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エブレン(6599)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 産業用コンピュータの中核部品
    エブレンは、家庭やオフィスで使われるパソコンとは異なり、社会インフラや産業インフラに組み込まれる「産業用コンピュータ」の基幹部品を設計・製造・販売しています。具体的には、複数の回路基板を接続し、信号伝送と電力供給を行う「バックプレーン」や、それらを収納する「システムラック」、そしてCPUなどの主要部品を搭載した「ボードコンピュータ」が主力製品です。これらは、通信・医療・交通・半導体製造装置など、幅広い分野で装置の頭脳として機能しています。
  • カスタム製品とユニット供給
    顧客である大手システムメーカーの多様なニーズに応えるため、標準製品だけでなく、顧客独自の仕様に合わせた「カスタム製品」の設計・製造が中心です。また、バックプレーン単体だけでなく、電源ユニットやファンなどを組み込み、配線まで施した完成品に近い「システムラック」や「コンピュータ・プラットフォーム」として供給することで、顧客の製品開発期間短縮やコスト削減に貢献しています。
  • 多品種少量生産と技術力
    産業用コンピュータは多種多様な用途に使われるため、多品種少量生産が求められます。エブレンは、自社で設計・開発した自動組立装置や検査装置を活用し、柔軟な生産体制を構築しています。長年にわたるバックプレーン開発で培った高い技術力と生産力により、顧客の厳しい品質要求に応え、社会インフラを支える重要な役割を担っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 産業用コンピュータ関連事業
    エブレンは、産業用電子機器や工業用コンピュータに使用されるバックプレーン、システムラック、コンピュータシャーシ、ボードコンピュータ、その他周辺機器の設計・製造・販売を主要事業としています。これらの製品は、社会インフラや産業インフラに組み込まれるコンピュータの「頭脳」として機能し、多岐にわたる分野で利用されています。
  • 単一セグメントでの事業展開
    エブレンの事業は、産業用・工業用コンピュータのボード、バックプレーン、バスラック、システムシャーシ等の設計・製造・販売であり、単一のセグメントとして集計されています。そのため、特定の事業分野に特化しており、応用分野別に売上高を集計することで、事業の広がりを把握しています。
  • 多様な応用分野
    主な適用機器は、通信・放送(基地局通信装置、光ネットワーク関連装置)、医療(CTスキャナー、MRI、超音波診断装置)、計測・制御(半導体製造装置、FA機器、ロボット)、交通関連(高度道路交通システム、列車搭載装置)、防衛・その他(軍用車両搭載装置、監視カメラシステム)など広範囲にわたります。近年ではIoT、AI、HPC、エッジコンピューティング分野の案件も増加しており、技術革新に対応した製品開発を進めています。
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FY2026|3,738 文字
3 【事業の内容】 高度にネットワーク化され情報化されつつある現代社会において、私たちは非常に多くのパソコンやパッド等のコンピュータを家庭や職場で日常的に目にしています。何をするにもパソコンを活用し、どこへ行ってもコンピュータが存在する現代はコンピュータ社会とも呼ばれますが、実は私たちが日常的に目にしているたくさんのパソコンは、コンピュータが活用されているフィールド全体から見れば限定的な一部であり、それを凌ぐ規模のコンピュータが私たちの見えない所で稼動しています。それは、人々の利便性や安全・快適で豊かな生活を実現するための社会インフラや、経済活動や生産活動に関わる産業インフラに組込まれている産業用コンピュータです。社会インフラの具体例としては、電気・ガス・水道等のライフラインを始め、交通・医療・通信・放送・セキュリティーから防衛に至る広範囲に及び、産業インフラとしては、情報・金融・物流・生産等に関わる各種システムや装置があります。これらシステムには例外なくコンピュータが組込まれていて、装置全体の活動を制御する頭脳的役割を担っています。当社グループは、これらのインフラシステムに使用される組込型コンピュータ(産業用コンピュータ)及びその周辺製品を事業の対象領域として捉え、当社グループが保有する技術力と生産力を全分野横断的に提供することを営業の基本として、これらに特化した製品の設計と製造を一筋に継続してきました。この間において、コンピュータの世界は半導体集積回路の技術革新と相まってコストパフォーマンスが向上し、その活用領域が飛躍的に拡大しました。また、当社グループ製品の顧客である大手システムメーカー(産業用電子機器メーカーや機械装置メーカー等。)の多くが、「選択と集中」を標榜した得意分野へのリソース重点配分政策を推進してきた結果、当社グループのような専門メーカーが果たす役割も重要視されるようになり、我々が活躍するチャンスも拡大の一途にあると考えております。当社グループが設計・製造する製品は、従来から通信・医療・交通・半導体製造装置・FA機器(注1)・計測装置・セキュリティー等のシステムに組込まれるコンピュータが中心ですが、これらの分野に加えて、最近ではIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、HPC(スーパーコンピュータ)、及びエッジコンピューティング(注2)分野のコンピュータハードウェアの開発案件も増加しております。コンピュータ産業を構成する技術領域は極めて広く、当社グループが提供できる専門領域はコンピュータの世界全体から見れば極めて限定的ではありますが、この領域については突出した技術サービスと、良質な製品づくりを通してコンピュータ産業の発展に寄与し、当社グループの顧客を始めとしたステークホルダーに対する使命と責任を果たしていきたいと考えております。 (注1) コンピュータ制御技術を用いて工場を自動化するための機器(注2) 膨大なデータを処理するクラウドサーバーの負荷を軽減するために、データの発生源に近いところで情報を 収集し、クラウドへ送る前に情報処理を実行する考え方 当社グループは、当社(エブレン株式会社)及び連結子会社1社(蘇州惠普聯電子有限公司)により構成されており、産業用電子機器や工業用コンピュータに使用されるバックプレーン、システムラックやコンピュータシャーシ(以下「ラック」(注3)と記載。)、及びボードコンピュータ(注4)を含むその他周辺機器等の設計・製造・販売を行っております。バックプレーンとは、CPUボード(注5)やI/Oボード(注6)等の各種回路基板(ボードコンピュータ)を相互に接続して信号伝送を行う回路及びこれら基板に電力を供給する回路を備え、これら基板の着脱をコネクタを介して自在に接続できるようにしたユニットのことを言います。バックプレーンはこれら回路基板間の全ての信号を統合し、コンピュータとしての基本機能を実現するためのハードウェアであり、人体に例えるなら、全身の神経を統合している脊髄のような役割を果たしています。 (注3) ボードコンピュータを挿入して使用する筐体(箱)(注4) CPUボードやI/Oボード等を総称した名称(注5) 計算やプログラムを実行するもので、コンピュータの頭脳に相当する部分(注6) コンピュータにつながれた入出力機器を制御する部分 (図)バックプレーン、ラック、ボードコンピュータの模式図 バックプレーンには各種の規格が制定されており、当社グループではそれらの規格に準拠した標準製品も販売しておりますが、顧客である電子機器メーカーや機械装置メーカーの製造する最終製品は多岐にわたり、その要求仕様も異なるため、顧客独自の仕様に合わせて設計したカスタム製品(標準品を部分的に変更し又は独自の仕様で設計して顧客の要求に合わせた製品。)の販売が中心となっております。また、バックプレーン単体ばかりでなく、顧客の要求に合わせて製造したラックに組込み、電源ユニットやファン等を取付け、配線等を施した上で、コンピュータ本体として完成した製品の販売も行っております。バックプレーン及びラックは電子機器本体(筐体)に固定的に組込まれるため交換することが容易ではなく、かつシステムダウンの許されない社会インフラを支える電子機器に応用されることが多いため、極めて高い品質レベルを要求されております。