事業の概要
- 科学技術計算用コンピュータ事業HPCシステムズは、科学技術計算に特化した高性能コンピュータ(HPC)と関連ソリューションを提供しています。研究者や開発者が直面する計算上の課題に対し、システム構築からソフトウェア開発、受託計算、導入後のサポートまでを一貫して行い、特にライフサイエンスや材料科学分野での計算化学に強みを持っています。これにより、顧客の研究開発を加速させ、収益を得ています。
- 産業用コンピュータ事業顧客の特定の要求に応じた産業用コンピュータの開発、製造、販売も行っています。これらのコンピュータは、製造装置、医療機器、インフラシステムなど幅広い産業分野に組み込まれ、高い安定性や耐久性が求められます。顧客の製品ライフサイクルに合わせて長期的な供給と保守サービスを提供することで、安定した収益源を確保しています。
- ワンストップソリューションハードウェアの販売だけでなく、ソフトウェア開発、システムインテグレーション、研究開発支援、クラウドサービスなど、多岐にわたるサービスをワンストップで提供しています。これにより、顧客はHPCシステムズに全てを任せることができ、同社は顧客の課題解決に深く関与することで、高い付加価値と継続的な取引を生み出しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- HPC事業(科学技術計算用コンピュータ事業)このセグメントは、科学技術計算に特化した高性能コンピュータと関連ソリューションを提供しており、売上高は45.68789億円、営業利益は4.59636億円と、同社の主要な稼ぎ頭です。大学、公的研究機関、企業のR&Dセンターが主な顧客で、ライフサイエンスや材料科学分野での計算化学に強みを持ち、システムインテグレーション、ソフトウェア開発、受託計算、クラウドサービスなどを展開しています。
- CTO事業(産業用コンピュータ事業)このセグメントは、顧客の注文仕様に応じた産業用コンピュータの開発、製造、販売を行っており、売上高は24.95643億円、営業利益は1.76606億円です。各種製造装置、工作機械、医療機器、インフラシステムなど幅広い産業分野に組み込まれる組込コンピュータを提供し、高い安定性、耐久性、長期安定供給が求められる顧客ニーズに対応しています。
- 事業構成と地域同社グループはHPC事業とCTO事業の2つの事業セグメントで構成されており、両事業ともに日本国内を主要な事業地域としています。HPC事業がより高い売上高と営業利益を計上しており、同社の収益の柱となっています。両事業はそれぞれ異なる顧客層とニーズに対応しながら、相互に技術情報を共有し、成長分野への対応を図っています。
2025-06 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| HPCBusinessReportableSegment | 地域 | 46 | 5 | 10.1% |
| CTOBusinessReportableSegment | 地域 | 25 | 2 | 7.1% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(HPCシステムズ株式会社)及び子会社(Intelligent Integration Company Limited)により構成されており、「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」の経営理念の下、「人の創造力とコンピューティングを融合させ未来をつくる企業になる」ことをビジョンに、「研究者には研究する力、開発者には製品を開発する力を提供すること」をミッションに掲げ、人類の難題に挑戦している研究者や開発者に寄り添い、知恵、努力、コミュニケーションとコンピューティングを通じてそれぞれが抱えている課題に共に取り組んでおります。当社グループの役割実現のため、専門的な知見を求められる科学技術計算用コンピュータ事業(HPC事業)と安定的で信頼性の高い製品供給を求められる産業用コンピュータ事業(CTO事業)の2つの事業を展開しております。当社グループの事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、事業の区分内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントと同一の区分であります。 (1) HPC事業 HPC事業は、科学技術計算用コンピュータに関連するソリューションの提供を行っております。科学技術計算用コンピュータは、高性能コンピュータを駆使して科学技術における問題を計算によって解決する計算科学という分野で使用されておりますが、計算科学は、理論や実験と並ぶ第三の研究手段に数えられるまでに発展してきております。その中で当社グループは、計算科学の手法を用いて「理論化学」の問題を取り扱う「計算化学」という分野に強みを持っており、中でもライフサイエンス(生命科学)とマテリアルサイエンス(材料科学)分野を重点事業領域と位置づけ、コンピュータ上で高精度に計算した材料データベースやAI等を活用して材料開発を行うマテリアルズ・インフォマティクスのアプリケーション開発に力を入れております。 当社グループが提供するHPCシステムインテグレーションは、従来のシステム開発業者等が行っている業務系システムやERPシステム等の構築といったITサービスとは領域が異なっており、科学技術計算、モノ作りにおける流体構造シミュレーション、創薬や材料開発に必要な計算化学、ディープラーニング、AI解析、ビッグデータ解析等、顧客の使用目的に応じた知見を必要とする領域に対するシステムインテグレーションであります。こうしたHPCシステムインテグレーションを実装した科学技術計算用高性能コンピュータを販売するシステム販売の他、ソフトウェアプログラムの開発・販売、受託計算・研究開発支援及び導入後のサポートまでをワンストップでトータルに行う体制を構築しております。具体的には、ユーザが保有、又は想定する様々なシステム構成(アーキテクチャ)に対して、ユーザの求める計算科学プログラムをコンピュータ上で実行可能な状態に変換するビルドや、同プログラム性能の最大化を図るための調整(チューニング)を行うことで、コンピュータにおける計算時間を大幅に短縮させる超高速計算や、大量のデータを正確に計算させる大規模・高精度計算を実現している他、HPCユーザである研究者や製品開発者のニーズに合わせて、科学技術計算用のオリジナルソフトウェアプログラムの開発・販売・サポート、計算科学をテーマとするセミナーの開催、科学技術計算の受託や技術支援、プログラム高速化サービス等を提供しております。その過程で長年にわたって培ってきた全国に所在する大学の研究室や公的研究機関、企業のR&Dセンターや中央研究所等との関係性を構築していることがHPC事業の強みであります。例えば、基礎研究の有効活用を模索している大学の研究室等と、応用研究を行っている企業のR&Dセンター等との橋渡しや、基礎研究の成果を探している企業のR&Dセンター等に対して、大学の研究室等の基礎研究成果を紹介するといったように、官と民を結ぶハブの役割を担うことを可能としております。その他、多様化する顧客のHPCによる計算ニーズにあわせ、HPCの計算能力をクラウドにて提供するサービスにも取り組んでおります。