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アネスト岩田(6381)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 圧縮機・真空機器の製造販売
    アネスト岩田グループは、主に圧縮機(コンプレッサ)や真空ポンプ、塗装機器・設備といった産業用機械の製造と販売を手がけています。これらの製品は、工場での生産ラインや自動車の塗装、医療現場など、幅広い「モノづくり」の現場で使われており、産業の基盤を支える重要な役割を担っています。
  • 塗装機器・設備の製造販売
    特に塗装機器では、エアーブラシのような精密なものから、工場で使われる大型の塗装設備まで多岐にわたる製品を提供しています。独自のブランドで高品質な製品を開発し、国内外の顧客に直接、またはグループ会社を通じて販売することで収益を上げています。
  • グローバルな販売・製造体制
    日本国内では当社が販売を主導し、海外では各地域に子会社を設立して、その地域に合った製品やサービスを提供しています。製造拠点も日本だけでなく海外にも持ち、効率的なグローバルサプライチェーンを構築することで、安定した製品供給と収益確保を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本地域
    日本国内での売上高は183.12億円、営業利益は26.2億円で、同社グループの主要な収益源の一つです。主に国内の顧客に対して圧縮機、真空機器、塗装機器・設備を販売し、国内市場のニーズに対応した事業展開を行っています。
  • 欧州地域
    欧州での売上高は93.1億円、営業利益は8.28億円です。欧州市場の特性に合わせた製品やサービスを提供しており、地域に根ざした販売戦略を展開することで、安定した収益を上げています。
  • 米州地域
    米州(南北アメリカ)での売上高は70.75億円、営業利益は8.98億円です。この地域でも、現地の市場環境や顧客の要望に応じた製品供給とサービス提供を行い、グローバルな事業展開の一翼を担っています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 183 26 14.3%
Europe 地域 93 8 8.9%
Americas 地域 71 9 12.7%
ChinaReportableSegment 地域 115 9 7.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|403 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社並びに子会社31社・関連会社2社で構成され、専ら圧縮機、真空機器並びに塗装機器・設備の製造販売を行っており、製品市場・製品用途等の類似性から単一事業構成となっております。販売機能につきましては、日本国内については、主に当社が担っております。海外については、各地域に販売機能をもつ子会社を設立しており、各地域に見合った製品及びサービスのご提供を心掛けております。製造機能につきましては、日本国内にある当社の工場のほか、工場を持つ海外子会社が担っています。以下の図がその概要です。なお、圧縮機(主にスクリューコンプレッサ)や塗装機器(主にエアーブラシ)について、独自のブランドの製品を製造し、所在地域以外の地域のお客様に直接又は当社を含むグループ会社経由で販売している場合があります。各子会社の詳細については、「第1〔企業の概要〕-4〔関係会社の状況〕」をご参照ください。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
品質向上への不断の努力と、グローバルな視点に立脚したモノづくり
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
独自のブランドの製品を製造し、高性能かつ高品質な製品とサービスを提供
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:事業環境の変化(為替変動、法令規制含む) / 製品の品質問題 / M&Aをはじめとした事業拡大の不確実性
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

アネスト岩田は、塗装機器やコンプレッサー分野で長年の歴史と一定のブランド認知度を持つ。特に、高品質な製品に対する信頼は、特定の顧客層に支持されている。しかし、特許や強力なブランドによる独占的な地位を確立しているとは言い難い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

産業用機器は、一度導入するとメンテナンスやオペレーションの習熟度から、他社製品への切り替えに一定の手間やコストが発生する可能性がある。しかし、アネスト岩田の製品が、顧客にとって乗り換えが極めて困難なほどの高いスイッチング・コストを生み出しているとは断定できない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

アネスト岩田の事業モデルには、ユーザー数の増加が製品やサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は基本的に見られない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の製造経験とノウハウにより、一定のコスト競争力は有していると考えられる。しかし、競合他社と比較して構造的に圧倒的なコスト優位性を確立しているという証拠は乏しい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

塗装機器やコンプレッサーといったニッチながらも安定した市場において、一定のシェアを確保しており、規模の経済による効率的な生産・販売体制を構築している。業界全体で見ると、大手としての地位を確立しつつある。

  • 独自の技術とブランド力
    アネスト岩田は、圧縮機(特にオイルフリースクロールコンプレッサ)や塗装機器(エアーブラシなど)において、世界で初めて開発・発売した製品を持つなど、独自の高い技術力とブランド力を確立しています。これにより、他社との差別化を図り、顧客からの信頼を得ています。
  • グローバルな事業展開
    海外販売比率が過半を占めるほど、世界各国に販売・製造拠点を展開しています。これにより、特定の地域経済の変動リスクを分散し、多様な市場ニーズに対応できる柔軟な事業構造を構築しており、安定的な収益基盤となっています。
  • 品質へのこだわりと顧客信頼
