事業の概要
- 金型事業自動車部品メーカー向けの精密な金型を製造・販売しています。これは、自動車の部品を作るための「型」であり、高い技術力が求められる分野です。長年の経験と技術の蓄積により、高品質な金型を提供し、自動車産業の発展を支えています。
- 精密部品事業自動車関連産業向けに、高い精度が要求される精密な部品を製造しています。金型事業で培った技術を応用し、顧客のニーズに合わせた多様な部品を提供することで、自動車の性能向上に貢献しています。この事業も自動車産業の動向に大きく左右されます。
- フィルタ事業産業用フィルタの製造・販売を行っています。これは、液体や気体から不純物を取り除くための製品で、自動車産業以外の幅広い分野にも展開しています。この事業は、特定の業界への依存度を低減し、収益源の多様化を図る上で重要な役割を担っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 金型事業自動車部品メーカー向けの金型を製造・販売する事業です。最新年度の売上高は48億6,084万2千円と、ニチダイグループの中で最も大きな売上を占める主力事業です。自動車産業の技術動向や生産動向に大きく影響を受けますが、長年培った精密鍛造技術が強みとなっています。
- 精密部品事業自動車関連産業向けの精密部品を製造・販売する事業です。最新年度の売上高は43億6,497万9千円と、金型事業に次ぐ規模の事業であり、グループの主要な収益源の一つです。金型事業と同様に、自動車産業の動向に左右される傾向があります。
- フィルタ事業産業用フィルタの製造・販売を行う事業です。最新年度の売上高は23億7,689万2千円であり、金型事業や精密部品事業と比較すると規模は小さいですが、自動車産業以外の分野にも展開することで、事業の多角化とリスク分散に貢献しています。今後、この事業の拡大も重要な戦略の一つとされています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| KanagataReportableSegment | 事業 | 49 | − | − |
| SeimituBuhinReportableSegment | 事業 | 44 | − | − |
| Filter | 事業 | 24 | − | − |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社と子会社のニチダイフィルタ株式会社、NICHIDAI(THAILAND)LTD.、NICHIDAI ASIA CO.,LTD.、NICHIDAI U.S.A. CORPORATIONの5社で構成されております。事業区分は、セグメントと同一であり、主たる事業の系統図は次のとおりであります。なお、連結子会社であったTHAI SINTERED MESH CO.,LTD. は、2025年7月1日にNICHIDAI(THAILAND)LTD.を存続会社とする吸収合併により消滅しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 精密鍛造技術、拡散接合(焼結)技術、鍛造DXに向けたインテリジェントダイセット開発。 |
|---|---|
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
会社が挙げる主要リスク:特定業界(自動車関連産業)への依存度が高い / 特定顧客(三菱重工グループ)への依存度が高い / 特定地域における生産拠点の集中
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
ニチダイの事業内容(歯車加工機、歯車測定機等)において、強力なブランド力や特許、規制ライセンスといった無形資産の存在を示す具体的な情報は確認できない。ニッチ市場ではあるが、参入障壁となるほどの独占的IPは見当たらない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
歯車加工機や測定機は、一度導入するとオペレーションや保守体制の構築にコストがかかるため、顧客が他社製品へ乗り換える際のスイッチングコストは一定程度存在する。しかし、技術革新やコストメリットがあれば乗り換えの可能性は否定できない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
歯車加工機や測定機の市場において、ユーザー数の増加が製品価値を向上させるようなネットワーク効果は発生しない。個々の顧客の利用が他顧客の価値に直接影響を与えるビジネスモデルではない。
コスト優位★☆☆☆☆
長年の経験と技術蓄積による効率的な生産ノウハウは存在する可能性があるが、他社と比較して構造的に大幅なコスト優位性を確立している証拠は乏しい。特に、グローバルな競合との価格競争力については不明瞭。
規模の経済★★☆☆☆
歯車加工機・測定機というニッチ市場においては、一定のシェアを占めている可能性はある。しかし、業界全体が巨大な規模を持つわけではなく、最適化された少数寡占状態を形成していると断定するには情報が不足している。
- 精密鍛造技術長年にわたり培ってきた精密鍛造技術は、他社が容易に追随できない高い技術力として、ニチダイグループの大きな強みです。この技術を応用することで、高品質かつ高精度な金型や精密部品を製造し、顧客の複雑な要求に応えることができます。これが「他社ではできない製品」を生み出す源泉となっています。
