事業の概要
- 多角的な事業展開椿本チエインは、ドライブチェーンやコンベヤチェーンといった「チェーン」製品を基盤に、減速機や直線作動機などの「モーションコントロール」、自動車エンジン用の「モビリティ」製品、さらに搬送・仕分け・保管システムである「マテハン」まで、幅広い事業を展開しています。これにより、特定の産業に依存せず、多様な顧客ニーズに対応できる収益構造を築いています。
- グローバルな製造・販売網同社グループは、日本国内だけでなく、米国、欧州、アジアなど世界各地に78の子会社と8の関連会社を有しています。これにより、各地域の市場特性に合わせた製品の製造・販売が可能となり、グローバル市場での競争力を高め、収益機会を最大化しています。
- ソリューション提供への進化単なる製品の製造・販売に留まらず、顧客の課題解決に貢献するソリューション提供を目指しています。例えば、マテハン事業ではKDDIとの合弁会社を通じてエンジニアリング活動を強化し、顧客の自動化・省人化ニーズに応えることで、高付加価値なビジネスモデルへの転換を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- チェーン事業ドライブチェーンやコンベヤチェーンの製造・販売が主な事業内容です。売上高942.54億円、営業利益155.85億円と、同社グループの稼ぎ頭であり、最も収益性の高い事業セグメントです。国内外の多様な産業機械や設備に不可欠な基幹部品を提供しています。
- モーションコントロール事業減速機や直線作動機などの製品を提供しています。売上高229.44億円、営業利益7.7億円と、チェーン事業に比べると規模は小さいものの、精密な動きを制御する技術で産業の自動化・省力化に貢献しています。
- モビリティ事業主に自動車エンジン用のタイミングチェーンシステムを製造・販売しています。売上高911.79億円、営業利益82.87億円と、チェーン事業に次ぐ規模を持ち、自動車産業の重要なサプライヤーとしての地位を確立しています。電動化の進展など、自動車業界の構造変化への対応が今後の課題となる可能性があります。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Chain | 事業 | 943 | 156 | 16.5% |
| MotionControlReportableSegment | 事業 | 229 | 8 | 3.4% |
| MobilityReportableSegment | 事業 | 912 | 83 | 9.1% |
| MaterialHandling | 事業 | 681 | 12 | 1.8% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社、子会社96社および関連会社14社で構成され、その主な事業内容はドライブチェーンおよびコンベヤチェーン(以上、チェーン)、減速機、直線作動機(以上、モーションコントロール)、エンジン用タイミングチェーンシステム、二輪車用部品(以上、モビリティ)、搬送・仕分け・保管システム(以上、マテハン)の製造、販売等であります。当社は、チェーン、モーションコントロール、モビリティ、マテハンの製造、販売、研究開発および子会社、関連会社の統括等を行っております。各子会社および関連会社の各々の主たるセグメントに係る位置づけは次のとおりであります。会社名事業内容区分セグメント製造販売チェーンモーションコントロールモビリティマテハンその他(連結子会社) 大同工業㈱動力伝動搬送関連製品、二輪車用部品の製造・販売○○○ ○○○新星工業㈱鋼材の加工・販売○○ ○㈱椿本カスタムチエン小形コンベヤチェーンおよび特殊チェーンの製造○ ○ ㈱椿本スプロケットスプロケットおよびカップリングの製造・販売○○○○ ツバキ山久チエイン㈱各種機械用チェーンおよび省力機器類等の製造・販売○○○○ ○ ㈱椿本鋳工鋳鉄鋼の鋳造、加工および販売○○ ○ ㈱椿本バルクシステム粉粒体コンベヤの製造・販売○○ ○ 椿本メイフラン㈱チップ・スクラップコンベヤの製造・販売○○ ○ ㈱椿本マシナリー当社グループ製品等の国内における販売 ○○○○○○㈱ツバキサポートセンタービルメンテナンス、保険代理業等 ○ ○U.S. TSUBAKI HOLDINGS, INC.米国等における当社関係会社への事業支援 ○○○○ U.S. TSUBAKI POWER TRANSMISSION, LLCチェーン製品、モーションコントロール製品の輸入販売および現地生産○○○○ U.S. TSUBAKI AUTOMOTIVE, LLCモビリティ製品の輸入販売および現地生産○○ ○ U.S. TSUBAKIMATERIAL HANDLING, LLC米国における当社関係会社への事業支援 ○ U.S. TSUBAKI INDUSTRIAL, LLCマテハン製品の輸入販売および現地生産○○ ○ TSUBAKI KABELSCHLEPP AMERICA, INC.チェーン製品の輸入販売および現地生産○○○ TSUBAKI BRASIL EQUIPAMENTOSINDUSTRIAIS LTDA.チェーン製品、モーションコントロール製品の輸入販売 ○○○ Central Conveyor Company, LLCマテハン製品の輸入販売および現地生産○○ ○ Central Industrial, LLCマテハン製品の輸入販売および現地生産○○ ○ Electrical Insights, LLCマテハン製品の輸入販売および現地生産○○ ○ KCI, Incorporatedマテハン製品の輸入販売および現地生産○○ ○ TSUBAKI ATR, LLCモーションコントロール製品の現地生産○〇 ○ 椿本机械(上海)有限公司モーションコントロール製品の輸入販売および現地生産○○ ○ TSUBAKIMOTO EUROPE B.V.チェーン製品、モーションコントロール製品、モビリティ製品の輸入販売 ○○○○ TSUBAKIMOTO UK LTD.チェーン製品、モーションコントロール製品の輸入販売および現地生産○○○○ Tsubaki Deutschland GmbHチェーン製品、モーションコントロール製品、モビリティ製品の輸入販売 ○○○○ Tsubaki Automotive Czech Republic s.r.o.