加えて産業用コンピュータの設計・製造は新製品開発と密接に関わるため、大手システムメーカーは自社内で生産するか、当社グループのような独立系メーカーに委託することとなります。また、多品種少量・変種生産を常とする産業用コンピュータの生産においては、これに柔軟に対応する生産体制が求められます。 当社グループでは各種のコネクタ、及び様々なサイズや厚さのプリント基板に対応できるようにした自動組立装置(プレスフィットマシン)並びに検査装置(電気検査機)を自社で設計、開発し生産に使用しております。ボードコンピュータは、用途によりバックプレーンに接続して複数のボードコンピュータと一緒に動作を行うもののほか、1枚のボードコンピュータのみで動作するものがあります。バックプレーンを使用するボードコンピュータは半導体製造装置や鉄道車両等、比較的大規模なシステムに使用される一方、1枚のボードコンピュータのみで動作するものは、IoTやエッジコンピューティングの分野等、比較的小規模な分野で使用します。CPUだけではコンピュータとして成り立たず、コンピュータとして動作させるためにはCPUのほかに記憶装置、入出力装置、通信装置等を回路基板に組込む必要があります。このようなケースにおいて、顧客はCPUの開発に専念し、ボードコンピュータとして動作させることは当社グループが行うケースが増えております。当社グループは、従来のバックプレーンを使用するボードコンピュータの製品開発で培った技術力、開発力を駆使し、IoTやエッジコンピューティング等、時代の流れに沿って様々なニーズに応じたサービスを提供しております。 産業用電子機器では、保守性、拡張性、汎用性等の利点から、回路基板を自由に抜き差しできるバックプレーン方式が一般的に採用されているため、その応用分野は産業用電子機器業界全般にわたっております。また、ボードコンピュータにおいても同様に業界全般で使用されております。当社グループでは、これら産業用・工業用コンピュータのボード、バックプレーン、バスラック(注7)、システムシャーシ等の設計・製造・販売を行っており、単一セグメントであるため、応用分野別に集計を行っております。主な適用機器を分野別に分類すると次のとおりであります。 (注7)バックプレーンが組込まれた筐体 応用分野主な適用機器通信・放送基地局通信装置、ブロードバンド関連装置(光ネットワーク関連装置)、放送映像装置、電力関連、プラント等電子応用医療機器(CTスキャナー、MRI、超音波診断装置、血液分析装置等)、HPC(スーパーコンピュータ)、サーバー等計測・制御半導体製造装置、半導体・IC測定器(ロジックICテスタ、メモリICテスタ、ボードテスタ)、FA機器、ロボット等交通関連高度道路交通システム関連装置(ITS)、列車搭載装置、車両・船舶・航空機搭載装置、航空管制装置等防衛・その他軍用車両・船舶・航空機等搭載装置、監視カメラシステム、組立機械・装置等 当社グループの事業系統として、当社は海外の仕入先から部材を仕入れるとともに、連結子会社である蘇州惠普聯電子有限公司との間で相互に部材を融通しております。このことにより、仕入の際のスケールメリットの享受や、安くて高品質な部材の調達を可能にしております。また、当社においては組立て等の製造工程の一部を外注先に依頼しております。さらに、蘇州惠普聯電子有限公司から日本国内の顧客に販売することがありますが、その際は当社経由での販売となります。 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
専門メーカーとしての役割が重要視され、活躍のチャンスが拡大しているため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
組込型コンピュータ及びその周辺製品に特化した設計・製造技術と生産力
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 低い
会社が挙げる主要リスク:市場動向の変動によるリスク / 部材の仕入及び価格変更等によるリスク / 在庫に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 0 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な評価は困難です。現時点では、無形資産による競争優位性は確認できません。

スイッチングコスト☆☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客が製品やサービスを乗り換える際のコストに関する情報が不足しています。スイッチング・コストによる優位性は現時点では不明です。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果に関する具体的な情報がなく、ユーザー数の増加がサービス価値向上に繋がる構造は見られません。現時点ではネットワーク効果による優位性は確認できません。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

財務データが未収録のため、生産コストや提供コストにおける構造的な優位性を評価できません。コスト優位性に関する根拠は現時点では見当たりません。

規模の経済☆☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

電気機器業界における同社の市場シェアや規模に関する情報が不足しており、効率的な規模による競争優位性を評価できません。現時点では規模の経済による優位性は確認できません。

  • 組込型コンピュータの専門性
    エブレンは、社会インフラや産業インフラに不可欠な組込型コンピュータ(産業用コンピュータ)の基幹部品に特化し、長年にわたり設計・製造を続けてきました。この専門性により、通信、医療、交通、半導体製造装置など多岐にわたる分野の顧客ニーズに対応できる高い技術力とノウハウを蓄積しており、大手システムメーカーの「選択と集中」戦略の中で、専門メーカーとしての重要性が増しています。
  • 高品質と短納期対応
    バックプレーンは、システムダウンが許されない社会インフラを支える電子機器に組み込まれるため、極めて高い品質が求められます。エブレンは、自社開発のプレスフィットマシンなどの生産設備と厳格な品質管理体制により、高品質な製品を短納期で提供できる体制を確立しています。これにより、顧客からの信頼を獲得し、安定した取引関係を維持しています。
  • カスタム設計とユニット供給能力
    顧客の最終製品は多岐にわたり、要求仕様も異なるため、エブレンは顧客独自の仕様に合わせたカスタム製品の設計・製造を得意としています。さらに、バックプレーンだけでなく、電源やファンなどを組み込んだ完成品に近いユニット(システムラックやコンピュータ・プラットフォーム)として供給することで、顧客の製品開発負担を軽減し、より深いパートナーシップを築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • ユニット供給の拡大
    エブレンはバックプレーンの開発・製造をコア事業としつつ、事業領域の拡大を目指しています。中期的な戦略目標として「ユニット供給を中心に受託範囲を拡げる」ことを掲げ、バックプレーン単体だけでなく、電源やファンなどを組み込んだシステムラックやコンピュータ・プラットフォームといった、より完成品に近いユニット製品の提供を強化します。これにより、顧客の製品開発期間短縮や技術者不足といったニーズに応え、顧客が本来の研究開発に集中できる環境を支援します。
  • コア事業の強化と差別化
    産業用コンピュータに使用されるバックプレーンの開発・製造をコア事業とし、さらにCPU周辺回路設計を中心としたボードコンピュータの開発・製造も強化します。新製品開発とバリエーション拡充(各種バックプレーン、ブリッジボード、組込み向けCPUボードなど)を進めるとともに、購買、生産管理、設計、製造、検査の各プロセスで効率向上とコスト削減に努めます。中国子会社の活用もコスト削減策の一つとし、品質、コスト、納期全ての面で顧客満足度を向上させ、専業メーカーとしての優位性を確立します。
  • 新技術分野への対応
    IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、HPC(スーパーコンピュータ)、エッジコンピューティング、5Gといった、コンピュータと通信技術の融合によって実現される新たな社会の潮流を事業拡大のチャンスと捉え、積極的に対応していきます。これらの分野で増加しているコンピュータハードウェアの開発案件に対応するため、従来の技術力を活かしつつ、時代のニーズに合わせた製品開発とサービス提供を強化する方針です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社経営の基本方針当社グループは、エレクトロニクス分野における頭脳、知力の集団となることを目標とし、最高のソリューションを提供することのできるブレインでありたいとの社名に込めた思いで、事業の拡大に取組んでまいりました。日本を代表する大手電子機器メーカー、機械メーカー等との取引を継続することができたのは、この経営目標を着実に実行してきた結果として当社グループの技術力が認められ、顧客の信頼を勝ち得てきたことによるものと認識しております。特にバックプレーンに関する新規格の発表を注視し、新規格に準拠したバックプレーンの商品化を早期に推進するとともに、自社製プレスフィットマシンを用いて高品質なバックプレーンを短納期で顧客に提供することにより評価を得ていると判断しております。当社グループは、設立以来バックプレーンをベースにおいたビジネス展開を行ってまいりましたが、ボードコンピュータの開発設計を行うシステムソリューション事業部の機能や、中国蘇州市にある子会社の製造・販売及び部材調達拠点としての機能を最大限に活用し、従来以上に顧客の幅広いニーズにお応えしていく所存であります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、売上高及び経常利益を重視する経営指標としております。これらを実現するために、営業体制の強化に加え、技術的研究開発、生産体制再整備等への投資を行うとともに、目標を有効・効率的かつ適正に達成するための内部統制の強化を図り、業務に励んでまいります。 (3) 経営環境当社グループが設計・製造する製品は、通信・医療・交通・半導体製造装置・FA機器・計測装置・セキュリティー等のシステムに組込まれるコンピュータのほか、IoTやAI分野の開発案件も増加してきております。半導体関連について、一般社団法人日本半導体製造装置協会(SEAJ)「2026年1月発表 半導体・FPD製造装置 需要予測 (2025年度~2027年度)」によると、2026年度の日本製半導体製造装置販売高は前年度比12.0%増、2027年度は2.0%増と予測しています。さらに、世界半導体市場統計(WSTS)「2025年秋季半導体市場予測について」(2025年12月2日発表)によると、世界の半導体市場動向は、データセンター投資の継続に加え、メモリ製品とロジック製品の高成長や、AI機能搭載端末の増加等、裾野の広がりが半導体需要拡大にも寄与すると見込まれる等、2026年は前年度比26.3%増とさらなる市場拡大を予測しています。 (4) 中長期的な会社の経営戦略(a) ユニット供給の拡大バックプレーンの開発、製造をコアとして事業を展開し、拡大していくという基本方針は今後とも不変でありますが、より一段の飛躍のためにはバックプレーンをコアにして、事業ドメインを拡大していくことが不可欠であると考えております。この観点から中期的な戦略目標として、「ユニット供給を中心に受託範囲を拡げることにより事業ドメインの拡大を目指す」ことを掲げております。バックプレーンは産業用コンピュータを構成する基幹部品の一つでありますが、前述のとおりその全てではありません。産業用コンピュータはバックプレーンに電源やファン等の周辺デバイス、ボードコンピュータ等を接続し、シャーシに納めて初めて作動可能な状態となります。当社グループの顧客である電子機器メーカーは、従来は設計・購買・生産・検査・出荷等の全てのプロセスを自社で完結していましたが、最近では人材等、限られた経営資源の有効活用と製品開発期間の短縮及びコスト低減を目指し、顧客側で必要とされる構成レベルの部材を、ユニット製品として調達することが一般的となってきました。当社グループが事業対象としている産業用コンピュータを構成レベル順に分類すると以下のとおりです。 ① バックプレーン(回路基板を相互接続して電子回路全体を統合するユニット。) ② サブラック又はシャーシ(コンピュータの構成部品を収納するためのユニット。使用される環境によって、 ラック型のものと箱型のものがある。) ③ バスラック(バックプレーンが組込まれたラック・ユニット。) ④ システムラック(バスラックに電源やファン等を組込んで結線されたユニット。) ⑤ コンピュータ・プラットフォーム(コンピュータ本体内部にCPU回路を備え、顧客の目的に応じて I/Oボードやメモリーボード(注1)を実装して使用できるハードウェア・プラットフォーム。バックプ レーンに代えてCPUを搭載したマザーボード(注2)又はキャリア・ボード(注3)を採用する製品もある。) 当社グループでは顧客のニーズに合わせて、バックプレーン単体を販売する場合もあれば、システムラック又はコンピュータ・プラットフォーム全体をご提供する場合もあります。当社グループはどのレベルであっても受託設計・受託生産が可能ですが、年々構成レベルの高い(完成品に近い。)製品に対する需要が増加する傾向にあります。この背景としては、顧客の製品開発期間短縮ニーズや技術者不足によるものと考えられますが、当社グループでは顧客が本来の研究開発活動にリソースを集中していただけるよう、受託設計・製造能力の向上に努め、顧客の多様なニーズに応えられる体制を拡充してまいります。 (注1) メモリ(記憶媒体)を増やすための基板 (注2) コンピュータの主機能を担う部品が装着された基板 (注3) CPU(中央演算処理装置)以外のコンピュータの主機能を担う部品が装着された基板 (b) コア事業の強化当社グループは産業用コンピュータに使用されるバックプレーンの開発・製造をコアとして事業を拡大してきました。近年では事業拡大の一つとしてCPUの周辺回路設計を中心としたボードコンピュータの開発・製造も行っております。このコア事業に関しては以下のような施策をもってより一層の強化を図り、他社との差別化を進め、専業メーカーとしての当社グループの優位性を確固たるものにしていく計画であります。また、施策を実現していくために中期的な視野に立った人材補強と設備投資を積極的に実施します。①新製品の開発とバリエーションの拡充各種バックプレーン、ブリッジボード(ボードコンピュータを挿入する数を増やすためのボード。)、標準シャーシ、FANアラームボード(ファンの停止を検知してアラーム信号を出すボード。)等、新製品の開発とバリエーションの拡充を引き続き実施してまいります。また、IoTでの利用に適した組込み向けCPUを使用したボードコンピュータの開発等、ボードコンピュータのバリエーション拡充にも努めてまいります。②コストダウン顧客のコスト低減要求に応え、コストダウンを図っていくことはメーカーに共通する課題であります。当社におきましても購買、生産管理、設計、製造、検査等の各プロセスにおいて効率向上、能力アップを図り、コスト削減に向けた努力を続けてまいります。また、中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司の活用もコスト削減に向けた方策の一つと位置付けております。さらに、品質の向上、納期の厳守・短縮化にも努め、クオリティ、コスト、デリバリー全ての面で顧客満足度の向上に努めてまいります。 (c) DX、5G、IoT等への対応各種機器がインターネットを介して通信を行うIoTが急速に拡大しつつあります。ビッグデータとAIの活用に伴う膨大なデータを収容するクラウドサーバーの負荷を軽減するために、データの発生源に近いところで情報を収集し、クラウドへ送る前に情報処理を実行する考え方(エッジコンピューティング)も注目されています。モバイル通信は第5世代移動通信システム(5G)への移行が始まり、自動車等の自動運転や医療分野への応用が期待されています。さらに、5Gの通信技術を特定の対象やエリアに応用するローカル5Gが我々の生活に新たなソリューションを提供します。コンピュータと通信の技術の融合によって実現される新たな社会に向けたこの趨勢は、当社グループにとって絶好のチャンスであり、今後とも積極的に対応していく方針です。 (d) 放熱技術コンピュータの高速化に伴い、CPUやメモリ等の半導体集積回路部品の発熱をどのように食い止めるかが重要な技術的課題となっています。当社グループはこれまでの産業用コンピュータやHPCの熱制御技術、冷却構造の設計経験を踏まえ、今後電子回路の放熱技術が重要な課題になると判断し、放熱技術をテーマとして研究に取組んでおります。 (e) コストダウンと中国子会社の活用2002年に設立した中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司は、発展する中国市場や中国進出した日系電気・電子機器メーカーの製品需要を取込むための拠点であり、現地生産によってコスト競争力のある製品供給を実現するための戦略的な位置付けにあります。また、技術力と価格競争力のある優良な現地部品メーカーを積極的に開拓して活用し、グループ全体としての価格競争力を高め、企業価値の最大化に向け注力していくことは重要な戦略の一つと考えております。そのため、同社との連携を強化しながら、積極的な活用を図っていく計画であります。また、同社においては、生産量の増加に合わせ現地での人員採用による生産体制の強化を図り、生産コストの低減を進めるとともに、中国及びアジア地域におけるビジネスを拡大したいと考えております。 (f) 既存顧客との関係強化と新規顧客の積極的開拓当社グループは、大手電子機器メーカーを中心とする顧客との間で、安定的な取引関係を継続、拡大しております。これらの顧客と、引き続き良好な関係を維持、強化していくことが重要な戦略であると認識しております。そのためには「エブレンに任せた方が良い。」、「エブレンを利用しなければ損である。」という評価を定着させるとともに、良好な信頼関係を実現していくことが必要であります。上述の「(a)ユニット供給の拡大」で多様化する顧客のニーズを捉え、「(b)コア事業の強化」はこの評価定着を実現し、応えていくための戦略でもあります。一方で当社グループ製品は、電子機器全般にわたる産業用コンピュータに使用されているためターゲットとなる顧客は多岐にわたっておりますが、数多くの潜在顧客が存在すると認識しております。新規顧客の開拓に関しては、展示会への出展や各種専門誌を通じた広告宣伝活動を積極的に展開し、上場企業としてのIR活動等も認知度アップの好機と位置付けております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(a) 事業ドメインの拡大前項で述べたとおり、当社グループの更なる発展のために事業ドメインの拡大を図ってまいります。そのためには、バックプレーンをコアに、ボードコンピュータや周辺デバイスを含めたシステム提案や組立・配線・システム調整等を含めた受託範囲の拡大、高付加価値化が不可欠と考えております。また、ボード開発・製造のノウハウ等を活用しつつ、従来以上に幅広いメーカーとのパートナーシップを強化し、受注領域の拡大を進めてまいります。さらに、当社グループの中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司の強みを活かし、中国からの高品質・低価格な部材や製品の仕入、及び中国での製品販売を強化し、中国ビジネスの一層の拡大を推進してまいります。 (b) 罹災時の事業継続への取組み推進当社は自然災害等で罹災した際に早期に業務を復旧させるためのマニュアルとして、事業継続計画(BCP:Business Continuity Planning)を制定して運用を開始しております。この取組みを更に強固なものにするため、当社の重要設備であるプレスフィットマシンを早期復旧させるための備えを充実させるとともに、サプライチェーンマネジメントの観点から仕入先や外注先への指導及び多角化を意識し、罹災時の対応方法の選択肢を増やす取組みを推進してまいります。また、従来から当社グループでは関東地区と大阪事業所、中国・蘇州と工場を分散化させることにより、災害等に対するリスク分散を行ってきました。当社グループが取り扱う製品群の重要性に鑑みて、今後の受注・生産・販売の状況次第では、さらに生産地域の分散も検討いたします。 (c) 企業の社会的責任(CSR)の推進当社グループは会社法等が求める内部統制体制の整備について、業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性及び関連法令の準拠性の確保のために積極的な取組みを行い、今後とも業務の適正性の確保に注力いたします。ステークホルダーに対しては、迅速で公正・公平な情報公開やIR活動の一層の充実により経営の透明性を高めてまいります。また、環境問題をはじめとするSDGsへの対応も企業間取引において重要な課題と認識しております。当社グループにおいてもこの対応の一環として環境マネジメントプログラムISO14001の認証を取得し、このプログラムの維持を通して環境問題やSDGsへの取組みを継続、強化し、環境保全に対応した製品づくりを推進してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社経営の基本方針当社グループは、エレクトロニクス分野における頭脳、知力の集団となることを目標とし、最高のソリューションを提供することのできるブレインでありたいとの社名に込めた思いで、事業の拡大に取組んでまいりました。日本を代表する大手電子機器メーカー、機械メーカー等との取引を継続することができたのは、この経営目標を着実に実行してきた結果として当社グループの技術力が認められ、顧客の信頼を勝ち得てきたことによるものと認識しております。特にバックプレーンに関する新規格の発表を注視し、新規格に準拠したバックプレーンの商品化を早期に推進するとともに、自社製プレスフィットマシンを用いて高品質なバックプレーンを短納期で顧客に提供することにより評価を得ていると判断しております。当社グループは、設立以来バックプレーンをベースにおいたビジネス展開を行ってまいりましたが、ボードコンピュータの開発設計を行うシステムソリューション事業部の機能や、中国蘇州市にある子会社の製造・販売及び部材調達拠点としての機能を最大限に活用し、従来以上に顧客の幅広いニーズにお応えしていく所存であります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、売上高及び経常利益を重視する経営指標としております。これらを実現するために、営業体制の強化に加え、技術的研究開発、生産体制再整備等への投資を行うとともに、目標を有効・効率的かつ適正に達成するための内部統制の強化を図り、業務に励んでまいります。 (3) 経営環境当社グループが設計・製造する製品は、通信・医療・交通・半導体製造装置・FA機器・計測装置・セキュリティー等のシステムに組込まれるコンピュータのほか、IoTやAI分野の開発案件も増加してきております。半導体関連について、一般社団法人日本半導体製造装置協会(SEAJ)「2026年1月発表 半導体・FPD製造装置 需要予測 (2025年度~2027年度)」によると、2026年度の日本製半導体製造装置販売高は前年度比12.0%増、2027年度は2.0%増と予測しています。さらに、世界半導体市場統計(WSTS)「2025年秋季半導体市場予測について」(2025年12月2日発表)によると、世界の半導体市場動向は、データセンター投資の継続に加え、メモリ製品とロジック製品の高成長や、AI機能搭載端末の増加等、裾野の広がりが半導体需要拡大にも寄与すると見込まれる等、2026年は前年度比26.3%増とさらなる市場拡大を予測しています。 (4) 中長期的な会社の経営戦略(a) ユニット供給の拡大バックプレーンの開発、製造をコアとして事業を展開し、拡大していくという基本方針は今後とも不変でありますが、より一段の飛躍のためにはバックプレーンをコアにして、事業ドメインを拡大していくことが不可欠であると考えております。この観点から中期的な戦略目標として、「ユニット供給を中心に受託範囲を拡げることにより事業ドメインの拡大を目指す」ことを掲げております。バックプレーンは産業用コンピュータを構成する基幹部品の一つでありますが、前述のとおりその全てではありません。産業用コンピュータはバックプレーンに電源やファン等の周辺デバイス、ボードコンピュータ等を接続し、シャーシに納めて初めて作動可能な状態となります。