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ジェイテクト(6473)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 自動車部品製造販売
    ジェイテクトは、自動車の電動パワーステアリングや電子制御4WD用カップリング、トルセンといった主要部品を製造・販売しています。これらの製品は自動車の安全性や走行性能に直結するため、自動車メーカーにとって不可欠な存在です。特にトヨタ自動車との取引が連結売上収益の20.3%を占めており、自動車産業の動向が会社の業績に大きく影響します。
  • 産業機械・軸受製造販売
    ローラーベアリングやボールベアリング、ベアリングユニットなど、幅広い種類の軸受(ベアリング)を製造・販売しています。軸受は自動車だけでなく、様々な産業機械の回転部分に使われる基幹部品であり、その需要は多岐にわたります。また、オイルシールなどの関連製品も手掛けています。
  • 工作機械製造販売
    研削盤、マシニングセンタ、切削機といった工作機械や、工業用熱処理炉、制御機器(IoE関連製品を含む)を製造・販売しています。これらの機械は、自動車部品をはじめとする様々な製品の精密加工に用いられ、製造業の生産活動を支える重要な役割を担っています。自動車業界からの受注が中心ですが、他の産業への展開も模索しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 自動車事業
    電動パワーステアリング、油圧パワーステアリング、電子制御4WD用カップリング(ITCC)、トルセン、FCEV向け減圧弁などが主要製品です。これらの製品は自動車の走行性能や安全性を高める重要な役割を担っており、ジェイテクトの売上収益の大部分を占める基幹事業です。国内外の自動車メーカー向けに幅広く供給しています。
  • 産業機械・軸受事業
    ローラーベアリング、ボールベアリング、ベアリングユニット、その他各種ベアリング、オイルシールなどを製造・販売しています。ベアリングは自動車だけでなく、建設機械、農業機械、風力発電など、あらゆる産業の回転部分に不可欠な部品であり、幅広い顧客層に製品を提供しています。ただし、売上収益の過半は自動車業界向けです。
  • 工作機械事業
    研削盤、マシニングセンタ、切削機、制御機器(IoE関連製品を含む)、工業用熱処理炉などが主要製品です。これらの工作機械は、高精度な部品加工を可能にし、製造業の生産効率向上に貢献しています。自動車業界からの受注が中心ですが、IoT技術を活用した制御機器など、新たな価値提供にも力を入れています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|478 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社111社及び関連会社14社で構成され、自動車、産機・軸受及び工作機械の各事業に係る製品の製造販売を主な事業としており、当社グループの主な事業内容は以下のとおりであります。(2026年3月31日現在) なお、以下の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「5.事業セグメント」における事業区分と同一であります。 区分主要製品等自動車電動パワーステアリング、ステアバイワイヤシステム、電子制御4WD用カップリング(ITCC)、トルセン、FCEV向け減圧弁等産機・軸受ローラーベアリング、ボールベアリング、ベアリングユニット、その他各種ベアリング、オイルシール等工作機械研削盤、マシニングセンタ、切削機、制御機器(IoE関連製品を含む)、工業用熱処理炉等 事業の系統図は以下のとおりであります。 (注) * JTEKT SALES EUROPE B.V.は、2025年4月22日付でJTEKT EUROPE BEARINGS B.V.が商号変更したものであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
市場における価格競争が大変厳しく、特に中国自動車メーカーの低価格攻勢が激化しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
電動パワーステアリング、駆動部品、ベアリング、研削盤等の製造には高度な技術が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:デジタル化加速・既存部品需要低下 / 人的資本マネジメント / サイバー攻撃
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

ジェイテクトは自動車部品大手であり、長年培ってきた技術力と品質への信頼は無形資産となり得る。特に、ステアリングシステムや駆動系部品における高い技術力は、特定の顧客からの評価に繋がっている可能性がある。しかし、具体的な特許数やブランド価値の定量的な開示は限定的。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車メーカーとの長年の取引関係と、部品の仕様が車種ごとに最適化されていることから、サプライヤー変更には多大なコストと時間がかかる。特に、ステアリングや駆動系といった基幹部品では、品質・安全性の要求が高く、乗り換えのハードルは高いと考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ジェイテクトの事業モデルは、特定のプラットフォームやユーザーコミュニティに依存するネットワーク効果を生み出すものではない。個々の製品の価値は、その性能や品質に依存する。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

グローバルな生産体制と、長年の生産効率改善努力により、一定のコスト競争力は有していると考えられる。しかし、競合他社も同様の努力を行っており、構造的な圧倒的コスト優位性を示す証拠は限定的。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

ジェイテクトは、ステアリングシステムや駆動系部品において、世界でもトップクラスのシェアを持つ。特に、自動車業界全体が電動化・自動運転化へとシフトする中で、こうした基幹部品のサプライヤーとしての規模の経済は、技術開発投資や生産能力維持において有利に働く。

  • 幅広い製品と技術力
    ジェイテクトは、自動車部品、軸受、工作機械という多岐にわたる製品群と、それらを支える高度な技術力を強みとしています。特に電動パワーステアリングや高耐熱リチウムイオンキャパシタ「Libuddy®」の開発に見られるように、コア技術を組み合わせることで新たなソリューションを生み出す能力があります。これにより、多様な顧客ニーズに対応し、市場での競争力を維持しています。
  • トヨタグループとの連携
    筆頭株主であるトヨタ自動車との長年にわたる強固な取引関係は、安定的な収益基盤を形成しています。トヨタ自動車の生産動向はジェイテクトの業績に大きく影響しますが、一方で、トヨタグループの一員として培われた高い品質基準や技術開発力は、他の顧客からの信頼獲得にも繋がっています。
  • ソリューションプロバイダーへの変革
    従来の受動的な部品供給ビジネスから、顧客の課題解決に貢献するソリューション型ビジネスへの転換を目指しています。コアコンピタンスプラットフォーム「ココプラ」やソリューション共創センター「ソリセン」を構築し、グループ全体の技術と人財を結集して最適なソリューションを提供することで、新たな価値創造と競争優位性の確立を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • ソリューションプロバイダーへの変革
