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JVCケンウッド(6632)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 多角的な事業展開
    JVCケンウッドは、モビリティ&テレマティクスサービス、セーフティ&セキュリティ、エンタテインメントソリューションズの3つの主要分野で事業を展開しています。カーナビやドライブレコーダーといった車載機器から、業務用無線機、医療用モニター、プロジェクター、ヘッドホンまで、幅広い製品の製造・販売を行っており、多様な市場ニーズに対応しています。
  • グローバルな生産・販売網
    同社グループは、日本国内だけでなく、海外に多数の子会社や関連会社を持ち、グローバルな生産・販売体制を構築しています。これにより、各地域の市場特性に合わせた製品供給やサービス提供が可能となり、世界中の顧客に製品を届けています。
  • コンテンツ受託ビジネス
    エンタテインメントソリューションズ分野では、プロジェクターやホームオーディオなどの製品販売に加え、CD/DVDのパッケージソフトの受託製造や、オーディオ・ビデオソフトの企画・制作・販売、配信などのコンテンツビジネスも手掛けています。これにより、製品販売以外の収益源も確保し、事業の安定化を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • モビリティ&テレマティクスサービス分野
    この分野では、カーAVシステム、カーナビゲーションシステム、車載用スピーカー・アンプ、ドライブレコーダー、テレマティクスソリューションなどの製品を製造・販売しています。主に自動車関連市場向けに、快適で安全な移動をサポートする製品やサービスを提供しており、安定した収益基盤として位置づけられています。
  • セーフティ&セキュリティ分野
    業務用無線機器、アマチュア無線機器、業務用映像監視機器、業務用オーディオ機器、医用画像表示モニターなどがこの分野の主要製品です。公共安全や医療、産業用途など、高い信頼性と安全性が求められる市場向けに製品を提供しており、同社グループの成長を牽引する重要な事業領域として積極的な投資が行われています。
  • エンタテインメントソリューションズ分野
    プロジェクター、ヘッドホン、ホームオーディオ、ポータブル電源、業務用ビデオカメラなどの製品に加え、CD/DVDのパッケージソフト受託ビジネスやオーディオ・ビデオソフトの企画・制作・販売、配信などのコンテンツ事業も展開しています。人々に感動を提供するエンタテインメント領域で、多様な製品とサービスを提供し、期待・挑戦領域として位置づけられています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,406 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社及び当社の子会社61社(国内15社、海外46社)、並びに関連会社5社(国内4社、海外1社)により構成され、モビリティ&テレマティクスサービス分野関連、セーフティ&セキュリティ分野関連、エンタテインメント ソリューションズ分野関連の製造・販売を主要な事業とし、かつ、これに付帯する事業を営んでいます。当社グループの事業区分及び主要製品並びにそれに係わる主要な関係会社の位置付けは以下のとおりであり、事業区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に記載されているセグメントの区分と同一です。 (2026年3月31日現在)事業区分主要製品主要会社名モビリティ&テレマティクスサービス分野カーAVシステムカーナビゲーションシステム車載用スピーカー・アンプ・アンテナ・ケーブルドライブレコーダー車載用デバイステレマティクスソリューション(生産会社)株式会社JVCケンウッド長野株式会社JVCケンウッド長岡PT JVCKENWOOD Electronics IndonesiaJVCKENWOOD Optical Electronics (Thailand) Co., Ltd. (販売会社)株式会社JVCケンウッドJVCKENWOOD USA CorporationJVCKENWOOD U.K. LimitedJVCKENWOOD Deutschland GmbHJVCKENWOOD Singapore Pte. Ltd. (開発・生産及び販売会社)Shinwa Industries (China) LimitedASK Industries S.p.A.セーフティ&セキュリティ分野業務用無線機器アマチュア無線機器業務用映像監視機器業務用オーディオ機器医用画像表示モニター(生産会社)株式会社JVCケンウッド山形株式会社JVCケンウッド長岡JVCKENWOOD Electronics Malaysia Sdn. Bhd. (販売会社)株式会社JVCケンウッド株式会社JVCケンウッド・公共産業システムJVCKENWOOD USA CorporationJVCKENWOOD Canada Inc.JVCKENWOOD U.K. Limited (開発・生産及び販売会社)EF Johnson Technologies, Inc.Radio Activity S.r.l. 事業区分主要製品主要会社名エンタテインメントソリューションズ分野プロジェクターヘッドホンホームオーディオポータブル電源業務用ビデオカメラCD/DVD(パッケージソフト)等の受託ビジネスCD/DVD(パッケージソフト)の製造オーディオ・ビデオソフト・配信等のコンテンツ等(生産会社)株式会社JVCケンウッド株式会社JVCケンウッド・クリエイティブメディアJVCKENWOOD Optical Electronics (Thailand) Co., Ltd. (販売会社)株式会社JVCケンウッドJVCKENWOOD USA CorporationJVCKENWOOD U.K. Limited (企画・制作及び販売会社)ビクターエンタテインメント株式会社 その他サービスパーツ他(その他の会社)株式会社JVCケンウッド・サービス 事業の系統図は以下のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
カーAVシステム、カーナビゲーションシステム、ドライブレコーダー、業務用無線機器、医用画像表示モニターなどの開発・製造技術。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
会社が挙げる主要リスク:原材料等の調達の外部依存 / 物流リスク / サプライチェーンリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

JVCケンウッドは、長年の歴史を持つ「JVC」ブランドを有しており、オーディオ・ビジュアル分野での一定の認知度がある。しかし、近年は他社ブランドとの差別化が難しく、特許やIPによる明確な競争優位性は限定的である。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

同社の製品(カーナビ、オーディオ機器など)は、一度購入すると他の製品への乗り換えに手間やコストがかかる場合がある。しかし、技術革新の速さや価格競争により、顧客のロイヤリティはそれほど高くなく、スイッチング・コストは弱い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の製品群には、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接高めるようなネットワーク効果を持つものは見当たらない。個々の製品利用が閉鎖的であり、プラットフォームとしての広がりはない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

長年の製造ノウハウやサプライチェーンの最適化努力はあるものの、電気機器業界全体で激しい価格競争に晒されており、構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。特に中国・韓国メーカーとのコスト差は大きい。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

カーエレクトロニクスや業務用音響機器など、特定の分野では一定の市場シェアと生産規模を持つ。しかし、業界全体で見ると多数の競合が存在し、寡占化された効率規模の優位性は限定的である。

  • 多様な技術と製品群
    JVCケンウッドは、カーAVシステムから業務用無線機器、医用画像表示モニター、プロジェクターまで、多岐にわたる製品と技術を有しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、幅広い顧客層に価値を提供できる点が強みです。
  • グローバルな事業展開力
    同社グループは、国内外に多数の生産・販売拠点を持ち、グローバルなサプライチェーンと販売ネットワークを構築しています。これにより、地域ごとの市場ニーズに柔軟に対応し、効率的な製品供給と市場開拓を進めることが可能となっています。
  • リスク管理体制の強化
    同社は、最高リスク責任者(CRO)を配置し、全社的なリスク管理体制を整備しています。特に気候変動リスクへの対応を強化し、移行リスクと物理的リスクを分類・評価して管理することで、事業計画の達成を阻害する可能性のあるリスクを最小化しようと努めています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 企業価値の持続的向上
    JVCケンウッドは、企業理念「感動と安心を世界の人々へ」のもと、2030年度を最終年度とする中期経営計画「VISION2030」を策定しました。この計画では、「Move Forward~変わり続ける力、未来へ~」をテーマに掲げ、事業ポートフォリオ戦略の高度化、資本コストや株価を意識した経営、サステナビリティ戦略の推進を通じて、企業価値の持続的な向上を目指しています。
  • 事業ポートフォリオの最適化
    事業の成長性と資本効率性を重視し、事業ポートフォリオの最適化を図ります。全社を牽引するセーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業には引き続き積極投資を行い、公共安全市場での成長が見込まれるハイブリッド領域を育成します。エンタテインメント事業も期待・挑戦領域とし、モビリティ&テレマティクスサービス分野のOEM事業は安定収益基盤、アフターマーケット事業は再構築事業と位置付け、収益率向上を目指します。
  • 財務戦略と株主還元