当社グループの顧客である電子機器メーカーは、従来は設計・購買・生産・検査・出荷等の全てのプロセスを自社で完結していましたが、最近では人材等、限られた経営資源の有効活用と製品開発期間の短縮及びコスト低減を目指し、顧客側で必要とされる構成レベルの部材を、ユニット製品として調達することが一般的となってきました。当社グループが事業対象としている産業用コンピュータを構成レベル順に分類すると以下のとおりです。 ① バックプレーン(回路基板を相互接続して電子回路全体を統合するユニット。) ② サブラック又はシャーシ(コンピュータの構成部品を収納するためのユニット。使用される環境によって、 ラック型のものと箱型のものがある。) ③ バスラック(バックプレーンが組込まれたラック・ユニット。) ④ システムラック(バスラックに電源やファン等を組込んで結線されたユニット。) ⑤ コンピュータ・プラットフォーム(コンピュータ本体内部にCPU回路を備え、顧客の目的に応じて I/Oボードやメモリーボード(注1)を実装して使用できるハードウェア・プラットフォーム。バックプ レーンに代えてCPUを搭載したマザーボード(注2)又はキャリア・ボード(注3)を採用する製品もある。) 当社グループでは顧客のニーズに合わせて、バックプレーン単体を販売する場合もあれば、システムラック又はコンピュータ・プラットフォーム全体をご提供する場合もあります。当社グループはどのレベルであっても受託設計・受託生産が可能ですが、年々構成レベルの高い(完成品に近い。)製品に対する需要が増加する傾向にあります。この背景としては、顧客の製品開発期間短縮ニーズや技術者不足によるものと考えられますが、当社グループでは顧客が本来の研究開発活動にリソースを集中していただけるよう、受託設計・製造能力の向上に努め、顧客の多様なニーズに応えられる体制を拡充してまいります。 (注1) メモリ(記憶媒体)を増やすための基板 (注2) コンピュータの主機能を担う部品が装着された基板 (注3) CPU(中央演算処理装置)以外のコンピュータの主機能を担う部品が装着された基板 (b) コア事業の強化当社グループは産業用コンピュータに使用されるバックプレーンの開発・製造をコアとして事業を拡大してきました。近年では事業拡大の一つとしてCPUの周辺回路設計を中心としたボードコンピュータの開発・製造も行っております。このコア事業に関しては以下のような施策をもってより一層の強化を図り、他社との差別化を進め、専業メーカーとしての当社グループの優位性を確固たるものにしていく計画であります。また、施策を実現していくために中期的な視野に立った人材補強と設備投資を積極的に実施します。①新製品の開発とバリエーションの拡充各種バックプレーン、ブリッジボード(ボードコンピュータを挿入する数を増やすためのボード。)、標準シャーシ、FANアラームボード(ファンの停止を検知してアラーム信号を出すボード。)等、新製品の開発とバリエーションの拡充を引き続き実施してまいります。また、IoTでの利用に適した組込み向けCPUを使用したボードコンピュータの開発等、ボードコンピュータのバリエーション拡充にも努めてまいります。②コストダウン顧客のコスト低減要求に応え、コストダウンを図っていくことはメーカーに共通する課題であります。当社におきましても購買、生産管理、設計、製造、検査等の各プロセスにおいて効率向上、能力アップを図り、コスト削減に向けた努力を続けてまいります。また、中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司の活用もコスト削減に向けた方策の一つと位置付けております。さらに、品質の向上、納期の厳守・短縮化にも努め、クオリティ、コスト、デリバリー全ての面で顧客満足度の向上に努めてまいります。 (c) DX、5G、IoT等への対応各種機器がインターネットを介して通信を行うIoTが急速に拡大しつつあります。ビッグデータとAIの活用に伴う膨大なデータを収容するクラウドサーバーの負荷を軽減するために、データの発生源に近いところで情報を収集し、クラウドへ送る前に情報処理を実行する考え方(エッジコンピューティング)も注目されています。モバイル通信は第5世代移動通信システム(5G)への移行が始まり、自動車等の自動運転や医療分野への応用が期待されています。さらに、5Gの通信技術を特定の対象やエリアに応用するローカル5Gが我々の生活に新たなソリューションを提供します。コンピュータと通信の技術の融合によって実現される新たな社会に向けたこの趨勢は、当社グループにとって絶好のチャンスであり、今後とも積極的に対応していく方針です。 (d) 放熱技術コンピュータの高速化に伴い、CPUやメモリ等の半導体集積回路部品の発熱をどのように食い止めるかが重要な技術的課題となっています。当社グループはこれまでの産業用コンピュータやHPCの熱制御技術、冷却構造の設計経験を踏まえ、今後電子回路の放熱技術が重要な課題になると判断し、放熱技術をテーマとして研究に取組んでおります。 (e) コストダウンと中国子会社の活用2002年に設立した中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司は、発展する中国市場や中国進出した日系電気・電子機器メーカーの製品需要を取込むための拠点であり、現地生産によってコスト競争力のある製品供給を実現するための戦略的な位置付けにあります。また、技術力と価格競争力のある優良な現地部品メーカーを積極的に開拓して活用し、グループ全体としての価格競争力を高め、企業価値の最大化に向け注力していくことは重要な戦略の一つと考えております。そのため、同社との連携を強化しながら、積極的な活用を図っていく計画であります。また、同社においては、生産量の増加に合わせ現地での人員採用による生産体制の強化を図り、生産コストの低減を進めるとともに、中国及びアジア地域におけるビジネスを拡大したいと考えております。 (f) 既存顧客との関係強化と新規顧客の積極的開拓当社グループは、大手電子機器メーカーを中心とする顧客との間で、安定的な取引関係を継続、拡大しております。これらの顧客と、引き続き良好な関係を維持、強化していくことが重要な戦略であると認識しております。そのためには「エブレンに任せた方が良い。」、「エブレンを利用しなければ損である。」という評価を定着させるとともに、良好な信頼関係を実現していくことが必要であります。上述の「(a)ユニット供給の拡大」で多様化する顧客のニーズを捉え、「(b)コア事業の強化」はこの評価定着を実現し、応えていくための戦略でもあります。一方で当社グループ製品は、電子機器全般にわたる産業用コンピュータに使用されているためターゲットとなる顧客は多岐にわたっておりますが、数多くの潜在顧客が存在すると認識しております。新規顧客の開拓に関しては、展示会への出展や各種専門誌を通じた広告宣伝活動を積極的に展開し、上場企業としてのIR活動等も認知度アップの好機と位置付けております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(a) 事業ドメインの拡大前項で述べたとおり、当社グループの更なる発展のために事業ドメインの拡大を図ってまいります。そのためには、バックプレーンをコアに、ボードコンピュータや周辺デバイスを含めたシステム提案や組立・配線・システム調整等を含めた受託範囲の拡大、高付加価値化が不可欠と考えております。また、ボード開発・製造のノウハウ等を活用しつつ、従来以上に幅広いメーカーとのパートナーシップを強化し、受注領域の拡大を進めてまいります。さらに、当社グループの中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司の強みを活かし、中国からの高品質・低価格な部材や製品の仕入、及び中国での製品販売を強化し、中国ビジネスの一層の拡大を推進してまいります。 (b) 罹災時の事業継続への取組み推進当社は自然災害等で罹災した際に早期に業務を復旧させるためのマニュアルとして、事業継続計画(BCP:Business Continuity Planning)を制定して運用を開始しております。この取組みを更に強固なものにするため、当社の重要設備であるプレスフィットマシンを早期復旧させるための備えを充実させるとともに、サプライチェーンマネジメントの観点から仕入先や外注先への指導及び多角化を意識し、罹災時の対応方法の選択肢を増やす取組みを推進してまいります。また、従来から当社グループでは関東地区と大阪事業所、中国・蘇州と工場を分散化させることにより、災害等に対するリスク分散を行ってきました。