- オンリーワン企業志向ニチダイグループは「他社ではできない製品と他社の追随を許さない高い技術力」を追求するオンリーワン企業を目指しています。これは、特定のニッチな分野で圧倒的な技術力を持ち、競合他社との差別化を図ることで、高い収益性を維持しようとする戦略です。創業から受け継がれるVSOP精神(活気、専門性、独創性、情熱)がこの志向を支えています。
- 顧客満足度重視顧客満足度(Customer Satisfaction)を最大限に実現し、永続的に向上させていくことを経営の基本方針としています。顧客のニーズを深く理解し、QDC(品質、納期、コスト)を最大化することで、顧客からの信頼を獲得し、長期的な取引関係を構築しています。これにより、安定した事業基盤を築いています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- オンリーワン企業への進化ニチダイグループは、「他社ではできない製品と他社の追随を許さない高い技術力」を追求し、特定の分野で圧倒的な存在感を持つオンリーワン企業を目指しています。これは、競争の激しい市場において、独自の技術と製品で差別化を図り、高い収益性を確保するための重要な戦略です。
- 中期経営戦略「CHANGE ~ニチノベーション 2026~」2022年度から「CHANGE ~ニチノベーション 2026~」という中期経営戦略を推進しており、VSOP精神での顧客価値創造、社員が輝き続ける会社づくり、持続可能な社会への貢献を柱としています。これにより、事業の成長と収益力強化、新事業創出、グローバル展開、社員の成長支援、ESG経営の推進を目指しています。
- 売上高営業利益率10%達成具体的な経営指標として、売上高営業利益率10%の達成を目標に掲げています。これは、単に売上を増やすだけでなく、効率的な経営と高い付加価値の提供を通じて、収益性を向上させることを重視していることを示しています。この目標達成に向けて、コア技術の応用や新事業開拓、QDCの最大化に取り組んでいます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、顧客満足度(Customer Satisfaction)・株主満足度(Investor Satisfaction)・社員満足度(Employee Satisfaction)を最大限に実現し、永続的に向上させていくことで新たな価値を創造し、社会に貢献できる企業を目指しています。 この経営理念のもと、当社グループは、「他社ではできない製品と他社の追随を許さない高い技術力」を追求するオンリーワン企業を目指すとともに、従業員の自己実現達成と社会ニーズに適合した健全な成長を持続できる3E(エクセレント・エキサイティング・エクスパンド)カンパニーの実現に向け、金型事業、精密部品事業及びフィルタ事業を展開しています。 (2) 目標とする経営指標 当社グループは、上記の経営基本方針のもと、売上高営業利益率10%の達成を目指していきたいと考えています。 (3) 中期経営戦略 当社グループは、2022年度より下記の中期経営戦略を推進しております。 中期経営戦略 「CHANGE ~ニチノベーション※1 2026~」(2022年4月策定)① VSOP※2精神での顧客価値創造 イ.事業の成長と収益力強化 ・コア技術の応用と進化による提案力強化 ・顧客視点でのQDC※3最大化 ロ.新事業の創出とグローバル企業への進化 ・シナジーを活用した新分野への探索と挑戦 ・グローバル戦略強化 ② 社員が輝き続ける会社づくり イ. 社員の成長、会社の成長を喜ぶ相互関係の構築 ・挑戦を歓迎する仕組みづくり ・組織風土改革 ロ.社員が誇れる企業への成長 ・ダイバーシティの推進 ・健康経営の実現 ③ 持続可能な社会への貢献 イ.社会から必要とされ、選ばれる企業へ ・技術による社会課題の解決 ・ESG※4経営の推進 ロ.次世代社会への貢献 ・環境に配慮したものづくり改革 ・サステナブル社会への取組み ※1 「ニチダイ」と「イノベーション」を掛け合わせた造語※2 VSOP:Vitality(活気・生命力)、Specialty(専門性・技術)、Originality(独創性・創意)、Passion(情熱)の頭文字。当社の創業から受け継がれている精神。当社の経営ビジョンに含まれている。※3 Quality:(品質)、Delivery(納期)、Cost(コスト)の頭文字。当社は差別化戦略をとっていることから、QDCの順に表記している。※4 ESG:Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字 (4) 経営環境及び対処すべき課題 当連結会計年度における世界経済は、通商政策や地政学的リスク、中国経済の減速などにより先行き不透明な状況が続いております。当社グループの主要顧客業界である日系自動車産業では、需要の回復は限定的にとどまり、生産体制の見直しや在庫調整の動きが継続しております。 また、自動車産業における電動化シフトは市場の成長には一服感も見られるものの、次世代自動車に向けた技術開発は加速しており、当社を取り巻く経営環境が進展しております。 このような状況のなか、当社グループでは、以下の中期経営戦略のもと、次の課題に対処してまいります。 1.顧客への貢献度を高める活動の強化当社グループを取り巻く環境は、自動車産業における電動化シフト、貿易政策・サプライチェーンの変化など、大きな変革期への対応が課題となっております。そのため、従来から実践しているコア技術の応用と進化による提案力をさらに推進し、お客様の求めるQDCへの対応を強化し、付加価値を最大化する活動を推進してまいります。 ・技術営業のさらなる推進 ・QDCへの対応強化 ・海外拠点改革による顧客対応力強化 2.成長戦略推進収益基盤となる既存事業の強化を図るとともに、環境の変化に合わせた成長戦略を進めていくことが課題となっております。そのため、グローバル市場への積極的活動、新事業・新分野への進出、新規品の獲得に向けた活動を強化してまいります。 ・新たな事業領域・製品領域への展開(鍛造DX等) ・自動車業界以外への拡販強化 ・グローバル展開の加速と海外拠点の競争力強化 3.魅力ある職場環境づくり昨今の労働市場を取り巻く環境の変化により、多様な働き方への対応や、労働力人口の減少に対する対応が課題となっております。そのため、IT活用を含めた社員の成長支援の拡充、働きやすい職場づくりのさらなる施策など人的資本経営への取組みを強化してまいります。 ・社員の成長を支援する機会の充実 ・健康経営の推進と多様な働き方支援 ・組織全体での相互理解を深めるコミュニケーションの促進 4.地域貢献を含む、持続可能社会に向けた活動強化当社グループでは、ステークホルダーから必要とされ、選ばれる企業となるという目的に向けて、社会の一員として持続可能な社会への貢献を推進していくことが課題となっております。このような認識のもと、当社グループでは、執行役員会において特定したマテリアリティの優先付けを実施するとともに、CO2排出量の見える化を進め、削減活動に向けた目標値の策定を推進してまいりました。また、ISO14001認証を取得し、環境マネジメント管理体制の強化にも取り組んでおります。今後も、地域社会との共生を重視し、環境・社会に配慮した事業活動を通じて、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化してまいります。 ・CO2排出量削減への取組み ・環境マネジメント体制の高度化 ・地域社会との連携を通じた社会貢献
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、顧客満足度(Customer Satisfaction)・株主満足度(Investor Satisfaction)・社員満足度(Employee Satisfaction)を最大限に実現し、永続的に向上させていくことで新たな価値を創造し、社会に貢献できる企業を目指しています。 この経営理念のもと、当社グループは、「他社ではできない製品と他社の追随を許さない高い技術力」を追求するオンリーワン企業を目指すとともに、従業員の自己実現達成と社会ニーズに適合した健全な成長を持続できる3E(エクセレント・エキサイティング・エクスパンド)カンパニーの実現に向け、金型事業、精密部品事業及びフィルタ事業を展開しています。 (2) 目標とする経営指標 当社グループは、上記の経営基本方針のもと、売上高営業利益率10%の達成を目指していきたいと考えています。 (3) 中期経営戦略 当社グループは、2022年度より下記の中期経営戦略を推進しております。 中期経営戦略 「CHANGE ~ニチノベーション※1 2026~」(2022年4月策定)① VSOP※2精神での顧客価値創造 イ.事業の成長と収益力強化 ・コア技術の応用と進化による提案力強化 ・顧客視点でのQDC※3最大化 ロ.新事業の創出とグローバル企業への進化 ・シナジーを活用した新分野への探索と挑戦 ・グローバル戦略強化 ② 社員が輝き続ける会社づくり イ. 社員の成長、会社の成長を喜ぶ相互関係の構築 ・挑戦を歓迎する仕組みづくり ・組織風土改革 ロ.社員が誇れる企業への成長 ・ダイバーシティの推進 ・健康経営の実現 ③ 持続可能な社会への貢献 イ.社会から必要とされ、選ばれる企業へ ・技術による社会課題の解決 ・ESG※4経営の推進 ロ.次世代社会への貢献 ・環境に配慮したものづくり改革 ・サステナブル社会への取組み ※1 「ニチダイ」と「イノベーション」を掛け合わせた造語※2 VSOP:Vitality(活気・生命力)、Specialty(専門性・技術)、Originality(独創性・創意)、Passion(情熱)の頭文字。当社の創業から受け継がれている精神。当社の経営ビジョンに含まれている。※3 Quality:(品質)、Delivery(納期)、Cost(コスト)の頭文字。当社は差別化戦略をとっていることから、QDCの順に表記している。※4 ESG:Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字 (4) 経営環境及び対処すべき課題 当連結会計年度における世界経済は、通商政策や地政学的リスク、中国経済の減速などにより先行き不透明な状況が続いております。当社グループの主要顧客業界である日系自動車産業では、需要の回復は限定的にとどまり、生産体制の見直しや在庫調整の動きが継続しております。 また、自動車産業における電動化シフトは市場の成長には一服感も見られるものの、次世代自動車に向けた技術開発は加速しており、当社を取り巻く経営環境が進展しております。 このような状況のなか、当社グループでは、以下の中期経営戦略のもと、次の課題に対処してまいります。 1.顧客への貢献度を高める活動の強化当社グループを取り巻く環境は、自動車産業における電動化シフト、貿易政策・サプライチェーンの変化など、大きな変革期への対応が課題となっております。そのため、従来から実践しているコア技術の応用と進化による提案力をさらに推進し、お客様の求めるQDCへの対応を強化し、付加価値を最大化する活動を推進してまいります。 ・技術営業のさらなる推進 ・QDCへの対応強化 ・海外拠点改革による顧客対応力強化 2.