    2026年度から2030年度までの5年間で2,000億円以上のキャッシュ・インを想定し、同額を成長投資及び戦略投資に充当します。特にM&Aには約900億円を投じ、無線システム事業を中心に成長機会を捉えます。株主還元については、総還元性向を30~45%に引き上げ、安定配当と継続的な増配を基本としつつ、自己株式取得も機動的に実施することで、成長と資本規律を両立した経営を目指します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針当社グループは企業理念※として「感動と安心を世界の人々へ」提供することを掲げています。経営方針、行動指針は以下のとおりです。※当社グループの企業ビジョン「感動と安心を世界の人々へ」を企業理念として再定義しています。 (2)目標とする経営指標当社は、2026年5月1日付で、2030年度を最終年度とする新たな中期経営計画「VISION2030」を策定しました。「VISION2030」では、前中期経営計画「VISION2025」のテーマであった「変革と成長」をさらに進化させ、事業ポートフォリオ戦略に磨きをかけるとともに、資本コストや株価を意識した経営の高度化を図ります。そして、事業の長期性と市場構造の変化を踏まえた長期視点の経営計画としてこれを掲げ、企業価値の持続的な向上をめざします。 「VISION2030」では、長期ビジョンである「たくましさとしたたかさを併せ持つエクセレントカンパニーへの飛躍」の実現に向けて、新たに「Move Forward~変わり続ける力、未来へ~」というテーマを掲げ、持続的な価値創造を追求していきます。 <サマリー>事業ポートフォリオ、財務、サステナビリティの3つの戦略と、経営基盤の強化を通じて企業価値の創造を加速します。「VISION2030」期間内においては安定的にROE11%以上、ROIC10%以上を実現し、総還元性向については30~45%を目安とします。そして、「VISION2030」の最終年度となる2030年度には、売上4,100億円以上、事業利益率9%以上、セーフティ&セキュリティ分野の売上構成比率35%以上の達成を目指します。 *上記目標数値は、当社が現在入手している情報をもとに、本有価証券報告書提出日現在における当社の判断に基づいて作成されたものであり、また、一定の前提(仮定)の下に作成されています。当社は、上記目標数値の達成を保証するものではなく、実際の結果は上記と大幅に異なる可能性があります。*ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)= 親会社の所有者に帰属する当期利益÷期中平均親会社の所有者帰属持分×100*ROIC(投下資本利益率)= (税引き後事業利益+持分法損益)÷投下資本(株主資本+有利子負債) (3)経営環境・成長戦略地政学リスクの増大によるサプライチェーンの見直しや世界経済動向の不透明化など、当社を取り巻く事業環境は大きく変化しています。新中期経営計画「VISION2030」は、以下の3つの経営環境―「VUCA時代の継続」「技術革新の激化」「社会・顧客価値の変化」―を踏まえて策定しました。 ① 事業ポートフォリオ戦略当社は、事業の成長性と資本効率性を重視した事業ポートフォリオの最適化を通じて、企業価値の最大化を図っています。全社を牽引するセーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業(ナローバンド領域)には引き続き積極投資を行い、公共安全市場で成長が見込まれる無線システム事業(ハイブリッド領域)を期待・挑戦領域として育成します。エンタテインメント ソリューションズ分野のエンタテインメント事業も期待・挑戦領域として位置づけ、モビリティ&テレマティクスサービス分野のOEM事業は安定した収益基盤として再定義しています。一方、モビリティ&テレマティクスサービス分野のアフターマーケット事業は再構築事業に位置付けます。事業構造改革を推進し、成熟市場での競争優位性を確立しながら収益率の向上を図っていきます。 ② 財務戦略<キャピタル・アロケーション方針>2026年度から2030年度までの5年間で、2,000億円以上のキャッシュ・インを想定し、同額のキャッシュ・アウトを成長投資及び戦略投資に充当します。そのうち戦略投資として約900億円を見込み、そのおおむね半分をM&Aに充当する予定です。M&Aは、事業拡大を牽引する無線システム事業を中心に、機動的な追加資金調達も活用しながら、成長機会を確実に捉えて実行していきます。あわせて、株主還元と事業を強化する施策への適切な配分により、成長と資本規律を両立した戦略的な投資を行っていきます。 <株主還元方針について>当社は、安定的な利益還元及び今後の成長に向けて経営資源を確保することを経営上の最重要課題の一つと考え、収益力及び財務状況を総合的に考慮して、総還元性向を株主還元の指標としています。「VISION2030」における株主還元方針は、前中期経営計画から総還元性向の上限を5%引き上げ、30~45%目安としました。安定的な配当と継続的な増配を基本としつつ、財務状況や成長投資とのバランスを踏まえ、総還元性向の範囲内で自己株式取得を機動的に実施します。 ③ サステナビリティ戦略「VISION2030」の策定に合わせ、長期ビジョンにつながるサステナビリティ基本方針を新たに定め、中長期視点でマテリアリティを見直しました。事業を通じて利益ある成長とグローバルでの社会課題解決への貢献を両立させることで、持続的な企業価値向上と持続可能な社会の実現を目指します。 <マテリアリティの再特定>当社を取り巻く外部環境をもとに、複数のステークホルダーの観点から、リスク・機会の絞り込みを実施し、新たに5つのマテリアリティを再特定しました。これらのマテリアリティ及びサブマテリアリティに基づいて事業とESGを一体で推進することで、経済価値と社会価値の両立を図ります。 当社グループのサステナビリティ戦略についての詳細は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。 (4)事業上及び財務上の対処すべき課題当社は前述の経営環境のもと、新たに策定した中期経営計画「VISION2030」で掲げた各種施策を推進することにより、最終年度である2030年度の経営目標達成に向けて、持続的な企業価値向上を目指します。上記計画を実行していくにあたり、当社が認識している直近の対処すべき課題は以下のとおりです。2026年度は、セーフティ&セキュリティ分野では無線システム事業の部品供給不足による影響からの回復に加え、アナログからデジタルへの置き換えや危機管理対応などの堅調な需要が継続するものと見込んでおりますが、一方で主に上期を中心に米国政府機関の閉鎖による予算執行の遅延の影響を想定します。モビリティ&テレマティクスサービス分野では、OEM事業の国内用品の好調な販売を想定する一方で、メモリーの供給不足及び価格高騰などの影響が見込まれます。さらに緊迫する中東情勢など地政学リスクの高まりなど、当社を取り巻く環境は目まぐるしく変化しておりますが、これらの動向に引き続き留意しながら、影響をミニマイズすべく適切な対策を講じていきます。 (5)環境保全・社会貢献活動に向けた取り組み当社グループは、2021年度に環境ビジョンと環境基本方針を策定し、地球環境保全に対する基本的な考え方を示しました。2023年度には、環境基本方針の見直しを行い「JKグリーン2030」を策定し、「気候変動への対応」「資源の有効活用」「環境保全・管理」及び「生物多様性の保全」の4項目でそれぞれ目指すべきゴールを再設定しました。特に、気候変動への対応については、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、2030年に向けたScope1+2と3でそれぞれCO₂排出量削減の目標を設定しています。「気候変動への対応」及び「資源の有効活用」の目標達成に向けた活動として、環境マネジメントシステムに関する国際規格ISO14001認証取得を継続するとともに、CO₂の排出量削減進捗管理、資源利用に関する目標達成進捗を定期的に評価し、事業活動における環境への影響を軽減または回避するために努力を続けています。「環境保全・管理」「生物多様性の保全」に対して、自社及びサプライチェーンにおいて環境に配慮した方針の実現に向けて積極的に活動しています。活動事例として従業員に対する定期的な環境研修による啓発活動、環境法規制遵守に基づいた飛散性アスベストの除去及び保管している高濃度PCB汚染廃棄物も計画的に無害化処理を進める等の環境リスクの低減を推し進めています。製品開発においては、要素技術開発や商品設計に際してアセスメントを行う事によってRoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)やREACH(化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)等製品の有害化学物質管理や各国の法規制に対応しています。さらに、バリューチェーン全体におけるScope3(購入品の製造、輸送、販売した製品の使用等)のCO₂排出量削減及び環境負荷の低減を目指して製品の消費電力低減、プラスチック使用量削減、個装箱の小型化による積載効率の向上等にも取り組んでいます。また、社会貢献活動については、取り組みを通じて得られた知見や社会とのつながりが事業活動のさらなるレベルアップにつながると考えており、当社グループが有する社会課題を解決する製品を有効に活用しつつ、活動を展開しています。このような考えのもと持続可能な社会づくりのため、「災害対策への貢献」「健康と豊かな心や生活への貢献」「次世代育成への貢献」「地域コミュニティへの貢献」等の社会貢献活動の重点テーマとしています。これらの重点テーマは、当社グループのサステナビリティ基本方針である「利益ある成長とグローバルでの社会課題解決に貢献し、企業価値の向上と持続可能な社会の実現をめざす」という考え方と連動しており、社会貢献活動が社会価値と経済価値向上に繋がるよう取り組んでいきます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針当社グループは企業理念※として「感動と安心を世界の人々へ」提供することを掲げています。経営方針、行動指針は以下のとおりです。※当社グループの企業ビジョン「感動と安心を世界の人々へ」を企業理念として再定義しています。 (2)目標とする経営指標当社は、2026年5月1日付で、2030年度を最終年度とする新たな中期経営計画「VISION2030」を策定しました。「VISION2030」では、前中期経営計画「VISION2025」のテーマであった「変革と成長」をさらに進化させ、事業ポートフォリオ戦略に磨きをかけるとともに、資本コストや株価を意識した経営の高度化を図ります。そして、事業の長期性と市場構造の変化を踏まえた長期視点の経営計画としてこれを掲げ、企業価値の持続的な向上をめざします。 「VISION2030」では、長期ビジョンである「たくましさとしたたかさを併せ持つエクセレントカンパニーへの飛躍」の実現に向けて、新たに「Move Forward~変わり続ける力、未来へ~」というテーマを掲げ、持続的な価値創造を追求していきます。 <サマリー>事業ポートフォリオ、財務、サステナビリティの3つの戦略と、経営基盤の強化を通じて企業価値の創造を加速します。「VISION2030」期間内においては安定的にROE11%以上、ROIC10%以上を実現し、総還元性向については30~45%を目安とします。そして、「VISION2030」の最終年度となる2030年度には、売上4,100億円以上、事業利益率9%以上、セーフティ&セキュリティ分野の売上構成比率35%以上の達成を目指します。 *上記目標数値は、当社が現在入手している情報をもとに、本有価証券報告書提出日現在における当社の判断に基づいて作成されたものであり、また、一定の前提(仮定)の下に作成されています。当社は、上記目標数値の達成を保証するものではなく、実際の結果は上記と大幅に異なる可能性があります。*ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)= 親会社の所有者に帰属する当期利益÷期中平均親会社の所有者帰属持分×100*ROIC(投下資本利益率)= (税引き後事業利益+持分法損益)÷投下資本(株主資本+有利子負債) (3)経営環境・成長戦略地政学リスクの増大によるサプライチェーンの見直しや世界経済動向の不透明化など、当社を取り巻く事業環境は大きく変化しています。新中期経営計画「VISION2030」は、以下の3つの経営環境―「VUCA時代の継続」「技術革新の激化」「社会・顧客価値の変化」―を踏まえて策定しました。 ① 事業ポートフォリオ戦略当社は、事業の成長性と資本効率性を重視した事業ポートフォリオの最適化を通じて、企業価値の最大化を図っています。全社を牽引するセーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業(ナローバンド領域)には引き続き積極投資を行い、公共安全市場で成長が見込まれる無線システム事業(ハイブリッド領域)を期待・挑戦領域として育成します。