事業の概要
- 自動調整弁の製造販売ヨシタケグループは、主に自動調整弁の製造と販売を手掛けています。これらの弁は、工場設備や建築設備などで流体の圧力、温度、流量などを自動で調整する重要な役割を担っており、産業の効率化や安全確保に貢献しています。
- グローバルな生産体制製造拠点は日本国内(当社、カワキ計測工業㈱)に加え、タイ(ヨシタケ・ワークス・タイランド)にも展開しており、国際的な供給網を構築しています。これにより、特定の地域に生産が集中するリスクを分散し、安定的な製品供給を目指しています。
- 多角的な販売ネットワーク販売は日本、米国、アジア地域(マレーシア、インドネシア、シンガポール、ベトナム、中国など)に広がる子会社や関連会社を通じて行われています。これにより、多様な市場ニーズに対応し、世界中の顧客に製品を届けることで収益を上げています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 日本事業国内市場を対象とした事業で、売上高は75億6,023万円、営業利益は8億4,340万円と、グループ全体の収益の大部分を占める主要な稼ぎ頭です。主に当社と製造子会社カワキ計測工業㈱が製造を担い、当社が販売を主導しています。
- アジア事業アジア地域における事業で、売上高は22億8,309万円、営業利益は2億5,530万円を計上しています。タイの製造子会社ヨシタケ・ワークス・タイランドが製品を供給し、マレーシア、インドネシア、シンガポール、ベトナム、中国などの販売子会社が直接販売を行っています。
- グローバルな製造・販売体制日本とアジアの二つの地域セグメントを通じて、自動調整弁の製造と販売をグローバルに展開しています。日本が主要な収益源である一方で、アジア地域も重要な成長市場として位置づけられており、国際的な事業展開によりリスク分散と成長機会の獲得を図っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Japan | 地域 | 76 | 8 | 11.2% |
| Asia | 地域 | 23 | 3 | 11.2% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社9社および関連会社2社で構成されております。 当社グループの事業内容は、自動調整弁の製造販売であります。 製造については、「日本」セグメントに属する当社と製造子会社カワキ計測工業㈱が行っているほか、「アジア」セグメントに属するタイ国における製造子会社ヨシタケ・ワークス・タイランド(以下、YWT)が行っております。また、YWTは米国における製造関連会社エバーラスティング・バルブおよび国内における輸入子会社ヨシタケ・アームストロング㈱とともに、当社に対して材料の供給を行っております。 販売については、「日本」セグメントに属する当社と米国における販売関連会社アームストロング・ヨシタケが行っているほか、「アジア」セグメントにおいては、YWTより供給した製品をマレーシア国における販売子会社Yoshitake Malaysia Sdn.Bhd.、インドネシア共和国における販売子会社PT. Yoshitake Engineering Indonesia、シンガポール共和国における販売子会社Yoshitake Singapore Pte. Ltd.、ベトナム社会主義共和国における販売子会社Yoshitake Vietnam Co., Ltdおよび中国における販売子会社Yoshitake Wuxi Fluid Technology Co., Ltd.にて直接販売を行っております。また、その他の製造子会社および製造関連会社も直接販売を行っております。 以上に述べた事項の概要図は次のとおりであります。なお、連結子会社ヨシタケバイオマスエンジニアリング㈱は重要性が乏しいため、記載を省略しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 景気減速や企業収益悪化による販売価格低下圧力、競合他社の動向。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 自動調整弁の製造販売、新製品開発、環境適合設計、研究試験設備への投資。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
会社が挙げる主要リスク:生産拠点における紛争や災害による製品入手困難 / 原材料価格の大幅上昇による業績影響 / 優秀な人材の確保が維持できないリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
ヨシタケはバルブメーカーであり、特定の強力なブランドや特許、規制ライセンス、独占的IPを保有しているという情報は現時点では確認できません。汎用品に近い製品が多く、無形資産による競争優位性は限定的と考えられます。
