事業の概要
- リテールソリューション事業POSシステムや自動認識システムを国内外の小売業向けに提供しています。これは、お店のレジや在庫管理を効率化するシステムで、東芝テックの主要な稼ぎ頭の一つです。特に海外ではTOSHIBAブランドで展開し、取引先ブランドでの販売も行っています。
- ワークプレイスソリューション事業複合機(コピー機、プリンター、スキャナー機能を持つ多機能機)や、海外市場向けの自動認識システムを提供しています。オフィスでの業務効率化を支援する事業で、国内では当社と代理店、海外では子会社や代理店を通じてTOSHIBAブランドを中心に販売しています。
- サービス・ソフトウェア重視単なるハードウェア販売だけでなく、関連するソフトウェアや保守サービスも提供することで収益を上げています。特にリテール分野では、データ活用ソリューション「ELERA」の拡販や、他社IT機器の保守サービスなど、高付加価値サービスへの移行を進めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- リテールソリューション事業主にPOSシステムや自動認識システムを国内外の小売業に提供する事業です。2024年3月期の売上高は約3,335億円、営業利益は約81億円で、同社の主力事業の一つです。店舗運営の効率化や顧客体験向上を支援するソリューションを提供しています。
- ワークプレイスソリューション事業複合機や海外市場向けの自動認識システムを提供する事業です。2024年3月期の売上高は約2,435億円、営業利益は約122億円と、リテールソリューション事業に次ぐ規模で、利益面では最も貢献しています。オフィスでのペーパーレス化やDXニーズに対応しています。
- グローバル展開とブランド戦略両事業ともに国内だけでなく海外市場にも広く展開しており、特に海外では「TOSHIBA」ブランドを中心に販売しています。リテールソリューション事業では、国内は「TEC」ブランドも使用し、海外では取引先ブランドでの販売も行うなど、地域や顧客に合わせたブランド戦略をとっています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| RetailSolutionsBusiness | 地域 | 3,335 | 81 | 2.4% |
| WorkplaceSolutionsBusinessReportableSegment | 地域 | 2,435 | 122 | 5.0% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは、当社、親会社、連結子会社62社、関連会社2社から構成され、その主たる事業は、POSシステム等を取扱うリテールソリューション事業及び複合機等を取扱うワークプレイスソリューション事業であります。当社グループの各報告セグメントにおける事業の内容及び関係会社の位置付け等の概要は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照下さい。 (リテールソリューション事業)国内及び海外市場向けPOSシステム、国内市場向け複合機、国内市場向けオートIDシステム、並びにそれらの関連商品・サービス等の提供を行っております。国内はPOSシステム及びオートIDシステムをTECブランドにて、複合機をTOSHIBAブランドにて当社及び代理店が販売する体制となっております。海外はTOSHIBAブランドを中心として、海外の子会社及び代理店を経由して販売するとともに、取引先ブランドにより販売する体制となっております。<主な関係会社>東芝グローバルコマースソリューション社、東芝テックソリューションサービス㈱、東芝テックシンガポール社、東芝グローバルコマースソリューション・メキシコ社、東芝グローバルコマースソリューション・オランダ社、テックインドネシア社、テックインフォメーションシステムズ㈱、東芝グローバルコマースソリューション・イタリア社、東芝グローバルコマースソリューション・スペイン社、東芝グローバルコマースソリューション・ホールディングス㈱ (ワークプレイスソリューション事業)海外市場向け複合機、海外市場向けオートIDシステム、並びにそれらの関連商品・サービス等の提供を行っております。海外の子会社及び代理店を経由して主にTOSHIBAブランドにて販売する体制となっております。<主な関係会社>東芝アメリカビジネスソリューション社、東芝テックドイツ画像情報システム社、東芝テックフランス画像情報システム社、東芝テックビジネスソリューション中国社、東芝オーストラリア社、東芝テック英国画像情報システム社、東芝テックカナダビジネスソリューション社、東芝テックマレーシア社 事業の系統図は、以下のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 独立系ソフトウェアメーカー及び大手ソリューションベンダーとの競合が厳しい。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 先端的なエレクトロニクス技術、システム・ソフトウェア技術等を活用した新事業・新商品開発。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:リテールソリューションの事業環境変化 / ワークプレイスソリューションの需要減少 / 世界情勢(物価上昇、地政学的リスク、為替変動)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
東芝ブランドの認知度は高いが、近年は事業再編の影響もあり、特許やIPにおける明確な競争優位性は限定的。POSシステムや複合機におけるブランド力は一定程度存在する。
スイッチングコスト★★★☆☆
POSシステムや券売機は、導入・運用にコストと時間がかかるため、顧客(主に小売・飲食業)の乗り換えハードルは高い。システム連携やデータ移行の複雑さがスイッチング・コストを生む。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
特定のプラットフォーム上でユーザーが増えることで価値が増幅するようなネットワーク効果は、現時点では見られない。
コスト優位★★☆☆☆
複合機やPOSシステムにおける量産効果やサプライチェーンの最適化はある程度進んでいるが、競合他社との圧倒的なコスト差を生み出すほどの構造的な優位性は確認できない。
規模の経済★★★★☆
複合機やPOSシステム市場において、国内では上位のシェアを維持しており、一定の規模の経済性を享受している。特に保守・サービス網の広さは強み。
- グローバルな顧客基盤と販売網東芝テックは国内外に広範な顧客基盤と販売・保守ネットワークを持っています。これにより、世界中の小売業やオフィスに製品やサービスを届け、きめ細やかなサポートを提供できる点が強みです。
- 技術力とパートナーシップ長年培ってきたエレクトロニクス技術やシステム・ソフトウェア技術を活かし、顧客ニーズに応える製品開発を行っています。また、複合機事業ではリコーや沖電気工業との合弁会社「エトリア」を設立し、開発・生産の効率化と競争力強化を図っています。
- データ活用と新規事業創出グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」を通じてPOSデータを活用したソリューションビジネスを拡大しています。さらに、生成AIを活用したデータビジネスを行う子会社「ジャイナミクス」を設立するなど、新しい技術を取り入れ、事業領域を広げようとしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- ソリューションパートナーへの転換単なる製品メーカーではなく、顧客の課題を解決するソリューションを提供するグローバルトップのパートナーを目指しています。お客様のニーズに応える商品やサービスを通じて、社会課題の解決に貢献することを目指しています。