    ジェイテクトは「技術をつなぎ地球と働くすべての人を笑顔にする」という企業理念のもと、2030年までに「人とモノの自由な移動を可能にするソリューションプロバイダー」となることを目指しています。これは、従来の部品供給だけでなく、顧客の潜在ニーズを掘り起こし、課題解決に貢献する新たな価値提供モデルへの転換を意味します。
  • 既存事業の成長と新規事業の育成
    第二期中期経営計画(2024~2026年度)では、「既存事業の成長と新規事業の育成」をテーマに掲げています。既存製品の高付加価値化で得た収益を、ドローンの姿勢制御システム開発のような新領域への挑戦に投資することで、企業価値向上を目指します。これにより、持続的な成長を実現するための両輪を回していきます。
  • 経営基盤の強化と効率化
    ソリューションプロバイダーへの飛躍を支えるため、経営基盤の強化を重視しています。具体的には、不要なコストや固定費の徹底的な削減、構造改革、業務の見直し・効率化に取り組んでいます。特に北米での生産性悪化やコスト増加といった課題に対し、タスクフォースチームを派遣して収益性改善に努めるなど、健全な収益体制の確立を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは、培った技術で社会課題の解決に貢献することを企業としての存在意義と考え、「技術をつなぎ、地球と働くすべての人を笑顔にする」ことを企業経営と事業運営の軸としております。これに基づき、「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」となることを2030年までの目指す姿として掲げ、一人ひとりが目標実現のために協力し合い、新たな価値を共創することを目指しております。 さらに、当社グループが掲げる将来像の実現に向け、「Yes for All, by All! みんなのために、みんなでやろう」を共通の価値観として位置づけております。この価値観を日々の判断や行動につなげるため、2026年に「ジェイテクトグループ行動規範」を策定し、MVV(Mission, Vision, Value)の実践と定着に継続的に取り組んでおります。これからもMVVを企業経営の軸とし、モノづくりとモノづくり設備で培ってきた強みを結集して、グループの総力を最大限発揮する「全員参加」により、社会に最適なソリューションを提供し続けてまいります。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループは、効率性と収益性を重視した経営を実現するため、ROE、PBR、事業利益率を経営上の目標の達成状況を判断するための重要指標と位置づけております。また、経営状況を把握する指標として、売上収益、事業利益、損益分岐点売上比率、棚卸資産回転数、NET DEレシオ、ROA、ROIC等の実績を用いております。 (3) 長期的な会社の経営戦略社会を取り巻く環境は、地政学リスクの高まり、温暖化等に代表される環境問題やエネルギー資源の枯渇、新興国の経済発展・人口増加に伴う水・食料の不足、先進国での高齢化等、様々な課題が顕在化しております。各産業分野で社会の持続的な成長に向けてテクノロジーにより社会的課題の解決が図られている中で、当社グループの売上収益の約8割を占める自動車産業においても、100年に一度の大変革期と言われているとおり、自動運転や電動化等、CASEに代表される技術革新が急速に進んでおります。また、カーボンニュートラルに向けた再生エネルギーの活用や水素社会の実現に向けた取組みも着実に前進しております。これらの取り巻く環境の変化に対応し、社会課題の解決を成長につなげていくため、「JTEKT Group 2030 Vision」のもと、第二期中期経営計画(2024~2026年度)に沿った戦略を着実に推進しております。 <中期経営計画>2021年から2030年までの10か年を、3年、3年、4年の三期に分け、2024年から2026年度を第二期中期経営計画の期間として、「既存事業の成長と新規事業の育成」をテーマに各施策を進めております。既存製品の高付加価値化により成長への原資を生み出し、その原資をもとに新領域へチャレンジするという両輪で、企業価値向上を実現いたします。そのための重点施策と位置付けた「ソリューションの創出力強化」、「競争力の強化」、「グローバル体制の再構築」により、成長への足場固めを図ります。加えて、経営基盤を強化するために、「人と現場中心の経営」、「カーボンニュートラルの推進」、「キャッシュアロケーション・株主還元」にも注力してまいります。当社は、2030年に目指す姿を実現するためのメインドライバーは「ソリューションプロバイダーへの変革」であると捉えております。ソリューションを創出できる仕組みづくりを着実に進め、グループ全体が持つ技術や社員一人ひとりの強みを掛け合わせたジェイテクトならではのソリューションで社会に貢献してまいります。 (4) 経営環境当連結会計年度の世界経済は、欧州・中国経済の停滞や地政学リスクの高まりが懸念される中ではありましたが、個人消費や設備投資は堅調に推移し、全体としては緩やかな回復基調を維持いたしました。当社の事業領域においては、米国の関税政策や中国を中心とした競争環境の激化等の厳しさが増す中、付加価値の高い製品の市場投入や、欧州構造改革の断行、原価改善活動の推進により、収益性の改善を図ってまいりました。 (5) 優先的に対処すべき課題当社は「技術をつなぎ、地球と働くすべての人を笑顔にする」というMissionのもと、中長期的に目指す姿として2030 Vision「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」を掲げております。事業で培った技術を活かして新たな価値を創造し、社会課題の解決に貢献したいと考えております。目指す姿を実現するため、技術やモノづくりを支える多様な人財を活かして稼ぐ力を強化し、ソリューションプロバイダーとしての価値創出に取り組んでまいります。 ① 稼ぐ力の追求中長期的な収益力を強化するため、利益率・資本効率にこだわった取組みを現場レベルの改善まで落とし込んでまいります。併せてAIやデジタルの活用により、あらゆるプロセスのリードタイム短縮に向け、全員参加で取り組んでまいります。また、データ経営と業務プロセス改革に向けた取組みであるJ-REBORNを通じ、意思決定に必要なデータの整備を進め、効率的かつ迅速な意思決定を行うことで収益最大化を図ってまいります。 ② ソリューションビジネスの実装ソリューション提案をビジネスとして成立させ、持続的な企業価値向上を実現してまいります。その一つとして、製造現場へのソリューション提供ビジネスを構想しております。自社で積み重ねてきた技術や設備を掛け合わせ、自動化や工場マネジメント、CNソリューション等のソリューションビジネスにより「稼ぐ力」を強化してまいります。こうした実例を積み重ね、価値創出のプロセスを確立し、ジェイテクトならではのソリューションで社会に貢献してまいります。 ③ グローバルビジネスの最適化欧州構造改革の推進のほか、生産性低下によるコスト増加が課題であった北米地域では、タスクフォースチーム活動の成果により、生産性改善が進んでおります。地域ごとの戦略は着実に進行しておりますが、さらにグローバルでの経営資源の最適配分を進め、ジェイテクトグループ全体の競争力強化に注力してまいります。 ④ 安全・品質へのこだわり安全に正しい仕事ができる環境の整備や、不正を起こさない風土の醸成を一段と進め、確かな安全と品質の確保に引き続き努めてまいります。当社では2025年度に休業災害ゼロを達成いたしました。今後はグループ全体に取組みを展開してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社グループは、培った技術で社会課題の解決に貢献することを企業としての存在意義と考え、「技術をつなぎ、地球と働くすべての人を笑顔にする」ことを企業経営と事業運営の軸としております。