エンタテインメント ソリューションズ分野のエンタテインメント事業も期待・挑戦領域として位置づけ、モビリティ&テレマティクスサービス分野のOEM事業は安定した収益基盤として再定義しています。一方、モビリティ&テレマティクスサービス分野のアフターマーケット事業は再構築事業に位置付けます。事業構造改革を推進し、成熟市場での競争優位性を確立しながら収益率の向上を図っていきます。 ② 財務戦略<キャピタル・アロケーション方針>2026年度から2030年度までの5年間で、2,000億円以上のキャッシュ・インを想定し、同額のキャッシュ・アウトを成長投資及び戦略投資に充当します。そのうち戦略投資として約900億円を見込み、そのおおむね半分をM&Aに充当する予定です。M&Aは、事業拡大を牽引する無線システム事業を中心に、機動的な追加資金調達も活用しながら、成長機会を確実に捉えて実行していきます。あわせて、株主還元と事業を強化する施策への適切な配分により、成長と資本規律を両立した戦略的な投資を行っていきます。 <株主還元方針について>当社は、安定的な利益還元及び今後の成長に向けて経営資源を確保することを経営上の最重要課題の一つと考え、収益力及び財務状況を総合的に考慮して、総還元性向を株主還元の指標としています。「VISION2030」における株主還元方針は、前中期経営計画から総還元性向の上限を5%引き上げ、30~45%目安としました。安定的な配当と継続的な増配を基本としつつ、財務状況や成長投資とのバランスを踏まえ、総還元性向の範囲内で自己株式取得を機動的に実施します。 ③ サステナビリティ戦略「VISION2030」の策定に合わせ、長期ビジョンにつながるサステナビリティ基本方針を新たに定め、中長期視点でマテリアリティを見直しました。事業を通じて利益ある成長とグローバルでの社会課題解決への貢献を両立させることで、持続的な企業価値向上と持続可能な社会の実現を目指します。 <マテリアリティの再特定>当社を取り巻く外部環境をもとに、複数のステークホルダーの観点から、リスク・機会の絞り込みを実施し、新たに5つのマテリアリティを再特定しました。これらのマテリアリティ及びサブマテリアリティに基づいて事業とESGを一体で推進することで、経済価値と社会価値の両立を図ります。 当社グループのサステナビリティ戦略についての詳細は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。 (4)事業上及び財務上の対処すべき課題当社は前述の経営環境のもと、新たに策定した中期経営計画「VISION2030」で掲げた各種施策を推進することにより、最終年度である2030年度の経営目標達成に向けて、持続的な企業価値向上を目指します。上記計画を実行していくにあたり、当社が認識している直近の対処すべき課題は以下のとおりです。2026年度は、セーフティ&セキュリティ分野では無線システム事業の部品供給不足による影響からの回復に加え、アナログからデジタルへの置き換えや危機管理対応などの堅調な需要が継続するものと見込んでおりますが、一方で主に上期を中心に米国政府機関の閉鎖による予算執行の遅延の影響を想定します。モビリティ&テレマティクスサービス分野では、OEM事業の国内用品の好調な販売を想定する一方で、メモリーの供給不足及び価格高騰などの影響が見込まれます。さらに緊迫する中東情勢など地政学リスクの高まりなど、当社を取り巻く環境は目まぐるしく変化しておりますが、これらの動向に引き続き留意しながら、影響をミニマイズすべく適切な対策を講じていきます。 (5)環境保全・社会貢献活動に向けた取り組み当社グループは、2021年度に環境ビジョンと環境基本方針を策定し、地球環境保全に対する基本的な考え方を示しました。2023年度には、環境基本方針の見直しを行い「JKグリーン2030」を策定し、「気候変動への対応」「資源の有効活用」「環境保全・管理」及び「生物多様性の保全」の4項目でそれぞれ目指すべきゴールを再設定しました。特に、気候変動への対応については、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、2030年に向けたScope1+2と3でそれぞれCO₂排出量削減の目標を設定しています。「気候変動への対応」及び「資源の有効活用」の目標達成に向けた活動として、環境マネジメントシステムに関する国際規格ISO14001認証取得を継続するとともに、CO₂の排出量削減進捗管理、資源利用に関する目標達成進捗を定期的に評価し、事業活動における環境への影響を軽減または回避するために努力を続けています。「環境保全・管理」「生物多様性の保全」に対して、自社及びサプライチェーンにおいて環境に配慮した方針の実現に向けて積極的に活動しています。活動事例として従業員に対する定期的な環境研修による啓発活動、環境法規制遵守に基づいた飛散性アスベストの除去及び保管している高濃度PCB汚染廃棄物も計画的に無害化処理を進める等の環境リスクの低減を推し進めています。製品開発においては、要素技術開発や商品設計に際してアセスメントを行う事によってRoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)やREACH(化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)等製品の有害化学物質管理や各国の法規制に対応しています。さらに、バリューチェーン全体におけるScope3(購入品の製造、輸送、販売した製品の使用等)のCO₂排出量削減及び環境負荷の低減を目指して製品の消費電力低減、プラスチック使用量削減、個装箱の小型化による積載効率の向上等にも取り組んでいます。また、社会貢献活動については、取り組みを通じて得られた知見や社会とのつながりが事業活動のさらなるレベルアップにつながると考えており、当社グループが有する社会課題を解決する製品を有効に活用しつつ、活動を展開しています。このような考えのもと持続可能な社会づくりのため、「災害対策への貢献」「健康と豊かな心や生活への貢献」「次世代育成への貢献」「地域コミュニティへの貢献」等の社会貢献活動の重点テーマとしています。これらの重点テーマは、当社グループのサステナビリティ基本方針である「利益ある成長とグローバルでの社会課題解決に貢献し、企業価値の向上と持続可能な社会の実現をめざす」という考え方と連動しており、社会貢献活動が社会価値と経済価値向上に繋がるよう取り組んでいきます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は以下のとおりです。 ① 財政状態及び経営成績の状況1)経営成績当連結会計年度における当社及び連結子会社の全社売上収益は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の主に民間市場において、部品供給不足による生産・販売減の影響を大きく受けたことに加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野及びエンタテインメント ソリューションズ分野のメディア事業において、米国の関税措置による影響を受けたことなどから、前年同期比で減収となりました。減収の影響を受けたことから、全社事業利益以下親会社の所有者に帰属する当期利益までの段階損益も、前年同期比で減益となりました。当連結会計年度の連結経営成績のサマリーは以下のとおりです。(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期前年同期比増減率売上収益370,308356,865△13,443△3.6%事業利益※25,30720,880△4,427△17.5%営業利益21,79220,540△1,252△5.7%税引前利益23,49021,660△1,830△7.8%親会社の所有者に帰属する当期利益20,27616,787△3,488△17.2%※売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除することにより算出され、主として一時的な要因からなるその他の収益、その他の費用、為替差損益などを含みません。セグメントの業績評価は「事業利益」を使用して説明します。 また、当連結会計年度の決算に使用した損益為替レートは以下のとおりです。 第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期損益為替レート米ドル約145円約147円約154円約157円 ユーロ約164円約172円約179円約184円前期(参考)米ドル約156円約150円約152円約153円 ユーロ約168円約164円約163円約161円 * 売上収益当連結会計年度における売上収益は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の主に民間市場において部品供給不足による生産・販売減の影響を大きく受けたことに加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野及びエンタテインメント ソリューションズ分野のメディア事業において米国の関税措置による影響を受けたことなどから、前年同期比で約134億円減(3.6%減収)となる3,568億65百万円となりました。 *事業利益当社は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除したものを「事業利益」としています。当連結会計年度における事業利益は、上記のとおり減収となったことなどから、前年同期比で約44億円減(17.5%減益)となる208億80百万円となりました。 *営業利益当連結会計年度における営業利益は、その他の収益・費用が大きく改善したものの、事業利益が減益となったことなどから、前年同期比で約13億円減(5.7%減益)となる205億40百万円となりました。 * 税引前利益当連結会計年度における税引前利益は、営業利益が減益となったことなどから、前年同期比で約18億円減(7.8%減益)となる216億60百万円となりました。 * 親会社の所有者に帰属する当期利益当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益が減益となったことなどから、前年同期比で約35億円減(17.2%減益)となる167億87百万円となりました。 2)財政状態*資産資産合計は、現金及び現金同等物や営業債権などの流動資産の増加に加えて、無形資産などの非流動資産が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約343億円増となる3,476億5百万円となりました。 *負債負債合計は、借入金の返済を進めましたが、転換社債型新株予約権付社債を発行したことなどから、前連結会計年度末比で約160億円増となる1,979億6百万円となりました。 *資本資本合計は、自己株式取得による減少はありましたが、利益剰余金が約147億円増加したことに加えて、前期末から主要通貨で円安が進行し、その他の資本の構成要素が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約183億円増となる1,496億98百万円となりました。 なお、親会社所有者帰属持分比率は、利益剰余金が増加したことなどから、前連結会計年度末比で1.5ポイント増加し41.4%となりました。 ② セグメントごとの売上収益及び損益セグメントごとの売上収益及び事業利益は以下のとおりです。(百万円) セグメントの名称2025年3月期2026年3月期前連結会計年度比 モビリティ&テレマティクス売上収益203,243195,748△7,495サービス分野事業利益4,8815,399+518セーフティ&セキュリティ分野売上収益100,00894,695△5,313 事業利益18,57912,736△5,842エンタテインメント売上収益57,93656,819△1,116ソリューションズ分野事業利益1,8492,517+668その他売上収益9,1209,602+482 事業利益△1226+228合計売上収益370,308356,865△13,443 事業利益25,30720,880△4,427 * モビリティ&テレマティクスサービス分野当連結会計年度におけるモビリティ&テレマティクスサービス分野の売上収益は、前年同期比で約75億円減(3.7%減収)となる1,957億48百万円、事業利益は同約5億円増(10.6%増益)となる53億99百万円となりました。