- 基盤事業の収益力強化と成長事業の拡大リテールソリューション事業では、グローバル共通のハードウェア開発や「ELERA」によるデータ活用ソリューションビジネスを拡大し、収益力を高めます。ワークプレイスソリューション事業では、合弁会社「エトリア」を通じて開発・生産を強化し、競争力のある商品ラインナップを拡充します。
- DXとAI活用による新規価値創出流通業界の省人化やDX推進のニーズを事業機会と捉え、生成AIなどの高度技術を活用したデータビジネスを強化しています。ソフトウェア開発体制の強化や、POSデータを起点とした業種横断の課題解決を目指す子会社の設立など、新しい価値創造に注力しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社は、2026年5月29日に「中期経営計画(2026~2028年度)」を策定・開示しており、以下の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、当該「中期経営計画(2026~2028年度)」に基づき記載しております。したがって、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在ではなく、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが入手し得る情報に基づいて判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、理念体系にある経営理念、ビジョン、行動指針に基づき、新しい価値創造へのこだわりと挑戦を続けるとともに、お客様の期待に応える商品やサービスの提供をはじめとして、ステークホルダーとの約束を実現することを事業運営における基本方針としております。当社グループは、経営理念、ビジョン、行動指針の実践を通じて、「社会課題の解決に貢献する新たな価値を共創によって生み出し、グローバルトップのソリューションパートナーへ」のスローガンの下で、ソリューションパートナーへの変革をNext Stageへと進めてまいります。 (2)経営環境当社グループの各報告セグメントの経営環境についての認識は、次のとおりであります。 (リテールソリューション事業)当社の顧客である流通小売業においては、消費者の行動変化によるネットショッピングや決済手段の多様化への対応、生産性向上のためのDX対応、人手不足に対する省人化対応、店舗内メディアを活用した販売促進利用等の様々なニーズが顕在化しております。加えて、廃棄ロス・販売機会ロスの削減や、環境負荷の低減といった社会課題への対応も求められております。さらに、近年はAI活用の進展により、従来は人手に依存していた業務の代替・高度化が可能となり、AI活用による成果創出が競争力の重要な要素となっております。また、このような環境変化を背景に、顧客ニーズは一層高度化するとともに、競争環境においては価値の源泉がハードウェア中心からソリューション・サービスへとシフトしております。当事業においては、国内外に幅広く顧客基盤及び販売網を有し事業を展開しておりますが、競合他社との競争激化が続く厳しい事業環境にあります。 (ワークプレイスソリューション事業)オフィス向けプリンティング市場は、新型コロナウイルス感染拡大による印刷量の急激な減少から回復傾向にあるものの、それ以前から続くペーパーレス化の進展は継続しており、世界市場全体では今後も緩やかな減少傾向が続くと見込まれます。また、働き方改革に伴うリモートワークの拡大に加え、オフィスや現場におけるさまざまな業務のデジタル化ニーズが顕在化しており、当社の競合各社は、DX需要を成長分野と位置付けて、AIやITを使ったソリューションの開発・提供に力を入れております。当事業においては、国内外に幅広く販売網を有しておりますが、需要の鈍化や競合他社との競争激化が続くなど厳しい事業環境にあります。 (3)中長期的な経営戦略と目標上記の経営環境下において、当社グループは、「共創による新たな価値の創出」を成長モデルの中核に据え、パートナーとの連携を通じて社会課題の解決に貢献するとともに、企業価値の最大化を図ってまいります。具体的には、グローバルに展開する顧客基盤及び販売・保守網等のタッチポイントを起点に、オープンな連携基盤の下で多様なサービスを組み合わせることにより、新たなサービスや付加価値の創出を推進し、社会課題解決に貢献してまいります。2026年5月29日に策定した「中期経営計画(2026~2028年度)」においては、基礎収益力の向上と事業転換を並行して進め、高収益・成長モデルの確立に向けた基盤整備に取り組んでまいります。具体的には、AIの活用やIT基盤の強化を通じて経営の高度化を図るとともに、地域別収益性の改善や間接業務の効率化、アセットライト化等によるコスト構造の強化を進めてまいります。また、これらの取り組みにより創出されるキャッシュを成長領域へ再投資し、リカーリングビジネスの拡大に取り組んでまいります。さらに、経営体制については、2026年6月29日付で会長執行役員 CEO・社長執行役員 COO体制に変更することで、経営スピードの向上を図り、中長期的な企業価値の向上に資する経営基盤の確立を進めてまいります。これらの取り組みを通じて、高収益・成長モデルへの転換を進め、2030年度に営業利益率10%を目指してまいります。各報告セグメントにおける具体的施策は、以下のとおりであります。 (リテールソリューション事業)流通業界においては、省人化・効率化に資するDXの需要が一層高まっております。加えて、小売店舗及び業務プロセスのデジタル化やデータ活用の進展に伴い、データに基づく経営の高度化や、流通バリューチェーン全体を横断した最適化の重要性が高まるものと認識しております。このような市場環境の下、リテールDX市場は中長期的な拡大が見込まれており、当社はこれまでに構築してきた顧客基盤及び高いシェアを有するPOSシステムによるタッチポイントを活用し、競争優位性の確立を図ってまいります。具体的には、小売店舗における機器のIoT接続やデジタル化を起点とした基盤整備を進めるとともに、AIの活用を前提としたデータ駆動型経営の実現を支援し、さらに物流・販売・顧客接点を含む流通バリューチェーン全体におけるデジタル統合を推進してまいります。また、POSシステムを単なるトランザクションデバイスからリアルタイムに学習し続ける「インテリジェンスエンジン」へと進化させることで、顧客価値の向上に寄与するソリューションの提供を拡大してまいります。これらの取り組みを通じて、当社はリテール領域におけるDXの進展に対応し、持続的な成長と収益性の向上を実現してまいります。 ・グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」の拡大グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」の拡大を成長戦略の中核に据え、国内外リテールソリューション事業における収益モデルの高度化及び事業領域の拡張を推進します。長年に亘り培った顧客基盤及びパートナーシップを基盤に、「ELERA」プラットフォームへの投資を起点としてソリューション及びパートナー連携を拡大するとともに、導入領域の拡張及び収益源の多層化を推進しております。また、「ELERA」を中核としてハードウェア、ソフトウェア、導入・運用サービスを一体で提供することで、顧客への提供価値を高め、グローバルでの競争優位性の強化を図っております。これによりハードウェア中心のビジネスからリカーリング型収益モデルへの転換を加速し、付加価値の高いソリューション提供及び収益性の向上を図ります。・パートナー連携によるバリューチェーン高度化と共創モデルの推進当社グループは、パートナーとの連携を強化することにより、商品企画・開発から調達、製造、販売、保守に至るバリューチェーン全体の高度化を推進し、提供価値の拡大と収益性の向上を図ります。具体的には、IT・通信・デバイス等の領域におけるパートナーとの協業を通じて、顧客ニーズへの対応力、商品競争力及び顧客課題解決力の強化に取り組むとともに、AIも活用したサービスの高度化・多角化を進展させます。 (ワークプレイスソリューション事業)ワークプレイスソリューション事業においては、プリント機器及び関連サービスの足元の需要が安定的に推移する中、オフィスのDXに関するニーズの拡大が継続しております。