これに基づき、「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」となることを2030年までの目指す姿として掲げ、一人ひとりが目標実現のために協力し合い、新たな価値を共創することを目指しております。 さらに、当社グループが掲げる将来像の実現に向け、「Yes for All, by All! みんなのために、みんなでやろう」を共通の価値観として位置づけております。この価値観を日々の判断や行動につなげるため、2026年に「ジェイテクトグループ行動規範」を策定し、MVV(Mission, Vision, Value)の実践と定着に継続的に取り組んでおります。これからもMVVを企業経営の軸とし、モノづくりとモノづくり設備で培ってきた強みを結集して、グループの総力を最大限発揮する「全員参加」により、社会に最適なソリューションを提供し続けてまいります。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループは、効率性と収益性を重視した経営を実現するため、ROE、PBR、事業利益率を経営上の目標の達成状況を判断するための重要指標と位置づけております。また、経営状況を把握する指標として、売上収益、事業利益、損益分岐点売上比率、棚卸資産回転数、NET DEレシオ、ROA、ROIC等の実績を用いております。 (3) 長期的な会社の経営戦略社会を取り巻く環境は、地政学リスクの高まり、温暖化等に代表される環境問題やエネルギー資源の枯渇、新興国の経済発展・人口増加に伴う水・食料の不足、先進国での高齢化等、様々な課題が顕在化しております。各産業分野で社会の持続的な成長に向けてテクノロジーにより社会的課題の解決が図られている中で、当社グループの売上収益の約8割を占める自動車産業においても、100年に一度の大変革期と言われているとおり、自動運転や電動化等、CASEに代表される技術革新が急速に進んでおります。また、カーボンニュートラルに向けた再生エネルギーの活用や水素社会の実現に向けた取組みも着実に前進しております。これらの取り巻く環境の変化に対応し、社会課題の解決を成長につなげていくため、「JTEKT Group 2030 Vision」のもと、第二期中期経営計画(2024~2026年度)に沿った戦略を着実に推進しております。 <中期経営計画>2021年から2030年までの10か年を、3年、3年、4年の三期に分け、2024年から2026年度を第二期中期経営計画の期間として、「既存事業の成長と新規事業の育成」をテーマに各施策を進めております。既存製品の高付加価値化により成長への原資を生み出し、その原資をもとに新領域へチャレンジするという両輪で、企業価値向上を実現いたします。そのための重点施策と位置付けた「ソリューションの創出力強化」、「競争力の強化」、「グローバル体制の再構築」により、成長への足場固めを図ります。加えて、経営基盤を強化するために、「人と現場中心の経営」、「カーボンニュートラルの推進」、「キャッシュアロケーション・株主還元」にも注力してまいります。当社は、2030年に目指す姿を実現するためのメインドライバーは「ソリューションプロバイダーへの変革」であると捉えております。ソリューションを創出できる仕組みづくりを着実に進め、グループ全体が持つ技術や社員一人ひとりの強みを掛け合わせたジェイテクトならではのソリューションで社会に貢献してまいります。 (4) 経営環境当連結会計年度の世界経済は、欧州・中国経済の停滞や地政学リスクの高まりが懸念される中ではありましたが、個人消費や設備投資は堅調に推移し、全体としては緩やかな回復基調を維持いたしました。当社の事業領域においては、米国の関税政策や中国を中心とした競争環境の激化等の厳しさが増す中、付加価値の高い製品の市場投入や、欧州構造改革の断行、原価改善活動の推進により、収益性の改善を図ってまいりました。 (5) 優先的に対処すべき課題当社は「技術をつなぎ、地球と働くすべての人を笑顔にする」というMissionのもと、中長期的に目指す姿として2030 Vision「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」を掲げております。事業で培った技術を活かして新たな価値を創造し、社会課題の解決に貢献したいと考えております。目指す姿を実現するため、技術やモノづくりを支える多様な人財を活かして稼ぐ力を強化し、ソリューションプロバイダーとしての価値創出に取り組んでまいります。 ① 稼ぐ力の追求中長期的な収益力を強化するため、利益率・資本効率にこだわった取組みを現場レベルの改善まで落とし込んでまいります。併せてAIやデジタルの活用により、あらゆるプロセスのリードタイム短縮に向け、全員参加で取り組んでまいります。また、データ経営と業務プロセス改革に向けた取組みであるJ-REBORNを通じ、意思決定に必要なデータの整備を進め、効率的かつ迅速な意思決定を行うことで収益最大化を図ってまいります。 ② ソリューションビジネスの実装ソリューション提案をビジネスとして成立させ、持続的な企業価値向上を実現してまいります。その一つとして、製造現場へのソリューション提供ビジネスを構想しております。自社で積み重ねてきた技術や設備を掛け合わせ、自動化や工場マネジメント、CNソリューション等のソリューションビジネスにより「稼ぐ力」を強化してまいります。こうした実例を積み重ね、価値創出のプロセスを確立し、ジェイテクトならではのソリューションで社会に貢献してまいります。 ③ グローバルビジネスの最適化欧州構造改革の推進のほか、生産性低下によるコスト増加が課題であった北米地域では、タスクフォースチーム活動の成果により、生産性改善が進んでおります。地域ごとの戦略は着実に進行しておりますが、さらにグローバルでの経営資源の最適配分を進め、ジェイテクトグループ全体の競争力強化に注力してまいります。 ④ 安全・品質へのこだわり安全に正しい仕事ができる環境の整備や、不正を起こさない風土の醸成を一段と進め、確かな安全と品質の確保に引き続き努めてまいります。当社では2025年度に休業災害ゼロを達成いたしました。今後はグループ全体に取組みを展開してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (経営成績等の状況の概要)(1) 財政状態及び経営成績の状況当社グループは「JTEKT Group 2030 Vision」の達成に向け、第二期中期経営計画(2024〜2026年度)に基づき、ソリューションプロバイダーへの変革を進めております。当連結会計年度は第二期中期経営計画の中間年度として、本計画に沿った戦略を具現化させてまいりました。 ① ソリューション創出力の強化(a) Mission、Vision、Valueを発表し、浸透活動に注力2025年5月に、企業経営と事業運営の軸となる考え方として、ジェイテクトグループのMission、Vision、Value(以下「MVV」)を発表いたしました。社内においては、対外発表前からMVVの意義や考え方への理解を深める活動を行っておりましたが、発表後も職場での対話型の「MVV浸透月間」の実施や研修プログラムへの組み入れ等、定着に向けた取組みを強化してまいりました。社員一人ひとりがMVVを日々の業務に落とし込み、活用できるよう継続的に浸透活動に努めてまいります。 (b) イノベーション本部を設立ソリューションプロバイダーへの変革を実現させるため、その基盤となる体制づくりを着実に進めてまいりました。2025年1月には、ソリューションビジネスの確立をリードする組織としてソリューション共創センターを立ち上げておりましたが、2025年7月に、これに研究開発機能を統合し、イノベーション本部を設立いたしました。イノベーション本部には幅広い技術や高度な専門知識を有する人財を集結させており、これらの人財が中心となって社内外の技術をつなぐことで、新たな価値創造を加速させてまいります。 ② 競争力の強化(a) Syncusteer™及びPairdriverⓇが量産車に初採用当社が開発した、次世代のステアリングシステムであるリンクレスのステアバイワイヤシステムSyncusteer™が、トヨタ自動車株式会社(以下「トヨタ自動車」)が発売したLEXUS初のBEV専用モデル「RZ」に搭載されました。