(売上収益)OEM事業は、自動車関連部品や電子機器受託生産などを手掛けるJVCKENWOOD Hong Kong Holdings Limited(以下「JKHL」)の販売が、中国経済低迷による影響を受けて減少したものの、国内の用品事業の販売が好調に推移したことや、車載用スピーカー、アンプ、アンテナ、ケーブルなどを手掛けるASK Industries S.p.A.の販売が堅調に推移したことなどから、前年同期並みの実績となりました。アフターマーケット事業は、米国の関税措置による影響を受けたことなどから、前年同期比で減収となりました。テレマティクスサービス事業は、損害保険会社向け通信型ドライブレコーダーの販売が減少したことなどから、前年同期比で減収となりました。 (事業利益)OEM事業のJKHLが中国経済低迷による影響を受けたものの、国内の用品事業の販売が好調に推移したことや、アフターマーケット事業が減収の影響を受けながらも、価格改定にともなう利益改善効果があったこと、また、分野全体で固定費の削減に取り組んだことなどから、モビリティ&テレマティクスサービス分野全体では、前年同期比で増益となりました。 * セーフティ&セキュリティ分野当連結会計年度におけるセーフティ&セキュリティ分野の売上収益は、前年同期比で約53億円減(5.3%減収)となる946億95百万円、事業利益は同約58億円減(31.4%減益)となる127億36百万円となりました。(売上収益)無線システム事業は、第1四半期連結会計期間に受けた部品供給不足による生産・販売減の影響から、第2四半期連結会計期間以降は回復に向かいましたが、下期は民間市場において製品供給タイミングの遅れによる販売機会損失の影響を受けました。加えて公共安全市場においても、米国政府機関の閉鎖による予算執行の遅延の影響を受けたことなどから、第1四半期連結会計期間に受けた影響を挽回するまでにはいたらず、前年同期比で約50億円の減収となりました。業務用システム事業は、株式会社JVCケンウッド・公共産業システムの販売が堅調に推移しましたが、ヘルスケアが減収となったことから、前年同期比で約3億円の減収となりました。(事業利益)無線システム事業は、ヘルスケアの撤退による損失引当を計上したことなどから、セーフティ&セキュリティ分野全体では、前年同期比で減益となりました。 * エンタテインメント ソリューションズ分野当連結会計年度におけるエンタテインメント ソリューションズ分野の売上収益は、前年同期比で約11億円減(1.9%減収)となる568億19百万円、事業利益は同約7億円の大幅増となる25億17百万円(36.2%増益)となりました。(売上収益)メディア事業は、米国の関税措置による影響を受けたことなどから、前年同期比で約43億円の減収となりました。エンタテインメント事業は、コンテンツの販売が好調に推移したことなどから、前年同期比で約32億円の大幅な増収となりました。(事業利益)メディア事業が減収影響を受けたものの、エンタテインメント事業が大幅な増収となったことから、エンタテインメント ソリューションズ分野全体でも前年同期比で増益となりました。 ③ キャッシュ・フロー* 営業活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度において営業活動により増加した資金は337億58百万円となり、前年同期比で約23億円収入が増加しました。主な要因は、税引前利益は減少しましたが、運転資金が減少したことなどによるものです。 * 投資活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度において投資活動により減少した資金は223億4百万円となり、前年同期比で約8億円支出が増加しました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出は減少しましたが、有形固定資産の売却による収入も減少したことなどによるものです。 * 財務活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度において財務活動により増加した資金は17億61百万円となり、前年同期比で約206億円支出が減少しました。主な要因は、銀行借入れの返済や自己株式の取得による支出の増加はあったものの、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入があったことなどによるものです。 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期比で約171億円増となる657億16百万円となりました。 ④ 生産、受注及び販売の実績* 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%)モビリティ&テレマティクスサービス分野197,302△1.68セーフティ&セキュリティ分野100,7702.10エンタテインメント ソリューションズ分野57,346△1.76その他10,29212.85合計365,711△0.31(注)金額は販売価格で計上しており、消費税等は含まれていません。 * 受注実績当社グループの製品のうち、モビリティ&テレマティクスサービス分野、セーフティ&セキュリティ分野、エンタテインメント ソリューションズ分野、その他については原則として見込生産によっています。ただし、エンタテインメント ソリューションズ分野におけるエンタテインメント事業の一部は受注生産によっていますが、これらは受注と同時に生産・引渡しを行うため受注高と販売高はほぼ同額です。 * 販売実績当連結会計年度における販売実績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②セグメントごとの売上収益及び損益」に、セグメントごとに記載しています。なお、主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討事項は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 重要な会計上の見積り当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容1) 経営成績当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりとなりました。なお、当社グループは、2025年10月31日付で2026年3月期通期連結業績予想の修正を行っています。(百万円) (参考)2026年3月期通期連結業績予想(2025年5月1日付期初業績予想)2026年3月期通期連結業績予想(2025年10月31日付修正業績予想)2026年3月期通期連結実績2026年3月期通期連結業績予想比(2025年10月31日付修正業績予想比)売上収益358,000360,000356,86599.1%事業利益20,00021,00020,88099.4%営業利益19,00020,50020,540100.2%税引前利益19,50021,00021,660103.1%親会社の所有者に帰属する当期利益14,00015,50016,787108.3% 当連結会計年度の経営成績は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の主に民間市場において、部品供給不足による生産・販売減の影響を大きく受けたことに加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野及びエンタテインメント ソリューションズ分野のメディア事業において、米国の関税措置による影響を受けたことなどから、売上収益は3,568億65百万円、営業利益は205億40百万円、税引前利益は216億60百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は167億87百万円となりました。 2) 財政状態財政状態の分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の概要 2)財政状態」に記載しています。 3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析*キャッシュ・フロー当社は、事業活動に必要な資金について、営業活動で獲得したキャッシュ・フローを投入し、不足分については主に銀行等金融機関から借入金により資金調達を行っています。また、戦略的な資金調達として、ゼロ・クーポンで調達コストを抑えることができるユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を総額300億円で発行するなど資金調達方法の多様化を図っています。なお、当社は、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動で支出されたキャッシュ・フローの合計をフリーキャッシュ・フローとして定義し、当社はこの指標を戦略的投資又は借入金返済に充当可能な資金、或いは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、有用な指標と考えており、以下のとおりフリーキャッシュ・フローを算出しています。 また、これらの分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フロー」に記載しています。(百万円) 2025年3月期2026年3月期営業活動によるキャッシュ・フロー31,45233,758投資活動によるキャッシュ・フロー△21,545△22,304フリーキャッシュ・フロー9,90611,454 *資金需要当社の運転資金のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び宣伝販促費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めています。 *財務政策当社は、株主への安定的な利益還元を図っていくとともに、今後の成長に向けた投資、財務基盤の強化を図り、大きな成長を実現する事業の構築を推進して行き、その時々の経営状況に鑑みて、株主還元、有利子負債の返済、投融資に配分して資金を使用します。この2年間での資金配分は以下のとおりとなっています。(百万円) 2025年3月期2026年3月期株主還元7,0667,365投融資26,46024,225有利子負債の返済11,15514,107※1. 株主還元は、配当支払い額と自己株式の取得額の合計額。ただし、2025年11月14日付で実施した自己株式の取得額50億円は含めておりません。※2. 投融資は、投資キャッシュ・フローから定期預金の増減、資産売却及び分配による収入を除外した額。※3. 有利子負債は、借入金純増減額の減少額とリース負債の返済額の合計額で、合計額がマイナスの場合は「-」(増加(収入)となる。)となります。 4) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析当社グループにおいては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載した各種の要因が、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

事業リスク

  • 原材料調達の外部依存
    製品開発・製造に必要な原材料や部品、ソフトウェアなどを外部に依存しているため、サプライヤーとの関係悪化、経営問題、自然災害、感染症、地政学的リスク、輸出規制などにより、供給遅延や停止、価格高騰が発生する可能性があります。特に半導体の需給逼迫やレガシー半導体の供給制約は、生産活動や収益に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • グローバル物流リスク