このような市場環境の下、当社は、コア事業である複合機を中心としたアフターサービス収益の確保により安定的な収益基盤を維持するとともに、オフィスソリューションを軸とした成長戦略を推進してまいります。 ・ハードウェア開発・製造の改革複合機ハードウェア開発・製造の改革を重要施策と位置付け、エトリア㈱のブランドオーナー各社の技術を融合した新エンジン搭載機を市場投入します。これにより、製品ラインアップの最適化及び商品競争力の強化を図るとともに、環境性能・省エネルギー性能の向上やサプライチェーンレジリエンスの強化を進め、エトリア㈱設立によるシナジーの発現を目指してまいります。・ソリューション販売の強化ソリューション販売の強化を図り、オフィスソリューションのポートフォリオ拡充及び自社IPの強化を推進してまいります。顧客接点を基盤としたサービス提供により、データ活用やワークフロー改革等の高付加価値ソリューションの展開を進めるとともに、AI技術の活用によるソリューションの高度化にも取り組んでまいります。これらの取り組みにより、顧客課題解決力の向上を図るとともに、導入実績の拡大及び顧客からの評価を背景とした成長の加速を目指してまいります。 当社グループは、「中期経営計画(2026~2028年度)」において、当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高、営業利益、営業利益率(ROS)、親会社株主に帰属する当期純利益、営業活動によるキャッシュ・フロー、フリー・キャッシュ・フロー、投下資本利益率(ROIC)を掲げており、最終年度である2028年度に、売上高は5,800億円、営業利益は380億円、営業利益率(ROS)は6.6%、親会社株主に帰属する当期純利益は210億円、営業活動によるキャッシュ・フローはプラス390億円、フリー・キャッシュ・フローはプラス190億円、投下資本利益率(ROIC)は16%を達成することを目標として定めております。なお、当該目標値は、当社が有価証券報告書提出日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題上記の経営方針及び経営戦略を実行するに当たっては、各事業におけるバランスある利益の実現と長期的収益体制の構築が必要であり、その実現のために当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、次の重要施策の実行を加速することであると認識しております。・事業構造転換とリカーリング収益の拡大による収益モデル高度化パートナー戦略の強化及びリカーリング型ビジネスへの転換を加速し、売切型モデルからストック型収益へのシフトを推進してまいります。これにより、収益の安定性及び予見可能性を高めるとともに、顧客との継続的な関係を通じた付加価値提供により、中長期的な収益拡大を実現してまいります。・基盤事業の収益力強化による安定収益基盤の確立地域別の収益性改善、間接業務の効率化及び事業のアセットライト化を推進することにより、コスト構造の強化を進め、外部環境の変化に対応可能な安定的な収益基盤の構築に取り組んでまいります。 (5)次期の見通し今後の世界経済は、緊迫化する国際情勢を背景に景気の不透明感が一段と高まるとともに、物価動向や各国の政策動向など不確実要因も多く、先行きを見通せない厳しい状況が続くものと予想されます。このような状況下で、当社グループは、「社会課題の解決に貢献する新たな価値を共創によって生み出し、グローバルトップのソリューションパートナーへ」の基本方針の下で、ソリューションカンパニーへの変革をNext Stageへと進めてまいります。その一環として、コスト構造の最適化を通じた損益分岐点の引き下げを図り、急激な環境変化への対応力を高めることを目的に、経営体質の改善に継続的に取り組んでまいります。あわせて、持続的な成長の実現に向け、各種施策の着実な実行にグループ一丸となって取り組んでまいります。また、当社が有するグローバルな顧客基盤や営業・保守体制といったフィジカルアセットを活用し、パートナーとの共創によるエコシステムの構築を通じて、付加価値の高いソリューション提案を推進することで、社会課題の解決に貢献するとともに、企業価値向上を目指してまいります。 2026年度(第102期)における各報告セグメントの主要施策は、次のとおりであります。 (リテールソリューション事業)主力事業であるPOSシステムの顧客である流通小売業においては、消費者の購買行動の多様化への対応、生産性向上のためのDX対応、人手不足に対する省人化・自動化対応に加え、店舗内メディアを活用した販売促進、廃棄ロス・販売機会ロスの削減、環境負荷の低減など、多様な社会課題を同時に解決するソリューションへのニーズが一層高まっております。このような事業環境の中、国内リテールソリューション事業は、大型案件の導入が本格化することなどから、POSシステムの需要は引き続き堅調に推移する見通しです。一方、海外リテールソリューション事業については、2025年度に米国関税措置の影響等から慎重であった顧客の投資意欲に一部持ち直しの動きがみられるものの、半導体及び石油価格の高騰によるコスト増加リスクや、価格改定に伴う需要環境の不透明感が残っております。世界経済の不確実性を踏まえ、顧客の投資動向については引き続き注視してまいります。当社は、グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」を活用したソリューション・サービスの展開を通じて、店舗運用、販売促進、データ利活用を包括したソリューションの提供を強化してまいります。これにより、顧客との継続的な関係性を深化させるとともに、収益性の向上を図ってまいります。 (ワークプレイスソリューション事業)主力事業であるオフィス向けプリンティング市場は、ペーパーレス化の進展を背景に、世界市場全体では今後も緩やかな減少傾向が続くと見込まれます。一方で、リモートワークやハイブリッドワークの定着を背景に、オフィスや現場における業務プロセス全体のデジタル化、業務効率化、セキュリティ強化といった新たなニーズが顕在化しております。このような事業環境の中、ワークプレイスソリューション事業においては、米国関税対策として実施した価格改定の効果が顕在化しつつあるものの、半導体及び石油価格の高騰によるコスト増加のリスクや、それに対する価格改定に伴う需要環境の不透明感を踏まえ、需要動向を慎重に見極めながら事業運営を進めてまいります。当社は、㈱リコー及び沖電気工業㈱との合弁会社であるエトリア㈱との連携を通じて、製品競争力の強化と開発・供給体制の最適化を進めるとともに、ソリューション事業への構造転換を加速させてまいります。これにより、収益性の向上と事業基盤の強化を図ってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社は、2026年5月29日に「中期経営計画(2026~2028年度)」を策定・開示しており、以下の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、当該「中期経営計画(2026~2028年度)」に基づき記載しております。したがって、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在ではなく、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが入手し得る情報に基づいて判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、理念体系にある経営理念、ビジョン、行動指針に基づき、新しい価値創造へのこだわりと挑戦を続けるとともに、お客様の期待に応える商品やサービスの提供をはじめとして、ステークホルダーとの約束を実現することを事業運営における基本方針としております。当社グループは、経営理念、ビジョン、行動指針の実践を通じて、「社会課題の解決に貢献する新たな価値を共創によって生み出し、グローバルトップのソリューションパートナーへ」のスローガンの下で、ソリューションパートナーへの変革をNext Stageへと進めてまいります。 (2)経営環境当社グループの各報告セグメントの経営環境についての認識は、次のとおりであります。 (リテールソリューション事業)当社の顧客である流通小売業においては、消費者の行動変化によるネットショッピングや決済手段の多様化への対応、生産性向上のためのDX対応、人手不足に対する省人化対応、店舗内メディアを活用した販売促進利用等の様々なニーズが顕在化しております。加えて、廃棄ロス・販売機会ロスの削減や、環境負荷の低減といった社会課題への対応も求められております。さらに、近年はAI活用の進展により、従来は人手に依存していた業務の代替・高度化が可能となり、AI活用による成果創出が競争力の重要な要素となっております。また、このような環境変化を背景に、顧客ニーズは一層高度化するとともに、競争環境においては価値の源泉がハードウェア中心からソリューション・サービスへとシフトしております。当事業においては、国内外に幅広く顧客基盤及び販売網を有し事業を展開しておりますが、競合他社との競争激化が続く厳しい事業環境にあります。 (ワークプレイスソリューション事業)オフィス向けプリンティング市場は、新型コロナウイルス感染拡大による印刷量の急激な減少から回復傾向にあるものの、それ以前から続くペーパーレス化の進展は継続しており、世界市場全体では今後も緩やかな減少傾向が続くと見込まれます。また、働き方改革に伴うリモートワークの拡大に加え、オフィスや現場におけるさまざまな業務のデジタル化ニーズが顕在化しており、当社の競合各社は、DX需要を成長分野と位置付けて、AIやITを使ったソリューションの開発・提供に力を入れております。当事業においては、国内外に幅広く販売網を有しておりますが、需要の鈍化や競合他社との競争激化が続くなど厳しい事業環境にあります。 (3)中長期的な経営戦略と目標上記の経営環境下において、当社グループは、「共創による新たな価値の創出」を成長モデルの中核に据え、パートナーとの連携を通じて社会課題の解決に貢献するとともに、企業価値の最大化を図ってまいります。具体的には、グローバルに展開する顧客基盤及び販売・保守網等のタッチポイントを起点に、オープンな連携基盤の下で多様なサービスを組み合わせることにより、新たなサービスや付加価値の創出を推進し、社会課題解決に貢献してまいります。2026年5月29日に策定した「中期経営計画(2026~2028年度)」においては、基礎収益力の向上と事業転換を並行して進め、高収益・成長モデルの確立に向けた基盤整備に取り組んでまいります。具体的には、AIの活用やIT基盤の強化を通じて経営の高度化を図るとともに、地域別収益性の改善や間接業務の効率化、アセットライト化等によるコスト構造の強化を進めてまいります。また、これらの取り組みにより創出されるキャッシュを成長領域へ再投資し、リカーリングビジネスの拡大に取り組んでまいります。さらに、経営体制については、2026年6月29日付で会長執行役員 CEO・社長執行役員 COO体制に変更することで、経営スピードの向上を図り、中長期的な企業価値の向上に資する経営基盤の確立を進めてまいります。これらの取り組みを通じて、高収益・成長モデルへの転換を進め、2030年度に営業利益率10%を目指してまいります。各報告セグメントにおける具体的施策は、以下のとおりであります。 (リテールソリューション事業)流通業界においては、省人化・効率化に資するDXの需要が一層高まっております。加えて、小売店舗及び業務プロセスのデジタル化やデータ活用の進展に伴い、データに基づく経営の高度化や、流通バリューチェーン全体を横断した最適化の重要性が高まるものと認識しております。このような市場環境の下、リテールDX市場は中長期的な拡大が見込まれており、当社はこれまでに構築してきた顧客基盤及び高いシェアを有するPOSシステムによるタッチポイントを活用し、競争優位性の確立を図ってまいります。具体的には、小売店舗における機器のIoT接続やデジタル化を起点とした基盤整備を進めるとともに、AIの活用を前提としたデータ駆動型経営の実現を支援し、さらに物流・販売・顧客接点を含む流通バリューチェーン全体におけるデジタル統合を推進してまいります。また、POSシステムを単なるトランザクションデバイスからリアルタイムに学習し続ける「インテリジェンスエンジン」へと進化させることで、顧客価値の向上に寄与するソリューションの提供を拡大してまいります。これらの取り組みを通じて、当社はリテール領域におけるDXの進展に対応し、持続的な成長と収益性の向上を実現してまいります。 ・グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」の拡大グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」の拡大を成長戦略の中核に据え、国内外リテールソリューション事業における収益モデルの高度化及び事業領域の拡張を推進します。長年に亘り培った顧客基盤及びパートナーシップを基盤に、「ELERA」プラットフォームへの投資を起点としてソリューション及びパートナー連携を拡大するとともに、導入領域の拡張及び収益源の多層化を推進しております。また、「ELERA」を中核としてハードウェア、ソフトウェア、導入・運用サービスを一体で提供することで、顧客への提供価値を高め、グローバルでの競争優位性の強化を図っております。これによりハードウェア中心のビジネスからリカーリング型収益モデルへの転換を加速し、付加価値の高いソリューション提供及び収益性の向上を図ります。・パートナー連携によるバリューチェーン高度化と共創モデルの推進当社グループは、パートナーとの連携を強化することにより、商品企画・開発から調達、製造、販売、保守に至るバリューチェーン全体の高度化を推進し、提供価値の拡大と収益性の向上を図ります。具体的には、IT・通信・デバイス等の領域におけるパートナーとの協業を通じて、顧客ニーズへの対応力、商品競争力及び顧客課題解決力の強化に取り組むとともに、AIも活用したサービスの高度化・多角化を進展させます。 (ワークプレイスソリューション事業)ワークプレイスソリューション事業においては、プリント機器及び関連サービスの足元の需要が安定的に推移する中、オフィスのDXに関するニーズの拡大が継続しております。このような市場環境の下、当社は、コア事業である複合機を中心としたアフターサービス収益の確保により安定的な収益基盤を維持するとともに、オフィスソリューションを軸とした成長戦略を推進してまいります。 ・ハードウェア開発・製造の改革複合機ハードウェア開発・製造の改革を重要施策と位置付け、エトリア㈱のブランドオーナー各社の技術を融合した新エンジン搭載機を市場投入します。これにより、製品ラインアップの最適化及び商品競争力の強化を図るとともに、環境性能・省エネルギー性能の向上やサプライチェーンレジリエンスの強化を進め、エトリア㈱設立によるシナジーの発現を目指してまいります。・ソリューション販売の強化ソリューション販売の強化を図り、オフィスソリューションのポートフォリオ拡充及び自社IPの強化を推進してまいります。顧客接点を基盤としたサービス提供により、データ活用やワークフロー改革等の高付加価値ソリューションの展開を進めるとともに、AI技術の活用によるソリューションの高度化にも取り組んでまいります。これらの取り組みにより、顧客課題解決力の向上を図るとともに、導入実績の拡大及び顧客からの評価を背景とした成長の加速を目指してまいります。 当社グループは、「中期経営計画(2026~2028年度)」において、当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高、営業利益、営業利益率(ROS)、親会社株主に帰属する当期純利益、営業活動によるキャッシュ・フロー、フリー・キャッシュ・フロー、投下資本利益率(ROIC)を掲げており、最終年度である2028年度に、売上高は5,800億円、営業利益は380億円、営業利益率(ROS)は6.6%、親会社株主に帰属する当期純利益は210億円、営業活動によるキャッシュ・フローはプラス390億円、フリー・キャッシュ・フローはプラス190億円、投下資本利益率(ROIC)は16%を達成することを目標として定めております。