    製品の開発から製造、販売、アフターサービスに至るまで、厳格な品質基準を設け、ISO9001認証の取得などにより品質管理を徹底しています。これにより、製品の信頼性を高め、顧客からの長期的な信頼関係を築くことで、安定した事業継続に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 真の開発型企業への変革
    お客様に感動を与える高性能・高品質な製品開発を追求し、コストダウンや既存技術改良だけでなく、市場ニーズを捉えた柔軟なコラボレーションを通じて「真の開発型企業」を目指しています。これにより、持続的な成長と企業価値向上を図ります。
  • グローバル市場での成長
    2026年3月期から始まる新中期経営計画では、海外市場を成長の主戦場と位置づけ、各国の特性に合わせた成長戦略を策定しています。M&Aを含む「新領域の創出」や海外での販路拡大に注力し、2036年3月期に連結売上高1,000億円を目指す「Vision2035」の達成に向けた第一歩と位置づけています。
  • 社会課題解決とDX推進
    オイルフリーコンプレッサによるCO2排出削減や、塗装時のVOC排出量削減など、製品を通じて社会課題解決に貢献する取り組みを強化しています。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、生産現場や営業活動の効率化、新たなビジネスモデル構築により、収益体質の強化と競争力向上を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、確約されたものではありません。(1)グループ経営ビジョン当社グループは、さらなる成長へ向けて以下の「グループ経営ビジョン」を定めております。・お客様の立場に立ち、誠心を込めて高性能かつ高品質な製品とサービスをご提供できる、活力と新規性に満ちた開発型企業となる。・コストダウンや社内コア技術を中心とした改良型商品開発から、市場のニーズを確実に捉え、さまざまな企業とコラボレーションする柔軟な企業となる。・世界No.1を目指して、グループの全従業員が一丸となり、お客様満足度の最大化に努め、革新的な技術・製品を常に生み出していく、「真のグローバルワン・エクセレントメーカ」になることを目指す。(2)経営方針・経営戦略等3ヶ年にわたる新たな中期経営計画に基づく事業活動を2026年3月期より開始しております。この計画に基づき、成長市場を海外と位置付け、「真の開発型企業」として、「全ての顧客に感動を与える商品開発」と「高性能・高品質」を提供し続けてまいります。(新中期経営計画の概要)①数値目標目標(2028年3月期)評価指標(KGI)連結売上高620億円以上、連結営業利益61.7億円以上、EPS132.0円以上、ROE11.0%以上②コンセプト現中期経営計画は、2036年3月期に連結売上高1,000億円の達成を目指す「Vision2035」の実現に向けた第一段階として、第一次中期経営計画と位置づけています。従業員一人ひとりの意識改革を促し、行動変容を推進することで、変革への第一歩を踏み出します。創業100周年を第二創業の出発点と位置づけ、既存事業のさらなる深化を図るとともに、周辺事業及び新領域への拡張にも着手し、新たな成長の柱の構築を進めています。 ③事業戦略の概要既存事業にしっかりと軸足を置きながらも従来の領域にとらわれることなく、周辺分野や新規領域におけるM&Aを含むインオーガニックな「新領域の創出」及び海外の重点地域を中心とした販路拡大に注力します。詳細については、当社ウェブサイト(URL:https://www.anestiwata-corp.com/jp/ir/management-plan)をご参照ください。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題2027年3月期においては、前連結会計年度よりスタートした中期経営計画をもとに、地政学的リスクを始めとした様々な不確実性に左右されない、強力な経営基盤の確立を実現してまいります。事業拡大の主戦場を海外市場と位置付け、エリアの特性を踏まえた成長戦略を個別に策定し、グループ全社を挙げて経営資源の有効活用を進めます。 このような経営環境の中、当社グループは、持続的な成長を確保するためにM&Aを含む多角的な投資を強化いたします。新たなニーズを開拓する新規事業の開発や、グローバル展開を推進する多様な人材を育成すべく人的投資や開発投資を拡大し、次の100年に向けて全てのお客様に感動を提供する「真の開発型企業」を目指してまいります。・事業推進における社会課題への取り組みエアエナジー事業では、当社グループが世界で初めて開発・発売したオイルフリースクロール圧縮機をさらに進化させてエネルギー効率を高め、省エネ性を実現することによりCO2の排出削減に貢献してまいります。また、オイルフリー機の販売比率を高めることで、工業用潤滑油の生成や廃棄時に排出されるCO2を削減し環境負荷の低減を目指してまいります。 コーティング事業では、塗装時に発生するVOC(揮発性有機化合物)の排出量を削減するため、コーティング技術の追求を継続するとともに、塗装・乾燥・搬送時におけるエネルギーコストを最大限に抑えるためのコーティング機器と設備の開発に注力してまいります。 ・M&Aや新規事業の推進当社グループは、次の成長段階へと進むため、従来の事業領域に依存することなく、新たな戦略を模索しております。中長期的な目標として、2035年度に売上規模1,000億円を達成することを掲げており、そのためには大胆なM&Aや新規事業の確立が不可欠であると考えています。 M&Aの推進については、潜在的なターゲット企業の選定から企業価値算定及び統合プロセスのスムーズな進行まで、効率的に行うべく体制の強化を進めています。戦略的に価値のある企業との連携や統合を通じてシナジー効果を生み出し、企業の競争力を高めます。 新規事業については、様々なパートナーとの協働を通じて、新市場での可能性を探り、具体的な成果を得るための実践的な知見を積み重ねています。これにより、新たな収益源を確立し、会社全体の成長を支えていく計画です。 これらの取り組みを通じて、当社グループは、変化に柔軟に対応できるたくましい企業体質で新たな挑戦を続け、企業としての総合力をさらに向上させてまいります。・DXの推進当社グループは、収益体質の強化と価値提供の進化を実現するため、DXの推進が極めて重要であると認識しています。生産現場や営業活動においては、データや生成AI技術を活用した取り組みが既に進んでおり、これらの取り組みを拡大・深化させることで、業務効率の向上や新たなビジネスモデルの構築を目指しています。 