    製品の生産・販売活動がグローバルに展開されているため、地政学的緊張、通商政策の変動、自然災害、港湾機能の制約などにより、物流の遅延や輸送コストの上昇が発生する可能性があります。紅海・スエズ運河航路の不安定化やホルムズ海峡の封鎖リスクは、海上輸送コストの大幅な上昇や輸送網の混乱を引き起こし、事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 事業環境の変化
    世界経済の不透明化や技術革新の激化、社会・顧客価値の変化など、事業を取り巻く環境は常に変動しています。特に、セーフティ&セキュリティ分野での米国政府機関の予算執行遅延や、モビリティ&テレマティクスサービス分野でのメモリー供給不足と価格高騰は、事業計画の達成に影響を与える可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|19,513 文字
3【事業等のリスク】当社グループに関するリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載します。ただし、これらに記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績及び財務状況は、係るリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 <当社グループにおけるリスク管理体制>当社グループでは、リスクを「事業計画の達成を阻害する可能性があるもの」と捉え、全世界で事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、影響及び損害の最小化を図るとともに、これらを機会として活かすための体制を整備しています。全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する最高リスク責任者(CRO:Chief Risk management Officer)を置き、配下に各事業分野、グループ会社責任者を配置し、リスク管理担当部門を事務局としてリスクマネジメントプロセスに基づいて各職場が主体的に直面し得るリスクを定期的に洗い出し、リスクの事前把握と、発現した際の迅速な対応含め施策を進めています。また、2023年度よりTCFD提言に沿った気候変動リスクへの取り組みを推進するため、リスク管理体制を強化しており、気候変動問題に起因する移行リスク※1、物理的リスク※2は、一般的なリスクとは別に分類した上で、重要度評価を行い、他のリスクと統合した形で管理しています。※1 低炭素社会に移行する際に発生するリスク※2 気候変動による物理的変化によって発生するリスク気候変動に関するリスク管理体制の詳細につきましては、上記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1.気候変動への対応 (2)リスク管理」を参照ください。 <当社グループにおけるリスクマネジメントプロセス>・当社グループの全部門を対象に毎年リスクサーベイランスを行い、各事業部、地域、グループ会社において事業の現場で直面するリスクを洗い出して「事業拠点リスク」と位置付けて、影響度・緊急性・発生頻度及び対応状況を踏まえてリスク評価するとともに対策を策定し実行、施策進捗をモニタリングし改善するサイクルを、それぞれの部門において実施・最高経営責任者(CEO:Chief Executive Officer)が主宰し、最高リスク責任者(CRO)を議長、議長により指名された本社部門長及び各事業分野の担当役員を構成員として設置される全社リスク管理会議において、各事業部・地域により洗い出された「事業拠点リスク」と経営課題・事業課題を踏まえ、経営への影響度や緊急性、インシデント発生状況等を勘案して抽出したリスク課題を「最優先で取り組むべきグローバル重要リスク」と位置付けてリスク解決に向けた施策を策定し、経営層レベルによる全社的視点での取り組みとして当該リスク管掌担当役員を対応推進責任者に指名・対応推進責任者は、連結会計年度の事業計画の達成へ向けて、グローバル重要リスクに対する施策を各事業部・地域に落とし込んで改善するサイクルを実施し、進捗をモニタリング (1)事業環境の変化等にともなうリスク① 原材料等の調達の外部依存について当社グループ製品の開発・製造活動において、外部より十分な品質の原材料、部品、機器、ソフトウェア、サービス等を競争力のあるコストでタイムリーに必要量を確保することが重要です。当社グループにおいては外部の部品開発業者、生産業者、部品供給業者、製品開発業者、ソフトウェア開発業者等からの購入、生産委託、又は共同開発等により、外部業者に対して一定程度依存をしています。このため、外部事業者との関係悪化、経営問題、品質問題、自然災害や事故等による操業停止、感染症の拡大等に加え、昨今の地政学的リスクの高まりや経済安全保障政策の強化にともなう輸出規制・投資規制の拡大、通商摩擦の長期化等により、供給の遅延・停止や開発の遅延・中断が生じた場合、当社グループの製品開発・製造活動に支障を来たし、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。近年では、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の不安定化に加え、特にイランを巡る地政学的緊張の高まりにともなうエネルギー供給不安や海上輸送ルートの安全性低下(ホルムズ海峡等の重要航路への影響懸念)により、原材料価格の上昇や物流の遅延・輸送コスト上昇リスクが一層高まっています。具体的には、輸送費高騰にともなう値上げ要請や、塗料やシンナー、梱包材、樹脂材の供給が一部不透明になりつつあり、パネル塗装の削除、シンナーの海外からの輸入や梱包の簡素化・再利用、再生材の活用検討等を進めていますが、当社グループの生産活動の停滞、収益の悪化、納期遅延等のリスクが顕在化する可能性があります。さらに、生成AIの急速な普及・拡大にともない、データセンター投資及びAI関連機器需要が世界的に急増しており、高性能半導体(GPU、HBM等)、先端パッケージ、電子部品等の需給が逼迫しています。この影響により、当社グループが使用する半導体メモリーについても、需給逼迫による調達難易度の上昇、リードタイムの長期化、価格上昇及び価格変動の拡大、特定顧客への供給優先による調達制約といったリスクが顕在化しています。加えて、セーフティ&セキュリティ分野等で使用する一部のレガシー半導体については、製造元の設備老朽化や生産縮小・撤退等により供給制約リスクが高まっており、特定供給元への依存度が相対的に高い状況にあります。当該リスクに対し、主要サプライヤーとの連携強化を通じた需給動向の早期把握に加え、マルチソーシングの推進、戦略在庫(BCP在庫)の適正保有、汎用部品の優先採用、商社の活用による調達柔軟性の確保等の施策を講じ、調達リスクの低減と供給安定化に努めています。また、地政学リスクを踏まえた調達先の分散化も推進しています。しかしながら、これらの対策が常に有効に機能する保証はなく、当社グループの想定を超える規模や期間において外部事業者側の供給制約や事業環境の変化が生じた場合には、製品供給の遅延やコスト増加等を通じて、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 物流リスクについて当社グループ製品の生産・販売活動の多くは日本国外で行われており、物流活動もグローバルに展開されています。各国・各地域における地政学的緊張の高まり、通商政策の変動、自然災害の激甚化、港湾・空港機能の制約等の物流上の問題が、当社グループのグローバルサプライチェーン全体に波及し、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループはアジア地域での生産比率が高く、当該拠点からグローバルに供給を行っています。近年、イスラエル・パレスチナ情勢を背景とした紅海・スエズ運河航路の不安定化により、アジア―欧州間を中心に輸送ルートの変更(喜望峰経由等)を余儀なくされており、これにともなう物流リードタイムの長期化及び海上運賃の上昇が発生しています。さらに中東地域におけるイスラエル・米国によるイランへの攻撃により、原油・LNG輸送の要衝であるホルムズ海峡における封鎖が発生しており、封鎖が長期化した場合、エネルギー供給の逼迫及び燃料価格の急騰を通じて、海上・航空輸送コストの大幅な上昇や輸送網の混乱を引き起こす可能性があり、これらの影響は一部において既に顕在化しています。加えて、当該海域を通過する貨物輸送への直接的な影響(遅延・迂回・保険料上昇等)も想定され、グローバル物流全体の停滞やリードタイムの更なる長期化につながるリスクがあります。また各国における輸出入規制の強化、経済安全保障政策の進展及び米国を中心とした関税政策の見直し等により、国際物流における物量の変動や物流ネットワークの分断が生じる可能性があります。これにより輸送需給の逼迫や運賃の変動が発生し、当社グループの調達、製造及び販売活動に影響を及ぼす可能性があります。加えて、脱炭素化に向けた各国の環境規制の強化(海運におけるGHG排出規制等)や燃料価格の変動は、中長期的に物流コストの上昇要因となる可能性があります。一方、日本国内における当社グループ製品の生産・販売にともなう物流活動においては、2024年4月からの働き方改革関連法の適用(いわゆる「2024年問題」)に加え、ドライバー不足の深刻化、人件費・燃料費の高騰等を背景に、輸送能力の制約及び物流コストの上昇が継続することが見込まれます。当該リスクに対し、製品総原価の見直しにより上昇する輸送コストの吸収を試みるとともに、輸送能力の状況に応じて出荷頻度の見直しを行い、供給量の安定化を図る等の施策により、販売への影響が及ぶ可能性の低減を目指します。しかしながら、想定を超える問題が発生した場合には、当社グループの社会的責任の遂行や事業活動に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績、財務状況及び社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ サプライチェーンリスクについて当社グループ製品のサプライチェーンシステムにおいては多くの取引先がステークホルダーとして存在していますが、これらのそれぞれの取引先での社会的責任の遂行状況は、当社グループ製品のサプライチェーンシステム自体が社会的責任を果たしているかに直結します。取引先で生じた問題が当社グループのグローバルサプライチェーン全体に波及し、当社グループが社会的責任を果たせなくなる結果として、当社グループの事業、業績、財務状況及び社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。近年においては、各国・地域における人権・環境デューディリジェンスに関する法規制の強化(欧州を中心としたサプライチェーン規制、強制労働排除規制等)や、ESGに関する開示要請の高度化が進展しており、サプライチェーン全体にわたる透明性及びトレーサビリティの確保が一層重要となっています。また、紛争鉱物やレアメタル・レアアース等の責任ある調達に対する社会的要請の高まりや、地政学リスクに起因する調達先の変更にともなう新規サプライヤーのリスク顕在化等も、当社グループにとって重要な課題となっています。さらに、サイバーセキュリティリスクの高まりにより、サプライチェーン上の取引先を起点とした情報漏えいやシステム障害が発生した場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、人権や環境に配慮した健全なサプライチェーンの構築を目的として、サプライヤー向けSAQ(Self Assessment Questionnaire)による実態調査を実施し、取引先に調達方針、 CSR 調達ガイドラインへの理解と実行を要請しています。