6405

鈴茂器工(6405)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 米飯加工機械の製造販売
    寿司ロボットや盛付けロボットといった米飯加工機械を製造し、国内外の飲食店やスーパーマーケットに販売しています。特に寿司ロボットは世界90カ国以上で使われており、主力製品として収益を支えています。
  • 衛生資材の製造販売
    子会社を通じて、アルコール系洗浄剤や除菌剤などの衛生資材を製造・販売しています。これは食品を扱う顧客の衛生管理ニーズに応えるもので、米飯加工機械事業とシナジー効果を生んでいます。
  • 店舗システム関連の開発販売
    飲食店向けのPOSシステムやセルフオーダーシステムなどの店舗システムを開発・販売しています。これにより、顧客の省人化や効率化を支援し、米飯加工機械と合わせてトータルソリューションを提供することで収益機会を拡大しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 米飯加工機械関連事業
    寿司ロボットや盛付けロボットなどの米飯加工機械の製造・販売が中心です。国内外の飲食店やスーパーマーケットが主要顧客で、特に寿司ロボットは世界90カ国以上で展開され、グループの売上と利益の大部分を占める主力事業です。
  • 衛生資材関連事業
    子会社である株式会社セハージャパンが、アルコール系洗浄剤や除菌剤などの衛生資材を製造・販売しています。食品を扱う顧客の衛生管理ニーズに応えるもので、米飯加工機械事業と連携し、顧客への総合的な提案を可能にしています。
  • 店舗システム関連事業
    飲食店向けのPOSシステムやセルフオーダーシステムなどの店舗システムの開発・販売を行っています。近年、株式会社日本システムプロジェクトの買収によりこの分野を強化しており、顧客の省人化・効率化を支援することで、新たな収益源として成長を目指しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|673 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社4社(うち連結子会社3社)及び関連会社1社で構成され、主として寿司用米飯加工機械(以下、寿司ロボット)、盛付け用米飯加工機械(以下、盛付けロボット)等の米飯加工機械の製造・販売及びアルコール系洗浄剤、除菌剤等の衛生資材の製造・販売、ならびに飲食店向けのPOSシステムやセルフオーダーシステム等の店舗システム関連の開発・販売に関する事業を行っております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 (1) 米飯加工機械関連当社は、寿司ロボット、盛付けロボット等の米飯加工機械の製造・販売を行っております。販売については、ユーザーに対して直接販売を行っている他、包装材商社、厨房機器商社等及び当社製品を専売する販売代理店を通じて販売を行っております。海外市場については、主として北米向けは子会社のSuzumo International Corporation、ASEAN地域はSuzumo Singapore Corporationを通じて、またその他アジア、欧州、その他の地域へは国内外の商社等を通じて製品を販売しております。(2) 衛生資材関連子会社(株)セハージャパンは、アルコール系洗浄剤、除菌剤等の衛生資材の製造・販売を行っており、当社においては仕入・販売を行っております。(3) 店舗システム関連当社は、飲食店向けのPOSシステムやセルフオーダーシステム等の店舗システムの開発・販売を行っております。なお、事業の系統図は以下のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
他社に先駆けて小型寿司ロボットの製造販売を開始し、一定の市場シェアを有しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
他社に先駆けて1981年より小型寿司ロボットの製造販売を開始し、多くの特許を保有している。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:顧客の出店計画に関するリスク / 市場競争に関するリスク / 海外事業に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

寿司ロボット分野における長年の実績とブランド認知度は一定の無形資産となりうる。特に、海外市場での日本食ブームを背景としたブランド力向上は期待できるが、特許などの強力な知的財産権による保護は限定的。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

寿司ロボットは初期投資が大きく、導入後のオペレーション変更には手間がかかるため、顧客が競合製品へ乗り換える際のスイッチングコストは比較的高め。特に、既存の生産ラインとの互換性や、従業員の習熟度も考慮される。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

現時点では、ユーザーが増えることで製品価値が向上するようなネットワーク効果は観測されない。個々の顧客との関係性が主であり、プラットフォーム型ビジネスではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

