」を受賞いたしました。今後も、市場で高まる省エネニーズに応え、高い評価をいただいているSEPのさらなる拡販に注力してまいります。 (c) 脱炭素事業環境・成長性: 日本政府の「水素基本戦略」では、2040年頃に国内の水素サプライチェーンが本格化し、関連市場は1兆円を超える規模へ成長するシナリオが描かれております。また、海外に目を向ければ、同時期に世界の市場規模は90兆円超に達するとの予測も複数の調査機関から発表されており、今後極めて巨大な市場が立ち上がろうとしております。 火力発電の主力であるGTCC発電は、将来的に水素やアンモニアの混焼への移行が計画されており、日本政府の「長期脱炭素電源オークション」においても導入期の主役として期待を集めております。当社グループが供給するボイラ給水ポンプは、そのシステムの安定稼働を左右する心臓部を担う製品であり、今後さらなる需要の拡大が見込まれます。 強み・取り組み・成果: 当社グループは、水素・アンモニアサプライチェーンの「つくる・はこぶ・つかう」というすべてのフェーズにおいて、ポンプが不可欠な役割を果たすと考えております。「つかう」工程では、長年培った高温・高圧技術を強みとする「ボイラ給水ポンプ」が、水素やアンモニアを燃料とする次世代クリーン発電プラントの安定稼働を力強く支えます。また「つくる・はこぶ」工程では、低温下でのハンドリングが求められる液化水素及び液化アンモニア向けポンプの開発・製造を加速させております。液化アンモニアポンプについては、アンモニア燃料供給設備向けなどですでに複数の受注を獲得しており、社会実装に向けた実績を着実に積み上げております。 また、技術的難度が極めて高い液化水素ポンプの分野では、国立大学法人京都大学との共同開発により「超電導モータ液化水素ポンプ」の開発に成功いたしました。これはマイナス253℃という極低温下でモータの電気抵抗をゼロにすることで発熱を極限まで抑え、水素の蒸発(ボイルオフ)を最小限にとどめる画期的な製品です。本開発の成果により、2026年1月には、世界初の実装事例として、川崎重工業株式会社から液化水素基地「川崎LH₂ターミナル」向けに様々な種類の液化水素ポンプを受注いたしました。今後、市場拡大が見込まれる水素分野において、さらなる「大流量化・高圧化・高効率化」を目指した研究開発を継続してまいります。 当社グループは、これら次世代クリーンエネルギーの全フェーズにわたり、世界最先端の最適なポンプソリューションを提供し続けることで、持続可能な脱炭素社会の実現にグローバルに貢献してまいります。 b. 安全・安心な社会の構築への取り組み(a) 海水淡水化・上水・送配水事業環境・成長性: 中東・北アフリカ地域を中心に、人口増加や都市化に伴う深刻な水不足に対応するため、海水淡水化・上水・送配水プラントの新設・拡張プロジェクトが活発に進んでおります。 世界の海水淡水化プラントの総容量は、過去20年間において年率7%以上でコンスタントに拡大しており、地球温暖化の影響も背景に、今後もこのスピード以上の年率10%程度での拡大が見込まれています。 地域別で見ると、中東・アフリカ地域は世界市場の約5割を占める海水淡水化プラント市場の中心であり、当社グループが強みを持つ主要マーケットです。また、海水淡水化システムの主要な部材であるRO(逆浸透)膜の供給においては日本企業が世界的に高い競争力を維持しており、日本の先進技術が世界の水インフラを支える大きな構造となっています。 さらに、沿岸部のプラントで造られた淡水を内陸の消費地へと供給する大規模な送配水インフラの整備も不可欠であり、海水淡水化プラントの建設に伴い、送配水ポンプ市場も拡大傾向にあります。(※中東情勢の影響については、後述の「イ. 対処すべき課題」をご参照ください。) 強み・取り組み・成果: 「RO膜法」による海水淡水化プロセスにおいて、大型・高圧ポンプは不可欠な心臓部であり、当社グループはこの分野で世界トップシェアを誇っております。また、プラントから都市部へと「命の水」を届ける送水・配水工程においても、長年培ったポンプ技術を活かし、安定した水インフラの構築に貢献しております。 これらの水インフラ事業は稼働時に大量の電力を消費しますが、世界最高水準の効率を誇る当社グループのポンプは、消費電力の削減に直結しています。「安全な水をつくる・はこぶ」と、「CO₂を削減する」というSDGsの二大課題を同時に解決することが、当社グループの重要な使命です。 受注実績については、2025年度は前年度比で減少となったものの、2026年度においては、海水淡水化プラント及びそれに伴う送配水プロジェクトの活発な引き合いを背景に、堅調な受注を見込んでおります。 (b) 雨水排水・下水道事業環境・成長性: 国内においては、気候変動に伴う豪雨災害の激甚化やインフラの老朽化に対応するため、政府主導による「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」(2021〜2025年度、事業規模約15兆円)が集中的に実施されてきました。 国土交通省の調査によると、過去10年間(2015年〜2024年)における国内の水害被害総額は約7兆円以上に及んでおり、国は「事前防災」の重要性を掲げ、強力な対策を推進しております。こうした背景から、激甚化する災害への備えやインフラ老朽化対策、地域防災力のさらなる強化を目的に、2026年度から2030年度までの5年間でおおむね20兆円規模の国家予算を投じる「第1次国土強靭化実施中期計画」が新たにスタートいたします。 強み・取り組み・成果: 当社グループが得意とする大型・大流量ポンプは、水害対策において重要な役割を担っております。近年の雨水排水設備の更新需要の増加を背景に、日本だけでなく世界各国においても受注は堅調に推移しております。 