6616

トレックス・セミコンダクター(6616)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • アナログIC製品の開発・製造・販売
    トレックス・セミコンダクターは、携帯電話、AV機器、パソコン、家電、産業機器、医療機器、自動車など、あらゆる電子機器に不可欠な「電源用IC」の開発・製造・販売を主な事業としています。電源用ICは、電子部品に安定した電圧や電流を供給する「心臓」のような役割を果たし、電子機器の誤作動を防ぐ重要な部品です。
  • ファブレス経営と一部内製
    同社グループは、製品の企画、開発、販売、アフターサービスを自社で行い、製造工程の大部分を外部企業に委託する「ファブレス経営」を原則としています。しかし、子会社であるフェニテックセミコンダクターがウエハの前工程の一部を、TOREX VIETNAM SEMICONDUCTORが後工程の一部を担うことで、自社生産とファブレスのメリットを組み合わせ、利益率向上を目指しています。
  • 電源用ICに特化したプロ集団
    同社グループは「Powerfully Small!」を製品づくりの目標とし、電源用ICに特化したアナログ技術のプロ集団として活動しています。低消費電力化と小型化のための技術と提案能力を磨き、高度なIC設計技術と小型パッケージ技術を強みとして、電子機器の超小型・軽量化に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本セグメント
    日本国内では、半導体デバイスの開発、製造、販売、製造外注先の管理を行っています。当社と子会社のフェニテックセミコンダクターが販売と開発を担い、特にフェニテックセミコンダクターはウエハの前工程の一部を担当しています。売上高は165.77億円で、営業利益は-8.63億円と赤字ですが、開発と生産管理の重要な拠点です。
  • アジアセグメント
    中国、台湾、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、インドなど広範囲なアジア地域で製品の販売活動を展開しています。特にTOREX VIETNAM SEMICONDUCTORは後工程の一部と技術開発・改善を担っています。売上高は56.15億円、営業利益は0.70億円と黒字で、成長市場における販売拡大に貢献しています。
  • 欧州・北米セグメント
    欧州全域(中東欧含む)、イスラエル、トルコ、中近東諸国、アフリカ全域、そして北・中南米大陸全域で製品の販売活動を行っています。欧州の売上高は12.28億円、営業利益は0.80億円、北米の売上高は5.38億円、営業利益は0.01億円と、両地域ともに黒字を確保しており、グローバルな販売網を構築しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 166 -9 -5.2%
Asia 地域 56 1 1.2%
Europe 地域 12 1 6.5%
NorthAmerica 地域 5 0 0.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,273 文字
3【事業の内容】当社は、各種アナログIC製品の開発・製造・販売を行っております。当社グループは、当社、連結子会社9社(販売子会社6社、製造子会社2社、製造販売子会社1社)によって構成されております。当社グループは、「常に豊かな知性と感性を磨き、市場に適応した価値ある製品を創出し、豊かな社会の実現と地球環境の保全に貢献するとともに、私たちの事業に携わるすべての人々が共に繁栄することを企業の理念とする」という企業理念に基づき、事業活動を展開しています。私たちの生活に欠かせない携帯電話、AV機器、パソコン、家電などから産業用機器、医療機器、自動車などの各種機械装置まで、高度情報化社会の進展に伴って電子機器化が急速に進んでいます。当社の製品「電源用IC」は、あらゆる電子機器に搭載され、電子部品に電圧・電流を供給する「心臓」のような電子部品です。当社グループは、「Powerfully Small!」を製品づくりの目指すべき姿と定め、開発から営業まで電源用ICに特化したアナログ技術のプロ集団として、低消費電力・小型化のための技術と提案能力を磨いてきました。創業以来、高度なIC設計技術と小型パッケージ技術を強みとし、電子機器の超小型・軽量化に貢献してきました。また、当社グループは製造を外部の企業へ委託し、製品の企画、開発、販売及びアフターサービスを自社で行うファブレス経営を原則としておりますが、子会社フェニテックセミコンダクター株式会社においてウエハ上に素子・回路を形成する前工程の一部を、子会社 TOREX VIETNAM SEMICONDUCTOR CO.,LTDにおいて電源ICをパッケージ※1に組込む後工程の一部を行っております。当社グループの企業規模や強みを考慮して、グループ内の製造部門とグループ外の協力企業にリソースを効率的に配分・活用し、自社生産企業とファブレス企業の双方のメリットを併せ持つことによって、利益率を高めるように努めています。 (1)当社グループの製品内容①電源用ICについて電源用ICとは、各種電子部品に供給される電圧の制御に用いられるICのことであり、スマートフォン、パソコン、テレビ、ゲーム機、カーオーディオ、カーナビゲーションシステム、一般家電等のあらゆる電子製品や計測機器、スマートメーター等の産業機器などに用いられます。電池やバッテリーから送られる電圧は、蓄えられた電気エネルギーの減少や、気温や電波ノイズなどの環境の変化によっても微妙に変動します。これらに対して、何も制御をしなければ、電子機器が誤作動を起こす可能性が高くなるため、あらゆる電子部品に必要不可欠なICです。②デジタルICとアナログICの違いデジタルICは電気信号を1または0を単位として論理演算を実行するICであるのに対して、アナログICは電気信号の電圧値または電流値を用いて制御するICです。アナログ技術は技術者の能力への依存性が高く、容易にコピーすることが難しいため、付加価値の高い分野とされています。③当社グループの主力製品について当社グループの主力製品は、DC/DCコンバータ※2、レギュレータ(VR)※3、ディテクタ(VD)※4、ディスクリート※5であり、また、パッケージ技術においては、既存の生産ラインを活用して、超小型・薄型のチップサイズパッケージが製造可能なパッケージ「USP※6」を開発する等、新技術の開発に取り組んでおります。 ※1パッケージ:ICにおいては、素子・回路が焼き付けられたICチップが中に入り、必要な電極が樹脂パッケージより出た形状となります。パッケージすることにより電子基板上に容易に半田等でICを実装することが可能となり、かつ、耐湿性等の信頼性を確保し、ICから発生する熱を放熱する機能も有します。近年小型化、薄型化が進んでいます。 ※2DC/DCコンバータ:DC/DCコンバータは、コイルやトランスを用いて効率的に電圧または電流を希望値に変換して出力する電源。出力電圧を上げる昇圧型、下げる降圧型、双方に対応した昇降圧型、多チャンネル型があります。 ※3レギュレータ(VR:Voltage Regulator):ボルテージ・レギュレータの略。出力電圧を常に監視して、出力が一定電圧になるように制御する電源。レギュレータには正電圧レギュレータと負電圧レギュレータがあり、また電圧検出器機能等付加機能を備えたものもあります。 ※4ディテクタ(VD:Voltage Detector):ボルテージ・ディテクタの略。高精度な電圧検出器。リセットICともいいます。※5ディスクリート:ダイオードやトランジスタである単機能の半導体素子製品。 ※6USP(Ultra Small Package):ウルトラ・スモール・パッケージの略。当社が開発した安価で、超小型、薄型のパッケージ、またはそれを製造可能なパッケージ技術。 (2)当社グループの事業内容当社グループは、半導体デバイス事業(電気・通信機器等のICの開発・製造・販売)という、単一の事業を行っているため、セグメントは、日本・アジア・欧州・北米のエリア区分で記載するものとします。 ①日本当社グループは、日本国内において半導体デバイスの開発・製造・販売・製造外注先の管理を行っております。日本国内での販売活動については、当社とフェニテックセミコンダクター株式会社(連結子会社、以下「フェニテックセミコンダクター」)がその役割を担い、製造外注先の管理については、当社がその役割を担っております。日本国内での開発活動については、当社とフェニテックセミコンダクターで行っており、新製品、新技術の開発と、既存製品の改良、改善及び応用を行っております。新製品の開発の過程では、出願特許を綿密に調査し、抵触範囲を確認するとともに、顧客の動向、市場の動向、技術動向その他必要な事項を調査・分析の上、当社経営方針に沿った有益な着想のもと、個々の開発テーマ別に担当者を決め、基礎研究から回路設計、生産委託を行うための様々な条件設定、試作、評価までを行っております。