製造プロセスにおける効率化や部品調達でのコスト削減努力は行われていると考えられるが、競合他社と比較して構造的なコスト優位性を示す明確な証拠はない。少量多品種生産の側面もあり、スケールメリットによるコスト優位は限定的。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

寿司ロボット市場において、同社は主要プレイヤーの一つであり、一定の市場シェアを確保している。しかし、市場全体が成熟しているわけではなく、グローバルな競合も存在するため、圧倒的な効率規模による寡占状態とは言えない。

  • 寿司ロボットの世界シェアNo.1
    1981年に世界初の量産型小型寿司ロボットを開発して以来、世界の90カ国以上に製品を販売し、この分野で圧倒的な市場シェアを確立しています。長年の実績と技術力が強みとなり、顧客からの信頼を得ています。
  • 幅広い顧客層と販売網
    回転寿司や丼チェーン店などの外食産業に加え、スーパーマーケットなどの中食産業も主要顧客としています。また、直接販売のほか、商社や販売代理店を通じた国内外の広範な販売網を持つことで、安定的な収益基盤を築いています。
  • 多様な事業によるシナジー
    米飯加工機械だけでなく、衛生資材や店舗システムも手掛けることで、顧客の多様なニーズに対応しています。これにより、単なる機械販売に留まらず、顧客の店舗運営全体をサポートするソリューションを提供し、競合との差別化を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 真のグローバル企業体制の構築
    寿司やおむすびなどの日本食が世界的に認知度を高めている状況を捉え、北米や欧州を含む海外市場での事業拡大を最重要戦略としています。グローバル大手スーパーマーケットや外食チェーンへの拡販、販売店体制の強化、海外ブランディングの推進を通じて、海外事業の成長を加速させます。
  • 付加価値創造型企業への進化
    国内市場では、市場シェア約80%を占める寿司ロボットに加え、未導入業態が多いご飯盛付けロボット「Fuwarica」の市場拡大を推進します。また、米飯加工機械以外の提案製品やサービスラインナップを拡充し、顧客の事業課題解決を支援することで、案件あたりの付加価値提供を最大化することを目指します。
  • サステナブルな成長を実現する企業基盤の構築
    新製品・新事業投資、設備投資、無形資産投資を積極的に行い、企業価値の最大化を図ります。M&Aやアライアンスによる外部との共創、新工場での生産方式変更による生産能力向上と原価低減、そして増配や自己株式取得による総還元性向30%以上を基本方針とした株主還元を強化します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月29日)現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社は、1961年に製菓機械メーカーとして創業、そして、1981年に世界初の量産型小型寿司ロボットを開発し、世界の90ヵ国以上に寿司ロボットを販売する世界シェアNo.1企業へと成長してまいりました。『食の「おいしい」や「温かい」を世界の人々へ』を長期ビジョンとして掲げ、食の分野で、「おいしい」や「温かい」という価値を追求する製品・商品・サービス・情報を国内外の事業者に提供し、食文化の向上を通じて社会に貢献できる企業へと成長することを目標に、グループ一丸となって取り組んでまいります。 (2)中期経営計画「Next 2028」について① 基本方針当社グループは、2025年5月13日に、2026年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「Next 2028」を公表いたしました。事業成長と社会的価値向上による企業価値の最大化を図るために、「真のグローバル企業体制の構築」「付加価値創造型企業への進化」「サステナブルな成長を実現する企業基盤の構築」の3点を基本方針と定めております。 ② 目標とする経営指標中期経営計画の最終年度である2028年3月期の連結目標数値を、以下のように策定しております。1) 売上高220億円2) 営業利益30億円3) ROE12.0% ③ 成長戦略・海外戦略寿司、おむすびなどの日本食は世界レベルで認知度が高まっており、日本食レストランも拡大し続けております。また、日系企業の海外進出についても、アジア圏に加えて今後は北米や欧州への進出が加速していき、本格的な市場拡大が見込まれます。そうした市場拡大に対応した事業基盤を構築し、北米を中心とした海外事業の成長を図ります。 重点取り組み● グローバル大手スーパーマーケット・外食への拡販● 販売店体制の強化・見直し● 海外進出を志向する日系企業のサポート強化● 海外ブランディングの推進● 大型米飯加工機械の強化 ・国内戦略当社が市場シェアの約80%を占める寿司ロボットのマーケットは、成熟期を迎えております。このマーケットに続き未導入の業態や店舗が多く存在するご飯盛付けロボットFuwaricaのマーケット拡大を推進します。また、顧客の事業課題解決を推進するために、米飯加工機械以外の提案製品やサービスラインナップを拡充し、案件あたりの付加価値提供面積を拡大してまいります。 