モビリティ製品の輸入販売および現地生産○○ ○ TSUBAKI IBERICA POWER TRANSMISSION, S.L.チェーン製品、モーションコントロール製品の輸入販売 ○○○ Tsubaki Jungbluth GmbHチェーン製品の現地生産・販売○○○ 台湾椿本股份有限公司チェーン製品、モーションコントロール製品、モビリティ製品の輸入販売および現地生産○○○○〇 会社名事業内容区分セグメント製造販売チェーンモーションコントロールモビリティマテハンその他TSUBAKI OF CANADA LIMITEDチェーン製品、モーションコントロール製品の輸入販売およびチェーン製品の現地生産○○○○ Tsubaki Kabelschlepp GmbHチェーン製品、マテハン製品の輸入販売および現地生産○○○ ○ Kabelschlepp GmbH-Hünsbornマテハン製品の輸入販売および現地生産○○ ○ KABELSCHLEPP ITALIA S.R.L.チェーン製品、マテハン製品の輸入販売 ○○ ○ METOOL PRODUCTS LIMITEDチェーン製品の輸入販売および現地生産○○○ KABELSCHLEPP FRANCE S.A.R.L.チェーン製品、マテハン製品の輸入販売 ○○ ○ KABELSCHLEPP INDIA PRIVATE LIMITEDチェーン製品の輸入販売および現地生産○○○ Kabelschlepp China Co., Ltd.チェーン製品、マテハン製品の輸入販売および現地生産○○○ ○ KABELSCHLEPP SYSTEMTECHNIK spol. s.r.o.マテハン製品の輸入販売および現地生産○○ ○ Kabelschlepp Sp. z o.o.チェーン製品の輸入販売および現地生産○○○ Mayfran International, Incorporatedマテハン製品の輸入販売および現地生産○○ ○ Conergics International LLC欧州等における当社関係会社への事業支援 ○ Mayfran U.K. Limitedマテハン製品の輸入販売 ○ ○ Mayfran GmbHマテハン製品の輸入販売 ○ ○ Mayfran Limburg B.V.マテハン製品の輸入販売および現地生産○○ ○ Mayfran International B.V.マテハン製品の輸入販売 ○ ○ Mayfran France S.A.R.L.マテハン製品の輸入販売 ○ ○ Press Room Techniques Co.マテハン製品の輸入販売 ○ ○ Tsubakimoto Singapore Pte.Ltd.チェーン製品、モーションコントロール製品、マテハン製品の輸入販売 ○○○ ○ PT. TSUBAKI INDONESIA MANUFACTURINGチェーン製品、マテハン製品の輸入販売および現地生産、モーションコントロール製品の輸入販売○○○○ ○ PT. TSUBAKI INDONESIA TRADINGチェーン製品、モビリティ製品の輸入販売 ○○ ○ TSUBAKI POWER TRANSMISSION(MALAYSIA) SDN. BHD.チェーン製品、モーションコントロール製品、マテハン製品の輸入販売 ○○○ ○ TSUBAKIMOTO(THAILAND) CO.,LTD.チェーン製品、モーションコントロール製品の輸入販売 ○○○ TSUBAKI INDIA POWER TRANSMISSION PRIVATE LIMITEDチェーン製品、モーションコントロール製品、モビリティ製品の輸入販売 ○○○○ TSUBAKIMOTO VIETNAM CO.,LTD.チェーン製品、モーションコントロール製品の輸入販売 ○○○ TSUBAKIMOTO PHILIPPINES CORPORATIONチェーン製品、モーションコントロール製品、マテハン製品の輸入販売 ○○○ ○ TSUBAKI AUSTRALIA PTY.LIMITEDチェーン製品、モーションコントロール製品の輸入販売 ○○○ ○TSUBAKIMOTO AUTOMOTIVE (THAILAND) CO.,LTD.モビリティ製品の輸入販売および現地生産○○ ○ 椿本汽車発動機(上海)有限公司モビリティ製品の輸入販売および現地生産○○ ○ Tsubakimoto AutomotiveKorea Co., Ltd.モビリティ製品の輸入販売および現地生産○○ ○ 天津華盛昌歯輪有限公司モーションコントロール製品の現地生産・販売○○ ○ 椿本鏈条(天津)有限公司チェーン製品およびモビリティ製品の輸入販売および現地生産○○○ ○ 椿本散装系統設備(上海)有限公司粉粒体コンベヤの輸入販売 ○ ○ 椿本鏈条(上海)有限公司チェーン製品、モーションコントロール製品、マテハン製品の輸入販売 ○○○ ○ Tsubakimoto Automotive Mexico S.A. de C.V.モビリティ製品の輸入販売および現地生産○○ ○ TSUBAKI CONVEYOR SYSTEMS INDIAPRIVATE LIMITEDマテハン製品の輸入販売および現地生産○○ 〇 会社名事業内容区分セグメント製造販売チェーンモーションコントロールモビリティマテハンその他大同鏈条(常熟)有限公司チェーン製品、モビリティ製品、マテハン製品の輸入販売および現地生産○○○ ○○ D.I.D Philippines Inc.チェーン製品、モビリティ製品の輸入販売および現地生産○○○ ○ P.T. Daido Indonesia Manufacturingチェーン製品、モビリティ製品の輸入販売および現地生産○○○ ○ ○D.I.D Vietnam Co.,Ltd. チェーン製品、モビリティ製品、マテハン製品の輸入販売および現地生産○○○ ○○〇DID Malaysia Sdn.Bhd. モビリティ製品の輸入販売 ○ ○ Daido Sittipol Co.,Ltd.チェーン製品、モビリティ製品の輸入販売および現地生産○○○ ○ D.I.D Asia Co.,Ltd.チェーン製品、モビリティ製品の輸入販売 ○○ ○ Interface Solutions Co.,Ltd.マテハン製品の輸入販売および現地生産○○ ○ Daido India Pvt. Ltd.モビリティ製品の輸入販売および現地生産○○ ○ Daido Corporation of Americaチェーン製品、モビリティ製品の輸入販売および現地生産○○○ ○ ○Daido Industria De Correntes Da Amazonia Ltda.