6504

富士電機(6504)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • エネルギー・環境事業
    富士電機は、地熱・水力・火力発電、変電システム、蓄電システム、太陽光・風力発電など、エネルギーの生成から管理まで幅広く手掛けています。脱炭素社会への貢献を目指し、持続可能なエネルギーソリューションを提供することで収益を上げています。
  • インダストリー事業
    インバータ、モータ、センサーなどの自動化機器から、鉄道車両用システム、原子力関連設備、さらには電気工事や空調設備工事まで、産業の基盤を支える多様な製品とサービスを提供しています。DXソリューションも手掛け、幅広い産業分野で事業を展開しています。
  • 半導体・食品流通事業
    産業用・自動車用パワー半導体の開発・生産・販売が主要な収益源です。また、飲料・食品自販機や店舗設備機器、金銭機器などの食品流通分野も手掛けており、社会インフラを支える製品群で収益を構成しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • エネルギー事業
    発電プラント(地熱、水力、火力、燃料電池)、変電・蓄電システム、太陽光・風力発電、無停電電源装置(UPS)などを手掛けています。脱炭素化ニーズや系統安定化市場の伸長を背景に、売上高3,476.94億円、営業利益321.25億円と安定した収益を上げています。
  • インダストリー事業
    インバータ、モータ、サーボシステムなどのオートメーション機器、鉄道車両用システム、原子力関連設備、電気・空調設備工事などを提供しています。幅広い産業分野を支え、売上高3,967.02億円、営業利益381.64億円と最大の売上高を誇る基幹事業です。
  • 半導体事業
    産業用・自動車用パワー半導体の開発、生産、販売を行っています。電動車市場の成長鈍化はあるものの、中長期的には脱炭素化ニーズによるモビリティの電動化が期待されており、売上高2,335.24億円、営業利益370.81億円と高い収益性を維持しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Energy 事業 3,477 321 9.2%
Industry 地域 3,967 382 9.6%
Semiconductors 事業 2,335 371 15.9%
FoodAndBeverageDistribution 事業 1,093 139 12.7%
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FY2026|1,474 文字
3【事業の内容】 当社及び当社の関係会社115社(子会社104社及び関連会社11社〔2026年3月31日現在〕により構成)は、「エネルギー」、「インダストリー」、「半導体」、「食品流通」、「その他」の5セグメントに区分され、製品の開発、生産、販売、サービスなどにわたる幅広い事業活動を行っております。 当連結会計年度末において、各セグメントに携わる連結子会社の数は、合計で68社となっております。また、持分法適用会社は4社となっております。 各セグメントの主要な事業内容並びに各セグメントに携わる当社及び関係会社の位置付け等は次のとおりです。 〔エネルギー〕(主要な事業内容)《発電プラント》火力発電設備、地熱発電設備、水力発電設備、燃料電池、原子力関連機器《エネルギーマネジメント》受変電設備、産業電源設備、蓄電システム、エネルギーマネジメントシステム、太陽光・風力発電《施設・電源システム》無停電電源装置(UPS)、電機盤《設備工事》電気工事、空調設備工事 (主要な関係会社) (連結子会社)富士電機マニュファクチャリング(タイランド)社富士タスコ社Fuji SMBE Pte. Ltd. 他15社Reliable Turbine Services LLC富士電機E&C㈱ (持分法適用会社)富士ファーマナイト㈱富士電機E&C(タイ)社 〔インダストリー〕(主要な事業内容)《FAコンポーネント》インバータ、モータ、サーボシステム、小型電源、計測機器、センサ、スマートメータ、コントローラ、HMI《オートメーション》駆動制御・計測制御システム、FAシステム《社会ソリューション》鉄道車両用駆動システム・ドアシステム、船舶・港湾用システム、放射線機器・システム《器具》受配電・制御機器《ITソリューション》ICTに関わる機器・ソフトウエア (主要な関係会社) (連結子会社)富士電機メーター㈱富士アイティ㈱発紘電機㈱富士電機FAサービス㈱富士電機ITソリューション㈱富士電機機器制御㈱富士電機テクニカ㈱ ㈱秩父富士富士電機大連社常熟富士電機社フランス富士電機社Fuji CAC Joint Stock Company富士電機(珠海)社富士電機馬達(大連)社無錫富士電機社上海電気富士電機電気技術(無錫)社Fuji SEMEC Inc.Fuji SEMEC Corp.Fuji Gemco Private Limited富士電機インド社 〔半導体〕(主要な事業内容)《半導体》産業用・自動車用パワー半導体 (主要な関係会社) (連結子会社)富士電機パワーセミコンダクタ㈱富士電機津軽セミコンダクタ㈱富士電機(香港)社富士電機(深圳)社フィリピン富士電機社マレーシア富士電機社聯合富士半導体社 〔食品流通〕(主要な事業内容)《自販機》飲料自販機、食品・物品自販機《店舗流通》店舗設備機器、金銭機器 (主要な関係会社) (連結子会社)宝永プラスチックス㈱㈱三重富士富士電機リテイルサービス㈱大連富士冰山自動販売機社大連富士冰山自動販売機販売社富士電機(杭州)軟件社 〔その他〕(主要な事業内容)不動産業、保険代理業、旅行業、金融サービス、印刷・情報サービス、人材派遣サービス (主要な関係会社) (連結子会社)富士電機フィアス㈱富士オフィス&ライフサービス㈱ (持分法適用会社)メタウォーター㈱メタウォーターサービス㈱ 事業系統図 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。 (注)※を付しました会社は、持分法適用会社であります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
電磁開閉器「SC-NEXTシリーズ」が国内トップシェアを維持しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
パワーエレクトロニクス技術やパワー半導体技術を中心に強いコンポーネントとシステムを創出。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:半導体分野の製品サイクル短縮と需給変動 / 環境規制強化やESG評価による一部事業への批判 / 原材料・部品価格の大幅な上昇
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

富士電機は、発電プラント、送配電、産業プラント、FAシステム、半導体製造装置、食品自動化設備など、多岐にわたる事業で長年の実績と技術蓄積を持つ。特に、再生可能エネルギー関連や半導体製造装置分野での技術力は一定の評価を得ているが、特定の強力なブランドや特許による独占的な優位性は限定的。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

産業プラントやFAシステム、半導体製造装置など、BtoB分野では顧客との長期的な関係やシステムインテグレーションによる一定のスイッチングコストが存在する。しかし、顧客の選択肢は複数存在し、価格や性能で競合に乗り換える可能性も否定できない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