重点取り組み● ご飯盛付けロボットFuwaricaの市場拡大● 米飯加工機械以外の提案製品やサービスラインナップを拡大し、 顧客の事業課題解決を推進 ・開発戦略「単体製品の高付加価値化」「製品連携による高付加価値化」「システムの活用」の3つのテーマを柱に、国内外の外部企業と連携し、高度化する省人省力化・店舗拡大の課題に対応した開発を強化します。 ・生産戦略主力の小型機をメインに生産する新工場において、今までの「セル生産方式×製番方式」から「ライン生産方式×MRP方式」へと変更することで、旺盛な需要に対応するための生産能力の向上と生産性の改善に伴う原価低減に取り組んでまいります。 ④ 資本・財務戦略事業を成長させるための新製品・新事業投資、設備投資、無形資産投資を積極的に推進し、企業価値の最大化を図ります。 新製品・新事業投資● 外部との共創を積極的に進めるM&A、アライアンス等の投資設備投資● 新製品開発に伴う金型投資● 売上規模拡大に伴う生産及び販売能力の拡張への投資● 生産性の向上を進めるためのITシステム投資 無形資産投資● 事業競争力を向上させる人材、ブランド、研究開発、知的財産への投資 増配及び総還元性向(配当金・自己株式取得)30%以上を基本方針とし、中間配当と期末配当の年2回の株主還元を行い、機関投資家及び個人投資家向けIRの積極的な推進と国内外への情報開示を強化してまいります。 株主還元● 増配● 総還元性向(配当金・自己株式取得) 30%以上● 配当回数 年2回(中間配当及び期末配当)資本市場との対話● 機関投資家及び個人投資家IRの積極的推進● 情報開示の強化株式インセンティブ● 全グループ従業員(国内)を対象とした「株式給付信託(J-ESOP)」の導入● 当社役員を対象とした「業績連動型株式報酬制度(株式給付信託(BBT-RS))」の導入
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月29日)現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社は、1961年に製菓機械メーカーとして創業、そして、1981年に世界初の量産型小型寿司ロボットを開発し、世界の90ヵ国以上に寿司ロボットを販売する世界シェアNo.1企業へと成長してまいりました。『食の「おいしい」や「温かい」を世界の人々へ』を長期ビジョンとして掲げ、食の分野で、「おいしい」や「温かい」という価値を追求する製品・商品・サービス・情報を国内外の事業者に提供し、食文化の向上を通じて社会に貢献できる企業へと成長することを目標に、グループ一丸となって取り組んでまいります。 (2)中期経営計画「Next 2028」について① 基本方針当社グループは、2025年5月13日に、2026年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「Next 2028」を公表いたしました。事業成長と社会的価値向上による企業価値の最大化を図るために、「真のグローバル企業体制の構築」「付加価値創造型企業への進化」「サステナブルな成長を実現する企業基盤の構築」の3点を基本方針と定めております。 ② 目標とする経営指標中期経営計画の最終年度である2028年3月期の連結目標数値を、以下のように策定しております。1) 売上高220億円2) 営業利益30億円3) ROE12.0% ③ 成長戦略・海外戦略寿司、おむすびなどの日本食は世界レベルで認知度が高まっており、日本食レストランも拡大し続けております。また、日系企業の海外進出についても、アジア圏に加えて今後は北米や欧州への進出が加速していき、本格的な市場拡大が見込まれます。そうした市場拡大に対応した事業基盤を構築し、北米を中心とした海外事業の成長を図ります。 重点取り組み● グローバル大手スーパーマーケット・外食への拡販● 販売店体制の強化・見直し● 海外進出を志向する日系企業のサポート強化● 海外ブランディングの推進● 大型米飯加工機械の強化 ・国内戦略当社が市場シェアの約80%を占める寿司ロボットのマーケットは、成熟期を迎えております。このマーケットに続き未導入の業態や店舗が多く存在するご飯盛付けロボットFuwaricaのマーケット拡大を推進します。また、顧客の事業課題解決を推進するために、米飯加工機械以外の提案製品やサービスラインナップを拡充し、案件あたりの付加価値提供面積を拡大してまいります。 重点取り組み● ご飯盛付けロボットFuwaricaの市場拡大● 米飯加工機械以外の提案製品やサービスラインナップを拡大し、 顧客の事業課題解決を推進 ・開発戦略「単体製品の高付加価値化」「製品連携による高付加価値化」「システムの活用」の3つのテーマを柱に、国内外の外部企業と連携し、高度化する省人省力化・店舗拡大の課題に対応した開発を強化します。 ・生産戦略主力の小型機をメインに生産する新工場において、今までの「セル生産方式×製番方式」から「ライン生産方式×MRP方式」へと変更することで、旺盛な需要に対応するための生産能力の向上と生産性の改善に伴う原価低減に取り組んでまいります。 ④ 資本・財務戦略事業を成長させるための新製品・新事業投資、設備投資、無形資産投資を積極的に推進し、企業価値の最大化を図ります。 