特に、当社が開発した「耐水モータ 一体型ポンプ」は、従来の設備にはない防水構造を採用しているため、浸水時でも運転を休止することなく継続でき、極めて高い注目を集めております。本製品は、国土交通省が推進する下水道技術海外実証事業(WOW TO JAPANプロジェクト)に採択され、パキスタンの排水機場における実証試験をクリアいたしました。外気温が50℃を超える過酷な環境下でも安定した稼働を証明し、現地で高い評価を獲得しております。今後は、恒常的な洪水被害に苦しむアジア諸国など、さらなる海外展開も視野に入れています。 また、2026年4月には、内閣府「国土強靭化基本計画」に基づいた表彰制度である「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)」において、企業・産業部門の最高位「最優秀賞」を受賞いたしました。 以上の状況のもと、次期連結会計年度における当社グループの通期業績見通しは以下のとおりを見込んでおります。 〔連結業績〕売上高 95,500百万円営業利益 5,200百万円経常利益 4,400百万円親会社株主に帰属する当期純利益 3,800百万円(為替レートは1ドル=155円を前提としております) ※業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。上記見通しには、2026年2月10日に開示しております2026年7月取得予定の新日本造機株式会社は含めておりません。 イ. 対処すべき課題(ア)外部環境a. 中東情勢 当社グループのターゲット市場の一つである中東地域では予断を許さない情勢が続いておりますが、2026年度期初時点において、事業活動に対する直接的な影響は生じておりません。 しかしながら、紛争が長期化した場合には、世界的な資材価格や物流費用の高騰に加え、当社が高性能ポンプを数多く供給しているUAE、カタール、サウジアラビア等の経済・財政へ及ぼす影響が懸念されます。万一、同地域の海水淡水化プラントや発電プラントの安全が脅かされるような事態となった場合においては、その安定的な運営維持を確保することが当社グループの極めて重要な使命であると認識しております。 b. 納期の長期化 世界的なAIデータセンターの建設ラッシュや、脱炭素社会への移行に向けたGTCC発電への投資加速を背景に、電力関連設備の需要が世界規模で急増しております。これに伴い、主要な発電設備メーカーの受注残高が高水準で推移しており、その影響を受けてポンプを供給する当社においても受注案件の納期が長期化しております。 特に足元では、2026年度の納入・売上計上が一時的に抑制されることを当面の重要課題と捉えております。ただし、積み上がった受注残については、2027年度以降に着実な納入と売上計上へと繋げてまいります。したがって2026年度においては、比較的納期が短く当期の業績に直結するサービス事業(メンテナンス・部品供給等)へより一層注力し、グループ全体の収益確保に努めてまいります。 (イ)当社グループの課題a. 中期経営計画 当社グループは、創業100周年を迎えた2019年に「私たちはポンプを愛し、世界によりよい変化を生み出すために、進化し続けます。」という新たな経営理念を策定いたしました。 2021年度には中期経営計画「Beyond 110」を策定し、創業110周年(2029年度)の目標として「売上高600億円、営業利益50億円」を掲げましたが、2022年度にこれを7年前倒しで達成いたしました。これを受け、2024年度には「売上高1,000億円、営業利益100億円、ROE10%」へと目標を上方修正し、「世界No.1」のポンプメーカーになるというビジョンを掲げました。2025年度の受注高は949億円に達し、売上高1,000億円の目標達成に手が届く水準に近づいております。一方で、利益面は2025年度の経常利益目標は達成したものの、営業利益100億円の目標達成については、今後の課題と認識しております。 さらに、2026年2月10日には「Beyond 110」の先にある持続的な成長を見据え、住友重機械工業株式会社から新日本造機株式会社の株式を取得し、子会社化することを決議いたしました。この戦略的買収により、当社グループの市場及び製品ポートフォリオをさらに拡大してまいります。 なお、株式取得は2026年7月1日に完了する予定です。現行の「Beyond 110」の目標数値は自律成長で達成を見込んでいることから、同社の株式取得完了後に2029年度にむけた中期経営計画を修正する予定です。 b. 新市場の拡大 当社グループは2020年、経済産業省より「グローバルニッチトップ企業100選」に選定されました。水ポンプのスペシャリストとして、世界の海水淡水化市場や日本の発電市場において、No.1の高性能ポンプメーカーとしての地位を確立しております。一方で、世界的な総合ポンプメーカーへとさらなる飛躍を遂げるため、海外の大手競合が強みを持つオイル&ガス向けポンプ市場への本格参入が長年の課題となっていました。 同市場への参入には、業界における基準(API規格)への対応と豊富な納入実績が不可欠です。このような状況下、オイル&ガス事業向けのポンプ・蒸気タービン及び発電所向けの蒸気タービンの製造販売を行う新日本造機株式会社を新たにグループに迎え入れることとなりました。これにより、自律成長に加え、外部の新しい力を取り入れて成長する大きな一歩を踏み出すこととなります。 c. つくる力 2023年度から2025年度にかけて、海外売上高の急拡大に伴い、機械加工プロセスの一部を外注化する必要が生じておりました。これに対し、2025年7月に韓国のJuneung社、英国のKRG社の機械加工専門メーカー2社の子会社化及びインド子会社での設備投資を行い、グループ内での生産体制を整えました。