当社グループが取り扱う製品群の重要性に鑑みて、今後の受注・生産・販売の状況次第では、さらに生産地域の分散も検討いたします。 (c) 企業の社会的責任(CSR)の推進当社グループは会社法等が求める内部統制体制の整備について、業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性及び関連法令の準拠性の確保のために積極的な取組みを行い、今後とも業務の適正性の確保に注力いたします。ステークホルダーに対しては、迅速で公正・公平な情報公開やIR活動の一層の充実により経営の透明性を高めてまいります。また、環境問題をはじめとするSDGsへの対応も企業間取引において重要な課題と認識しております。当社グループにおいてもこの対応の一環として環境マネジメントプログラムISO14001の認証を取得し、このプログラムの維持を通して環境問題やSDGsへの取組みを継続、強化し、環境保全に対応した製品づくりを推進してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」。)の状況は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況a.財政状態(資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べ528百万円減少し、4,117百万円となりました。減少要因としては、現金及び預金484百万円、電子記録債権86百万円、仕掛品68百万円の減少であります。なお、現金及び預金は余剰資産の一部を安全性を考慮した期限前解約特約付預金(コーラブル預金)として長期性預金へ振り替えたことにより減少しました。増加要因としては、受取手形及び売掛金110百万円の増加であります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ993百万円増加し、2,251百万円となりました。増加要因としては、期限前解約特約付預金(コーラブル預金)の計上による長期性預金1,000百万円の増加であります。減少要因としては、建物及び構築物5百万円の減少であります。 (負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べ138百万円増加し、845百万円となりました。増加要因としては、支払手形及び買掛金58百万円、電子記録債務33百万円、未払法人税等23百万円の増加であります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ8百万円増加し、419百万円となりました。増加要因としては、役員退職慰労引当金10百万円の増加であります。 (純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べ318百万円増加し、5,104百万円となりました。増加要因としては、親会社株主に帰属する当期純利益364百万円であります。減少要因としては、配当金60百万円であります。 b.経営成績当連結会計年度における世界経済は、米国の関税率引き上げに伴う不透明感や中国経済の停滞継続、ウクライナ情勢及び中東地域における地政学リスクの長期化等、依然として先行きは不透明な状況が続いております。我が国経済は、賃上げによる所得環境の改善等を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米国の通商政策、円安インフレによる物価の上昇に加えて、中東やウクライナにおける紛争の長期化等の地政学的リスクの高まりにより、先行き不透明な状況が続いております。このような状況下、日本製半導体製造装置について、2026年3月24日にSEAJ(日本半導体製造装置協会)より、2月時点での販売高(3か月移動平均ベース)が、前年同月比2.7%増の4,231億300万円になったと発表されました。これはAIサーバ向け先端ロジック、HBM(広帯域メモリ)系の設備投資の伸長に加え、中国向けが増加に転じたことも影響しております。また、2026年1月15日にSEAJ(日本半導体製造装置協会)より発表された2025年度の予測は前年度比3.0%増加の4兆9,111億円であります。当社グループの売上高につきましては、前年同期と比較し、通信・放送分野と交通関連分野、防衛・その他分野で新規案件の成約により増加したものの、主力である計測・制御分野の設備投資延期と電子応用分野の顧客在庫調整の影響により、全体として減少しました。一方、利益面では値上がりした仕入れ部材の売価への価格転嫁が進んだことで、営業利益が増加しました。また、前年同期と比較して、保険解約返戻金が8百万円増加したこと等により、経常利益が増加しました。この結果、当連結会計年度における業績は、売上高3,993百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益530百万円(前年同期比14.2%増)、経常利益550百万円(前年同期比15.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益364百万円(前年同期比16.3%増)となりました。 当社グループは、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を専業として行っており、セグメントは単一でありますので、セグメントごとに経営成績の状況は開示しておりませんが、営業品目の応用分野別売上の概況は、次のとおりであります。 通信・放送[通信・放送・電力関連]通信関連と放送関連は既存案件の生産終了や設備投資の減少があるものの、電力関連はAIサーバーの需要増加に伴う電力供給網の強化により新規案件が増加し、当連結会計年度の売上高は前年同期比48百万円(21.1%)増の277百万円となり、売上構成比率は前年同期の5.7%から6.9%となりました。 電子応用[HPC(スーパーコンピュータ)・医療関連]医療関連は市場のトレンドとしては堅調に推移していますが、顧客の在庫調整が継続し、当連結会計年度の売上高は前年同期比50百万円(13.5%)減の323百万円となり、売上構成比率は前年同期の9.3%から8.1%となりました。 計測・制御[半導体製造装置・検査装置・FA関連]主力である半導体製造装置の設備投資延期の影響により、当連結会計年度の売上高は前年同期比169百万円(6.9%)減の2,289百万円となり、売上構成比率は前年同期の61.1%から57.3%となりました。 交通関連[鉄道・信号・ITS(高度道路交通システム、ETC等)関連]鉄道信号関連は新規案件の増加と海外向けが好調に推移し、当連結会計年度の売上高は前年同期比23百万円(3.1%)増の759百万円となり、売上構成比率は前年同期の18.3%から19.0%となりました。 防衛・その他[防衛用のレーダー、通信関連]防衛関連の新規案件の成約により、当連結会計年度の売上高は前年同期比116百万円(51.2%)増の343百万円となり、売上構成比率は前年同期の5.6%から8.6%となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ520百万円減少し、2,065百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は、570百万円(前連結会計年度は382百万円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益550百万円、仕入債務の増加90百万円、棚卸資産の減少69百万円であります。また、支出の主な内訳は、法人税等の支払額166百万円、売上債権の増加20百万円であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、1,036百万円(前連結会計年度は3百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、長期性預金の預入による支出1,000百万円であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、60百万円(前連結会計年度は57百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額60百万円であります。 ③生産、受注及び販売の実績当社グループは、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を専業として行っており、セグメントは単一であります。したがいまして、セグメントごとに生産規模等を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の実績については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」における営業品目の応用分野別に関連付けて示しております。 a.生産実績当連結会計年度における生産実績を応用分野別に示すと、次のとおりであります。応用分野の名称金額(千円)前年同期比(%)通信・放送236,18599.9電子応用309,49182.0計測・制御2,230,52192.2交通関連690,23490.9防衛・その他370,168152.6合計3,836,60095.1 (注) 防衛・その他の著しい変動は、新規案件の成約が増えたことによるものであります。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績を応用分野別に示すと、次のとおりであります。応用分野の名称金額(千円)前年同期比(%)通信・放送267,209151.3電子応用348,53690.7計測・制御2,643,289115.8交通関連734,023103.5防衛・その他479,603200.4合計4,472,660118.0 (注)1 通信・放送の著しい変動は、新規案件の量産が開始したことにより増えたものであります。2 防衛・その他の著しい変動は、新規案件の成約が増えたことによるものであります。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績を応用分野別に示すと、次のとおりであります。応用分野の名称金額(千円)前年同期比(%)通信・放送277,172121.1電子応用323,84786.5計測・制御2,289,81993.1交通関連759,154103.1防衛・その他343,642151.2合計3,993,63599.2 (注)1 防衛・その他の著しい変動は、新規案件の成約が増えたことによるものであります。2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 第52期連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)第53期連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社アバールデータ913,79122.7742,79018.6 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。また、当社グループは、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を専業として行っているものであり、セグメントは単一であります。したがいまして、セグメントごとに経営成績等の状況に関する分析・検討内容の開示はしておりません。 ①経営成績等の分析a.売上原価、販売費及び一般管理費売上原価は、前連結会計年度3,161百万円に対し、当連結会計年度は89百万円減少し、3,071百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度78.5%に対し、当連結会計年度は1.6%減少し、76.9%となりました。これは、材料費等の高騰による原価上昇分の売価への価格転嫁が進んだためであります。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度399百万円に対し、当連結会計年度は8百万円減少し、391百万円となりました。これは主に、新規事業向け製品の開発がなかったことに伴い研究開発費が17百万円減少した一方で、賃上げ水準の引上げ等の影響により人件費が4百万円増加、さらにエネルギー価格の高騰等を背景とした運送単価の上昇により、発送運賃3百万円増加したことによるものです。 b.営業外損益営業外収益は、前連結会計年度16百万円に対し、当連結会計年度は10百万円増加し、27百万円となりました。主な要因は、保険解約返戻金8百万円の増加であります。営業外費用は、前連結会計年度6百万円に対して、当連結会計年度は1百万円増加し、7百万円となりました。主な要因は、為替差損1百万円の増加であります。 c.特別損益特別利益は、当連結会計年度の計上はありません。特別損失は、前連結会計年度との主要な増減はありません。 d.法人税等税効果会計適用後の法人税等は、前連結会計年度162百万円に対し、当連結会計年度は24百万円増加し、186百万円となりました。これは主に法人税、住民税及び事業税の増加であります。 当社グループが目標とする経営指標である売上高、経常利益は次のとおりであります。 2026年3月期実績2026年3月期目標売上高3,993,635千円4,100,000千円経常利益550,827千円520,000千円 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。また、継続的な成長を図るため新製品の開発とバリエーションの拡充に努めており、これらに必要な資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は2,065百万円であり、流動性を確保しております。 ③経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 ④経営者の問題意識と今後の方針について経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

事業リスク

  • 市場動向の変動
    エブレンは産業用コンピュータを使用する多様な顧客を抱えていますが、近年は半導体製造装置関連への販売が多くを占めています。半導体市場は技術革新が激しく、需要の減少や産業全体の設備投資抑制といった市場動向の変化があった場合、受注減や在庫増加により、エブレンの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 部材の仕入と価格変動
    製品製造には電子部品をはじめとする様々な部材が必要です。業界全体での部材の需給バランスが崩れ、部材の入手が困難になったり、価格が高騰したりした場合、納期遅延や利益圧迫、ひいては受注減につながり、エブレンの財政状態や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 在庫に関するリスク
    多品種少量生産と短納期に対応するため、エブレンは原材料を多く保有しています。しかし、主要顧客である半導体業界の技術革新や設備投資動向、半導体の需給変化などにより需要予測が難しく、規格変更などが発生した場合には、大量の棚卸資産評価損が発生し、エブレンの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,013 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 市場動向の変動によるリスク当社グループには、産業用コンピュータを使用するあらゆる業種の顧客が存在しているため、過去には特定の業種が不況に陥ってもほかの業種で補うことができた場合もありました。しかしながら、近年は当社グループにおいて半導体製造装置関連への販売が多く、半導体等急激に状況が変化する可能性のある市場における需要の減少又は産業全体が設備投資を控えるような市場動向となった場合、受注減少・在庫増加等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 部材の仕入及び価格変更等によるリスク当社グループは、製品を作るために電子部品をはじめ様々な部材を使用します。そのため、仕入先業者とは良好な関係を築き安定した部材供給に努めております。しかしながら、業界全体での部材の需給関係が極端に偏ることによって部材の入手が困難になり、納期遅延や部材価格の値上げが慢性的に発生した場合、利益の圧迫、値上げや納期遅延による受注減少等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 在庫に関するリスク当社グループは、多品種少量生産及び短納期に対応するため原材料を多く保有していますが、主要顧客の属する半導体業界は技術革新が激しく、顧客の設備投資の動向、半導体の需給変化等の外部要因により大きく影響を受けるため、需要予測が難しくなっております。