スイッチングコスト★★★☆☆
ヨシタケのバルブは、プラント設備などの重要インフラに使用されることが多く、一度採用されると、安全性や信頼性の観点から他社製品への切り替えには高いコストとリスクが伴います。特に、既存設備との互換性やメンテナンス体制の維持が重要となります。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ヨシタケの事業は、バルブの製造・販売が中心であり、ユーザー数の増加が製品価値を直接的に高めるネットワーク効果は発生しないビジネスモデルです。プラットフォーム型ビジネスとは異なり、ネットワーク効果による競争優位性は見られません。
コスト優位★☆☆☆☆
バルブ業界は競争が激しく、ヨシタケが構造的に他社より大幅に低いコストで生産・提供できるような明確な優位性は現時点では確認できません。一部の標準品においては効率化が進んでいる可能性はありますが、決定的なコスト優位性とは言えません。
規模の経済★★★☆☆
ヨシタケは、産業用バルブ市場において一定のシェアを有しており、特に特定の分野では主要プレイヤーの一つと考えられます。業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているとは言えませんが、一定の規模の経済性を活かした事業運営を行っていると推測されます。
- グローバルな生産・供給網日本とタイに製造拠点を持ち、米国やアジア各国に販売拠点を展開することで、地域ごとの需要変動やサプライチェーンのリスクに対応できる体制を構築しています。これにより、安定した製品供給と市場への迅速な対応が可能となり、競争優位性を確立しています。
- 省エネ・CO2削減への貢献工場設備市場において、省エネルギー効果やCO2削減効果に寄与する「ワイズジャケット」や、医療機関・医薬品工場向けの「マグネットミキサー」といった高付加価値製品を提供しています。これにより、環境意識の高まりとともに需要が増加する市場で優位性を保っています。
- 「フェアビジネス」の企業理念安易な価格競争に陥らず、製品価値に見合った適正な販売価格を提示する「フェアビジネス」を経営の基本方針としています。これにより、ブランド価値を維持し、長期的な顧客信頼関係を築くことで、持続的な収益性を確保しようとしています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 持続的な収益拡大の追求収益性、効率性、成長性、安全性のバランスを重視し、営業利益と経常利益の安定的な拡大を目標としています。経済環境の変化に柔軟に対応しつつ、新規案件や新規販路の獲得を通じて受注率向上を目指し、企業体力の向上を図ります。
- 販売シェアの拡大と海外展開国内外の建築設備物件の受注獲得を強化し、流通、エンドユーザー、建築物件の3つの領域で営業活動を推進します。特に海外市場では、アセアン地域での好調を維持しつつ、中国市場の回復や新たな海外販路の開拓を通じて、グローバルな販売シェア拡大を目指します。
- 製品開発とリスク管理の強化製品ラインアップの拡大と新市場投入可能な製品開発を推進し、開発期間の短縮と開発力の向上を図ります。同時に、サプライチェーンの多様化(内製化を含む)や自然災害、原材料調達リスクへの対策を強化し、事業継続性を高めることで、変化の激しい経営環境に対応します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針 当社は経営の指針として次の「企業理念」を掲げております。 これらの指針に沿って会社を運営することが、会社の発展と株主の利益につながるものと考えております。「企業理念」フェアビジネス Y’s, a Business of Fair Endeavor(2)目標とする経営指標 当社は、収益性、効率性、成長性、安全性などの総合的なバランスをとりながら、収益の持続的な拡大を目標としており、安定的な収益力の指標として営業利益および経常利益を重視しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略および会社の優先的に対処すべき事業上および財務上の課題 当社グループを取り巻く経営環境としましては、国内においては2025年4月から9月にかけて、内需回復の鈍さと輸出低迷により景気の下押し圧力が続きました。特に、米国の通商政策の影響等を背景に自動車輸出に弱さが見られ、外需の回復は限定的となりました。その後、10月以降は所得税減税やエネルギー補助金の効果が現れ、個人消費には持ち直しの動きが見られました。年度後半にかけても物価上昇は継続し、コアCPIは高止まりが続きましたが、賃金上昇も一部に見られ、家計の実質購買力の改善は緩やかでした。設備投資は半導体、AI、脱炭素関連分野を中心に底堅く推移し、外需は低調ながら、内需を中心に景気は緩やかに持ち直しました。