なお、当該目標値は、当社が有価証券報告書提出日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題上記の経営方針及び経営戦略を実行するに当たっては、各事業におけるバランスある利益の実現と長期的収益体制の構築が必要であり、その実現のために当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、次の重要施策の実行を加速することであると認識しております。・事業構造転換とリカーリング収益の拡大による収益モデル高度化パートナー戦略の強化及びリカーリング型ビジネスへの転換を加速し、売切型モデルからストック型収益へのシフトを推進してまいります。これにより、収益の安定性及び予見可能性を高めるとともに、顧客との継続的な関係を通じた付加価値提供により、中長期的な収益拡大を実現してまいります。・基盤事業の収益力強化による安定収益基盤の確立地域別の収益性改善、間接業務の効率化及び事業のアセットライト化を推進することにより、コスト構造の強化を進め、外部環境の変化に対応可能な安定的な収益基盤の構築に取り組んでまいります。 (5)次期の見通し今後の世界経済は、緊迫化する国際情勢を背景に景気の不透明感が一段と高まるとともに、物価動向や各国の政策動向など不確実要因も多く、先行きを見通せない厳しい状況が続くものと予想されます。このような状況下で、当社グループは、「社会課題の解決に貢献する新たな価値を共創によって生み出し、グローバルトップのソリューションパートナーへ」の基本方針の下で、ソリューションカンパニーへの変革をNext Stageへと進めてまいります。その一環として、コスト構造の最適化を通じた損益分岐点の引き下げを図り、急激な環境変化への対応力を高めることを目的に、経営体質の改善に継続的に取り組んでまいります。あわせて、持続的な成長の実現に向け、各種施策の着実な実行にグループ一丸となって取り組んでまいります。また、当社が有するグローバルな顧客基盤や営業・保守体制といったフィジカルアセットを活用し、パートナーとの共創によるエコシステムの構築を通じて、付加価値の高いソリューション提案を推進することで、社会課題の解決に貢献するとともに、企業価値向上を目指してまいります。 2026年度(第102期)における各報告セグメントの主要施策は、次のとおりであります。 (リテールソリューション事業)主力事業であるPOSシステムの顧客である流通小売業においては、消費者の購買行動の多様化への対応、生産性向上のためのDX対応、人手不足に対する省人化・自動化対応に加え、店舗内メディアを活用した販売促進、廃棄ロス・販売機会ロスの削減、環境負荷の低減など、多様な社会課題を同時に解決するソリューションへのニーズが一層高まっております。このような事業環境の中、国内リテールソリューション事業は、大型案件の導入が本格化することなどから、POSシステムの需要は引き続き堅調に推移する見通しです。一方、海外リテールソリューション事業については、2025年度に米国関税措置の影響等から慎重であった顧客の投資意欲に一部持ち直しの動きがみられるものの、半導体及び石油価格の高騰によるコスト増加リスクや、価格改定に伴う需要環境の不透明感が残っております。世界経済の不確実性を踏まえ、顧客の投資動向については引き続き注視してまいります。当社は、グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」を活用したソリューション・サービスの展開を通じて、店舗運用、販売促進、データ利活用を包括したソリューションの提供を強化してまいります。これにより、顧客との継続的な関係性を深化させるとともに、収益性の向上を図ってまいります。 (ワークプレイスソリューション事業)主力事業であるオフィス向けプリンティング市場は、ペーパーレス化の進展を背景に、世界市場全体では今後も緩やかな減少傾向が続くと見込まれます。一方で、リモートワークやハイブリッドワークの定着を背景に、オフィスや現場における業務プロセス全体のデジタル化、業務効率化、セキュリティ強化といった新たなニーズが顕在化しております。このような事業環境の中、ワークプレイスソリューション事業においては、米国関税対策として実施した価格改定の効果が顕在化しつつあるものの、半導体及び石油価格の高騰によるコスト増加のリスクや、それに対する価格改定に伴う需要環境の不透明感を踏まえ、需要動向を慎重に見極めながら事業運営を進めてまいります。当社は、㈱リコー及び沖電気工業㈱との合弁会社であるエトリア㈱との連携を通じて、製品競争力の強化と開発・供給体制の最適化を進めるとともに、ソリューション事業への構造転換を加速させてまいります。これにより、収益性の向上と事業基盤の強化を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが入手し得る情報に基づいて判断したものであります。 (1)経営成績① 事業全体の状況当連結会計年度の世界経済は、米国の関税措置等の影響により米国を中心に各国の市況の不透明感が高まったことに加え、継続する物価上昇、地政学的リスク等の影響もあって、依然として景気の先行きを見通せない厳しい状況が続きました。このような状況下で、当社グループは、「社会課題の解決に貢献する新たな価値を共創によって生み出し、グローバルトップのソリューションパートナーへ」の基本方針の下で、持続的な成長の実現に向けて、基盤事業の収益力強化、成長事業の領域拡大、経営変革・人財強化・サステナビリティ強化等の施策に取り組み、グローバルトップのソリューションパートナーを目指して社会課題解決への貢献に努めてまいりました。売上高については、第2四半期までは大幅な減収となったものの、第3四半期以降は、国内市場向けPOSシステムの売上が前年同期に比べ大幅に増加したことに加えて、米国関税措置に伴う各国の市況悪化や顧客の投資時期の遅れの影響に改善が見られたことにより、海外市場向けPOSシステム及び複合機の売上が前年同期並みまで改善したことから、5,692億65百万円(前連結会計年度比1%減)となりました。損益については、第3四半期以降、国内市場向けPOSシステムの利益が前年同期に比べ増加したことに加えて、海外市場向けPOSシステム及び複合機の損益も、顧客の投資意欲に改善が見られたこと、米国関税措置による悪化影響を概ねリカバリーできたこと、及び製品価格の改定や生産拠点の最適化等の施策の効果が増加したことなどにより、前年同期を上回る水準まで改善したことから、第3四半期以降の営業利益及び経常利益は、いずれも前年同期を上回る結果となりました。特に、第4四半期の営業利益及び経常利益は、これまでに取り組んできた各種施策が奏功したことなどから、前年同期に比べ大幅に改善いたしました。しかしながら、米国関税措置に伴う第2四半期までの損益悪化を完全に補うには至らず、通期の損益については、営業利益は143億36百万円(前連結会計年度比29%減)、経常利益は106億8百万円(前連結会計年度比42%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失については、エトリア㈱が当社の元子会社であり現在はエトリア㈱の子会社であるToshiba Tec Information Systems(Shenzhen)の事業規模縮小を決定したことに伴う経済補償金負担引当金繰入額や、投資有価証券の減損処理による投資有価証券評価損を特別損失として計上したことなどから、22億85百万円(前連結会計年度は299億37百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。 ② 各報告セグメントの状況当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照下さい。