また、DX推進のためには、専門技術を有する人材の育成及び生成AI技術を効果的に活用できる組織体制への改革が急務であると認識しています。加えて、サイバーリスクの高まりに対応するため、最新のセキュリティ技術の導入と適切なリスク管理体制の構築も重要な取り組みとして位置付けています。 これらの課題に対し、当社グループはシステムの統合やクラウド環境への移行、人材育成プログラムの充実、さらにセキュリティ対策の強化を通じて、持続的な企業成長と競争力向上を目指してまいります。・サプライチェーンの最適化様々な不確実性によるサプライチェーンの分断を回避するため、サプライヤーごとのBCP(事業継続計画)を策定し、特に特殊な材料や加工、処理を必要とする部品や海外における一国集中生産等に関しては、サプライヤーへの取引条件に関する支援等とともに、サプライヤー並びに生産地の追加等を進めています。 また、かねてより生産効率の向上とサプライチェーンの安定化を目指した生産計画における改革を進めてまいりましたが、安定した生産と製品供給を実現するため、この改革をさらに強力に推進してまいります。・従業員の健康と「働きがい」の維持による組織の活性化当社グループが豊かな社会の実現に貢献し持続的な成長を遂げるためには、従業員の健康とやりがいを重視し、健全な職場環境を整えることが必要であると認識しています。関連部署が一体となり、ヘルスリテラシーの向上やライフワークバランスの確保に向けた働き方改革に取り組んでいます。 さらに、従業員のモチベーションと「働きがい」の向上は、パフォーマンス最大化の重要な要素であると認識し、人事制度の見直しを積極的に進めています。従業員が成果に応じて適正に評価される制度を強化し、「働きがい」を感じられる職場環境の整備に努めています。 これらの取り組みを通じて、当社グループは引き続き、従業員の健康と「働きがい」を支える施策を強化・推進し、そのパフォーマンスを最大限に引き出すことにより企業全体の競争力向上を実現してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、確約されたものではありません。(1)グループ経営ビジョン当社グループは、さらなる成長へ向けて以下の「グループ経営ビジョン」を定めております。・お客様の立場に立ち、誠心を込めて高性能かつ高品質な製品とサービスをご提供できる、活力と新規性に満ちた開発型企業となる。・コストダウンや社内コア技術を中心とした改良型商品開発から、市場のニーズを確実に捉え、さまざまな企業とコラボレーションする柔軟な企業となる。・世界No.1を目指して、グループの全従業員が一丸となり、お客様満足度の最大化に努め、革新的な技術・製品を常に生み出していく、「真のグローバルワン・エクセレントメーカ」になることを目指す。(2)経営方針・経営戦略等3ヶ年にわたる新たな中期経営計画に基づく事業活動を2026年3月期より開始しております。この計画に基づき、成長市場を海外と位置付け、「真の開発型企業」として、「全ての顧客に感動を与える商品開発」と「高性能・高品質」を提供し続けてまいります。(新中期経営計画の概要)①数値目標目標(2028年3月期)評価指標(KGI)連結売上高620億円以上、連結営業利益61.7億円以上、EPS132.0円以上、ROE11.0%以上②コンセプト現中期経営計画は、2036年3月期に連結売上高1,000億円の達成を目指す「Vision2035」の実現に向けた第一段階として、第一次中期経営計画と位置づけています。従業員一人ひとりの意識改革を促し、行動変容を推進することで、変革への第一歩を踏み出します。創業100周年を第二創業の出発点と位置づけ、既存事業のさらなる深化を図るとともに、周辺事業及び新領域への拡張にも着手し、新たな成長の柱の構築を進めています。 ③事業戦略の概要既存事業にしっかりと軸足を置きながらも従来の領域にとらわれることなく、周辺分野や新規領域におけるM&Aを含むインオーガニックな「新領域の創出」及び海外の重点地域を中心とした販路拡大に注力します。詳細については、当社ウェブサイト(URL:https://www.anestiwata-corp.com/jp/ir/management-plan)をご参照ください。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題2027年3月期においては、前連結会計年度よりスタートした中期経営計画をもとに、地政学的リスクを始めとした様々な不確実性に左右されない、強力な経営基盤の確立を実現してまいります。事業拡大の主戦場を海外市場と位置付け、エリアの特性を踏まえた成長戦略を個別に策定し、グループ全社を挙げて経営資源の有効活用を進めます。 このような経営環境の中、当社グループは、持続的な成長を確保するためにM&Aを含む多角的な投資を強化いたします。新たなニーズを開拓する新規事業の開発や、グローバル展開を推進する多様な人材を育成すべく人的投資や開発投資を拡大し、次の100年に向けて全てのお客様に感動を提供する「真の開発型企業」を目指してまいります。・事業推進における社会課題への取り組みエアエナジー事業では、当社グループが世界で初めて開発・発売したオイルフリースクロール圧縮機をさらに進化させてエネルギー効率を高め、省エネ性を実現することによりCO2の排出削減に貢献してまいります。また、オイルフリー機の販売比率を高めることで、工業用潤滑油の生成や廃棄時に排出されるCO2を削減し環境負荷の低減を目指してまいります。 コーティング事業では、塗装時に発生するVOC(揮発性有機化合物)の排出量を削減するため、コーティング技術の追求を継続するとともに、塗装・乾燥・搬送時におけるエネルギーコストを最大限に抑えるためのコーティング機器と設備の開発に注力してまいります。 ・M&Aや新規事業の推進当社グループは、次の成長段階へと進むため、従来の事業領域に依存することなく、新たな戦略を模索しております。中長期的な目標として、2035年度に売上規模1,000億円を達成することを掲げており、そのためには大胆なM&Aや新規事業の確立が不可欠であると考えています。 M&Aの推進については、潜在的なターゲット企業の選定から企業価値算定及び統合プロセスのスムーズな進行まで、効率的に行うべく体制の強化を進めています。戦略的に価値のある企業との連携や統合を通じてシナジー効果を生み出し、企業の競争力を高めます。 新規事業については、様々なパートナーとの協働を通じて、新市場での可能性を探り、具体的な成果を得るための実践的な知見を積み重ねています。これにより、新たな収益源を確立し、会社全体の成長を支えていく計画です。 これらの取り組みを通じて、当社グループは、変化に柔軟に対応できるたくましい企業体質で新たな挑戦を続け、企業としての総合力をさらに向上させてまいります。