新製品・新事業投資● 外部との共創を積極的に進めるM&A、アライアンス等の投資設備投資● 新製品開発に伴う金型投資● 売上規模拡大に伴う生産及び販売能力の拡張への投資● 生産性の向上を進めるためのITシステム投資 無形資産投資● 事業競争力を向上させる人材、ブランド、研究開発、知的財産への投資 増配及び総還元性向(配当金・自己株式取得)30%以上を基本方針とし、中間配当と期末配当の年2回の株主還元を行い、機関投資家及び個人投資家向けIRの積極的な推進と国内外への情報開示を強化してまいります。 株主還元● 増配● 総還元性向(配当金・自己株式取得) 30%以上● 配当回数 年2回(中間配当及び期末配当)資本市場との対話● 機関投資家及び個人投資家IRの積極的推進● 情報開示の強化株式インセンティブ● 全グループ従業員(国内)を対象とした「株式給付信託(J-ESOP)」の導入● 当社役員を対象とした「業績連動型株式報酬制度(株式給付信託(BBT-RS))」の導入
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇の継続により消費者マインドに弱さがみられるものの、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の高まりなどによって、景気は緩やかな回復基調にあります。一方で、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクの高まり、中国経済の先行き懸念、中東地域を巡る情勢不安など依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループは、『食の「おいしい」や「温かい」を世界の人々へ』を長期ビジョンとして掲げ、2026年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「Next 2028」の基本方針「真のグローバル企業体制の構築」「付加価値創造型企業への進化」「サステナブルな成長を実現する企業基盤の構築」の下で、各種施策を推進し、事業成長と社会的価値向上による企業価値の最大化に取り組んでおります。このような状況の中、国内は、当社の主要顧客の外食・小売業において、インバウンド需要の堅調な推移や人手不足を背景とした省人化ニーズは継続しているものの、原材料やエネルギー価格、人件費の高騰による厳しい事業環境が継続しているほか、前第4四半期会計期間からのコメの価格高騰による事業者の設備投資計画の延期等への影響もあり、製品需要は軟調に推移いたしました。製品・業態別では、寿司ロボットはスーパーマーケットにおける増設需要の落ち着き、寿司業態では大手回転寿司チェーンを中心に入替需要の一服感もあり、売上高は減少しました。また、ご飯盛付けロボット(Fuwarica)は、大手ホテルチェーン店やスーパーマーケットへの導入が進む等、新規開拓は進捗しているものの、レストラン・食堂業態における大手チェーン店の入替需要が一巡した影響もあり、売上高は減少しました。その結果、国内売上高は前連結会計年度を下回りました。海外は、米国の通商政策の動向や中東地域での地政学リスクなど先行き不透明な状況は継続しているものの、外食・小売業における日系企業の海外進出の増加、人手不足の深刻化や人件費の高騰による省人化、日本食の普及拡大の動きは継続しております。地域別では、北米は、日本食の普及や日系企業の進出、機械化や省人化の動きは引き続き高い水準で推移しており、前連結会計年度後半より導入が開始された大手スーパーマーケットチェーンでの店内調理向けの寿司ロボットは当初の想定より効果は限定的であったものの、おにぎり市場の拡大に伴う大手テイクアウトチェーン向けのおにぎり成形機の導入が寄与した結果、北米の売上高は増加しました。一方、欧州は、前々連結会計年度より取り組んでいる現地事業者への需要の掘り起こしや販売店支援活動等の効果により製品需要の回復が進んでおり、売上高は概ね横這いで推移しました。また、東アジアは、中国景気の低迷を背景に事業者の設備投資計画の延期等への影響はあるものの、日系の大手回転寿司チェーンによる進出が増加したことにより製品需要は伸長し、売上高が増加いたしました。その結果、海外売上高は前連結会計年度を上回りました。この結果、当連結会計年度の売上高は、158億64百万円(前連結会計年度比1.9%増)と前連結会計年度を上回る結果となりました。国内・海外別の売上高の内訳は、国内売上高が100億33百万円(同5.4%減)、海外売上高が58億31百万円(同17.5%増)となりました。 当連結会計年度の概況 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)(%)売上高15,568100.015,864100.02961.9 国内10,60568.110,03363.2△572△5.4 海外4,96231.95,83136.886817.5売上総利益7,86450.57,59047.8△273△3.5営業利益1,89012.11,0096.4△880△46.6経常利益1,94712.51,0436.6△903△46.4親会社株主に帰属する当期純利益1,4629.46023.8△860△58.8 利益面につきましては、売上高は増加したものの、新工場の稼働開始に向けた人員増強に伴う製造労務費の増加及び新工場の減価償却開始に伴う経費等固定費の増加により、売上総利益は75億90百万円(同3.5%減)と前連結会計年度を下回りました。