モビリティ製品の輸入販売および現地生産○○ ○ Daido Industrial E Comercial Ltda.チェーン製品、モビリティ製品、マテハン製品の輸入販売および現地生産○○○ ○○ DID Europe S.R.L.チェーン製品、モビリティ製品の輸入販売および現地生産〇○○ ○ (持分法適用関連会社) 天津椿本輸送机械有限公司粉粒体コンベヤの輸入販売および現地生産○○ ○ ㈱月星製作所モビリティ製品の輸入販売および現地生産○○ ○ IWIS-DAIDO LLCモビリティ製品の輸入販売および現地生産○○ ○ (非連結子会社) 椿凱動力伝輸機械(石家庄)有限公司チェーン製品の輸入販売および現地生産○○○ TSUBAKIMOTO KOREA CO.,LTD.チェーン製品、モーションコントロール製品の輸入販売 ○○○ ㈱ネクサウェアマテハン製品の国内における販売 ○ ○ ㈱ツバキベジムーブ農産物の国内における生産・販売および関連事業へのコンサルティング○○ ○ (他連結子会社5社、非連結子会社8社、関連会社11社) 前頁に述べた当社グループの事業系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 新材料、新加工技術の研究、新機構や新構造、新表面処理、既存技術の強化や新技術を用いた商品開発。 |
|---|---|
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:市場環境変動のリスク / 気候変動に関するリスク / 海外での事業展開に伴う地政学的なリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
長年の歴史と実績に基づくブランド力や、特定の産業分野における技術的ノウハウは存在するが、特許や規制ライセンスによる明確な独占性は限定的。研究開発投資は継続しているものの、競合他社も同様の技術開発を進めている。
スイッチングコスト★★★☆☆
自動車や産業機械向けに、同社のチェーンや部品は高い信頼性が求められ、一度採用されると仕様変更や他社製品への切り替えには、設計変更や認証プロセスなど、顧客にとって大きなコストと時間がかかる。特に、過酷な環境下で使用される製品では、実績のある同社製品からの乗り換えはリスクが高い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業モデルは、直接的なネットワーク効果を生み出すプラットフォーム型ではない。製品の普及が直接的に製品価値を高める構造ではない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の量産実績とサプライチェーンの最適化により、一定のコスト競争力は有していると考えられる。しかし、原材料価格の変動や、新興国メーカーの台頭による価格競争圧力も存在する。
規模の経済★★★★☆
伝動機器分野、特に自動車用タイミングチェーンシステムや産業用ローラチェーンにおいて、グローバル市場で高いシェアを誇る。主要な自動車メーカーや産業機械メーカーとの長年にわたる取引実績は、規模の経済と業界内での確固たる地位を示唆している。
- 幅広い製品ラインナップと技術力ドライブチェーンから高機能なモーションコントロール、自動車用タイミングチェーンシステム、搬送システムまで、多岐にわたる製品と技術を有しています。これにより、顧客は様々なニーズに対して椿本チエインから総合的なソリューションを得ることができ、他社へのスイッチングコストを低減させます。
- グローバルな事業展開と生産体制連結売上高の60%以上を海外が占めるグローバル企業であり、世界各地に製造・販売拠点を展開しています。これにより、地域ごとの市場変動リスクを分散し、安定した供給体制を構築することで、顧客への信頼性を高め、規模の経済を享受しています。
- 品質へのこだわりとブランドイメージ長年にわたり「品質不良ゼロ」を目指したモノづくりを追求しており、高い品質基準を維持しています。これにより、顧客からの信頼を獲得し、椿本チエインのブランドイメージを確立することで、競争の激しい市場においても優位性を保っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 社会課題解決への貢献長期ビジョン2030では、「Linked Automation」技術を通じて社会課題(人にやさしい社会、安心・安全な生活基盤、地球にやさしい社会)の解決に貢献することを目指しています。これは、単なる事業拡大だけでなく、企業の社会的責任を果たすことを重視する経営方針を示しています。
- 既存事業の強化と新事業の創出中期経営計画2025では、既存のチェーン、モーションコントロール、モビリティ、マテハン事業の収益力強化を図るとともに、ニューモビリティ、ヒューマンアシスト、メンテナンス、エネルギーマネジメントといった新事業領域への進出と育成を重視しています。これにより、持続的な成長の基盤を構築することを目指しています。
- ESGへの取り組み強化環境(CO2排出量削減)、社会(製品を通じた社会価値向上、健康経営)、ガバナンス(グローバルでのガバナンス強化、リスクマネジメント)の各側面で取り組みを強化しています。これは、企業価値向上だけでなく、社会からの信頼を得て事業を継続していくための重要な戦略と位置づけられています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、つばきグループ共通の企業理念・行動指針である「TSUBAKI SPIRIT」を制定しております。これは、先人たちから受け継いできた「つばきグループのDNA」や今後のつばきグループが世の中に提供できる価値を見つめ直し、私たちがこれからも大切にすべきこと、そして新たに取り組むべきことを「社会的使命」「目指すべき姿」「行動原則」「創業の精神」として明確に表現・体系化したものです。社会的使命「動かすことに進化をもたらし、社会の期待を超えていきます。」を果たすため、グループが世の中に提供できる価値の最大化を追求しております。技術を磨き続けることで「モノづくり」にこだわり、その上で「モノづくり」の枠を超えたソリューションの提供を通じて、真に顧客や社会が求める価値を提供し続けます。