HPCユーザの計算ニーズは極めて秘密性が高く、計算に長い時間を要することから、従来は各研究室又は各社でHPCを保有する(オンプレミス)ことが一般的でした。しかしながら、近年ではHPCユーザの裾野が拡大しており、柔軟な利用環境を求めるユーザの要望が増加していること等から、当社グループでは一時的に利用できる解析用HPCリモートサービスや、技術の進歩を捉えてHPCのクラウドサービスも開始しております。 最近では、HPCとビッグデータやAIが融合し、理論計算からデータ分析、機械学習、そして理論計算といった機能を実現できるシステムの導入が進んでおり、さまざまな分野でAI技術の応用が進められております。当社グループも、重要な社会インフラへのHPCの適用事例となる5G技術、及び「コネクテッドカー」に係る研究開発活動のニーズを支える技術者集団として参画しております。 このように、当社グループはハードウェアからソフトウェアプログラム、システムインテグレーションサービス、各種研究サポートを一気通貫してワンストップで対応しております。 HPC事業ワンストップサービスの概念図 (2) CTO事業 CTO事業は、顧客企業の注文仕様に応じた産業用コンピュータの開発、製造及び販売を行っております。当社グループの産業用コンピュータは、組込コンピュータ(エンベデッド・コンピュータ)として、各種製造装置や工作機械、計測装置や検査装置の他、インフラシステムにおける監視制御、医療機器、デジタルサイネージ等に搭載され、さまざまな産業分野において活用されております。 産業用コンピュータは、市販のパソコンが画一仕様の量販品であることと比較すると、要求される仕様も特徴もまたその使用される用途によって千差万別となっております。又、各種産業用装置に組み込まれた産業用コンピュータにおいてトラブルにより使用できない時間(ダウンタイム)が発生した場合、顧客企業にとっての操業ロスに直結することになるため、稼働の安定性等が求められます。当社グループで開発・製造・販売している産業用コンピュータは、高い処理性能を持ちつつも、顧客企業の製品システムや装置に必要なI/Oインターフェース、苛酷な温度、静電気、電波、振動、ノイズ、ほこり等設置環境に係る耐環境性、連続稼動や長期使用に耐える頑健性・信頼性、異常動作からの早期復旧力やメンテナンス性、省スペース性等、さまざまに寄せられる顧客企業特有の多種多様な要件の実現に応えております。 産業用コンピュータメーカーの中には、自社製品の大量生産、市場投入を軸として、定期的なモデルチェンジ(仕様の変更)等を実施しているメーカーもありますが、当社グループでは顧客要望に応じて設計を行い、最適部品を選定・調達し、生産を行うだけでなく、同一システム(設備)を長期間使用する顧客に対しては、国内外のさまざまな電子部品メーカーとのサプライチェーンを築くことで、カスタム要素の強い同一仕様の産業用コンピュータの長期安定供給を実現し(製品構成部品のバージョンアップ対応を含む)保守サービスにもきめ細かく対応しております。このように、産業用コンピュータの仕様設計段階から試作機提案段階、量産前検証段階、量産製造段階、出荷後のサポート対応段階と各段階において一貫した体制を保持し、顧客企業の要望にきめ細かく対応できることが当社グループの強みとなっております。 CTO事業の顧客は、自社製品、設備増強の部品としての組込みコンピュータの長期継続供給を前提として採用するため、顧客の製品が販売される期間においては継続的な受注が見込めます。当社グループは部品の供給パートナーとの関係強化により、産業用コンピュータに特有な部品の長期安定調達力と品揃えを充実させるとともに、販売パートナーとの関係強化を図り、取り扱い製品と取引先の拡充を図っております。 産業用コンピュータの製造は国内工場(千葉県匝瑳市)で行っております。部品供給パートナーより仕入れた部品の入荷管理、在庫管理から産業用コンピュータの組立、検査、出荷及び品質管理、サポートまでを同工場にて実施しております。又、組立、検査、出荷等に関しては、作業手順書や指示、チェックシートをオンライン化し、作業のトレーサビリティ管理する為の独自開発の生産支援システム「ProMIS: Manufacturing Information System(プロミス)」を使用しており、当該システムの使用により、顧客メーカー毎の要望に沿った製造体制を構築するとともに、顧客メーカーの品質管理部門による工場監査への対応も実施しております。 CTO事業一貫体制図 用語解説 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。用語用語の定義HPCHigh Performance Computer 又は High Performance Computing の略で、一般にスーパーコンピュータ又はスパコンと呼ばれる超高速演算用コンピュータによる計算処理環境(計算処理技術)のこと。CTOConfigure-to-order の略で、顧客の注文する仕様に合わせた特殊なコンピュータ製品を開発・製造する受注仕様生産方式のこと。5G第五世代移動通信システムのこと。理論化学理論的モデルや数式を元に、既知の実験事実を説明したり、未知の物質の性質等を予言したりする演繹的なアプローチを行う化学の方法論のこと。コネクテッドカーインターネットへの常時接続機能を具備した自動車のこと。AIArtificial Intelligence の略称。学習・推論・認識・判断等の人間の知能的な振る舞いを行うコンピュータシステムのこと。ビルドソフトウェアプログラムの設計図(ソースコード)を、コンピュータが実行可能な形式に変換し、コンピュータ上で実行できるファイルを作成する作業のこと。チューニングコンピュータシステムやソフトウェアプログラム等の設定や構成を調整し、性能を最大限引き出す調整作業のこと。エンベデッド・コンピュータ組込みコンピュータのこと。R&DResearch and developmentの略で、企業等で科学研究や技術開発を行う業務のこと。システムインテグレーションSystem Integration。SIと略されます。ユーザの利用目的に合わせて、多種多様のハードウェア・ソフトウェア・メディア・通信ネットワーク等のなかから最適のものを選択し、組み合わせて、コンピュータシステムを構築するITサービスのこと。アーキテクチャコンピュータシステムの設計方法、設計思想、構築されたシステムの構造等のこと。I/OインターフェースInput-Output interfaceの略で、入出力インターフェースのこと。デジタルサイネージディスプレイやプロジェクタ等によって画像や文字を表示し情報を発信する情報媒体(メディア)のこと。トレーサビリティTraceability。一般に工業製品や食品等の製品や部品、素材等を個体ないしはロットごとに識別して、調達・加工・生産・流通・販売・廃棄等にまたがって履歴情報を参照できるようにすること、又はそれを実現する制度やシステムのこと。 (事業系統図)以上述べた内容を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 顧客の使用目的に応じた知見を必要とするHPCシステムインテグレーションを提供しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 科学技術計算用コンピュータは専門的な知見を求められ、技術革新の速度が速い。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:景気動向及び産業動向の変動による影響 / 技術革新への対応 / 特定の人物への依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