富士電機は、特定のプラットフォームやサービスを提供する事業モデルではなく、ハードウェア中心の事業が多いため、ネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

グローバルな生産体制やサプライチェーンの最適化を進めているが、電気機器業界全体が価格競争に晒されており、構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。規模の経済による効率化は進んでいる可能性がある。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

発電プラント、送配電、FAシステム、半導体製造装置など、主要事業分野において、国内外で一定の市場シェアを確保しており、規模の経済による効率的な事業運営を行っている。特にインフラ関連や産業機器分野では、大手としての地位を確立している。

  • 幅広い事業領域と技術力
    発電プラントから半導体、食品流通まで多岐にわたる事業を展開しており、特にパワーエレクトロニクス技術やパワー半導体技術を強みとしています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した事業基盤を築いています。
  • グローバルな事業展開
    世界各地に事業拠点を持ち、特に中国をはじめとするアジア市場での販売拡大に注力しています。各地域の市場ニーズを捉え、地産地消の推進やグローバル調達を行うことで、効率的なサプライチェーンを構築し、競争力を高めています。
  • 環境・社会貢献への取り組み
    エネルギー・環境事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献し、「環境ビジョン2050」を推進しています。TCFDに賛同し気候変動リスク分析も行うなど、ESG経営を重視することで、企業価値向上と社会からの信頼獲得を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 利益重視の経営
    2026年度を最終年度とする中期経営計画では、「利益重視経営による更なる企業価値向上」を基本方針に掲げています。営業利益率11%超、純利益率7%超、ROE12%以上、ROIC10%以上を重要経営目標とし、収益性の向上を最優先課題としています。
  • 成長戦略の推進
    エネルギー需要の増大や脱炭素化ニーズに対応するため、発電プラントや変電システム、蓄電池システムなどの受注拡大を図ります。半導体分野では電動車市場の成長に対応した生産能力増強、インダストリー分野ではインドでのスマートメーター事業参入など、各事業で成長機会を追求しています。
  • 経営基盤の強化
    不確実性の高い事業環境に適応するため、生産体制の最適化や生産能力向上へのタイムリーな投資、デジタル技術を活用した生産性向上に取り組んでいます。また、多様な人材の育成やESG主要課題への取り組みを通じて、持続的な成長を支える強固な経営基盤を構築することを目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針 [経営理念] 富士電機は、地球社会の良き企業市民として、 地域、顧客、パートナーとの信頼関係を深め、誠実にその使命を果たします。 ●豊かさへの貢献 ●創造への挑戦 ●自然との調和 [経営方針] 1.エネルギー・環境技術の革新により、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献します。 2.グローバルで事業を拡大し、成長する企業を目指します。 3.多様な人材の意欲を尊重し、チームで総合力を発揮します。 (注)本有価証券報告書における「富士電機」の表現は、当社並びに子会社及び関連会社から成る企業集団を指します。 (2)経営環境及び優先的に対処すべき課題 2026年度は、2024年度を始期とする3ヵ年中期経営計画の最終年度となります。基本方針に「利益重視経営による更なる企業価値向上」を掲げ、主要経営指標として、営業利益率11%以上、純利益率7%以上、ROE12%以上、ROIC10%以上を目指しております。 2026年度におきましては、これら指標の全ての達成とともに、売上高、営業利益ともに過去最高の更新を目指します。なお、株主還元として、配当金と合わせて自己株式取得を実施し、株主還元を高めてまいります。 また、持続的成長に向けて「経営基盤の強化」を推進し、ESG(環境・社会・ガバナンス)の主要課題に対し、国内外のグループ各社が連携して取り組みます。 あわせて、2027年度を起点とする次期中期経営計画の策定に着手いたします。事業活動で獲得したキャッシュを、新たな技術やリソースの獲得に向けた積極投資、並びに人的資本への投資や株主還元に充当し、「成長の好循環」を実現する持続的成長企業を目指してまいる所存です。 <2026年度経営計画> 地政学リスクの高まりや国際秩序の動揺により、世界情勢は混迷を極めております。これらに伴うサプライチェーンの分断やエネルギー・原材料価格の高騰などは、経済の不確実性を一段と増大させています。 こうした中、生成AIをはじめとするデジタル技術の活用拡大に伴い電力需要が増大するとともに、脱炭素化に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)への投資が加速しております。電力、製造業及びデータセンター等においては、エネルギーの脱炭素化や安定供給、並びに省エネ・電化に係る設備投資が堅調に推移しております。 〔基本方針〕1. 利益重視の経営 エネルギー需要、GX投資、デジタル化ニーズを捉え、パワエレを中心とした4事業セグメントの相互連携を強化いたします。差別化を図り競争力のある「強いコンポーネント」をベースに、高付加価値なプラント・システム事業を拡大することで、収益力の更なる強化を図ります。 生成AI/デジタル技術を活用した業務変革により、業務効率化及び競争優位性の向上を追求してまいります。 2. 持続的成長に向けた経営基盤の強化 持続的な企業価値向上を支えるべく、ESGの主要課題(マテリアリティ)への取り組みを深化させます。・「従業員ファースト」を基本に、役割を基軸とした処遇制度への転換とキャリア形成支援を通じて、多様な人財のウェルビーイング(総合的な仕事・会社満足度)と会社の持続的成長の両立を実現してまいります。・環境面では、環境ビジョンにおける2030年度目標に加え、新たに2035年度目標を策定し、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への対応を推進いたします。・ガバナンス体制の強化として、グローバルでのコンプライアンス徹底や情報セキュリティの強化に加え、経済安全保障への対応、地政学リスクや災害リスクへの対応力の向上に継続的に取り組みます。 〔経営計画〕 2026年度は売上高12,750億円、営業利益1,425億円、親会社株主に帰属する当期純利益1,050億円を経営目標に掲げ、各事業で以下のとおり取り組みます。 2025年度実績2026年度経営計画増減売上高12,276億円12,750億円+474億円営業利益1,366億円1,425億円+ 59億円親会社株主に帰属する当期純利益980億円1,050億円+ 70億円 ■エネルギー 拡大するエネルギー市場とGX・DX需要を確実に取り込み、成長を加速します。再生可能エネルギー、蓄電システムやエネルギーマネジメントシステム及び需要が急伸長するデータセンター・半導体工場向け無停電電源装置、受変電機器、配電盤の受注拡大を図ります。 旺盛な需要に対応すべく国内外で生産能力増強投資を行い、生産能力を高めます。 ■インダストリー FAコンポーネント分野は、収益力の強化に向け、新商材による拡販を進めるとともに、生産・商流の最適化に取り組みます。 オートメーション分野は、駆動制御・計測制御システムを中核としたトータルソリューションに加え電気・熱エネルギーマネジメント技術による省エネルギー化と電化推進により事業拡大を図ります。 ■半導体 産業分野では、新規顧客開拓を加速させ、再生可能エネルギーやFA向けを中心に売上拡大を図ります。 電装分野では、SiC製品の売上拡大を図るとともに、グローバル顧客へのスペックイン活動を推進します。 更なる競争力の強化に向けて、第8世代IGBT及びSiC8インチの開発を加速します。 ■食品流通 自販機分野では、デジタル技術を活用したダイナミックプライシング機能搭載機種の投入やオペレーション効率化サービスの展開等により、顧客提供価値を高めます。また、コア技術を活用したロッカー型自販機により、新領域での事業拡大を図ります。 店舗流通分野では、環境対応・省エネ・省人化に貢献する高付加価値製品を展開します。さらに、外食分野向けコーヒーマシンでの新市場開拓を進めます。 (3)2026年度中期経営計画の経営目標(連結) 当社は、2026年度を最終年度とした3ヵ年中期経営計画「熱く、高く、そして優しく2026」を策定し、「利益重視経営による更なる企業価値向上」を基本方針に掲げ、「収益力の更なる強化」、「成長戦略の推進」、「経営基盤の強化」の重点戦略に取り組んでいます。 本中期経営計画の経営目標(連結)は、次のとおりです。 2026年度中期経営計画売上高12,500億円営業利益1,400億円営業利益率11.2%親会社株主に帰属する当期純利益900億円純利益率7.2% ※前提為替レート:1US$=140円、1EURO=150円、1人民元=19.5円 〔財務指標〕ROE(自己資本利益率)12%以上ROIC(投下資本利益率)10%以上自己資本比率50%程度ネットD/Eレシオ0.2倍程度配当性向30%目安 (注)上記のうち、将来の経営目標等に関する記載は、本有価証券報告書の提出日現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は、実際の結果とは実質的に異なる可能性があり、当社はこれらの記載のうち、いかなる内容についても、確実性を保証するものではありません。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針 [経営理念] 富士電機は、地球社会の良き企業市民として、 地域、顧客、パートナーとの信頼関係を深め、誠実にその使命を果たします。 ●豊かさへの貢献 ●創造への挑戦 ●自然との調和 [経営方針] 1.エネルギー・環境技術の革新により、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献します。 2.グローバルで事業を拡大し、成長する企業を目指します。 3.多様な人材の意欲を尊重し、チームで総合力を発揮します。 (注)本有価証券報告書における「富士電機」の表現は、当社並びに子会社及び関連会社から成る企業集団を指します。 (2)経営環境及び優先的に対処すべき課題 2026年度は、2024年度を始期とする3ヵ年中期経営計画の最終年度となります。基本方針に「利益重視経営による更なる企業価値向上」を掲げ、主要経営指標として、営業利益率11%以上、純利益率7%以上、ROE12%以上、ROIC10%以上を目指しております。 2026年度におきましては、これら指標の全ての達成とともに、売上高、営業利益ともに過去最高の更新を目指します。なお、株主還元として、配当金と合わせて自己株式取得を実施し、株主還元を高めてまいります。 また、持続的成長に向けて「経営基盤の強化」を推進し、ESG(環境・社会・ガバナンス)の主要課題に対し、国内外のグループ各社が連携して取り組みます。 あわせて、2027年度を起点とする次期中期経営計画の策定に着手いたします。事業活動で獲得したキャッシュを、新たな技術やリソースの獲得に向けた積極投資、並びに人的資本への投資や株主還元に充当し、「成長の好循環」を実現する持続的成長企業を目指してまいる所存です。 <2026年度経営計画> 地政学リスクの高まりや国際秩序の動揺により、世界情勢は混迷を極めております。これらに伴うサプライチェーンの分断やエネルギー・原材料価格の高騰などは、経済の不確実性を一段と増大させています。 こうした中、生成AIをはじめとするデジタル技術の活用拡大に伴い電力需要が増大するとともに、脱炭素化に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)への投資が加速しております。電力、製造業及びデータセンター等においては、エネルギーの脱炭素化や安定供給、並びに省エネ・電化に係る設備投資が堅調に推移しております。 〔基本方針〕1. 利益重視の経営 エネルギー需要、GX投資、デジタル化ニーズを捉え、パワエレを中心とした4事業セグメントの相互連携を強化いたします。差別化を図り競争力のある「強いコンポーネント」をベースに、高付加価値なプラント・システム事業を拡大することで、収益力の更なる強化を図ります。 生成AI/デジタル技術を活用した業務変革により、業務効率化及び競争優位性の向上を追求してまいります。 2. 持続的成長に向けた経営基盤の強化 持続的な企業価値向上を支えるべく、ESGの主要課題(マテリアリティ)への取り組みを深化させます。・「従業員ファースト」を基本に、役割を基軸とした処遇制度への転換とキャリア形成支援を通じて、多様な人財のウェルビーイング(総合的な仕事・会社満足度)と会社の持続的成長の両立を実現してまいります。・環境面では、環境ビジョンにおける2030年度目標に加え、新たに2035年度目標を策定し、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への対応を推進いたします。・ガバナンス体制の強化として、グローバルでのコンプライアンス徹底や情報セキュリティの強化に加え、経済安全保障への対応、地政学リスクや災害リスクへの対応力の向上に継続的に取り組みます。 〔経営計画〕 2026年度は売上高12,750億円、営業利益1,425億円、親会社株主に帰属する当期純利益1,050億円を経営目標に掲げ、各事業で以下のとおり取り組みます。 2025年度実績2026年度経営計画増減売上高12,276億円12,750億円+474億円営業利益1,366億円1,425億円+ 59億円親会社株主に帰属する当期純利益980億円1,050億円+ 70億円 ■エネルギー 拡大するエネルギー市場とGX・DX需要を確実に取り込み、成長を加速します。再生可能エネルギー、蓄電システムやエネルギーマネジメントシステム及び需要が急伸長するデータセンター・半導体工場向け無停電電源装置、受変電機器、配電盤の受注拡大を図ります。 旺盛な需要に対応すべく国内外で生産能力増強投資を行い、生産能力を高めます。 ■インダストリー FAコンポーネント分野は、収益力の強化に向け、新商材による拡販を進めるとともに、生産・商流の最適化に取り組みます。 オートメーション分野は、駆動制御・計測制御システムを中核としたトータルソリューションに加え電気・熱エネルギーマネジメント技術による省エネルギー化と電化推進により事業拡大を図ります。 ■半導体 産業分野では、新規顧客開拓を加速させ、再生可能エネルギーやFA向けを中心に売上拡大を図ります。 電装分野では、SiC製品の売上拡大を図るとともに、グローバル顧客へのスペックイン活動を推進します。 更なる競争力の強化に向けて、第8世代IGBT及びSiC8インチの開発を加速します。 ■食品流通 自販機分野では、デジタル技術を活用したダイナミックプライシング機能搭載機種の投入やオペレーション効率化サービスの展開等により、顧客提供価値を高めます。また、コア技術を活用したロッカー型自販機により、新領域での事業拡大を図ります。 店舗流通分野では、環境対応・省エネ・省人化に貢献する高付加価値製品を展開します。さらに、外食分野向けコーヒーマシンでの新市場開拓を進めます。 (3)2026年度中期経営計画の経営目標(連結) 当社は、2026年度を最終年度とした3ヵ年中期経営計画「熱く、高く、そして優しく2026」を策定し、「利益重視経営による更なる企業価値向上」を基本方針に掲げ、「収益力の更なる強化」、「成長戦略の推進」、「経営基盤の強化」の重点戦略に取り組んでいます。 本中期経営計画の経営目標(連結)は、次のとおりです。 2026年度中期経営計画売上高12,500億円営業利益1,400億円営業利益率11.2%親会社株主に帰属する当期純利益900億円純利益率7.2% ※前提為替レート:1US$=140円、1EURO=150円、1人民元=19.5円 〔財務指標〕ROE(自己資本利益率)12%以上ROIC(投下資本利益率)10%以上自己資本比率50%程度ネットD/Eレシオ0.2倍程度配当性向30%目安 (注)上記のうち、将来の経営目標等に関する記載は、本有価証券報告書の提出日現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は、実際の結果とは実質的に異なる可能性があり、当社はこれらの記載のうち、いかなる内容についても、確実性を保証するものではありません。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)経営成績 当社は、2026年度を最終年度とする3ヵ年中期経営計画「熱く、高く、そして優しく2026」において「利益重視経営による更なる企業価値向上」を基本方針に掲げ、「収益力の強化」、「成長戦略の推進」並びに「経営基盤の強化」を推し進め、利益を伴った事業拡大と経営体質の更なる強化を目指しています。また、成長戦略の推進に向けて当期初にセグメント再編を実施し、「エネルギー」に設備工事分野を編入しシステム事業の強化、「インダストリー」に器具分野を編入しFAコンポーネントとのシナジー創出に取り組んでいます。 当期における当社を取り巻く市場環境は、米国の通商政策の影響等により世界経済の見通しの不透明感が継続したほか、投資資金の流入や需給の逼迫等により銀や銅等の原材料価格が高騰した一方で、脱炭素社会の実現に向けたGX投資や、生成AI・デジタル技術の活用拡大に伴うエネルギー需要の増大を背景として、電力、製造業及びデータセンター等における設備投資が堅調に推移しました。 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ9.3%増収の1兆2,275億95百万円となりました。部門別には、「エネルギー」、「インダストリー」、「半導体」は前連結会計年度を上回りましたが、「食品流通」は前連結会計年度を下回りました。国内売上高は、前連結会計年度に比べ10.6%増収の8,828億23百万円となりました。また、海外売上高は、前連結会計年度に比べ5.9%増収の3,447億71百万円となりました。なお、売上高に対する海外売上高の比率は、前連結会計年度に比べ0.9ポイント減少して28.1%となりました。 売上原価は、前連結会計年度に比べ9.7%増加し8,835億94百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度に比べ0.3ポイント増加して72.0%となりました。 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ3.6%増加し2,073億80百万円となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前連結会計年度に比べ0.9ポイント減少して16.9%となりました。 営業利益は、人的投資の拡充に伴う人件費の増加、原材料価格の高騰や、半導体の電装分野における需要減、食品流通における前期の改刷対応特需の反動減等の影響があったものの、エネルギーを中心としたプラント・システムの需要増加等が利益を押し上げ、前連結会計年度に比べ189億74百万円増加し、1,366億20百万円となりました。売上高に対する営業利益の比率は、前連結会計年度に比べ0.7ポイント増加して11.1%となっております。 営業外収益(費用)は、前連結会計年度の11億12百万円の収益(純額)から、26億90百万円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比べ15億78百万円の収益(純額)の増加となりました。これは、休止固定資産減価償却費が増加した一方で、前連結会計年度において11億26百万円であった為替差損が当連結会計年度は13億99百万円の差益に転じたことなどによるものであります。 これらの結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ205億51百万円増加し、1,393億10百万円となりました。 特別利益は、固定資産売却益及び投資有価証券売却益を計上し、55億84百万円となりました。なお、主に投資有価証券売却益の計上額が減少したことにより、前連結会計年度に比べ141億93百万円減少しております。 特別損失は、固定資産処分損、投資有価証券評価損、減損損失及び特別退職金を計上し、48億2百万円となりました。なお、減損損失を計上した一方、前連結会計年度に和解金を計上していたことなどにより、前連結会計年度に比べ72百万円の減少となりました。 以上により、税金等調整前当期純利益は1,400億91百万円となり、前連結会計年度に比べ64億30百万円の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税等の税金費用386億70百万円を税金等調整前当期純利益から控除し、更に、非支配株主に帰属する当期純利益33億90百万円を控除した結果、980億30百万円となり、前連結会計年度に比べ57億91百万円の増加となりました。 セグメント別の内容は、次のとおりであります。単位(百万円) 2025年3月期2026年3月期増 減売上高営業損益売上高営業損益売上高営業損益エネルギー354,33636,263394,16759,50639,83123,243インダストリー400,03233,971467,23244,38367,20010,412半導体236,78837,081237,38623,520598△13,561食品流通111,49713,902107,97613,132△3,521△770その他56,1483,76258,3573,8652,209103消去又は全社△35,396△7,334△37,524△7,787△2,128△453合計1,123,407117,6461,227,595136,620104,18818,974 ■エネルギー部門エネルギーマネジメント分野、施設・電源システム分野における需要増加等を主因として、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。・発電プラント分野は、水力発電設備の大口案件の増加等により、売上高は前期を上回りました。営業損益は、売上高の増加に加え、前期の火力・地熱案件の費用増の反動影響や案件差等により、前期を上回りました。・エネルギーマネジメント分野は、蓄電システム案件の増加や、電力及び産業向け変電機器、産業向け電源機器の大口案件の増加等により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。