こうした中、当社グループは積極的な提案営業を展開した結果、工場設備市場において、省エネルギー効果・CO2削減効果に寄与するワイズジャケットや、医療機関・医薬品工場向けマグネットミキサーの好調などにより売上を伸ばし、国内売上は前期を上回る推移となりました。 海外経済では、米国は高金利・高インフレの影響下で成長は緩やかとなる一方、労働市場は底堅く、個人消費も堅調でした。金融政策の方向性に変化は見られたものの、金利水準は景気抑制要因として作用しました。設備投資はAI、半導体、再生可能エネルギー分野を中心に底堅さが見られました。欧州はインフレ鈍化で回復の動きが見られたものの、高金利や世界貿易の減速、地政学的リスクの影響で低調に推移しました。中国では不動産市場の低迷や内需の弱さが続き、政策対応はあったものの回復は緩やかでした。今後は、ウクライナ情勢や中東情勢などの地政学的リスクに加え、米中摩擦や金融政策動向など不透明感が継続すると見込まれます。一方、米国の個人消費の底堅さやインフレ鈍化に伴う金融環境の改善、AI半導体・脱炭素関連分野の投資継続が下支え要因となると見込まれ、世界経済は減速懸念を含みつつも緩やかな回復基調で推移するものと見込まれます。当社グループの輸出関連につきましては、中国向けの販売は前期を下回る売上だったものの、アセアン地域向けの販売が好調に推移したことにより、販売活動全体としては前期を上回る結果となりました。 今後については、国内においては、賃金上昇や各種政策効果を背景に個人消費の持ち直しが期待されるほか、AI、半導体、脱炭素関連分野を中心とした設備投資が景気を下支えするものと見込まれます。一方で、物価上昇や為替・金融市場の変動による影響には引き続き注視を要する状況にあります。世界経済の先行きについては米国を中心に個人消費は底堅く推移すると見込まれるものの、高金利環境の継続や地政学的リスク、米中摩擦等が世界経済の下振れリスクとなっており、先行き不透明な状況が続くものと見込まれます。当社グループとしましては、刻々と変化する経営環境に柔軟に対応するとともに、引き続き新規案件と新規販路獲得のための活動を積極的に行い、受注率の向上に取り組みます。また、こうした変化の激しい経営環境の中で継続的な成長を続けるためには企業体力の向上も必須となっており、当社グループとしましては中長期的な視点で以下のような課題に取り組み、経営の効率化と業績の向上に努めてまいります。① 販売シェアの拡大・国内外の建築設備物件の受注獲得・流通、エンドユーザー、建築物件の三つの領域で営業強化を推進・海外販路の更なる拡大② 製品開発の強化・製品ラインアップの拡大および新市場へ投入できる製品開発・開発スケジュールの厳守を図り開発期間を短縮し開発力をあげる③ リスク管理の強化・内製化を含むサプライチェーンの多様化・自然災害およびナフサ関連材料の調達性への対策強化 ④ サステナビリティ経営の推進・流体制御バルブの販売を通じ顧客の省エネを支援する・社内においてもより一層の省エネを推進する・販売地域の拡大と新市場への参入を推進し企業の持続性を一層高める なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針 当社は経営の指針として次の「企業理念」を掲げております。 これらの指針に沿って会社を運営することが、会社の発展と株主の利益につながるものと考えております。「企業理念」フェアビジネス Y’s, a Business of Fair Endeavor(2)目標とする経営指標 当社は、収益性、効率性、成長性、安全性などの総合的なバランスをとりながら、収益の持続的な拡大を目標としており、安定的な収益力の指標として営業利益および経常利益を重視しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略および会社の優先的に対処すべき事業上および財務上の課題 当社グループを取り巻く経営環境としましては、国内においては2025年4月から9月にかけて、内需回復の鈍さと輸出低迷により景気の下押し圧力が続きました。特に、米国の通商政策の影響等を背景に自動車輸出に弱さが見られ、外需の回復は限定的となりました。その後、10月以降は所得税減税やエネルギー補助金の効果が現れ、個人消費には持ち直しの動きが見られました。年度後半にかけても物価上昇は継続し、コアCPIは高止まりが続きましたが、賃金上昇も一部に見られ、家計の実質購買力の改善は緩やかでした。設備投資は半導体、AI、脱炭素関連分野を中心に底堅く推移し、外需は低調ながら、内需を中心に景気は緩やかに持ち直しました。こうした中、当社グループは積極的な提案営業を展開した結果、工場設備市場において、省エネルギー効果・CO2削減効果に寄与するワイズジャケットや、医療機関・医薬品工場向けマグネットミキサーの好調などにより売上を伸ばし、国内売上は前期を上回る推移となりました。 