また、フェニテックセミコンダクターは、ウエハ上に素子・回路を形成する前工程を行っております。 ②アジアアジアにおける各子会社の事業の内容は次のとおりであります。特瑞仕芯电子(上海)有限公司(TOREX SEMICONDUCTOR DEVICE(Shanghai)CO., LTD.)(連結子会社)及びTOREX (HONG KONG) LIMITED(連結子会社)が、担当地域である中国において当社グループの製品の販売活動を行っております。台湾特瑞仕半導體股份有限公司(TOREX SEMICONDUCTOR TAIWAN LTD.)(連結子会社)が、担当地域である台湾において当社グループの製品の販売活動を行っております。TOREX SEMICONDUCTOR (S) PTE LTD(連結子会社)が担当地域であるシンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア、カンボジア、ラオス、インド、スリランカ、オセアニア全域等において当社グループの製品の販売活動を行っております。TOREX VIETNAM SEMICONDUCTOR CO.,LTD(連結子会社)が、超小型パッケージを利用した後工程の一部及び後工程技術の開発・改善の機能を担っております。 ③欧州TOREX SEMICONDUCTOR EUROPE LIMITED(連結子会社)が、担当地域である欧州全域(中東欧を含む)、イスラエル、トルコ、中近東諸国、アフリカ全域において、当社グループの製品の販売活動を行っております。 ④北米TOREX USA Corp.(連結子会社)が、担当地域である北・中南米大陸全域において、当社グループの製品の販売活動を行っております。 当社の主要な事業系統図は、以下のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
業界の特性として販売価格の変動が大きく、価格競争が激化しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
アナログICは技術者の能力への依存性が高く、容易にコピーが難しいため。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:為替変動リスク / 販売価格の低下のリスク / 原材料・半製品価格及び販売価格の変動に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

トレックス・セミコンダクターは、特定のブランド力や特許、規制ライセンスによる独占的な競争優位性を示す具体的な情報は公開されていません。半導体業界は技術革新が速く、特許の陳腐化リスクも存在します。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

同社は電源IC(LDO、DC/DCコンバータ)に特化しており、車載機器や産業機器などの分野で採用されています。これらの分野では、部品変更に伴う設計変更や認証取得に時間とコストがかかるため、顧客は容易にサプライヤーを変更しにくいと考えられます。特に車載分野では、長期的な信頼性と品質が求められます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

電源ICは個々の製品としての価値が独立しており、ユーザーが増えることで製品価値が向上するネットワーク効果は期待できません。BtoBビジネスであり、プラットフォーム型ビジネスとは異なります。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

半導体製造においては、ファウンドリへの委託生産が一般的であり、同社が構造的に圧倒的なコスト優位を持つとは考えにくいです。ただし、長年の経験や設計ノウハウによる効率的な生産管理や歩留まり改善は一定のコスト競争力に寄与する可能性があります。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

電源IC市場は競争が激しいものの、同社は特定分野(特に小型・高効率)で一定のシェアを確保しています。業界全体としては多数のプレイヤーが存在しますが、高付加価値分野においては、ある程度の規模を持つプレイヤーが有利になる傾向があります。ただし、グローバルな大手半導体メーカーと比較すると規模の経済性は限定的です。

  • アナログ技術の専門性と希少性
    同社グループは、電気信号の電圧値や電流値を制御する「アナログIC」に特化しています。アナログ技術は技術者の能力への依存度が高く、容易に模倣されにくい特性があります。このため、高付加価値な製品を生み出すことができ、競合他社との差別化につながる強みとなっています。
  • 小型・低消費電力化技術
    同社グループは、創業以来培ってきた高度なIC設計技術と超小型パッケージ技術を強みとしています。特に、超小型・薄型のチップサイズパッケージ「USP」の開発など、電子機器の小型化・軽量化、そして低消費電力化に貢献する技術力は、顧客のニーズに応える重要な競争優位性です。
  • 生産体制の柔軟性と安定性
    ファブレス経営を基本としつつ、子会社での一部内製(前工程・後工程)を組み合わせることで、同社グループは生産リソースを効率的に配分し、利益率を高めています。また、複数の外部委託先と連携することで、需要変動への対応力と製品の安定供給能力を確保し、顧客からの信頼を得ています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 高付加価値市場への集中
    同社グループは、IoT、5Gの普及、自動車の電装化などにより拡大が見込まれる半導体デバイス市場において、「産業機器」「車載機器」「医療機器」の3市場を重点分野と定めています。これらの市場は、製品やサービスの性能・品質に対する要求が高く、高付加価値製品の開発・販売に注力することで収益性向上を目指します。
  • 技術力の強化と差別化
    同社グループは、これまでの強みである小型化・省電力化技術を活かし、技術ロードマップに基づいた「強み」の強化と拡張を図ります。低消費電力・小型、低損失な電源ICやパワーデバイスの継続的な開発、戦略的提携による新技術の取り込みを通じて、差別化された特徴ある製品を創造し、グローバル競争に打ち勝つ競争力を高めます。
  • 最適な生産体制の構築
    製品の長期・安定供給と競争力のある製品づくりを両立させるため、子会社(フェニテックセミコンダクター、TOREX VIETNAM SEMICONDUCTOR)と外部協力工場を最適に活用します。製品企画段階からのコスト分析、生産計画の効率化、原価低減活動、設備投資などを通じて、高品質な製品を安定的に供給できる体制を強化し、顧客への付加価値向上を図ります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、「常に豊かな知性と感性を磨き、市場に適応した価値ある製品を創出し、豊かな社会の実現と地球環境の保全に貢献するとともに、私たちの事業に携わるすべての人々が共に繁栄すること」を経営理念として掲げ、設立以来、アナログ半導体に特化し、製品の開発・製造・販売を精力的に行ってまいりました。上記の経営理念に則り、ステークホルダーである株主、顧客、取引先、従業員及び地域社会との関係を常に意識した、ぶれない経営を実践してまいります。当社はこれまで、高度なIC設計技術と小型パッケージ技術を強みとし、電子機器の超小型・軽量化に貢献してきました。そして、これからも「Powerfully Small!」を製品づくりの目指すべき姿と定め、開発から営業まで電源用ICに特化したアナログ技術のプロ集団として、低消費電力・小型化のための技術と提案能力を磨き、企画・開発・生産・販売・品質・新事業領域にわたってグローバル競争に打ち勝つための競争力及び成長力を強化し、ワールドワイドに存在感のある企業を目指して事業活動を行ってまいります。子会社であるフェニテックセミコンダクター株式会社は、国内で稀な半導体生産受託専業会社として、ディスクリート製品を中心にしながら、パワーデバイスの開発にも力を入れ、受託生産の幅を広げてまいります。 (2)目標とする経営指標当社グループは、上記の基本方針のもと、永続的な企業価値の向上を図るべく、収益力を確保しつつ戦略的な投資を実行することにより中長期的な競争力及び成長力の向上に取り組んでおります。経営指標としては、売上及び売上総利益、営業利益などの段階利益の最大化に取り組み、ROE二桁を当面の目標とし、更に高めていくための体制を構築してまいります。 (3)事業を行う市場の状況と現状の認識について当社グループの事業領域であるアナログ電源IC市場は、AI及びフィジカルAIの普及、デジタル化の進展に伴う電子機器の高機能化・高性能化、自動車の電動化及び先進運転支援システム(ADAS)の普及、並びに産業機器や通信インフラにおける省電力化ニーズの高まりを背景として、今後もグローバルに拡大していくものと見込まれております。