成長戦略推進収益基盤となる既存事業の強化を図るとともに、環境の変化に合わせた成長戦略を進めていくことが課題となっております。そのため、グローバル市場への積極的活動、新事業・新分野への進出、新規品の獲得に向けた活動を強化してまいります。 ・新たな事業領域・製品領域への展開(鍛造DX等) ・自動車業界以外への拡販強化 ・グローバル展開の加速と海外拠点の競争力強化 3.魅力ある職場環境づくり昨今の労働市場を取り巻く環境の変化により、多様な働き方への対応や、労働力人口の減少に対する対応が課題となっております。そのため、IT活用を含めた社員の成長支援の拡充、働きやすい職場づくりのさらなる施策など人的資本経営への取組みを強化してまいります。 ・社員の成長を支援する機会の充実 ・健康経営の推進と多様な働き方支援 ・組織全体での相互理解を深めるコミュニケーションの促進 4.地域貢献を含む、持続可能社会に向けた活動強化当社グループでは、ステークホルダーから必要とされ、選ばれる企業となるという目的に向けて、社会の一員として持続可能な社会への貢献を推進していくことが課題となっております。このような認識のもと、当社グループでは、執行役員会において特定したマテリアリティの優先付けを実施するとともに、CO2排出量の見える化を進め、削減活動に向けた目標値の策定を推進してまいりました。また、ISO14001認証を取得し、環境マネジメント管理体制の強化にも取り組んでおります。今後も、地域社会との共生を重視し、環境・社会に配慮した事業活動を通じて、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化してまいります。 ・CO2排出量削減への取組み ・環境マネジメント体制の高度化 ・地域社会との連携を通じた社会貢献
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績の状況①事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況 当連結会計年度における世界経済は、インフレの落ち着きを背景に一部で回復の動きが見られたものの、通商政策や関税措置を巡る不透明感に加え、中国経済の減速や地政学的リスクの影響もあり、先行き不透明な状況が継続いたしました。わが国経済においては、インバウンド需要の回復や雇用・所得環境の改善が下支えとなったものの、物価上昇に伴う個人消費の伸び悩みなどにより、景気回復は緩やかなものとなりました。 このような経営環境のもと、当社グループの主要顧客である日系自動車産業では、需要の回復は限定的にとどまりました。電動化の進展は継続しているものの、欧州及び米国における電気自動車市場の拡大ペースには鈍化が見られます。一方で、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車の需要は堅調に推移しており、市場は依然として過渡期にあります。国内においては、自動車生産は回復傾向にあるものの、生産体制の見直しや在庫調整の動きが継続しており、当社グループを取り巻く事業環境は、引き続き不透明かつ厳しい状況が続いております。 このような状況のなか、当期における連結業績は、売上高は109億9千2百万円(前年同期比5.3%減)となりました。損益面では、減収により売上総利益が減少したことに加え、売上構成比の変化があり各種コストの抑制に努めたものの、営業損失は4億8百万円(前年同期は1億5千3百万円の営業利益)、経常損失は4億4千6百万円(前年同期は1億8千5百万円の経常利益)となりました。 また、精密部品事業における収益性見直しに伴う固定資産の減損処理を行ったことなどから、親会社株主に帰属する当期純損失は7億5千4百万円(前年同期は5千6百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。 セグメント別の業績は次のとおりです。 金型事業におきましては、国内・海外向けともに顧客における在庫調整等の動きが継続した影響により、全体として販売が伸び悩み減収となりました。その結果、売上高は44億6千7百万円(前年同期比8.1%減)となりました。 また、減収による粗利減に加え、材料コストの増加などの影響により、経常損失は2億9千2百万円(前年同期は1億3千3百万円の経常利益)となりました。 精密部品事業におきましては、国内では主要顧客の需要が減少しました。一方、海外向けでは一部地域において需要回復の動きが見られたものの、国内の減少分を補うには至らず、全体として減収となりました。その結果、売上高は42億4千4百万円(前年同期比2.8%減)となりました。 また、減収による粗利減により、経常損失は2億2千万円(前年同期は1億1千9百万円の経常損失)となりました。 フィルタ事業におきましては、国内向けは特需案件の反動減があり、また、海外向けはタイ子会社再編に伴う一時的な需要減により、減収となりました。その結果、売上高は22億8千万円(前年同期比4.1%減)となりました。 また、減収による粗利減に加え、タイ子会社再編等に伴う一時的な影響などにより経常利益は6千6百万円(前年同期比61.2%減)となりました。 売上総利益は18億2百万円となり、売上総利益率は前連結会計年度と比べ3.6ポイント減少し16.4%となりました。 ②生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)金型4,444,59491.8精密部品4,362,709101.2フィルタ2,237,74094.0合計11,045,04395.8 (注) 金額は販売価格により表示しております。 