営業利益は、売上総利益の減少に加え、事業拡大に伴う人員増強やインフレ対応に伴うベースアップのほか、人材の成長促進や組織の活性化を目的とした人事制度の改定による人件費、事業基盤構築に向けた外部委託費、販売促進の強化に向けた展示会費等の増加、また、2025年8月8日に公表しました資本業務提携解消に伴う弁護士費用及び自己株式取得手数料等想定外のコストが発生したことにより販売費及び一般管理費が増加し、10億9百万円(同46.6%減)と前連結会計年度を下回りました。経常利益は、10億43百万円(同46.4%減)と前連結会計年度を下回りました。また、移転価格税制に基づく行政指導を受けた結果、加算税及び延滞税を含めた追徴税額等を過年度法人税等に計上した影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は、6億2百万円(同58.8%減)と前連結会計年度を下回りました。 財政状態は、次のとおりであります。(資産)当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ3億70百万円減少し191億1百万円となりました。これは主に、現金及び預金が26億23百万円減少、建設仮勘定が10億83百万円減少した一方で、建物及び構築物(純額)が25億31百万円増加、無形固定資産その他に含まれるソフトウエア仮勘定が2億34百万円増加、売掛金が2億23百万円増加、流動資産その他に含まれる未収消費税等が1億69百万円増加したことによるものであります。 (負債)当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ26億41百万円増加し61億44百万円となりました。これは主に、長期借入金が15億円増加、1年内返済予定の長期借入金が11億47百万円増加したことによるものであります。 (純資産)当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ30億12百万円減少し129億56百万円となりました。これは主に、自己株式が取得の影響等により32億23百万円増加したことと、利益剰余金が1億86百万円増加したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ26億36百万円減少し29億60百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加額2億8百万円、棚卸資産の増加額1億82百万円、法人税等の支払額8億38百万円による資金の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益10億35百万円、減価償却費4億71百万円、賞与引当金の増加額1億19百万円等により、4億33百万円の資金の増加(前連結会計年度比9億31百万円の減少)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出17億2百万円、無形固定資産の取得による支出2億33百万円等の資金の減少により、19億85百万円の資金の減少(前連結会計年度比6億10百万円の減少)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入36億円がありましたが、自己株式の取得による支出32億28百万円、長期借入金の返済による支出9億52百万円、配当金の支払4億16百万円等による資金の減少により、10億92百万円の資金の減少(前連結会計年度比5億56百万円の減少)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)米飯加工機械関連10,037,62690.5 (注) 金額は販売価格によっております。 b. 受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)米飯加工機械関連15,925,142101.5551,449112.3 (注) 金額は販売価格によっております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)米飯加工機械関連15,864,553101.9 (注) 金額は販売価格によっております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループは、『食の「おいしい」や「温かい」を世界の人々へ』をビジョンとして掲げ、2025年5月13日に、2028年3月期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画「Next 2028」を公表し、新たな目標に向けて事業活動に取り組んでまいりました。 a. 財政状態の分析 財政状態の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 b. 経営成績の分析経営成績の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 なお、当社グループの2025年3月期及び2026年3月期の実績、中期経営計画の最終年度である2028年3月期の目標数値は次のとおりであります。 