海外経済では、米国は高金利・高インフレの影響下で成長は緩やかとなる一方、労働市場は底堅く、個人消費も堅調でした。金融政策の方向性に変化は見られたものの、金利水準は景気抑制要因として作用しました。設備投資はAI、半導体、再生可能エネルギー分野を中心に底堅さが見られました。欧州はインフレ鈍化で回復の動きが見られたものの、高金利や世界貿易の減速、地政学的リスクの影響で低調に推移しました。中国では不動産市場の低迷や内需の弱さが続き、政策対応はあったものの回復は緩やかでした。今後は、ウクライナ情勢や中東情勢などの地政学的リスクに加え、米中摩擦や金融政策動向など不透明感が継続すると見込まれます。一方、米国の個人消費の底堅さやインフレ鈍化に伴う金融環境の改善、AI半導体・脱炭素関連分野の投資継続が下支え要因となると見込まれ、世界経済は減速懸念を含みつつも緩やかな回復基調で推移するものと見込まれます。当社グループの輸出関連につきましては、中国向けの販売は前期を下回る売上だったものの、アセアン地域向けの販売が好調に推移したことにより、販売活動全体としては前期を上回る結果となりました。 今後については、国内においては、賃金上昇や各種政策効果を背景に個人消費の持ち直しが期待されるほか、AI、半導体、脱炭素関連分野を中心とした設備投資が景気を下支えするものと見込まれます。一方で、物価上昇や為替・金融市場の変動による影響には引き続き注視を要する状況にあります。世界経済の先行きについては米国を中心に個人消費は底堅く推移すると見込まれるものの、高金利環境の継続や地政学的リスク、米中摩擦等が世界経済の下振れリスクとなっており、先行き不透明な状況が続くものと見込まれます。当社グループとしましては、刻々と変化する経営環境に柔軟に対応するとともに、引き続き新規案件と新規販路獲得のための活動を積極的に行い、受注率の向上に取り組みます。また、こうした変化の激しい経営環境の中で継続的な成長を続けるためには企業体力の向上も必須となっており、当社グループとしましては中長期的な視点で以下のような課題に取り組み、経営の効率化と業績の向上に努めてまいります。① 販売シェアの拡大・国内外の建築設備物件の受注獲得・流通、エンドユーザー、建築物件の三つの領域で営業強化を推進・海外販路の更なる拡大② 製品開発の強化・製品ラインアップの拡大および新市場へ投入できる製品開発・開発スケジュールの厳守を図り開発期間を短縮し開発力をあげる③ リスク管理の強化・内製化を含むサプライチェーンの多様化・自然災害およびナフサ関連材料の調達性への対策強化 ④ サステナビリティ経営の推進・流体制御バルブの販売を通じ顧客の省エネを支援する・社内においてもより一層の省エネを推進する・販売地域の拡大と新市場への参入を推進し企業の持続性を一層高める なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態および経営成績の状況当連結会計年度における我が国の経済は、2025年4月から9月にかけて、内需の回復の鈍さと輸出の低迷により景気の下押し圧力が継続しました。特に、米国の通商政策の影響等を背景に自動車輸出に弱さが見られ、外需の回復は限定的となりました。その後、10月以降は所得税減税やエネルギー補助金の効果が徐々に現れ、個人消費には持ち直しが見られました。年度後半にかけても物価上昇は継続し、コアCPIは高止まりが続き、賃金上昇も一部に見られ、家計の実質購買力の改善は緩やかなものとなりました。設備投資につきましては、半導体、AI、脱炭素関連分野を中心に通期を通じて底堅く推移し、その結果、外需は低調に推移したものの、内需を中心として景気は緩やかな持ち直しが続きました。海外経済においては、米国では高金利・高インフレ環境の影響を受け成長は緩やかなものとなる中、労働市場は底堅く、個人消費も堅調でした。また、インフレ動向を踏まえ金融政策の方向性には変化が見られたものの、金利水準は引き続き景気の抑制要因として作用しました。設備投資につきましては、AI、半導体、再生可能エネルギー関連分野を中心に底堅さが見られました。欧州ではインフレの鈍化を背景に回復の動きが見られたものの、高水準の金利や世界貿易の減速、地政学的リスクなどの影響により、個人消費や投資回復は限定的となり、景気は力強さを欠く状況が続きました。中国では不動産市場の低迷や内需の弱さが続き、政府による金融・財政政策が講じられたものの、需要構造の変化等もあり、景気回復は緩やかなものにとどまりました。今後の見通しにつきましては、ウクライナ情勢や中東情勢などの地政学的リスクが引き続き不確実性要因となるほか、米中間の貿易・技術摩擦の動向や各国の金融政策の方向性など、先行き不透明な状況が続くと見込まれます。一方で、米国を中心とした個人消費の底堅さや、インフレ鈍化に伴う金融環境の改善に向けた動き、並びにAI・半導体・脱炭素関連分野を中心とした設備投資の継続が景気の下支え要因となると見込まれます。