社会の期待に応え、さらに、その期待を超える価値を提供することで、社会から必要とされ続ける企業となることを目指してまいります。 (2)目標とする経営指標当社グループは、2030年度を最終年度とする「中期経営計画2030」において以下の数値目標を掲げております。(いずれも連結ベース)・売上高:4,500億円以上・営業利益率:10%以上・ROE:10%以上・配当性向:35%以上を基準とする (3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題当社グループは、「長期ビジョン2030」において、2030年のありたい姿を「高機能化と高度オートメーション化された技術領域により、社会課題の解決に貢献する企業グループを目指します。」と定めました。この長期ビジョンのもと、当社グループは「人にやさしい社会の実現」「安心・安全な生活基盤の構築」「地球にやさしい社会の創造」といった社会課題の解決へ貢献する新事業に取り組むとともに、既存事業の拡大を目指してまいります。また、「中期経営計画2030」では、既存事業における収益力を強化するとともに、「長期ビジョン2030」の実現に向けた第2期5カ年計画(2026~2030年度)と位置付けて、以下の方策に取り組んでおります。①「量から質」へ。収益力を高め「強固な事業基盤」を構築する②「選択と集中」で新規ビジネスの事業化を加速し、持続的成長を実現する③ 既存の枠組みを超え、「未来の主力事業」を創出する④「技術×マーケティング」強化で、新事業を牽引する⑤ グローバルグループ本社機能を強化し、ESG経営を深化させる 当社グループを取り巻く事業環境は、米国起因の貿易戦争、欧州・中国経済の回復遅延、また、中東における軍事衝突等により、世界経済は不透明な状況が続くものと予想されます。こうした中、本年度(2026年度)においては、「長期ビジョン2030」に掲げた「2030年のありたい姿」および「中期経営計画2030」の到達点を見据え、意思決定の迅速化によるスピード経営を目指すとともに、資本コストを意識した各種施策の展開に注力してまいります。また、今後も社会課題の解決に貢献する企業グループとして、カーボンニュートラル実現を含むサステナビリティ活動のさらなる推進に取り組んでまいります。なお、事業部門別には、主として以下の課題に取り組んでまいります。当社グループは、チェーン事業とモーションコントロール事業を統合して、パワートランスミッション事業とし、動力伝達・搬送商品のトータルソリューションビジネスへの転換を図る機構改革を行いました。本年度は両事業の統合プロジェクトを進め、シナジー創出を図ることにより収益性を最大化するとともに、地域・商品群を軸とするマトリックス運営により“グローバルトップ/ニッチトップ”戦略を策定・推進し、新たな市場開拓に取り組んでまいります。モビリティ事業では、タイミングチェーンシステムの拡販によるシェア拡大と、大同工業との統合シナジーを生かした国内外拠点の再編・集約によるグローバル生産最適化を進めてまいります。マテハン事業では、既存ビジネスの選択と集中を図るとともに、エンジニアリング力を強化し、ソリューション志向で黒字体質の早期実現に取り組んでまいります。新ビジネス事業では、アグリビジネス、ヒューマンアシストビジネス、エネルギーマネジメントビジネス、eCARGOビジネス、エンジンドローンビジネス等を主軸に収益化と事業成長の加速に注力してまいります。 その他の課題として、事業の継続と社会的責任を果たすため、当社グループは事業活動を通じてESGへの対応を推進してまいります。環境・社会課題関連では、環境省が創設した「エコ・ファースト制度」において、2023年に「エコ・ファースト企業」の認定を受け、2026年3月にはグループ会社7社が「健康経営優良法人」に認定されました。今後も従業員がイキイキと活躍し、自主性と創造性を発揮できる企業(全員快勤)を目指し、個人の健康、組織の健康の2方向から従業員家族も含めた健康経営を推進してまいります。ガバナンス関連では、引き続き現行のコーポレート・ガバナンス体制において実効性評価に基づく取締役会の活性化策を実施するとともに、リスクマネジメント活動をグローバルに展開してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、つばきグループ共通の企業理念・行動指針である「TSUBAKI SPIRIT」を制定しております。これは、先人たちから受け継いできた「つばきグループのDNA」や今後のつばきグループが世の中に提供できる価値を見つめ直し、私たちがこれからも大切にすべきこと、そして新たに取り組むべきことを「社会的使命」「目指すべき姿」「行動原則」「創業の精神」として明確に表現・体系化したものです。社会的使命「動かすことに進化をもたらし、社会の期待を超えていきます。」を果たすため、グループが世の中に提供できる価値の最大化を追求しております。技術を磨き続けることで「モノづくり」にこだわり、その上で「モノづくり」の枠を超えたソリューションの提供を通じて、真に顧客や社会が求める価値を提供し続けます。社会の期待に応え、さらに、その期待を超える価値を提供することで、社会から必要とされ続ける企業となることを目指してまいります。 (2)目標とする経営指標当社グループは、2030年度を最終年度とする「中期経営計画2030」において以下の数値目標を掲げております。(いずれも連結ベース)・売上高:4,500億円以上・営業利益率:10%以上・ROE:10%以上・配当性向:35%以上を基準とする (3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題当社グループは、「長期ビジョン2030」において、2030年のありたい姿を「高機能化と高度オートメーション化された技術領域により、社会課題の解決に貢献する企業グループを目指します。」と定めました。この長期ビジョンのもと、当社グループは「人にやさしい社会の実現」「安心・安全な生活基盤の構築」「地球にやさしい社会の創造」といった社会課題の解決へ貢献する新事業に取り組むとともに、既存事業の拡大を目指してまいります。また、「中期経営計画2030」では、既存事業における収益力を強化するとともに、「長期ビジョン2030」の実現に向けた第2期5カ年計画(2026~2030年度)と位置付けて、以下の方策に取り組んでおります。