・DXの推進当社グループは、収益体質の強化と価値提供の進化を実現するため、DXの推進が極めて重要であると認識しています。生産現場や営業活動においては、データや生成AI技術を活用した取り組みが既に進んでおり、これらの取り組みを拡大・深化させることで、業務効率の向上や新たなビジネスモデルの構築を目指しています。 また、DX推進のためには、専門技術を有する人材の育成及び生成AI技術を効果的に活用できる組織体制への改革が急務であると認識しています。加えて、サイバーリスクの高まりに対応するため、最新のセキュリティ技術の導入と適切なリスク管理体制の構築も重要な取り組みとして位置付けています。 これらの課題に対し、当社グループはシステムの統合やクラウド環境への移行、人材育成プログラムの充実、さらにセキュリティ対策の強化を通じて、持続的な企業成長と競争力向上を目指してまいります。・サプライチェーンの最適化様々な不確実性によるサプライチェーンの分断を回避するため、サプライヤーごとのBCP(事業継続計画)を策定し、特に特殊な材料や加工、処理を必要とする部品や海外における一国集中生産等に関しては、サプライヤーへの取引条件に関する支援等とともに、サプライヤー並びに生産地の追加等を進めています。 また、かねてより生産効率の向上とサプライチェーンの安定化を目指した生産計画における改革を進めてまいりましたが、安定した生産と製品供給を実現するため、この改革をさらに強力に推進してまいります。・従業員の健康と「働きがい」の維持による組織の活性化当社グループが豊かな社会の実現に貢献し持続的な成長を遂げるためには、従業員の健康とやりがいを重視し、健全な職場環境を整えることが必要であると認識しています。関連部署が一体となり、ヘルスリテラシーの向上やライフワークバランスの確保に向けた働き方改革に取り組んでいます。 さらに、従業員のモチベーションと「働きがい」の向上は、パフォーマンス最大化の重要な要素であると認識し、人事制度の見直しを積極的に進めています。従業員が成果に応じて適正に評価される制度を強化し、「働きがい」を感じられる職場環境の整備に努めています。 これらの取り組みを通じて、当社グループは引き続き、従業員の健康と「働きがい」を支える施策を強化・推進し、そのパフォーマンスを最大限に引き出すことにより企業全体の競争力向上を実現してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。(1)業績に関する説明①経営成績当連結会計年度の業績は、売上高55,909百万円(前連結会計年度比2.8%増)、営業利益5,563百万円(同5.8%減)、経常利益7,718百万円(同8.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,356百万円(同25.2%増)となりました。(ご参考値)事業部別の状況(単位:百万円)事業区分 当連結会計年度2025年4月1日~2026年3月31日(製品区分)連結売上高(前年同期増減率)連結営業利益(前年同期増減率)エアエナジー事業33,6830.8%3,313△2.5% 圧縮機31,1241.7% 真空機器2,559△9.3%コーティング事業21,4914.2%2,541△2.5% 塗装機器17,9410.3% 塗装設備3,55029.8%その他 73499.8%△291-合計 55,9092.8%5,563△5.8% (注)1.事業別の連結営業利益は、当社グループ独自の基準により算定しております。2.当連結会計年度より、従来「エアエナジー事業」及び「コーティング事業」に区分していたDIY向け機器の収益については、製品の性質や販売体制等を総合的に勘案し、「その他」へ区分変更しました。なお、製品区分ごとの比較情報については、前連結会計年度の数値を変更後の事業・製品区分に組み替えた数値で比較しております。3.「その他」には、コンシューマー向け製品の販売やモビリティアフターサービス事業を展開する日本の連結子会社に関する収益などが含まれます。②財政状態の分析1)資産資産は、流動資産が、47,507百万円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。これは主に、「受取手形及び売掛金」が1,476百万円増加したことなどによるものです。固定資産は、27,133百万円(同13.2%増)となりました。これは主に、将来的な新領域の事業開拓を目的とした投資により「投資有価証券」が2,008百万円増加したことなどによるものです。その結果、総資産は74,641百万円(同7.9%増)となりました。2)負債負債は、流動負債が、13,677百万円(同12.5%増)となりました。これは主に、「支払手形及び買掛金」が720百万円増加したことなどによるものです。固定負債は、3,420百万円(同1.7%減)となりました。これは主に、「リース債務」が143百万円減少したことなどによるものです。その結果、負債合計は17,098百万円(同9.3%増)となりました。3)純資産純資産は、57,542百万円(同7.4%増)となりました。これは主に、「親会社株主に帰属する当期純利益」を5,356百万円計上した一方で、「配当金」の支払いが2,533百万円となり「利益剰余金」が2,822百万円増加したことや「為替換算調整勘定」が725百万円増加したことなどによるものです。また、純資産より非支配株主持分を除いた自己資本は50,745百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の67.7%から0.3ポイント増加し68.0%となりました。 ③キャッシュ・フローの状態当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます)は、前連結会計年度末に比べ410百万円増加し、当連結会計年度末には18,096百万円(同2.3%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。1)営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動の結果、資金収支は8,145百万円の収入(同16.4%減)となり、前連結会計年度末に比べ1,600百万円の減少となりました。これは主に、持分法適用会社からの配当に伴う「持分法による投資損益」の変動により資金流入が1,600百万円減少したことや「棚卸資産の増減額」の変動により資金流入が1,232百万円減少したことなどによるものです。2)投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果、資金収支は4,326百万円の支出(同32.9%増)となり、前連結会計年度末に比べ1,070百万円の支出の増加となりました。