公開情報からは、特許やブランド力、規制ライセンスなど、明確な無形資産の存在を示す具体的な証拠は見当たらない。事業内容が主にITインフラ構築・運用支援であり、技術的な優位性は存在する可能性はあるが、それが特許等で保護された無形資産に繋がっているかは不明。
スイッチングコスト★★☆☆☆
顧客はITインフラの構築・運用を外部委託しており、一度構築・運用体制が確立されると、システム連携や運用ノウハウの蓄積により、他のベンダーへの切り替えには一定のコストやリスクが伴う可能性がある。しかし、切り替えが不可能になるほどの強固なロックイン効果は確認できない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
事業モデルは、顧客との個別契約に基づくサービス提供であり、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は期待できない。プラットフォーム型ビジネスではないため、このタイプのモートは該当しない。
コスト優位★☆☆☆☆
ITインフラ構築・運用支援は、一般的に人件費がコストの大部分を占める。同社が他社と比較して構造的に低いコスト構造を持つという明確な証拠はない。規模の経済によるコスト削減の可能性はあるが、現時点では限定的。
規模の経済★★★☆☆
ITインフラ構築・運用支援業界において、一定の事業規模を有しており、大規模プロジェクトの遂行能力や、複数の顧客へのサービス提供による効率化が期待できる。しかし、業界全体が多数のプレイヤーで構成されており、寡占化が進んでいるとは言えないため、限定的な効率規模。
- 専門的知見と顧客密着HPC事業では、科学技術計算、特に計算化学分野における深い専門知識と、長年にわたる大学、公的研究機関、企業のR&Dセンターとの強固な関係が強みです。顧客の複雑なニーズを理解し、最適なシステムインテグレーションやソフトウェア開発を行うことで、他社には真似できない高付加価値サービスを提供しています。
- 長期安定供給とカスタム対応CTO事業では、顧客の多様な要件に応じた産業用コンピュータを設計・製造し、長期にわたる安定供給と手厚い保守サービスを実現しています。一般的な量産品とは異なり、顧客の製品システムに合わせたカスタム対応や、部品の長期安定調達力が、顧客からの信頼と継続的な受注に繋がっています。
- 官民連携のハブ機能HPC事業において、大学の研究室と企業のR&Dセンターとの橋渡し役を担うことで、基礎研究の成果を応用研究に繋げるハブ機能を果たしています。これにより、同社は研究開発コミュニティ内での重要なポジションを確立し、新たなビジネス機会の創出にも貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 「S3 as a Service」戦略HPCシステムズは、「System as a Service」「Science as a Service」「Science as a Cloud」の3つのソリューションを組み合わせた独自の「S3 as a Service」戦略を展開しています。これにより、顧客のニーズに最適化されたシステム提供、計算科学ノウハウの提供、そしてアプリケーションに特化したクラウドサービスを通じて、研究者や開発者の課題解決を徹底的に支援し、事業拡大を目指します。
- 成長分野への対応強化AI、機械学習、5G、IoT、エッジコンピューティングといった最先端のICT分野を成長機会と捉え、これらの技術を常に捕捉し、研究・獲得することで新たなサービス開発に繋げていく方針です。特に、HPC事業とCTO事業の技術部門間の連携を強化し、両事業の垣根を越えた先端技術の共有と活用を進めることで、新たな商機に対応します。
- 人財の確保と育成継続的な成長の源泉として、優秀な人財の確保と育成を最重要課題と位置付けています。事業規模の拡大に対応するため、人員の増強、目標管理制度による評価の適正化、研修や資格取得支援を通じて、従業員の意欲と能力向上を図り、技術開発力やサービス企画力、販売力の強化を目指します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1) 経営方針当社グループの経営理念は、「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」であります。世界の人が安心、安全で平和に暮らすためには、共存共栄を基本にそれぞれの国の特徴を活かせる科学技術の発展と、そこに産業があり、やりがいを持てる仕事があることだと確信しております。当社グループは会社設立以来、「人の創造力とコンピューティングを融合させ未来をつくる企業になる」というビジョンを持ち、人類の難題に挑戦している研究者や開発者に寄り添い、知恵、努力、コミュニケーションとコンピューティングを通じてそれぞれが抱えている課題やニーズを共に考え、「研究者には研究する力、開発者には製品を開発する力を提供すること」をミッションとし、それが当社グループの果たすべき役割であると位置づけております。その当社グループの果たすべき役割を実行していくために、研究者や開発者に徹底的に寄り添い、研究者や開発者が本当に抱える課題を探り出し、その課題に対して、製品やサービスを組み合わせるだけのソリューション提供ではなく、当社グループの持つ付加価値を追加し、最適化したソリューションを提供してまいります。 (2) 経営戦略等当社グループは、HPC事業とCTO事業の二つの事業に取り組んでおり、これらの事業を拡大させることが、当社グループの更なる成長と発展のために必要であると認識しております。そのために顧客志向を徹底し、顧客が実現したいことや課題を解決するために、当社グループが用意した3つの強力なソリューション・ツールが互いに掛け合わされて3乗の効果で発揮する「S3 as a Service」(Sキューブソリューション as a Service)という独自のソリューションサービス戦略を展開してまいります。当社グループは、「S3 as a Service」を提供することで、研究者や開発者に徹底的に寄り添ってまいります。 S3 as a Service (Sキューブソリューション as a Service)① System as a ServiceHPC SIサービス、AI/ディープラーニング SIサービス、CTOサービス、アプライアンス顧客のニーズに沿って最適化されたシステム(ハードウェア及びソフトウェアプログラム)を提供する(HPC分野及び産業用コンピュータ分野)※アプライアンス:特定の機能や用途に特化した専用機器 ※SI:システムインテグレーション② Science as a Service 計算科学/計算化学ソリューション 計算科学分野では、主に自社開発の計算技術ノウハウを提供する(セミナー、計算支援、研究支援、技術支援、プログラム高速化サービス等)③ Science as a Cloudサイエンスクラウドサービス高スペックのコンピュータをベアメタル(OSなどソフトウェアプログラムがインストールされていないサーバ)で提供する一般的なクラウドサービスとは異なり、アプリケーションごとに最適化された計算環境とストレージ環境と世界でオンリーワンのソフトウェアプログラム群(デファクトスタンダードな計算科学又は計算化学用ソフトウェアプログラム及び当社のオリジナルソフトウェアプログラム)で構成された、顧客ユーザにとって使い勝手のよい計算環境のクラウドサービスを提供する (3) 目標とする経営指標 当社グループは、事業拡大、企業価値向上を目指し、売上高成長率、営業利益成長率を重要な経営指標と位置付けており、これらを中長期的に成長させていくことを基本的な考え方としております。 (4) 対処すべき課題 ① 成長分野への対応最新のICT(情報通信技術)分野では、AIや機械学習の本格導入が始まり、関連市場が成長期に移行しつつあると考えております。当社グループがHPC事業にて推進している計算科学分野でも、AI技術を活用した研究開発活動がさまざまな課題解決に向けて広がりを見せるとともに活発化しています。又、5Gサービスの開始により多くの産業分野や社会基盤に関わるところで本格的なIoTの実現と成長が見込まれており、エッジコンピューティングと親和性の高いCTO事業の拡大が見込まれています。 このように当社グループは、最先端のコンピューティング技術を活用したサービス展開を追求しています。そのために、AI、エッジコンピューティングといった最先端のコンピューティングにまつわる技術を関連技術とともに常に捕捉し、新しい技術を研究・獲得し、社内共有することで新たなサービスの開発へと結び付けていく必要があります。最近ではCTO事業の顧客企業の製造現場においても、AI、特にディープラーニングといった従来であればHPC事業に属するニーズも出てきております。つまり、AI、ディープラーニングやエッジコンピューティングといった最先端のコンピューティング技術においては、当社グループの両事業の垣根を越えた体制が必要となる可能性が考えられますので、当社グループでは、まず両事業の技術部門のコミュニケーションの強化を図る方針であります。既にCTO事業の産業用コンピュータの開発段階において、HPC事業のAI等に関する先端技術情報を共有し、産業用コンピュータの開発段階に組込むことでCTO事業の顧客企業の製造現場のニーズに応えております。このように先端技術情報の共有を図り、成長分野における新しい商機への対応を図ってまいります。 ② 優秀な人財の確保 継続的な成長の原資である人財は、当社グループにとって、最も重要な経営資源と認識しております。当社グループの技術開発力やサービス企画力及び販売力を維持し、継続的に発展、強化していくために、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長の機会を提供し、かつ事業規模を拡大させていくための人財を獲得する方針であります。 ③ 従業員の意欲、能力の向上当社グループは、従業員に対し目標管理制度を導入しております。目標の設定など査定方法を明確化し、従業員の評価の適正化を図るとともに、急速なIT技術の進歩にあわせて、この変革のスピードに対応できるような人財を育成していく体制を整えることも急務であると考えております。今後はそれらを見据え、従業員一人一人への適正な評価、研修の実施や各種資格取得の推奨・補助を行うことを通じて、能力の向上を図っていく方針であります。 ④ 内部管理体制、コーポレート・ガバナンスの充実 当社グループでは継続的な成長を実現していくために、事業規模に応じた内部管理体制の充実が不可欠であると認識しております。金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価へ対応すべく、業務の適正性や効率性、財務報告の信頼性の確保に努める必要があります。今後も事業規模の拡大に合わせ管理部門の一層の強化による内部管理体制の整備を図るとともに、会議体及び職務権限の見直しや各種委員会の設置等、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組む方針であります。 ⑤ 認知度の向上当社グループは、これまで自社WEBサイトの運営、学会、展示会への出展等を通じて顧客を獲得してまいりました。提供するサービスを顧客企業へ拡販し、当社グループの成長を実現するためには、当社グループ及び提供するサービスの認知度の向上も必要であると考えております。今後も、費用対効果を見極めながら従前のインターネット、展示会に加えてマスメディア等を活用し、さらなる認知度の向上に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1) 経営方針当社グループの経営理念は、「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」であります。世界の人が安心、安全で平和に暮らすためには、共存共栄を基本にそれぞれの国の特徴を活かせる科学技術の発展と、そこに産業があり、やりがいを持てる仕事があることだと確信しております。当社グループは会社設立以来、「人の創造力とコンピューティングを融合させ未来をつくる企業になる」というビジョンを持ち、人類の難題に挑戦している研究者や開発者に寄り添い、知恵、努力、コミュニケーションとコンピューティングを通じてそれぞれが抱えている課題やニーズを共に考え、「研究者には研究する力、開発者には製品を開発する力を提供すること」をミッションとし、それが当社グループの果たすべき役割であると位置づけております。その当社グループの果たすべき役割を実行していくために、研究者や開発者に徹底的に寄り添い、研究者や開発者が本当に抱える課題を探り出し、その課題に対して、製品やサービスを組み合わせるだけのソリューション提供ではなく、当社グループの持つ付加価値を追加し、最適化したソリューションを提供してまいります。 (2) 経営戦略等当社グループは、HPC事業とCTO事業の二つの事業に取り組んでおり、これらの事業を拡大させることが、当社グループの更なる成長と発展のために必要であると認識しております。そのために顧客志向を徹底し、顧客が実現したいことや課題を解決するために、当社グループが用意した3つの強力なソリューション・ツールが互いに掛け合わされて3乗の効果で発揮する「S3 as a Service」(Sキューブソリューション as a Service)という独自のソリューションサービス戦略を展開してまいります。当社グループは、「S3 as a Service」を提供することで、研究者や開発者に徹底的に寄り添ってまいります。 S3 as a Service (Sキューブソリューション as a Service)① System as a ServiceHPC SIサービス、AI/ディープラーニング SIサービス、CTOサービス、アプライアンス顧客のニーズに沿って最適化されたシステム(ハードウェア及びソフトウェアプログラム)を提供する(HPC分野及び産業用コンピュータ分野)※アプライアンス:特定の機能や用途に特化した専用機器 ※SI:システムインテグレーション② Science as a Service 計算科学/計算化学ソリューション 計算科学分野では、主に自社開発の計算技術ノウハウを提供する(セミナー、計算支援、研究支援、技術支援、プログラム高速化サービス等)③ Science as a Cloudサイエンスクラウドサービス高スペックのコンピュータをベアメタル(OSなどソフトウェアプログラムがインストールされていないサーバ)で提供する一般的なクラウドサービスとは異なり、アプリケーションごとに最適化された計算環境とストレージ環境と世界でオンリーワンのソフトウェアプログラム群(デファクトスタンダードな計算科学又は計算化学用ソフトウェアプログラム及び当社のオリジナルソフトウェアプログラム)で構成された、顧客ユーザにとって使い勝手のよい計算環境のクラウドサービスを提供する (3) 目標とする経営指標 当社グループは、事業拡大、企業価値向上を目指し、売上高成長率、営業利益成長率を重要な経営指標と位置付けており、これらを中長期的に成長させていくことを基本的な考え方としております。 (4) 対処すべき課題 ① 成長分野への対応最新のICT(情報通信技術)分野では、AIや機械学習の本格導入が始まり、関連市場が成長期に移行しつつあると考えております。当社グループがHPC事業にて推進している計算科学分野でも、AI技術を活用した研究開発活動がさまざまな課題解決に向けて広がりを見せるとともに活発化しています。又、5Gサービスの開始により多くの産業分野や社会基盤に関わるところで本格的なIoTの実現と成長が見込まれており、エッジコンピューティングと親和性の高いCTO事業の拡大が見込まれています。 このように当社グループは、最先端のコンピューティング技術を活用したサービス展開を追求しています。そのために、AI、エッジコンピューティングといった最先端のコンピューティングにまつわる技術を関連技術とともに常に捕捉し、新しい技術を研究・獲得し、社内共有することで新たなサービスの開発へと結び付けていく必要があります。最近ではCTO事業の顧客企業の製造現場においても、AI、特にディープラーニングといった従来であればHPC事業に属するニーズも出てきております。つまり、AI、ディープラーニングやエッジコンピューティングといった最先端のコンピューティング技術においては、当社グループの両事業の垣根を越えた体制が必要となる可能性が考えられますので、当社グループでは、まず両事業の技術部門のコミュニケーションの強化を図る方針であります。既にCTO事業の産業用コンピュータの開発段階において、HPC事業のAI等に関する先端技術情報を共有し、産業用コンピュータの開発段階に組込むことでCTO事業の顧客企業の製造現場のニーズに応えております。このように先端技術情報の共有を図り、成長分野における新しい商機への対応を図ってまいります。 ② 優秀な人財の確保 継続的な成長の原資である人財は、当社グループにとって、最も重要な経営資源と認識しております。当社グループの技術開発力やサービス企画力及び販売力を維持し、継続的に発展、強化していくために、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長の機会を提供し、かつ事業規模を拡大させていくための人財を獲得する方針であります。 ③ 従業員の意欲、能力の向上当社グループは、従業員に対し目標管理制度を導入しております。目標の設定など査定方法を明確化し、従業員の評価の適正化を図るとともに、急速なIT技術の進歩にあわせて、この変革のスピードに対応できるような人財を育成していく体制を整えることも急務であると考えております。今後はそれらを見据え、従業員一人一人への適正な評価、研修の実施や各種資格取得の推奨・補助を行うことを通じて、能力の向上を図っていく方針であります。 ④ 内部管理体制、コーポレート・ガバナンスの充実 当社グループでは継続的な成長を実現していくために、事業規模に応じた内部管理体制の充実が不可欠であると認識しております。金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価へ対応すべく、業務の適正性や効率性、財務報告の信頼性の確保に努める必要があります。今後も事業規模の拡大に合わせ管理部門の一層の強化による内部管理体制の整備を図るとともに、会議体及び職務権限の見直しや各種委員会の設置等、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組む方針であります。 ⑤ 認知度の向上当社グループは、これまで自社WEBサイトの運営、学会、展示会への出展等を通じて顧客を獲得してまいりました。提供するサービスを顧客企業へ拡販し、当社グループの成長を実現するためには、当社グループ及び提供するサービスの認知度の向上も必要であると考えております。今後も、費用対効果を見極めながら従前のインターネット、展示会に加えてマスメディア等を活用し、さらなる認知度の向上に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況 (資産)当連結会計年度末における流動資産は11,089,373千円となり、前連結会計年度末と比べ6,918,472千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が1,319,773千円、売掛金が306,011千円減少したものの、棚卸資産が8,153,192千円、前渡金が373,720千円増加したことによるものであります。固定資産は333,680千円となり、前連結会計年度末と比べ19,637千円減少いたしました。これは主に建物が15,854千円増加したものの、投資有価証券が40,165千円減少したことによるものであります。以上の結果、総資産は11,423,053千円となり、前連結会計年度末に比べ6,898,834千円増加いたしました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は8,880,805千円となり、前連結会計年度末と比べ7,242,059千円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が151,761千円減少したものの、短期借入金が7,490,000千円増加したことによるものであります。固定負債は127,834千円となり、前連結会計年度末と比べ153,416千円減少いたしました。これは主に長期借入金が175,000千円減少したことによるものであります。以上の結果、負債合計は9,008,639千円となり、前連結会計年度末に比べ7,088,643千円増加いたしました。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は2,414,414千円となり、前連結会計年度末と比べ189,809千円減少いたしました。これは主に利益剰余金が339,347千円増加したものの、自己株式の取得等により566,591千円増加したことによるものであります。 ② 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、円安による輸入物価の上昇や中東情勢の混乱に伴う原油価格の高騰などインフレ圧力は根強いものの、雇用・所得環境の改善等もあり景気の緩やかな回復の動きがみられました。しかしながら、不透明な米国通商政策の動向や中国経済の減速の他、地政学リスクの高まりによるサプライチェーンの混乱など、先行き不透明な状況が続いております。当社グループが属するコンピューティング業界においては、人工知能(AI)技術の進展によりデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速し、少子高齢化など様々な社会課題を解決すべく、コンピューティング技術のより一層の活用が求められております。