①「量から質」へ。収益力を高め「強固な事業基盤」を構築する②「選択と集中」で新規ビジネスの事業化を加速し、持続的成長を実現する③ 既存の枠組みを超え、「未来の主力事業」を創出する④「技術×マーケティング」強化で、新事業を牽引する⑤ グローバルグループ本社機能を強化し、ESG経営を深化させる 当社グループを取り巻く事業環境は、米国起因の貿易戦争、欧州・中国経済の回復遅延、また、中東における軍事衝突等により、世界経済は不透明な状況が続くものと予想されます。こうした中、本年度(2026年度)においては、「長期ビジョン2030」に掲げた「2030年のありたい姿」および「中期経営計画2030」の到達点を見据え、意思決定の迅速化によるスピード経営を目指すとともに、資本コストを意識した各種施策の展開に注力してまいります。また、今後も社会課題の解決に貢献する企業グループとして、カーボンニュートラル実現を含むサステナビリティ活動のさらなる推進に取り組んでまいります。なお、事業部門別には、主として以下の課題に取り組んでまいります。当社グループは、チェーン事業とモーションコントロール事業を統合して、パワートランスミッション事業とし、動力伝達・搬送商品のトータルソリューションビジネスへの転換を図る機構改革を行いました。本年度は両事業の統合プロジェクトを進め、シナジー創出を図ることにより収益性を最大化するとともに、地域・商品群を軸とするマトリックス運営により“グローバルトップ/ニッチトップ”戦略を策定・推進し、新たな市場開拓に取り組んでまいります。モビリティ事業では、タイミングチェーンシステムの拡販によるシェア拡大と、大同工業との統合シナジーを生かした国内外拠点の再編・集約によるグローバル生産最適化を進めてまいります。マテハン事業では、既存ビジネスの選択と集中を図るとともに、エンジニアリング力を強化し、ソリューション志向で黒字体質の早期実現に取り組んでまいります。新ビジネス事業では、アグリビジネス、ヒューマンアシストビジネス、エネルギーマネジメントビジネス、eCARGOビジネス、エンジンドローンビジネス等を主軸に収益化と事業成長の加速に注力してまいります。 その他の課題として、事業の継続と社会的責任を果たすため、当社グループは事業活動を通じてESGへの対応を推進してまいります。環境・社会課題関連では、環境省が創設した「エコ・ファースト制度」において、2023年に「エコ・ファースト企業」の認定を受け、2026年3月にはグループ会社7社が「健康経営優良法人」に認定されました。今後も従業員がイキイキと活躍し、自主性と創造性を発揮できる企業(全員快勤)を目指し、個人の健康、組織の健康の2方向から従業員家族も含めた健康経営を推進してまいります。ガバナンス関連では、引き続き現行のコーポレート・ガバナンス体制において実効性評価に基づく取締役会の活性化策を実施するとともに、リスクマネジメント活動をグローバルに展開してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)における世界経済は、米国の通商政策を巡る不透明感や中東情勢の緊迫化がみられるなか、各国の経済対策や企業の設備投資需要に支えられ、全体としては緩やかな回復基調で推移しました。米国経済は、通商政策の影響や物価動向を背景に、個人消費は一部弱さがみられたものの、設備投資が底堅く推移したほか、雇用環境もおおむね良好な状況が続いた結果、全体としては堅調に推移しました。欧州および中国経済は、需要の弱さや構造的な調整圧力が続いたものの、政策支援や公的投資が下支えとなり、景気は後退局面入りを回避しています。わが国経済については、設備投資やインバウンド需要の回復などにより持ち直しの動きがみられたものの、物価上昇の影響もあり個人消費の回復は緩やかなものにとどまり、全体としては緩やかな持ち直しが続きました。このような状況のもと、当社グループの業績につきましては、チェーン事業が米国の関税政策の影響を一部受けつつも好調を維持したほか、モビリティ事業においてもハイブリッド車需要の拡大を背景に堅調に推移しました。また、2026年1月より大同工業株式会社を新たに連結子会社としたこともあり、当連結会計年度の受注高は300,606百万円(前期比9.9%増)、売上高は295,878百万円(同6.0%増)となりました。損益につきましては、大阪・関西万博への出展費用および子会社取得に伴う関連費用といった一時的な費用の計上等により、営業利益は21,578百万円(同5.6%減)、経常利益は24,804百万円(同2.1%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、大同工業株式会社の連結子会社化に伴う負ののれん発生益の計上などにより、29,708百万円(同34.3%増)となりました。上記の結果、当社グループが取り組んでおります5ヵ年計画「中期経営計画2025」における主要な財務KPI(①売上高:3,000~3,200億円、②営業利益率:9~11%、③ROE:8%以上、④配当性向:30%を基準とする)に対する進捗は、以下のとおりとなりました。なお、2024年5月14日に配当方針の見直しを行い、「配当性向:35%以上」としております。①売上高:2,958億円、②営業利益率:7.3%、③ROE:10.7%、④配当性向:27.0%(いずれも連結ベース)現金収入を伴わない負ののれん発生益等を計算から除外した配当性向は35.0%となります。※「中期経営計画2025」における非財務KPIに対する進捗は、当社ホームページ(URL:https://www.tsubakimoto.jp/)に掲載しておりますので、ご参照ください。 当社グループは、「長期ビジョン2030」に掲げた「2030年のありたい姿」の実現に向け、2021年度より推進してきた「中期経営計画2025」の最終年度として、持続的な成長と企業価値向上を見据えた経営に取り組んできました。その結果、一定の成果が得られた一方で、事業の質的転換や収益力の強化、グローバルグループとしての経営基盤の在り方など、今後に向けてあらためて取り組むべき課題も明らかとなりました。これらを踏まえ、次期中期経営計画においては、社会課題の解決と経済価値の創出を両立させるという基本的な考え方のもと、収益力を重視した事業構造への転換や、グローバルグループ全体での経営基盤の強化を進めることで、持続的な成長と企業価値向上を目指してまいります。