これは主に、「投資有価証券の取得による支出」が2,127百万円発生したことなどによるものです。3)財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果、資金収支は3,864百万円の支出(同1.7%減)となり、前連結会計年度末に比べ68百万円の支出の減少となりました。これは主に、自己株式の取得を前連結会計年度には実施した一方、当連結会計年度には実施しなかったことから、「自己株式の取得による支出」が768百万円減少したことなどによるものです。 (2)生産、受注及び販売の状況①生産実績当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。セグメント金額(百万円)前期比増減率(%)日本21,66813.5%欧州3,899△5.1%米州1,46422.6%中国9,4356.6%その他6,2190.6%合計42,6878.3% ②受注及び受注残高当連結会計年度における塗装設備の受注状況は、次のとおりであります。セグメント受注高(百万円)前期比増減率(%)受注残高(百万円)前期比増減率(%)日本2,379△27.71,561△10.0欧州----米州6△71.3-△100.0中国76817.6671117.4その他650194.3176182.8合計3,805△9.22,40913.8 (注) 1.この受注及び受注残高は、塗装設備製品のものです。塗装設備製品以外は受注から販売までが短期間であり、受注及び受注残高の管理対象としておりません。2.中国の受注残高の増加は、主に自動車の生産に関連した設備投資案件を獲得したことなどによるものです。3.その他の受注及び受注残高の増加は、主にインドにおける自動車や住宅設備機器の生産に関連した設備投資案件を獲得したことなどによるものです。 ③販売実績当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。セグメント金額(百万円)前期比増減率(%)日本19,3875.9欧州9,8095.4米州6,909△2.4中国11,256△2.3その他8,5464.3合計55,9092.8 (3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容①概要及び経営成績当連結会計年度における世界経済は、貿易摩擦の緩和等を背景に、地域差はあるものの総じて安定基調で推移しました。一方で、地政学リスクの高まりや各国政策の不確実性が引き続き存在しており、先行きは不透明な状況が続いております。日本経済においては、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移しましたが、海外景気の動向や資源価格の変動等が景気の下振れ要因として懸念されています。 このような状況の中、当連結会計年度の業績は、売上高55,909百万円(前連結会計年度比2.8%増)、営業利益5,563百万円(同5.8%減)、経常利益7,718百万円(同8.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,356百万円(同25.2%増)となりました。これらの結果により、当連結会計年度のROEは11.0%(同1.6ポイント増)となり、自己資本比率は68.0%と0.3ポイント上昇しております。②セグメントの業績当社グループで採用しております地域別のセグメントの状況は以下のとおりであります。セグメントの業績の詳細については、「第5〔経理の状況〕-1〔連結財務諸表等〕-(1)〔連結財務諸表〕-〔注記事項〕」の(セグメント情報等)をご参照ください。(日本)売上高は27,176百万円(前連結会計年度比9.4%増)、セグメント利益は2,913百万円(同11.2%増)となりました。 圧縮機製品では、積極的なプロモーション施策の奏功や案件管理の強化により、販売・サービス事業を担う子会社の売上が増加しました。 真空機器製品では、サービス子会社において真空ポンプに関する修理・メンテナンスの売上が増加した一方で、半導体製造関連装置メーカの主な最終仕向け先である中国市場での需要減速が継続し真空ポンプの販売が縮小したことにより、全体の売上は減少しました。 塗装機器製品では、市場開拓施策の遅れなどにより主に一般塗装市場向けスプレーガンの売上が減少しました。 塗装設備製品では、主に自動車部品製造向け塗装設備の納入に伴い、売上が増加しました。(欧州)売上高は10,180百万円(前連結会計年度比0.4%増)、セグメント利益は1,015百万円(同22.5%増)となりました。利益の増加は、主に利益率が高いオイルフリー圧縮機の売上増加に加え、販売体制の再構築を通じた効率化に伴う販売管理費の減少などによるものです。 圧縮機製品では、OEM供給先の需要が継続して拡大したことにより、オイルフリー圧縮機の売上が増加しました。 塗装機器製品では、自動車補修市場向け新製品の浸透及び第3四半期に発売を開始した限定スプレーガンの販売好調に加え、展示会出展によるPR施策の奏功などにより、売上は増加しました。 (米州)売上高は7,272百万円(前連結会計年度比2.3%減)、セグメント利益は863百万円(同3.8%減)となりました。 圧縮機製品では、アメリカでは通商政策に伴う環境の変化の中でも販売は回復傾向にあることに加え、ブラジルにおける車両搭載市場向け圧縮機の販売拡大が売上をけん引しました。 真空機器製品では、期末にかけた需要の取り込みが奏功したことで、研究開発向け真空ポンプの売上が増加しました。 塗装機器製品では、アメリカにおいてスプレーガン及びエアーブラシの販売体制の見直し・強化を実施したことで販売は回復基調に転じたものの、第3四半期までの落ち込みを第4四半期で補うには至らず、全体の売上は減少しました。(中国)売上高は12,274百万円(前連結会計年度比2.3%減)、セグメント利益は517百万円(同41.4%減)となりました。利益の減少は、主に中国市況の低迷を背景とした圧縮機製品を製造販売する子会社の業績悪化などによるものです。 圧縮機製品では、中国市況に底打ちの兆しが見えたことによる国内販売の回復及び輸出先の景況感の回復に伴う販売拡大があったものの、第3四半期までの落ち込みを第4四半期でカバーできず、前年同期比で売上は減少しました。 真空機器製品では、前連結会計年度末以降、リチウムイオン電池製造関連装置向け真空ポンプの販売低迷が継続したことから、売上は減少しました。このような状況を踏まえ、新規顧客の開拓にも引き続き注力しています。 塗装機器製品では、マーケティング活動が奏功し、工業塗装市場及び自動車補修市場向けスプレーガンの売上が増加しました。 塗装設備製品では、前事業年度における自動車部品製造向け塗装設備案件の反動減などにより売上は減少しました。