さらに、営業技術部門への適切な人員シフトにより、設計図面のリードタイム短縮を実現いたしました。 これらの施策により「つくる力」のボトルネックを解消し、中期経営計画「Beyond 110」が目指す売上高1,000億円の達成を支える強固な生産体制を確保しております。 d. サービス 前述の通り、2026年度は納期の長期化に伴い、ポンプ本体販売における収益の伸びの鈍化が予想され、納期が短く当期中の売上計上が見込まれるサービスビジネスへの注力が重要となります。特に、近年の販売増に伴って順次拡大が予想されるサービス需要を確実に取り込むため、海外の既存拠点の機能強化と、新規サービスセンター開設の双方への投資を拡充してまいります。これらを通じて、世界中のお客様が必要とする場所で、迅速かつきめ細やかなサポートを提供し、収益基盤の安定化を図ってまいります。 (セグメント情報)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、当社グループは、全セグメントの売上高の合計、営業利益の合計額に占めるポンプ事業の割合がいずれも90%を超えているため、記載を省略しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ア. 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、主要国でのインフレ沈静化に伴う金融緩和への転換を背景に、総じて緩やかな回復基調で推移した一方、米国通商政策の変化、ウクライナや最近ではイラン・中東を始めとして拡大する地政学リスクなど、予断を許さない不確実性が続いています。 その中で、当社グループが取り組んでおります高性能ポンプ事業が関連する各分野は、以下のような環境となりました。 <エネルギー課題への取り組み>生成AIの急速な普及による電力需要の急増、及び省エネ・脱炭素への社会的要請の高まりから、発電や一般産業向けポンプの需要は好調に推移いたしました。また、技術開発の挑戦が実を結び、「超電導モータ液化水素ポンプ」の初受注も達成いたしました。 <安全・安心な社会の構築への取り組み>世界的な人口増による水不足、気候変動に伴う豪雨災害対策(事前防災)、及び上下水道インフラの老朽化対策を背景に、各種ポンプの更新需要が拡大いたしました。これにより、海水淡水化や雨水排水、上下水道向けポンプの需要は堅調に推移しております。 当連結会計年度の当社グループの受注高は94,857百万円(前連結会計年度95,633百万円比99.2%)となりました。 これを需要先別に見ますと、官公需は20,189百万円(前連結会計年度24,676百万円比81.8%)、民需は14,554百万円(前連結会計年度11,614百万円比125.3%)、外需は60,113百万円(前連結会計年度59,341百万円比101.3%)となりました。 当連結会計年度の売上高は92,927百万円(前連結会計年度86,501百万円比107.4%)を計上し、当連結会計年度末の受注残高としては106,199百万円(前連結会計年度104,269百万円比101.9%)を来期以降に繰り越すことになりました。 当連結会計年度の営業利益は、売上は増加したものの、外注費などのコスト増加や労務費などの固定費の増加などにより、5,005百万円(前連結会計年度は営業利益5,449百万円)となりました。 経常利益は、営業外費用として為替差損が465百万円に減少したこともあり5,204百万円(前連結会計年度は経常利益4,540百万円)となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は、保有有価証券の売却を進めたことにより5,945百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益4,068百万円)となりました。 当連結会計年度末における資産につきましては、前連結会計年度末に比べ4,603百万円増加し120,224百万円となりました。これは主に、売上高増加に伴い仕掛品が減少(前連結会計年度比3,538百万円減少)しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産は増加(前連結会計年度比5,543百万円増加)、及び新規連結等に伴い有形固定資産が増加(前連結会計年度比1,419百万円増加)したことなどによるものです。 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ399百万円増加し59,604百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少(前連結会計年度比2,636百万円減少)したものの、未払法人税等の増加(前連結会計年度比651百万円増加)及び契約負債の増加(前連結会計年度比1,842百万円増加)したことなどによるものです。 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ4,203百万円増加し60,620百万円となりました。 イ. キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ686百万円増加し、17,770百万円となりました。なお、連結貸借対照表における「現金及び預金」には3ヶ月超の定期預金を前連結会計年度末には31百万円、当連結会計年度には558百万円を含んでいます。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動による資金の増加は4,533百万円(前連結会計年度は668百万円の減少)となりました。