(リテールソリューション事業)国内及び海外市場向けPOSシステム、国内市場向け複合機、国内市場向けオートIDシステム、並びにそれらの関連商品等を取り扱っているリテールソリューション事業は、競合他社との競争激化が続く厳しい事業環境の中で、グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」、生成AI活用サービス及び戦略的パートナーシップによる高付加価値のソリューションビジネスの拡大、リカーリングビジネスの強化、当社の機器だけでなく他社のIT機器をカバーするマルチベンダー保守サービスの拡充等に取り組んでまいりました。国内市場向けPOSシステムは、セルフレジ、スマートレシート、決済端末等の拡販に注力するとともに、製品価格や保守サービス価格の改定等の施策に取り組んだことなどから、売上は増加いたしました。海外市場向けPOSシステムは、第3四半期以降、米国関税措置に伴う各国の市況悪化や顧客の投資時期の遅れの影響に改善が見られたことにより、第3四半期以降の売上は前年同期並みまで改善しましたが、第2四半期までの米州を中心とするハードウェアの販売減少が大きかったことや、為替の影響もあって、通期では売上は減少いたしました。国内市場向け複合機は、顧客の買い控え等により販売が減少したことから、売上は減少いたしました。国内市場向けオートIDシステムは、ラベルプリンタ全体の販売台数は減少しましたが、製品価格改定等の施策に取り組んだことにより、売上は前連結会計年度並みとなりました。この結果、リテールソリューション事業の売上高は、3,476億41百万円(前連結会計年度比0.3%増)となりました。また、同事業の損益については、機種構成の改善等による国内市場向けPOSシステムの増益、保守サービス価格の改定等による国内市場向け複合機の損益改善に加え、第3四半期以降の海外市場向けPOSシステムの損益改善により、第3四半期以降の営業利益は前年同期に比べ増加しましたが、米国関税措置に伴う第2四半期までの損益悪化の影響により、通期の営業利益は76億30百万円(前連結会計年度比4%減)となりました。 (ワークプレイスソリューション事業)海外市場向け複合機、海外市場向けオートIDシステム、並びにそれらの関連商品等を取り扱っているワークプレイスソリューション事業は、働き方改革・オフィスのDX推進による印刷量の減少、競合他社との競争激化が続く厳しい事業環境の中で、基盤事業である複合機の収益力強化に注力するとともに、成長領域であるオフィスソリューション及びオートID事業の拡大に取り組んでまいりました。海外市場向け複合機は、第3四半期以降に製品価格改定の効果が増加してきたものの、米国関税措置の影響や前連結会計年度に製品供給量の回復による販売の一時的な増加があったことの反動等により、米州を中心に販売が減少したことから、売上は減少いたしました。海外市場向けオートIDシステムは、前連結会計年度の大型案件受注の反動により米州で販売が減少したことなどから、売上は減少いたしました。この結果、ワークプレイスソリューション事業の売上高は、2,277億58百万円(前連結会計年度比4%減)となりました。また、同事業の損益については、製品価格の改定や生産拠点の最適化等の施策の効果が第3四半期以降に増加したことなどから、第3四半期以降の営業利益は前年同期に比べ増加しましたが、米国関税措置に伴う第2四半期までの損益悪化を補うには至らず、米州を中心に利益が減少したことから、通期の営業利益は67億6百万円(前連結会計年度比46%減)となりました。なお、前連結会計年度と比べ大幅に営業利益が減少したその他の要因として、2024年7月に当社グループの複合機及びオートIDシステムの開発及び製造に関する事業をエトリア㈱に承継させるに当たり、前連結会計年度に複合機の生産数量が一時的に増加した影響で、工場の稼働率が一時的に高まっていたことなども挙げられます。 (注)オートIDシステムとは、ハード・ソフトを含む機器により、自動的にバーコード、ICタグ等のデータを取り込み、内容を識別・管理するシステムをいいます。 (2)生産、受注及び販売の実績① 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)リテールソリューション56,952△21.9ワークプレイスソリューション1,572△95.6合計58,524△46.2 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、販売価格によっております。3.ワークプレイスソリューション事業の生産実績が前連結会計年度と比べ大幅に減少した主な理由は、当社グループの複合機及びオートIDシステムの開発及び製造に関する事業をエトリア㈱に、当社グループのインクジェットヘッド事業の全てを理想テクノロジーズ㈱に、それぞれ2024年7月1日付で承継させたことによるものです。 ② 受注実績当連結会計年度におけるリテールソリューション事業の国内ストア・オートメーション向け「個別ユーザー対応物件」分野の受注状況は、次のとおりであります。なお、他の分野においては、当社と販売会社との間で行う需給予測を考慮した見込生産を主体としているため、記載を省略しております。区分受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)(リテールソリューション)個別ユーザー対応物件87,76632.715,11956.9 (注)1.金額は、販売価格によっております。2.当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは、POSシステム等の受注が増加したことによるものであります。 ③ 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)リテールソリューション347,5700.3ワークプレイスソリューション221,694△3.8合計569,265△1.3 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.前期比は、前連結会計年度の数値をセグメント変更後の区分に組み替えて比較しております。 (3)財政状態当連結会計年度における資産は、前連結会計年度に比べ150億64百万円増加し、3,614億35百万円となりました。これは主に、流動資産の「現金及び預金」が84億32百万円、投資その他の資産の「投資有価証券」が239億94百万円、「繰延税金資産」が31億69百万円減少しましたが、流動資産の「受取手形、売掛金及び契約資産」が164億58百万円、「商品及び製品」が95億6百万円、「原材料及び貯蔵品」が29億54百万円、「その他」が64億99百万円、投資その他の資産の「退職給付に係る資産」が84億14百万円、「その他」が31億81百万円増加したことによるものであります。負債は、前連結会計年度に比べ293億74百万円増加し、2,600億60百万円となりました。これは主に、流動負債の「未払法人税等」が29億78百万円減少しましたが、流動負債の「支払手形及び買掛金」が233億35百万円、「経済補償金負担引当金」が43億85百万円増加したことによるものであります。純資産は、前連結会計年度に比べ143億9百万円減少し、1,013億75百万円となりました。これは主に、「為替換算調整勘定」が18億61百万円、「退職給付に係る調整累計額」が56億53百万円増加しましたが、「利益剰余金」が配当金の支払いにより13億23百万円、親会社株主に帰属する当期純損失により22億85百万円、持分法の適用範囲の変動により180億44百万円減少したことによるものであります。 (4)キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度と比べ84億32百万円減少の395億円となりました。