その中で、当社が重点分野と考える産業機器・車載機器の市場においては、市場規模の拡大と同時に、要求される製品及びサービスの性能・品質は、ますます高度化していくことが予想されます。一方で、コンシューマー製品等の市場においては、中華圏等の新興勢力が台頭する中で、価格競争が激化しています。そのため、当社グループでは、これまで培ってきた小型化・省電力化の技術を活かし、重点分野に向けた高付加価値製品の開発・販売に注力しております。また、顧客仕様に基づくウエハの生産・販売の市場は、半導体・電子機器業界の専門化・分業化の流れが進展するにつれて、ますます重要性を高めています。同市場においては技術の進展に合わせて絶え間ない投資を要するとともに、同業他社との競争の中で品質・納期等に対する顧客の要求水準はますます高まる傾向にあります。フェニテックセミコンダクター株式会社は、長期・安定的に製品をお届けすることで、当社を含めた国内外の顧客から高い信頼を得ております。このような事業環境の中で、当社グループが実現していくべき最重要事項は以下のとおりであると認識しております。・ステークホルダーである株主、顧客、取引先、従業員及び地域社会との適切な関係の構築・経営理念に基づいた中長期的な収益性の向上と継続的な企業価値の向上・経営方針・企業戦略に基づいた適切なリスクテイクと健全な事業運営を実現する環境の整備 (4)優先的に対処すべき課題と当社グループの対応について① 環境認識と課題世界経済は、インフレ圧力や地政学リスク、中国経済の先行き懸念、中東情勢の緊迫化等を背景に、不確実性の高い状況が継続しております。当社グループの事業領域であるアナログ半導体・パワー半導体市場においては、在庫調整は概ね解消したとみられるものの、中国市場の低迷などの影響を受け、需要は緩やかな回復にとどまりました。中長期的には、フィジカルAIに代表される産業機器の自動化、データセンター等のITインフラの整備・拡大、自動車の電子化など、社会のデジタル化の潮流に変化はなく、市場は今後も拡大していくものと見込まれます。このような事業環境のもと、当社グループにおいては、市場の不確実性に対応しながら収益基盤の強化を図るとともに、中長期的な市場成長を確実に取り込むための競争力強化が重要な経営課題であると認識しております。これらの課題に対応するため、当社グループは以下の長期ビジョン及び中期経営計画を策定し、その実現に向けた施策を推進してまいります。 ② 長期ビジョン及び中期経営計画イ.長期ビジョントレックスグループは、企業理念に「地球環境の保全」を掲げ、省電力・小型・低損失な電源ICやパワーデバイスの開発及び生産を我々の「強み」として行ってまいりました。これからも、この「強み」を生かし、地球環境の保全と脱炭素社会の実現に取り組んでまいります。ロ.中期経営計画 当社は、2026年度を初年度とする新たな中期経営計画を策定いたしました。当該中期経営計画においては、その基本方針を「CMOS電源ICと半導体パワーデバイスで、持続的成長と共に省エネ社会を推進し、全てのステークホルダーが誇れる半導体企業へ」と掲げ、その実現に向けて各種取組みを進めてまいります具体的には、トレックスおよびフェニテックの両事業において、それぞれの強みとシナジーを活かしつつ着実な成果創出を図るため、トレックスは「製品開発」「営業・拡販」「生産」「人財」、フェニテックは「事業拡大」「DX推進」「サステナビリティ推進」を骨子として、以下の方針・施策を実施してまいります。ⅰ)トレックスa. 製品開発半導体市場における競争環境の変化や顧客ニーズの高度化を踏まえ、特定領域における強固なポジションの確立と技術の深化を図るとともに、開発体制の強化によりタイムリーな製品開発と市場投入を推進してまいります。b. 営業・拡販市場環境の不確実性が高まる中、顧客理解を深めたマーケティングを軸に提案力の強化を図るとともに、商談管理の高度化と社内連携の強化により受注機会の最大化に努めてまいります。c. 生産需給変動への柔軟な対応と収益性向上の両立を図るため、生産体制管理の強化による採算性の改善に加え、協力会社との連携強化や生産効率の向上を通じて、安定供給体制の強化に取り組んでまいります。d. 人財事業成長を支える基盤として、社内コミュニケーションの活性化により組織の付加価値創出力を高めるとともに、従業員が主体的にキャリア形成と自己実現を目指せる環境整備を進め、組織全体の活力向上を図ってまいります。ⅱ)フェニテックa. 事業拡大ファウンドリ事業の持続的成長に向け、市場の期待に沿った技術開発を推進するとともに、顧客ニーズへの迅速な対応と対応力向上及び競争優位性に基づく価値提供により、顧客満足度の向上を図ってまいります。b. DX推進MES・ERPの刷新やAI活用などにより情報の統合と業務の効率化を図り、生産性の飛躍的向上と共に、データに基づく意思決定を徹底し、課題に迅速に適応できる組織を目指してまいります。c. サステナビリティ推進温室効果ガスの削減や適切な廃棄物処理・リサイクルの推進など、事業活動を通じて環境負荷を継続的に低減し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、従業員一人ひとりが仕事に意義とやりがいを感じ、能力を最大限に発揮できるよう多面的な施策を実施し、組織全体の生産性と創造性を高めることで、企業としての持続的成長を目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、「常に豊かな知性と感性を磨き、市場に適応した価値ある製品を創出し、豊かな社会の実現と地球環境の保全に貢献するとともに、私たちの事業に携わるすべての人々が共に繁栄すること」を経営理念として掲げ、設立以来、アナログ半導体に特化し、製品の開発・製造・販売を精力的に行ってまいりました。上記の経営理念に則り、ステークホルダーである株主、顧客、取引先、従業員及び地域社会との関係を常に意識した、ぶれない経営を実践してまいります。当社はこれまで、高度なIC設計技術と小型パッケージ技術を強みとし、電子機器の超小型・軽量化に貢献してきました。そして、これからも「Powerfully Small!」を製品づくりの目指すべき姿と定め、開発から営業まで電源用ICに特化したアナログ技術のプロ集団として、低消費電力・小型化のための技術と提案能力を磨き、企画・開発・生産・販売・品質・新事業領域にわたってグローバル競争に打ち勝つための競争力及び成長力を強化し、ワールドワイドに存在感のある企業を目指して事業活動を行ってまいります。子会社であるフェニテックセミコンダクター株式会社は、国内で稀な半導体生産受託専業会社として、ディスクリート製品を中心にしながら、パワーデバイスの開発にも力を入れ、受託生産の幅を広げてまいります。 (2)目標とする経営指標当社グループは、上記の基本方針のもと、永続的な企業価値の向上を図るべく、収益力を確保しつつ戦略的な投資を実行することにより中長期的な競争力及び成長力の向上に取り組んでおります。経営指標としては、売上及び売上総利益、営業利益などの段階利益の最大化に取り組み、ROE二桁を当面の目標とし、更に高めていくための体制を構築してまいります。 (3)事業を行う市場の状況と現状の認識について当社グループの事業領域であるアナログ電源IC市場は、AI及びフィジカルAIの普及、デジタル化の進展に伴う電子機器の高機能化・高性能化、自動車の電動化及び先進運転支援システム(ADAS)の普及、並びに産業機器や通信インフラにおける省電力化ニーズの高まりを背景として、今後もグローバルに拡大していくものと見込まれております。その中で、当社が重点分野と考える産業機器・車載機器の市場においては、市場規模の拡大と同時に、要求される製品及びサービスの性能・品質は、ますます高度化していくことが予想されます。一方で、コンシューマー製品等の市場においては、中華圏等の新興勢力が台頭する中で、価格競争が激化しています。そのため、当社グループでは、これまで培ってきた小型化・省電力化の技術を活かし、重点分野に向けた高付加価値製品の開発・販売に注力しております。また、顧客仕様に基づくウエハの生産・販売の市場は、半導体・電子機器業界の専門化・分業化の流れが進展するにつれて、ますます重要性を高めています。同市場においては技術の進展に合わせて絶え間ない投資を要するとともに、同業他社との競争の中で品質・納期等に対する顧客の要求水準はますます高まる傾向にあります。フェニテックセミコンダクター株式会社は、長期・安定的に製品をお届けすることで、当社を含めた国内外の顧客から高い信頼を得ております。このような事業環境の中で、当社グループが実現していくべき最重要事項は以下のとおりであると認識しております。