これは、仕入債務の減少2,834百万円(前連結会計年度は2,476百万円の増加)及び売上債権の増加5,062百万円(前連結会計年度は2,942百万円の増加)などの資金の減少があったものの、契約負債の増加1,712百万円(前連結会計年度は81百万円の減少)、棚卸資産の減少3,346百万円(前連結会計年度は5,017百万円の増加)及び前渡金の減少1,058百万円(前連結会計年度は23百万円の増加)などの資金の増加があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による資金の減少は260百万円(前連結会計年度は1,557百万円の減少)となりました。これは、投資有価証券の売却による収入3,210百万円(前連結会計年度は2,469百万円の収入)などの資金の増加があったものの、有形固定資産の取得による支出1,928百万円(前連結会計年度は4,117百万円の支出)及び定期預金の預入による支出606百万円(前連結会計年度は484百万円の支出)などの資金の減少があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金の減少は3,999百万円(前連結会計年度は5,848百万円の増加)となりました。これは、長期借入金の返済による支出928百万円(前連結会計年度は3,060百万円の支出)、自己株式の取得による支出1,000百万円(前連結会計年度は0百万円の支出)及び配当金の支払額1,617百万円(前連結会計年度は1,605百万円の支出)などの資金の減少があったことによるものです。 ウ. 生産、受注及び販売の実績(ア) 生産実績 当連結会計年度における生産実績を事業の内容ごとに示すと、次のとおりであります。事業の内容金額(百万円)前年同期比(%)ポンプ事業87,57096.4その他51771.7合計88,08896.2 (イ) 受注状況 当連結会計年度における受注高及び受注残高を事業の内容ごとに示すと、次のとおりであります。事業の内容受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)ポンプ事業94,31598.9105,978101.7その他541183.4220309.7合計94,85799.2106,199101.9 当連結会計年度における需要先別の受注高及び受注残高の構成比需要先別受注高(%)前年同期構成比(%)受注残高(%)前年同期構成比(%)国内官公需21.325.825.628.3民需15.312.110.410.0外需63.462.164.061.7合計100.0100.0100.0100.0 (ウ) 販売実績 当連結会計年度における販売実績を事業の内容ごとに示すと、次のとおりであります。事業の内容金額(百万円)前年同期比(%)ポンプ事業92,534107.6その他39281.4合計92,927107.4(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、前連結会計年度及び当連結会計年度に、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。 当連結会計年度における需要先別販売実績の構成比需要先別販売実績(%)前年同期構成比(%)国内官公需24.225.1民需15.012.6外需60.862.3合計100.0100.0 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討等 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。ア. 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度は、当社グループはエッセンシャルなインフラ企業として社会的要請に応えるべく、世界が掲げるカーボンニュートラル社会の実現に向けて環境負荷の低減と持続可能な成長の両立をめざし全方位で具体的なアクションを展開しています。また、それと同時に、ポンプ製造のための設備や仕組みの改善を図り、生産性・生産能力の向上にも努めています。 当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末から4,603百万円増加し120,224百万円となりました。 これは主に、売上の進捗に伴い仕掛品が減少(前連結会計年度末比3,538百万円減少)したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が増加(前連結会計年度末比5,543百万円増加)したこと、新規連結を始めとして、海外子会社を含めたグループ全体の生産能力向上のために積極的な設備投資を行ったことにより有形固定資産が増加(前連結会計年度末比1,419百万円増加)したことなどによります。 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末から399百万円増加し59,604百万円となりました。 これは主に、受注案件の長期化に伴い期末での集中がなくなったことにより支払手形及び買掛金が減少(前連結会計年度末比2,636百万円減少)したものの、受注残高の増加に伴う契約負債の増加(前連結会計年度末比1,842百万円増加)及び投資有価証券の売却等により税金等調整前当期純利益が増加したことにより未払法人税等が増加(前連結会計年度末比651百万円増加)したことなどによります。 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末から4,203百万円増加し60,620百万円となりました。 