操舵ユニットと転舵ユニットの機械的な接続構造がない同システムは、運転の快適性と車両設計の柔軟性に優れ、モビリティの可能性を向上させる製品であります。また、自動運転システムと人の操舵を自然につなぐ協調操舵技術であるPairdriverⓇがトヨタ自動車の「新型RAV4」の操舵制御機能として初めて量産車に搭載されました。PairdriverⓇは、高精度な舵角制御により、目標軌道への高い追従性と滑らかな操舵介入を実現いたしました。今後PairdriverⓇは「人とシステムの直感的なコミュニケーション」による新しい運転支援体験を通じて、これまでにない安全・安心、快適な運転環境を提供してまいります。今後も、ジェイテクトグループが持つコンピタンスを掛け合わせ、モビリティ社会の未来に貢献してまいります。 (b) 第5世代低トルク円すいころ軸受が2025年超モノづくり部品大賞「モビリティー関連部品賞」を受賞第5世代低トルク円すいころ軸受「LFTⓇ-V」が、日刊工業新聞社主催2025年超モノづくり部品大賞において「モビリティー関連部品賞」を受賞いたしました。LFTⓇ-Vは、自動車のトランスミッションやデファレンシャル等に使用され、損失トルクを前世代製品比最大15%低減させた低トルク化と軽量化により、燃費向上とCO₂排出量削減に貢献いたします。大きな社会課題であるカーボンニュートラルの実現を支える製品としてお客様や外部機関から高く評価されております。 (c) ジェイテクトサーモシステム、先端半導体に貢献する熱処理装置を発売グループ会社のジェイテクトサーモシステムが、先端半導体パッケージ用熱処理装置の新製品として「SO2-60-F」を発売いたしました。本製品は、今後ニーズが広がるAIや5G通信に用いられる大型基板向けの熱処理装置であります。今後もジェイテクトグループ各社が持つ豊富なコンピタンスを掛け合わせ、更なる成長が期待される半導体産業にグループ一体となって貢献してまいります。 (d) 市販ビジネス強化のためベトナムに新拠点を開設近年、産機分野及びアフターマーケットにおけるベアリング需要が伸長しているベトナムでの販売網強化を目的に、ベトナムのハノイとホーチミンに市販ビジネスの新拠点を開設いたしました。アフターマーケット事業においては、迅速かつ的確な対応を可能とするため、販売ネットワークの拡大を進めるとともにベアリングに加え自動車部品等の市販品の拡大を進めております。新拠点を活用し、グローバル市場でのお客様のニーズに応えてまいります。 (e) 専門知識不要でAI活用機会を広げる「AIエージェント構想」を発表誰もがAIを業務アシスタントとして当たり前に活用できる「AIエージェント構想」を発表し、デジタルを活用した業務効率向上や、新たな技術や製品の開発を推進しております。「AIエージェント構想」は、第二期中期経営計画で掲げるデジタルモノづくりの取組みの一つであり、2つのフェーズで構成されております。第1フェーズの「AI活用プラットフォームの構築」では、ユーザーがノーコードで、画像認識や生成AI等を組み合わせて活用できる環境を整備いたします。第2フェーズでは、ユーザーの指示に応じてAIエージェントが必要なアプリケーションやデータを自律的に選定する「AIエージェントの実装」を目指し、2027年4月までに誰もが専門知識不要でAIを活用して業務効率を高め、画期的なソリューションを提供できる体制を構築してまいります。 ③ グローバル体制の再構築(a) 欧州構造改革を着実に実行市場低迷が続き収益体質改善が急務である欧州地域では構造改革を推進しており、2025年度には、欧州ニードルローラーベアリング事業の譲渡手続きを完了させたほか、欧州顧客向け自動車事業の譲渡に関する基本合意を発表いたしました。これら欧州構造改革の効果により、将来的な欧州地域の収益体質は大きく改善が見込まれます。残りの構造改革も着実にやり切り、2027年度の黒字化を目指してまいります。 ④ 人と現場中心の経営(a)生産現場等でデジタル活用が活発化、生産性改善に貢献社員のITリテラシーの向上と、デジタルによる業務効率化を目指し、「デジタル祭り」と銘打った全員参加のデジタル化促進活動を進めております。この活動は、製造現場でも活発に取り組まれており、デジタルに強みを持つ人財が現場をリードし、各工程にデジタルやAIを取り入れる動きが広がっております。デジタルの活用事例は社内の専用サイトや展示会イベントを通じて横断的に広がっており、現場発のデジタル改善が会社全体の生産性向上に寄与する好循環につながっております。 ⑤ カーボンニュートラルの推進(a) 花園工場にCNプラントを新設、水素の地産地消でカーボンニュートラル実現を加速カーボンニュートラル実現に向け、花園工場に再生可能エネルギー由来の水素を生成・供給する「CNプラント」を新設いたしました。併せて、水素を燃料とする「水素バーナー式アルミ溶解保持炉」を設置し、2026年夏頃の運用開始に向けた準備を進めております。これにより「CNプラント」では太陽光発電を用いた水電解でグリーン水素を製造し、工場内に整備した専用配管設備を通じて供給された水素を製造工程で使用する水素の地産地消が実現いたします。今後は効果を検証し、他工場のアルミ鋳造工程等へ展開することで、Scope 1、2におけるCO₂排出削減を更に加速させてまいります。 (b) タイ現地法人がタイ王国エネルギー省から表彰タイの現地法人であるJTEKT (THAILAND) CO., LTD.(以下「JTC」)は、再生可能エネルギー導入の取組みが評価され、タイ王国エネルギー省より再生可能エネルギー分野において表彰を受けました。JTCでは、2017年から太陽光発電設備を導入し、同拠点内で使用する電力の約15%を賄うことで、CO₂排出量削減に貢献しております。グループ一丸となって、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの課題に取り組み、持続可能な社会の実現を目指してまいります。 当連結会計年度の連結業績につきましては、次のとおりであります。円安効果や日本・北米で販売が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ、売上収益は405億53百万円(2.2%)増収の1兆9,249億50百万円となりました。事業利益は、円安や増収、原価改善の効果等により107億41百万円(16.5%)増益の756億79百万円となりましたが、中期経営計画に沿って推進した欧米の構造改革に係る費用の計上等により、営業利益は136億5百万円(35.4%)減益の248億47百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は17億38百万円(12.7%)減益の119億74百万円となりました。なお、事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出したものであります。また、売上収益事業利益率は3.9%と前連結会計年度より0.5ポイント上昇しております。 セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。 ① 自動車売上収益は、欧州・中国での販売減少があったものの、円安の効果に加え、日本や北米等で販売が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ338億54百万円(2.5%)増収の1兆3,670億5百万円となりました。事業利益は、米国での関税の影響はあるものの、販売増加に加え、円安や原価改善の効果等により、前連結会計年度に比べ83億73百万円(21.8%)増益の467億17百万円となりました。 ② 産機・軸受売上収益は、北米やアジア等で販売が増加したものの、欧州ニードルローラーベアリング事業の譲渡手続きが完了したこと等により、前連結会計年度に比べ52億円(1.5%)減収の3,470億67百万円となりました。