(その他)売上高は10,262百万円(前連結会計年度比3.2%増)、セグメント利益は1,477百万円(同4.5%減)となりました。利益の減少は、主に塗装機器を販売する子会社における在庫の増加に伴う原価率の上昇などによるものです。 圧縮機製品では、タイやインドにおける中形圧縮機の販売が拡大しつつある一方で、インドにおける特定市場向けを主とした小形圧縮機の販売減速が継続しており、全体として売上は減少しました。 塗装機器製品では、価格改定に伴いタイを中心に売上が伸長しました。 塗装設備製品では、インドにおける自動車部品製造向け大型塗装設備の納入に伴い、売上が増加しました。③資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの財源については自己資本を基本としつつも、一部、金融機関等からの借り入れにより調達しています。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は、海外子会社を含む設備投資、M&A等によるものであります。また、当社グループの当連結会計年度末において、短期借入金899百万円に対して現金及び現金同等物の期末残高18,096百万円と資金の流動性を確保しています。なお、当座貸越極度額及びコミットメントライン契約額8,007百万円を結んでおり、これらの契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高は99百万円です。 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。当社が採用する重要な会計方針については、「第5〔経理の状況〕-1〔連結財務諸表等〕-(1)〔連結財務諸表〕-〔注記事項〕」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、権限を明確に定め、適切な情報に基づく判断に努めていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。なお、詳細については、「第5〔経理の状況〕-1〔連結財務諸表等〕-(1)〔連結財務諸表〕-〔注記事項〕」の(重要な会計上の見積り)をご参照ください。(有形固定資産及びのれんを含む無形固定資産の減損)固定資産の減損損失の認識の判定においては、将来キャッシュ・フローを見積った事業計画をもとに行っております。当社グループは事業拡大を目的としてM&Aを含む子会社等への投資を積極的に行っているため、特に関係会社等の保有する固定資産、のれんの減損損失の判定、及びのれん計上時の償却年数の算定は当社グループの業績等に重要な影響を及ぼすと認識しており、その際に使用される見積りや前提条件については慎重に検討し取締役会が監督することで適切性を確保しています。しかしながら、市場環境の変化等により、将来キャッシュ・フローの見積りの前提条件が変化した場合には、減損損失が認識されるか否かの判定及び減損金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

事業リスク

  • 事業環境の変化と為替変動
    世界のモノづくりに貢献する同社は、海外販売比率が高く、急速な事業環境の変化や各国の法規制変更、予測困難な為替変動の影響を強く受けます。これにより、既存製品の需要減少や収益性の悪化など、経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
  • 製品の品質問題
    製品の開発から製造、調達、組立の各工程で品質基準を満たさない製品が市場に出た場合、多額の賠償責任やクレーム対応、製品回収費用が発生するリスクがあります。これにより、顧客からの信頼を失い、経営成績に悪影響を与える可能性があります。
  • M&Aに伴うリスク
    事業基盤強化のためM&Aを積極的に推進していますが、買収後の統合プロセスがうまくいかない場合や、当初想定したシナジー効果が得られない場合があります。これにより、対象企業の業績低迷や期待収益の未達、実質価値の低下など、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,842 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した「事業の状況」、「経理の状況」等に関する事項のうち、経営者が当社グループの企業価値並びに財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という)に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。(1)事業活動に関するリスク①事業環境の変化 当社グループは創業以来、塗装機器及び空気圧縮機といった製品及びこれに付随するサービスを市場へ提供することにより、世界のモノづくりに貢献してまいりました。その結果、海外販売比率が過半を占め、人材、製品・サービス、資金の流れが多様化する中で、急速に変化する事業環境の影響を一層強く受ける状況となっております。 このため、既存の市場や製品、ビジネスモデルに固執することは、各国市場における構造の変化や既存製品の需要減少等、市場環境の変化に起因するリスクを増大させ、当社グループの持続的成長及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、グローバルな事業展開に伴い、当社グループの販売や資材調達等の取引には外貨建ての取引が含まれるため、予測困難かつ急激な為替変動により経営成績等に影響が生じるリスクも存在いたします。さらに、各国の法令及び規制の変更に伴う不確実性も事業環境の変化を促進する要因として認識しており、状況に応じた迅速な対応策及びリスク管理体制の強化に努めております。 このようなリスクを未然に防ぐため、既存事業においては品質向上への不断の努力と、グローバルな視点に立脚したモノづくりを通じ、気候変動をはじめとする社会的課題の解決に資する製品開発を継続するとともに、新規事業の積極的な開拓及び柱となる事業基盤の構築を推進してまいります。そのため、失敗を恐れず果敢な挑戦を促す企業文化の醸成と、事業ポートフォリオ・マネジメントに基づく事業基盤の強化及び多角化に向け、様々な協力企業との業務提携を積極的に推進いたします。また、当社グループ内での交流及び情報収集をさらに強化し、市場ニーズの的確な把握に努め、国や地域ごとの特性を十分に考慮した上で、柔軟かつ迅速に事業環境の変化へ対応する体制と経営戦略の確立を目指します。合わせて、需要増加や物流費の上昇等の局面においても製品の安定供給を実現するため、複数購買の活用や物流網の再構築など、サプライチェーンの強化策を着実に講じております。