また、規格変更等、大量廃棄につながる要因が発生する可能性があります。そのため、当社グループは、棚卸資産の滞留状況を毎月の経営会議で監視するとともに、商品及び製品の出荷見込み、原材料の顧客買取可否・今後の使用見込みを定期的に調査し、原材料について適正在庫を保つように努めております。しかしながら、想定を上回る大量廃棄につながる要因が発生した場合には、過去に計上した棚卸資産評価損と比較して損失が多額に計上され、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは顧客の注文を受け生産を行うため、完成在庫に関するリスクは少ないと考えております。 (4) 外注先の確保に関するリスク当社グループでは、設計・製造過程において外注を利用しています。当社のコアとなる製造工程以外は外部の協力会社に委託することが多く、外注先とは良好な関係を保つとともに、品質確保のために適宜指導等を実施しております。また、新たな外注先の開拓も精力的に行っておりますが、依頼可能な外注先が減少した場合、納期遅延の発生等により顧客の信頼を失い、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 海外拠点に係るリスク当社グループでは、中国に生産拠点として子会社を設けております。中国子会社にて材料を調達し、現地で生産して中国国内で販売又は日本へ輸出する体制を構築しております。当社グループの売上高に占める中国子会社の比率は2.6%程度と低いものの、日本国内でのコストダウンの手段や顧客の現地法人との取引等、中国子会社の活用は重要な位置を占めております。したがって、中国政府の方針変更や労働賃金の高騰等、現在の体制を持続させることが困難な状況が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 為替リスク当社グループでは原材料の一部を輸入しており、当社グループの顧客はその製品の一部を輸出しております。為替が極端な円高に振れた場合は、当社グループが納入している顧客の製品輸出に影響するため注文が減るリスクがあります。また、為替が極端な円安に振れた場合は、中国を始めとした外国からの部品仕入価格が上昇し、利益を圧迫するリスクがあります。したがって、当社グループにとって極端な円高や円安は好ましくない状況となり、結果として当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) 人材の確保について当社グループの事業の継続及び拡大においては、更なる技術革新に対応しうる技術者や製品を販売するための営業部門、管理部門等に優秀な人材を確保する必要があります。当社グループでは、転職サービスや公共職業安定所(ハローワーク)等を活用して優秀な人材の採用等を進めるとともに、職場安全パトロールを定期的に実施して労働環境を適正に保ち、従業員の意識向上と組織の活性化を図り優秀な人材の定着を図る方針であります。しかしながら、計画どおりに人材の採用等が進まない場合又は現在在籍している有能な人材が流出するような場合、国内外で採用費や人件費等が高騰した場合等、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 特定人物への依存について現在、当社グループでは、代表取締役社長上村正人が経営戦略の決定を始め、企画開発や資本政策、営業活動等、グループの事業推進に重要な役割を果たしております。組織体制の整備や人材の育成を積極的に進めることにより、同氏に依存しない体制の構築を進めておりますが、同氏が当社の経営から外れ、かつ人材育成等が遅れた場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9) 品質不良による損害賠償リスク当社グループでは、コンピュータ・バックプレーンとバスラック、及びボードコンピュータの設計・製造を行っておりますが、品質不良による損害賠償が発生する可能性があります。当社グループは、業務執行の全社的協議機関である経営会議の下に品質・生産会議を設置して全社的な品質管理に努めており、納品先でも厳密なテストを実施しております。しかしながら、当社グループの責による品質不良から顧客に損害が発生し、当社の加入している生産物賠償責任保険では損害賠償額を十分にカバーできなかった場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10) 特定の顧客への販売依存に対するリスク当連結会計年度における当社グループの販売高において、株式会社アバールデータに対する割合は18.6%となっております。当社グループは同社と友好的な関係を築いており、取引関係が解消される可能性は低いと考えておりますが、同社の顧客である半導体関連最終顧客の状況により受注減少・在庫増加等となった場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11) 技術革新によるリスク産業用の電子機器にバックプレーン方式が多用されるのは、メンテナビリティー(保守性)が優れているという点が大きな理由と言われています。CPU・メモリ・通信・カメラ入出力・画像処理等の各回路を、機能単位ごとにボードコンピュータ化することにより、万が一故障や動作不良が発生した場合には、原因となったボードコンピュータを交換することができます。長期的には技術革新に伴い小型化・高密度化が進み、バックプレーン方式や各種機能をワンボード化したマザーボード方式に代わる、新たな電子機器構造が出現する可能性もあります。当社がそれらの技術革新に対応できない場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12) 情報流出のリスク当社グループでは、事業活動において取引先企業の機密情報や取引先関係者及び従業員の個人情報等を保有しております。当社グループにおいて、これらの情報を含めたセキュリティーの強化を行っておりますが、同情報が人的及び技術的な過失や、違法又は不正なアクセス等により漏洩した場合、機密情報を保護できなかったことの責任追及や、それに伴う規制措置の対象となる可能性があります。このような事象が発生した場合においては取引先及び市場からの信頼が毀損され、結果として当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13) 法的規制に係るリスク当社グループは、外国為替及び外国貿易法(以下、外為法という。)や製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法)を始めとする取引に関する法律を遵守し、環境等に関する法令に基づき適正なものづくりに努めております。また、当社グループが製造・販売するバックプレーン等自体において、外為法を始めとする法的規制による影響は少ないと考えておりますが、顧客が当社グループのバックプレーン等を搭載した機器を販売する際には、顧客の製品次第で各種の法的規制が関係する可能性もあります。当社グループは幅広い業種に対して製品を提供しているため、特定の分野における規制の強化等であれば影響は少ないと思われますが、多くの業種で規制の影響が強まる場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14) ハザードに関するリスク当社グループでは生産設備を一極集中させないことに加え、事業継続計画(BCP)を作成する等、緊急事態に備えた取組みを行っております。しかしながら、台風や集中豪雨等の予測困難な異常気象、地震等の自然災害、感染症等の疫病の流行、突発的な事故や火災及びテロ行為等、想定を超える事態による人的被害や建物・インフラへの被害、電力不足等が生じた場合、生産活動及び製品出荷の遅延等で当社グループの売上高が減少するのみならず、生産設備の修理等に係る費用の増加や多額の損失をもたらし、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

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