・ステークホルダーである株主、顧客、取引先、従業員及び地域社会との適切な関係の構築・経営理念に基づいた中長期的な収益性の向上と継続的な企業価値の向上・経営方針・企業戦略に基づいた適切なリスクテイクと健全な事業運営を実現する環境の整備 (4)優先的に対処すべき課題と当社グループの対応について① 環境認識と課題世界経済は、インフレ圧力や地政学リスク、中国経済の先行き懸念、中東情勢の緊迫化等を背景に、不確実性の高い状況が継続しております。当社グループの事業領域であるアナログ半導体・パワー半導体市場においては、在庫調整は概ね解消したとみられるものの、中国市場の低迷などの影響を受け、需要は緩やかな回復にとどまりました。中長期的には、フィジカルAIに代表される産業機器の自動化、データセンター等のITインフラの整備・拡大、自動車の電子化など、社会のデジタル化の潮流に変化はなく、市場は今後も拡大していくものと見込まれます。このような事業環境のもと、当社グループにおいては、市場の不確実性に対応しながら収益基盤の強化を図るとともに、中長期的な市場成長を確実に取り込むための競争力強化が重要な経営課題であると認識しております。これらの課題に対応するため、当社グループは以下の長期ビジョン及び中期経営計画を策定し、その実現に向けた施策を推進してまいります。 ② 長期ビジョン及び中期経営計画イ.長期ビジョントレックスグループは、企業理念に「地球環境の保全」を掲げ、省電力・小型・低損失な電源ICやパワーデバイスの開発及び生産を我々の「強み」として行ってまいりました。これからも、この「強み」を生かし、地球環境の保全と脱炭素社会の実現に取り組んでまいります。ロ.中期経営計画 当社は、2026年度を初年度とする新たな中期経営計画を策定いたしました。当該中期経営計画においては、その基本方針を「CMOS電源ICと半導体パワーデバイスで、持続的成長と共に省エネ社会を推進し、全てのステークホルダーが誇れる半導体企業へ」と掲げ、その実現に向けて各種取組みを進めてまいります具体的には、トレックスおよびフェニテックの両事業において、それぞれの強みとシナジーを活かしつつ着実な成果創出を図るため、トレックスは「製品開発」「営業・拡販」「生産」「人財」、フェニテックは「事業拡大」「DX推進」「サステナビリティ推進」を骨子として、以下の方針・施策を実施してまいります。ⅰ)トレックスa. 製品開発半導体市場における競争環境の変化や顧客ニーズの高度化を踏まえ、特定領域における強固なポジションの確立と技術の深化を図るとともに、開発体制の強化によりタイムリーな製品開発と市場投入を推進してまいります。b. 営業・拡販市場環境の不確実性が高まる中、顧客理解を深めたマーケティングを軸に提案力の強化を図るとともに、商談管理の高度化と社内連携の強化により受注機会の最大化に努めてまいります。c. 生産需給変動への柔軟な対応と収益性向上の両立を図るため、生産体制管理の強化による採算性の改善に加え、協力会社との連携強化や生産効率の向上を通じて、安定供給体制の強化に取り組んでまいります。d. 人財事業成長を支える基盤として、社内コミュニケーションの活性化により組織の付加価値創出力を高めるとともに、従業員が主体的にキャリア形成と自己実現を目指せる環境整備を進め、組織全体の活力向上を図ってまいります。ⅱ)フェニテックa. 事業拡大ファウンドリ事業の持続的成長に向け、市場の期待に沿った技術開発を推進するとともに、顧客ニーズへの迅速な対応と対応力向上及び競争優位性に基づく価値提供により、顧客満足度の向上を図ってまいります。b. DX推進MES・ERPの刷新やAI活用などにより情報の統合と業務の効率化を図り、生産性の飛躍的向上と共に、データに基づく意思決定を徹底し、課題に迅速に適応できる組織を目指してまいります。c. サステナビリティ推進温室効果ガスの削減や適切な廃棄物処理・リサイクルの推進など、事業活動を通じて環境負荷を継続的に低減し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、従業員一人ひとりが仕事に意義とやりがいを感じ、能力を最大限に発揮できるよう多面的な施策を実施し、組織全体の生産性と創造性を高めることで、企業としての持続的成長を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済および日本経済は、世界的なインフレ圧力の継続や各国の通商政策・金融政策の動向に加え、地政学リスクや中国経済の先行き懸念などを背景に、先行き不透明な状況が続きました。また、年度末に発生した中東情勢の緊迫化により、実体経済の先行きに対する不透明感は一層高まっております。当社グループが属するエレクトロニクス市場におきましては、在庫調整は概ね解消したとみられるものの、AI関連分野での需要拡大に伴うメモリ需給の逼迫により、PC・スマートフォン関連や民生機器などの一部市場において部材調達面での制約が発生したほか、中国市場の低迷の影響もあり、需要は緩やかな回復にとどまりました。また、半導体製造分野におきましては、金をはじめとする材料費の高騰が進行したことにより、製造コストの上昇が顕著となりつつあります。このような環境のなかで、当社グループは、経営理念にある「市場に適応した価値ある製品を創出し、豊かな社会の実現と地球環境の保全に貢献する」ため、電気機器の小型化・省電力化に「電源」の観点から取組み、収益力の強化と持続的な成長の実現に向けて、以下の諸施策を継続的に推進してまいりました。 ・製品企画・開発部門において、マーケットインの発想に立脚した、差別化のできる高付加価値な汎用製品、及びターゲット市場として注力する車載機器・産業機器に向け、特長ある製品を迅速に市場へ投入していくため、企画・開発活動を進めました。・顧客訪問に加えオンラインも活用しながら、各地域に密着した営業活動を継続、FAE(フィールド・アプリケーション・エンジニア)を活用することで、顧客の要望や製品企画への迅速かつ柔軟な対応と営業基盤の維持に努めました。・品質向上とコスト削減を両立させるべく、製品企画段階からのコスト分析の徹底、生産計画の効率化を進めるとともに、協力会社や製造子会社との協力体制を深め、同業他社に比して競争力のある製造コストと安定供給、納期対応の実現を進めました。・PANJIT INTERNATIONAL INC.社との間で、業務提携を目的として、当社子会社TOREX VIETNAM SEMICONDUCTOR CO.,LTDの持分の95%を譲渡する契約を締結し、譲渡に必要な各種手続きを進めております。・グループ収益の最大化につなげるため、フェニテックセミコンダクター株式会社とのシナジー効果を高め、パワー半導体ビジネスへの取り組みなど、共同プロジェクトを推進しました。・フェニテックセミコンダクター株式会社においては、製品の長期・安定供給体制と競争力のある製品づくり及び生産性向上のための各種活動を推進しました。・トレックス・セミコンダクター、フェニテックセミコンダクターの両社において、業務改善による経費抑制の取組みを進めました。 以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態(資産の部)当連結会計年度末における資産は358億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億93百万円増加いたしました。増加の主な要因は、受取手形及び売掛金が9億47百万円増加したこと、当社連結子会社であるフェニテックセミコンダクター株式会社の基幹システム更新などにより無形固定資産の「その他」に含まれるソフトウエア仮勘定が6億57百万円増加したこと、また当社グループが保有する投資有価証券の時価が上昇したことにより投資有価証券が7億46百万円増加したことなどによるものです。 (負債の部)当連結会計年度末における負債は170億39百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億32百万円増加いたしました。増加の主な要因は、支払手形及び買掛金が4億74百万円増加したこと、保有している投資有価証券や退職給付に係る年金資産の時価上昇などにより繰延税金負債が1億68百万円増加したことなどによるものです。 (純資産の部)当連結会計年度末における純資産は187億61百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億61百万円増加いたしました。増加の主な要因は、配当金の支払いが6億3百万円あったものの、親会社株主に帰属する当期純利益11億59百万円あったことやその他有価証券評価差額金が5億10百万円増加したことなどによるものです。この結果、自己資本比率は52.4%となり、1株当たり純資産額は1,771円28銭となりました。 b.経営成績(売上高)当連結会計年度における売上高は250億73百万円(前年同期比4.7%増)となりました。下期において海外を中心に受注が増加したこと等が増加の主な要因となりました。当社グループのセグメントごとの内訳は、日本が173億73百万円(前年同期比4.8%増)、アジアが56億77百万円(前年同期比1.1%増)、欧州が13億66百万円(前年同期比11.3%増)、北米が6億56百万円(前年同期比21.9%増)となりました。 (営業利益)営業利益は10億85百万円(前年同期は営業損失6億32百万円)となりました。損失からの回復の主な要因は、売上高の増加に加え、業務効率化の取組みによる製造原価および販管費の抑制などによるものです。当社グループのセグメントごとの内訳は、日本がセグメント利益8億36百万円(前年同期はセグメント損失8億62百万円)、アジアがセグメント利益1億3百万円(前年同期比48.3%増)、欧州がセグメント利益1億11百万円(前年同期比39.0%増)、北米がセグメント利益43百万円(前年同期はセグメント利益1百万円)となりました。 (経常利益)経常利益は12億68百万円(前年同期は経常損失8億20百万円)となりました。損失からの回復の主な要因は、営業利益の増加に加え、円安による為替差益が発生したことなどによるものです。 (親会社株主に帰属する当期純利益)親会社株主に帰属する当期純利益は11億59百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失23億58百万円)となりました。損失からの回復の主な要因は、受注の増加や業務効率化の取組みなどにより経常利益が回復したことや減損損失の計上がなかったことなどによるものです。 なお、製品別の売上高及びセグメントの業績は以下のとおりであります。(製品別の売上高) (単位:百万円) 区 分当連結会計年度前年同期比増減額前年同期比増減率VD1,81123114.7%VR4,7143708.5%DCDC3,466△304△8.1%ディスクリート14,3158676.5%その他764△50△6.2% 合 計25,0731,1154.7%(注)1.製品の内容は次のとおりであります。VD………………ディテクタ(Voltage Detector)VR………………レギュレータ(Voltage Regulator)DCDC…………DC/DCコンバータディスクリート…トランジスタ、ダイオード、IGBT等その他……………マルチチップモジュール、各種センサー製品等 (セグメント業績)日本当連結会計年度における売上高は、主に産業機器向けの販売が増加したことにより、売上高は173億73百万円(前年同期比4.8%増)、セグメント利益は8億36百万円(前年同期はセグメント損失8億62百万円)となりました。 アジア当連結会計年度における売上高は、主に産業機器向けの販売が増加したことにより、売上高は56億77百万円(前年同期比1.1%増)、セグメント利益は1億3百万円(前年同期比48.3%増)となりました。 欧州当連結会計年度における売上高は、主に医療機器向けの販売が増加したことにより、売上高は13億66百万円(前年同期比11.3%増)、セグメント利益は1億11百万円(前年同期比39.0%増)となりました。 北米当連結会計年度における売上高は、主に産業機器向けの販売が増加したことにより、売上高は6億56百万円(前年同期比21.9%増)、セグメント利益は43百万円(前年同期はセグメント利益1百万円)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し営業活動によるキャッシュ・フローは2億32百万円収入が減少し、投資活動によるキャッシュ・フローは13億96百万円支出が減少し、財務活動によるキャッシュ・フローは13億95百万円収入が減少した結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は93億80百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が12億74百万円あったこと、減価償却費が19億71百万円あったこと、売上債権が8億33百万円増加したことや仕入債務が3億38百万円増加したことなどにより31億27百万円の収入(前年同期比2億32百万円の収入減)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が14億32百万円あったこと、無形固定資産の取得による支出が7億65百万円あったこと等により23億59百万円の支出(前年同期比13億96百万円の支出減)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、運転資金を主な使用目的として追加借入を行った結果、長期借入れによる収入が30億円あったものの、長期借入金の一部返済により長期借入金の返済による支出が29億55百万円あったこと、配当金の支払額が6億4百万円あったこと等により、9億53百万円の支出(前年同期は4億42百万円の収入)となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%) 日 本 (千円)18,252,00497.5 合 計 (千円)18,252,00497.5(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 b.受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)日本19,578,838120.46,546,007150.8アジア6,174,092120.31,653,498142.9欧州1,401,617158.1545,674106.9北米651,832122.2102,94096.0合 計27,806,381121.98,848,121144.7(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%) 日 本 (千円)17,373,007104.8 ア ジ ア (千円)5,677,896101.1 欧 州 (千円)1,366,180111.3 北 米 (千円)656,136121.9 合 計 (千円)25,073,221104.7(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)IXYS Corporation3,418,54314.33,432,53413.7 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)財政状態当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 2)経営成績当連結会計年度の経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容1)概観当社グループの経営に影響を与える要因としては、半導体市場の成長率、各国半導体企業の動向、製品品種及び顧客の構成比、原材料費の市況、為替水準等があります。当連結会計年度の世界半導体市場は、コロナ特需の反動減や中国市場の低迷などの影響による在庫調整が概ね解消したとみられるものの、中国市場の低迷の影響もあり、需要は緩やかな回復にとどまりました。当社グループの主力製品であるアナログIC及びディスクリートの市場は従来、安定的に成長する傾向が見られますが、2025年においては上記のような環境を背景に、アナログICは+8.7%、ディスクリートは△1.0%となりました。当連結会計年度における当社グループはこうした状況を背景に、当社グループの売上高も前年同期比+4.7%と増加いたしました。アクションとしましては、用途別にみた市場の成長性や収益性の観点から、産業機器・車載機器を重点分野と位置づけ、製品開発及び顧客開拓を長期的・戦略的に進めてまいりました。電気自動車への移行、加速する先端技術の進化に伴う自動運転技術、産業界におけるIoTソリューションの拡大、今後におけるフィジカルAIの台頭などの変化は、重点分野の一層の成長を支えるトレンドであり、そこには、当社が得意とする小型・低消費電力・低ノイズ等の技術を有効に活用できるものと考えております。ここにFAE(Field Application Engineer)を使った技術営業で当社の技術を強く発信していくことで、今後も当社グループの安定的な売上増加と利益率の維持向上に寄与するものと考えています。 当社グループは、日本、アジア、欧州、北米の4つを事業セグメントとしております。日本は、当社及びフェニテックセミコンダクター株式会社から構成されており、アジアは、特瑞仕芯电子(上海)有限公司、TOREX (HONG KONG) LIMITED、台湾特瑞仕半導體股份有限公司、TOREX SEMICONDUCTOR(S) PTE LTD、TOREX VIETNAM SEMICONDUCTOR CO.,LTDから構成されており、欧州は、TOREX SEMICONDUCTOR EUROPE LIMITED、北米は、TOREX USA Corp.にて構成されております。 2)日本事業日本事業は最も重要な事業セグメントで、当連結会計年度において、当社グループの売上高合計の69%を占めています。当連結会計年度における日本経済は、為替相場の変動や物価上昇に加え、中国経済の減速や地政学リスクの高まりなどを背景に、先行き不透明な状況が続いております。