なお、持続的成長が達成できず経営成績等に悪影響が生じた場合には、取締役会をはじめとする意思決定機関において速やかに協議を行い、事業戦略の再構築と必要なリスク管理措置の展開を図る方針です。②製品の品質当社グループにおいては、製品の開発、設計、部材の調達、加工、組立等の各工程において、万一の欠陥により品質基準を満たさない製品が市場に供給され、欠陥に起因する損害が発生すると、賠償責任、クレーム対応、製品回収及び交換等に起因して多大な費用が発生するとともに、お客様の信頼喪失により当社グループの経営成績等に重大な影響を及ぼすリスクが存在いたします。 このため、当社グループは、製品の欠陥発生を未然に防止するため、厳格な品質基準を定める規程、規格及び標準の順守を徹底するとともに、製品開発の初期段階から品質保証部門が客観的な立場で介在し、潜在的な課題の早期発見と是正に努めております。さらに、国内のみならず、海外の生産拠点においても、ISO9001認証の取得又は現地に適合した品質管理システムの運用等を通じ、各国の市場要求や品質基準に確実に適合する体制を整備しております。 また、不測の事態が発生した際には、速やかに経営会議並びに品質保証委員会へ報告し、品質保証部門を中心にリコール等の必要な措置を迅速に講じるとともに、国内においては当社グループの100%子会社であるサービス会社を中心としたサービス体制、海外においては各子会社が販売からサービスまで一貫して対応する体制を一層強化しております。 ③M&Aをはじめとした事業拡大当社グループは、事業基盤の強化を加速し持続的な成長を確保するため、必要と認識した企業への資本参加、買収を含む協働先との包括的な業務提携等を積極的に推進しております。 しかしながら、M&A実施後においては、統合プロセスにおける経営方針や戦略の共有不備、または協業体制の不整合等に起因して、対象企業の従来の販売エリアにおける顧客からの信頼が損なわれる可能性があるとともに、当初想定した効果や利益が十分に実現されず、対象企業の業績低迷のほか、期待した収益性を維持できず実質の価値が著しく低下した場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。このようなリスクに対して、当社は、M&Aに関連する確認項目を明確に定め、事前にリスクやリターン、対象企業の財務状況、契約関係その他の重要事項について慎重な検討を実施し、デューデリジェンスを経た上で、十分なシナジー効果が得られるとの判断のもとで取引を実行しております。加えて、M&A成立後には、統合計画(PMI)を適切に実行し、経営陣及び担当事業部門による密接な経営支援体制を構築し各リスクの早期発見及び未然防止に努めております。 やむを得ずこれらのリスクが実現した場合には、契約継続の可否判断、損失の確定及び状況に応じた迅速な対策の実施により、速やかに適切な経営判断を下すとともに、損失の拡大防止に努めます。(2)人材に関するリスク①人材の確保及び活用当社グループは、持続的成長の実現及び市場環境の急速な変化に柔軟に対応するため、個性と能力の多様性に富む人材の確保及び育成が極めて重要であると認識しております。そのため、国内においては通年採用を実施し、新卒採用に加え幅広い職種におけるキャリア採用の強化に取り組んでおります。 しかしながら、現行の採用戦略並びに採用後の育成方針や人事評価制度に対して、市場環境及び事業戦略の変化に応じた見直しや改善が不十分な場合、将来にわたり必要な水準の人材確保が困難となるリスクが存在し、これに起因して企業価値向上に向けた施策が計画通りに進展しない可能性が懸念されます。さらに、勤務条件や報酬制度の見直しが不十分な場合には、人材流出のリスクも併発するおそれがあります。 このようなリスクに対応するため、当社は、適正な労務管理のもと、各部門における適材適所の人材配置を実現するための人材開発プログラムの充実及びグローバルな視点を取り入れた人事評価制度の再構築とダイバーシティ・マネジメントの強化を重点的に推進いたします。加えて、多国籍人材の採用体制のさらなる強化や評価者への研修制度の充実並びに雇用条件や報酬制度の見直しを図るとともに、業務の自動化及びデジタル化を積極的に推進することにより、労働力の有効活用と組織全体の効率化を目指してまいります。さらに、事業環境や市場動向の変化に迅速かつ柔軟に対応するため、当該リスクに関する継続的なモニタリングと、必要に応じた採用戦略及び人材育成施策の抜本的な見直しを実施する体制を整備しております。②労働問題当社グループは、従業員の過半数が海外拠点に勤務する外国人によって構成されています。各国の社会情勢や労働環境に応じた働き方が求められる状況下では、国内外における労働組合等との間で勤務条件などを巡る問題が生じるリスクがあります。労働争議が発生し早期に解決しない場合、事業運営の安定性や製品供給に深刻な悪影響をもたらし、顧客からの信頼低下を通じて企業価値や経営成績に直接影響する可能性があります。 当社は、社是「誠心(まことのこころ)」を中核とするアネスト岩田フィロソフィの浸透や、各国の制度に適合した雇用条件及び評価制度の運用を通じた帰属意識の向上を図るとともに、海外では各子会社が販売からサービスまで一貫して対応する体制を確立しており、現地における労働問題の未然防止や早期解決並びに事業運営の安定に寄与すると考えております。 3)ITに関するリスク①ITの活用グローバル展開における競争力強化のため、絶え間ない革新が続くITの導入によって製品の付加価値向上及び業務効率の向上を通じて経営体質の改善を図ることは不可欠であると考えております。しかし、投資の優先順位付けや要件定義の不備、導入後の定着不足、突発的な事態によるIT人材・知見の毀損等により、IT戦略の実行が滞ったり、最新のITトレンドに沿った製品開発の遅延や業務効率の改善に遅れが生じたりすることで、競争力や経営効率が低下し経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 そのため、当社グループは、経営計画に基づいた中長期的なIT戦略を策定し、IT投資が企業成長に与える効果を定期的に検証しております。 なお、リスクが顕在化した場合には、IT専門人材の積極的な登用やパートナー企業との連携拡大並びに陳腐化したIT資産の適時償却によって迅速に経営基盤の立て直しを図る体制を講じることで、リスクの影響を最小限に抑える措置を実施いたします。②情報セキュリティ事業活動を安定的かつ持続的に推進するため、情報システムの安全性・信頼性の維持の重要性は年々増しております。当社グループは、事業活動において取得した技術開発や営業に関する機密情報並びに個人情報について厳重に管理しておりますが、自然災害、予期しないサイバー攻撃、コンピュータウイルスによる不正アクセス並びに従業員の故意又は過失による情報流出に起因して、情報の漏えいや改ざん、システム障害が発生するリスクが存在します。