これは主に、配当金支払額が前連結会計年度よりも増加(前連結会計年度末比13百万円増加)したものの、親会社株主に帰属する当期純利益5,945百万円を計上(前連結会計年度4,068百万円計上)したこと及び退職給付に係る調整額が増加(前連結会計年度末比947百万円増加)したことなどによります。 当連結会計年度の売上高は92,927百万円(前連結会計年度86,501百万円)を計上することになりました。これは前連結会計年度比6,425百万円の増収となります。 売上高増加の要因としましては、生成AI発展に伴う電力需要急増、省エネ・脱炭素への要請の高まりを背景に引き続き大きく増加、子会社においても豊富な納入実績によるサービス分野の拡大などの効果により、前年を上回り、増収となりました。 当連結会計年度の営業利益は5,005百万円(前連結会計年度5,449百万円)を計上することになりました。これは前連結会計年度比444百万円の減益となります。 営業利益減少の要因としましては、国内官需・民需は比較的好調に推移したものの、海外向けポンプの案件構成変化により利益率が低下したことで売上総利益の増加が想定を下回り、労務費等の固定費増加をカバーできなかったことによります。 当連結会計年度の経常利益は5,204百万円(前連結会計年度4,540百万円)を計上することになりました。これは前連結会計年度比664百万円の増益となります。 経常利益増加の要因としましては、営業利益は減少したものの、営業外費用に計上されている為替差損が、前連結会計年度末の1,711百万円から465百万円と1,246百万円減少したことによるものです。為替差損は、主に海外受注における外貨建て売上の為替変動リスクに対して予約等によりヘッジしていることによるもので、予約を実施した当時から為替相場が円安で推移した結果生じたものです。 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は5,945百万円(前連結会計年度4,068百万円)を計上することになりました。これは前連結会計年度比1,876百万円の増益となります。 親会社株主に帰属する当期純利益増加の要因としましては、経常利益の増加に加え、資産圧縮方針のもと実施している保有有価証券の売却が前年実績を上回ったことによるものです。 当社グループに重要な影響を与える要因として、需要先の動向と収益環境の変化、グローバリゼーションに伴う為替動向、世界動向、保有有価証券の株価動向、事故及び災害、製品に対する重要な不具合、法的規制、訴訟及び感染症拡大などによる事業への影響が考えられます。 需要先の動向と収益環境の変化に対応するためには、研究・開発に注力し、水・新エネルギーなどの資源や環境問題など時代が求める新たなニーズに適切に応える分野を強化するとともに、採算面の改善を図っております。 グローバリゼーションに伴う為替・世界動向に対応するためには、為替予約、外貨建ての資材調達の推進や現地での資材調達を行っております。 保有有価証券に対する株価動向に対応するためには、資産圧縮方針のもと保有有価証券の見直し、売却を行っております。 事故及び災害に対応するためには、グループ全体に安全のための行動と対策を周知徹底しております。 製品に対する重大な不具合に対応するためには、会計上適切な引当金を計上することに加え、品質マネジメント部門を強化し、品質、機能、安全性、納期等に万全を期しております。 法的規制に対応するためには、本社内に法務部門を設置し様々な法的規制の検証を行うとともに、法令遵守の徹底を含めた教育を行っております。 訴訟等に対応するためには、契約留意事項の確認や、片務的契約の排除等、契約内容の事前検証を行っております。 イ. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(ア) キャッシュ・フローの状況と分析 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 イ. キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 (イ) 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの資金需要は、営業活動につきましては、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び労務費等)、受注獲得のための販売手数料及び研究開発費が主な内容であります。投資活動につきましては、生産活動のための固定資産の更新や生産・サービス能力の増強及び生産性向上のための設備投資が主な内容でありますが、財源としては、自己資本及び銀行からの借入金を主体とした負債となっております。 手元流動性としては、当連結会計年度末は、現金及び流動性預金として17,770百万円を確保しており、手元流動性比率としては2.29ヶ月となっておりますが、当社グループは年度末に売上及び検収による支払が集中することが多く、年度末に資金不足とならないようにしております。また、設備投資を積極的に進める方針であり、手元流動性には若干の余裕を持たせることとしております。 ウ. 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えております。(ア)棚卸資産の評価当社グループは、棚卸資産について、期末における収益性の低下の有無を判断し、収益性が低下していると判断されたものについては、帳簿価額を正味売却価額または処分見込価額まで切り下げております。収益性の低下の有無に係る判定は、原則として個別品目ごとに、その特性や市況等を総合的に考慮して実施しております。 また、受注工事に係る棚卸資産については、工事損失引当金により収益性の低下を反映させております。