事業利益は、米国での関税の影響はあるものの、円安や原価改善、構造改革の効果等により、前連結会計年度に比べ25億61百万円(29.6%)増益の112億10百万円となりました。 ③ 工作機械売上収益は、日本や北米を中心に販売が増加し、前連結会計年度に比べ118億99百万円(6.0%)増収の2,108億77百万円となりました。事業利益は、販売増加の効果はあるものの、費用の増加等により、前連結会計年度並みの174億40百万円となりました。 財政状態につきましては、次のとおりであります。当連結会計年度末における資産は、その他の金融資産の減少等があったものの、有形固定資産や現金及び現金同等物の増加等により、1兆5,776億96百万円と前連結会計年度末に比べ123億4百万円の増加となりました。負債につきましては、売却目的で保有する資産に直接関連する負債の増加等があったものの、営業債務及びその他の債務や社債及び借入金の減少等により、7,524億65百万円と前連結会計年度末に比べ354億56百万円の減少となりました。また、資本につきましては、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上やその他の資本の構成要素の増加等により、8,252億30百万円と前連結会計年度末に比べ477億61百万円の増加となりました。なお、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度の2,340円55銭から2,482円33銭に増加いたしました。また、社債及び借入金につきましては、2,171億22百万円と前連結会計年度末に比べて233億52百万円減少しました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(3) 長期的な会社の経営戦略」や「(5) 優先的に対処すべき課題」に記載しております様々な取組みにより、第二期中期経営計画の目標達成につなげてまいります。 (2) キャッシュ・フローの状況連結キャッシュ・フローにつきましては、次のとおりであります。営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益の計上の他、棚卸資産や営業債権及びその他の債権の減少等により、当連結会計年度は1,084億95百万円の資金の増加となりました。(前連結会計年度は802億38百万円の資金の増加)投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入等があったものの、有形固定資産の取得による支出等により、当連結会計年度は527億4百万円の資金の減少となりました。(前連結会計年度は759億36百万円の資金の減少)財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済や配当金の支払等により、当連結会計年度は469億77百万円の資金の減少となりました。(前連結会計年度は520億76百万円の資金の減少)これらに換算差額を加算した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,375億50百万円となりました。 (生産、受注及び販売の実績) (1) 生産実績 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)生産高(百万円)前年同期比(%)自動車1,107,917101.5産機・軸受333,41796.3工作機械103,274105.9合計1,544,609100.6 (注) 1 金額は平均販売価格によっております。2 上記の金額には、外注加工費及び購入部品費が含まれております。 (2) 受注実績当社グループの販売高の大部分を占める、自動車業界向け部品については、納入先から提示される生産計画を基に、当社グループの生産能力等を勘案して生産を行っております。なお、工作機械の受注実績は以下のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)工作機械100,54485.945,95176.4 (3) 販売実績 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)販売高(百万円)前年同期比(%)自動車1,367,005102.5産機・軸受347,06798.5工作機械210,877106.0合計1,924,950102.2 (注) 主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)トヨタ自動車㈱382,12420.3408,55621.2 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 重要性がある会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針及び、将来に関する仮定及び報告期間末における見積りの不確実性の要因となる事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「2.作成の基礎 (4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」及び「3.重要性がある会計方針」に記載しております。 (2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容① 売上収益当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度に比べ405億53百万円(2.2%)増収の1兆9,249億50百万円となりました。セグメント別に見ると次のとおりであります。「自動車」は前連結会計年度に比べ338億54百万円(2.5%)増収の1兆3,670億5百万円となりました。地域別の主な内訳は、日本5,289億41百万円(168億7百万円、3.3%の増収)、北米3,230億88百万円(285億75百万円、9.7%の増収)、アジア・オセアニア3,211億31百万円(85億7百万円、2.6%の減収)であります。「産機・軸受」は前連結会計年度に比べ52億円(1.5%)減収の3,470億67百万円となりました。地域別の主な内訳は、日本1,496億74百万円(95百万円、0.1%の増収)、北米935億66百万円(22億64百万円、2.5%の増収)、アジア・オセアニア594億45百万円(25億86百万円、4.5%の増収)、欧州323億56百万円(104億10百万円、24.3%の減収)であります。「工作機械」は前連結会計年度に比べ118億99百万円(6.0%)増収の2,108億77百万円となりました。地域別の主な内訳は、北米1,087億62百万円(91億97百万円、9.2%の増収)、日本813億60百万円(40億20百万円、5.2%の増収)、アジア・オセアニア192億85百万円(13億94百万円、6.7%の減収)であります。 ② 事業利益当連結会計年度の事業利益は、前連結会計年度に比べ107億41百万円(16.5%)増益の756億79百万円となりました。セグメント別に見ると次のとおりであります。「自動車」は、米国での関税の影響はあるものの、販売増加に加え、円安や原価改善の効果等により、前連結会計年度に比べ83億73百万円(21.8%)増益の467億17百万円となりました。「産機・軸受」は、米国での関税の影響はあるものの、円安や原価改善、構造改革の効果等により、前連結会計年度に比べ25億61百万円(29.6%)増益の112億10百万円となりました。「工作機械」は、販売増加の効果はあるものの、費用の増加等により、前連結会計年度に比べ30百万円(0.2%)増益の174億40百万円となりました。 ③ その他の収益・その他の費用その他の収益は、固定資産売却益及び受取保険料の減少により、前連結会計年度に比べ20億47百万円(25.6%)減少の59億49百万円となりました。