事業の概要
- 冷却ファン事業山洋電気グループは、主に冷却ファン、電源機器、サーボアンプ、サーボモータといった産業用機器を生産・販売しています。特に冷却ファンは、電子機器の熱対策に不可欠な部品であり、様々な産業分野で需要があります。この事業は、同社の主要な収益源の一つとなっています。
- 電源機器事業同社は、産業機械や情報通信機器などに安定した電力を供給する電源装置や、モータを制御するサーボアンプ、ステッピングドライバなどを設計・製造・販売しています。これらの製品は、工場自動化(FA)や半導体製造装置など、高度な制御を必要とする分野で重要な役割を果たしており、同社の技術力が活かされています。
- モータ事業サーボモータやステッピングモータといった精密な動きを制御するモータの設計・製造・販売も行っています。これらのモータは、ロボットや工作機械、医療機器など、高精度な位置決めや速度制御が求められるアプリケーションに採用されており、同社の主要な収益構造を支える柱となっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 日本事業日本国内での事業活動を指し、売上高801.24億円、営業利益38.16億円と、同社グループの中で最も大きな規模を占めています。冷却ファン、電源機器、サーボモータといった主力製品の設計、製造、販売、および関連する電気機器販売や電気工事などを手掛けており、国内市場における安定した収益基盤を形成しています。
- アジア事業(東アジア・東南アジア)東アジア(売上117.69億円、営業利益0.52億円)と東南アジア(売上164.63億円、営業利益6.27億円)を合わせた地域での事業です。特に東南アジアは、フィリピンに主要な生産拠点を持つことから、生産と販売の両面で重要な地域となっています。半導体製造装置や通信装置向けの需要が堅調であり、今後の成長が期待される市場です。
- 欧米事業(北米・欧州)北米(売上82.08億円、営業利益2.27億円)とヨーロッパ(売上46.09億円、営業利益2.99億円)における事業活動です。これらの地域では、工作機械やロボットといった産業機械分野での需要が高く、同社はドイツに新たな支店を設立したり、ヨーロッパにステッピングモータの組立工場を稼働させたりするなど、市場開拓と供給体制の強化を進めています。グローバル展開における重要な戦略地域です。
FY2016 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Japan | 事業 | 801 | 38 | 4.8% |
| NorthAmerica | 事業 | 82 | 2 | 2.8% |
| Europe | 事業 | 46 | 3 | 6.5% |
| EastAsia | 事業 | 118 | 1 | 0.4% |
| SoutheastAsia | 事業 | 165 | 6 | 3.8% |
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3 【事業の内容】当社グループは、当社および子会社20社で構成され、主に冷却ファン、電源機器、サーボアンプ、サーボモータを生産、販売しています。当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討をおこなう対象となっているものです。当社グループは、展開する事業の特性から、サンエースカンパニー、エレクトロニクスカンパニー、モーションカンパニー、その他を報告セグメントとしています。 セグメント主な事業サンエースカンパニー冷却ファンなどの設計・製造・販売エレクトロニクスカンパニー電源装置・サーボアンプ・ステッピングドライバなどの設計・製造・販売モーションカンパニーサーボモータ・ステッピングモータなどの設計・製造・販売その他電気機器販売・電気工事など 〔事業系統図〕事業の系統図は次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 業界No.1の性能、品質、信頼性を有する製品の製造に取り組んでいるため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 急速な技術革新に対応し、業界トップの性能・品質・信頼性を持つ製品を開発する技術力 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:景気変動による受注減少 / 急速な技術革新への不適合 / グローバル展開における地政学的リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
山洋電気はDCファンやステッピングモーターなどの分野で一定の技術力とブランド認知を持つが、特許や独占的IPによる明確な優位性は限定的。特定のニッチ市場での評価はあるものの、汎用性の高い製品も多く、無形資産による強力な競争優位性は見出しにくい。
スイッチングコスト★★☆☆☆
同社の製品は、産業機器やOA機器などに組み込まれることが多く、一度採用されると設計変更コストや信頼性検証の観点から、顧客が他社製品へ容易に乗り換えることは難しい側面がある。しかし、代替技術の出現や顧客のコスト削減要求により、スイッチング・コストは絶対的なものではない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
山洋電気の事業モデルは、製品の利用者が増えることで価値が増すネットワーク効果を生むものではない。個々の製品の性能や信頼性が評価されるBtoBビジネスであり、プラットフォーム型ビジネスとは異なる。
コスト優位★☆☆☆☆
長年の製造業としての経験から、一定の生産効率は有していると考えられるが、グローバルな競合と比較して圧倒的なコスト優位性を持つという情報は少ない。為替変動や原材料価格の影響を受けやすく、構造的なコスト優位性は限定的。
規模の経済★★★☆☆
DCファンやステッピングモーターといった特定の分野においては、業界内で一定のシェアと生産規模を有しており、効率的な生産体制を構築していると考えられる。これにより、価格競争力や安定供給能力において、中小規模の競合に対して優位性を持つ可能性がある。
- 技術開発力山洋電気グループは、冷却ファン、電源機器、サーボモータといった主要製品において、業界トップクラスの性能、品質、信頼性を追求しています。急速な技術革新が進む市場において、設計開発活動の充実や生産技術の向上に継続的に取り組み、競合他社に対する優位性を維持しようとしています。新製品開発にも積極的です。
- グローバルな生産・販売体制日本とフィリピンを主な生産拠点とし、国内だけでなく北米、ヨーロッパ、東アジア、東南アジアといった幅広い地域に製品を販売しています。このグローバルな事業展開により、特定の地域経済の変動リスクを分散し、多様な市場からの需要を取り込むことで、事業構造の強化を図っています。