その活動状況についてはサプライヤーミーティング、SAQ等を通じて定期的に検証・共有し、社会的責任を果たす取り組みを推進します。しかしながら、サプライチェーンは多層かつ広範にわたるため、すべての取引先における状況を完全に把握・管理することは困難であり、当社グループの取り組みが十分に機能しない場合や、想定を超える問題が発生した場合には、当社グループの社会的責任の遂行や事業活動に影響を及ぼし、結果として当社グループの事業、業績、財務状況及び社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 経済状況等の変化によるリスクについて当社グループの製品・サービスに対する需要は、販売国又は地域の経済状況や景気動向の影響を受けやすく、世界的な景気後退、インフレの長期化、金利上昇、為替変動などのマクロ経済環境の変化が生じた場合には、需要の減少や顧客の購買行動の変化を通じて、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループの製品のうち、個人顧客を主要な購買層とする製品については、各国・地域における個人消費の動向、可処分所得の増減、消費者心理の変化、ライフスタイルや嗜好の変化等の影響を受けやすい特性を有しています。近年は、物価上昇や金利上昇を背景とした消費抑制の動きや、消費者の購買判断の慎重化が見られており、これらの動向が継続又は拡大した場合には、当社グループ製品の販売数量や販売単価に影響を与えるおそれがあります。また、地域ごとに経済環境や消費動向の変化の度合いが異なることから、市場ごとの需要変動が想定以上に拡大又は長期化する可能性があります。一方、各国の政府・官公庁等の公的機関や法人顧客を主要な購買層とする製品・サービスについても、顧客が所在する国・地域の経済状況、財政状況、政策動向及び政治情勢の変化等により、設備投資や公共投資の縮小、予算執行の遅延、調達計画の見直し、案件の中止や延期が生じる可能性があります。特に、経済減速局面や政治的な不確実性が高まる局面においては、予算執行の遅延や入札条件の厳格化等に加え、自国優先的な政策運営の影響等により受注環境が変動する可能性があり、これらが当社グループの受注機会や収益性に影響を及ぼす場合があります。当該リスクは、発生の時期・内容・規模・地域等が不明確であり、事前に影響の測定が困難なものですが、当社グループは当社グループの予測からの変化を常にモニタリングし、日々のオペレーション対応からコンティンジェンシープランの実施まで、リスク規模に合わせた迅速でフレキシブルな対応をリスクマネジメントプランに則り対応し、リスクの回避又は影響の最小化を図っています。ただし、国際情勢の不安定化、地政学的リスクの高まり、国際紛争の長期化、感染症の再拡大等に起因して世界経済の先行き不透明感が増大した場合には、特定の国や地域にとどまらず、複数市場で同時に需要減少や事業環境の悪化が生じる可能性があります。 ⑤ 為替相場及び金利の変動による影響について当社グループの売上収益に占める海外向の割合は5割以上あり、拠点及び取引先は世界各国にわたっています。外貨建てで取引されている海外での製品・サービスのコスト及び価格は為替相場の変動により影響を受け、加えて連結財務諸表作成にあたり海外の現地通貨建ての資産・負債等が円換算されることから為替相場の変動による影響を受けるため、為替相場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一般的に、当社グループの為替感応は、ユーロに対する円高で業績は悪化し、米ドルに対する円高で業績は良化します。また、金利の変動は、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、主要通貨での予定取引及び資産・負債の一部に対して為替予約等ヘッジ取引を実施することにより、急激な為替レートの変動リスクの軽減に努めています。また、金利変動に対しては、固定金利で資金調達の割合を高めることによりリスクの軽減を図っております。しかしながら、主要通貨において当社グループの想定を超える長期的な為替相場の不利な変動や急激な金利上昇が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 顧客の資金状況・財務状況について当社グループは、代金後払いの条件で顧客へ製品等の販売を行っている取引があります。当社グループが多額の営業債権を有する顧客の財務状況が悪化し、期限どおりの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し当社グループは、取引先毎の財務状況調査により財務体力に応じた与信限度の設定、L/C取引、取引信用保険の付保等の対応を行いリスクの回避に努めています。 ⑦ 業界動向の変化当社グループが事業を展開する業界は、デジタル化、ネットワーク化、ブロードバンド化の進展に加え、AI・ソフトウェア技術の高度化等を含む科学・技術の急速な進歩や、ビジネスモデルの変化・サービス化の進展により、製品・サービスの境界が曖昧になりつつあります。その結果、従来の同一業界内にとどまらず、隣接業界や異業種からの参入、業界横断的な競争の激化が進行しており、市場構造や競争環境が大きく変化する可能性があります。また、このような事業環境の変化にともない、異業種又は隣接業種からの新規参入が進展し、競争環境が一層厳しさを増す可能性があります。このような環境下において、競合他社による組織再編、事業提携、M&A等が進展することにより、同一業界内又は隣接業界・異業種間における競争力の相対的な位置付けが変化する可能性があります。また、業界内におけるビジネススキームの転換、プラットフォーム化の進展、標準規格や技術トレンドの変化等が生じた場合には、当社グループがこれまで強みとしてきた技術、製品、サービス、事業モデルが、市場において十分な競争優位性を維持できなくなるおそれがあります。さらに、競争環境の変化により、当社グループが規模のメリット、研究開発力、価格競争力、ブランド力、資金調達力、原材料・部材の調達条件、生産拠点の優位性、販路の確保、ならびに環境・社会・ガバナンスに対する評価等において、競合他社に対し相対的に劣後する可能性があります。こうした状況が発生した場合には、当社グループが想定する市場シェアの維持又は拡大が困難となり、収益性の低下や事業構造の見直しを迫られるおそれがあります。これらの業界動向の変化は、発生の時期や影響の範囲、競争環境への影響度合いを事前に正確に予測することが困難であり、想定を上回る速度や規模で顕在化する可能性があります。このような場合には、当社グループが業界において有してきた現在の地位を将来にわたり維持・発展させることができるとの保証はなく、結果として、当社グループの事業、業績及び財務状況に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうした環境変化に対応するため、重点事業領域への経営資源のシフトや技術開発の強化、パートナー連携の推進等に取り組んでいます。 ⑧ 市場における競争の激化当社グループが製品・サービスを提供する各市場においては、国際的な大企業から、特定分野に強みを有する中堅企業、さらには新興企業や異業種からの参入企業に至るまで、多様な競合他社が存在し、競争環境は一層激化する傾向にあります。これらの競合他社の中には、当社グループと比較して、より大きな財務基盤、研究開発力、技術力、マーケティング力、又は価格競争力を有する企業も存在しています。競合他社が、市場シェアの拡大や寡占化を目的として、大規模な投資、積極的な価格戦略、迅速な製品投入やサービス拡充を行った場合には、当社グループ製品・サービスの競争環境が大きく変化する可能性があります。その結果、当社グループが競争上の優位性を十分に維持できない場合には、販売数量の減少、販売価格の下落、収益性の悪化、又はブランド価値の低下が生じるおそれがあります。また、競争の激化にともない、市場全体で価格下落圧力が恒常化又は急激に高まる可能性があり、当社グループが取り組むコスト削減や高付加価値製品の開発による付加価値創出が、必ずしも十分に製品価格へ転嫁できない場合があります。特に、需要が低迷する局面においては、価格競争が一層激しくなり、当社グループが想定する利益水準の確保が困難となる可能性があります。さらに、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが加速する中で、競合他社が新たな技術やビジネスモデルを採用した製品・サービスを市場に投入した場合には、当社グループの既存製品や強みが相対的に競争力を失う可能性があります。このような競争環境の変化は、発生の時期や影響の範囲、競争への影響度合いを事前に正確に予測することが困難であり、当社グループの想定を超える形で顕在化するおそれがあります。これらの市場における競争の激化により、当社グループが現在有している市場シェアや収益構造を将来にわたり維持できるとの保証はなく、その結果として、当社グループの事業、業績及び財務状況に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクに対応するため、差別化技術の強化や付加価値の高いソリューションの提供、収益性改善に向けた事業の再構築を推進しています。 ⑨ 技術革新における競争について技術革新が重要な競争要因になっている中で、当社グループとして絶えず研究開発活動への資金・資源を投入し続ける必要があります。当社グループの新たな製品開発に必要、又は市場から要求される技術は常に高度化しており、近年ではAI・ソフトウェア、データ活用等を含む技術領域の拡大・複雑化が進展しています。また、持続可能な社会実現への期待や各国・地域における環境規制等も高まっており、脱炭素対応や環境負荷低減等に係る技術開発・製品対応には多額の投資を要する可能性がありますが、その投資が必ずしも市場評価や収益拡大に結び付く保証はありません。当社グループが将来の市場ニーズや技術トレンド、社会的要請を正確に予測し、適切な研究開発テーマの選定及び商品化を行った場合においても、それらが当社グループの業績向上に確実に寄与するとの保証はありません。さらに、当社グループの予測を超える競合他社による急速かつ広範な技術革新、事業環境の変化、又は外部技術・プラットフォームへの依存度の高まりにより、当社グループの開発した製品やサービスがこれらに対する競争力を維持できない可能性があります。加えて、研究開発活動等に十分な資金・資源の投入ができない場合や、高度な専門性を有する研究開発人材、特にAI・ソフトウェア等の分野における人材の確保・育成が計画どおり進まない場合、又はこれらの人材が外部へ流出した場合には、十分な商品化開発が進まず、その結果当社グループの製品やサービスの競争優位性が低下し、市場でのシェアの低下や売上収益を確保できないリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、変化する市場環境、社会的要請、技術トレンド、構成部品及び第三者ソリューションの市況等を踏まえた中長期の技術開発・製品化ロードマップを適時見直すとともに、全社横断的なモニタリング体制の強化、外部パートナーとの連携活用及び計画的な人材育成施策を推進することにより、リスクの低減に努めてまいります。 ⑩ 国際的な事業活動におけるリスク当社グループは、海外の複数の国及び地域において事業活動を展開しており、各国・地域に固有の労使関係、宗教・文化、商慣習の相違に加え、政治・経済情勢の不安定化、治安状況の悪化、行政運営や政策の変化等により、事業運営上の制約や予期しないコストの発生に直面する可能性があります。また、海外においては、会計基準、税制、労働関連法令、競争法、環境規制、輸出入規制等の法令・規制が頻繁に改正又は新設される場合があり、これらへの対応が遅れた場合や解釈に相違が生じた場合には、追加的なコスト負担、課税、罰金・制裁金の支払、事業活動の制限等が生じる可能性があります。