また、資本コストを意識した経営の推進とともに、カーボンニュートラルの実現を含むサステナビリティ活動にも引き続き取り組んでまいります。 セグメント別の概況は次のとおりであります。 [チェーン]チェーンにつきましては、日本、米州、欧州、環インド洋において販売が増加したことなどにより、前期比で増収となりました。以上により、チェーンの受注高は101,598百万円(前期比9.5%増)、売上高は99,830百万円(同5.9%増)、損益につきましては、中国およびドイツにおける経済環境の低迷等により、営業利益は15,353百万円(同1.5%減)となりました。 [モーションコントロール]モーションコントロールにつきましては、日本、米州、欧州、環インド洋、中国において販売が増加したことなどにより、前期比で増収となりました。以上により、モーションコントロールの受注高は24,019百万円(前期比7.3%増)、売上高は23,983百万円(同4.5%増)、営業利益は996百万円(同29.4%増)となりました。 [モビリティ]モビリティにつきましては、日本、米州、欧州、環インド洋の拠点において自動車エンジン用タイミングチェーンシステムなどの販売が増加したことなどにより、前期比で増収となりました。以上により、モビリティの受注高は97,668百万円(前期比7.5%増)、売上高は97,359百万円(同6.8%増)、営業利益は10,036百万円(同21.1%増)となりました。 [マテハン]マテハンにつきましては、米州における自動車業界向けシステムや金属切屑搬送・クーラント処理装置向けシステムの販売が減少しましたが、日本における建設機械業界向けや物流業界向けシステムの販売が増加したことなどにより、前期比で増収となりました。以上により、マテハンの受注高は73,109百万円(前期比12.6%増)、売上高は70,629百万円(同3.7%増)、営業利益は963百万円(同22.8%減)となりました。 [その他]その他の受注高は4,210百万円(前期比62.5%増)、売上高は4,076百万円(同50.5%増)、損益につきましては1,180百万円の営業損失(前期は833百万円の営業損失)となりました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載をしております。 生産、受注および販売の実績は、次のとおりであります。 ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社グループ(当社および連結子会社)の製品は、主に受注生産でありますが、製品の一部につきましては、見込生産も行っております。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)チェーン74,00513.6モーションコントロール25,20110.5モビリティ110,5415.1マテハン54,53618.5その他5,5204,647.1合計269,80612.8 (注) 金額は販売価格で記載しております。 ② 受注状況 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%) チェーン101,5989.524,25813.8 モーションコントロール24,0197.38,1912.2 モビリティ97,6687.51,75021.5 マテハン73,10912.639,3718.7 その他4,21062.565125.9 合計300,6069.974,22310.0 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)チェーン99,8305.9モーションコントロール23,9834.5モビリティ97,3596.8マテハン70,6293.7その他4,07650.5合計295,8786.0 (注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)椿本興業株式会社28,24710.130,09110.2 (2) 財政状態 ① 資産当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して88,274百万円増加し、459,784百万円となりました。これは、大同工業株式会社を新たに連結子会社としたことなどにより、棚卸資産が20,564百万円増加したこと、投資有価証券が17,093百万円増加したこと、受取手形、売掛金及び契約資産が14,105百万円増加したこと、現金及び預金が13,502百万円増加したこと、建物及び構築物が8,034百万円増加したこと、土地が5,703百万円増加したことなどによるものであります。 ② 負債当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して46,621百万円増加し、155,969百万円となりました。これは、大同工業株式会社を新たに連結子会社としたことなどにより、借入金が23,015百万円増加したこと、支払手形及び買掛金が9,859百万円増加したこと、その他の流動負債が5,244百万円増加したことなどによるものであります。 ③ 純資産当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して41,653百万円増加し、303,815百万円となりました。これは、利益剰余金が21,108百万円増加したこと、為替の変動により為替換算調整勘定が8,080百万円増加したこと、大同工業株式会社の新規連結などにより非支配株主持分が5,106百万円増加したことなどによるものであります。この結果、自己資本比率は、5.4ポイント低下し、64.5%となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して15,213百万円増加し、78,529百万円となりました。 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の増加は31,891百万円となりました。これは、負ののれん発生益を11,643百万円計上したこと、法人税等の支払に6,926百万円支出したこと、投資有価証券売却益を5,029百万円計上した一方で、税金等調整前当期純利益を36,543百万円計上したこと、減価償却費を14,833百万円計上したこと、減損損失を4,641百万円計上したことなどによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の減少は8,976百万円となりました。