このような状況のもと、世界経済は減速懸念を内包しつつも、総じて緩やかな回復基調で推移することが見込まれます。当社グループにおきましては、国内外のマーケットへ向け営業活動を強化してまいりました結果、国内顧客向け販売では、製鉄関連市場において、前期に発生した大規模案件が当期は発生しなかったことなどで低調な売上となった一方で、工場設備市場において、省エネルギー効果・CO2削減効果に寄与するワイズジャケットや、医療機関・医薬品工場向けマグネットミキサーの好調などにより売上を伸ばし、国内売上は前期を上回る推移となりました。海外顧客向け販売では、中国向けの販売は前期を下回る売上だったものの、アセアン地域向けの販売が好調に推移したことにより、販売活動全体としては前期を上回る結果となりました。今後につきましては、販売活動において、国内外の建築設備物件の受注獲得に努めるとともに、流通、エンドユーザー、建築物件の三つの領域で営業強化を推進し、海外販路の更なる拡大を図ってまいります。製品開発においては、製品ラインアップの拡大および新市場へ投入できる製品開発を推進し、開発スケジュールの厳守と開発期間の短縮により、開発力の強化に努めてまいります。さらに、内製化を含むサプライチェーンの多様化や、自然災害およびナフサ関連材料の調達性への対策強化など、リスク管理の強化に取り組んでまいります。また、流体制御バルブの販売を通じて顧客の省エネを支援するとともに、社内においてもより一層の省エネを推進し、販売地域の拡大および新市場への参入を進めることで、サステナビリティ経営を推進し、企業価値の向上に努めてまいります。このような状況のもと、当社グループは一丸となり、引き続き積極的な提案営業を展開いたしました結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ10億47百万円増加し、213億6百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4億68百万円減少し、28億25百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ15億16百万円増加し、184億81百万円となりました。b.経営成績当連結会計年度の経営成績は、売上高103億43百万円(前期比 5.1%増)、営業利益13億20百万円(前期比23.5%増)、経常利益22億96百万円(前期比58.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億78百万円(前期比58.5%増)となりました。 セグメントごとの経営成績(セグメント間の内部取引高を含む)は以下のとおりであります。 日 本: 78億円(前期比 1.1%増) アジア: 48億4百万円(前期比12.6%増) 損益面では、生産の効率化、工数低減やコスト削減を徹底した結果、セグメント利益(セグメント間の内部取引高を含む)は以下のとおりとなりました。 日 本: 10億32百万円(前期比22.4%増) アジア: 3億円(前期比17.7%増)②キャッシュ・フローの状況a.キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金および現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5億21百万円増加し、39億91百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において営業活動による資金の収入は、12億90百万円であり、前連結会計年度に比べ1億28百万円減少しました。これは、棚卸資産の増減額が前連結会計年度の55百万円の増加に対して当連結会計年度は2億43百万円の増加となるなどの減少要因があったことによります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において投資活動による資金の収入は、3億93百万円であり、前連結会計年度の3億96百万円の支出に比べて7億90百万円の収入の増加となりました。これは、有価証券の償還による収入2億円、投資有価証券の償還による収入5億円および組合出資金の払戻による収入2億44百万円が発生したことなどの増加要因があったことなどによります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において財務活動による資金の支出は、13億63百万円であり、前連結会計年度に比べ6億86百万円増加しました。これは、長期借入金の返済による支出が3億12百万円増加したこと、短期借入金の純増減額が4億55百万円減少したことなどの増加要因があったことなどによります。 b.