特に、税務当局との見解の相違により、想定外の税負担が発生する可能性もあります。さらに、近年は、持続可能性(環境・人権・サプライチェーン管理等)に関する規制や評価要件が国・地域ごとに異なる形で高度化・厳格化しており、こうした要請への対応状況によっては、取引条件の悪化、調達・販売機会の減少、企業評価やブランド価値への影響が生じるおそれがあります。当社グループは、海外における製品の輸出入に際し、各国の関税法令に基づき適切な通関申告を行っていますが、関税分類や申告内容に関して、輸出入国の通関当局との解釈の相違が生じた場合には、後日、修正申告、追加関税や追徴金の支払等を求められる可能性があります。このような事態が発生した場合には、コスト負担の増加のみならず、物流の停滞や取引先との関係に影響を及ぼす可能性があります。これらの国際的な事業活動にともなうリスクは、発生の時期、影響を受ける国・地域、影響の規模や内容を事前に正確に把握することが難しく、地政学的リスクの高まりや国際情勢の急変等により、複数の国・地域で同時に顕在化する可能性があります。このような場合には、当社グループの海外事業の継続性や収益性に影響を及ぼし、結果として、当社グループの事業、業績及び財務状況に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクに対応するため、各国・地域における法令・規制動向や地政学情勢のモニタリングの強化、グローバルでのリスク管理体制の高度化、サプライチェーンの最適化及び分散化等に取り組んでいます。 (2)事業オペレーションにともなうリスク① 情報セキュリティリスクについて当社グループでは、お客様の個人情報や取引情報、ならびにサプライチェーンパートナーとの機密情報を取り扱っており、これらの情報が不正アクセスや悪意のある行為等により外部へ流出するリスクがあります。また当社グループの製品及びサービスには、外部デバイスやメディアがネットワークと連携するものが含まれており、製品の脆弱性に起因する誤動作や、サイバー攻撃による関連システムの機能不全により、サービス提供遅延等が発生するリスクがあります。これらの事象が発生した場合、顧客や関係者への損害賠償、対応コストの増加、ブランド価値や社会的信頼の毀損等を招く可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼすおそれがあります。そこで、当社グループでは、情報の安全性確保を最優先事項の一つと位置づけ、事業継続及び企業価値向上の観点から、「情報セキュリティリスクへの対応」を重要リスクとして認識し、「インシデント対応体制の整備」及び「セキュリティ教育の推進」に取り組んでいます。インシデント対応体制については、情報セキュリティの三要素である「機密性・完全性・可用性」の確保を基本方針とし、全社情報セキュリティ委員会及びCISO(Chief Information Security Officer)のもと、JK-CIRT/CC(JVCKENWOOD Central Incident Response Team/Coordination Center)を中心とした体制を構築しています。本体制では、当社組織の機能に則した5つのカテゴリ※から構成される各SIRTを全社横断的に配置し、各SIRTが社内各部門及び事業部門と連携することで、社内の通信インフラ、開発ツール、サーバー、クラウド、ポータル及び配信チャネルに至るまで、対応力の強化に取り組んでいます。加えて、社内規程の定期的な見直しやセキュリティポリシーの遵守徹底を通じて、継続的な情報セキュリティ管理体制の改善を図っています。セキュリティ教育については、全社を対象とした一般教育に加え、エンジニア向けの専門教育や実地研修、外部講師を招いた経営層向け勉強会を実施しています。これらを通じて、情報セキュリティリテラシーの向上を基盤としつつ、セキュリティ技術力及び情報セキュリティマネジメント力の強化を進めています。当連結会計年度においては、情報セキュリティインシデントの多くが人的要因に起因していたことから、発生要因の分析及び再発防止策の徹底を進めています。あわせて、AIやクラウドなどの新たな技術環境に即したセキュリティ対応を推進しています。なお、2024年2月に発生した事案については、引き続きCSIRT/FSIRTが連携し、生産拠点におけるセキュリティ管理体制の改善に取り組んでいます。これらの継続的な取り組みにより、ステークホルダーからの信頼性向上を図るとともに、安全かつ持続可能な製品及びサービスの提供に努めていきます。(※)5つのカテゴリ:C(コンピュータ)、P(プロダクト)、F(ファクトリー)、S(サービス)、Pr(プロキュアメント) ② ITシステムの安定的な稼働ができないリスクについて製造及び販売等の事業運営を支える基幹ITシステムが安定的に稼働しない場合、当社グループの事業活動や業績、さらには財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、システム障害やデータ損失への対策として、データセンターやSaaS(Software as a Service)において高度なセキュリティ対策及び冗長化されたインフラを活用し、システムのダウンタイムの最小化に努めています。あわせて、定期的なデータバックアップを実施することにより、業務継続性の確保を図っています。また、サイバー攻撃に対しては、「ゼロトラスト」を基本概念としたネットワーク及びセキュリティ対策を強化し、ITシステムの安定的な稼働を推進しています。さらに、これらの対策を確実に機能させるため、大規模災害、パンデミック、サイバー攻撃等の緊急事態を想定した事業継続計画(BCP)を策定し、訓練の実施を通じて定期的な見直しを行っています。 ③ 品質及び情報セキュリティ上の問題の発生について当社グループは、様々な製品を製造・販売しており、その製品の特性上、製品に欠陥が発生し、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)が発生する可能性があります。また、近年、製品の高度化・ネットワーク化の進展にともない、製品や業務システム等に対するサイバー攻撃、不正アクセス、情報漏えい、システム障害等のサイバーセキュリティ上のリスクも高まっています。これらの事象が発生した場合、製品の安全性・信頼性の低下、サービス停止、顧客情報の漏えい等につながる可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、企画・開発・生産の各工程において、品質を重視した各プロセスの基準遵守と有効なフェイズゲートを設け、品質に問題が生じぬよう徹底したチェックを行っています。また、サイバーセキュリティリスクについては、情報セキュリティポリシーの整備、システム及びネットワークの安全対策、製品におけるセキュリティ設計・評価の実施、従業員への教育・啓発等を通じ、リスク低減に努めています。しかし、これらの取り組みを実施しても、品質問題やサイバーセキュリティに起因する事故・障害が発生する可能性を完全に排除することは困難であるため、当社グループは製造物賠償責任保険へ加入しています。併せて、重大製品事故(PL(Product Liability:製造物責任)法問題を含む)を含む品質問題及び製品・システムに関わるセキュリティインシデント防止に向けた全社的な取り組みとして、1)新機種の製品安全評価、2)重要安全部品管理の強化、3)製品安全マネジメント体制及びサイバーセキュリティ管理体制の維持・強化(PL情報及びセキュリティ関連情報のデータベース化、オペレーションの明確化と迅速化)、4)品質向上・安全性及びセキュリティ確保に向けた設計・評価ノウハウの全社共有の推進を行っています。また、これらの仕組みの構築に加え、品質月間等のイベント実施や、定期的な社内外の品質・セキュリティ関連情報の社内展開を通じて、従業員の意識向上を図っています。しかしながら、このような取り組みを実施しても、当社グループの製品における欠陥や、サイバーセキュリティ上の脅威を完全に防止できるものではありません。また、製造物責任や情報漏えい等に関する責任の範囲が、当社グループの加入する保険の対象範囲を超える場合等、当社グループの想定を超える事態が発生した場合には、賠償責任の発生、品質対策費用やセキュリティ対応費用の増加、さらには当社グループのイメージ・評価の低下、ブランド価値の低下等を招き、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 人材の確保、喪失、高齢化当社グループの全ての事業活動の成果の多くは人材に大きく依存しています。特に高度な専門知識や経験を持った有能かつ熟練した従業員が賃金水準、待遇の相対的低下、労働環境の悪化等の事情によって当社グループ外に流出した場合や、人員構成比率の高い50代の従業員が退職した後の人材補充が適正に行われない場合や省人化による生産性向上が十分でない場合には、当社グループの将来の事業活動に悪影響を与え、技術や業務ノウハウの伝承が円滑に行われず、企業競争力の低下を招く等、事業の持続可能性に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループでは、2026年5月に策定した「VISION2030」で掲げている、経営戦略と人材戦略の連動やエンゲージメントの向上を柱とした人的資本経営の実践にむけて、経営戦略と連動した人材要件の策定、またそれを実現するための人材ポートフォリオ改革を進めると共に、人材の多様性(ダイバーシティ)を尊重し、異なる考え方を受け入れる(インクルージョン)、ダイバーシティ&インクルージョンの推進とそれを可能にする制度作りに積極的に取り組んでいます。事業戦略に沿った計画的な育成のもと、多様な発想や価値観を持った人々が互いを尊重し、刺激し合うことで、革新的なアイデアが生みだされ、それにより世界中のお客さまの多様なニーズに応えることができると考えます。また、当社グループは「VISION2030」の達成に向けて「事業戦略と連動したマルチスキル人材の育成」「採用の戦略的実施」等により多様な人材を確保するとともに、プログラム「JVCKENWOOD CAREER DESIGN」を立ち上げ、従業員のキャリアパスの見える化やキャリア相談機会の充実に注力することで従業員のキャリア開発を促進し、テレワークと出社を効率よく行うハイブリッドワークを中心とした働き方改革との相乗効果により従業員の定着と年齢構成の適正化、リバランスを進め、企業競争力の維持、事業継承に対するリスク低減に取り組んでいます。 ⑤ M&A・他社との提携の成否当社グループは、新製品・サービスの提供や、企業価値の向上、新たな事業展開を目的とし、他社とのパートナーシップが必要と判断した場合には、M&A、業務・資本提携や合弁会社設立等を行っています。実施に当たっては、リスク分析、当社グループとの相乗効果の可能性等十分に検討を行い進めていますが、市場や競合関係、技術イノベーションの変化等において著しい変化があった場合、当初想定した成果を出すことができず、投資額を回収できなくなる可能性があります。また、当社グループがこれらのパートナーを十分にコントロール又はモニタリングできない場合等、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があり、加えて、これらのパートナーが事業戦略を変更した場合等には、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。さらに、M&Aや資本提携等の実施後の事業統合(PMI)の過程において、統合プロセスが当初想定どおりに進まないこと等により、当初想定したシナジー効果が十分に発現せず、期待した成果を得られない可能性があります。その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 持分法適用関連会社の業績・財務状況当社グループは、持分法適用関連会社の株式を保有しています。