2025年3月期実績2026年3月期実績対前年増減率2028年3月期目標対目標進捗率売上高155億円158億円1.9%220億円72.1%営業利益18.9億円10.0億円△46.6%30.0億円33.6%営業利益率12.1%6.4%― 13.6%― ROE9.6%4.2%― 12.0%― 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フロー)当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 (資金需要)当社グループの資金需要の主なものは、金型等の設備投資、出資等の長期資金需要と製品製造のための材料・部品購入、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。 (財務政策)当社グループは、事業活動のための適切な流動性を確保し、事業戦略上必要となる投資等の資金需要に適応できる財務構造の確立を目指しております。また、営業キャッシュ・フローから生み出される資金を中心にして将来必要となる設備資金及び運転資金を手当てしてまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。会計方針の適用及び会計上の見積りにあたって、特に重要な判断を要する項目は以下のとおりであります。 a.棚卸資産の評価損当社グループは、商品、製品、原材料、仕掛品については総平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)で、貯蔵品については最終仕入原価法で評価しております。棚卸資産の評価は、棚卸資産が原価法に基づき正しく評価されているかどうかを確認するため、定期的に実施されております。当社グループは、主に長期滞留在庫や収益性の低下した製品在庫などについて、棚卸資産の評価損として計上しております。当社グループの棚卸資産の評価は適正と判断しておりますが、市況や消費者ニーズが当社グループの計画と大きく乖離する場合、棚卸資産評価損の金額は増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 b.繰延税金資産繰延税金資産に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 c.退職給付費用及び債務当社グループの主要な退職給付制度は、当社における退職一時金制度です。従業員の退職給付費用及び債務は、割引率、退職率、死亡率を含む前提条件に基づいて算出されています。これらの前提条件は年に一度見直しています。割引率は、退職給付費用及び債務を決定する上で、重要な前提条件です。割引率は一定の格付けを有し、安全性の高い長期国債の期末における市場利回りを基礎として決定しています。経営者は、これらの前提条件は適切であると考えていますが、実際の結果との差異や前提条件の変更が将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。

事業リスク

  • 顧客の設備投資計画変動
    主要顧客である外食・中食大手チェーンの新規出店や改装計画が変更・中止された場合、米飯加工機械の需要が減少し、当社の経営成績に大きな影響を与える可能性があります。顧客の景況感や投資意欲に左右されるリスクがあります。
  • 市場競争の激化
    米飯加工機械市場には複数の競合他社が参入しており、今後、競争がさらに激化する可能性があります。新製品開発や顧客ニーズへの対応が遅れた場合、市場シェアの低下や収益性の悪化を招く恐れがあります。
  • 海外事業と為替変動
    海外での事業展開は、各国の税制・法規制の変更、政情不安、為替レートの急激な変動などのリスクを伴います。特に為替変動は、海外子会社の業績や資産の円換算価値に影響を与え、当社グループ全体の業績や財政状態を悪化させる可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,848 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)顧客の出店計画に関するリスク 当社は、回転寿司、丼チェーン店等の外食業態やスーパーマーケット等の中食業態を主力ユーザーとしております。このような広域に店舗展開している大手チェーンストアを中心に、継続的に当社製品を採用頂いております。 当社は、お客様に対する提案営業の充実やお客様のニーズに基づいた新製品の市場投入等を随時行っておりますが、お客様の新規出店・改装等の設備投資計画の変更や中止により、当社の経営成績に大きな影響を与える可能性があります。 (2)市場競争に関するリスク 当社が主要な事業領域としている米飯加工機械市場においては、当社の他、業務用米飯加工機械を製造している数社の業者が参入しております。当社は、他社に先駆けて1981年より小型寿司ロボットの製造販売を開始し、米飯加工機械市場において、一定の市場シェアを有しているものと考えています。今後におきましても、顧客ニーズを先取りする新製品の開発に力を注いでまいりますが、将来においても、当社の市場シェアを維持できる保証はなく、更に競争が激化した場合には、当社製品の市場シェアが低下するなど、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)海外事業に関するリスク 当社が海外展開を行っている事業は、各国税制や各国法規制の予期せぬ変化、移転価格や事前確認申請の交渉における予期せぬ結果、各国政府による許認可政策や補助金政策の変化、急激な為替レートの変動、各国の政情不安等の海外事業に付随したリスクを抱えております。