b.製品仕入実績 当連結会計年度の製品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)金型271,05594.5精密部品28,54764.6フィルタ130,18147.3合計429,78470.9 (注) 金額は仕入価格により表示しております。 c.受注状況 当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)金型4,495,96593.4859,130103.4精密部品4,335,59998.71,629,566105.9フィルタ2,356,760101.0618,165114.1合計11,188,32696.93,106,863106.7 (注) 1.金額は販売価格により表示しております。2.精密部品の受注には、内示受注高を含んでおります。 d.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)金型4,467,83491.9精密部品4,244,73897.2フィルタ2,280,32495.9合計10,992,89794.7 (注) 1.数量については、製品種類が多岐にわたり表示が困難であるため記載を省略しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)三菱重工グループ3,027,57326.12,960,36426.9 (2) 財政状態の状況 当連結会計年度末の資産におきましては、前連結会計年度末に比べ11億9千1百万円減少し、139億8千2百万円となりました。これは、主に有形固定資産が1億6千2百万円、退職給付に係る資産が2億7千4百万円増加した一方、現金及び預金が7億5千7百万円、受取手形が1億3百万円、売掛金が5億6千万円、棚卸資産が1億7千6百万円減少したことによるものと分析しております。 負債におきましては、前連結会計年度末に比べ7億7千8百万円減少し、32億2千4百万円となりました。これは、主にその他流動負債が7千9百万円、繰延税金負債が8千4百万円増加した一方、買掛金が4億1千3百万円、借入金が4億9千4百万円減少したことによるものと分析しております。 純資産におきましては、前連結会計年度末に比べて4億1千2百万円減少し、107億5千7百万円となりました。これは、主に為替換算調整勘定が2億6千万円、退職給付に係る調整額が1億5千2百万円増加した一方、利益剰余金が8億8百万円減少したことによるものと分析しております。 以上の結果、当連結会計年度における当社グループの財政状態につきましては、流動比率・当座比率が前連結会計年度に引き続き高水準であること、自己資本比率が75.6%であることから経営の安全性は確保できていると考えております。 (3) キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5億1千9百万円減少し、22億3千4百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は6億1千万円(前年同期比19.9%減)となりました。これは、主に売上債権の減少額7億4千7百万円、減価償却費6億6千2百万円、減損損失2億3千5百万円、棚卸資産の減少額2億2百万円の増加要因より、税金等調整前当期純損失7億6千6百万円、仕入債務の減少額4億1千3百万円、法人税等の支払額5千4百万円の減少要因を差し引いた結果によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は6億4千6百万円(前年同期比27.5%減)となりました。これは、主に定期預金の払戻による収入4億8千9百万円の増加要因より、有形固定資産の取得による支出8億4千7百万円、定期預金の預入による支出2億5千4百万円、無形固定資産の取得による支出3千7百万円の減少要因を差し引いた結果によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は5億7千2百万円(前年同期比52.1%増)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出4億9千4百万円、配当金の支払額5千4百万円、リース債務の返済による支出1千万円の減少要因によるものであります。 (資本の財源及び資金の流動性) 当社グループの主な資金需要は、当社グループ製品の製造販売に係る原材料費、経費、販売費及び一般管理費等の運転資金及び、機械装置等の設備投資に係る投資資金であります。これらの資金需要につきましては、自己資金による充当を基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入及びリース取引による調達を実施しております。 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は14億8千2百万円となっております。 当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。 