科学技術計算など研究分野で活用されている他、さまざまな産業用途でも活用されており、今後も市場規模の拡大が見込まれております。このような環境において当社グループは、「スーパーコンピュータからエッジコンピュータ」まで網羅するコンピューティングソリューションを提供することで、顧客のバリューチェーンに応じた最適なサービスをワンストップで提供できる体制を構築しております。事業部ごとに研究開発DX、製造業・非製造業DXを戦略分野と定め、当社の強みである幅の広い顧客基盤に対して、事業部間で異なるコンピューティング分野のシナジーを発揮することで差別化を図り、競争優位性の向上に取り組んでおります。当社グループが重視している人財面については、人的資本に関する基本的な考え方として「人財グランドデザイン」を策定し、戦略的に技術系人財の充実に努め、多様な技術系人財を集結し、高度化する顧客の課題や要望に対する製品・サービスを提供する体制を構築しております。又、京都大学の谷村名誉教授を「シニアフェロー」として迎え、既存の事業領域の枠を超えた中長期的な技術開発を促進する組織「リサーチセンター」を新たに設立し、次世代の技術開発競争力を強固にすべく体制強化を進めております。グローバル戦略として海外向けソフトウエアライセンスビジネスの強化に取り組み、国内市場中心のビジネスモデルから海外事業の基盤強化を引き続き進めております。一方、円安進行による輸入コストの上昇やメモリ価格の歴史的な高騰などマイナスの外部要因はありますが、HPCサーバーの大口受注を獲得するなど、「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」という経営理念のもと、「中期経営計画 Vision2027」で掲げた目標を達成すべく取り組んでおります。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は7,906,406千円(前年同期比11.9%増)、営業利益713,224千円(前年同期比12.1%増)、経常利益685,335千円(前年同期比6.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益455,540千円(前年同期比7.5%増)となりました。 セグメントの業績は、次のとおりであります。 (HPC事業)大学等公的研究機関向けは低調だったものの、民間企業向けが好調に推移したことで、売上高は前年同期比で増加となりました。引き続き案件管理の徹底を進めたものの、大学向け大口案件の一部に低粗利での受注があり、利益率は低下しました。人員増により人件費が増加した他、営業経費も増加したことで販売管理費が増加したものの、増収によりセグメント利益は前年同期比で増加となりました。以上の結果、HPC事業の売上高は5,000,558千円(前年同期比9.5%増)、セグメント利益は467,246千円(前年同期比1.7%増)となりました。 (CTO事業)継続顧客、新規顧客向けで大口案件を受注したことで、売上高は前年同期比で増加となりました。大口案件の一部で低粗利があったものの、価格転嫁を進めるなど他の案件で一定の利益率を確保したことで、採算が改善しました。販売管理費は増加したものの増収と利益率の改善により、セグメント利益は前年同期比で増加となりました。以上の結果、CTO事業の売上高は2,905,848千円(前年同期比16.4%増)、セグメント利益は245,978千円(前年同期比39.3%増)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ1,233,091千円減少し、737,148千円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加による支出8,153,212千円、前渡金の増加による支出373,720千円等により7,775,052千円の支出となり、前連結会計年度に比べ9,112,034千円減少しました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出67,859千円があったものの、定期預金の減少による収入88,871千円等により20,988千円の収入となり、前連結会計年度に比べ76,194千円増加しました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金及び長期借入金の返済による支出1,044,432千円、自己株式の取得による支出532,056千円があったものの、短期借入れによる収入8,290,000千円等により6,512,950千円の収入となり、前連結会計年度に比べ7,551,273千円増加しました。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(台)前年同期比(%)CTO事業7,018△5.7合計7,018△5.7 (注) HPC事業については生産を行っておりませんので、該当事項はございません。 b.受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)HPC事業19,799,182369.3――CTO事業3,635,29633.2――合計23,434,479237.3―― (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.受注残高については、システムによる集計が困難のため、記載を省略しております。3.当連結会計年度における受注実績の著しい変動の要因については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)HPC事業5,000,5589.5CTO事業2,905,84816.4合計7,906,40611.9 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前事業年度当事業年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)萩原テクノソリューションズ株式会社――948,65612.0 (注)前連結会計年度の萩原テクノソリューションズ株式会社については、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者により会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 (棚卸資産(原材料)の評価)当社グループの連結貸借対照表において、「原材料及び貯蔵品」2,159,002千円計上しており、そのうち原材料は2,157,353千円で総資産の18.9%を占めております。これは製品の製造に必要な部品について、勘定科目上「原材料」として計上しております。(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(1)重要な資産の評価基準及び評価方法 ③棚卸資産に記載のとおり、原価法(連結貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。製品の受注見込みに基づいて一定数量の原材料を調達することを原則としておりますが、急激な原材料価格の高騰や供給不足等に備えて先行して調達することもあります。