・施設・電源システム分野は、データセンター向け需要の増加により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。・設備工事分野は、大口案件の増加や、案件差及び原価低減の推進等により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。なお、当連結会計年度の受注高は3,311億円(富士電機㈱のエネルギー部門単独ベース)となっております。 ■インダストリー部門ITソリューション分野の大口案件の増加等を主因として、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。・FAコンポーネント分野は、計測機器の需要増等を主因として、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。・オートメーション分野は、鉄鋼分野向け需要の増加等により売上高、営業損益ともに前期を上回りました。・社会ソリューション分野は、輸送システムの需要増により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。・器具分野は、機械セットメーカ向け需要の緩やかな回復により、売上高は前期を上回りました。営業損益は、原材料価格の高騰影響があったものの、需要増や価格改定等により前期を上回りました。・ITソリューション分野は、文教分野の大口案件の増加により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。なお、当連結会計年度の受注高は1,852億円(富士電機㈱のインダストリー部門単独ベース)となっております。 ■半導体部門・売上高は、産業分野では、中国向けの需要増加と為替影響により、前期を上回りました。電装分野では、電動車(xEV)向けパワー半導体の需要減少及び前期の価格改定の影響等により、前期を下回りました。営業損益は、産業分野における売上高の増加があったものの、原材料価格の高騰に加え、産業分野における中国市場を中心とした価格競争の影響や、電装分野における需要減少及び前期の価格改定の影響等により、前期を下回りました。なお、当連結会計年度の受注高は1,877億円(富士電機㈱の半導体部門単独ベース)となっております。 ■食品流通部門・自販機分野は、国内自販機の需要減少により、売上高、営業損益ともに前期を下回りました。・店舗流通分野は、前期の改刷対応特需の反動減の影響があったものの、コンビニエンスストアの改装増加に伴う店舗設備機器の需要増により、売上高は前期を上回り、営業損益は前期と同水準となりました。なお、当連結会計年度の受注高は1,036億円(富士電機㈱の食品流通部門単独ベース)となっております。 (注)当連結会計年度より、組織構造の変更に伴い、「エネルギー」及び「インダストリー」の各報告セグメントにおいて、集約する事業セグメントを変更しております。なお、各セグメントの前期との比較値は、前期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えたうえで算出しております。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績富士電機の生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、セグメントごとに生産規模を金額又は数量で示すことはしておりません。 ② 受注実績富士電機の生産・販売品目も広範囲かつ多種多様にわたっており、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに受注規模を金額又は数量で示すことはしておりません。このため受注実績については、「(1)経営成績」におけるセグメント別の内容に関連付けて示しております。③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%)エネルギー394,167111.2インダストリー467,232116.8半導体237,386100.3食品流通107,97696.8その他58,357103.9消去△37,524-合計1,227,595109.3 (2)財政状態 当連結会計年度末の総資産額は1兆4,066億69百万円となり、前連結会計年度末に比べ944億94百万円増加しました。 流動資産は8,318億44百万円となり、前連結会計年度末に比べ651億72百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ売掛金が238億47百万円、契約資産が118億10百万円、棚卸資産が184億25百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。 固定資産は5,747億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ293億43百万円増加しました。このうち、有形固定資産と無形固定資産の合計は3,865億83百万円となり、前連結会計年度末に比べ91億90百万円増加しました。また、投資その他の資産は1,881億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ201億52百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ投資有価証券が、その他有価証券の時価評価差額相当分の増加を主因として120億20百万円、退職給付に係る資産が120億84百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。 当連結会計年度末の負債合計は5,637億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ177億85百万円減少しました。 流動負債は4,340億47百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億81百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べリース債務が41億33百万円減少した一方で、契約負債が115億60百万円増加したことなどによるものであります。 固定負債は1,296億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ203億65百万円減少しました。これは、前連結会計年度末に比べ長期借入金が150億16百万円、リース債務が87億10百万円、それぞれ減少したことなどによるものであります。 なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は890億83百万円となり、前連結会計年度末に比べ157億93百万円減少しました。また、同残高の総資産に対する比率は6.3%となり、前連結会計年度末に比べ1.7ポイント減少しました。 当連結会計年度末の純資産合計は8,429億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,122億78百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ利益剰余金が720億51百万円、為替換算調整勘定が146億91百万円、退職給付に係る調整累計額が133億64百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。これらの結果、自己資本比率は56.9%となり、前連結会計年度末に比べ4.2ポイント増加しました。 セグメント別の内容は、次のとおりであります。