資本の財源および資金の流動性についての分析(財務・資本政策)当社グループは、棚卸資産の適正化や会社業績の向上により営業キャッシュ・フローを積み上げ、将来への成長投資や研究開発へ積極的に資金を振り向ける一方で、事業リスクに備えた財務体質強化のため、内部留保による自己資本の充実を図っております。また、資金運用(有価証券および投資有価証券の取得)についても一時的な余資運用と位置付け、計画的に資金を確保する体制をとっており、事業活動に必要な資金の流動性を確保しております。 (資金調達)当社グループは運転資金並びに設備投資および研究開発活動等の資金需要は自己資金を原則としております。必要に応じて銀行借入等による資金調達により、財務の安定性および流動性を補完しております。運転資金については、当座貸越契約の融資枠などによる金融機関からの借入金で調達しております。また、企業買収などの投資資金につきましては、短期または長期借入金で調達しております。当連結会計年度末において、借入金の残高は21百万円であります。また、機動的な資金調達体制を確保するため、取引金融機関との間で合計15億60百万円の当座貸越契約を締結しておりますが、当連結会計年度末における借入実行残高はありません。なお、グループ会社の資金については当社にて一元管理しており、必要に応じて当社より資金を融通しております。 (株主還元)当社グループは株主に対する配当額の決定は最重要政策のひとつと考えており、財務体質の強化および将来の事業展開に必要な内部留保とのバランスを勘案しつつ、連結業績に応じた配当性向30%以上を目安として、安定的かつ継続的な増配を目標に配当額を決定する方針であります。内部留保につきましては、将来にわたる株主の利益を確保するため、開発、生産、販売競争力の維持強化を目的とする設備の新設、増設、更新等の中長期視点にたっての投資等に充当させていただくとともに、会社の財産の状況および株価の状況等を考慮したうえ自己株式の買受けを行い、株主への利益還元を図る予定であります。当事業年度(第83期)の配当額につきましては、業績等を勘案し、1株当たり35円とさせていただく予定であります。③生産、受注および販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)日本4,364,366△2.2アジア6,085,39614.3合計10,449,7636.8(注) 金額は販売価格によっております。 b.受注実績当社グループは受注見込みによる生産方式をとっておりますので、該当事項はありません。c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)日本7,592,2180.4アジア2,751,34020.5合計10,343,5595.0(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状態および経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析 ①財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりであります。当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境および対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。(日本)日本においては、建築設備市場では都心再開発案件で着工遅れや工期の長い案件が多く見られたものの、関東圏を中心に徐々に回復の兆しもある中、当社グループにおいては前期を上回る売上となりました。製鉄関連市場においては前期ほどの伸びはなかったものの、工場設備市場においては、省エネルギー効果・CO2削減効果に寄与するワイズジャケットやマグネットミキサーの好調などにより売上を伸ばした結果、国内全体の売上高は前期を上回る推移となりました。この結果、当連結会計年度の売上高は78億円(前期比 1.1%増)、セグメント利益は10億32百万円(前期比22.4%増)となりました。セグメント資産は、現金および預金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ9億75百万円増加し91億17百万円となりました。(アジア)アジアにおいては、タイにおける製造工場におきまして、日本国内で生産しておりました製品の生産移管を順次行っており、当社グループ全体の中心的な生産拠点として、鋳造から加工、組立までの一貫生産体制により、品質、コスト、納期面の大幅な改善を実現しております。また、アセアン地域の販売子会社が地域ごとの主力市場へ深く関与しヨシタケグループの販売活動に貢献しております。当連結会計年度における販売活動におきましては、主にアセアン地域向けの売上で当社グループの主力製品である工場向けバルブ製品の販売が好調に推移し、近年取得した海外連結子会社においても売上は伸長し、販売活動全体としては前期を上回る結果となりました。