これは、定期預金の払い戻しによる6,752百万円の収入があった一方で、設備投資代金の決済などに15,760百万円支出したことなどによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の減少は20,244百万円となりました。これは、自己株式の取得に10,003百万円支出したこと、配当金の支払に8,733百万円支出したことなどによるものであります。 ② 資金需要および資金調達の方法当社グループの資金需要のうち主なものは、当社グループ製品の製造のための材料や部品の購入ならびに設備の増強、合理化および更新にかかる設備投資、企業買収によるものであります。成長投資につきましては、2025年度は生産設備の増強、合理化および更新を中心に18,085百万円の設備投資を行い、研究開発費用は8,089百万円となりました。2026年度は新設、合理化および更新にかかる設備投資として27,553百万円を見込んでおります。設備投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。株主還元につきましては、株主重視の経営を目指す観点から、連結業績を反映した配当を基本方針とし、資金の状況、財務の状況等を総合的に勘案しながら連結配当性向35%を基準とした利益配分を目指しております。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。当社グループは、運転資金および設備投資資金については、自己資金、金融機関からの借入および社債発行により資金を調達しております。 (4) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値が実際の結果と異なる可能性があります。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 市場環境変動のリスク自動車業界の構造変化(内燃機関車の減少など)や景気変動による設備投資の減少は、同社の主要顧客からの需要を低下させる可能性があります。特に、自動車業界は同社グループの最大顧客であり、急激な需要変動は経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
- 地政学的なリスクグローバルに事業を展開しているため、事業展開国・地域でのテロ、戦争、紛争などの発生は、製品販売の減少、工場操業の停止、部品調達の支障を引き起こす可能性があります。連結売上高の60%以上が海外であるため、これらのリスクは広範囲に影響を及ぼす可能性があります。
- サプライチェーンに関するリスクグローバルに広がるサプライチェーンにおいて、サプライヤーの事業環境変化(経済混乱、価格高騰など)や個別の事由により、部品調達や工場操業が困難になる可能性があります。これにより、製品の生産減少や遅延が発生し、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書提出日(2026年6月25日)現在において、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには以下のようなものがありますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業等にとって現時点では未知のもの、あるいは重要と見なされていない他のリスクについても、将来的に影響を受ける可能性もあります。 [リスクマネジメントについて](1)基本的な考え方事業を継続的に維持・発展させていくためには、企業の社会的責任を果たすとともに、事業活動を遂行する上で発生しうる様々なリスクを適切に管理することが不可欠です。このため、当社グループでは、「リスクマネジメント基本方針」を定め、経営に重大な影響を及ぼす様々なリスクについて、その要因を継続的に抽出・把握し、リスクの未然防止と損失極小化に努めております。(2)推進体制実効的かつ効率的にリスクマネジメント活動を推進するため、当社グループでは、「サステナビリティ委員会」統括のもと、環境、品質、安全衛生、コンプライアンス・危機管理、倫理等の委員会を設置しております。これらの委員会と各リスクの主管部署が互いに連携をとりながら、リスク要因の抽出・把握と未然防止に重点を置いた諸施策を継続的に実施することで、グループ全体でのリスク対策を推進しております。また、万一リスクが発生した場合に損失極小化を図るため、グローバルでの緊急連絡体制を整備・運用しております。(3)主な取り組み当社グループでは、グループ各社を取り巻くリスクの状況とその対応状況を定期的に評価しております。環境、品質、安全衛生、コンプライアンス・危機管理、倫理等の各委員会では、この評価結果を踏まえ、分野ごとに具体的なリスクマネジメント活動を行っております。2025年度は、気候変動対応、人権・労務リスク管理、サプライチェーンリスク管理、危機管理体制強化、サイバーセキュリティ対策強化、品質保証体制強化、安全衛生対策強化、知的財産活動の適正化の8点に取り組みました。これらの活動は当社のサステナビリティ委員会に報告され、都度必要な指示を受けております。 [各種リスクについて](1)経営環境に関するリスク① 市場環境変動のリスク当社グループがターゲットとする市場において、景気の下ぶれなどによる設備投資の減少や企業の稼働状況の悪化に伴う需要減少、特に当社グループにおける最大顧客である自動車業界において急激な需要変動や構造変化(内燃機関搭載自動車の生産台数減少、設備投資の縮減など)があった場合には、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。影響度中~重大対 策市場ニーズに基づいたオンリーワン商品の開発に注力し、売上高の拡大・利益の確保に努めております ② 気候変動に関するリスク当社グループは、「長期ビジョン2030」および「中期経営計画2025」において、当社グループのCO2総排出量削減目標を設定し、「2050年カーボンニュートラル達成」に向けた取り組みを強化しておりますが、気候変動や環境規制への対応が遅れた場合には、事業機会の損失や調達コスト上昇などのリスクが見込まれます。