- 顧客ニーズへの対応力同社は、工作機械、ロボット、半導体製造装置、通信装置など、多岐にわたる産業分野の顧客に製品を提供しています。顧客のニーズの変化に迅速に対応するため、生産技術エンジニアリングサービスを開始し、自動化装置や生産支援システムの提供を通じて、顧客の生産性向上を支援するなど、付加価値の高いサービスを提供しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 企業価値の最大化山洋電気グループは、「すべての人々の幸せをめざし、人々とともに夢を実現する」という企業理念のもと、社会や環境、顧客、協力会社、投資家、同業者、社員といったステークホルダーとの共存共栄を目指しています。企業活動を通じて地球環境の保全や人類の繁栄に貢献し、持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としています。
- 「時間を力に」中期経営計画2026年4月から5年間を対象とする「第10次中期経営計画」では、「時間を力に」をテーマに掲げています。これは、製品開発、納期、業務品質において「山洋電気は早い」と評価される企業体質を目指し、時間を競争力に変えて新しい価値を創造していくことを意味します。具体的な目標として、フリー・キャッシュ・フローの重視、ROE10%以上の継続達成、営業利益率の重視、連結配当性向50%を目安とする株主還元方針を定めています。
- グローバル体制と新市場開拓同社は、グローバルな製品開発体制の強化(台湾テクノロジーセンター新設)や海外販売拠点の拡大(ドイツ支店新設、中国新会社設立)、生産能力の増強(フィリピン第4工場稼働、欧州ステッピングモータ組立工場稼働)を進めています。また、従来の「狭くて深い」市場から「広くて深い」市場への展開、AI関連市場や環境適合製品「エコプロダクツプラス」のリリース、生産技術エンジニアリングサービス開始など、新しいビジネスモデルや市場の開拓にも積極的に取り組んでいます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する記載は、有価証券報告書提出日現在において、将来に関する見通しおよび計画に基づき当社グループが合理的に判断したものであり、これらの記載は実際の成果と異なる可能性があるとともに、その達成を保証するものではありません。(1) 経営の基本方針当社グループは、人間社会における存在価値を高めることを目指し、次の企業理念を掲げています。「私たち山洋電気グループは、すべての人々の幸せをめざし、人々とともに夢を実現します。」この企業理念の遂行のために、次の6つの経営理念と私たち自身が遵守すべき行動規範を定め、企業活動をおこなっています。・ 社会や環境に対しては、企業活動を通じて、地球環境の保全および人類の繁栄に寄与する経営をします。・ お客さまやユーザに対しては、技術、製品、サービスを通じて、お客さまやユーザにとっての、新たな価値の創造が実現できる経営をします。・ 協力会社や取引会社に対しては、部品材料の取引、製造委託、共同開発を通じて、相互の技術の発展と共存共栄を目指す経営をします。・ 投資家や金融機関に対しては、健全かつ発展的な経営と、わかりやすい情報を通じて、投資メリットと信用を増大させる経営をします。・ 同業者や競争会社に対しては、技術提携や競争を通じて、産業の発展と技術の発展を共創する経営をします。・ 社員に対しては、仕事や会社生活を通じて、社員が自己実現を図れる会社とする経営をします。 (2) 目標とする経営指標等当社グループでは、2026年4月から期間を5年とする「時間を力に」をテーマとした「第10次中期経営計画」をスタートさせました。・「山洋電気は早い」と評価される企業体質にする。・時間を、格段に、画期的に短縮する。・時間を競争力にして、新しいもの、新しいこと、新しいやりかたを創り出す。・時間を軸にナンバーワンの製品開発、納期、業務品質にする。 また、当社グループは持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、中長期的な視点で重視すべき経営指標と株主還元方針を定め、これらを重視した経営を推進していきます。① フリー・キャッシュ・フローを重視した経営をする。② ROE 10%以上を継続して達成する。③ 営業利益率を重視した経営をする。④ 連結配当性向50%を目安とする。 (3) 経営環境及び対処すべき課題等① 経営環境当連結会計年度における世界経済は、米国による広範囲にわたる極端な関税政策の実施や、中国による対抗政策があったものの、後半は回復の兆しが見られました。日本経済は、安定した企業収益を背景に設備投資が堅調で、工業生産の一部では景気は緩やかに回復していましたが、中東情勢の緊迫化を受けて、先行きの懸念が強まりました。そのような中で、当社グループの主要な販売市場である通信装置、ロボット、半導体製造装置などのファクトリーオートメーション市場からの需要が回復に向かったこと、AI関連向けの市場が堅調であったことから、全体として受注高は増加しました。これらの前提のもとに翌連結会計年度(2027年3月期)は売上収益128,850百万円、営業利益16,290百万円、税引前当期利益16,690百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益12,000百万円を予想としています。 ② 対処すべき課題等 このような経営環境のもと、当社グループでは、当連結会計年度に完了を迎えた、第9次中期経営計画において、次の取り組みを推進してきました。・ 品質・性能・信頼性において、「世界一の製品」を絶え間なく開発し続けること。・ 「殻を破る」をテーマに、新しいもの、新しいこと、新しいやり方を創出すること。・ 「狭くて深い」市場から「広くて深い」市場で、当社の製品が活躍できる場面を増やしていくこと。・ 新しいビジネス方法を拡大すること。 2022年3月期から当連結会計年度までの、5年間の取り組みに対する主な成果は次のとおりです。 ・上記の取り組みは、グループ全体で合計732件の具体的な施策として実施され、そのほとんどが完了しました。・新製品の開発49件の新製品を開発し、発売しました。・台灣山洋電氣股份有限公司にテクノロジーセンターを新設台灣山洋電氣股份有限公司に当社グループ3拠点目となるテクノロジーセンターを新設しました。グローバルな製品開発体制の強化を推進します。・ SANYO DENKI GERMANY GmbHが新たな支店を設立SANYO DENKI GERMANY GmbHが、バイエルン州ミュンヘンに新たな支店を設立しました。ドイツ南部とオーストリアを中心に、幅広い市場に向けた新規開拓を推進します。・ パートナーシップ構築宣言の公表当社グループでは、取引先のみなさまとの長期的な信頼関係の構築や、当社に関わる事業者のみなさまとの連携、共存共栄を進めるため、資材調達に関する基本方針を定め、その方針のもと「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。・ SANYO DENKI EUROPE S.A.のステッピングモータ組立工場の稼働開始ヨーロッパにおけるビジネスのさらなる拡大を目指し、SANYO DENKI EUROPE S.A.のステッピングモータの組立工場の稼働を開始しました。営業拠点に組立工場を併設することで、ヨーロッパ市場への製品供給リードタイムを短縮し、カスタマイズ製品のより柔軟な供給体制を強化します。・ 社内カンパニー制を導入2024年4月から当社グループは企業価値の最大化を目指し、社内カンパニー制を導入しました。従来の事業部制を廃止し、サンエースカンパニー、エレクトロニクスカンパニー、モーションカンパニーの3つのカンパニーに再編しました。