なお、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは70億69百万円の支出となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動については、税金等調整前当期純利益が26億25百万円であり、減価償却費が187億97百万円、経済補償金負担引当金繰入額が43億85百万円、仕入債務の増加額が208億79百万円となった一方で、売上債権の増加額が116億57百万円、棚卸資産の増加額が109億78百万円、その他が120億65百万円、法人税等の支払額が94億26百万円となったことなどから、42億96百万円の収入(前連結会計年度は248億86百万円の収入)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動については、有形固定資産の売却による収入が15億1百万円、出資金の回収による収入が13億78百万円となりましたが、有形固定資産の取得による支出が96億18百万円、無形固定資産の取得による支出が43億26百万円となったことなどから、113億66百万円の支出(前連結会計年度は99億87百万円の支出)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動については、長期借入れによる収入が130億28百万円となりましたが、長期借入金の返済による支出が100億62百万円、配当金の支払額が13億24百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が46億64百万円となったことなどから、30億97百万円の支出(前連結会計年度は57億39百万円の支出)となりました。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。 当社グループの運転資金は、主に製品製造に係る原材料や部材の調達のほか、製造費、販売費及び一般管理費等に計上される財・サービスに費消しております。設備投資資金は、有形固定資産や無形固定資産の取得、投資等に費消しております。これらの必要資金は、当社グループ内の内部留保による確保、及び資産の圧縮や資産効率の向上により創出される自己資金を基本として流動性を確保しつつ、必要に応じて金融機関等からの資金調達を実施してまいります。 (5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因や当該事項への対応については、上記「(1)経営成績」から「(4)キャッシュ・フロー」まで、並びに「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しているとおりであります。当社グループは、2026年5月29日に策定した「中期経営計画(2026~2028年度)」において、最終年度である2028年度に、売上高は5,800億円、営業利益は380億円、営業利益率(ROS)は6.6%、親会社株主に帰属する当期純利益は210億円、営業活動によるキャッシュ・フローはプラス390億円、フリー・キャッシュ・フローはプラス190億円、投下資本利益率(ROIC)は16%を達成することを目標として定めております。当連結会計年度においては、売上高は5,692億65百万円、営業利益は143億36百万円、営業利益率(ROS)は2.5%、親会社株主に帰属する当期純損失は22億85百万円、営業活動によるキャッシュ・フローはプラス42億96百万円、フリー・キャッシュ・フローはマイナス70億69百万円、投下資本利益率(ROIC)は6.6%となりました。 (6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、当社グループが採用している重要な会計処理基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりであります。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。 なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、より重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 ① 債権の回収可能性当社グループは、売掛金、販売金融債権及び貸付金その他これらに準ずる債権の貸倒に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。将来、債権の相手先の財務状況がさらに悪化して支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。 ② 棚卸資産の評価減当社グループは、商品、製品及び半製品は先入先出法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)、仕掛品及び原材料は移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)、貯蔵品は最終仕入原価法を採用しております。回収可能価額の評価を行うに当たっては、商品、製品及び半製品について正味売却価額に基づき収益性の低下を検討しております。将来における実際の需要又は市況が見積りより悪化した場合には、追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。 ③ 固定資産の減損判定当社グループは、固定資産のうち減損の兆候があるかどうかの判定を実施し、減損の兆候があった場合、資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定に用いられる割引前将来キャッシュ・フローでの見積り及び仮定について将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失が発生する可能性があります。 ④ 投資有価証券の減損判定当社グループは、販売又は仕入に係る取引先等の株式を保有しています。これらの株式には市場価格のない株式等以外のものである上場会社の株式と市場価格のない株式等である非上場会社の株式が含まれます。当社グループは、市場価格のない株式以外のものの株式の減損処理にあたっては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。また、市場価格のない株式等である非上場株式の減損処理にあたっては、財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、回復可能性を考慮して減損処理を行っております。なお、将来の市況悪化又は投資先の業績不振など、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収が不能となる状況が発生した場合、追加の減損損失が発生する可能性があります。 ⑤ 繰延税金資産の回収可能性繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。 ⑥ 退職給付債務の算定当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、長期期待運用収益率、昇給率等の様々な計算基礎があります。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)2.確定給付制度(8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
事業リスク
- リテール市場の変化小売業界では、セルフレジの導入やソフトウェア・サービスへの投資が増える一方で、従来のPOSハードウェアへの投資優先度が低下しています。独立系ソフトウェアメーカーや大手ソリューションベンダーとの競争激化も進んでおり、製品販売に影響が出る可能性があります。
- オフィス需要の減少コロナ禍以降の働き方の変化により、オフィスでの複合機需要が減少傾向にあります。ペーパーレス化の進展も継続しており、複合機の販売台数や保守サービスの売上が減少し、ワークプレイスソリューション事業の収益が悪化する可能性があります。