日本事業のうち、当社トレックス・セミコンダクター株式会社が生産・販売するアナログ電源IC市場は、需要回復が緩やかな状況にあるものの、産業機器を中心に高付加価値製品へのニーズは引き続き高まっております。当社は、これまで培ってきた省電力・小型化技術を強みとして、産業機器、車載機器向けを中心とした高付加価値製品の開発強化と製品ラインナップの拡充を進めるとともに、顧客ニーズに即した提案活動を推進し、事業の成長を図ってまいります。ディスクリート半導体の生産・販売を行うフェニテックセミコンダクター株式会社においては、産業機器向けを除く全てのターゲット市場で売上が前年を上回りました。また、地域別では全ての地域で売上が増加いたしました。成長要因の一つとして、中国に生産拠点を有する企業による「チャイナプラスワン」戦略の進展が挙げられます。生産委託先の分散化ニーズの高まりを背景に、同社へのファウンドリ受託案件が増加しております。また、両社は開発・生産・販売に関わる協業を着実に推進しており、製品開発、原価低減及び品質向上を通じて、業績面でもシナジー効果を発揮していきます。 3)アジア事業当連結会計年度におけるアジア経済は、中国において景気低迷が続いているものの、半導体市場においては前年度より回復したものとみられています。この影響により、当社グループのアジア事業ではいくつかの分野で売上が回復しました。アジア市場は、新興勢力の台頭等により、競合他社との間の価格競争が厳しい地域となっております。特に中国は、世界最大規模の半導体消費地であるだけでなく、供給地としても急速に存在感を高めています。中国企業の開発・生産能力は年々向上しており、アナログICやディスクリートにおいても、低価格品を中心に競争激化による利益率低下の要因となっております。また、経済安全保障の観点からも、これまで以上に国を挙げて半導体の国産化を加速させているため、現地企業の状況やサプライチェーンの変化を注視してまいります。 4)欧州事業当連結会計年度における欧州経済は、インフレ圧力の継続や地政学リスクの高まりなどを背景に、低調な状況が続きました。当社グループの欧州事業においては、医療機器分野向けの売上が増加しました。欧州事業は付加価値の高い製品が求められる市場であり、電源ICではコイル一体型のDC/DCコンバータやプッシュボタンコントローラ、中耐圧製品など、他社との差別化が図られる製品の拡販活動がキーになると考えており、注力市場である産業機器分野への売上回復に取り組んでまいります。 5)北米事業当連結会計年度における北米経済は、堅調な個人消費やAI関連投資を背景に、底堅く推移いたしました。当社グループの北米事業においては、産業機器分野向けなどの売上が増加しました。北米には大手電機・電子メーカーはもちろん、スタートアップのベンチャー企業が数多くあり、新たな事業や製品、サービスなどが生まれています。当社の北米事業では、拡販による売上増を目的とすると同時に、そうした企業等との協業や提携による当社グループの価値の創出を目的とした活動も積極的に取組んでいます。 c.経営方針、経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、資本効率の向上及び株主資本の有効利用が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「自己資本利益率(ROE)」を重要な指標と位置付けております。当連結会計年度におけるROEは6.4%となりました。引き続き、売上及び各段階利益の最大化に取り組み、ROE二桁を目標としながらも、更に高めていくための体制を構築してまいります。 d.セグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度のセグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」及び「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況の分析当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 資本の財源及び資金の流動性a.資金需要当社グループの資金需要には、大きく分けて運転資金需要と設備資金需要があります。運転資金需要の主なものは、アナログIC製品の製造に係る原材料費や外注加工費、製品開発に係る研究開発費並びに販売費及び一般管理費等によるものであります。また、設備資金需要は、主に製造子会社における製造設備等の固定資産の購入によるものであります。 b.財政政策当社グループは、運転資金につきましては、内部資金による充当を基本とし、不足分については金融機関からの借入金により調達しております。また、設備資金につきましては、内部資金及び金融機関からの借入金を基本とし、金利動向や市場環境などを考慮し、必要に応じて社債など適切な調達手段により資金調達を行っております。 c.資本政策当社グループは、半導体業界を取り巻く環境変化を好機と捉え、企業価値の向上を図るため、成長戦略投資と株主還元のバランスを確保しながら、資本効率の向上に着実につなげていくことを、資本政策の基本的な方針としています。この方針のもと、当社グループの企業価値向上を加速するための研究開発、設備投資及び人材投資など、中長期的な成長と競争力強化に資する投資を積極的に実施してまいります。利益配分につきましては、株主の皆様への利益還元を経営上の重要課題の一つとして位置付けるとともに、持続的な成長に向けた戦略的投資とのバランスを勘案しながら、経営環境、中長期的な連結業績及び資本効率等を総合的に勘案し、適切な株主還元を実施してまいります。上記方針に基づき、配当につきましては、業績水準を反映した利益配分として連結配当性向20%以上、安定的かつ継続的な株主還元の拡充として株主資本配当率(DOE)3%程度を当面の目標として実施してまいります。内部留保資金につきましては、研究開発、設備投資及び人財投資など、持続的な企業価値向上の実現に向けて活用してまいります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項及び重要な会計上の見積り」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。なお、半導体市場の急激な需要の変化により、与える影響の不確実性が大きく、将来事業計画等見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。 a.当社の商品及び製品の評価当社グループの棚卸資産の連結貸借対照表価額は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しており、営業循環過程から外れたと判断された棚卸資産の評価については、帳簿価額を処分見込価額まで切り下げております。このうち当社では、一定の在庫年齢を超えた長期滞留品に加えて、過去の販売数量実績等を考慮して策定した将来の販売予測に基づき、翌期以降一定期間に販売できないと見込まれる商品及び製品を営業循環過程から外れた過剰在庫として識別しております。当社が取り扱う商品及び製品の将来の販売可能性は、市場の需要変化などの予測不能な要因によって変動する可能性があり、将来の販売予測は不確実性を伴うため、将来の販売実績が見積りと大きく異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表における商品及び製品の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。 b.固定資産の減損固定資産は、減損の兆候があると認められる場合には、資産、または、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定します。判定の結果、減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額(正味売却価額または使用価値のいずれか高い価額)まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識されます。当社グループは、原則として事業用資産について、会社もしくは工場ごとにグルーピングを行っております。また、減損の兆候がある貸与資産、遊休資産については、個別資産別に減損損失の認識の判定を行っております。 当連結会計年度において、フェニテックセミコンダクター株式会社の鹿児島工場は半導体市場の長期的な市況の不振と在庫調整が続いたこと等で経営環境の厳しい状態が継続していると認められたため減損の兆候があると判断し、減損損失の認識の要否を判定しております。判定の結果、当該事業について見積られた割引前将来キャッシュ・フローの総額が有形固定資産及び無形固定資産の帳簿価額を下回ると判断したものの、回収可能価額が当該帳簿価額を上回ったため減損損失の計上は行っておりません。 