■エネルギー部門 当連結会計年度末のセグメント資産は3,766億20百万円となり、売掛金、契約資産及び棚卸資産の増加を主因として、前連結会計年度末に比べ333億90百万円増加しました。 ■インダストリー部門 当連結会計年度末のセグメント資産は4,141億31百万円となり、売掛金、有形固定資産の増加を主因として、前連結会計年度末に比べ508億円増加しました。 ■半導体部門 当連結会計年度末のセグメント資産は4,123億64百万円となり、棚卸資産が増加した一方で、売掛金、電子記録債権及び有形固定資産の減少を主因として、前連結会計年度末に比べ40億57百万円減少しました。 ■食品流通部門 当連結会計年度末のセグメント資産は652億91百万円となり、棚卸資産の増加を主因として、前連結会計年度末に比べ24億66百万円増加しました。 ■その他部門 当連結会計年度末のセグメント資産は298億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億72百万円減少しました。 (3)キャッシュ・フロー 当連結会計年度における連結ベースのフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は、509億54百万円の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加(前連結会計年度は815億36百万円の増加)となり、前連結会計年度に対しては、305億82百万円の資金流入額の減少となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動による資金の増加は1,235億62百万円(前連結会計年度は1,449億20百万円の増加)となりました。これは売上債権及び契約資産並びに棚卸資産が増加した一方で、税金等調整前当期純利益の計上などによるものであります。 前連結会計年度に対しては、213億58百万円の資金流入額の減少となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動による資金の減少は726億8百万円(前連結会計年度は633億84百万円の減少)となりました。これは、投資有価証券を売却した一方で、有形固定資産を取得したことなどによるものであります。 前連結会計年度に対しては、92億24百万円の資金流出額の増加となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動による資金の減少は481億74百万円(前連結会計年度は862億46百万円の減少)となりました。これは、主として、配当金の支払並びにリース債務の返済などによるものであります。 前連結会計年度に対しては、380億72百万円の資金流出額の減少となりました。 当連結会計年度における資本の財源は営業活動によるキャッシュ・フローであり、その主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,400億91百万円、減価償却費617億78百万円、契約負債の増加によるもの108億36百万円、法人税等の支払額△387億74百万円、売上債権及び契約資産の増加によるもの△211億81百万円、棚卸資産の増加によるもの△115億83百万円、などとなっております。 なお、当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、設備投資に係る資金については、基本的に、社債及び長期借入金より調達することとしております。 これらの結果、当連結会計年度末における連結ベースの資金は、前連結会計年度末に比べ71億98百万円(11.5%)増加し、698億73百万円となりました。 (4)経営上の目標の達成状況(連結) 当社は、2026年度を最終年度とした3ヵ年中期経営計画「熱く、高く、そして優しく2026」において、「利益重視経営による更なる企業価値向上」を基本方針に掲げ、「収益力の更なる強化」、「成長戦略の推進」、「経営基盤の強化」の重点戦略に取り組んでいます。 2025年度連結実績においては、中期経営計画で掲げた2026年度の目標値に対して、次のとおりとなっております。 2026年度中期経営計画2025年度実績増減売上高12,500億円12,276億円△224億円営業利益1,400億円1,366億円△34億円営業利益率11.2%11.1%△0.1pt親会社株主に帰属する当期純利益900億円980億円+80億円純利益率7.2%8.0%+0.8% 〔財務指標〕ROE(自己資本利益率)12%以上13.1%ROIC(投下資本利益率)10%以上12.6%自己資本比率50%程度56.9%ネットD/Eレシオ0.2倍程度0.0倍配当性向30%目安30.1% (5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりであります。連結財務諸表の作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。これらの見積り及び仮定は、過去の実績や当連結会計年度末時点で入手可能な情報を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は異なることがあります。 当社が連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであると考えております。 ①履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり認識する収益について 当社グループは、個別受注生産による製品の販売及び工事契約による請負、役務の提供(以下、工事契約等)については、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識する方法(履行義務の充足に係る進捗度の見積りはコストに基づくインプット法)を適用しております。履行義務の充足に係る進捗度は案件の原価総額の見積りに対する連結会計年度末までの発生原価の割合に基づき算定しております。当該見積りについて将来の事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する収益及び費用の金額に影響を与える可能性があります。 ②固定資産(のれんを含む)の減損判定 当社グループは、保有する固定資産(のれんを含む)について減損の兆候がある場合は、当該資産又は資産グループについて減損損失を認識するかどうかの判定を行い、減損が必要と判定された場合は帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損損失を認識するかどうかの判定及び減損損失の測定に用いられる当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの見積り及び仮定等について将来の事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。 ③投資有価証券の減損判定 当社グループは、上場株式は相場価格を用いて時価を算定しております。期末における当該時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合は減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性を考慮して減損処理を行っております。