(イ)有価証券の評価当社グループは、その他有価証券のうち市場価格のない株式等以外の有価証券について時価評価を行い、評価差額については税効果会計適用後の純額を、その他有価証券評価差額金として純資産の部に含めて表示しております。減損処理にあたっては、時価が取得価額の50%以上下落した場合のほか、時価回復の可能性をもとに判断しております。(ウ)債権の回収可能性当社グループは、金銭債権の回収可能性を評価して貸倒見積高を算定し、貸倒引当金を計上しております。貸倒見積高算定の対象となる債権は、日常の債権管理活動の中で、債権の計上月や弁済期限からの経過期間に債務者の信用度合等を加味して区分把握しております。貸倒見積高の算定に際しては、一般債権については貸倒実績率を適用し、貸倒懸念債権及び破産更生債権等については個別に相手先の財務状況等を考慮して、回収可能性を吟味しております。(エ)退職給付費用及び債務当社グループの退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しており、その主要な前提条件は退職給付債務の割引率及び年金資産の期待運用収益率であります。割引率は、従業員の退職給付の見込み支払日までの平均期間に対応する期間の日本の国債利回りを基礎に設定しております。また、年金資産の長期期待運用収益率は、保有している年金資産のポートフォリオ及び過去の運用実績、収益の将来見通しを総合的に判断して設定しております。(オ)繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかの回収可能性を検討し、回収が不確実であると考えられる部分に対して評価性引当額を計上して繰延税金資産を減額しております。回収可能性の判断に際しては、将来の課税所得の見積額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。 (カ)重要な収益及び費用の計上基準 当社グループでは以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しております。 ステップ1:顧客との契約を識別する。 ステップ2:契約における履行義務を識別する。 ステップ3:取引価格を算定する。 ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。 ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識する。 製品販売については、製品に対する物理的占有、所有に伴う重大なリスク及び経済価値の顧客への移転状況といった支配の移転に関する指標を勘案した結果、製品に対する支配を顧客に移転して履行義務を充足するのは製品の引渡時点であると当社は判断し、当該時点で売上高を認識しております。 また、当社は工事請負契約を顧客と締結しております。当該契約については、当社の履行により他に転用できる資産を創出せず、かつ、現在までに完了した履行に対する支払を受ける強制可能な権利を当社が有していることから、資産の支配を一定の期間にわたって顧客に移転していると考えております。 このため、報告期間の末日において測定した履行義務の充足に係る進捗度に基づき、工事期間にわたって売上高を認識しております。なお、当社は、総工事原価の妥当な積算を行うこと、及びこれらの契約に係る進捗度を合理的に見積ることが可能であることから、進捗度の測定についてはインプット法の使用が適切であると考えており、契約ごとの工事原価総額に対する発生工事原価の割合を用いております。(キ)製品保証引当金 当社グループは、将来発生すると予想される無償保証工事費用に備えるため、製品保証引当金を過去の実績に基づいて算定し、計上しています。

事業リスク

  • 地政学リスク
    米中対立やロシア・ウクライナ紛争など、国際情勢の不安定化が世界経済や貿易に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループの受注高の約24.4%を占める中東地域やアフリカ地域での国家間紛争や経済制裁は、取引の中断・停止、市場からの撤退、債権回収の遅延、追加関税によるコスト増、輸送コストの高騰など、事業活動に重大な影響を与える可能性があります。
  • サプライチェーンリスク
    新規調達先の開拓やグローバル調達網の構築において、品質問題や安定供給の失敗が発生するリスクがあります。これにより、調達品の性能未達や納期遅れが発生し、顧客との取引における金銭的負担や損害賠償請求への対応コストが発生する可能性があります。また、品質維持・改善のためのマネジメントコストや時間的コストも増加する可能性があります。
  • 気候変動リスク
    炭素税導入による事業コストの増加、CO2排出規制強化による受注機会への影響、再生可能エネルギー電力採用による生産コストアップ、異常気象による資材調達や工事の遅延など、気候変動が事業に多岐にわたる影響を及ぼす可能性があります。特に、低炭素・脱炭素製品ニーズの拡大により、既存の火力発電市場の縮小や研究開発費の増加が懸念されます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,215 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 (1) リスク管理体制の概要 当社グループの事業活動に関する各種のリスク管理については、経営委員会及びリスク管理委員会の指示の下、コーポレート部門に設置したサステナビリティ推進チームがリスクに関する情報を収集・分析し、担当執行役員より経営委員会又は経営会議に報告します。各委員会・会議はリスク評価を行い、対応すべきリスクを確定しリスク対策の概要について協議するとともに、リスク対策の妥当性をリスクの種類に応じて審議します。