各カンパニーは独立性を高め、利益確保の体制を構築し、設備・資金の有効活用と技術の結集による新市場への展開を強化します。これにより、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を実現してまいります。 ・ SANYO DENKI PHILIPPINES, INC. の第4工場が本格稼働2024年4月から本格稼働を開始した第4工場では、通信装置や半導体製造装置に使用されるSan Ace、 SANUPS、 SANMOTIONの各ブランド製品の生産体制を整えています。当社グループは、主要な販売市場である通信装置や半導体製造装置の分野での市場拡大を目指し、将来を見据えた競争力の強化に取り組んでいます。今後も、世界中のお客さまに均一で高品質な製品を迅速にお届けするため、供給体制の強化を進めてまいります。・ 山洋電气(成都)貿易有限公司を設立2024年5月、当社グループは新たに山洋電气(成都)貿易有限公司を設立しました。この新会社は、中国内陸部の経済を牽引する重工業都市が多い西南・華中地区に位置しています。半導体製造装置、医療機器、通信機器、蓄電システムなどの市場をターゲットに、製品販売と現地代理店支援を強化し、事業拡大を目指してまいります。・ 環境適合設計製品「エコプロダクツプラス」をリリース当社では既存製品や従来の市場製品と比較し、自社基準に基づいて環境負荷が小さいと認められた製品を「環境適合製品(エコプロダクツ)」として認定しています。2024年度より、エコプロダクツの認定基準よりさらに環境負荷の低減効果が大きい製品を「エコプロダクツプラス」として認定し、より高いレベルでの環境負荷の低減を目指しています。今後も製品ラインアップの拡充と販売拡大を通じて、サプライチェーン全体の環境負荷低減に貢献してまいります。 ・ 生産技術エンジニアリングサービスを開始当社では新たなビジネスとして、自社製品や技術を活用し、生産現場の自動化と効率化を支援する生産技術エンジニアリングサービスを開始しました。自動化装置・生産支援システムの設計・製造、DX化による組立作業支援システムや自動検査装置の提供、金型製作やシミュレーション、データ測定サービスなどを通じて、お客さまの生産性向上を実現してまいります。・ 健康経営の推進社員が生き生きと働き、それぞれの能力を最大限に発揮することこそが、当社グループの中長期的な成長と社会貢献に繋がるという考えのもと、代表取締役が委員長を務める健康経営委員会を設置し、「山洋電気グループ健康経営宣言」を策定しました。詳細は、「第2事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組 2.人的資本、多様性に関する開示 (4)指標及び目標 (健康経営の推進)」に記載しています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する記載は、有価証券報告書提出日現在において、将来に関する見通しおよび計画に基づき当社グループが合理的に判断したものであり、これらの記載は実際の成果と異なる可能性があるとともに、その達成を保証するものではありません。(1) 経営の基本方針当社グループは、人間社会における存在価値を高めることを目指し、次の企業理念を掲げています。「私たち山洋電気グループは、すべての人々の幸せをめざし、人々とともに夢を実現します。」この企業理念の遂行のために、次の6つの経営理念と私たち自身が遵守すべき行動規範を定め、企業活動をおこなっています。・ 社会や環境に対しては、企業活動を通じて、地球環境の保全および人類の繁栄に寄与する経営をします。・ お客さまやユーザに対しては、技術、製品、サービスを通じて、お客さまやユーザにとっての、新たな価値の創造が実現できる経営をします。・ 協力会社や取引会社に対しては、部品材料の取引、製造委託、共同開発を通じて、相互の技術の発展と共存共栄を目指す経営をします。・ 投資家や金融機関に対しては、健全かつ発展的な経営と、わかりやすい情報を通じて、投資メリットと信用を増大させる経営をします。・ 同業者や競争会社に対しては、技術提携や競争を通じて、産業の発展と技術の発展を共創する経営をします。・ 社員に対しては、仕事や会社生活を通じて、社員が自己実現を図れる会社とする経営をします。 (2) 目標とする経営指標等当社グループでは、2026年4月から期間を5年とする「時間を力に」をテーマとした「第10次中期経営計画」をスタートさせました。・「山洋電気は早い」と評価される企業体質にする。・時間を、格段に、画期的に短縮する。・時間を競争力にして、新しいもの、新しいこと、新しいやりかたを創り出す。・時間を軸にナンバーワンの製品開発、納期、業務品質にする。 また、当社グループは持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、中長期的な視点で重視すべき経営指標と株主還元方針を定め、これらを重視した経営を推進していきます。① フリー・キャッシュ・フローを重視した経営をする。② ROE 10%以上を継続して達成する。③ 営業利益率を重視した経営をする。④ 連結配当性向50%を目安とする。 (3) 経営環境及び対処すべき課題等① 経営環境当連結会計年度における世界経済は、米国による広範囲にわたる極端な関税政策の実施や、中国による対抗政策があったものの、後半は回復の兆しが見られました。日本経済は、安定した企業収益を背景に設備投資が堅調で、工業生産の一部では景気は緩やかに回復していましたが、中東情勢の緊迫化を受けて、先行きの懸念が強まりました。そのような中で、当社グループの主要な販売市場である通信装置、ロボット、半導体製造装置などのファクトリーオートメーション市場からの需要が回復に向かったこと、AI関連向けの市場が堅調であったことから、全体として受注高は増加しました。これらの前提のもとに翌連結会計年度(2027年3月期)は売上収益128,850百万円、営業利益16,290百万円、税引前当期利益16,690百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益12,000百万円を予想としています。 ② 対処すべき課題等 このような経営環境のもと、当社グループでは、当連結会計年度に完了を迎えた、第9次中期経営計画において、次の取り組みを推進してきました。・ 品質・性能・信頼性において、「世界一の製品」を絶え間なく開発し続けること。・ 「殻を破る」をテーマに、新しいもの、新しいこと、新しいやり方を創出すること。・ 「狭くて深い」市場から「広くて深い」市場で、当社の製品が活躍できる場面を増やしていくこと。・ 新しいビジネス方法を拡大すること。 2022年3月期から当連結会計年度までの、5年間の取り組みに対する主な成果は次のとおりです。 ・上記の取り組みは、グループ全体で合計732件の具体的な施策として実施され、そのほとんどが完了しました。・新製品の開発49件の新製品を開発し、発売しました。・台灣山洋電氣股份有限公司にテクノロジーセンターを新設台灣山洋電氣股份有限公司に当社グループ3拠点目となるテクノロジーセンターを新設しました。グローバルな製品開発体制の強化を推進します。・ SANYO DENKI GERMANY GmbHが新たな支店を設立SANYO DENKI GERMANY GmbHが、バイエルン州ミュンヘンに新たな支店を設立しました。