また、非上場株式等の市場価格のない株式等については、財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合は、回復可能性を考慮して減損処理を行っております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振等、現在の見積り及び仮定に反映されていない事象が発生した場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において評価損が発生する可能性があります。 ④繰延税金資産の回収可能性 当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断したうえで繰延税金資産を認識しております。将来の課税所得の見積りについて、将来の事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。 ⑤退職給付債務の算定 当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務は、数理計算上の仮定を用いて算定しており、当該数理計算上の仮定には、割引率、退職率、昇給率等の様々な計算基礎があります。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表における退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付に係る調整累計額の金額に影響を与える可能性があります。 なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載しているとおりであります。

事業リスク

  • 投資回収の不確実性
    半導体分野は製品サイクルが短く、需給変動や競争が激しいため、多額の設備投資や研究開発投資を回収できない可能性があります。これにより、業績や財務状況に悪影響を及ぼすリスクがあります。
  • 環境規制と評判リスク
    パリ協定などの環境規制強化やESG評価機関からの評価により、石炭火力発電事業など一部事業への批判が強まる可能性があります。これにより、企業の評判が低下したり、業績や財務状況に影響が出たりするリスクがあります。
  • サプライチェーンの寸断
    世界各地に事業拠点を展開しているため、感染症拡大や物流網の寸断など予期せぬ事態が発生した場合、営業活動の制約、工場稼働停止、納期遅延などにより、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,959 文字
3【事業等のリスク】 富士電機は、事業等のリスクに関し、組織的・体系的に管理し、適切な対応を図って、影響の極小化に努めております。現在、富士電機の経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには以下のものがあります。なお、将来に関する事項につきましては、本有価証券報告書提出日(2026年6月19日)現在において、当社が判断したものであります。 リスク項目リスク内容1経営戦略事業戦略事業環境・富士電機は、成長が見込める事業に対し迅速に経営資源を集中させ、事業の拡大・発展を目指し、設備投資、研究開発投資を行っています。多額の資金を必要とする半導体の設備投資については、顧客との物量・価格面での交渉をもとに設備投資の判断を行うとともに、研究開発投資については、事業戦略との整合性や事業への貢献度を重視し、ロードマップに基づき、富士電機の将来を支える基盤・先端技術の研究開発を進め、主要な開発テーマは定期的に経営陣にて審議するとともに、市場の変化に応じてロードマップを随時見直しています。しかし、半導体分野の製品サイクルは短く、また製品需給の変動や競争が激しいことから、投資を回収できない可能性があり、そうした場合には、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ・富士電機は、エネルギー・環境事業を通じ持続可能な社会の実現に貢献して行くとともに、地球環境保護への取り組みを経営の重要課題と位置付け、サプライチェーン全体で脱炭素社会、循環型社会、自然共生社会の実現を目指す「環境ビジョン2050」を推し進めています。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同表明し、長期的な視点に立った気候変動によるリスク分析を行っています。しかし、パリ協定等の環境規制の強化や、ESG評価機関からの取り組み評価により、富士電機の一部事業(石炭火力発電事業)への批判が強まった場合は、富士電機の評判や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ・富士電機は、世界各地に事業拠点を展開し、各地域の市場・顧客に向けて製品・サービスを提供しています。地政学リスクの高まりや国際秩序の動揺により社会・経済・政治的混乱がおきた場合、営業活動の制約や工場の稼働停止、現地工事の出張規制等、事業活動にさまざまな影響を及ぼすことが懸念され、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。2コーポレート・ガバナンス・4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要に記載のとおり、富士電機は、平時より経営の透明性や監査機能の向上を図ることにより、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいますが、予期せぬ事態の発生により、内部統制や監査機能に不備が生じ、コーポレート・ガバナンスが機能不全に陥った場合は、経営に混乱をきたす等、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。3事業再編・提携・撤退・富士電機は、各事業分野における競争力強化のため第三者とのM&A・合弁・業務提携等の協業に積極的に取り組んでおり、事業戦略、技術、製品及び人事等の統合に向け、経営理念や経営方針、企業行動基準、経営計画や事業戦略等を共有し、緊密なコミュニケーションを図ること等により、良好な関係構築に取り組んでいますが、制度、文化面などの相違から十分な成果が得られない場合は、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。4マーケティング・営業・受注・富士電機は、国内市場のみならず海外市場への積極的な展開を図っており、特に中国をはじめとしたアジア市場向けの販売拡大に注力しています。富士電機は世界の各市場に営業拠点を展開して顧客動向を把握し、その情報を一元管理して分析と対策の検討を行う等、機会損失を回避する取り組みを行うとともに、海外及び国内の市場動向による業績影響の極小化に向け、コストダウンや総経費の圧縮に努めておりますが、民間設備投資や公共投資をはじめとする各国における市場環境の悪化、各市場における製品需給の急激な変動や競争の激化、及びそれらに伴う価格レベルの大幅な下落があった場合は、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ・富士電機は、エネルギー分野、インダストリー分野等において、大型プラント案件の受注活動を行っており、各案件において適正な利益を確保できるよう、受注時における見積りの精度向上、受注後のプロジェクト管理の強化等に取り組んでおりますが、受注後の予期せぬ仕様変更、工程遅延や自然災害等による採算悪化により、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 リスク項目リスク内容5開発・設計エンジニアリング・富士電機は、研究開発を加速するため研究開発体制を整備し、常に市場・顧客のニーズや最新の技術動向を見極めつつ、パワーエレクトロニクス技術やパワー半導体技術を中心に強いコンポーネントとシステムを創出する研究開発、及び要素技術の複合により顧客価値を生むソリューションの研究開発に注力しています。