また、気候変動による自然災害の激甚化により事業活動の継続が困難になるなど、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。影響度中~重大対 策気候変動の影響を「移行リスク」と「物理的リスク」に分けてシナリオ分析を実施し、リスクと機会を特定。それぞれに対応策を定めております。また、CO2排出を削減するための活動計画を定め、「環境委員会」を中心にグループ全体で活動のPDCAを回しております ③ 海外での事業展開に伴う地政学的なリスク当社グループはグローバルに事業を展開しており、連結売上高の60%以上が海外売上高となっております。当社グループが事業展開している国や地域において、政治的・軍事的な要因により、テロや戦争・紛争などが発生した場合には、当該地域での製品販売の減少や工場操業の停止、当該地域からの部品調達に支障が生じるなど、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。影響度中~重大対 策グローバル生産体制の強化や生産拠点、調達先を分散させることなどにより当社グループ全体に与えるリスクの低減を図っております ④ 為替レート変動のリスク当社グループがグローバルに事業展開を行う中、想定を超える急激な為替変動があった場合には、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 影響度小~中対 策為替予約を分散して行うほか、生産・調達の現地化を推進することでリスクの低減を図っております (2)事業運営に関するリスク ① 品質に関するリスク当社グループは、モノづくり企業として「品質不良ゼロ」を目指したモノづくりを行っています。そのモノづくりにおいて、製品の不具合による重大な事故、リコール、クレームまたは品質不正等が発生した場合には当社のブランドイメージを悪化させるほか、補償費用やその他の費用が製造物責任保険等によってカバーしきれない場合には、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。影響度中~重大対 策「つばきグループ品質基本方針」に基づき、グループ品質委員会の下、高品質の追求と品質管理の徹底に努めております ② 情報セキュリティに関するリスク当社グループに対するサイバーアタック等により、当社グループのシステムの停止やセキュリティ上の問題、損害が発生した場合には、当社のブランドイメージを悪化させるほか、サイバーリスク保険等によってカバーしきれない場合には、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。影響度中~大対 策「電子情報セキュリティポリシー」に基づく、技術的対策、従業員への教育、定期的な情報セキュリティ監査の実施、第三者機関による脆弱性診断などにより、情報セキュリティリスクの低減に努めております。また、インシデント発生時のサイバーセキュリティ対策の体制構築に努めております ③ 人権に関するリスク当社グループが事業を展開する国や地域において、ステークホルダーの人権に対する対応が適切でない場合は、社会的評価の低下等により当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。影響度中~大対 策企業倫理強化月間を定め、国内・海外グループ会社でコンプライアンス意識向上活動を展開するとともに、人権基本方針の明文化やヘルプラインの設置、ハラスメント防止活動を展開し、リスクの低減に努めております。また、国内・海外グループ会社に人権デュー・デリジェンスを実施し、リスクの特定に努めております ④ サプライチェーンに関するリスク当社グループがグローバルに事業展開を行う中、サプライチェーンもグローバルに広がっております。当社グループのサプライヤーが事業展開を行っている国や地域において、政治的、経済的な要因により経済の一時的混乱や停滞が発生した場合またはサプライヤー個別の事由により供給の急激な変動や価格の高騰等が発生した場合には、当社グループの部品調達や工場操業が困難になり、当社グループ製品の生産減少、遅延などの問題が発生し、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 影響度中~重大対 策代替できない材料・部品等の併注化やグループ間での調達先情報の共有による供給先の多様化を図っております。また調達先とのパートナーシップ強化に努めております ⑤ エネルギー・素材(原材料)価格高騰のリスク当社グループが事業活動を行うために必要なエネルギー価格や、生産のために使用する鋼材等の素材(原材料)価格が急激に高騰した場合には、費用増加による収益性悪化を招き、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 影響度中~大対 策生産性向上活動に注力し原価低減に努めるとともに、調達先の複数化などに取り組んでおります。また、サプライヤー・顧客双方と交渉し、時勢に応じた仕入れ・販売価格の実現に努めております ⑥ 災害や疫病流行等のリスク当社グループの主要生産拠点の所在地域において、重大な災害(地震や風雨などの自然災害、事故やテロ等の人的災害)の発生や、重篤な疫病が流行した場合には、当社グループ生産拠点の被災や従業員の罹患などによる生産活動の停滞などにより安定した製品の供給ができなくなり、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。影響度中~大対 策不測の災害等に備え、「つばきグループBCP基本方針」を制定し、防災訓練や防災・減災備品の備蓄などを行っております。また、コンプライアンス・危機管理委員会の下、BCP体制強化を図っております ⑦ 知的財産権侵害のリスク当社グループは、製品の開発・改良を通じて多くの特許や商標、ノウハウ等のさまざまな知的財産を保有しております。しかし、第三者の不正利用等による知的財産権への侵害が発生した場合や第三者により知的財産権侵害の訴訟を起こされた場合には、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。影響度中~大対 策規定類の整備のほか、知的財産権に関連して他社情報の収集を行うとともに、自社権利(ノウハウ含む)の適切な管理に努めております