その他の費用は、事業構造改善費用の増加等により、前連結会計年度に比べ222億99百万円(64.7%)増加の567億82百万円となりました。 ④ 金融収益・金融費用主に為替影響により、金融収益は、前連結会計年度に比べ80億16百万円(93.8%)増加の165億63百万円となり、金融費用は、前連結会計年度に比べ25億86百万円(15.1%)減少の145億53百万円となりました。 ⑤ 親会社の所有者に帰属する当期利益上記の要因等により、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ17億38百万円(12.7%)減益の119億74百万円となりました。 当社グループは、2030年の目指す姿を達成するための第二期中期経営計画期間の目標を以下のとおりとしております。 第二期中期経営計画(期間:2024~2026年度)の目標及び実績 実績(2024年度)実績(2025年度)目標(2026年度)ROE1.8%1.6%7-8%PBR0.48倍0.66倍1倍事業利益率3.4%3.9%5-6% なお、これらの目標につきましては、達成を保証するものではありません。 (3) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。当社グループの資金需要の主なものは、設備投資、投融資、研究開発費等の長期資金需要と、当社製品製造のための材料及び部品購入等の運転資金需要であります。当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、適切な流動性の維持及び健全な財政状態の維持を財務方針としております。 現金及び現金同等物等の流動性資産に加え、営業活動によるキャッシュ・フロー、市場あるいは金融機関からの資金調達を通じ、現行事業の推進と事業拡大に必要となる資金を確保できる状況と考えております。 また、グループ各社に偏在する余剰資金の相互融通を図る等、資金効率の向上に努めております。

事業リスク

  • デジタル化と既存部品需要低下
    自動車業界のデジタル化加速や新興メーカーの台頭により、既存部品の需要が低下し、競争力が失われるリスクがあります。これに対し、経営層主導でのDX推進や人財配置、事業運営の俊敏性向上で対応していますが、変化への対応が遅れると業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 自動車市場への高い依存度
    売上収益の約8割が自動車産業に依存しており、トヨタ自動車との取引も連結売上収益の20.3%を占めています。自動車市場の需要変動やEV化の進展、価格競争の激化は、ジェイテクトの業績に直接的な影響を与える可能性があります。自動車以外の新規事業開拓や顧客層の拡大に努めていますが、その成果には不確実性があります。
  • サイバー攻撃と情報漏洩
    サイバー攻撃による事業中断、顧客の生産ライン停止、GDPR違反による制裁金、機密情報の盗難・漏洩といったリスクがあります。これらの事態が発生した場合、お客様からの信頼喪失や多額の費用発生、企業レピュテーションの毀損に繋がり、業績に深刻な影響を及ぼす可能性があります。グループ全体のIT基盤強化や有事の訓練で対策を講じています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|8,612 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が中・長期的観点も含め連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があると認識している重要なリスクは、次のとおりであります。なお、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループは、中期・長期計画の達成を妨げるリスクをグループ全体で統合的に管理することを目的に、リスク管理の最高責任者であるCRO(チーフリスクオフィサー)を議長とするリスク管理委員会を設置しております。具体的には、国内外のグループ会社までを対象とした「リスク管理規則」に基づき、事業軸・機能軸・地域軸の観点から、外部及び内部の環境変化を踏まえたリスクアセスメントを年1回以上実施しております。その中で、以下の5つのカテゴリーに関連するリスクを洗い出しております。 1.法規制・関連違反2.信用・信頼棄損3.オペレーション4.戦略5.ガバナンス これらのリスクについては、リスク対策を講じていない場合の影響度に、これまでの対策によるリスクの抑制・軽減効果を加味した「重要度」と、リスクの「発生可能性」の2軸で評価を行い、総合的な優先度に基づいて、管理レベルを複数段階に分けて対応しております。評価結果はリスク管理委員会で審議され、特に対応が必要とされるリスクは以下の「(1)最重点リスク」として特定しております。特定した最重点リスクには、それぞれ統括責任者を任命し、組織横断的なリスク対応を推進するとともに、定期的に進捗状況を確認しております。また、最重点リスクの管理にあたっては、①リスク対応の目標・主要施策が明確に定められていること、②全社的にリスク対応方針決定・進捗確認を行う推進体制・会議体・組織が機能していること、の2点を充足基準として設定し、リスクの管理レベルの妥当性を継続的に検証しております。 加えて、「(1)最重点リスク」以外の事業上のリスクについても把握に努め、リスクの低減を図っております。これらのリスクのうち主要なものについては「(2)その他の主要なリスク」として後述しております。 なお、前述の「(1)最重点リスク」と「(2)その他の主要なリスク」に対して、以下に記載する種々の対策を講じておりますが、それらが有効に機能しない場合等には、リスクが解消できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 リスクヒートマップ (1) 最重点リスク リスクタイトル代表的リスク内容当社グループの対応①人的要因による事業停止/停滞・成長戦略実行に必要な特定人財の不足により注力分野に十分な人財を投入できず、目標を達成する力が弱まるリスク・事業/業務停止につながり得る属人化・代替不能業務の存在(有事の人的BCP)・人事情報の一元化と人財ポートフォリオの構築・管理・ソフトウエア等の重点人財の確保・有事の人的BCPリスクの棚卸(属人化・代替不能業務の特定)②サイバー攻撃による事業継続への影響・事業の中断・事業の中断によるお客様の生産ラインの停止・GDPR違反による制裁金・本社基幹業務(給与支払い・送金・決算等)の停止・お客様の機密情報の盗難・漏洩による信頼喪失・グループ全体の次世代セキュリティ基盤への統一・グループ全体で規程・ルール及び推進体制を整備し、啓発活動や教育を推進・経営層を巻き込んだ有事の際の訓練実施・サプライチェーンセキュリティ点検(SCS評価対応)③大規模地震による事業停止・供給停止・従業員の安全確保と安否確認の困難性・生産拠点、物流拠点の損壊・バリューチェーンの寸断・複数パターンの災害シナリオに対応できる初動本部体制の整備・周知・訓練(2年計画の推進)④重要仕入先の経営悪化による供給途絶・少子高齢化に伴う人手不足、後継者不足・自動車産業の電動化に伴う需要構造変化、価格転嫁難等を背景とした仕入先の経営悪化・廃業・代替困難な仕入先に問題が生じ、供給責任の履行困難、緊急対応コスト増加、製造原価上昇・重要仕入先の経営状況の把握・重要仕入先経営層との対話、事業継続性の確認、改善支援の推進・必要に応じた生産面・技術面・人員面での支援体制の整備及び調達先の複数化、代替品/工法の検討⑤支配権市場における信認低下・機関投資家の議決権行使基準の厳格化に伴う取締役選任議案をはじめとする重要議案の賛成率の低下・資本市場との対話・情報開示の不足による企業価値評価の毀損・アクティビストの介入や同意なき買収提案による経営の混乱・平時からの株主・投資家との建設的な対話(Shareholder Relations 活動)の推進強化・敵対的TOB・ホワイトペーパー受領時等を想定した有事対応体制の整備 (2) その他の主要なリスク ① 市場及び事業に関するリスク (自動車業界及び自動車市場への依存)当社グループは、ステアリングシステム、駆動部品、ベアリング及び工作機械等の製造販売を主な事業としております。