この結果、当連結会計年度の売上高は48億4百万円(前期比12.6%増)、セグメント利益は3億円(前期比17.7%増)となりました。セグメント資産は、売掛金や有形固定資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ3億75百万円増加し84億73百万円となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報当社グループの資本の財源および資金の流動性については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況 b.資本の財源および資金の流動性についての分析」に記載のとおりであります。 ③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 生産拠点集中リスク製品の一部をタイの生産子会社で生産しているため、タイ国内での紛争や大規模災害、または輸送経路での問題が発生した場合、製品の調達が困難になる可能性があります。代替生産や備蓄で対応していますが、想定外の事態が続けば業績に影響を及ぼす可能性があります。
- 原材料価格高騰リスク鋳鉄、青銅鋳物、ステンレスなどの金属製品を主要原材料としており、金属市況の変動による価格高騰は仕入価格の大幅な引き上げにつながる可能性があります。コスト削減や販売価格への転嫁には限界があるため、中長期的に業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 人材確保・育成リスク継続的な事業運営には優秀な人材の確保と育成が不可欠ですが、将来にわたって適切な人材を確保できない場合、中長期的に事業運営に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。新卒採用を中心に継続的な採用活動を行っていますが、リスクは存在します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)生産拠点について 当社グループは製品の一部をタイ国における生産子会社で生産しております。タイ国または製品の輸送経路において紛争や重大な災害などが発生した場合、当該製品の入手が困難になる可能性があります。当社グループにおきましては当該製品の十分な備蓄をしており、すでに国内および国外において代替調達や代替生産に向けてのノウハウがあり生産体制の移行に向けてプロセスも万全を期しておりますが、想定外の事態が続き入手が困難になった場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(2)原材料調達について 当社グループは鋳鉄や青銅鋳物、ステンレスなどの金属製品を主要原材料として使用しております。現状の金属市況においても一部金属において大幅な価格上昇が見られますが、将来的に全面的に大幅上昇へと転ずる局面では、仕入先からの大幅な価格引き上げ要請を受ける可能性があります。価格の引き上げがされた場合は販売価格へ転嫁するなどの対応を行うものの、当社グループが実施しているコスト削減や販売価格への転嫁には限界があるため、中長期的には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、塗料や樹脂製資材など、一部の石油由来製品について大幅な価格上昇や調達困難な状況が見られておりますが、長期化、深刻化していく局面では一部製品の製造活動に障害が生じる可能性があります。長期化していく段階では販売価格への転嫁や代替資材への切り替えなどの対応を行うものの、中長期的には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(3)人材確保について 当社グループの継続的な事業運営において、将来的なビジョンを見据えた上での人材確保・育成は必要不可欠なものとなっております。当社グループにおいては年齢層ごとの人材分布を適正に保つため、新卒採用を中心に継続的な採用活動を進めており毎年一定数の採用を確保しているものの、将来にわたり優秀な人材の確保が維持できない場合、中長期的に当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(4)販売価格について 景気の減速や企業収益の悪化等による建設需要や設備投資意欲の減退が販売価格低下圧力につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは「フェアビジネス」の企業理念のもと、安易な価格競争や価格崩壊につながる営業活動は行わず、製品価値に見合った適正な販売価格を提示していく方針でありますが、競合他社の動向や市場の情勢により一時的に市場シェアを失う可能性があります。