ドイツ南部とオーストリアを中心に、幅広い市場に向けた新規開拓を推進します。・ パートナーシップ構築宣言の公表当社グループでは、取引先のみなさまとの長期的な信頼関係の構築や、当社に関わる事業者のみなさまとの連携、共存共栄を進めるため、資材調達に関する基本方針を定め、その方針のもと「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。・ SANYO DENKI EUROPE S.A.のステッピングモータ組立工場の稼働開始ヨーロッパにおけるビジネスのさらなる拡大を目指し、SANYO DENKI EUROPE S.A.のステッピングモータの組立工場の稼働を開始しました。営業拠点に組立工場を併設することで、ヨーロッパ市場への製品供給リードタイムを短縮し、カスタマイズ製品のより柔軟な供給体制を強化します。・ 社内カンパニー制を導入2024年4月から当社グループは企業価値の最大化を目指し、社内カンパニー制を導入しました。従来の事業部制を廃止し、サンエースカンパニー、エレクトロニクスカンパニー、モーションカンパニーの3つのカンパニーに再編しました。各カンパニーは独立性を高め、利益確保の体制を構築し、設備・資金の有効活用と技術の結集による新市場への展開を強化します。これにより、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を実現してまいります。 ・ SANYO DENKI PHILIPPINES, INC. の第4工場が本格稼働2024年4月から本格稼働を開始した第4工場では、通信装置や半導体製造装置に使用されるSan Ace、 SANUPS、 SANMOTIONの各ブランド製品の生産体制を整えています。当社グループは、主要な販売市場である通信装置や半導体製造装置の分野での市場拡大を目指し、将来を見据えた競争力の強化に取り組んでいます。今後も、世界中のお客さまに均一で高品質な製品を迅速にお届けするため、供給体制の強化を進めてまいります。・ 山洋電气(成都)貿易有限公司を設立2024年5月、当社グループは新たに山洋電气(成都)貿易有限公司を設立しました。この新会社は、中国内陸部の経済を牽引する重工業都市が多い西南・華中地区に位置しています。半導体製造装置、医療機器、通信機器、蓄電システムなどの市場をターゲットに、製品販売と現地代理店支援を強化し、事業拡大を目指してまいります。・ 環境適合設計製品「エコプロダクツプラス」をリリース当社では既存製品や従来の市場製品と比較し、自社基準に基づいて環境負荷が小さいと認められた製品を「環境適合製品(エコプロダクツ)」として認定しています。2024年度より、エコプロダクツの認定基準よりさらに環境負荷の低減効果が大きい製品を「エコプロダクツプラス」として認定し、より高いレベルでの環境負荷の低減を目指しています。今後も製品ラインアップの拡充と販売拡大を通じて、サプライチェーン全体の環境負荷低減に貢献してまいります。 ・ 生産技術エンジニアリングサービスを開始当社では新たなビジネスとして、自社製品や技術を活用し、生産現場の自動化と効率化を支援する生産技術エンジニアリングサービスを開始しました。自動化装置・生産支援システムの設計・製造、DX化による組立作業支援システムや自動検査装置の提供、金型製作やシミュレーション、データ測定サービスなどを通じて、お客さまの生産性向上を実現してまいります。・ 健康経営の推進社員が生き生きと働き、それぞれの能力を最大限に発揮することこそが、当社グループの中長期的な成長と社会貢献に繋がるという考えのもと、代表取締役が委員長を務める健康経営委員会を設置し、「山洋電気グループ健康経営宣言」を策定しました。詳細は、「第2事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組 2.人的資本、多様性に関する開示 (4)指標及び目標 (健康経営の推進)」に記載しています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】1.経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。(1) 財政状態および経営成績の状況(経営成績の状況)当連結会計年度における世界経済は、米国による広範囲にわたる極端な関税政策の実施や、中国による対抗政策があったものの、後半は回復の兆しが見られました。日本経済は、安定した企業収益を背景に設備投資が堅調で、工業生産の一部では景気は緩やかに回復していましたが、中東情勢の緊迫化を受けて、先行きの懸念が強まりました。そのような中で、当社グループの主要な販売市場である通信装置、ロボット、半導体製造装置などのファクトリーオートメーション市場からの需要が回復に向かったこと、AI関連向けの市場が堅調であったことから、全体として受注高は増加しました。その結果、当連結会計年度における連結売上収益は107,346百万円(前年同期比9.7%増)となり、連結営業利益は10,885百万円(前年同期比37.2%増)、連結税引前当期利益は11,747百万円(前年同期比46.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は8,661百万円(前年同期比53.6%増)となりました。受注高は116,332百万円(前年同期比30.1%増)、受注残高は44,869百万円(前年同期比25.0%増)となりました。 各セグメントの業績は次のとおりです。 2026年3月期 連結会計年度 セグメント別損益計算書 (単位:百万円) サンエースカンパニーエレクトロニクスカンパニーモーションカンパニーその他調整額 (注2)合計売上収益 (注1)40,82623,24937,5435,725-107,346売上原価25,21617,56229,7374,55432177,392売上総利益15,6105,6877,8051,171△32129,953販売費及び一般管理費7,5264,6076,617528-19,279その他の収益及び費用1126237--211営業利益8,1951,1421,225643△32110,885 (注) 1. セグメントごとの外部顧客への売上収益を記載しています。 2. 調整額は、セグメント間取引の消去によるものです。 ①サンエースカンパニーサンエースカンパニーの製品「San Ace」は、ネットワーク機器向けや生成AI関連機器向けの需要が引き続き堅調でした。一方、サーボアンプやインバータ等の制御機器、一般工作機械向けの需要は回復途上のままとなりました。販売店向けビジネスでは、北米と日本国内の需要は堅調に推移し、欧州では回復が遅れたものの復調の兆しが見えてきました。その結果、セグメント売上収益は40,826百万円(前年同期比7.3%増)、セグメント利益は8,195百万円(前年同期比19.5%増)、受注高は41,822百万円(前年同期比29.6%増)、受注残高は13,565百万円(前年同期比7.9%増)となりました。 ②エレクトロニクスカンパニーエレクトロニクスカンパニーの製品「SANUPS」は、情報通信、データセンタ向けサーバや情報通信、消防・警察関連の社会インフラや防衛システム関連の需要が堅調でした。また、太陽光・水力・風力発電システムを含めた再生可能エネルギー関連の需要も安定した需要が継続しました。