このうち、ステアリングシステム及び駆動部品は、ともに大半を自動車業界向けに製造販売しております。ベアリングは各産業において広く使用される部品でありますが、当社グループでは、その売上収益の過半が自動車業界向けであります。また、工作機械につきましても、その受注は自動車業界からのものが中心であります。なお、当社の筆頭株主であるトヨタ自動車株式会社との取引金額は、連結売上収益の21.2%を占めております。このような当社グループの事業構造から、当社の売上収益及び事業利益は自動車市場の需要動向によって影響を受ける関係にあります。当社グループは、日本をはじめグローバルな自動車の需要見通し及び顧客より提示される自動車の販売見通し等を総合的に検討・判断した上で経営資源の効率的な投入を行っております。また、ベアリング及び工作機械における自動車業界以外の幅広い顧客層の維持に努めているほか、現代において解決が求められる社会課題に対し、当社グループがこれまで培ってきた技術の活用を提案するために、様々な新規事業を企画し、自動車以外の業界に対しても展開しております。しかし、これらの取組みが必ず功を奏する保証はなく、当社グループの売上収益減少や投下資本の回収の遅れにつながることがあります。これらのことから自動車業界及び自動車市場の動向は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (価格競争)当社グループ製品の市場における価格競争は大変厳しいものとなっております。特に中国自動車メーカーの車両の過剰生産や低価格攻勢は、世界市場における価格競争を一段と激化させております。このような状況下でも、当社グループは、「JTEKT Group 2030 Vision」のもと、既存製品の高付加価値化や、新領域への挑戦を推進し、技術開発力とコスト競争力の両立に努めております。また、当社グループが大切にする価値観である「本気」と「対話」を通じて顧客の「潜在ニーズ」を発掘し、絶え間ない技術革新と製造原価低減を図っております。また、自動車業界においては、電動車の普及速度やパワートレーン構成(BEV、HEV、PHEV、FCEV、内燃機関車等)が、各国の政策、環境規制、エネルギー価格、顧客ニーズ等により地域ごとに異なる様相を見せております。こうしたパワートレーン構成の変化は、当社グループの製品ごとの需要量、販売価格及び収益構成に影響を及ぼし、価格競争の激化又は採算性の低下につながる可能性があります。加えて、自動車業界における車両の電動化の進展や環境規制の強化、関税政策の変動、新興メーカーの台頭等、外部環境の変化は当社グループの競争力に更なる影響を及ぼす可能性があり、当社グループが競争力を維持できない場合、市場シェアの喪失や収益性の低下に直結する可能性があります。 (新製品開発)当社グループは、斬新で魅力ある新製品・新技術の開発に邁進し、顧客からの支持をいただいてまいりました。今後も製品開発力の強化はもちろんのこと、生産準備期間の短縮、コストの低減、品質の向上等、様々な面から施策を講じて顧客の要求を満たすために努力してまいります。しかし、これら開発には多くの資金と資源を投入する必要がある一方で、顧客からの支持を得て売上につながる確実な保証はありません。また、顧客からは一層の技術の高度化、開発期間の短縮等を求められ、当社グループは同種製品を扱う競合先との激しい開発競争に晒されております。そのため、当社の施策が将来にわたって常に競合先を上回る競争力を保持し続けることができるという保証はありません。当社グループが業界と市場の変化に対応しきれず、あるいは必要十分な資源を投入することができないことにより、競合先よりも魅力ある新製品を開発できない場合には、中長期的な市場シェアの縮減や製品の売上減少につながり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (原材料や部品の調達)当社グループは、製品の製造に使用する原材料や部品その他の多くを外部の事業者からの供給に頼っております。なお、代替困難な重要仕入先の経営悪化・廃業に起因する供給途絶リスクについては、「(1) 最重点リスク ④重要仕入先の経営悪化による供給途絶」に記載のとおり別途管理しております。ここでは、それ以外の広範な調達リスクとして、市況の変化等による価格の高騰や品不足、供給元の生産能力不足、工場火災のような事故や地震のような自然災害の発生等の様々な要因により、半導体その他の主要な原材料や部品の調達に支障をきたすことがあります。このようなリスクを回避するため、当社グループでは、各種の原材料や部品等を複数の事業者から調達し、安定的な供給の維持を図っております。しかし、供給元の選択肢は限定的である場合もあり、供給が不安定となるリスクを完全に払拭できるものではありません。このようなリスクが顕在化した場合、製品の生産不能による売上収益の減少や顧客に対する供給責任の履行困難、製造原価の上昇による収益性の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (品質問題)当社グループは、「品質」を経営の最重要事項の一つとして掲げ、顧客から認められた世界水準を満足する品質管理基準に則って製品を製造しております。また、品質問題の発生に備え、製品保証引当金による会計上の手当、保険加入による製造物責任等のリスクヘッジも行っております。しかしながら、製品の開発・製造等における品質上のリスクの全てを将来にわたって完全に排除することは困難であり、また、リスクヘッジのための諸施策をもってしても、大規模なリコール等への対応や製造物責任等に基づく高額の賠償請求に対して、その全てをカバーできないことも想定されます。さらには、製品の品質不良が原因となって災害や人身事故等が発生した場合には製品、ひいては当社グループ自体の社会的信頼の低下を招き、顧客との取引停止等につながることがあります。 これらに伴う支出及び品質問題に起因する社会的信頼の低下や顧客との取引停止等は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (知的財産権)当社グループは、これまでの製品開発において蓄積してきた技術・ノウハウを当社の知的財産権として適切に保全、活用しております。しかしながら、これらの技術・ノウハウは、特定の国・地域においてはその法制度上の制限等により、知的財産権としての完全な保護を受けることが困難な場合があります。このような場合には、第三者が当社グループの知的財産権を使って類似した製品を製造する等の行為を十分に阻止できない可能性があります。また、当社グループは第三者の知的財産権を尊重し、紛争等に巻き込まれることを防止するため、第三者知的財産権の事前調査等の対策を行っております。しかしながら、全世界の全ての権利を完璧に把握することは困難であり、将来的に当社グループの製品において第三者の知的財産権が発見され、製品の製造販売に支障をきたす可能性は排除できません。これら知的財産権に内在する問題に起因する、製品販売の機会喪失や、第三者からの損害賠償請求等に基づく支出によって、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (戦略的提携及び企業買収)当社グループは、事業拡大や競争力の強化等を目的として、M&Aや資本参加、資本提携等を行うことがあります。これらの企画においては事業戦略上の意義を確認し、リスクを踏まえた慎重な検討により最善と考える方法を選択し、また、実現した後は当初の目的を達成できるよう努めておりますが、その全てが計画通りに成功を収める保証はありません。