これらのリスクが顕在化した場合、海外市場での安定的な製品の販売が困難となり、当社の経営成績に影響を与え、事業の成長を阻害する可能性があります。 (4)連結財務諸表に与える為替変動リスク 海外連結子会社における営業収益、費用及び資産等の現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算しております。従って、円換算時の為替レートにより、これらの項目の円換算後の価値が影響を受ける可能性があり、為替レートの変動は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)業績の季節変動に関するリスク 当社は、国内の年末年始休暇及び恵方巻シーズンを前に資材品や機械の入替・導入需要が高まり、第3四半期に売上高及び利益が偏重する傾向があります。 (6)企業買収及び事業・資本提携に関するリスク 当社は、既存の事業基盤の強化・拡大、新事業分野への進出のために、事業戦略の一環として企業買収及び事業・資本提携を行う可能性があります。当社は2019年11月6日に中東地域に新たな日本的な米飯加工市場を創造する取り組みを行うため、中東地域で米飯加工品の製造販売を行うBluefin Trading LLCの株式の35%を取得しております。また、2021年10月1日に飲食店の省人化・効率化を実現する新たな製品・サービスの構築を目指し、主に飲食店向けのPOSシステムやセルフオーダーシステム等の店舗システム関連の開発・販売に関する事業を行っている株式会社日本システムプロジェクトの株式の100%を取得しました(2025年9月1日に同社を吸収合併)。2022年4月1日にはサービス体制の強化を図るため、関東甲信越エリアにおける当社製品のサービスの外部委託先であったスズモメンテナンス株式会社の株式の100%を取得し、同年6月1日には同社を吸収合併しております。このような企業買収及び事業・資本提携の実施に際しては、十分なリスクの検討を行いますが、企業買収後の事業計画が当初の計画通りに進捗しない場合には、多額の資金投入が発生し、又はその収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合には、減損損失を計上し、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)知的財産に関するリスク 当社は、知的財産の重要性を認識し、多くの特許を保有してきましたが、特定の国では特許権が完全に保護されない場合や第三者が当社の特許を侵害し、類似製品や模倣した製品を製造・販売した場合に、これらを防止できず、ユーザー及びターゲットの喪失により、当社の事業優位性に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の事業が他者の知的財産権を侵害した場合、損害賠償請求又は使用差止請求等の訴訟費用の発生により、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)原材料・資材の調達に関するリスク 当社は、外部の供給業者から多くの原材料や部品を調達しています。こうした原材料や部品の価格が需給のひっ迫や市況の変動等によって急激に高騰し、それらが長期化した場合は利益を減少させる可能性があります。また、原材料や部品の調達に支障をきたした場合、製品の製造や販売が困難となり、経営成績の悪化を招く可能性があります。 (9)製品・サービス品質に関するリスク 当社はISOに準拠した独自の品質管理体制を構築していますが、当社が提供する製品やサービスに重大な瑕疵や欠陥があった場合、多額の賠償責任を負う可能性があり、当社の経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、そのような事態が発生した場合には、当社に対する社会的評価及びブランド価値の低下を招き、当社製品に対する需要を減退させ、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)自然災害等の予測困難な事象に関するリスク 当社は、日本、アメリカ、シンガポールを拠点として日本、北米、アジア、欧州その他地域で事業活動を営んでおり、特に生産活動は日本国内の2拠点のみで行っております。それらの国・地域において地震・台風・洪水といった自然災害、戦争・テロ・事故及び火災等の予測困難な事象が発生した場合、製品の製造や物流、販売活動に被害を受けることにより、当社の経営成績及び財政状態に重大な影響が生じる可能性があります。 (11)感染症に関するリスク 当社は、回転寿司、丼チェーン店等の外食業態やスーパーマーケット等の中食業態を主力ユーザーとしております。感染症の影響により、インバウンド消費を含む外食需要の低迷による顧客数や顧客店舗数の減少、又は顧客の新店計画、既存店における当社の機械の入替計画の中止や見直しが発生し、当社の経営成績に大きな影響を与える可能性があります。また、各国において都市閉鎖、外出制限等が実施された場合、国内外の物流網の停滞により、海外市場への製品販売や部材調達が困難となり、当社の経営成績に影響を与え、事業の成長を阻害する可能性があります。

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