当該原材料については、技術革新により陳腐化する可能性や滞留により収益性が低下する可能性があります。これらの不確実性に対し連結貸借対照表価額を正味売却価額まで切り下げる方法に代えて、原材料の更新サイクルに係る仮定による社内ルールに基づき一定の保有期間を超える場合、規則的に帳簿価額を切り下げる方法により、収益性の低下の事実を適切に連結貸借対照表に反映しております。② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の経営成績等については、HPC事業で大学等公的研究機関向けは低調だったものの、民間企業向け売上が好調に推移しました。CTO事業は継続、新規顧客向けともに好調に推移したことで増収を確保しました。不透明な米国通商政策や円安進行による輸入コストの上昇、メモリ価格の歴史的な高騰など厳しい外部環境ではありましたが、事業基盤の強化と案件管理の徹底による収益性の改善により利益確保に努めました。HPC事業においては、大学等公的研究機関向けは低調だったものの、民間企業向け売上が好調に推移したことで増収となりました。大学向け大口案件の一部に低粗利での受注があり利益率は低下したものの、売上増加により増益を達成することができました。CTO事業においては、新規顧客向け、継続顧客向けともに売上が好調に推移し、部材価格の高騰はあったものの機動的に価格改定を行い増益を確保しました。連結財務諸表ベースでの売上高は7,906,406千円、販売費及び一般管理費が1,589,854千円となり、営業利益は713,224千円と過去最高益を達成することができました。経常利益は、円安進行により外貨建資産の評価益による為替差益(58,917千円)や預金金利上昇により受取利息(7,515千円)を計上したものの、大口当座貸越設定等に伴う支払手数料(80,192千円)や銀行借入に伴う支払利息(16,489千円)を計上したことで、営業外損益がマイナスとなり685,335千円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等の計上(189,568千円)により455,540千円となりました。 当社グループは売上高成長率と営業利益成長率を重要な経営指標としており、当連結会計年度の売上高成長率は、前連結会計年度に対し11.9%のプラス成長となりました。営業利益成長率につきましては、12.1%のプラス成長となり過去最高益となりました。部材価格の高騰など厳しい外部環境ではありましたが、HPC事業、CTO事業ともに増収増益を達成しバランスの良い成長となりました。なお、2026年4月にHPCサーバーの大口受注を獲得するなど、さらなる成長に向けて事業活動を進めております。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、内部留保の積み上げによる自己資金拡充の他、金融機関からの借入れによる資金調達を基本としております。成長に伴う運転資金の増加や株式配当及び自社株購入等の資本政策に対する資金需要に対しては、自己資金に加えて中長期の借入れにより資金調達を実施し、季節的な変動に伴う短期的な資金需要に対しては機動的に当座貸越を実行して資金調達を行うことを基本としております。又、大口受注など特別な資金需要の手当は個別に資金調達を実施しております。当連結会計年度末における借入金の残高は、7,771,250千円となっております。当連結会計年度は新規の長期借入を実行せず、当座貸越の実行により短期借入金残高は増加となりました。季節的な変動に伴う資金需要に機動的に対応する為、取引先金融機関5行と当座貸越契約を締結しております。当座貸越枠の合計は14,250,000千円で、内訳としては大口受注に伴う当座貸越枠として12,000,000千円、通常の当座貸越枠は2,250,000千円となっております。メモリ価格の高騰と調達期間の長期化を受け、戦略的に部材調達を進めており、在庫増加に伴う運転資金が急増する場合でも、迅速に資金確保ができる体制となっております。
事業リスク
- 景気・産業動向の影響HPC事業は大学や企業の研究開発投資に、CTO事業は設備投資にそれぞれ依存しています。景気悪化や金融・経済の混乱により、顧客の研究開発や設備投資計画が縮小した場合、両事業の売上が減少し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 技術革新への対応遅れコンピューティング関連市場は技術革新のスピードが非常に速いのが特徴です。AI、ディープラーニング、エッジコンピューティングなどの最新技術トレンドに迅速に対応できない場合、競争力が低下し、事業や業績に影響を与える可能性があります。
- 特定の仕入先への依存HPC事業の主要仕入先であるSuper Micro Computer,Inc.との取引関係が困難になった場合、代替先の確保に時間やコストがかかる可能性があります。これにより、製品供給の遅延や仕入コストの増加が生じ、事業や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。又、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。 (1) 景気動向及び産業動向の変動による影響企業を取り巻く環境の動きにより、企業の景気による影響を受ける可能性があります。当社グループのHPC事業は大学官公庁や企業等に科学技術計算用コンピュータを販売しておりますが、顧客の研究開発投資需要等に影響を受けます。又、CTO事業が販売する産業用コンピュータは顧客の設備投資需要等に影響を受けます。米国の関税政策に不透明感が増す中、金融・経済の混乱により事業環境が悪化し、顧客企業の業績へ悪影響を及ぼした場合、顧客の研究開発に関する投資計画や、設備投資に関する投資計画が縮小し、両事業の売上が減少するなど当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (2) 内部管理体制当社グループは、企業価値の持続的な増大を図るためにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令順守の徹底が必要と認識しております。当社グループでは内部管理体制の充実に努めておりますが、今後の事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (3) 技術革新への対応当社グループの事業領域であるコンピューティング関連市場は全世界で研究開発が進んでおり、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。当社グループはそうした技術革新に対応できる体制づくりに努めておりますが、今後において技術革新のスピードに適時に対応できない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (4) 特定の人物への依存代表取締役である小野鉄平は、当社グループの事業推進に極めて重要な役割を果たしております。当社グループでは小野鉄平に過度に依存しない事業体制の構築を目指し人財の育成及び強化に注力しておりますが、何らかの理由により小野鉄平が業務執行できない事態となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (5) 特定仕入先への依存当社グループのHPC事業の主要仕入先は、米国のSuper Micro Computer,Inc.