これら企画の目標達成が遅延、不可能となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ② 経済のリスク(海外事業展開)当社グループは、多様な顧客のニーズに対応し、また、事業活動上のリスクを分散するため、グローバルな事業展開を行っており、連結売上収益に占める海外売上収益の割合は60.5%を占めております。米州、欧州、アジア等多くの国・地域で製品の生産と販売活動を行っており、また、取引先も多岐の産業分野に属しているため、グローバルベースの経済状況変化は勿論のこと、当社グループが生産、販売を行っている特定の国・地域の経済状況の変動や、取引先の属する産業の景気変動が、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (為替レートの変動)連結財務諸表作成にあたり、現地通貨で作成される海外関係会社の財務諸表を円換算しているため、現地通貨における価値が変わらなくとも、当社グループの連結財務諸表は為替レートの変動による影響を受けます。また、当社グループが日本で生産し、輸出する事業においては、円高の進行により価格競争力の低下を招く可能性があります。一方、急激な円安進行は、原材料や物流、エネルギー等の調達コスト高騰を招く可能性があります。海外で使用する原材料等の現地調達比率の向上や為替予約等により当該リスクの軽減を図っておりますが、全てのリスクを排除することは困難であります。従いまして、当社グループの財政状態及び経営成績等は、為替レートの変動による影響を受ける可能性があります。 ③ 政治・規制・法的手続・災害等に関するイベント性のリスク(災害・地域紛争等)当社グループは、東海・東南海・南海地震や暴風、豪雨等の大規模自然災害、世界規模の感染症拡大(パンデミック)の発生等の可能性に備え、これらの災害による被害を最小限に抑えるため、事業活動への影響を考慮し、異常事態への対応体制や緊急時の事業継続計画(BCP)策定・見直し、サプライチェーンの強化、ITインフラの強化等の施策を継続的に講じております。 しかしながら、これら施策によっても災害発生によるリスクを完全に排除することは困難であります。また、顧客又は供給元の罹災等、当社グループによる施策のみでは回避しきれない事象も存在します。これら災害が当社グループに与える影響は多岐にわたり、顧客の生産停止等による需要の停滞、労働力及び原材料等の不足による供給停止又は世界景気の後退等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。加えて、近年は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の不安定化、台湾海峡を巡る緊張の高まり、米中間の対立及び各国の保護主義的政策の強化等、国際的な政治・経済情勢の不確実性が高まっております。これらの事象が拡大又は長期化した場合には、原油・天然ガスをはじめとするエネルギー価格や原材料価格の高騰、国際物流の停滞、輸出入規制・経済制裁の強化、為替・金利・金融市場の変動、又はサプライチェーンの寸断等を通じて、当社グループの生産・販売・調達活動に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、各地域における政治・経済情勢、自然災害、感染症、物流及び調達環境等に関する情報の把握に努めるとともに、必要に応じて調達先の複数化、代替輸送手段の検討、在庫水準の見直し、BCPの実効性向上等の施策を講じております。しかしながら、これらのリスクが顕在化した場合には、自動車業界をはじめとする産業全体の需要停滞、部品・原材料等の調達遅延、製品供給の停止又はコスト上昇等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、これらのリスクによる具体的な影響額の算定は、現時点では困難であります。 (環境規制)当社グループは、大気汚染、水質汚濁、廃棄物処理、有害物質の排除、土壌・地下水汚染等に関する日本及び諸外国の環境に関する規制を受けており、それらを遵守するために必要な経営資源を投入しております。また気候変動をはじめとした地球環境問題は、その課題の解決に貢献できれば好影響を及ぼす可能性がある一方、対応を誤れば将来にわたり当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性もあります。当社グループは、製品の生産工程において、温室効果ガス、産業廃棄物、環境負荷物質等の発生を極力抑えるよう設計・製造の各段階で対策を講じておりますが、これらの対策により、現在及び過去の生産活動に関わる環境への影響を完全に排除することは困難であり、規制や市場の要求が厳格化した場合や、当社グループの活動に起因して環境への悪影響が発生したと判明した場合には、必要な対策を講じるために費用負担が増加することが見込まれます。特にカーボンニュートラルへの対応が不十分と評価された場合には取引の継続にも関わる可能性があり、これらの事態が、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (法的手続・訴訟紛争)当社グループは、事業運営に関連して各国の法令の適用を受けており、これらを遵守しつつ企業価値の向上に努めることを責務と考えております。また、事業遂行の過程で関わる顧客をはじめとする第三者との間では、公正で相互利益を基礎とした関係の構築を重視しております。当社グループでは、このような企業としてのあり方の実践のため、法令違反を未然に防止するための仕組みづくり、定期的な社内点検や役職員に対する教育等を継続して実施しております。しかしながら、これらの取組みをもってしても、当社グループの事業活動に伴い、各国各種の法令等への違反や利害の対立に起因する訴訟紛争が発生する可能性を、完全に排除することはできません。既存又は将来の法令違反に対する処分及び訴訟紛争により、制裁金等又は損害賠償責任等を負担するに至った場合の支出、さらには法令等に違反したことによる社会的信用の低下に起因する様々な結果は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (安全保障・貿易管理)当社グループの工作機械をはじめとする製品は、多くの国と地域での輸出関連法規により規制される貨物に該当しており、これらの法規制への適切な対応が不可欠となっております。近年、米中対立の激化や経済安全保障政策の強化、半導体・先端技術の輸出管理強化等に加え、米国を含む各国において、関税措置、輸出入規制、経済制裁等の通商政策が見直される動きが強まっております。これらの政策変更により、自動車・自動車部品、鉄・アルミ等の原材料及びその派生品、工作機械その他の当社グループ製品又は部品に対する追加関税、輸出入規制、取引制限等が導入又は強化された場合、当社グループの調達コスト、販売価格、取引条件、サプライチェーン及び顧客需要に影響を及ぼす可能性があります。加えて、レアアース等の重要鉱物資源は特定国への供給依存度が高く、輸出規制の強化や供給制約が生じた場合には、当社グループの製品に使用されるモーター、センサー、電子部品等の調達にも支障をきたすおそれがあります。当社グループは、法令遵守の徹底を最優先とし、社内外の専門リソースを活用して最新の規制動向及び通商政策の変更を継続的にモニタリングするとともに、グループ内での情報共有・教育、輸出管理体制の見直し、リスクアセスメントの実施、取引先への適切な指導・協力体制の構築、必要に応じた調達・生産・販売体制の見直し等に努めております。しかしながら、国際情勢の急激な変化や、各国政府による予期し得ない規制強化・新規制の導入、関税措置の変更、又は特定国・地域への輸出入制限措置等が発生した場合、当社グループの事業活動やサプライチェーンに影響が及ぶ可能性があります。これにより一部製品の輸出停止や納期遅延、受注減少、調達コスト又は販売価格の上昇等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

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