しかし、急速な技術の進歩により他社に優位性を奪われたり、計画どおりに開発が進まずに適切な時機に市場への製品投入ができない可能性があり、そうした場合には、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。6調達・手配・富士電機は、原材料価格高騰リスクに対して商品スワップ取引を行う等、リスクの軽減に努めていますが、円安を背景とした原材料・部品価格の上昇に加え、新興国の急激な需要増等の情勢変化によっては素材・原材料の需給逼迫が見込まれ、これらの価格が大幅に上昇した場合には、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。7生産・製造出荷・物流据付・引渡サービス・富士電機は、経営会議での営業部門と事業部門の情報共有等により、常に最新の物量動向を把握するとともに、生産性向上や地産地消の推進等で物量変動に対応できる最適な生産管理体制を構築していますが、予期せぬ事態により、製品需要の増(減)など物量動向の変化への対応が遅れた場合には、在庫不足(過剰)を招き、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ・富士電機は、サプライチェーン改革活動に基づく地産地消での「地域完結型」ものつくりの推進、グローバル調達の推進等に取り組んでおりますが、予期せぬ事態により、ヒト・モノの移動が制限され物流網が寸断された場合、サプライチェーンが機能せず、納期遅延等により富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。8品質保証・富士電機は、生産・販売する製品・サービスについて、品質管理体制を整備し、高い品質水準の確保に努めるとともに、必要な保険に加入しておりますが、予期せぬ事態により品質問題が発生した場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。9人的資源・労務・富士電機の事業活動は人財に大きく依存しており、技術・生産・販売・経営管理などの各分野において優秀な人財の確保・育成に向け、グローバル競争力強化につながる「プロフェッショナルな人財の育成」に注力し、積極的に社員の教育・研修を実施するとともに、キャリア採用拡大等により、優秀人財の確保に取り組んでいますが、そうした必要な人財を確保・育成できない場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。10財務・会計・税務・富士電機は、資金調達コストを最小化するべく、社債・CP・短期借入・長期借入の最適ミックスを常に検証し、機動的・安定的な資金調達が可能となるよう取り組んでいますが、金利が想定以上に上昇した場合、有利子負債に対する金利負担の増大を招くことにより、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ・富士電機は、債権の長期滞留調査や取引先の財務状況のモニタリング等、与信管理強化を図ることにより、売上債権の回収促進に取り組んでいますが、経済活動制限や景気低迷等により、取引先の資金繰りが悪化して債権回収不能となった場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 リスク項目リスク内容11法務・倫理・富士電機は、さまざまな事業分野及び世界の各地域において、各国の法令、規則等の適用を受けて事業活動を行っております。当社は代表取締役が委員長を務める「富士電機遵法推進委員会」において法令遵守の徹底を図るとともに、規制法令毎に社内ルール、監視、監査、教育の各側面において役割・責任を明確にしたコンプライアンスプログラム及び内部者通報制度等のコンプライアンス体制を整備しておりますが、法令違反等が発生した場合には、富士電機の社会的信用や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ・富士電機は、訴訟等の法的紛争に備え、適切なタスクフォースの組成により、必要プロセス(事実調査、是正措置、再発防止、社内処分、開示)を迅速に行う体制を構築しておりますが、予期せぬ多額の賠償を命じられた場合など、それらの決定の内容によっては、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ・富士電機は、知的財産権を効果的に守り、他社の権利を尊重した製品・技術の開発を進めておりますが、技術革新のスピードが加速していること、事業活動がグローバルに展開していることから、知的財産権の係争が発生した場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。12政治情勢社会経済動向・富士電機は、為替変動リスクによる業績への影響を最小限に止めることを目的として、一定の基準に従って為替予約を実施しておりますが、米ドルを中心とした対円為替相場の変動により富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ・富士電機は、中国やアジアを中心に多くの海外市場で事業展開しており、地政学リスクの最新情報を常時注視するとともに、想定外のリスクに備え、生産・販売拠点の分散化を図っておりますが、海外の国々で次のような事象が発生した場合は、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。○予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更○不利な政治的要因の発生○社会騒乱、テロ、戦争等による社会的混乱13株主・投資家の動向・富士電機は、財務情報に係る開示や非財務情報の積極的な開示並びに株主・機関投資家とのコミュニケーションを重視するとともに、ディスクロージャーポリシーに則った誠実且つ正確な情報開示を行う等、当社経営への理解を促す取り組みを行っておりますが、株主・投資家の意向と当社経営の意向に齟齬が生じる等により、役員選任議案に反対票を投じられたり、その他当社経営に対する株主提案を受けた場合、経営に混乱をきたす等、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。14自然災害・事故・富士電機は、世界各地に事業拠点を展開しており、災害や事故発生時において製品・サービスの供給を継続し、顧客や社会に対する責任を果たすため、社内に危機管理対応の専門部門を設置し、防火・防災の取り組み、事業継続計画(BCP)の策定及び必要な保険に加入する等、「事業継続力強化」に取り組んでおります。しかし、これら事業拠点において大規模な災害や事故等が発生した場合には、生産設備の破損、操業の中断、製品出荷の遅延等が生じ、富士電機の業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。15情報システム・富士電機は、多様化・高度化するサイバーセキュリティ脅威への対応のため、対策システムの整備及びセキュリティ対応組織(CSIRT/SOC)を設置し、攻撃の監視・制御を実施するとともに、新たな脅威の出現に備え、防御、検知システムの増強、サイバー訓練などの対応力強化を継続的に進めていますが、外部攻撃(サイバーテロ等)により機能不全が生じた場合や、情報漏洩等の問題が発生し、社会的信用を失墜させた場合、富士電機の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

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