2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)68.772.275.6時価ベースの自己資本比率(%)22.121.922.3キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)2.72.62.4インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)103.561.840.9 ・自己資本比率 : 自己資本/総資産・時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産・キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー・インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている負債を対象としております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者は、見積りが必要な事項については過去の実績や現状等を考慮し、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。ただし、将来に関する事項には不確実性があるためこれらの見積りと異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 特定業界への依存売上高の71%が自動車関連産業向けであるため、自動車メーカーの技術動向、生産動向、部品の新規開発や海外調達などの変化が、ニチダイグループの業績に大きな影響を与える可能性があります。電気自動車へのシフトなど、自動車産業の構造変化は特に注意が必要です。
- 特定顧客への依存売上高の26.9%を三菱重工グループが占めているため、三菱重工グループの受注や生産計画、外注方針が大きく変動した場合、ニチダイグループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特定の顧客に大きく依存していることは、事業の安定性を損なうリスクとなります。
- 生産拠点の集中国内生産拠点が京都府下、海外生産拠点がタイ国に集中しているため、これらの地域で自然災害(地震、風水害など)や感染症の拡大といった不測の事態が発生した場合、生産活動に大きな支障が生じ、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。生産体制の分散化が課題となるかもしれません。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 特定業界への依存度が高いことについて当社グループの金型事業と精密部品事業の主たる販売先は、自動車部品メーカー等の自動車関連産業向けであります。当社グループは、特定の完成車メーカー及び部品メーカーの系列には属しておりませんが、当連結会計年度における自動車関連産業向けの売上高は、全売上高の71%相当を占めております。従って、当社グループの業績は自動車メーカーの技術動向、生産動向及び部品の新規開発、共通化、海外現地調達等により影響を受ける可能性があります。 当社グループは、これまで蓄積されてきた精密鍛造技術の活用等による新規製品の開拓及びフィルタ事業の拡大を推進しております。(2) 特定顧客への依存度が高いことについて当社グループの当連結会計年度における売上高の26.9%(2025年度)を三菱重工グループが占めております。従って、三菱重工グループの受注・生産動向や外注施策が大きく変動した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。販売実績については、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析(1) ② d」をご参照ください。(3) 特定地域における生産拠点の集中について当社グループの国内生産拠点は、京都府下(宇治田原町、京田辺市)であり、また海外生産拠点はタイ国(チョンブリ県)であります。従って、不測の自然災害等が発生した場合には、生産に大きな支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(4) 災害・事故等について地震、風水害といった自然災害や火災等の事故が発生した場合、また感染症の拡大といった予測困難な事象による社会的な混乱が発生した場合には、人的、物的損害のほか、事業活動の停止等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、リスク管理規程やマニュアルに則り、速やかに危機管理体制に移行し、対策の検討及び実施を図っております。(5) 原材料や部品の調達について当社グループは、原材料・部品等について一定の在庫を確保し、複数のグループ外の供給元から調達しております。しかしながら、市況の変化による価格の高騰や品不足、供給元での災害、倒産等の理由によって原材料や部品の調達に支障をきたし、製品の利益率の悪化や生産停止等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(6) 情報セキュリティについて近年、外部からのサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス感染等が多発しております。当社グループといたしましては、「情報セキュリティ管理規程」及びこれに関連する規程の整備・運用、情報セキュリティ対策製品の導入、並びに役員、従業員を対象とした情報セキュリティ教育の実施等により、その防止に努めております。しかしながら、不測の事態により情報システムに障害が生じた場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。