産業分野では半導体製造装置用途の需要が増加しました。エレクトロニクスカンパニーの製品「SANMOTION」は、中国市場の設備投資の活発化により、金属加工機、射出成形機、工作機械向けの需要が回復し、堅調に推移しました。また、半導体製造装置、ウェハ搬送ロボット向けの需要は、AI関連の設備投資の本格化により、大幅に増加しました。その結果、セグメント売上収益は23,249百万円(前年同期比9.9%増)、セグメント利益は1,142百万円(前年同期比136.1%増)、受注高は25,215百万円(前年同期比28.2%増)、受注残高は11,959百万円(前年同期比19.7%増)となりました。 ③モーションカンパニーモーションカンパニーの製品「SANMOTION」は、中国市場の設備投資の活発化により、電子部品実装機、金属加工機、射出成形機、工作機械向けの需要が回復し、堅調に推移しました。また、半導体製造装置、ウェハ搬送ロボット向けの需要は、AI関連の設備投資の本格化により、大幅に増加しました。その結果、セグメント売上収益は37,543百万円(前年同期比13.9%増)、セグメント利益は1,225百万円(前年同期比320.4%増)、受注高は44,268百万円(前年同期比39.0%増)、受注残高は18,411百万円(前年同期比57.5%増)となりました。 ④その他電気機器の販売事業、および電気工事事業などを「その他」セグメントとして区分し、計上しています。産業用電気機器、制御機器および電気材料は、医療機器関連や公共インフラ関連、造船関連が堅調でした。第4四半期には半導体業界向けの需要が増加しました。一方、太陽光関連向けの需要は低調でした。電気工事事業は、主要顧客である鉄鋼業界からの需要の増加を受けて堅調でしたが、第4四半期は、補修工事予算削減や設備投資の遅れの影響を受けて低調に推移しました。一般産業向けの電気設備工事の需要は回復基調となりました。その結果、セグメント売上収益は5,725百万円(前年同期比1.1%増)、セグメント利益は643百万円(前年同期比132.7%増)、受注高は5,026百万円(前年同期比10.5%減)、受注残高は933百万円(前年同期比42.8%減)となりました。 当社グループが事業展開する地域ごとの状況は、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 (2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容 ②連結経営成績の分析」に記載しています。 (財政状態の状況)当連結会計年度末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、資産合計は20,739百万円の増加、負債合計は6,225百万円の増加、資本合計は14,513百万円の増加となりました。資産の主な変動要因は、棚卸資産の増加5,708百万円、退職給付に係る資産の増加4,138百万円、その他の金融資産(非流動資産)の増加4,009百万円によるものです。負債の主な変動要因は、営業債務及びその他の債務の増加3,121百万円、繰延税金負債の増加2,547百万円、未払法人所得税等の増加1,656百万円によるものです。資本の主な変動要因は、利益剰余金の増加8,972百万円、その他の資本の構成要素の増加6,447百万円、自己株式の増加942百万円によるものです。 また、各セグメントの財政状態は次のとおりです。 2026年3月期 連結会計年度末 セグメント別財政状態計算書 (単位:百万円) サンエースカンパニーエレクトロニクスカンパニーモーションカンパニーその他(注)合計資産 流動資産 現金及び現金同等物9,5065,5379,8493,82628,719 営業債権及び その他の債権8,8736,45414,8021,91332,044 棚卸資産9,54411,47218,28555739,860 その他2,1691,5192,8921146,696 流動資産合計30,09324,98545,8306,411107,320 非流動資産 有形固定資産7,5366,2729,24221123,263 無形資産1,3182,2991,619615,299 使用権資産1,6125191,299623,493 投資不動産501501501-1,503 その他8,0526,9919,4271,01525,487 非流動資産合計19,02016,58422,0901,35159,047資産合計49,11441,56967,9207,763166,367負債及び資本 負債 流動負債 営業債務及び その他の債務7,6503,2106,4652,44419,771 借入金4839301,422502,887 その他1,9831,1451,7033615,193 流動負債合計10,1165,2869,5922,85527,851 非流動負債 借入金214231579-1,025 その他3,5012,2103,1977209,629 非流動負債合計3,7162,4423,77672010,654負債合計13,8337,72813,3683,57538,506資本 資本金3,3083,3083,308-9,926 その他31,97230,53251,2434,187117,934資本合計35,28133,84154,5524,187127,861負債及び資本合計49,11441,56967,9207,763166,367 (注)「その他」にはセグメント間取引の消去を含めています。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、28,719百万円となり、前連結会計年度末より178百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の営業活動による資金の増加は、10,829百万円(前連結会計年度は15,788百万円の増加)となりました。これは主に、税引前当期利益11,747百万円、減価償却費及び償却費5,376百万円、棚卸資産の増加額4,248百万円によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の投資活動による資金の減少は、7,658百万円(前連結会計年度は3,734百万円の減少)となりました。これは主に、その他支出5,140百万円、有形固定資産の取得による支出1,467百万円によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の財務活動による資金の減少は、4,923百万円(前連結会計年度は9,690百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額2,248百万円、長期借入金の返済による支出1,068百万円、自己株式の取得による支出977百万円によるものです。 (3) 生産、受注及び販売の状況①生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)サンエースカンパニー54,1086.1エレクトロニクスカンパニー25,34112.7モーションカンパニー46,83218.5合計126,28111.7 (注) 1 セグメント間取引については、内部振替前の数値によっています。2 金額は、販売価格によっています。3 上記金額には、消費税等は含まれていません。 ②受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。 セグメントの名称受注高受注残高金額(百万円)前年同期比(%)金額(百万円)前年同期比(%)サンエースカンパニー41,82229.613,5657.9エレクトロニクスカンパニー25,21528.211,95919.7モーションカンパニー44,26839.018,41157.5その他5,026△10.5933△42.8合計116,33230.144,86925.0 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。2 上記金額には、消費税等は含まれていません。 ③販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)サンエースカンパニー40,8267.3エレクトロニクスカンパニー23,2499.9モーションカンパニー37,54313.9その他5,7251.1合計107,3469.7 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。2 上記金額には、消費税等は含まれていません。 2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。 (1) 重要な会計方針および見積り当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、過去の実績や状況に照らし合理的と考えられる前提に基づき、会計上の見積りを実施しています。なお、当社グループで採用する個々の項目は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針」に記載しています。 (2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容 当社グループの第9次中期経営計画は、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。この計画のもと、当連結会計年度の財政状態および経営成績等は次のとおりです。 ① 連結財政状態の分析 (資産)流動資産は、棚卸資産やその他の金融資産の増加により、前連結会計年度末に比べて12,458百万円増加しました。非流動資産は、退職給付に係る資産やその他の金融資産の増加により前連結会計年度末に比べて8,281百万円増加しました。その結果、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて20,739百万円増加の166,367百万円となりました。 (負債)流動負債は、営業債務及びその他の債務の増加や未払法人所得税等の増加により、前連結会計年度末に比べて4,318百万円増加しました。非流動負債は、繰延税金負債の増加や、借入金の減少により前連結会計年度末に比べて1,907百万円増加しました。その結果、当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末に比べて6,225百万円増加の38,506百万円となりました。 (資本)当期利益の計上、および配当金の支払により利益剰余金は8,972百万円増加しました。また、保有する金融資産の公正価値の変動等により、その他の資本の構成要素が6,447百万円増加しました。その結果、資本合計は前連結会計年度末に比べて14,513百万円増加の127,861百万円となりました。 ② 連結経営成績の分析当連結会計年度は、当社グループの主要な販売市場である通信装置、ロボット、半導体製造装置などのファクトリーオートメーション市場からの需要が回復に向かったこと、AI関連向けの市場が堅調であったことから、全体として受注高は増加しました。その結果、当連結会計年度の連結売上収益は107,346百万円となり、前連結会計年度に比べ9,498百万円増加しました。また、販売費及び一般管理費につきましては、人件費や荷造運送費が増加しました。その結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は19,279百万円となり、前連結会計年度に比べ1,519百万円増加しました。以上から、連結営業利益は前連結会計年度に比べ37.2%増の10,885百万円、連結税引前当期利益は前連結会計年度に比べ46.8%増の11,747百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べ53.6%増の8,661百万円となりました。 セグメントごとの売上収益に関する分析は、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (1) 財政状態および経営成績の状況」に記載しています。 また、当社グループが事業展開する地域ごとの外部顧客への売上収益に関する分析は、次のとおりです。 (単位:百万円) 日本北米ヨーロッパ東アジア東南アジア合計2026年3月期65,27823,3776,65710,6291,403107,3462025年3月期59,94520,9906,9708,6791,26197,847 (日本)日本には、当社および連結子会社の山洋工業株式会社、山洋電気テクノサービス株式会社、山洋電気ITソリューション株式会社があります。日本では、半導体製造装置、ウェハ搬送ロボット向けの需要は、AI関連の設備投資の本格化により、大幅に増加しました。また、データセンタ向けサーバや、社会インフラ、防衛システム関連の需要が堅調でした。一方、サーボアンプやインバータ等の制御機器向けの需要は回復途上のままとなりました。売上収益は前連結会計年度に比べ8.9%増の65,278百万円となりました。 (北米)北米には、連結子会社のSANYO DENKI AMERICA,INC.があります。北米では、AI関連、医療機器向けの需要は堅調に推移しました。一方、半導体製造装置向けの需要には回復の遅れが見られました。売上収益は前連結会計年度に比べ11.4%増の23,377百万円となりました。 (ヨーロッパ)ヨーロッパには、連結子会社のSANYO DENKI EUROPE S.A.およびSANYO DENKI GERMANY GmbHがあります。ヨーロッパでは、半導体製造装置向けやEV関連の需要に回復が見られました。一方、サーボアンプやインバータ等の制御機器向けやFA関連の需要は低調でした。売上収益は前連結会計年度に比べ4.5%減の6,657百万円となりました。 (東アジア)東アジアには、連結子会社の山洋電气(上海)貿易有限公司、山洋電氣(香港)有限公司、台灣山洋電氣股份有限公司、SANYO DENKI KOREA CO.,LTD.、上海山洋電气技術有限公司、山洋電气貿易(深圳)有限公司、中山市山洋電气有限公司、山洋電气精密機器維修(深圳)有限公司、山洋電气(天津)貿易有限公司および山洋電气(成都)貿易有限公司があります。東アジアでは、AI関連や医療機器向けの需要が堅調に推移しました。一方、EV関連の需要は低調に推移しました。売上収益は前連結会計年度に比べ22.5%増の10,629百万円となりました。 (東南アジア)東南アジアには、連結子会社のSANYO DENKI PHILIPPINES,INC.、SANYO DENKI VIETNAM CO.,LTD.