係る関連会社は通常、自らの方針のもとで、経営を行っており、こうした関連会社が損失を計上する場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)財務・会計に関するリスク① 有利子負債に付された財務制限条項を維持できない場合当社グループの有利子負債に係るコミットメントライン契約及びターム・ローン契約には財務制限条項を含む期限前弁済条項が付されており、これらの条件が維持できない場合には、期限前弁済を行わなければならない可能性があり、その場合には当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、キャッシュ・マネージメント・システム等によるグループ資金の効率化を図り、有利子負債を圧縮するとともに、主要取引金融機関との関係強化に努めています。 (4)法的規制に関するリスク① 法的規制当社グループは、日本及び諸外国・地域において事業活動を行っており、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、個人情報保護、税制、会計制度、金融取引、内部統制等に関する法令・規制のほか、政府の許認可、電気通信事業及び電気製品の安全性に関する規制、国の安全保障に関する規制、輸出入規制等、幅広い法的規制の適用を受けています。これらの法令・規制は、国内外の政策動向、技術革新、市場環境の変化、国際情勢の変動等を背景として、強化・拡大又は新設される可能性があり、その内容や適用範囲によっては当社グループの事業活動に重要な影響を及ぼす場合があります。特に、環境規制、個人情報・データ保護規制、競争法・独占禁止法、安全保障・輸出管理関連規制等については、近年、国・地域ごとに規制の厳格化や運用の高度化が進んでおり、これらへの対応が事業運営上の制約となる可能性があります。また、新たな法令・規制の制定や既存規制の改正により、当社グループが従来想定していなかった追加的な義務や対応が求められる場合や、技術的・経済的観点から当該規制への対応が困難となる場合には、事業活動の一部が制限される、又は事業の見直しを余儀なくされる可能性があります。その結果として、法規制の遵守に要するコストの増加、開発・製造・販売プロセスの変更、投資判断への影響等が生じるおそれがあります。さらに、法令・規制の解釈や適用を巡って監督当局との見解の相違が生じた場合や、違反が指摘された場合には、是正措置、課徴金・罰金の支払、行政指導や制裁、社会的評価又はブランド価値への影響が生じる可能性があります。これらの法的規制に関するリスクは、発生の時期や内容、影響の範囲を事前に正確に予測することが困難であり、複数の国・地域にまたがって同時に顕在化する可能性があります。このような法的規制に関するリスクが顕在化した場合には、当社グループの事業運営の柔軟性や収益性に影響を及ぼし、結果として、当社グループの事業、業績及び財務状況に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、事業活動に纏わる全ての関連法規に基づき、それらに則ったプロセスや結果となっているか厳重なチェック体制を維持するとともに、現場管理者向け研修等を定期的に実施して、その重要性を現場に浸透させ、対応を進めることに努めています。 ② コンプライアンス当社グループは、日本及び諸外国・地域において事業活動を行っており、各国の法令・諸規制、業界ルール、契約上の義務及び社内規則等、遵守すべき事項は多岐にわたっています。これらの内容は、国・地域ごとの制度差に加え、事業内容や業態の高度化・多様化、国際的な事業展開の拡大等にともない、年々複雑化する傾向にあります。このような環境下においては、役員・従業員による法令・規制又は社内規則の認識不足、判断の誤り、不適切な行為、又は意図しない違反が発生する可能性を完全に排除することは困難であり、特に、海外拠点や委託先等を含むグループ全体においては、統一的な運用や十分な管理が行き届かない場合があります。また、業務のデジタル化や外部パートナーとの連携拡大等により、従来想定していなかった形でコンプライアンス上の問題が顕在化する可能性もあります。コンプライアンス違反が発生した場合には、行政指導や処分、課徴金・罰金の支払、訴訟の提起といった直接的な影響にとどまらず、社会的信用の低下、ブランド価値の毀損、取引先や顧客との関係悪化、人材採用や従業員の士気への影響等、当社グループの事業活動に中長期的な悪影響を及ぼす可能性があります。特に、重大な違反が発生した場合や、複数の国・地域にまたがって問題が顕在化した場合には、その影響が想定以上に拡大するおそれがあります。これらのコンプライアンスに関するリスクは、発生の時期や内容、影響の範囲及び規模を事前に正確に予測することが困難であり、当社グループの想定を超える形で顕在化した場合には、当社グループの事業、業績及び財務状況に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクに対応するため、「JVCケンウッドグループ コンプライアンス行動基準」及び関連規程を整備し、その継続的な見直しを行うとともに、内部通報制度や外部通報窓口の整備・運用、グループ全体を対象としたコンプライアンス研修等を通じて、コンプライアンス意識の浸透とリスク低減に取り組んでいます。 ③ 知的財産権現在、他社から使用許諾を受けている特許等の知的財産権について、将来使用できなくなったり、条件が不利に変更されたりすることで、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、意図せず第三者の知的財産権を侵害することにより、訴訟その他解決に係る費用の増加、製品差し止めによる事業損失、損害賠償責任、当社グループの評判、ブランド価値の低下を引き起こすリスクがあります。さらに、当社グループが保有する知的財産権が第三者により侵害された場合、当該侵害行為への対応に係る費用の発生、ライセンス機会の逸失、ブランド価値の毀損等により、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼすリスクがあります。当該リスクに対し、当社グループは、本社知的財産部が中心となり、他社知的財産権を侵害しないための管理体制の構築・運用等に加え、当社グループが保有する知的財産権の適切な保護・活用のため、侵害の監視や権利行使等の対応を行い、全社的に知的財産リスクの回避に取り組んでいます。 ④ 過重労働、安全配慮義務違反過重労働や安全配慮義務違反により、人材喪失や損害賠償責任等の直接的な損害が発生しうることに加え、当社グループに対する社会的評価の低下やブランドイメージ悪化につながるリスクがあります。当該リスクに対し、当社は日々の残業労働時間確認に加え、人事部門においても残業労働時間の全部門確認を行い、経営層との状況共有や対策実施を行っています。また、年休取得やストレスチェックの実施により従業員の健康維持に注力した取り組みを組織的に行っています。加えて、テレワークが増える昨今の状況を考慮し、PCログの取得や休日、深夜早朝時間帯における就労申請外勤務者のPCロック等のIT施策を加え就労状況の見える化に取り組んでいます。 ⑤ 環境保護について当社グループが事業活動を行う各国・地域においては、気候変動対応や資源循環等の推進を背景とした有害物質の使用制限・除去、廃棄物処理、製品リサイクル及び大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染等の環境関連法令及び規制が継続的に強化される傾向にあります。特に、RoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)やREACH(化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)等の有害物質規制については、対象物質の追加や規制内容の見直しが行われる可能性があり、当該リスクは短期(1年以内)から中期(数年以内)にかけて顕在化する可能性があると認識しています。また、製造工程、保管・輸送過程等における不測の事故や管理上の不備により、環境基準を超過して制限物質が自然環境へ放出されるリスクについても、完全に排除することは困難であり、一定の確率で顕在化する可能性があります。 当該リスクが顕在化した場合、環境規制への対応強化にともなう設備投資、製品設計変更、代替材料採用等によるコスト増加、環境事故や法令違反に起因する修復・浄化費用、罰金、損害賠償等の発生、工場跡地等における土壌・地下水汚染への対応にともなう追加費用の発生や、当該資産の売却価格低下・資産価値減少、ブランド価値や社会的評価の低下による顧客離れ等の間接的影響が生じる可能性があります。これらにより、売上高の減少、営業利益の減少、特別損失の計上等を通じて、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、地球環境保全を念頭に適宜改正される製品及び事業所の環境関連法令への対応に努めており、必要な情報を常に収集し、当社の製品及びサービスへの対応を図っています。また、気候変動をはじめとした中長期的な視点での環境関連リスクと機会の特定を行い、当社の事業への影響とその対応について継続した検討、開示を行っています。今後も、環境関連リスクの低減及び持続可能な事業運営の実現に向け、対応策の継続的な見直しと管理体制の強化に努めてまいります。 (5)災害等に関するリスク① 自然災害、人的災害当社グループは、日本国内及び東南アジア・中国地区をはじめとして海外にも生産拠点を保有し、各国の営業拠点等を通じて世界中のお客様に製品を供給しています。そのため、予測が難しい自然災害(地震、津波、洪水等)、感染症によるパンデミック等、又は火災や爆発、輸送機関の事故及び戦争、騒乱、騒擾等の人的災害が発生した場合には、当社グループの拠点の施設や設備又は従業員が損害を被り、事業活動が中断され、更には当社グループの拠点のみならず、部品調達先や取引先、ロジスティクスを含めて操業、就労が中断され、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。東南アジアでは毎年の雨季に洪水リスクが高まり、日本では南海トラフ地震の今後30年以内の発生確率についても危険度や発生の切迫性は低下していません。また、台湾海峡や中東情勢等の地政学リスクについては、2026年2月28日に米国・イスラエルによるイランとの軍事衝突が勃発し、中東全域で緊迫した状態が続いています。加えて、台湾海峡においてもリスクが顕在化する可能性を認識しています。これらのリスクの顕在化により、生産拠点の操業停止やサプライチェーンの寸断、原材料・エネルギー価格高騰によるコスト増加が生じ、重大災害時には売上の減少や特別損失の計上など、当社グループの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対し、当社グループは、危機対応を想定した各種マニュアルを整備し、有事に備えて防災訓練・事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)訓練、安否確認訓練を実施し、日頃から役員・従業員の防災意識向上に取り組んでいます。このような当社グループ一体となった事業継続、保険付保を含む災害からの早期復旧と、生産・出荷・サービス提供の迅速な再開など、リスク最小化に向けた事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)を進めています。また、国内外の工場においても該当国の規制を遵守し、稼働停止による当社グループに対する影響を最小限に抑える活動を推進しています。しかしながら、感染症や自然災害、人的災害の発生などに対しては、一企業グループとして最善と考えられる施策を展開した場合でも、そのリスクを完全に回避することは困難であり、当社の想定を上回る被害が生じた場合等においては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

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