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた回収可能価額は、正味売却価額により測定しております。建物および土地については、不動産鑑定評価等合理的に算出された評価額に基づき評価し、機械装置およびその他動産については、動産鑑定評価等合理的に算出された評価額に基づき評価しております。将来の不確実な経済条件の変動により、正味売却価額の見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において、固定資産の減損損失の認識及び測定が必要となる可能性があります。 c.繰延税金資産の回収可能性当社及び国内の連結子会社における繰延税金資産は「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第26号)に示される企業の分類を考慮して回収可能性を判断しております。その上で、将来の課税所得の見積りや将来減算一時差異等の将来解消見込年度のスケジューリング等に基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について計上しております。 将来の課税所得の見積りは、取締役会等で承認された予算を基礎としており、その主要な仮定は、売上高、売上原価及び経費等の予測であります。 繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りや将来減算一時差異等のスケジューリングに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。

事業リスク

  • 為替変動による業績影響
    同社グループの売上高の約7割を海外売上高が占めるため、為替レートの変動が業績に大きな影響を与える可能性があります。為替予約などの対策は講じているものの、急激な為替変動が発生した場合には、収益や財政状態が悪化するリスクがあります。
  • 価格競争と販売価格の低下
    半導体業界は価格競争が激しく、取引先からの値下げ要請や競合他社の台頭により、販売価格が予想以上に低下する可能性があります。顧客のコスト低減要求に応えられない場合、販売機会を失うこともあり、これが業績や財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
  • 生産上の特性と供給リスク
    同社グループの主要製品であるアナログ電源系半導体は、製造プロセスの変更に約2年を要し、顧客の再認定も必要なため、製造ラインの変更が容易ではありません。特定の製造委託先への依存度が高いことから、委託先の経営戦略変更や災害などが発生した場合、製品の安定供給が困難になり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,332 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (特に重要なリスク)(1)為替変動リスク当連結会計年度における当社グループの売上高に占める海外売上高の割合は約7割であり、為替変動の影響を受ける傾向にあります。当社グループでは為替予約等によって為替相場の変動を緩和するべく対策を講じておりますが、このリスクを完全に排除できるものではありません。予想の範囲を超えた急激な為替変動が生じた場合等において、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)販売価格の低下のリスク当社グループは、スピーディーな新製品の開発、原価管理の徹底による原価改善を常に意識し、収益性の向上に努めております。しかしながら、業界の特性として販売価格の変動が大きく、取引先の値下げ要請や競合他社との間の価格競争の影響を受け、販売価格が予想以上に低下する可能性があります。また、近年においては、当社グループが属する業界の成熟や新興勢力の台頭等によって価格競争が激化しております。当社グループは、顧客のコスト低減要求に応えるべく最大の努力をいたしてまいりますが、必ずしも応えられるとは限らないことから、販売機会を逃すことも想定されます。したがって、これらが生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)原材料・半製品価格及び販売価格の変動に関するリスク当社グループは、調達価格の安定化を図るべく、国内外の複数の取引先から原材料、半製品等を購入しております。しかしながら、調達する原材料等の購入価格は市況変動の影響を受け、これら原材料等の価格上昇を当社製品の販売価格に十分に反映出来ない場合、あるいは、当社製品の販売価格引下げを原材料等の購入価格に十分に反映出来ない場合、業績に影響を与える可能性があります。現在、金・原油をはじめとする資源価格などの上昇を背景に、世界的な物価上昇が続いております。当社におきましても、製品製造に係る原材料費や関連コストに強い上昇圧力が見られております。資源市況およびサプライチェーン全体の動向を注視しつつ、製品価格への適切な反映を検討するとともに、継続的なコスト効率化の取り組みを進めてまいります。 (4)製品需要の変動リスク当社グループの製品は様々なデジタル機器等に使用されており、当社グループの製品が採用されている取引先各メーカーにおけるアプリケーションの販売状況に応じて当社の売上高が連動いたします。当社グループは複数の製品群を有し、採用される市場、用途も幅広く対応しておりますが、各メーカーの最終製品の需要が経済情勢等の影響により激減した場合や、各メーカーが在庫調整を行った場合等において、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、これらの製品は出荷台数に季節変動のある場合があり、この場合において売上高が特定の時期に偏重する可能性があります。 (5)製品の欠陥当社グループは、品質管理についてメーカーとして最大限対処しておりますが、全ての製品において全く欠陥がなく、製品の回収等が発生しないという保証はできません。これらのリスクについて、当社グループは、必要に応じて、製造物責任賠償保険をはじめとした賠償責任保険の付保により一定のリスクヘッジを行っておりますが、当社グループの製品に大規模な瑕疵等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)同業他社等との競合当社グループが提供している製品は、総じてグローバルな競合的状況にあります。また、デジタル関連機器製品は、急速な技術革新により製品寿命が短期化する傾向にあります。これらに対応するため、当社グループは、新技術の開発や新方式の採用、市場ニーズにあった製品開発を行っておりますが、競合他社が特定の分野において当社グループより高度な技術と製品供給力を有している場合や、当社グループより親密な関係を構築している場合等があります。また、取引先の求めるニーズは年々多様化・高度化しており、当社グループがそのニーズに対応できない場合等も想定されます。したがって、これらの状況となった場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)当社製品の生産上の特性と生産拠点の確保について当社グループの主要製品である「アナログ電源系の半導体」は、「デジタル系の半導体」とは相違して、生産拠点のおかれている環境が製品の性能に与える影響が大きいため、以下の理由により、製造ラインの変更を容易に行うことができません。・製造プロセスのチューニング等に約2年程度の時間を要する。・移管した製品を販売する場合は、採用していただいている顧客に対して、再度製品認定を行っていただく必要がある。当社グループは一部子会社における生産を除くと、ファブレスによる生産を展開しておりますが、一定水準以上かつ市場評価の得られる技術・品質を確保していくために、品質管理面からは一定の基準を設定し、生産拠点の選定に際し基準を満たしているか否かの審査や、選定後は技術指導等をきめ細かく行う等の対策を施しております。しかしながら、当社製品の生産上の特性から需要の変動(増加)に応じて生産数量を確保することが困難になる場合があります。当社グループでは、生産数量の確保を目的とした委託先工場のラインへの投資や、需要予測を通じた連携強化など各生産拠点との親密な関係を構築しておりますが、製造委託先の経営戦略の変更や取引条件の大幅な変更、業績変動などが当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (重要なリスク)(1)国際的事業について当社グループは、国内のほか、アジア・北米及び欧州の市場に製品を販売しており、先進国市場のみならず、新興国市場に対しても事業を展開しております。当社グループ取引先または取引先のエンド・ユーザーの所在する国または地域において、法制度・税制の変更や、経済・政治情勢の悪化、テロリズム等の政治不安もしくは暴動等の非常事態又は伝染病の流行による混乱等が発生する可能性があります。