、SANYO DENKI INDIA PRIVATE LIMITED およびSANYO DENKI (THAILAND) CO.,LTD.があります。東南アジアでは、ネットワーク機器や空調機器の需要が堅調に推移しました。また、半導体製造装置向けの需要に回復が見られました。売上収益は前連結会計年度に比べ11.3%増の1,403百万円となりました。 また、翌連結会計年度(2027年3月期)の予想につきましては、「第2事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境及び対処すべき課題等 ① 経営環境」に記載のとおりです。 ③ 資本の財源および資金の流動性の分析当連結会計年度の資本の財源の分析は以下のとおりです。 (フリー・キャッシュ・フロー)当社グループでは、フリー・キャッシュ・フローを重視した経営をおこなっています。 当社グループのキャッシュ・フロー関連の指標は、次のとおりです。項目2025年度(当連結会計年度)自 2025年4月1日至 2026年3月31日営業活動によるキャッシュ・フロー (百万円)10,829投資活動によるキャッシュ・フロー (百万円)△7,658(注)フリー・キャッシュ・フロー (百万円)3,170財務活動によるキャッシュ・フロー (百万円)△4,923 (注)フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フロー + 投資活動によるキャッシュ・フロー 当社グループは、第9次中期経営計画に掲げた目標の達成に向け、生産能力の増強を目的とした設備投資をおこないました。営業活動により獲得した現金、および金融機関からの計画的な資金調達によって、企業活動に必要な資金をじゅうぶんに確保しています。当社グループでは、今後も資本の健全性や、成長のための投資との最適なバランスを勘案したうえで、内部留保の確保および株主還元の充実に努める方針です。 (ROE)当社グループは、中長期的に重視すべき経営指標の目標値として、ROE10%以上を目標とした経営をおこなっています。当連結会計年度につきましては、当期利益の増加にともない、前連結会計年度の5.0%から上昇し、7.2%となりました。指標目標当連結会計年度ROE10%以上7.2% (営業利益率)当社グループは、グローバル企業として「世界のトップブランド」の構築を目標としており、トップブランドにふさわしい企業グループとなることを目指して、営業利益率を重視した経営をおこなっています。当連結会計年度における営業利益率は、次のとおりです。項目2025年度(当連結会計年度)自 2025年4月1日至 2026年3月31日売上収益 (百万円)107,346営業利益 (百万円)10,885営業利益率 (%)10.1 (連結配当性向)当社グループは、持続的な企業価値の向上を実現するため、安定した経営基盤の確保および将来の成長に向けた投資を進めるとともに、株主のみなさまへの利益還元も重視しています。株主のみなさまへの利益還元は配当による還元を基本とし、利益還元の充実と将来の成長に向けた投資により持続的成長を実現していきます。当連結会計年度の連結配当性向につきましては、前連結会計年度の34.9%から上昇し、42.4%となりました。指標目標当連結会計年度連結配当性向50%42.4% なお、当連結会計年度の連結配当性向42.4%は2026年6月18日開催予定の定時株主総会において、当期(2026年3月期)の期末配当額(1株につき70円)が決議された前提で算出しています。 (3) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループでは、2026年4月から期間を5年とする「第10次中期経営計画」をスタートさせました。計画のテーマ、重要方針、行動指針および重視すべき経営指標と目標値については、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。
事業リスク
- 景気変動リスク山洋電気グループの主要な販売市場である工作機械、ロボット、半導体製造装置などの業界は、国内外の景気動向に大きく左右されます。景気が低迷し、企業が設備投資を抑制すると、同社の製品に対する受注が減少し、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 技術革新への対応リスク同社が事業を展開する市場では、技術革新が非常に速く、顧客のニーズも常に変化しています。もし同社がこれらの変化に適切に対応できず、新しい技術や製品を開発できない場合、既存製品が陳腐化し、競合他社に対する優位性が失われ、経営成績に影響が出る可能性があります。
- グローバル展開リスク同社は海外市場での事業拡大を積極的に進めていますが、進出先の地政学的要因、言語、習慣、法制、税制などの違いから、予期せぬリスクに直面する可能性があります。これらのリスクに適切に対処できなかったり、多大な費用が発生したりする場合、グローバル展開や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、当社グループの経営成績、および財務状況に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する記載は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。 (1)景気変動のリスクについて当社グループは主に冷却ファン、電源機器、サーボアンプ、サーボモータを生産、販売しています。当社グループの製品は、主に日本およびフィリピンで生産され、国内、および北米、ヨーロッパ、東アジア、東南アジアへ販売しています。当社グループの主要な販売市場である工作機械・ロボット・半導体製造装置などの業界は景気動向の影響を受けやすく、国内外の景気が低迷した場合、企業収益の悪化にともなう設備投資の抑制などにより受注が減少する可能性があります。当社グループは、幅広い分野の販売市場を開拓し、グローバルな事業展開をすることにより、事業構造の強化を目指していますが、国内外の景気が低迷し、予測の範囲を大幅に超えて受注が減少した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)急速な技術革新のリスクについて当社グループが事業を展開する市場においては、急速な技術革新、顧客のニーズの変化などによって、既存の製品、サービスの陳腐化のスピードが速まっており、競合他社に対する当社グループ製品の優位性が損なわれるリスクが存在します。 このような技術環境のなかで、当社グループは、設計開発活動の充実、生産技術の向上、生産活動の効率化、品質管理の徹底などにより、業界No.1の性能、品質、信頼性を有する製品の製造に取り組んでいますが、当社グループが、技術および顧客のニーズの変化に適切に対処できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)グローバル展開におけるリスクについて当社グループは、「グローバル化」を中期経営計画の施策の一つとしていますが、海外市場で事業を拡大するにあたっては、進出先地域における地政学的要因、言語、習慣、法制、税制などの規制に起因する様々な潜在的なリスクが存在します。