- 世界情勢とコスト増加グローバルに事業を展開しているため、各地域の政治・経済情勢の変化、為替変動、関税措置などが業績に影響を与える可能性があります。特に2025年度は、物価上昇や地政学的リスク、米国関税措置により相当額のコストアップが見込まれており、収益を圧迫する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している特に重要なリスク及びその他の主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、万全なリスク管理体制により、このようなリスクの発生を回避するとともに、事業継続計画(BCP)の整備等により、リスク発生時における影響の極小化に最大限努めてまいります。なお、文中の将来に関する事項は、原則として、当連結会計年度末現在において当社グループが入手し得る情報に基づいて判断したものであります。 (特に重要なリスク)(1)リテールソリューションの事業環境当事業における市場の状況は、顧客である大手流通小売業において、店舗運営効率化や顧客の購入形態の多様化、コロナ禍以降の販売形態の変化等に伴い、セルフレジをはじめとする店舗従業員との接触を抑えた形のチェックアウト機器や、ソフトウェア及びサービス分野への投資比重が増えております。このような市場構造の変化により、従来型のハードウェアPOSへの投資優先度が低下傾向にあることや、独立系ソフトウェアメーカー及び大手ソリューションベンダーとの競合が厳しくなることから、当社製品の販売に影響が及ぶ可能性があります。当社グループは、当該リスクを最小限に抑えるべく、グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」の拡販等により、収益の改善を目指してまいります。なお、具体的な施策等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。 (2)ワークプレイスソリューションの事業環境当事業は、コロナ禍以降の働き方の変化によりコア事業であるオフィス領域での需要減少傾向が継続するリスクがあります。当該リスクが顕在化した場合には、複合機の販売台数の減少や保守サービスの売上減少等により、当事業の収益が悪化する可能性があります。なお、当該リスクに対する具体的な施策等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。 (その他の主要なリスク)(1)新事業開拓・新商品開発当社グループは、先端的なエレクトロニクス技術、システム・ソフトウェア技術等を活用して顧客ニーズに応えてまいりました。引き続き、新たな事業の形成に至る新技術や、各国の環境保護規制に対応する新技術等、積極的に新事業開発や新商品開発への対応に努めてまいりますが、これらに関しては不確実要素も多々あり、想定外の事項の発生が、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)世界情勢当社グループは、グローバルに事業を展開しておりますが、各地域の政治・経済情勢の変化や各種の規制、急激な為替レートの変動等が、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、2026年度は、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格及び石油由来原材料価格の上昇やAI関連投資の拡大に伴う半導体価格の上昇等によりコスト増加が見込まれます。当社グループは、販売価格の適正化やサプライチェーン体制の見直し等の施策により、部材価格及び輸送費の上昇が業績に与える影響の低減に取り組んでまいります。 (3)大規模災害等当社グループは、グローバルに販売・サービス、生産・調達拠点を有しておりますが、それぞれの地域において大規模災害、テロ、感染症等が発生した場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)グローバル生産体制当社グループは、安定的な製品供給及びコスト競争力確保のために、日本、シンガポール及びインドネシア等、地域的に分散したリスク対応を図っておりますが、為替影響、紛争等の地政学問題が当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクに備えるために、あらゆる視点からグローバル生産体制の検討を実施しております。 (5)品質問題当社グループは、製品の設計・部品調達・製造・試験・検査等全ての部門で品質及び安全性の検証体制を構築し、最新・最良の技術で優れた商品を提供することに注力しております。また、保守を伴う事業を展開しており、点検等により製品の品質と安全にかかわる大きな問題発生を未然に防ぐ努力をしております。しかしながら、システム・ソフトウェア対応の増大及び製品機能の高度化に伴う不確実要因等、開発・製造・保守サービスの一連のプロセスにおいて、想定外の品質問題発生もあり得るため、これらが当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)コンプライアンス・内部統制関係当社グループは、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に係る法令等の遵守並びに資産の保全という観点から内部統制システムの充実に努めております。コンプライアンスについては、グループ共通の行動規範として「グループ行動基準」を制定し、従業員一人ひとりがこの行動基準を遵守し、法令・社会規範・倫理に則した行動を行うよう、周知徹底に取り組んでおります。また、「リスク・コンプライアンス委員会」を設置し、この委員会の統括下でコンプライアンスの徹底にグループ一体となって取り組んでおります。しかしながら、コンプライアンスを始めとした内部統制システムには一定の限界があるため、その目的の達成を完全に保証するものではありません。このため、将来において法令違反等が生じた場合は、当社グループ業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (7)情報セキュリティ当社グループは、技術情報、営業情報、個人情報、会社の経営に関する情報等、事業遂行に関連する多数の情報を有しております。当社グループは、関連法令を遵守し、情報の漏洩防止に万全を期すために、情報の管理体制や適切な取り扱い方法等を定めた各種社内規程を制定するとともに、従業員教育や各種セキュリティ対策を継続的に実施し、情報保護の徹底に努めております。また、近年は、身代金を要求する不正な攻撃やID・パスワードの不正利用、取引先や委託先を起点とした攻撃など、サイバー攻撃が高度化・巧妙化しております。当社グループでは、このような脅威に対応するため、情報システムの監視強化、脆弱性の把握及び対応並びにグループ全体でのセキュリティ管理の強化等に取り組んでおります。さらに、専門部署を中心とした全社的な連携体制により、万一のインシデント発生時には迅速な対応及び被害の最小化に努めております。しかしながら、これらの対策を講じていても、未知の脆弱性や新たな攻撃手法、人的ミスまたは取引先や委託先を起点とした事案等により、情報が流出し、第三者がこれを不正に取得、使用する可能性があります。このような事態が生じた場合、この対応のために生じる多額の費用負担や企業の信頼低下が当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業活動において情報システムの役割は極めて重要であり、当社グループは、情報システムの安定的運用に努めておりますが、サイバー攻撃、コンピュータウイルス、ソフトウェアまたはハードウェアの障害、災害、テロ等により情報システムが機能しなくなる可能性が皆無ではありません。 (8)退職給付債務等当社グループは、退職給付債務については優良社債の利回りを考慮して計算しておりますが、社債利回りが現在の水準より低下する場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。また、年金資産は、企業年金設計上、相応の運用収益を期待して運用しておりますが、諸因により運用実績が悪化する場合は、当社グループ業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、従業員の定年後のライフプラン支援及び退職給付の多様なニーズへの対応を目的として、当社を含む国内グループ会社を対象に2015年10月1日から順次東芝グループ企業型確定拠出年金制度に加入いたしました。