審議の結果に基づき、CEO又はCOOが子会社又は事業部門に詳細検討及び実行を指示し、実行状況を把握できる仕組みとしております。特に重要度の高いリスクに関しては、CEO又はCOOがその対策の実行状況について取締役会へ適宜報告し、取締役会が重要度の高いリスクについて対策の実行状況を把握できる体制を整備しております。 (2) 戦略上のリスク①地政学上のリスク(政治・経済体制の特殊性)重要度:高リスクの概要[リスク]・米中経済・安全保障摩擦、米国の通商政策の見直し、ロシアによるウクライナ侵攻、米国のイランへの武力攻撃 による湾岸地域の情勢不安、ホルムズ海峡封鎖等による世界経済・貿易の不安定化・当社グループ全体の受注高において高い割合を占める中東地域(アラブ首長国連邦、イスラエル、イラク、サウジアラビア、クウェート、カタール、バーレーン、オマーン、ヨルダン、トルコ)(2026年3月期において同地域が占める割合は約27.6%)及びアフリカ地域(エジプト、アルジェリア、チェニジア、モロッコ、リビア、ガーナ、ケニア、エスワティニ、スーダン、ナイジェリア)においては以下のリスクが想定される。 a)国家間紛争・内乱・動乱(海上封鎖等)による経済活動の困難性に伴う取引の中断・停止・市場からの撤退リ スク b)経済制裁が発動されることによる市場へのアクセスが制約されるリスク c)法制度の未整備及び突然の変更に係る対応リスク[機会]・中東地域の経済発展の動向や人口の増加に伴う食糧生産・需要の高まりがインフラ事業の必要性を確たるものにしており、同地域の市場規模や成長性については他の地域と比較して見込みが高いと判断されるため、当社製品の市場開拓・サービス事業の拡大、現地顧客のニーズを踏まえた営業の機会がある。主な影響・輸出入取引の制約により出荷・船積みが停止・中断し、計画どおりの売上げが未達となる事態の発生・決済不能・遅延による債権回収遅延・不能・追加関税の負担によるコスト発生・不可抗力条項の適用による製品保管費用等のコスト負担・現地納入先での作業困難による取引遅延・未履行による契約解除費用の発生・う回路を使用することに伴う輸送コスト高騰リスク・紛争当事国に専ら依存する原材料等の禁輸に伴う製造ラインの停止対応策・主要マーケットの動向に関する現地拠点の責任者からの情報収集、分析、リスク評価・リスク評価に基づくプロジェクトマネジメントの実施(顧客との公平なリスク分担交渉を含む)・債権回収リスク低減のための決済条件交渉、貿易保険の付保・特定国への依存を可能な限り回避するための調達ルートの複数化 ②サプライチェーンの多様化に伴うリスク重要度:中リスクの概要[リスク]・新規調達先からの納入品に関して品質問題(製品の材質・組み込まれる部品等の品質不良)が発生するリスク・安定的に供給できるグローバル調達網の構築に失敗するリスク(品質維持・改善のために指導を要する場合は、マネジメントコストや時間的コストが発生するリスクが考えられる。)[機会]・他方で、特定地域の特定調達先への依存度を減らすことで、国際政治・経済環境の急激な変化や輸出入規制などの影響を受ける度合いを最小限に抑えることができる。・また、検品体制を含めたグローバル調達網の構築に成功すれば、海外顧客への直接納入が可能になり、顧客との取引において納期やコスト面で優位な条件を提示することで競争力の強化にもつながる機会がある。主な影響・当該調達品の性能未達・納期遅れによって発生する顧客との取引における金銭的負担や交渉コスト(損害賠償請求への対応コスト)の発生・グローバル調達を担う人材の育成にかかるコストの発生対応策・調達品の要求水準の標準化・新規調達先の工場視察・製造現場の課題把握・分析・評価による品質改善指導・グローバル調達に従事する従業員の人材開発 ③気候変動に起因する最終顧客のニーズ変化重要度:中リスクの概要[リスク]・炭素税等のカーボンプライシングの導入に伴う事業コストの増加(資材調達コスト、生産・物流エネルギーコスト)・CO2排出に係る規制・政策の強化(気候変動対策が自治体の入札要件となり、脱炭素社会に向けた取組の進捗が受注機会に影響を及ぼす)・再生可能エネルギー電力の採用による生産コストアップ・低炭素・脱炭素製品ニーズ拡大による既存製品の需要低下(例:火力発電市場の縮小)・異常気象(豪雨や台風など)の頻発化・激甚化による資材調達や工事の遅延が発生、工期への影響を含めた事業コストへの影響・災害発生による保険料増額[機会]・省エネに対応した生産設備の導入による生産コスト低減・エネルギーミックスの変化(短期的にはバイオマス発電、高効率廃棄物焼却施設、地熱発電向けポンプの需要増加、中長期的にはアンモニア発電、水素発電向けポンプの需要増加)・脱炭素・再エネ・省エネ技術の需要増(水素発電・アンモニア発電・CCUS等)・減災技術の需要増(4℃シナリオでより顕著)・水不足による海水淡水化プラント向け需要増主な影響・生産コストの増大・従来の火力発電市場減少による受注減少・販管費の増加・低炭素・脱炭素製品ニーズの拡大による研究開発費等増加・食料増産・洪水対策・環境保護に配慮した製品の開発費増加・気候変動に対する社会的意識の高まりや評価制度(例:CDP)の進展等への対応不備によるレピュテーション低下対応策・カーボンニュートラル社会に向けた新製品の開発(低炭素製品、水素・アンモニア向け製品の開発)・顧客とのパートナーシップ構築・強化 ・既存製品の継続的改良・高効率化・食料増産・洪水対策・環境保護に配慮した製品の開発 ④技術革新への対応重要度:中リスクの概要[リスク]・IOTやデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応が不十分となり、新規分野への参入が遅延するリスク・新エネルギー分野(液化水素・アンモニア)向けポンプなど新製品開発に遅延又は失敗するリスク[機会]・IOTやDXによる新たな需要の掘り起こし・異種業界との協働による新たな知見・経験の習得、人材開発・他社に先行する分野の開発主な影響・生産性の低下・製品開発費用の負担増大・製品の競争力の低下・新規マーケットの喪失・優秀な研究開発員の確保や新規雇用が困難になる結果、従業員の士気低下対応策・従業員のDX教育の推進、DX実施による従業員のスキルアップ・自社の研究開発に従事する従業員の人材開発・研究トップレベルの大学との共同研究・主要顧客であるプラントメーカとの技術提携 (3) オペレーション上のリスク①サイバーセキュリティとシステム重要度:高リスクの概要[リスク]・ITシステム障害・サイバーインシデント(ランサムウェア攻撃により、電子ファイルが暗号化され事業活動が停止、あるいは情報漏洩が発生するリスク)・誤操作又は不当な目的をもった役職員による情報漏洩(人為的リスク)[機会]・サイバーセキュリティインシデント対応に備えた従業員教育による従業員の情報リテラシーの向上・サイバーセキュリティインシデント対策の策定による事業運営の安定性確保主な影響・生産等現場の混乱・操業停止・技術情報の流出・顧客からの信頼喪失・対応費用等発生による財務状況の悪化対応策・情報機器についてはデータへのアクセス制御やパスワードの厳重管理を徹底・情報システムへのアクセスを制御するためのID管理・認証基盤の導入、認証の多要素化・中核となる技術情報や営業情報についてファイヤーウォールを設け、システム障害による影響を最小限にとどめる措置の実施・役員及び従業員への情報セキュリティ教育の周知徹底・とりわけ、コンピューターセキュリティインシデントが発生した場合の被害を最小限にとどめることを目的に設置した部署横断的な対応組織(Torishima Computer Security Incident Response Team; CSIRT)によるインシデント対応計画の策定や外部団体と連携したインシデント対応訓練の実施、インシデント予防のための役員及び従業員の意識及びスキル向上のための啓発活動の実施 ②人材(確保と維持)重要度:高リスクの概要[リスク]・業務に必要な人材の確保困難・優秀な人材の流出・技術承継の失敗[機会]・採用母集団の拡大、多様な人材採用方法の確立・特殊技能の可視化、多角的な教育プログラムの整備、技術習熟者の教育意欲向上主な影響・公共工事等の受注要件を満たせない・事故等のリスク・外注利用等によるコスト上昇対応策・積極的な技術承継の場として社内に設置した「モノづくり道場」等を通した取組の継続・採用活動の充実化・外注先の事業継承による技術の取り込み・特殊技能への依存度の低減、業務の属人化防止、データ活用によるDXの推進 ③自然災害重要度:中リスクの概要天災地変や異常気象(洪水、台風)に伴う操業の一時停止主な影響・生産地域が大阪府高槻市の本社工場に集中していることから生ずる生産能力の一時的低下・設備破損や提携先被災による事業継続困難・工場設備の復旧や修理等の費用発生による財政状態の悪化・納期遅れによる遅延損害金の支払い対応策・BCP策定・継続的見直し(自社サーバールームの耐震対策、初動訓練強化)・サプライチェーンのマネジメント強化 ④安定的な調達の維持重要度:中リスクの概要協力会社の廃業等による主要部品の供給や工事施工の困難主な影響・代替部品の調達によるコスト上昇・品質維持困難・納期遅延対応策・複数購買・代替供給先の発掘・協力会社の経営支援・安定的な関係構築 ⑤為替リスク重要度:中リスクの概要急速な円高又は円安主な影響・為替変動による輸入コストの上昇(円安)・外貨建て売上減少による損益の悪化(円高)対応策・外貨ポジションの把握・為替予約の実施 ⑥財務リスク重要度:中リスクの概要金利の上昇主な影響・支払サイトの長短ギャップ拡大による資金繰りの悪化・資金繰り悪化による借入増加時の支払い利息の増加・金利支払負担による営業外費用の増加対応策・支払サイトの長短ギャップ発生原因の分析に基づく対応策の実施・個別案件における債権回収促進及び遅延の予防 ⑦有価証券の保有にかかるリスク重要度:中リスクの概要株式市場及び経済環境の動向による保有有価証券の株価下落主な影響経常利益の減少を含む財政状況の悪化対応策保有有価証券の売却及び見直し ⑧品質と安全性重要度:中リスクの概要新しい市場向け製品や技術的難易度の高い製品における不具合発生主な影響・事故の発生等による顧客信用の失墜・不具合修理費負担又は損害賠償請求による損失発生対応策「トリシマ品質」の継続的向上 ⑨安全衛生重要度:中リスクの概要・工事現場作業に関連する健康及び安全に係る重大なインシデント(重大な傷害又は死亡)の発生・パンデミックの発生主な影響・作業現場等での事故の発生・多額の賠償金や顧客信用の失墜・クラスター発生による営業活動の縮小・工事遅延対応策・定期的な安全衛生大会等の開催・定期的な安全パトロールの実施・適切な感染症対策 ⑩係争リスク、倫理・コンプライアンス重要度:中リスクの概要法令・社内規程や倫理規範違反が発生するリスク、訴訟、クレーム紛争主な影響・当社企業グループに対する信用力の低下・敗訴による多額の損害賠償や事業の差止等・法令違反による営業停止対応策・ガバナンス及びコンプライアンス体制の整備・主要関係国の輸出管理規制の把握及び子会社への周知徹底・取引当事国の投資関係法・基本法・破産法等の最低限の知識・情報収集*重要度とは、当社グループの事業活動の実績及び見込みを踏まえた上で、当社グループ事業への影響度及び当該 リスクが顕在化する蓋然性の二つの観点から総合的に判断した評価基準であります。

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