新たな地域で事業を展開するにあたっては、該当地域についてじゅうぶんな調査をおこない、事業展開後も現地の情勢に常時留意していますが、当社グループが、これらのリスクの顕在化に適切に対処できない場合、また、これらの変化に対処するために多大な費用を負担しなければならない場合には、当社グループのグローバル展開および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)ガバナンス体制のリスクについて当社グループは、経営の透明性の確保やコーポレート・ガバナンスの充実を図るとともに、経営環境の変化に迅速に対処できる体制を構築、維持することを重要な施策としています。しかしながら、事業の急速な拡大や変化、もしくはコーポレート・ガバナンス体制の構築時には想定外であった社会環境の変化など、様々な要因により、体制の機能が低下する可能性があります。 当社グループがこのような状況に適切に対処できず、正常なコーポレート・ガバナンス体制の維持が困難となり、企業価値が毀損し、社会的信用が失墜するというような事態に陥った場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)情報システムのリスクについて当社グループは、事業上の重要情報および役職員や顧客などの個人情報を保有しています。当該情報の漏洩を防ぐため、情報管理を徹底し、情報セキュリティ教育をグループ社員全員に定期的におこなっていますが、不測の事態によって情報の漏洩が発生する可能性があります。 また、情報システムへのサイバー攻撃対策やメール攻撃訓練、ITガバナンスの強化などを実施していますが、想定を超える攻撃やインフラの障害などによって、重要なデータの消滅、改竄、漏洩、システムダウンなどが発生する可能性があります。 その結果、情報の流出によって被害を受けた関係者への補償、企業価値の毀損、社会的信用の失墜というような事態に陥った場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)雇用のリスクについて 当社グループでは、グループ会社共通の価値観を浸透させるとともに、多様性を尊重し、企業価値の向上を実現するため、個々の専門性をじゅうぶんに活かせる組織体制を構築しています。当社グループはグローバルに事業を展開しており、様々な国籍や文化を持つ社員が就業しています。また、グループ経営を強化し、企業風土の変革や新たな価値の創造を推進する人材の育成に向け、教育訓練を体系的、かつ継続的におこなっています。しかしながら、将来において、計画どおりの人材の確保ができない、あるいは専門性の高い人材の育成ができない場合には、当社グループの競争力は低下し、長期的には事業展開を滞らせ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)自然災害のリスクについて当社グループは、生産・販売・調達・研究開発などの拠点を世界各国に置き、グローバルに事業を展開しています。このようななかで、巨大台風の襲来、大地震、河川の氾濫、火山の噴火にともなう降灰、感染症の流行などが発生した場合、当社グループの社員および施設が被災し、事業活動が中断、生産および出荷が遅延する可能性があります。また、インフラの寸断やサプライチェーンの混乱による部品の供給不足、物流の停滞、および市場の混乱が生じる可能性があります。当社グループでは、自然災害などによる拠点での被災を想定して、危機管理委員会を設置し、社員安否確認システムの運用、防災計画、事業継続計画の策定などによって、人命の安全確保、事業の維持継続、被害・損失の最小化、社会的信用の維持に努めています。しかしながら、自然災害などによる被害を完全に回避できるものではなく、そのような状況においては、事業活動の縮小など、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)知的財産のリスクについて当社グループでは、製品の開発およびサービスの提供のなかで、競合他社に対する優位性を保つため、新たな技術やノウハウを蓄積し、知的財産権の保有に努めていますが、一部の地域では法的な制約のためにその権利が十分に保有されない場合があり、第三者による予期せぬ不正使用の結果、当社グループの信頼を損ねるような取引・行為がなされる可能性があります。また、当社グループでは、他社の権利を侵害しないように製品の開発、およびサービスの提供を進めていますが、見解の相違などの理由により、他社の知的財産権を侵害しているとみなされ、当社グループが事業遂行上重要な技術を使用できず、適切な製品の開発やサービスの提供ができなくなる可能性や、多額の損害賠償責任を負う可能性があります。いずれの場合においても、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)製造物責任リスクについて当社グループは、厳格な品質管理体制を構築し、国内外の顧客に対して均一で高品質な製品やサービスを提供していますが、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が生じた場合、その欠陥に起因した損害に対して当社グループが賠償責任を負う可能性があり、またその欠陥に対処するために多額の費用が発生する可能性があります。さらに、当該問題に関する報道などにより、当社グループの企業価値が毀損し、社会的な信用を失墜する事態に陥り、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)調達のリスクについて当社グループは、日本および海外から多くの部品や原材料を調達しており、予測の範囲を超える市況変動があった場合には、当社グループの業績・財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、部品・原材料の市況変動に左右されない体制の維持のために、調達先の分散、製品設計の変更、代替部品の評価、購入部品から社内生産への変換などを推進するとともに、財政状態に大きな影響を与えるような市況の変動が生じた場合には、適宜、販売価格への反映をおこなっていますが、これらの施策を実施できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)為替リスク当社グループでは、為替レートの変動による財政状態への影響を最小限に抑えるため、外貨建資産・負債のバランスを考慮しながら部品・原材料の調達および販売活動をおこなっていますが、連結財務諸表作成の際に各会計年度の平均レートを用いて円換算をおこなっており、円換算時の為替レートによって換算後の価値が変動することから、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)人権リスク当社グループが属する事業環境において、人権への配慮やそれにともなう社会からの要求は一層増大しています。当社グループは従前から、企業行動規範において人権尊重に関する基本方針と指針を定め、多くの施策を実行してきました。また、2025年4月にはこの基本方針と指針を「山洋電気グループ人権方針」として新たに制定し、当社グループの人権に関する最上位の方針として位置付けることで、人権尊重の取り組みを一層推進しています。しかしながら、サプライチェーン上の予期せぬ事態により、人権問題が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。