さらに、これらの情報が悪用された場合の損害賠償責任等を通じて経営成績に悪影響を及ぼす可能性があると認識しております。 これに対応するため、当社グループは、重要データの適切なバックアップの取得をはじめとする必要かつ十分なセキュリティ対策を講じ、従業員に対しても継続的な教育を実施しております。また、本社主導で海外子会社を含むグループ全体の情報セキュリティ体制のさらなる強化を図っております。 万一、これらのリスクが実現した際には、その要因・経緯を速やかに把握し、必要に応じて外部専門家の支援を得て被害の最小化に努めるとともに適切に開示し、二次被害の最小化並びに信頼回復に努めてまいります。(4)法令等に関するリスク①事業活動に関わる法規制全般への対応当社グループの事業は、多様な国や地域で展開されており、それぞれの国や地域における各種法規制や基準への対応が不可欠です。近年は、国際的な合意や国内制度の整備により、企業に求められる社会的責任やガバナンスへの期待が一層高まっております。具体的には、輸出入の管理や製品安全、知的財産権、労働環境や個人情報保護、さらには自社の事業活動及びサプライチェーン全体にわたる人権・環境への配慮等、その対象分野は多岐にわたります。さらに、規制の新設・改正や行政当局の監督強化が進んだり、法規制が想定を上回るスピードや範囲で強化された場合、想定外のコスト負担や事業計画の変更を迫られることにより、当社グループの事業及び業績に悪影響を与える可能性があります。 当社グループでは、これら多岐にわたる法規制の動向や、ビジネス環境の変化を的確に把握できるよう、各地域の事業拠点を中心に情報収集の体制を構築しております。特に、地域や対象分野特有の見直し等が加速した場合に備え、関連する情報を精査し、事業拡大の方向性や製品開発・サービス提供の見直しを機動的に行います。 ②法令等違反による不正行為近年、企業の不祥事が報道される中、当社グループにおいて知的財産権の侵害、品質不正、贈収賄及びハラスメント等の不正行為が発生した場合、短期的には賠償責任などで経営成績に影響が出るのみならず、信用の著しい失墜により販売活動や採用活動に支障を来すなど、長期的には企業価値の低下や最悪の場合、企業存立に関わる事態に陥る可能性があります。 これに対応するため、当社グループでは、役員及び従業員が不正行為を行わないための体制や仕組みの構築、グループ会社への健全な経営支援を推進しています。また、海外子会社を含む内部通報制度の整備や、監査等委員会及び内部監査部門によるモニタリング体制を確立し、法令違反等の不正行為が発生しないよう努めています。 万一、事態が発生した場合には、速やかに取締役会へ報告するとともに第三者による調査、事実の開示、該当者への適切な処分を実施し、再発防止策の策定と迅速な開示を行う体制を整えています。③知的財産当社グループは、世界中のお客様に高性能かつ高品質な製品とサービスを提供するため、活力と新規性に満ちた開発型企業を目指しています。その取り組みの中で、現時点で保有している、または将来開発する製品や技術、ビジネスモデルが、第三者に模倣される恐れや、意図せずに第三者の知的財産権、特許権、商標権を侵害してしまうリスクが存在します。 万一、そのような事態が発生した場合、損害賠償や訴訟費用の発生に加えて、技術自体の利用制限や不利な条件での利用を強いられることで、当社グループの経営成績等に悪影響が及ぶ可能性があります。 これを踏まえ、当社グループでは、技術や製品について、特許権や意匠権、商標権など関連する権利を国内外で取得し、グローバルな権利網を構築しています。加えて、開発内容ごとに侵害予防調査や定期的な他社出願調査を実施し、第三者の知的財産を尊重するとともに、意図しない侵害を防止しています。さらに、管理体制の強化と、関係する外部機関との協力によるリスクの回避や影響の最小化を図っています。④国際税務当社グループは、世界の主要な地域に子会社を有し、グローバルな事業活動を展開しています。グループ会社間取引に際し、移転価格税制などの法規制を遵守し、適正な取引価格の設定に努めることで国際税務リスクに対応しています。しかしながら、税務当局との見解の相違により指摘を受けた場合、追徴課税などが発生し、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 これに対応するため、当社グループは国際税務の動向に注視するとともに、外部専門機関と連携し、正確な法的理解に基づいた取引を実現することで、税務当局との見解相違を未然に防ぐ体制を整えています。⑤固定資産の減損損失等の会計処理固定資産の減損損失等の適切な会計処理のためには、将来キャッシュ・フローを適切に見積った事業計画が必要になります。当社グループでは、M&Aを含む子会社等への投資を積極的に行っておりますので、特に以下の会計処理を判断する場合において、各子会社等の適切な事業計画が必要となります。 ・当社の個別財務諸表における関係会社株式等の減損損失の判定 ・連結財務諸表の基礎データとなる子会社等の保有する固定資産の減損損失の判定 ・連結財務諸表におけるのれんの計上時の償却年数の算定、及び、減損損失の判定 これらの判断時点における事業計画が適切なものではない場合には、結果として不適切な会計処理をおこなったことになり、当社の信用が著しく失われるリスクがあるものと理解しております。 このため、各子会社等の事業計画の策定にあたっては、主管である当社の事業部門及び経理部門が積極的に関与しております。また、これらの事業計画は経営及び会計に知見のある社外取締役が過半数を占める取締役会に報告されており、その指導・監督を受けております。これらの透明性のある手続きにより、事業計画の適切性を確保しております。 (5)その他のリスク①予期しない発生事象当社グループは、世界各国で事業を展開しているため、予測不能な政治的・経済的変動、戦争・テロ、感染症の流行、大規模な自然災害など、様々な地政学的リスクにさらされる可能性があります。これらの事象により、事業所の損壊や保護主義による規制強化、貿易摩擦から原材料調達や物流が停滞し、コストが増大することで、製品供給に甚大な影響が及ぶ恐れがあります。さらに、リスクが長期化または拡大すると、収益性の低下や固定資産の減損を通じ、当社グループの経営成績等に重大な悪影響を与える可能性があります。 これに対応するため、当社グループはBCPの策定、生産拠点の分散、グループ間での代替調達の検討などにより、供給体制の強化と経営環境の的確な把握を進め、事業活動の強靭化に努めています。

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