であります。同社とは代理店契約を締結し、当該契約に基づき安定供給を受けているものの、同社の技術水準の相対的低下に伴う商品力低下等、取引関係が継続困難になった場合には、受注に対する仕入に関し、代替先を探すことになります。代替候補は存在するものの、必要な数量の確保、納期調整、仕入コストの増加等への対応にかかる時間コストが発生する可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (6) 部品の調達当社グループのビジネスにおいて、十分な品質の部品等をタイムリー且つ必要数量入手する事は不可欠であります。急激な部品価格の高騰(例えばメモリー等)や供給不足等が発生した場合、原価上昇リスクや部品確保が困難となり製品出荷の遅延リスクが生じることがあり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 製品の欠陥等、製造物責任当社グループは、製品の品質安定に細心の注意を払っておりますが、予測不能な製品及び使用している部品等の欠陥又は不具合により、納入先顧客から損害賠償を請求される可能性があります。一定額の損害保険に加入し、リスク回避策を講じておりますが、補償額を超える損害が発生した場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 業績の偏重当社グループの販売動向には次の理由により季節変動があります。科学技術計算用コンピュータの主要顧客は、大学公官庁又は大企業であり、受注が急増する年度末の1月~3月に売上高及び営業利益が集中する傾向にあります。従いまして、四半期連結会計期間毎の業績について、第3四半期連結会計期間の比重が高くなる傾向にあります。なお、2026年6月期の当社グループの売上高及び営業利益の四半期連結会計期間毎の推移は、以下のとおりとなります。 2026年6月期第1四半期2026年6月期第2四半期2026年6月期第3四半期2026年6月期第4四半期売上高(千円)1,777,8651,491,9493,105,8101,530,782営業利益(千円)156,153155,194379,76622,111 (注)上記の売上高及び営業利益は、太陽有限責任監査法人の期中レビューを受けております。 (9) 法的規制当社グループが事業活動を行うに際して、会社法・金融商品取引法・税法・外為法を含む貿易関連諸法、下請法等の各種法的規制の適用を受けております。当社グループの事業に関連する法的規制等が新設や改正された場合、当社グループの現在又は将来の事業活動が大きく制約される可能性や、コストの増加を招く可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 減損損失の可能性当社グループは、国内に工場や新製品のベンチマーク取得の為のサーバ設備など事業用資産の他、投資有価証券を保有しております。事業用資産については、事業環境の変化等の事由により、これら資産の経済価値が低下し減損処理を行った場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。又、投資有価証券については、市場価格のあるものは相場価格の変動により、市場価格のない非上場株式等は当該会社の純資産、将来の事業計画等を総合的に勘案することにより、減損処理を行った場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 自然災害、事故等当社グループでは、自然災害、事故等に備え、サーバデータの定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、大地震等の自然災害が発生した場合、当社グループ設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生して、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (12) 小規模組織であること当社グループは小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制となっております。当社グループでは、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の増強及び内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図っていく方針ではありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。 (13) 配当政策当社グループは、株主に対し成長に応じた利益還元を重要な経営課題として認識しております。中長期の経営視点から、獲得した資金は内部留保の充実化と将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当しつつ、財務の健全性、及び株価水準等を総合的に判断した上で自己株式の取得を機動的に実施することを基本方針としております。配当につきましては、成長投資を優先し、企業価値の最大化を目指す中で、経営全般を総合的に勘案した上で、DOE(株主資本配当率)5%~6%を目安として実施を判断しておりますので、配当が実施されない可能性があります。 (14) 訴訟等当社グループでは、これまでに訴訟は発生しておりません。しかしながら、将来において当社グループの取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。係る訴訟が発生した場合には、その内容や賠償金額によって、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。 (15) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化当社グループは取締役、監査役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社グループの株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権が希薄化する可能性があります。 (16) カントリーリスク/為替変動当社グループは製品の大部分を海外から購入しており、主な仕入先は台湾であります。そのため、当該地域に関係する市場リスク、信用リスク及び地政学的リスクや為替レートの大幅な変動等が当社の仕入れに影響を与え、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (17) 情報セキュリティ当社グループのコンピュータ及びネットワークシステムは、適切なセキュリティ対策を講じて外部からの不正アクセス等を回避するよう努めております。しかしながら、各サービスへの急激なアクセス増加に伴う負荷や自然災害等に起因するデータセンターへの電力供給の停止等、予測不可能な要因によってシステムが停止した場合や、コンピュータ・ウイルスやハッカーの侵入によりシステム障害が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。