当社グループとして、適時適切な対応がとれる体制を整備しておりますが、これらの事象が当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)生産拠点の偏重について当社グループの主要製品である「アナログ電源系の半導体」は、ウエハの製造においてフェニテックセミコンダクター株式会社への委託比率が大きな割合を占めております。当社製品の生産上の特性により、製造プロセスの変更が困難であるため、製造委託先の偏りは、製品の安定した供給を阻害する可能性があります。当社は、2019年2月にフェニテックセミコンダクター株式会社を完全子会社化しましたが、これにより製造委託先としての同社との関係は一層強化されております。同社以外にもウエハ製造の委託先は複数あり、安定供給に努めておりますが、同社に天災等が生じる場合等の事象が発生した場合、当社の製品の生産に支障が生じ、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)子会社の生産工程についてフェニテックセミコンダクター株式会社は、顧客仕様に基づいてウエハを製造し、当社及び当社グループ外の企業へ販売しております。同社の工場は岡山県及び鹿児島県に所在し、受注予測に基づく適正な在庫の確保や事業継続のための体制整備等を進め、鹿児島工場にクリーンルームを増設するなど安定供給に努めておりますが、予期せぬ天災等の被災、伝染病の流行、原材料仕入先からの納入遅延、製造装置等の重大な故障等により、製造ラインが停止する事態が発生した場合、当社を含めた顧客への製品供給が滞る可能性があります。これらの状況となった場合、売上高の減少や顧客への損害賠償等を通じて、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)子会社の工場稼働率についてフェニテックセミコンダクター株式会社は、顧客から得る需要見通しに基づいて、工場の適切な稼働率の維持に努めております。しかしながら、顧客の販売動向や在庫調整に伴う急激な受注減少による稼働率の低下、あるいは急激な受注増加に対して生産能力不足による機会損失が発生する可能性があります。したがって、これらの状況が重なった場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5)海外拠点における人件費・労務費の上昇に関するリスク当社グループは、製品の差別化及び原価低減を目的としてベトナムに生産拠点を保有しており、同拠点は人材の流動性が比較的高い傾向にあります。労働環境の改善などに取り組んではおりますが、同国の経済発展に伴う人件費の上昇によって、生産コストが想定を上回って上昇する場合や人材の確保が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)各種規制等について当社グループは各国の規制、海外の商取引に関連するリスクにさらされております。例えば、貿易の制限、関税の変更、立法または規制上の要件の変更、知的財産権の抵触、不利益な課税上の取扱いの可能性等にさらされています。それぞれのリスクに対しては、各専門部署が適切に対応しておりますが、予期しえなかった事態が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)M&Aにおけるリスク当社グループは、グローバル競争に打ち勝つための競争力及び成長力を強化し、企業価値の継続的な向上を図るため、中期経営計画に掲げる課題「より強い製品企画につながるコラボレーションとM&Aの推進」を念頭に、必要に応じて資本・業務提携やM&A(以下、M&A)を実施しております。M&Aの実施にあたっては、事前に対象企業の市場動向、財務状況、優位性及び当社グループとの相乗効果を慎重に検証し、実施後は当社グループへの早期融合及び相乗効果の最大化に努めております。しかしながら、M&A実施後における市場環境の急変、制度・業務プロセスの統合負担の増大、顧客基盤または人材の流出、その他想定外の事態の発生により、予想された通りの相乗効果が得られず、投下した資金の回収ができない場合や追加的費用が発生する可能性があります。これらの事態が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)環境問題当社グループは、フェニテックセミコンダクター株式会社及びTOREX VIETNAM SEMICONDUCTOR CO.,LTDにおいて、半導体製品の製造・加工を行っております。両社は、大気汚染、水質汚濁、産業廃棄物、有害物質、土壌汚染などに関する様々な環境法令の適用を受けており、これらの規制に細心の注意を払いつつ事業を行っておりますが、過失の有無にかかわらず、環境問題に対して法的もしくは社会的責任を負う可能性があります。これらの事態が生じた場合、対応のための多額の費用負担が発生する可能性や当社グループの社会的信用の低下を招く可能性があり、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)固定資産の減損当社グループは、研究開発・製造等に要する有形固定資産や無形固定資産を保有しております。資産の購入に際しては、収益性などを慎重に判断してはおりますが、市場環境の変化、技術革新あるいは市場価格の下落等により、これらの資産に減損が生じていると判断される場合には、当該資産に対する減損損失を計上する可能性があります。このような事態が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)取引先による金銭債務の不履行当社グループは、当社グループの販売先について、財務内容や定性情報等を総合的に勘案し、与信設定により管理しております。しかしながら、販売先の財務情報を完全に掌握することは難しく、完全なリスクの排除はできておりません。したがって、取引先の急激な財政状態の悪化が生じた場合等において、想定以上の貸倒引当金を設定する必要が生じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)事業投資等のリスク当社グループは、既存ビジネスにおいて堅実に経営を行っておりますが、今後、業容拡大を図るために各種の事業投資(子会社の設立を含む。)を行う可能性があります。これらについては、慎重に検討し、しかるべき社内決裁を経た後に実行いたしますが、必ずしも当社グループの業績に寄与するものとは限りません。この場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)有能な人材の確保当社グループは、製品開発型企業であることから、市場ニーズに適合した製品の開発が不可欠であり、そのためには、開発要員を含め優秀な人材を確保する必要があります。しかしながら、特にアナログ電源ICの開発・設計は、微細化や低電圧化によって雑音やばらつきなどの影響を受けやすい技術の特性上、その調整は容易でなく、さまざまな基礎知識と経験が必須な分野であるため、技術者の能力に強く依存するものの、優れた技術者の育成には時間がかかります。当社グループにおいては、幅広い基礎知識と豊富な経験を持つ技術者を多数確保しており、また継続的に教育・研修を行い、人材の育成に注力しておりますが、有能な人材の確保及び育成ができなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)自然災害等のリスク当社グループは、事業継続計画(BCP)を策定し、製品の安定供給体制の確立に取り組んでおりますが、当社グループ及び当社グループの取引先(販売先、前工程協力工場、後工程協力工場等)において、自然災害等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)疫病の発生・蔓延等のリスク当社グループでは疫病に対する感染予防対策を実施しておりますが、当社グループ及び当社グループの取引先(販売先、前工程協力工場、後工程協力工場等)の拠点において、疫病の発生・蔓延が発生した場合、製品の製造及び販売に支障をきたすこととなるため、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15)知的財産権に関するリスク当社グループは、当社グループの事業にとって重要な知的財産権を所有しており、かかる知的財産権には、商標権、特許権その他営業秘密が含まれます。当社グループと第三者の間で、知的財産権に関する紛争が生じた場合、当社グループの事業に支障を及ぼし、当社グループの権利保護又は相手方からの主張に対する防御のために多額の費用を費やさなければならない可能性があります。当社グループは、その知的財産権保護のため、専門家の協力を得て対策を講じておりますが、知的財産権に関する紛争等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

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